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  • 特許-洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージ 図1
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  • 特許-洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージ 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-01
(45)【発行日】2024-03-11
(54)【発明の名称】洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージ
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/00 20160101AFI20240304BHJP
【FI】
A61B90/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022070205
(22)【出願日】2022-04-21
(65)【公開番号】P2023160110
(43)【公開日】2023-11-02
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(73)【特許権者】
【識別番号】591240685
【氏名又は名称】ハクゾウメディカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 清一
(72)【発明者】
【氏名】野田 剛広
(72)【発明者】
【氏名】藤本 賢二
(72)【発明者】
【氏名】三溝 祥敬
【審査官】白川 敬寛
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3127812(JP,U)
【文献】米国特許第05224940(US,A)
【文献】米国特許第03288140(US,A)
【文献】米国特許第05848998(US,A)
【文献】米国特許第05624419(US,A)
【文献】特表2008-539999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/00
A61B 90/80
A61B 46/20
A61H 33/00
A61M 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1面と、前記第1面の反対面である第2面とを有する第1シート部材と、
前記第1シート部材の前記第1面上に配置されるとともに、前記第1シート部材との間に内部空間を形成するように前記第1シート部材と接続された第2シート部材と、
前記第1シート部材の前記第2面に配置された粘着層と、を備え、
前記第1シート部材には、前記内部空間に面する位置に第1開口部が形成され、
前記粘着層は、前記第2面において前記第1開口部を囲むように配置され、
前記第2シート部材の外縁部の一部分において、前記第2シート部材の外縁部と前記第1シート部材の外縁部とは接続されず、接続されていない前記第2シート部材の前記外縁部と前記第1シート部材の前記外縁部とにより第2開口部が構成され、
前記第2シート部材の外縁部における、前記第2開口部を構成する前記一部分以外が、前記第1シート部材と接続され、
前記第2シート部材は、少なくとも前記第1開口部に面する部分が透明または半透明であり、
患者の創部が前記第1開口部から前記内部空間に露出するように、前記粘着層によって前記患者の体表面に貼り付けられ、前記第2開口部から洗浄液を前記創部に供給するとともに、前記第2開口部から手を前記内部空間に入れて前記洗浄液に浸漬された前記創部を洗浄するために用いられる、洗浄用袋体。
【請求項2】
前記第2開口部は、前記第1開口部と繋がるように形成されており、
前記第1開口部の平面形状はU字状である、請求項1に記載の洗浄用袋体。
【請求項3】
前記第1シート部材および前記第2シート部材の少なくともいずれか一方は、前記第2シート部材において前記第1シート部材と接続された前記外縁部に沿って延び、屈曲部を有するマチ部を含む、請求項1または請求項2に記載の洗浄用袋体。
【請求項4】
前記粘着層に離脱可能に貼付された保護シートをさらに備える、請求項1または請求項2に記載の洗浄用袋体。
【請求項5】
請求項1に記載の洗浄用袋体と、
滅菌された状態に保持された収容空間を有し、前記洗浄用袋体を前記収容空間に収容している滅菌容器とを備える、洗浄用袋体パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者の患部に対する洗浄が行われている。たとえば、実用新案登録第3127812号明細書では、療養中の患者における患部を洗浄液によって洗浄するときに、洗浄した後の洗浄液(洗浄廃液)を回収するため、患者の皮膚に貼付する洗浄廃液用袋が開示されている。上記洗浄廃液用袋は、患部の下側において皮膚に貼付されることで、洗浄廃液を確実に受け入れることができる。
【0003】
一方、外科手術中に患者の創部に対する洗浄を行う場合がある。このような創部の洗浄では、清潔な生理食塩水などの洗浄液を創部に流しながら、創部および創部近傍の皮膚表面を手で撫でることで洗浄する。洗浄に用いられた洗浄液は、創部の下側に配置された膿盆などの容器に一旦回収された後、吸引・廃棄される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3127812号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した外科手術中での創部の洗浄では、創部に対して洗浄液を流しながら創部の洗浄を行うため、洗浄液を創部に対して均一に流すことが難しく、当該創部において十分に洗浄できない部分が発生する可能性があった。このような問題は、上述した実用新案登録第3127812号明細書に開示された洗浄廃液用袋を創部の洗浄に適用したとしても解消できない。
【0006】
そこで、本開示は、手術中の創部洗浄において、創部全体を確実に洗浄することが可能な洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に従った洗浄用袋体は、第1シート部材と、第2シート部材と、粘着層とを備える。第1シート部材は、第1面と、第2面とを有する。第2面は、第1面の反対面である。第2シート部材は、第1側面部材の前記第1面上に配置される。第2シート部材は、第1シート部材との間に内部空間を形成するように、内部空間を囲む領域の少なくとも一部において第1シート部材と接続される。粘着層は、第1シート部材の第2面において、内部空間の外周部に面する位置に配置される。第1シート部材には、内部空間に面する位置に第1開口部が形成される。内部空間を囲む領域には、内部空間が外部と連通するように第2開口部が形成される。第2シート部材は、少なくとも第1開口部に面する部分が透明または半透明である。
【0008】
本開示に従った洗浄用袋体パッケージは、上記洗浄用袋体と、滅菌容器とを備える。滅菌容器は、滅菌された状態に保持された収容空間を有する。滅菌容器は、洗浄用袋体を収容空間に収容している。
【発明の効果】
【0009】
上記によれば、創部全体を確実に洗浄することが可能な洗浄用袋体および洗浄用袋体パッケージが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る洗浄用袋体の平面模式図である。
図2図1の線分II-IIにおける断面模式図である。
図3図1に示された洗浄用袋体の斜視模式図である。
図4】実施の形態に係る洗浄用袋体パッケージの平面模式図である。
図5図1に示された洗浄用袋体の使用方法を説明するための模式図である。
図6図1に示された洗浄用袋体の変形例を示す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施の形態を説明する。なお、同一の構成には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
【0012】
<洗浄用袋体の構成>
図1は、実施の形態に係る洗浄用袋体の平面模式図である。図2は、図1の線分II-IIにおける断面模式図である。図3は、図1に示された洗浄用袋体の斜視模式図である。
【0013】
図1から図3に示された洗浄用袋体10は、第1シート部材1と、第2シート部材2と、粘着層3と、保護シート4とを主に備える。第1シート部材1は、第1面1aと、第2面1bとを有する。第2面1bは、第1面1aの反対面である。第1シート部材1の平面形状は四角形状である。第1シート部材1には、第1シート部材1と第2シート部材2とにより囲まれた空間である内部空間5に面する位置に第1開口部1cが形成されている。第1開口部1cの平面形状はU字状である。第1開口部1cは、第1シート部材1の1つの辺から第1シート部材1の中央部にまで延びるように形成されている。なお、第1開口部1cの平面形状は任意の形状とすることができ、たとえば円形状、楕円形状、四角形状、三角形状などであってもよい。
【0014】
第2シート部材2は、図2に示されるように第1シート部材1の第1面1a上に配置される。第2シート部材2は、第1シート部材1との間に内部空間5を形成するように、内部空間5を囲む領域の少なくとも一部において第1シート部材1と接続される。具体的には、第2シート部材2の平面形状は四角形状であって、第2シート部材2の中央部から見て3方向に位置する外縁部2dが、第1シート部材1の外縁部1dと接続されている。
【0015】
第2シート部材2において、第1シート部材1の第1開口部1cを挟むように配置された1組の外縁部1dのそれぞれに連なるように、マチ部2cが形成されている。マチ部2cは、内部空間5を囲む領域に沿うように、つまり第2シート部材2の上記1組の外縁部2dに沿うように延びている。図2および図3に示されるように、マチ部2cは第2シート部材2を構成するフィルム状の部材が屈曲した屈曲部を有する。ここで、図2は、洗浄用袋体10の構造を説明するため、第2シート部材2の中央部を第1シート部材1から離れた位置に配置した状態を示している。なお、マチ部を第1シート部材1の外縁部1dに連なる領域に形成してもよい。
【0016】
第2シート部材2は、少なくとも第1開口部1cに面する部分2bが透明または半透明である。第2シート部材2の全面が透明または半透明の材料により構成されてもよい。第1シート部材1および第2シート部材2の材料としては任意の材料を用いることができるが、たとえばポリアミド樹脂(いわゆるナイロン)を用いることができる。なお、ここで第2シート部材2が透明または半透明であるとは、第2シート部材2の全光線透過率が30%以上であることを意味する。ここで、全光線透過率は、たとえばJIS規格K7361に基づき測定できる。
【0017】
第1シート部材1において第1開口部1cが到達している1つの外縁と、第2シート部材2において第1シート部材1の上記1つの外縁と対向する外縁とは接続されていない。このため、第1シート部材1と第2シート部材2とにおいて接続されていない部分(外縁)によって第2開口部2aが形成されている。つまり、内部空間5を囲む領域である第1シート部材1および第2シート部材2の外周部には、内部空間5が外部と連通するように第2開口部2aが形成されている。図3に示されるように、第2開口部2aは、第1開口部1cと繋がるように形成されている。第1面1aに対して垂直な方向から見た平面視において、第1開口部1cと第2開口部2aとは互いに重ならない領域を含む。また、第2シート部材2において、マチ部2cは第2開口部2aに隣接するように形成されている。
【0018】
図2に示されるように、粘着層3は、第1シート部材1の第2面1bにおいて、内部空間5の外周部に面する位置に配置される。具体的には、粘着層3は、第1シート部材1において第1開口部1cを囲むように、第2面1bの全面に配置されている。粘着層3の材料としては、従来周知の粘着剤を用いることができるが、たとえばアクリル粘着剤を用いる。なお、図3において粘着層3は図示されていない。
【0019】
保護シート4は、粘着層3に離脱可能に貼付されている。保護シート4は、後述するように洗浄用袋体10を使用する際に、粘着層3を患者の皮膚に貼り付けるまで、粘着層3に密着して当該粘着層3を保護する。洗浄用袋体10の使用時には、当該保護シート4は粘着層3から除去される。保護シート4の材料としては、たとえば紙を用いることができる。保護シート4の材料としては、紙以外の任意の材料を用いてもよい。
【0020】
洗浄用袋体10のサイズは、任意に決定できる。たとえば、図1に示された平面視において、第2開口部2aが形成された辺の長さWを150mm、第2開口部2aが形成された辺と交差する辺の長さHを260mm、マチ部2cの長さを30mmとすることができる。
【0021】
第2開口部2aの幅は、第1開口部1cの幅より大きくてもよい。第2開口部2aの幅は、創部31の洗浄のために手を入れることができる程度の大きさ以上であることが好ましい。たとえば、第2開口部2aの幅(上記長さW)を100mm以上としてもよく、130mm以上としてもよく、150mm以上としてもよい。第2開口部2aの幅は、作業性などを考慮して決定され、たとえば300mm以下としてもよく、250mm以下としてもよく、200mm以下としてもよい。
【0022】
<洗浄用袋体パッケージの構成>
図4は、実施の形態に係る洗浄用袋体パッケージの平面模式図である。図4に示されるように、洗浄用袋体パッケージ100は、図1から図3に示された洗浄用袋体10と、滅菌容器20とを備える。滅菌容器20は、滅菌された状態に保持された収容空間21を有する。滅菌容器20は、洗浄用袋体10を収容空間21に収容している。収容空間21に収容されている洗浄用袋体10についても滅菌処理がされている。滅菌容器20は、収容空間21に洗浄用袋体10を収容した状態で密閉されている。洗浄用袋体10は、図4に示されるような洗浄用袋体パッケージ100としての流通させることができる。
【0023】
滅菌容器20は、樹脂などの任意の材料により構成されてもよい。滅菌容器20を部分的に切断することにより、滅菌容器20の内部(収容空間21)から洗浄用袋体10を取り出すことができる。
【0024】
<洗浄用袋体の使用方法>
図5は、図1に示された洗浄用袋体10の使用方法を説明するための模式図である。図5を用いて洗浄用袋体10の使用方法を説明する。
【0025】
まず、洗浄用袋体10を準備する工程(S10)を実施する。この工程(S10)では、洗浄用袋体パッケージ100を用意する。次に、洗浄用袋体10を貼付する工程(S20)を実施する。この工程(S20)では、まず洗浄用袋体パッケージ100から洗浄用袋体10を取り出す。洗浄用袋体10の保護シート(図2参照)を粘着層3から取り外した後、図5に示されるように、患者の創部31が第1開口部1cから露出するように、洗浄用袋体10を患者の体表面30に貼り付ける。
【0026】
次に、洗浄する工程(S30)を実施する。この工程では、洗浄用袋体10の第2開口部2aから矢印33に示すように洗浄液を創部31に供給する。同時に、第2開口部2aから手34を洗浄用袋体10の内部空間5に入れて創部31および創部31の周囲の皮膚表面を撫でることで洗浄する。また、第2開口部2aから内部空間5に吸引器具32を挿入し、洗浄に用いた洗浄液を内部空間から吸引・除去する。なお、第2開口部2aが斜め上方を向くように、予め患者が寝ているベッドの姿勢を調整しておく。このようにして、創部31の洗浄を行うことができる。
【0027】
<作用>
(1)本開示に従った洗浄用袋体10は、第1シート部材1と、第2シート部材2と、粘着層3とを備える。第1シート部材1は、第1面1aと、第2面1bとを有する。第2面1bは、第1面1aの反対面である。第2シート部材2は、第1シート部材1の第1面1a上に配置される。第2シート部材2は、第1シート部材1との間に内部空間5を形成するように、内部空間5を囲む領域の少なくとも一部において第1シート部材1と接続される。粘着層3は、第1シート部材1の第2面1bにおいて、内部空間5の外周部に面する位置に配置される。第1シート部材1には、内部空間5に面する位置に第1開口部1cが形成される。内部空間5を囲む領域には、内部空間5が外部と連通するように第2開口部2aが形成される。第2シート部材2は、少なくとも第1開口部1cに面する部分2bが透明または半透明である。
【0028】
このようにすれば、上述した洗浄用袋体10を、第1開口部1cにおいて洗浄対象の部位である創部31が露出するように患者の体表面に貼付できる。このため、洗浄用袋体10の内部に第2開口部2aから洗浄液を供給することで、創部31が洗浄液に浸漬された状態とすることができる。この状態で当該創部31および創部近傍の皮膚表面を洗浄すれば、創部31全体を効率的かつ確実に洗浄することができる。この結果、創部31において洗浄が不十分な部分が発生し、術後に創部31が化膿するといった問題の発生を防止することができる。また、第2シート部材2によって当該創部31上が覆われた状態となり、創部31の洗浄時に洗浄液が周囲に飛散するといった問題の発生を抑制できる。
【0029】
また、第2シート部材2の部分2bが透明または半透明であることから、洗浄時に創部31の状態を目視で容易に確認できる。
【0030】
上記洗浄用袋体10において、第2開口部2aは内部空間5を囲む領域に形成され、第1シート部材1と第2シート部材2とが接続されていない部分である。第1面1aに対して垂直な方向から見た平面視において、第1開口部1cと第2開口部2aとは互いに重ならない領域を含む。
【0031】
(2) 上記(1)に記載の洗浄用袋体10において、第2開口部2aは、第1開口部1cと繋がるように形成されていてもよい。この場合、第2開口部2aから第1開口部1cにおいて露出している創部31に対して第2開口部2aから処置を行いやすい。たとえば、第2開口部2aから内部空間5に洗浄液および手を入れて創部31を洗浄するときの作業性を向上させることができる。
【0032】
(3) 上記(1)または(2)に記載の洗浄用袋体10において、第1シート部材1および第2シート部材2の少なくともいずれか一方は、マチ部2cを含んでもよい。マチ部2cは、内部空間5を囲む領域に沿って延びてもよい。マチ部2cは屈曲部を有してもよい。この場合、第1シート部材1と第2シート部材2の第1開口部1cに面する部分2bとの間の距離をマチ部2cによって大きくできる。このため、第2開口部2aから手や吸引器具32を内部空間5に挿入する時の作業性を向上させることができる。
【0033】
上記洗浄用袋体10において、マチ部2cは第2開口部2aに隣接してもよい。この場合、マチ部2cによって第2開口部2aの大きさを確実に大きくできる。
【0034】
(4) 上記(1)から(3)のいずれかに記載の洗浄用袋体10は、保護シート4をさらに備えてもよい。保護シート4は、粘着層3に離脱可能に貼付されてもよい。この場合、洗浄用袋体10を粘着層3によって患者の体表面に貼付するときまで、粘着層3を保護シート4によって保護できる。このため、洗浄用袋体10の使用時まで、当該粘着層3に異物などが付着することを防止できる。
【0035】
(5) 本開示に従った洗浄用袋体パッケージ100は、上記洗浄用袋体10と、滅菌容器20とを備える。滅菌容器20は、滅菌された状態に保持された収容空間21を有する。滅菌容器20は、洗浄用袋体10を収容空間21に収容している。収容空間21に主要されている洗浄用袋体10は滅菌された状態である。この場合、滅菌された洗浄用袋体10を安全に流通させることができる。
【0036】
<変形例>
図6は、図1に示された洗浄用袋体の変形例を示す斜視模式図である。図6に示される洗浄用袋体10は、基本的には図1から図3に示された洗浄用袋体10と同様の構成を備え同様の効果を得ることができるが、第1開口部1cおよび第2開口部2aの構成および配置が図1から図3に示された洗浄用袋体10と異なっている。すなわち、図6に示された洗浄用袋体10では、第1シート部材1の中央部の第1開口部1cが形成されている。第1開口部1cの平面形状はほぼ円形状である。なお、第1開口部1cの形状は円形状に限らず、楕円形状、四角形状、三角形状などの多角形状であってもよい。また、第2開口部2aは第2シート部材2の外縁から離れた第2シート部材2の領域に形成されている。第2開口部2aの平面形状は楕円形状である。第2開口部2aの平面形状は楕円形状に限らず、円形状、四角形状または三角形状などの多角形状であってもよい。第2開口部2aは、第1開口部1cと少なくとも部分的に重ならないように形成されている。図6に示された洗浄用袋体10では、平面視において第1開口部1cと第2開口部2aとが完全に重ならないように配置されている。
【0037】
第2シート部材2と第1シート部材1との間に内部空間5を形成するため、第2シート部材2は当所からお椀型に湾曲した形状としておいてもよい。あるいは、第2シート部材2において屈曲部を形成した状態で、第2シート部材2を第1シート部材1と接合してもよい。
【0038】
このような構成の洗浄用袋体10を用いても、第1開口部1cにおいて洗浄対象の創部31を露出させるように洗浄用袋体10を患者の体表面に貼付し、第2開口部2aから手および洗浄液を内部空間5に入れることで、創部31の洗浄を行うことができる。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。矛盾のない限り、今回開示された実施の形態の少なくとも2つを組み合わせてもよい。本開示の基本的な範囲は、上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0040】
1 第1シート部材、1a 第1面、1b 第2面、1c 第1開口部、1d,2d 外縁部、2 第2シート部材、2a 第2開口部、2b 部分、2c マチ部、3 粘着層、4 保護シート、5 内部空間、10 洗浄用袋体、20 滅菌容器、21 収容空間、30 体表面、31 創部、32 吸引器具、33 矢印、34 手、100 洗浄用袋体パッケージ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6