(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法、表示プログラム
(51)【国際特許分類】
G06T 11/80 20060101AFI20240228BHJP
【FI】
G06T11/80 A
(21)【出願番号】P 2019134102
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2022-05-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小久保 厚
【審査官】村松 貴士
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-012212(JP,A)
【文献】特開2012-185805(JP,A)
【文献】特開2001-243490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/60 - 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のレイヤのそれぞれに描画された画像を重畳した重畳画像を表示させる表示制御部と、
指定された色の画像が入力されると、前記画像を、前記複数のレイヤのうち、前記指定された色と対応付けられたレイヤに描画させるレイヤ生成部と、
保存の対象とする色及び保存を禁止する色を指定するための指定画面を前記表示制御部により表示させ、前記指定画面において指定された、前記保存の対象とする色を前記複数のレイヤのうちの自動保存用のレイヤと対応付け、前記保存を禁止する色を前記複数のレイヤのうちの保存禁止レイヤと対応付ける色指定部と、
前記自動保存用のレイヤに描画された画像の画像データを、所定の間隔でレイヤ記憶部に保存するレイヤ保存部と、
前記複数のレイヤの重畳画像の保存指示を受け付けた場合に、前記重畳画像から、前記保存禁止レイヤ以外のレイヤに描画された重畳画像を示す重畳画像データを生成し、ページ記憶部に格納するページ生成部と、を有する、表示装置。
【請求項2】
前記レイヤ生成部は、
前記複数のレイヤのうち、前記指定された色と対応付けられたレイヤ以外の他のレイヤに描画された画像が選択されて、選択された画像の色が、前記指定された色に変更された場合に、
前記他のレイヤから、前記選択された画像を消去し、前記指定された色の前記選択された画像を、前記指定された色と対応付けられたレイヤに描画させる、請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記レイヤ生成部は、
前記保存の対象とする色と対応付けられた前記自動保存用のレイヤに描画された画像と、背景画像とを重畳した画像データを生成し、
前記レイヤ保存部は、
前記レイヤ生成部によって生成された画像データを、所定時間毎に前記レイヤ記憶部に保存する、請求項1又は2記載の表示装置。
【請求項4】
表示装置による表示方法であって、前記表示装置が、
複数のレイヤのそれぞれに描画された画像を重畳した重畳画像を表示させる手順と、
指定された色の画像が入力されると、前記画像を、前記複数のレイヤのうち、前記指定された色と対応付けられたレイヤに描画させる手順と
、
保存の対象とする色及び保存を禁止する色を指定するための指定画面を前記表示装置に表示させ、前記指定画面において指定された、前記保存の対象とする色を前記複数のレイヤのうちの自動保存用のレイヤと対応付け、前記保存を禁止する色を前記複数のレイヤのうちの保存禁止レイヤと対応付ける手順と、
前記自動保存用のレイヤに描画された画像の画像データを、所定の間隔でレイヤ記憶部に保存する手順と、
前記複数のレイヤの重畳画像の保存指示を受け付けた場合に、前記重畳画像から、前記保存禁止レイヤ以外のレイヤに描画された重畳画像を示す重畳画像データを生成し、ページ記憶部に格納する手順と、を実行する表示方法。
【請求項5】
複数のレイヤのそれぞれに描画された画像を重畳した重畳画像を表示し、
指定された色の画像が入力されると、前記画像を、前記複数のレイヤのうち、前記指定された色と対応付けられたレイヤに描画させ
、
保存の対象とする色及び保存を禁止する色を指定するための指定画面に表示させ、前記指定画面
において指定された前記保存の対象とする色を前記複数のレイヤのうちの自動保存用のレイヤと対応付け、前記保存を禁止する色を前記複数のレイヤのうちの保存禁止レイヤと対応付け、
前記自動保存用のレイヤに描画された画像の画像データを、所定の間隔でレイヤ記憶部に保存し、
前記複数のレイヤの重畳画像の保存指示を受け付けた場合に、前記重畳画像から、前記保存禁止レイヤ以外のレイヤに描画された重畳画像を示す重畳画像データを生成し、ページ記憶部に格納する、処理をコンピュータに実行させる表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法、表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、画面に手書きで入力された画像を表示させる表示装置が知られている。この表示装置では、ユーザによって、画面に表示された画像データの保存を指示する操作が行われると、この画像データが保存される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述した従来の表示装置では、保存の操作を忘れて電源をオフした場合や、他の画像データを表示させた場合等には、画面の表示された内容が保存されず、ユーザの意図に反して、画面に表示された内容(情報)が消去されてしまう。
【0004】
開示の技術は、意図に反した情報の消去を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
開示の技術は、複数のレイヤのそれぞれに描画された画像を重畳した重畳画像を表示させる表示制御部と、指定された色の画像が入力されると、前記画像を、前記複数のレイヤのうち、前記指定された色と対応付けられたレイヤに描画させるレイヤ生成部と、保存の対象とする色及び保存を禁止する色を指定するための指定画面を前記表示制御部により表示させ、前記指定画面において指定された、前記保存の対象とする色を前記複数のレイヤのうちの自動保存用のレイヤと対応付け、前記保存を禁止する色を前記複数のレイヤのうちの保存禁止レイヤと対応付ける色指定部と、前記自動保存用のレイヤに描画された画像の画像データを、所定の間隔でレイヤ記憶部に保存するレイヤ保存部と、前記複数のレイヤの重畳画像の保存指示を受け付けた場合に、前記重畳画像から、前記保存禁止レイヤ以外のレイヤに描画された重畳画像を示す重畳画像データを生成し、ページ記憶部に格納するページ生成部と、を有する、表示装置である。
【発明の効果】
【0006】
意図に反した情報の消去を抑制する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図3】第一の実施形態の電子黒板の機能構成を説明する図である。
【
図4A】第一の実施形態電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する第一の図である。
【
図4B】第一の実施形態電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する第二の図である。
【
図5】第一の実施形態のページデータを説明する図である。
【
図6】第一の実施形態の自動保存用の画像データを説明する図である。
【
図7】第一の実施形態の電子黒板の動作を説明する第一のフローチャートである。
【
図8】第一の実施形態の色の指定画面の一例を示す図である。
【
図9】第一の実施形態の電子黒板の動作を説明する第二のフローチャートである。
【
図10】第一の実施形態の自動保存について説明する第一の図である。
【
図11】第一の実施形態の自動保存について説明する第二の図である。
【
図12】第一の実施形態の自動保存について説明する第三の図である。
【
図13】第二の実施形態電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する図である。
【
図14】第二の実施形態の電子黒板の機能構成を説明する図である。
【
図15】第二の実施形態の電子黒板の動作を説明するフローチャートである。
【
図16】第二の実施形態の色の指定画面の一例を示す図である。
【
図17】電子黒板を含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図18】第三の実施形態の情報処理システムを説明する図である。
【
図19】情報処理システムの変形例を示す第一の図である。
【
図20】情報処理システムの変形例を示す第二の図である。
【
図21】情報処理システムの変形例を示す第三の図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第一の実施形態)
以下に図面を参照して、本実施形態について説明する。
図1は、電子黒板について説明する図である。
【0009】
本実施形態の電子黒板200は、近距離通信回路219、電源スイッチ222、ディスプレイ280、カメラ260を有する。電子黒板200は、電源スイッチ222が押下されると、後述する表示制御部が、ディスプレイ280に、電子ペンやユーザの指によって描画が可能な描画画面を表示させる。したがって、電子黒板200は、表示装置の一例であり、ディスプレイ280は、表示装置の表示部の一例である。
【0010】
また、本実施形態の電子黒板200は、ディスプレイ280に描画された画像のうち、予め指定された色の画像を、指定された色と対応付けられたレイヤに描画する。そして、電子黒板200は、色と対応付けられたレイヤに描画された画像を、ディスプレイ280に表示された画面の内容の保存を指示する操作の有無に拘わらず、自動的に保存する。
【0011】
したがって、本実施形態では、ユーザの保存操作のし忘れ等の、意図に反した情報の消去を抑制することができる。
【0012】
以下に、
図2を参照して、本実施形態の電子黒板200のハードウェア構成について説明する。
図2は、電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2は、電子黒板のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、電子黒板2は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
【0013】
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0014】
ネットワークI/F205は、通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0015】
また、電子黒板200は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0016】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。
GPU212は、CPU201に内蔵されてよいし、CPU201と統合されていてもよい。
【0017】
ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。
【0018】
接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0019】
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NF(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0020】
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0021】
尚、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0022】
また、本実施形態では、カメラ260は、ディスプレイ280に電子ペン290や手Hが接近したことを検出する近接センサの一例としたが、電子黒板200は、近接センサとして、投影型静電容量方式タッチパネルや赤外線センサ等を有していても良い。
【0023】
次に、
図3を参照して、本実施形態の電子黒板200の機能構成について説明する。
図3は、電子黒板の機能構成を説明する図である。
【0024】
本実施形態の電子黒板200は、ページ記憶部320、レイヤ記憶部330、入力部341、ページ生成部342、表示制御部343、色指定部344、レイヤ生成部345、レイヤ保存部346を有する。
【0025】
本実施形態のページ記憶部320、レイヤ記憶部330は、例えば、RAM203、SDD204、またはUSBメモリ230によって構築される。また、本実施形態の入力部341、ページ生成部342、表示制御部343、色指定部344、レイヤ生成部345、レイヤ保存部346は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、SSD204からRAM203上に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能、または機能する手段である。
【0026】
ページ記憶部320は、電子黒板200のディスプレイ280に表示されるページデータが記憶される。ページ記憶部320に記憶されるページデータは、例えば、ディスプレイ280において描画されたストローク画像を示すストローク画像データであっても良いし、外部から取得した画像データであっても良い。
【0027】
ストローク画像とは、電子黒板200のディスプレイ280に対して、電子ペン290やユーザの指等を用いて手書きで入力された一画毎の軌跡の画像である。
【0028】
また、ページデータは、ディスプレイ280に表示された画像と、ディスプレイ280に入力されたストローク画像とを重畳した重畳画像の画像データであっても良い。ディスプレイ280に表示される画像データの詳細は後述する。
【0029】
レイヤ記憶部330は、ディスプレイ280に表示された重畳画像に含まれる特定のレイヤに描画されたストローク画像データが記憶される。
【0030】
具体的には、特定のレイヤとは、ディスプレイ280に手書き又は電子ペン290によって描画されたストローク画像のうち、色指定部344によって指定された色のストローク画像が描画されるレイヤである。言い換えれば、特定のレイヤとは、色指定部344によって指定された色と対応付けられたレイヤである。
【0031】
レイヤ記憶部330には、特定のレイヤに、指定された色で描画されたストローク画像の画像データが記憶される。尚、特定のレイヤに、指定された色で描画される画像はストローク画像以外の画像であっても良い。例えば、特定のレイヤには、指定された色のスタンプ画像が描画されても良い。スタンプ画像とは、例えば、文字に加え、気持ちやメッセージをイラストで表した画像である。
【0032】
入力部341は、ディスプレイ280に対して手書き入力された文字や画像を示すストローク画像や、ディスプレイ280に設けられたタッチパネルに表示された画像の画像データ等を取得する。
【0033】
また、入力部341は、カメラ260により撮影された動画データ等を取得する。本実施形態では、動画データは、画像データに含まれる。また、入力部341は、電子黒板200に対する各種の指示を受け付ける。また、入力部341は、PC270等から出力され、電子黒板200に入力される入力画像データ等を取得する。
【0034】
ページ生成部342は、ディスプレイ280に表示された1ページの画像(表示画像)の画像データを取得する。また、ページ生成部342は、1ページの画像にストローク画像が入力された場合には、ストローク画像を示すストローク画像データを取得する。
【0035】
具体的には、ページ生成部342は、ディスプレイ280に入力された入力画像やストローク画像等を重畳させた重畳画像の画像データを取得し、ページ記憶部320に格納する。尚、ページ生成部342は、ディスプレイ280に対してストローク画像が入力されていない場合には、ディスプレイ280に表示された画像を画像データとする。
【0036】
また、ページ生成部342は、ディスプレイ280に対してストローク画像が入力された場合には、ストローク画像を示すストローク画像データを画像データとして、ページ記憶部320に格納する。
【0037】
このように、本実施形態のページ生成部342は、ディスプレイ280に表示された画像データや、ディスプレイ280に入力されたストローク画像を示すストローク画像データから、ページデータを生成する生成部である。
【0038】
表示制御部343は、ディスプレイ280に対する各種の表示を制御する。具体的には、例えば、表示制御部343は、自動的に保存するストローク画像の色を指定するための指定画面をディスプレイ280に表示させる。
【0039】
色指定部344は、表示制御部343に対し、色を指定するための画面の表示を指示する。そして、色指定部344は、ディスプレイ280において、色が指定されると、レイヤ生成部345に対し、指定された色を通知する。また、色指定部344は、ディスプレイ280に表示される重畳画像に含まれるレイヤに対して、指定された色を対応付ける。尚、色指定部344は、予め容易されたレイヤに対して、指定された色を対応付けても良いし、色が指定されると、この色と対応付けられるレイヤを生成しても良い。
【0040】
レイヤ生成部345は、入力されたストローク画像が指定された色であるか否かを判定し、指定された色であった場合、このストローク画像を、指定された色と対応付けられたレイヤに描画する。このレイヤは、指定された色のストローク画像が描画されるレイヤであり、このレイヤに描画されたストローク画像は自動的に保存される。
【0041】
また、レイヤ生成部345は、指定された色のストローク画像が描画されたレイヤと、背景画像を表示させるレイヤとを重畳させた画像データを生成する。以下の説明では、レイヤ生成部345によって生成された画像データを、自動保存用の画像データと表現する場合がある。また、以下の説明では、自動保存用の画像データを示す画像を、自動保存用画像と呼ぶ場合がある。
【0042】
また、レイヤ生成部345は、指定された色以外の色のストローク画像が選択されて、このストローク画像の色が指定された色に変更された場合には、色が変更されたストローク画像を自動保存用のレイヤに描画する。
【0043】
レイヤ保存部346は、レイヤ生成部345によって生成された自動保存用の画像データをレイヤ記憶部330に保存する。
【0044】
次に、
図4A、
図4Bを参照して、ディスプレイ280に表示される画像について説明する。
図4Aは、第一の実施形態の電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する第一の図である。
図4Bは、第一の実施形態の電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する第二の図である。
【0045】
図4Aの(A)は、重畳される画像を説明する図であり、
図4Aの(B)は、重畳画像の一例を示す図である。
図4Bは、自動保存用画像の一例を示す図である。
【0046】
本実施形態の電子黒板200において、表示制御部343は、入力部341により取得される入力画像や、ストローク画像、UI(User Interface)画像及び背景画像を予め指定されたレイアウトにしたがって重畳して表示させる。
【0047】
尚、UI画像とは、予め設定された画像である。また、背景画像は、例えば、無地の画像やグリッド線を含む画像等であり、重畳画像に含まれるメディアデータである。メディアデータとは、背景画像をディスプレイ280に表示させるためのデータである。
【0048】
表示制御部343は、
図4Aに示すように、UI画像を表示させるためのレイヤ41、指定された色のストローク画像を表示させるためのレイヤ42、ストローク画像を表示させるためのレイヤ43、PCから出力されて電子黒板200に入力される入力画像を表示させるレイヤ44、背景画像を表示させるためのレイヤ45を有する。
【0049】
レイヤ42は、色指定部344によって指定された色と対応付けられたレイヤであり、レイヤ生成部345に指定された色のストローク画像が描画される自動保存用のレイヤである。
【0050】
本実施形態では、レイヤ生成部345は、レイヤ42と、レイヤ45とを重畳した画像データを生成して自動保存用の画像データとし、レイヤ保存部346は、自動保存用の画像データをレイヤ記憶部330に保存する。
【0051】
また、本実施形態の表示制御部343は、電子黒板200のユーザからディスプレイ280を見たとき、レイヤ41が1層目、レイヤ42が2層目、レイヤ43が3層目、レイヤ44が4層目、レイヤ45が5層目となるように、各レイヤを重畳させる。
【0052】
そして、表示制御部343は、UI画像の画像データ(UI画像データ)、指定された色のストローク画像データ、指定された色以外のストローク画像データ、入力画像の画像データ(入力画像データ)、背景画像の画像データ(背景画像データ)を合成することで、4層の重畳画像40の画像データを生成する。
【0053】
つまり、本実施形態の重畳画像40とは、
図4Aの(B)に示すように、ディスプレイ280の各レイヤに表示された画像を合成した画像である。
【0054】
また、本実施形態の自動保存用画像40Aとは、
図4Bに示すように、ディスプレイ280のレイヤ42に表示されたストローク画像データとレイヤ45に表示された背景画像データとを重畳した画像である。
【0055】
次に、
図5を参照して、本実施形態のページ記憶部320に格納されるページデータについて説明する。
図5は、第一の実施形態のページデータを説明する図である。
【0056】
本実施形態の電子黒板200のページ生成部342は、
図5に示すような構造のページデータを生成して、ページ記憶部320に格納しても良い。
【0057】
本実施形態のページデータは、情報の項目として、ページデータID、開始時刻、終了時刻、ストローク配列データID、メディアデータIDを有する。
【0058】
項目「開始時刻」の値は、ページの表示が開始された時刻を示す。項目「終了時刻」の値は、ページデータの更新が終了した時刻を示す。項目「ストローク配列データID」の値は、ストローク画像の入力により生成されたストローク配列データを識別するための識別情報を示す。本実施形態のストローク配列データは、特定の形状を示す点群の座標情報を含む。つまり、本実施形態のストローク配列データが、一画毎の軌跡を示す点群であるストローク情報である。
【0059】
項目「メディアデータID」の値は、メディアデータを識別するための識別情報を示す。メディアデータとは、背景画像をディスプレイ280に表示させるためのデータである。
【0060】
このように、本実施形態では、ページデータを保存する際に、入力されたストローク画像をディスプレイ280に表示させるためのストローク配列データを、ページデータと対応付ける。
【0061】
また、本実施形態では、ストローク画像が入力されなかった場合には、ページデータと対応付けられるストローク配列データが存在しないため、ページデータにおける項目「ストローク配列データID」の値が空欄となる。
【0062】
例えば、
図5の例では、ページデータID「pg001」は、ストローク配列データID「st001」と対応付けられている。したがって、ページデータID「pg001」の元となる重畳画像には、ストローク画像が含まれることがわかる。
【0063】
また、
図5の例では、ページデータID「pg002」は、ストローク配列データIDの値が入力されていない。したがって、ページデータID「pg002」の元となる重畳画像には、ストローク画像が含まれないことがわかる。
【0064】
次に、
図6を参照して、本実施形態のレイヤ記憶部330に格納される自動保存用の画像データについて説明する。
図6は、第一の実施形態の自動保存用の画像データを説明する図である。
【0065】
本実施形態のレイヤ生成部345は、
図6に示すような構造の画像データを生成して、レイヤ記憶部330に格納しても良い。
【0066】
本実施形態の自動保存用の画像データは、情報の項目として、データID、ページデータID、ストローク配列データID、メディアデータIDを有し、項目「データID」と、その他の項目とが対応付けられている。
【0067】
項目「データID」の値は、自動保存用の画像データを特定するための識別情報である。項目「ページデータID」の値は、自動保存用のレイヤ42が含まれるページデータを特定するための値である。項目「ページデータID」の値は、レイヤ42が含まれるページデータの保存を指示する操作が行われ、レイヤ42が含まれるページデータがページ記憶部320に格納されている場合に付与される値である。
【0068】
項目「ストローク配列データID」の値は、指定された色のストローク画像の入力により生成されたストローク配列データを識別するための識別情報を示す。
【0069】
項目「メディアデータID」の値は、指定された色のストローク画像が入力されたときに表示されていたメディアデータを識別するための識別情報を示す。
【0070】
図6の例では、データID「R01」で特定される自動保存用の画像データは、ページデータID「pg001」で特定されるページデータと対応付けられている。したがって、データID「R01」で特定される自動保存用の画像データを含むページデータは、ページデータの保存を指示する操作によって保存されていることがわかる。
【0071】
また、データID「R01」で特定される自動保存用の画像データは、ストローク配列データID「st101」で特定されるストローク画像と、メディアデータID「m001」で特定される背景画像とが重畳された画像データであることがわかる。
【0072】
これに対し、データID「R02」で特定される自動保存用の画像データと対応するページデータIDの値は、空である。したがって、データID「R02」で特定される自動保存用の画像データを含むページデータの保存を指示する操作は行われなかったことがわかる。
【0073】
また、データID「R02」で特定される自動保存用の画像データは、ストローク配列データID「st103」で特定されるストローク画像と、メディアデータID「m003」で特定される背景画像とが重畳された画像データであることがわかる。
【0074】
次に、
図7を参照して、本実施形態の電子黒板200の動作について説明する。
図7は、第一の実施形態の電子黒板200の動作を説明する第一のフローチャートである。
【0075】
本実施形態の電子黒板200は、入力部341により、ストローク画像の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS701)。ステップS701において、ストローク画像の入力を受け付けていない場合、ストローク画像の入力を受け付けるまで待機する。
【0076】
ステップS701において、ストローク画像の入力を受け付けた場合、電子黒板200は、レイヤ生成部345により、入力されたストローク画像が指定された色であるか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702において、指定された色でない場合、後述するステップS708へ進む。
【0077】
ステップS702において、ストローク画像が指定された色である場合、レイヤ生成部345し、入力されたストローク画像を、自動保存用のレイヤに描画する(ステップS703)。
【0078】
続いて、電子黒板200は、所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS704)。ステップS704において、所定時間が経過していない場合、電子黒板200は、ステップS701へ戻る。ステップS704において、所定時間が経過した場合、電子黒板200は、レイヤ生成部345により、自動保存用のレイヤ(レイヤ42)の背景画像のレイヤ(レイヤ45)を重畳した自動保存用の画像データを生成し、レイヤ保存部346により、レイヤ記憶部330に格納する(ステップS705)。
【0079】
続いて、電子黒板200は、入力部341により、ページ全体の保存指示の操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS706)。ステップS706において、保存指示を受け付けた場合、電子黒板200は、ページ生成部342により、全てのレイヤを重畳したページデータを生成してページ記憶部320に格納し(ステップS707)、処理を終了する。
【0080】
また、ステップS702において、入力されたストローク画像が指定された色のストローク画像でない場合、電子黒板200は、ストローク画像を表示させるためのレイヤ(レイヤ43)に描画し、ステップS706へ進む。
【0081】
このように、本実施形態では、自動保存用のレイヤに描画されたストローク画像は、ページデータの保存指示の有無に関わらず、自動的に保存される。
【0082】
このため、例えば、ユーザは、重要な事項等は指定された色のストローク画像で入力することで、ページデータの保存をし忘れた場合等であっても、保存したい内容を保存することができる。
【0083】
尚、
図7の例では、指定された色のストローク画像が入力される度に、自動保存用の画像データを生成してレイヤ記憶部330に保存するものとしたが、これに限定されない。本実施形態では、例えば、一定時間毎に、自動保存用の画像データを生成して、レイヤ記憶部330に保存しても良い。
【0084】
つまり、本実施形態では、レイヤ生成部345は、所定の間隔で自動保存用の画像データを生成し、レイヤ保存部346によってレイヤ記憶部330に保存すれば良い。
【0085】
言い換えれば、所定の間隔とは、指定された色のストローク画像が入力されてから、次に指定された色のストローク画像が入力されるまでの間隔としても良いし、予め決められた間隔であっても良い。
【0086】
尚、本実施形態では、指定された色で入力された画像であれば、ストローク画像以外の画像であっても、自動保存用のレイヤ42に描画されても良い。ストローク画像以外の画像とは、例えば、スタンプ画像等である。
【0087】
以下に、
図8を参照して、本実施形態のストローク画像の色の指定について説明する。
図8は、第一の実施形態の色の指定画面の一例を示す図である。
図8に示す画面81は、例えば、ディスプレイ280に表示される。
【0088】
画面81では、自動保存の対象とする色の指定を促すメッセージ82と、色の一覧83とが表示される。
図8の例では、一覧83において、「赤」と「青」が選択されているため、電子黒板200は、赤色で入力されたストローク画像と、青色で入力されたストローク画像とは、自動的に保存される。言い換えれば、画面81で指定された色は、色指定部344によって、自動保存用のレイヤ42と対応付けられる。
【0089】
尚、
図8の例では、複数の色が指定される場合を説明したが、指定される色は一色であっても良い。
【0090】
また、本実施形態では、指定された色以外の色で描画されたストローク画像の色を、指定された色に変更することができる。色が指定された色に変更されたストローク画像は、ストローク画像を描画するためのレイヤ42から消去されて、自動保存用のレイヤ42に描画される。
【0091】
以下に、その処理を説明する。
図9は、第一の実施形態の電子黒板の動作を説明する第二のフローチャートである。
【0092】
本実施形態の電子黒板200は、入力部341により、ディスプレイ280において、色の変更を行うストローク画像の選択を受け付けたか否かを判定する(ステップS901)。ステップS901において、ストローク画像の選択を受け付けない場合、ストローク画像の選択を受け付けるまで待機する。
【0093】
ステップS901において、色の変更を行うストローク画像の選択を受け付けると、レイヤ生成部345は、選択されたストローク画像の色を指定された色へ変更する(ステップS902)。
【0094】
続いて、レイヤ生成部345は、選択されたストローク画像を、自動保存用のレイヤ42に描画し(ステップS903)、ストローク画像を表示するためのレイヤ43から、選択されたストローク画像を消去して(ステップS904)、処理を終了する。
【0095】
以下に、
図10乃至
図12を参照して、ストローク画像の色を変更して自動保存する場合について説明する。
【0096】
図10は、第一の実施形態の自動保存について説明する第一の図である。
図10(A)は、ディスプレイ280に表示されている重畳画像40-1を示し、
図10(B)は、重畳画像40-1に含まれるレイヤ42-1とレイヤ43-1を示す。
【0097】
重畳画像40-1では、文字「ABC」を示すストローク画像は、指定された色で描画されているため、レイヤ42-1に描画されている。また、重畳画像40-1では、文字「DEF」を示すストローク画像は、指定された色以外の色で描画されているため、レイヤ43-1に描画されている。
【0098】
図11は、第一の実施形態の自動保存について説明する第二の図である。
図11(A)は、ディスプレイ280に表示されている重畳画像40-2を示し、
図11(B)は、重畳画像40-2に含まれるレイヤ42-2とレイヤ43-3を示す。
【0099】
重畳画像40-2では、重畳画像40-1において、文字「D」を示すストローク画像が、色の変更を行うストローク画像に選択されて、指定された色のストローク画像に変更された状態を示している。
【0100】
この場合、文字「D」を示すストローク画像は、指定された色のストローク画像となるため、自動保存用のレイヤ42-2に描画さる。また、レイヤ43-2では、色の変更を行う前のレイヤ43-1で描画されていた文字「D」が消去される。
【0101】
尚、本実施形態では、自動保存用のレイヤやストローク画像を表示するためのレイヤを複数設けても良い。
図12は、第一の実施形態の自動保存について説明する第三の図である。
【0102】
図12の例では、重畳画像40-3は、自動保存用のレイヤ42-3、42-4と、ストローク画像を表示するためのレイヤ43-3、43-4と、を含む。
【0103】
レイヤ42-3、42-4は、指定された複数の色毎に対応付けられた自動保存用のレイヤである。具体的には、レイヤ42-3は、赤色のストローク画像が描画され、レイヤ42-4は、青色のストローク画像が描画される。
【0104】
また、
図12の例では、ストローク画像を表示するためのレイヤ43-3、43-4は、色毎に設けられている。具体的には、例えば、レイヤ43-3は、緑色のストローク画像が描画されるレイヤであり、レイヤ43-4は、黒色のストローク画像が描画されるレイヤである。本実施形態では、このように、色毎に描画されるレイヤを分けても良い。
【0105】
このように、本実施形態では、自動保存用のレイヤ42を設け、自動保存用のレイヤ42と対応付けられた色で描画されたストローク画像を自動的に保存する。より具体的には、本実施形態では、指定された色で描画されたストローク画像を、自動保存用のレイヤに描画し、このレイヤと背景画像のレイヤとを重畳させた画像データを自動的に保存する。
【0106】
したがって、本実施形態によれば、保存のし忘れ等によって、ユーザの意図に反して情報が消去されることを防止できる。
【0107】
また、本実施形態では、指定された色で入力されたストローク画像を、自動保存用のレイヤに描画し、自動保存用のレイヤの画像を保存するため、自動保存されたストローク画像データを読み出す場合には、自動保存用のレイヤの画像データを読み出すだけで良く、読み出し処理の負荷を軽減させることができる。
【0108】
(第二の実施形態)
以下に図面を参照して、第二の実施形態について説明する。第二の実施形態では、ページデータの保存の指示が行われた場合でも、描画されたストローク画像が保存されないレイヤを設ける点が、第一の実施形態と相違する。よって、以下の第二の実施形態の説明では、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の機能構成を有するものには、第一の実施形態の説明で用いた符号と同様の符号を付与し、その説明を省略する。
【0109】
図13は、第二の実施形態電子黒板のディスプレイに表示される画像について説明する図である。
【0110】
図13(A)は、重畳される画像を説明する図であり、
図13(B)は、重畳画像の一例を示す図である。
【0111】
本実施形態では、UI画像を表示させるためのレイヤ41、自動保存用のレイヤ42、ストローク画像を表示させるためのレイヤ43、PCから出力されて電子黒板200に入力される入力画像を表示させるレイヤ44、背景画像のレイヤ45に加え、表示された画像の保存が禁止されたレイヤ42Aを含む。以下の説明では、ストローク画像の保存が禁止されたレイヤ42Aを、保存禁止レイヤ42Aと表現する場合がある。
【0112】
保存禁止レイヤ42Aに描画される画像は、例えば、予め指定された色のストローク画像やスタンプ画像等である。保存禁止レイヤ42Aに描画された画像は、ページデータを保存する際に、消去される。
【0113】
したがって、本実施形態では、ディスプレイ280に表示された重畳画像40Bは、ページデータとして保存した場合には、保存禁止レイヤ42Aに以外のレイヤを重畳した重畳画像として保存される。
【0114】
つまり、本実施形態では、ディスプレイ280に重畳画像40Bが表示されていた場合に、ページデータの保存指示を受け付けると、重畳画像40Bからストローク画像47を消去した重畳画像40(
図4Aの(B)参照)を示す重畳画像が保存される。
【0115】
したがって、本実施形態では、例えば、会議中等において、機密性の高い事柄を入力する場合には、保存が禁止される色に指定された色でストローク画像を入力することで、この情報の保存を禁止することができる。このため、例えば、本実施形態では、この会議中に保存されたページデータを議事録として出力する場合でも、保存を禁止する色で入力されたストローク画像は出力されず、機密性が高い部分を黒く塗りつぶす、というような手間が削減できる。
【0116】
図14は、第二の実施形態の電子黒板の機能構成を説明する図である。本実施形態の電子黒板200Aは、ページ記憶部320、レイヤ記憶部330、入力部341、ページ生成部342A、表示制御部343、色指定部344A、レイヤ生成部345、レイヤ保存部346を有する。
【0117】
本実施形態のページ生成部342Aは、描画消去部349を有する。描画消去部349は、ページデータを生成する際に、保存を禁止する色として指定された色の画像を消去する。言い換えれば、描画消去部349は、ページデータを生成する際に、レイヤ42Aに描画されているストローク画像を消去する。
【0118】
本実施形態の色指定部344Aは、表示制御部343に対し、保存を禁止する色を指定するための画面の表示を指示する。そして、色指定部344は、ディスプレイ280において、色が指定されると、レイヤ生成部345に対し、保存が禁止される色を通知する。
【0119】
次に、
図15を参照して、本実施形態の電子黒板200Aの動作について説明する。
図15は、第二の実施形態の電子黒板の動作を説明するフローチャートである。
【0120】
図15のステップS1501からステップS1506までの処理は、
図7のステップS701からステップS706までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0121】
ステップS1502において、入力されたストローク画像が、自動保存する色として指定された色でない場合、電子黒板200Aは、入力されたストローク画像が、保存を禁止する色として指定された色のストローク画像であるか否かを判定する(ステップS1507)。
【0122】
ステップS1507において、保存が禁止された色である場合、レイヤ生成部345は、このストローク画像を保存禁止レイヤ42Aに描画し(ステップS1508)、ステップS1506へ進む。
【0123】
ステップS1508において、保存が禁止された色でない場合、レイヤ生成部345は、このストローク画像を、ストローク画像を表示するためのレイヤ43に描画し(ステップS1509)、ステップS1506へ進む。
【0124】
電子黒板200Aは、ステップS1506において、ページデータの保存指示を受け付けた場合、ページ生成部342Aは、描画消去部349により、保存禁止レイヤ42A以外のレイヤを重畳した重畳画像データを含むページデータをページ記憶部320に格納し(ステップS1510)、処理を終了する。
【0125】
本実施形態では、このように、描画されたストローク画像の保存を禁止する保存禁止レイヤを設け、保存禁止レイヤと対応付けられた色で描画されたストローク画像の保存を禁止することができる。
【0126】
以下に、
図16を参照して、本実施形態の色の指定画面について説明する。
図16は、第二の実施形態の色の指定画面の一例を示す図である。
【0127】
図16に示す画面81Aは、例えば、表示制御部343によってディスプレイ280に表示される。画面81Aでは、自動保存の対象とする色の指定を促すメッセージ82と、色の一覧83に加え、保存を禁止する対象とする色の指定を促すメッセージ84と、色の一覧85とが表示される。
【0128】
本実施形態では、一覧85から選択された色が、保存が禁止される色となる。
図16の例では、一覧85において、黄色が選択されている。したがって、色指定部344は、黄色で入力されたストローク画像を、保存が禁止されたストローク画像とする。言い換えれば、色指定部344は、黄色を保存禁止レイヤ42Aと対応付けられた色に設定する。
【0129】
このように、本実施形態によれば、機密性の高い情報が入力する場合には、保存が禁止された色のストローク画像として入力することで、入力したストローク画像をユーザが消去しなくても、消去され、ページデータとして保存されることがない。
【0130】
したがって、本実施形態によれば、例えば、会議中に議論された機密性の高い情報等の漏洩を抑制することができる。
【0131】
また、電子黒板200、200Aは、サーバ装置と通信を行うシステムに含まれていても良い。
【0132】
図17は、電子黒板を含む情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。情報処理システム500は、電子黒板(電子情報ボード)200と、サーバ装置550と、を有する。情報処理システム500において、電子黒板200とサーバ装置550とは、ネットワークを介して接続される。
【0133】
本実施形態の情報処理システム500において、電子黒板200は、電子黒板200の画面をキャプチャした画像データ(キャプチャ画像データ)、電子黒板200に対して手書き入力された文字や画像等を示すストローク画像データ、マイク等の集音装置よって集音された音声データ等を取得し、サーバ装置550に送信する。尚、本実施形態の電子黒板200は、取得した情報と対応付けて各種のデータを取得したときの日時を、サーバ装置550に送信しても良い。
【0134】
また、電子黒板200は、複数の端末装置と通信が可能であり、各端末装置から画像データや音声データを取得しても良い。この場合、電子黒板200に表示される画像は、複数の端末装置によって共有されても良く、電子黒板200は、複数の端末装置に共有される画面を表示させる共有端末となる。
【0135】
次に、
図18乃至
図21を参照して、上述した情報処理システムの変形例について説明する。
【0136】
図18は、情報処理システムの変形例を示す第一の図である。
図18の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600、画像投影装置700、ペン動作検出装置810を有する。
【0137】
端末装置600は、画像投影装置700及びペン動作検出装置810と有線で接続されている。
【0138】
画像投影装置700は、端末装置600により入力された画像データをスクリーン800に投影させる。
【0139】
ペン動作検出装置810は、電子ペン820と通信を行っており、スクリーン800の近傍における電子ペン820の動作を検出する。具体的には、電子ペン820は、スクリーン800上において、電子ペン820が示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。
【0140】
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820によって入力されるストローク画像を示すストローク画像データを生成し、画像投影装置700によってストローク画像をスクリーン800に描画させる。
【0141】
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0142】
図19は、情報処理システムの変形例を示す第二の図である。
図19の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600とディスプレイ800Aと、ペン動作検出装置810とを有する。
【0143】
ペン動作検出装置810は、ディスプレイ800Aの近傍に配置され、ディスプレイ800A上に、電子ペン820Aが示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。尚、
図13の例では、電子ペン820Aは、端末装置600によってUSBコネクタを介して充電されても良い。
【0144】
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820Aによって入力されるストローク画像の画像データを生成し、ディスプレイ800Aに表示させる。
【0145】
また、本実施形態の端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0146】
図20は、情報処理システムの変形例を示す第三の図である。
図20の例では、電子黒板200の代わりに、端末装置600と、画像投影装置700とを有する。
【0147】
端末装置600は、電子ペン820Bと無線通信(Bluetooth等)を行って、スクリーン800上において電子ペン820Bが示す点の座標情報を受信する。そして、端末装置600は、受信した座標情報に基づき、電子ペン820Bにより入力されるストローク画像の画像データを生成し、画像投影装置700によって、スクリーン800上にストローク画像を投影させる。
【0148】
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0149】
以上のように、上述した各実施形態は、様々なシステム構成において適用することができる。
【0150】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0151】
尚、本実施形態が適用される装置は、タッチ操作によって、オブジェクトを操作する機能を備えた表示装置であれば良く、電子黒板200に限定されにない。本実施形態が適用される装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0152】
また、実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0153】
ある実施形態では、第1の装置は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、第2の装置は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0154】
さらに、第1の装置および第2の装置は、
図7に示す処理のステップを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、第2の装置によって実行され得る。同様に、所定のユニットの機能は、第2の装置によって実行することができる。また、第1の装置と第2の装置の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0155】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0156】
200、200A 電子黒板
320 ページ記憶部
330 レイヤ記憶部
341 入力部
342、342A ページ生成部
343 表示制御部
344、344A 色指定部
349 描画消去部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0157】