(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】チャンバ内部処理方法及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
C23C 16/44 20060101AFI20240301BHJP
C23C 14/00 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
C23C16/44 J
C23C14/00 B
(21)【出願番号】P 2021203575
(22)【出願日】2021-12-15
【審査請求日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】10-2021-0083995
(32)【優先日】2021-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】316008145
【氏名又は名称】ウォニク アイピーエス カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】WONIK IPS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】75,Jinwisandan-ro,Jinwi-myeon,Pyeongtaek-si,Gyeonggi-do,17709,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ファン アヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ウォンジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジュソブ
(72)【発明者】
【氏名】パク キョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジンソ
(72)【発明者】
【氏名】アン ウォンシク
(72)【発明者】
【氏名】イ デソン
(72)【発明者】
【氏名】キム チャンフン
【審査官】吉森 晃
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-146252(JP,A)
【文献】特開2014-120680(JP,A)
【文献】特開2021-052092(JP,A)
【文献】特開2003-277935(JP,A)
【文献】特開2008-218984(JP,A)
【文献】国際公開第2019/058553(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/44
C23C 14/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理が行われるチャンバ内部を処理するチャンバ内部処理方法であって、
加圧ガスを用いて前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い第1の圧力に上昇させる加圧ステップと、
前記加圧ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力から第2の圧力に下降させる減圧ステップと、
を含み、
前記加圧ステップ及び前記減圧ステップは、
前記チャンバ内部に処理対象基板が除去された状態で前記加圧ガスの供給及び排気による前記チャンバ内の圧力の変化に応じて前記チャンバ内部に対する処理が行われ
、
前記加圧ステップは、前記加圧ガスが前記チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の少なくとも一つの表面又は内部で不純物と反応して副産物を形成し、
前記減圧ステップは、前記副産物をチャンバ外部に排出することを特徴とするチャンバ内部処理方法。
【請求項2】
前記第2の圧力は、大気圧よりも低い圧力であることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項3】
前記加圧ステップと前記減圧ステップを、一つの単位サイクルとして、n回(n≧1)行うことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項4】
前記加圧ガスは、水素(H
2)ガスであることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項5】
前記加圧ステップは、
チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の表面に、前記加圧ガスの構成物質の一部又は全部を結合させ、前記チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の表面をコーティングすることを特徴とする請求項4に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項6】
前記チャンバ及び前記チャンバ内に設けられる内部材の少なくとも一つは、石英材質を含むことを特徴とする請求項5に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項7】
前記チャンバ内に設けられる内部材は、
前記チャンバ内外を移動できるように設けられ、少なくとも一つのダミー基板を支持する基板支持部を含むことを特徴とする請求項5に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項8】
前記加圧ステップの前に、前記チャンバ内部に対する処理必要性を判断する処理可否判断ステップを、さらに含むことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項9】
前記処理可否判断ステップは、
前記チャンバ内で処理が完了した基板に対する面抵抗を測定し、
該測定値が予め設定された値以上の場合、加圧ステップが行われるように決定することを特徴とする請求項
8に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項10】
前記加圧ステップは、
前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力に上昇させる圧力上昇ステップと、前記圧力上昇ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力に一定時間維持する高圧維持ステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項11】
前記チャンバ内の温度を第1の温度から室温よりも高い処理温度T2に上昇させる昇温ステップと、前記処理温度を維持する高温維持ステップと、前記チャンバ内の温度を処理温度から第2の温度に下降させる減温ステップと、を含み、
前記加圧ステップ及び前記減圧ステップは、
一つの単位サイクルとして、n回(n≧1)行われ、少なくとも一つの単位サイクルは、前記高温維持ステップ中に行われることを特徴とする請求項1に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項12】
前記チャンバ内の温度を第1の温度から室温よりも高い処理温度に上昇させる昇温ステップと、前記チャンバ内の温度を処理温度から第2の温度に下降させる減温ステップと、を含み、
前記昇温ステップ又は前記減温ステップは、前記高圧維持ステップ中に行われることを特徴とする請求項
10に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項13】
前記加圧ステップと前記減圧ステップを一つの単位サイクルとするとき、n回(n≧2)の単位サイクルが繰り返され、
前記減温ステップは、
n回目の加圧ステップの高圧維持ステップ中に行われることを特徴とする請求項
12に記載のチャンバ内部処理方法。
【請求項14】
基板処理が行われる前記チャンバ内部を処理する請求項1~
13のいずれか1項に記載のチャンバ内部処理方法によるチャンバ内部処理ステップと、
前記チャンバ内部処理ステップの後に、処理対象基板を前記チャンバに導入する基板導入ステップと、
前記チャンバ内に配置される基板に対する基板処理を行う基板処理ステップと、
前記基板処理ステップを介して処理完了された基板を搬出する基板搬出ステップと、
を含み、
前記基板導入ステップ、基板処理ステップ及び基板搬出ステップは、一つの単位工程として、n回(n≧2)繰り返されることを特徴とする基板処理方法。
【請求項15】
前記チャンバ内部処理ステップは、
単位工程と単位工程と間又は最初単位工程の前に行われることを特徴とする請求項
14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記チャンバ内部処理ステップは、単位工程と単位工程との間に行われ、
前記単位工程の実施後に、前記チャンバ内部に対する処理必要性を判断する処理可否判断ステップを、さらに含むことを特徴とする請求項
14に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記処理可否判断ステップは、
処理が完了した基板に対する面抵抗を測定し、該測定値が予め設定された値以上の場合、前記チャンバ内部処理ステップが行われ、該測定値が予め設定された値未満の場合、前記単位工程が行われるようにすることを特徴とする請求項
16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記基板処理ステップは、
前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い圧力に上昇させる基板処理加圧ステップと、前記基板処理加圧ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を下降させる基板処理減圧ステップと、を含むことを特徴とする請求項
14に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記基板処理減圧ステップは、前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも低い圧力に下降させ、
前記基板処理加圧ステップ及び前記基板処理減圧ステップは、複数回繰り返されることを特徴とする請求項
18に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チャンバ内部処理方法及び基板処理方法に関する。より詳細には、チャンバ及びチャンバ内部構成に対する処理を行うチャンバ内部処理方法及び基板処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体、LCD基板、OLED基板などの素子は、一つ以上の蒸着工程及びエッチング工程を含む半導体工程によって製造される。
【0003】
特に、半導体素子は、回路パターンなどの形成のために基板表面に蒸着工程により薄膜を形成することができ、これは、CVD、PVD、ALDなど様々な半導体工程により行うことができる。
【0004】
一方、前述した蒸着工程によってチャンバ及びチャンバ内部材、即ち、チャンバ内壁及び内部設置構成を蒸着するとき、使用される物質が蒸着され得、これら物質は基板処理を行うにつれて厚くなり、脱落してパーティクルとして作用する問題があった。
これにより、処理される基板に不純物が付着して基板処理の完成度が低下するという問題があった。
【0005】
また、これらの物質を連続的に除去するために、連続的なメンテナンスを行う必要があることから、基板処理のための工程時間が増加し、効率が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国 特開 第10-2020-0006422号
【文献】韓国 特開 第10-2020-0029895号
【文献】韓国 特開 第10-2020-0031798号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために、チャンバ及びチャンバ内部材に対する汚染物質除去及び蒸着を防止することができるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記のような本発明の目的を達成するために創出されたものであり、本発明は、基板処理が行われるチャンバ内部を処理するチャンバ内部処理方法であって、加圧ガスを用いて前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い第1の圧力に上昇させる加圧ステップと、前記加圧ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力から第2の圧力に下降させる減圧ステップと、を含み、前記加圧ステップ及び前記減圧ステップは、前記チャンバ内部に処理対象基板が除去された状態で行われるチャンバ内部処理方法を開示する。
【0009】
前記第2の圧力は、大気圧よりも低い圧力であってもよい。
【0010】
前記加圧ステップと前記減圧ステップを、一つの単位サイクルとして、n回(n≧1)行ってもよい。
【0011】
前記加圧ガスは、水素(H2)ガスであってもよい。
【0012】
前記加圧ステップは、前記チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の表面に、前記加圧ガスの構成物質の一部又は全部を結合させ、前記チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の表面をコーティングしてもよい。
【0013】
前記チャンバ及び前記チャンバ内に設けられる内部材の少なくとも一つは、石英材質を含んでもよい。
【0014】
前記チャンバ内に設けられる内部材は、前記チャンバ内外を移動できるように設けられ、少なくとも一つのダミー基板を支持する基板支持部を含んでいてもよい。
【0015】
前記加圧ステップは、前記加圧ガスが前記チャンバ内壁及び前記チャンバ内に設けられる内部材の少なくとも一つの表面又は内部で不純物と反応して副産物を形成し、前記減圧ステップは、前記副産物をチャンバ外部に排出してもよい。
【0016】
前記加圧ステップの前に、前記チャンバ内部に対する処理必要性を判断する処理可否判断ステップを、さらに含んでもよい。
【0017】
前記処理可否判断ステップは、前記チャンバ内で処理が完了した基板に対する面抵抗を測定し、該測定値が予め設定された値以上の場合、加圧ステップが行われるように決定してもよい。
【0018】
前記加圧ステップは、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力に上昇させる圧力上昇ステップと、前記圧力上昇ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力に一定時間維持する高圧維持ステップと、を含んでもよい。
【0019】
前記チャンバ内の温度を第1の温度から室温よりも高い処理温度T2に上昇させる昇温ステップと、前記処理温度を維持する高温維持ステップと、前記チャンバ内の温度を処理温度から第2の温度に下降させる減温ステップと、を含み、前記加圧ステップ及び前記減圧ステップは、一つの単位サイクルとして、n回(n≧1)行われ、少なくとも一つの単位サイクルは、前記高温維持ステップ中に行われてもよい。
【0020】
前記チャンバ内の温度を第1の温度から室温よりも高い処理温度に上昇させる昇温ステップと、前記チャンバ内の温度を処理温度から第2の温度に下降させる減温ステップと、を含み、前記昇温ステップ又は前記減温ステップは、前記高圧維持ステップ中に行われてもよい。
【0021】
前記加圧ステップと前記減圧ステップを一つの単位サイクルとするとき、n回(n≧2)の単位サイクルが繰り返され、前記減温ステップは、n回目の加圧ステップの高圧維持ステップ中に行われてもよい。
【0022】
また、本発明は、基板処理が行われる前記チャンバ内部を処理するチャンバ内部処理ステップと、前記チャンバ内部処理ステップの後に、処理対象基板を前記チャンバに導入する基板導入ステップと、前記チャンバ内に配置される基板に対する基板処理を行う基板処理ステップと、前記基板処理ステップを介して処理完了された基板を搬出する基板搬出ステップと、を含み、前記基板導入ステップ、基板処理ステップ及び基板搬出ステップは、一つの単位工程として、n回(n≧2)繰り返される基板処理方法を開示する。
【0023】
前記チャンバ内部処理ステップは、単位工程と単位工程と間又は最初単位工程の前に行われてもよい。
【0024】
前記チャンバ内部処理ステップは、単位工程と単位工程と間に行われ、前記単位工程の実施後に、前記チャンバ内部に対する処理必要性を判断する処理可否判断ステップを、さらに含んでもよい。
【0025】
前記処理可否判断ステップは、処理が完了した基板に対する面抵抗を測定し、該測定値が予め設定された値以上の場合、前記チャンバ内部処理ステップが行われ、該測定値が予め設定された値未満の場合、前記単位工程が行われてもよい。
【0026】
前記基板処理ステップは、前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い圧力に上昇させる基板処理加圧ステップと、前記基板処理加圧ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を下降させる基板処理減圧ステップと、を含んでもよい。
【0027】
前記基板処理減圧ステップは、前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも低い圧力に下降させ、前記基板処理加圧ステップ及び前記基板処理減圧ステップは、複数回繰り返されてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の汚染物質、パーティクルなどを効果的に除去することができる利点がある。
【0029】
特に、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の汚染物質、パーティクルを随時及び定期的にクリーニングすることにより、全体メンテナンスの周期が長くなり工程効率が増大する利点がある。
【0030】
さらに、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の表面から一定深さの内部まで浸透して、汚染源を分離後外部に排出することにより、完成度の高いクリーニング実施が可能な利点がある。
【0031】
また、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、チャンバ内壁及びチャンバ内部材のシーズニングにより基板処理ステップの過程で、チャンバ内壁及びチャンバ内部材に薄膜が蒸着されることを効果的に防止することができる利点がある。
【0032】
特に、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、主に石英材質からなるチャンバ内部材に水素を用いた処理を行うことにより、酸素の吸着を効果的に防止し、酸素に敏感な工程に効果的に活用できるという利点がある。
【0033】
その結果、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法は、チャンバ内部に対する処理によって、同じチャンバ内で処理される基板に形成される薄膜特性(例えば、面抵抗)をより効果的に改善することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明によるチャンバ内部処理方法を行ったときの圧力及び温度変化を示すグラフである。
【
図2】
図1によるチャンバ内部処理方法の一実施例を示すフローチャートである。
【
図3】
図1によるチャンバ内部処理方法の別の実施例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明による基板処理方法の一実施例を示すフローチャートである。
【
図5】
図4による基板処理方法の別の実施例を示すフローチャートである。
【
図6】
図1によるチャンバ内部処理方法の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明によるチャンバ内部処理方法及び基板処理方法について添付の図面を参照して説明する。
【0036】
本発明による基板処理方法は、
図4及び
図5に示されるように、基板処理が行われる前記チャンバ内部を処理するチャンバ内部処理ステップ(S10)と、前記チャンバ内部処理ステップの後に、処理対象基板を前記チャンバに導入する基板導入ステップ(S300)と、前記チャンバ内に配置される基板に対する基板処理を行う基板処理ステップ(S20)と、前記基板処理ステップ(S20)を介して処理完了された基板を搬出する基板搬出ステップ(S400)と、を含み、、前記基板導入ステップ(S300)、基板処理ステップ(S20)及び基板搬出ステップ(S400)は、一つの単位工程(S30)として、n回繰り返される。
【0037】
ここで、処理対象となる前記基板は、LED、LCD、OLEDなどの表示装置に使用する基板、半導体基板、太陽電池基板、ガラス基板などのすべての基板を含む意味として理解されるべきである。
【0038】
前記チャンバは、処理空間が形成され基板を処理する構成であり、様々な構成が可能である。
【0039】
このとき、前記チャンバは、単一の基板に対する基板処理が行われる構成であってもよく、他の例として、バッチ式で複数の基板が垂直方向に積層され、基板処理を行う構成であってもよい。
【0040】
以下、複数の基板を同時に処理することができるバッチ式構造の実施例に基づいて説明するが、単一の基板に対する基板処理が行われる枚葉式構造を適用することもできることは言うまでもない。
【0041】
前記チャンバは、単管又は二重管構造を有することができ、内部の処理空間が形成され、下部のマニホールドを介してガスが供給又は排気される構成であってもよい。
【0042】
このとき、前記チャンバは、下部が開放される構造であり、キャップフランジなどを介して下部を開閉することができ、これにより密閉された処理空間を形成し、基板を導入及び搬出することができる。
【0043】
一方、この場合、前記チャンバは、アルミニウムを含む金属材質で構成されてもよく、他の例として石英材質で構成されてもよい。
【0044】
一方、前記チャンバは、処理空間に基板を処理するための様々な内部材を設けることができ、一例としてチャンバ内外を移動できるように設けられ、少なくとも一つのダミー基板を支持する基板支持部を含むことができる。
【0045】
このとき、前記基板支持部は、バッチ式構造において複数の基板を垂直方向に積層して支持し、開閉されるチャンバの下部を通過して上下移動可能な構成とすることができる。
【0046】
これにより、前記基板支持部は、チャンバ内の処理空間に昇降して複数の基板を支持した状態で基板処理が行われるようにし、チャンバ下部を通過して下降することにより、ロード空間に移動して複数の基板に対するロード及びアンロードを行うことができる。
【0047】
この過程で、前記基板支持部がロード空間で多数の外部ガス、例えば、酸素(O2に露出され、これらの外部ガスが処理空間内に一緒に取り込まれ、工程過程を妨げるか、不純物、汚染物質に変質されることがある。
【0048】
その結果、これらの酸素に代表される外部ガスに対して、パージ及びチャンバ、チャンバ内部材のシーズニング、クリーニング工程を行う必要がある。
【0049】
さらに、前述した外部ガスだけでなく、基板処理過程自体から発生する汚染物質がチャンバ内部に堆積するなどにより、後に行われる基板処理にパーティクルとして影響する問題を改善するために、チャンバ内部及びチャンバ内部材のクリーニング工程を行う必要がある。
【0050】
一方、このとき、前記基板支持部は、処理対象基板が除去された状態で処理を行うことができ、このとき、一般に最上端及び最下端に配置されるダミー基板を一緒に処理することができる。
【0051】
さらに、前記基板支持部は、前述したチャンバのように石英材質で設けることができる。
【0052】
前記チャンバ内部処理ステップ(S10)は、基板処理が行われるチャンバ内部を処理するステップであってもよく、これについての説明は、チャンバ内部処理方法で詳細に後記する。
【0053】
前記基板導入ステップ(S300)は、チャンバ内部処理ステップ(S10)の後に、処理対象基板をチャンバに導入するステップであり、様々な方法で行うことができる。
【0054】
例えば、前記基板導入ステップ(S300)は、チャンバ内部処理ステップ(S10)を介してチャンバ内部及び内部材に対する処理が完了した状態で処理対象基板をチャンバ内に導入することができる。
【0055】
このとき、前記基板導入ステップ(S300)は、処理が完了した基板支持部をロード領域に下降させ、複数の基板をロードした後に、基板支持部を処理空間に上昇させてチャンバ内に基板を導入することができる。
【0056】
前記基板処理ステップ(S20)は、チャンバ内に配置される基板に対して基板処理を行うステップであり、様々な方法で行うことができる。
【0057】
このとき、前記基板処理ステップ(S20)は、蒸着工程、エッチング工程、熱処理工程など様々な工程を行うことができ、従来開示された基板を処理する任意の工程を適用することができる。
【0058】
特に、前記基板処理ステップ(S20)は、複数の基板に対する熱処理などアニーリング工程を行うことができる。
【0059】
より具体的には、前記基板処理ステップ(S20)は、前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い第3圧力に上昇させる基板処理加圧ステップと、前記基板処理加圧ステップの後に、前記チャンバ内の圧力を前記第3圧力から第4圧力に下降させる基板処理減圧ステップを含むことができる。
【0060】
このとき、前記第4圧力は、大気圧よりも低い圧力であり、基板処理加圧ステップ及び前記基板処理減圧ステップは、複数回繰り返すことができる。
【0061】
一方、前記基板処理ステップ(S20)で行われる基板処理加圧ステップ及び前記基板処理減圧ステップは、後記する加圧ステップ(S100)及び減圧ステップ(S200)と同じ又は類似のパターンで行うことができ、このときの圧力条件及び温度条件は異なるように適用することができる。
【0062】
一方、前記基板処理ステップ(S20)に対する詳細な説明は、特許文献1、2及び3の内容が適用され、前記特許文献に開示された内容を含むことができる。
【0063】
前記基板搬出ステップ(S400)は、基板処理ステップ(S20)を介して処理完了された基板を搬出するステップであり、様々な方法で行うことができる。
【0064】
例えば、前記基板搬出ステップ(S400)は、処理が完了した基板を支持する基板支持部を処理空間からロード領域に下降させ、ロード領域で処理完了した基板をアンロードして行うことができる。
【0065】
一方、前記基板導入ステップ(S300)、基板処理ステップ(S20)及び基板搬出ステップ(S400)は、一つの単位工程(S30)として、処理対象の複数の基板に対する基板処理のために繰り返すことができる。
【0066】
この過程で、チャンバ内部処理ステップ(S10)は、単位工程(S30)の実施前のチャンバに対する最初セットアップ時に行うことができる。
【0067】
即ち、前記チャンバ内部処理ステップ(S10)は、
図4に示されるように、単位工程(S30)の実施前の基板処理が行われるチャンバの最初セットアップ時にチャンバ内部及び内部材に対する処理のために行われる。チャンバ内部処理が完了した状態で、基板導入ステップ(S300)、基板処理ステップ(S20)及び基板搬出ステップ(S400)の単位工程(S30)を繰り返し行うことができる。
【0068】
一方、他の例として、前記チャンバ内部処理ステップ(S10)は、
図5に示されるように、単位工程(S30)と単位工程(S30)との間に行われてもよく、そのためにチャンバ内部処理ステップ(S10)の前に、チャンバ内部に対する処理の必要性を判断する処理可否判断ステップ(S500)をさらに含むことができる。
【0069】
このとき、前記処理可否判断ステップ(S500)は、単位工程(S30)に対する実施が完了した状態で、チャンバ内部及び内部材に対する処理の必要性を判断することにより、単位工程(S30)を連続的に繰り返し行うか、チャンバ内部処理ステップ(S10)を行うように誘導することができる。
【0070】
このとき、前記処理可否判断ステップ(S500)は、基板搬出ステップ(S400)の後に、予め設定された基準値に基づいてチャンバ内部に対する処理の必要性を判断することができ、一例として、処理が完了した基板に対する面抵抗を測定し、該測定値が予め設定された値以上の場合、チャンバ内部処理ステップ(S10)が行われるようにすることができる。
【0071】
一方、他の例として、前記処理可否判断ステップ(S500)は、予め設定された単位工程(S30)の繰り返し回数、即ち、予め設定されたn値に応じて、予め設定された繰り返し回数に達した場合、チャンバ内部処理ステップ(S10)が行われるように判断することができる。
【0072】
一方、前記チャンバ内部処理ステップ(S10)がチャンバ及び内部材に対する全体メンテナンスが行われる過程で行われることはもちろんである。
【0073】
以下では、チャンバ内部処理ステップ(S10)に対応するチャンバ内部処理方法について添付図面を参照して説明する。
【0074】
前記チャンバ内部処理方法は、
図1に示されるように、加圧ガスを用いて前記チャンバ内の圧力を大気圧より高い第1の圧力P
1に上昇させる加圧ステップ(S100)と、前記加圧ステップ(S100)の後に、前記チャンバ内の圧力を前記第1の圧力P
1から下降させる減圧ステップ(S200)と、を含み、前記加圧ステップ(S100)及び減圧ステップ(S200)は、チャンバ内部に処理対象基板が除去された状態で行われる。
【0075】
また、本発明によるチャンバ内部処理方法は、チャンバ内の温度を第1の温度T1から室温よりも高い処理温度T2に上昇させる昇温ステップと、前記処理温度T2を維持する高温維持ステップと、チャンバ内の温度を処理温度T2から第2の温度T3に下降させる減温ステップをさらに含むことができる。
【0076】
また、前記チャンバ内部処理方法は、処理対象基板を前記チャンバ内に導入する基板導入ステップ(S300)をさらに含むことができる。
【0077】
また、前記チャンバ内部処理方法は、前記加圧ステップ(S100)の前に、処理対象基板を前記チャンバ外部に搬出する基板搬出ステップ(S400)と、前記チャンバ内部に対する処理の必要性を判断する処理可否判断ステップ(S500)と、をさらに含むことができる。
【0078】
このとき、前記基板導入ステップ(S300)、基板搬出ステップ(S400)及び処理可否判断ステップ(S500)は、前述の通りであるので重複する説明は省略する。
【0079】
本発明における前記第1の温度T1は、200℃であり、処理温度T2は、600℃であり、第2の温度T3は、第1の温度T1と同じ200℃であってもよい。
【0080】
一方、第2の温度T3が第1の温度T1と異なる温度を有してもよいことはもちろんである。
【0081】
前記第1の圧力P1は、2atmであり、第2の圧力P2は、10トールの真空状態の圧力値であってもよい。
【0082】
前記加圧ステップ(S100)は、加圧ガスを用いて前記チャンバ内の圧力を大気圧よりも高い第1の圧力P1に上昇させることができる。
【0083】
このとき、前記加圧ステップ(S100)は、チャンバ内の圧力を大気圧から第1の圧力P1に上昇させるか、真空から第1の圧力P1に上昇させることができる。
【0084】
より具体的には、前記加圧ステップ(S100)は、減圧ステップ(S200)と、単位サイクルとして、n回繰り返すことができるが、減圧ステップ(S200)により第2の圧力P2に下降した状態で、第2の圧力P2から第1の圧力P1にチャンバ内の圧力を上昇させることができる。
【0085】
このとき、前記第1の圧力P1は、大気圧よりも高い様々な圧力値に設定することができ、例えば、大気圧よりも高い2atmとすることができる。
【0086】
一方、前記加圧ガスは、水素(H)、酸素(O)、窒素(N)、塩素(Cl)、フッ素(F)の少なくとも一つの元素を含むガスであってもよく、より好ましくは水素(H)ガスであってもよい。
【0087】
このとき、前記加圧ガスは、水素ガスを介してチャンバ内壁及び基板支持部、ダミー基板などの内部材の表面をコーティングすることができ、これにより、前述したように、基板支持部が昇降する過程で取り込まれる酸素が、チャンバ内部に吸着することを防止することができる。
【0088】
より具体的には、チャンバ内部の表面及びチャンバ内部材の表面が石英材質である場合、水素が石英表面と結合し、Si-H、Si-OH結合により膜を形成することができ、これにより形成される膜を介して酸素と結合されることを防止することで、酸素がチャンバ内部に吸着される現象を防止することができる。
【0089】
また、前記加圧ステップ(S100)は、加圧ガスを介してチャンバ内を高圧に上昇させることにより、チャンバ内壁及び内部材の表面及び内部で不純物と反応して副産物を形成することができ、これによりチャンバ内壁及び内部材の表面及び内部に化学的に結合する汚染物質をこれらから分離することができる。
【0090】
次に、後記する減圧ステップ(S200)が行われることで、加圧ガスと結合して形成される副産物を、チャンバ内壁、内部材の表面及び処理空間に吸引することができ、真空状態の組成で外部にこれら副産物を排出することができる。
【0091】
一方、前記加圧ステップ(S100)は、チャンバ内の圧力を第1の圧力P1に上昇させる圧力上昇ステップと、圧力上昇ステップの後に、チャンバ内の圧力を第1の圧力P1に一定時間維持する高圧維持ステップを含むことができる。
【0092】
前記高圧維持ステップは、圧力上昇ステップを介して到達した第1の圧力P1にチャンバ内の圧力を一定時間維持するステップであってもよい。
【0093】
このとき、前記高圧維持ステップは、加圧ガスを連続的に供給しながらチャンバ内の圧力を第1の圧力P1に維持することができ、これにより前述したように、チャンバ内壁及びチャンバ内に設けられる内部材の表面及び内部に浸透して、汚染物質との結合により副産物を形成するか、表面をコーティングすることができる。
【0094】
さらに、前記高圧維持ステップは、加圧ガスを連続的に供給しながらチャンバ内の圧力を高圧である第1の圧力P1に維持し、物理的なガスの圧力で汚染物質を排出するなどの機能を行うことができる。
【0095】
また、他の機能として、前記加圧ステップは、金属膜を蒸着するか、金属膜に対する熱処理が行われることで、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の少なくともいずれか一つに堆積された金属物質の結合関係を断ち、これらを排出することができる。
【0096】
より具体的には、金属膜の処理により、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の少なくともいずれか一つに、Ti、Li、Cuなどの金属物質が互いに結合して堆積するか、これらの金属物質と、チャンバ内壁及びチャンバ内部材の少なくともいずれか一つの表面が結合された場合、加圧ガスを介した加圧の雰囲気形成を通じてこれらのボンディングを断ち、不純物を排出することができる。
【0097】
一方、後記する昇温ステップ及び減温ステップの少なくともいずれか一つのステップも高圧維持ステップ中に行われることで、水素のチャンバ内壁及びチャンバ内部材へのコーティングが円滑に行われるように誘導することができ、これについての説明は後記する。
【0098】
前記減圧ステップ(S200)は、加圧ステップ(S100)の後に、チャンバ内の圧力を前記第1の圧力P1から下降させるステップであってもよい。
【0099】
このとき、前記減圧ステップ(S200)は、チャンバ下部のマニホールドに形成される排気口とそれに連結される排気バルブとを介してチャンバ内の圧力を下降させることができ、この過程で外部の排気ポンプと連結することができる。
【0100】
前記第2の圧力P2は、第1の圧力P1よりも低い圧力値であって大気圧よりも高くても低くてもよいが、より好ましくは不純物の外部排出のために大気圧よりも低い真空状態の圧力値であってもよい。
【0101】
一方、前記加圧ステップ(S100)及び前記減圧ステップ(S200)は、一つの単位サイクルとして、n回行われ、少なくとも一つの単位サイクルは、高温維持ステップ中に行うことができる。
【0102】
このとき、加圧ステップ(S100)及び減圧ステップ(S200)を高温状態で繰り返し行うことにより、不純物を除去するか、水素などの加圧ガスの構成物質をコーティングする反応を促進させることができる。
【0103】
より具体的には、高温状態で加圧ステップ(S100)と減圧ステップ(S200)を繰り返し行うことで、原子の熱振動を増加させ、これによりチャンバ内部と弱い結合を形成している不純物の結合を分解するように促進することができ、さらに、水素などの加圧ガスの構成物質をチャンバ内部、即ちチャンバ内壁及びチャンバ内部材の表面との結合を向上させることができる。
【0104】
前記昇温ステップは、チャンバ内の温度を第1の温度T1から室温よりも高い処理温度T2に上昇させるステップであってもよい。
【0105】
このとき、前記昇温ステップは、チャンバ内を処理するための温度の雰囲気に作るために、チャンバ内の温度を第1の温度T1から室温よりも高い処理温度T2に上昇させることができ、これによりチャンバ内を処理するための温度条件を設定することができる。
【0106】
このとき、前記昇温ステップは、加圧ステップ(S100)中に行われてもよく、より具体的には、圧力上昇ステップ又は高圧維持ステップで行うことができる。
【0107】
前記減温ステップは、チャンバ内の温度を、チャンバ内部を処理するための温度である処理温度T2から第2の温度T3に下降させるステップであってもよい。
【0108】
このとき、前記第2の温度T3は、チャンバ内部の処理を完了し、その後に行われる工程のために、工程条件に適合する温度であってもよく、前述した第1の温度T1と同じであるか、後続工程に応じて異なる温度であってもよい。
【0109】
このとき、前記減温ステップは、高圧維持ステップ中に行うことができ、より具体的には、チャンバ内の圧力が大気圧よりも高い高圧状態である第1の圧力P1に維持される間、処理温度T2から第2の温度T3に減温することができる。
【0110】
より具体的には、従来のチャンバ内部にO2が残存する状態で圧力が大気圧よりも低い場合、チャンバ内部の温度が昇温されるか、チャンバ内部の温度が減温される場合、チャンバ内部に残存するO2がガス放出されることにより、チャンバ内部及び薄膜と反応する問題があった。
【0111】
このような問題点を改善するために、前記昇温ステップ及び減温ステップは、加圧ステップ(S100)、特に高圧維持ステップS120中に行うことができ、より具体的には、昇温ステップの昇温始点、昇温終点、減温ステップの減温始点及び減温終点をチャンバ内部及び薄膜の劣化を最小限に抑えることができる時点として特定することができる。
【0112】
例えば、前記昇温ステップは、加圧ステップ(S100)の実施中又は加圧ステップ(S100)の実施後、予め設定された昇温始点から昇温終点までの温度雰囲気を第1の温度T1から処理温度T2に昇温させることができる。
【0113】
このとき、前記昇温ステップにおける昇温始点及び昇温終点は、加圧ステップ(S100)の開始時点(第1の圧力P1に加圧が開始される時点)及び減圧ステップ(S200)の開始時点(第2の圧力P2に減圧が開始される時点)の間に設定することができる。
【0114】
一例として、前記昇温ステップは、加圧ステップ(S100)の実施中に予め設定された昇温始点から昇温終点まで温度を昇温させることができる。
【0115】
ここで、前記昇温始点は、前記加圧ステップ(S100)の開始時点以降であれば、任意の時点に設定することができるが、チャンバ内部がO2ガスから十分に保護されるように、一定量の加圧ガスが投入され、工程圧が大気圧以上に加圧された以後の時点に設定することが好ましい。
【0116】
前記減温ステップは、前述した昇温ステップと同様に、加圧ステップ(S100)の実施中又は加圧ステップ(S100)の実施後、予め設定された減温始点から減温終点まで温度雰囲気を処理温度T2から第2の温度T3に減温させることができる。
【0117】
このとき、前記減温ステップにおける減温始点及び減温終点は、加圧ステップ(S100)の開始時点(第1の圧力P1に加圧が開始される時点)及び減圧ステップ(S200)の開始時点(第2の圧力P2に減圧が開始される時点)の間に設定することができる。
【0118】
一例として、前記減温ステップは、加圧ステップ(S100)の実施中に予め設定された減温始点から減温終点まで温度を減温させることができる。
【0119】
ここで、前記減温始点は、前記加圧ステップ(S100)の開始時点以降であれば、任意の時点に設定することができるが、チャンバ内部がO2ガスから十分に保護されるように、一定量の加圧ガスが投入され、工程圧が大気圧以上に加圧された後の時点に設定することが好ましく、同様の状況として、減圧ステップ(S200)の終了時点前として、チャンバ内部の工程圧が大気圧以下に減圧される前の時点に設定することができる。
【0120】
一方、一例として、前記減温ステップは、加圧ステップ(S100)と減圧ステップ(S200)を一つの単位サイクルとして、n回繰り返される場合、最後のn回目の加圧ステップの高圧維持ステップ中に行うことができる。
【0121】
即ち、単位サイクルの1回目からn-1回目の繰り返し実施過程では、チャンバ内部の処理のための処理温度造成のために、チャンバ内の温度を処理温度T2に維持することができ、後続工程の温度条件のために、減温ステップは、n回目の高圧維持ステップ中に行うことができる。
【0122】
一方、以下では、
図6を参照して、本発明によるチャンバ内部処理方法による効果を詳細に説明する。
【0123】
本発明によるチャンバ内部処理方法は、
図6に示されるように、前述した基板処理が行われるチャンバ内部に対する処理により、処理される基板の面抵抗(R
S)を低減して高品質の基板処理が可能な効果がある。
【0124】
図6によるグラフにおいて、実験例1は、繰り返される単位サイクルの最初単位サイクルの加圧ステップ(S100)で昇温ステップを行い、単位サイクルの最終単位サイクルの加圧ステップ(S100)で減温ステップを行いながら、高温維持ステップで残りの単位サイクルの加圧ステップ(S100)及び減圧ステップ(S200)を繰り返し行った結果である。
【0125】
また、実験例2は、全加圧ステップ(S100)及び減圧ステップ(S200)の単位サイクルを高温維持ステップで繰り返し行った結果である。
【0126】
まず、本発明によるチャンバ内部処理を行っていない場合、
図6に示されるように、実験例1は、面抵抗が4.5%増加したことを確認でき、実験例2は、面抵抗が3.4%増加したことを確認することができた。
【0127】
しかし、本発明のチャンバ内部処理を行った実験例1の20回の単位サイクルを繰り返し行った場合、面抵抗が14%減少することを確認でき、実験例2も約70回単位サイクルを繰り返し行った場合、面抵抗が3%減少し、160回繰り返し行った場合、面抵抗が8.5%減少することを確認することができた。
【0128】
即ち、本発明によるチャンバ内部に対する処理を行った実験例1及び実験例2ともに、その繰り返し回数による程度の差はあったが、チャンバ内部に対する処理を行っていない場合と比較したとき、処理された基板の面抵抗が減少することを確認することができた。
【0129】
また、実験例1が実験例2に比べて、格段に優れた面抵抗減少を示したことをさらに確認することができた。
【0130】
以上は、本発明によって実現することができる好ましい実施例の一部について説明したものにすぎず、周知のように、本発明の範囲は、前記の実施例に限定して解釈されるべきではなく、前述した本発明の技術的思想とその基礎を合わせた技術的思想は、全て本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0131】
P1 第1の圧力
P2 第2の圧力
T1 第1の温度
T2 処理温度
T3 第2の温度