(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】サービス提供システム、利用権限割当方法、情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/10 20130101AFI20240228BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20240228BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20240228BHJP
【FI】
G06F21/10 350
G06F3/12 322
G06F3/12 339
G06F21/62
(21)【出願番号】P 2020080817
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】徐 子超
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-128994(JP,A)
【文献】特開2019-160097(JP,A)
【文献】特開2012-123653(JP,A)
【文献】特開2016-027446(JP,A)
【文献】特開2002-182910(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
G06F 3/12
G06F 21/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションの利用権限に応じて前記アプリケーションの利用を許可する情報処理システムと、管理者からの設定を受け付ける端末装置とを有するサービス提供システムであって、
前記端末装置から前記アプリケーションの利用の申し込み、及び、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けるパッケージ管理部と、
前記パッケージ管理部が前記アプリケーションの利用の申し込みを受け付けた後に、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けた場合、ユーザ又は電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てる管理部と、を有
し、
前記端末装置は、利用権限を自動で割り当てるための自動付与ボタンをアプリケーションごとに表示する表示制御部と、
前記自動付与ボタンの押下を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記自動付与ボタンが押下された旨を前記情報処理システムに送信する通信部と、を有し、
前記管理部は、前記自動付与ボタンが押下された旨を前記端末装置から受信した場合に、前記ユーザ又は前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とするサービス提供システム。
【請求項2】
前記アプリケーションには、利用権限を割り当て可能な前記ユーザのロール又は前記電子機器の種別が設定されており、
前記ユーザに関するユーザ情報には各ユーザのロールが設定されており、前記電子機器に関する機器情報には各電子機器の種別が設定されており、
前記管理部は、前記アプリケーションに設定されている利用権限を割り当て可能な前記ユーザのロールを有する前記ユーザ、又は、前記電子機器の種別を有する前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とする請求項1に記載のサービス提供システム。
【請求項3】
前記端末装置は、利用権限を割り当て可能な前記ユーザのロール又は前記電子機器の種別の設定を受け付ける画面を表示する表示制御部と、
前記画面において利用権限を割り当て可能な前記ユーザのロール又は前記電子機器の種別の設定を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた利用権限を割り当て可能な前記ユーザのロール又は前記電子機器の種別の設定を前記情報処理システムに送信する通信部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載のサービス提供システム。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記アプリケーションのユーザが所属するテナントに新たにユーザ又は電子機器を登録する画面を表示し、
前記操作受付部は前記ユーザ又は前記電子機器に関する情報を受け付け、
前記通信部は前記ユーザ又は前記電子機器に関する情報を前記情報処理システムに送信し、
前記管理部は、前記ユーザ又は前記電子機器に関する情報を受信したことに応じて、前記ユーザ又は前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とする請求項
1又は3に記載のサービス提供システム。
【請求項5】
前記表示制御部は、利用権限を自動付与するアプリケーションの候補を表示し、
前記操作受付部は、利用権限を自動付与するアプリケーションの選択を受け付け、
前記通信部は、利用権限を自動付与するアプリケーションを前記情報処理システムに送信し、
前記管理部は、前記端末装置で選択を受け付けた前記アプリケーションの利用権限を前記ユーザ又は前記電子機器に割り当てることを特徴とする請求項
4に記載のサービス提供システム。
【請求項6】
前記アプリケーションを使用できるユーザのライセンス数と、すでに前記アプリケーションの利用権限が割り当てられたユーザの人数とに基づいて、残りのライセンス数が1つもない場合、又は、
前記アプリケーションを使用できる電子機器のライセンス数と、すでに前記アプリケーションの利用権限が割り当てられた電子機器の台数とに基づいて、残りのライセンス数が1つもない場合、
前記管理部は、自動付与に失敗した旨を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は自動付与に失敗した旨を表示することを特徴とする請求項
5に記載のサービス提供システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記アプリケーションの購入画面を表示し、
前記操作受付部は前記アプリケーションの購入画面で利用権限の自動付与を行う設定を受け付け、
前記通信部は利用権限の自動付与を行う設定と共に購入する旨を前記情報処理システムに送信し、
前記管理部は、アプリケーションを購入する旨を受信したことに応じて、ユーザ又はデバイスに前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とする請求項
1又は3~6のいずれか1項に記載のサービス提供システム。
【請求項8】
前記アプリケーションの購
入はトライアルプラン又は正式プラン
で購入可能であることを特徴とする請求項
7に記載のサービス提供システム。
【請求項9】
前記正式プランで前記アプリケーションが購入される場合、前記操作受付部は前記アプリケーションを使用できるユーザの人数又は電子機器の台数を受け付け、
前記アプリケーションのユーザが所属するテナントにおけるユーザの人数が、前記アプリケーションを使用できるユーザの人数より多い場合、又は、
テナントにおける電子機器の台数が、前記アプリケーションを使用できる電子機器の台数より多い場合、
前記管理部は、自動付与に失敗した旨を前記端末装置に送信し、
前記端末装置は自動付与に失敗した旨を表示することを特徴とする請求項
8に記載のサービス提供システム。
【請求項10】
前記正式プランで前記アプリケーションが購入される場合、前記操作受付部は前記アプリケーションを使用できる前記ユーザの人数又は前記電子機器の台数を受け付け、
前記通信部は、前記アプリケーションを使用できる前記ユーザの人数又は前記電子機器の台数を前記情報処理システムに送信することを特徴とする請求項
9に記載のサービス提供システム。
【請求項11】
アプリケーションの利用権限に応じて前記アプリケーションの利用を許可する情報処理システムと、管理者からの設定を受け付ける端末装置とを有するサービス提供システムが行う利用権限割当方法であって、
パッケージ管理部が、前記端末装置から前記アプリケーションの利用の申し込み、及び、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けるステップと、
管理部が、前記パッケージ管理部が前記アプリケーションの利用の申し込みを受け付けた後に、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けた場合、ユーザ又は電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てるステップと、を有し、
前記端末装置は、
表示制御部が、利用権限を自動で割り当てるための自動付与ボタンをアプリケーションごとに表示するステップと、
操作受付部が、前記自動付与ボタンの押下を受け付けるステップと、
前記操作受付部が受け付けた前記自動付与ボタンが押下された旨を、通信部が前記情報処理システムに送信するステップと、を有し、
前記管理部が、前記自動付与ボタンが押下された旨を前記端末装置から受信した場合に、前記ユーザ又は前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てるステップと、
を有することを特徴とする利用権限割当方法。
【請求項12】
アプリケーションの利用権限に応じて前記アプリケーションの利用を許可する情報処理システムであって、
端末装置から前記アプリケーションの利用の申し込み、及び、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けるパッケージ管理部と、
前記パッケージ管理部が前記アプリケーションの利用の申し込みを受け付けた後に、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けた場合、ユーザ又は電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てる管理部と、を有し、
前記端末装置は、利用権限を自動で割り当てるための自動付与ボタンをアプリケーションごとに表示する表示制御部と、
前記自動付与ボタンの押下を受け付ける操作受付部と、
前記操作受付部が受け付けた前記自動付与ボタンが押下された旨を前記情報処理システムに送信する通信部と、を有し、
前記管理部は、前記自動付与ボタンが押下された旨を前記端末装置から受信した場合に、前記ユーザ又は前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サービス提供システム、利用権限割当方法、及び、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソフトウェア等をネットワーク経由でユーザに提供する情報処理システムが知られている。ユーザはPC(パーソナルコンピュータ)や電子機器等などの端末装置と、端末装置で動作するWebブラウザなど、一定の環境を用意することで、端末装置からサービス提供システムが提供するWebアプリなどで提供されるサービスを利用することができる。
【0003】
このようなサービス提供システムが提供するサービスを、企業などが組織として契約し、組織の所属者等がユーザとしてサービスを利用する場合がある。またサービスを契約した組織等は、テナントと呼ばれる単位で管理される。ユーザ(企業等の社員)がサービスを利用するにはテナントに登録される必要があり、例えば管理者がユーザをテナントに登録する場合がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、顧客のユーザごとにアクセス権限を割り当てることができるユーザ管理方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術は、サービス提供システムがアプリの利用権限を各ユーザに割り当てることができないという問題があった。ユーザがアプリを利用するためには、ユーザ一人一人にアプリの利用権限が割り当てられている必要があるが、従来は、この割り当て作業をテナント管理者がテナント内の各ユーザについて行う必要があった。電子機器の場合も同様である。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、アプリの利用権限をユーザに割り当てるサービス提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、アプリケーションの利用権限に応じて前記アプリケーションの利用を許可する情報処理システムと、管理者からの設定を受け付ける端末装置とを有するサービス提供システムであって、前記端末装置から前記アプリケーションの利用の申し込み、及び、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けるパッケージ管理部と、前記パッケージ管理部が前記アプリケーションの利用の申し込みを受け付けた後に、前記アプリケーションの利用権限の自動付与の設定を受け付けた場合、ユーザ又は電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てる管理部と、を有し、前記端末装置は、利用権限を自動で割り当てるための自動付与ボタンをアプリケーションごとに表示する表示制御部と、前記自動付与ボタンの押下を受け付ける操作受付部と、前記操作受付部が受け付けた前記自動付与ボタンが押下された旨を前記情報処理システムに送信する通信部と、を有し、前記管理部は、前記自動付与ボタンが押下された旨を前記端末装置から受信した場合に、前記ユーザ又は前記電子機器に前記アプリケーションの利用権限を割り当てることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
アプリの利用権限をユーザに割り当てるサービス提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】アプリパッケージへのロールの設定とユーザへのアプリパッケージの割り当ての概略を説明する図である(比較例)。
【
図2】アプリパッケージへのロールの設定とユーザへのアプリパッケージの割り当ての概略を説明する図である。
【
図3】サービス提供システムの一例の構成図である。
【
図4】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図5】画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図6】第一の端末装置、第二の端末装置、第三の端末装置、電子機器、及び、情報処理システムの機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【
図7】プロダクトデザイナーがアプリパッケージを作成する手順を示すシーケンス図の一例である。
【
図8】パッケージ新規作成画面の一例を示す図である。
【
図10】情報処理システムがアプリパッケージの購入に際して、利用権限の自動付与を設定する処理を説明するシーケンス図の一例である(トライアルプラン)。
【
図11】第一の端末装置が表示するトライアルプランのアプリパッケージ購入画面の一例を示す図である。
【
図12】情報処理システムがアプリパッケージの購入に際して、利用権限の自動付与を設定する処理を説明するシーケンス図の一例である(正式プラン)。
【
図13】第一の端末装置が表示する正式プランのアプリパッケージ購入画面の一例を示す図である。
【
図14】登録済みのユーザにテナント管理者がアプリパッケージを割り当てるアプリパッケージ利用権限管理画面で自動付与を設定する処理を示すシーケンス図の一例である。
【
図15】アプリパッケージ利用権限管理画面の一例を示す図である。
【
図16】電子機器におけるアプリパッケージ利用権限管理画面の一例を示す図である。
【
図17】テナント管理者がテナントにユーザを登録する処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。
【
図18】ユーザ情報登録画面の一例を示す図である。
【
図19】利用可能パッケージ一覧画面の一例を示す図である。
【
図20】テナント管理者がテナントに電子機器を登録する処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。
【
図21】ユーザのログイン時の処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。
【
図23】一般ユーザがログインして第二の端末装置が表示するホーム画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理システムと情報処理システムが行う利用権限割当方法について説明する。
【0010】
<動作の概略>
まず、比較のため、
図1を用いてテナント管理者Cがアプリパッケージの利用権限をユーザに割り当てる動作又は処理について説明する。
図1は、アプリパッケージへのロールの設定とユーザへのアプリパッケージの割り当ての概略を説明する図である。アプリパッケージとは1つ以上のアプリがまとめられたものである。まず、サービス提供システム1ではロールによりアプリ及びアプリパッケージの利用権限が判断される。本実施形態では以下のようなロールがある。
・テナント管理者C:企業とサービス提供者との契約の範囲内で、顧客環境において、ユーザやテナント管理者C等によるサービスの利用に関する管理を行う者である。主にテナント側の担当者である。例えば、テナントへの一般ユーザの登録、一般ユーザのアカウント状態の管理、及び、一般ユーザが利用できるサービスの登録等を行う。
・一般ユーザ:利用権限を割り当てられた場合にサービスを利用できる利用者である。
【0011】
この他、本実施形態ではプロダクトデザイナーPという役割も存在するが、ロールとは区別されている。プロダクトデザイナーPはアプリパッケージを作成する者である。主にアプリの販売者や開発者などサービス提供者側の担当者である。本実施形態ではプロダクトデザイナーPがアプリパッケージにロールを登録する。なおロールにはこの他、アプリのユーザ毎の利用権限の管理を行う利用権限管理者や、アプリパッケージの契約管理を行う契約管理者等が存在してもよい。
【0012】
(1) サービス提供者環境においてプロダクトデザイナーPはアプリパッケージに対し、このアプリパッケージを利用できるロール(一般ユーザ又はテナント管理者C)を設定する。情報処理システム50はアプリパッケージを管理するパッケージ管理部53を有しており、パッケージ管理部53にアプリパッケージのロールが設定される。
【0013】
(2) 一方、顧客環境において、テナント管理者Cはテナントに所属するユーザを登録することができ、情報処理システム50のユーザ管理部55には各ユーザにロール(一般ユーザ又はテナント管理者C等)が設定されている。
【0014】
(3) テナント管理者Cがアプリパッケージを各ユーザに割り当てる場合、情報処理システム50はユーザ管理部55からユーザのロールを取得し、ユーザのロールと同じロールが設定されているアプリパッケージをパッケージ管理部53から抽出する。情報処理システム50はユーザのロールが適合するアプリパッケージのみをテナント管理者Cに提供する。
【0015】
(4) テナント管理者Cはアプリパッケージに設定されているロールを有するユーザにのみ、アプリパッケージの利用権限を割り当てることができる。したがって、ユーザにアプリパッケージの利用を許可したり、制限したりすることができる。
【0016】
このようにサービス提供システム1は、プロダクトデザイナーPがアプリパッケージにロールを設定でき、テナント管理者Cが使用させたくないユーザにアプリパッケージの利用権限が割り当てられることを抑制できる。
【0017】
しかしながら、この方法ではテナント管理者Cがアプリパッケージごとに利用権限を割り当てるユーザを設定する必要があるという問題がある。
【0018】
<本実施形態のアプリパッケージへの利用権限の割り当て>
そこで、本実施形態では、アプリパッケージへのロールの設定とユーザのロールに応じて、情報処理システム50がユーザにアプリパッケージを自動的に割り当てる。
【0019】
図2は、本実施形態において、アプリパッケージへのロールの設定とユーザへのアプリパッケージの割り当ての概略を説明する図である。(1)(2)までの処理は
図1と同様になる。しかし、本実施形態では、パッケージ管理部53が各ユーザに自動的にアプリパッケージの利用権限を割り当てる。
(3) 例えば、アプリパッケージの利用が契約されたこと、自動付与設定がONに設定されたこと、又は、ユーザが登録されたことを契機にして、パッケージ管理部53はユーザ管理部55からユーザのロールを取得し、ユーザのロールと同じロールが設定されているアプリパッケージを特定する。ユーザ管理部は、このアプリパッケージの利用権限をユーザに設定する。したがって、情報処理システムはアプリパッケージに設定されているロールを有するユーザに、アプリパッケージの利用権限を自動的に割り当てることができる。
【0020】
利用権限が割り当てられる場合、アプリパッケージには利用権限を割り当てられるユーザの数(ライセンスの数)に制限があるため、ライセンスの数をユーザ数が超える場合がある。このため、情報処理システム50は以下のような処理を行う。
◇ ライセンス数 ≧ 登録ユーザ数(ロールが適合するユーザ数)
情報処理システム50はアプリパッケージの利用権限を全ユーザに自動的に割り当てる。
◇ ライセンス数 < 登録ユーザ数(ロールが適合するユーザ数)
情報処理システム50は例えば、「ライセンス数を増やさないと利用権限を割り当てられません。」という旨のメッセージをテナント管理者Cに通知する。情報処理システム50はライセンス数を増やす方法を案内するとよい。
【0021】
このように、本実施形態のサービス提供システム1は、テナント管理者Cがアプリパッケージにユーザを割り当てなくても、アプリパッケージに設定されているロールに適合するユーザに利用権限を自動的に割り当てることができる。
【0022】
<用語について>
テナントとは、複数の顧客で同じソフトウェアを共有する顧客、即ち、顧客の集合である企業等を示す情報のことを意味する。テナントで契約したアプリパッケージをテナント内の各ユーザが利用することができ、テナントのテナント管理者等はシステム内に複数存在するソフトウェアインスタンス(アプリパッケージや、その中の各アプリケーション)の利用権限をユーザに与えることができる。
【0023】
アプリケーション(以下、単にアプリという)とは、ユーザがサービスを受けるために端末装置と情報処理装置とが実行するプログラムである。端末装置と情報処理装置が協調して実行するプログラムをWebアプリともいう。アプリは、例えば一連の処理を順番に実行するワークフローアプリの場合がある。アプリは、テナント管理者C等がコンポーネントを組み合わせて構築できる。例えば、原稿の読み取りコンポーネント、クラウドへの送信コンポーネント、などを組み合わせて、電子機器が読み取った原稿をクラウド上のストレージにアップロードして保存するアプリを構築できる。
【0024】
アプリパッケージは、セットで販売される1つ以上のアプリである。セットに含まれるアプリは1つの場合もあるが、ユーザの利便性などから業務でよく使われる又は関連性があるアプリとしてまとめて販売されるアプリである。
【0025】
ロールとはテナント内における役割である。ロールにはロールに応じた権眼が認められる。例えばテナント管理者がユーザの職種、役職、アプリをどのように利用するかなどを考慮して決定する。ユーザのロールとアプリパッケージのロールは一致する場合だけでなく、ユーザのロールがアプリパッケージのロールよりも権限が大きいロールであれば、ユーザにアプリパッケージの利用権限を割り当てることが可能になる。
【0026】
利用権限の自動付与とは、テナント管理者がユーザ又は電子機器に利用権限を割り当てなくても、情報処理システムがユーザ又は電子機器に利用権限を割り当てることをいう。
【0027】
アプリパッケージの利用の申し込みとは、テナントがアプリパッケージを利用する意思を先方に伝えることをいう。本実施形態では、アプリパッケージの購入、又は、契約などという。有償か無償かは問わない。
【0028】
<システム構成例>
図3は本実施形態に係るサービス提供システム1の一例の構成図である。
図3のサービス提供システム1は、顧客環境8とサービス提供者環境7がインターネットなどのネットワークN1を介して情報処理システム50と接続されている。ネットワークN1には携帯電話網などの電話回線も含まれる。
【0029】
顧客は情報処理システム50によって提供されるサービスの顧客であって、企業、団体、教育機関、行政機関や部署などの組織が含まれる。これら顧客と何らかの雇用関係にあるものをユーザという。顧客環境8には1台以上の電子機器40と、第一の端末装置10と、第二の端末装置20と、ファイヤウォール16と、がLANなどのネットワークN2を介して接続されている。また、情報処理システム50はネットワークN1に接続されている1台以上の情報処理装置を有する。サービス提供者は顧客にサービスを提供する業者である。サービス提供者環境7には第三の端末装置30が存在する。
【0030】
電子機器40は、例えば画像形成装置40aであるが、画像形成装置40aにはレーザプリンタ、複合機(マルチファンクションプリンタ)、MFP(Multi-function Peripheral/Product/Printer)なども含まれる。また、電子機器40としては電子黒板40bも挙げられる。この他、電子機器40は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPC又はデスクトップPC等であってもよい。
【0031】
本実施形態の電子機器40は、情報処理システム50に登録されたユーザがサービスを利用する端末となる。ユーザは、電子機器40から情報処理システム50にログインして、ユーザに利用権限が認められているアプリ(アプリケーションソフト)を選択して、情報処理システム50が提供するサービスを受ける。このように、サービスはアプリ単位で提供される。
【0032】
第一の端末装置10は、テナント管理者Cが利用するスマートフォンや携帯電話、タブレットPC、デスクトップPC、ノートPC、等の情報処理装置である。第一の端末装置10には、Webブラウザなどの画面表示機能を有するプログラムが搭載されている。このプログラムは情報処理装置から受信した画面情報を画面として表示する機能を有していればよくWebブラウザに限られない。情報処理システム50に専用のプログラムでもよい。
【0033】
第二の端末装置20は、ユーザが利用するスマートフォンや携帯電話、タブレットPC、デスクトップPC、ノートPC、等の情報処理装置である。第二の端末装置20には、Webブラウザなどの画面表示機能を有するプログラムが搭載されている。このプログラムは情報処理装置から受信した画面情報を画面として表示する機能を有していればよくWebブラウザに限られない。情報処理システム50に専用のプログラムでもよい。
【0034】
第三の端末装置30は、プロダクトデザイナーPが利用するスマートフォンや携帯電話、タブレットPC、デスクトップPC、ノートPC、等の情報処理装置である。第三の端末装置30には、Webブラウザなどの画面表示機能を有するプログラムが搭載されている。このプログラムは情報処理装置から受信した画面情報を画面として表示する機能を有していればよくWebブラウザに限られない。情報処理システム50に専用のプログラムでもよい。
【0035】
ファイヤウォール16は顧客環境8への外部からの侵入を防ぐための装置であり、顧客環境8からの全ての通信はファイヤウォール16により監視される。ただし、第一の端末装置10、第二の端末装置20又は第三の端末装置30が携帯電話網などの電話回線を介して情報処理システム50と通信する場合はこの限りでない。
【0036】
情報処理システム50は、各種のサービスを電子機器40及び第二の端末装置20等に提供する。サービスは電子機器40の種類によって様々であるが、画像形成装置40aの場合は、読み取った原稿をクラウド上のストレージにアップロードして保存するサービス、クラウド上のストレージの画像データをダウンロードして印刷するサービスなどがあるが、これらに限られない。電子黒板40bの場合は、例えばリアルタイムに音声認識して議事録の作成するサービス、手書きデータをテキスト化するサービスなどがある。第二の端末装置20の場合は、例えばWebページのリアルタイム翻訳サービスなどがある。
【0037】
情報処理システム50では、テナントとユーザが対応づけられている。ユーザのロールに応じて使用できるサービス(アプリ)が決まっており、ユーザは自分が使用できるアプリを電子機器40や第二の端末装置20から使用する。また、テナント、テナント管理者C及びユーザには以下のような関係がある。
・1顧客→1テナント(テナント管理者Cとユーザが1つのテナントに所属する)
・1顧客→複数テナント(テナント管理者Cはテナントに所属するとは限らず、各テナントと所属するユーザを管理する。ユーザは1つ以上のテナントに所属する)
いずれの場合も情報処理システム50に登録されたユーザはいずれかのテナントに所属するので、登録後はユーザが特定されれば所属するテナントも特定される。1顧客→1テナントの場合、テナント管理者Cはテナントにログインすればテナントも自動的に定まる(テナントを指定しなくてよい)。1顧客→複数テナントの場合、テナント管理者Cがログイン時にテナントを指定するとよい(又はテナントごとに異なるアカウントを持っている)。
【0038】
情報処理システム50は、第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30、又は、電子機器40に表示させるWebページの画面情報を作成し、これらを送信する。例えば、後述する、パッケージ新規作成画面、ユーザ情報登録画面、パッケージ割当画面、及び、ログイン画面等を表示させる。
【0039】
画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。WebページはWebアプリにより提供されてよい。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、Webブラウザ上で実行されるソフトウェア又はその仕組みを言う。WebアプリによりWebページを動的に変更できる。
【0040】
なお、情報処理システム50は、クラウドコンピューティングに対応していてよい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。クラウドコンピューティングに対応した情報処理システム50をクラウドシステムという場合がある。クラウドシステムはインターネット上にあってもオンプレミスにあってもよい。
【0041】
また、
図3に示すサービス提供システム1の構成は一例であって、顧客環境と、情報処理装置との間に1つ以上のサーバ装置(プロキシサーバやゲートウェイサーバなど)が介在していてもよい。また、第一の端末装置10と第二の端末装置20は、顧客環境以外にあってもよく、例えばネットワークN1に接続されていてもよい。第三の端末装置30は、サービス提供者環境以外にあってもよく、例えばネットワークN1に接続されていてもよい。
【0042】
情報処理システム50は、1台の情報処理装置49で実現してもよいし、複数台の情報処理装置49に分散して実現してもよい。例えば、サービスごとにこれを提供する情報処理装置49が存在してもよいし、1台の情報処理装置49が複数のサービスを提供してもよいし、複数の情報処理装置49で1つのサービスを提供してもよい。
【0043】
また、
図3のサービス提供システム1は情報処理装置が顧客環境の外側のインターネットなどのネットワークN1に接続されている。言い換えれば
図3のサービス提供システム1は、情報処理システム50がクラウド環境に備えられた例である。しかし、情報処理システム50は顧客環境の内側(オンプレミス環境)に備えられていてもよい。
【0044】
<ハードウェア構成例>
<<コンピュータ>>
図3の第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30、又は、情報処理システム50は例えば
図4に示すハードウェア構成のコンピュータにより実現される。
図4はコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図4のコンピュータ500はコンピュータによって構築されており、
図4に示されているように、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDDコントローラ505(Hard Disk Drive)、ディスプレイ506、外部機器接続I/F508(Interface)、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RWドライブ514(Digital Versatile Disk Rewritable)、メディアI/F516を備えている。
【0045】
これらのうち、CPU501は、コンピュータ全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図4に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0046】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0047】
<<画像形成装置>>
図5は、画像形成装置40aの一例のハードウェア構成図である。
図5に示されているように、画像形成装置40aは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0048】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ902(MEM-P)、ノースブリッジ903(NB)、サウスブリッジ904(SB)、ASIC906(Application Specific Integrated Circuit)、記憶部であるローカルメモリ907(MEM-C)、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGPバス921(Accelerated Graphics Port)で接続した構成となっている。
【0049】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置40aの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0050】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0051】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0052】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0053】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路アンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0054】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置40a全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0055】
なお、画像形成装置40aは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0056】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0057】
<機能について>
本実施形態に係るサービス提供システム1が有する各装置の機能は例えば
図6に示す処理ブロックにより実現される。
図6は、第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30、電子機器40、及び、情報処理システム50の機能をブロック状に分けて説明する機能ブロック図の一例である。
【0058】
<<第一の端末装置>>
第一の端末装置10は第一通信部12、表示制御部13、及び、操作受付部14を有している。第一の端末装置10はプログラム(例えばWebブラウザ11)を実行することで、
図6に示すような機能ブロックを実現する。
【0059】
第一通信部12は情報処理システム50と通信して、アプリパッケージ購入画面、利用権限管理画面、及び、ユーザ情報登録画面等を第一の端末装置10が表示するための画面情報を受信する。また、テナント管理者Cがこれら画面に入力した情報を情報処理システム50に送信する。
【0060】
表示制御部13は情報処理システム50から受信した画面の画面情報を解析してディスプレイ506に例えばアプリパッケージ購入画面、利用権限管理画面、及び、ユーザ情報登録画面等を表示する。操作受付部14は第一の端末装置10に対するテナント管理者Cの操作(各画面への入力)を受け付ける。
【0061】
<<第二の端末装置>>
第二の端末装置20は第二通信部22、表示制御部23、及び、操作受付部24を有している。第二の端末装置20はプログラム(例えばWebブラウザ21)を実行することで、
図6に示すような機能ブロックを実現する。
【0062】
第二通信部22は情報処理システム50と通信して、ログイン画面やホーム画面等を第二の端末装置20が表示するための画面情報を受信する。また、ユーザがログイン画面やホーム画面に入力した情報を情報処理システム50に送信する。
【0063】
表示制御部23は情報処理システム50から受信した画面の画面情報を解析してディスプレイ506に例えばログイン画面やホーム画面を表示する。操作受付部24は第二の端末装置20に対するユーザの操作を受け付ける。
【0064】
<<第三の端末装置>>
第三の端末装置30は第三通信部32、表示制御部33、及び、操作受付部34を有している。第三の端末装置30はプログラム(例えばWebブラウザ31)を実行することで、
図6に示すような機能ブロックを実現する。
【0065】
第三通信部32は情報処理システム50と通信して、パッケージ新規作成画面等を第三の端末装置30が表示するための画面情報を受信する。また、プロダクトデザイナーPがパッケージ新規作成画面に入力した情報を情報処理システム50に送信する。
【0066】
表示制御部33は情報処理システム50から受信した画面の画面情報を解析してディスプレイ506に例えばパッケージ新規作成画面を表示する。操作受付部24は第三の端末装置30に対するプロダクトデザイナーPの操作を受け付ける。
【0067】
<<電子機器>>
電子機器40は第四通信部42、表示制御部43、及び、操作受付部44を有している。電子機器40はプログラム(例えばWebブラウザ41)を実行することで、
図6に示すような機能ブロックを実現する。
【0068】
第四通信部42は情報処理システム50と通信して、待ち受け画面、ランチャー画面、ログイン画面、及び、アプリ画面等を電子機器40が表示するための画面情報を受信する。また、ユーザが待ち受け画面、ランチャー画面、ログイン画面、及び、アプリ画面に入力した情報を情報処理システム50に送信する。
【0069】
表示制御部43は情報処理システム50から受信した画面の画面情報を解析して操作パネル940に例えば待ち受け画面、ランチャー画面、ログイン画面、及び、アプリ画面を表示する。操作受付部44は電子機器40に対するユーザの操作(例えば、ランチャーの起動、認証情報の入力、アプリの選択、アプリに対する操作等)を受け付ける。
【0070】
<<情報処理システム>>
情報処理システム50は、第五通信部52、パッケージ管理部53、認証部54、ユーザ管理部55(管理部の一例)、アプリ管理部56、テナント管理部57、機器管理部58(管理部の一例)、及び、契約管理部61を有している。情報処理システム50が有するこれらの機能は、
図4に示したコンピュータ500が有するCPU501が、HD504からRAM503に展開されたプログラムを実行することで実現される機能又は手段である。
【0071】
また、
図6では作図の都合で情報処理システム50が各機能を有する構成となっているが、各機能が複数の情報処理装置に分散して配置されてもよい。
【0072】
第五通信部52は、第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30及び電子機器40と各種の情報を送受信する。例えば、アプリパッケージ購入画面、利用権限管理画面、及び、ユーザ情報登録画面の画面情報を第一の端末装置10に送信し、ログイン画面やホーム画面の画面情報を第二の端末装置20に送信し、パッケージ新規作成画面等の画面情報を第三の端末装置30に送信し、待ち受け画面、ランチャー画面、ログイン画面、及び、アプリ画面の画面情報を電子機器40に送信する。また、これらの画面で入力された情報を受信する。
【0073】
パッケージ管理部53は、後述するパッケージ情報記憶部591に記憶されるアプリパッケージ情報を管理する。例えば、第三の端末装置30から送信されるアプリパッケージ情報を登録し、また、パッケージ情報記憶部591からアプリパッケージ情報を取得する。
【0074】
認証部54は、プロダクトデザイナーP、テナント管理者C及びユーザを認証して認証が成功するか失敗するかを判断する。認証とは認証要求した者が正当な権限者か否かを判断することをいう。本実施例の場合は、情報処理システム50を使用する権限があるかどうかであり、更に、プロダクトデザイナーP、ユーザ又はテナント管理者Cかも判断できるようになっている。なお、認証の成功とは、プロダクトデザイナーP、ユーザ又はテナント管理者Cが情報処理システム50にログインを許可することをいう。ログインとは、コンピュータやインターネット上の様々なサービスを利用する際に、予め登録しておいたアカウント情報を用いてシステムのリソースにアクセスする認証行為をいう。アカウント情報は、ユーザIDとパスワード、ICカードの番号、又は、生体認証情報などである。
【0075】
ユーザ管理部55は、ユーザ情報を管理しており、後述するユーザ情報記憶部592へのユーザ情報の登録、及び、ユーザ情報記憶部592からのユーザ情報の取得(読み取り)などを行う。
【0076】
アプリ管理部56は、各アプリを管理したり、ユーザごとにアプリのデフォルト設定を管理したり、このデフォルト設定をアプリに反映させたりする。
【0077】
テナント管理部57は、テナントに関するテナント情報を管理し、テナント情報記憶部594へのテナント情報の保存と取得を行う。
【0078】
機器管理部58は、機器情報を管理しており、後述する機器情報記憶部595の機器情報の登録、及び、機器情報記憶部595からの機器情報の取得(読み取り)などを行う。機器とは電子機器40を意味し、本実施形態ではデバイスと称される場合がある。
【0079】
契約管理部61は、アプリパッケージの契約を受け付け、ライセンス情報記憶部596にライセンス情報を登録する。また、ライセンスの数や期限等を管理する。
【0080】
また、情報処理システム50は、
図4に示したHD504、RAM503等により実現される記憶部59を有している。記憶部59にはパッケージ情報記憶部591、ユーザ情報記憶部592、アプリ情報記憶部593、テナント情報記憶部594、機器情報記憶部595、及び、ライセンス情報記憶部596が構築されている。表1を用いてパッケージ情報記憶部591について説明する。
【0081】
【表1】
表1はパッケージ情報記憶部591に記憶されているアプリパッケージ情報を模式的に示す。アプリパッケージ情報はテナントIDに対応づけられており、パッケージ名、説明、デバイス種別、利用可能なロール、及び、アプリリストの各項目を有している。
【0082】
テナントIDは、テナントを識別するための識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。テナントID以外のIDについても同様である。
・パッケージ名…プロダクトデザイナーPが作成したパッケージの名前である。識別機能を有しているとよい。
・説明…プロダクトデザイナーPが作成したパッケージの説明である。プロダクトデザイナーPは任意の情報を設定できる。
・デバイス種別…電子機器にライセンスされるアプリパッケージにおいて利用できる電子機器の種類である(例:電子黒板、画像形成装置)。
・利用可能なロール…プロダクトデザイナーPが作成したアプリパッケージが導入された場合に、テナント上での利用可能なロールである。このアプリパッケージの利用権限があるユーザのロールである。例えば、テナント管理者C又は一般ユーザが設定される。
・アプリリスト…アプリパッケージ含まれるアプリの識別情報(アプリID)である。
【0083】
【表2】
表2はユーザ情報記憶部592に記憶されているユーザ情報を模式的に示す。ユーザ情報はテナントIDに対応づけられている。つまり、テナントに所属するユーザの数だけユーザ情報が存在する。ユーザ情報記憶部592のユーザにはテナント管理者Cも含まれる点に注意されたい。ユーザ情報はテナント管理者Cが情報処理システム50に接続して登録する。
【0084】
ユーザ情報は、テナントID、ユーザID、パスワード、性、名、メールアドレス、表示言語(ロケール)、アカウントの状態、ロール、及び、アプリ利用権限の初期設定の各項目を有している。
・テナントID…ユーザが所属するテナントの識別情報である。
・ユーザID…ユーザの識別情報である。
・パスワード…ユーザであることを証明する秘匿情報である。
・姓…ユーザの名字である。
・名…ユーザの名前である。
・メールアドレス…ユーザのメールアドレスである。
・表示言語(ロケール)…ユーザが使用する画面で表示される文字の言語である。
・アカウントの状態…アカウントはユーザが情報処理システム50にログインするための権利のことである。アカウントの状態には「有効、無効又はアカウントロック」の少なくとも3つがある。ユーザ情報が仮登録されると無効となり、本登録により有効となる。有効となった後もテナント管理者Cが無効に設定できる。アカウントロックは、有効な状態でユーザがパスワードを何回か間違えた場合に設定される。アカウントロックは、例えば、一定期間の経過で有効に戻る点、又は、テナントに所属するユーザとしてカウントされたままである点で無効と異なる。
・ロール…ユーザの権限である。例えば「テナント管理者C又は一般ユーザ」がある。本実施形態ではテナント管理者C及び一般ユーザをユーザと称している。
・アプリ利用権限の初期設定…このユーザが利用可能なアプリパッケージのリストである。ユーザに利用権限が割り当てられたアプリパッケージのリストを有している。
【0085】
表2で空欄でない、テナントID、アカウントの状態、ロール、及び、「アプリ利用権限の初期設定」は自動的に決定される。表2で空欄のユーザID、パスワード、姓、名、メールアドレス、及び、表示言語(ロケール)はテナント管理者Cが設定する。
【0086】
【表3】
表3はアプリ情報記憶部593に記憶されているアプリ情報を模式的に示す。アプリ情報はテナントIDに対応づけて、アプリIDとロールの項目を有している。アプリ情報はプロダクトデザイナーPがサービスの契約状況に応じて登録する。サービスの契約によって自動的に登録されてもよい。各アプリはアプリパッケージに属する場合も属さない場合もある。
・テナントID…アプリが販売されたテナントの識別情報である。
・アプリID…アプリの識別情報である。
・ロール…アプリを利用できる権限である。例えば「テナント管理者C又は一般ユーザ」がある。アプリパッケージのロールとはどちらが優先されてもよい。
【0087】
【表4】
表4はテナント情報記憶部594に記憶されているテナント情報を模式的に示す。テナント情報はテナントIDに対応づけて、テナント名と登録日の項目を有している。
・テナントID…テナントの識別情報である。
・テナント名…テナントの名称であり、社名や部署名である。
・登録日…テナントの登録日である。
【0088】
【表5】
表5は機器情報記憶部595に記憶されている機器情報を模式的に示す。機器情報はテナントIDに対応づけて、機器ID、表示言語、アカウントの状態、及び、機器種別の各項目を有している。
・テナントID …アプリが動作する機器を使用するテナントのIDである。
・機器ID…電子機器を識別する識別情報である。
・表示言語…メニュー等で表示されるデフォルトの言語である。
・アカウントの状態…有効or無効orアカウントロックの状態を取る。
・機器種別…MFP 、電子黒板等、電子機器40の種別である。
【0089】
【表6】
表6はライセンス情報記憶部596に記憶されているライセンス情報を模式的に示す。ライセンス情報はライセンス名、ライセンス種別、自動付与フラグ、及び、ライセンス数の各項目を有している。
・ライセンス名…購入されたライセンスの名前である。ライセンスを識別する機能を有していてよい。ライセンス名によりアプリパッケージと関連付けられている。
・ライセンス種別…契約がユーザ単位か、電子機器単位かが登録される。トライアルプランか正式プランかが登録されているとよい。
・自動付与フラグ…有効(アプリパッケージの利用権限を自動付与する)、又は、無効(アプリパッケージの利用権限を自動付与しない)が登録される。
・ライセンス数…ライセンスの数量(アプリパッケージを使用できるユーザの人数、電子機器の台数、又は、その両方)である。
【0090】
なお、表1~表6は、本実施形態の説明のために示されているに過ぎず主な情報でないものは省略されている。
【0091】
<アプリパッケージ作成の処理と動作>
図7は、プロダクトデザイナーPがアプリパッケージを作成する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0092】
S1:まず、プロダクトデザイナーPが第三の端末装置30を操作して情報処理システム50にログインの操作を行う(認証情報を入力する)。
【0093】
S2:第三の端末装置30の操作受付部34は操作を受け付けて、第三通信部32が認証要求を情報処理システム50に送信する。
【0094】
S3:情報処理システム50の第五通信部52は認証要求を受信し、認証部54が認証情報に基づいてプロダクトデザイナーPを認証する。ここでは認証が成功したものとする。
【0095】
アプリパッケージの作成又はロールの設定はプロダクトデザイナーPにのみ許可され、テナント管理者C、又は、一般ユーザはアプリパッケージのロールを設定できない。つまり、認証部がテナント管理者C、又は、一般ユーザであると認証すると、アプリパッケージへのロールの設定を許可しない。このような処理は、プロダクトデザイナーPがログインした場合にのみ、次述のパッケージ新規作成画面が表示されるような制限により実現できる。
【0096】
S4:プロダクトデザイナーPはパッケージ新規作成画面を開く操作を第三の端末装置30に入力する。なお、プロダクトデザイナーは、アプリパッケージに含まれるアプリ毎に、利用権限を割り当ててよいロールを設定可能にしてもよい。その場合はパッケージ新規作成画面でのアプリパッケージに対するロール(パッケージに含まれるアプリ全体に一括で設定されるロール)は、設定しないを選択する。
【0097】
S5:第三の端末装置30の操作受付部34は操作を受け付けて、第三通信部32がパッケージ新規作成画面を情報処理システム50に要求する。
【0098】
S6:情報処理システム50の第五通信部52はパッケージ新規作成画面の要求を受信し、パッケージ管理部53がパッケージ新規作成画面の画面情報を生成する。パッケージ新規作成画面の画面情報が第三の端末装置30に送信され、第三の端末装置30の表示制御部33がパッケージ新規作成画面を表示する。パッケージ新規作成画面の一例を
図8に示す。
【0099】
S7:プロダクトデザイナーPはパッケージ新規作成画面にデバイス種別と利用権限を割り当ててよいロールを含むアプリパッケージ情報を入力する。
【0100】
S8:プロダクトデザイナーPはアプリパッケージの新規作成(作成実施)を入力する。
【0101】
S9:第三の端末装置30の操作受付部34は入力を受け付けて、第三通信部32が入力されたアプリパッケージ情報を情報処理システム50に要求する。
【0102】
S10:情報処理システム50の第五通信部52はアプリパッケージ情報を受信し、パッケージ管理部53がパッケージ情報記憶部591にアプリパッケージ情報を記憶させる。
【0103】
S11:次に、プロダクトデザイナーPはアプリパッケージにアプリを登録するために、アプリ一覧を表示する操作を第三の端末装置30に入力する。
【0104】
S12:第三の端末装置30の操作受付部34は入力を受け付けて、第三通信部32がアプリ一覧要求を情報処理システム50に要求する。
【0105】
S13:情報処理システム50の第五通信部52はアプリ一覧の要求を受信し、アプリ管理部56がアプリ情報記憶部593を参照してアプリ一覧の画面情報を生成する。プロダクトデザイナーPがアプリパッケージに含めることができるアプリの一覧は顧客のサービス内容により予め決まっている。アプリ一覧の画面情報が第三の端末装置30に送信され、第三の端末装置30の表示制御部33がアプリ一覧画面を表示する。アプリ一覧画面の一例を
図9に示す。
【0106】
S14:プロダクトデザイナーPはアプリ一覧画面からアプリを選択する。なお、アプリごとにロールを設定する場合、プロダクトデザイナーPは、アプリ選択のたびに、アプリごとにロールを設定してもよい。その際すでにアプリパッケージ(全体)に対するロールが設定されている場合は、プロダクトデザイナーPはアプリパッケージに対するロールを、無しに変更(解除)する。第三の端末装置30の操作受付部34は解除を受け付ける。あるいは、変更確認画面を介して変更(解除)実行を受け付けてもよい。操作受付部34がアプリパッケージのロールの解除を受け付けた場合、継続して、アプリを利用可能なロールの設定を受け付けるが、アプリパッケージのロールを解除しなかった場合は、操作受付部34はアプリを利用可能なロールの設定を受け付けない。
【0107】
S15:第三の端末装置30の操作受付部34はアプリの選択を受け付けて、第三通信部32がアプリの識別情報を情報処理システム50に要求する。
【0108】
S16:情報処理システム50の第五通信部52はアプリの識別情報を受信し、パッケージ管理部53が作成したアプリパッケージにアプリを登録する。
【0109】
S17:プロダクトデザイナーPはアプリ一覧画面にアプリパッケージの作成が完了した旨を入力する。例えば、アプリの登録完了を知らせるメッセージに表示される終了ボタンを押下したり、アプリ一覧画面に用意されている作成完了ボタンを押下したりする。
【0110】
S18:第三の端末装置30の操作受付部34は作成完了を受け付けて、第三通信部32がパッケージ作成完了を情報処理システム50に要求する。
【0111】
S19:情報処理システム50の第五通信部52は作成完了を受信し、パッケージ管理部53が作成したアプリパッケージを保存する。
【0112】
以上の処理により、アプリパッケージが作成される。この時点ではアプリパッケージができたがテナントとは関連付けられていない。
【0113】
<アプリパッケージ作成の際の画面例>
図8、
図9を用いて、アプリパッケージ作成の際の画面例について説明する。
図8は、パッケージ新規作成画面200の一例である。パッケージ新規作成画面200はプロダクトデザイナーPがアプリパッケージを作成する画面である。パッケージ新規作成画面200は、パッケージ名欄201、サービス種別欄202、説明欄203、ライセンス制御欄204、デバイス制御欄205、公開範囲欄206、及び、利用可能なロール欄207を有している。
・パッケージ名欄201:アプリパッケージの名称が入力される欄である。
・サービス種別欄202:アプリパッケージの識別情報である。
・説明欄203:アプリパッケージの説明である。
・ライセンス制御欄204:パッケージ情報のデバイス種別の項目を有効にするか否かが設定される。ライセンス制御欄204が「有効」に設定された場合、デバイス制御欄205が表示される。
・デバイス制御欄205:アプリパッケージ情報のデバイス種別の項目を対応する設定であり、電子機器にライセンスされるアプリパッケージの場合の電子機器の種別が設定される。
・公開範囲欄206:アプリパッケージが公開される範囲である。
・利用可能なロール欄207:このアプリパッケージの利用権限をテナント管理者Cが設定できるユーザのロールである。
【0114】
図9は、アプリ一覧画面210の一例である。なお、アプリ情報画面も同様の構成となる。アプリ一覧画面210は、アプリ名欄211、状態欄212、及び、アプリリスト213を有している。
・アプリ名欄211:検索したいアプリ名が入力される欄である。
・状態欄212:検索されるアプリの状態(定員に達していて利用不可かどうかなど)が指定される欄である。
・アプリリスト213:検索に適合したアプリのリストが表示される欄である。検索前は何も表示されなくても全てが表示されてもよい。アプリ名、説明、アプリタイプ、状態、及び、作成日が表示される。
【0115】
<アプリパッケージの購入処理>
続いて、
図10、
図11を参照して、テナント管理者Cがアプリパッケージを購入する処理について説明する。
図10は情報処理システム50がアプリパッケージの購入に際して、利用権限の自動付与を設定する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図10ではテナント管理者Cがトライアルプランに申し込む場合を説明する。トライアルプランとは、無料又は通常よりも低廉な価格でテナントがアプリパッケージを利用できるプランである。購入前に試しに使用したいユーザと、使用してもらいたい業者側の双方にメリットがある。本実施形態ではトライアルプランでも正式プランでもテナント管理者Cがライセンスを購入可能である。
【0116】
S21~S23:ログイン処理は
図7のステップS1~S3と同様でよい。ただしログインするのはテナント管理者Cである。アプリパッケージの購入は通常、テナント管理者Cが行うためであるが、一般ユーザが購入してもよい。
【0117】
S24:テナント管理者Cは第一の端末装置10を操作して、契約管理サイトのアプリパッケージ購入画面を開く操作を入力する。第一の端末装置10の操作受付部14は操作を受け付ける。
【0118】
S25:第一の端末装置10の第一通信部はアプリパッケージ購入画面を情報処理システム50に要求する。
【0119】
S26:情報処理システム50の第五通信部52はアプリパッケージ購入画面の要求を受信し、パッケージ管理部53がアプリパッケージ購入画面の画面情報を生成する。アプリパッケージ購入画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13がアプリパッケージ購入画面を表示する。アプリパッケージ購入画面の一例を
図11に示す。
【0120】
S27:テナント管理者Cはアプリパッケージ購入画面に必要事項を入力し、購入要求(契約申請)する旨を入力する。後述するように、トライアルプランのアプリパッケージ購入画面において、テナント管理者Cは自動付与の設定を行う。第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付ける。
【0121】
S28:第一の端末装置10の第一通信部12はアプリパッケージ購入画面で入力された必要事項を情報処理システム50に送信する。
【0122】
S29:情報処理システム50の第五通信部52は必要事項を受信し、契約管理部61がライセンス情報記憶部596にライセンス情報を保存する。また、パッケージ管理部53がトライアルで購入されたアプリパッケージの利用権限の付与をユーザ管理部55に要求する。トライアルプランなので、利用権限が付与されるユーザの数には制限がない。ユーザ管理部55は、ライセンス情報記憶部596で自動付与が有効であることを確認する。有効である場合、アプリパッケージ購入画面で設定されたユーザのロールが適合するユーザに対しアプリパッケージの利用権限を設定する。なお、トライアルプランである旨や利用可能期間が添付されてよい。
【0123】
S30~32:情報処理システム50は、購入成功メッセージを第一の端末装置10に送信する。第一の端末装置10は購入成功メッセージをディスプレイに表示する。
【0124】
なお、
図10では、ユーザにアプリパッケージの利用権限が割り当てられているが、アプリパッケージのデバイス種別がデバイス(電子機器)の場合は電子機器40に利用権限が割り当てられる。
【0125】
図11(a)は第一の端末装置10が表示するトライアルプランのアプリパッケージ購入画面300の一例である。アプリパッケージ購入画面300は、パッケージ名欄301、サービス種別欄302、説明欄303、ライセンス制御欄304、デバイス種別欄305、公開範囲欄306、及び、利用可能なロール欄307を有している。これら各項目は、アプリ情報記憶部593で説明した各項目と対応しているので、説明は省略する。
【0126】
このように、トライアルプランのアプリパッケージ購入画面300では、利用できる人数の設定がない。
【0127】
図11(b)は
図11(a)のアプリパッケージ購入画面300から遷移したアプリパッケージ購入画面310の一例である。このアプリパッケージ購入画面310は、料金プラン欄311、契約開始日欄312、契約終了日欄313、自動付与欄314、請求先欄315、Note欄316、及び、契約番号欄317を有している。
・料金プラン欄311…トライアルプラン又は正式プランが設定される。
・契約開始日欄312…トライアルプランでアプリパッケージを契約した日である。
・契約終了日欄313…トライアルプランで契約したアプリパッケージをテナントが使用できる期限である。
・自動付与欄314…ユーザ又はデバイスに利用権限を情報処理システム50が自動で付与するかどうかが設定される。設定内容はライセンス情報記憶部596に記憶される。この設定が有効な場合、テナント管理者Cは各ユーザ又は電子機器に利用権限を割り当てる作業が不要になる。
・請求先欄315…アプリパッケージの購入代金の請求先である。
・Note欄316…メモや連絡事項等の記入欄である。
・契約番号欄317…契約に対し採番される契約の識別情報である。
【0128】
続いて、
図12、
図13を参照して、正式プランのアプリパッケージの購入時の処理を説明する。
図12は情報処理システム50が正式プランのアプリパッケージの購入に対し、利用権限の自動付与を設定する処理を説明するシーケンス図の一例である。正式プランとは、有料でテナントがアプリパッケージを利用できるプランである。トライアルプランよりも機能が充実している場合がある。
【0129】
S41~S46:
図10のステップS21~S26と同様でよい。
【0130】
S47:テナント管理者Cはアプリパッケージ購入画面に必要事項を入力する。第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付ける。後述するように、正式プランのアプリパッケージ購入画面でも、テナント管理者Cは自動付与の設定を行う。正式プランのアプリパッケージ購入画面の一例を
図13に示す。
【0131】
S48:第一の端末装置10の第一通信部12はアプリパッケージ購入画面で入力された必要事項を情報処理システム50に送信する。
【0132】
S49:情報処理システム50の第五通信部52は必要事項を受信し、契約管理部61がライセンス情報記憶部596にライセンス情報を保存する。また、パッケージ管理部53が正式プランで購入されたアプリパッケージの利用権限の付与をユーザ管理部55に要求する。ユーザ管理部55は、ライセンス情報記憶部596で自動付与が有効であることを確認する。有効である場合、正式プランではライセンス数(利用できるユーザの人数)に制限があるので、ライセンス数とロールが適合するユーザ数の大小関係に応じて利用権限を割り当てる。
【0133】
「ライセンス数 < ロールが適合するユーザ数」の場合
S50~S52:この場合、どのユーザに割り当てるべきか不明なので、ユーザ管理部55は、どのユーザにもアプリパッケージの利用権限を割り当てない。情報処理システム50の例えばユーザ管理部55は、購入成功メッセージと自動付与失敗メッセージを第一の端末装置10に送信する。第一の端末装置10は購入成功メッセージと自動付与失敗メッセージをディスプレイに表示する。なお、ユーザ管理部は、名前の順などの所定の順で、「ライセンス数 = ロールが適合するユーザ数」となるまで、アプリパッケージの利用権限を自動で付与してもよい。
【0134】
「ライセンス数 ≧ ロールが適合するユーザ数」の場合
S53~S55:ユーザ管理部55は、ロールが適合するユーザにアプリパッケージの利用権限を割り当てる。情報処理システム50の例えばユーザ管理部55は、購入成功メッセージと自動付与成功メッセージを第一の端末装置10に送信する。第一の端末装置10は購入成功メッセージと自動付与成功メッセージをディスプレイに表示する。
【0135】
なお、アプリパッケージのデバイス種別がデバイス(電子機器)の場合、電子機器40のライセンス数と電子機器40の種別が適合する電子機器の数が比較される。
【0136】
図13は第一の端末装置10が表示する正式プランのアプリパッケージ購入画面320の一例である。
図13では正式プランのアプリパッケージで使用される項目を主に説明する。アプリパッケージ購入画面320は、料金プラン欄321、課金単位欄322、料金表欄323、数量欄324、契約開始日欄325、契約終了日欄326、お支払い方法欄327、及び、自動付与欄328を有している。
・料金プラン欄321…正式プランである旨が設定される。
・課金単位欄322…ユーザ単位で課金するか、デバイス単位で課金するか、又は、両方で課金するかが設定される。ユーザ単位で課金の場合はユーザに利用権限が割り当てられる。デバイス単位で課金の場合は電子機器に利用権限が割り当てられる。両方で課金する場合は、それぞれで数量の設定可能になる。
・料金表欄323…料金の計算方法が提示される。
図13では10人まではA円、10人以上は一人あたりB円となっている。
・数量欄324…契約する人数又は台数をテナント管理者Cが入力する。ライセンス数に相当する。
・契約開始日欄325…正式プランでアプリパッケージを購入した日である。
・契約終了日欄326…正式プランで購入したアプリパッケージをテナントが使用できる期限である。
・お支払い方法欄327…アプリパッケージの購入代金の支払い方法である。
・自動付与欄328…ユーザ又は電子機器40に利用権限を情報処理システム50が自動で付与するかどうかが設定される。この設定が有効な場合、テナント管理者Cは各ユーザ又は電子機器40に利用権限を割り当てる作業が不要になる。
【0137】
<アプリパッケージの購入後にテナント管理者Cが自動付与の操作を行った場合>
図10~
図13で説明したように、アプリパッケージ購入画面300,310,320でテナント管理者Cが自動付与欄に有効と設定すると、ユーザ又はデバイスにアプリパッケージの利用権限が自動的に割り当てられる。しかし、テナント管理者Cが自動付与欄に無効と設定した場合でも、後から、自動付与の設定が可能である。本実施形態では、アプリパッケージ利用権限管理画面から自動付与の設定をテナント管理者Cが行う場合を説明する。
【0138】
図14は、登録済みのユーザにテナント管理者Cがアプリパッケージを割り当てるアプリパッケージ利用権限管理画面で自動付与を設定する処理を示すシーケンス図の一例である。
【0139】
S71~S73:ログイン操作は
図7のステップS1~S3と同様でよい。
【0140】
S74:テナント管理者Cはアプリパッケージ利用権限管理画面を開く操作を第一の端末装置10に入力する。
【0141】
S75:第一の端末装置10の操作受付部14は操作を受け付けて、第一通信部12がアプリパッケージ利用権限管理画面を情報処理システム50に要求する。情報処理システム50の第五通信部52はアプリパッケージ利用権限管理画面の要求を受信し、ユーザ管理部55がアプリパッケージ利用権限管理画面の画面情報を生成する。テナント管理者Cのログインによりテナントが特定され、同じテナントIDを持つユーザに割り当てられているアプリパッケージの数をアプリパッケージごとに集計する。各アプリパッケージのライセンス数はライセンス情報記憶部596にほぞんされている。また、ユーザ情報のアプリ利用権限からユーザに利用権限が認められているアプリパッケージをユーザごとに読み出す。アプリパッケージ利用権限管理画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13がアプリパッケージ利用権限管理画面を表示する。アプリパッケージ利用権限管理画面の一例を
図15に示す。
【0142】
S76:テナント管理者Cは自動付与したいアプリパッケージについて自動付与ボタンを押下する。第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付ける。
【0143】
S77、S78:第一の端末装置10の第一通信部12が、アプリパッケージの識別情報と自動付与を有効にする旨を情報処理システム50に送信する。ユーザ管理部55は、ライセンス情報記憶部596で自動付与が有効であることを確認する。
【0144】
S79~S81:
図12のステップS50~S52と同様でよい。情報処理システム50は自動付与ボタンが押下されたことに応じて、アプリパッケージの利用権限の割り当てを試みる。
【0145】
「ライセンス数 < ロールが適合するユーザ数」の場合、情報処理システム50の例えばユーザ管理部55は、「利用権限数量を増やさないと自動付与機能をONにできないので、利用権限数量を増やしてください。」というダイアログを第一の端末装置10に送信する。この他、例えばユーザ管理部55は、ダイアログに加えて案内方法の例としてライセンス購入を促すメッセージ、契約サイトのリンク、及び、テナントの担当サービスマンの連絡先等を第一の端末装置10に送信してもよい。第一の端末装置10の表示制御部はこれらのメッセージ等をディスプレイに表示する。
【0146】
S82~S84:
図12のステップS53~S55と同様でよい。
【0147】
図15は、アプリパッケージ利用権限管理画面360の一例を示す。アプリパッケージ利用権限管理画面360はユーザごとにアプリパッケージの利用権限をテナント管理者Cが割り当てる画面である。アプリパッケージ利用権限管理画面360には、ユーザID361に対応づけて各アプリパッケージの利用権限362が表示される。各ユーザは利用権限362でチェックマーク364があるアプリを利用できる。アプリごとの利用権限状態363により、アプリごとに最大のライセンス数(分母)が設定されており、現在割り当てられているライセンス数(分子)も分かるようになっている。利用権限362には各ユーザのユーザ情報における「アプリ利用権限の初期設定」が反映されている。テナント管理者Cはアプリパッケージ利用権限管理画面360でアプリパッケージごとに、どのユーザに利用権限を設定するか(許可)又は取り消すか(制限)を編集できる。
【0148】
マイナスマーク365はユーザとアプリパッケージの対応において利用権限をテナント管理者Cが割り当てられない(禁止)旨を示す。ユーザのロールによってはアプリパッケージを利用できないロールがあり、このユーザにマイナスマーク365が表示される。例えば、表1のアプリパッケージ情報の利用可能なロールの項目が「管理者」の場合、アプリパッケージ利用権限管理画面360では一般ユーザに対応付けてマイナスマーク365が表示される。これに対し、アプリパッケージ利用権限管理画面360で空欄になっているユーザは利用権限が未付与のユーザである。
【0149】
アプリパッケージ利用権限管理画面360はアプリごとに自動付与ボタン366を有している。この自動付与ボタン366はON状態とOFF状態が切り替わるようになっており、テナント管理者Cが自動付与を有効にしたい場合は、自動付与ボタン366をONに操作する。自動付与ボタン366の状態はライセンス情報記憶部596に記憶される。このように、テナント管理者Cはアプリパッケージの購入後に、自動付与を有効にすることができる。
【0150】
なお、チェック欄367は全てのユーザをチェックするか、又は、全てのユーザからチェックを外すかを設定するための欄である。
【0151】
図16は、電子機器40におけるアプリパッケージ利用権限管理画面の一例を示す。
図16の説明では主に
図15との相違を説明する。
図16のアプリパッケージ利用権限管理画面では、ユーザID361でなく電子機器IDに対応づけて各アプリパッケージの利用権限362が表示される。その他の構成は
図15と同様でよい。
【0152】
<ユーザ登録時のアプリパッケージの利用権限の自動付与>
アプリパッケージの購入後にユーザが登録される場合も、情報処理システム50はアプリパッケージの利用権限をユーザに自動付与できる。
【0153】
図17は、テナント管理者Cがテナントにユーザを登録する処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。
【0154】
S31~S33:ログイン操作は
図7のステップS1~S3と同様でよい。
【0155】
S34:テナント管理者Cはユーザ情報登録画面を開く操作を第一の端末装置10に入力する。
【0156】
S35:第一の端末装置10の操作受付部14は操作を受け付けて、第一通信部12がユーザ情報登録画面を情報処理システム50に要求する。情報処理システム50の第五通信部52はユーザ情報登録画面の要求を受信し、ユーザ管理部55がユーザ情報登録画面の画面情報を生成する。ユーザ情報登録画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13がユーザ情報登録画面を表示する。ユーザ情報登録画面の一例を
図18に示す。
【0157】
S36:テナント管理者Cはロールを含むユーザ情報をユーザ情報登録画面に入力する。第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付ける。
【0158】
S37:テナント管理者Cはこのユーザが利用可能なアプリパッケージの一覧を表示する操作を行う。
【0159】
S38:第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付けて、第一通信部12が利用可能なアプリパッケージの一覧をユーザのロールと共に情報処理システム50に要求する。情報処理システム50の第五通信部52は利用可能なアプリパッケージの一覧の要求を受信し、パッケージ管理部53がパッケージ情報記憶部591をユーザのロールで検索する。パッケージ管理部53は検索に適合したアプリパッケージの一覧画面の画面情報を生成する。利用可能なアプリパッケージの一覧画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13が利用可能なアプリパッケージの一覧画面を表示する。アプリパッケージの一覧画面の一例を
図19に示す。
【0160】
S39:テナント管理者Cは利用可能なアプリパッケージの一覧画面で自動付与するアプリパッケージを選択する。操作受付部14はアプリパッケージの選択を受け付ける。画面がユーザ情報登録画面に戻る。テナント管理者Cはユーザを登録する操作を入力する。操作受付部14はこの操作を受け付ける。
【0161】
S40:第一の端末装置10の第一通信部12は選択されたアプリパッケージの識別情報を含むユーザ情報の登録を情報処理システム50に要求する。
【0162】
S41:情報処理システム50の第五通信部52はユーザ情報の登録要求を受信する。まず、ユーザ管理部55はアプリパッケージの利用権限以外のユーザ情報をユーザ情報記憶部592に保存する。ユーザ管理部55はユーザ情報の登録要求に応じて、利用権限の割り当てを試みる。
【0163】
ユーザ管理部55は、ライセンス情報記憶部596で自動付与が有効であることを確認する。有効である場合、残りのライセンス数を確認する。つまり、アプリパッケージごとにライセンス数とすでに割り当て済みのユーザ数を確認する。ライセンス数はライセンス情報記憶部596に記憶されている。割り当て済みのユーザはアプリパッケージの利用権限が割り当てられているユーザの人数をカウントすることでわかる。残りのライセンス数が1つもない場合、「このアプリパッケージの利用権限付与数は限界に達したので自動付与できませんでした」等のメッセージを第一の端末装置10に送信する。また、利用権限を増やす方法を案内するとよい。この場合、ユーザ管理部55はユーザ情報記憶部592にアプリパッケージの利用権限を設定しない。
【0164】
残りのライセンス数が1つ以上の場合、ユーザ管理部55はアプリパッケージの利用権限がある旨をユーザ情報記憶部592に保存する。
【0165】
このように、アプリパッケージに設定されたロールを利用して、テナント管理者Cが使用させたいユーザにアプリパッケージの利用権限を割り当てなくても、自動で利用権限を割り当てることができる。
【0166】
図18を用いて、ユーザ情報登録の際の画面例について説明する。
図18は、ユーザ情報登録画面250の一例である。ユーザ情報登録画面250はテナント管理者Cがユーザ情報を登録する画面である。ユーザ情報登録画面250は、ユーザID欄251、メールアドレス欄252、姓欄253、名欄254、メール返信用言語255、ロール欄256、機能ログイン連携設定欄257、アプリ利用権限の初期設定258、及び、アプリ選択ボタン259を有している。
・ユーザID欄251…ユーザIDが入力される欄である。
・メールアドレス欄252…ユーザのメールアドレスが入力される欄である。
・姓欄253…ユーザの姓が入力される欄である。
・名欄254…ユーザの名が入力される欄である。
・メール返信用言語255…情報処理システム50がメール返信する場合の言語が設定される欄である。
・ロール欄256…テナント管理者C又は一般ユーザのロールが設定される欄である。
・機能ログイン連携設定欄257…ユーザ情報と電子機器のアカウントを紐付ける場合に電子機器の識別情報が設定される欄である。ICカードのカード番号を設定できる。
・アプリ利用権限の初期設定258…アプリを選択ボタン259の押下によりアプリパッケージを選択するための欄である。アプリを選択ボタン259の押下により
図19の利用可能パッケージ一覧画面260に遷移する。
図18は、
図19の利用可能パッケージ一覧画面260でアプリパッケージが選択された後の状態を示している。
【0167】
図19は、利用可能パッケージ一覧画面260の一例である。利用可能パッケージ一覧画面260は登録対象のユーザのロールで利用可能なアプリパッケージの一覧を表示する。利用可能パッケージ一覧画面260ではアプリ名261と利用数262が対応付けられている。このアプリ名261は、ユーザのロールで利用できるアプリパッケージの名称である。利用権限が自動付与されるアプリパッケージの候補となる。また、利用数262は契約によって決まっている上限の割当可能数(分母)に対する現在の割り当て数(分子)である。テナント管理者Cはチェックボックス263をチェックして利用権限を割り当てるアプリパッケージを選択する。
【0168】
なお、現在の割り当て数(分子)が上限の割当可能数(分母)に達している場合、チェックボックス263が表示されず、アプリ名と利用数は半輝度で表示され、テナント管理者Cが選択できない。
【0169】
なお、アプリパッケージに含まれる個々のアプリに対してロールが設定され、個々のアプリの1つ以上に利用可能なユーザのロールが設定されている場合は、アプリパッケージとしては利用可能に表示され、かつパッケージ選択後の詳細画面でアプリ単位での利用権限の割り当てを可能にしてもよい。
【0170】
<電子機器登録時のアプリパッケージの利用権限の自動付与>
アプリパッケージの購入後に電子機器が登録される場合も、情報処理システム50はアプリパッケージの利用権限をデバイスに自動付与できる。
【0171】
図20は、テナント管理者Cがテナントに電子機器を登録する処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。
【0172】
S91~S93:ログイン操作は
図7のステップS1~S3と同様でよい。
【0173】
S94:テナント管理者Cはデバイス情報登録画面を開く操作を第一の端末装置10に入力する。
【0174】
S95:第一の端末装置10の操作受付部14は操作を受け付けて、第一通信部12がデバイス情報登録画面を情報処理システム50に要求する。情報処理システム50の第五通信部52はデバイス情報登録画面の要求を受信し、機器管理部58がデバイス情報登録画面の画面情報を生成する。デバイス情報登録画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13がユーザ情報登録画面を表示する。
【0175】
S96:テナント管理者Cは機器種別を含む機器情報をデバイス情報登録画面に入力する。第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付ける。
【0176】
S97:テナント管理者Cはこの電子機器が利用可能なアプリパッケージの一覧を表示する操作を行う。
【0177】
S98:第一の端末装置10の操作受付部14は入力を受け付けて、第一通信部12が利用可能なアプリパッケージの一覧を電子機器の種別と共に情報処理システム50に要求する。情報処理システム50の第五通信部52は利用可能なアプリパッケージの一覧の要求を受信し、パッケージ管理部53がパッケージ情報記憶部591を電子機器の種別で検索する。パッケージ管理部53は検索に適合したアプリパッケージの一覧画面の画面情報を生成する。利用可能なアプリパッケージの一覧画面の画面情報が第一の端末装置10に送信され、第一の端末装置10の表示制御部13が利用可能なアプリパッケージの一覧画面を表示する。アプリパッケージの一覧画面は
図19と同じでよい。
【0178】
S99:テナント管理者Cは利用可能なアプリパッケージの一覧画面で利用権限を自動付与するアプリパッケージを選択する。操作受付部14はアプリパッケージの選択を受け付ける。画面がデバイス情報登録画面に戻る。テナント管理者Cは電子機器40を登録する操作を入力する。操作受付部14はこの操作を受け付ける。
【0179】
S100:第一の端末装置10の第一通信部12は選択されたアプリパッケージの識別情報を含む機器情報の登録を情報処理システム50に要求する。
【0180】
S101:情報処理システム50の第五通信部52は機器情報の登録要求を受信し、機器管理部58が機器情報記憶部595に機器情報を登録する。機器情報にはアプリパッケージの利用権限がある旨が設定される。自動付与の方法は
図17のステップS51と同様でよい。
【0181】
このように、アプリパッケージに設定されたロールを利用して、テナント管理者Cが使用させたい電子機器にアプリパッケージの利用権限を割り当てなくても、自動で利用権限を割り当てることができる。
【0182】
<ユーザのログイン時の処理と動作>
次に、
図21を用いてユーザのログイン時の処理と動作を説明する。
図21は、ユーザのログイン時の処理と動作を説明するシーケンス図の一例である。なお、このユーザは一般ユーザでもテナント管理者Cでもよい。
【0183】
S61:ユーザUは第二の端末装置20を操作して情報処理システム50と通信させ、ログイン画面を表示させる。
【0184】
S62:ユーザUは認証情報を入力する。例えば、テナントID、ユーザID及びパスワード、又は、メールアドレスとパスワードを入力する。
【0185】
S63:第二の端末装置20の操作受付部24は入力を受け付けて、第二通信部22が認証情報を情報処理システム50に要求する。
【0186】
S64:情報処理システム50の第五通信部52は認証情報を受信し、認証部54はユーザ管理部55にテナントIDとユーザIDを送信する。
【0187】
S65:ユーザ管理部55はテナントIDとユーザIDに対応付けられたユーザ情報を認証部54に送出する。
【0188】
S66:認証部54はユーザが入力したテナントID、ユーザID及びパスワードがユーザ情報記憶部592に登録されているものと同じかどうかを判断する。
【0189】
S67:認証成功の場合、認証部54は認証成功を第二の端末装置20に送信する。
【0190】
認証成功時には、情報処理システム50がこのユーザに対応したホーム画面の画面情報を第二の端末装置20に送信するので、第二の端末装置20のユーザは利用権限があるアプリのみからアプリを選択できる。つまり、ユーザ情報のアプリ利用権限の初期設定の項目に設定されているアプリパッケージに含まれるアプリのみを第二の端末装置20が表示する。
【0191】
<ログイン画面等>
図22はログイン画面の一例を示す。
図22は第二の端末装置20が表示するログイン画面330の一例である。ログイン画面330は、テナントID欄331、ユーザID欄332、パスワード欄333、及び、ログインボタン334を有している。ユーザはテナントID欄331にテナントIDを入力し、ユーザID欄332にユーザIDを入力し、パスワード欄333に自分のパスワードを入力する。これらが認証情報の一例である。ユーザがログインボタン334を押下するとログイン要求が情報処理システム50に送信される。なお、ユーザはメールアドレスとパスワードでもログインできる。
【0192】
図23は、一般ユーザがログインして第二の端末装置20が表示するホーム画面440の一例である。ログイン要求に対し認証が成功すると、第二の端末装置20はホーム画面440を表示する。ホーム画面440には、ユーザ情報において一般ユーザが利用権限を有するアプリのリスト441が表示される。
【0193】
テナント管理者Cがログインした場合は、テナント管理者Cに認められている設定用のボタン等が表示される。
【0194】
<主な効果>
以上説明したように、情報処理システム50は、ユーザが登録されたことを契機にして、アプリパッケージに設定されているロールを有するユーザに、アプリパッケージの利用権限を自動的に割り当てることができる。また、テナント管理者Cがアプリパッケージに自動付与の設定を行うことを契機に、アプリパッケージに設定されているロールを有するユーザに、アプリパッケージの利用権限を自動的に割り当てることができる。
【0195】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0196】
例えば、本実施形態では各端末装置が汎用的なWebブラウザを使用しているが、情報処理システム50に専用のアプリを使用してもよい。
【0197】
また、
図5などの構成例は、第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30、電子機器40、及び情報処理システム50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。第一の端末装置10、第二の端末装置20、第三の端末装置30、電子機器40、及び情報処理システム50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0198】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム50は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0199】
更に、情報処理システム50は、開示された処理ステップ、例えば
図7等のシーケンス図を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理システム50が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、情報処理システム50は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0200】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0201】
1 サービス提供システム
10 電子機器
20 第一の端末装置
30 第二の端末装置
40 第三の端末装置
50 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0202】