(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20240228BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
H04N1/387 110
H04N1/387 200
G06T11/60 100A
(21)【出願番号】P 2020047387
(22)【出願日】2020-03-18
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】穐山 周平
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-140021(JP,A)
【文献】特開2012-160871(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/38- 1/393
G06F 3/12
G06T 11/60-11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
台紙を示す台紙データと、画像を示す画像データを前記台紙データに合成する位置を示す画像位置情報と、前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示すマスク範囲情報と、を記憶する記憶部と、
画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データ取得部が取得した前記画像データと前記台紙データとを、前記画像位置情報に基づいて合成し、前記マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して得られた合成画像を出力する出力部と、
台紙データを取得して前記記憶部に格納する台紙データ取得部と、
画像位置情報を取得して、前記台紙データに関連付けて前記記憶部に格納する画像位置情報取得部と、
マスク範囲情報を取得して、前記台紙データおよび前記画像位置情報に関連付けて前記記憶部に格納するマスク範囲情報取得部と、
を備える、
画像形成装置。
【請求項2】
前記画像位置情報は、複数の前記画像データを前記台紙データに合成する位置を示し、
前記マスク範囲情報は、複数の前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示し、
前記画像データ取得部は、複数の前記画像データを取得し、
前記出力部は、前記マスク範囲情報に基づいてマスク処理された複数の画像データと、前記台紙データと、を前記画像位置情報に基づいて合成する、
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記画像データ取得部は、書類またはカードをスキャンして画像を読み取り、読み取った前記画像を示す画像データを取得する、
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記台紙データ取得部は、台紙をスキャンして画像を読み取り、読み取った前記画像を示す台紙データを取得する、
請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像位置情報取得部は、前記台紙データ取得部が取得した前記台紙データと、前記画像データ取得部が取得した前記画像データと、を表示して、ユーザの操作を受けて、前記画像データの位置を決定して、決定された前記画像データの位置を示す画像位置情報を取得する、
請求項
1から4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記マスク範囲情報取得部は、前記画像位置情報取得部が取得した前記画像位置情報に基づいて、台紙データ取得部が取得した前記台紙データと、前記画像データ取得部が取得した前記画像データと、を合成した画像を表示して、ユーザの操作を受けて、前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示すマスク画像を表示して、表示された前記マスク画像に対応するマスク範囲情報を取得する、
請求項
1から
5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記マスク範囲情報取得部は、前記画像位置情報取得部が取得した前記画像位置情報に基づいて、台紙データ取得部が取得した前記台紙データと、前記画像データ取得部が取得した前記画像データと、を合成した画像と、前記記憶部に格納された前記マスク範囲情報に基づくマスク画像と、を表示して、ユーザの変更操作を受けて、表示された前記マスク画像の位置または大きさを変更して、変更された前記マスク画像に対応する変更後のマスク範囲情報を取得し、
前記出力部は、前記マスク範囲情報取得部が取得した変更後の前記マスク範囲情報に基づいて、前記マスク処理を実行する、
請求項
1から
6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
台紙を示す台紙データと、画像を示す画像データを前記台紙データに合成する位置を示す画像位置情報と、前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示すマスク範囲情報と、を記憶するコンピュータが、
画像データを取得し、
取得した前記画像データと前記台紙データとを、前記画像位置情報に基づいて合成し、前記マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して得られた合成画像を出力
し、
台紙データを取得し、
画像位置情報を取得して、前記台紙データに関連付け、
マスク範囲情報を取得して、前記台紙データおよび前記画像位置情報に関連付ける、
画像形成方法。
【請求項9】
台紙を示す台紙データと、画像を示す画像データを前記台紙データに合成する位置を示す画像位置情報と、前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示すマスク範囲情報と、を記憶するコンピュータに、
画像データを取得するステップと、
取得した前記画像データと前記台紙データとを、前記画像位置情報に基づいて合成し、前記マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して得られた合成画像を出力するステップと、
台紙データを取得するステップと、
画像位置情報を取得して、前記台紙データに関連付けるステップと、
マスク範囲情報を取得して、前記台紙データおよび前記画像位置情報に関連付けるステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自治体や企業等で扱う書類には、個人情報や社外秘の情報などの機密情報が含まれる場合がある。また、所有者がそのような書類を配布する場合、機密情報を塗りつぶすマスクキングという処理(以下、マスク処理という)が行われている。
【0003】
従来は個人の手作業により書類上の機密情報にマスク処理を実行していたが、近年は手作業をなるべく低減して情報処理装置がマスク処理を実行することが可能である。これは、マスク処理が実行される書類は免許証や履歴書などのように、定型フォーマットで記載されている場合が多く、マスク処理が必要な項目が決まっていることから可能になる。
【0004】
例えば、複数ページの原稿データを記憶する第1の記憶手段と、複数ページのマスク位置パターンデータを記憶する第2の記憶手段と、第1の記憶手段から順次読み出された原稿データに第2の記憶手段のマスク位置パターンデータから順次読み出されたパターンデータを適用する適用手段と、を有する文書管理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IDカード等の機密情報を含む画像を読み取ってマスク処理を実行し、さらに様々なフォーマットの台紙に合成して書類を作成する業務が為されている。このような業務に上述した従来の技術を適用しても、画像にマスク処理を実行する処理と、台紙と画像とを合成する処理と、を別々に行う必要があり、作業が煩雑であるため、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0006】
開示の技術は、画像のマスク処理および台紙と画像との合成処理における作業者の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術は、台紙を示す台紙データと、画像を示す画像データを前記台紙データに合成する位置を示す画像位置情報と、前記画像データにマスク処理を実行する範囲を示すマスク範囲情報と、を記憶する記憶部と、画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データ取得部が取得した前記画像データと前記台紙データとを、前記画像位置情報に基づいて合成し、前記マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して得られた合成画像を出力する出力部と、台紙データを取得して前記記憶部に格納する台紙データ取得部と、画像位置情報を取得して、前記台紙データに関連付けて前記記憶部に格納する画像位置情報取得部と、マスク範囲情報を取得して、前記台紙データおよび前記画像位置情報に関連付けて前記記憶部に格納するマスク範囲情報取得部と、を備える画像形成装置である。
【発明の効果】
【0008】
画像のマスク処理および台紙と画像との合成処理における作業者の負担を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】合成画像データ生成部の動作を説明するための図である。
【
図8】(a)台紙設定画面の一例を示す図、(b)マスキングフォーム設定画面の一例を示す図である。
【
図9】台紙登録処理のフローの一例を示す図である。
【
図10】(a)台紙登録名入力画面の一例を示す図、(b)台紙スキャン条件選択画面の一例を示す図、(c)台紙プレビュー画面の一例を示す図である。
【
図12】マスキングフォーム登録処理のフローの一例を示す図である。
【
図13】(a)マスキングフォーム登録画面の一例を示す図、(b)台紙選択画面の一例を示す図、(c)IDカードスキャン画面の一例を示す第一の図、(d)IDカードスキャン画面の一例を示す第二の図、(e)IDカード位置指定画面の一例を示す第一の図、(f)IDカード位置指定画面の一例を示す第二の図である。
【
図14】(a)マスク範囲指定画面の一例を示す第一の図、(b)マスク範囲指定画面の一例を示す第二の図、(c)出力指示画面の一例を示す図、(d)マスキングフォーム保存確認画面の一例を示す図である。
【
図15】マスキングフォームの一例を示す図である。
【
図16】合成画像生成処理のフローの一例を示す図である。
【
図17】(a)マスキングフォーム選択画面の一例を示す図、(b)IDカードスキャン画面の一例を示す第一の図、(c)IDカードスキャン画面の一例を示す第二の図、(d)マスク範囲調整画面の一例を示す図、(e)出力指示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して画像形成装置の実施の形態について説明する。
【0011】
【0012】
本実施形態に係る画像形成装置10の具体的な利用シーンについて、説明する。例えば、管理ユーザ1および一般ユーザ2は、ともに、金融機関等の本人確認が必要な業務を行う従業員である。例えば、管理ユーザ1は、画像形成装置10にあらかじめ必要な設定を行うユーザである。一般ユーザ2は、管理ユーザ1によって設定された画像形成装置10を使用して、顧客の本人確認書類を生成するユーザである。
【0013】
具体的には、画像形成装置10は、管理ユーザ1の操作を受けて、台紙3およびIDカード4をスキャンして、マスキングフォームを生成する。マスキングフォームは、画像形成装置10が実行するマスク処理および合成処理の設定情報である。
【0014】
台紙3は、IDカードを示す画像を載せるための台紙である。例えば、台紙3は、本人確認書類としてあらかじめ決められたフォーマットの記入欄が印字されていて、個人識別用のカードを示す画像を合成するための空白の領域と、顧客である本人の属性等を示す情報を記入するための領域と、を含む。
【0015】
IDカード4は、マスキングフォームを生成するために使用される個人識別用の書類またはカードである。例えば、IDカード4は、顧客の本人確認に使用する運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード(個人番号カード)等である。
【0016】
ただし、IDカード4は、実際の顧客の個人識別用のカードではなく、あくまでもマスキングフォームを設定するためのカードである。例えば、運転免許証を本人確認に使用する業務である場合、管理ユーザ1は、自分が所有する運転免許証をIDカード4として使用する。
【0017】
具体的には、画像形成装置10は、管理ユーザ1が設置した台紙3をスキャンして、台紙を示すデータ(台紙データ)を生成する。次に、画像形成装置10は、管理ユーザ1が設置したIDカード4をスキャンして、スキャンされたIDカード4の画像を示す画像データを、台紙データに重畳して表示する。
【0018】
そして、画像形成装置10は、管理ユーザ1の操作を受けて、画像位置情報を生成する。画像位置情報は、画像データを台紙データに合成する位置を示す情報である。このとき、管理ユーザ1は、運転免許証等のIDカード4が、個人識別用のカードを示す画像を合成するための空白の領域に収まるように、画像形成装置10の操作パネルに表示された台紙データとIDカードの画像データを見ながら、操作パネル上で台紙データと画像データの位置を調整する操作を行う。
【0019】
さらに、画像形成装置10は、管理ユーザ1の操作を受けて、マスク範囲情報を生成する。マスク範囲情報は、画像データにマスク処理を実行する範囲を示す情報である。このとき、管理ユーザ1は、運転免許証等のIDカード4に含まれる個人を識別する情報にマスク処理が実行されるように、画像形成装置10の操作パネルに表示された台紙データとIDカードの画像データを見ながら、操作パネル上でマスク画像の位置や大きさを調整する操作を行い、マスク範囲情報(マスク画像の位置を示す情報)として画像形成装置10に記憶させる。
【0020】
そして、画像形成装置10は、画像位置情報およびマスク範囲情報を台紙データと関連付けて記憶する。
【0021】
そして、画像形成装置10は、一般ユーザ2の操作を受けて、IDカード5をスキャンして、マスク処理および合成処理を実行して、合成画像6が形成されたデータ、印刷媒体等を出力する。
【0022】
IDカード5は、一般ユーザ2が窓口において顧客から預かった個人識別用の書類またはカードであって、IDカード4と同一のフォーマットを有する書類またはカードである。例えば、IDカード4が管理ユーザ1の運転免許証である場合、IDカード5は、顧客の運転免許証である。
【0023】
合成画像6は、IDカード5をスキャンして得られた画像データと台紙3をスキャンして得られた台紙データとを、画像位置情報に基づいて合成し、さらにマスク範囲情報に基づいたマスク画像によりマスク処理を実行して得られた画像である。
【0024】
一般ユーザ2は、例えば、合成画像6を印刷した本人確認書類を得ると、IDカード5を顧客に返却するとともに、本人確認書類に必要事項を記入する。得られた本人確認書類は、個人を識別する情報がマスク処理によってマスク画像で塗りつぶされているため、顧客の個人情報として管理する必要の無い書類である。
【0025】
次に、画像形成装置10のハードウェア構成について説明する。
【0026】
図2は、画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0027】
画像形成装置10は、画像形成機能を実現する本体部21と、ユーザの操作を受け付ける操作部22と、を備える。なお、ユーザの操作を受け付けるとは、ユーザの操作に応じて入力される情報(画面の座標値を示す信号などを含む)を受け付けることを含む概念である。
【0028】
本体部21と操作部22は、通信路201を介して相互に通信可能に接続されている。通信路201は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることができる。なお、通信路201は、有線か無線かを問わず、USB規格以外の規格のものであっても良い。
【0029】
本体部21は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213、ストレージ部214、通信I/F(Interface)215、接続I/F216、エンジン部217、外部接続I/F218、及びシステムバス219等を有する。
【0030】
CPU211は、RAM213をワークエリア(作業領域)としてROM212又はストレージ部214等に格納されたプログラムを実行することで、本体部21全体の動作を制御する演算装置である。例えば、CPU211は、エンジン部217を用いて、コピー、スキャン、ファクス、プリンタなどの各種機能を実現する。
【0031】
ROM212は、例えば、本体部21の起動時に実行されるBIOS(Basic Input/Output System)や、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM213は、CPU211のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ストレージ部214は、例えば、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等で構成される。
【0032】
通信I/F215は、本体部21が外部装置との通信を行うための、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。接続I/F216は、通信路201を介して、本体部21と操作部22との間で通信するためのインタフェースである。
【0033】
エンジン部217は、コピー、スキャン、ファクス、プリントなどの機能を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン部217には、例えば、原稿の画像をスキャンして読取るスキャナ(画像読取部)、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ(画像形成部)、ファクス通信を行うファクス部等が含まれる。さらに、エンジン部217には、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャや、原稿を自動給送するADF(自動原稿給送装置)のような特定のオプションが含まれていても良い。
【0034】
外部接続I/F218は、本体部21に外部装置を接続するためのインタフェースである。外部装置には、例えば、ICカードリーダや、移動体センサ等が含まれ得る。システムバス219は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0035】
操作部22は、CPU221、ROM222、RAM223、フラッシュメモリ224、通信I/F225、操作パネル226、接続I/F227、外部接続I/F228、カメラ229、及びシステムバス230等を有する。
【0036】
CPU221は、RAM223をワークエリア(作業領域)としてROM222又はフラッシュメモリ224等に格納されたプログラムを実行することで、操作部22全体の動作を制御する演算装置である。ROM222は、例えば、操作部22の起動時に実行されるBIOSや、各種の設定等を記憶する不揮発性のメモリである。RAM223は、CPU221のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。フラッシュメモリ224は、例えば、OS、アプリケーションプログラム、各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置である。
【0037】
通信I/F225は、操作部22が外部装置との通信を行うための、無線LAN、有線LAN等のネットワークインタフェースである。
【0038】
操作パネル226は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けると共に、各種の情報を表示する。操作パネル226は、例えば、タッチパネル機能を搭載した液晶表示装置(LCD: Liquid Crystal Display)で構成されるが、これに限られるものではない。操作パネル226は、例えばタッチパネル機能が搭載された有機EL(Electro Luminescence)表示装置で構成されていても良い。さらに、操作パネル226は、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部や、ランプ等の表示部を設けることもできる。
【0039】
接続I/F227は、通信路201を介して、操作部22と本体部21との間で通信するためのインタフェースである。外部接続I/F228は、外部装置を接続するための、例えばUSB等のインタフェースである。
【0040】
カメラ229は、ユーザの画像を撮影する撮影装置である。なお、カメラ229は、画像形成装置10の外部に設置され、外部接続I/F228を介して操作部22に接続されているものであっても良い。システムバス230は、上記各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0041】
上述した本体部21および操作部22の各装置は、コンピュータを構成する。したがって、本体部21および操作部22は、それぞれまたは協働して、コンピュータとして機能する。
【0042】
次に、画像形成装置10の機能について説明する。
【0043】
【0044】
画像形成装置10は、操作部22と、本体部21と、を備える。
【0045】
操作部22は、台紙データ取得部101と、画像データ取得部102と、画像位置情報取得部103と、マスク範囲情報取得部104と、記憶部105と、マスキングフォーム生成部106と、合成画像データ生成部107と、を備える。
【0046】
また、本体部21は、読取部108と、通信部109と、印刷部110と、記憶部111と、を備える。
【0047】
台紙データ取得部101は、台紙データを取得して記憶部111に格納する。具体的には、台紙データ取得部101は、管理ユーザ1の操作を受けて、読取部108を介して台紙3をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す台紙データを取得する。また、台紙データ取得部101は、台紙の位置を示す情報を台紙位置情報として記憶部105に格納する。
【0048】
画像データ取得部102は、画像データを取得する。具体的には、画像データ取得部102は、管理ユーザ1または一般ユーザ2の操作を受けて、読取部108を介して書類またはカード(IDカード4またはIDカード5)をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データを取得する。
【0049】
画像位置情報取得部103は、画像位置情報を取得して、台紙データに関連付けて記憶部105に格納する。具体的には、画像位置情報取得部103は、台紙データ取得部101が取得した台紙データと、画像データ取得部102が取得した画像データと、を合成した画像を操作パネル226上に表示して、操作パネル226上でのユーザの操作を受けて、画像データの位置を決定して、決定された画像データの位置を示す画像位置情報を取得する。
【0050】
マスク範囲情報取得部104は、管理ユーザ1または一般ユーザ2から矩形のマスク領域の操作を受け、マスク範囲情報を取得して、記憶部105に格納する。
【0051】
記憶部105は、各種の情報、データ等を記憶する。具体的には、記憶部105は、マスキングアプリ11を記憶する。マスキングアプリ11は、後述する各種処理を操作部22に実行させるためのアプリケーションプログラムである。具体的には、マスキングアプリ11は、フラッシュメモリ224等に格納され、CPU221によってRAM223に読み出される。
【0052】
また、記憶部105には、台紙情報12が格納される。具体的には、台紙データ取得部101が、台紙データを取得する際に入力された情報や、記憶部111にファイルとして格納された台紙データを識別するためのファイル名等を含む台紙情報12を記憶部105に格納する。
【0053】
また、記憶部105には、マスキングフォーム13が格納される。具体的には、後述するマスキングフォーム生成部106が、マスキングフォーム13を生成して、記憶部105に格納する。なお、マスキングフォーム13の詳細については後述する。
【0054】
また、記憶部105には、設定情報16が格納される。設定情報16は、マスキングフォーム生成部106、合成画像データ生成部107等の動作を規定する情報であって、例えば、変換設定値を含む。変換設定値は、後述するように、合成画像データ生成部107によって設定される。
【0055】
マスキングフォーム生成部106は、マスク領域の位置情報であるマスキングフォーム13とマスク画像とを生成する。具体的には、マスキングフォーム生成部106は、管理ユーザ1または一般ユーザ2から、マスク範囲情報取得部104を介した矩形のマスク領域の位置を決める操作を受けて、マスキングフォーム13を記憶部105に格納し、また、マスキングフォーム13に基づいて矩形のマスク領域を黒または白で塗りつぶしたマスク画像を生成する。
【0056】
合成画像データ生成部107は、合成画像6を示すデータを生成・出力する。具体的には、
図4を参照して説明する。
【0057】
図4は、合成画像データ生成部の動作を説明するための図である。
【0058】
合成画像データ生成部107は、合成部107aと、変換部107bと、合成画像出力部107cと、を備える。
【0059】
合成部107aは、管理ユーザ1または一般ユーザ2の操作を受けて、台紙データ取得部101が取得した台紙データと、画像データ取得部102が取得した画像データ(IDカード5をスキャンした画像)とを、原点(0,0)と台紙の原稿サイズで異なる最大点からなる台紙位置情報と、A点(x1,y1)とB点(x2,y2)からなる画像位置情報に基づいて合成する。なお、合成された画像の位置情報は、台紙位置情報と同じとする。
【0060】
変換部107bは、合成した画像に対し、管理ユーザ1または一般ユーザ2による操作部22での拡大・縮小・移動の変換設定がされた場合、変換設定値として設定情報16に含めて記憶部105に格納し、その変換設定値に応じて台紙位置情報を変換する。また、変換部107bは、変換された画像を、操作パネル226上の画像表示の領域の原点(0,0)と画像表示最大点(800,600)からなる表示位置情報に対応させて表示する。
【0061】
なお、マスク範囲情報取得部104は、変換設定値による表示がされているときに、原点(0,0)と画像表示最大点(800,600)からなる操作パネル226上の所定の領域内において、管理ユーザ1または一般ユーザ2からマスク領域の設定操作がされた場合、矩形領域のC点(x3,y3)とD点(x4,y4)からなるマスク範囲情報を取得し、記憶部105に格納する。
【0062】
また、マスキングフォーム生成部106は、変換部107bによって設定された変換設定値を記憶部105から取得して、変換設定値に応じて、マスク範囲情報を、矩形領域のE点(x5,y5)とF点(x6,y6)からなるマスキングフォーム13に変換し、記憶部105に格納する。更に、マスキングフォーム生成部106は、マスキングフォーム13に応じて、マスク画像を生成し、合成画像データ生成部107の合成部107aに出力する。
【0063】
これにより、合成部107aは、操作パネル226上で管理ユーザ1または一般ユーザ2が操作したマスク領域の位置と大きさの通りに、台紙データと画像データに合成する。そして、合成画像出力部107cが、合成された画像を出力することで、合成画像6を得る。この例では、画像データとマスク領域が、各々1つであるように説明したが、各々複数あってもよい。
【0064】
読取部108は、台紙3、IDカード4またはIDカード5をスキャンして画像を読み取る。具体的には、読取部108は、台紙3をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示すデータを台紙データ15として記憶部111に格納する。また、読取部108は、IDカード4またはIDカード5をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示すデータを画像データ14として記憶部111に格納する。
【0065】
通信部109は、外部の装置との間で通信する。具体的には、通信部109は、合成画像データ生成部107が生成した合成画像データを、外部の装置に送信する。
【0066】
印刷部110は、紙等の印刷媒体に画像を印刷する。具体的には、印刷部110は、合成画像データ生成部107が生成した合成画像データに基づいて、紙等の印刷媒体に合成画像6を印刷する。
【0067】
なお、通信部109および印刷部110は、合成画像6を出力する出力部の一例である。
【0068】
記憶部111は、本体部21の処理によって生成し、または使用される情報またはデータが格納される。具体的には、前述の通り、記憶部111には、画像データ14および台紙データ15が格納される。
【0069】
次に、画像形成装置10の動作について、図面を参照して説明する。
【0070】
操作部22は、管理ユーザ1の操作を受けて、ホーム画面を表示する。具体的には、ホーム画面は、画像形成装置10の電源が投入されるか、または省エネモードから復帰すると、操作パネル226に表示される。
【0071】
【0072】
ホーム画面600は、選択可能な機能が表示される。そして、管理ユーザ1によって、マスキングアプリ11の提供する機能を示すアイコン601の選択を受けると、操作部22は、記憶部105に格納されたマスキングアプリ11を読み出して、アプリトップ画面を表示する。
【0073】
【0074】
アプリトップ画面610は、管理ユーザ1に向けた管理メニュー画面に遷移するためのボタン611と、一般ユーザ2に向けたマスキングフォーム13を利用した合成画像6の生成機能を選択するためのボタン612と、を含む。
【0075】
ボタン611が押下されると、操作部22は、管理メニュー画面を表示する。
【0076】
【0077】
管理メニュー画面620は、マスキングフォーム13の設定を行う画面に遷移するためのボタン621と、台紙の設定を行う画面に遷移するためのボタン622と、を含む。
【0078】
ボタン622が押下されると、操作部22は、台紙の設定を行う台紙設定画面を表示する。
【0079】
【0080】
台紙設定画面630は、台紙登録処理を開始するためのボタン631を含む。なお、台紙設定画面630は、登録した台紙を削除する処理を行うためのボタンを含んでも良い。
【0081】
ボタン631が押下されると、操作部22は、台紙登録処理を開始する。
【0082】
図9は、台紙登録処理のフローの一例を示す図である。
【0083】
操作部22の台紙データ取得部101は、台紙の名称を取得する(ステップS101)。具体的には、台紙データ取得部101は、台紙登録名入力画面を表示する。
【0084】
図10(a)は、台紙登録名入力画面の一例を示す図である。
【0085】
台紙登録名入力画面640は、台紙登録名の入力欄641と、次の画面に遷移するためのボタン642と、を含む。
【0086】
管理ユーザ1の操作を受けて、入力欄641にテキストが入力され、ボタン642が押下されると、台紙データ取得部101は、入力欄641に入力されたテキストを台紙登録名として取得する。
【0087】
そして、
図9に戻り、台紙データ取得部101は、台紙のスキャン条件を取得する(ステップS102)。具体的には、台紙データ取得部101は、台紙スキャン条件選択画面を表示する。
【0088】
図10(b)は、台紙スキャン条件選択画面の一例を示す図である。
【0089】
台紙スキャン条件選択画面650は、スキャン条件、例えばスキャン対象の用紙のサイズを選択するためのボタン651と、画像の読み取りを開始するためのボタン652と、を含む。
【0090】
管理ユーザ1は台紙3を本体部21の読取位置にセットして、ボタン651を押下していずれかのスキャン条件を選択状態にしてから、ボタン652を押下する。台紙データ取得部101は、管理ユーザ1の操作を受けて、選択状態となっているボタン651に示されるスキャン条件を取得する。
【0091】
そして、
図9に戻り、台紙データ取得部101は、台紙3のスキャンを実行する(ステップS103)。具体的には、台紙データ取得部101は、台紙3のスキャンを指示する信号を読取部108に送信する。
【0092】
そして、台紙データ取得部101は、台紙データ15を取得する(ステップS104)。具体的には、台紙データ取得部101から信号を受けた読取部108は、読取位置にセットされた台紙3をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す台紙データ15を記憶部111に格納する。これによって、台紙データ取得部101は、読取部108を介して台紙データ15を取得する。
【0093】
次に、台紙データ取得部101は、台紙情報を保存する(ステップS105)。具体的には、台紙データ取得部101は、台紙データ15を示す台紙プレビュー画面を表示する。
【0094】
図10(c)は、台紙プレビュー画面の一例を示す図である。
【0095】
台紙プレビュー画面660には、読み取られた画像としての台紙データ15を示す画像が表示され、台紙を登録するためのボタン661が含まれる。
【0096】
管理ユーザ1は、台紙プレビュー画面660によって、台紙3のスキャンが成功したことを確認すると、ボタン661を押下する。台紙データ取得部101は、管理ユーザ1の操作を受けて、台紙情報12を記憶部105に格納する。
【0097】
【0098】
台紙情報12は、項目として、台紙登録番号と、台紙登録名と、台紙登録ファイル名と、スキャン条件番号と、を含む。
【0099】
項目「台紙登録番号」の値は、登録された台紙情報12を識別するための識別子である。
【0100】
項目「台紙登録名」の値は、ステップS101の処理によって取得された台紙の名称である。
【0101】
項目「台紙登録ファイル名」の値は、記憶部111にファイルとして格納された台紙データ15を識別するためのファイル名である。
【0102】
項目「スキャン条件番号」の値は、ステップS102の処理によって選択されたスキャン条件を識別するための識別子である。
【0103】
また、操作部22は、
図7に示される管理メニュー画面620において、ボタン621が押下されると、マスキングフォーム設定画面を表示する。
【0104】
図8(b)は、マスキングフォーム設定画面の一例を示す図である。
【0105】
マスキングフォーム設定画面635は、マスキングフォーム登録処理を開始するためのボタン636を含む。なお、マスキングフォーム設定画面635は、登録したマスキングフォーム13を変更または削除する処理を行うためのボタンを含んでも良い。
【0106】
ボタン636が押下されると、操作部22は、マスキングフォーム登録処理を開始する。
【0107】
図12は、マスキングフォーム登録処理のフローの一例を示す図である。
【0108】
操作部22のマスキングフォーム生成部106は、マスキングフォーム13の名称と、IDカードか否かの選択結果と、台紙を利用するか否かの選択結果と、を取得する(ステップS201)。具体的には、マスキングフォーム生成部106は、マスキングフォーム登録画面を表示する。
【0109】
図13(a)は、マスキングフォーム登録画面の一例を示す図である。
【0110】
マスキングフォーム登録画面665は、マスキングフォーム13の名称を入力するための入力欄666と、IDカードか否かを選択するための選択欄667と、台紙を利用するか否かを選択するための選択欄668と、入力内容を確定して次画面に遷移するためのボタン669と、を含む。
【0111】
管理ユーザ1の操作によって、入力欄666にテキストが入力され、選択欄667および選択欄668で選択肢が選択され、ボタン669が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、入力欄666に入力されたテキストを、マスキングフォーム13の名称として、選択欄667の選択結果を、IDカードか否かの選択結果として、選択欄668の選択結果を、台紙を利用するか否かの選択結果として、それぞれ取得する。
【0112】
なお、以下では、選択欄667でIDカードが選択され、選択欄668で台紙を利用することが選択された場合について説明する。
【0113】
図12に戻り、次に、マスキングフォーム生成部106は、台紙の選択結果を取得する(ステップS202)。具体的には、マスキングフォーム生成部106は、台紙選択画面を表示する。
【0114】
図13(b)は、台紙選択画面の一例を示す図である。
【0115】
台紙選択画面670は、台紙を選択するためのボタン671と、選択結果を確定して次に画面に遷移するためのボタン672と、を含む。ボタン672には、例えば、台紙情報12の項目「台紙登録名」の値が表示される。
【0116】
管理ユーザ1は、ボタン671を押下していずれかの台紙を選択状態にしてから、ボタン672を押下する。マスキングフォーム生成部106は、管理ユーザ1の操作を受けて、選択状態となっているボタン671に示される台紙の台紙登録番号を、台紙の選択結果として取得する。
【0117】
図12に戻り、次に、画像データ取得部102は、IDカード4のスキャンを実行する(ステップS203)。具体的には、画像データ取得部102は、IDカードスキャン画面を表示する。
【0118】
図13(c)は、IDカードスキャン画面の一例を示す第一の図である。
【0119】
IDカードスキャン画面680は、画像の読み取りを開始するためのボタン681を含む。なお、IDカードスキャン画面680は、IDカード4のおもて面をスキャンするための画面である。
【0120】
管理ユーザ1はIDカード4のおもて面を本体部21の読取位置にセットして、ボタン681を押下する。すると、画像データ取得部102は、IDカード4のおもて面のスキャンを指示する信号を読取部108に送信する。
【0121】
図12に戻り、次に、画像データ取得部102は、画像データ14を取得する(ステップS204)。具体的には、画像データ取得部102から信号を受けた読取部108は、読取位置にセットされたIDカード4のおもて面をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データ14を記憶部111に格納する。これによって、画像データ取得部102は、読取部108を介して画像データ14を取得する。
【0122】
図13(d)は、IDカードスキャン画面の一例を示す第二の図である。
【0123】
IDカードスキャン画面690は、画像の読み取りを開始するためのボタン691を含む。なお、IDカードスキャン画面690は、IDカード4のうら面をスキャンするための画面である。
【0124】
上述したIDカード4のおもて面のスキャンと同様の処理によって、画像データ取得部102は、読取部108を介して、IDカード4のうら面を示す画像データ14を取得する。
【0125】
図12に戻り、次に、画像位置情報取得部103は、画像位置情報を取得する(ステップS205)。具体的には、画像位置情報取得部103は、IDカード位置指定画面を表示する。
【0126】
図13(e)は、IDカード位置指定画面の一例を示す第一の図である。
【0127】
IDカード位置指定画面700は、台紙3を示す画像と、IDカード4のおもて面およびうら面を示す画像と、が重畳して表示されている。また、IDカード位置指定画面700は、おもて面を移動するためのボタン701と、うら面を移動するためのボタン702と、を含む。
【0128】
管理ユーザ1は、ボタン701およびボタン702を押下して、おもて面を示す画像とうら面を示す画像とを、それぞれ所望の位置に移動させる。
【0129】
図13(f)は、IDカード位置指定画面の一例を示す第二の図である。
【0130】
IDカード位置指定画面710は、おもて面を示す画像とうら面を示す画像とが、それぞれ所望の位置に移動された例を示している。なお、IDカード位置指定画面710は、位置を確定するためのボタン711を含む。
【0131】
ボタン711が押下されると、画像位置情報取得部103は、それぞれの画像データ14の画像位置情報を取得する。画像位置情報は、画像を示す画像データ14を台紙データ15に合成する位置を示す情報である。例えば、画像位置情報は、画像データ14の左上の位置を、表示された画面の左上を原点とするXY座標値で表した情報である。
【0132】
なお、台紙データ15の左上の位置は、画面上の原点に固定されている。したがって、画像データ14の画面上のXY座標値が決まると、画像データ14と台紙データ15との相対的な位置関係が決まる。そのため、画像データ14の画面上のXY座標値は、画像データ14を台紙データ15に合成する位置を示す情報として機能する。
【0133】
図12に戻り、ステップS205の処理に続いて、マスク範囲情報取得部104は、マスク範囲情報を取得する(ステップS206)。具体的には、マスク範囲情報取得部104は、マスク範囲指定画面を表示する。
【0134】
図14(a)は、マスク範囲指定画面の一例を示す第一の図である。
【0135】
マスク範囲指定画面720は、画像位置情報に基づいて、画像データ14と台紙データ15とが重畳して表示される画面である。
【0136】
また、マスク範囲指定画面720は、マスク範囲の種類を線または範囲指定から選択するための選択欄721と、マスク範囲の色を黒または白から選択するための選択欄722と、マスク範囲の種類が線である場合の線幅の太さを選択するための選択欄723と、マスク範囲の種類が線である場合の線の方向を縦または横から選択するための選択欄724と、一旦指定されたマスク範囲を移動させるためのボタン725と、マスク範囲の指定操作を完了するためのボタン726と、を含む。
【0137】
管理ユーザ1によって、選択欄722、選択欄723および選択欄724からマスク範囲の指定方法が選択され、操作パネル226上でのドラッグ操作によってマスク範囲の指定を受けると、マスク範囲情報取得部104は、指定されたマスク範囲を示す画像を画像データ14に重畳して表示する。
【0138】
また、管理ユーザ1によるマスク範囲の指定方法の選択およびマスク範囲の指定の操作が繰り返されることによって、複数のマスク範囲が指定されても良い。
【0139】
なお、本実施形態における利用シーンとしては想定されないが、画像データ14だけではなく台紙データ15にもマスク範囲が指定されても良い。または、画像データ14にのみマスク範囲を指定できるようにしても良い。
【0140】
図14(b)は、マスク範囲指定画面の一例を示す第二の図である。
【0141】
マスク範囲指定画面730は、マスク範囲を示す画像が表示された場合の画面である。マスク範囲指定画面730において、ボタン731が押下され、マスク範囲を示す画像が選択されると、マスク範囲の移動または消去の操作を受けることができる。
【0142】
管理ユーザ1によるマスク範囲の指定操作を受けて、ボタン726が押下されると、マスク範囲情報取得部104は、それぞれのマスク範囲を示すマスク範囲情報を取得する。マスク範囲情報は、画像データ14にマスク処理を実行する範囲を示す情報である。例えば、マスク範囲情報は、各マスク範囲の色と、マスク範囲の左上および右下の画面上のXY座標値と、を含む情報である。
【0143】
図12に戻り、ステップS206の処理に続いて、合成画像データ生成部107は、合成画像データを生成する(ステップS207)。具体的には、合成画像データ生成部107は、画像データ14と台紙データ15とを、画像位置情報に基づいて合成し、マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して、合成画像6を得る。そして、合成画像データ生成部107は、合成画像6を示す合成画像データを生成する。
【0144】
次に、マスキングフォーム生成部106は、生成された合成画像データが示す合成画像6を出力する(ステップS208)。具体的には、マスキングフォーム生成部106は、出力指示画面を表示する。
【0145】
図14(c)は、出力指示画面の一例を示す図である。
【0146】
出力指示画面740は、出力方法を選択するための選択欄741と、出力を指示するためのボタン742と、を含む。
【0147】
選択欄741に含まれる出力方法は、例えば、印刷とファイル送信とが選択肢に含まれる。管理ユーザ1の操作によって、選択欄741でいずれかの出力方法が選択され、ボタン742が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、通信部109または印刷部110を介して合成画像6を出力する。
【0148】
具体的には、選択欄741で印刷が選択された状態で、ボタン742が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、合成画像6を示す合成画像データを印刷部110に送信する。印刷部110は、受信した合成画像データに基づいて、紙等の印刷媒体に合成画像6を印刷する。
【0149】
また、選択欄741でファイル送信が選択された状態で、ボタン742が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、合成画像6を示す合成画像データを通信部109に送信する。通信部109は、受信した合成画像データを外部の装置にファイルとして送信する。
【0150】
図12に戻り、ステップS208の処理に続いて、マスキングフォーム生成部106は、マスキングフォーム13を保存する(ステップS209)。具体的には、マスキングフォーム生成部106は、マスキングフォーム保存確認画面を表示する。
【0151】
図14(d)は、マスキングフォーム保存確認画面の一例を示す図である。
【0152】
マスキングフォーム保存確認画面750は、マスキングフォーム13の保存を決定するためのボタン751を含む。
【0153】
管理ユーザ1は、合成画像6が印刷された印刷媒体、または外部の装置に送信された合成画像データによって、正しい設定となっているかを確認し、問題ないと判断すると、ボタン751を押下する。
【0154】
ボタン751が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、ステップS201からステップS206までの処理において操作された内容に基づいて、マスキングフォーム13を生成し、生成されたマスキングフォーム13を記憶部105に格納する。
【0155】
図15は、マスキングフォームの一例を示す図である。
【0156】
マスキングフォーム13は、項目として、マスキングフォーム番号と、マスキングフォーム名と、IDカード有無と、台紙登録番号と、マスク範囲と、IDカード表位置、IDカード裏位置と、を含む。
【0157】
項目「マスキングフォーム番号」の値は、マスキングフォームを識別するための識別子である。
【0158】
項目「マスキングフォーム名」の値は、マスキングフォーム登録処理のステップS201の処理で入力されたマスキングフォーム13の名称である。
【0159】
項目「IDカード有無」の値は、マスキングフォーム登録処理のステップS201の処理で選択されたIDカードか否かを示す情報である。
【0160】
項目「台紙登録番号」の値は、マスキングフォーム登録処理のステップS202の処理で選択された台紙を示す台紙登録番号である。なお、ステップS201の処理で、IDカードでないと選択された場合、または台紙を利用しないと選択された場合、ステップS202の処理はスキップされる。したがって、その場合には、項目「台紙登録番号」に値が設定されない。
【0161】
項目「マスク範囲」の値は、マスキングフォーム登録処理のステップS206の処理で指定されたマスク範囲情報である。具体的には、項目「マスク範囲」の値は、1つまたは複数のマスク範囲について、それぞれのマスク範囲の色と、マスク範囲の左上および右下の画面上のXY座標値と、を示す。
【0162】
項目「IDカード表位置」および項目「IDカード裏位置」の値は、それぞれ、マスキングフォーム登録処理のステップS205の処理で指定された、IDカードのおもて面またはうら面の位置を示す画像位置情報である。具体的には、項目「IDカード表位置」および項目「IDカード裏位置」の値は、IDカードのおもて面またはうら面の画面上のXY座標値を示す。
【0163】
次に、一般ユーザ2による窓口業務での動作について、図面を参照して説明する。
【0164】
図6に示したアプリトップ画面610において、一般ユーザ2によってボタン612が押下されると、操作部22は、合成画像生成処理を開始する。
【0165】
図16は、合成画像生成処理のフローの一例を示す図である。
【0166】
合成画像データ生成部107は、マスキングフォーム13の選択結果を取得する(ステップS301)。具体的には、合成画像データ生成部107は、マスキングフォーム選択画面を表示する。
【0167】
図17(a)は、マスキングフォーム選択画面の一例を示す図である。
【0168】
マスキングフォーム選択画面760は、マスキングフォーム13を選択するためのボタン761を含む。ボタン761には、例えば、マスキングフォーム13の項目「マスキングフォーム名」の値が表示される。
【0169】
一般ユーザ2によって、ボタン761が押下されると、合成画像データ生成部107は、押下されたボタン761に応じたマスキングフォーム13を取得する。
【0170】
図12に戻り、次に、画像データ取得部102は、IDカード5のスキャンを実行する(ステップS302)。具体的には、画像データ取得部102は、IDカードスキャン画面を表示する。
【0171】
図17(b)は、IDカードスキャン画面の一例を示す第一の図である。
【0172】
IDカードスキャン画面770は、画像の読み取りを開始するためのボタン771を含む。なお、IDカードスキャン画面770は、IDカード5のおもて面をスキャンするための画面である。
【0173】
一般ユーザ2はIDカード5のおもて面を本体部21の読取位置にセットして、ボタン771を押下する。すると、画像データ取得部102は、IDカード5のおもて面のスキャンを指示する信号を読取部108に送信する。
【0174】
図12に戻り、次に、画像データ取得部102は、画像データ14を取得する(ステップS303)。具体的には、画像データ取得部102から信号を受けた読取部108は、読取位置にセットされたIDカード5のおもて面をスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データ14を記憶部111に格納する。これによって、画像データ取得部102は、読取部108を介して画像データ14を取得する。
【0175】
図17(c)は、IDカードスキャン画面の一例を示す第二の図である。
【0176】
IDカードスキャン画面780は、画像の読み取りを開始するためのボタン781を含む。なお、IDカードスキャン画面780は、IDカード5のうら面をスキャンするための画面である。
【0177】
上述したIDカード5のおもて面のスキャンと同様の処理によって、画像データ取得部102は、読取部108を介して、IDカード5のうら面を示す画像データ14を取得する。
【0178】
図12に戻り、次に、合成画像データ生成部107は、合成画像データを生成する(ステップS304)。具体的には、合成画像データ生成部107は、画像データ14と台紙データ15とを、画像位置情報に基づいて合成し、マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して、合成画像6を得る。そして、合成画像データ生成部107は、合成画像6を示す合成画像データを生成する。
【0179】
次に、マスク範囲情報取得部104は、マスク範囲情報を取得する(ステップS306)。具体的には、マスク範囲情報取得部104は、マスク範囲調整画面を表示する。
【0180】
図17(d)は、マスク範囲調整画面の一例を示す図である。
【0181】
マスク範囲調整画面790には、ステップS304の処理において生成された合成画像6が表示される。また、マスク範囲調整画面790は、マスク範囲を指定するための選択欄791-794等と、マスク範囲の指定操作を完了するためのボタン795と、を含む。
【0182】
選択欄791-794等の操作によって、一般ユーザ2は、管理ユーザ1によって設定されたマスク範囲を変更することができる。具体的には、一般ユーザ2は、新たにマスク範囲を追加したり、生成されたマスク範囲の移動、線幅の変更等をしたりすることができる。
【0183】
そして、マスク範囲情報取得部104は、一般ユーザ2の変更操作を受けて、表示されたマスク画像の位置または大きさを変更する。そして、ボタン795が押下されると、マスク範囲情報取得部104は、変更されたマスク画像に対応する変更後のマスク範囲情報を取得する。
【0184】
図12に戻り、ステップS306の処理に続いて、合成画像データ生成部107は、合成画像データを生成する(ステップS307)。具体的には、合成画像データ生成部107は、画像データ14と台紙データ15とを、画像位置情報に基づいて合成し、ステップS306の処理によって取得した変更後のマスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して、合成画像6を得る。そして、合成画像データ生成部107は、合成画像6を示す合成画像データを生成する。
【0185】
次に、操作部22は、通信部109または印刷部110を介して、合成画像6を出力する(ステップS308)。具体的には、操作部22は、出力指示画面を表示する。
【0186】
図17(e)は、出力指示画面の一例を示す図である。
【0187】
出力指示画面800は、出力方法を選択するための選択欄801と、出力を指示するためのボタン802と、を含む。
【0188】
選択欄801に含まれる出力方法は、例えば、印刷とファイル送信とが選択肢に含まれる。一般ユーザ2の操作によって、選択欄801でいずれかの出力方法が選択され、ボタン802が押下されると、操作部22は、通信部109または印刷部110を介して合成画像6を出力する。
【0189】
具体的には、選択欄801で印刷が選択された状態で、ボタン802が押下されると、操作部22は、合成画像6を示す合成画像データを印刷部110に送信する。印刷部110は、受信した合成画像データに基づいて、紙等の印刷媒体に合成画像6を印刷する。
【0190】
また、選択欄741でファイル送信が選択された状態で、ボタン742が押下されると、マスキングフォーム生成部106は、合成画像6を示す合成画像データを通信部109に送信する。通信部109は、受信した合成画像データを外部の装置にファイルとして送信する。
【0191】
本実施形態に係る画像形成装置10によれば、画像データ14と台紙データ15とを、画像位置情報に基づいて合成し、マスク範囲情報に基づいてマスク処理を実行して得られた合成画像6を出力する。これによって、画像にマスク処理を実行する処理と、台紙と画像とを合成する処理とが一連の操作によって実行されるため、画像のマスク処理および台紙と画像との合成処理における作業者の負担を軽減する。
【0192】
また、画像形成装置10は、IDカードのおもて面とうら面のような、複数の画像データを1つの台紙データに合成する。これによって、より複雑な作業が必要な場合であっても、簡単な操作で合成画像6を出力することができる。
【0193】
また、画像データ取得部102は、書類またはカードをスキャンして画像を読み取り、読み取った画像を示す画像データ14を取得する。これによって、実際に顧客から預かった有体物である書類またはカードに基づいて、画像データ14を取得することが可能となる。
【0194】
画像形成装置10は、管理ユーザ1の操作によってあらかじめマスキングフォームを生成しておくことによって、一般ユーザ2の作業負担が軽減されるため、一般ユーザ2は、顧客等の応対を円滑かつ迅速に行うことができる。
【0195】
また、一般ユーザ2は、IDカード5をスキャンした後に、マスク範囲の変更が可能であるため、管理ユーザ1の操作によってIDカード4のスキャンした場合と比較して、位置のずれが生じた場合であっても、マスク範囲を都度変更することができるため、状況に応じた柔軟なマスク処理が実現される。また、その場合でもマスク範囲があらかじめ表示されることから、新たにマスク範囲を設定するよりも作業の負担が軽減される。
【0196】
上述した各実施形態において、管理ユーザ1と一般ユーザ2とが異なるユーザである例を示した。操作部22は、上述した管理ユーザ1の操作を受ける機能と一般ユーザ2の操作を受ける機能とを操作可能な権限を、別々のアカウントとして管理し、ログイン認証等を経て操作できるようにしても良い。また、上述した管理ユーザ1の操作を受ける機能と一般ユーザ2の操作を受ける機能とを権限管理せず、同一のユーザによって操作できるようにしても良い。
【0197】
本体部21は、画像データ14を適宜削除する処理を実行しても良い。画像データ14は、機密情報が含まれている場合が想定されるため、本体部21は、不要となったタイミングで画像データ14を削除することが望ましい。
【0198】
例えば、本体部21は、マスキングフォーム生成処理のステップS209において、マスキングフォームの生成が完了するか、またはキャンセル等によってマスキングフォームの生成が中止された場合に、IDカード4をスキャンして得られた画像データ14を削除する。
【0199】
また、本体部21は、合成画像生成処理のステップS308において、合成画像6を出力するか、またはキャンセル等によって合成画像の生成が中止された場合に、IDカード5をスキャンして得られた画像データ14を削除する。
【0200】
さらに、本体部21は、放置された場合に備えて、一定時間の経過によっても、IDカード4またはIDカード5をスキャンして得られた画像データ14を削除しても良い。
【0201】
各実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、画像形成装置10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施しても良い。
【0202】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0203】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0204】
10 画像形成装置
11 マスキングアプリ
12 台紙情報
13 マスキングフォーム
14 画像データ
15 台紙データ
21 本体部
22 操作部
101 台紙データ取得部
102 画像データ取得部
103 画像位置情報取得部
104 マスク範囲情報取得部
105 記憶部
106 マスキングフォーム生成部
107 合成画像データ生成部
108 読取部
109 通信部
110 印刷部
111 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0205】