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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】プラテン、印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 11/06 20060101AFI20240305BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
B41J11/06
B41J2/01 305
B41J2/01 451
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020037483
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021138042
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】小林 壯行
(72)【発明者】
【氏名】毛利野 哲
【審査官】正木 裕也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-183745(JP,A)
【文献】特開2010-052142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 11/06
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷対象を支持する複数の支持体を備え、
前記複数の支持体は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並べて配置され、
前記支持体は、少なくとも、第1位置と、第1位置とは異なる第2位置とに移動可能であり、隣り合う前記支持体との間で前記印刷対象を挟み込む押え部を有す
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記押え部の摩擦抵抗は、前記支持体の前記印刷対象を支持する部分の摩擦抵抗より高い
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項3】
印刷対象を支持する複数の支持体を備え、
前記複数の支持体は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並べて配置され、
前記支持体は、
ベース部材に配置され、
少なくとも、第1位置と、第1位置とは異なる第2位置とに移動可能であり、
前記ベース部材との間で前記印刷対象を挟み込む押え部を有している
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
前記第1位置は、前記第2位置よりも低い位置である
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項5】
前記第1方向に並ぶ前記支持体の列が前記第2方向に配列されている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項6】
隣り合う前記支持体の間には隙間がある
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の印刷装置。
【請求項7】
前記支持体の天面と側面との角部はR(アール)形状又は傾斜形状である
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項8】
前記押え部が前記印刷対象外周部の少なくとも一部を挟み込むように、前記支持体が移動可能である
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項9】
前記印刷対象の端部に位置する前記支持体が前記第1の位置である請求項1ないし8のいずれかに記載の印刷装置において、
前記支持体が前記第1位置にあることを検知する検知手段を有し、
前記第1位置の前記支持体に囲まれた前記第2位置の前記支持体の集合から印刷範囲を特定する
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
前記支持体は、押圧する毎に前記第1位置と前記第2位置とに交互に移動して保持される
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の印刷装置。
【請求項11】
前記複数の支持体を含むプラテンを備え、
前記プラテンが着脱可能である
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の印刷装置。
【請求項12】
前記検知手段の検知結果に基づいて印刷範囲を表示する手段を備えている
ことを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記検知手段の検知結果に基づいて印刷画像と印刷範囲とを表示する手段を備えていることを特徴とする請求項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラテン、印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置として、例えばTシャツなどの布地に印刷を行う捺染装置がある。
【0003】
従来、ベース部と、ベース部から突出する複数の突出部と、を有し、複数の突出部の先端で媒体を支持する支持部材と、支持部材が支持する媒体に印刷を行う印刷部と、隣り合う突出部の間の空間であって、ベース部と印刷部との間の空間を収容空間としたとき、収容空間に配置され、媒体を支持可能な可動部材とを備え、可動部材は、突出部の突出方向において、突出部よりも低く配置される第1状態と、第1状態であるときよりも高く配置される第2状態とに変位するものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-170718号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、捺染装置などの印刷装置で印刷する印刷対象は、例えば、Tシャツ、靴下、ハンカチなど、形状やサイズが必ずしも一定ではない。そのため、印刷対象を保持部材(プラテン部材)にセットするときに皺が発生し易くなるという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、印刷対象をセットするときの作業性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明における印刷装置は、
印刷対象を支持する複数の支持体を備え、
前記複数の支持体は、第1方向及び前記第1方向と交差する第2方向に並べて配置され、
前記支持体は、少なくとも、第1位置と、第1位置とは異なる第2位置とに移動可能であり、隣り合う前記支持体との間で前記印刷対象を挟み込む押え部を有す
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、印刷対象をセットするときの作業性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る印刷装置の斜視説明図である。
図2】同じく平面説明図である。
図3】同じく正面説明図である。
図4】本発明の第1実施形態におけるプラテンの平面説明図である。
図5】同プラテンを昇降機構上に取り付けた状態の正面説明図である。
図6】同プラテンの支持体の高さ位置の説明に供する説明図である。
図7】同実施形態の作用説明に供する説明図である。
図8】本発明の第2実施形態におけるプラテンの一列分の平面説明図である。
図9】同じく図8の正面面説明図である。
図10】同じく作用説明に供する正面説明図である。
図11】本発明の第3実施形態におけるプラテンの支持体の異なる例を説明する正面説明図である。
図12】本発明の第4実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
図13】本発明の第5実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
図14】本発明の第6実施形態の説明に供する平面説明図である。
図15】本発明の第7実施形態の説明に供する説明図である。
図16】第5実施形態ないし第7実施形態における印刷範囲の特定に関する制御を行う部分の説明に供するブロック説明図である。
図17】本発明の第8実施形態係るプラテンの正面説明図である。
図18】本発明の第9実施形態におけるプラテンの説明図である。
図19】本発明の第10実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
図20】本発明の第11実施形態におけるプラテンの支持体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る印刷装置について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同印刷装置の斜視説明図、図2は同じく平面説明図、図3は同じく正面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、液体を吐出する液体吐出手段であるヘッド10を搭載したキャリッジ11を備えている。ガイド部材12、13はキャリッジ11を主走査方向Xに往復移動可能に保持している。キャリッジ11は、主走査モータ14で回転される駆動プーリ15と従動プーリ16との掛け回したタイミングベルト17に連結し、主走査モータ14を駆動することによりキャリッジ11を主走査方向Xに往復移動させる。
【0012】
エンコーダシート18は主走査方向Xに沿って配置している。エンコーダシート18には周期的なスリットが設けられている。キャリッジ11は、エンコーダシート18のスリットを読み取る読み取りセンサを有し、読み取りセンサの読み取り結果から主走査方向Xにおけるキャリッジ11の位置を検出できる。
【0013】
コントローラボード50は、キャリッジ11の読み取りセンサの読み取り結果で得らえるキャリッジ位置から吐出位置でタイミングを合わせてヘッド10から液体であるインクを吐出させる制御をする。
【0014】
キャリッジ11上には4つのヘッド10が搭載されている。各ヘッド10は、液体を吐出するノズルを配列したノズル列を2列有している。キャリッジ11は、ヘッド10に供給する液体を一時的に貯留するサブタンクも搭載している。メインタンク21から、所要の色の液体を、供給チューブを介して送液ポンプによりサブタンクに送液する。
【0015】
印刷装置1は、印刷対象としての布地400を保持する保持部材であるプラテン40を着脱可能に備えている。
【0016】
プラテン40は、昇降機構41上に搭載して上下方向Zの高さを調整可能としている。プラテン40の昇降機構41はスライダ42上に搭載されている。スライダ42は、主走査方向Xと直交する副走査方向Yに延設したスライドレール43上に移動可能に載置されている。
【0017】
スライダ42は、タイミングベルト45を介して副走査駆動機構により副走査方向Yに往復移動される。スライダ42が副走査方向Yに往復移動されることにより、プラテン40も副走査方向Yに往復移動される。
【0018】
主走査方向の一端側には、ヘッド10の維持回復を行うメンテナンスユニット60が配置されている。メンテナンスユニット60は、ヘッド10のノズル面をキャッピングする吸引キャップ61と、ヘッド10のノズル面を保湿のためにキャッピングする保湿キャップ62と、ヘッド10のノズル面を払拭する払拭部材63を備えている。吸引キャップ61には吸引ポンプが接続されている。
【0019】
主走査方向の他端側には、吐出受け66が配置されている。コントローラボード50は、印刷途中で、ヘッド10から吐出受け66に液体を吐出させることにより、ヘッド10の維持回復を行う。
【0020】
また、印刷装置1は、電源ボタン70、操作部71、電源ユニット72などを備えている。
【0021】
この印刷装置1において、Tシャツなどの布地(印刷対象)に印刷を行うときには、布地400をプラテン40上にセットする。その後、操作部71での操作により、スライダ42を介してプラテン40を装置内後方へ完全に引き込む動作を行う。
【0022】
プラテン40の引き込みが完了したとき、印刷データ待機状態となる。ここで、印刷装置1が外部の情報処理装置から印刷データを受信したときに印刷動作が開始される。あるいは、予めコントローラボード50に印刷データが蓄積されていた場合には、操作部71で当該印刷データを選択することによって印刷動作が開始される。
【0023】
印刷動作が開始されると、スライダ42を介してプラテン40が印刷開始位置まで移動される。その後,キャリッジ11の移動とヘッド10からの液体吐出が行われて、1行分が印刷される。1行分が印刷されると、スライダ42を介してプラテン40が1行分移動される。キャリッジ11の1スキャンとスライダ42の間欠移動の繰り返しを行うことにより、布地400の所望の領域に印刷が行われる。印刷完了後、プラテン40は装置手前まで戻されて印刷終了となる。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態におけるプラテンについて図4ないし図6も参照して説明する。図4は同プラテンの平面説明図、図5は同プラテンを昇降機構上に取り付けた状態の正面説明図、図6は同プラテンの支持体の高さ位置の説明に供する説明図である。
【0025】
プラテン40は、ベース部材401上に、印刷対象である布地400を支持する複数の支持体(分割体、保持体、ブロック体)402が配置されている。
【0026】
支持体402は、本実施形態では、主走査方向Xに相当する第1方向Aと、第1方向Aと交差し、副走査方向に相当する第2方向Bとに並べて配置している。ただし、第1方向Aと第2方向Bとは直交する必要はなく、複数の支持体402を二次元マトリクス状に配置することもできる。
【0027】
支持体402は、本実施形態では、平面形状で四角形状としているが、三角形状、長方形状、その他の多角形状や曲面形状とすることもできる。
【0028】
支持体402は、図6に示すように、第1位置H1と、第1位置H1と異なる第2位置H2との間で移動可能(高さ方向に変位可能)である。第1位置H1の高さは、第2位置H2の高さより低い位置としている。
【0029】
支持体402の内部にはプッシュばね403が配置されて、第2位置H2側に付勢されている。支持体402は、押圧する毎に、第1位置H1と第2位置H2との交互に切り替わる(移動して保持される)オルタネイト型機構としている。
【0030】
次に、第1実施形態の作用について図7も参照して説明する。図7は同作用説明に供する説明図である。
【0031】
図7に示すように、印刷対象である布地400を載せ置いた支持体402の内、布地400の端部400bに位置する支持体402を押圧して第2位置H2から第1位置H1に変位(移動)させる。
【0032】
これにより、布地400の内の印刷を施す部分(印刷領域)400aが第2位置H2に保持され、端部400bは重力により下方向に垂れ下がる。
【0033】
このとき、高さ方向に変位(移動)可能な支持体402を第1方向A及び第2方向Bに複数配置していることで、布地400の全周の端部400bに重力方向の力が作用する。例えば、布地400が四角形状である場合、4辺の端部400bの全てが下方に垂れ下がることで、印刷を施す部分400aが均等に外側に向かって引っ張られる。
【0034】
これにより、布地400の印刷を施す部分400aの皴などによる浮き上がりが抑制されて平坦になる。つまり、プラテン40上に布地400をセットするとき、布地400の端部に対応する支持体402を押し下げることで、印刷を施す部分400aの平坦性を確保することができる。したがって、印刷対象(布地400)をセットするときの作業性が向上する。
【0035】
そして、布地400の印刷を施す部分400aの平坦性を確保できることで、印刷面とヘッド10のノズル面10aとのギャップをほぼ一定にすることができ、印刷品質が向上する。
【0036】
また、布地400のサイズがプラテン40の支持体402の全体サイズよりも小さいときでも、余分な支持体402を押し下げることで、プラテン40を変更することなく布地400をセットすることができる。したがって、異なる形状の印刷対象に容易に対応することができる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態について図8ないし図10を参照して説明する。図8は同実施形態におけるプラテンの一列分の平面説明図、図9は同じく図8の正面面説明図、図10は同じく作用説明に供する正面説明図である。
【0038】
本実施形態では、隣り合う支持体402は隙間420をおいて配置されている。そして、支持体402は、断面形状において台形状であって、側面402bに、隣り合う支持体402の側面402bとの間で印刷対象を押える押え部421を備えている。
【0039】
本実施形態では、布地400をプラテン40にセットするとき、図10に示すように、布地400の端部400bを支持体402と支持体402との間の隙間420に挿入する。
【0040】
そして、布地400の端部400bに位置する支持体402を第1位置H1に変位させることで、押え部421に接触した布地400の端部400bが、押え部421と第2位置H2の支持体402の側面402bとの間に挟まれながら下方向に引っ張られる。
【0041】
これにより、布地400の皴が延ばされ、布地400の印刷を施す部分400aを平坦にすることができ、布地400のセット作業の作業性が向上する。
【0042】
ここで、押え部421は、支持体402の天面(印刷対象を載せ置く面)402aよりも摩擦抵抗が高い部材で形成している。例えば、表面に凹凸を設けた形状とした部材、あるいは、ゴムなどの材質自体の摩擦抵抗が高い部材などで形成することが好ましい。
【0043】
また、本実施形態では、支持体402を断面形状において台形状としていることにより、隣り合う支持体402、402の隙間420が、上側の方が広く、下側の方が狭くなっている。
【0044】
これにより、布地400の端部400bを支持体402と支持体402との間の隙間420に挿入しやすくなる。
【0045】
また、支持体402を第2位置H2から第1位置H1に変位させると、支持体402の側面402bにある押え部421と隣り合う支持体402との隙間420が、第2位置H2のときよりも第1位置H1のときの方が狭くなる。
【0046】
これにより、支持体402を押し下げるときに、徐々に印刷対象を引っ張る強さが強くなるので、印刷対象を引っ張りすぎることなく、印刷対象の印刷を施す部分が伸びてしまうことを低減できる。
【0047】
また、本実施形態では、隣り合う支持体402、402の対向する側面402bにそれぞれ押え部421を支持体配列方向において交互に設けている。
【0048】
これにより、隣り合う支持体402と支持体402の隙間420が一部分のみ狭くなり、印刷対象の端部を挟み込みやすくなる。
【0049】
次に、本発明の第3実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態におけるプラテンの支持体の異なる例を説明する正面説明図である。
【0050】
図11(a)に示す第1例は、支持体402の天面402aと側面402bとの角部402cをR(アール)形状(曲面を有する形状)としたものである。図11(b)に示す第2例は、支持体402の天面402aと側面402bとの角部402cを傾斜形状(C面形状)としたものである。
【0051】
これにより、印刷対象の端部を引っ張るときに、印刷対象が支持体402の天面402aと側面402bとの角部402cに引っかかることなく、また、支持体402と支持体402との隙間420に印刷対象の端部を挿入しやすくなる。
【0052】
次に、本発明の第4実施形態について図12を参照して説明する。図12は同実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
【0053】
本実施形態では、支持体402の底面402dに、ベース部401との間で印刷対象の端部を押える押え部421を備えている。
【0054】
布地400の端部400bを隣り合う支持体402と支持体402の隙間420に差し込み、支持体402を第1位置H1に変位させたとき、布地400の端部400bを押え部421にて押え、布地400の端部400bを引っ張る(引き込む)。
【0055】
これにより、布地400の印刷を施す部分400aの皴を伸ばし平坦にすることができる。
【0056】
次に、本発明の第5実施形態について図13を参照して説明する。図13は同実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
【0057】
本実施形態では、前記第2実施形態(他の実施形態でもよい。)の構成において、支持体402が第1位置H1に変位したことを検知する検知手段440を備えている。検知手段440は各支持体402に対応して配置されている。
【0058】
検知手段440は、例えば支持体402で押されるとオン状態になるプッシュスイッチ式センサなどで構成することができる。あるいは、例えば支持体402が金属などの導電性部材である場合には通電式センサを使用することもできる。
【0059】
このように、支持体402の変位位置を検知する検知手段440を備えることで、第1位置H1の支持体402Aで囲まれた内側の第2位置H2の支持体402Bの集合からおおよその印刷範囲を特定することができる。
【0060】
次に、本発明の第6実施形態について図14を参照して説明する。図14は同実施形態の説明に供する平面説明図である。
【0061】
本実施形態では、前記第5実施形態の検知手段440を備えている。
【0062】
そして、図14に示すように、プラテン40内の支持体402で、を布地400、400A、400Bなど形状、印刷範囲に合わせて、布地400、400A、400Bの端部を抑えることができる。
【0063】
このとき、支持体402の検知手段440により支持体402が第1位置H1に変位したことが検知される。図14では検知手段440がON状態の支持体402を支持体402Aとし、検知手段440がOFF状態の支持体402を支持体402Bとしている。
【0064】
そこで、検知手段440の検知結果から、第1位置H1の支持体402Aで囲まれた内側の第2位置H2の支持体402Bの集合からおおよその印刷範囲を特定し、表示することができる。この印刷範囲の特定は、例えば、コントローラボード50に実装されるコントローラ(制御手段)で行うことができる。
【0065】
次に、本発明の第7実施形態について図15を参照して説明する。図15は同実施形態の説明に供する説明図である。
【0066】
本実施形態でも、前記第5実施形態の検知手段440を備えている。
【0067】
そして、操作部71の表示部(操作パネルモニタ)などの画面1000上に、印刷範囲1001A、1001Bと、印刷画像1003A、1003Bを表示している。
【0068】
また、画面1000上には、第1位置H1に変位した支持体402Aに相当する画像1002Aと、第2位置H2の支持体402Bに相当する1002Bに相当する画像1002Bも例えば異なる色で表示される。
【0069】
つまり、面積の広いプラテン40に対して複数の小さな布地400A、400Bをセットして印刷する場合がある。この場合、プラテン40にセットした布地400の位置が不正確であると、プラテン40にセットした布地400に対して適切な位置に印刷画像を定めることが難しい。
【0070】
そこで、支持体402の配置や支持体402が第1位置H1か第2位置H2かを色分けなどで判定できる画像を、操作部71の表示部(操作パネルモニタ)の画面1000や印刷装置1に接続される情報処理装置のモニタ画面に表示する。
【0071】
これにより、ユーザーはプラテン40上にセットした布地400に対して、モニタを目視しながら、印刷画像1003A、1003Bを適切な位置に配置し、印刷することができる。したがって、印刷対象に対する印刷画像の位置ずれを低減でき、印刷品質が向上する。
【0072】
ここで、上記第5実施形態ないし第7実施形態における印刷範囲の特定に関する制御を行う部分について図16のブロック説明図を参照して説明する。
【0073】
印刷範囲特定手段801は、複数の検知手段440の検知結果(ON/OFF)を入力して、当該検知手段440の位置(支持体402)から印刷範囲を特定し、表示手段8002に表示する。
【0074】
表示手段802は、前述したように、操作部71の表示部(操作パネルモニタ)や印刷装置1に接続される情報処理装置のモニタで構成される。
【0075】
次に、本発明の第8実施形態について図17を参照して説明する。図17は同実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
【0076】
支持体402と、支持体402を設置する支持体設置部404とを備えている。支持体402は磁性体であり、支持体設置部404には磁石405が配置されている。これにより、支持体402と支持体設置部404とは磁力結合可能であり、分離可能である。支持体402の表面が第2位置H2に相当し、支持体設置部404の表面が第1位置H1に相当する。
【0077】
本実施形態では、布地400の端部400bに相当する部分の支持体402を取り外して、布地400の印刷を施す部分400aを支持体402上に載せ置く。そして、支持体402を取り外している支持体設置部404上に布地400の端部400bを垂らし、取り外した支持体402を端部400bが載っている支持体設置部404上にセットする。
【0078】
このとき、支持体402と支持体設置部404の磁石405との磁力結合によって、支持体402が支持体設置部404上に固定され、布地400の端部400bを押えることができる。
【0079】
次に、本発明の第9実施形態について図18を参照して説明する。図18は同実施形態におけるプラテンの説明図である。
【0080】
本実施形態では、前記第8実施形態の磁石405は電磁石としている。磁石405は、磁性発生装置506から電線507を介して給電されることで磁力を発生してブロック402と磁力結合可能となる。
【0081】
これにより、布地400をセットするとき、磁石405が磁力を発生しない状態にしておくことができ、支持体設置部404からの支持体402の取り外しが容易になる。
【0082】
次に、本発明の第10実施形態について図19を参照して説明する。図19は同実施形態におけるプラテンの正面説明図である。
【0083】
本実施形態では、支持体402は、例えば、円錐形状あるいは三角錐などの多角錐形状としている。
【0084】
この構成により、支持体402の上側頂点部で布地400を保持することができ、隣り合う支持体402と支持体402の隙間420が大きくなる。
【0085】
これにより、例えば、布地400のプラテン接触面400c側に凸凹形状が多い場合、皴が多い場合など、布地400のプラテン接触面400c側の凸部が第2位置H2よりも低い位置にあったとしても、印刷をする面402aの平坦を保つことができる。
【0086】
次に、本発明の第11実施形態について図20を参照して説明する。図20は同実施形態におけるプラテンの支持体の説明図である。
【0087】
本実施形態では、前記第10実施形態の錐状支持体402の頂部402cは丸みのある形状としている。
【0088】
これにより、布地400をセットするとき、布地400が支持体402の頂部402cに引っかかることがなくなり、布地400を滑らしながらにセットすることができ、セット作業が容易になる。
【0089】
以上の各実施形態において、布地を支持するプラテンは、印字後に定着作業が必要とされる。そのため、布地を支持するプラテンごと着脱し、印刷装置から加熱装置へ移動と着脱可能であることが作業性の観点で望まれる。このとき、プラテンを移動させるときに布地を落下させずに、かつ、加熱定着対象面を平らに保つことができる点で本発明は有効に用いられる。
【0090】
また、上記実施形態では、印刷対象が布地である場合について説明しているが、これに限るものではない。布地以外の印刷対象を支持体にセットして印刷する場合にも同様に本発明を適用することができる。
【0091】
「液体を吐出する装置」には、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置が含まれる。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0092】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0093】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0094】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0095】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0096】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0097】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0098】
また、「液体を吐出する装置」としては、他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置などがある。
【0099】
なお、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同
義語とする。
【符号の説明】
【0100】
1 印刷装置
10 ヘッド(液体吐出手段)
11 キャリッジ
40 プラテン
400 布地
401 ベース部
402 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18
図19
図20