IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 古河電気工業株式会社の特許一覧

特許7444677マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム
<>
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図1
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図2A
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図2B
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図3
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図4
  • 特許-マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 3/10 20060101AFI20240228BHJP
   H01S 3/067 20060101ALI20240228BHJP
   G02B 6/02 20060101ALI20240228BHJP
   H04B 10/291 20130101ALI20240228BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H01S3/067
G02B6/02 461
H04B10/291
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020060718
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021163773
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-10-24
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成31年度、総務省、「研究開発課題「新たな社会インフラを担う革新的光ネットワーク技術の研究開発」技術課題II「マルチコア大容量光伝送システム技術」」産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高坂 繁弘
(72)【発明者】
【氏名】前田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 隆一
【審査官】百瀬 正之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-096398(JP,A)
【文献】特開2019-152866(JP,A)
【文献】国際公開第2013/051655(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0086199(US,A1)
【文献】特開2020-009999(JP,A)
【文献】特開2017-183564(JP,A)
【文献】特表2013-522914(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00-3/30
G02B 6/02ー6/10
G02B 6/44
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
希土類元素を添加した複数のコア部と、
前記複数のコア部を取り囲み、各コア部の最大屈折率よりも低い屈折率を有する内側クラッド部と、
前記内側クラッド部を取り囲み、前記内側クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外側クラッド部と、
を備え、
前記希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯における、前記複数のコア部のそれぞれのモードフィールド径は5μm以上11μm以下であり、
前記内側クラッド部に対する前記複数のコア部のそれぞれの最大屈折率の比屈折率差が0.35%以上2%以下であり、
長手方向に垂直な断面における前記複数のコア部のそれぞれの中心間の離間距離であるコア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-40dB/100m以下となるように設定されており、
前記複数のコア部のうち前記内側クラッド部の外縁に最も近いコア部の中心から該外縁までの距離であるクラッド厚が、前記コア間距離の最小値に前記モードフィールド径を加算した値よりも小さく、長手方向に垂直な断面における、前記内側クラッド部の断面積に対する、前記複数のコア部の合計断面積の比は、2.4%以上で、前記内側クラッドの屈折率が径方向に均一である
マルチコア光増幅ファイバ。
【請求項2】
前記コア間距離の最小値が27μm以上である
請求項1に記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項3】
前記コア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-50dB/100m以下となるように設定されている
請求項1または2に記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項4】
前記コア間距離の最小値が29μm以上である
請求項3に記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項5】
前記コア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-60dB/100m以下となるように設定されている
請求項1~4のいずれか一つに記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項6】
前記コア間距離の最小値が31μm以上である
請求項5に記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項7】
前記クラッド厚が10μm以上である
請求項1~6のいずれか一つに記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項8】
前記長手方向に垂直な断面における、前記内側クラッド部の中心または中心近傍に前記複数のコア部のうちの一つがある
請求項1に記載のマルチコア光増幅ファイバ。
【請求項9】
請求項1~のいずれか一つに記載のマルチコア光増幅ファイバと、
前記マルチコア光増幅ファイバの前記希土類元素を光励起する励起光を出力する励起光源と、
前記励起光を前記内側クラッド部に光学結合させる光結合器と、
を備える
マルチコア光ファイバ増幅器。
【請求項10】
請求項に記載のマルチコア光ファイバ増幅器を備える光通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチコア光増幅ファイバ、マルチコア光ファイバ増幅器および光通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、海底光通信等の用途において、光増幅器としてマルチコアEDFA(Erbium-Doped optical Fiber Amplifier)を用いることによって、光増幅器の消費電力が削減されることが期待されている。
【0003】
マルチコアEDFAについては、マルチコア光増幅ファイバとしてダブルクラッド型のマルチコアEDFを用いて、クラッド励起方式によってコア部に含まれる希土類元素であるエルビウム(Er)を光励起する構成が知られている(非特許文献1、2参照)。なお、マルチコアEDFAでは、使用されるマルチコアEDFの長さは100m程度以下の場合が一般的である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Kazi S Abedin et al, “Multimode Erbium Doped Fiber Amplifiers for Space Division Multiplexing Systems”, JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,VOL.32,NO.16,AUGUST 15,2014 pp.2800-2808.
【文献】Kazi S Abedin et al, “Cladding-pumped erbium-doped multicore fiber amplifier”, OPTICS EXPRESS Vol.20,No.18 27 August 2012 pp.20191-20200.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通信トラフィックは常に増加しているので、通信容量の増量のためにも、マルチコア光増幅ファイバの特性にはさらに好適なものが求められている。
【0006】
特に、マルチコア光増幅ファイバの励起効率を改善できれば、マルチコア光ファイバ増幅器の消費電力の削減の観点から好ましい。ここで、励起効率とは、たとえば、マルチコア光増幅ファイバに入力された励起光のエネルギーに対する、光増幅に使用された励起光のエネルギーの比率で表される。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、励起効率が改善されたマルチコア光増幅ファイバ、ならびにこれを用いたマルチコア光ファイバ増幅器および光通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、希土類元素を添加した複数のコア部と、前記複数のコア部を取り囲み、各コア部の最大屈折率よりも低い屈折率を有する内側クラッド部と、前記内側クラッド部を取り囲み、前記内側クラッド部の屈折率よりも低い屈折率を有する外側クラッド部と、を備え、前記希土類元素が光増幅する波長における、前記複数のコア部のそれぞれのモードフィールド径は5μm以上11μm以下であり、前記内側クラッド部に対する前記複数のコア部のそれぞれの最大屈折率の比屈折率差が0.35%以上2%以下であり、長手方向に垂直な断面における前記複数のコア部のそれぞれの中心間の離間距離であるコア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-40dB/100m以下となるように設定されており、前記複数のコア部のうち前記内側クラッド部の外縁に最も近いコア部の中心から該外縁までの距離であるクラッド厚が、前記コア間距離の最小値に前記モードフィールド径を加算した値よりも小さいマルチコア光増幅ファイバである。
【0009】
前記コア間距離の最小値が27μm以上であるものでもよい。
【0010】
前記コア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-50dB/100m以下となるように設定されているものでもよい。
【0011】
前記コア間距離の最小値が29μm以上であるものでもよい。
【0012】
前記コア間距離が、前記光増幅波長帯において総コア間クロストークが-60dB/100m以下となるように設定されているものでもよい。
【0013】
前記コア間距離の最小値が31μm以上であるものでもよい。
【0014】
前記クラッド厚が10μm以上であるものでもよい。
【0015】
本発明の一態様は、前記マルチコア光増幅ファイバと、前記マルチコア光増幅ファイバの前記希土類元素を光励起する励起光を出力する励起光源と、前記励起光を前記内側クラッド部に光学結合させる光結合器と、を備えるマルチコア光ファイバ増幅器である。
【0016】
本発明の一態様は、前記マルチコア光ファイバ増幅器を備える光通信システムである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、励起効率が改善されたマルチコア光増幅ファイバを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係るマルチコア光増幅ファイバの模式的な断面図である。
図2A図2Aは、コア間距離と総クロストーク(Total XT)との関係の一例を示す図である。
図2B図2Bは、コア間距離と総クロストーク(Total XT)との関係の別の一例を示す図である。
図3図3は、実施形態2に係るマルチコア光増幅ファイバの模式的な断面図である。
図4図4は、実施形態3に係るマルチコア光ファイバ増幅器の構成を示す模式図である。
図5図5は、実施形態4に係る光通信システムの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して実施形態について説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素には適宜同一の符号を付している。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、本明細書においては、カットオフ波長とは、ITU-T(国際電気通信連合)G.650.1で定義するケーブルカットオフ波長を意味する。また、その他、本明細書で特に定義しない用語についてはG.650.1およびG.650.2における定義、測定方法に従うものとする。
【0020】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るマルチコア光増幅ファイバの模式的な断面図であり、マルチコア光増幅ファイバの長手方向に垂直な断面を示している。マルチコア光増幅ファイバ1は、7個のコア部1aa、1abと、コア部1aa、1abを取り囲む内側クラッド部1bと、内側クラッド部1bを取り囲む外側クラッド部1cと、を備えているダブルクラッド型かつ7コア型のマルチコア光ファイバである。
【0021】
コア部1aa、1abは、最密充填状態を実現する三角格子状に配置されている。コア部1aaは、内側クラッド部1bの中心または中心近傍に配置されている。6個のコア部1abは、コア部1aaの周囲に正六角形の角の位置となるように配置されている。コア部1aa、1abは、屈折率を高める屈折率調整用ドーパントとして、たとえばゲルマニウム(Ge)やアルミニウム(Al)を含む。また、コア部1aa、1abは、増幅媒体である希土類元素として、Erを含む。Erは、たとえば波長1530nm付近の吸収係数のピークが2.5dB/m~11dB/mとなる濃度で添加されている。また、たとえば、添加濃度は250ppm~2000ppmである。ただし、吸収係数や添加濃度は特に限定されない。なお、AlはErの濃度消光を抑制する機能も有する。
【0022】
内側クラッド部1bは、各コア部1aa、1abの最大屈折率よりも低い屈折率を有する。内側クラッド部1bは、たとえば屈折率調整用のドーパントを含まない純石英ガラスからなる。これにより各コア部1aa、1abと内側クラッド部1bとの屈折率プロファイルはステップインデックス型となる。なお、内側クラッド部1bが、各コア部1aa、1abの外周に位置するトレンチ部を有していてもよい。この場合、トレンチ部はフッ素(F)などの屈折率を低める屈折率調整用ドーパントが添加された石英ガラスからなり、トレンチ部の屈折率は、純石英ガラスからなる内側クラッド部1bの他の部分の屈折率よりも低い屈折率を有する。この場合、各コア部1aa、1abと内側クラッド部1bとの屈折率プロファイルはトレンチ型となる。
【0023】
内側クラッド部1bに対する各コア部1aa、1abの最大屈折率の比屈折率差をコアΔとする。本実施形態では各コア部1aa、1abのコアΔは略等しく、たとえば波長1550nmにて0.35%~2%である。各コア部1aa、1abのコア径は、コアΔとの関係で、希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯よりも短いカットオフ波長を実現するように設定されることが好ましい。希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯は、Erの場合、Cバンドと呼ばれるたとえば1530nm~1565nmや、Lバンドと呼ばれるたとえば1565nm~1625nmである。Erが光増幅する波長、たとえば1550nmにおける各コア部1aa、1abのモードフィールド径は、たとえば5μm以上11μm以下である。
【0024】
外側クラッド部1cは、内側クラッド部1bの屈折率よりも低い屈折率を有しており、たとえば樹脂からなる。なお、内側クラッド部1bがトレンチ部を有している場合、外側クラッド部1cの屈折率はトレンチ部の屈折率よりも高くてもよいが、内側クラッド部1bの他の部分の屈折率および内側クラッド部1bの平均屈折率よりも低い。
【0025】
図1の断面におけるコア部1aa、1abのそれぞれの中心間の離間距離をコア間距離P1とする。コア間距離P1は三角格子の1辺の長さに相当する。また、内側クラッド部1bの外径(クラッド径)をクラッド径Dc1とする。また、コア部1aa、1abのうち、内側クラッド部1bの外縁に最も近いコア部は、6個のコア部1abのいずれかであるが、本実施形態では、6個のコア部1abのいずれもが内側クラッド部1bの外縁から等距離にあるとする。6個のコア部1abのいずれかの中心から内側クラッド部1bの外縁までの最短距離をクラッド厚Tc1とする。
【0026】
内側クラッド部1bに、Erを光励起できる波長の励起光、たとえば976nmなどの900nm波長帯の励起光が入力されると、励起光は内側クラッド部1bの内部を伝搬しながら、コア部1aa、1abに添加されたErを光励起する。これにより、各コア部1aa、1abは、各コア部1aa、1abに入力された信号光を光増幅可能となる。このようにマルチコア光増幅ファイバ1は、クラッド励起方式を適用可能に構成されている。
【0027】
ここで、マルチコア光増幅ファイバ1では、コア間距離P1が、光増幅波長帯において総コア間クロストークが-40dB/100m以下となるように設定されている。総コア間クロストークとは、コア部1aa、1abに所定のパワーの信号光を入力し、伝搬させたときに、信号光のパワーの一部が他のコア部に漏洩する場合、たとえば以下の式(1)のように規定される。
【0028】
【数1】

ここで、コアlは、コアkを取り囲むすべての隣接コアである。コアkは、六方細密構造の7コアファイバの場合は中心コアであり、六方細密構造の19コアファイバの場合、中心とそれを取り囲む隣接6つのコアのいずれかである。六方細密構造以外の構造の場合、コアkは、最も隣接コア数が多いコアを選択する。
【0029】
さらに、マルチコア光増幅ファイバ1では、クラッド厚Tc1が、コア間距離P1の最小値にモードフィールド径を加算した値よりも小さい。なお、マルチコア光増幅ファイバ1ではコア間距離P1はいずれもコア部に対しても等しい値なので、クラッド厚Tc1は、コア間距離P1にモードフィールド径を加算した値よりも小さい。
【0030】
このように構成されたマルチコア光増幅ファイバ1では、光増幅波長帯において総コア間クロストークが-40dB/100m以下であるので、たとえば伝送距離が100km程度以下の光通信システムに使用されるマルチコア光ファイバ増幅器に好適に用いることができる程度に、コア間クロストークが抑制される。このような光通信システムとしては、メトロネットワークシステムが例示される。
【0031】
さらに、マルチコア光増幅ファイバ1において、光増幅波長帯において総コア間クロストークが-50dB/100m以下であれば、たとえば伝送距離が1000km程度以下の光通信システムに使用されるマルチコア光ファイバ増幅器に好適に用いることができる程度に、コア間クロストークが抑制される。このような光通信システムとしては、陸上長距離通信システムが例示される。
【0032】
さらに、マルチコア光増幅ファイバ1において、光増幅波長帯において総コア間クロストークが-60dB/100m以下であれば、たとえば伝送距離が6000km程度以上の光通信システムに使用されるマルチコア光ファイバ増幅器に好適に用いることができる程度に、コア間クロストークが抑制される。このような光通信システムとしては、陸上または海底での長距離通信システムが例示される。
【0033】
通信システムでは、光ファイバ伝送路が長く、また中継器の数もその伝送距離に応じて増加するので、光ファイバ伝送路の途中に挿入される光学要素のそれぞれにおけるクロストークが累積して通信品質に影響する。したがって、光通信システムに使用されるマルチコア光ファイバ増幅器用のマルチコア光増幅ファイバ1としても、光増幅波長帯において総コア間クロストークが小さいことが好ましい。
【0034】
さらに、マルチコア光増幅ファイバ1では、クラッド厚Tc1が、コア間距離P1の最小値にモードフィールド径を加算した値よりも小さい。これにより、内側クラッド部1bの断面積を比較的小さくできるので、内側クラッド部1bに励起光が入力された場合の、内側クラッド部1bにおける励起光の光強度密度が比較的高くなる。その結果、マルチコア光増幅ファイバ1では、励起効率が改善される。また、たとえばマルチコア光増幅ファイバ1で得られる飽和出力パワーも増加する。
【0035】
クラッド厚Tcは、モードフィールド径以上であれば、コア部1abを伝搬する信号光の強度分布における強度の99%以上が、内側クラッド部1bと外側クラッド部1cとの界面に掛からない。その結果、界面による信号光伝搬への影響を抑制することができる。また、クラッド厚Tc1が、コア間距離P1の最小値にモードフィールド径を加算した値よりも小さいことによって、コア間距離P1を確保できる最多のコア部の数としながらも、励起光の光強度密度を高めることができる。なお、クラッド厚Tc1が、コア間距離P1の最小値にモードフィールド径を加算した値以上の場合、コア部1abよりもさらに外側クラッド部1c側に、コア間距離P1を確保しながらコア部を増設すればよい。これにより、増設されたコア部に対して規定されるクラッド厚は、コア間距離P1にモードフィールド径を加算した値よりも小さくなる。
【0036】
図2Aは、コア間距離P1と総クロストーク(Total XT)との関係の一例を示す図である。図2Aは、図1に示す7コア型の構成のマルチコア光増幅ファイバにおいて、有限要素法を用いてシミュレーション計算して得られたものである。なお、計算条件については、各コア部の屈折率プロファイルをインデックス型とし、コアΔを1.1%として、モードフィールド径を5.8μmとした。
【0037】
図2Aにおいて、黒点が計算によって得られたデータ点であり、点線はデータ点を線形近似した直線である。図2Aに示すように、上記計算条件のもとでは、コア間距離P1が27μm以上の場合に-40dB/100m以下のTotal XTが得られた。また、コア間距離P1が29μm以上の場合に-50dB/100m以下のTotal XTが得られた。また、コア間距離P1が31μm以上の場合に-60dB/100m以下のTotal XTが得られた。
【0038】
図2Bは、コア間距離P1と総クロストーク(Total XT)との関係の別の一例を示す図である。図2Bは、図1に示す7コア型の構成のマルチコア光増幅ファイバにおいて、有限要素法を用いてシミュレーション計算して得られたものである。なお、計算条件については、各コア部の屈折率プロファイルをインデックス型とし、コアΔを0.8%として、モードフィールド径を6.7μmとした。
【0039】
図2Bにおいて、黒点が計算によって得られたデータ点であり、点線はデータ点を線形近似した直線である。図2Bに示すように、上記計算条件のもとでは、コア間距離P1が34μm以上の場合に-40dB/100m以下のTotal XTが得られた。また、コア間距離P1が37μm以上の場合に-50dB/100m以下のTotal XTが得られた。また、コア間距離P1が40μm以上の場合に-60dB/100m以下のTotal XTが得られた。
【0040】
なお、コア間距離P1の最小値にモードフィールド径としての5.8μmを加算した値よりも小さいという条件を満たすクラッド厚Tc1の値は、コア間距離P1が27μmの場合は32.8μmよりも小さいたとえば32μm以下であり、コア間距離P1が29μmの場合は34.8μmよりも小さいたとえば34μm以下であり、コア間距離P1が31μmの場合は36.8μmよりも小さい値、たとえば36μm以下である。
【0041】
ただし、クラッド厚Tc1はこれに限らず、たとえば50μm以下であれば、励起効率の改善の効果を得ることができる。
【0042】
ここで、図1のような7コア型であるが、コア間距離が38.5μmであり、クラッド厚が29μmであり、クラッド径が135μmである比較形態1のマルチコア光増幅ファイバのコア部および内側クラッド部の総面積(クラッド面積)を計算した。一方、本実施形態1のマルチコア光増幅ファイバ1において、クラッド厚Tc1が23μmであり、コア間距離P1が29μmの場合のクラッド面積を計算した。これらの計算結果を比較したところ、実施形態1のクラッド面積は、比較形態1のクラッド面積の59.3%と大幅に小さくなっていた。このことは、実施形態1のクラッド面積が比較形態1のクラッド面積に対して2.2dBだけ減少したこととなり、励起光率が改善される。
【0043】
また、マルチコア光増幅ファイバ1の長手方向に垂直な断面における、内側クラッド部1bの断面積に対する、コア部1aa、1abの合計断面積の比(以下、コア/クラッド面積比と記載する場合がある)は、1.9%であった。このようにコア/クラッド面積比が比較的大きいと、励起光のパワーのうちコア部1aa、1abにおいて光増幅に寄与する割合が大きくなり、励起光率が改善される。
【0044】
また、比較形態1の総コア間クロストークを計算したところ、-86dB/100mであった。これに対して、実施形態1の総コア間クロストークは-50dB/100mであった。実施形態1では、実用的な総コア間クロストークと励起光率の改善とを両立することができる。
【0045】
(実施形態2)
図3は、実施形態2に係るマルチコア光増幅ファイバの模式的な断面図であり、マルチコア光増幅ファイバの長手方向に垂直な断面を示している。マルチコア光増幅ファイバ2は、19個のコア部2aa、2ab、2acと、コア部2aa、2ab、2acを取り囲む内側クラッド部2bと、内側クラッド部2bを取り囲む外側クラッド部2cと、を備えているダブルクラッド型かつ19コア型のマルチコア光ファイバである。
【0046】
コア部2aa、2ab、2acは、最密充填状態を実現する三角格子状に配置されている。コア部2aaは、内側クラッド部2bの中心または中心近傍に配置されている。6個のコア部2abは、コア部2aaの周囲に正六角形の角の位置となるように配置されている。12個のコア部2acは、コア部2abの周囲に正六角形の角または辺の中央の位置となるように配置されている。コア部2aa、2ab、2acの組成や屈折率はマルチコア光増幅ファイバ1のコア部1aa、1abと同様なので説明を省略する。
【0047】
内側クラッド部2bの組成や屈折率は、内側クラッド部1bと同様なので説明を省略する。各コア部2aa、2ab、2acと内側クラッド部2bとの屈折率プロファイルはステップインデックス型であるが、トレンチ型でもよい。また、外側クラッド部2cの組成や屈折率も、外側クラッド部1cと同様なので説明を省略する。
【0048】
図3の断面におけるコア部2aa、2ab、2acのそれぞれのコア間距離をコア間距離P2とする。また、内側クラッド部2bのクラッド径をクラッド径Dc2とする。また、コア部2aa、2ab、2acのうち、内側クラッド部2bの外縁に最も近いコア部は、12個のコア部2acのうち正六角形の角に位置する6個のコア部2acのいずれかであるが、本実施形態では、6個のコア部2acのいずれもが内側クラッド部2bの外縁から等距離にあるとする。6個のコア部2acのいずれかの中心から内側クラッド部2bの外縁までの最短距離をクラッド厚Tc2とする。
【0049】
内側クラッド部2bに、Erを光励起できる波長の励起光が入力されると、励起光は内側クラッド部1bの内部を伝搬しながら、コア部2aa、2ab、2acに添加されたErを光励起する。これにより、各コア部コア部2aa、2ab、2acは、各コア部2aa、2ab、2acに入力された信号光を光増幅可能となる。このようにマルチコア光増幅ファイバ2は、クラッド励起方式を適用可能に構成されている。
【0050】
ここで、マルチコア光増幅ファイバ2では、マルチコア光増幅ファイバ1と同様に、コア間距離P2が、光増幅波長帯において総コア間クロストークが-40dB/100m以下となるように設定されている。さらに、マルチコア光増幅ファイバ2では、クラッド厚Tc2が、コア間距離P2の最小値にモードフィールド径を加算した値よりも小さい。なお、マルチコア光増幅ファイバ2ではコア間距離P2はいずれもコア部に対しても等しい値なので、クラッド厚Tc2は、コア間距離P2にモードフィールド径を加算した値よりも小さい。
【0051】
このように構成されたマルチコア光増幅ファイバ2では、光通信システムの伝送距離に応じて程度にコア間クロストークが抑制されるとともに、励起効率が改善される。また、たとえばマルチコア光増幅ファイバ2で得られる飽和出力パワーも増加する。
【0052】
たとえば、マルチコア光増幅ファイバ2におけるコア間クロストークは、-50dB/100m以下や-60dB/100m以下となるように設定できる。また、クラッド厚Tc2についても、たとえば、コア間距離P2が27μmの場合は32.8μmよりも小さいたとえば32μm以下であり、コア間距離P2が29μmの場合は34.8μmよりも小さいたとえば34μm以下であり、コア間距離P2が31μmの場合は36.8μmよりも小さい値、たとえば36μm以下であるように設定できる。また、クラッド厚Tc2は50μm以下でもよい。
【0053】
ここで、図3のような19コア型であるが、コア間距離が38.5μmであり、クラッド厚が23μmであり、クラッド径が200μmである比較形態2のマルチコア光増幅ファイバのクラッド面積を計算した。一方、本実施形態2のマルチコア光増幅ファイバ2において、クラッド厚Tc2が23μmであり、コア間距離P2が29μmの場合のクラッド面積を計算した。これらの計算結果を比較したところ、実施形態2のクラッド面積は、比較形態2のクラッド面積の65.6%と大幅に小さくなっていた。このことは、実施形態2のクラッド面積が比較形態2のクラッド面積に対して1.8dBだけ減少したこととなり、励起光率が改善される。
【0054】
また、マルチコア光増幅ファイバ2では、コア/クラッド面積比は2.4%と比較的大きいので、励起効率が改善される。
【0055】
また、実施形態2では、実施形態1と同様に、実用的な総コア間クロストークと励起光率の改善とを両立することができる。
【0056】
(実施形態3)
図4は、実施形態3に係るマルチコア光ファイバ増幅器の構成を示す模式図である。以下、マルチコア光ファイバ増幅器を単に光増幅器と記載する場合がある。光増幅器100は、7個の光アイソレータ10、光ファイバファンイン(FAN IN)20、半導体レーザ30、光結合器40、実施形態1に係るマルチコア光増幅ファイバ1、ポンプストリッパ50、光ファイバファンアウト(FAN OUT)60、および7個の光アイソレータ70、を備えている。なお、図中「×」の記号は光ファイバの融着接続点を示している。
【0057】
光ファイバファンイン20は、束ねられた7本のシングルモード光ファイバと、7個のコア部を有する1本のマルチコアファイバとを備えており、結合部において7本のシングルモード光ファイバの各コア部がマルチコアファイバの各コア部に光学結合するように構成されている。なお、7本のシングルモード光ファイバは、たとえばITU-TG.652に定義される標準のシングルモード光ファイバであり、それぞれ光アイソレータ10が設けられている。光アイソレータ10、70は矢印が示す方向に光を通過させ、逆方向への光の通過を遮断する。光ファイバファンイン20のマルチコアファイバは光結合器40に接続されている。なお、束ねられた7本のシングルモード光ファイバおよびマルチコアファイバの光学結合する端面は、反射抑制のため光軸に対して斜めに加工されているが、光軸に対して垂直であってもよい。なお、7個の光アイソレータ10、70に換えて、複数(本実施形態では7本)のシングルモード光ファイバが集積された構成の光アイソレータを用いてもよい。
【0058】
光ファイバファンイン20のマルチコアファイバは、マルチコア光増幅ファイバ1と同様に、三角格子状に配置された7個のコア部と、各コア部の外周に位置し、各コア部の最大屈折率よりも屈折率が低いクラッド部とを備えている。光ファイバファンイン20の各シングルモード光ファイバに信号光を入力すると、各光アイソレータ10は各信号光を通過させ、マルチコアファイバの各コア部は各信号光を伝搬する。
【0059】
励起光源である半導体レーザ30は、横マルチモード半導体レーザであり、励起光を出力する。励起光の波長は、Erの900nm波長帯における吸収ピークの波長と略同一な976nmである。これにより、励起光はエルビウムイオンを光励起できる。半導体レーザ30は、マルチモード光ファイバから励起光を出力する。このマルチモード光ファイバは、コア径/クラッド径が例えば105μm/125μmのステップインデックス型であり、NAが例えば0.16や0.22である。
【0060】
光結合器40は、主光ファイバと、励起光供給用光ファイバとを備えている。主光ファイバは、光ファイバファンイン20のマルチコアファイバのコア部と同様に三角格子状に配置された7個のコア部と、各コア部の外周に位置し、各コア部の最大屈折率よりも屈折率が低い内側クラッド部と、内側クラッド部の外周に位置し、内側クラッド部よりも屈折率が低い外側クラッド部とを備えるダブルクラッド型の光ファイバである。コア部と内側クラッド部とは石英系ガラスからなり、外側クラッド部は樹脂からなる。
【0061】
励起光供給用光ファイバは、別の一端が半導体レーザ30のマルチモード光ファイバと接続された同種のマルチモード光ファイバであり、コア径/クラッド径が例えば105μm/125μmのステップインデックス型であり、NAが例えば0.16や0.22である。励起光供給用光ファイバは、励起光が半導体レーザ30から入力され、この励起光を主光ファイバに供給する。内側クラッド部は励起光を伝搬する。
【0062】
光結合器40の主光ファイバは、一端が光ファイバファンイン20のマルチコアファイバに接続されている。マルチコアファイバの各コア部は主光ファイバの各コア部に接続されている。したがって、マルチコアファイバの各コア部を伝搬した各信号光は、主光ファイバに入力すると、各コア部に光学結合する。各コア部は各信号光を伝搬する。励起光と信号光とは、主光ファイバからマルチコア光増幅ファイバ1へと出力される。
【0063】
マルチコア光増幅ファイバ1は、一端が光結合器40の主光ファイバに接続されている。マルチコア光増幅ファイバ1の各コア部1aは主光ファイバの各コア部に接続されている。また、マルチコア光増幅ファイバ1の内側クラッド部1bは主光ファイバの内側クラッド部に接続されている。したがって、主光ファイバを伝搬した各信号光および励起光は、マルチコア光増幅ファイバ1に入力すると、それぞれ各コア部1aと内側クラッド部1bとを同一方向に伝搬する。励起光は内側クラッド部1bを伝搬しながら各コア部1a内のErを光励起する。各コア部1aを伝搬する各信号光はErの誘導放出の作用により光増幅される。マルチコア光増幅ファイバ1は、光増幅された各信号光と、光増幅に寄与しなかった励起光とを出力する。
【0064】
ポンプストリッパ50は、光増幅に寄与しなかった励起光を排除する公知のデバイスである。ポンプストリッパ50は、例えば、7個のコアを有するダブルクラッド型マルチコアファイバの外側クラッドの一部が除去されており、除去された部分の内側クラッド部の表面から励起光を取り出して放熱板などに照射し、吸収させて励起光のエネルギーを熱エネルギーに変換して放熱する構成を有する。ポンプストリッパ50はマルチコアファイバによって各信号光を伝搬させるとともに、励起光を、光増幅器100から出力されても問題の無い程度のパワーまで低減させる。
【0065】
光ファイバファンアウト60は、光ファイバファンイン20と同様に、束ねられた7本のシングルモード光ファイバと、7個のコア部を有する1本のマルチコアファイバとを備えており、結合部において7本のシングルモード光ファイバの各コア部がマルチコアファイバの各コア部に光学結合するように構成されている。各シングルモード光ファイバには、それぞれ光アイソレータ70が設けられている。マルチコアファイバはポンプストリッパ50に接続されている。なお、束ねられた7本のシングルモード光ファイバおよびマルチコアファイバの光学結合する端面は、反射抑制のため光軸に対して斜めに加工されているが、光軸に対して垂直であってもよい。
【0066】
ポンプストリッパ50のマルチコアファイバの各コア部から光ファイバファンアウト60の各コア部に信号光が入力すると、各信号光は各シングルモード光ファイバの各コア部を伝搬し、光アイソレータ70を通って出力する。
【0067】
この光増幅器100は、励起効率が改善されたマルチコア光増幅ファイバ1を用いて光増幅を行うので、同一の増幅特性を得るための半導体レーザ30の消費電力を削減できる。
【0068】
(実施形態4)
図5は、実施形態4に係る光通信システムの構成を示す模式図である。光通信システム1000は、光送信装置1010と、光受信装置1020と、実施形態7に係る光増幅器100と、14本のシングルコア光ファイバである光伝送ファイバ1031~1037、1041~1047と、を備えている。
【0069】
光送信装置1010は、7個の送信器1011~1017を備えている。送信器1011~1017は、それぞれ、信号光を送信する。7本の光伝送ファイバ1031~1037は、送信器1011~1017のそれぞれから出力された信号光を伝送し、光増幅器100に入力させる。光増幅器100は、光伝送ファイバ1031~1037から入力された7つの信号光を一括して光増幅し、7本の光伝送ファイバ1041~1047のそれぞれに出力する。光伝送ファイバ1041~1047は、増幅された信号光を伝送し、光受信装置1020に入力させる。光受信装置1020は、7個の受信器1021~1027を備えている。受信器1021~1027は、光伝送ファイバ1041~1047が伝送した、増幅された信号光を受信し、電気信号に変換する。
【0070】
光通信システム1000は、同一の増幅特性を得るための消費電力が削減された光増幅器100を用いているので、消費電力が削減された光通信を実現できる。なお、本実施形態では、光伝送ファイバは7本のシングルコア光ファイバであるが、1本の7コア型マルチコアファイバからなる光伝送ファイバを用いてもよい。
【0071】
光通信システム1000が長距離通信システムなどであれば、光増幅器100をリピータアンプ、プリアンプ、またはブースターアンプとして利用できる。光通信システム1000がROADM(Reconfigurable Optical Add/Drop Multiplexer)を用いたネットワークシステムなどであれば、光増幅器100を損失補償に利用できる。
【0072】
なお、上記実施形態では、マルチコア光増幅ファイバのコア部は希土類元素としてErのみを含むが、Er以外の希土類元素、たとえばイッテルビウム(Yb)のみを含んでいてもよいし、Er、Ybの両方を含んでいてもよい。Ybのみを含んでいる場合、希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯は、たとえば1064nmを含む波長帯である。Er、Ybの両方を含んでいる場合、希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯は、たとえばCバンドやLバンドである。また、コア部が希土類元素としてプラセオジム(Pr)やビスマス(Bi)を含む場合は、希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯は、たとえば1310nmを含む波長帯である。また、コア部が希土類元素としてツリウム(Tm)を含む場合は、希土類元素が光増幅可能な光増幅波長帯は、たとえば1500nmを含む波長帯である。
【0073】
また、上記実施形態では、マルチコア光増幅ファイバにおけるコア部は三角格子状に配置されているが、正方格子状または円環状に配置されていてもよい。マルチコア光増幅ファイバにおけるコア部の数も、複数であれば特に限定されない。
【0074】
また、上記実施形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。たとえば、実施形態2に係るマルチコア光増幅ファイバ2を用いて実施形態3のようなマルチコア光ファイバ増幅器を構成してもよい。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
1、2 マルチコア光増幅ファイバ
1aa、1ab、2aa、2ab、2ac コア部
1b、2b 内側クラッド部
1c、2c 外側クラッド部
10、70 光アイソレータ
20 光ファイバファンイン
30 半導体レーザ
40、80 光結合器
50 ポンプストリッパ
60 光ファイバファンアウト
100 光増幅器
1000 光通信システム
1010 光送信装置
1020 光受信装置
1011~1017 送信器
1021~1027 受信器
1031~1037、1041~1047 光伝送ファイバ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5