(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】音波検出装置
(51)【国際特許分類】
G01H 11/08 20060101AFI20240305BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20240305BHJP
A61B 5/02 20060101ALI20240305BHJP
H10N 30/30 20230101ALI20240305BHJP
H10N 30/857 20230101ALI20240305BHJP
【FI】
G01H11/08 D
A61B5/00 101R
A61B5/02 350
H10N30/30
H10N30/857
(21)【出願番号】P 2019088188
(22)【出願日】2019-05-08
【審査請求日】2022-04-28
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、未来社会創造事業「スーパーバイオイメージャーの設計・試作・評価」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100102716
【氏名又は名称】在原 元司
(74)【代理人】
【識別番号】100122275
【氏名又は名称】竹居 信利
(72)【発明者】
【氏名】染谷 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】ナイーム モハメド オスマン ゴニ
(72)【発明者】
【氏名】李 成薫
(72)【発明者】
【氏名】陳 ハンビッ
(72)【発明者】
【氏名】松久 直司
(72)【発明者】
【氏名】甚野 裕明
(72)【発明者】
【氏名】宮本 明人
(72)【発明者】
【氏名】横田 知之
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-133368(JP,A)
【文献】特開2003-284697(JP,A)
【文献】特開2017-201487(JP,A)
【文献】特開2015-109431(JP,A)
【文献】特開2003-241765(JP,A)
【文献】特開昭50-038575(JP,A)
【文献】米国特許第05438553(US,A)
【文献】"A new triboelectric auditory sensor for social robotics and hearing aids",[online],2018年08月09日,<URL:https://techxplore.com/news/2018-08-triboelectric-auditory-sensor-social-robotics.html>,[令和5年8月30日検索]
【文献】Hao-Yang MI,"Triboelectric Nanogenerators Made of Porous Polyamide Nanofiber Mats and Polyimide Aerogel Film: Output Optimization and Performance in Circuits",ACS Applied Materials & Interfaces,2018年08月16日,Vol.10, No.36,p.30596-30606
【文献】Xing FAN,"Ultrathin, Rollable, Paper-Based Triboelectric Nanogenerator for Acoustic Energy Harvesting and Self-Powered Sound Recording",ACS Nano,Vol.9, No.4,2015年04月03日,p.4236-4243
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01H 1/00 - 17/00
A61B 5/00 - 5/03
H10N 30/30
H10N 30/857
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性繊維で構成された第1繊維層と、
複数の前記第1繊維層の間に挿入され、非導電性繊維で構成された第2繊維層と、
を備え、
前記第1繊維層には、出力電極が接続され、前記第2繊維層には、出力電極が接続されておらず、
前記第1繊維層と第2繊維層との層間の距離が1~100μmであり、音波により生じた空気の振動に応じて、前記第1繊維層と第2繊維層との接触、非接触を繰り返す、音波検出装置。
【請求項2】
前記第1繊維層を構成する導電性繊維が、導電性物質が樹脂繊維表面にコーティングされた繊維である、請求項1に記載の音波検出装置。
【請求項3】
前記導電性物質が金である、請求項2に記載の音波検出装置。
【請求項4】
前記第2繊維層を構成する非導電性繊維が、ポリフッ化ビニリデンの繊維である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の音波検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音波検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体情報を音として取得する機器として、従来から聴診器、加速度メーター等が用いられており、心臓のモニタリングには心電計が用いられている。しかし、これらの装置では、生態情報を高い精度で取得することが困難な場合があった。特に、心音から疾病を検出する際には、複数の周波数領域の心拍音の差異を検出することが重要であるが、上記従来の機器、装置では、検出感度が不足していた。また、長期間継続して生体情報の取得を行う場合には、電源の確保のために大がかりな装置になるという問題もあった。
【0003】
そこで、下記非特許文献1には、ピエゾ素子とトライボエレクトリック素子との混成素子による、電源不要で生体情報の取得にも適用できる装置が開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Jung, W.-S. et al. High Output Piezo/Triboelectric Hybrid Generator. Sci. Rep. 5, 9309; DOI:10.1038/srep09309 (2015).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記非特許文献1の技術では、アーチ上に形成されたピエゾ素子に外力を作用させる必要があるので、エネルギーが微少である低周波数域の心音等の生体情報を高感度で検出することが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、生体情報を音として高感度で取得することができる音波検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、音波検出装置であって、導電性繊維で構成された第1繊維層と、複数の前記第1繊維層の間に挿入され、非導電性繊維で構成された第2繊維層と、を備えることを特徴とする。
【0008】
上記第1繊維層を構成する導電性繊維は、導電性物質が樹脂繊維表面にコーティングされた繊維であるのが好適である。
【0009】
また、上記導電性物質は金であるのが好適である。
【0010】
また、上記第2繊維層を構成する非導電性繊維が、ポリフッ化ビニリデンの繊維であるのが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、生体情報を音として高感度で取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係る音波検出装置の構成例を示す図である。
【
図2】実施形態に係る第1繊維層及び第2繊維層の詳細構成例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る音波検出装置の平面図を示す図である。
【
図4】実施形態にかかる音波検出装置の動作の説明図である。
【
図5】実施例にかかる音波検出装置のアコースティック特性の測定結果を示す図である。
【
図6】実施例にかかる音波検出装置による心音の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0014】
図1には、実施形態に係る音波検出装置の構成例が示される。
図1において、音波検出装置は、導電性繊維で構成された複数の第1繊維層10と、上記第1繊維層の間に挿入され、非導電性繊維で構成された第2繊維層12とを有する。なお、
図1では、2層の第1繊維層10の間に第2繊維層12が挿入された例が示されているが、これには限定されず、複数の第1繊維層10のそれぞれの間(例えば、第1繊維層が5層であれば、それぞれの間は4つある)に第2繊維層12が挿入された構造であればよい。また、上記第1繊維層10には、出力を取り出すための出力電極14が接続されている。
【0015】
図1に示された例では、第1繊維層10が窓枠20に支持されており、第2繊維層12とともに積層されている。なお、
図1では、第1繊維層10と第2繊維層12との間の空隙の距離が長く記載されているが、これは説明の便宜のためであって、各層間の距離が1~100μm程度になるように近接して配置される。
【0016】
図2には、第1繊維層10及び第2繊維層12の詳細構成例が示される。
図2において、第1繊維層10は、ポリウレタン(PU)繊維の表面がパリレン(パラキシリレン系樹脂 登録商標)でコーティングされ、さらにパリレンのコーティング層の上に金(Au)がコーティングされた導電性繊維で構成されている。PU繊維(PUナノファイバー)は、例えばエレクトロスピニングにより得ることができる。また、パリレンのコーティングは、化学気相法(CVD法)により真空チャンバー中で形成することができ、金のコーティングは、真空チャンバーを用いた加熱蒸着により形成することができる。
【0017】
図2の例では、第1繊維層10が、窓枠20に支持されており、窓枠20を用いて第2繊維層12を挟持し、この状態で第1繊維層10と第2繊維層12とが積層されている。
【0018】
上記金のコーティングは、矩形状のポリウレタン繊維層(第1繊維層10)の周囲の窓枠20に支持された部分を除いた領域に形成されてもよいし、ポリウレタン繊維層の全体領域に形成してもよい。以後、金をコーティングした領域を電極領域18という。なお、上記ポリウレタン繊維層に電極領域18を形成する場合には、
図1に示した出力電極14と接続するための出力取出領域16にも金をコーティングし、出力取出領域16と電極領域18とを電気的に接続する。
【0019】
また、第2繊維層12は、上述の通り非導電性繊維で構成されている。この非導電性繊維としては、圧電材料であるポリフッ化ビニリデン(PVDF)の繊維を使用するのが好適である。ポリフッ化ビニリデンの繊維を使用することにより、第2繊維層12が音波により振動する際に、トライボエレクトリック効果に加え、圧電効果も得ることができるので、出力として取り出せる波形からより多くの生体情報を得ることができる。
【0020】
上記PVDFとしては、結晶構造がβ相であるのが、他の結晶構造(α相、γ相)より双極子モーメントが高く、高い圧電効果を示すため、好適である。この場合、結晶構造が完全にβ相のみの材料でなくてもβ相の割合が多ければ、高い圧電効果を示すことができる。
【0021】
第2繊維層12を構成するPVDF等の非導電性繊維には、例えばエレクトロスピニングにより得たPVDFナノファイバーを使用することができる。
【0022】
図3には、以上のようにして構成した音波検出装置の平面図が示される。
図3は、外部から第1繊維層10を見た図である。
図3に示されるように、2枚ある第1繊維層10のそれぞれには、電極領域18と出力取出領域16とが設けられている。また、第1繊維層10は、窓枠20に支持されている。電極領域18と出力取出領域16とは、上述したように金の蒸着により構成されている。
【0023】
図4には、実施形態にかかる音波検出装置の動作の説明図が示される。
図4において、音波Aが音波検出装置の一方の第1繊維層10に到達すると(I)、第1繊維層10の繊維の間隙を通過して、第1繊維層10の間に挿入された第2繊維層12を振動させる。
【0024】
図4の例では、音波Aにより生じた空気の振動に応じて、第2繊維層12が図の右方向に凸になるように変形し、第2繊維層12が図の右側の第1繊維層10の電極領域18(図示せず)に接触する(II)。次に、第2繊維層12の右方向に凸の変形が無くなり第2繊維層12と第1繊維層10との接触が無くなる(III)。さらに、上記空気の振動に応じて、第2繊維層12が図の左方向に凸になるように変形し、第2繊維層12が図の左側の第1繊維層10の電極領域18(図示せず)に接触する(IV)。
【0025】
以上の動作を繰り返し、第1繊維層10の電極領域18と第2繊維層12との接触、非接触に基づいてトライボエレクトリック効果が発現し、第2繊維層12の変形により第2繊維層12を構成するPVDF繊維に圧電効果が発現する。この際に発現したトライボエレクトリック効果及び圧電効果は、電極領域18と電気的に接続された出力取出領域16及び出力電極14を介して出力信号として取り出すことができる。この結果、音波検出装置に到達した音波Aから、様々な生体情報を得ることができる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下の実施例は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0027】
実施例1<ポリウレタンナノファイバー基板(第1繊維層)の作製>
ポリウレタンナノファイバーシートを、”Miyamoto et al. Nature Nanotechnology、P.907-913, Vol.12, 2017”の記載に基づき、下記の通り適宜変更して作製した。
【0028】
ポリウレタン溶液(大日精化製、Rezamin M-8115LP)をDMF(N,N-ジメチルホルムアミド)とMEK(メチルエチルケトン)との混合溶媒(富士フイルム和光純薬株式会社製 質量比DMF:MEK=7:3)により希釈して15%溶液を作製し、室温下2時間マグネティックスターラーを用いて攪拌した。
【0029】
当該ポリウレタン溶液を用いてエレクトロスピニング装置(Fuence es-2000)により以下の手順でポリウレタンナノファイバーシートを作製した。すなわち、27G(ゲージ)の金属針を装着したガラスシリンジにポリウレタン溶液を注入し、射出距離(金属針先端と後述するポリイミドフィルムとの間の距離)15cm、射出速度10μL/分、印加電圧20kVの射出条件で、フッ素樹脂を表面に犠牲層としてコーティングしたポリイミドフィルム上に5分間ポリウレタンナノファイバーを射出しポリウレタンナノファイバーシートを作製した。射出したポリウレタンナノファイバーの径は500nmであった。
【0030】
作製したポリウレタンナノファイバーシートは、内側のサイズが2.5×2.5cmの窓枠上に転写した。この窓枠は、パリレン支持層を1μmの厚みに蒸着した125μm厚みのポリイミドである。パリレン支持層は、厚さ125μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン株式会社製 上記サイズの枠状に形成)上に、日本パリレン社製のラボコータPDS-2010を用いて化学気相成長法(CVD)でパリレン(KISCO社製 dix-SR)を蒸着し、作製したものである。
【0031】
上記ポリウレタンナノファイバーを射出したポリイミドフィルムはポリウレタンナノファイバー基板を製造する際の一時的な基板として用い、表面には犠牲層としてフッ素樹脂を、ミカサ株式会社製MS-B100を使用してスピンコートで形成した。次いでポリウレタンナノファイバーシートを上記窓枠のパリレン支持層上に転写した。ここで、転写とは、フッ素樹種をコーティングしたポリイミドフィルムからポリウレタンナノファイバーシートを剥離させ、窓枠のパリレン支持層上に載せて固定することをいう。
【0032】
以上の製法により、ポリウレタンナノファイバーシートは、窓枠の上ではポリイミド支持層上に支持され、窓枠の内側では自立している(固定されていない)構成になっている。
【0033】
次いで、厚さ200nmのパリレン層を、ポリウレタンナノファイバーシートの各ポリウレタンナノファイバーの表面にコーティングし、ファイバー同士の接合を補強した。その後、各ポリウレタンナノファイバーの表面にコーティングされたパリレン層の上に、真空チャンバー(ULVAC社製EX-200)を用いた加熱蒸着により、シャドウマスクを用いて80~100nm厚さの金を蒸着させ、
図2に示された出力取出領域16と電極領域18とを形成することでポリウレタンナノファイバー基板を製造した。なお、ポリウレタンナノファイバー基板の厚さはエレクトロスピニングの射出時間により調整することができる。
【0034】
実施例2<PVDF(ポリフッ化ビニリデン)ナノファイバーシート(第2繊維層)の作製>
PVDFナノファイバーシートも、上記実施例1と同様にエレクトロスピニング装置(Fuence ES-2000)を用いて作製した。
【0035】
まず、2gのPVDFペレット(モル質量275,000gmol-1,シグマアルドリッチ社製)を、容量比4:6で混合したDMFとアセトンとの混合溶媒中に溶解した。その後2時間70℃で攪拌し、続けて室温で一晩攪拌して19質量%のPVDF溶液を調整した。このPVDF溶液を、金属針(27ゲージ)を装着したガラスシリンジに注入し、シリコンコーティングをした紙の上にPVDFナノファイバーを射出しPVDFナノファイバーシート(3.5×4.5cm)を作製した。
【0036】
この場合、射出条件である射出距離は15cmに維持し、PVDFナノファイバーシート形成のため20分間PVDFナノファイバーを射出した。このとき、エレクトロスピニングの条件設定のため3つのパラメータ(溶液濃度、印加電圧、射出速度)について検証した。具体的には、溶液濃度15-23%、印加電圧15-30kV、射出速度5-15μL/分の範囲で検証し、PVDFナノファイバー形成の最適条件を検討した。その検証結果から、エレクトロスピニングの最適条件を、溶液濃度19質量%、印加電圧20kV及び射出速度10μL/分と設定した。
【0037】
実施例3<ナノファイバー及び音波検出装置の特性試験>
・ナノファイバー特性測定
実施例1及び実施例2で製造したポリウレタン及びPVDFのナノファイバーそれぞれについて、その構造を走査型電子顕微鏡(Hitachi S-4800,FE-SEM)(以下、SEM)で検証した。SEM画像を撮影し、画像処理ソフト(ImageJ)を用いてナノファイバーの直径を算出した。ポリウレタンナノファイバーの直径は500nm,PVDFナノファイバーの直径は400nmであった。
【0038】
次に、Cu-Kα線(λ=1.541Å(0.1541nm))を使用し、40kV、30mAの条件でX線回折装置(リガク社製 SmartLab)によりアウトオブプレーン(Out of plane)法のX線回折を行い、PVDFナノファイバーの結晶構造がβ相であることを確認した。試料は、スキャンレート0.2°/秒、測定ステップを0.02°とし、2θ-θ構成として10°から60°までを測定した。X線測定中、試料はガラス製のホルダに載置された。
【0039】
・音波検出装置の作製
実施例2で製造したPVDFナノファイバーシート(第2繊維層)を実施例1で製造したポリウレタンナノファイバー基板(第1繊維層)の間に挿入し、上記窓枠を用いて挟持し、この構造を3層積層して音波検出装置を形成した。
【0040】
・音波検出装置のアコースティック特性の測定
アコースティック特性の測定は、拡声器をパーソナルコンピュータ(PC)に接続し、音源として用いた。音の周波数及び音圧レベルは、オーディオテストソフトを用いて周波数10Hz~10,000Hz、音圧98dBで制御した。なお、音圧レベルは、音圧レベル測定器を用いて測定した。音波検出装置からの電気的出力信号は、音波検出装置の出力取出領域16に接続した出力電極14を介し、オシロスコープに入力して測定した。測定試験中、測定機器から生じる偽振動を避けるため、重量のある石板で支持された固定枠に音波検出装置を取り付けた。
【0041】
図5には、音波検出装置のアコースティック特性の測定結果が示される。
図5において、横軸が音の周波数であり、縦軸が音波検出装置からの出力電圧である。
図5に示されるように、心音の測定領域である10Hzから2000Hzの範囲で高い出力電圧が得られた。これにより、実施例に係る音波検出装置は、心音測定に好適であることがわかる。
【0042】
実施例4<心音測定>
実施例3に係る音波検出装置を人の胸部上、僧帽弁の位置に取り付けて心音を測定した。心音信号の測定にはNeuropack(日本光電社製 MEB 9402)を用いた。
【0043】
図6には、心音の測定結果が示される。
図6において、横軸が音の測定時間であり、縦軸が音波検出装置からの出力電圧である。
図6に示されるように、良好な心音波形を得ることができた。これにより、心音を高感度で取得できることがわかる。
【符号の説明】
【0044】
10 第1繊維層、12 第2繊維層、14 出力電極、16 出力取出領域、18 電極領域、20 窓枠。