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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】バンドクランプ
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240228BHJP
   F16B 2/08 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
B60R16/02 623A
F16B2/08 U
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020045790
(22)【出願日】2020-03-16
(65)【公開番号】P2021146780
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】田才 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】太田 潤
(72)【発明者】
【氏名】岡 諭志
(72)【発明者】
【氏名】岡部 誠人
(72)【発明者】
【氏名】馬渕 佳明
(72)【発明者】
【氏名】加茂 春憲
(72)【発明者】
【氏名】平井 聖崇
(72)【発明者】
【氏名】松井 直人
【審査官】森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-255260(JP,A)
【文献】実開昭53-160941(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102006025706(DE,A1)
【文献】特開2012-057741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/02-16/08
H02G 3/22- 3/40
F16B 2/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コルゲートを保持するコルゲート保持部と、車両における所定の取付け箇所に取り付ける車両取付部とで構成されるバンドクランプであって、
前記コルゲート保持部は、
前記コルゲートの外周に巻き付けるバンド部と、
前記コルゲートに巻き付けた状態で前記バンド部を固定するバックル部と、
前記バックル部に当接して前記バンド部の巻き付け量を規制する規制部とで構成され、
前記バンド部に、所定の巻き付け量となる位置に前記規制部を装着する複数の被装着部が設けられ、
前記規制部は、
前記コルゲートに巻き付けた巻き付け状態の前記バンド部の外周側から前記被装着部に装着する装着部と、
前記バックル部に当接する当接部とで構成された
バンドクランプ。
【請求項2】
前記当接部は、
前記巻き付け状態で、前記バンド部と前記バックル部との間に差し込まれるくさび形状で形成された
請求項1に記載のバンドクランプ。
【請求項3】
前記バンド部における、前記巻き付け状態で径内側となる内面側に、前記バンド部の長手方向に延びるとともに、前記コルゲートの凹部に嵌り込める軸方向凸部が設けられた
請求項1又は請求項2に記載のバンドクランプ。
【請求項4】
前記被装着部は、前記バンド部を厚み方向に貫通する貫通孔で構成され、
前記装着部は、前記貫通孔を挿通する挿通装着部で構成した
請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載のバンドクランプ。
【請求項5】
前記挿通装着部は、
前記貫通孔を貫通する装着軸部と、該装着軸部の挿通方向先端に設けた先端拡大部とで構成された
請求項4に記載のバンドクランプ。
【請求項6】
前記先端拡大部は、前記コルゲートの凹部に挿入可能な径で形成された
請求項5に記載のバンドクランプ。
【請求項7】
前記貫通孔は、
前記先端拡大部が挿通できる拡大孔部と、
前記装着軸部が挿通できるとともに、前記先端拡大部は挿通できない軸孔部とで構成され、
前記拡大孔部と前記軸孔部とが、前記バンド部における長手方向に配置され、且つ連通する
請求項5又は請求項6のうちいずれかに記載のバンドクランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両に配索するワイヤーハーネスなどに外装するコルゲートを、車両の所定の取付箇所に取り付けるバンドクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ワイヤーハーネスを車両に配索する際に、ワイヤーハーネスの外装材として環状の凹凸が軸方向に連続するチューブ状のコルゲートを用いることがある。そして、このコルゲートを所定間隔ごとに車両側の取付けパネル等に対して固定するための治具として、バンドクランプが用いられている。
【0003】
ワイヤーハーネスは、その接続先(電子機器類やバッテリなど)や車体の仕様などにより求められる径が異なる場合があり、それに応じて、外装材として用いられるコルゲートも異なる径のものが用いられる。そのため、バンドクランプとしては、複数の径のコルゲートに共用できるものが望ましい。
【0004】
例えば、特許文献1には、複数の径のコルゲートに共用できるバンドクランプとして、コルゲートの外周に巻き付けるバンド部と、コルゲートに巻き付けた状態のバンド部を、異なる巻き付け量で段階的に固定可能なバックル部とを備えたバンドクランプが開示されている。この特許文献1に開示されるバンドクランプによれば、コルゲートの径に応じた巻き付け量でバンド部を固定できるため、異なる複数の径のコルゲートに共用することができるとされている。
【0005】
しかしながら、一般に、コルゲートは、屈曲・伸縮ができるように樹脂などの可撓性のある素材で構成されている。そして、その可撓性により、バンド部を異なる巻き付け量で段階的に固定可能な前記バンドクランプでは、バンドガンを用いると、バンド部を引っ張ってコルゲートを締め付ける際に過度の力が作用し、コルゲートを過剰に締め付けてしまう過剰締め付けが生じ得る。その場合、コルゲートの径に対して過剰な巻き付け量でバンド部が固定され、コルゲートに意図しない変形が生じる可能性がある。
【0006】
そのため、前記バンドクランプでは、コルゲートへの取付作業にバンドガンを用いることができず、手作業により、コルゲートに巻き付けたバンド部を適切な締め付け力で締め付けた状態でバックル部により固定する必要がある。そうすると、バンドクランプのコルゲートへの取付作業において、作業者がバンド部の締め付け具合に意識を払う必要があり、作業の効率性のさらなる向上を図ることができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2012-29484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の問題に鑑み、コルゲートへの取付作業を容易かつ効率よく行うことができるバンドクランプの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、コルゲートを保持するコルゲート保持部と、車両における所定の取付け箇所に取り付ける車両取付部とで構成されるバンドクランプであって、前記コルゲート保持部は、前記コルゲートの外周に巻き付けるバンド部と、前記コルゲートに巻き付けた状態で前記バンド部を固定するバックル部と、前記バックル部に当接して前記バンド部の巻き付け量を規制する規制部とで構成され、前記バンド部に、所定の巻き付け量となる位置に前記規制部を装着する複数の被装着部が設けられ、前記規制部は、前記コルゲートに巻き付けた巻き付け状態の前記バンド部の外周側から前記被装着部に装着する装着部と、前記バックル部に当接する当接部とで構成されたことを特徴とする。
【0010】
この発明により、固定する前記コルゲートの径に対応する前記被装着部に対して前記規制部を装着することで、前記バンド部を引っ張って前記コルゲートを締め付ける際に、前記コルゲートの径に対して適切な巻き付け量となる位置で前記当接部を前記バックル部に当接させることができる。これにより、作業者は、前記バンド部が適切な巻き付け量となる位置を容易に知ることができ、バンドクランプのコルゲートへの取付作業において、作業者が前記バンド部の締め付け具合に特段の意識を払うことなく容易に作業を行うことが可能になる。
【0011】
さらに、適切な巻き付け量となる位置で前記当接部が前記バックル部に当接するため、適切な巻き付け量となる位置以上に前記バンド部が引っ張られることも抑制される。これにより、バンドクランプのコルゲートへの取付作業において、前記バンド部を引っ張って前記コルゲートを締め付ける際における前記バンド部による前記コルゲートの過剰締め付けを抑制できる。そのため、バンドクランプのコルゲートへの取付作業において、手作業によらず、バンドガンを用いた締め付け作業も行うことができる。
【0012】
上述のように、この発明により、コルゲートへの取付作業において、前記バンド部を前記コルゲートの径に応じた適切な巻き付け量で固定するために、作業者が前記バンド部の締め付け具合に特段の意識を払うことがなく、且つ、手作業によらず、バンドガンを用いた締め付け作業も行うことができる。
したがって、バンドクランプのコルゲートへの取付作業を容易かつ効率よく行うことができる。
【0013】
この発明の態様として、前記当接部は、前記巻き付け状態で、前記バンド部と前記バックル部との間に差し込まれるくさび形状で形成されてもよい。
この発明により、前記当接部の前記バックル部に対する位置ズレを効果的に抑制でき、バンドクランプのコルゲートへの取付作業を一層容易かつ効率よく行うことができる。
【0014】
例えば、作業中、過度に力が加わるなど何らかの要因により、前記バックル部に当接した状態の前記当接部が前記バックル部に対して位置ズレを起こした場合には、前記コルゲートの径に対して適切な巻き付け量となる位置で前記バンド部を固定しがたくなる。これに対し、前記当接部が前記バックル部に当接したとき、前記当接部がバンド部と前記バックル部との間に差し込まれることになるので、前記当接部の前記バックル部に対する位置ズレを効果的に抑制できる。したがって、この発明によると、バンドクランプのコルゲートへの取付作業を一層容易かつ効率よく行うことができる。
【0015】
またこの発明の態様として、前記バンド部における、前記巻き付け状態で径内側となる内面側に、前記バンド部の長手方向に延びるとともに、前記コルゲートの凹部に嵌り込める軸方向凸部が設けられてもよい。
前記コルゲートを外装したワイヤーハーネスを車両に配索した後に、バンドクランプに対する前記コルゲートの位置ズレが起きると、種々の不具合が生じ得るが、前記巻き付け状態において、前記軸方向凸部が前記コルゲートの凹部に嵌り込むため、バンドクランプに対する前記コルゲートの位置ズレを抑制することができる。
【0016】
上述の軸方向に延びるは、必ずしも実線状に延びるものに限られず、点線状など断続的に複数の前記軸方向凸部が軸方向に連なっているものも含まれる。
【0017】
上述の嵌り込めるは、前記軸方向凸部が前記コルゲートの凹部で形成される空間に隙間なく入り込むことのみを意味するものではない。多少の隙間が生じることも許容し、前記軸方向凸部と前記コルゲートの凹部の位置関係が、少なくとも、前記コルゲートの凹部に前記軸方向凸部を受け入れさせた後に、前記コルゲートがバンドクランプに対して横ずれする方向の力が前記コルゲートかバンドクランプのいずれかに作用した際に、前記軸方向凸部が前記コルゲートの凹部の一方の壁面に当接してその横ずれを抑制することができるものであってもよい。
【0018】
またこの発明の態様として、前記被装着部は、前記バンド部を厚み方向に貫通する貫通孔で構成され、前記装着部は、前記貫通孔を挿通する挿通装着部で構成してもよい。
この発明により、所定の前記貫通孔に前記挿通装着部を挿通するという簡易な作業により前記規制部を装着できるため、作業の一層の容易化及び効率化を図ることができる。また、貫通孔と挿通装着部という簡素な態様で前記被装着部及び前記装着部を構成しているため、バンドクランプ全体の構造の簡素化を図ることができる。
【0019】
またこの発明の態様として、前記挿通装着部は、前記貫通孔を貫通する装着軸部と、該装着軸部の挿通方向先端に設けた先端拡大部とで構成されてもよい。
この発明により、前記貫通孔に前記挿通装着部を挿通した後、前記規制部に、前記貫通孔から前記挿通装着部が抜ける方向の力が作用したとしても、前記先端拡大部を前記貫通孔の周縁部に当接させることができる。これにより、前記規制部が前記バンド部から外れることが抑制でき、作業の確実性を高めることができる。また、前記規制部が前記バンド部から外れることが抑制されることにより、適切な巻き付け量となる位置以上に前記バンド部が引っ張られて、前記バンド部による前記コルゲートの過剰締め付けを一層抑制できる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記先端拡大部は、前記コルゲートの凹部に挿入可能な径で形成されてもよい。
この発明により、前記巻き付け状態において前記バンド部から前記コルゲート側に突出することとなる前記先端拡大部を、前記コルゲートの凹部内に配置させることができる。これにより、前記先端拡大部が、前記バンド部による前記コルゲートの締め付けを阻害することを回避でき、かつ、前記コルゲートの凹部内に位置した前記先端拡大部により、バンドクランプに対する前記コルゲートの位置ズレを抑制することができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記貫通孔は、前記先端拡大部が挿通できる拡大孔部と、前記装着軸部が挿通できるとともに、前記先端拡大部は挿通できない軸孔部とで構成され、前記拡大孔部と前記軸孔部とが、前記バンド部における長手方向に配置され、且つ連通する構成としてもよい。
【0022】
この発明では、前記貫通孔に前記挿通装着部を挿通させる際に、前記拡大孔部に前記先端拡大部を挿通させることで、前記規制部を前記被装着部に容易に装着することができる。また、前記規制部の装着後は、前記装着軸が前記軸孔部内に位置するように前記挿通装着部を移動させることで、前記先端拡大部が前記軸孔部の周縁部に当接し、抜け留めの役割を果たすことになる。これにより、前記規制部の利便性も高めることができる。
【0023】
また、前記貫通孔を、前記拡大孔部の方が前記軸孔部に対して前記バンド部の引張方向側に配置されるように構成した場合、前記規制部が前記バックル部に当接した際に、前記拡大孔部から前記軸孔部に向かう力が前記挿通装着部に対して作用することになる。そうすると、前記装着軸が前記拡大孔部内に移動することが効果的に抑制され、前記拡大孔部が好適に抜け留めとしての役割を果たすため、前記規制部が前記被装着部から外れることを効果的に抑制できる。そのため、バンドクランプの前記コルゲートへの取付作業後の前記規制部の取り扱いとして、前記規制部を挿着した状態としたままとする場合により好ましい。
【0024】
一方、前記貫通孔を、前記軸孔部の方が前記拡大孔部に対して前記バンド部の引張方向側に配置されるように構成した場合、前記規制部が前記バックル部に当接した際に、前記軸孔部から前記拡大孔部に向かう力が前記挿通装着部に対して作用することになる。そうすると、前記装着軸が前記拡大孔部内に移動して、前記拡大孔部が抜け留めとしての役割を果たさなくなるため、前記規制部を前記被装着部から外しやすくなる。そのため、バンドクランプの前記コルゲートへの取付作業後の前記規制部の取り扱いとして、前記規制部をバンドクランプから取り外す場合により好ましい。
【0025】
上述のように、この発明により、前記規制部を前記被装着部に容易に装着することができるとともに前記規制部の利便性を高めることができ、かつ、前記コルゲートへの取付作業後の前記規制部の取り扱いに応じたバンドクランプを得ることもできる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、コルゲートへの取付作業を容易かつ効率よく行うことができるバンドクランプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】コルゲートへ取り付けた状態のバンドクランプの概略斜視図。
図2】コルゲートへ取り付けた状態のバンドクランプの側面図。
図3】バンドクランプを構成するバンド部を展開した状態の説明図。
図4】バンドクランプを構成するバックル部の説明図。
図5】バンドクランプを構成する規制部の説明図。
図6】バンドクランプをコルゲートに取り付ける状態の説明図。
図7】コルゲートへ取り付けた状態のバンドクランプの説明図。
図8】バンドクランプの他の実施形態の構成説明図。
図9】バンドクランプの他の実施形態の構成説明図。
図10】バンドクランプの他の実施形態の構成説明図。
図11】バンドクランプの他の実施形態の構成説明図。
図12】バンドクランプの他の実施形態の構成説明図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この発明の一実施形態を、以下図面を用いて説明する。
まず、バンドクランプ1の概要について、図1に基づいて簡単に説明する。ここで、図1はコルゲート100へ取り付けた状態のバンドクランプ1の概略斜視図を示している。
【0029】
コルゲート100は、屈曲・伸縮ができるような樹脂などの可撓性のある素材で構成され、環状の凹凸がその軸方向に連続するチューブ状であり、図1に示すように、図示しない電子機器類やバッテリなどに一端を接続するワイヤーハーネス101に外装する。
【0030】
バンドクランプ1は、上述したように構成したコルゲート100を車両200の所定位置に固定するための治具である。バンドクランプ1は、コルゲート100を保持するコルゲート保持部2と、車両200における所定の取付け箇所201に取り付ける車両取付部3とで構成されている。
【0031】
このようなバンドクランプ1を用いて、コルゲート100をコルゲート保持部2により保持した状態で、車両取付部3を取付け箇所201に取り付けることで、コルゲート100を車両200の所定位置に固定することができる。
【0032】
続いて、バンドクランプの全体の構成について、図2乃至図6に基づいて簡単に説明する。
ここで、図2はコルゲート100へ取り付けた状態のバンドクランプ1の側面図を示し、図3はバンドクランプ1を構成するバンド部10を展開した状態の説明図を示している。図4はバンドクランプ1を構成するバックル部20の説明図を示し、図5はバンドクランプ1を構成する規制部30の説明図を示し、図6はバンドクランプ1に規制部30を組み付ける状態の説明図を示している。
【0033】
図3について詳述すると、図3(a)は、バンド部10を展開した状態のバンドクランプ1を、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた際に径外側となる外面の側から見た図を示し、図3(b)は、同状態のバンドクランプ1を、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた際に径内側となるバンド部10の内面側から見た図を示し、図3(c)は、同状態のバンドクランプ1を、バンドクランプ1の側面の側から見た図を示している。
【0034】
また、図5について詳述すると、図5(a)は、規制部30の構成説明図を示し、図5(b)は、バンドクランプ1に規制部30を装着する状態の説明図を示し、図5(c)は、規制部30をバンドクランプ1に装着した状態を示す断面図を示している。
【0035】
車両取付部3とともにバンドクランプ1を構成するコルゲート保持部2は、図2に示すように、コルゲート100の外周に巻き付けるバンド部10と、コルゲート100に巻き付けた状態でバンド部10を固定するバックル部20と、バックル部20に当接してバンド部10の巻き付け量を規制する規制部30とで構成されている。
【0036】
つまり、コルゲート保持部2は、規制部30によりバンド部10の巻き付け量を規制しながら、コルゲート100を巻き付けたバンド部10をバックル部20により固定してコルゲート100を保持する構成となっている。
【0037】
また、車両取付部3は、アンカーとして構成され、車両200における所定の取付け箇所201に設けた切欠きに車両取付部3を挿入することで、バンドクランプ1を車両200に固定することができる。
【0038】
図3に示すように、バンド部10には、バックル部20と係合させる被係合部11と、規制部30を装着する複数の被装着部12と、コルゲート100の凹部100aに嵌り込める軸方向凸部13が設けられている。
【0039】
図3(a)に示すように、被係合部11はバンド部10の外面側に形成され、後述するバックル部20の係合突片22と係合させる複数の被係合突起11aが、バンド部10が延びる方向である軸方向(以下、単に軸方向と記載するときはこの方向を指す)に連続して形成されている。
具体的には、被係合部11は、最もバックル部20側にある被装着部12aからバンド部10の先端辺りまでの、各被装着部12を除く領域に設けられている。
【0040】
被装着部12は、コルゲート100にバンド部10を巻き付けた際にバンド部10がコルゲート100に対して所定の巻き付け量となる位置に規制部30を装着する部位である。
つまり、所定の位置の被装着部12に規制部30を装着した状態で、後述する図6に示すように、バックル部20にバンド部10の先端を挿通し、コルゲート100にバンド部10を巻き付けていくと、規制部30はバックル部20の側へと徐々に近づき、所定の巻き付け量の際に規制部30がバックル部20に当接することになる。
【0041】
換言すると、特定の位置の被装着部12に規制部30を装着すれば、その位置の被装着部12に対応する巻き付け量の際に規制部30がバックル部20に当接することになる。
このようにして、被装着部12は、バンド部10がコルゲート100に対して所定の巻き付け量となる位置に規制部30を装着する部位として機能する。
【0042】
そして、被装着部12は、バンド部10を厚み方向に貫通する貫通孔で構成され、軸方向に所定の間隔で複数(本実施形態では4つ)設けられている。
特に、本実施形態では、各被装着部12は、バンドクランプ1で固定する例えば、φ10,φ15,φ20,φ25などのコルゲート100の径にそれぞれ対応して設けられている。そして、被装着部12においてバックル部20の側、つまり基部側から先端に向かって対応する小径から大径の順で配置されている。本実施形態では、バンド部10において、φ10のコルゲート100用の被装着部12a、φ15用の被装着部12b、φ20用の被装着部12c、及びφ25用の被装着部12dが基部側(図3において左側)から先端(図3において右側)に向かって配置されている。
【0043】
そして、各被装着部12は、所定の径のコルゲート100にバンド部10を巻き付けていき、その径に対応する被装着部12に装着した規制部30がバックル部20に当接した際に、バンド部10がその径のコルゲート100に対して適切な巻き付け量となる位置にそれぞれ設けられている。例えば、被装着部12aは、φ10のコルゲート100にバンド部10を巻き付けた際に、φ10のコルゲート100に対して適切な巻き付け量となる位置で、図2に示すような規制部30がバックル部20に当接する状態となる位置に設けられている。
【0044】
つまり、各被装着部12は、固定するコルゲート100の径に応じた被装着部12に規制部30を装着することで、その径のコルゲート100に対して適切な巻き付け量となる位置で、規制部30をバックル部20に当接させることができる。
【0045】
なお、適切な巻き付け量とは、所定の径のコルゲート100がバンド部10により作用する締め付け力が、コルゲート100を保持するには十分であり、かつ、コルゲート100の意図しない変形が生じない程度の強さとなるような巻き付け量を指す。
【0046】
図3(b),(c)に示すように、軸方向凸部13は、バンド部10の内面側、より詳しくは、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた巻き付け状態で径内側(つまりコルゲート100の側)となるバンド部10の内面側に設けられており、軸方向に延びたものとなっている。
【0047】
より具体的には、軸方向凸部13は、各被装着部12をつなぐ直線と同一線上に形成されている。そして、軸方向凸部13は、バンド部10の内面において、被装着部12が形成されている部分を除く部分にわたって形成されている。
【0048】
また、軸方向凸部13は、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた際に、コルゲート100の凹部100aで形成される空間に介在させるための部位であり、コルゲート100を車両200に対して固定した後に、コルゲート100の横ずれ(コルゲート100における軸方向の位置ずれ)を抑制する部位として機能する。
【0049】
そのため、軸方向凸部13の幅・形状は、コルゲート100の凹部100aに嵌り込めるように、コルゲート100の凹部100aに収まる幅・形状で構成されており、凹部100aの幅・形状に対して相補的な幅・形状で構成されている。
【0050】
バックル部20について説明すると、図4に示すように、バックル部20には、バンド部10が挿通可能な挿通孔21が形成されている。また、挿通孔21における車両取付部3側の内面には、バンド部10を挿通孔21に挿入した状態において、被係合部11を構成する各被係合突起11aに係合する係合突片22を突状に形成している。
【0051】
そして、バックル部20の挿通孔21に挿通したバンド部10のいずれかの被係合突起11aと係合突片22が係合することで、コルゲート100を巻き付けた状態でバンド部10を固定することができる。
【0052】
なお、被係合突起11a及び係合突片22は、バンド部10がコルゲート100をより締め付ける方向へのバンド部10の移動は許容しつつ、その逆の方向へのバンド部10の移動を許容しない構成であり、挿通孔21に挿通したバンド部10を固定することができる。
【0053】
規制部30について説明すると、図5(a)に示すように、規制部30は、被装着部12に装着する装着部31と、バックル部20に当接する当接部32とで構成され、さらに、装着部31は、貫通孔で構成された被装着部12を挿通する挿通装着部として構成されている。
【0054】
また、図5(b)に示すように、規制部30は、コルゲート100に巻き付けた巻き付け状態のバンド部10の外周側となる方向から被装着部12に装着するものとして構成されている。
つまり、規制部30は、被装着部12に装着部31を挿通することで被装着部12に対して装着され、また、装着した被装着部12に対応する巻き付け量となった際に、当接部32がバックル部20に当接するようになっている。
【0055】
また、図5(a),(c)に示すように、装着部31は、被装着部12を貫通する装着軸部31aと、装着軸部31aの挿通方向先端に設けた先端拡大部31bとで構成されている。そして、装着軸部31aは円柱状、先端拡大部31bは当接部32側に底面が向く円錐状に形成され、被装着部12に挿着した状態において、先端拡大部31bはその全体が被装着部12の外に配置され、装着軸部31aのみが被装着部12内に配置されるような設計とされている。
【0056】
先端拡大部31bの底面の径は被装着部12の径よりも大きく形成され、規制部30の抜け留めとしての機能を果たすよう構成されている。
なお、少なくとも先端拡大部31bについては弾性変形する素材を用いており、先端拡大部31bを被装着部12に挿通することができる。
【0057】
また、先端拡大部31bは、凹部100aに挿入可能な径に形成され、軸方向凸部13と同様に、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた際に、コルゲート100の凹部100aで形成される空間に先端拡大部31bを介在させることができる。
【0058】
さらに、当接部32は、バンド部10をコルゲート100に巻き付けた巻き付け状態で、バンド部10とバックル部20との間に差し込まれるくさび形状で形成されており、より具体的には、例えば図2のようにバンド部10がコルゲート100を締め付けている状態においてバンド部10とバックル部20とで形成される空間Sと対応する形状に形成されている。
なお、規制部30を装着する被装着部12の位置に応じて空間Sの形状が大きく変わるような場合には、各位置に対応する当接部32を有する規制部30を用意してもよい。
【0059】
次にこのように構成されたバンドクランプ1をコルゲート100に取り付ける方法について、図6及び図7に基づいて簡単に説明する。
図6は、バンドクランプ1をコルゲート100に取り付ける各段階の状態を示す説明図である。
【0060】
まずは、バンドクランプ1をコルゲート100に取り付けるに当たり、図6(a)に示すように、対象のコルゲート100の径に応じた被装着部12に規制部30を挿着した上で、バンド部10とバックル部20の間にコルゲート100を介在させ、バンド部10の先端をバックル部20の挿通孔21に挿通する。
【0061】
そして、図6(b),(c)に示すように、挿通孔21に挿通したバンド部10の先端を徐々に引っ張り、図6(d)に示すように、規制部30がバックル部20に当接したとき、換言すると、規制部30がバンド部10とバックル部20との間に差し込まれたとき、コルゲート100に対してバンド部10が適切な巻き付け量で締付け、コルゲート保持部2でコルゲート100を適切に保持することができる。この時点で、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業は完了する。
【0062】
また、図7は、バンドクランプ1をコルゲート100へ取り付けた状態を説明する図であり、図6(d)におけるA-A断面の断面図を示している。図7に示すように、図6のようにバンドクランプ1をコルゲート100に取り付ける際には、コルゲート100の凹部100aに、軸方向凸部13及び先端拡大部31bが嵌り込むように構成している。
【0063】
このように構成したバンドクランプ1によれば、固定するコルゲート100の径に対応する被装着部12に対して規制部30を装着することで、バンド部10を引っ張ってコルゲート100を締め付ける際に、コルゲート100の径に対して適切な巻き付け量となる位置で当接部32をバックル部20に当接させることができる。これにより、作業者は、バンド部10が適切な巻き付け量となる位置を容易に知ることができ、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業において、作業者がバンド部10の締め付け具合に特段の意識を払うことなく容易に作業を行うことが可能になる。
【0064】
さらに、適切な巻き付け量となる位置で当接部32がバックル部20に当接するため、適切な巻き付け量となる位置以上にバンド部10が引っ張られることも抑制される。これにより、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業において、バンド部10を引っ張ってコルゲート100を締め付ける際におけるバンド部10のコルゲート100へ過剰締め付けを抑制できる。そのため、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業において、手作業によらず、バンドガンを用いた締め付け作業も行うことができる。
【0065】
このように、バンドクランプ1によれば、コルゲート100への取付作業において、バンド部10をコルゲート100の径に応じた適切な巻き付け量で固定するために、作業者がバンド部10の締め付け具合に特段の意識を払うことがなく、且つ、手作業によらず、バンドガンを用いた締め付け作業も行うことができる。
【0066】
また、当接部32は、巻き付け状態で、バンド部10とバックル部20との間に差し込まれるくさび形状で形成されているため、当接部32がバックル部20に当接したとき、当接部32がバンド部10とバックル部20との間に差し込まれることになるので、当接部32のバックル部20に対する位置ズレを抑制できる。
【0067】
そして、バンド部10に軸方向凸部13が設けられているため、巻き付け状態において、軸方向凸部13がコルゲート100の凹部に嵌め込むことができ、したがって、バンドクランプ1に対するコルゲート100の位置ズレを抑制することができる。
【0068】
また、被装着部12が貫通孔で構成され、装着部31が貫通孔を挿通する挿通装着部として構成されているため、所定の被装着部12に装着部31を挿通するという簡易な作業により規制部30の装着ができる。また、貫通孔と挿通装着部という簡素な態様で被装着部12及び装着部31を構成しているため、バンドクランプ1全体の構造の簡素化を図ることができる。
【0069】
さらに、装着部31は装着軸部31aと先端拡大部31bとで構成されているため、被装着部12に装着部31を挿通した後、規制部30に、被装着部12から装着部31が抜ける方向の力が作用したとしても、先端拡大部31bを被装着部12の周縁部に当接させることができる。
【0070】
これにより、規制部30がバンド部10から外れることが抑制でき、作業の確実性を高めることができる。また、規制部30がバンド部10から外れることが抑制されることにより、適切な巻き付け量となる位置以上にバンド部10が引っ張られて、バンド部10のコルゲート100への過剰締め付けが発生することを抑制できる。
【0071】
また、先端拡大部31bがコルゲート100の凹部に挿入可能な径で形成されていることにより、巻き付け状態においてバンド部10からコルゲート100側に突出することとなる先端拡大部31bを、コルゲート100の凹部内に配置させることができる。
【0072】
これにより、先端拡大部31bが、バンド部10によるコルゲート100の締め付けを阻害することを回避でき、かつ、コルゲート100の凹部100a内に位置した先端拡大部31bにより、バンドクランプ1に対するコルゲート100の位置ズレを抑制することができる。
このように、この実施形態のバンドクランプ1によると、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業を容易かつ効率よく行うことができる。
【0073】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、バンドクランプはバンドクランプ1に対応し、
以下同様に、
コルゲート保持部はコルゲート保持部2に対応し、
バンド部はバンド部10に対応し、
被装着部は被装着部12に対応し、
軸方向凸部は軸方向凸部13に対応し、
被装着部は被装着部14に対応し、
拡大孔部は拡大孔部14aに対応し、
軸孔部は軸孔部14bに対応し、
バックル部はバックル部20に対応し、
規制部は規制部30に対応し、
装着部は装着部31に対応し、
装着軸部は装着軸部31aに対応し、
先端拡大部は先端拡大部31bに対応し、
当接部は当接部32に対応し、
車両取付部は車両取付部3に対応し、
コルゲートはコルゲート100に対応し、
凹部は凹部100aに対応し、
車両は車両200に対応し、
取付け箇所は取付け箇所201に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0074】
例えば、上述の説明において、コルゲート100で外装するものとしてワイヤーハーネス101を用いたが、必ずしもワイヤーハーネス101でなくともよく、コルゲート100で外装するものとして、光ファイバーなど種々のものを用いてもよい。
【0075】
また、上述の説明において例示した車両200における取付け箇所201に車両取付部3を取り付けるための車両取付部3や取付け箇所201の形状・構成、バンド部10をバックル部20に対して固定するためのバンド部10やバックル部20の形状・構成は、それぞれあくまでも一例であり、一方を他方に対して取り付け、又は、固定できるようなものであれば、種々のものを用いればよい。
【0076】
さらに、上述の説明において例示した規制部30を被装着部12に装着するための被装着部12や規制部30の形状・構成はあくまでも一例であり、規制部30を被装着部12に装着できるようなものであれば、種々のものを用いればよい。
【0077】
一例を列挙すると、例えば、装着部31は装着軸部31aのみとし、先端拡大部31bを設けない構成としてもよい。先端拡大部31bを設ける場合であっても、上述の説明とは異なり、被装着部12の径より小さな径としてもよいし、円錐ではなく他の形状としてもよい。また、被装着部12は貫通孔として構成せず、被装着部12と装着部31とを、一方が他方に係合する係合機構として構成してもよい。その他、被装着部12の数も、4つに限られず、2以上であればよい。
【0078】
例えば、図8乃至図11を用いて、上述の説明の被装着部12とは異なる構成の被装着部14を採用した別実施形態について説明する。なお、当該別実施形態では、被装着部14以外の構成については上述の説明のバンドクランプ1における構成と同じ構成としている。
【0079】
図8に示すように、当該別実施形態では、被装着部14は、先端拡大部31bが挿通できる拡大孔部14aと、装着軸部31aが挿通できるとともに、先端拡大部31bは挿通できない軸孔部14bとで構成され、拡大孔部14aと軸孔部14bとがバンド部10における長手方向(軸方向)に配置され、且つ連通するように構成している。
【0080】
被装着部14をこのような構成とすることにより、この発明によれば、規制部30を被装着部14に容易に装着することができるとともに規制部30の利便性を高めることができる。
【0081】
具体的には、図9は、被装着部14に規制部30を装着する各段階の状体を示す図であり、図9(a)に示すように、被装着部14に装着部31を挿通させる際に、拡大孔部14aに先端拡大部31bを挿通させることで、規制部30を被装着部14に容易に装着することができる。
【0082】
また、図9(b),(c)に示すように、規制部30の装着後は、装着軸部31aが拡大孔部14a内に位置するように規制部30を移動させることで、先端拡大部31bが軸孔部14bの周縁部に当接し、抜け留めの役割を果たすことになる。これにより、規制部30の利便性も高めることができる。
【0083】
また、図10(a)に示すように、被装着部14を、拡大孔部14aの方が軸孔部14bに対してバンド部10の引張方向T側に配置されるように構成した場合、図10(b)に示すように、規制部30がバックル部20に当接した際に、図10(c)に示すように、拡大孔部14aから軸孔部14bに向かう力Faが装着部31に対して作用することになる。
【0084】
そうすると、装着部31が拡大孔部14a内に移動することが抑制され、拡大孔部14aが好適に抜け留めとしての役割を果たすため、規制部30が被装着部14から外れることを抑制できる。
そのため、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業後の規制部30の取り扱いとして、規制部30を挿着した状態としたままとする場合により好ましい。
【0085】
一方、図11(a)に示すように、被装着部14を、軸孔部14bの方が拡大孔部14aに対してバンド部10の引張方向T側に配置されるように構成した場合、図11(b)に示すように、規制部30がバックル部20に当接した際に、図11(c)に示すように、軸孔部14bから拡大孔部14aに向かう力Fbが装着部31に対して作用することになる。
【0086】
そうすると、図11(d)に示すように、装着部31が拡大孔部14a内に移動して、拡大孔部14aが抜け留めとしての役割を果たさなくなるため、図11(e)に示すように、規制部30を被装着部14から容易に外すことができる。
そのため、バンドクランプ1のコルゲート100への取付作業後の規制部30の取り扱いとして、規制部30をバンドクランプ1から取り外す場合により好ましい。
【0087】
このように、上述の被装着部12ではなく被装着部14のように構成することで、コルゲート100への取付作業後の規制部30の取り扱いに応じたバンドクランプ1を構成することもできる。
【0088】
本実施形態において、当接部32は、バンド部10とバックル部20との間に差し込まれるくさび形状として、空間Sと対応する形状を採用したが、これに限られず、くさびとして作用する形状として種々のものを採用すればよい。
【0089】
また、当接部32の先端を受け入れる部位をバンド部10とバックル部20の間に設け、その部位にくさびとして当接部32の先端が嵌り込むようにしてもよい。また、必ずしもくさび形状とする必要はなく、バックル部20の当接し得るものであれば直方体などいかなる形状であってもよい。
【0090】
軸方向凸部13の幅・形状は本実施形態のものに限られず、コルゲート100のバンドクランプ1に対する横ずれを抑制できる程度に、凹部100aに収まる幅・形状で構成されていれば足りる。
【0091】
また、上述の説明では軸方向凸部13として、軸方向凸部13として実線状に延びるものを採用したが、軸方向に、ブロック状の軸方向凸部13を等間隔又は様々な間隔で断続的に点在させるようにしてもよい。
特に、バンド部10の素材として硬度の高いものを用いる場合には、軸方向凸部13を点在させる構成とすれば、軸方向凸部13がバンド部10の巻き付けを阻害しにくくなる。その他、バンド部10に軸方向凸部13を採用しない構成としてもよい。
【0092】
本実施形態において、車両取付部3が、コルゲート保持部2のうちバックル部20と連結した構成を採用したが、これに限られず、例えば、図12に示すように、車両取付部3が規制部30と連結した構成としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1…バンドクランプ
2…コルゲート保持部
3…車両取付部
10…バンド部
10B…内面
12…被装着部
13…軸方向凸部
14…被装着部
14a…拡大孔部
14b…軸孔部
20…バックル部
30…規制部
31…装着部
31a…装着軸部
31b…先端拡大部
32…当接部
100…コルゲート
100a…凹部
200…車両
201…取付け箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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