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特許7444780硝化阻害剤としてのN-官能化アルコキシピラゾール化合物の使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-27
(45)【発行日】2024-03-06
(54)【発明の名称】硝化阻害剤としてのN-官能化アルコキシピラゾール化合物の使用
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/56 20060101AFI20240228BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20240228BHJP
   C05G 3/90 20200101ALI20240228BHJP
   C05C 1/00 20060101ALI20240228BHJP
   C05C 5/04 20060101ALI20240228BHJP
   C05C 3/00 20060101ALI20240228BHJP
   C05C 9/00 20060101ALI20240228BHJP
   C05F 3/00 20060101ALI20240228BHJP
   A01H 3/00 20060101ALI20240228BHJP
【FI】
A01N43/56 B
A01P21/00
C05G3/90
C05C1/00
C05C5/04
C05C3/00
C05C9/00
C05F3/00
A01H3/00
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020544906
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 EP2019055006
(87)【国際公開番号】W WO2019166560
(87)【国際公開日】2019-09-06
【審査請求日】2022-02-28
(31)【優先権主張番号】18159321.1
(32)【優先日】2018-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネスヴァドバ,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム,アラン エフ.
(72)【発明者】
【氏名】ヒンダレカー,シュリラング
(72)【発明者】
【氏名】ナーベ,バーバラ
(72)【発明者】
【氏名】ポティ,テジャス
(72)【発明者】
【氏名】ワルキス,オロフ
(72)【発明者】
【氏名】ヴィッセマイアー,アレクサンダー
【審査官】早乙女 智美
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-515479(JP,A)
【文献】国際公開第2016/124769(WO,A1)
【文献】特公昭47-047181(JP,B1)
【文献】特表平11-500111(JP,A)
【文献】特表平10-511336(JP,A)
【文献】特表2018-504350(JP,A)
【文献】国際公開第2015/081349(WO,A2)
【文献】Sharma, J. P. et al.,Synthesis and evaluation of some pyrazoles for N-regulation of soil-applied urea in rice-wheat culture,Pesticide Research Journal,2006年,18(1),pp. 7-11
【文献】JHG Slangen et al.,Nitrification inhibitors in agriculture and horticulture: A literature review,Fertilizer Research,1984年,5(1),pp. 1-76
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
C05G
C05C
CAplus/REGISTRY/MARPAT(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
硝化阻害剤としての、式I:
【化1】
(式中、
R1は、C1-C6-アルキル、ベンジル又はアリルであり;
R2は、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
RNは、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)、C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、又はCHRaORbであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
Rxは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、又はC1-C4-ハロアルコキシであり;
nは、0、1、又は2である)
で表されるN-官能化アルコキシピラゾール化合物、又はその塩、立体異性体、互変異性体若しくはN-オキシドの使用。
【請求項2】
nが0であり、すなわちR2が存在しないか;又は
nが1であり、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルである、
請求項1に記載の使用。
【請求項3】
Raが、Hであり;
Rbが、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rcが、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rdが、C1-C3-アルキルである、
請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に定義される少なくとも1種の式Iの化合物と少なくとも1種の担体とを含む、硝化の低下において使用するための組成物。
【請求項5】
(i) 少なくとも1種の肥料;及び(ii) 請求項1~3のいずれか1項に定義される少なくとも1種の式Iの化合物、又は請求項4に記載の組成物を含む農薬混合物。
【請求項6】
前記式Iの化合物が、肥料と組み合わせて、場合により請求項5に記載の農薬混合物の形態で使用される、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
化の阻害が、植物中又は植物上、植物の根領域中、土壌若しくは土壌置換成分中又は土壌若しくは土壌置換成分上及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所において起こる、請求項1~3又は6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分を、請求項1~3のいずれか1項に定義される少なくとも1種の式Iの化合物、又は請求項4に定義される組成物で処理するステップを含む、硝化を低下させる方法。
【請求項9】
植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分に、さらに肥料が提供される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記式Iの化合物の施用及び前記肥料の施用が、同時に又は時間差で行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか1項に定義される硝化阻害剤の施用を含む、肥料又は組成物を処理する方法。
【請求項12】
前記肥料が、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料;固体若しくは液体の有機肥料、あるいは尿素含有肥料である、請求項5に記載の農薬混合物。
【請求項13】
前記植物が、農業植物、又は野菜;又はソルガム;林業植物;観賞植物;又は園芸植物(それぞれその天然形又は遺伝子改変形)である、請求項7に記載の使用。
【請求項14】
前記時間差が、1日間、2日間、3日間、1週間、2週間又は3週間の間隔である、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料が、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムであり、前記固体若しくは液体の有機肥料が、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノであり、又は前記尿素含有肥料が、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムである、請求項12に記載の農薬混合物。
【請求項16】
前記農業植物が、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライコムギ、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、アブラナ、カノーラ、ヒマワリ、ワタ、サトウキビ、サトウダイコン、イネであり、又は前記野菜が、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、若しくはキャベツである、請求項13に記載の使用。
【請求項17】
前記肥料が、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料;固体若しくは液体の有機肥料、あるいは尿素含有肥料である、請求項6に記載の使用。
【請求項18】
前記固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料が、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムであり、前記固体若しくは液体の有機肥料が、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノであり、又は前記尿素含有肥料が、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムである、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記肥料が、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料;固体若しくは液体の有機肥料、あるいは尿素含有肥料である、請求項9又は10に記載の方法。
【請求項20】
前記固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料が、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムであり、前記固体若しくは液体の有機肥料が、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノであり、又は前記尿素含有肥料が、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記肥料が、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料;固体若しくは液体の有機肥料、あるいは尿素含有肥料である、請求項11に記載の方法。
【請求項22】
前記固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料が、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムであり、前記固体若しくは液体の有機肥料が、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノであり、又は前記尿素含有肥料が、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記植物が、農業植物、又は野菜;又はソルガム;林業植物;観賞植物;又は園芸植物(それぞれその天然形又は遺伝子改変形)である、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項24】
前記農業植物が、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライコムギ、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、アブラナ、カノーラ、ヒマワリ、ワタ、サトウキビ、サトウダイコン、イネであり、又は前記野菜が、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、若しくはキャベツである、請求項23に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、N-官能化アルコキシピラゾール化合物である新規な式Iの硝化阻害剤に関する。さらに、本発明は、硝化阻害剤としての(すなわち硝化を低下させるための)式Iの化合物の使用、並びに式Iの硝化阻害剤を含む農薬混合物及び組成物に関する。本発明によりさらに包含されるのは、植物、土壌及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所の前記硝化阻害剤による処理を含む硝化を低下させる方法、並びに前記硝化阻害剤を施用することにより肥料又は組成物を処理する方法である。
【背景技術】
【0002】
窒素は、植物の生育及び繁殖に必須の元素である。土壌中の植物可給性窒素(アンモニウム及び硝酸イオン)の約25%は、腐植質、植物及び動物の残渣、並びに有機肥料などの有機窒素化合物の分解過程(無機化)に由来する。約5%は降雨に由来する。しかしながら、地球規模でみると、最大部分(70%)は、無機窒素肥料によって植物に供給される。主に使用される窒素肥料は、アンモニウム化合物又はその誘導体を含み、すなわち世界的に施用される窒素肥料のほぼ90%がNH4 +形態である(Subbaraoら, 2012, Advances in Agronomy, 114, 249-302)。これは、とりわけNH4 +同化が、NO3 -などの他の窒素源の同化と比較してエネルギー的により効率的であるという事実に起因する。
【0003】
さらに、カチオンであるアンモニウム(NH4 +)は、負に帯電した粘土表面及び土壌有機物の官能基により静電的に保持される。この結合は、地下水への浸出によるNH4 +損失を制限するだけ十分に強い。対照的に、負に帯電している硝酸イオン(NO3 -)は土壌に結合せず、植物の根領域から浸出しやすい。さらに、硝酸イオンは、硝酸イオン及び亜硝酸イオン(NO2 -)から亜酸化窒素(N2O)及び分子状窒素(N2)などの気体形態の窒素への微生物学的変換である脱窒により失われる可能性がある。
【0004】
しかし、アンモニウム(NH4 +)化合物は、土壌微生物により、硝化として知られる過程で比較的短時間で硝酸イオン(NO3 -)に変換される。硝化は主に、土壌細菌集団の広範な構成要素である化学合成独立栄養細菌の2つの群、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)及びニトロバクター属(Nitrobacter)のアンモニア酸化細菌(AOB)によって行われる。硝化に本質的に関与する酵素はアンモニアモノオキシゲナーゼ(AMO)であり、この酵素は、アンモニア酸化古細菌においても見出されている(Subbaraoら, 2012, Advances in Agronomy, 114, 249-302)。
【0005】
硝化過程は、典型的には窒素漏出及び環境汚染をもたらす。種々の損失の結果として、施用された窒素肥料の約50%は、施肥の翌年中に失われる(Nelson及びHuber;Nitrifiication inhibitors for corn production (2001)、National Corn Handbook, Iowa State Universityを参照)。
【0006】
対応策として、主に肥料と一緒の硝化阻害剤の使用が提案された。好適な硝化阻害剤としては、例えば、リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート(methyl p-coumarate)、メチルフェルレート(methyl ferulate)、MHPP、カランジン(Karanjin)、ブラキアラクトン(brachialacton)又はp-ベンゾキノンソルゴレオン(p-benzoquinone sorgoleone)などの生物学的硝化阻害剤(BNI)が挙げられる(Subbaraoら, 2012, Advances in Agronomy, 114, 249-302)。さらなる好適な硝化阻害剤は、ニトラピリン(Nitrapyrin)、ジシアンジアミド(DCD)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール(terrazole))、又は2-スルファニルアミドチアゾール(ST)などの合成化学阻害剤である(Slangen及びKerkhoff, 1984, Fertilizer research, 5(1)、1-76)。
【0007】
しかしながら、これらの阻害剤の多くは準最適でしか機能しない。さらに、世界人口は今後20~30年間で著しく成長すると予想され、従って、十分な量及び品質の食糧生産が必要である。これを達成するためには、窒素肥料の使用を2050年までに2倍にしなければならないだろう。環境的理由によりこれは不可能であるが、それは、多くの場所で飲料水中の硝酸イオンレベル、表層水の富栄養化及び空気中へのガス排出が既に臨界値に達し、水質汚染及び大気汚染を引き起こしているためである。しかしながら、硝化阻害剤が使用される場合、肥効率を有意に増大させ、これにより比較的少量の肥料を施用することができる。従って、新規な硝化阻害剤並びにそれらを使用する方法に対する明らかな必要性が存在する。
【0008】
Sharmaら(JP Sharma, HK Taneja, SS Tomar Pesticide Research Journal, 2006, 18(1), 7-11)は、とりわけ硝化阻害剤として3-エトキシ-5-メチルピラゾールを開示している。しかしながら、この化合物は揮発性が高く、従って長期施用には不利であることがわかっている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Subbaraoら, 2012, Advances in Agronomy, 114, 249-302
【文献】Nelson及びHuber;Nitrifiication inhibitors for corn production (2001)、National Corn Handbook, Iowa State University
【文献】Slangen及びKerkhoff, 1984, Fertilizer research, 5(1)、1-76
【文献】Sharmaら、JP Sharma, HK Taneja, SS Tomar Pesticide Research Journal, 2006, 18(1), 7-11
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改善された硝化阻害剤を提供することであった。
【0011】
特に、本発明の目的は、先行技術に記載されている硝化阻害剤と比較して、硝化阻害剤として高い活性を有するが、同時に低減された揮発性及び毒性を有する硝化阻害剤を提供することであった。
【0012】
さらに、本発明の目的は、費用効果的に調製することが可能であり、且つ環境上安全な硝化阻害剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
驚くべきことに、これらの目的は、式I:
【0014】
【化1】
(式中、
R1は、H、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
R2は、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
RNは、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Ryにより置換されている);
CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb);
C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、CHRaORb、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
Reは、H、C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、又はC6-C10-アリールであり;
Rfは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Rxは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、又はC1-C4-ハロアルコキシであり;
Ryは、ハロゲン、CN、OH、NO2、COOH、NRbRc、NRb(C=O)Rf、C(=O)NRbRc、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルキルカルボキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル及びS(O)2NRbRcであり;
nは、0、1、又は2である)
で表されるN-官能化アルコキシピラゾール化合物、又はその塩、立体異性体、互変異性体若しくはN-オキシドである、本発明による硝化阻害剤を使用することにより達成され得ることが見出された。
【0015】
本発明者らは、驚くべきことに、上記及び本明細書中以降に定義される式Iの化合物を施用することにより、アンモニウムイオンから硝酸イオンへの硝化を有意に低下させることができることを見出した。さらに、式Iの化合物は、驚くべきことに、低毒性及び低揮発性を示す。
【0016】
従って、一実施形態によれば、本発明は、硝化阻害剤としての、式I:
【0017】
【化2】
(式中、
R1は、H、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
R2は、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
RNは、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Ryにより置換されている);
CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb);
C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、CHRaORb、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
Reは、H、C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、又はC6-C10-アリールであり;
Rfは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Rxは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、又はC1-C4-ハロアルコキシであり;
Ryは、ハロゲン、CN、OH、NO2、COOH、NRbRc、NRb(C=O)Rf、C(=O)NRbRc、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルキルカルボキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル及びS(O)2NRbRcであり;
nは、0、1、又は2である)
で表されるN-官能化アルコキシピラゾール化合物、又はその塩、立体異性体、互変異性体若しくはN-オキシドの使用に関する。
【0018】
前記使用の好ましい一実施形態において、前記式Iの化合物中、R1は、C1-C6-アルキル、ベンジル、又はアリルである。
【0019】
前記使用の別の好ましい実施形態において、前記式Iの化合物中、
nは0であり、すなわちR2は存在しないか、又は
nは1であり、R2はC1-C3-アルキル又はフェニルである。
【0020】
前記使用の別の好ましい実施形態において、前記式Iの化合物中、RNは、C(=O)Rd、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)、又はCHRaNRe(C=O)Rfである。
【0021】
前記使用の別の好ましい実施形態において、前記式Iの化合物中、
Raは、Hであり;
Rbは、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rcは、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rdは、C1-C3-アルキルであり;
Reは、Hであり;
Rfは、H又はCH3である。
【0022】
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1種の上記に定義される式Iの化合物と少なくとも1種の担体とを含む、硝化の低下において使用するための組成物に関する。
【0023】
さらなる態様において、本発明は、硝化の低下において使用するための、少なくとも1種の肥料及び少なくとも1種の上記に定義される式Iの化合物;又は少なくとも1種の肥料及び上記の組成物を含む農薬混合物に関する。
【0024】
好ましい実施形態において、上記に定義される式Iの化合物は、硝化を低下させるために肥料と組み合わせて使用される。さらなる具体的実施形態において、上記に定義される式Iの化合物は、硝化を低下させるために、肥料と組み合わせて上記の農薬混合物の形態で使用される。さらに好ましい実施形態において、上記の前記硝化の低下は、植物中又は植物上、植物の根領域中、土壌若しくは土壌置換成分中又は土壌若しくは土壌置換成分上及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所において起こる。
【0025】
別の態様において、本発明は、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分を、少なくとも1種の上記に定義される式Iの化合物で、又は上記に定義される農薬組成物で処理するステップを含む、硝化を低下させる方法に関する。本方法の好ましい実施形態において、植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分に、さらに肥料が提供される。本方法のさらに好ましい実施形態において、前記硝化阻害剤(すなわち、式Iの化合物)の施用及び前記肥料の施用は、同時に又は時間差で行われる。特に好ましい実施形態において、前記時間差は、1日間、2日間、3日間、1週間、2週間又は3週間の間隔である。時間差を有する施用の場合、硝化阻害剤を最初に施用し、その後肥料を施用することができる。本方法のさらに好ましい実施形態において、第1ステップで上記に定義される硝化阻害剤が種子、植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用され、さらに第2ステップで肥料が植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される(上記第1ステップにおける前記硝化阻害剤の施用及び第2ステップにおける肥料の施用は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間又は3週間の時間差で行われる)。時間差を有する施用の他の実施形態において、肥料を最初に施用し、その後上記に定義される硝化阻害剤を施用することができる。本方法のさらに好ましい実施形態において、第1ステップで肥料が植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用され、さらに第2ステップで上記に定義される硝化阻害剤が種子、植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される(第1ステップにおける前記肥料の施用及び第2ステップにおける前記硝化阻害剤の施用は、少なくとも1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間又は3週間の時間差で行われる)。
【0026】
別の態様において、本発明は、上記に定義される硝化阻害剤の施用を含む、肥料を処理する方法、又は上記に定義される硝化阻害剤の施用を含む、上記に定義される組成物を処理する方法に関する。
【0027】
本発明の使用、農薬混合物又は方法の好ましい実施形態において、前記肥料は、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料(例えば、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウム);固体若しくは液体の有機肥料(例えば、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノ)、あるいは尿素含有肥料(例えば、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウム)である。
【0028】
本発明の使用又は方法のさらに好ましい実施形態において、前記植物は、農業植物(例えば、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライコムギ、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、セイヨウアブラナ、カノーラ、ヒマワリ、ワタ、サトウキビ、サトウダイコン、イネ)、又は野菜(例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、若しくはキャベツ);又はソルガム;林業植物;観賞植物;又は園芸植物(それぞれその天然形又は遺伝子改変形)である。
【0029】
式Iの化合物は、有機化学の標準的な方法により調製することができる。一般にピラゾール化合物を調製する好適な方法は、「Progress in Heterocyclic Chemistry」, Vol. 27, G.W. Gribble, J.A. Joule, Elsevier, 2015, Chapter 5.4.2に記載されている。
【0030】
OR1基は、ピラゾール環形成のための適切な出発物質を選択することにより導入することができる。
【0031】
3-アルコキシ-ピラゾールの合成のための一般的な方法は、例えば、a) Sadrine Guillou, Frederic J. Bonhomme, Yves L. Janin, Synthesis 2008, 3504-3508;又はb)WO 2010/015657 A2中に記載され、以下に示されるように、塩酸ヒドラジンと種々のβ-ケトエステルとの間の反応を含む:
【0032】
【化3】
【0033】
RA及びRBは、水素であってよく、又はR2について上記に規定される意味のいずれかを有していてもよい。
【0034】
Mazaahir Kidwai, Arti Jain, Roona Poddar, Journal of Organometallic Chemistry 696 (2011) 1939-1944は、上記反応においてヒドラジンに代えてN-置換ヒドラジン誘導体を使用する場合、N上で置換されている3-アルコキシピラゾールが直接得られることを示した。
【0035】
また、3-アルコキシ基は、例えば、a)D. Piomelli及び共同研究者、Synthesis 2016, 2739-2756、又はb)Sandrine Guillou, Yves L. Janin, Chem. Eur. J. 2010, 16, 4669-4677により記載されるように、適切なヒドロキシピラゾール誘導体をアルキル化することにより導入することができる。
【0036】
4位にアルコキシ基を有するピラゾールを合成する種々の方法は、William F. Vernier, Laurent Gomez, Tetrahedron Letters 2017, 4587-4590によって記載された。
【0037】
RNが例えばC1-C6-アルキルである場合、RN置換基は、以下のスキームに従って、式IIの化合物を式IIIの化合物(式中、LGは脱離基を表す)と反応させることにより導入し得る。
【0038】
【化4】
【0039】
例えば、種々のアルキル化又はアシル化試薬RN-LGを、WO 2009/153589 A1又はWO 2011/048082 A1において記載されるような、3-メトキシ-4-ニトロ-1H-ピラゾールのヨウ化メチルによるN-メチル化(これは、1-メチル-3-メトキシ-4-ニトロ-1H-ピラゾールを与える)と同様に使用することができる。
【0040】
RNとしてのCH2OH基の導入は、Simona Lupsor, Mircea Iovu and Florin Aonofriesei, Med. Chem. Res. 2012, 3035-3042に記載されるように、ピラゾールをホルムアルデヒドと反応させることにより行うことができる。
【0041】
同様に、置換基RNを形成するマレイン酸誘導体を用いてマイケル付加を行ってもよい。
【0042】
RNが例えばホルムアミドであるピラゾール化合物を調製する方法は、DE 10 2011 120 098 A1及びWO 2013/079197 A1に記載されている。
【0043】
置換基RNが導入される前に異なる互変異性体が生成し、置換基RNの導入後に異性体混合物の生成をもたらし得ることが理解される。本発明の特定の好ましい実施形態において、かかる異性体混合物を硝化阻害剤として使用し得る。
【0044】
置換基R2は、芳香族置換反応を含む標準的な反応によって、又はピラゾール環形成のための適切な出発物質を選択することによって導入することができる。
【0045】
本発明の例示的実施形態を詳細に記載する前に、本発明を理解するために重要な定義を示す。
【0046】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる単数形の「a」及び「an」は、文脈が明らかに別段に指示しない限り、それぞれの複数形も包含する。本発明の文脈において、用語「約(「about」及び「approximately」)」は、当業者が当該特徴の技術的効果が依然として確保されると理解する精度の間隔を表す。この用語は、典型的には、示される数値からの±20%、好ましくは±15%、より好ましくは±10%、さらにより好ましくは±5%の偏差を示す。用語「含む(comprising)」は、限定的ではないことが理解される。本発明の目的のため、用語「からなる(consisting of)」は、用語「からなる(comprising of)」の好ましい実施形態であるとみなされる。本明細書中以降、ある群が少なくとも特定数の実施形態を含むと定義される場合、これは、好ましくはこれらの実施形態のみからなる群も包含することを意味する。さらに、本明細書及び特許請求の範囲における用語「第1」、「第2」、「第3」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」等などは、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも順序又は時系列順を記載するために使用されるものではない。このように使用される用語は、適切な状況下で相互変換可能であり、本明細書で記載される本発明の実施形態が、本明細書中に記載又は例示される順序以外の順序で行うことが可能であることが理解される。用語「第1」、「第2」、「第3」又は「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」等が、方法若しくは使用又はアッセイのステップに関する場合、ステップ間に時間コヒーレンス又は時間間隔コヒーレンスは存在しない(すなわち、本明細書中上記又は下記に示される施用において別段に示されない限り、複数ステップを同時に行うことができるか、あるいはかかるステップ間に秒、分、時間、日、週、月又はさらに年の時間間隔が存在し得る)。この発明は、本明細書中に記載される特定の方法論、プロトコル、試薬等が変動し得るため、これらには限定されないことが理解される。本明細書で使用される用語法が、特定の実施形態を記載することを目的とするものにすぎず、添付の特許請求の範囲のみによって限定される本発明の範囲を限定することを意図するものではないことも理解される。別段に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、当技術分野において通常の技能を有する者に一般的に理解される意味と同じ意味を有する。
【0047】
用語「硝化阻害剤」は、この文脈において、硝化過程を遅らせるか又は停止させる化学物質として理解される。従って、硝化阻害剤は、ニトロソモナス属(Nitrosomonas)の種などの細菌の活性を阻害することにより、アンモニウムの硝酸イオンへの自然変換を遅延する。本明細書で使用される用語「硝化」は、アンモニア(NH3)又はアンモニウム(NH4 +)の、酸素による亜硝酸イオン(NO2 -)への生物学的酸化と、その後の微生物によるこれらの亜硝酸イオンの硝酸イオン(NO3 -)への酸化として理解される。硝酸イオン(NO3 -)に加えて、亜酸化窒素も硝化を通じて生成される。硝化は、土壌中の窒素循環における重要なステップである。従って、硝化の阻害は、亜酸化窒素(N2O)損失も低下させ得る。用語「硝化阻害剤」は、硝化を阻害するためのこのような化合物の使用と等価であるとみなされる。
【0048】
用語「本発明による化合物(1つ又は複数)」、又は「式Iの化合物」は、本明細書で定義される化合物(1つ又は複数)並びにその立体異性体、塩、互変異性体又はN-オキシドを含む。用語「本発明の化合物(1つ又は複数)」は、用語「本発明による化合物(1つ又は複数)」と同等であり、従ってその立体異性体、塩、互変異性体又はN-オキシドも含むと理解される。
【0049】
置換パターンに応じて、本発明による化合物は、1つ以上のキラル中心を有していてもよく、この場合、それらはエナンチオマー又はジアステレオマーの混合物として存在する。本発明は、本発明による化合物の単一の純粋なエナンチオマー又は純粋なジアステレオマー、及びそれらの混合物、並びに本発明による化合物の純粋なエナンチオマー若しくは純粋なジアステレオマー又はそれらの混合物の本発明による使用を提供する。本発明による好適な化合物は、全ての可能な幾何立体異性体(シス/トランス異性体)及びそれらの混合物も包含する。シス/トランス異性体は、アルケン、炭素-窒素二重結合又はアミド基に関して存在し得る。用語「立体異性体」は、エナンチオマー又はジアステレオマーのような光学異性体(後者は、分子中の2つ以上のキラル中心によって存在する)及び幾何異性体(シス/トランス異性体)の両方を包含する。本発明は、式Iの化合物の全ての可能な立体異性体(すなわち、単一のエナンチオマー又はジアステレオマー及びそれらの混合物)に関する。
【0050】
式Iの化合物は非晶質であってもよく、あるいは異なる巨視的特性(例えば安定性)を有し得るか、又は異なる生物学的特性(例えば活性)を示し得る1つ以上の異なる結晶状態(多形)で存在していてもよい。本発明は、非晶質及び結晶性の式Iの化合物、異なる結晶状態の各化合物Iの混合物、並びにその非晶質又は結晶性の塩に関する。
【0051】
式Iの化合物の塩は、好ましくは農業上許容可能な塩である。これらは、慣用の様式で、例えば、式Iの化合物が塩基性官能基を有する場合、上記化合物を当該アニオンの酸と反応させることによって形成することができる。式Iの化合物の農業上有用な塩は、とりわけ、そのカチオン及びアニオンがそれぞれ式Iの化合物の作用機序に悪影響を及ぼさない酸の酸付加塩を包含する。有用な酸付加塩のアニオンは、第一級塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、硫酸水素イオン、硫酸イオン、リン酸二水素イオン、リン酸水素イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、重炭酸イオン、炭酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸塩イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、安息香酸イオン、好ましくはリン酸イオン、並びにC1-C4-アルカン酸のアニオン(好ましくはギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン及び酪酸イオン)である。これらは、好ましくは式Iの化合物を、対応するアニオンの酸(好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸又は硝酸)と反応させることによって形成することができる。
【0052】
用語「N-オキシド」は、第三級窒素原子、例えば、ピリジン窒素原子がN-オキシド部分に酸化される任意の式Iの化合物を包含する。
【0053】
式Iの化合物の互変異性体は、例えば、芳香族環のいずれか1つの置換基が互変異性型を有する場合、存在し得る。好ましい互変異性体は、ケト-エノール互変異性体を包含する。
【0054】
用語「ハロゲン」のような、上記の可変部分の定義において言及される有機部分は、個々の基員の個別のリストの総称である。接頭辞Cn-Cmは、いずれの場合も基中の可能な炭素原子数を示す。
【0055】
用語「ハロゲン」は、いずれの場合も、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素を表す。
【0056】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、いずれの場合も、通常は1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。好ましいアルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、2-ブチル、イソ-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、及び2,2-ジメチルプロピルを包含する。メチル、エチル、n-プロピル及びイソ-プロピルが特に好ましい。
【0057】
本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、いずれの場合も、通常は1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、特に1又は2個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基(この基の水素原子は、ハロゲン原子で部分的に若しくは完全に置換されている)を表す。好ましいハロアルキル部分は、C1-C4-ハロアルキルから、より好ましくはC1-C3-ハロアルキル又はC1-C2-ハロアルキルから、特にC1-C2-フルオロアルキル(例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなど)から選択される。トリフルオロメチルが本発明により特に好ましい。
【0058】
本明細書で使用される用語「アルコキシ」は、いずれの場合も、酸素基を介して結合している、通常は1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、特に1又は2個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルキル基を表す。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソ-プロポキシ、n-ブチルオキシ、2-ブチルオキシ、イソ-ブチルオキシ、tert-ブチルオキシなどである。
【0059】
本明細書で使用される用語「ハロアルコキシ」は、いずれの場合も、通常は1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、特に1又は2個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖アルコキシ基(この基の水素原子は、ハロゲン原子で部分的に若しくは完全に置換されている)を表す。好ましいハロアルコキシ部分は、C1-C4-ハロアルコキシ、特にC1-C2-フルオロアルコキシ、例えばフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロ-エトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、ペンタフルオロエトキシなどを包含する。
【0060】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、いずれの場合も、通常は2~4個の炭素原子、好ましくは2又は3個の炭素原子を有する少なくとも単不飽和炭化水素基(すなわち、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を有する炭化水素基)(例えば、ビニル、アリル(2-プロペン-1-イル)、1-プロペン-1-イル、2-プロペン-2-イル、メタリル(2-メチルプロパ-2-エン-1-イル)、2-ブテン-1-イル、3-ブテン-1-イル、2-ペンテン-1-イル、3-ペンテン-1-イル、4-ペンテン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルプロパ-2-エン-1-イルなど)を表す。
【0061】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、いずれの場合も、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を有し、通常は2~4個、好ましくは2若しくは3個の炭素原子、又は3若しくは4個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、エチニル、プロパルギル(2-プロピン-1-イル、またプロパ-2-イン-1-イルとも呼ばれる)、1-プロピン-1-イル(またプロパ-1-イン-1-イルとも呼ばれる)、1-メチルプロパ-2-イン-1-イル、2-ブチン-1-イル、3-ブチン-1-イル、1-ペンチン-1-イル、3-ペンチン-1-イル、4-ペンチン-1-イル、1-メチルブタ-2-イン-1-イル、1-エチルプロパ-2-イン-1-イルなど)を表す。本発明による好ましいアルキニル基はエチニルである。
【0062】
本明細書で使用される用語「フェニルアルキル」は、アルキル基、好ましくはC1-C2-アルキル基、特にメチル基を介して分子の残りの部分に結合しているフェニル基(=フェニルメチル)を表す。最も好ましいフェニルアルキル基はベンジルである。
【0063】
本明細書で使用される、並びにシクロアルコキシ及びシクロアルキルチオのシクロアルキル部分における用語「シクロアルキル」は、いずれの場合も、通常は3~10個、又は3~6個の炭素原子を有する単環式環状脂肪族基(例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル及びシクロデシル、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル)を表す。
【0064】
用語「アルキルカルボニル」は、カルボニル基(C=O)の炭素原子を介して分子の残りの部分に結合している上記に定義されるアルキル基を指す。
【0065】
本明細書で使用される用語「アルキルカルボキシ」は、アルキル基中の任意の位置でカルボキシル基を介して結合している、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子(=C1-C4-アルキルカルボキシ)、好ましくは1~3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基を指す。
【0066】
本明細書で使用される用語「アルキルチオ」「(アルキルスルファニル:アルキル-S-)」は、硫黄原子を介して結合している、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子(=C1-C4-アルキルチオ)、より好ましくは1~3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基を指す。
【0067】
本明細書で使用される用語「アルキルスルホニル」(アルキル-S(=O)2-)は、アルキル基中の任意の位置でスルホニル基の硫黄原子を介して結合している、1~10個の炭素原子、好ましくは1~4個の炭素原子(=C1-C4-アルキルスルホニル)、好ましくは1~3個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基を指す。
【0068】
上記に示されるとおり、本発明は、一態様において、硝化阻害剤としての、式I:
【0069】
【化5】
(式中、
R1は、H、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
R2は、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
RNは、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Ryにより置換されている);
CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb);
C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、CHRaORb、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
Reは、H、C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、又はC6-C10-アリールであり;
Rfは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Rxは、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、又はC1-C4-ハロアルコキシであり;
Ryは、ハロゲン、CN、OH、NO2、COOH、NRbRc、NRb(C=O)Rf、C(=O)NRbRc、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルキルカルボキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル、及びS(O)2NRbRcであり;
nは、0、1、又は2である)
で表されるN-官能化アルコキシピラゾール化合物、又はその塩、立体異性体、互変異性体若しくはN-オキシドの使用に関する。
【0070】
nが2である場合、R2について上記に定義される置換基の群から独立して選択される2個のR2置換基が存在することが理解される。
【0071】
本発明の全ての態様に関連する、式Iの化合物に関する好ましい実施形態は、本明細書中以降に定義される。
【0072】
本発明の一実施形態において、式I:
【0073】
【化6】
の化合物は、以下の式I.1、I.2、又はI.3:
【0074】
【化7】
のいずれか1つの化合物である。
【0075】
式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して、nが0又は1であること、すなわち、R2が存在しないか、又はR2が1個だけ存在することが好ましい。
【0076】
式Iの化合物の合成に応じて、N-置換基RNを導入するステップの前の互変異性化により、例えば、式I.1の化合物及び式I.3の化合物の混合物もまた存在し得ることが理解される。従って、特定の実施形態において、式Iの化合物は、式I.1の化合物及び式I.3の化合物の混合物としても存在し得る。さらに、少なくとも1個の置換基R2が存在する場合、式I.2の化合物の混合物が得られ得る。
【0077】
また、置換基R2の有無及びその位置によって、式Iの化合物に関して種々の構造が好ましい場合があることが理解される。
【0078】
従って、式Iの化合物、特に式I.1の化合物は、特に好ましい一実施形態において、以下に示される式I.1(i)、I.1(ii)、又はI.1(iii):
【0079】
【化8】
のいずれか1つの化合物である。
【0080】
別の特に好ましい実施形態において、式Iの化合物、特に式I.2の化合物は、以下に示される式I.2(i)、I.2(ii)、又はI.2(iii):
【0081】
【化9】
のいずれか1つの化合物である。
【0082】
別の特に好ましい実施形態において、式Iの化合物、特に式I.3の化合物は、以下に示される式I.3(i)、I.3(ii)、又はI.3(iii):
【0083】
【化10】
のいずれか1つの化合物である。
【0084】
本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物中、好ましくは式I.1、I.2、又はI.3の化合物中、特に式I.1(i)、I.1(ii)、若しくはI.1(iii)の化合物中、又は式I.2(i)、I.2(ii)、若しくはI.2(iii)の化合物中、又は式I.3(i)、I.3(ii)、若しくはI.3(iii)の化合物中、
R1は、H、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
R2は、存在する場合、ハロゲン、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Rxにより置換されており;
Ra、Rb、Rc及びRxは上記に定義されるとおりであり、
特に好ましくは、
R1は、C1-C6-アルキル、ベンジル、アリルであり;
R2は、存在する場合、C1-C3-アルキル又はフェニルである。
【0085】
上記の好ましい実施形態に関して、RNの意味は、式Iの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0086】
従って、上記に定義される式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して、R2が、存在する場合、C1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルであることが特に好ましい。
【0087】
本発明の好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、nが0又は1であり、R2が、存在する場合、C1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.1の化合物である。
【0088】
本発明の好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、nが0又は1であり、R2が、存在する場合、C1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.2の化合物である。
【0089】
本発明の好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、nが0又は1であり、R2が、存在する場合、C1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.3の化合物である。
【0090】
上記の好ましい実施形態に関して、RNの意味は、式Iの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0091】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.1(i)の化合物である。
【0092】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.1(ii)の化合物である。
【0093】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.1(iii)の化合物である。
【0094】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.2(i)の化合物である。
【0095】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.2(ii)の化合物である。
【0096】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.2(iii)の化合物である。
【0097】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである、式I.3(i)の化合物である。
【0098】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.3(ii)の化合物である。
【0099】
特に好ましい一実施形態によれば、式Iの化合物は、R2がC1-C3-アルキル又はフェニルであり、R1がC1-C6-アルキル、ベンジル、アリルである式I.3(iii)の化合物である。
【0100】
上記の特に好ましい実施形態に関して、RNの意味は、式Iの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0101】
本発明の別の実施形態において、式Iの化合物中、好ましくは式I.1、I.2、又はI.3の化合物中、特に式I.1(i)、I.1(ii)、若しくはI.1(iii)の化合物中、又は式I.2(i)、I.2(ii)、若しくはI.2(iii)の化合物中、又は式I.3(i)、I.3(ii)、若しくはI.3(iii)の化合物中、
RNは、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Ryにより置換されている);
CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb);
C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、CHRaORb、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
Reは、H、C1-C4-アルキル、C3-C8-シクロアルキル、又はC6-C10-アリールであり;
Rfは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Ryは、ハロゲン、CN、OH、NO2、COOH、NRbRc、NRb(C=O)Rf、C(=O)NRbRc、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルキルカルボキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル、及びS(O)2NRbRcであり;
好ましくは
RNは、C1-C6-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基Ryにより置換されている);
CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb);
C(=O)Rd、C(=O)ORb、C(=O)NRbRc、CHRaORb、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rbは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C3-C8-シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C1-C2-アルキルであり;
Rcは、H、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、又はフェニルであり;
Rdは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Reは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Rfは、H、又はC1-C4-アルキルであり;
Ryは、ハロゲン、CN、OH、NO2、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、及びC1-C4-ハロアルコキシであり;
特に好ましくは
RNは、C(=O)Rd、CHRaC(=O)ORb、CHRaC(=O)NRbRc、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)、又はCHRaNRe(C=O)Rfであり;
Raは、Hであり;
Rbは、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rcは、H又はC1-C4-アルキルであり;
Rdは、C1-C3-アルキルであり;
Reは、Hであり;
Rfは、H又はCH3である。
【0102】
本発明の好ましい一実施形態において、式Iの化合物中、RNはC(=O)Rdであり、好ましくは、RdはC1-C3-アルキルである。
【0103】
このような化合物は式I.Aの化合物と呼ばれる。
【0104】
【化11】
【0105】
本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物中、RNはCHRaC(=O)ORbであり、好ましくは、RaはHであり、RbはH又はC1-C4-アルキルである。
【0106】
このような化合物は式I.Bの化合物と呼ばれる。
【0107】
【化12】
【0108】
本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物中、RNはCHRaC(=O)NRbRcであり、好ましくは、RaはHであり、RbはH又はC1-C4-アルキルであり、RcはH又はC1-C4-アルキルである。
【0109】
このような化合物は式I.Cの化合物と呼ばれる。
【0110】
【化13】
【0111】
本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物中、RNはCH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)であり、好ましくは、RbはH又はC1-C4-アルキルである。これに関して、2個のRb置換基は互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0112】
このような化合物は式I.Dの化合物と呼ばれる。
【0113】
【化14】
【0114】
本発明の別の好ましい実施形態において、式Iの化合物中、RNはCHRaNRe(C=O)Rfであり、好ましくは、RaはHであり、ReはHであり、RfはH又はCH3である。
【0115】
このような化合物は式I.Eの化合物と呼ばれる。
【0116】
【化15】
【0117】
R1及びR2に関して上記の好ましいものは、上記式I.A、I.B、I.C、I.D及びI.Eにもまた適用されることが理解される。
【0118】
従って、本発明による使用のために特に好ましい化合物は、以下に示される式I.1.A、I.1.B、I.1.C、I.1.D、又はI.1.Eの化合物である。
【0119】
【化16】
【0120】
R1及びR2の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。さらに、nが0又は1であることが好ましい。nが1である場合、ピラゾール環におけるそれぞれの位置は、式I.1(ii)、又はI.1(iii)の化合物に関して示されるR2により理解され得る。さらに、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfの意味は、好ましくは、式I.A、I.B、I.C、I.D、及びI.Eの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。2個の置換基Rbが存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよいことが理解される。
【0121】
また、本発明による使用のために特に好ましい化合物は、以下に示される式I.2.A、I.2.B、I.2.C、I.2.D、又はI.2.Eの化合物である。
【0122】
【化17】
【0123】
R1及びR2の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.2の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。さらに、nが0又は1であることが好ましい。nが1である場合、ピラゾール環におけるそれぞれの位置は、式I.2(ii)、又はI.2(iii)の化合物に関して示されるR2により理解され得る。さらに、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfの意味は、好ましくは、式I.A、I.B、I.C、I.D、及びI.Eの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。2個の置換基Rbが存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよいことが理解される。
【0124】
また、本発明による使用のために特に好ましい化合物は、以下に示される式I.3.A、I.3.B、I.3.C、I.3.D、又はI.3.Eの化合物である。
【0125】
【化18】
【0126】
R1及びR2の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。さらに、nが0又は1であることが好ましい。nが1である場合、ピラゾール環におけるそれぞれの位置は、式I.3(ii)、又はI.3(iii)の化合物に関して示されるR2により理解され得る。さらに、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、及びRfの意味は、好ましくは、式I.A、I.B、I.C、I.D、及びI.Eの化合物に関して上記で規定される意味に対応する。2個の置換基Rbが存在する場合、それらは互いに同一であっても異なっていてもよいことが理解される。
【0127】
従って、特に好ましい式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物は以下の実施形態にまとめられる。
【0128】
実施形態1
RNが、C(=O)Rdであり、いずれの場合も表A(i)の1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0129】
実施形態2
RNが、C(=O)Rdであり、いずれの場合も表A(i)の1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0130】
実施形態3
RNが、C(=O)Rdであり、いずれの場合も表A(i)の1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0131】
【表1】
【0132】
実施形態1~3に関するR1の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0133】
実施形態4
RNが、CHRaC(=O)ORbであり、いずれの場合も表A(ii)の1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0134】
実施形態5
RNが、CHRaC(=O)ORbであり、いずれの場合も表A(ii)の1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0135】
実施形態6
RNが、CHRaC(=O)ORbであり、いずれの場合も表A(ii)の1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0136】
【表2】
【0137】
実施形態4~6に関するR1の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0138】
実施形態7
RNが、CHRaC(=O)NRbRcであり、いずれの場合も表A(iii)の1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0139】
実施形態8
RNが、CHRaC(=O)NRbRcであり、いずれの場合も表A(iii)の1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0140】
実施形態9
RNが、CHRaC(=O)NRbRcであり、いずれの場合も表A(iii)の1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0141】
【表3】
【0142】
実施形態7~9に関するR1の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0143】
実施形態10
RNが、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)であり、いずれの場合も表A(iv)の1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0144】
実施形態11
RNが、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)であり、いずれの場合も表A(iv)の1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0145】
実施形態12
RNが、CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb)であり、いずれの場合も表A(iv)の1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0146】
【表4】
【0147】
実施形態10~12に関するR1の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0148】
実施形態13
RNが、CHRaNRe(C=O)Rfであり、いずれの場合も表A(v)の1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0149】
実施形態14
RNが、CHRaNRe(C=O)Rfであり、いずれの場合も表A(v)の1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0150】
実施形態15
RNが、CHRaNRe(C=O)Rfであり、いずれの場合も表A(v)の1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0151】
【表5】
【0152】
実施形態13~15に関するR1の意味は、好ましくは、式Iの化合物、特に式I.1、I.2、又はI.3の化合物に関して上記で規定される意味に対応する。
【0153】
本発明の方法、使用、組成物、及び混合物に関して、特にそれらの使用を目的とすると、以下の表にまとめられる式Iの化合物が好ましい。
【0154】
表1
R2が存在せず、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0155】
表2
R2が存在せず、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0156】
表3
R2が存在せず、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0157】
表4
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0158】
表5
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0159】
表6
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0160】
表7
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0161】
表8
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0162】
表9
R2がCH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0163】
表10
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0164】
表11
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0165】
表12
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0166】
表13
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0167】
表14
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0168】
表15
R2がCH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0169】
表16
R2がCH2CH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0170】
表17
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0171】
表18
R2がCH2CH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0172】
表19
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0173】
表20
R2がCH2CH2CH3でありRN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0174】
表21
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0175】
表22
R2がCH2CH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0176】
表23
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0177】
表24
R2がCH2CH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0178】
表25
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0179】
表26
R2がCH2CH2CH3であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0180】
表27
R2がCH(CH3)2であり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0181】
表28
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0182】
表29
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0183】
表30
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0184】
表31
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0185】
表32
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0186】
表33
R2がフェニルであり、RN(C(=O)Rd)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Bの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0187】
【表6】
【0188】
表34
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0189】
表35
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0190】
表36
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0191】
表37
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0192】
表38
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0193】
表39
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0194】
表40
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0195】
表41
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0196】
表42
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0197】
表43
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0198】
表44
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0199】
表45
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0200】
表46
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0201】
表47
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0202】
表48
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0203】
表49
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0204】
表50
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0205】
表51
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0206】
表52
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0207】
表53
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0208】
表54
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0209】
表55
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0210】
表56
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0211】
表57
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0212】
表58
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0213】
表59
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0214】
表60
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0215】
表61
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0216】
表62
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0217】
表63
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0218】
表64
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0219】
表65
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0220】
表66
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)ORb)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Cの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0221】
【表7】
【0222】
表67
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0223】
表68
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0224】
表69
R2が存在せず、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0225】
表70
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0226】
表71
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0227】
表72
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0228】
表73
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0229】
表74
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0230】
表75
R2がCH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0231】
表76
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0232】
表77
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0233】
表78
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0234】
表79
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0235】
表80
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0236】
表81
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0237】
表82
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0238】
表83
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0239】
表84
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0240】
表85
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0241】
表86
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0242】
表87
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0243】
表88
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0244】
表89
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0245】
表90
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0246】
表91
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0247】
表92
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0248】
表93
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0249】
表94
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0250】
表95
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0251】
表96
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0252】
表97
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0253】
表98
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0254】
表99
R2がフェニルであり、RN(CHRaC(=O)NRbRc)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Dの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0255】
【表8】
【0256】
表100
R2が存在せず、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0257】
表101
R2が存在せず、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0258】
表102
R2が存在せず、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0259】
表103
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0260】
表104
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0261】
表105
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0262】
表106
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0263】
表107
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0264】
表108
R2がCH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0265】
表109
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0266】
表110
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0267】
表111
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0268】
表112
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0269】
表113
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0270】
表114
R2がCH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0271】
表115
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0272】
表116
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0273】
表117
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0274】
表118
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0275】
表119
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0276】
表120
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0277】
表121
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0278】
表122
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0279】
表123
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0280】
表124
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0281】
表125
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0282】
表126
R2がCH(CH3)2であり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0283】
表127
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0284】
表128
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0285】
表129
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0286】
表130
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0287】
表131
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0288】
表132
R2がフェニルであり、RN(CH(C(=O)ORb)CH2(C(=O)ORb))及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Eの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0289】
【表9】
【0290】
表133
R2が存在せず、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(i)の化合物。
【0291】
表134
R2が存在せず、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(i)の化合物。
【0292】
表135
R2が存在せず、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(i)の化合物。
【0293】
表136
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0294】
表137
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0295】
表138
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0296】
表139
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0297】
表140
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0298】
表141
R2がCH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0299】
表142
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0300】
表143
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0301】
表144
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0302】
表145
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0303】
表146
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0304】
表147
R2がCH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0305】
表148
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0306】
表149
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0307】
表150
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0308】
表151
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0309】
表152
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0310】
表153
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0311】
表154
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0312】
表155
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0313】
表156
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0314】
表157
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0315】
表158
R2がCH2CH2CH3であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0316】
表159
R2がCH(CH3)2であり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0317】
表160
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(ii)の化合物。
【0318】
表161
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.1(iii)の化合物。
【0319】
表162
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(ii)の化合物。
【0320】
表163
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.2(iii)の化合物。
【0321】
表164
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(ii)の化合物。
【0322】
表165
R2がフェニルであり、RN(CHRaNRe(C=O)Rf)及びR1の組み合わせが、いずれの場合も表Fの1つの行に対応する、式I.3(iii)の化合物。
【0323】
【表10】
【0324】
上記の表において定義される化合物は、硝化の低下に関して有利なだけでなく、これらが、例えばそれらの低揮発性及び/又はそれらの環境安全性に関して有利な特性を有するという事実を考慮して、有利であることも見出された。さらに、本発明による化合物は、コスト効率的に調製することができる。
【0325】
上記化合物の組み合わせ、特に、上記のようにN-置換基が導入された後に異性体混合物として得られる化合物の組み合わせもまた本発明による硝化阻害剤として使用することができることが理解される。
【0326】
本発明の方法、使用、組成物、及び混合物に関して、特にそれらの使用を目的とすると、以下の好ましい実施形態がさらに関連する。
【0327】
従って、中心的な態様において、本発明は、硝化阻害剤としての、本明細書で定義される式Iの化合物の使用、又は硝化を低下させるための、本明細書で定義される前記式Iの化合物を含む組成物の使用に関する。本明細書で定義される式Iの化合物又はその誘導体若しくは塩、特に式Iの化合物及び/又はその塩若しくは好適な誘導体、並びに前記式Iの化合物を含む組成物、又は前記式Iの化合物を含む農薬混合物は、硝化を低下させるために使用することができる。
【0328】
本使用は、本明細書で定義される硝化阻害剤、組成物又は農薬混合物の、土壌上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所への施用に基づくものであってもよく、又は上記使用は、本明細書で定義される硝化阻害剤、組成物又は農薬混合物の、植物が生育しているか又は生育することが意図される土壌への、又は土壌置換成分への施用に基づくものであってもよい。具体的実施形態において、硝化阻害剤は、植物の不存在下で硝化を低下させるため(例えば次の農業活動のための予備活動として)、又は農業とは無関係の他の技術分野において(例えば、環境、水保護、エネルギー生産若しくは同様の目的のため)硝化を低下させるために使用することができる。具体的実施形態において、本発明による硝化阻害剤又は前記硝化阻害剤を含む組成物は、下水、スラリー、堆肥又は動物の糞(例えば、ブタ若しくはウシの糞便)における硝化の低下のために使用することができる。例えば、本発明による硝化阻害剤、又は前記硝化阻害剤を含む組成物は、下水処理場、バイオガス工場、牛舎、液肥タンク又はコンテナ等における硝化の低下のために使用することができる。さらに、硝化阻害剤、又は前記硝化阻害剤を含む組成物は、排気システムに、好ましくは畜舎又は牛舎の排気システムに使用することができる。従って、本発明は、排気、好ましくは畜舎及び牛舎の排気を処理するための式Iの化合物の使用にも関する。さらなる実施形態において、本発明による硝化阻害剤、又は前記硝化阻害剤を含む組成物は、動物における(例えば生産的家畜における)in situでの硝化の低下のために使用することができる。従って、本発明による硝化阻害剤又は前記硝化阻害剤を含む組成物を、動物(例えば哺乳動物)に、例えば適切な飼料と一緒に摂取させ、これにより動物の胃腸管における硝化の低下をもたらすことが可能であり、これがその後、胃腸管からの排出の低下をもたらす。この活動(すなわち、本発明による硝化阻害剤、又は前記硝化阻害剤を含む組成物の摂取)は、1回~数回(例えば、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、7日毎に、又は毎週、2週間毎、3週間毎、又は1カ月毎、2ヶ月毎等)、反復してもよい。
【0329】
本使用は、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤又はその誘導体若しくは塩、特に式Iの化合物及び/又はその塩若しくは好適な誘導体、並びに本明細書中上記に定義される前記硝化阻害剤を含む組成物、又は前記硝化阻害剤を含む農薬混合物の、硝化が起こるか又は硝化が起こると考えられるか若しくは予想される環境、区域又は領域への施用をさらに包含し得る。このような環境、区域又は領域は、植物又は土壌を含んでいなくてもよい。例えば、本阻害剤は、例えば酵素反応等に基づく実験室環境における硝化阻害のために使用することができる。同様に、温室又は同様の屋内施設における使用も想定される。
【0330】
本明細書で使用される用語「硝化を低下させる」又は「硝化の低下」は、例えば、アンモニウムの硝酸イオンへの自然変換を遅延若しくは除去することにより、硝化過程を遅らせるか又は停止させることを指す。このような低下は、阻害剤又は前記阻害剤を含む組成物が施用される植物又は場所における硝化の完全除去又は部分的除去であり得る。例えば、部分的除去は、硝化阻害剤が使用されない対照状況と比較して約90%~1%(例えば、90%、85%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%又は10%未満、例えば5%又は5%未満)の、植物上又は植物中の、あるいは植物が生育しているか又は生育することが意図される土壌若しくは土壌置換成分中又は土壌若しくは土壌置換成分上の残存硝化をもたらし得る。特定の実施形態において、部分的除去は、硝化阻害剤が使用されない対照状況と比較して1%未満の(例えば0.5%、0.1%又はそれ未満の)、植物上又は植物中の、あるいは植物が生育しているか又は生育することが意図される土壌若しくは土壌置換成分中又は土壌若しくは土壌置換成分上の残存硝化をもたらし得る。
【0331】
硝化を低下させるための、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤の使用、又は本明細書で定義される組成物の使用は、単回使用であってもよいし、反復使用であってもよい。単回使用として、本硝化阻害剤又は対応する組成物を、それらの標的部位(例えば土壌若しくは場所)又は標的物(例えば植物)に、1回だけ、生理学的に関連する時間間隔で(例えば、年1回、又は2~5年毎に1回、あるいは植物の一生中に1回)提供することができる。
【0332】
他の実施形態において、本使用を、1期間当たり少なくとも1回反復してもよく、例えば、硝化を低下させるために、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤、又は本明細書で定義される組成物を、それらの標的部位又は標的物において、日、週、又は月の時間間隔中に2回使用してもよい。硝化阻害剤の使用の文脈において使用される用語「少なくとも1回」は、本阻害剤を2回、又は数回使用し得ること(すなわち硝化阻害剤による施用又は処理の1回反復又は複数回反復が想定され得ること)を意味する。このような反復は、本使用の2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はさらに高頻度の反復であり得る。
【0333】
本発明による硝化阻害剤は、任意の適切な形態で使用することができる。例えば、本硝化阻害剤は、液体形態若しくは半液体形態のコーティング粒剤又は非コーティング粒剤として、噴霧し得る実体として、又は灌漑法等において使用することができる。具体的実施形態において、本明細書で定義される硝化阻害剤は、そのままで(すなわち製剤、肥料、付加的な水、コーティング、又は任意のさらなる成分を伴わずに)施用又は使用することができる。
【0334】
本明細書で使用される用語「灌漑」は、植物あるいは植物が生育しているか又は生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分の灌水(前記灌水は、本発明による硝化阻害剤を水と一緒に提供することを包含する)を指す。
【0335】
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1種の硝化阻害剤(前記硝化阻害剤は、本明細書で定義される式Iの化合物又は誘導体である);及び少なくとも1種の担体を含む、硝化を低下させるための組成物に関する。
【0336】
本明細書で使用される用語「硝化を低下させるための組成物」は、硝化が起こり得る任意の状況又は環境において硝化を低下させるために適した(例えば、有効濃度及び有効量の、硝化阻害剤(特に本明細書で定義される式Iの化合物又は誘導体)などの成分を含む)組成物を指す。一実施形態において、硝化を、植物の場所中若しくは植物の場所上又は植物の場所において低下させることができる。典型的には、硝化は、植物の根領域中で低下させ得る。しかし、このような硝化の低下が起こり得る区域は、植物及びそれらの環境に限定されるものではなく、硝化細菌の任意の他の生息地又は硝化酵素的活性が見られるか又は硝化酵素的活性が一般的な方法で機能し得る任意の場所(例えば、下水処理場、バイオガス工場、生産的家畜(例えば、牛、豚等)に由来する動物汚水)も含み得る。本明細書で定義される硝化阻害剤の「有効量」又は「有効濃度」は、当業者に公知の好適なin vitro試験及びin vivo試験に従って決定することができる。これらの量及び濃度は、硝化過程に影響を及ぼし得る場所、植物、土壌、気候条件又は任意の他の好適なパラメータに対して調整することができる。
【0337】
本明細書で使用される「担体」は、本成分の目的の場所(「place」又は「locus」)への送達及び/又は放出を促進する物質又は組成物である。この用語は、例えば、それらの使用圃場における(特に植物上又は植物中への)農薬物質の送達及び/又は放出を促進する農薬担体を包含する。
【0338】
好適な担体の例として、ファイトゲル(phytogel)若しくはハイドロゲル(hydrogel)、又は鉱物質土類(例えばシリケート、シリカゲル、タルク、カオリン、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、クレイ、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム)、粉砕合成材料、肥料(例えば、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硝酸硫酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウムなどの固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料;液肥、半液肥、厩肥、バイオガス堆肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノなどの固体若しくは液体の有機肥料、あるいは尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、安定化尿素、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムなどの尿素含有肥料)、及び植物起源の製品(例えば、穀粉、樹皮粉、木粉及び堅果殻粉、セルロース粉末)並びに他の固体担体が挙げられる。担体のさらなる好適な例として、例えば、固体製剤中で流動助剤、抗ケーキ化助剤、粉砕助剤として、また液体活性成分のための担体として使用し得るヒュームドシリカ又は沈降シリカなどが挙げられる。好適な担体のさらなる例は、微粒子(例えば、植物葉に付着し、特定の期間にわたってそれらの内容物を放出する微粒子)である。具体的実施形態において、例えばUS 6,180,141に記載されている、植物保護活性素を送達するために使用し得る複合ゲル微粒子などの農薬担体;又は例えばWO 2005/102045に記載されている、少なくとも1種の植物活性化合物とカプセル化アジュバント(上記アジュバントは、真菌細胞又はその断片を含む)とを含む組成物;あるいは例えばUS 2007/0280981に開示されるような、表面が親油性粘着付与剤でコーティングされている担体粒剤(上記担体粒剤は、植物、草及び雑草の表面に付着する)を使用することができる。さらなる具体的実施形態において、このような担体は、担体の含有物が植物、種子及び/又は植物が生育しているか若しくは生育することが意図される場所に完全に送達されるまで上記担体を確実に付着させる特異的な強結合分子を含み得る。例えば、担体は、分子種のセルロースへの付着のための有用な薬剤として記載されているセルロース結合ドメイン(CBD)であってもよいし、このドメインを含んでいてもよく(US 6,124,117参照);又はCBDと酵素の直接融合物であってもよく;あるいは、カプセル化剤の送達のために使用し得る多機能性融合タンパク質(上記多機能性融合タンパク質は、糖結合ドメインである第1結合ドメインと第2結合ドメインで構成されていてよく、第1結合ドメイン又は第2結合ドメインのいずれかは微粒子に結合することができる)であってもよい(WO 03/031477も参照のこと)。担体のさらなる好適な例として、CBDと微粒子に結合している抗RR6抗体フラグメントとで構成される二機能性融合タンパク質が挙げられ、この複合体は、トレッド(tread)又は刈草(cut grass)上に沈着させることがことができる(WO 03/031477も参照のこと)。別の具体的実施形態において、担体は、水分活性コーティング(moisture-active coating)(例えば、アラビアゴム、グアーガム、カラヤガム、トラガカントガム及びローカストビーンガムなど)を用いて、例えば、植物、草、雑草、種子及び/又は植物が生育しているか若しくは生育することが意図される場所等の表面に付着する活性成分担体粒剤であり得る。本発明の粒剤を植物表面上に施用すると、降水、灌漑、露に由来する水、特別な施用装置に由来する粒剤との同時施用、又は植物自体に由来する溢液が、本粒剤の植物表面への付着に十分な水分を提供し得る(US 2007/0280981も参照のこと)。
【0339】
別の具体的実施形態において、担体(例えば農薬担体)は、ポリアミノ酸であってもよいし、ポリアミノ酸を含んでいてもよい。ポリアミノ酸は、任意の好適な方法によって(例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、トリプトファン、セリン、チロシン、システイン、メチオニン、アスパラギン、グルタミン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リシン、アルギニン、ヒスチジン及び/又はオルニチンなどの単一の又は複数のアミノ酸の重合により)得ることができる。ポリアミノ酸は、本発明による硝化阻害剤と組み合わせることが可能であり、また特定の実施形態においては、本明細書中上記のさらなる担体又は本明細書で言及される他の硝化阻害剤と任意の好適な比で組み合わせることもできる。例えば、ポリアミノ酸は、1~10(ポリアミノ酸)対0.5~2(本発明による硝化阻害剤)の比で本発明による硝化阻害剤と組み合わせることができる。
【0340】
本明細書で定義される少なくとも1種の硝化阻害剤を含む硝化を低下させるための組成物は、付加的成分(例えば少なくとも1種の殺有害生物化合物)をさらに含み得る。例えば、本組成物は、少なくとも1種の除草化合物及び/又は少なくとも1種の殺菌化合物及び/又は少なくとも1種の殺虫化合物及び/又は少なくとも1種の殺線虫剤及び/又は少なくとも1種のバイオ殺有害生物剤及び/又は少なくとも1種のバイオスティミュラントを付加的に含み得る。
【0341】
さらなる実施形態において、本組成物は、上記に示される成分に加えて(特に式Iの化合物の硝化阻害剤に加えて)、1種以上の代替的又は付加的な硝化阻害剤をさらに含み得る。想定される代替的又は付加的な硝化阻害剤の例は、リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート、メチルフェルレート、メチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MHPP)、カランジン、ブラキアラクトン、p-ベンゾキノンソルゴレオン、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)-ピリジン(ニトラピリン又はN-サーブ(N-serve))、ジシアンジアミド(DCD、DIDIN)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP、ENTEC)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、2-メルカプト-ベンゾチアゾール(MBT)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール、エトリジアゾール(etridiazole))、2-スルファニルアミドチアゾール(ST)、チオ硫酸アンモニウム(ATU)、3-メチルピラゾール(3-MP)、3,5-ジメチルピラゾール(DMP)、1,2,4-トリアゾール、チオ尿素(TU)、N-(1H-ピラゾリル-メチル)アセトアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミド)、及びN-(1H-ピラゾリル-メチル)ホルムアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミド)、N-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、N-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、ニーム(neem)、ニームの成分をベースとする製品、シアナミド(cyanamide)、メラミン(melamine)、ゼオライト粉末(zeolite powder)、カテコール(catechol)、ベンゾキノン(benzoquinone)、四ホウ酸ナトリウム(sodium tetra board)、又は硫酸亜鉛(zinc sulfate)である。
【0342】
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2-クロロ-6-(トリクロロメチル)-ピリジン(ニトラピリン又はN-サーブ)との組み合わせを含み得る。
【0343】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール、エトリジアゾール)との組み合わせを含み得る。
【0344】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とジシアンジアミド(DCD、DIDIN)との組み合わせを含み得る。
【0345】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP、ENTEC)との組み合わせを含み得る。
【0346】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)との組み合わせを含み得る。
【0347】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2-メルカプト-ベンゾチアゾール(MBT)との組み合わせを含み得る。
【0348】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2-スルファニルアミドチアゾール(ST)との組み合わせを含み得る。
【0349】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とチオ硫酸アンモニウム(ATU)との組み合わせを含み得る。
【0350】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と3-メチルピラゾール(3-MP)との組み合わせを含み得る。
【0351】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と3,5-ジメチルピラゾール(DMP)との組み合わせを含み得る。
【0352】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と1,2,4-トリアゾールとの組み合わせを含み得る。
【0353】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とチオ尿素(TU)との組み合わせを含み得る。
【0354】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とリノール酸との組み合わせを含み得る。
【0355】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とアルファ-リノレン酸との組み合わせを含み得る。
【0356】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメチルp-クマレートとの組み合わせを含み得る。
【0357】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MHPP)との組み合わせを含み得る。
【0358】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメチルフェルレートとの組み合わせを含み得る。
【0359】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とカランジンとの組み合わせを含み得る。
【0360】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とブラキアラクトンとの組み合わせを含み得る。
【0361】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とp-ベンゾキノンソルゴレオンとの組み合わせを含み得る。
【0362】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)との組み合わせを含み得る。
【0363】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と1-アミド-2-チオ尿素(ASU)との組み合わせを含み得る。
【0364】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミドとの組み合わせを含み得る。
【0365】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミドとの組み合わせを含み得る。
【0366】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミドとの組み合わせを含み得る。
【0367】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミドとの組み合わせを含み得る。
【0368】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とニーム又はニームの成分をベースとする製品との組み合わせを含み得る。
【0369】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とシアナミドとの組み合わせを含み得る。
【0370】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメラミンとの組み合わせを含み得る。
【0371】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とゼオライト粉末との組み合わせを含み得る。
【0372】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とカテコールとの組み合わせを含み得る。
【0373】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とベンゾキノンとの組み合わせを含み得る。
【0374】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と四ホウ酸ナトリウムとの組み合わせを含み得る。
【0375】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と硫酸亜鉛との組み合わせを含み得る。
【0376】
さらなる実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と、以下のもの:リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート、メチルフェルレート、メチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MHPP)、カランジン、ブラキアラクトン、p-ベンゾキノンソルゴレオン、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)-ピリジン(ニトラピリン又はN-サーブ)、ジシアンジアミド(DCD、DIDIN)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP、ENTEC)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、2-メルカプト-ベンゾチアゾール(MBT)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール、エトリジアゾール)、2-スルファニルアミドチアゾール(ST)、チオ硫酸アンモニウム(ATU)、3-メチルピラゾール(3-MP)、3,5-ジメチルピラゾール(DMP)、1,2,4-トリアゾール及びチオ尿素(TU)、N-(1H-ピラゾリル-メチル)アセトアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミド)、及びN-(1H-ピラゾリル-メチル)ホルムアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミド)、N-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、又はN-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、ニーム、ニームの成分をベースとする製品、シアナミド、メラミン、ゼオライト粉末、カテコール、ベンゾキノン、四ホウ酸ナトリウム、硫酸亜鉛を含む群から選択される2つの実体との組み合わせを含み得る。
【0377】
さらに別の実施形態の群において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と、以下のもの:リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート、メチルフェルレート、メチル3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート(MHPP)、カランジン、ブラキアラクトン、p-ベンゾキノンソルゴレオン、2-クロロ-6-(トリクロロメチル)-ピリジン(ニトラピリン又はN-サーブ)、ジシアンジアミド(DCD、DIDIN)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP、ENTEC)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、2-メルカプト-ベンゾチアゾール(MBT)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール、エトリジアゾール)、2-スルファニルアミドチアゾール(ST)、チオ硫酸アンモニウム(ATU)、3-メチルピラゾール(3-MP)、3,5-ジメチルピラゾール(DMP)、1,2,4-トリアゾール及びチオ尿素(TU)、N-(1H-ピラゾリル-メチル)アセトアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミド)、及びN-(1H-ピラゾリル-メチル)ホルムアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミド)、N-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、又はN-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、ニーム、ニームの成分をベースとする製品、シアナミド、メラミン、ゼオライト粉末、カテコール、ベンゾキノン、四ホウ酸ナトリウム、硫酸亜鉛を含む群から選択される3つ、4つ又はそれ以上の実体との組み合わせを含み得る。
【0378】
さらなる実施形態において、本組成物は、上記に示される成分に加えて(特に式Iの化合物の硝化阻害剤に加えて)、1種以上のウレアーゼ阻害剤をさらに含み得る。想定されるウレアーゼ阻害剤の例としては、N-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT、Agrotain社)、N-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)、2-ニトロフェニルリン酸トリアミド(2-NPT)、当業者に公知のさらなるNXPT、フェニルホスホロジアミデート(PPD/PPDA)、ヒドロキノン(hydroquinone)、チオ硫酸アンモニウム、及びNBPTとNPPTの混合物(例えば、US 8,075,659を参照)などが挙げられる。このようなNBPTとNPPTの混合物は、NBPTを、活性物質の総量に対して40~95重量%、好ましくは60~80重量%の量で含み得る。このような混合物は、LIMUS(約16.9重量%のNBPTと約5.6重量%のNPPT、さらに約77.5重量%の他の成分(例えば溶媒及びアジュバントなど)を含む組成物)として市販されている。
【0379】
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT、Agrotain社)との組み合わせを含み得る。
【0380】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とフェニルホスホロジアミデート(PPD/PPDA)との組み合わせを含み得る。
【0381】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とN-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)との組み合わせを含み得る。
【0382】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2-ニトロフェニルリン酸トリアミド(2-NPT)との組み合わせを含み得る。
【0383】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とヒドロキノンとの組み合わせを含み得る。
【0384】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とチオ硫酸アンモニウムとの組み合わせを含み得る。
【0385】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とニームとの組み合わせを含み得る。
【0386】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とシアナミドとの組み合わせを含み得る。
【0387】
さらに別の好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメラミンとの組み合わせを含み得る。
【0388】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と、NBPT及びNPPTの混合物(例えばLIMUS)との組み合わせを含み得る。
【0389】
さらなる実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と、以下のもの:N-(n-ブチル)チオリン酸トリアミド(NBPT、Agrotain社)、N-(n-プロピル)チオリン酸トリアミド(NPPT)、2-ニトロフェニルリン酸トリアミド(2-NPT)、当業者に公知のさらなるNXPT、フェニルホスホロジアミデート(PPD/PPDA)、ヒドロキノン、チオ硫酸アンモニウム、及びLIMUSを含む群から選択される2つ以上の実体との組み合わせを含み得る。
【0390】
さらなる実施形態において、本組成物は、上記に示される成分の1種、それ以上又は全てに加えて(特に式Iの化合物の硝化阻害剤に加えて)、1種以上の植物生育調節剤をさらに含み得る。想定される植物生育調節剤の例は、抗オーキシン、オーキシン、サイトカイニン、落葉剤、エチレン調節剤、エチレン放出剤、ジベレリン、生育阻害剤、モルファクチン、生育遅延剤、生育促進剤、及びさらに未分類の植物生育調節剤である。
【0391】
本発明による組成物において使用するための抗オーキシンの好適な例は、クロフィブリン酸又は2,3,5-トリ-ヨード安息香酸である。
【0392】
本発明による組成物において使用するためのオーキシンの好適な例は、4-CPA、2,4-D、2,4-DB、2,4-DEP、ジクロルプロップ(dichlorprop)、フェノプロップ(fenoprop)、IAA(インドール-3-酢酸)、IBA、ナフタレンアセトアミド、アルファ-ナフタレン酢酸、1-ナフトール、ナフトキシ酢酸、ナフテン酸カリウム、ナフテン酸ナトリウム又は2,4,5-Tである。
【0393】
本発明による組成物において使用するためのサイトカイニンの好適な例は、2iP、6-ベンジルアミノプリン(6-BA)(=N6-ベンジルアデニン)、2,6-ジメチルプリジン(N-オキシド-2,6-ルチジン)、2,6-ジメチルピリジン、カイネチン(kinetin)、又はゼアチン(zeatin)である。
【0394】
本発明による組成物において使用するための落葉剤の好適な例は、カルシウムシアナミド(calcium cyanamide)、ジメチピン(dimethipin)、エンドタール(endothal)、メルホス(merphos)、メトクスロン(metoxuron)、ペンタクロロフェノール(pentachlorophenol)、チジアズロン(thidiazuron)、トリブホス(tribufos)、又はトリブチルホスホロトリチオエート(tributyl phosphorotrithioate)である。
【0395】
本発明による組成物において使用するためのエチレン調節剤の好適な例は、アビグリシン(aviglycine)、1-メチルシクロプロペン(1-MCP)、プロヘキサジオン(prohexadione)(プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione calcium))、又はトリネキサパック(trinexapac)(トリネキサパック-エチル(Trinexapac-ethyl))である。
【0396】
本発明による組成物において使用するためのエチレン放出剤の好適な例は、ACC、エタセラシル(etacelasil)、エテホン(ethephon)、又はグリオキシム(glyoxime)である。
【0397】
本発明による組成物において使用するためのジベレリンの好適な例は、ジベレリン(gibberelline)又はジベレリン酸(gibberelic acid)である。
【0398】
本発明による組成物において使用するための生育阻害剤の好適な例は、アブシジン酸(abscisic acid)、S-アブシジン酸(S-abscisic acid)、アンシミドール(ancymidol)、ブトラリン(butralin)、カルバリル(carbaryl)、クロルホニウム(chlorphonium)、クロルプロファム(chlorpropham)、ジケグラック(dikegulac)、フルメトラリン(flumetralin)、フルオリダミド(fluoridamid)、ホサミン(fosamine)、グリホシン(glyphosine)、イソピリモール(isopyrimol)、ジャスモン酸(jasmonic acid)、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、メピコート(mepiquat)(メピコートクロリド(mepiquat chloride))、メピコートペンタボレート(mepiquat pentaborate))、ピプロクタニル(piproctanyl)、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、プロファム(propham)、又は2,3,5-トリ-ヨード安息香酸である。
【0399】
本発明による組成物において使用するためのモルファクチンの好適な例は、クロルフルレン(chlorfluren)、クロルフルレノール(chlorflurenol)、ジクロルフルレノール(dichlorflurenol)、又はフルレノール(flurenol)である。
【0400】
本発明による組成物において使用するための生育遅延剤の好適な例は、クロルメコート(chlormequat)(クロルメコートクロリド(chlormequat chloride))、ダミノジド(daminozide)、フルルプリミドール(flurprimidol)、メフルイジド(mefluidide)、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、テトシクラシス(tetcyclacis)、ウニコナゾール(uniconazole)、メトコナゾール(metconazol)である。
【0401】
本発明による組成物において使用するための生育促進剤の好適な例は、ブラシノリド(brassinolide)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、又はヒメキサゾール(hymexazol)である。
【0402】
本発明による組成物において使用するためのさらなる未分類の植物生育調節剤の好適な例は、アミドクロル(amidochlor)、ベンゾフルオル(benzofluor)、ブミナホス(buminafos)、カルボン(carvone)、コリンクロリド(choline chloride)、シオブチド(ciobutide)、クロフェンセット(clofencet)、クロキシホナック(cloxyfonac)、シアナミド、シクラニリド(cyclanilide)、シクロヘキシミド(cycloheximide)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、エポコレオン(epocholeone)、エチクロゼート(ethychlozate)、エチレン、フェンリダゾン(fenridazon)、フルプリミドール(fluprimidol)、フルチアセット(fluthiacet)、ヘプトパルギル(heptopargil)、ホロスルフ(holosulf)、イナベンフィド(inabenfide)、カレタザン(karetazan)、ヒ酸鉛、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、ピダノン(pydanon)、シントフェン(sintofen)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)又はトリアペンテノール(triapenthenol)である。
【0403】
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と、以下のもの:アブシジン酸(abscisic acid)、アミドクロル(amidochlor)、アンシミドール(ancymidol)、6-ベンジルアミノプリン(=N6-ベンジルアデニン)、ブラシノリド(brassinolide)、ブトラリン(butralin)、クロルメコート(chlormequat)(クロルメコートクロリド(chlormequat chloride))、コリンクロリド(choline chloride)、シクラニリド(cyclanilide)、ダミノジド(daminozide)、ジフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、ジケグラック(dikegulac)、ジメチピン(dimethipin)、2,6-ジメチルピリジン、エテホン(ethephon)、フルメトラリン(flumetralin)、フルルプリミドール(flurprimidol)、フルチアセット(fluthiacet)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、ジベレリン酸(gibberellic acid)、イナベンフィド(inabenfide)、インドール-3-酢酸、マレイン酸ヒドラジド(maleic hydrazide)、メフルイジド(mefluidide)、メピコート(mepiquat)(メピコートクロリド(mepiquat chloride))、1-メチルシクロプロペン(1-MCP)、ナフタレン酢酸、N6-ベンジルアデニン、パクロブトラゾール(paclobutrazol)、プロヘキサジオン(prohexadione)(プロヘキサジオンカルシウム(prohexadione calcium))、プロヒドロジャスモン(prohydrojasmon)、チジアズロン(thidiazuron)、トリアペンテノール(triapenthenol)、トリブチルホスホロトリチオエート(tributyl phosphorotrithioate)、2,3,5-トリ-ヨード安息香酸、トリネキサパック-エチル(trinexapac-ethyl)及びウニコナゾール(uniconazole)を含む群から選択される少なくとも1種の化合物との組み合わせを含み得る。
【0404】
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とクロフィブリン酸との組み合わせを含み得る。
【0405】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,3,5-トリ-ヨード安息香酸との組み合わせを含み得る。
【0406】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と4-CPAとの組み合わせを含み得る。
【0407】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,4-Dとの組み合わせを含み得る。
【0408】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,4-DBとの組み合わせを含み得る。
【0409】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,4-DEPとの組み合わせを含み得る。
【0410】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とジクロルプロップ(dichlorprop)との組み合わせを含み得る。
【0411】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とフェノプロップ(fenoprop)との組み合わせを含み得る。
【0412】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とIAA(インドール-3-酢酸)との組み合わせを含み得る。
【0413】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とIBAとの組み合わせを含み得る。
【0414】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とナフタレンアセトアミドとの組み合わせを含み得る。
【0415】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とアルファ-ナフタレン酢酸との組み合わせを含み得る。
【0416】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と1-ナフトールとの組み合わせを含み得る。
【0417】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とナフトキシ酢酸との組み合わせを含み得る。
【0418】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とナフテン酸カリウムとの組み合わせを含み得る。
【0419】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とナフテン酸ナトリウムとの組み合わせを含み得る。
【0420】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,4,5-Tとの組み合わせを含み得る。
【0421】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2iPとの組み合わせを含み得る。
【0422】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と6-ベンジルアミノプリン(6-BA)(= N6-ベンジルアデニン)との組み合わせを含み得る。
【0423】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と2,6-ジメチルプリジン(N-オキシド-2,6-ルチジン)との組み合わせを含み得る。
【0424】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とゼアチンとの組み合わせを含み得る。
【0425】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とカイネチンとの組み合わせを含み得る。
【0426】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とカルシウムシアナミドとの組み合わせを含み得る。
【0427】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とジメチピン(dimethipin)との組み合わせを含み得る。
【0428】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とエンドタール(endothal)との組み合わせを含み得る。
【0429】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメルホス(merphos)との組み合わせを含み得る。
【0430】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とメトクスロン(metoxuron)との組み合わせを含み得る。
【0431】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とペンタクロロフェノールとの組み合わせを含み得る。
【0432】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とチジアズロン(thidiazuron)との組み合わせを含み得る。
【0433】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とトリブホス(tribufos)との組み合わせを含み得る。
【0434】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とトリブチルホスホロトリチオエート(tributyl phosphorotrithioate)との組み合わせを含み得る。
【0435】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤とアビグリシン(aviglycine)との組み合わせを含み得る。
【0436】
さらに好ましい実施形態において、本発明による組成物は、式Iの化合物の硝化阻害剤と1-メチルシクロプロペンとの組み合わせを含み得る。
【0437】
本明細書で定義される組成物、特に本明細書で定義される硝化阻害剤と本明細書で定義される植物生育調節剤を含む組成物は、植物の健康の増加のために使用することができる。
【0438】
本明細書で使用される用語「植物の健康」は、幾つかの態様を単独で又は互いに組み合わせることによって決定される植物の状態を意味することが意図される。植物の状態についての1つの指標(指標1)は作物収量である。「作物」及び「果実」は、収穫後にさらに利用される任意の植物生産物、例えば、厳密な意味での果実、野菜、堅果類、穀物、種子、木材(例えば林業植物の場合)、花(例えばガーデニング植物、観賞植物の場合)等、植物によって生産される経済的価値を有するあらゆるものとして理解される。植物の状態についての別の指標(指標2)は植物活力である。植物活力もまた幾つかの態様で顕在化し、その一部は、外観(例えば、葉色、果実の色及び態様)、枯根出葉の量及び/又は葉身の程度、植物重量、植物丈、植物転倒(倒伏)の程度、分げつ枝の数、強さ及び生産性、円錐花序の長さ、根系の程度、根の強さ、根粒形成の程度、特に根粒菌の根粒形成の程度、発芽、出芽、開花、穀粒成熟及び/又は老化の時点、タンパク質含有量、糖含有量などである。植物の健康の増加についての別の指標(指標3)は、生物的又は非生物的ストレス因子の低下である。植物の健康状態についての上記の3つの指標は、相互依存的である場合もあれば、相互に起因する場合もある。例えば、生物的又は非生物的ストレスの低下は、より優れた植物活力(例えばより優良且つ大きな作物)をもたらし、従って収量の増加をもたらし得る。特に比較的長期間にわたる生物的ストレスは、植物に有害な影響を及ぼし得る。本発明の文脈において使用される用語「生物的ストレス」は、特に、生きている生物によって引き起こされるストレスを指す。その結果、ストレスを受けた植物、それらの作物及び果実の量及び品質は低下する。品質に関する限り、通常は生殖発生が重大な悪影響を受け、作物に、その果実又は種子について重要な結果を及ぼす。生育はストレスによって遅延する可能性があり;多糖合成は、構造及び保存の両方について、低下又は改変される可能性があり:これらの影響は、バイオマスの減少及び生産物の栄養価の変化をもたらし得る。非生物的ストレスとして、例えば、最適以下の生育条件をもたらす干ばつ、寒冷、UVの増加、熱の増加、又は植物の環境における他の変化などが挙げられる。本明細書で使用される用語、植物の「収量の増加」は、各植物の生産物の収量が、同一条件下で生産されたが、本発明の組成物の施用は行われなかった同一の植物生産物の収量を上回る測定可能な量で増加することを意味する。本発明によれば、収量が少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%、さらにより好ましくは少なくとも2%、なおより好ましくは少なくとも4%増加することが好ましい。収量の増加は、例えば、硝化の低下及びそれに対応する窒素栄養の取り込みの改善に起因し得る。本明細書で使用される用語「植物活力の改善」は、特定の作物特性が、同一条件下で生産されたが、本発明の組成物の施用は行われなかった植物の同一因子を上回る測定可能な量又は顕著な量で増加又は改善することを意味する。植物活力の改善は、中でも、以下の植物の特性の改善によって特徴付けることができる:(a) 植物の生命力の改善、
(b) 植物及び/又は植物生産物の品質の改善、例えば
(b) タンパク質含量の増強、
(c) 外観の改善、
(d) 老化の遅延、
(e) 根生育の増強及び/又はより発達した根系(例えば、根の乾燥質量によって決定される)、
(f) 根粒形成(特に根粒菌の根粒形成)の増強、
(g) より長い円錐花序、
(h) より大きな葉身、
(i) より少ない枯根出葉、
(j) クロロフィル含量の増加、
(k) 光合成活性期間の延長、
(l) 植物内の窒素供給の改善
【0439】
本発明による植物活力の改善は、特に、上記の植物特徴のいずれか1つ若しくは幾つか又は全ての改善が高められることを意味する。本発明による植物活力の改善は、さらに、上記の特徴の全てが改善されない場合、改善されない特徴は、本発明により処理されなかった植物と比較して悪化しないか、又は少なくとも悪影響が改善された特徴の好影響を上回る程度までには悪化しないことを意味する(すなわち、好ましくは作物収量の改善をもたらす全体的好影響が常に存在する)。植物活力の改善は、例えば、硝化の低下、また例えば、植物生育の調節に起因し得る。
【0440】
さらなる実施形態において、本組成物は、上記に示される成分に加えて、特に式Iの化合物の硝化阻害剤に加えて、1種以上の殺有害生物剤をさらに含み得る。
【0441】
殺有害生物剤は、一般に、その作用を介して、有害生物を阻止する、無能化する、死滅させる又はさもなければ抑制する、化学的又は生物学的薬剤(殺有害生物活性成分、化合物、組成物、ウイルス、細菌、抗菌剤又は消毒剤など)である。標的有害生物としては、例えば、所有物を破壊し、害をもたらし、疾患を蔓延させる、又は疾患の媒介者である、昆虫、植物病原菌、雑草、軟体動物、鳥、哺乳動物、魚、線虫(円虫)、及び微生物などが挙げられる。「殺有害生物剤」という用語はまた、植物の予想される生育、開花、又は繁殖速度を変化させる植物生育調節剤;通常は収穫を容易にするため、葉又は他の群葉を植物から落下させる落葉剤;望ましくない植物頂部などの生体組織の乾燥を促進する乾燥剤;特定の有害生物に対する防御のため植物の生理機能を活性化する植物活性剤;作物に対する殺有害生物剤の望ましくない除草作用を低下させる薬害軽減剤;並びに、例えば植物の生育、バイオマス、作物の収穫可能な物品の収量又は任意の他の品質パラメーターを増加させるために植物の生理機能に影響を与える植物生育促進剤も包含する。
【0442】
バイオ殺有害生物剤は、微生物(細菌、真菌、ウイルス、線虫等)、又は天然生産物(代謝産物、タンパク質、又は生物源若しくは他の天然源由来の抽出物などの化合物)をベースとする殺有害生物剤の一形態として定義されている(アメリカ合衆国環境保護庁(U.S. Environmental Protection Agency):http://www.epa.gov/pesticides/biopesticides/)。バイオ殺有害生物剤は、2つの主要なクラス(微生物殺有害生物剤と生化学殺有害生物剤)に分類される:
(1) 微生物殺有害生物剤は、細菌、真菌又はウイルスで構成される(また多くの場合、細菌及び真菌が生産する代謝物を含む)。また昆虫病原性線虫も、それらが多細胞性であっても、微生物殺有害生物剤として分類される。
(2) 生化学殺有害生物剤は、有害生物を防除するか、又は以下に定義される他の作物保護用途を提供するが、哺乳動物に対しては比較的非毒性の天然物質である。
【0443】
一実施形態によれば、本発明による組成物の個々の成分(例えばキットの一部又は二成分若しくは三成分混合物の一部)を、使用者自身が、施用のために使用されるスプレータンク又は任意の他の種類の容器(例えば種子処理ドラム、種子ペレッティング装置、背負い式噴霧器)中で混合してよく、また適切であれば、さらなる助剤を添加してもよい。
【0444】
生存微生物、例えば、群L1)、L3)及びL5)から選択される微生物殺有害生物剤がこのようなキットの一部を形成する場合、上記成分(例えば、化学的殺有害生物剤)及びさらなる助剤の選択及び量が、使用者により混合される組成物中の微生物殺有害生物剤の生存率に影響を及ぼさないよう注意を払わなければならない。特に殺細菌剤及び溶媒については、各微生物殺有害生物剤との適合性を考慮に入れなければならない。
【0445】
結果的に、本発明の一実施形態は、有用な殺有害生物剤組成物を調製するためのキットであり、このキットは、a) 本明細書で定義される成分1)と少なくとも1種の助剤とを含む組成物;及びb) 本明細書で定義される成分2)と少なくとも1種の助剤とを含む組成物;さらに場合によりc) 少なくとも1種の助剤と、場合により本明細書で定義されるさらなる活性成分3)を含む組成物を含む。
【0446】
本化合物Iと組み合わせて使用することができる以下の殺有害生物剤I(例えば殺有害生物活性物質及びバイオ殺有害生物剤)のリストは、可能な組み合わせを示すことを意図するものであり、これらを限定するものではない:
【0447】
A) 呼吸阻害剤
- Qo部位における複合体III阻害剤:アゾキシストロビン(azoxystrobin)(A.1.1)、クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)(A.1.2)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)(A.1.3)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)(A.1.4)、エネストロブリン(enestroburin)(A.1.5)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)(A.1.6)、フェノキシストロビン(fenoxystrobin)/フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)(A.1.7)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)(A.1.8)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)(A.1.9)、マンデストロビン(mandestrobin)(A.1.10)、メトミノストロビン(metominostrobin)(A.1.11)、オリサストロビン(orysastrobin)(A.1.12)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)(A.1.13)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)(A.1.14)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)(A.1.15)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)(A.1.16)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)(A.1.17)、2-(2-(3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-アリリデンアミノオキシメチル)-フェニル)-2-メトキシイミノ-N-メチル-アセトアミド(A.1.18)、ピリベンカルブ(pyribencarb)(A.1.19)、トリクロピリカルブ/クロロジンカルブ(triclopyricarb/chlorodincarb)(A.1.20)、ファモキサドン(famoxadone)(A.1.21)、フェンアミドン(fenamidone)(A.1.21)、メチル-N-[2-[(1,4-ジメチル-5-フェニル-ピラゾール-3-イル)オキシル-メチル]フェニル]-N-メトキシ-カルバメート(A.1.22)、1-[2-[[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシメチル]-3-メチル-フェニル]-4-メチル-テトラゾール-5-オン(A.1.25)、(Z,2E)-5-[1-(2,4-ジクロロフェニル)ピラゾール-3-イル]-オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド(A.1.34)、(Z,2E)-5-[1-(4-クロロフェニル)ピラゾール-3-イル]オキシ-2-メトキシイミノ-N,3-ジメチル-ペンタ-3-エナミド(A.1.35)、ピリミノストロビン(pyriminostrobin)(A.1.36)、ビフジュンジ(bifujunzhi)(A.1.37)、2-(オルト-((2,5-ジメチルフェニル-オキシメチレン)フェニル)-3-メトキシ-アクリル酸メチルエステル(A.1.38);
- Qi部位における複合体III阻害剤:シアゾファミド(cyazofamid)(A.2.1)、アミスルブロム(amisulbrom)(A.2.2)、[(6S,7R,8R)-8-ベンジル-3-[(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-ピリジン-2-カルボニル)アミノ]-6-メチル-4,9-ジオキソ-1,5-ジオキソナン-7-イル]2-メチルプロパノエート(A.2.3)、フェンピコキサミド(fenpicoxamid)(A.2.4);
- 複合体II阻害剤:ベノダニル(benodanil)(A.3.1)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)(A.3.2)、ビキサフェン(bixafen)(A.3.3)、ボスカリド(boscalid)(A.3.4)、カルボキシン(carboxin)(A.3.5)、フェンフラム(fenfuram)(A.3.6)、フルオピラム(fluopyram)(A.3.7)、フルトラニル(flutolanil)(A.3.8)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)(A.3.9)、フラメトピル(furametpyr)(A.3.10)、イソフェタミド(isofetamid)(A.3.11)、イソピラザム(isopyrazam)(A.3.12)、メプロニル(mepronil)(A.3.13)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)(A.3.14)、ペンフルフェン(penflufen)(A.3.15)、ペンチオピラド(penthiopyrad)(A.3.16)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)(A.3.17)、ピラジフルミド(pyraziflumid)(A.3.18)、セダキサン(sedaxane)(A.3.19)、テクロフタラム(tecloftalam)(A.3.20)、チフルザミド(thifluzamide)(A.3.21)、インピルフルキサム(inpyrfluxam)(A.3.22)、ピラプロポイン(pyrapropoyne)(A.3.23)、フルインダピル(fluindapyr)(A.3.28)、メチル(E)-2-[2-[(5-シアノ-2-メチル-フェノキシ)メチル]フェニル]-3-メトキシ-プロパ-2-エノエート(A.3.30)、イソフルシプラム(isoflucypram)(A.3.31)、2-(ジフルオロメチル)-N-(1,1,3-トリメチル-インダン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.32)、2-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-1,1,3-トリメチルインダン-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.33)、2-(ジフルオロメチル)-N-(3-エチル-1,1-ジメチル-インダン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.34)、2-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-3-エチル-1,1-ジメチル-インダン-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.35)、2-(ジフルオロメチル)-N-(1,1-ジメチル-3-プロピル-インダン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.36)、2-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-1,1-ジメチル-3-プロピル-インダン-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.37)、2-(ジフルオロメチル)-N-(3-イソブチル-1,1-ジメチル-インダン-4-イル)ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.38)、2-(ジフルオロメチル)-N-[(3R)-3-イソブチル-1,1-ジメチル-インダン-4-イル]ピリジン-3-カルボキサミド(A.3.39);
- 他の呼吸阻害剤:ジフルメトリム(diflumetorim)(A.4.1);ニトロフェニル誘導体:ビナパクリル(binapacryl)(A.4.2)、ジノブトン(dinobuton)(A.4.3)、ジノカップ(dinocap)(A.4.4)、フルアジナム(fluazinam)(A.4.5)、メプチルジノカップ(meptyldinocap)(A.4.6)、フェリムゾン(ferimzone)(A.4.7);有機金属化合物:フェンチン塩、例えばフェンチンアセテート(fentin-acetate)(A.4.8)、フェンチンクロリド(fentin chloride)(A.4.9)又はフェンチンヒドロキシド(A.4.10)(fentin hydroxide);アメトクトラジン(ametoctradin)(A.4.11);シルチオファム(silthiofam)(A.4.12);
【0448】
B) ステロール生合成阻害剤(SBI殺菌剤)
- C14デメチラーゼ阻害剤:トリアゾール系:アザコナゾール(azaconazole)(B.1.1)、ビテルタノール(bitertanol)(B.1.2)、ブロムコナゾール(bromuconazole)(B.1.3)、シプロコナゾール(cyproconazole)(B.1.4)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)(B.1.5)、ジニコナゾール(diniconazole)(B.1.6)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)(B.1.7)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)(B.1.8)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)(B.1.9)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)(B.1.10)、フルシラゾール(flusilazole)(B.1.11)、フルトリアホール(flutriafol)(B.1.12)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)(B.1.13)、イミベンコナゾール(imibenconazole)(B.1.14)、イプコナゾール(ipconazole)(B.1.15)、メトコナゾール(metconazole)(B.1.17)、ミクロブタニル(myclobutanil)(B.1.18)、オキスポコナゾール(oxpoconazole)(B.1.19)、パクロブトラゾール(paclobutrazole)(B.1.20)、ペンコナゾール(penconazole)(B.1.21)、プロピコナゾール(propiconazole)(B.1.22)、プロチオコナゾール(prothioconazole)(B.1.23)、シメコナゾール(simeconazole)(B.1.24)、テブコナゾール(tebuconazole)(B.1.25)、テトラコナゾール(tetraconazole)(B.1.26)、トリアジメホン(triadimefon)(B.1.27)、トリアジメノール(triadimenol)(B.1.28)、トリチコナゾール(triticonazole)(B.1.29)、ウニコナゾール(uniconazole)(B.1.30)、2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-3-(テトラゾール-1-イル)-1-[5-[4-(2,2,2-トリフルオロエトキシ)フェニル]-2-ピリジル]プロパン-2-オール(B.1.31)、2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1,1-ジフルオロ-3-(テトラゾール-1-イル)-1-[5-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-2-ピリジル]プロパン-2-オール(B.1.32)、イプフェントリフルコナゾール(ipfentrifluconazole)(B.1.37)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole)(B.1.38)、2-(クロロメチル)-2-メチル-5-(p-トリルメチル)-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)シクロペンタノール(B.1.43);イミダゾール系:イマザリル(imazalil)(B.1.44)、ペフラゾエート(pefurazoate)(B.1.45)、プロクロラズ(prochloraz)(B.1.46)、トリフルミゾール(triflumizol)(B.1.47);ピリミジン系、ピリジン系、ピペラジン系:フェナリモル(fenarimol)(B.1.49)、ピリフェノックス(pyrifenox)(B.1.50)、トリホリン(triforine)(B.1.51)、[3-(4-クロロ-2-フルオロ-フェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)イソオキサゾール-4-イル]-(3-ピリジル)メタノール(B.1.52);
- デルタ14-レダクターゼ阻害剤:アルジモルフ(aldimorph)(B.2.1)、ドデモルフ(dodemorph)(B.2.2)、酢酸ドデモルフ(dodemorph-acetate)(B.2.3)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)(B.2.4)、トリデモルフ(tridemorph)(B.2.5)、フェンプロピジン(fenpropidin)(B.2.6)、ピペラリン(piperalin)(B.2.7)、スピロキサミン(spiroxamine)(B.2.8);
- 3-ケトレダクターゼ阻害剤:フェンヘキサミド(fenhexamid)(B.3.1);
- 他のステロール生合成阻害剤:クロルフェノミゾール(chlorphenomizole)(B.4.1);
【0449】
C) 核酸合成阻害剤
- フェニルアミド系又はアシルアミノ酸殺菌剤系:ベナラキシル(benalaxyl)(C.1.1)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M)(C.1.2)、キララキシル(kiralaxyl)(C.1.3)、メタラキシル(metalaxyl)(C.1.4)、メタラキシル-M(metalaxyl-M)(C.1.5)、オフレース(ofurace)(C.1.6)、オキサジキシル(oxadixyl)(C.1.7);
- 他の核酸合成阻害剤:ヒメキサゾール(hymexazole)(C.2.1)、オクチリノン(octhilinone)(C.2.2)、オキソリン酸(oxolinic acid)(C.2.3)、ブピリメート(bupirimate)(C.2.4)、5-フルオロシトシン(5-fluorocytosine)(C.2.5)、5-フルオロ-2-(p-トリルメトキシ)ピリミジン-4-アミン(C.2.6)、5-フルオロ-2-(4-フルオロフェニルメトキシ)ピリミジン-4-アミン(C.2.7)、5-フルオロ-2-(4-クロロフェニルメトキシ)ピリミジン-4-アミン(C.2.8);
【0450】
D) 細胞分裂及び細胞骨格阻害剤
- チューブリン阻害剤:ベノミル(benomyl)(D.1.1)、カルベンダジム(carbendazim)(D.1.2)、フベリダゾール(fuberidazole)(D1.3)、チアベンダゾール(thiabendazole)(D.1.4)、チオファネート-メチル(thiophanate-methyl)(D.1.5)、3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニル-ピリダジン(D.1.6)、3-クロロ-6-メチル-5-フェニル-4-(2,4,6-トリフルオロフェニル)ピリダジン(D.1.7)、N-エチル-2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]ブタンアミド(D.1.8)、N-エチル-2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-2-メチルスルファニル-アセトアミド(D.1.9)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-N-(2-フルオロエチル)ブタンアミド(D.1.10)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-N-(2-フルオロエチル)-2-メトキシ-アセトアミド(D.1.11)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-N-プロピル-ブタンアミド(D.1.12)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-2-メトキシ-N-プロピル-アセトアミド(D.1.13)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-2-メチルスルファニル-N-プロピル-アセトアミド(D.1.14)、2-[(3-エチニル-8-メチル-6-キノリル)オキシ]-N-(2-フルオロエチル)-2-メチルスルファニル-アセトアミド(D.1.15)、4-(2-ブロモ-4-フルオロ-フェニル)-N-(2-クロロ-6-フルオロ-フェニル)-2,5-ジメチル-ピラゾール-3-アミン(D.1.16);
- 他の細胞分裂阻害剤:ジエトフェンカルブ(diethofencarb)(D.2.1)、エタボキサム(ethaboxam)(D.2.2)、ペンシクロン(pencycuron)(D.2.3)、フルオピコリド(fluopicolide)(D.2.4)、ゾキサミド(zoxamide)(D.2.5)、メトラフェノン(metrafenone)(D.2.6)、ピリオフェノン(pyriofenone)(D.2.7);
【0451】
E) アミノ酸及びタンパク質合成阻害剤:
- メチオニン合成阻害剤:シプロジニル(cyprodinil)(E.1.1)、メパニピリム(mepanipyrim)(E.1.2)、ピリメタニル(pyrimethanil)(E.1.3);
- タンパク質合成阻害剤:ブラストサイジン-S(blasticidin-S)(E.2.1)、カスガマイシン(kasugamycin)(E.2.2)、カスガマイシン塩酸塩水和物(kasugamycin hydrochloriide-hydrate)(E.2.3)、ミルジオマイシン(mildiomycin)(E.2.4)、ストレプトマイシン(streptomycin)(E.2.5)、オキシテトラサイクリン(oxytetracyclin)(E.2.6);
【0452】
F) シグナル伝達阻害剤:
- MAP/ヒスチジンキナーゼ阻害剤:フルオロイミド(fluoroimid)(F.1.1)、イプロジオン(iprodione)(F.1.2)、プロシミドン(procymidone)(F.1.3)、ビンクロゾリン(vinclozolin)(F.1.4)、フルジオキソニル(fludioxonil)(F.1.5);
- Gタンパク質阻害剤:キノキシフェン(quinoxyfen)(F.2.1);
【0453】
G) 脂質及び膜合成阻害剤:
- リン脂質生合成阻害剤:エジフェンホス(edifenphos)(G.1.1)、イプロベンホス(iprobenfos)(G.1.2)、ピラゾホス(pyrazophos)(G.1.3)、イソプロチオラン(isoprothiolane)(G.1.4);
- 脂質過酸化:ジクロラン(dicloran)(G.2.1)、キントゼン(quintozene)(G.2.2)、テクナゼン(tecnazene)(G.2.3)、トルクロホス-メチル(tolclofos-methyl)(G.2.4)、ビフェニル(biphenyl)(G.2.5)、クロロネブ(chlorooneb)(G.2.6)、エトリジアゾール(etridiazole)(G.2.7);
- リン脂質生合成及び細胞壁沈着:ジメトモルフ(dimethomorph)(G.3.1)、フルモルフ(flumorph)(G.3.2)、マンジプロパミド(mandipropamid)(G.3.3)、ピリモルフ(pyrimorph)(G.3.4)、ベンチアバリカルブ(benthiavalicarb)(G.3.5)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)(G.3.6)、バリフェナレート(valifenalate)(G.3.7);
- 細胞膜浸透性及び脂肪酸に作用する化合物:プロパモカルブ(propamocarb)(G.4.1);
- オキシステロール結合タンパク質の阻害剤:オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)(G.5.1)、2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}フェニルメタンスルホネート(G.5.2)、2-{3-[2-(1-{[3,5-ビス(ジフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]アセチル}ピペリジン-4-イル) 1,3-チアゾール-4-イル]-4,5-ジヒドロ-1,2-オキサゾール-5-イル}-3-クロロフェニルメタンスルホネート(G.5.3)、4-[1-[2-[3-(ジフルオロメチル)-5-メチル-ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.4)、4-[1-[2-[3,5-ビス(ジフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.5)、4-[1-[2-[3-(ジフルオロメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.6)、4-[1-[2-[5-シクロプロピル-3-(ジフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.7)、4-[1-[2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.8)、4-[1-[2-[5-(ジフルオロメチル)-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.9)、4-[1-[2-[3,5-ビス(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.10)、(4-[1-[2-[5-シクロプロピル-3-(トリフルオロメチル)ピラゾール-1-イル]アセチル]-4-ピペリジル]-N-テトラリン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド(G.5.11);
【0454】
H) 多部位作用を有する阻害剤:
- 無機活性物質:ボルドー混合液(H.1.1)、銅(H.1.2)、酢酸銅(H.1.3)、水酸化銅(H.1.4)、オキシ塩化銅(H.1.5)、塩基性硫酸銅(H.1.6)、硫黄(H.1.7);
- チオ-及びジチオカルバメート系:ファーバム(ferbam)(H.2.1)、マンコゼブ(mancozeb)(H.2.2)、マンネブ(maneb)(H.2.3)、メタム(metam)(H.2.4)、メチラム(metiram)(H.2.5)、プロピネブ(propineb)(H.2.6)、チラム(thiram)(H.2.7)、ジネブ(zineb)(H.2.8)、ジラム(ziram)(H.2.9);
- 有機塩素系化合物:アニラジン(anilazine)(H.3.1)、クロロタロニル(chloroothalonil)(H.3.2)、キャプタホール(captafol)(H.3.3)、キャプタン(captan)(H.3.4)、フォルペット(folpet)(H.3.5)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)(H.3.6)、ジクロロフェン(dichlorophen)(H.3.7)、ヘキサクロロベンゼン(hexachlorobenzene)(H.3.8)、ペンタクロロフェノール(pentachlorphenole)(H.3.9)及びその塩、フタリド(phthalide)(H.3.10)、トリルフルアニド(tolylfluanid)(H.3.11);
- グアニジン系及びその他:グアニジン(guanidine)(H.4.1)、ドジン(dodine)(H.4.2)、ドジン遊離塩基(dodine free base)(H.4.3)、グアザチン(guazatine)(H.4.4)、グアザチン-アセテート(guazatine-acetate)(H.4.5)、イミノクタジン(iminoctadine)(H.4.6)、イミノクタジン-トリアセテート(iminoctadine-triacetate)(H.4.7)、イミノクタジン-トリス(アルベシレート)(iminoctadine-tris(albesilate))(H.4.8)、ジチアノン(dithianon)(H.4.9)、2,6-ジメチル-1H,5H-[1,4]ジチイノ[2,3-c:5,6-c']ジピロール-1,3,5,7(2H,6H)-テトラオン(H.4.10);
【0455】
I) 細胞壁合成阻害剤:
- グルカン合成阻害剤:バリダマイシン(validamycin)(I.1.1)、ポリオキシンB(polyoxin B)(I.1.2);
- メラニン合成阻害剤:ピロキロン(pyroquilon)(I.2.1)、トリシクラゾール(tricyclazole)(I.2.2)、カルプロパミド(carpropamid)(I.2.3)、ジシクロメット(dicyclomet)(I.2.4)、フェノキサニル(fenoxanil)(I.2.5);
【0456】
J) 植物防御誘導剤:
- アジベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl)(J.1.1)、プロベナゾール(probenazole)(J.1.2)、イソチアニル(isotianil)(J.1.3)、チアジニル(tiadinil)(J.1.4)、プロヘキサジオン-カルシウム(prohexadione-calcium)(J.1.5);ホスホネート系:ホセチル(fosetyl)(J.1.6)、ホセチル-アルミニウム(fosetyl-aluminum)(J.1.7)、亜リン酸及びその塩(J.1.8)、リン酸カルシウム(J.1.11)、リン酸カリウム(J.1.12)、重炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム(J.1.9);4-シクロプロピル-N-(2,4-ジメトキシフェニル)チアジアゾール-5-カルボキサミド (J.1.10);
【0457】
K) 作用機序不明のもの:
- ブロノポール(bronopol)(K.1.1)、キノメチオネート(chinomethionat)(K.1.2)、シフルフェナミド(cyflufenamid)(K.1.3)、シモキサニル(cymoxanil)(K.1.4)、ダゾメット(dazomet)(K.1.5)、デバカルブ(debacarb)(K.1.6)、ジクロシメット(diclocymet)(K.1.7)、ジクロメジン(diclomezine)(K.1.8)、ジフェンゾコート(difenzoquat)(K.1.9)、ジフェンゾコート-メチルスルフェート(difenzoquat-methylsulfate)(K.1.10)、ジフェニルアミン(diphenylamin)(K.1.11)、フェニトロパン(fenitropan)(K.1.12)、フェンピラザミン(fenpyrazamine)(K.1.13)、フルメトベル(flumetover)(K.1.14)、フルスルファミド(flusulfamide)(K.1.15)、フルチアニル(flutianil)(K.1.16)、ハルピン(harpin)(K.1.17)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)(K.1.18)、ニトラピリン(nitrapyrin)(K.1.19)、ニトロタール-イソプロピル(nitrothal-isopropyl)(K.1.20)、トルプロカルブ(tolprocarb)(K.1.21)、オキシン銅(oxin-copper)(K.1.22)、プロキナジド(proquinazid)(K.1.23)、テブフロキン(tebufloquin)(K.1.24)、テクロフタラム(tecloftalam)(K.1.25)、トリアゾキシド(triazoxide)(K.1.26)、N'-(4-(4-クロロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン(K.1.27)、N'-(4-(4-フルオロ-3-トリフルオロメチル-フェノキシ)-2,5-ジメチル-フェニル)-N-エチル-N-メチルホルムアミジン(K.1.28)、N’-[4-[[3-[(4-クロロフェニル)メチル]-1,2,4-チアジアゾール-5-イル]オキシ]-2,5-ジメチル-フェニル]-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.29)、N’-(5-ブロモ-6-インダン-2-イルオキシ-2-メチル-3-ピリジル)-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.30)、N’-[5-ブロモ-6-[1-(3,5-ジフルオロフェニル)エトキシ]-2-メチル-3-ピリジル]-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.31)、N’-[5-ブロモ-6-(4-イソプロピルシクロヘキソキシ)-2-メチル-3-ピリジル]-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.32)、N’-[5-ブロモ-2-メチル-6-(1-フェニルエトキシ)-3-ピリジル]-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.33)、N’-(2-メチル-5-トリフルオロメチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.34)、N’-(5-ジフルオロメチル-2-メチル-4-(3-トリメチルシラニル-プロポキシ)-フェニル)-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.35)、2-(4-クロロ-フェニル)-N-[4-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-イソオキサゾール-5-イル]-2-プロパ-2-イニルオキシ-アセトアミド(K.1.36)、3-[5-(4-クロロ-フェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(ピリソキサゾール)(K.1.37)、3-[5-(4-メチルフェニル)-2,3-ジメチル-イソオキサゾリジン-3-イル]-ピリジン(K.1.38)、5-クロロ-1-(4,6-ジメトキシ-ピリミジン-2-イル)-2-メチル-1H-ベンゾイミダゾール(K.1.39)、エチル(Z)-3-アミノ-2-シアノ-3-フェニル-プロパ-2-エノエート(K.1.40)、ピカルブトラゾクス(K.1.41)、ペンチルN-[6-[[(Z)-[(1-メチルテトラゾール-5-イル)-フェニル-メチレン]アミノ]オキシメチル]-2-ピリジル]カルバメート(K.1.42)、ブタ-3-イニルN-[6-[[(Z)-[(1-メチルテトラゾール-5-イル)-フェニル-メチレン]アミノ]オキシメチル]-2-ピリジル]カルバメート(K.1.43)、2-[2-[(7,8-ジフルオロ-2-メチル-3-キノリル)オキシ]-6-フルオロ-フェニル]プロパン-2-オール(K.1.44)、2-[2-フルオロ-6-[(8-フルオロ-2-メチル-3-キノリル)オキシ]フェン-イル]プロパン-2-オール(K.1.45)、キノフメリン(K.1.47)、9-フルオロ-2,2-ジメチル-5-(3-キノリル)-3H-1,4-ベンゾオキサゼピン(K.1.49)、2-(6-ベンジル-2-ピリジル)キナゾリン(K.1.50)、2-[6-(3-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-5-メチル-2-ピリジル]キナゾリン(K.1.51)、ジクロベンチアゾクス(K.1.52)、N’-(2,5-ジメチル-4-フェノキシ-フェニル)-N-エチル-N-メチル-ホルムアミジン(K.1.53)、ピリフェナミン(K.1.54);
【0458】
L) バイオ殺有害生物剤
L1) 殺真菌、殺細菌、殺ウイルス及び/又は植物防御活性化剤活性を有する微生物殺有害生物剤:アンペロマイセス・キスカリス(Ampelomyces quisqualis)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)、バチルス・アルティテュディニス(Bacillus altitudinis)、B.アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、B.メガテリウム(B. megaterium)、B.モジャベンシス(B. mojavensis)、B.ミコイデス(B. mycoides)、B.プミルス(B. pumilus)、B.シンプレクス(B. simplex)、B.ソリサルシ(B. solisalsi)、B.サブチリス(B. subtilis)、B.サブチリス変種アミロリケファシエンス(B. subtilis var. amyloliquefaciens)、カンジダ・オレオフィラ(Candida oleophila)、C.サイトアナ(C. saitoana)、クラビバクター・ミシガネンシス(Clavibacter michiganensis)(バクテリオファージ(bacteriophages))、コニオチリウム・ミニタンス(Coniothyrium minitans)、クリフォネクトリア・パラシティカ(Cryphonectria parasitica)、クリプトコッカス・アルビダス(Cryptococcus albidus)、ジロホスホラ・アロペクリ(Dilophosphora alopecuri)、フザリウム・オキシスポルム(Fusarium oxysporum)、クロノスタキス・ロセアF.カテヌラタ(Clonostachys rosea F. catenulate)(グリオクラディウム・カテニュレータム(Gliocladium catenulatum)とも呼ばれる)、グリオクラディウム・ロゼウム(Gliocladium roseum)、リソバクター・アンチビオチカス(Lysobacter antibioticus)、L.エンザイモゲネス(L. enzymogenes)、メチニコウィア・フルクチコラ(Metschnikowia fructicola)、ミクロドキウム・ジメルム(Microdochium dimerum)、ミクロスフェロプシス・オクラセア(Microsphaeropsis ochracea)、ムスコドル・アルブス(Muscodor albus)、パエニバチルス・アルベイ(Paenibacillus alvei)、パエニバチルス・エピフィティクス(Paenibacillus epiphyticus)、P.ポリミキサ(P. polymyxa)、パントエア・バガンス(Pantoea vagans)、ペニシリウム・ビライアエ(Penicillium bilaiae)、フレビオプシス・ギガンテア(Phlebiopsis gigantea)、シュードモナス種(Pseudomonas sp.)、シュードモナス・クロラフィス(Pseudomonas chloraphis)、シュードザイマ・フロキュローサ(Pseudozyma flocculosa)、ピキア・アノマーラ(Pichia anomala)、ピシウム・オリガンドラム(Pythium oligandrum)、スフェロデス・ミコパラシチカ(Sphaerodes mycoparasitica)、ストレプトマイセス・グリセオビリディス(Streptomyces griseoviridis)、S.リディカス(S. lydicus)、S.ビオラセウスニガー(S. violaceusniger)、タラロマイセス・フラバス(Talaromyces flavus)、トリコデルマ・アスペレロイデス(Trichoderma asperelloides)、T.アスペレルム(T. asperellum)、T.アトロビリデ(T. atroviride)、T.フェルティレ(T. fertile)、T.ガムシー(T. gamsii)、T.ハルマツム(T. harmatum)、T.ハルジアナム(T. harzianum)、T.ポリスポラム(T. polysporum)、T.ストロマチカム(T. stromaticum)、T.ビレンス(T. virens)、T.ビリデ(T. viride)、ティフラ・ファコリーザ(Typhula phacorrhiza)、ウロクラディウム・オウデマンシ(Ulocladium oudemansii)、バーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahlia)、ズッキーニ黄色モザイクウイルス(zucchini yellow mosaic virus)(無毒株);
L2) 殺真菌、殺細菌、殺ウイルス及び/又は植物防御活性化剤活性を有する生化学殺有害生物剤:ハルピンタンパク質、レイノウトリア・サッカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)抽出物;
L3) 殺虫、殺ダニ、殺軟体動物及び/又は殺線虫活性を有する微生物殺有害生物剤:アグロバクテリウム・ラディオバクター(Agrobacterium radiobacter)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、B.フィルムス(B. firmus)、B.チューリンゲンシス(B. thuringiensis)、B.チューリンゲンシス亜種アイザワイ(B. thuringiensis ssp. aizawai)、B.t.亜種イスラエレンシス(B. t. ssp. israelensis)、B.t.亜種ガレリアエ(B. t. ssp. galleriae)、B.t.亜種クルスタキー(B. t. ssp. kurstaki)、B.t.亜種テネブリオニス(B. t. ssp. tenebrionis)、ボーベリア・バシアーナ(Beauveria bassiana)、B.ブロングニアルティ(B. brongniartii)、バークホルデリア属の種(Burkholderia spp.)、クロモバクテリウム・サブツガエ(Chromobacterium subtsugae)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)顆粒病ウイルス(CpGV)、クリプトフレビア・ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)顆粒病ウイルス(CrleGV)、フラボバクテリウム属の種(Flavobacterium spp.)、ヘリコベルパ・アルミゲラ(Helicoverpa armigera)核多角体病ウイルス(HearNPV)、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)核多角体病ウイルス(HzNPV)、ヘリコベルパ・ゼア単一カプシド核多角体病ウイルス(HzSNPV)、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)、イサリア・フモソロセア(Isaria fumosorosea)、レカニシリウム・ロンギスポルム(Lecanicillium longisporum)、L. ムスカリウム(L. muscarium)、メタリジウム・アニソプリエ(Metarhizium anisopliae)、メタリジウム・アニソプリエ変種アニソプリエ(M. anisopliae var. anisopliae)、M.アニソプリエ変種アクリダム(M. anisopliae var. acridum)、ノムラエ・リレイ(Nomuraea rileyi)、パエシロマイセス・フモソロセウス(Paecilomyces fumosoroseus)、P. リラシヌス(P. lilacinus)、パエニバチルス・ポピリア(Paenibacillus popilliae)、パスツーリア属の種(Pasteuria spp.)、P.ニシザワエ(P. nishizawae)、P.ペネトランス(P. penetrans)、P.ラモサ(P. ramosa)、P.トルネア(P. thornea)、P.ウスガエ(P. usgae)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)核多角体病ウイルス(SpliNPV)、ステイネルネマ・カルポカプサエ(Steinernema carpocapsae)、S.フェルティアエ(S. feltiae)、S.クラウセイ(S. kraussei)、ストレプトミセス・ガルブス(Streptomyces galbus)、S.ミクロフラバス(S. microflavus);
L4) 殺虫活性、殺ダニ活性、殺軟体動物活性、フェロモン活性及び/又は殺線虫活性を有する生化学殺有害生物剤、L-カルボン(L-carvone)、シトラール(citral)、(E,Z)-7,9-ドデカジエン-1-イルアセテート、ギ酸エチル、(E,Z)-2,4-エチルデカジエノエート(セイヨウナシエステル)、(Z,Z,E)-7,11,13-ヘキサデカトリエナール、酪酸ヘプチル、ミリスチン酸イソプロピル、ラバニュリルセネシオエート(lavanulyl senecioate)、cis-ジャスモン(cis-jasmone)、2-メチル-1-ブタノール、メチルオイゲノール(methyl eugenol)、ジャスモン酸メチル、(E,Z)-2,13-オクタデカジエン-1-オール、(E,Z)-2,13-オクタデカジエン-1-オールアセテート、(E,Z)-3,13-オクタデカジエン-1-オール、(R)-1-オクテン-3-オール、ペンタテルマノン、(E,Z,Z)-3,8,11-テトラデカトリエニルアセテート、(Z,E)-9,12-テトラデカジエン-1-イルアセテート、(Z)-7-テトラデセン-2-オン、(Z)-9-テトラデセン-1-イルアセテート、(Z)-11-テトラデセナール、(Z)-11-テトラデセン-1-オール、ケノポジウム・アンブロシオデス(Chenopodium ambrosiodes)の抽出物、ニーム油、キラヤ抽出物;
L5) 植物ストレス低減活性、植物生育調節剤活性、植物生育促進活性及び/又は収量増大活性を有する微生物殺有害生物剤:アゾスピリルム・アマゾネンス(Azospirillum amazonense)、A. ブラジレンス(A. brasilense)、A.リポフェルム(A. lipoferum)、A.イラケンセ(A. irakense)、A.ハロプラエフェレンス(A. halopraeferens)、ブラディリゾビウム属の種(Bradyrhizobium spp.)、B.エルカニ(B. elkanii)、B. ジャポニクム(B. japonicum)、B.リアオニンゲンス(B. liaoningense)、B.ルピニ(B. lupini)、デルフティア・アシドボランス(Delftia acidovorans)、グロムス・イントララディセス(Glomus intraradices)、メソリゾビウム属の種(Mesorhizobium spp.)、リゾビウム・レグミノサルム次亜種ファセオリ(Rhizobium leguminosarum bv. phaseoli)、R.l.次亜種トリフォリ(R. l. bv. trifolii)、R.l.次亜種ビシアエ(R. l. bv. viciae)、R.トロピシ(R. tropici)、シノリゾビウム・メリロッティ(Sinorhizobium meliloti);
【0459】
M) 殺虫剤
M.1) アセチルコリンエステラーゼ(AChE)阻害剤:M.1A カルバメート系、例えば、アルジカルブ(aldicarb)、アラニカルブ(alanycarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、ホルメタネート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、メトルカルブ(metolcarb)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポクスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノックス(thiofanox)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)及びトリアザメート(triazamate);又はM.1B 有機リン酸エステル系、例えば、アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス-エチル(azinphos-ethyl)、アジンホスメチル(azinphosmethyl)、カズサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、クマホス(coumaphos)、シアノホス(cyanophos)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロルボス/DDVP(dichlorovos/DDVP)、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、ファムフール(famphur)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ヘプテノホス(heptenophos)、イミシアホス(imicyafos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソプロピルO-(メトキシアミノチオ-ホスホリル)サリシレート、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシデメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロペタンホス(propetamphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、スルホテップ(sulfotep)、テブピリムホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テルブホス(terbufos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorovinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorofon)及びバミドチオン(vamidothion);
M.2) GABA作動性クロライドチャネルアンタゴニスト:M.2A シクロジエン有機塩素系化合物、例えばエンドスルファン(endosulfan)又はクロルデン(chlorodane);又はM.2B フィプロール系(フェニルピラゾール系)、例えばエチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、フルフィプロール(flufiprole)、ピラフルプロール(pyrafluprole)及びピリプロール(pyriprole);
M.3) 以下のクラスから選択されるナトリウムチャネル調節因子:
M.3A ピレスロイド系、例えばアクリナトリン(acrinathrin)、アレスリン(allethrin)、d-シス-トランスアレスリン(d-cis-trans allethrin)、d-トランスアレスリン(d-trans allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、カッパ-ビフェントリン(kappa-bifenthrin)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオアレスリンS-シクロペンテニル(bioallethrin S-cylclopentenyl)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(beta-cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(lambda-cyhalothrin)、ガンマ-シハロトリン(gamma-cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン(alpha-cypermethrin)、ベータ-シペルメトリン(beta-cypermethrin)、シータ-シペルメトリン(theta-cypermethrin)、ゼータ-シペルメトリン(zeta-cypermethrin)、シフェノトリン(cyphenothrin)、デルタメトリン(deltamethrin)、エンペントリン(empenthrin)、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルメトリン(flumethrin)、タウ-フルバリネート(tau-fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、ヘプタフルトリン(heptafluthrin)、イミプロトリン(imiprothrin)、メペルフルトリン(meperfluthrin)、メトフルトリン(metofluthrin)、モンフルオロトリン(momfluorothrin)、イプシロン-モンフルオロトリン(epsilon-momfluorothrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン(phenothrin)、プラレトリン(prallethrin)、プロフルトリン(profluthrin)、ピレトリン(除虫菊)、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルトリン(tefluthrin)、カッパ-テフルトリン(kappa-tefluthrin)、テトラメチルフルトリン(tetramethylfluthrin)、テトラメトリン(tetramethrin)、トラロメトリン(tralomethrin)、及びトランスフルトリン(transfluthrin);又はM.3B ナトリウムチャネル調節因子、例えばDDT又はメトキシクロル(methoxychloro);
M.4) ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト(nAChR):M.4A ネオニコチノイド系、例えばアセタミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、シクロキサプリド(cycloxaprid)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、チアクロプリド(thiacloprid)、及びチアメトキサム(thiamethoxam);又は化合物M.4A.1:4,5-ジヒドロ-N-ニトロ-1-(2-オキシラニルメチル)-1H-イミダゾール-2-アミン、M.4A.2:(2E-)-1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]-N'-ニトロ-2-ペンチリデンヒドラジンカルボキシミドアミド;若しくはM4.A.3:1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチル-8-ニトロ-5-プロポキシ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン;又はM.4B ニコチン(nicotine);M.4C スルホキサフロル(sulfoxaflor);M.4D フルピラジフロン(flupyradifurone);M.4E トリフルメゾピリム(triflumezopyrim);
M.5) ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリック活性化剤:スピノシン系、例えばスピノサド(spinosad)又はスピネトラム(spinetoram);
M.6) アベルメクチン系及びミルベマイシン系のクラスから選択されるクロライドチャネル活性化剤、例えばアバメクチン(abamectin)、エマメクチンベンゾエート(emamectin benzoate)、イベルメクチン(ivermectin)、レピメクチン(lepimectin)又はミルベメクチン(milbemectin);
M.7) 幼若ホルモン模倣物、例えばM.7A 幼若ホルモンアナログ:ヒドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、及びメトプレン(methoprene);又はM.7B フェノキシカルブ(fenoxycarb)、若しくはM.7C ピリプロキシフェン(pyriproxyfen);
M.8) 種々の非特異的(多部位)阻害剤、例えばM.8A ハロゲン化アルキル、例えば臭化メチル及び他のハロゲン化アルキルなど、M.8B クロルピクリン(chloropicrin)、M.8C フッ化スルフリル(sulfuryl fluoride)、M.8D ホウ砂(borax)、M.8E 吐酒石(tartar emetic);
M.9) 弦音器官TRPVチャネルモジュレーター、例えばM.9B ピメトロジン(pymetrozine);ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon);
M.10) ダニ成長阻害剤、例えばM.10A クロフェンテジン(clofentezine)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、及びジフロビダジン(diflovidazin)、又は
M.10B エトキサゾール(etoxazole);
M.11) 昆虫の中腸膜に対する微生物撹乱剤、例えばバチルス・チューリンゲンシス(bacillus thuringiensis)又はバチルス・スファエリクス(bacillus sphaericus)、及びそれらが産生する殺虫タンパク質、例えばバチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシス(bacillus thuringiensis subsp. israelensis)、バチルス・スファエリクス(bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(bacillus thuringiensis subsp. aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキー(bacillus thuringiensis subsp. kurstaki)及びバチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス(bacillus thuringiensis subsp. tenebrionis)、又はBt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry2Ab、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb及びCry34/35Ab1;
M.12) ミトコンドリアATPシンターゼ阻害剤、例えばM.12Aジアフェンチウロン(diafenthiuron)、又はM.12B有機スズ殺ダニ剤、例えばアゾシクロチン(azocyclotin)、シヘキサチン(cyhexatin)又は酸化フェンブタチン(fenbutatin oxide)、M.12Cプロパルギット(propargite)、又はM.12Dテトラジホン(tetradifon);
M.13) プロトン勾配の撹乱による酸化的リン酸化の脱共役剤、例えばクロルフェナピル(chlorofenapyr)、DNOC又はスルフルラミド(sulfluramid);
M.14) ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)チャネル遮断剤、例えばネライストキシンアナログ、ベンスルタップ(bensultap)、カルタップ塩酸塩(cartap hydrochloride)、チオシクラム(thiocyclam)又はチオスルタップナトリウム(thiosultap sodium)など; M.15) キチン生合成阻害剤0型、例えばベンゾイル尿素系、例えばビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)又はトリフルムロン(triflumuron);
M.16) キチン生合成阻害剤1型、例えばブプロフェジン(buprofezin);
M.17) 脱皮撹乱剤、双翅類、例えばシロマジン(cyromazine);
M.18) エクジソン受容体アゴニスト、例えばジアシルヒドラジン系、例えばメトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、フフェノジド(fufenozide)又はクロマフェノジド(chromafenozide);
M.19) オクトパミン受容体アゴニスト、例えばアミトラズ(amitraz);
M.20) ミトコンドリア複合体III電子伝達阻害剤、例えばM.20A ヒドラメチルノン(hydramethylnon)、M.20B アセキノシル(acequinocyl)、M.20C フルアクリピリム(fluacrypyrim);又はM.20D ビフェナゼート(bifenazate);
M.21) ミトコンドリア複合体I電子伝達阻害剤、例えばM.21A METI殺ダニ剤及び殺虫剤、例えばフェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)若しくはトルフェンピラド(tolfenpyrad)、又はM.21B ロテノン(rotenone);
M.22) 電位依存性ナトリウムチャネル遮断剤、例えばM.22A インドキサカルブ(indoxacarb)、M.22B メタフルミゾン(metaflumizone)、又はM.22B.1:2-[2-(4-シアノフェニル)-1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エチリデン]-N-[4-(ジフルオロメトキシ)フェニル]-ヒドラジンカルボキサミド、又はM.22B.2:N-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-2-[(4-クロロフェニル)[4-[メチル(メチルスルホニル)アミノ]フェニル]メチレン]-ヒドラジンカルボキサミド;
M.23) アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤、例えばテトロン酸及びテトラミン酸誘導体、例えばスピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)又はスピロテトラマト(spirotetramat);M.23.1 スピロピジオン(spiropidion);
M.24) ミトコンドリア複合体IV電子伝達阻害剤、例えばM.24A ホスフィン(phosphine)、例えばリン化アルミニウム、リン化カルシウム、ホスフィン(phosphine)若しくはリン化亜鉛、又はM.24B シアニド(cyanide);
M.25) ミトコンドリア複合体II電子伝達阻害剤、例えばベータ-ケトニトリル誘導体、例えばシエノピラフェン(cyenopyrafen)又はシフルメトフェン(cyflumetofen);
M.28) ジアミド系のクラスから選択されるリアノジン受容体調節因子、例えば、フルベンジアミド(flubendiamide)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、テトラニリプロール(tetoraniliprole)、M.28.1:(R)-3-クロロ-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミド、M.28.2:(S)-3-クロロ-N1-{2-メチル-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル}-N2-(1-メチル-2-メチルスルホニルエチル)フタルアミド、M.28.3:シクラニリプロール(cyclaniliprole)、又はM.28.4:メチル-2-[3,5-ジブロモ-2-({[3-ブロモ-1-(3-クロロピリジン-2-イル)-1H-ピラゾール-5-イル]カルボニル}アミノ)ベンゾイル]-1,2-ジメチルヒドラジンカルボキシレート;又はM.28.5a) N-[4,6-ジクロロ-2-[(ジエチル-ラムダ-4-スルファニリデン)カルバモイル]-フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.28.5b) N-[4-クロロ-2-[(ジエチル-ラムダ-4-スルファニリデン)カルバモイル]-6-メチル-フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.28.5c) N-[4-クロロ-2-[(ジ-2-プロピル-ラムダ-4-スルファニリデン)カルバモイル]-6-メチル-フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.28.5d) N-[4,6-ジクロロ-2-[(ジ-2-プロピル-ラムダ-4-スルファニリデン)カルバモイル]-フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.28.5h) N-[4,6-ジブロモ-2-[(ジエチル-ラムダ-4-スルファニリデン)カルバモイル]-フェニル]-2-(3-クロロ-2-ピリジル)-5-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.28.5i) N-[2-(5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル)-4-クロロ-6-メチルフェニル]-3-ブロモ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;M.28.5j) 3-クロロ-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-N-[2,4-ジクロロ-6-[[(1-シアノ-1-メチルエチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;M.28.5k) 3-ブロモ-N-[2,4-ジクロロ-6-(メチルカルバモイル)フェニル]-1-(3,5-ジクロロ-2-ピリジル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;M.28.5l) N-[4-クロロ-2-[[(1,1-ジメチルエチル)アミノ]カルボニル]-6-メチルフェニル]-1-(3-クロロ-2-ピリジニル)-3-(フルオロメトキシ)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;又はM.28.6:シハロジアミド(cyhalodiamide);又は
M.29) 弦音器官モジュレーター - 未定義の標的部位、例えばフロニカミド(flonicamid);
M.UN.) 作用機序が未知若しくははっきりしていない殺虫活性化合物、例えばアフィドピロペン(afidopyropen)、アフォキソラネル(afoxolaner)、アザジラクチン(azadirachtin)、アミドフルメット(amidoflumet)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ブロフラニリド(broflanilide)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、キノメチオネート(chinomethionat)、クリオライト(cryolite)、ジクロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、ジコホル(dicofol)、フルフェネリム(flufenerim)、フロメトキン(flometoquin)、フルエンスルホン(fluensulfone)、フルヘキサホン(fluhexafon)、フルオピラム(fluopyram)、フルララネル(fluralaner)、メタアルデヒド(metaldehyde)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)、ピフルブミド(pyflubumide)、ピリダリル(pyridalyl)、チオキサザフェン(tioxazafen)、M.UN.3:11-(4-クロロ-2,6-ジメチルフェニル)-12-ヒドロキシ-1,4-ジオキサ-9-アザジスピロ[4.2.4.2]-テトラデカ-11-エン-10-オン、
M.UN.4:3-(4’-フルオロ-2,4-ジメチルビフェニル-3-イル)-4-ヒドロキシ-8-オキサ-1-アザスピロ[4.5]デカ-3-エン-2-オン、
M.UN.5:1-[2-フルオロ-4-メチル-5-[(2,2,2-トリフルオロエチル)スルフィニル]フェニル]-3-(トリフルオロメチル)-1H-1,2,4-トリアゾール-5-アミン、又はバチルス・フィルムス(bacillus firmus)ベースの活性物質(Votivo, I-1582);
M.UN.6:フルピリミン(flupyrimin);
M.UN.8:フルアザインドリジン(fluazaindolizine);M.UN.9.a):4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-2-メチル-N-(1-オキソチエタン-3-イル)ベンズアミド;M.UN.9.b):フルキサメタミド(fluxametamide);M.UN.10:5-[3-[2,6-ジクロロ-4-(3,3-ジクロロアリルオキシ)フェノキシ]プロポキシ]-1H-ピラゾール;
M.UN.11.i) 4-シアノ-N-[2-シアノ-5-[[2,6-ジブロモ-4-[1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル]カルバモイル]フェニル]-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.j) 4-シアノ-3-[(4-シアノ-2-メチル-ベンゾイル)アミノ]-N-[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル]-2-フルオロ-ベンズアミド;M.UN.11.k) N-[5-[[2-クロロ-6-シアノ-4-[1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル]カルバモイル]-2-シアノ-フェニル]-4-シアノ-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.l) N-[5-[[2-ブロモ-6-クロロ-4-[2,2,2-トリフルオロ-1-ヒドロキシ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]カルバモイル]-2-シアノ-フェニル]-4-シアノ-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.m) N-[5-[[2-ブロモ-6-クロロ-4-[1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル]カルバモイル]-2-シアノ-フェニル]-4-シアノ-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.n) 4-シアノ-N-[2-シアノ-5-[[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,3,3,3-ヘキサフルオロ-1-(トリフルオロメチル)プロピル]フェニル]カルバモイル]フェニル]-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.o) 4-シアノ-N-[2-シアノ-5-[[2,6-ジクロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]カルバモイル]フェニル]-2-メチル-ベンズアミド;M.UN.11.p) N-[5-[[2-ブロモ-6-クロロ-4-[1,2,2,2-テトラフルオロ-1-(トリフルオロメチル)エチル]フェニル]カルバモイル]-2-シアノ-フェニル]-4-シアノ-2-メチル-ベンズアミド;又は
M.UN.12.a) 2-(1,3-ジオキサン-2-イル)-6-[2-(3-ピリジニル)-5-チアゾリル]-ピリジン;M.UN.12.b) 2-[6-[2-(5-フルオロ-3-ピリジニル)-5-チアゾリル]-2-ピリジニル]-ピリミジン;M.UN.12.c) 2-[6-[2-(3-ピリジニル)-5-チアゾリル]-2-ピリジニル]-ピリミジン;M.UN.12.d) N-メチルスルホニル-6-[2-(3-ピリジル)チアゾール-5-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;M.UN.12.e) N-メチルスルホニル-6-[2-(3-ピリジル)チアゾール-5-イル]ピリジン-2-カルボキサミド;
M.UN.14a) 1-[(6-クロロ-3-ピリジニル)メチル]-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-5-メトキシ-7-メチル-8-ニトロ-イミダゾ[1,2-a]ピリジン;又はM.UN.14b) 1-[(6-クロロピリジン-3-イル)メチル]-7-メチル-8-ニトロ-1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロイミダゾ[1,2-a]ピリジン-5-オール;
M.UN.16a) 1-イソプロピル-N,5-ジメチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;又はM.UN.16b) 1-(1,2-ジメチルプロピル)-N-エチル-5-メチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16c) N,5-ジメチル-N-ピリダジン-4-イル-1-(2,2,2-トリフルオロ-1-メチル-エチル)ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16d) 1-[1-(1-シアノシクロプロピル)エチル]-N-エチル-5-メチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16e) N-エチル-1-(2-フルオロ-1-メチル-プロピル)-5-メチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16f) 1-(1,2-ジメチルプロピル)-N,5-ジメチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16g) 1-[1-(1-シアノシクロプロピル)エチル]-N,5-ジメチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16h) N-メチル-1-(2-フルオロ-1-メチル-プロピル]-5-メチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;M.UN.16i) 1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-N-エチル-5-メチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド;又はM.UN.16j) 1-(4,4-ジフルオロシクロヘキシル)-N,5-ジメチル-N-ピリダジン-4-イル-ピラゾール-4-カルボキサミド、
M.UN.17a) N-(1-メチルエチル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;M.UN.17b) N-シクロプロピル-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;M.UN.17c) N-シクロヘキシル-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;M.UN.17d) 2-(3-ピリジニル)-N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2H-インダゾール-4-カルボキサミド;M.UN.17e) 2-(3-ピリジニル)-N-[(テトラヒドロ-2-フラニル)メチル]-2H-インダゾール-5-カルボキサミド;M.UN.17f) メチル2-[[2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-イル]カルボニル]ヒドラジンカルボキシレート;M.UN.17g) N-[(2,2-ジフルオロシクロプロピル)メチル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-カルボキサミド;M.UN.17h) N-(2,2-ジフルオロプロピル)-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-カルボキサミド;M.UN.17i) 2-(3-ピリジニル)-N-(2-ピリミジニルメチル)-2H-インダゾール-5-カルボキサミド;M.UN.17j) N-[(5-メチル-2-ピラジニル)メチル]-2-(3-ピリジニル)-2H-インダゾール-5-カルボキサミド、
M.UN.18. チクロピラゾフロル(tyclopyrazoflor);
M.UN.19 サロラネル(sarolaner)、M.UN.20 ロチラネル(lotilaner);
M.UN.21 N-[4-クロロ-3-[[(フェニルメチル)アミノ]カルボニル]フェニル]-1-メチル-3-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-カルボキサミド;M.UN.22a 2-(3-エチルスルホニル-2-ピリジル)-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[4,5-b]ピリジン、又はM.UN.22b 2-[3-エチルスルホニル-5-(トリフルオロメチル)-2-ピリジル]-3-メチル-6-(トリフルオロメチル)イミダゾ[4,5-b]ピリジン;
M.UN.23a) 4-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミド、又はM.UN.23b) 4-[5-(3,5-ジクロロ-4-フルオロ-フェニル)-5-(トリフルオロメチル)-4H-イソオキサゾール-3-イル]-N-[(4R)-2-エチル-3-オキソ-イソオキサゾリジン-4-イル]-2-メチル-ベンズアミド;
M.UN.24a) N-[4-クロロ-3-(シクロプロピルカルバモイル)フェニル]-2-メチル-5-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド又はM.UN.24b) N-[4-クロロ-3-[(1-シアノシクロプロピル)カルバモイル]フェニル]-2-メチル-5-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-カルボキサミド;M.UN.25 アシノナピル(acynonapyr);M.UN.26ベンズピリモキサン(benzpyrimoxan);M.UN.27 2-クロロ-N-(1-シアノシクロプロピル)-5-[1-[2-メチル-5-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)-4-(トリフルオロメチル)ピラゾール-3-イル]ピラゾール-4-イル]ベンズアミド;M.UN.28オキサゾスルフィル(Oxazosulfyl);
M.UN.29a) [(2S,3R,4R,5S,6S)-3,5-ジメトキシ-6-メチル-4-プロポキシ-テトラヒドロピラン-2-イル] N-[4-[1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート;M.UN.29b) [(2S,3R,4R,5S,6S)-3,4,5-トリメトキシ-6-メチル-テトラヒドロピラン-2-イル] N-[4-[1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート;M.UN.29c) [(2S,3R,4R,5S,6S)-3,5-ジメトキシ-6-メチル-4-プロポキシ-テトラヒドロピラン-2-イル] N-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート;M.UN.29d) [(2S,3R,4R,5S,6S)-3,4,5-トリメトキシ-6-メチル-テトラヒドロピラン-2-イル] N-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]カルバメート;M.UN.29.e) (2Z)-3-(2-イソプロピルフェニル)-2-[(E)-[4-[1-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]メチレンヒドラゾノ]チアゾリジン-4-オン又はM.UN.29f) (2Z)-3-(2-イソプロピルフェニル)-2-[(E)-[4-[1-[4-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエトキシ)フェニル]-1,2,4-トリアゾール-3-イル]フェニル]メチレンヒドラゾノ]チアゾリジン-4-オン。
【0460】
N) 除草剤
以下のクラスから選択される除草剤、アセトアミド系、アミド系、アリールオキシフェノキシプロピオネート系、ベンズアミド系、ベンゾフラン(benzofuran)、安息香酸系、ベンゾチアジアジノン系、ビピリジリウム(bipyridylium)、カルバメート系、クロロアセトアミド系、クロロカルボン酸系、シクロヘキサンジオン系、ジニトロアニリン系、ジニトロフェノール、ジフェニルエーテル、グリシン系、イミダゾリノン系、イソオキサゾール系、イソオキサゾリジノン系、ニトリル系、N-フェニルフタルイミド系、オキサジアゾール系、オキサゾリジンジオン系、オキシアセトアミド系、フェノキシカルボン酸系、フェニルカルバメート系、フェニルピラゾール系、フェニルピラゾリン系、フェニルピリダジン系、ホスフィン酸系、ホスホロアミデート系、ホスホロジチオエート系、フタラメート系、ピラゾール系、ピリダジノン系、ピリジン系、ピリジンカルボン酸系、ピリジンカルボキサミド系、ピリミジンジオン系、ピリミジニル(チオ)ベンゾエート系、キノリンカルボン酸系、セミカルバゾン系、スルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、スルホニル尿素系、テトラゾリノン系、チアジアゾール系、チオカルバメート系、トリアジン系、トリアジノン系、トリアゾール系、トリアゾリノン系、トリアゾロカルボキサミド系、トリアゾロピリミジン系、トリケトン系、ウラシル系、又は尿素系。
【0461】
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物(すなわち本発明の硝化阻害剤(化合物I又は成分I))と、植物保護のために有用な少なくとも1種のさらなる活性物質(例えば群A)~N)から選択される活性物質(成分2)、特に群N)から選択される1種のさらなる除草剤)の混合物を含む農薬組成物に関する。
【0462】
化合物Iを、群A)~N)から選択される少なくとも1種の活性物質と一緒に施用することにより、相乗的な植物の健康効果を得ることができる(すなわち個々の効果の単なる加算を上回る効果が得られる)(相乗的混合物)。
【0463】
この効果は、化合物Iと少なくとも1種のさらなる活性物質を、同時に(一緒に(例えばタンクミックスとして)若しくは別々に)、又は連続して施用することによって得ることが可能であり、ここで個々の施用間の時間間隔は、確実に、最初に施用される活性物質がさらなる活性物質(1種又は複数種)の施用時に依然として十分な量で作用部位に存在しているように選択される。施用順序は、本発明の実施に関して重要ではない。
【0464】
化合物Iと殺有害生物剤Iを連続的に施用する場合、両施用間の時間は、例えば、2時間~7日間で変動し得る。また0.25時間~30日間、好ましくは0.5時間~14日間、特に1時間~7日間、又は1.5時間~5日間、さらにより好ましくは2時間~1日間にわたるより広い範囲も可能である。群L)から選択される殺有害生物剤IIを含む混合物の場合、殺有害生物剤Iを最後の処理として施用することが好ましい。
【0465】
本発明によれば、バイオ殺有害生物剤の固形物(乾燥物質)(例えばニーム油、タゲテス油(Tagetes oil)等の油分を除く)は、活性成分(例えば、微生物殺有害生物剤の液体製剤の場合、抽出媒体又は懸濁媒体の乾燥又は蒸発後に得られる)とみなされる。
【0466】
本発明によれば、キラヤ抽出物などの生物学的抽出物について本明細書中で使用される重量比及び割合は、各抽出物(1種又は複数種)の乾燥含有量(固形物)の総重量に基づく。
【0467】
生存微生物細胞の形態(休眠形態を含む)の少なくとも1種の微生物殺有害生物剤を含む組成物の総重量比は、各微生物のCFUの量を使用し、以下の式:1×1010 CFUは各活性成分の総重量の1グラムに等しい、により各活性成分の総重量を計算することによって決定することができる。コロニー形成単位は、生存微生物細胞(特に真菌細胞及び細菌細胞)の尺度である。さらに、ここで「CFU」とは、ステイネルネマ・フェルチアエ(Steinernema feltiae)などの(昆虫病原性)線虫のバイオ殺有害生物剤の場合、個々の線虫(幼虫)の数としても理解され得る。
【0468】
本発明による二成分混合物及び組成物において、成分1)と成分2)の重量比は、一般的に、使用される活性成分の特性に応じて決定され、通常、重量比は、1:100~100:1の範囲内、普通は1:50~50:1の範囲内、好ましくは1:20~20:1の範囲内、より好ましくは1:10~10:1の範囲内、さらにより好ましくは1:4~4:1の範囲内、また特に1:2~2:1の範囲内である。
【0469】
二成分混合物及び組成物のさらなる実施形態によれば、成分1)と成分2)の重量比は、通常、1000:1~1:1の範囲内、多くの場合は100:1~1:1の範囲内、普通は50:1~1:1の範囲内、好ましくは20:1~1:1の範囲内、より好ましくは10:1~1:1の範囲内、さらにより好ましくは4:1~1:1の範囲内、また特に2:1~1:1の範囲内である。
【0470】
二成分混合物及び組成物のさらなる実施形態によれば、成分1)と成分2)の重量比は、通常、1:1~1:1000の範囲内、多くの場合1:1~1:100の範囲内、普通は1:1~1:50の範囲内、好ましくは1:1~1:20の範囲内、より好ましくは1:1~1:10の範囲内、さらにより好ましくは1:1~1:4の範囲内、特に1:1~1:2の範囲内である。
【0471】
本混合物及び組成物のさらなる実施形態によれば、成分1)と成分2)の重量比は、一般的に、使用される活性成分の特性に応じて決定され、通常、この重量比は、1:10,000~10,000:1の範囲内、普通は1:100~10,000:1の範囲内、好ましくは1:100~5,000:1の範囲内、より好ましくは1:1~1,000:1の範囲内、さらにより好ましくは1:1~500:1の範囲内、特に10:1~300:1の範囲内である。
【0472】
本混合物及び組成物のさらなる実施形態によれば、成分1)と成分2)の重量比は、通常、20,000:1~1:10の範囲内、多くの場合、10,000:1~1:1の範囲内、普通は5,000:1~5:1の範囲内、好ましくは5,000:1~10:1の範囲内、より好ましくは2,000:1~30:1の範囲内、さらにより好ましくは2,000:1~100:1の範囲内、特に1,000:1~100:1の範囲内である。
【0473】
本混合物及び組成物のさらなる実施形態によれば、成分1)と成分2)の重量比は、通常、1:20,000~10:1の範囲内、多くの場合1:10,000~1:1の範囲内、普通は1:5,000~1:5の範囲内、好ましくは1:5,000~1:10の範囲内、より好ましくは1:2,000~1:30の範囲内、さらにより好ましくは1:2,000~1:100の範囲内、特に1:1,000~1:100の範囲内である。
【0474】
三成分混合物(すなわち成分1)及び成分2)並びに化合物III(成分3)を含む本発明による組成物)において、成分1)と成分2)の重量比は、使用される活性物質の特性に応じて決定され、通常、この重量比は、1:100~100:1の範囲内、普通は1:50~50:1の範囲内、好ましくは1:20~20:1の範囲内、より好ましくは1:10~10:1の範囲内、特に1:4~4:1の範囲内であり、及び、成分1)と成分3)の重量比は、通常、1:100~100:1の範囲内、普通は1:50~50:1の範囲内、好ましくは1:20~20:1の範囲内、より好ましくは1:10~10:1の範囲内、特に1:4~4:1の範囲内である。
【0475】
任意のさらなる活性成分は、所望の場合、成分1)に対して20:1~1:20の比で添加される。
【0476】
これらの比は、種子処理によって施用される本発明の混合物にも適している。
【0477】
群A)~K)にリストされる活性物質、それらの調製及びそれらの活性(例えば有害菌類に対する活性)は公知であり(http://www.alanwood.net/pesticides/を参照);これらの物質は市販されている。IUPAC命名法により記載される化合物、それらの調製及びそれらの殺有害生物活性もまた公知である(Can. J. Plant Sci. 48(6)、587-94, 1968;EP-A 141 317;EP-A 152 031;EP-A 226 917;EP-A 243 970;EP-A 256 503;EP-A 428 941;EP-A 532 022;EP-A 1 028 125;EP-A 1 035 122;EP-A 1 201 648;EP-A 1 122 244、JP 2002316902;DE 19650197;DE 10021412;DE 102005009458;US 3,296,272;US 3,325,503;WO 98/46608;WO 99/14187;WO 99/24413;WO 99/27783;WO 00/29404;WO 00/46148;WO 00/65913;WO 01/54501;WO 01/56358;WO 02/22583;WO 02/40431;WO 03/10149;WO 03/11853;WO 03/14103;WO 03/16286;WO 03/53145;WO 03/61388;WO 03/66609;WO 03/74491;WO 04/49804;WO 04/83193;WO 05/120234;WO 05/123689;WO 05/123690;WO 05/63721;WO 05/87772;WO 05/87773;WO 06/15866;WO 06/87325;WO 06/87343;WO 07/82098;WO 07/90624、WO 10/139271、WO 11/028657、WO 12/168188、WO 07/006670、WO 11/77514;WO 13/047749、WO 10/069882、WO 13/047441、WO 03/16303、WO 09/90181、WO 13/007767、WO 13/010862、WO 13/127704、WO 13/024009、WO 13/24010、WO 13/047441、WO 13/162072、WO 13/092224、WO 11/135833、CN 1907024、CN 1456054、CN 103387541、CN 1309897、WO 12/84812、CN 1907024、WO 09094442、WO 14/60177、WO 13/116251、WO 08/013622、WO 15/65922、WO 94/01546、EP 2865265、WO 07/129454、WO 12/165511、WO 11/081174、WO 13/47441を参照)。幾つかの化合物は、ハイフンにより3つの部分に分けられる(第1部分は2桁~7桁からなり、第2部分は2桁からなり、第3部分は1桁からなる)、それらのCAS登録番号によって同定される。
【0478】
上記にリストされる群Mの市販化合物は、他の刊行物の中でも特に、The Pesticide Manual, 第17版, C. MacBean, British Crop Protection Council (2015)に見出し得る。オンラインのPesticide Manualは定期的に更新されており、http://bcpcdata.com/pesticide-manual.htmlを通じてアクセス可能である。
【0479】
ISO一般名を提供する、殺有害生物剤についての別のオンラインデータベースは、http://www.alanwood.net/pesticidesである。
【0480】
M.4のシクロキサプリドはWO 2010/069266及びWO 2011/069456から公知であり、M.4A.1は、CN 103814937;CN105367557、CN 105481839から公知である。M.4A.2のグアジピル(guadipyr)は、WO 2013/003977から公知であり、M.4A.3(中国ではパイコンジン(paichongding)として認可されている)は、WO 2007/101369から公知である。M.22B.1は、CN10171577に記載されており、M.22B.2は、CN102126994に記載されている。スピロピジオン(Spiropidion)M.23.1は、WO 2014/191271から公知である。M.28.1及びM.28.2は、WO 2007/101540から公知である。M.28.3は、WO 2005/077934に記載されている。M.28.4は、WO 2007/043677に記載されている。M.28.5a)~M.28.5d)及びM.28.5h)は、WO 2007/006670、WO 2013/024009及びWO 2013/024010に記載されており、M.28.5i)はWO 2011/085575に、M.28.5j)はWO 2008/134969に、M.28.5k)はUS 2011/046186に、M.28.5l)はWO 2012/034403に記載されている。M.28.6は、WO2012/034472中に見出し得る。M.UN.3はWO 2006/089633から公知であり、M.UN.4は、WO 2008/067911から公知である。M.UN.5はWO 2006/043635に記載されており、バチルス・フィルムスをベースとする生物学的防除剤は、WO 2009/124707に記載されている。フルピリミン(Flupyrimin)はWO2012/029672に記載されている。M.UN.8は、WO2013/055584から公知である。M.UN.9.a)は、WO2013/050317に記載されている。M.UN.9.b)は、WO2014/126208に記載されている。M.UN.10は、WO2010/060379から公知である。ブロフラニリド(Broflanilide)及びM.UN.11.b)~M.UN.11.h)はWO2010/018714に記載されており、M.UN.11i)~M.UN.11.p)は、WO 2010/127926に記載されている。M.UN.12.a)~M.UN.12.c)は、WO2010/006713から公知であり、M.UN.12.d)及びM.UN.12.e)は、WO2012/000896から公知である。M.UN.14a)及びM.UN.14b)は、WO2007/101369から公知である。M.UN.16.a)~M.UN.16h)は、WO2010/034737、WO2012/084670、及びWO2012/143317にそれぞれ記載されており、M.UN.16i)及びM.UN.16j)は、WO2015/055497に記載されている。M.UN.17a)~M.UN.17.j)は、WO2015/038503に記載されている。M.UN.18のチクロピラゾフロル(Tyclopyrazoflor)は、US2014/0213448に記載されている。M.UN.19は、WO2014/036056に記載されている。M.UN.20は、WO2014/090918から公知である。M.UN.21は、EP2910126から公知である。M.UN.22a及びM.UN.22bは、WO2015/059039及びWO2015/190316から公知である。M.UN.23a及びM.UN.23bは、WO2013/050302から公知である。M.UN.24a)及びM.UN.24b)は、WO2012/126766から公知である。アシノナピル(Acynonapyr)M.UN.25は、WO 2011/105506から公知である。ベンズピリモキサン(Benzpyrimoxan)M.UN.26は、WO2016/104516から公知である。M.UN.27は、WO2016/174049から公知である。M.UN.28 オキサゾスルフィル(Oxazosulfyl)は、WO2017/104592から公知である。M.UN.29a)~M.UN.29f)は、WO2009/102736又はWO2013116053から公知である。
【0481】
またグループL1)及び/又はL2)から選択されるバイオ殺有害生物剤は、殺虫活性、殺ダニ活性、殺軟体動物活性、フェロモン活性、殺線虫活性、植物ストレス低減活性、植物生育調節剤活性、植物生育促進活性及び/又は収量増大活性も有し得る。またグループL3)及び/又はL4)から選択されるバイオ殺有害生物剤は、殺真菌活性、殺細菌活性、殺ウイルス活性、植物防御活性化剤活性、植物ストレス低減活性、植物生育調節剤活性、植物生育促進活性及び/又は収量増大活性も有し得る。またグループL5)から選択されるバイオ殺有害生物剤は、殺真菌活性、殺細菌活性、殺ウイルス活性、植物防御活性化剤活性、殺虫活性、殺ダニ活性、殺軟体動物活性、フェロモン活性及び/又は殺線虫活性も有し得る。
【0482】
これらのバイオ殺有害生物剤の多くは、本明細書で言及される受託番号の下に寄託され(ATCC又はDSMなどの先頭文字(prefice)は、各微生物株保存機関の頭字語を指し、詳細については、例えば:http://www.wfcc.info/ccinfo/collection/by_acronym/)を参照のこと)、文献中で言及されているか、登録されているか、及び/又は市販されている:ドイツのコンスタンツで1989年に単離されたアウレオバシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulans)DSM 14940とDSM 14941の混合物(例えばbio-ferm GmbH(オーストリア)製のBlossomProtect(登録商標)中の出芽胞子)、南ブラジル(パソ・フンド)の小麦地帯において少なくとも1980年より前に元来単離されたアゾスピリルム・ブラジレンス(Azospirillum brasilense)Sp245(BR 11005;例えば、BASF Agricultural Specialties Ltd.(ブラジル)製のGELFIX(登録商標)Gramineas)、A. ブラジレンス株Ab-V5及びAb-V6 (例えば、Novozymes BioAg Produtos papra Agricultura Ltda.(ブラジル、クアトロ・バラス)製のAzoMax、又はSimbiose-Agro(ブラジル)製のSimbiose-Maiz(登録商標)中;Plant Soil 331, 413-425, 2010)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株AP-188 (NRRL B-50615及びB-50331;US 8,445,255);日本の菊川市の空気中から単離されたB.アミロリケファシエンス属種プランタルム(B. amyloliquefaciens spp. plantarum)D747 (US 20130236522 A1;FERM BP-8234;例えば、Certis LLC(米国)製のDouble Nickel(商標)55 WDG)、ドイツのブランデンブルグ州の土壌から単離されたB.アミロリケファシエンス属種プランタルムFZB24 (SB3615;DSM 96-2とも呼ばれる;J. Plant Dis. Prot. 105, 181-197, 1998;例えば、Novozyme Biologicals, Inc.(米国)製のTaegro(登録商標))、ドイツのブランデンブルグ州の土壌から単離されたB.アミロリケファシエンス亜種プランタルム(B. amyloliquefaciens ssp. plantarum)FZB42 (DSM 23117;J. Plant Dis. Prot. 105, 181-197, 1998;例えば、AbiTEP GmbH(ドイツ)製のRhizoVital(登録商標)42)、英国ノッティンガムシャー州サットン・ボニントンのソラマメから少なくとも1988年より前に単離されたB.アミロリケファシエンス亜種プランタルムMBI600 (1430;NRRL B-50595とも呼ばれる;US 2012/0149571 A1;例えば、BASF Corp.(米国)製のIntegral(登録商標))、米国カリフォルニア州で1995年にモモ果樹園から単離されたB.アミロリケファシエンス属種プランタルムQST-713(NRRL B-21661;例えば、Bayer Crop Science LP(米国)製のSerenade(登録商標)MAX)、米国サウスダコタ州で1992年に単離されたB.アミロリケファシエンス属種プランタルムTJ1000 (1BE;ATCC BAA-390とも呼ばれる;CA 2471555 A1;例えば、TJ Technologies(米国サウスダコタ州ウォータータウン)製のQuickRoots(商標))、B.フィルムス(B. firmus) CNCM I-1582、イスラエルの中央平原地帯の土壌から単離された親株EIP-N1(CNCM I-1556)の変異株(WO 2009/126473、US 6,406,690;例えばBayer CropScience LP(米国)製のVotivo(登録商標))、メキシコにおいてリンゴの木の根圏から単離されたB.プミルスGHA 180(IDAC 260707-01;例えば、Premier Horticulture(カナダ、ケベック州)製のPRO-MIX(登録商標)BX)、エルウィニア・トラケイフィラ(Erwinia tracheiphila)に侵襲されたキュウリから少なくとも1993年より前に単離されたB.プミルスINR-7(別名BU-F22及びBU-F33と呼ばれる)(NRRL B-50185、NRRL B-50153;US 8,445,255)、南アフリカの牧草の根圏から少なくとも2008年より前に単離されたB.プミルスKFP9F (NRRL B-50754;WO 2014/029697;例えばBASF Agricultural Specialities(Pty) Ltd.(南アフリカ)製のBAC-UP又はFUSION-P)、B.プミルスQST 2808は、ミクロネシア連邦ポンペイ州において1998年に採取された土壌から単離された(NRRL B-30087;例えば、Bayer Crop Science LP(米国)製のSonata(登録商標)又はBallad(登録商標)Plus)、B.シンプレクスABU 288 (NRRL B-50304;US 8,445,255)、北米においてレッドビート(red beet)の根から単離されたB.サブチリスFB17 (UD 1022又はUD10-22とも呼ばれる)(ATCC PTA-11857;System. Appl. Microbiol. 27, 372-379, 2004;US 2010/0260735;WO 2011/109395);1987年に米国ウィスコンシン州エフライムの芝生から採取された土壌から単離されたB.チューリンゲンシス亜種アイザワイABTS-1857 (ABG-6346;ATCC SD-1372とも呼ばれる;例えば、BioFa AG(ドイツ、ミュンジンゲン)製のXenTari(登録商標))、米国テキサス州ブラウンズビルにおいて罹患したワタアカミムシガの黒色幼虫から1967年に単離されたHD-1と同一のB.t.亜種クルスタキーABTS-351(ATCC SD-1275;例えば、Valent BioSciences(米国イリノイ州)製のDipel(登録商標)DF)、E. サッカリナ(E. saccharina)の幼虫の死骸から単離されたB.t.亜種クルスタキーSB4 (NRRL B-50753;例えばBASF Agricultural Specialities(Pty) Ltd.(南アフリカ)製のBeta Pro(登録商標))、B.t.亜種テネブリオニス(B. t. ssp. tenebrionis)NB-176-1、甲虫のテネブリオ・モリトール(Tenebrio molitor)の死亡した蛹から1982年に単離された野生型株であるNB-125株の変異株(DSM 5480;EP 585 215 B1;例えば、Valent BioSciences(スイス)製のNovodor(登録商標))、ボーベリア・バシアーナGHA (ATCC 74250;例えば、Laverlam Int. Corp.(米国)製のBotaniGard(登録商標)22WGP)、B.バシアーナ(B. bassiana)JW-1 (ATCC 74040;例えば、CBC(Europe)S.r.l.(イタリア)製のNaturalis(登録商標))、カメノコハムシであるコンキロクテニア・プンクタータ(Conchyloctenia punctata)の幼虫から単離されたB.バシアーナPPRI 5339 (NRRL 50757;例えばBASF Agricultural Specialities(Pty) Ltd.(南アフリカ)製のBroadBand(登録商標))、ブラジルのリオデジャネイロで単離されたブラディリゾビウム・エルカニ(Bradyrhizobium elkanii)株SEMIA 5019(29Wとも呼ばれる)、及びリオグランデ・ド・スル州において以前に北米単離株が播種された地域から1967年に単離され、1968年から市販の接種材料中で使用されているSEMIA 587 (Appl. Environ. Microbiol. 73(8), 2635, 2007;例えば、BASF Agricultural Specialties Ltd.(ブラジル)製のGELFIX 5)、米国においてウィスコンシン州の畑から単離されたB. ジャポニクム532c (Nitragin 61A152;Can. J. Plant. Sci. 70, 661-666, 1990;例えば、BASF Agricultural Specialties Ltd.(カナダ)製のRhizoflo(登録商標)、Histick(登録商標)、Hicoat(登録商標)Super中)、USDA138株のB. ジャポニクムE-109変異株(INTA E109、SEMIA 5085;Eur. J. Soil Biol. 45, 28-35, 2009;Biol. Fertil. Soils 47, 81-89, 2011);SEMIAに寄託され、Appl. Environ. Microbiol. 73(8), 2635, 2007から公知のB. ジャポニクム株:ブラジルのセラドス地方の土壌からEmbrapa-Cerradosにより単離され、1992年から市販の接種材料中で使用されているSEMIA 5079 (CPAC 15;例えば、BASF Agricultural Specialties Ltd.(ブラジル)製のGELFIX 5又はADHERE 60)、ブラジルにおいてEmbrapa-Cerradosにより実験室条件下で取得され、1992年から市販の接種材料中で使用されている、米国において元来単離されたSEMIA 586 (CB1809)の天然変異株であるB. ジャポニクムSEMIA 5080(CPAC 7;例えば、BASF Agricultural Specialties Ltd.(ブラジル)製のGELFIX 5又はADHERE 60)、2008年に日本の日光市の土壌から単離されたバークホルデリア種A396 (NRRL B-50319;WO 2013/032693;Marrone Bio Innovations, Inc.(米国))、ナタネから単離されたコニオチリウム・ミニタンスCON/M/91-08 (WO 1996/021358;DSM 9660;例えば、Bayer CropScience AG(ドイツ)製のContans(登録商標)WG、Intercept(登録商標)WG)、ハルピン(アルファ-ベータ)タンパク質(Science 257, 85-88, 1992;例えば、Plant Health Care plc(英国)製のMessenger(商標)又はHARP-N-Tek)、ヘリコベルパ・アルミゲラ核多角体病ウイルス(HearNPV)(J. Invertebrate Pathol. 107, 112-126, 2011;例えば、Adermatt Biocontrol(スイス)製のHelicovex(登録商標);Koppert(ブラジル)製のDiplomata(登録商標);AgBiTech Pty Ltd.(オーストラリア、クイーンズランド州)製のVivus(登録商標)Max)、ヘリコベルパ・ゼア単一カプシド核多角体病ウイルス(HzSNPV)(例えば、Certis LLC(米国)製のGemstar(登録商標))、ヘリコベルパ・ゼア核多角体病ウイルスABA-NPV-U (例えば、AgBiTech Pty Ltd.(オーストラリア、クイーンズランド州)製のHeligen(登録商標))、ヘテロラブディティス・バクテリオフォラ(Heterorhabditis bacteriophora)(例えば、BASF Agricultural Specialities Limited(英国)製のNemasys(登録商標)G)、米国のフロリダ州アポプカにおいてギヌラ(gynura)上のコナカイガラムシ(mealy bug)から単離されたイサリア・フモソロセア(Isaria fumosorosea)Apopka-97 (ATCC 20874;Biocontrol Science Technol. 22(7)、747-761, 2012;例えば、Certis LLC(米国)製のPFR-97(商標)又はPreFeRal(登録商標))、オーストリアにおいてコドリンガから単離されたメタリジウム・アニソプリエ変種アニソプリエ(Metarhizium anisopliae var. anisopliae)F52 (275又はV275とも呼ばれる)(DSM 3884、ATCC 90448;例えば、Novozymes Biologicals BioAg Group(カナダ)製のMet52(登録商標))、イスラエルの中央部のブドウから単離されたメチニコウィア・フルクチコラ277 (US 6,994,849;NRRL Y-30752;例えば、
以前のAgrogreen(イスラエル)製のShemer(登録商標))、フィリピンにおいて感染した線虫の卵から単離されたペシロマイセス・イラシヌス(Paecilomyces ilacinus)251 (AGAL 89/030550;WO 1991/02051;Crop Protection 27, 352-361, 2008;例えば、Bayer CropScience AG(ドイツ)製のBioAct(登録商標)及びCertis(米国)製のMeloCon(登録商標))、南アフリカの牧草の根圏から少なくとも2008年より前に単離されたパエニバチルス・アルベイNAS6G6 (WO 2014/029697;NRRL B-50755;例えばBASF Agricultural Specialities(Pty) Ltd.(南アフリカ)製のBAC-UP)、ドイツを含むヨーロッパの様々な土地で得られた土壌サンプルから単離されたパエニバチルス(Paenibacillus)株:P. エピフィティクス(P. epiphyticus)Lu17015(WO 2016/020371;DSM 26971)、P. ポリミクサ亜種プランタルム(P. polymyxa ssp. plantarum)Lu16774(WO 2016/020371;DSM 26969)、P. p. 亜種プランタルム(P. p. ssp. plantarum)株Lu17007(WO 2016/020371;DSM 26970);米国のイリノイ州において2000年代半ばにダイズ畑から単離されたパスツリア・ニシザワ(Pasteuria nishizawae)Pn1 (ATCC SD-5833;Federal Register 76(22)、5808, 2011年2月2日;例えば、Syngenta Crop Protection, LLC(米国)製のClariva(商標)PN)、カナダのアルバータ州の土壌から元来単離されたペニシリウム・ビライアエ(P. ビライ(P. bilaii)とも呼ばれる)株ATCC 18309(=ATCC 74319)、ATCC 20851及び/又はATCC 22348(=ATCC 74318)(Fertilizer Res. 39, 97-103, 1994;Can. J. Plant Sci. 78(1), 91-102, 1998;US 5,026,417、WO 1995/017806;例えば、Novozymes Biologicals BioAg Group(カナダ)製のJump Start(登録商標)、Provide(登録商標))、レイノウトリア・サッカリネンシス抽出物(EP 0307510 B1;例えば、Marrone BioInnovations(米国カリフォルニア州デービス)製のRegalia(登録商標)SC、又はBioFa AG(ドイツ)製のMilsana(登録商標))、ステイネルネマ・カルポカプサエ(例えば、BASF Agricultural Specialities Limited(英国)製のMillenium(登録商標))、S.フェルティアエ(例えば、BioWorks, Inc.(米国)製のNemashield(登録商標);BASF Agricultural Specialities Limited(英国)製のNemasys(登録商標))、ストレプトマイセス・ミクロフラバス(Streptomyces microflavus) NRRL B-50550 (WO 2014/124369;Bayer CropScience(ドイツ))、南アフリカにおいて単離されたトリコデルマ・アスペレロイデス JM41R (NRRL 50759;T.フェルティレ(T. fertile)とも呼ばれる;例えば、BASF Agricultural Specialities(Pty) Ltd.(南アフリカ)製のTrichoplus(登録商標))、T.ハルジアナム T-22(KRL-AG2とも呼ばれる)(ATCC 20847;BioControl 57, 687-696, 2012;例えば、BioWorks Inc.(米国)製のPlantshield(登録商標)、又はAdvanced Biological Marketing Inc.(米国オハイオ州ヴァンワート)製のSabrEx(商標))。
【0483】
本発明の混合物の一実施形態によれば、少なくとも1種の殺有害生物剤IIは、グループL1)~L6)から選択される:
L1) 殺真菌活性、殺細菌活性、殺ウイルス活性及び/又は植物防御活性化剤活性を有する微生物殺有害生物剤:アウレオバシジウム・プルランスDSM 14940及びDSM 14941(L1.1)、バチルス・アミロリケファシエンスAP-188(L.1.2)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムD747(L.1.3)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムFZB24(L.1.4)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムFZB42(L.1.5)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムMBI600(L.1.6)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムQST-713(L.1.7)、B.アミロリケファシエンス亜種プランタルムTJ1000(L.1.8)、B.プミルスGB34(L.1.9)、B.プミルスGHA 180(L.1.10)、B.プミルスINR-7(L.1.11)、B.プミルスQST 2808(L.1.13)、B.シンプレクスABU 288(L.1.14)、B.サブチリスFB17(L.1.15)、コニオチリウム・ミニタンスCON/M/91-08(L.1.16)、メチニコウィア・フルクチコラNRRL Y-30752(L.1.17)、ペニシリウム・ビライアエATCC 22348(L.1.19)、P. ビライアエ(P. bilaiae)ATCC 20851(L.1.20)、ペニシリウム・ビライアエATCC 18309(L.1.21)、ストレプトマイセス・ミクロフラバスNRRL B-50550(L.1.22)、T.ハルジアナムT-22(L.1.24);
L2) 殺真菌活性、殺細菌活性、殺ウイルス活性及び/又は植物防御活性化剤活性を有する生化学殺有害生物剤:ハルピンタンパク質(L.2.1)、レイノウトリア・サッカリネンシス抽出物(L.2.2);
L3) 殺虫活性、殺ダニ活性、殺軟体動物活性及び/又は殺線虫活性を有する微生物殺有害生物剤:バチルス・フィルムスI-1582(L.3.1);B.チューリンゲンシス亜種アイザワイABTS-1857(L.3.2)、B.t.亜種クルスタキーABTS-351(L.3.3)、B. t.亜種テネブリオニス(B. t. ssp. tenebrionis)NB-176-1(L.3.5)、ボーベリア・バシアーナGHA(L.3.6)、B.バシアーナJW-1(L.3.7)、バークホルデリア種A396(L.3.9)、ヘリコベルパ・アルミゲラ核多角体病ウイルス(HearNPV)(L.3.10)、ヘリコベルパ・ゼア核多角体病ウイルス(HzNPV)ABA-NPV-U(L.3.11)、ヘリコベルパ・ゼア単一カプシド核多角体病ウイルス(HzSNPV)(L.3.12)、ヘテロハブディティス・バクテリオフォラ(Heterohabditis bacteriophora)(L.3.13)、イサリア・フモソロセアApopka-97(L.3.14)、メタリジウム・アニソプリエ変種アニソプリエF52(L.3.15)、パエシロマイセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)251(L.3.16)、パスツリア・ニシザワPn1(L.3.17)、ステイネルネマ・カルポカプサエ(L.3.18)、S.フェルティアエ(L.3.19);
L4) 殺虫活性、殺ダニ活性、殺軟体動物活性、フェロモン活性及び/又は殺線虫活性を有する生化学殺有害生物剤:cis-ジャスモン(L.4.1)、ジャスモン酸メチル(L.4.2)、キラヤ抽出物(L.4.3);
L5) 植物ストレス低減活性、植物生育調節剤活性、植物生育促進活性及び/又は収量増大活性を有する微生物殺有害生物剤。
【0484】
さらなる態様において、本発明は、少なくとも1種の肥料;及び少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤;又は少なくとも1種の肥料と上記の組成物を含む農薬混合物に関する。
【0485】
本発明の用語において、「農薬混合物」は、少なくとも2種の化合物の組み合わせを意味する。しかし、この用語は、少なくとも2種の化合物を含む物理的混合物に限定されるものではなく、その使用が時間及び/又は場所に関連し得る少なくとも1種の化合物及び少なくとも1種のさらなる化合物の任意の調製形態を指す。
【0486】
本農薬混合物は、例えば、別々に製剤化されるが、経時的関係で(すなわち同時に又は連続的に)施用することも可能であり、後続の施用は、化合物の複合作用を可能とする時間間隔を有する。
【0487】
さらに、本発明による農薬混合物の個々の化合物(例えばキットの一部又は二成分混合物の一部)を、使用者自身が好適な混合装置中で混合してもよい。具体的実施形態において、適切であればさらなる助剤を添加してもよい。
【0488】
用語「肥料」は、植物及び果実の生育を促進するために施用される化学化合物として理解されたい。肥料は、典型的には、土壌を介して(植物の根による取込みのため)、土壌置換成分を介して(同様に植物の根による取込みのため)、又は葉面摂取によって(葉を介する取込みのため)施用される。この用語はまた、以下に記載される1種以上の異なるタイプの肥料の混合物も包含する。
【0489】
用語「肥料」は、幾つかのカテゴリー、例えば:a) 有機肥料(腐敗した植物質/動物質で構成される)、b) 無機肥料(化学品及び無機物で構成される)並びにc) 尿素含有肥料などに細分類することができる。
【0490】
有機肥料としては、堆肥、例えば液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥又は藁堆肥、スラリー、ミミズ糞、泥炭、海藻、コンポスト、下水、及びグアノなどが挙げられる。また緑肥作物も、栄養素(特に窒素)を土壌に添加するために定期的に生育される。製造される有機肥料としては、コンポスト、血粉、骨粉、及び海藻抽出物などが挙げられる。さらなる例は、酵素消化タンパク質、魚粉、及び羽毛粉である。前年からの分解作物残渣は、別の肥沃源である。さらに、リン鉱石、硫酸カリ、及び石灰石などの天然鉱物も無機肥料とみなされる。
【0491】
無機肥料は、通常、化学プロセス(例えばHaberプロセス)を介して、天然堆積物も化学変化させながら用いて製造される(例えば、濃縮三重過リン酸塩)。天然無機肥料としては、チリ硝石、リン鉱石、石灰石、及び原料カリ肥料などが挙げられる。
【0492】
具体的実施形態において、無機肥料はNPK肥料であり得る。「NPK肥料」は、三大栄養素の窒素(N)、リン(P)、及びカリウム(K)並びに典型的にはS、Mg、Ca、及び微量元素を含む、適切な濃度及び組合せで製剤化された無機肥料である。
【0493】
具体的実施形態において、尿素含有肥料は、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウムであり得る。同様に想定されるのは肥料としての尿素の使用である。尿素含有肥料又は尿素が使用又は提供される場合、本明細書中上記に定義されるウレアーゼ阻害剤を添加し得るか若しくは付加的に存在し得るか、又は同時に使用し得るか若しくは尿素含有肥料と関連して使用し得ることが特に好ましい。
【0494】
肥料は、例えば、固体のコーティング粒剤若しくは非コーティング粒剤として、液体形態又は半液体形態で、噴霧可能な肥料として、又は滴下施肥法を介して等、任意の好適な形態で提供することができる。
【0495】
コーティング肥料は、広範囲の物質と共に提供することができる。コーティングは、例えば、粒状若しくはプリル化(prilled)窒素(N)肥料、又は多栄養素肥料に適用することができる。典型的には、尿素は、大半のコーティング肥料の基剤物質として使用される。あるいは、アンモニウム又はNPK肥料は、コーティング肥料の基剤物質として使用される。しかし、本発明はまた、コーティング肥料のための他の基剤物質(本明細書で定義される肥料物質のいずれか1つ)の使用も想定する。特定の実施形態において、元素硫黄を肥料コーティングとして使用することができる。コーティングは、溶融Sを尿素粒剤上に噴霧し、その後シーラントワックスをコーティング中の閉塞亀裂に適用することによって行うことができる。さらなる実施形態において、S層を有機ポリマーの層(好ましくは有機ポリマーの薄層)で被覆することができる。
【0496】
さらなる想定されるコーティング肥料は、樹脂ベースのポリマーを肥料粒剤の表面に反応させることによって提供することができる。コーティング肥料の提供のさらなる例としては、高浸透性コーティングと組み合わせた低浸透性ポリエチレンポリマーの使用が挙げられる。
【0497】
具体的実施形態において、肥料コーティングの組成及び/又は厚さを、例えば、特定の施用について栄養素放出速度を制御するために調整することができる。特定の肥料からの栄養素放出の期間は、例えば、数週間~数か月まで変動し得る。コーティング肥料との混合物中の硝化阻害剤の存在は、それに合わせて適合させることができる。特に、栄養素放出が、本発明による硝化阻害剤の放出を包含するか又はそれを伴うことが想定される。
【0498】
コーティング肥料は、制御放出肥料(CRF)として提供することができる。具体的実施形態において、これらの制御放出肥料は、均一で、且つ典型的には所定の放出寿命を示す、完全にコーティングされた尿素又はN-P-K肥料である。さらなる実施形態において、CRFは、コーティング成分、非コーティング成分及び/又は徐放性成分を含み得るブレンドされた制御放出肥料製品として提供され得る。特定の実施形態において、これらのコーティング肥料は、微量栄養素をさらに含み得る。具体的実施形態において、これらの肥料は、所定の寿命を示し得る(例えばN-P-K肥料の場合)。
【0499】
CRFのさらに想定される例として、パターン放出肥料が挙げられる。これらの肥料は、典型的には、所定の放出パターン(例えば、高/標準/低)及び所定の寿命を示す。例示的実施形態において、完全コーティングされたN-P-K、Mg及び微量栄養素を、パターン放出様式で送達することができる。
【0500】
同様に想定されるのは、プログラム放出をベースとした二重コーティング法又はコーティング肥料である。
【0501】
さらなる実施形態において、肥料混合物は、徐放性肥料として提供されてもよく、又は徐放性肥料を含むか若しくは含有していてもよい。肥料は、例えば、任意の好適な期間にわたって(例えば、1~5ヶ月間の期間にわたって)、好ましくは3ヶ月間まで放出され得る。徐放性肥料の成分の典型例は、例えば、約31~32%の窒素(そのうち90%は非水溶性である)を含むIBDU(イソブチリデン二尿素);又はUF、すなわち約38%の窒素(そのうち約70%は非水溶性窒素として提供され得る)を含む尿素-ホルムアルデヒド製品;又は約32%の窒素を含むCDU(クロトニリデン二尿素);又は約38~40%の窒素(そのうち25~60%は典型的には低温非水溶性窒素である)を含むMU(メチレン尿素);又は約40%の窒素(そのうち25%未満が低温非水溶性窒素である)を含むMDU(メチレン二尿素);又は典型的には溶液中で使用し得る約30%の窒素を含むMO(メチロール尿素);又は約40%の窒素(そのうち25%未満が低温非水溶性窒素である)を含むDMTU(二メチレン三尿素);又はUF製品の成分として提供され得るTMTU(三メチレン四尿素);又は同様にUF製品の成分として提供され得るTMPU(三メチレン五尿素);又は典型的には約28%の窒素を含むUT(尿素トリアゾン溶液)である。肥料混合物は、アセチレン二尿素と、メチレン尿素、イソブチリデン二尿素、クロトニリデン二尿素、置換トリアゾン、トリウレット又はそれらの混合物から選択される少なくとも1種の他の有機窒素保有肥料との混合物を含む長期窒素保有肥料であってもよい。
【0502】
任意の上記の肥料又は肥料形態を好適に組み合わせてもよい。例えば、徐放性肥料をコーティング肥料として提供してもよい。これらは、他の肥料又は肥料タイプと組み合わせることもできる。同じことは本発明による硝化阻害剤の存在に当てはまり、この硝化阻害剤を肥料の形態及び化学的性質に適合させて、結果的に硝化阻害剤の放出が肥料の放出を伴う(例えば、肥料が同時に又は同じ頻度で放出される)ように提供することができる。本発明はさらに、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤と組み合わせた、またさらに本明細書中上記に定義されるウレアーゼ阻害剤と組み合わせた、本明細書中上記に定義される肥料又は肥料形態を想定する。このような組み合わせは、コーティング形態若しくは非コーティング形態として及び/又は徐放形態若しくは速放形態として提供することができる。好ましいのは、コーティングを含む徐放性肥料との組み合わせである。さらなる実施形態において、異なる放出スキーム(例えば徐放性放出又は速放性放出)も想定される。
【0503】
本明細書で使用される用語「滴下施肥」は、植物、又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所、あるいは本明細書中以下に定義される土壌置換成分への、灌漑システムを通じた、肥料(場合により土壌改良剤、及び場合により他の水溶性製品)の水と一緒の施用を指す。例えば、液体肥料又は溶解肥料は、滴下施肥法を介して、植物又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に直接提供することができる。同様に、本発明による硝化阻害剤、又は付加的な硝化阻害剤と組み合わせた本発明による硝化阻害剤は、滴下施肥法を介して、植物又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に提供することができる。本発明による肥料及び硝化阻害剤、又は付加的な硝化阻害剤と組み合わせた本発明による肥料及び硝化阻害剤は、例えば、灌漑される同じ電荷又は負荷の物質(典型的には水)に溶解させて一緒に提供することができる。さらなる実施形態において、肥料及び硝化阻害剤は、異なる時点で提供されてもよい。例えば、最初に肥料を滴下施肥し、その後硝化阻害剤を滴下施肥してもよいし、又は好ましくは、最初に硝化阻害剤を滴下施肥し、その後肥料を滴下施肥してもよい。これらの活動の時間間隔は、肥料及び硝化阻害剤の施用について本明細書中上記に概略される時間間隔に従う。同様に想定されるのは、本発明による肥料及び硝化阻害剤の、一緒の又は断続的な(例えば、2時間毎、6時間毎、12時間毎、24時間毎、2日間毎、3日間毎、4日間毎、5日間毎、6日間毎又はそれ以上毎の)反復滴下施肥である。
【0504】
特に好ましい実施形態において、肥料は、アンモニウム含有肥料である。
【0505】
本発明による農薬混合物は、1種の本明細書中上記に定義される肥料及び1種の本明細書中上記に定義される式Iの硝化阻害剤を含み得る。さらなる実施形態において、本発明による農薬混合物は、少なくとも1種の又は2種以上の本明細書中上記に定義される肥料、例えば、2、3、4、5、6、6、7、8、9、10種又はそれ以上の異なる肥料(例えば、無機、有機及び尿素含有肥料など)と、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される式Iの硝化阻害剤、好ましくは1種の表1から選択される式Iの硝化阻害剤とを含み得る。
【0506】
別の実施形態の群において、本発明による農薬混合物は、少なくとも1種の又は2種以上の本明細書中上記に定義される式Iの硝化阻害剤、好ましくは2種以上の表1から選択される式Iの硝化阻害剤(例えば、本明細書中上記に定義されるか又は表1に示される、2、3、4、5、6、6、7、8、9、10種又はそれ以上の異なる硝化阻害剤)と、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される肥料とを含み得る。
【0507】
用語「少なくとも1種」は、1、2、3種又はそれ以上の、本明細書中上記に定義される肥料(化合物Aとも呼ばれる)、及び本明細書中上記に定義される式Iの硝化阻害剤(化合物Bとも呼ばれる)からなる群から選択される各化合物として理解される。
【0508】
少なくとも1種の肥料及び少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤に加えて、農薬混合物は、さらなる成分、化合物、活性化合物又は組成物等を含み得る。例えば、本農薬混合物は、担体(例えば、好ましくは本明細書で定義される農薬担体)を付加的に含んでいてもよいし、又は担体で構成されていてもよいし、あるいは担体をベースとしていてもよい。さらなる実施形態において、本農薬混合物は、少なくとも1種の殺有害生物化合物をさらに含み得る。例えば、本農薬混合物は、少なくとも1種の除草化合物及び/又は少なくとも1種の殺菌化合物及び/又は少なくとも1種の殺虫化合物を付加的に含み得る。
【0509】
さらなる実施形態において、本農薬混合物は、上記に示される成分に加えて、特に式Iの化合物の硝化阻害剤及び肥料に加えて、代替的又は付加的な硝化阻害剤、例えば、リノール酸、アルファ-リノレン酸、メチルp-クマレート、メチルフェルレート、MHPP、カランジン、ブラキアラクトン、p-ベンゾキノンソルゴレオン、ニトラピリン、ジシアンジアミド(DCD)、3,4-ジメチルピラゾールリン酸塩(DMPP)、4-アミノ-1,2,4-トリアゾール塩酸塩(ATC)、1-アミド-2-チオ尿素(ASU)、2-アミノ-4-クロロ-6-メチルピリミジン(AM)、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,4-チオジアゾール(テラゾール)、チオ硫酸アンモニウム(ATU)、3-メチルピラゾール(3-MP)、3,5-ジメチルピラゾール(DMP)、1,2,4-トリアゾール並びにチオ尿素(TU)及び/又はスルファチアゾール(sulfathiazole)(ST)、N-(1H-ピラゾリル-メチル)アセトアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチル)アセトアミド)、及び/又はN-(1H-ピラゾリル-メチル)ホルムアミド(例えばN-((3(5)-メチル-1H-ピラゾール-1-イル)メチルホルムアミド)、N-(4-クロロ-3(5)-メチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミド、又はN-(3(5),4-ジメチル-ピラゾール-1-イルメチル)-ホルムアミドなどをさらに含み得る。
【0510】
さらに、本発明は、土壌上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体、あるいは前記硝化阻害剤を含む組成物で)処理するステップを含む、硝化を低下させる方法に関する。
【0511】
用語「植物」は、経済的に重要な植物及び/又は人が育てた(men-grown)植物として理解される。特定の実施形態において、上記用語は、経済的重要性を有さないか、又は顕著な経済的重要性は有さない植物としても理解され得る。植物は、好ましくは、農業植物、林業植物及び園芸植物(観賞植物を含む)から選択される。この用語はまた、遺伝子改変植物にも関する。
【0512】
本明細書で使用される用語「植物」は、発芽種子、出芽実生、植物栄養繁殖体、草性植生などの植物の全ての部分、並びに全ての地下部分(例えば根)及び地上部分を含む確立された木性植物をさらに包含する。
【0513】
硝化を低下させる方法の文脈の範囲内で、植物が土壌上で生育することが想定される。具体的実施形態において、植物は様々に、例えば合成実験室環境において、又は土壌置換成分上で、あるいは人工的若しくは技術的手段によって栄養素、水等を添加して生育し得る。このようなシナリオにおいて、本発明は、栄養素、水等が植物に提供される領域又は区域の処理を想定する。同様に、植物が、温室又は類似の屋内施設中で生育することも想定される。
【0514】
用語「場所」は、植物が生育しているか又は生育することが意図される任意の種類の環境、土壌、土壌置換成分、区域又は物質として理解される。好ましくは、上記用語は、植物が生育している土壌若しくは土壌置換成分に関する。
【0515】
一実施形態において、本発明の方法により処理される植物は、農業植物である。「農業植物」とは、その一部(例えば種子)若しくは全部が商業規模で収穫若しくは栽培される植物、又は飼料、食物、繊維(例えば、ワタ、亜麻)、燃料(例えば、木材、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオマス)、若しくは他の化学化合物の重要な供給源としての役割を果たす植物のことである。好ましい農業植物は、例えば、穀物(例えば、コムギ、ライムギ、オオムギ、ライコムギ、オートムギ、トウモロコシ、ソルガム、又はイネ)、ビート(例えば、サトウダイコン又は飼料ビート);果実、例えば仁果類、核果類、又は軟果類(例えば、リンゴ、セイヨウナシ、プラム、モモ、アーモンド、サクランボ、イチゴ、ラズベリー、ブラックベリー、又はグーズベリー);マメ科植物(例えば、レンズマメ、エンドウマメ、アルファルファ又はダイズ);油料植物(例えば、アブラナ、セイヨウアブラナ、カノーラ、アマニ、カラシナ、オリーブ、ヒマワリ、ココナツ、カカオ豆、トウゴマ、アブラヤシ、ラッカセイ、又はダイズ);ウリ科植物(例えば、カボチャ、キュウリ、又はメロン);繊維植物(例えば、ワタ、アマ、アサ、又はジュート);柑橘類(例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、又はマンダリン);野菜(例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、キャベツ、ニンジン、タマネギ、トマト、ジャガイモ、ウリ又はパプリカ);クスノキ科植物(例えば、アボカド、シナモン、又はカンファー);エネルギー植物及び原料植物(例えば、トウモロコシ、ダイズ、アブラナ、カノーラ、サトウキビ、又はアブラヤシ);タバコ;堅果類;コーヒー;チャ;バナナ;蔓植物(生食用ブドウ及びブドウ果汁用ブドウ);ホップ;芝生;天然ゴム植物である。
【0516】
さらなる実施形態において、本発明の方法により処理される植物は園芸植物である。用語「園芸植物」は、園芸(例えば、観賞植物、野菜、及び/又は果実の栽培)において一般的に使用される植物として理解される。観賞植物の例は、芝生、ゼラニウム、ペラルゴニウム、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアである。野菜の例は、ジャガイモ、トマト、コショウ、ウリ、キュウリ、メロン、スイカ、ニンニク、タマネギ、ニンジン、キャベツ、マメ、エンドウマメ及びレタス、より好ましくは、トマト、タマネギ、エンドウマメ及びレタスである。果実の例は、リンゴ、セイヨウナシ、サクランボ、イチゴ、柑橘類、モモ、アンズ、及びブルーベリーである。
【0517】
さらなる実施形態において、本発明の方法により処理される植物は、観賞植物である。「観賞植物」とは、ガーデニングにおいて、例えば、公園、庭、及びバルコニーで一般に使用される植物のことである。例には、芝生、ゼラニウム、ペラルゴニウム、ペチュニア、ベゴニア、及びフクシアがある。
【0518】
本発明の別の実施形態において、本発明の方法により処理される植物は、林業植物である。用語「林業植物」は、樹木、より具体的には、再植林又は産業的プランテーションにおいて使用される樹木として理解される。産業的プランテーションは、一般的に、木材、パルプ、紙、ゴムノキ、クリスマスツリー、又はガーデニング目的のための幼木などの林産物の商業生産に役立つ。林業植物の例は、針葉樹(例えば、マツ、特にマツ属(Pinus)の種、モミ及びトウヒ)、ユーカリ属(eucalyptus)、熱帯樹木(例えば、チーク、ゴムノキ、アブラヤシ、ヤナギ(ヤナギ属(Salix))、特にヤナギ属(Salix)の種、ポプラ(ヒロハハコヤナギ)、特にハコヤナギ属(Populus)の種、ブナ、特にブナ属(Fagus)の種、カバ、アブラヤシ、及びオークである。
【0519】
用語「植物繁殖材料」は、種子及び栄養植物材料(例えば、植物の繁殖に使用し得る挿木及び塊茎(例えば、ジャガイモ))などの植物の全ての生殖部分を表すと理解される。これは、種子、穀粒、根、果実、塊茎、鱗茎、根茎、挿木、胞子、側枝、苗条、新芽、及び植物の他の部分(発芽後又は土壌からの出芽後に移植される実生及び幼植物を含む)、分裂組織、単一の及び複数の植物細胞、並びに完全な植物体が得られる任意の他の植物組織を包含する。
【0520】
用語「遺伝子改変植物」は、その遺伝物質が、組換えDNA技術の使用により、自然環境下では交雑育種、突然変異、又は自然組換えによっては容易に得られないような方法で改変されている植物として理解される。典型的には、植物の特定の特性を改善するために、遺伝子改変植物の遺伝物質に1つ以上の遺伝子が組み込まれている。このような遺伝子改変としては、限定するものではないが、例えば、グリコシル化又はポリマー付加(例えばプレニル化、アセチル化又はファルネシル化部分若しくはPEG部分)による、タンパク質(1つ又は複数)、オリゴペプチド又はポリペプチドの標的化翻訳後修飾も挙げられる。
【0521】
育種、突然変異誘発又は遺伝子操作によって改変されている植物は、例えば、従来の育種法又は遺伝子操作法の結果として、オーキシン系除草剤(例えばジカンバ又は2,4-D);白化除草剤(例えばヒドロキシフェニルピルベートジオキシゲナーゼ(HPPD)阻害剤又はフィトエンデサチュラーゼ(PDS)阻害剤);アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害剤(例えばスルホニル尿素又はイミダゾリノン);エノールピルビルシキメート-3-ホスフェートシンターゼ(EPSPS)阻害剤(例えばグリホサート);グルタミンシンテターゼ(GS)阻害剤(例えばグルホシネート);プロトポルフィリノーゲンIXオキシダーゼ阻害剤;脂質生合成阻害剤(例えばアセチルCoAカルボキシラーゼ(ACCase)阻害剤);又はオキシニル(すなわち、ブロモキシニル又はアイオキシニル)系除草剤などの特定のクラスの除草剤の施用に対して耐性にされている。さらに、植物は、多様な遺伝子改変を通して多数のクラスの除草剤に対して抵抗性にされており、例えばグリホサートとグルホシネートの両方に対する抵抗性、又はグリホサートと別のクラスに属する除草剤(例えばALS阻害剤、HPPD阻害剤、オーキシン系除草剤、又はACCase阻害剤)の両方に対する抵抗性がある。これらの除草剤抵抗性技術は、例えば、Pest Management Sci. 61, 2005年, 246;61, 2005年, 258;61, 2005年, 277;61, 2005年, 269;61, 2005年, 286;64, 2008年, 326;64, 2008年, 332;Weed Science 57, 2009年, 108;Austral. J. Agricult. Res. 58, 2007年, 708;Science 316, 2007年, 1185;及びこれらに引用されている参考文献に記載されている。幾つかの栽培植物は、従来の育種法(突然変異誘発法)によって除草剤に対して耐性にされており、例えば、Clearfield(登録商標)ナツセイヨウアブラナ(カノーラ(Canola)、BASF SE社、ドイツ)はイミダゾリノン系(例えばイマザモックス)に対して耐性であり、又はExpressSun(登録商標)ヒマワリ(DuPont社、米国)は、スルホニル尿素系(例えばトリベヌロン)に対して耐性である。遺伝子操作法を用いて、ダイズ、ワタ、トウモロコシ、ビート及びアブラナなどの栽培植物がグリホサート及びグルホシネートなどの除草剤に対して耐性にされており、その一部は、RoundupReady(登録商標)(グリホサート耐性、Monsanto社、米国)、Cultivance(登録商標)(イミダゾリノン耐性、BASF SE社、ドイツ)及びLibertyLink(登録商標)(グルホシネート耐性、Bayer CropScience社、ドイツ)の商品名で市販されている。
【0522】
さらに、組換えDNA技術の使用により、1種以上の殺虫タンパク質、とりわけバチルス(Bacillus)属細菌由来の(特にバチルス・スリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)由来の)公知の殺虫タンパク質、例えばデルタ-エンドトキシン(例えばCryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)又はCry9c);栄養殺虫タンパク質(VIP)(例えばVIP1、VIP2、VIP3又はVIP3A);線虫にコロニーを形成する細菌の殺虫タンパク質、例えば、フォトラブダス(Photorhabdus)属の種又はキセノラブダス(Xenorhabdus)属の種;動物によって産生される毒素(例えばサソリ毒素、クモ毒素、ハチ毒素、又は他の昆虫特異的神経毒素);真菌類によって産生される毒素(例えばストレプトミセテス(Streptomycete)毒素)、植物レクチン(例えばエンドウマメレクチン又はオオムギレクチン);凝集素;プロテイナーゼ阻害剤(例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン、シスタチン又はパパイン阻害剤);リボソーム不活性化タンパク質(RIP)(例えばリシン、トウモロコシRIP、アブリン、ルフィン、サポリン又はブリオジン);ステロイド代謝酵素(例えば3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤又はHMG-CoA-レダクターゼ);イオンチャネル遮断薬(例えばナトリウムチャネル又はカルシウムチャネルの遮断薬);幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモン受容体(ヘリコキニン受容体);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ又はグルカナーゼを合成することができる植物も包含される。本発明の文脈において、これらの殺虫タンパク質又は毒素は、前毒素、ハイブリッドタンパク質、短縮タンパク質あるいは改変タンパク質としても明確に理解される。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新たな組み合わせを特徴とする(例えばWO 02/015701を参照)。かかる毒素又はかかる毒素を合成し得る遺伝子改変植物のさらなる例は、例えば、EP-A 374 753、WO93/007278、WO 95/34
656、EP-A 427 529、EP-A 451 878、WO 03/18810及びWO 03/52073に開示されている。
【0523】
かかる遺伝子改変植物の生産方法は、当業者に一般的に公知であり、例えば上記の刊行物中に記載されている。遺伝子改変植物に含まれるこれらの殺虫タンパク質は、これらのタンパク質を生産する植物に、節足動物の全ての分類群に属する有害生物、特に甲虫(鞘翅目)、双翅類の昆虫(双翅目)、及び蛾(鱗翅目)並びに線虫(線形動物)に対する耐性を与える。1種以上の殺虫タンパク質を合成することができる遺伝子改変植物は、例えば上記の刊行物中に記載されており、その一部は、例えばYieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を産生するトウモロコシ品種)、YieldGard(登録商標)Plus(Cry1Ab及びCry3Bb1毒素を産生するトウモロコシ品種)、Starlink(登録商標)(Cry9c毒素を産生するトウモロコシ品種)、Herculex(登録商標)RW(Cry34Ab1、Cry35Ab1及び酵素ホスフィノスリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を産生するトウモロコシ品種);NuCOTN(登録商標)33B(Cry1Ac毒素を産生するワタ品種)、Bollgard(登録商標)I(Cry1Ac毒素を産生するワタ品種)、Bollgard(登録商標)II(Cry1Ac及びCry2Ab2毒素を産生するワタ品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を産生するワタ品種);NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を産生するジャガイモ品種);Syngenta seeds SAS社(フランス)のBt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Bt11(例えばAgrisure(登録商標)CB)及びBt176(Cry1Ab毒素及びPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)、Syngenta seeds SAS社(フランス)のMIR604(改変型のCry3A毒素を産生するトウモロコシ品種、WO 03/018810を参照)、Monsanto Europe S.A.社(ベルギー)のMON 863(Cry3Bb1毒素を産生するトウモロコシ品種)、Monsanto Europe S.A.社(ベルギー)のIPC 531(改変型のCry1Ac毒素を産生するワタ品種)並びにPioneer Overseas Corporation社(ベルギー)の1507(Cry1F毒素及びPAT酵素を産生するトウモロコシ品種)などのように市販されている。
【0524】
さらに、組換えDNA技術の使用により、細菌病原体、ウイルス病原体又は真菌病原体に対する植物の抵抗性又は耐性を高める1種以上のタンパク質を合成することができる植物も包含される。このようなタンパク質の例は、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRタンパク質、例えば、EP-A392225を参照)、植物病害抵抗性遺伝子(例えば、メキシコの野生ジャガイモであるソラヌム・ブルボカスタヌム(Solanum bulbocastanum)に由来する、フィトフトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する抵抗性遺伝子を発現するジャガイモ品種)、又はT4-リゾチーム(例えば、火傷病菌(Erwinia amylvora)などの細菌に対して高められた抵抗性を有するこれらのタンパク質を合成することができるジャガイモ品種)である。このような遺伝子改変植物を生産する方法は当業者に一般に公知であり、例えば、上記の刊行物に記載されている。
【0525】
さらに、組換えDNA技術の使用により、生産性(例えばバイオマス生産、穀物収量、デンプン含有量、油含有量又はタンパク質含有量)、干ばつ、塩分若しくは他の生育制限環境因子に対する耐性、又は有害生物及びこれらの植物の真菌病原体、細菌病原体若しくはウイルス病原体に対する耐性を高める1種以上のタンパク質を合成することができる植物も包含される。
【0526】
さらに、組換えDNA技術の使用により、特にヒト又は動物の栄養を改善するための改変量の含有物又は新たな含有物を含む植物、例えば、健康を促進する長鎖ω-3脂肪酸又は不飽和ω-9脂肪酸を産生する油料作物(例えば、Nexera(登録商標)アブラナ、DOW Agro Sciences社、カナダ)も包含される。
【0527】
さらに、組換えDNA技術の使用により、特に原料生産を高めるための改変量の含有物又は新たな含有物を含む植物、例えば、増加量のアミロペクチンを産生するジャガイモ(例えば、Amflora(登録商標)ジャガイモ、BASF SE社、ドイツ)も包含される。
【0528】
本明細書で使用される用語「土壌置換成分」は、植物を生育させることが可能であり、且つ通常の土壌成分は含まない基質を指す。この基質は、典型的には、不活性培地の機能を有し得る無機基質である。特定の実施形態において、この基質は、有機元素又は部分も含み得る。土壌置換成分は、例えば、ハイドロカルチャー(hydroculture)法又は水耕法(つまり、植物が無土壌培地及び/又は水生ベースの環境中で生育する)において使用することができる。本発明の文脈において使用し得る好適な土壌置換成分の例は、パーライト、砂利、バイオ炭、鉱物ウール、ヤシ殻、フィロシリケート(すなわち、典型的にはケイ酸塩四面体の平行シートと2:5の比のSi2O5によって形成される層状ケイ酸塩鉱物)、あるいは粘土凝集物、特に約10~40mmの直径を有する膨張粘土凝集物である。特に好ましいのは、バーミキュライト(すなわち、存在する1つの八面体シート毎に2つの四面体シートを有するフィロシリケート)の利用である。
【0529】
具体的実施形態において、土壌置換成分の使用を、本明細書で定義される滴下施肥法又は灌漑と組み合わせてもよい。
【0530】
具体的実施形態において、上記処理は、本明細書で定義される植物の全ての適切な生育段階中に行うことができる。例えば、上記処理は、BBCH主要生育段階中に行うことができる。
【0531】
用語「BBCH主要生育段階」は、全ての単子葉植物種及び双子葉植物種の生物季節学的に類似の生育段階の統一コード体系である拡張BBCHスケールを指し、このスケールにおいては、植物の全発達サイクルが、明らかに認識可能且つ区別可能な長期間持続する発達相に細分化されている。BBCHスケールは10進コード体系を使用し、この体系は主要生育段階と二次生育段階とに分けられる。略称BBCHは、連邦農林生物研究所(ドイツ)、連邦植物品種局(ドイツ)及び化学工業会に由来する。
【0532】
一実施形態において、本発明は、植物のGS00~GS>BBCH 99の生育段階(GS)で(例えば、秋のリンゴの収穫後に施肥する場合)、好ましくは上記植物のGS00~GS65 BBCHで、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体で))処理するステップを含む、硝化を低下させる方法に関する。
【0533】
一実施形態において、本発明は、植物のGS00~GS45、好ましくはGS00~GS40 BBCHの生育段階(GS)で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体で))処理するステップを含む、硝化を低下させる方法に関する。
【0534】
好ましい実施形態において、本発明は、植物の早期生育段階(GS)で、特にGS00~GS05、又はGS00~GS10、又はGS00~GS15、又はGS00~GS20、又はGS00~GS25又はGS00~GS33 BBCHで、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体で))処理するステップを含む、硝化を低下させる方法に関する。特に好ましい実施形態において、硝化を低下させる方法は、GS00を含む生育段階中に、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で処理するステップを含む。
【0535】
本発明のさらなる具体的実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)は、植物のGS00~GS55 BBCHの生育段階で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0536】
本発明のさらなる実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)は、植物のGS00~GS47 BBCHの生育段階で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0537】
本発明の一実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)は、植物の播種前及び播種時、出芽前、及び収穫まで(GS00~GS89 BBCH)、あるいはGS00~GS65 BBCHの生育段階(GS)で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0538】
好ましい実施形態において、本発明は、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育している場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体で)処理するステップを含む、硝化を低下させる方法であって、上記植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に少なくとも1種の肥料がさらに提供される、上記方法に関する。肥料は、任意の好適な肥料、好ましくは本明細書中上記に定義される肥料であり得る。同様に想定されるのは、2種以上の肥料、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10種の肥料の施用、又は異なる肥料クラス若しくは肥料カテゴリーの肥料の施用である。
【0539】
本発明の具体的実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)及び少なくとも1種の肥料は、植物のGS00~GS33 BBCHの生育段階で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0540】
本発明の具体的実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)及び少なくとも1種の肥料は、植物のGS00~GS55 BBCHの生育段階で、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0541】
本発明のさらに具体的な実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)及び少なくとも1種の肥料は、播種時、出芽前、又は植物のGS00~GS>BBCH 99の生育段階(GS)で(例えば、秋のリンゴの収穫後に施肥する場合)、好ましくは植物のGS00~65 BBCHで、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用される。
【0542】
本発明の好ましい実施形態によれば、本明細書中上記に定義される前記硝化阻害剤の施用及び前記肥料の施用は、同時に又は時間差で行われる。本明細書で使用される用語「時間差」は、硝化阻害剤が肥料の前に土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用されること;あるいは肥料が硝化阻害剤の前に土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用されることのいずれかを意味する。このような時間差は、肥料使用との関連で硝化阻害効果を提供することを依然として可能とする任意の好適な期間であり得る。例えば、時間差は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間又はそれ以上の期間、あるいは上記期間の間の任意の期間であり得る。好ましくは、時間差は、1日間、2日間、3日間、1週間、2週間又は3週間の間隔である。時間差は、好ましくは、上記に定義される硝化阻害剤が、本明細書中上記に定義される肥料の施用の前に、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、4ヶ月間、5ヶ月間、6ヶ月間、7ヶ月間、8ヶ月間、9ヶ月間、10ヶ月間又はそれ以上、あるいは上記期間の間の任意の期間提供される状況を指す。
【0543】
本発明の別の具体的実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤又はその誘導体)は、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される肥料の施用が、少なくとも1日間の時間差で、例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間又はそれ以上、あるいは上記期間の間の任意の期間の時間差で行われる場合、植物のGS00~GS33 BBCH、又は植物のGS00~GS65 BBCHに施用される。植物のGS00~GS33 BBCHに施用される硝化阻害剤は、本明細書中上記に定義される肥料の施用の1日前、2日前、3日前、4日前、5日前、6日前、7日前、8日前、9日前、10日前、11日前、12日前、13日前、14日前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、7週間前、8週間前、9週間前、10週間前、11週間前、又は12週間前に提供されることが好ましい。
【0544】
本発明の別の具体的実施形態において、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される肥料は、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤の施用(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤、又はその誘導体の施用)が、少なくとも1日間の時間差、例えば、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間又はそれ以上、あるいは上記期間の間の任意の期間の時間差で行われる場合、植物のGS00~GS33 BBCH又は植物のGS00~GS65 BBCHに施用される。
【0545】
本発明の具体的実施形態によれば、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所は、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤、又はその誘導体で)少なくとも1回処理される。本発明のさらなる具体的実施形態において、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所は、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤で(すなわち式Iの化合物である硝化阻害剤、又はその誘導体で)少なくとも1回、さらに本明細書中上記に定義される肥料で少なくとも1回処理される。
【0546】
用語「少なくとも1回」は、施用を1回、又は数回実施し得ること、すなわち硝化阻害剤及び/又は肥料による処理の反復が想定され得ることを意味する。このような反復は、硝化阻害剤及び/又は肥料による処理の、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回又はさらに頻回の反復であり得る。硝化阻害剤及び肥料による処理の反復は、さらに異なり得る。例えば、肥料は1回だけ施用し得るが、硝化阻害剤は2回、3回、4回施用し得る等。あるいは、硝化阻害剤は1回だけ施用し得るが、肥料は2回、3回、4回施用し得る等。さらに想定されるのは、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤及び肥料の施用についての数的に異なる反復回数の全ての組み合わせである。
【0547】
このような反復処理はさらに、上記の硝化阻害剤と肥料の処理間の時間差と組み合わせることができる。
【0548】
硝化阻害剤及び/又は肥料の最初の施用と、2回目若しくはその後の施用との間の時間間隔は、任意の好適な間隔であり得る。この間隔は、数秒間~3ヶ月間、例えば、数秒間~1カ月、又は数秒間~2週間であり得る。さらなる実施形態において、時間間隔は、数秒間~3日間、又は1秒間~24時間であり得る。
【0549】
さらなる具体的実施形態において、上記の硝化を低下させる方法は、土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所を、少なくとも1種の本明細書中上記に定義される農薬混合物、又は本明細書中上記に定義される硝化を低下させるための組成物で処理することによって行われる。
【0550】
本発明の別の実施形態において、アンモニウム又は尿素含有肥料と少なくとも1種の本明細書中上記に定義される硝化阻害剤とを含む農薬混合物は、播種前及び播種時、出芽前、及び植物のGS>BBCH 99まで(例えば、秋のリンゴの収穫後に施肥する場合)に施用される。農薬混合物がパーツのキットとして又は非物理的混合物として提供される場合、上記農薬混合物は、硝化阻害剤の施用と肥料の施用の間の時間差で、あるいは硝化阻害剤の施用と第2の又はさらなる成分(例えば、本明細書中上記の殺有害生物化合物)の施用の間の時間差で施用することができる。
【0551】
さらなる実施形態において、植物栄養繁殖体は、好ましくは、同時に(一緒に若しくは別々に)又は連続的に処理される。
【0552】
用語「栄養繁殖体」又は「植物栄養繁殖体」は、新たな植物体を生じる能力を有する任意の構造体(例えば、種子、胞子、又は親から離れた場合に独立した生育が可能な栄養体の部分)を表すと理解される。好ましい実施形態において、用語「栄養繁殖体」又は「植物栄養繁殖体」は、種子を表す。
【0553】
上記の方法について、又は本発明による使用について、特に種子処理及び畝間施用について、硝化阻害剤の施用量(すなわち式Iの化合物の施用量)は、施用される特定の活性成分及び処理される植物種などの異なるパラメータに応じて、1ヘクタール当たり活性成分0,01g~5kg、好ましくは1ヘクタール当たり活性成分1g~1kg、とりわけ好ましくは1ヘクタール当たり活性成分50g~300gである。種子の処理において、種子1kg当たり0.001g~20g、好ましくは種子1kg当たり0.01g~10g、より好ましくは、種子1kg当たり0.05~2gの量の硝化阻害剤が一般的に必要とされ得る。
【0554】
当然のことながら、硝化阻害剤及び肥料(若しくは他の成分)、又はそれらの混合物が用いられる場合、本化合物は、有効量且つ非植物毒性量で使用され得る。これは、本化合物が、所望の効果を得ることは可能とするが、処理された植物、あるいは処理された栄養繁殖体又は処理された土壌若しくは土壌置換成分から生じた植物上に植物毒性症状を全く生じさせない量で使用されることを意味する。本発明による使用のため、肥料の施用量は、施用されるNの量が、1ヘクタール当たり10kg~1000kg、好ましくは1ヘクタール当たり50kg~700kgであるように選択され得る。
【0555】
本発明による硝化阻害剤化合物(例えば、本明細書中上記に定義される化合物I、又は本明細書中上記に定義されるその誘導体)は、その生物学的活性が異なり得る異なる構造的又は化学的改変体で存在し得る。これらも同様に本発明の主題である。
【0556】
本発明による硝化阻害剤化合物、それらのN-オキシド及び/又は塩等は、慣用のタイプの組成物(例えば、農薬組成物又は農業用組成物、例えば、溶液剤、乳剤、懸濁液剤、粉剤、散剤、ペースト剤及び粒剤)に変換することができる。
【0557】
組成物タイプは、特定の意図される目的によって決まる;いずれの場合も、本発明による化合物の微細で均一な分散が確実になされなければならない。組成物タイプの例は、懸濁液剤(SC、00、FS)、乳化性濃縮剤(EC)、乳剤(EW、EO、ES)、マイクロ乳剤(ME)、ペースト剤、パステル剤、水和性散剤若しくは粉剤(WP、SP、SS、WS、OP、OS)、又は粒剤(GR、FG、GG、MG)(水溶性であっても水和性であってもよい)、並びに種子などの植物繁殖材料の処理のためのゲル製剤(GF)である。通常、組成物タイプ(例えば、SC、00、FS、EC、WG、SG、WP、SP、SS、WS、GF)は希釈して用いられる。OP、OS、GR、FG、GG、及びMGなどの組成物タイプは、通常、希釈せずに使用される。
【0558】
組成物は、公知の様式で調製される(例えば、US 3,060,084、EP 707 445(液体濃縮剤に関して)、Browning:"Agglomeration", Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48, Perry's Chemical Engineer's Handbook, 第4版, McGraw-Hill、New York, 1963、S. 8-57 und ff.、WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566、Klingman: Weed Control as a Science (J. Wiley & Sons、New York, 1961)、Hanceら: Weed Control Handbook (第8版, Blackwell Scientific、Oxford, 1989)、及びMollet, H.及びGrubemann, A.: Formulation technology (Wiley VCH Verlag, Weinheim, 2001)を参照)。組成物又は混合物は、例えば農薬組成物において慣用される助剤も含み得る。使用される助剤は、特定の施用形態及び活性物質によりそれぞれ決定される。
【0559】
好適な助剤の例は、溶媒、固体担体、分散剤又は乳化剤(例えば、さらなる可溶化剤、保護コロイド、界面活性剤、及び接着剤)、有機及び無機の増粘剤、殺細菌剤、凍結防止剤、消泡剤、適切であれば着色剤及び粘着付与剤又は結合剤(例えば、種子処理製剤用)である。好適な溶媒は、水、有機溶媒(中~高沸点の鉱油画分(例えばケロセン又はディーゼルオイル)など)、さらにコールタール油及び植物又は動物由来の油;脂肪族、環状及び芳香族炭化水素(例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレン又はそれらの誘導体);アルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、及びシクロヘキサノール);グリコール;ケトン(例えばシクロヘキサノン及びガンマ-ブチロラクトン);脂肪酸ジメチルアミド;脂肪酸及び脂肪酸エステル並びに強極性溶媒、例えばアミン(例えばN-メチルピロリドン)である。
【0560】
好適な界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、又は乳化剤)は、芳香族スルホン酸(例えばリグニンスルホン酸(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregard社、ノルウェー)の、フェノールスルホン酸の、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel社、米国)の、ジブチルナフタレン-スルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF社、ドイツ)の、及び脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニウム塩、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスルフェート、ラウリルエーテルスルフェート、脂肪アルコールスルフェート、並びに硫酸化ヘキサ、ヘプタ、及びオクタデカノラート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらには、ナフタレン又はナフタレンスルホン酸とフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシ-エチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン-亜硫酸廃液、並びにタンパク質、変性タンパク質、多糖類(例えば、メチルセルロース)、疎水変性デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant社、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokolan(登録商標)タイプ、BASF社、ドイツ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF社、ドイツ)、ポリビニルピロリドン、並びにそれらのコポリマーである。好適な増粘剤(すなわち、改変された流動性(すなわち、静的条件下で高い粘度及び撹拌下で低い粘度)を組成物に付与する化合物)の例は、多糖類並びに有機及び無機粘土、例えば、キサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco社、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia社、フランス)、Veegum(登録商標)(R.T. Vanderbilt社、米国)、又はAttaclay(登録商標)(Engelhard Corp.社、ニュージャージー州、米国)である。
【0561】
具体的実施形態において、組成物の保存及び安定化のために殺細菌剤を添加してもよい。好適な殺細菌剤の例は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマールをベースとする殺細菌剤(ICI製のProxel(登録商標)又はThor Chemie製のActicide(登録商標)RS及びRohm & Haas製のKathon(登録商標)MK)、並びにアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノンなどのイソチアゾリノン誘導体をベースとする殺細菌剤(Thor Chemie製のActicide(登録商標)MBS)である。
【0562】
好適な凍結防止剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、尿素及びグリセリンである。消泡剤の例は、シリコーンエマルション(例えば、Silikon(登録商標)SRE(Wacker社、ドイツ)又はRhodorsil(登録商標)(Rhodia社、フランス)など)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、フルオロ有機化合物、及びそれらの混合物である。
【0563】
好適な着色剤は、低水溶性の顔料及び水溶性の色素、例えば、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド112、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108である。
【0564】
さらに、匂い物質が、上記に定義される組成物中に存在し得る。このような匂い物質は、シトロネリニトリル、シトラール、ゼルトラヒドロリナロール(zertrahydrolinalool)、テトラヒドロゲラニオール、ゲラノニトリル、ベータ-ロノンR、ルータノール、リナリルアセテート、モリロール(morillol)、及びp-クレゾールメチルエーテルを含む。
【0565】
粘着付与剤又は結合剤の例は、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、及びセルロースエーテル(Tylose(登録商標)(Shin-Etsu社、日本))である。
【0566】
散剤、広域散布用物質及び粉剤は、式Iの化合物及び適切であればさらなる活性物質を、少なくとも1種の固体担体と共に混合又は同時粉砕することによって調製することができる。粒剤、例えばコーティング粒剤、含浸粒剤、及び均一粒剤は、活性物質を固体担体に結合させることによって調製することができる。このような好適な固体担体の例は、鉱質土類、例えば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、赤土、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成材料、肥料(例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など)、及び植物起源の製品(例えば、穀粉、樹皮粉、木粉、及び堅果殻粉、セルロース粉末)、並びに他の固体担体である。
【0567】
組成物タイプの例は以下のとおりである:
i) 水溶性濃縮剤(SL、LS):10重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、90重量部の水又は水溶性溶媒に溶解する。他の選択肢として、湿潤剤又は他の助剤を添加する。活性物質は、水希釈時に溶解する。このようにして、10重量%の活性物質含有量を有する組成物が得られる。
【0568】
ii) 分散性濃縮剤(DC):20重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、10重量部の分散剤(例えばポリビニルピロリドン)を添加して70重量部のシクロヘキサノンに溶解する。水で希釈すると分散液が得られる。活性物質含有量は20重量%である。
【0569】
iii) 乳化性濃縮剤(EC):15重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート及びヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部)を添加して、75重量部のキシレンに溶解する。水で希釈するとエマルションが得られる。組成物は、15重量%の活性物質含有量を有する。
【0570】
iv) 乳剤(EW、EO、ES):25重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、カルシウムドデシルベンゼンスルホネート及びヒマシ油エトキシレート(いずれの場合も5重量部)を添加して35重量部のキシレンに溶解する。この混合物を、乳化装置(Ultraturrax)を用いて30重量部の水に導入し、均一エマルションにする。水で希釈するとエマルションが得られる。組成物は、25重量%の活性物質含有量を有する。
【0571】
v) 懸濁液剤(SC、00、FS):攪拌ボールミル中で、20重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、10重量部の分散剤及び湿潤剤並びに70重量部の水又は有機溶媒を添加して粉砕し、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られる。組成物中の活性物質含有量は20重量%である。
【0572】
vi) 水分散性粒剤及び水溶性粒剤(WG、SG):50重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、50重量部の分散剤及び湿潤剤を添加して微粉砕し、専用の装置(例えば、押出機、噴霧塔、流動床)を用いて水分散性粒剤又は水溶性粒剤として調製する。水で希釈すると活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。組成物は、50重量%の活性物質含有量を有する。
【0573】
vii) 水和散剤及び水溶性散剤(WP、SP、SS、WS):75重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、25重量部の分散剤、湿潤剤及びシリカゲルを添加してローターステーターミル中で粉砕する。水で希釈すると活性物質の安定な分散液又は溶液が得られる。組成物の活性物質含有量は75重量%である。
【0574】
viii) ゲル剤(GF):攪拌ボールミル中で、20重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、10重量部の分散剤、1重量部のゲル化湿潤剤、及び70重量部の水又は有機溶媒を添加して粉砕し、活性物質の微細懸濁液を得る。水で希釈すると活性物質の安定な懸濁液が得られ、これにより、20%(w/w)の活性物質を有する組成物が得られる。
【0575】
2. 希釈せずに施用する組成物タイプ
ix) 粉末性散剤(Oustable powders)(OP、OS):5重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を微粉砕し、95重量部の微細化カオリンと緊密に混合する。これにより5重量%の活性物質含有量を有する粉末性組成物が得られる。
【0576】
x) 粒剤(GR、FG、GG、MG):0.5重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を微粉砕して99.5重量部の担体と合わせる。現在の方法は、押出法、噴霧乾燥又は流動床である。これにより、0.5~10重量%の活性物質含有量、好ましくは0.5~2重量%の活性物質含有量を有する希釈せずに施用される粒剤が得られる。
【0577】
xi) ULV溶液剤(UL):10重量部の硝化阻害剤(例えば本発明による式Iの化合物)を、90重量部の有機溶媒(例えばキシレン)に溶解する。これにより10重量%の活性物質含有量を有する希釈せずに施用される組成物が得られる。
【0578】
本組成物(例えば、農薬組成物又は農業用組成物)は、一般的に、0.01~95重量%、好ましくは0.1~90重量%、最も好ましくは0.5~90重量%の活性物質を含む。活性物質は、90%~100%、好ましくは95%~100%の純度(NMRスペクトルによる)で用いられる。
【0579】
水溶性濃縮剤(LS)、フロアブル濃縮剤(FS)、ドライ処理用散剤(OS)、スラリー処理用水和散剤(WS)、水溶性散剤(SS)、乳剤(ES)、乳化性濃縮剤(EC)、及びゲル剤(GF)は、通常、植物繁殖材料(特に種子)の処理を目的として用いられる。
【0580】
これらの組成物は、希釈して又は希釈せずに植物繁殖材料(特に種子)に施用することができる。
【0581】
当該組成物は、2~10倍希釈後、即時使用可能調製品において0.01~60重量%、好ましくは0.1~40重量%の活性物質濃度を与える。施用は、播種前又は播種中に行うことができる。
【0582】
本明細書で定義される農薬化合物若しくは農業用化合物又は混合物、あるいは組成物を、それぞれ、植物繁殖材料(とりわけ種子)、植物及び/又は植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所に施用又は処理する方法は当技術分野で公知であり、繁殖材料の粉衣法(dressing)、コーティング法(coating)、ペレッティング法(pelleting)、散粉法(dusting)、浸漬法(soaking)及び畝間施用法(in-furrow application)を包含する。好ましい実施形態において、その化合物又は組成物は、それぞれ、発芽が誘導されないような方法で(例えば、種子粉衣法、ペレッティング法、コーティング法及び散粉法により)植物繁殖材料上に施用される。
【0583】
好ましい実施形態において、懸濁液タイプ(FS)の組成物を使用することができる。典型的には、FS組成物は、1~800g/lの活性物質、1~200g/Iの界面活性剤、0~200g/Iの凍結防止剤、0~400g/lの結合剤、0~200g/lの顔料及び1リットル以下の溶媒(好ましくは水)を含み得る。
【0584】
活性物質は、そのままで又はそれらの組成物の形態で、例えば、直接噴霧可能な溶液剤、散剤、懸濁液剤、分散剤、乳剤、油性分散剤、ペースト剤、散粉用製品、広域散布用物質、又は粒剤の形態で、散布、噴霧、散粉、広域散布、刷毛塗り、浸漬、又は灌注により使用することができる。
【0585】
施用形態はもっぱらその意図される目的によって決まるが、いずれの場合にも、本発明による活性物質の可能なかぎり微細な分散が確保されるように意図される。水性施用形態は、乳化性濃縮剤、ペースト剤又は水和散剤(噴霧可能な散剤、油性分散剤)から、水を添加することによって調製することができる。
【0586】
乳剤、ペースト剤、又は油性分散剤を調製するために、そのままの、又は油若しくは溶媒に溶解させた上記物質を、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤、又は乳化剤を用いて水中で均質化することができる。あるいは、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤、さらに適切な場合、溶媒若しくは油からなる濃縮剤を調製することが可能であり、このような濃縮剤は、水で希釈するのに適している。
【0587】
即時使用可能な調製物中の活性物質濃度は、比較的広範囲で変動し得る。一般的に、それらは、0.0001~90重量%、例えば30~80重量%(例えば35~45重量%若しくは65~75重量%)の活性物質である。また、活性物質を超微量法(ULV)で首尾よく使用することも可能であり、95重量%超の活性物質を含む組成物を施用するか、又は添加剤を用いずに活性物質を施用することも可能である。
【0588】
適切であれば、使用直前に、様々な種類の油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺細菌剤、他の殺菌剤、及び/又は殺有害生物剤を活性物質又はそれらを含む組成物に添加してもよい(タンクミックス)。これらの薬剤は、1:100~100:1、好ましくは1:10~10:1の重量比で本発明による組成物と混合することができる。
【0589】
使用し得るアジュバントは、特に、有機修飾ポリシロキサン(例えば、Break Thru S 240(登録商標));アルコールアルコキシレート(例えば、Atplus 245(登録商標)、Atplus MBA 1303(登録商標)、Plurafac LF 300(登録商標)及びLutensol ON 30(登録商標));EO/POブロックポリマー(例えば、Pluronic RPE 2035(登録商標)及びGenapol B(登録商標));アルコールエトキシレート(例えば、Lutensol XP 80(登録商標));並びにジオクチルスルホスクシネートナトリウム(例えば、Leophen RA(登録商標))である。
【0590】
さらなる態様において、本発明は、肥料又は組成物を処理する方法に関する。この処理は、本明細書中上記で定義される式Iの化合物である硝化阻害剤の、肥料又は組成物への施用を包含する。上記処理は、従って、肥料又は他の組成物の調製物において前記硝化阻害剤の存在を生じさせ得る。このような処理は、例えば、肥料調製物上又は肥料調製物中の硝化阻害剤の均一な分布をもたらし得る。処理工程は当業者に公知であり、例えば、粉衣法、コーティング法、ペレッティング法、散粉法又は浸漬法などが挙げられる。具体的実施形態において、上記処理は、肥料調製物による硝化阻害剤のコーティングであってもよく、又は硝化阻害剤による肥料のコーティングであってもよい。上記処理は、当業者に公知の造粒法(例えば流動床造粒)の使用をベースとし得る。特定の実施形態において、処理は、本明細書中上記に定義される硝化阻害剤を含む組成物(例えば、阻害剤に加えて、担体若しくは殺有害生物剤又は上記の任意の他の好適な付加的化合物を含む組成物)によって行うことができる。
【0591】
さらなる具体的実施形態において、本発明は、種子又は植物繁殖材料を処理する方法に関する。本明細書で使用される用語「種子処理」は、種子上又は種子中の生物的ストレスの制御並びに種子からの植物の発芽及び発達の改善を目的とするステップを指すか、又はこれらのステップを包含する。種子処理に関して、生物的ストレス(例えば真菌攻撃若しくは昆虫攻撃)を受けている植物、又は十分に適切な窒素源を得ることに困難を有する植物が、関連の有害生物に対する治療的又は予防的処理を受けた植物繁殖材料、及び生物的ストレス因子によって引き起こされる損傷を伴わずに生育し得る植物繁殖材料と比較して、乏しい植物又は作物の確立及び活力につながる発芽及び出芽の低下を示し、結果的に収量の低下をもたらすことは明らかである。本発明による種子又は植物繁殖材料を処理する方法は、このようにして、他の利点の中でも特に、植物の健康の増大、生物的ストレスに対するより優れた保護及び植物収量の増加をもたらす。
【0592】
本発明の混合物及びその組成物(例えば、本明細書中上記に定義される組成物又は農薬組成物、また特に本明細書中上記に定義される硝化阻害剤と第2のエフェクター(例えば殺有害生物剤、特に殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤及び/又はバイオ殺有害生物剤及び/又はバイオスティミュラント)との組み合わせを、植物繁殖材料(とりわけ種子)に施用又は処理するための種子処理方法は当技術分野で公知であり、例えば、繁殖材料の粉衣法、コーティング法、フィルムコーティング法、ペレッティング法及び浸漬施用法などが挙げられる。このような方法は、本発明による組み合わせ又は組成物にも適用可能である。
【0593】
さらなる実施形態において、種子の処理は、本発明による硝化阻害剤(例えば本明細書中上記に定義される組成物)に加えて、殺菌剤及び殺虫剤、又は殺菌剤及び殺線虫剤、又は殺菌剤及びバイオ殺有害生物剤及び/又はバイオスティミュラント、又は殺虫剤及び殺線虫剤、又は殺虫剤及びバイオ殺有害生物剤及び/又はバイオスティミュラント、又は殺線虫剤及びバイオ殺有害生物剤及び/又はバイオスティミュラント、又は殺菌剤、殺虫剤及び殺線虫剤の組み合わせ、又は殺菌剤、殺虫剤及びバイオ殺有害生物剤及び/又はバイオスティミュラントの組み合わせ、又は殺虫剤、殺線虫剤及びバイオ殺有害生物剤の組み合わせ等を含む組成物によって行われる。
【0594】
好ましい実施形態において、例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む農業用組成物又は組み合わせは、発芽が悪影響を受けないような方法によって植物繁殖材料上に施用又は処理される。従って、植物繁殖材料(例えば種子)に施用する(又は処理する)ために好適な方法の例は、種子粉衣法、種子コーティング法又は種子ペレッティング法などである。植物繁殖材料が種子、種子片(すなわち珠柄)又は種球であることが好ましい。
【0595】
本発明の方法は、あらゆる生理学的状態の種子に適用することができると考えられるが、種子が処理工程中に損傷を受けない程度に十分に耐久性のある状態にあることが好ましい。典型的には、種子は、圃場から収穫された種子;植物から取り出された種子;並びに任意の穂軸、柄、外皮、及び周囲の果肉又は他の非種子植物材料から分離された種子であろう。種子はまた、好ましくは上記処理が種子に生物学的損傷を生じさせない程度に生物学的に安定であろう。上記処理は、種子の収穫と種子の播種の間、又は播種工程中のいつでも種子に施用することができると考えられる(種子向け施用)。種子を処理の前又は後にプライミングしてもよい。
【0596】
繁殖材料の処理中、本明細書で定義される組成物又は混合物中の本成分の均一な分布及びそれらの種子への付着が望ましい。処理は、種子の元の大きさ及び/又は形が中間状態まで認識可能な、植物繁殖材料(例えば種子)上の上記の組み合わせを含む製剤(例えば活性成分(1種又は複数種)の混合物)の薄膜(粉衣)(例えばコーティング)から、種子の元の形及び/又は大きさがもはや認識不可能な比較的厚い膜(例えば、異なる材料(例えば粘土などの担体;他の活性成分の製剤などの異なる製剤;ポリマー;及び着色剤)の多層によるペレッティング)まで変動し得る。
【0597】
本発明の態様は、本組成物(例えば本明細書中上記に定義される、本発明による硝化阻害剤を含む農業用組成物又は組み合わせ)の植物繁殖材料上への標的化様式の施用を包含し、この施用は、上記組み合わせ中の成分を、植物繁殖材料全体又はその一部のみ(片側又は片側の一部のみを含む)の上へ配置するステップを含む。当技術分野において通常の技能を有する者は、EP954213B1及びWO06/112700に提供される記載からこれらの施用方法を理解するだろう。
【0598】
本組成物(例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む農業用組成物又は組み合わせ)を「丸剤」若しくは「ペレット剤」又は好適な基質の形態で使用し、処理される丸剤又は基質を植物繁殖材料の隣に配置又は播種することもできる。このような技術は、当技術分野において(特にEP1124414、WO07/67042、及びWO07/67044において)公知である。本組成物(例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む農業用組成物又は組み合わせ)の、植物繁殖材料上への施用はまた、1種以上の殺有害生物剤と硝化阻害剤(NI)を含む粒子を殺有害生物剤とNIで処理した種子の隣に配置することによる、本発明の組み合わせで処理された植物繁殖材料を保護するステップも包含し、ここで殺有害生物剤の量は、殺有害生物剤処理された種子と殺有害生物剤含有粒子が共に有効用量の殺有害生物剤を含有し、殺有害生物剤処理された種子に含まれる殺有害生物剤用量が、上記殺有害生物剤の最大非植物毒性用量以下であるような量である。このような技術は当技術分野において(特にWO2005/120226において)公知である。
【0599】
種子上への本組み合わせの施用は、種子上の制御放出コーティング(上記組み合わせの成分は、上記成分を長時間かけて放出する材料中に組み込まれている)も包含する。制御放出種子処理技術の例は当技術分野において一般的に公知であり、例えば、ポリマーフィルム、ワックス、又は他の種子コーティング(上記成分は、制御放出材料に組み込まれていてもよく、又は制御放出材料の層間に適用されていてもよく、その両方でもよい)などが挙げられる。
【0600】
種子は、本発明の混合物中に存在する化合物を、任意の所望の順序で又は同時に上記種子に施用することによって処理することができる。
【0601】
種子処理は未播種の種子に対して行われ、用語「未播種の種子」は、種子の収穫と、植物の発芽及び生育を目的とした地中への種子の播種との間の任意の期間の種子を包含することを意味する。
【0602】
未播種の種子に対する処理は、活性成分を土壌若しくは土壌置換成分に施用する行為を包含することは意味しないが、植え付け工程中の、種子を標的とした任意の施用行為は包含する。
【0603】
好ましくは、播種される種子が本組み合わせで前処理されているように、処理は種子の播種前に行われる。特に、本発明による組み合わせの処理において、種子コーティング又は種子ペレッティングが好ましい。処理の結果として、各組み合わせ中の成分が種子上に付着し、その結果、有害生物防除に利用可能となる。
【0604】
処理された種子は、任意の他の活性成分処理された種子と同じ方法で保存され、取扱われ、播種され、耕作されることが可能である。
【0605】
種子処理用の溶液剤(LS)、サスポエマルション剤(SE)、フロアブル濃縮剤(FS)、乾燥処理用散剤(DS)、スラリー処理用水和散剤(WS)、水溶性散剤(SS)、乳剤(ES)、乳化性濃縮剤(EC)及びゲル剤(GF)は、通常、植物繁殖材料(特に種子)の処理を目的として用いられる。プレミックス組成物用の種子処理製剤タイプ又は土壌施用の好ましい例は、WS、LS、ES、FS、WG又はCSタイプである。
【0606】
当該組成物は、2~10倍希釈後、即時使用可能な調製物中で、0.01~60重量%、好ましくは0.1~40重量%の活性成分濃度を与える。施用は、播種前又は播種中に行うことができる。例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む組成物又は組み合わせを植物繁殖材料(とりわけ種子)上に施用又は処理する方法としては、例えば、繁殖材料の粉衣法、コーティング法、ペレッティング法、散粉法、浸漬法及び畝間施用法などが挙げられる。好ましくは、例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む組成物又は組み合わせは、発芽が誘導されないような方法により(例えば、種子粉衣法、種子ペレッティング法、種子コーティング法及び種子散粉法によって)植物繁殖材料上に施用される。
【0607】
典型的には、種子処理施用のためのプレミックス製剤は、0.5~99.9パーセント、とりわけ1~95パーセントの所望の成分、及び99.5~0.1パーセント、とりわけ99~5パーセントの固体若しくは液体アジュバント(例えば、水などの溶媒を含む)を含み、ここで助剤は、プレミックス製剤に対して0~50パーセント、とりわけ0.5~40パーセントの量の界面活性剤であり得る。市販製品は、好ましくは濃縮剤(例えば、プレミックス組成物(製剤))として製剤化されるが、エンドユーザーは、通常、希釈製剤(例えば、タンクミックス組成物)を用いる。
【0608】
植物保護において用いられる場合、施用される活性成分の総量は、所望の効果の種類に応じて、1ha当たり0.001~10kg、好ましくは1ha当たり0.005~2kg、より好ましくは1ha当たり0.05~0.9kg、特に1ha当たり0.1~0.75kgである。施用量は、約1x106~5x1015(又はそれ以上)CFU/haの範囲であり得る。好ましくは、胞子濃度は、約1x107~約1x1011CFU/haである。微生物殺有害生物剤としての(昆虫病原性)線虫(例えばスタイナーネマ・フェルティアエ(Steinernema feltiae))の場合、施用量は、好ましくは、1ha当たり約1x105~1x1012個体(又はそれ以上)、より好ましくは1x108~1x1011個体、さらにより好ましくは5x108~1x1010個体(例えば、卵、幼虫の形態又は任意の他のライフステージの個体、好ましくは感染性幼虫段階の個体)にわたる。
【0609】
種子処理による植物保護において用いられる場合、例えば本明細書中上記に定義される本発明による硝化阻害剤を含む組成物又は組み合わせの量(活性成分の総重量に対する)は、植物繁殖材料(好ましくは種子)100キログラム当たり0.01~10kg、好ましくは0.1~1000g、より好ましくは1~100gの範囲内である。植物繁殖材料についての施用量は、好ましくは約1×106~1×1012(又はそれ以上)CFU/種子であり得る。好ましくは、濃度は、約1×106~約1×1011CFU/種子である。あるいは、植物繁殖材料についての施用量は、種子100kg当たり約1×107~1×1014(又はそれ以上)CFU、好ましくは種子100kg当たり1×109~約1×1011CFUであり得る。
【0610】
本発明は、以下の実施例によりさらに示される。
【実施例
【0611】
実施例1
本発明の化合物を、硝化の阻害について以下のとおりに試験した:
100gの土(例えば、野外から採取した土)を500mlのプラスチックボトルに入れ、50%保水能まで湿らせる。この土を20℃で2週間インキュベートし、微生物バイオマスを活性化させる。適切な濃度の本化合物(通常は0.3%若しくは1%の窒素N)、又はDMSO及び硫酸アンモニウム-Nの形態の10mg窒素を含む1ml試験溶液を上記の土に添加し、全てを十分に混合する。ボトルをキャップし、しかしゆるくキャップして空気交換を可能とする。次いで、このボトルを20℃で0~14日間インキュベートする。
【0612】
分析のため、300mlの1%K2SO4溶液を、上記の土を含むボトルに添加し、150rpmの水平シェーカー中で2時間振盪する。次いで、全溶液をフィルター(Macherey-Nagel Filter MN 8071/4)を通して濾過する。その後、アンモニウム含有量及び硝酸塩含有量を、550nmの自動分析装置中の濾液において分析する(Merck、AA11)。
【0613】
阻害(NI@特定濃度)は、以下のとおりに計算される:
【0614】
【数1】
【0615】
以下の一般式I.1(i)の化合物について試験した。
【0616】
【化19】
【0617】
【表11】
【0618】
また、以下の一般式I.3(i)の化合物について試験した。
【0619】
【化20】
【0620】
【表12】
【0621】
また、以下の一般式I.3(ii)の化合物について試験した。
【0622】
【化21】
【0623】
【表13】
以下は、本発明の実施形態の一つである。
(1)硝化阻害剤としての、式I:
【化22】
(式中、
R 1 は、H、C 1 -C 6 -アルキル、C 3 -C 6 -シクロアルキル、ベンジル、アリル、CHR a C(=O)OR b 、CHR a C(=O)NR b R c 、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基R x により置換されており;
R 2 は、ハロゲン、C 1 -C 6 -アルキル、C 3 -C 6 -シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニルであり、前記フェニル基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基R x により置換されており;
R N は、C 1 -C 6 -アルキル、C 3 -C 6 -シクロアルキル、ベンジル、アリル、プロパルギル、又はフェニル(前記基は、非置換であるか又は1個以上の同一の若しくは異なる置換基R y により置換されている);
CHR a C(=O)OR b 、CHR a C(=O)NR b R c 、CH(C(=O)OR b )CH 2 (C(=O)OR b );
C(=O)R d 、C(=O)OR b 、C(=O)NR b R c 、CHR a OR b 、又はCHR a NR e (C=O)R f であり;
R a は、H、C 1 -C 4 -アルキル、C 1 -C 4 -ハロアルキル、C 3 -C 8 -シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C 1 -C 2 -アルキルであり;
R b は、H、C 1 -C 4 -アルキル、C 1 -C 4 -ハロアルキル、C 3 -C 8 -シクロアルキル、フェニル、又はフェニル-C 1 -C 2 -アルキルであり;
R c は、H、C 1 -C 4 -アルキル、C 1 -C 4 -ハロアルキル、又はフェニルであり;
R d は、H、C 1 -C 8 -アルキル、C 2 -C 8 -アルケニル、C 2 -C 8 -アルキニル、フェニル、又はフェニル-C 1 -C 2 -アルキルであり、これらの基は、非置換であるか又は基COOHにより置換されており;
R e は、H、C 1 -C 4 -アルキル、C 3 -C 8 -シクロアルキル、又はC 6 -C 10 -アリールであり;
R f は、H、又はC 1 -C 4 -アルキルであり;
R x は、ハロゲン、C 1 -C 4 -アルキル、C 1 -C 4 -ハロアルキル、C 1 -C 4 -アルコキシ、又はC 1 -C 4 -ハロアルコキシであり;
R y は、ハロゲン、CN、OH、NO 2 、COOH、NR b R c 、NR b (C=O)R f 、C(=O)NR b R c 、C 1 -C 4 -アルキル、C 1 -C 4 -ハロアルキル、C 1 -C 4 -アルコキシ、C 1 -C 4 -ハロアルコキシ、C 1 -C 4 -アルキルカルボニル、C 1 -C 4 -アルキルカルボキシ、C 1 -C 4 -アルキルチオ、C 1 -C 4 -アルキルスルホニル及びS(O) 2 NR b R c であり;
nは、0、1、又は2である)
で表されるN-官能化アルコキシピラゾール化合物、又はその塩、立体異性体、互変異性体若しくはN-オキシドの使用。
(2)R 1 が、C 1 -C 6 -アルキル、ベンジル、アリルである、(1)に記載の使用。
(3)nが0であり、すなわちR 2 が存在しないか;又は
nが1であり、R 2 がC 1 -C 3 -アルキル又はフェニルである、
(1)又は(2)に記載の使用。
(4)R N が、C(=O)R d 、CHR a C(=O)OR b 、CHR a C(=O)NR b R c 、CH(C(=O)OR b )CH 2 (C(=O)OR b )、又はCHR a NR e (C=O)R f である、(1)~(3)のいずれかに記載の使用。
(5)R a が、Hであり;
R b が、H又はC 1 -C 4 -アルキルであり;
R c が、H又はC 1 -C 4 -アルキルであり;
R d が、C 1 -C 3 -アルキルであり;
R e が、Hであり;
R f が、H又はCH 3 である、
(1)~(4)のいずれかに記載の使用。
(6)(1)~(5)のいずれかに定義される少なくとも1種の式Iの化合物と少なくとも1種の担体とを含む、硝化の低下において使用するための組成物。
(7)(i) 少なくとも1種の肥料;及び(ii) (1)~(5)のいずれかに定義される少なくとも1種の式Iの化合物、又は(6)に記載の組成物を含む農薬混合物。
(8)前記式Iの化合物が、肥料と組み合わせて、場合により(7)に記載の農薬混合物の形態で使用される、(1)~(5)のいずれかに記載の使用。
(9)前記硝化の低下が、植物中又は植物上、植物の根領域中、土壌若しくは土壌置換成分中又は土壌若しくは土壌置換成分上及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所において起こる、(1)~(5)又は(8)のいずれかに記載の使用。
(10)土壌若しくは土壌置換成分上で生育している植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分を、(1)~(5)のいずれかに定義される少なくとも1種の式Iの化合物、又は(6)に定義される組成物で処理するステップを含む、硝化を低下させる方法。
(11)植物及び/あるいは植物が生育しているか若しくは植物が生育することが意図される場所又は土壌若しくは土壌置換成分に、さらに肥料が提供される、(10)に記載の方法。
(12)前記式Iの化合物の施用及び前記肥料の施用が、同時に又は時間差で、好ましくは1日間、2日間、3日間、1週間、2週間又は3週間の間隔で行われる、(10)又は(11)に記載の方法。
(13)(1)~(5)のいずれかに定義される硝化阻害剤の施用を含む、肥料又は組成物を処理する方法。
(14)前記肥料が、固体若しくは液体のアンモニウム含有無機肥料(例えば、NPK肥料、硝酸アンモニウム、硝酸カルシウムアンモニウム、硫酸硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム又はリン酸アンモニウム);固体若しくは液体の有機肥料(例えば、液肥、半液肥、バイオガス堆肥、厩肥及び藁堆肥、ミミズ糞、コンポスト、海藻又はグアノ)、あるいは尿素含有肥料(例えば、尿素、ホルムアルデヒド尿素、無水アンモニウム、尿素硝酸アンモニウム(UAN)溶液、尿素硫黄、尿素ベースのNPK肥料、又は尿素硫酸アンモニウム)である、(7)に記載の農薬混合物、(8)若しくは(9)に記載の使用、又は(11)~(13)のいずれかに記載の方法。
(15)前記植物が、農業植物(例えば、コムギ、オオムギ、オートムギ、ライコムギ、ダイズ、トウモロコシ、ジャガイモ、アブラナ、カノーラ、ヒマワリ、ワタ、サトウキビ、サトウダイコン、イネ)、又は野菜(例えば、ホウレンソウ、レタス、アスパラガス、若しくはキャベツ);又はソルガム;林業植物;観賞植物;又は園芸植物(それぞれその天然形又は遺伝子改変形)である、(9)若しくは(14)に記載の使用、又は(10)~(12)若しくは(14)のいずれかに記載の方法。