(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-29
(45)【発行日】2024-03-08
(54)【発明の名称】フィルタ寿命インジケータ媒体およびホルダー
(51)【国際特許分類】
G01N 1/02 20060101AFI20240301BHJP
G01N 1/10 20060101ALI20240301BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20240301BHJP
【FI】
G01N1/02 D
G01N1/10 C
G01N1/22 C
G01N1/22 L
(21)【出願番号】P 2022538084
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(86)【国際出願番号】 US2020065426
(87)【国際公開番号】W WO2021133619
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-09-01
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ゴードロー, ジョン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ワーニャーズ, エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ワシントン, エドワード ジェー.
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開昭52-072288(JP,A)
【文献】特開2006-337209(JP,A)
【文献】特開2002-005797(JP,A)
【文献】実開平06-019812(JP,U)
【文献】実開昭64-031937(JP,U)
【文献】特開2017-055758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00 - 46/90
F24F 7/00 - 7/06
G01N 1/00 - 1/44
G01N 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体サンプルホルダーであって、
ベースであって、前記ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、前記媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを有するベース本体と、
前記媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造と
を含む、ベース
を備え、
前記複数の保持構造は、
固定壁と、
チャネル底部と、
カム表面であって、前記カム表面がフレキシブルアーム上に装着され、前記カム表面が前記固定壁に対向し、前記カム表面、前記チャネル底部、および前記固定壁が、前記フレキシブルアームが偏向された位置にあるとき、前記取付けアダプタを収容するように構成された、カム表面と
を備える
、媒体サンプルホルダー。
【請求項2】
媒体サンプルホルダーであって、
ベースであって、前記ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、前記媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを有するベース本体と、
前記媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造と
を含む、ベース
を備え、
前記媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された第2の開口を含むふたと、
前記ベースを前記ふたに結合するヒンジと
をさらに備え、
前記ベースと前記ふたとが、スナップクロージャを形成するように構成された、
媒体サンプルホルダー。
【請求項3】
前記取付けアダプタをさらに備え、前記取付けアダプタが、フィルタに結合されるように構成された、請求項
1または2に記載の媒体サンプルホルダー。
【請求項4】
前記取付けアダプタが、略三角形状を有するフレームと、延長部とを備え、前記フレームおよび前記延長部が平坦な外表面を提供し、前記延長部は、前記保持構造が前記延長部を収容することができるような厚さを有する、請求項
3に記載の媒体サンプルホルダー。
【請求項5】
前記凹部内に少なくとも部分的に位置する媒体サンプルをさらに備え、前記媒体サンプルが、酸、塩基、および揮発性有機化合物から選択される1つまたは複数の汚染物質を吸収するように構成された、請求項1から
4のいずれか一項に記載の媒体サンプルホルダー。
【請求項6】
前記第2の開口のほうへ流れを向けるように構成された入口をさらに備え、前記入口が、前記第2の開口の面積よりも大きい面積を有する入口開口を有する、請求項
2に記載の媒体サンプルホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルタ寿命インジケータ(filter life indicator)媒体サンプル(media sample)と、そのような媒体サンプルのためのホルダーと、媒体サンプルに基づくフィルタ寿命の決定とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
フィルタ寿命テストは、一般に、フィルタから切断されたパッチの破壊テスト、さらには、フィルタが使用できなくなった(out of service)後のフィルタ全体自体のテストを含む。これは、テストの頻度を制限する。さらに、テスト結果は、パッチがいつ取られたかに応じて、フィルタの寿命時間を反映しないことがあるか、または、テスト結果は、フィルタ全体がテストされるとき、フィルタの交換に関する判断を導くには遅すぎることがある。頻度が低いテストは、フィルタの早期廃棄につながることがあり、またはフィルタが必要とされるレベルを下回って機能することに対する応答性が悪いことにつながることがある。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、フィルタ寿命インジケータ媒体サンプルと、そのような媒体サンプルのためのホルダーと、媒体サンプルに基づくフィルタ寿命の決定とを対象とする。
【0004】
フィルタに近接して保持(retain)された媒体のサンプルを使用することによって、媒体は、テストのためのフィルタの部分の除去なしにフィルタの露出および有効性を評価するために使用され得る。サンプルは、他のフィルタテストと比較して、増加された頻度で交換およびテストされ得る。知られており、フィルタの除去効率(removal efficiency)とは異なる除去効率を有する媒体を使用することによって、媒体は、限られた時間スパンにわたってさえ、フィルタの露出とフィルタの除去効率に対する変化との理解を提供することができる。
【0005】
フィルタは、しばしば、アクセスすることが困難であるエリア中にある。片手を使用して動作可能な迅速解放(quick-release)保持タブ(retention tab)は、ユーザが、フィルタアセンブリ内の閉じ込められたまたは場合によっては扱いにくいロケーションにおいてさえ、媒体サンプルホルダーを置くかまたは除去することと、ホルダーが除去された後、容易に媒体サンプルを交換するかまたはホルダーから除去することとを可能にすることができる。
【0006】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーがベースを含む。ベースは、媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口(opening)とを含むベース本体と、本媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持アセンブリとを含む。保持アセンブリは、ベース本体から延びる保持タブ(retaining tab)と、保持タブの反対側の解放レバーアーム(release lever arm)とを含む。解放レバーアームは、フレキシブルであり、ベース本体から保持タブのほうへ延び、保持タブに向かう端部において保持面を含む。
【0007】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された第2の開口を含むふたと、ベースをふたに結合するヒンジとをさらに含む。ベースとふたとは、スナップクロージャ(snap closure)を形成するように構成される。
【0008】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、取付けアダプタをさらに含み、取付けアダプタは、フィルタに結合されるように構成される。一実施形態では、取付けアダプタは、フィルタにおけるひだに機械的に係合するように構成されたコムを含む。一実施形態では、取付けアダプタは、取付けアダプタが複数の保持アセンブリに係合するように構成された所の反対側に平坦な表面を備える。
【0009】
一実施形態では、解放レバーアームの各々は、解放レバーアームと保持タブとの間に位置する係合特徴を解放するように構成された傾斜(ramped)部分をさらに含む。
【0010】
一実施形態では、ベースは、溶融処理可能なポリマーを含む。
【0011】
一実施形態では、保持面は、保持タブの対向面に対して角度付けされた傾斜部分を含む。
【0012】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、凹部内に位置する媒体サンプルをさらに含む。媒体サンプルは、酸、塩基、揮発性有機化合物から選択される1つまたは複数の汚染物質を吸収するように構成される。
【0013】
一実施形態では、媒体サンプルは、本媒体サンプルホルダーが一緒に使用されるように構成されたフィルタの除去効率曲線とは異なる、1つまたは複数の汚染物質のための周知の除去効率曲線を有する。
【0014】
一実施形態では、媒体サンプルは、吸収媒体と、吸収媒体を囲む膜とを含み、膜は、媒体サンプルの外周において密封される。
【0015】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、第2の開口のほうへ流れを向けるように構成された入口をさらに含み、入口は、第2の開口の面積よりも大きい面積を有する入口開口を有する。
【0016】
一実施形態では、フィルタを評価する方法は、媒体サンプルの除去効率を決定することであって、媒体サンプルが、所定の時間量の間、フィルタに取り付けられた、媒体サンプルの除去効率を決定することと、媒体サンプルの除去効率と所定の時間量とに基づいて、フィルタの除去効率を決定することとを含む。媒体サンプルの除去効率曲線が、フィルタの除去効率曲線とは異なる。
【0017】
一実施形態では、本方法は、媒体サンプルホルダーを使用して、所定の時間量の間、媒体サンプルをフィルタに取り付けることをさらに含む。媒体サンプルホルダーは、媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された開口とを含むベース本体と、複数の保持アセンブリとを含む、ベースを含む。保持アセンブリは、ベース本体から延びる保持タブと、保持タブの反対側の解放レバーアームとを含み、解放レバーアームは、フレキシブルであり、ベース本体から保持タブのほうへ延び、保持面を含む。媒体サンプルホルダーは、媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された開口を含むふたと、ベースをふたに結合するヒンジとをさらに含む。ベースとふたとは、スナップクロージャを形成するように構成される。
【0018】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーをフィルタに取り付けることは、複数の保持アセンブリをフィルタのフィルタコムと係合させることを含む。
【0019】
一実施形態では、媒体サンプルをフィルタに取り付けることは、複数の保持アセンブリを、フィルタに固定された取付けアダプタと係合させることを含む。
【0020】
一実施形態では、取付けアダプタは、接着剤によってフィルタに固定される。
【0021】
一実施形態では、本方法は、解放レバーアームを曲げることによって、フィルタから媒体サンプルホルダーを除去することをさらに含む。
【0022】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーは、フィルタの上流側でフィルタに取り付けられる。
【0023】
一実施形態では、媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに平行であるように、フィルタに取り付けられる。
【0024】
一実施形態では、媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに垂直であるように、フィルタに取り付けられる。
【0025】
一実施形態では、媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに対して角度付けされるように、フィルタに取り付けられる。
【0026】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーがベースを含む。ベースは、媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを含むベース本体を含む。ベースは、媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造を含む。保持構造は、固定壁と、チャネル底部と、カム表面(camming surface)とを含む。カム表面は、フレキシブルアーム上に装着される。カム表面は、固定壁に対向する。カム表面、チャネル底部、および固定壁は、フレキシブルアームが偏向された位置にあるとき、取付けアダプタを収容するように構成される。
【0027】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された第2の開口を含むふたと、ベースをふたに結合するヒンジとをさらに含む。ベースとふたとは、スナップクロージャを形成するように構成される。
【0028】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、取付けアダプタをさらに含み、取付けアダプタは、フィルタに結合されるように構成される。
【0029】
一実施形態では、取付けアダプタは、フィルタにおけるひだに機械的に係合するように構成されたコムを備える。
【0030】
一実施形態では、取付けアダプタは、略三角形状を有するフレームと、延長部とを備え、フレームおよび延長部は平坦な外表面を提供し、延長部は、保持構造が延長部を収容することができるような厚さを有する。
【0031】
一実施形態では、ベースは、溶融処理可能なポリマーを含む。
【0032】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、凹部内に少なくとも部分的に位置する媒体サンプルをさらに含み、媒体サンプルは、酸、塩基、および揮発性有機化合物から選択される1つまたは複数の汚染物質を吸収するように構成される。一実施形態では、媒体サンプルは、吸収媒体と、吸収媒体を囲む膜とを備え、膜は、媒体サンプルの外周において密封される。一実施形態では、媒体サンプルは、本媒体サンプルホルダーが一緒に使用されるように構成されたフィルタの除去効率曲線とは異なる、1つまたは複数の汚染物質のための周知の除去効率曲線を有する。
【0033】
一実施形態では、本媒体サンプルホルダーは、第2の開口のほうへ流れを向けるように構成された入口をさらに含み、入口は、第2の開口の面積よりも大きい面積を有する入口開口を有する。
【0034】
一実施形態では、フィルタを評価する方法が、媒体サンプルの除去効率を決定することを含む。媒体サンプルは、所定の時間量の間、フィルタに取り付けられた。本方法は、媒体サンプルの除去効率と所定の時間量とに基づいて、フィルタの除去効率を決定することをさらに含む。媒体サンプルの除去効率曲線が、フィルタの除去効率曲線とは異なる。
【0035】
一実施形態では、ベースを含む媒体サンプルホルダーを使用して、所定の時間量の間、媒体サンプルをフィルタに取り付ける方法。ベースは、媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを含むベース本体を含む。ベースは、媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造を含む。保持構造は、固定壁と、チャネル底部と、カム表面とを含む。カム表面はフレキシブルアーム上に装着され、カム表面は固定壁に対向し、カム表面、チャネル底部、および固定壁は、フレキシブルアームが偏向された位置にあるとき、取付けアダプタを収容するように構成される。媒体サンプルホルダーは、媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された開口を含むふたと、ベースをふたに結合するヒンジとをも含む。ベースとふたとは、スナップクロージャを形成するように構成される。
【0036】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーをフィルタに取り付けることは、複数の保持構造を取付けアダプタと係合させることを含み、取付けアダプタはフィルタコムである。
【0037】
一実施形態では、媒体サンプルをフィルタに取り付けることは、複数の保持構造を取付けアダプタと係合させることを含み、取付けアダプタは、略三角形状を有するフレームと、延長部とを備え、フレームおよび延長部は平坦な外表面を提供し、延長部は、保持構造が延長部を収容することができるような厚さを有する。
【0038】
一実施形態では、取付けアダプタは、接着剤によってフィルタに固定される。一実施形態では、取付けアダプタは、フィルタに近接して固定される。
【0039】
一実施形態では、本方法は、媒体サンプルホルダーを取付けアダプタから引き離すことによって、フィルタから媒体サンプルホルダーを除去することをさらに含む。
【0040】
一実施形態では、媒体サンプルホルダーは、フィルタの上流側でフィルタに取り付けられる。一実施形態では、媒体サンプルは、媒体サンプルの平面が、フィルタを通る流れに平行であるように、フィルタに取り付けられる。一実施形態では、媒体サンプルは、媒体サンプルの平面が、フィルタを通る流れに垂直であるように、フィルタに取り付けられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】一実施形態による、取付けアダプタに取り付けられた媒体サンプルホルダーの斜視図である。
【
図2A-C】取付けアダプタへの、一実施形態による媒体サンプルホルダーの取付けの側面図である。
【
図3】一実施形態による、媒体サンプルホルダーおよび取付けアダプタの斜視図である。
【
図4A】一実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの配置を示す図である。
【
図4B】別の実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの別の配置を示す図である。
【
図4C】また別の実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの別の配置を示す図である。
【
図5】フィルタを評価するための方法のフローチャートである。
【
図6】フィルタについての除去効率曲線と、フィルタを評価する際に使用される媒体サンプルについての除去効率曲線とのグラフである。
【
図7】一実施形態による、媒体サンプルホルダーの一部の斜視図である。
【
図8】フィルタのコムに結合された、一実施形態による媒体サンプルホルダーの斜視図である。
【
図9】フィルタのコムに結合された、一実施形態による媒体サンプルホルダーの側面図である。
【
図10】一実施形態による、媒体ホルダーのための取付けアダプタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本開示は、フィルタ寿命インジケータ媒体サンプルと、そのような媒体サンプルのためのホルダーと、媒体サンプルに基づくフィルタ寿命の決定とを対象とする。
【0043】
図1は、一実施形態による、媒体サンプルホルダーの斜視図を示す。媒体サンプルホルダー100は、ふた開口104を含むふた102を含む。媒体サンプルホルダー100は、サンプルホルダー本体106をさらに含む。ふた102は、ヒンジ108によってサンプルホルダー本体106に結合される。ふた102は、アパーチャ(aperture)110を含み、媒体サンプルホルダー本体106は、アパーチャ110とのスナップフィット(snap fit)を形成するように構成された突出部112を含む。媒体サンプルホルダー本体106は、保持アセンブリ114をさらに含む。保持アセンブリ114の各々は、保持タブ116と解放レバーアーム118とを含む。サンプルホルダー本体106は、凹部120と本体開口122とをも含む。媒体サンプルホルダー100は、媒体サンプル124を収容することができる。媒体サンプルホルダー100は、取付けアダプタ126に結合される。
図1に示されている取付けアダプタ126は、シャフト130から延びる歯128を含むコムである。シャフト130は、歯128間に設けられた複数の係合表面132を含む。
【0044】
ふた102は、媒体サンプルホルダー100の一部を形成する。閉じられたとき、ふた102は、サンプルホルダー本体106の凹部120を部分的に密閉する。凹部を密閉することによって、ふた102は、サンプルホルダー100内に媒体サンプル124をしっかり固定する(secure)ことができる。ふた102は、ふた開口104を含む。ふた開口104は、媒体サンプルホルダー100中に保たれる媒体サンプル124と、周囲環境、たとえば、フィルタにおけるまたはその近くのダクトの内部との間の接触を可能にするように構成された、ふた102において形成されたアパーチャである。一実施形態では、ふた開口104は、円形である。一実施形態では、ふた102は、面取り部を有する。一実施形態では、ふた開口104の内周は、ふた102が閉じられたとき、媒体サンプル124がふた102によって保持され得るように、媒体サンプル124の外周よりも小さい。一実施形態では、ふた開口104は、略円形形状を有する。一実施形態では、吸気口が、
図4Aに示され、以下で説明されるように、ふた開口104から延びることができる。
【0045】
サンプルホルダー本体106は、媒体サンプルホルダー100の本体を形成する。サンプルホルダー本体106は、ポリマー材料から形成され得る。一実施形態では、サンプルホルダー本体106は、溶融処理可能なポリマー材料を含む。
【0046】
ヒンジ108は、ふた102をサンプルホルダー本体106に結合する。ヒンジ108は、ふた102の一部分をサンプルホルダー本体106の一部分に結合するピンを含むことができる。ヒンジ108は、ふた102がサンプルホルダー本体106に対して回転されることを可能にする。
【0047】
ふた102は、たとえば、スナップフィットによって、サンプルホルダー本体106にしっかり固定され得る。スナップフィットは、ふた102上に設けられたスナップフィットアパーチャ110と、ふた102上のスナップフィットアパーチャ110に対応する位置においてサンプルホルダー本体106から延びる突出部112との間のスナップフィットであり得る。突出部112は、スナップフィットを提供するために、スナップフィットアパーチャ110と係合するかまたはそれに引っかかるように構成された部分を含むことができる。突出部112はフレキシブルであり得、したがって、突出部112は、アパーチャ110に係合することができるが、この係合から外れて、ふた102がヒンジ108を中心としてサンプルホルダー本体106から離れて開かれることを可能にするように、曲げられ得る。
【0048】
保持アセンブリ114は、サンプル本体ホルダー106上に設けられる。保持アセンブリは、媒体サンプルホルダー100を取付けアダプタ126に付けるために使用され得る。保持アセンブリは、各々、保持タブ116と、対応する解放レバーアーム118とを含む。一実施形態では、媒体サンプルホルダー100は、媒体サンプルホルダーの対向する側部に配設された2つの保持アセンブリ114を含む。一実施形態では、媒体サンプルホルダーは、略正方形形状または略矩形形状を有し、ヒンジ108およびスナップフィットアパーチャ110と突出部112とを含むスナップフィットを含む対向する側部の一方のペアと、各々保持アセンブリ114がその上に配設された対向する側部の他方のペアとをもつ。
【0049】
保持タブ116は、サンプルホルダー本体106から突出する。保持タブ116は、取付けアダプタ126の係合表面132と係合するようにサイズ決定され、整形される。
【0050】
解放レバーアーム118は、サンプルホルダー本体106から保持タブ116のほうへ延びる。解放レバーアーム118はフレキシブルであり、したがって、解放レバーアーム118はふた102のほうへ曲げられ得る。解放レバーアーム118は、作業者が解放レバーアーム118を把持することを容易にするために、1つまたは複数の突出部、テクスチャリング、オーバーモールド成形されたポリマー材料、または任意の他の好適な把持表面を含むことができる。解放レバーアーム118は、曲げられていない状態にあるとき、保持タブ116の端部の反対側に配置された表面を提供する。保持タブ116に対向する解放レバーアーム118の表面は、保持タブ116に接触するか、または、取付けアダプタ126の一部分の通過を可能にするには小さすぎる距離だけ、保持タブ116から離間され得る。解放レバーアーム118が曲げられていない状態にあるときの解放レバーアーム118と保持タブ116との間の離間は、係合表面132が保持タブ116に接触している位置において、取付けアダプタ126を保持することができる。ふた102のほうへ曲げられたとき、解放レバーアーム118の表面は、係合表面132が保持タブ116から係合解除され得るように移動され、したがって、媒体サンプルホルダー100は、取付けアダプタ126から除去され得る。一実施形態では、ふた102は、解放レバーアームを曲げることを容易にするように置かれたおよび配置されたカットアウトを含むことができる。
【0051】
凹部120は、サンプルホルダー本体106において形成された凹部である。凹部120は、ふた102がサンプルホルダー本体106に対して閉じられたとき、ふた102に面する表面において形成され得る。凹部120は、凹部120が媒体サンプル124を収容することができるように、サイズ決定され得る。凹部120は、ふた開口104および本体開口122と連通していることがある。凹部120は、ふた開口104または本体開口122のいずれかよりも大きい外周を有することができる。一実施形態では、凹部120は、形状が略円形である。
【0052】
本体開口122は、凹部120とサンプルホルダー本体106の底部との間の開口である。本体開口122は、媒体サンプル124が凹部120に配設されたとき、ふた開口104を通して露出される側の反対側の媒体サンプル124の側を露出することができる。この露出は、媒体サンプル124が周囲環境から汚染物質を吸収することを可能にすることができる。本体開口122は、本体開口122が凹部120からサンプルホルダー本体106の底部まで延びるにつれて、面取り部またはテーパを有することがある。一実施形態では、本体開口122は、形状が略円形である。
【0053】
媒体サンプル124は、サンプル媒体ホルダー100によって保たれ得る吸収性媒体を含むサンプルである。媒体サンプル124は、1つまたは複数の汚染物質のための吸収剤を含むことができる。1つまたは複数の汚染物質は、非限定的な例として、酸と、塩基と、揮発性有機化合物と、イオン性汚染物質とを含むことができる。汚染物質の非限定的な例は、酢酸、硫酸、トルエン、アンモニアなどを含む。媒体サンプル124は、吸収性媒体を囲む多孔質膜を含むことができる。膜は、たとえば超音波溶接を使用して、2つの膜の外周を密封することによって形成され得る。一実施形態では、媒体サンプル124は、略平面形状を有する。一実施形態では、媒体サンプル124は、略円形ディスク形状を有する。媒体サンプル124は、凹部120内にフィットするようにサイズ決定されるが、媒体サンプル124がふた開口104または本体開口122のいずれかを通過することができないほど十分に大きくなり得る。媒体サンプル124は、ふた102が閉じられたとき、ふた102とサンプルホルダー本体106との間に保持され得、ふた102が開かれたとき、サンプル媒体ホルダー100から除去され得る。一実施形態では、媒体サンプル124は、所定の除去効率、および/または除去効率と汚染物質への露出との間の所定の関係を有する。一実施形態では、所定の除去効率は、サンプル媒体ホルダー100が取り付けられ得るフィルタの除去効率よりも小さい。一実施形態では、除去効率と露出との所定の関係は、サンプル媒体ホルダー100が取り付けられ得るフィルタについての除去効率と露出との間の関係の曲線よりも、少ない面積をカバーし、低い高さを有する曲線によって定義される。媒体サンプルは、非限定的な例として、活性炭、イオン交換樹脂または他のイオン交換体、処理された炭素、設計された炭素、樹脂上の炭素、ファイバーに付けられる試薬、あるいは1つまたは複数の汚染物質を吸収することが可能な任意の他のそのような好適な吸収性媒体を含む、任意の吸収性媒体を含むことができる。
【0054】
取付けアダプタ126は、媒体サンプルホルダー100の取付けおよび除去を可能にするアダプタである。取付けアダプタ126は、媒体サンプル124を使用して評価されることになるフィルタにおいて、またはその近くに固定され得る。一実施形態では、取付けアダプタ126は、フィルタに直接固定される。一実施形態では、取付けアダプタ126は、フィルタの近くに、たとえば、フィルタを含むダクトまたは流体通路の壁上に固定される。一実施形態では、取付けアダプタ126は、フィルタの一体型特徴であり得る。一実施形態では、取付けアダプタ126は、
図1に示されているように、フィルタにおいて形成されたひだに係合するコムである。
【0055】
取付けアダプタ126がコムである、
図1に示されている実施形態では、コムはシャフト130から突き出る歯128を含む。歯128の各々は、ひだの形状および分離を維持するために、フィルタのひだ間に延びるように整形される。シャフト130は、歯128がそれに沿って分布される支持体である。歯128の各々の間にギャップが存在する。これらのギャップにおいて、シャフトは係合表面132を含む。係合表面132は、ふた102のほうへ面する保持タブの表面上で保持タブ116に係合することが可能な形状を有する。保持タブ116は、係合表面132に対応するように整形され、たとえば、係合表面の曲率に一致する曲率、または係合表面132における四角に削った(squared-off)角に一致するそのような角を有し得る。媒体サンプルホルダー100は、保持アセンブリが、取付けアダプタ126上に設けられた係合表面間の距離である距離だけ互いに離間されるように、サイズ決定される。
【0056】
図2A~
図2Cは、取付けアダプタへの、一実施形態による媒体サンプルホルダーの取付けの側面図を示す。媒体サンプルホルダー200は、保持タブ202と解放レバーアーム204とを含む。解放レバーアーム204は、端部210において傾斜部分208を含む、ヘッド206を含む。解放レバーアーム204は、ヘッド206を媒体サンプルホルダー200に結合するフレキシブルアーム212をさらに含む。取付けアダプタ214は、シャフト216を含む。シャフト216は、先端218と、先端218の反対側の係合表面220とを有する。
【0057】
図2Aは、取付けアダプタ214への媒体サンプルホルダー200の取付けの始まりを示す。
図2Aに示されているように、取付けアダプタ214のシャフト216の先端218は、解放レバーアーム204のヘッド206と接触させられる。一実施形態では、シャフト216の先端218は、代わりに、
図3に示され、以下で説明される係合突出部308など、係合突出部の端部であり得る。先端218は、
図2Bに示されている、フレキシブルアーム212を曲げるのに十分な力でヘッド206に対して押圧する。ヘッド206に対する先端218の押圧は、取付けアダプタ214のほうへ媒体サンプルホルダー200を押圧することの結果であり得、取付けアダプタ214は、フィルタに近接してまたはフィルタ上に固定され得る。
【0058】
図2Bは、シャフト216がヘッド206に対して押圧されるにつれて、フレキシブルアーム212で曲がる解放レバーアーム204を示す。フレキシブルアーム212を曲げることは、シャフト216上に設けられた係合表面220が保持タブ202を通過することができるように、ヘッド206を移動させる。係合表面220が保持タブ202を通り越して移動されると、媒体サンプルホルダー200は移動され、したがって、保持タブ202は、
図2Cに示されているように、係合表面220に係合する。
【0059】
図2Cは、取付けアダプタ214の係合表面220と係合された、媒体サンプルホルダー200の保持タブ202を示す。解放レバーアーム204の端部210は、媒体サンプルホルダー200の対向する側面から離間されており、したがって、シャフト216は、解放レバーアーム204の傾斜表面208と、媒体サンプルホルダー200の本体の側面222との間に収容され得る。その空間内にシャフト216がある場合、解放レバーアーム204のフレキシブルアーム212は、フレキシブルアーム212の曲げられていない位置に戻ることができる。フレキシブルアーム212が、曲げられていない位置にあるとき、傾斜表面208は、シャフト216に近いか、またはシャフト216に接触しており、したがって、シャフト216は、保持タブ202が取付けアダプタ214の係合表面220に係合する位置において、保持される。その結果、媒体サンプルホルダー200は、取付けアダプタ214に保持される。傾斜表面208は、シャフト216が保持タブ202との係合から外れて回転する可能性を防ぐか、または低減することができる。
【0060】
取付けアダプタ214からの媒体サンプルホルダー200の除去は、示されているステップを逆転させ、フレキシブルアーム212を手動で曲げることによって、
図2Cに示されている状態から
図2Bに示されている位置まで進み、保持タブ202から取付けアダプタ214を解放し、媒体サンプルホルダー200の除去を可能にすることによって、達成され得る。
【0061】
図3は、一実施形態による、媒体サンプルホルダーおよび取付けアダプタの斜視図を示す。
図3に示されている実施形態では、媒体サンプルホルダー300が、取付けアダプタ302に取り付けられる。
図3に示されている取付けアダプタ302は、本体304を含む。本体304は、サンプルホルダー対面側306と反対側308とを有する。本体304は、1つまたは複数の係合突出部310をさらに含む。係合突出部310の各々は、媒体サンプルホルダー300の保持タブ314のうちの1つと係合するように構成されたアパーチャ312を含む。媒体サンプルホルダー300は、係合突出部310におけるアパーチャ312への保持タブ314の係合をしっかり固定する、保持タブの反対側の解放レバーアーム316をさらに含む。
【0062】
媒体サンプルホルダー300は、
図1に示され、上記で説明された媒体サンプルホルダー100など、媒体サンプルホルダーである。媒体サンプルホルダー300は、媒体サンプルを収容するための空間を含み、たとえば、ヒンジによって結合された本体とふたとの間に媒体サンプルを保持する。媒体サンプルホルダー300は、取付けアダプタ302への取付けと取付けアダプタ302からの除去とを可能にする、保持タブ314と解放レバーアーム316とを含む。
【0063】
取付けアダプタ302は、媒体サンプルホルダー300の除去可能な取付けを可能にするために、フィルタにおいてまたはその近くで結合されるように構成されたフィッティング(fitting)である。取付けアダプタ302は、本体304を含む。本体304は、媒体サンプルホルダー対面側306と反対側308とを有する。媒体サンプルホルダー対面側306は、媒体サンプルホルダー対面側306から延びる1つまたは複数の係合突出部を含む。媒体サンプルホルダー対面側306は、場合によっては、たとえば、平坦な表面であることによって、媒体サンプルホルダー300との抵触を回避するように構成される。反対側308は、フィルタまたはダクトの壁などのフィルタの近くの構造への取付けアダプタ302の固定を可能にする。反対側は、たとえば、接着剤を与える(present)平坦な表面を提供することによって、あるいは、タブ、スロットもしくはフランジなど、装着特徴、または、ねじ穴など、締め具のためのインターフェースを含むことによって、固定を可能にすることができる。一実施形態では、取付けアダプタ302の本体304は、たとえば、
図4Cに示され、以下で説明されるように、媒体サンプルホルダー対面側306を反対側308に連結する1つまたは複数の梁(beam)を含むことができる。一実施形態では、媒体サンプルホルダー対面側306は、反対側308に対して角度付けされ得、たとえば、したがって、取付けアダプタ302に取り付けられた媒体サンプルホルダー300は、たとえば、
図4Cに示され、以下で説明されるように、反対側308が結合される部分に対して角度付けされる。
【0064】
係合突出部310は、媒体サンプルホルダー対面側306から離れて延びる。係合突出部は、媒体サンプルホルダー300の保持タブ314を収容するように整形およびサイズ決定されたアパーチャ312を含む。アパーチャ312は、係合突出部310を通って延びる。係合突出部310は、媒体サンプルホルダー300が取付けアダプタ302に対して押圧されたとき、係合突出部の端部が解放レバーアーム316を曲げることと、アパーチャ312が保持タブ314に係合することとを可能にするように、本体304の媒体サンプルホルダー対面側306から十分に遠くに延びる。
【0065】
保持タブ314は、媒体サンプルホルダー300の本体から延びるタブである。保持タブ314は、取付けアダプタ302において形成されたアパーチャ312と係合するように整形され、サイズ決定される。保持タブ314は、上記で説明され、
図1に示されている保持タブ116であり得る。
【0066】
解放レバーアーム316は、媒体サンプルホルダー300の本体から保持タブ314のほうへ延び、保持タブに対向する表面を与える。解放レバーアーム316は、係合突出部310が、解放レバーアーム316の端部と、保持タブ314がそこから突出する表面との間に収容され得るように、サイズ決定され、したがって、解放レバーアーム316は、保持タブ314がアパーチャ312に係合する位置において、係合突出部310を保持することができる。解放レバーアームはフレキシブルであり、したがって、解放レバーアームは、曲げられていないときに保持位置にあり、保持位置から外れて曲げられ得る。解放レバーアーム316は、上記で説明され、
図1に示されている解放レバーアーム118であり得る。保持位置から外れて曲げられたとき、解放レバーアーム316は、係合突出部310の挿入を可能にして、保持タブ314にアパーチャ312を与えるか、またはアパーチャ312と保持タブ314とが互いから係合解除されることを可能にすることができる。
【0067】
図4Aは、一実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの配置を示す。
図4Aでは、ダクト400が、フィルタ402を含んでいる。媒体サンプルホルダー404、たとえば、
図1~
図3において示され、説明された実施形態の媒体サンプルホルダーが、取付けアダプタ406に取り付けられる。媒体サンプルホルダー404は、上記で説明され、
図1に示されている媒体サンプル124など、媒体サンプル(図示せず)を含んでいる。
図4Aに示されている実施形態では、媒体サンプルホルダー404は、取付けアダプタ406に取り付けられたとき、媒体サンプルの平面が流れの方向Dに垂直であるように、媒体サンプルを保つ。この垂直配置では、媒体サンプルの露出は、汚染物質の拡散と流れの方向Dにおける流れの速度の両方によって影響を受ける。媒体サンプルは、流れの方向Dに対してフィルタ402の上流の位置において保たれる。
図4Aに示されている実施形態では、媒体サンプルホルダー404は、吸気口410をさらに含む。吸気口410は、流れの方向Dのほうへ延びる先端412と、媒体サンプルにおける後端414とを含む。吸気口410の先端412は、後端414および媒体サンプルの面積よりも大きい面積を有することができる。吸気口410は、媒体サンプル上に流れを集中することができる。
【0068】
図4Bは、一実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの別の配置を示す。
図4Bでは、ダクト400が、フィルタ402を含んでいる。媒体サンプルホルダー404、たとえば、
図1~
図3において示され、説明された実施形態の媒体サンプルホルダーが、取付けアダプタ420に取り付けられる。媒体サンプルホルダー404は、上記で説明され、
図1に示されている媒体サンプル124など、媒体サンプル(図示せず)を含んでいる。
図4Bに示されている実施形態では、媒体サンプルホルダー404は、取付けアダプタ420に取り付けられたとき、媒体サンプルの平面が流れの方向Dに平行であるように、媒体サンプルを保つ。
図4Bに示されている実施形態では、取付けアダプタ420は、流れの方向Dに平行に延びる突出部422を含む。突出部422は、フィルタ402に結合されたベース424から延びる。この平行配置では、媒体サンプルの露出は、主に、汚染物質の拡散によって影響を受け、流れの方向Dにおける流れの速度は、ほとんどまたはまったくない。媒体サンプルは、流れの方向Dに対してフィルタ402の上流の位置において保たれる。
【0069】
図4Cは、一実施形態による、媒体サンプルとフィルタとの別の配置を示す。
図4Bでは、ダクト400が、フィルタ402を含んでいる。媒体サンプルホルダー404、たとえば、
図1~
図3において示され、説明された実施形態の媒体サンプルホルダーが、取付けアダプタ430に取り付けられる。
図4Cに示されている実施形態では、取付けアダプタ430は、ダクト400の壁に結合され、フィルタ402の近くに媒体サンプルホルダー404を保持する。媒体サンプルホルダー404は、上記で説明され、
図1に示されている媒体サンプル124など、媒体サンプル(図示せず)を含んでいる。
図4Bに示されている実施形態では、媒体サンプルホルダー404は、取付けアダプタ430に取り付けられたとき、媒体サンプルの平面が流れの方向Dに対して角度付けされるように、媒体サンプルを保つ。
図4Cに示されている実施形態では、取付けアダプタ430は、ダクト400の壁に連結されたベース434に延びる複数の梁432を含む。梁432は、ベース434から、媒体サンプルホルダー404が取り付けられたインターフェース436まで延びる。この角度付けされた配置では、媒体サンプルの露出は、汚染物質の拡散と流れの方向Dにおける流れの速度の両方の結果であり、各効果の相対的な影響は、媒体サンプルと流れの方向Dとの間の特定の角度Aに基づき得る。媒体サンプルは、流れの方向Dに対してフィルタ402の上流の位置において保たれる。
【0070】
図5は、フィルタを評価するための方法のフローチャートを示す。方法500では、媒体サンプルについての除去効率が、502において決定される。フィルタの除去効率が、媒体サンプルの除去効率に基づいて決定される504。随意に、方法は、媒体サンプルをフィルタに取り付けること506と、その後、フィルタから媒体サンプルを除去すること508とをさらに含む。
【0071】
媒体サンプルの除去効率は、502において決定される。媒体サンプルの除去効率は、破壊テストおよびその中に含まれる媒体の分析など、フィルタ有効性テストの方法を通して決定され得る。502における媒体サンプルのテストの例は、非限定的な例として、残寿命テストまたは溶剤テストを含むことができる。残寿命テストの一例では、媒体サンプルは、周知の濃度を有する汚染物質により、周知の時間期間の間、またはその汚染物質がフィルタ除去効率に影響を及ぼすまで、攻撃(challenge)される。溶剤テストの一例では、媒体サンプルは、フィルタによって捕捉される汚染物質を溶かす溶剤に加えられ、得られた溶液は、たとえばクロマトグラフィを使用して、化合物を識別および定量化するためにテストされる。一実施形態では、媒体サンプルまたは媒体サンプルの一部分は、上記で説明されたように溶剤テストされ、溶剤テストは、上記で説明された残寿命テストを行うときの同じロケーションから別の部分または別の媒体サンプルを攻撃することになる汚染物質を見つけるために使用される。
【0072】
除去効率を決定するために502において分析される媒体サンプルは、フィルタにおいてまたはその近くで保持された媒体サンプルである。媒体サンプルは、1つまたは複数の汚染物質を吸収することが可能な吸収性媒体であり得る。1つまたは複数の汚染物質は、たとえば、酸、塩基、揮発性有機化合物、または媒体によって捕捉または吸収され得る任意の他の好適な関心の化学物質を含むことができる。媒体サンプルは、フィルタへのまたはフィルタを通る、気体または液体の流れの経路において、フィルタにおいてまたはその近くで保持される。媒体サンプルは、フィルタを含むダクト内に保持され得る。媒体サンプルは、たとえばフィルタの上流側で、フィルタ自体に取り付けられ得る。媒体サンプルは、周知の時間期間の間、フィルタにおいてまたはその近くで保持され得る。一実施形態では、媒体サンプルは、1ヶ月または3ヶ月など、所定の時間量の間、フィルタにおいてまたはその近くで保持される。媒体サンプルがフィルタにおいてまたはその近くで保持される時間量は、フィルタの予想される寿命に基づく時間期間であり得る。たとえば、短い寿命のフィルタ(10日から2週間まで)は、12時間から24時間の間の所定の時間量を有することができる。より長い寿命のフィルタは、非限定的な例として、1ヶ月から1年までの所定の時間を有することができる。媒体サンプルは、媒体サンプルの除去効率と露出との間の周知の関係を有する。周知の関係は、吸収性媒体による媒体サンプルの充填に基づいて所定であり得る。周知の関係は、除去効率が504において決定されるフィルタについての、露出と除去効率との間の関係とは異なり得る。一実施形態では、媒体サンプルは、フィルタ有効性に対して潜在的に著しい影響を有する流出または他のそのようなイベントなど、イベントが発生するまで、フィルタにおいてまたはその近くで保持され得る。一実施形態では、2つまたはそれ以上の媒体サンプルが、フィルタにおいてまたはその近くで保持され得る。そのような実施形態では、媒体サンプルのうちの1つまたは複数が、所定の時間期間の間、取り付けられ得、媒体サンプルのうちの別の1つまたは複数が、フィルタ有効性に対する潜在的影響を有するイベントの発生時に除去およびテストされるためにのみ、取り付けられ得る。一実施形態では、2つまたはそれ以上の媒体サンプルは、フィルタにおいてまたはその近くで異なる位置に取り付けられ、それらのサンプルの各々がテストされ得る。異なる位置に取り付けられた媒体サンプルは、有効フィルタ寿命または除去効率に対する不均一な流れの効果など、空間効果を決定するために使用され得る。
【0073】
一実施形態では、媒体サンプルは、
図1~
図4Cに示され、上記で説明された媒体サンプルホルダーおよび取付けアダプタのいずれかなど、取付けアダプタに結合された媒体サンプルホルダーにおいて、フィルタにおいてまたはその近くで保持される。
【0074】
504において、フィルタの除去効率は、502において決定された媒体サンプルの除去効率に基づいて決定される。除去効率は、たとえば、媒体サンプルがフィルタにおいてまたはその近くで保持された期間中のフィルタの露出を決定するために、媒体サンプルの除去効率を使用することによって、504において決定され得る。媒体サンプルの除去効率に基づいて媒体サンプルの露出が査定され得、媒体サンプルの露出は、周知の期間にわたる共通環境によるフィルタ自体の露出を推定または決定するために使用され得る。
【0075】
随意に、媒体サンプルは、506においてフィルタに取り付けられ得る。フィルタに媒体サンプルを取り付けることは、媒体サンプルホルダー中に媒体サンプルを置くことと、媒体サンプルホルダーをフィルタに付けることとを含むことができる。媒体サンプルホルダーは、
図1~
図4Cに示され、上記で説明されたもののいずれかなどの媒体サンプルホルダーであり得る。媒体サンプルは、たとえば、媒体サンプルホルダー100が開かれたとき、上記で説明され、
図1に示されている凹部120など、媒体サンプルホルダー中の凹部に入れられ得る。ふた102など、媒体サンプルホルダーのふたは、たとえばスナップフィットによって、閉じられ、しっかり固定され得る。媒体サンプルホルダーは、次いで、
図1~
図4Cに示され、上記で説明されたものなど、取付けアダプタに取り付けられ得る。サンプルホルダーは、取付けアダプタを係合させるために、
図1に示され、上記で説明された保持タブ116など、保持タブを使用することができ、保持タブの係合をしっかり固定するために、解放レバーアーム118などの解放レバーアームを使用することができる。
【0076】
506におけるフィルタへの媒体サンプルの取付けの後に、媒体サンプルは、除去され得508、したがって、媒体サンプルは、502において、除去効率を決定するためにテストされ得る。媒体サンプルホルダーは、取付けアダプタから除去され得る。解放レバーアームは、保持タブが取付けアダプタとの保持タブの係合から外れて移動されることを可能にするように、保持タブから離れて曲げられ得る。保持タブが取付けアダプタとの係合から外れると、媒体サンプルホルダーは除去され得る。一実施形態では、解放レバーアームは、解放レバーアームの各々が、片手を使用して把持され、曲げられ得るように、配置される。一実施形態では、解放レバーアームは、各々、突出部を含み、突出部は、ユーザによる解放レバーアームを曲げることを容易にするグリップを提供するように構成される。媒体サンプルホルダーが除去されると、媒体サンプルは、たとえば、媒体サンプルが除去され得るように媒体サンプルホルダーのふたを開くことによって、媒体サンプルホルダーから除去され得る。508における媒体サンプルの除去は、506における媒体サンプルの取付けに続いて、周知の時間において実施され得る。一実施形態では、508における媒体サンプルの除去は、506における媒体サンプルの取付けに続いて、所定の時間において実施される。一実施形態では、所定の時間は、約1ヶ月から約3ヶ月までの範囲内の所定の時間量であり得る。
【0077】
図6は、フィルタについての除去効率曲線と、フィルタを評価する際に使用される媒体サンプルについての除去効率曲線とのグラフを示す。グラフ600では、媒体サンプルについての除去効率602は、フィルタについての除去効率604よりも著しく小さいことがわかり得る。さらに、媒体サンプルの除去効率602は、フィルタについての除去効率曲線604と比較したとき、曲線の形状によってわかるように、露出に応答する、より著しい低下を有する。サンプル媒体についての除去効率曲線とフィルタについての除去効率曲線604との間の関係は、知られており、媒体サンプルについての露出の査定が、媒体サンプルがフィルタにおいてまたはその近くにあった時間にわたるフィルタ604の露出に関連付けられることを可能にすることができる。この関連付けは、フィルタについての除去効率曲線604に従って、フィルタの露出に基づいてフィルタの除去効率を決定するために使用され得る。フィルタの露出は、毎時10億分率(ppb/hr)など、経時的な濃度に換算した値であり得る。媒体サンプルについての著しくより小さい除去効率曲線を使用することによって、露出は、より短い時間期間にわたってより正確に決定され、フィルタ露出、除去効率、および残寿命のより頻度が高い査定を可能にすることができる。
【0078】
図7は、一実施形態による、媒体サンプルホルダーの一部の斜視図を示す。
図7では、媒体ホルダー本体700が、保持構造702を含む側から見られ得る。媒体ホルダー本体700は、本体開口704をも含む。凹部(図示せず)が、媒体ホルダー本体700の反対側に含まれ、媒体ホルダー本体700を含む媒体ホルダー内に媒体サンプルを少なくとも部分的に収容するようにサイズ決定され得る。媒体ホルダー本体は、ふた(図示せず)が媒体ホルダー本体700に結合されることを可能にするヒンジ構造(図示せず)の少なくとも一部分を含むことができる。ふたと媒体ホルダー本体700とは、ふたにおいて含まれる1つまたは複数の特徴の、ラッチング表面706との機械的係合によって、媒体ホルダーを閉じるために、互いにしっかり固定され得る。
【0079】
保持構造702は、各々、チャネル708を含み、チャネル708は、底部710と、固定壁712と、固定壁に対向するカム表面714とによって、少なくとも部分的に画定される。カム表面714は、フレキシブルアーム716の端部にある。実施形態では、底部710および固定壁712は、チャネル708が、媒体ホルダー本体700が取り付けられるように構成された構造を収容することができるように整形され得、その構造は、以下で説明され、
図10に示されている取付けアダプタ1000、フィルタコム、または任意の他の好適な構造などである。例示的な一実施形態では、固定壁712と底部710とは、各々、互いに対して直角にある、平坦な表面である。一実施形態では、固定壁712の延長部が、媒体ホルダー本体700の表面を越えて延びる。カム表面714は、固定壁712の反対側に設けられ、湾曲した輪郭を有する表面であり得る。カム表面714は、カム表面714の最外部分と固定壁712との間の距離が、保持構造702によって係合されるフィルタコム、取付けアダプタ、または任意の他のそのような特徴の厚さよりも小さくなるように、配置および/または構成され得る。フレキシブルアーム716は、フィルタコム、取付けアダプタ、または他のそのような特徴がチャネル708中に挿入されたとき、偏向するように構成され得、したがって、カム表面712は、チャネル708が、前記フィルタコム、取付けアダプタ、または他のそのような特徴を収容することができる位置に移動される。フィルタコム、取付けアダプタ、または他のそのような特徴が、チャネル708中にあるとき、フレキシブルアーム716の復帰力が、固定壁712とカム表面714との間で、前記フィルタコム、取付けアダプタ、または他のそのような特徴を締め付ける圧力を提供することができる。一実施形態では、固定壁712は、第2のフレキシブルアーム(図示せず)上の第2のカム表面(図示せず)によって置き換えられ得、この第2のカム表面は、カム表面714の反対側にあり、チャネル708は、底部710と第1のカム表面と第2のカム表面とによって画定される。
【0080】
図8は、フィルタのコムに結合された、一実施形態による媒体サンプルホルダーの斜視図を示す。媒体サンプルホルダー800は、サンプルホルダー本体802とサンプルホルダーふた804とを含む。サンプルホルダー本体802とサンプルホルダーふた804とは、ヒンジピン808を含むヒンジ806によって一緒に結合される。サンプルホルダーふた804はまた、媒体サンプルホルダー800内に保たれた媒体サンプルを露出することができるふた開口810を含む。サンプルホルダー本体802とサンプルホルダーふた804とは、たとえば、スナップ(図示せず)、たとえば、ヒンジ806の反対側に位置するスナップによって、結合され得る。
【0081】
媒体サンプルホルダー800は、保持構造812を含む。保持構造812は、固定壁814と、底部816と、固定壁814の反対側のカム表面818とを含む。カム表面818は、フレキシブルアーム820の端部に装着される。
【0082】
フィルタコム822は、フィルタ824のひだを分離するように構成されたコムである。フィルタコム822は、リブ826を含む。媒体サンプルホルダー800は、保持構造812を介してリブ826に結合され得る。保持構造812は、フレキシブルアーム820がその静止位置にあるとき、固定壁814とカム表面818との間の距離がリブ826の厚さよりも小さくなるように、構成され得る。保持構造812は、フレキシブルアーム820が偏向されたとき、保持構造812がリブ826を収容することができるように、さらに構成され得る。
【0083】
リブ826と保持構造812とが互いに押圧されるとき、各保持構造812のフレキシブルアーム820は、カム表面818とリブ826との接触によって偏向される。フレキシブルアーム820は、リブ826がカム表面818と固定壁814との間に収容され得るまで偏向される。リブ826と媒体サンプルホルダー800とは、リブ826が底部816にも接触するまで、互いに押圧され得る。リブ826が底部816に接触するとき、リブ816は、フレキシブルアーム820によって加えられる復帰力によって、カム表面818と固定壁814との間で締め付けられ得る。
【0084】
図9は、
図8の媒体サンプルホルダー800およびフィルタコム822の側面図を示す。
図9の側面図では、フレキシブルアーム820の偏向は、より明確に見られ得、リブ826が固定壁814とカム表面818との間にフィットすることができる位置までカム表面818を移動することができる。
【0085】
図10は、一実施形態による、媒体ホルダーのための取付けアダプタの斜視図を示す。取付けアダプタ1000が、略三角形状を有するフレーム1002と、三角形状の平面に垂直な延長部1004とを含む。延長部1004は、上記で説明され、
図7~
図9に示されている保持構造702または812など、媒体ホルダー上に含まれる取付け特徴とインターフェースするように選択された厚さを有することができる。一実施形態では、延長部1004の厚さは、上記で説明され、
図8および
図9に示されているフィルタコム822など、フィルタコムの厚さと同様であるかまたはそれに等しくなるように選択される。フレームおよび延長部は、比較的平坦な外表面1006を提供することができる。外表面1006は、たとえば、両面接着剤、(フックおよびループ取付け、または任意の好適な機械的係合のためのものなどの)係合表面または取付け特徴を与える接着剤などを介して、取付けアダプタを表面に取り付けるために使用され得る。取付けアダプタ1000は、たとえば、媒体ホルダー内の媒体を使用して監視されるべきフィルタを含むダクトまたは流体通路内の表面に、監視されるべきフィルタの表面上に、あるいは媒体ホルダーが関心の空間内に保持されることを可能にするための任意の他の好適な取付け具に取り付けられ得る。
【0086】
態様:
【0087】
態様1~14のいずれかが、態様15~24、25~34、または35~44のいずれかと組み合わせられ得ることを理解されたい。態様15~24のいずれかが、態様25~34または35~44のいずれかと組み合わせられ得ることを理解されたい。態様25~34のいずれかが、態様35~44のいずれかと組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0088】
態様1. 媒体サンプルホルダーであって、
ベースであって、ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを含むベース本体と、
媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持アセンブリと
を含む、ベース
を備え、複数の保持アセンブリは、
ベース本体から延びる保持タブと、
保持タブの反対側の解放レバーアームであって、解放レバーアームが、フレキシブルであり、ベース本体から保持タブのほうへ延び、保持タブに向かう端部において保持面を含む、解放レバーアームと
を含む、媒体サンプルホルダー。
【0089】
態様2.
媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された第2の開口を含むふたと、
ベースをふたに結合するヒンジと
をさらに備え、
ベースとふたとが、スナップクロージャを形成するように構成された、
態様1に記載の媒体サンプルホルダー。
【0090】
態様3. 取付けアダプタをさらに備え、取付けアダプタが、フィルタに結合されるように構成された、態様1または2に記載の媒体サンプルホルダー。
【0091】
態様4. 取付けアダプタが、フィルタにおけるひだに機械的に係合するように構成されたコムを備える、態様3に記載の媒体サンプルホルダー。
【0092】
態様5. 取付けアダプタは、取付けアダプタが複数の保持アセンブリに係合するように構成された所の反対側に平坦な表面を備える、態様3に記載の媒体サンプルホルダー。
【0093】
態様6. 平坦な表面上に接着剤を備える、態様5に記載の媒体サンプルホルダー。
【0094】
態様7. 解放レバーアームの各々が、解放レバーアームと保持タブとの間に位置する係合特徴を解放するように構成された傾斜部分をさらに含む、態様1から6のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0095】
態様8. ベースが、溶融処理可能なポリマーを含む、態様1から7のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0096】
態様9. 保持面が、保持タブの対向面に対して角度付けされた傾斜部分を含む、態様1から8のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0097】
態様10. 解放レバーアームの各々が、ベース本体の反対側に突出部を含む、態様1から9のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0098】
態様11. 凹部内に位置する媒体サンプルをさらに備え、媒体サンプルが、酸、塩基、および揮発性有機化合物から選択される1つまたは複数の汚染物質を吸収するように構成された、態様1から10のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0099】
態様12. 媒体サンプルは、媒体サンプルホルダーが一緒に使用されるように構成されたフィルタの除去効率曲線とは異なる、1つまたは複数の汚染物質のための周知の除去効率曲線を有する、態様11に記載の媒体サンプルホルダー。
【0100】
態様13. 媒体サンプルが、吸収媒体と、吸収媒体を囲む膜とを備え、膜が、媒体サンプルの外周において密封される、態様11または12に記載の媒体サンプルホルダー。
【0101】
態様14. 第2の開口のほうへ流れを向けるように構成された入口をさらに備え、入口が、第2の開口の面積よりも大きい面積を有する入口開口を有する、態様2から13のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0102】
態様15. フィルタを評価する方法であって、
媒体サンプルの除去効率を決定することであって、媒体サンプルが、所定の時間量の間、フィルタに取り付けられた、媒体サンプルの除去効率を決定することと、
媒体サンプルの除去効率と所定の時間量とに基づいて、フィルタの除去効率を決定することと
を含み、
媒体サンプルの除去効率曲線が、フィルタの除去効率曲線とは異なる、
方法。
【0103】
態様16. 媒体サンプルホルダーを使用して、所定の時間量の間、媒体サンプルをフィルタに取り付けることをさらに含み、媒体サンプルホルダーは、
ベースであって、ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された開口とを含むベース本体と、
複数の保持アセンブリと
を含み、複数の保持アセンブリは、
ベース本体から延びる保持タブと、
保持タブの反対側の解放レバーアームであって、解放レバーアームが、フレキシブルであり、ベース本体から保持タブのほうへ延び、保持面を含む、解放レバーアームとを含む、
ベースと、
媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された開口を含むふたと、
ベースをふたに結合するヒンジと
を含み、
ベースとふたとが、スナップクロージャを形成するように構成された、
態様15に記載の方法。
【0104】
態様17. 媒体サンプルホルダーをフィルタに取り付けることが、複数の保持アセンブリをフィルタのフィルタコムと係合させることを含む、態様16に記載の方法。
【0105】
態様18. 媒体サンプルをフィルタに取り付けることが、複数の保持アセンブリを、フィルタに固定された取付けアダプタと係合させることを含む、態様16に記載の方法。
【0106】
態様19. 取付けアダプタが、接着剤によってフィルタに固定される、態様18に記載の方法。
【0107】
態様20. 解放レバーアームを曲げることによって、フィルタから媒体サンプルホルダーを除去することをさらに含む、態様16から19のいずれか1つに記載の方法。
【0108】
態様21. 媒体サンプルホルダーが、フィルタの上流側でフィルタに取り付けられる、態様15から20のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
態様22. 媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに平行であるように、フィルタに取り付けられる、態様15から21のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
態様23. 媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに垂直であるように、フィルタに取り付けられる、態様15から21のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
態様24. 媒体サンプルは、媒体サンプルが、フィルタを通る流れに対して角度付けされるように、フィルタに取り付けられる、態様15から21のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
態様25. 媒体サンプルホルダーであって、
ベースであって、ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを含むベース本体と、
媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造と
を含む、ベース
を備え、保持構造は、
固定壁と、
チャネル底部と、
カム表面であって、カム表面がフレキシブルアーム上に装着され、カム表面が固定壁に対向し、カム表面、チャネル底部、および固定壁が、フレキシブルアームが偏向された位置にあるとき、取付けアダプタを収容するように構成された、カム表面と
を含む、媒体サンプルホルダー。
【0113】
態様26.
媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された第2の開口を含むふたと、
ベースをふたに結合するヒンジと
をさらに備え、
ベースとふたとが、スナップクロージャを形成するように構成された、
態様25に記載の媒体サンプルホルダー。
【0114】
態様27. 取付けアダプタをさらに備え、取付けアダプタが、フィルタに結合されるように構成された、態様25または26に記載の媒体サンプルホルダー。
【0115】
態様28. 取付けアダプタが、フィルタにおけるひだに機械的に係合するように構成されたコムを備える、態様27に記載の媒体サンプルホルダー。
【0116】
態様29. 取付けアダプタが、略三角形状を有するフレームと、延長部とを備え、フレームおよび延長部が平坦な外表面を提供し、延長部は、保持構造が延長部を収容することができるような厚さを有する、態様27に記載の媒体サンプルホルダー。
【0117】
態様30. ベースが、溶融処理可能なポリマーを含む、態様25から29のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0118】
態様31. 凹部内に少なくとも部分的に位置する媒体サンプルをさらに備え、媒体サンプルが、酸、塩基、および揮発性有機化合物から選択される1つまたは複数の汚染物質を吸収するように構成された、態様25から30のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0119】
態様32. 媒体サンプルが、吸収媒体と、吸収媒体を囲む膜とを備え、膜が、媒体サンプルの外周において密封される、態様31に記載の媒体サンプルホルダー。
【0120】
態様33. 媒体サンプルは、媒体サンプルホルダーが一緒に使用されるように構成されたフィルタの除去効率曲線とは異なる、1つまたは複数の汚染物質のための周知の除去効率曲線を有する、態様31または32に記載の媒体サンプルホルダー。
【0121】
態様34. 第2の開口のほうへ流れを向けるように構成された入口をさらに備え、入口が、第2の開口の面積よりも大きい面積を有する入口開口を有する、態様26から33のいずれか1つに記載の媒体サンプルホルダー。
【0122】
態様35. フィルタを評価する方法であって、
媒体サンプルの除去効率を決定することであって、媒体サンプルが、所定の時間量の間、フィルタに取り付けられた、媒体サンプルの除去効率を決定することと、
媒体サンプルの除去効率と所定の時間量とに基づいて、フィルタの除去効率を決定することと
を含み、
媒体サンプルの除去効率曲線が、フィルタの除去効率曲線とは異なる、
方法。
【0123】
態様36. 媒体サンプルホルダーを使用して、所定の時間量の間、媒体サンプルをフィルタに取り付けることをさらに含み、媒体サンプルホルダーは、
ベースであって、ベースが、
媒体サンプルを収容するように構成された凹部と、媒体サンプルの第1の部分を露出するように構成された第1の開口とを含むベース本体と、
媒体サンプルホルダーを取付けアダプタに保持するように構成された複数の保持構造と
を含み、保持構造は、
固定壁と、
チャネル底部と、
カム表面であって、カム表面がフレキシブルアーム上に装着され、カム表面が固定壁に対向し、カム表面、チャネル底部、および固定壁が、フレキシブルアームが偏向された位置にあるとき、取付けアダプタを収容するように構成された、カム表面とを含む、
ベースと、
媒体サンプルの第2の部分を露出するように構成された開口を含むふたと、
ベースをふたに結合するヒンジと
を含み、
ベースとふたとが、スナップクロージャを形成するように構成された、
態様35に記載の方法。
【0124】
態様37. 媒体サンプルホルダーをフィルタに取り付けることが、複数の保持構造を取付けアダプタと係合させることを含み、取付けアダプタがフィルタコムである、態様36に記載の方法。
【0125】
態様38. 媒体サンプルをフィルタに取り付けることが、複数の保持構造を取付けアダプタと係合させることを含み、取付けアダプタが、略三角形状を有するフレームと、延長部とを備え、フレームおよび延長部が平坦な外表面を提供し、延長部は、保持構造が延長部を収容することができるような厚さを有する、態様36に記載の方法。
【0126】
態様39. 取付けアダプタが、接着剤によってフィルタに固定される、態様38に記載の方法。
【0127】
態様40. 取付けアダプタが、フィルタに近接して固定される、態様38に記載の方法。
【0128】
態様41. 媒体サンプルホルダーを取付けアダプタから引き離すことによって、フィルタから媒体サンプルホルダーを除去することをさらに含む、態様36から40のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
態様42. 媒体サンプルホルダーが、フィルタの上流側でフィルタに取り付けられる、態様35から41のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
態様43. 媒体サンプルは、媒体サンプルの平面が、フィルタを通る流れに平行であるように、フィルタに取り付けられる、態様35から42のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
態様44. 媒体サンプルは、媒体サンプルの平面が、フィルタを通る流れに垂直であるように、フィルタに取り付けられる、態様35から43のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
本出願で開示される例は、あらゆる点で、限定的なものではなく例示的なものと見なされるべきである。本発明の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求項の範囲の意味および等価の範囲内に起こるすべての変更は、本明細書に包含されるものとする。