IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ADEKAの特許一覧 ▶ ADEKAクリーンエイド株式会社の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】液体除菌洗浄剤組成物及び除菌洗浄方法
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/90 20060101AFI20240229BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20240229BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20240229BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20240229BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20240229BHJP
   B08B 3/08 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
C11D1/90
C11D17/08
C11D3/30
C11D1/75
C11D1/94
B08B3/08 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019232189
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021098826
(43)【公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(73)【特許権者】
【識別番号】593085808
【氏名又は名称】ADEKAクリーンエイド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 亮太
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-051954(JP,A)
【文献】特開2004-161940(JP,A)
【文献】特開平09-241692(JP,A)
【文献】特開平10-071190(JP,A)
【文献】特開2002-047105(JP,A)
【文献】特開平10-330799(JP,A)
【文献】特開2001-316209(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分として下記一般式(1)で表される両性界面活性剤又はその塩、
(B)成分として、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインより選択される1種又は2種以上、
(C)成分としてキレート剤、
(D)成分として水
を含有し、25℃におけるpHが8.0~13である、液体除菌洗浄剤組成物。
【化1】
(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基、Rは水素原子又は炭素数6~18のアルキル基;mは1~4の整数、nは0~2の整数である。)
【請求項2】
(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)が0.005~20である、請求項1に記載の液体除菌洗浄剤組成物。
【請求項3】
(C)成分が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、及びこれらの塩より選択される1種又は2種以上である、請求項1又は2に記載の液体除菌洗浄剤組成物。
【請求項4】
さらに、(E)成分として、アルキル基の炭素数が8~16であるアルキルジメチルアミンオキサイドの1種又は2種以上を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の液体除菌洗浄剤組成物。
【請求項5】
さらに(F)成分として、アニオン界面活性剤を1種又は2種以上含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の液体除菌洗浄剤組成物。
【請求項6】
請求項1~のいずれか一項に記載の液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌洗浄液に被除菌洗浄体を浸漬する工程、及び、浸漬後に被除菌洗浄体から除菌洗浄液を除去する工程を含む、除菌洗浄方法。
【請求項7】
請求項1~のいずれか一項に記載の液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌洗浄液を起泡させて、比重0.05~0.9g/立方センチメートルの泡または泡と液の混合物として被除菌洗浄体の表面に吹付ける工程と、被除菌洗浄体に吹き付けた後静置するか、又は擦り洗いする工程と、水ですすぐ工程とを含む、除菌洗浄方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体除菌洗浄剤組成物及び除菌洗浄方法に関する。具体的に、本発明は、芽胞形成菌の芽胞に対する除菌性に優れ、油脂汚れに対する洗浄力に優れ、軽金属に対する腐食性が低く、かつ保存安定性に優れた液体除菌洗浄剤組成物及び当該液体除菌洗浄組成物を用いた除菌洗浄方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食中毒のリスク軽減や、食品工場、厨房施設の衛生環境を良好に保つため、除菌洗浄剤が使用されている。食品工場、厨房施設の除菌洗浄には、第四級アンモニウム塩を主成分とした除菌洗浄剤が一般的に使用されている。また、芽胞形成菌(以下、芽胞菌とも言う)の除菌を目的とした場合や高度な除菌力が必要な場合、次亜塩素酸ナトリウム等に代表される塩素系酸化剤を主成分とした除菌洗浄剤組成物が用いられる。
【0003】
しかしながら、第四級アンモニウム塩を主成分とした除菌洗浄剤は、芽胞菌に対する除菌力がほとんど無いため、芽胞菌の除菌はできない。また、第四級アンモニウム塩には陽イオン界面活性剤抵抗生菌の出現が問題となる場合がある。塩素系酸化剤を含む除菌洗浄剤は、芽胞菌に対する一定の除菌効果が認められるが、軽金属に対する腐食性が大きく、使用可能な設備が限定されてしまう。芽胞菌は、薬剤耐性が高いため、残存した芽胞菌が食品に混入し、食品腐敗及び食中毒を引き起こす問題がある。
【0004】
従来の除菌洗浄剤としては、特許文献1には両性界面活性剤系殺菌剤と、両性界面活性剤および/または脂肪酸アルカノールアミド型非イオン界面活性剤からなる殺菌洗浄剤組成物が記載されている。特許文献2には等電点が7を超える両性界面活性剤、等電点が7以下の両性界面活性剤、非イオン界面活性剤およびシリコーンオイルからなる殺菌消臭清拭剤組成物が記載されている。特許文献3にはチアゾリン系防腐剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤を配合し、pHが5.0~9.0である除菌洗浄剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-316209号公報
【文献】特開2002-047105号公報
【文献】特開2014-076974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載の殺菌洗浄剤組成物は、大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌等に除菌効果を示すが、薬剤耐性の高い芽胞菌に対する除菌効果がほとんど無い。特許文献3に記載の除菌洗浄剤組成物も、芽胞菌には効果が無く、陽イオン界面活性剤抵抗性菌に除菌性を示すが、長時間(数日)接触させる必要がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、一般細菌のみならず、芽胞形成菌の芽胞や、陽イオン界面活性剤抵抗性菌に対して、除菌力を有し、油脂汚れに対して優れた洗浄力を有する除菌洗浄剤組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明者らは鋭意検討した結果、(A)成分として一般式(1)で表される両性界面活性剤又はその塩、(B)成分として、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインより選択される1種又は2種以上、(C)成分としてキレート剤、(D)成分として水を含有し、25℃におけるpHが8.0~13である液体除菌洗浄剤組成物が従来の除菌洗浄剤組成物が有していた課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、
(1)(A)成分として下記一般式(1)で表される両性界面活性剤又はその塩、(B)成分として、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインより選択される1種又は2種以上、(C)成分としてキレート剤、(D)成分として水を含有し、25℃におけるpHが8.0~13である、液体除菌洗浄剤組成物、
【0010】
【化1】
【0011】
(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基、Rは水素原子又は炭素数6~18のアルキル基;mは1~4の整数、nは0~2の整数である。)
(2)(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)が0.005~20である、(1)の液体除菌洗浄剤組成物、
)(C)成分が、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミノ五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、グルタミン酸二酢酸、メチルグリシン二酢酸、及びこれらの塩からなる群から選択される1種又は2種以上である、(1)又は(2)に記載の液体除菌洗浄剤組成物、
(4)さらに、(E)成分として、アルキル基の炭素数が8~16であるアルキルジメチルアミンオキサイドの1種又は2種以上を含有する、(1)~(3)に記載の液体除菌洗浄剤組成物、
(5)さらに(F)成分として、アニオン界面活性剤を1種又は2種以上含有する、(1)~(4)のいずれかの液体除菌洗浄剤組成物、
(6)(1)~(5)のいずれかの液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌洗浄液に被除菌洗浄体を浸漬する工程、及び、浸漬後に被除菌洗浄体から除菌洗浄液を除去する工程を含む、除菌洗浄方法、及び、
(7)(1)~(5)のいずれかの液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌洗浄液を起泡させて、比重0.05~0.9g/立方センチメートルの泡または泡と液の混合物として被除菌洗浄体の表面に吹付ける工程と、被除菌洗浄体に吹き付けた後静置するか、又は擦り洗いする工程と、水ですすぐ工程とを含む、除菌洗浄方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の除菌洗浄剤組成物は、芽胞形成菌の芽胞や、真菌、一般細菌、陽イオン界面活性剤抵抗性菌に対して、優れた除菌効果を有し、油脂に対して優れた洗浄力を有する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、(A)成分として一般式(1)で表される両性界面活性剤又はその塩、(B)成分として(A)成分以外のカルボン酸型両性界面活性剤、(C)成分としてキレート剤、(D)成分として水を含有し、25℃におけるpHが7.5~13である、液体除菌洗浄剤組成物である。
以下に、各構成成分について詳細に説明する。
【0014】
本発明は、(A)成分として、下記一般式(1)で表される両性界面活性剤又はその塩を含む。この(A)成分は、芽胞菌及び陽イオン界面活性剤抵抗性菌の除菌に寄与する。
【0015】
【化2】
【0016】
(式中、Rは炭素数6~18のアルキル基、Rは水素原子又は炭素数6~18のアルキル基;mは1~4の整数、nは0~2の整数である。)
【0017】
一般式(1)のRは、炭素数6~18の直鎖又は分枝のあるアルキル基であり、好ましくは炭素数8~16の直鎖又は分枝のあるアルキル基であり、より好ましくは炭素数8~14の直鎖又は分枝のあるアルキル基である。一般式(1)のRは水素原子又は炭素数6~18の直鎖又は分枝のあるアルキル基であり、好ましくは、水素原子又は炭素数8~14の直鎖又は分枝のあるアルキル基である。
【0018】
一般式(1)のmは1~4の整数であり、好ましくは、mは1又は2の整数である。一般式(1)のnは0、1又は2であり、好ましくは0又は1である。
【0019】
(A)成分として使用可能な両性界面活性剤として、例えば、ジヘキシルジアミノエチルグリシン、ジヘキシルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジヘキシルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジ(2-エチルヘキシル)ジアミノエチルグリシン、ジ(2-エチルヘキシル)アミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジデシルジアミノエチルグリシン、ジデシルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジデシルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、デシルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン、オクチルアミノエチルグリシン、オクチルジアミノエチルグリシン、アルキル(C12~14)ジアミノエチルグリシン、ミリスチルジアミノエチルグリシン及びこれらの塩等が挙げられる。
【0020】
本発明の(A)成分として、ジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、オクチルアミノエチルグリシン、オクチルジアミノエチルグリシン、ラウリルジアミノエチルグリシン、アルキル(C12~14)ジアミノエチルグリシン及びこれらの塩が好ましく、ラウリルジアミノエチルグリシン、アルキル(C12~14)ジアミノエチルグリシン及びこれらの塩がより好ましい。また、ジオクチルジアミノエチルグリシン、ジオクチルアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、ジオクチルジアミノエチル(ジアミノエチルグリシン)、オクチルアミノエチルグリシン及びオクチルジアミノエチルグリシン及びこれらの塩の混合物も好ましい。
【0021】
上記の塩として、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン塩、塩酸塩などが挙げられるが、中でも、ナトリウム塩、塩酸塩が好ましい。
【0022】
上記市販品としては、レボンS(三洋化成工業社製)、レボン50(三洋化成工業社製)、レボンT-2(三洋化成工業社製)、パイオニンC-156(竹本油脂社製)、ニッサンアノンLG-R(日油社製)などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0023】
本発明の(B)成分である(A)成分以外のカルボン酸型両性界面活性剤は、本発明の液体除菌洗浄剤組成物へ除菌効果および洗浄効果を付与する。
本発明で使用する(A)成分以外のカルボン酸型両性界面活性剤は、本発明の効果を奏するものであれば特に限定されない。具体的には、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アルキルイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、アミノプロピオン酸型両性界面活性剤などが挙げられる。
【0024】
アルキルベタイン型両性界面活性剤として、アルキルカルボベタイン類、アルキルスルホベタイン類などが挙げられる。
アルキルカルボベタイン類として、アルキルヒドロキシカルボベタイン、アルキルアミドカルボベタイン、アルキルアミドヒドロキシカルボベタイン、アルキルジメチルベタイン、アルキルジエチルベタイン、アルキルヒドロキシエチルベタイン、などが挙げられる。
【0025】
アルキルカルボベタイン類の具体例として、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ステアリン酸アミドプロピルベタイン、オレイン酸アミドプロピルベタイン、リシノレイン酸アミドプロピルベタインなどが挙げられる。これらの中で、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインが好ましく、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタインより好ましい。
【0026】
アルキルスルホベタイン類として、アルキルスルホベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン、アルキルアミドスルホベタイン、アルキルアミドヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
アルキルスルホベタイン類の具体例として、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸ヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン、エルカ酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインなどが挙げられる。これらの中でも、ラウリルヒドロキシスルホベタイン、ラウリン酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタインが好ましく、ラウリルヒドロキシスルホベタインがより好ましい。
【0027】
アルキルイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤の具体例としては、2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、N-ヤシ脂肪酸アシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられる。
【0028】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤としては、アルキルアミノプロピオン酸類及びアルキルアミノジプロピオン酸類が挙げられる。
アルキルアミノプロピオン酸類及びアルキルアミノジプロピオン酸類のアルキル基としては、カプリリル基、カプリル基、ラウリル基、ミリスチル基、セチル基、ステアリル基、アラキル基、ベヘニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基などが挙げられる。
【0029】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤は、通常、塩形態であり、アルカリ金属塩又はアルカノールアミン塩であることが好ましい。
ここで、アルカリ金属塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。アルカノールアミン塩としては、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール塩、ジイソプロパノールアミン塩などが挙げられる。
【0030】
アミノプロピオン酸型両性界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシル-N-カルボキシエトキシエチル-N-エチルエチレンジアミン二ナトリウム、パーム核油脂肪酸アシル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどが挙げられる。これらの中でも、ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムが好ましく、ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウムがより好ましい。
【0031】
本発明の(C)成分であるキレート剤は芽胞菌の除菌性を向上させる。
本発明の(C)成分として、エチレンジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、イミノジコハク酸、ニトリロ三酢酸、トリポリリン酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン酸、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ビス(ポリ-2-カルボキシエチル)ホスフィン酸、ホスフィノカルボン酸共重合体又はそれらの塩等が挙げられる。中でも、芽胞菌の除菌性を向上させる点からエチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、ニトリロ三酢酸又はそれらの塩が好ましい。
【0032】
上記キレート剤が塩形態である場合、本発明の(C)成分はナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属との塩、アンモニウム塩、有機アミンとの塩であり得るが、ナトリウム塩、有機アミン塩であることが好ましく、モノエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩であることがより好ましい。アルカノールアミン塩形態のキレート剤は本発明の液体除菌洗浄剤組成物の低温安定性を向上させる場合がある。
【0033】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(D)成分である水は、水道水、軟水化処理水、純水、RO水、イオン交換水、蒸留水を用いることができる。経済性の点から、水道水が好ましい。水道水としては、例えば、東京都荒川区の水道水(pH=7.6、総アルカリ度(炭酸カルシウム換算として)40.5mg/L、ドイツ硬度2.3°DH(そのうち、カルシウム硬度1.7°DH、マグネシウム硬度0.6°DH)、塩化物イオン21.9mg/L、ナトリウム及びその化合物15mg/L、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素1.2mg/L、フッ素及びその化合物0.1mg/L、ホウ素及びその化合物0.04mg/L、総トリハロメタン0.016mg/L、残留塩素0.4mg/L、有機物(全有機炭素量)0.7mg/L)が挙げられる。水は、液体除菌洗浄剤組成物全体が100質量%となるように配合(必要に応じて後述する(D)成分~(F)成分および任意成分を配合する場合、これらを含めて全体が100質量%となるように配合)されるものである。
【0034】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(A)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(A)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、通常、0.1質量%以上10質量%以下であり、0.5質量%以上6質量%以下であることが好ましく、1質量%以上4質量%以下がより好ましい。
後述のように、本発明の液体除菌洗浄剤組成物は水又はお湯で希釈された除菌液として使用されることがあり、(A)成分が0.1質量%未満であると希釈されたときに極端に濃度が低くなり十分な芽胞菌に対する除菌効果が期待できない場合がある。また、(A)成分が10質量%より高くなると、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
【0035】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(B)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(B)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、1質量%以上15質量%以下であり、3質量%以上14質量%以下であることが好ましく、5質量%以上12質量%以下がより好ましい。
(B)成分が1質量%未満であると本発明の液体除菌洗浄剤組成物が希釈されたときに極端に濃度が低くなり十分な除菌効果および洗浄効果が期待できない場合がある。また、(B)成分が15質量%より高くなると、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
【0036】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(C)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(C)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、0.5質量%以上20質量%以下であり、3質量%以上15質量%以下であることが好ましく、6質量%以上13質量%以下がより好ましい。
(C)成分が0.5質量%未満であると本発明の液体除菌洗浄剤組成物が希釈されたときに極端に濃度が低くなり十分な芽胞菌に対する除菌効果が期待できない場合がある。また、(C)成分が20質量%より高くなると、本発明の液体除菌洗浄剤組成物のアルミに対する腐食防止性や貯蔵安定性が悪くなる場合がある。
【0037】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物において、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が0.006以上10以下であることが好ましく、0.01以上4以下がより好ましく、0.1以上1.5以下が最も好ましい。質量比(A)/(B)が0.006以上10以下であることで、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の一般細菌に対する除菌効果を有効に発揮でき、また、洗浄性もより向上する。
【0038】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物において、(A)成分と(C)成分の質量比(A)/(C)が0.005以上20以下であることが好ましく、0.05以上5以下がより好ましく、0.1以上0.9以下が最も好ましい。質量比(A)/(C)が0.005以上20以下であることで、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の芽胞菌に対する除菌効果を有効に発揮でき、また、貯蔵安定性もより向上する。
【0039】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物において、上記(A)~(C)成分以外の残部を(D)成分とすることができる。
【0040】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物は、さらに、(E)成分として、アルキル基の炭素数が8~16であるアルキルジメチルアミンオキサイドの1種又は2種以上を含有してもよい。この(E)成分は、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の洗浄性および貯蔵安定性に寄与する。また、本発明の液体除菌洗浄剤組成物を発泡洗浄機(スプレーガン)等で発泡して使用する場合、(E)成分は垂直面に対する泡の付着性に寄与する。
【0041】
アルキル基の炭素数が8~16であるアルキルジメチルアミンオキサイドとしては、オクチルジメチルアミンオキサイド、デシルジメチルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキサイド、テトラデシルジメチルアミンオキサイド、ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイドが挙げられる。中でも、アルキル基の炭素数が8~14であるアルキルジメチルアミンオキサイドが好ましく、アルキル基の炭素数が8~10であるアルキルジメチルアミンオキサイドがより好ましい
【0042】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(E)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(E)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上10質量%以下であり、0.3質量%以上7質量%以下であることが好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
(E)成分が0.1質量%未満であると本発明の液体除菌洗浄剤組成物の洗浄性、貯蔵安定性、垂直面に対する泡付着性への効果が十分認められない場合がある。また、(E)成分が10質量%より高くなっても、添加量に見合う効果が認められない場合がある。
【0043】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物は、さらに(F)成分として、アニオン界面活性剤を1種又は2種以上含有してもよい。この(F)成分は本発明の洗浄性に寄与し、また、液体除菌洗浄剤組成物を発泡洗浄機(スプレーガン)等で発泡して使用する場合、垂直面に対する泡の付着性に寄与する。
アニオン界面活性剤としては、具体的に、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルカンスルホン酸塩、2級アルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、α‐オレフィンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。中でも、アルキルエーテル硫酸エステル塩、2級アルカンスルホン酸塩、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましい。
【0044】
上記アニオン界面活性剤は、塩の形態の化合物であり、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム等のアルカノールアミン塩などであり得る。
【0045】
アルキル硫酸エステル塩のアルキル基は、炭素数8~18のアルキル基であることが好ましい。アルキル硫酸エステル塩として、具体的に、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
アルキルエーテル硫酸エステル塩のアルキル基は炭素数10~18のアルキル基であることが好ましい。また、アルキルエーテル硫酸エステル塩はオキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有し、オキシエチレン基の平均繰り返し数nは1~5であることが好ましく、オキシプロピオン基の平均繰り返し数mは0~1であることが好ましい。アルキルエーテル硫酸エステル塩として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルナトリウムなどが挙げられる。
【0046】
アルカンスルホン酸塩及び2級アルカンスルホン酸塩は、炭素数14~18を有するアルカンスルホン酸塩を使用することが好ましく、具体的に、2級アルカン(C14~17)スルホン酸ナトリウム、ヒドロシキアルカン(C14~16)スルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0047】
直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩のアルキル基は、炭素数8~16を有するアルキル基であることが好ましい。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩として、具体的に、ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0048】
α‐オレフィンスルホン酸塩のアルケニル基は、炭素数8~20を有するアルキル基であることが好ましい。α-オレフィンスルホン酸塩として、具体的に、ライオン株式会社製のリポランLB-440などが挙げられる。
アルキルジフェニルエーテルスルホン酸のアルキル基は、炭素数8~18を有するアルキル基であることが好ましい。アルキルジフェニルエーテルスルホン酸として、具体的に、花王株式会社製のペレックスSS-HやペレックスSS-Lなどが挙げられる。
スルホコハク酸はスルホ基を有するコハク酸アルキルエステルであり、該アルキル基の炭素数が6~18であることが好ましい。スルホコハク酸として、具体的に、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ジデシルナトリウム、スルホコハク酸ジドデシルナトリウム、スルホコハク酸ジ-2-エチルヘキシルナトリウム等が挙げられる。
【0049】
アルキルエーテルカルボン酸塩のアルキル基は、炭素数8~18であるアルキル基が好ましい。また、アルキルエーテルカルボン酸塩は、オキシエチレン基及び/又はオキシプロピレン基を有し、オキシエチレン基の平均繰り返し数nは1~10であることが好ましく、オキシプロピオン基の平均繰り返し数mは0~1であることが好ましい。
【0050】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(F)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(F)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、0.1質量%以上5質量%以下であり、0.3質量%以上3質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上2質量%以下がより好ましい。
(F)成分が0.1質量%未満であると本発明の液体除菌洗浄剤組成物の洗浄性および垂直面に対する泡付着性が十分に認められない場合がある。また、(F)成分が5質量%より高くなっても、添加量に見合う効果が認められない場合がある。
【0051】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物では、カチオン界面活性剤を使用しないことが好ましい。特に、(F)成分を含む場合は、(F)成分との相互作用により、それぞれの成分の効果が認められなくなる場合がある。
【0052】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物のpHは、使用時において25℃におけるpHが7.5以上13以下であり、好ましくは8.0~12、より好ましくは8.2~11である。本発明の液体除菌洗浄剤組成物は原液もしくは水又はお湯で希釈して使用できるが、2~500倍に希釈した希釈液の25℃におけるpHが7.5以上13以下であり、好ましくは8.0~12、より好ましくは8.2~11であると芽胞菌に対する除菌効果が有効に発揮される。本発明の液体除菌洗浄剤組成物のpHが7.5未満であると、芽胞菌への除菌効果が認められず、13以上であると被除菌洗浄体の金属部分の腐食が生じてしまう。
【0053】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物には、必要に応じて(G)成分として可溶化剤を配合することができる。可溶化剤を配合すると、組成物の安定性が向上する効果がある。本発明の(G)成分の可溶化剤として、キシレンスルホン酸、キシレンスルホン酸ナトリウム、キシレンスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、安息香酸、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、クメンスルホン酸、クメンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸カリウム、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、イソプレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられるが、好ましくはエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エタノールである。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0054】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物における(G)成分の濃度は特に限定されない。しかしながら、(G)成分の濃度は、通常、液体除菌洗浄剤組成物全量に対して、0.01質量%以上10質量%以下であり、0.3質量%以上6質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4質量%以下がより好ましい。
(G)成分が0.01質量%未満であると、本発明の液体除菌洗浄剤組成物の貯蔵安定性への向上効果が十分に認められない場合がある。また、(G)成分が10質量%より高くなっても、添加量に見合う効果が認められない場合がある。
【0055】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物のpHを調整するために必要に応じて、(H)成分としてpH調整剤を使用することができる。(H)成分の塩基成分としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N-メチルエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、モノエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン等のアルカノールアミンが挙げられる。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。また、(H)成分の酸成分としては、塩酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、安息香酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、ホスホノブタントリカルボン酸、リン酸などが挙げられるが、好ましくは、塩酸、乳酸、クエン酸である。これらは単独でも2種以上を組み合わせてもよい。
【0056】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物には、更に必要に応じて上記以外の界面活性剤、分散剤、天然抽出物、他の除菌成分、酵素、染料、消泡剤、起泡剤、防腐剤、香料、腐食抑制剤等を配合することができる。
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を製造する方法としては、特に制限はなく、各成分を攪拌混合する等の通常の方法で製造することができる。
【0057】
分散剤としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸型共重合体、マレイン酸型共重合体、メタクリル酸型共重合体、アクリル酸-スルホン酸型モノマー共重合体等が挙げられる。
【0058】
天然抽出物としては、例えば、アサ科植物、アカネ科植物、アブラナ科植物、イネ科植物、カキノキ科植物、キク科植物、シソ科植物、ショウガ科植物、ツバキ科植物、ナス科植物、ヒノキ科植物、フトモモ科植物、ブドウ科植物、マメ科植物、ミカン科植物、ユリ科植物等の植物由来の天然抽出物や、リゾチーム、しらこ蛋白抽出物等の動物由来の天然抽出物が挙げられる。
【0059】
他の除菌成分としては、次亜塩素酸又はその塩、ジクロロイソシアヌル酸又はその塩等の塩素系漂白剤、ε-ポリリジン、ポリ-γ-グルタミン酸、ナイシン等の微生物由来の抗菌ペプチドが挙げられる。
【0060】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を用いる除菌方法において、上記の液体除菌洗浄剤組成物をそのまま除菌液として用いることもでき、水又はお湯で2~500倍に希釈した除菌液を調製して使用することも可能である。ここでの水又はお湯は本発明の液体除菌洗浄剤組成物の(D)成分と同じ水道水、軟水化処理水、純水、RO水、イオン交換水又は蒸留水を用いることができる。
【0061】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を希釈した除菌液中の(A)成分は、通常、除菌液の全質量に対して、0.00025質量%以上0.05質量%以下であることが好ましく、0.00125質量%以上0.03質量%以下であることがより好ましく、0.0025質量%以上0.02質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を希釈した除菌液中の(B)成分は、通常、除菌液の全質量に対して、0.0025質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、0.0075質量%以上0.07質量%以下であることがより好ましく、0.0125質量%以上0.06質量%以下であることが特に好ましい。
【0062】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を希釈した除菌液中の(C)成分は、通常、除菌液の全質量に対して、0.00125質量%以上0.25質量%以下であることが好ましく、0.0075質量%以上0.075質量%以下であることがより好ましく、0.015質量%以上0.065質量%以下であることが特に好ましい。
本発明の液体除菌洗浄剤組成物を希釈した除菌液中の(F)成分は、通常、除菌液の全質量に対して、0.00025質量%以上0.025質量%以下であることが好ましく、0.00075質量%以上0.015質量%以下であることがより好ましく、0.002質量%以上0.01質量%以下であることが特に好ましい。
【0063】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物は、芽胞菌を含む菌類・微生物の汚染・混入が問題となる幅広い分野(食品分野、醸造分野、医療分野、農業分野など)での除菌に有用である。例えば、乳製品・乳加工品、大豆製品、大豆加工品、ビール・ワイン・清酒、味噌・醤油などの食品加工工場での容器や製造ラインの除菌、内視鏡等の医療器具の消毒や滅菌、透析ラインの洗浄、野菜及び果物の処理水の病原菌微生物の制御、植物の病気又は損傷及び苗木の腐敗の原因となる種子に取り付いた微生物の制御、食鳥肉の処理場での食鳥肉の表面の病原菌の減少、特に、無菌充填法によるPETボトル入り清涼飲料の製造での容器包材(PETボトル及びキャップ)の除菌、またはそのラインの強化除菌に好適に用いることができる。
【0064】
本発明の液体除菌洗浄剤組成物による除菌方法を行う際の温度は、液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌液を0℃~90℃に調整する。
本発明の除菌方法は、除菌液を被除菌洗浄体に発泡洗浄機(スプレーガン)などを用いて噴霧したり、除菌液に被除菌洗浄体を浸漬したりする方法を採用することができる。噴霧時間や浸漬時間は、微生物の種類や量、有機汚れあるいは無機汚れの種類や量、除菌液の濃度等によって適宜選択することができる。
【0065】
除菌液を被除菌洗浄体に噴霧して除菌を行うときは、例えば、本発明の液体除菌洗浄剤組成物を含む除菌液をスプレーヤーや発泡洗浄機で起泡させて、0.05~0.9g/立法センチメートルの泡、又は泡と液の混合物として、被除菌洗浄体に噴霧し、その後、これを静置するか、又は擦り洗いした後、水ですすぐ。スプレーヤーとしては、例えば、外部からの空気を混合して発泡するトリガータイプのハンドスプレーヤーが挙げられる。発泡洗浄機としては、例えば、DEMA社製910N PORTABLE FOAMERの様なエア駆動式ダイアフラムポンプにて送液し、圧縮空気と発泡洗浄剤組成物の希釈液を混合して発泡並びに噴霧する装置が挙げられる。
【実施例
【0066】
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明する。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示す。なお、以下の実施例等において「%」は特に記載がない限り質量%を表し、表中における実施例及び比較例の配合の数値は純分の質量%を表す。実施例、比較例において使用した化合物を以下に記す。また、アルキル基の表記について、例えば、アルキル(C8~18)と表記されている場合、炭素数8以上、18以下のアルキル基を有する混合物を表す。
【0067】
(A)成分
A-1:ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム(商品名:レボンS、三洋化成工業社製、一般式(1)で表される化合物であり、Rは主として炭素数12のアルキル基であり、Rは水素原子であり、mは2であり、nは0である)
A-2:アルキル(C12~14)ジアミノエチルグリシン塩酸塩(商品名:レボンT-2、三洋化成工業社製、一般式(1)で表される化合物であり、Rは主として炭素数12~14のアルキル基であり、Rは水素原子であり、mは2であり、nは0である)
A-3:アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩(商品名:レボン50、三洋化成工業社製、一般式(1)で表される化合物であり、RおよびRは主として炭素数8のアルキル基であり、mは1又は2であり、nは0又は1である)
【0068】
(B)成分
B-1: ラウリルアミノジプロピオン酸ナトリウム(商品名:エナジーコールDP-30、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
B-2:2-アルキル-N-カルボキシエチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(商品名:エナジーコールCNS、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
B-3:ラウリン酸アミドプロピルベタイン(商品名:アンヒトール20AB、花王社製)
B-4:ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(商品名:アンヒトール20BS、花王社製)
B´-1:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(商品名:リポカード210-80E、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製)
【0069】
(C)成分
C-1:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
C-2:エチレンジアミン四酢酸モノエタノールアミン塩
C-3:エチレンジアミン四酢酸モノイソプロパノールアミン塩
C-4:メチルグリシン二酢酸モノエタノールアミン塩
C-5:グルタミン酸二酢酸モノエタノールアミン塩
C-6:トリポリリン酸ナトリウム
【0070】
(D)成分
D-1:水道水
【0071】
(E)成分
E-1:オクチルジメチルアミンオキサイド
E-2:デシルジメチルアミンオキサイド
E-3:テトラデシルジメチルアミンオキサイド
E-4:ヘキサデシルジメチルアミンオキサイド
【0072】
(F)成分
F-1:ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム(テイカ社製 テイカパワーL121)
F-2:2級アルカン(C14~17)スルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン社
製 HOSTAPUR SAS30)
【0073】
可溶化剤
(G)成分
G-1:プロピレングリコール
G-2:エタノール
【0074】
pH調整剤
(H)成分
H-1:塩酸
H-2:水酸化ナトリウム
【0075】
各実施例の組成物は、(D)成分の水を組成物の合計が100質量%となるように混合槽に加え、次いで(A)成分、(B)成分、(C)成分(必要に応じて(E)成分、(F)成分、(G)成分、(H)成分)を混合槽中に配合し、十分に混合撹拌して調製した。
【0076】
実施例1~50、比較例1~7
表1~表6に示す除菌洗浄剤組成物を調製した。各除菌洗浄剤組成物を用いて、除菌性、金属腐食防止性、貯蔵安定性を測定した。表1~5に実施例1~50の結果を、表6に比較例1~7の結果をそれぞれ示す。
なお、実施例21は参考例である。
【0077】
※1:pHの測定方法
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。
次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86→pH9.18→pH4.01の順に校正操作を行った。
各除菌洗浄剤組成物を100mLビーカーに充填し、恒温槽内にて25℃に調整した。恒温に調整された試料にpH測定用電極を3分間浸し、組成物のpHを測定した。
【0078】
※2:除菌性試験(芽胞菌)
供試菌株として、枯草菌(Bacillus subtilis)(NBRC3134)、セレウス菌(Bacills cereus)(NBRC15305)を用いた。
【0079】
2-1:芽胞懸濁液の作製
供試菌株をSCD寒天培地(日水製薬品)に塗抹し、37℃で培養し、培養後、顕微鏡観察にて芽胞が十分に形成されていることを確認した。平板培地上に滅菌済み純水を10mL入れ、コロニーを掻き取り懸濁液を収集した。収集した懸濁液に、10000rpmで、4℃、15分間の条件で遠心洗浄を3回実施し、遠心後、滅菌済み純水を適量加え、菌数が2.0~9.0×10CFU/ml程度になるように調製し、ウォーターバスにて80℃、15分間の加熱処理をして芽胞懸濁液とした。
【0080】
2-2:滅菌中和液の調製
大豆レシチンを10g、Tween80を30g、L-ヒスチジンを1g、チオ硫酸ナトリウムを20g、1Lの蒸留水に加温溶解し、攪拌しながら冷却をおこなった。その後、スクリューキャップ付き試験管に各9mL分注し、高圧殺菌(121℃、20分間)をおこない、滅菌中和溶液とした。
【0081】
2-3:除菌性試験(芽胞菌)
試験方法:
各除菌洗浄剤組成物をイオン交換水で0.25質量%に希釈して調製した除菌洗浄液10mLに、終濃度1.5~5.0×10(CFU/ml)となるように各芽胞懸濁液0.1mLを添加し、除菌洗浄液と芽胞懸濁液とを25℃で18時間接触させたもの、および40℃で60分間接触させたものを試験液とした。各試験液1mLを、滅菌中和溶液に加え、よく攪拌した。混合液をSCD寒天培地にて混和固化し、37℃で2日間培養した。培養後、生菌数を測定し、初発菌数との差より、以下の基準で除菌性を評価した。△、○、◎の評価のものを実用性のあるものとして判定した。
【0082】
評価基準
3点:供試菌のlog reductionが3以上
2点:供試菌のlog reductionが2以上、3未満
1点:供試菌のlog reductionが1以上、2未満
0点:供試菌のlog reductionが1未満
として25℃で18時間接触させたものと、40℃で60分間接触させたものそれぞれについて、生菌数の減少を上記点数で評価して平均値を求め、以下の基準で除菌性を評価した。
◎:平均値が3点
○:平均値が2点以上、3点未満
△:平均値が1点以上、2点未満
×:供平均値が1点未満
【0083】
※3:除菌性試験(カビ胞子)
供試菌株として、アスペルギルスニガー(Aspergillus niger)(IFO9455)を用いた。
【0084】
3-1:胞子懸濁液の調整(アスペルギルスニガー)
供試カビをPDA寒天培地(日水製薬品)に塗抹し、25℃で培養し、培養後、顕微鏡観察にて胞子が十分に形成されていることを確認した。平板培地上に滅菌済み0.05%Tween20添加生理食塩水を10mL入れ、コロニーを掻き取り懸濁液を収集した。収集した懸濁液は滅菌済みガーゼを通して不要な菌糸を取り除いた後、10000rpmで、4℃、15分間の条件で遠心洗浄を3回実施し、遠心後、滅菌済み0.05%Tween20添加生理食塩水を適量加え、菌数が2.0~9.0×10CFU/mL程度になるように調製し、胞子懸濁液とした。
【0085】
3-2:滅菌中和液の調整
大豆レシチンを10g、Tween80を30g、L-ヒスチジンを1g、チオ硫酸ナトリウムを20g、1Lの蒸留水に加温溶解し、攪拌しながら冷却をおこなった。その後、スクリューキャップ付き試験管に各9mL分注し、高圧殺菌(121℃、20分間)をおこない、滅菌中和溶液とした。
【0086】
3-3:除菌性試験(アスペルギルスニガー)
試験方法:
各除菌洗浄剤組成物をイオン交換水で0.25質量%に希釈して調製した除菌洗浄液10mLに、終濃度1.5~5.0×10(CFU/mL)となるように胞子懸濁液0.1mLを添加し、除菌洗浄液と胞子懸濁液とを25℃にて30分間接触させたものを試験液とした。この試験液1mLを、滅菌中和溶液に加え、よく攪拌した。混合液をPDA寒天培地にて混和固化し、37℃で4日間培養した。培養後、生菌数を測定し、初発菌数との差より、以下の基準で除菌性を評価した。△、○、◎の評価のものを実用性のあるものとして判定した。
評価基準
◎:供試菌のlog reductionが3以上
○:供試菌のlog reductionが2以上、3未満
△:供試菌のlog reductionが1以上、2未満
×:供試菌のlog reductionが1未満
【0087】
※4:除菌性試験(栄養細胞)
供試菌株として、大腸菌(Escherichia coli)(NBRC3972)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)(NBRC13276)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)(NBRC13275)および陽イオン界面活性剤に抵抗性を示すセラチアマルセッセンス(Seratia marcescens)(現場分離菌)を用いた。
【0088】
4-1:菌株の培養
大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌はSCD寒天培地(日水製薬品)に塗抹し、37℃で24時間培養し、セラチアマルセッセンスは陽イオン界面活性剤を含有した寒天培地に塗抹し、30℃で24時間間培養後、コロニーを掻き取り、それぞれ滅菌リン酸緩衝生理食塩水に希釈したものを菌懸濁液として用いた。
【0089】
4-2:滅菌中和液の調整
大豆レシチンを10g、Tween80を30g、L-ヒスチジンを1g、チオ硫酸ナトリウムを20g、1Lの蒸留水に加温溶解し、攪拌しながら冷却をおこなった。その後、スクリューキャップ付き試験管に各9mL分注し、高圧殺菌(121℃、20分間)をおこない、滅菌中和溶液とした。
【0090】
4-3:除菌性試験(栄養細胞)
試験方法:
各液体除菌洗浄剤組成物をイオン交換水で0.25質量%に希釈して調製した除菌洗浄液10mLに、終濃度1.5~5.0×10(CFU/mL)となるように各菌懸濁液0.1mLを添加し、25℃にて5分間接触させたものを試験液とした。各試験液1mLを、滅菌中和溶液に加え、よく攪拌した。混合液を大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌はSCD寒天培地にて混和固化後、37℃で2日間培養し、セラチアマルセッセンスはSCD寒天培地(日水製薬品)にて混和固化後、30℃で2日間培養した。培養後、生菌数を測定し、初発菌数との差より、以下の基準で除菌性を評価した。△、○、◎の評価のものを実用性のあるものとして判定した。
【0091】
評価基準
◎:供試菌のLog reductionが4以上
○:供試菌のLog reductionが2以上、4未満
△:供試菌のLog reductionが1以上、2未満
×:供試菌のLog reductionが1未満
【0092】
※5:金属腐食防止性試験(ステンレス)
試験方法:
試験片[ステンレス(SUS304)、縦50mm×横30mm×厚さ1mm]は、予め中性洗剤で洗浄しアセトン処理して乾燥させたものを使用する。炭酸カルシウム換算で、75mg/L[ドイツ硬度4.2°DH]の硬水で各液体除菌洗浄剤組成物を0.25質量%に希釈した洗浄液60mLを70mL容量の蓋付ガラス瓶に入れ、その中に試験片を浸漬し、80℃の恒温器内で24時間浸漬した。その後、試験片を取り出し、イオン交換水にてすすぎ、乾燥させて、試験片表面の外観状態を目視により観察し、下記基準で腐食性を判定した。
評価基準:
○:腐食がない
△:やや腐食がみられるが、使用上問題はない
×:腐食した
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
【0093】
※6:金属腐食防止性試験(アルミニウム)
試験方法:
試験片[アルミニウム(A1100P)、縦50mm×横30mm×厚さ1mm]は、予め中性洗剤で洗浄しアセトン処理して乾燥させたものを使用する。炭酸カルシウム換算で、75mg/L[ドイツ硬度4.2°DH]の硬水で各液体除菌洗浄剤組成物を0.25質量%に希釈した洗浄液60mLを70mL容量の蓋付ガラス瓶に入れ、その中に試験片を浸漬し、40℃の恒温器内で24時間浸漬した。その後、試験片を取り出し、イオン交換水にてすすぎ、乾燥させて、試験片表面の外観状態を目視により観察し、下記基準で腐食性を判定した。
評価基準:
○:腐食がない
△:やや腐食がみられるが、使用上問題はない
×:腐食した
とし、○、△を実用性のあるものとして判定した。
【0094】
※7:貯蔵安定性試験
試験方法:
各液体除菌洗浄剤組成物100gをポリプロピレン製容器に入れ、-5℃、25℃、40℃で1ヶ月静置した後に外観を観察した。
評価基準:
◎:分離や濁りが見られず安定である
○:わずかな変化が認められるが、分離や濁りが見られず安定である
△:全体的な分離はなく、若干の濁りが見られるが、使用上問題はない
×:分離もしくは濁りが見られる
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0095】
※8:洗浄力試験
試験方法:
ステンレス片[ステンレス(SUS304)、縦70mm×横60mm×厚さ1mm]に油(牛脂10g、大豆油10g、モノオレイン0.25g、スダンIII0.1gをクロロホルム60mLに溶解したもの)を塗布し、25℃で1時間乾燥させたものを試験片とし重量を測定した。この試験片を炭酸カルシウム換算で75mg/L[ドイツ硬度4.2°DH]の硬水で、各除菌洗浄剤組成物を1質量%に希釈して調製した洗浄液200mLに浸漬し、10分間放置した後、イオン交換水で15秒間すすぎ、自然乾燥させた後、重量を測定した。油脂汚れの洗浄率を洗浄前後の試験片の重量変化により算出し、下記基準で洗浄力を評価した。
評価基準:
◎:洗浄率80%以上
○:洗浄率60%以上、80%未満
△:洗浄率40%以上、60%未満
×:洗浄率40%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0096】
※9:垂直面に対する泡付着性試験
試験方法:
炭酸カルシウム換算で75mg/L[ドイツ硬度4.2°DH]の硬水で、各液体除菌洗浄剤組成物を20℃で5質量%に希釈して調製した希釈液を、DEMA社製910 PORTABLE FOAMERを用いて、比重0.15g/立方センチメートルの泡状に発泡させた後、ステンレス片[ステンレス(SUS304)]垂直面の縦1m、横1mの範囲に対して、2cm以下の泡の厚みとなるように吹付け、3分後の垂直壁面への付着具合を目視により以下の基準で評価した。
評価基準:
◎:泡の保持が70%以上
○:泡の保持が60%以上、70%未満
△:泡の保持が50%以上、60%未満
×:泡の保持が50%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
【0097】
【表1】
【0098】
【表2】
【0099】
【表3】
【0100】
【表4】
【0101】
【表5】
【0102】
【表6】