(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-28
(45)【発行日】2024-03-07
(54)【発明の名称】イメージングベースのオーバレイ測定の品質指標として高調波検出率を適用するためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240229BHJP
G03F 9/00 20060101ALI20240229BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20240229BHJP
【FI】
H01L21/66 J
G03F9/00 H
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2022517218
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(86)【国際出願番号】 US2020050972
(87)【国際公開番号】W WO2021055407
(87)【国際公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-09-13
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドラチュク ギル
(72)【発明者】
【氏名】レヴィアント トム
(72)【発明者】
【氏名】グリーディ デービッド
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0271542(US,A1)
【文献】特表2019-512166(JP,A)
【文献】特表2014-512101(JP,A)
【文献】米国特許第07557921(US,B1)
【文献】特表2017-508273(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0136137(US,A1)
【文献】特表2017-537317(JP,A)
【文献】特開2007-149807(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0250504(US,A1)
【文献】特表2006-518942(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G03F 9/00
G03F 7/20
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
計測サブシステムに結合可能なコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサに、
サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を前記計測サブシステムから受信させ、
複数の高調波検出率メトリック値を、前記複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定させ、それぞれの画像信号のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の非高調波ノイズ、及び前記第1の計測ターゲットの表面反射率の関数であり、
前記計測サブシステムの1セットの光学測定条件を、前記複数の高調波検出率メトリック値に基づいて識別させ、ここで前記光学測定条件のセットは前記計測サブシステムの光学計測測定のレシピを定義し、
前記レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために前記計測サブシステムに提供させる、コントローラを備える、
計測システム。
【請求項2】
前記それぞれの画像信号のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の前記高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の前記非高調波ノイズ、及び前記第1の計測ターゲットの前記表面反射率に単調依存する、請求項1に記載の計測システム。
【請求項3】
前記それぞれの画像信号の前記それぞれの高調波検出率メトリック値は、
【数1】
によって定義される、請求項2に記載の計測システム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、異なるセットの光学測定条件で前記高調波検出率メトリック値のそれぞれを決定するように構成される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項5】
前記1つ以上のプロセッサは、異なるセットの焦点及び波長値で前記高調波検出率メトリック値のそれぞれを決定するように構成される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項6】
前記1つ以上のプロセッサは、前記高調波検出率メトリック値のセットを2つ以上の光学測定条件の関数として表示するように構成される、請求項1に記載の計測システム。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセッサは、前記高調波検出率メトリック値のセットを焦点及び波長の関数として表示するように構成される、請求項6に記載の計測システム。
【請求項8】
前記計測サブシステムの光学計測測定のための前記レシピを定義する前記光学条件のセットは、
照明の波長、計測ターゲットに入射する前記照明の偏光、前記計測ターゲットに入射する前記照明の角度、又は検出器に対する前記計測ターゲットの焦点位置、のうちの2つ以上を含む、
請求項1に記載の計測システム。
【請求項9】
計測サブシステムであって、
照明を生成するための照明源と、
前記照明源からの前記照明をサンプル上に配置された計測ターゲットに向ける1つ以上の照明光学系と、
前記計測ターゲットの画像を前記照明源からの前記照明に基づき生成する検出器であって、前記計測サブシステムの光学構成は構成可能であり、ここで前記光学構成は、前記照明の波長、前記計測ターゲットに入射する前記照明の偏光、前記計測ターゲットに入射する前記照明の角度、又は前記検出器に対する前記計測ターゲットの焦点位置を含む、検出器と、を含む、計測サブシステムと、
前記計測サブシステムに結合可能なコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサに、
前記サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を前記計測サブシステムから受信させ、
複数の高調波検出率メトリック値を、前記複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定させ、それぞれの画像信号のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の非高調波ノイズ、及び前記第1の計測ターゲットの表面反射率の関数であり、
前記計測サブシステムの1セットの光学測定条件を、前記複数の高調波検出率メトリック値に基づいて識別させ、ここで前記光学測定条件のセットは前記計測サブシステムの光学計測測定のレシピを定義し、
前記レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために前記計測サブシステムに提供させる、コントローラと、を備える、
計測システム。
【請求項10】
前記それぞれの画像信号の前記それぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の非高調波ノイズ、及び前記第1の計測ターゲットの表面反射率に単調依存する、請求項9に記載の計測システム。
【請求項11】
前記それぞれの画像信号の前記それぞれの高調波検出率メトリック値は、
【数2】
によって定義される、請求項10に記載の計測システム。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサは、異なるセットの光学測定条件で前記高調波検出率メトリック値のそれぞれを決定するように構成される、請求項9に記載の計測システム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサは、異なるセットの焦点及び波長値で前記高調波検出率メトリック値のそれぞれを決定するように構成される、請求項9に記載の計測システム。
【請求項14】
前記1つ以上のプロセッサは、前記高調波検出率メトリック値のセットを2つ以上の光学測定条件の関数として表示するように構成される、請求項9に記載の計測システム。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサは、前記高調波検出率メトリック値のセットを焦点及び波長の関数として表示するように構成される、請求項14に記載の計測システム。
【請求項16】
前記計測サブシステムの光学計測測定のための前記レシピを定義する前記光学条件のセットは、
照明の波長、計測ターゲットに入射する前記照明の偏光、前記計測ターゲットに入射する前記照明の角度、又は前記検出器に対する前記計測ターゲットの焦点位置、のうちの2つ以上を含む、
請求項9に記載の計測システム。
【請求項17】
第1の計測サブシステム及び第2の計測サブシステムに結合可能なコントローラであって、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含み、前記1つ以上のプロセッサに、
サンプル上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第1のセットの画像信号を、前記第1の計測サブシステムから受信させ、
前記サンプル上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第2のセットの画像信号を、前記第2の計測サブシステムから受信させ、
前記第1の計測サブシステムからの前記画像信号について第1のセットの高調波検出率メトリック値を決定させ、それぞれの画像信号のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の非高調波ノイズ、及び前
記計測ターゲットの表面反射率の関数であり、
前記第2の計測サブシステムからの前記画像信号について第2のセットの高調波検出率メトリック値を決定させ、
前記第1の計測サブシステムの前記第1のセットの高調波検出率メトリック値を、前記第2の計測サブシステムの前記第2のセットの高調波検出率メトリック値と比較させ、
前記第1の計測サブシステムの前記第1のセットの高調波検出率メトリック値と、前記第2の計測サブシステムの前記第2のセットの高調波検出率メトリック値との前記比較に基づいて、前記第2の計測サブシステムを較正させる、コントローラを備える、
計測システム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第2の計測サブシステムで取得された画像ベースのオーバレイ計測データを、前記第1の計測サブシステムの前記1つ以上の第1の高調波検出率メトリック値と前記第2の計測サブシステムの前記1つ以上の第2の高調波検出率メトリック値との前記比較に基づいて調整する、ように更に構成される、
請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサは、
前記第1の計測サブシステムからの画像ベースのオーバレイ計測データを、前記第2の計測サブシステムからの較正された画像ベースのオーバレイ計測データと組み合わせる、ように更に構成される、
請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を受信し、
複数の高調波検出率メトリック値を、前記複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定し、それぞれの画像信号のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、前記それぞれの画像信号の高調波信号強度、前記それぞれの画像信号の非高調波ノイズ、及び前記第1の計測ターゲットの表面反射率の関数であり、
計測ツールの1セットの光学測定条件を、前記複数の高調波検出率メトリック値に基づいて識別させ、ここで前記光学測定条件のセットは前記計測ツールの光学計測測定のレシピを定義し、
前記レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために前記計測ツールに提供する、ことを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、イメージングオーバレイ計測に関連し、特に、高調波検出率メトリックを用いる画像ベースの光信号の定量化に関連する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2019年9月17日に出願された、米国仮出願第62/901,652号の利益を主張するものであり、その開示の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
オーバレイ計測のための縮小する設計規則及びより要求の厳しい仕様は、オーバレイ計測方法の感度及びロバスト性に対する要求の増大を推進している。オーバレイ計測は、通常、対象の複数のサンプル層にフィーチャを作製した専用の計測ターゲットを作製することによって実行される。画像ベースのオーバレイ計測は、通常、サンプル上の2つ以上の層の間の位置ずれを、対象の異なる層におけるオーバレイターゲットのフィーチャの相対的な画像化された位置に基づいて決定することを含み得る。オーバレイ測定の精度は、各サンプル層の画像化されたフィーチャに関連する画質に敏感であり得て、これは、照明と問題のサンプルに関連する様々なパラメータに基づいて変化し得る。したがって、オーバレイ計測ターゲットの測定の前に、計測ツールは、選択されたレシピで構成され、これには、所与の計測測定に使用される計測の様々な構成を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2013/0035888号
【文献】米国特許第7557921号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レシピ選択のための現在の方法は、光学コントラストの使用、又は測定品質の異なる側面を測定焦点及び波長の関数として特徴付けるいくつかのメトリックの組み合わせ、のいずれかを使用することに依存している。これらのメトリックは正規化され、単一の融合スコアに結合される。レシピ選択の現在の方法には欠点がある。第1に、単一のスコアに結合されるメトリックの選択は主観的であり、どのメトリックを使用するか、そしてメトリックをどのように重み付けし、正規化するかに関するユーザの決定に依存する。第2に、メトリックが正規化されるため、レシピを区別するためのダイナミックレンジが制限される。これは、スコアの飽和と測定条件の曖昧さをもたらす。その結果、レシピ選択の現在の方法は、低品質又は不安定なレシピの選択を引き起こす場合がある。したがって、上記で特定されたような以前のアプローチの欠点を解決するためのシステム及び方法を提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
計測システムが開示される。1つの実施形態では、システムは計測サブシステムに結合可能なコントローラを含み、コントローラはプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を計測サブシステムから受信するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、複数の高調波検出率メトリック値を、複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、計測サブシステムの1セットの光学測定条件を、複数の高調波検出率メトリック値に基づいて識別するように構成され、ここで光学測定条件のセットは、計測サブシステムの光学計測測定のレシピを定義する。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために計測サブシステムに提供するように構成される。1つの実施形態では、計測サブシステムは、照明を生成するための照明源を含む。別の実施形態では、計測サブシステムは、1つ以上の照明光学系を含み、照明源からの照明をサンプル上に配置された計測ターゲットに向ける。別の実施形態では、計測サブシステムは、検出器を含み、照明源からの照明に基づいて計測ターゲットの画像を生成し、ここで計測サブシステムの光学構成は構成可能であり、ここで光学構成は、照明の波長、計測ターゲットに入射する照明の偏光、計測ターゲットに入射する照明の角度、又は検出器に対する計測ターゲットの焦点位置を含む。
【0007】
方法が開示される。1つの実施形態では、方法は、サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を受信することを含む。別の実施形態では、方法は、複数の高調波検出率メトリック値を、複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定することを含む。別の実施形態では、方法は、計測ツールの1セットの光学測定条件を複数の高調波検出率メトリック値に基づいて識別することを含み、ここで光学測定条件のセットは、計測ツールの光学計測測定のためのレシピを定義する。別の実施形態では、方法は、レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために計測ツールに提供することを含む。
【0008】
キャリブレーション用システムが開示される。1つの実施形態では、システムは、第1の計測サブシステム及び第2の計測サブシステムに結合可能なコントローラを含み、コントローラは、プログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサを含む。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサは、サンプル上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第1のセットの画像信号を、第1の計測サブシステムから受信するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、サンプル上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第2のセットの画像信号を、第2の計測サブシステムから受信するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の計測サブシステムからの画像信号について第1のセットの高調波検出率メトリック値を決定するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第2の計測サブシステムからの画像信号について第2のセットの高調波検出率メトリック値を決定するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の計測サブシステムの第1のセットの高調波検出率メトリック値を、第2の計測サブシステムの第2のセットの高調波検出率メトリック値と比較するように構成される。別の実施形態では、1つ以上のプロセッサは、第1の計測サブシステムの第1のセットの高調波検出率メトリック値と、第2の計測サブシステムの第2のセットの高調波検出率メトリック値との比較に基づいて、第2の計測サブシステムを較正するように構成される。
【0009】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本発明を必ずしも限定するものではないことが理解される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、一般的な説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の多くの利点は、添付の図面を参照することにより、当業者によってよりよく理解され得る。
【0011】
【
図1A】本開示の1つ以上の実施形態による、高調波検出率に基づくレシピ選択を備える画像ベースの光学計測システムの概念図である。
【
図1B】本開示の1つ以上の実施形態による、画像ベースの光学計測システムのブロック図である。
【
図2】本開示の1つ以上の実施形態による、照明波長及び焦点の関数として表示される高調波検出率メトリックを示す等高線プロットである。
【
図3】本開示の1つ以上の実施形態による、高調波検出率に基づくレシピ選択の方法を示す流れ図である。
【
図4】本開示の1つ以上の実施形態による、高調波検出率メトリックを介したキャリブレーション用に構成された複数の計測サブシステムを含むシステムのブロック図である。
【
図5】本開示の1つ以上の実施形態による、計測サブシステム/ツールを、高調波検出率メトリックを用いて較正する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、特定の実施形態及びその特定の特徴に関して特に示されて説明されている。本明細書に記載の実施形態は、例示的であり、限定するものではないと解釈される。形態及び詳細における様々な変更と修正が、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなくなされ得ることは、当業者には容易に明らかである。ここで、開示された主題を詳細に参照し、それは添付の図面に示される。
【0013】
本開示の実施形態は、イメージングベースのオーバレイ計測測定のための高調波検出率メトリックの実装に関する。本開示の高調波検出率メトリックは、オーバレイの位置ずれ検出に使用される光信号の定量化を可能にする。本開示の追加の実施形態は、高調波検出率メトリックを使用する計測ツールのキャリブレーション、及び複数のツールからのオーバレイ画像データのマッチングを提供する。
【0014】
半導体デバイスは、基材上のパターン化された材料の複数の印刷層として形成され得る。各印刷層は、一連のプロセスステップを通じて作製されてもよく、例えば、限定するものではないが、1つ以上の材料蒸着ステップ、1つ以上のリソグラフィステップ、又は1つ以上のエッチングステップである。作製中、各印刷層は、通常、選択された公差内で作製され、最終的なデバイスを適切に構築する必要がある。例えば、各層における印刷された要素の相対配置(例えば、オーバレイ又はオーバレイパラメータ)は、以前に作製された層に関して十分に特徴付けられ、制御される必要がある。したがって、計測ターゲットは、1つ以上の印刷層に作製されて、層のオーバレイの効率的な特徴付けを可能にし得る。したがって、印刷層上のオーバレイターゲットフィーチャの偏差は、その層上の印刷されたデバイスフィーチャの、印刷特性の偏差を表し得る。更に、1つの作製ステップで(例えば、1つ以上のサンプル層の作製後に)測定されたオーバレイを使用して、後続の作製ステップで追加のサンプル層を作製するためのプロセスツール(例えば、リソグラフィツールなど)を正確に位置合わせするための補正可能を生成し得る。
【0015】
計測ターゲットは、通常、1つ以上の印刷特性の正確な表現を提供するように設計された明確に定義された印刷要素を含み得る。これに関して、(例えば、計測ツールによる)計測ターゲットの印刷要素の測定された特性は、作製されているデバイスに関連する印刷されたデバイス要素を表し得る。
【0016】
オーバレイ計測は、通常、サンプル全体にわたって1つ以上のオーバレイターゲットを作製することによって実行され、各オーバレイターゲットは、対象のサンプル層にフィーチャを含み、それらは作製されるデバイス又は構成要素に関連するフィーチャとして同時に作製される。これに関して、オーバレイターゲットの位置で測定されるオーバレイエラーは、デバイスフィーチャのオーバレイエラーを表す場合がある。したがって、オーバレイ測定を使用して、任意の数の作製ツールを監視及び/又は制御し、指定された公差に従ってデバイスの生産を維持し得る。例えば、1つのサンプル上の以前の層に対する現在の層のオーバレイ測定は、フィードバックデータとして利用され、ロット内の追加のサンプル上の現在の層の作製の偏差を監視及び/又は軽減し得る。別の例として、1つのサンプル上の以前の層に対する現在の層のオーバレイ測定をフィードフォワードデータとして利用して、既存の層の位置合わせを考慮に入れた方法で同じサンプル上の次の層を作製し得る。
【0017】
オーバレイターゲットは、通常、対象のサンプル層間のオーバレイエラーに敏感であるように特別に設計されたフィーチャを含む。次に、オーバレイ測定は、オーバレイ計測ツールを使用してオーバレイターゲットを特徴付け、かつアルゴリズムを適用することによって実行され、計測ツールの出力に基づいてサンプルのオーバレイエラーを決定し得る。
【0018】
オーバレイ測定技術に関係なく、オーバレイ計測ツールは、通常、オーバレイ信号を生成するために利用される1セットの測定パラメータを含むレシピに従って構成可能である。例えば、オーバレイ計測ツールのレシピは、限定するものではないが、照明波長、サンプルから発せられる放射の検出された波長、サンプル上の照明のスポットサイズ、入射照明の角度、入射照明の偏光、オーバレイターゲット上の入射照明のビームの位置、オーバレイ計測ツールの焦点ボリューム内のオーバレイターゲットの位置などを含み得る。したがって、オーバレイレシピは、2つ以上のサンプル層のオーバレイを決定するのに適したオーバレイ信号を生成するための1セットの測定パラメータを含み得る。
【0019】
オーバレイ計測ツールは、様々な技術を利用して、サンプル層のオーバレイを決定し得る。例えば、画像ベースのオーバレイ計測ツールは、オーバレイターゲット(例えば、高度イメージング計測(AIM)ターゲット、ボックスインボックス計測ターゲットなど)を照らし、異なるサンプル層上に位置するオーバレイターゲットフィーチャの画像を含むオーバレイ信号を取り込み得る。したがって、オーバレイは、オーバレイターゲットフィーチャの相対位置を測定することによって決定され得る。
【0020】
本明細書では、様々なオーバレイ計測ツールを使用して、オーバレイを測定し得ることが認識される。例えば、光学計測ツール(例えば、照明及び/又は検出のための電磁放射線を用いた光ベースの計測ツール)は、高処理能力のオーバレイ測定を、多くの技術を用いて提供し得て、例えば、限定するものではないが、画像の複数層の空間的に分離されたフィーチャの相対位置を決定すること、複数層のPPEを直接測定すること、又は、複数層の回折格子から散乱及び/又は回折される光に基づきオーバレイを決定するスキャトロメトリである。本開示の目的のために、「光学計測ツール」「光学計測技術」などの用語は、任意の波長の電磁放射線を用いた計測ツール及び技術を示し、例えば、限定するものではないが、X線波長、極端紫外線(EUV)波長、真空紫外線(VUV)波長、深紫外線(DUV)波長、紫外線(UV)波長、可視波長、又は赤外線(IR)波長である。オーバレイ測定に関連するシステム、方法、及び装置は、一般に、「OVERLAY MARKS,METHODS OF OVERLAY MARK DESIGN AND METHODS OF OVERLAY MEASUREMENTS」と題され、2012年12月11日に発行された米国特許第8,330,281号、「PERIODIC PATTERNS AND TECHNIQUE TO CONTROL MISALIGNMENT BETWEEN TWO LAYERS」と題され、2016年10月25日に発行された米国特許第9,476,698号、「APPARATUS AND METHODS FOR DETERMINING OVERLAY OF STRUCTURES HAVING ROTATIONAL OR MIRROR SYMMETRY」と題され、2009年6月2日に発行された米国特許第7,541,201号、「METHOD AND SYSTEM FOR PROVIDING A QUALITY METRIC FOR IMPROVED PROCESS CONTROL」と題され、2013年2月7日に公開された米国特許公開第2013/0035888号、「SYSTEM AND METHOD OF SEM OVERLAY METROLOGY」と題され、2015年12月15日に発行された米国特許第9,214,317号、「COMPOUND IMAGING METROLOGY TARGETS」と題され、2020年1月7日に発行された米国特許第10,527,951号、「METROLOGY IMAGING TARGETS HAVING REFLECTION-SYMMETRIC PAIRS OF REFLECTION-ASYMMETRIC STRUCTURES」と題され、2019年1月29日に発行された米国特許第10,190,979号、及び、「APPARATUS AND METHOD FOR THE MEASUREMENT OF PATTERN PLACEMENT AND SIZE OF PATTERN AND COMPUTER PROGRAM THEREFOR」と題され、2016年6月27日に出願されたPCT出願第PCT/US2016/039531号、に記載され、これらはすべて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0021】
本開示を通して用いられる場合、用語「サンプル」は、一般的に、半導体又は非半導体材料(例えば、ウェハなど)により形成された基板を指す。例えば、半導体又は非半導体材料は、限定するものではないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、及び燐化インジウムを含み得る。サンプルは、1つ以上の層を含んでもよい。例えば、そのような層は、限定するものではないが、レジスト(フォトレジストを含む)、誘電体材料、導電性材料、及び半導電性材料を含み得る。そのような層の多くの異なる種類は当技術分野で周知であり、本明細書で使用されるサンプルという用語は、その上にすべての種類のそのような層が形成され得るサンプルを包含することを意図する。サンプル上に形成された1つ以上の層は、パターン化されてもよく、パターン化されなくてもよい。例えば、サンプルは、それぞれが繰り返し可能なパターン化されたフィーチャを有する複数のダイを含み得る。このような材料の層の形成と処理が、最終的に完成されたデバイスをもたらし得る。多くの異なる種類のデバイスがサンプル上に形成され得て、本明細書で使用される際のサンプルという用語は、当技術分野で周知の任意の種類のデバイスが製造されているサンプルを包含することを意図する。更に、本開示の目的のために、用語サンプルとウェハは交換可能であると解釈されるべきである。更に、本開示の目的のために、パターン化デバイス、マスク、及びレチクルという用語は、交換可能であると解釈されるべきである。
【0022】
図1Aは、本開示の1つ以上の実施形態による、画像ベースの光学計測システム100を示す概念図である。システム100は、限定するものではないが、計測サブシステム102を含み得る。システム100は更に、限定するものではないが、コントローラ103を含み得る。コントローラ103は、1つ以上のプロセッサ105、メモリ107を含むことができ、ユーザインターフェース109を含むか、又はそれに結合してもよい。計測サブシステム102は、当技術分野で周知の任意の計測サブシステムを含み得て、限定するものではないが、光学計測サブシステムを含んでいる。例えば、計測サブシステム102は、限定するものではないが、イメージングベースの光学計測サブシステムを含み得る。本開示の目的のために、「計測システム」という用語は、「計測ツール」という用語と交換可能である。この意味で、計測サブシステム102とコントローラ103は、計測システム100(又は計測ツール)を形成し得る。
【0023】
計測サブシステム102は、任意の数のオーバレイレシピに基づいてオーバレイターゲットからオーバレイ信号を取得するように構成され得る。計測サブシステム102は、イメージングモードで動作してもよい。例えば、イメージングモードでは、個々のオーバレイターゲット要素は、サンプル上の照らされたスポット内で(例えば、明視野画像、暗視野画像、位相差画像などの一部として)解像可能であり得る。1つの実施形態では、計測サブシステム102は、照明をサンプルに向けることができ、更に、サンプルから発せられる放射を収集して、2つ以上のサンプル層のオーバレイの決定に適したオーバレイ信号を生成し得る。計測サブシステム102は、任意の数のレシピに基づいてオーバレイ信号を生成するように構成可能であり得て、レシピはオーバレイターゲットのオーバレイを決定するのに適したオーバレイ信号を取得するための測定パラメータを定義する。例えば、計測サブシステム102のためのレシピは、限定するものではないが、照明波長、サンプルから発せられる放射の検出された波長、サンプル上の照明のスポットサイズ、入射照明の角度、入射照明の偏光、オーバレイターゲット上の入射照明のビームの位置、オーバレイ計測ツールの焦点ボリューム内のオーバレイターゲットの位置などを含み得る。
【0024】
計測サブシステム102は、オーバレイ計測ターゲットから計測データを生成するのに適した、当技術分野で周知の任意の種類の光学計測ツールを含み得る。例えば、計測サブシステム102は、高度イメージング計測(AIM)ターゲット、高度イメージング計測インダイ(AIMid)ターゲット、トリプル高度イメージング計測(トリプルAIM)ターゲット、ボックスインボックス(BiB)ターゲットなどの1つ以上からのオーバレイ計測信号を測定するように構成され得る。
【0025】
1つの実施形態では、コントローラ103は、計測サブシステム102に通信可能に結合される。1つの実施形態では、コントローラ103は、1つ以上の制御信号を生成及び提供するように構成され、制御信号は1つ以上の調整を1つ以上の計測サブシステム102の1つ以上の部分に対して実行するように構成される。別の実施形態では、コントローラ103は、計測サブシステム102から画像データを受信するように構成される。コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、本開示全体を通して説明される様々なプロセスステップのいずれかを実行し得る。
【0026】
1つの実施形態では、コントローラ103は、サンプル111上に配置された第1の計測ターゲットの複数の画像信号を計測サブシステム102から受信するように構成される。別の実施形態では、コントローラ103は、複数の高調波検出率メトリック値を、複数の画像信号のそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定するように構成される。別の実施形態では、コントローラ103は、複数の高調波検出率メトリック値に基づいて、計測サブシステムの1セットの光学測定条件を識別するように構成され、ここで光学測定条件のセットは、計測サブシステムの光学計測測定のレシピを定義する。別の実施形態では、コントローラ103は、レシピを計測サブシステム102に提供し、1つ以上の追加の計測ターゲット(例えば、後続のサンプル上のターゲット)の1つ以上の光学計測測定を実行するように構成される。
【0027】
図1Bは、本開示の1つ以上の実施形態による、画像ベースのオーバレイ計測システム100の簡略した概要図である。計測システム100は、少なくとも1つの検出器104上のサンプル111の1つ以上のオーバレイ計測ターゲットの1つ以上の画像を、当技術分野で周知の任意の方法を用いて生成し得る。
【0028】
1つの実施形態では、計測システム100は、照明源106を含み、照明ビーム108を生成する。照明ビーム108は、1つ以上の選択された光の波長を含み得て、限定するものではないが、真空紫外線(VUV)、深紫外線(DUV)、紫外線(UV)放射、可視光線放射、又は赤外線(IR)放射を含んでいる。照明源106は、任意の範囲の選択された波長を含む照明ビーム108を更に生成し得る。別の実施形態では、照明源106は、スペクトル調整可能な照明源を含み、調整可能なスペクトルを有する照明ビーム108を生成し得る。
【0029】
照明源106は、任意の時間プロファイルを有する照明ビーム108を更に生成し得る。例えば、照明源106は、連続照明ビーム108、パルス照明ビーム108、又は変調照明ビーム108を生成し得る。更に、照明ビーム108は、自由空間伝搬又は誘導光(例えば、光ファイバ、光パイプなど)を介して照明源106から伝送され得る。
【0030】
別の実施形態では、照明源106は、照明ビーム108をサンプル111に照明路110を介して向ける。照明路110は、1つ以上のレンズ112、あるいは照明ビーム108の修正及び/又は調光に適した追加の照明光素子114を含み得る。例えば、1つ以上の照明光素子114は、限定するものではないが、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、1つ以上のビーム整形器、又は1つ以上のシャッタ(例えば、機械的シャッタ、電気光学シャッタ、音響光学シャッタなど)を含み得る。別の例として、1つ以上の照明光素子114は、サンプル111上の照明の角度を制御する開口絞り、及び/又はサンプル111上の照明の空間的範囲を制御する視野絞りを含み得る。別の実施形態では、計測システム100は、対物レンズ116を含み、照明ビーム108をサンプル111に集束させる。
【0031】
別の実施形態では、サンプル111は、サンプルステージ118上に配置される。サンプルステージ118は、計測システム100内にサンプル111を配置するのに適した任意のデバイスを含み得る。例えば、サンプルステージ118は、線形並進ステージ、回転ステージ、チップ/チルトステージなどの任意の組み合わせを含み得る。
【0032】
別の実施形態では、検出器104は、集光路122を介してサンプル111(例えば、サンプル光120)から発せられる放射を捉えるように構成される。例えば、集光路122は、集光レンズ(例えば、
図1Bに示されるような対物レンズ116)、又は1つ以上の追加の集光路レンズ124を含み得るが、含む必要はない。これに関して、検出器104は、サンプル111から反射又は散乱された(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介して)、あるいはサンプル111によって生成された(例えば、照明ビーム108の吸収に関連する発光など)放射を受け取ってもよい。
【0033】
集光路122は、任意の数の集光素子126を更に含み、対物レンズ116によって集められた照明を向け、及び/又は修正することができ、限定するものではないが、1つ以上の集光路レンズ124、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、1つ以上のビームブロックを含む。更に、集光路122は、検出器104上に画像化されたサンプルの空間的範囲を制御する視野絞り、又は、検出器104上に画像を生成するために使用されるサンプルからの照明の角度範囲を制御する開口絞りを含み得る。別の実施形態では、集光路122は、光素子対物レンズ116の後焦点面に共役な平面に配置された開口絞りを含み、サンプルのテレセントリックイメージングを行う。1つの実施形態では、計測サブシステム102は、ビームスプリッタ128を含み、ビームスプリッタ128の向きは、対物レンズ116により、照明ビーム108をサンプル111に向けることと、サンプル111から発せられる放射を集めることを同時にできるように定められる。
【0034】
検出器104には、サンプル111から受光した照明を測定するのに適する、当技術分野で周知の任意の種類の検出器を含めてもよい。例えば、検出器104は、限定するものではないが、CCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)センサなどを含み得る。別の実施形態では、検出器104は、サンプル111から発せられる光の波長を識別するのに適した分光学的検出器を含み得る。
【0035】
コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、当技術分野で周知の任意のプロセッサ又は処理要素を含み得る。本開示の目的のために、「プロセッサ」又は「処理要素」という用語は、1つ以上の処理又は論理要素を有する任意のデバイス(例えば、1つ以上のマイクロプロセッサデバイス、1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)デバイス、1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は1つ以上のデジタルシグナルプロセッサ(DSP))を包含するように広く定義され得る。この意味で、1つ以上のプロセッサ105は、アルゴリズム及び/又は命令(例えば、メモリに格納されたプログラム命令)を実行するように構成された任意のデバイスを含み得る。1つの実施形態では、1つ以上のプロセッサ105は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、ネットワーク化されたコンピュータ、又は任意の他のコンピュータシステムとして具体化され得て、それらは本開示を通して説明されるように、計測システム100を用いて動作される、又は連携して動作されるように構成されたプログラムを実行するように構成される。更に、システム100の異なるサブシステムは、本開示で説明されるステップの少なくとも一部分を実行するのに適したプロセッサ又は論理要素を含み得る。したがって、上記の説明は、本開示の実施形態に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。更に、本開示全体を通して説明されるステップは、単一のコントローラ、又は、代替的に複数のコントローラによって実行され得る。追加的に、コントローラ103は、共通の筐体内又は複数の筐体内に収容された1つ以上のコントローラを含み得る。このようにして、任意のコントローラ又はコントローラの組み合わせは、計測システム100への統合に適したモジュールとして個別にパッケージ化され得る。更に、コントローラ103は、検出器104から受信したデータを分析し、そのデータを、計測システム100内の、又は計測システム100の外部の追加の構成要素に供給し得る。
【0036】
メモリ媒体107は、関連付けられた1つ以上のプロセッサ105によって実行可能なプログラム命令を格納するのに適した当技術分野で周知の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体107は、非一時的なメモリ媒体を含んでもよい。別の例として、メモリ媒体107は、限定されるものではないが、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光学メモリ装置(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブなどを含み得る。メモリ媒体107は、1つ以上のプロセッサ105を有する共通のコントローラ筐体に収容されてもよいことが更に留意される。1つの実施形態では、メモリ媒体107は、1つ以上のプロセッサ105及びコントローラ103の物理的位置に対して離れて配置され得る。例えば、コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネットなど)を通じてアクセス可能な遠隔メモリ(例えば、サーバ)にアクセスされ得る。
【0037】
1つの実施形態では、ユーザインターフェースはコントローラ103に通信可能に結合される。1つの実施形態では、ユーザインターフェース109は、限定するものではないが、1つ以上のデスクトップ、ラップトップ、タブレットなどを含み得る。別の実施形態では、ユーザインターフェース109は、ディスプレイを含み、それを使用してシステム100のデータをユーザに表示する。ユーザインターフェース109のディスプレイは、当技術分野で周知の任意のディスプレイを含み得る。例えば、ディスプレイは、限定するものではないが、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースのディスプレイ、または、CRTディスプレイを含み得る。当業者は、ユーザインターフェース109との一体化が可能な任意のディスプレイデバイスが、本開示の実装に適していることを理解すべきである。別の実施形態では、ユーザは、ユーザインターフェース109のユーザ入力デバイスを介してユーザに表示されたデータに応答した選択、及び/又は命令を入力し得る。
【0038】
1つの実施形態では、サンプル111の1つ以上の第1の計測ターゲットから1つ以上の画像信号を取得した後、コントローラ103は、1セットの高調波検出率メトリック値を決定又は計算し得る。そうすることで、コントローラ103は、計測サブシステム102から受信された画像信号113のそれぞれについて、高調波検出率メトリック値を計算し得る。1つの実施形態では、それぞれの画像信号113のそれぞれの高調波検出率メトリック値は、サンプル111の第1の計測ターゲットの画像信号の高調波信号強度、非高調波ノイズ、及び画像信号から抽出された表面反射率の関数である。本開示の高調波検出率メトリックは、2つの物理的性能指数の組み合わせ(すなわち、相乗平均)であり、コヒーレント照明に対するオーバレイターゲットの応答(「高調波比」)と、オーバレイターゲットから発せられた集光の信号対ノイズ比(「検出率」)を記述する。高調波検出率メトリックは、以下の方程式1のように定義される。
【数1】
ここで、信号113に関連する高調波検出率は、信号113の高調波感度及び検出率の関数として表され得る。高調波感度は、以下の方程式2のように、信号113の高調波信号強度とターゲットの表面反射率に関連する場合がある。
【数2】
ここで、検出率は、次の方程式3のように信号113の高調波信号強度と非高調波ノイズに関連する。
【数3】
したがって、方程式1~方程式3を組み合わせて、方程式4を提供する。
【数4】
【0039】
計測システム100によって記録される信号は、周期構造又は格子(すなわち、オーバレイ計測ターゲット)の画像であり、これを使用してオーバレイ情報を抽出する。格子の画像は非周期的な方向に沿って積分され、1次元画像「カーネル」を生成する。測定された画像カーネルは周期的であり、フーリエ分解を受け得る。分解に続いて、信号は、一定のオフセットと、それぞれが独自の係数(つまり、合成カーネル)で乗算されたサイン項とコサイン項の合計で表され得る。1つの実施形態では、「高調波信号強度」は、フーリエ分解のすべての高調波係数の合計として計算される。表面反射率は、カーネルの一定のオフセットを表してもよい。非高調波ノイズは、測定された画像カーネルと合成画像カーネルの差の変形、すなわち「残留ノイズ」を表し得る。
【0040】
方程式4の高調波検出率は、基本的な物理的メリットであり、これは、未加工の測定信号113から導出され得て、また計測サブシステム102、サンプルの層(例えば、半導体デバイスのプロセス層)、及び検査されているオーバレイターゲットの間の相互作用として解釈され得る。
【0041】
高調波検出率は飽和せず、したがって、無制限のダイナミックレンジを提供し、最適なレシピ条件の選択を可能にすることに留意されたい。この意味で、高調波検出率は、画像ベースのオーバレイ計測測定の間、計測サブシステム102の特定の測定構成に関連する高調波信号測定の定量化された測定である。これは、現在実装されるスキームとは対照的であり、このスキームでは、派生メトリックは単一のスコアに再結合され、ユーザバイアスを生じやすい。
【0042】
別の実施形態では、コントローラ103は、計測サブシステム102の1セットの光学測定条件を、高調波検出率メトリック値に基づいて識別するように構成され、それは画像ベースのオーバレイ測定のための好ましい「レシピ」を表す。これに関して、コントローラ103(又は別のコンピュータシステム)は、1セットの光学測定条件を識別し得て、それは計測サブシステム102の光学計測測定のレシピを定義するために、最適又は少なくとも満足のいくものである。次に、コントローラ103は、レシピを、1つ以上の追加の計測ターゲット(例えば、後続のサンプル上のターゲット)の1つ以上の光学計測測定の実行のために、計測サブシステム102に提供し得る。
【0043】
最適な(又は満足のいく)レシピ条件のセットを識別するために、コントローラ103は、高調波検出率メトリック値の値を光学測定条件の異なるセットで決定し、問題のパラメータ空間全体で高調波検出率を効果的にマッピングし得る。例えば、コントローラ103は、計測サブシステム102の焦点及び波長値の異なるセット(又は任意の別の計測サブシステムのセット/ツール設定)にわたる高調波検出率メトリックの値を決定し得る。所与の計測ターゲットから取得されたそれぞれの画像信号113の高調波検出率メトリックの値は、画像信号113に関連する高調波信号強度、非高調波ノイズ、及び表面反射率に単調依存することに留意する。その結果、高調波検出率メトリックの値が高いほど、特定のオーバレイ信号の品質は所与のターゲット種類のオーバレイを測定するために向上する。1つの実施形態では、計測サブシステム102のレシピは、対応する高調波検出率メトリックの値に基づいて、測定条件のセット(例えば、波長及び焦点)のそれぞれをランク付けすることによって取得され得る。この点に関して、最高の高調波検出率メトリック値を表示する光学条件のセットは、「最良の」条件を表し、計測サブシステム102の候補レシピでの実装に適する。
図2は、それぞれのオーバレイターゲットからの信号113に対して計算され、計測サブシステム102の照明波長及び焦点の関数として表示される高調波検出率メトリック値を示す等高線プロット200である。候補レシピは、プロットの極大値に基づいて選択され得て、ここで、ピーク又は「島」(プロットの極大値)ごとに唯一の測定条件が一意の候補レシピと見なされる。
図2の等高線プロット200は、2つの極大値を含み、1つは約λ=570nmで-50nmの焦点であり、別の1つは約λ=710nmで-500nmの焦点であることに留意されたい。この例では、これらの条件の両方が候補レシピとして選択され得る。
【0044】
図3は、本開示の1つ以上の実施形態による、高調波検出率メトリックを適用して、計測ツールの画像ベースのオーバレイ計測レシピを識別する方法300を示す流れ図である。出願人は、計測システム100の文脈で本明細書において前述した実施形態及び実現技術が、方法300に拡張するように解釈されるべきであることを指摘する。しかしながら、方法300は、計測システム100のアーキテクチャに限定されないことに更に留意されたい。
【0045】
ステップ302において、方法300は、サンプル上に配置された第1の計測ターゲットの1セットの画像信号を、計測サブシステム(又はツール)102から受信する。例えば、計測サブシステム102は、第1の計測ターゲット(又は第1のセットの計測ターゲット)から画像データを取得し、画像データを示す信号をコントローラ103の1つ以上のプロセッサ105に送信し得る。
【0046】
ステップ304において、方法300は、1セットの高調波検出率メトリック値を、画像信号のセットのそれぞれについて高調波検出率メトリック値を計算することによって決定する。例えば、コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、メモリ107のプログラム命令を実行し得て、これは、1セットの条件(例えば、波長、焦点など)それぞれの高調波検出率値を、本明細書で前述した方程式4を使用して計算する。分析された条件は、限定するものではないが、画像形態のビームの偏光、照明の角度、計測ターゲットの焦点又は焦点位置、波長、偏光などを含み得る。
【0047】
ステップ306において、方法300は、計測サブシステム102の1セットの光学測定条件を、高調波検出率メトリック値のセットに基づいて識別する。この意味で、光学測定条件のセットは、計測サブシステム102の光学計測測定のレシピを定義する。例えば、コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、算出した高調波検出率メトリック値を(例えば、最高から最低に)ランク付けし、次に、1つ以上の最高信号に対応する条件のセットを識別し得る。最高の高調波検出率メトリック値を生成する条件のセットは、オーバレイ計測レシピに組み込むための適切な条件を表す。
【0048】
ステップ308において、方法は、識別されたレシピを、サンプル111の1つ以上の追加の計測ターゲットの1つ以上の光学計測測定の実行のために計測サブシステム102に提供する。例えば、コントローラ103の1つ以上のプロセッサ105は、計測サブシステム102に指示して、サンプル又は追加のサンプルに対して追加の画像ベースのオーバレイ測定を、ステップ306で識別されたレシピを使用して実行させ得る。
【0049】
本開示の多くは、最適なレシピ識別の文脈において高調波検出率メトリックの展開と適用に焦点を合わせているが、高調波検出率メトリックは、計測ツールを較正し、複数のツールからの画像ベースの計測データを一致/結合するために使用され得ることに留意されたい。
【0050】
図4は、高調波検出率メトリックを介してキャリブレーションするように構成された複数の計測サブシステムを含むシステム400のブロック図を示す。本開示の高調波検出率メトリックは、問題の計測サブシステム/ツール及びサンプル/オーバレイターゲットの組み合わせにのみ依存するため、高調波検出率メトリックを利用して、ツールのキャリブレーション及び/又は画像ベースの計測データのマッチングを、同じサンプル(ウェハなど)で、ただし異なるツールで測定された高調波検出率メトリックランドスケープデータ(
図2と同様)を比較することによって実行し得る。このようなキャリブレーションは、ツールの製造中及び現場で実行され得る。
【0051】
1つの実施形態では、コントローラ103は、サンプル上に配置された1つ以上の計測ターゲットの画像信号を第1の計測サブシステム102aから受信する。次に、コントローラ103は、第1の計測サブシステム102aからの画像信号に対応するための第1のセットの高調波検出率メトリック値を決定/計算し得る。
【0052】
別の実施形態では、コントローラ103は、サンプル111(第1の計測サブシステム102aによって測定されたものと同じサンプル)上に配置された1つ以上の計測ターゲットの画像信号を第2の計測サブシステムから受信する。次に、コントローラ103は、第2の計測サブシステム102bからの画像信号に対応する第2のセットの高調波検出率メトリック値を決定し得る。
【0053】
別の実施形態では、コントローラ103は、第1の計測サブシステム102aの第1のセットの高調波検出率メトリック値を、第2の計測サブシステム102bの第2のセットの高調波検出率メトリック値と比較する。この比較は、等高線マップの比較に適した任意の方法で実行され得る。これに関して、コントローラ103は、2つ以上の条件(例えば、焦点及び波長)の関数としてマッピングされる第1のセットの高調波メトリック値のランドスケープマップを、同様に2つ以上の条件(例えば、焦点及び波長)の関数としてマッピングされる第2のセットの高調波メトリック値のランドスケープマップと比較し得る。この実施形態では、比較は、「差分マップ」を識別するために、マップの個々の値の減算を含み得る。
【0054】
別の実施形態では、コントローラ103は、第2の計測サブシステムを、第1のセットの高調波検出率メトリック値と第2のセットの高調波検出率メトリック値との比較に基づいて較正し得る。例えば、コントローラ103は、第2の計測サブシステム102bに制御命令を提供して(第1の計測サブシステムが十分に較正されていると仮定する)、第2の計測サブシステム102bの1つ以上の条件(例えば、焦点、波長、入射角、偏光など)を、ランドスケープマップの差が選択された閾値差内になるまで調整又は調節し得る。
【0055】
別の実施形態では、コントローラ103は、第2の計測サブシステム102bで取得された画像ベースのオーバレイ計測データを、第1のセットの高調波検出率メトリック値と第2の高調波検出率メトリック値との比較に基づいて調整し得る。別の実施形態では、コントローラ103は、第1の計測サブシステムからの画像ベースのオーバレイ計測データを、第2の計測サブシステム102bからの較正された画像ベースのオーバレイ計測データと組み合わせ、2つの計測サブシステム102a、102bからの画像を「一致させる」ことができる。
【0056】
図5は、本開示の1つ以上の実施形態による、計測サブシステム/ツールを、高調波検出率メトリックを用いて較正する方法500を示す流れ図である。出願人は、計測システム100の文脈で本明細書において前述した実施形態及び実現技術が、方法500に拡張するように解釈されるべきであることを指摘する。しかしながら、方法500は、計測システム100のアーキテクチャに限定されないことに更に留意されたい。
【0057】
ステップ502において、方法500は、サンプル111上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第1のセットの画像信号113aを、第1の計測サブシステム102aから受信することを含む。ステップ504において、方法500は、サンプル111上に配置された1つ以上の計測ターゲットの第2のセットの画像信号113bを、第2の計測サブシステム102bから受信することを含む。ステップ506において、方法500は、第1の計測サブシステム102aからの画像信号113aについて、第1のセットの高調波検出率メトリック値を決定することを含む。ステップ508において、方法500は、第2の計測サブシステム102bからの画像信号113bについて、第2のセットの高調波検出率メトリック値を決定することを含む。ステップ510において、方法500は、第1の計測サブシステム102aの第1のセットの高調波検出率メトリック値を、第2の計測サブシステム102bの第2のセットの高調波検出率メトリック値と比較することを含む。ステップ512において、方法500は、第2の計測サブシステム102bを、第1の計測サブシステム102aの第1のセットの高調波検出率メトリック値と第2の計測サブシステム102bの第2のセットの高調波検出率メトリック値との比較に基づいて較正することを含む。
【0058】
本明細書に記載のすべての方法は、方法の実施形態の1つ以上のステップの結果をメモリに格納することを含み得る。結果は、本明細書に記載の任意の結果を含み得て、当技術分野で周知の任意の方法に格納し得る。メモリは、本明細書に記載の任意のメモリ、又は当技術分野で周知の任意の別の適切な格納媒体を含み得る。結果を格納した後、結果は、メモリ内でアクセスされ、本明細書に記載の方法又はシステムの実施形態のいずれかによって使用され、ユーザに表示するためにフォーマット化され、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステムなどによって使用され得る。更に、結果は、「永久的に」「半永久的に」「一時的に」、又はある期間、格納されてもよい。例えば、メモリはランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は必ずしもメモリ内で無期限に持続しなくてもよい。
【0059】
上述された方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載される任意の別の方法(複数可)の任意の別のステップ(複数可)を含み得ることが更に意図される。追加的に、上記の方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載されるシステムのいずれかによって実行され得る。
【0060】
当業者は、本明細書に記載の構成要素、操作、デバイス、物体、及びそれらに付随する説明が、概念を明確にするための例として使用され、様々な構成の修正が企図されることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、記載された特定の実施例及び付随する議論は、それらのより一般的な分類を代表することを意図する。一般に、特定の実施例の使用は、その分類を表すことを意図しており、特定の構成要素、操作、デバイス、及び物体を含まないことは制限するものと見なすべきではない。
【0061】
本明細書で使用される場合、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「上に(over)」、「下に(under)」、「上方(upper)」、「上向き(upward)」、「下方(lower)」、「下へ(down)」、及び「下向き(downward)」などの方向用語は、説明の目的で相対位置を提供することを意図しており、絶対的な基準フレームを指定することを意図するものではない。説明された実施形態に対する様々な修正は、当業者には明らかであり、本明細書で定義された一般原理は、別の実施形態に適用され得る。
【0062】
本明細書における実質的に任意の複数形及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ、文脈及び/又は用途に適切なように解釈し得る。様々な単数形/複数形の順列は、明確にするために、本明細書では明示的に記載されていない。
【0063】
本明細書に記載の主題は、他の構成要素内に含有される、又は他の構成要素と接続される異なる構成要素を示す場合がある。そのような描写されたアーキテクチャは単なる例示であり、実際に、同じ機能を実現する他の多くのアーキテクチャが実装され得ることが理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を実現するための構成要素の任意の配置は、効果的に「関連付け」られて、所望の機能が実現される。したがって、特定の機能を実現するために組み合わされた本明細書の任意の2つの構成要素は、互いに「関連付けられている」と見なすことができ、その結果、所望の機能はアーキテクチャ又は中間構成要素に関係なく実現される。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、互いに「接続」又は「結合」されて所望の機能を実現すると見なし得て、かつそのように関連付けられている可能性がある任意の2つの構成要素は、所望の機能を実現するために互いに「結合可能」であると見なし得る。結合可能な特定の例には、限定するものではないが、物理的に相互作用可能及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は無線的に相互作用可能及び/又は無線的に相互作用する構成要素、及び/又は論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互作用可能な構成要素を含む。
【0064】
更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。一般に、本明細書で、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本文)で使用される用語は、一般的に「開放(open)」用語として意図されていることが当業者によって理解されるであろう(例えば、「含んでいる(including)」という用語は「含んでいるがこれに限定されない」と解釈されるべきであり、「有している(having)」という用語は「少なくとも有している」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「含むが、それに限定されない」と解釈されるべきであるなど)。特定数の導入された請求項の記載(claim recitation)が意図されている場合、そのような意図は請求の範囲に明示的に記載され、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるために、以下の添付の請求項には、請求項の記載を導入するために、導入句「少なくとも1つ」及び「1つ以上」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入された請求項の記載を含む任意の特定の請求の範囲を、そのような記載を1つのみ含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきではなく、たとえ同じ請求項が導入句「1つ以上」又は「少なくとも1つ」と不定冠詞「a」又は「an」(例えば、「a」及び/又は「an」は通常、「少なくとも1つ」又は「1つ以上」を意味すると解釈されるべきである)を含む場合であっても同様であり、同じことが請求項の記載を導入するために用いられる定冠詞の使用に対しても当てはまる。加えて、導入された請求項の記載の特定数が明示的に記載されている場合でも、当業者は、そのような記載は通常、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることを認識するであろう(例えば、他の修飾語がない「2つの記載」のみの記載は、通常、少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)。更に、「A、B及びCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B及びCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。「A、B又はCの少なくとも1つ、など」に類似した慣用語が用いられる例において、一般に、そのような構成は、当業者がその慣用語を理解するであろう意味に意図されている(例えば、「A、B又はCの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBを一緒に、AとCを一緒に、BとCを一緒に、及び/又はA、BとCを一緒に有するシステムを含む、など)。2つ以上の代替用語を表す実質的に任意の離接語及び/又は句は、説明、特許請求の範囲又は図面においても、用語の1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するように理解すべきであることは、当業者によって更に理解されるであろう。例えば句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0065】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されると考えられ、開示された主題から逸脱することなく、又はその重要な利点のすべてを犠牲にすることなく、構成要素の形態、構造、及び配置に様々な変更を加え得ることは明らかであろう。説明される形式は単なる説明であり、以下の特許請求の範囲の意図はそのような変更を包含及び含むことである。更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。