(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】動物情報共有システム、動物情報共有装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20240305BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240305BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q50/10
A01K29/00
(21)【出願番号】P 2018215052
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】P 2018129501
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100126882
【氏名又は名称】五十嵐 光永
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】大川 文乃
(72)【発明者】
【氏名】笹野 廉紘
(72)【発明者】
【氏名】杉田 晃一
(72)【発明者】
【氏名】金子 真也
【審査官】貝塚 涼
(56)【参考文献】
【文献】特許第6244528(JP,B1)
【文献】特開2006-318325(JP,A)
【文献】特開2015-076082(JP,A)
【文献】特開2015-043134(JP,A)
【文献】特開2002-132918(JP,A)
【文献】特開2012-216070(JP,A)
【文献】特開2018-036762(JP,A)
【文献】特開2015-201102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
A01K 29/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーが飼育する動物の属性情
報と、前記動物を示す動物識別情報と、
前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情
報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情
報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、
前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得部と、
前記第一動
物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を
特定第二動物として特定する特定部と、
前記第一動物と、前記特定部によって特定された
特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピング部
と、
前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記
特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較部と、
を備える
動物情報共有システム。
【請求項2】
前記取得部は、前記第一ユーザーの属性情報及び識別情報を示す第一ユーザー情報と、前記第二ユーザーの属性情報及び識別情報を示す複数の第二ユーザー情報と、をこれらの情報を記憶するデータベースからさらに取得し、
前記特定部は、前記第一ユーザー情報と複数の前記第二ユーザー情報とに基づいて、複数の前記第二ユーザーのうち前記第一ユーザーの属性情報と共通の属性情報を示す第二ユーザー情報の第二ユーザーを特定し、
前記グルーピング部は、前記第一ユーザーと、前記特定部によって特定された第二ユーザーとをグルーピングし、コミュニティグループを生成する
請求項1に記載の動物情報共有システム。
【請求項3】
前記グルーピング部でグルーピングされた前記第一ユーザー及び前記第二ユーザーの少なくとも一方に、グルーピングの結果を出力する出力部
をさらに備える
請求項2に記載の動物情報共有システム。
【請求項4】
ユーザーが飼育する動物の属性情
報と、前記動物を示す動物識別情報と、
前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情
報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情
報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、
前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得部と、
前記第一動
物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を
特定第二動物として特定する特定部と、
前記第一動物と、前記特定部によって特定された
特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピング部
と、
前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記
特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較部と、
を備える
動物情報共有装置。
【請求項5】
コンピュータに、
ユーザーが飼育する動物の属性情
報と、前記動物を示す動物識別情報と、
前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情
報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情
報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、
前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得ステップと、
前記第一動
物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を
特定第二動物として特定する特定ステップと、
前記第一動物と、前記特定
ステップにおいて特定された
特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピングステップ
と、
前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記
特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物情報共有システム、動物情報共有装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、動物を飼育する飼い主にとって、動物の情報を共有するコミュニティグループは重要である。飼い主の中では、SNS(Social Networking Service)の普及に伴い、病気や年齢などの動物の情報をコミュニティグループで共有したいという要求がある。例えば特許文献1では、ユーザーを分類してコミュニティグループを生成する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動物によっては、情報の共有ができるコミュニティグループが少なく、ユーザーは、情報の共有ができる他のユーザーと、コミュニティグループを作ることが困難であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ユーザー又は動物の少なくとも一方をグルーピングすることができる動物情報共有システム、動物情報共有装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザーが飼育する動物の属性情報と、前記動物を示す動物識別情報と、前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得部と、前記第一動物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を特定第二動物として特定する特定部と、前記第一動物と、前記特定部によって特定された特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピング部と、前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較部と、を備える動物情報共有システムである。
【0007】
本発明の一態様は、上記に記載の動物情報共有システムであって、前記取得部は、前記第一ユーザーの属性情報及び識別情報を示す第一ユーザー情報と、前記第二ユーザーの属性情報及び識別情報を示す複数の第二ユーザー情報と、をこれらの情報を記憶するデータベースからさらに取得し、前記特定部は、前記第一ユーザー情報と複数の前記第二ユーザー情報とに基づいて、複数の前記第二ユーザーのうち前記第一ユーザーの属性情報と共通の属性情報を示す第二ユーザー情報の第二ユーザーの識別情報を特定し、前記グルーピング部は、前記第一ユーザーと、前記特定部によって特定された第二ユーザーとをグルーピングし、コミュニティグループを生成する。
【0008】
本発明の一態様は、上記に記載の動物情報共有システムであって、前記グルーピング部でグルーピングされた前記第一ユーザー又は前記第二ユーザーの少なくとも一方に、グルーピングの結果を出力する出力部をさらに備える。
【0012】
本発明の一態様は、ユーザーが飼育する動物の属性情報と、前記動物を示す動物識別情報と、前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得部と、前記第一動物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を特定第二動物として特定する特定部と、前記第一動物と、前記特定部によって特定された特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピング部と、前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較部と、を備える動物情報共有装置である。
【0013】
本発明の一態様は、コンピュータに、ユーザーが飼育する動物の属性情報と、前記動物を示す動物識別情報と、前記ユーザーを示すユーザー識別情報と、前記動物の排泄行動を測定可能な測定装置によって得られた前記動物の排泄に関する排泄情報又は前記動物に関する生体情報の少なくとも一方を含む動物状態情報と、前記動物の健康状態を判定するための判定情報を対応付けて複数記憶するデータベースから、第一ユーザーが飼育する第一動物の属性情報と前記第一動物を示す第一動物識別情報と、前記第一ユーザーとは異なる他のユーザーである第二ユーザーが飼育する第二動物の属性情報と前記第二動物を示す第二動物識別情報と、前記動物状態情報と、前記判定情報を取得する取得ステップと、前記第一動物の属性情報と共通となる属性情報を示す第二動物を特定第二動物として特定する特定ステップと、前記第一動物と、前記特定ステップにおいて特定された特定第二動物とをグルーピングし、コミュニティグループを生成するグルーピングステップと、前記動物状態情報及び前記判定情報に基づいて、前記動物の健康状態を判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づいて、同一の前記コミュニティグループに属する前記第一動物及び前記特定第二動物の前記健康状態の比較を行う比較ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、この発明によれば、ユーザー又は動物の少なくとも一方をグルーピングすることができる動物情報共有システム、動物情報共有装置及びプログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る動物状態判定装置を含む動物情報共有システム100の概略構成を示す図である。
【
図2】ネコの飼い主宅におけるネットワーク構成を示す図である。
【
図3】動物用トイレ20の構成を示すブロック図である。
【
図4】ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動測定値及び排泄測定値の変化を示す図である。
【
図5】給餌装置22の構成を示すブロック図である。
【
図6】携帯端末21の構成を示すブロック図である。
【
図7】携帯端末21の記憶装置に記憶されるデータベース、及び判定情報を示す図である。
【
図9】サーバ10の記憶装置に記憶されるデータベースを示す図である。
【
図10】サーバ10の記憶装置に記憶される判定情報を示す図である。
【
図11】ユーザー情報に基づいたグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。
【
図12】動物情報に基づいたグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。
【
図13】属性情報に基づいたグループ分類の具体例を示すデータテーブルである。
【
図14】健康状態に基づいたランキング作成の処理内容を示すフローチャートである。
【
図16】グループ作成の処理を示すシーケンス図である。
【
図17】グルーピング結果の表示例を示す図である。
【
図18】グルーピング結果の表示例を示す図である。
【
図19】ランキング作成の処理を示すシーケンス図である。
【
図20】本発明の第二実施形態に係る動物状態判定装置を含む動物情報共有システム100aの概略構成を示す図である。
【
図21】サーバ10aが記憶するコンシェルジェDBの具体例を示す図である。
【
図22】リクエスト対応処理の流れの具体例を示すフローチャートである。
【
図23】第二実施形態の動物情報共有システム100aにおける、コンシェルジェに対する問い合わせの動作に関するシーケンスチャートである。
【
図24】コンシェルジェ画面の具体例を示す図である。
【
図25】チャット機能を用いてコンシェルジェによるサービスが提供された際に端末に標示されるチャット画面の具体例を示す図である。
【
図26】チャット機能を用いてコンシェルジェによるサービスが提供される際にコンシェルジェ端末60に表示されるチャット画面の具体例を示す図である。
【
図27】第一変形例に係るシステム構成を示す図である。
【
図28】第一変形例に係るシステムの処理の流れを示すシーケンスチャートの具体例を示す図である。
【
図29】第二変形例に係るシステム構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を詳細に説明する。以下の説明では、本発明の動物状態判定装置を、動物用トイレ、サーバ及び携帯端末に適用した実施形態について説明する。
【0017】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る動物状態判定装置を含む動物情報共有システム100の概略構成を示す図である。動物情報共有システム100は、サーバ10、ネットワーク30、及び動物用トイレ20-1、20-2、20-N、携帯端末21-1、21-2、21-N、給餌装置22-1、22-2、22-Nを含む。なお、“N”は1以上の整数である。以下、動物用トイレ20-1、20-2、20-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を動物用トイレ20と称する。携帯端末21-1、21-2、21-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を携帯端末21と称する。給餌装置22-1、22-2、22-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を給餌装置22と称する。
【0018】
動物用トイレ20、及び給餌装置22は、ネコの飼い主宅に設けられている。携帯端末21は、飼い主の携帯端末である。動物用トイレ20は、携帯端末21と通信可能である。携帯端末21は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。給餌装置22は、ネットワーク30を介してサーバ10と通信可能である。飼い主は、飼い主宅以外からも種々の通信装置を用いてサーバ10と通信可能である。例えば、
図1に示されるように、飼い主は、携帯端末40及びPC(Personal Computer)41等の通信装置によって、飼い主宅以外からもサーバ10と通信可能である。ネットワーク30は、インターネットや一般電話回線等で構成される。
【0019】
図2は、ネコの飼い主宅におけるネットワーク構成を示す図である。飼い主宅には、ネットワーク30と接続するルータ50が設けられている。携帯端末21とルータ50は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。携帯端末21とルータ50とは、例えば無線LANにより接続される。動物用トイレ20と携帯端末21は、有線通信又は無線通信によって通信可能に接続される。動物用トイレ20と携帯端末21とは、例えばBluetooth(登録商標) Low Energy(以下、「BLE」という)により接続される。給餌装置22と携帯端末21は、BLEにより接続される。
【0020】
次に、動物用トイレ20、携帯端末21、給餌装置22、及びサーバ10の構成について説明する。
図3は、動物用トイレ20の構成を示すブロック図である。動物用トイレ20は、排泄検出部301、排泄動作検出部302、ネコID取得部303、状態情報管理部305、及び状態情報出力部306で構成される。動物用トイレ20には、ネコの排泄物を受けるシートとして吸収シートが設置される。吸収シートは、例えば水分を吸収する素材を用いて構成される。そのため、吸収シートは、ネコが排泄した尿を吸収することができる。動物用トイレ20には、ネコの便を受ける物体としてネコ砂が設置される。ネコ砂は、例えば便の表面に吸着して便の周囲を取り囲むような素材を用いて構成される。
【0021】
また、動物用トイレ20は、演算装置(例えばCPU(Central Processing Unit))、記憶装置(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、RTC(Real Time Clock)、通信デバイス等)を備える。動物用トイレ20が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置には、動物用トイレ20を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0022】
排泄検出部301は、動物用トイレ20に進入したネコの排泄の有無や、排泄の開始および終了を検出する。排泄検出部301によって検出された情報を、以下の説明では排泄検知情報と表現することがある。排泄検出部301は、例えば、動物用トイレ20に配置された液体センサやタッチセンサ、温度センサなどのセンシング装置や、動物用トイレ20内で排泄する動物や、動物の排泄物を撮影することで得られた画像を解析することにより排泄を検出する。排泄検出部301で検出された排泄検知情報は、ネコに一意に割り当てられたネコを識別するためのID(以下、「ネコID」という)と、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。なお、動物用トイレ20はカメラを備える構成であってもよい。
【0023】
排泄動作検出部302は、ネコが動物用トイレ20に進入および退出したこと、または、ネコが動物用トイレ20に進入可能な個所を通過したか否かにより入退出を検出する。また、排泄動作検出部302は、ネコの動物用トイレ20内における排泄動作を検出する。排泄動作検出部302によって検出された情報を、以下の説明では排泄動作情報と表現することがある。排泄動作検出部302は、例えば、動物用トイレ20において動物が進入可能な個所や、動物用トイレ20内に取り付けられた赤外線センサ、タッチセンサ、光学センサ、温度センサなどのセンシング装置や、カメラで動物が進入可能な個所や動物用トイレ20内を撮影することで得られた画像を解析することにより、入退出や排泄動作を検出する。排泄動作検出部302で検出された排泄動作情報は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。状態情報管理部305は、排泄動作情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0024】
ネコID取得部303は、動物用トイレ20に接近したネコや、動物用トイレ20内に進入したネコからネコIDを取得する。ネコID取得部303は、例えばネコに予め取り付けられたネコ用デバイスから、ネコIDを取得する。または、ネコID取得部303は、動物用トイレ20に進入するネコをカメラで撮影することで得られる画像を解析することで進入したネコを特定し、特定されたネコのネコIDを取得してもよい。取得されたネコIDは、排泄検出部301及び排泄動作検出部302に出力される。
状態情報管理部305は、排泄検知情報、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0025】
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された排泄測定値を携帯端末21に出力する。動物用トイレ20は、状態情報記憶部205により記憶された排泄行動測定値を携帯端末21に出力する。出力される排泄測定値及び排泄行動測定値は、ネコIDと時刻情報とともに携帯端末21に出力される。携帯端末21に出力された排泄測定値及び排泄行動測定値は、紐付けられているネコIDや時刻情報とともに、記憶装置から削除される。
【0026】
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、排泄測定値、及び排泄行動測定値は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、排泄測定値及び排泄行動測定値は、記憶装置にバッファリングされ、携帯端末21と通信可能となったときにバッファリングされた排泄測定値及び排泄行動測定値が出力される。
【0027】
上記進入日時などの判定方法について説明する。
図4は、ネコが動物用トイレ20に進入し、尿と便を排泄してから退出するまでの排泄行動情報及び排泄検知情報の変化を示す図である。
図4のグラフの縦軸は、排泄動作検知装置によるネコの排泄行動の測定値(以下「排泄行動測定値」という。)および排泄情報検知装置によるネコの排泄の測定値(以下「排泄測定値」という。)である。
図4のグラフの横軸は、時間を示している。また、
図4のグラフでは、ネコの進入前の排泄行動測定値及び排泄測定値を零基準としている。本実施形態の排泄測定値は、排泄物の量ではなく、排泄の有無を示すフラグとして検出されるが、これに限定されず、排泄の有無が判定できれば他の測定方法であってもよい。
【0028】
ネコが動物用トイレ20に進入したタイミングT1で、排泄行動測定値が増加する。状態情報管理部305は、排泄行動測定値が増加したタイミングT1をネコの動物用トイレ20への進入日時として記憶する。その後、タイミングT2まで排泄行動測定値は増加するが、タイミングT2からタイミングT3まで排泄行動測定値が増減する。この状態は、ネコが筐体内で所望の位置に移動している状態である。タイミングT3からタイミングT4では、排泄行動測定値はほぼ変化しない。この状態は、ネコは排泄を開始するために体を動かしていない停止状態である。状態情報管理部305は、排泄行動測定値がほぼ変化しない状態となったタイミングT3を停止開始日時として記憶する。
【0029】
タイミングT4にて、排泄測定値が「無」から「有」に変化する。状態情報管理部305は、排泄測定値が「有」に変化したタイミングT4を排泄開始日時として記憶する。また、状態情報管理部305は、排泄開始日時または停止状態が終了したタイミングを停止終了日時として記憶する。タイミングT5から、排泄測定値は「無」に戻り、また排泄行動測定値が減少していく。タイミングT6にて、排泄行動測定値は下げ止まる。状態情報管理部305は、このタイミングT6を退出日時として記憶する。
図4の場合、状態情報管理部305は、排泄時間情報及び判定情報に基づいて、ネコが健康である可能性が高いと判定する。
【0030】
状態情報管理部305は、侵入日時から退出日時の間で、排泄測定値が変動しなかった場合には、排尿していないと判定する。また、排泄予備動作が検出されたにもかかわらず、排泄測定値に変動がなかった場合、排泄がなかったと判定する。
【0031】
状態情報出力部306は、状態情報記憶部205により記憶された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数を携帯端末21に出力する。携帯端末21に出力された進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時の排泄予備動作の回数は、記憶装置から削除されてもよい。
【0032】
動物用トイレ20が携帯端末21と通信可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数は、リアルタイムで出力される。一方、動物用トイレ20が携帯端末21と通信不可能な場合、進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数は、記憶装置にバッファリングされる。その後、携帯端末21と通信可能となったときにバッファリングされていた進入日時、退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄有無、及び進入時排泄予備動作回数が出力されてもよい。
【0033】
図5は、給餌装置22の構成を示すブロック図である。給餌装置22は、フード重量検出部312、水重量検出部313、ネコID取得部314、給餌情報管理部316、及び給餌情報出力部317で構成される。
【0034】
また、給餌装置22は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM)、RTC、通信デバイス等を備える。給餌装置22が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置には、給餌装置22を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0035】
ネコID取得部314は、給餌装置22に接近したネコからネコIDを取得する。このように構成されることによって、ネコID取得部314は、自装置において提供されるキャットフード又は水を飲食したネコのネコIDを取得する。取得されたネコIDは、フード重量検出部312及び水重量検出部313に出力される。フード重量検出部312は、自装置に蓄えられているキャットフードの重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられているキャットフードは、給餌装置22に接近したネコが摂食可能な状態となるようにネコに対して提供される。キャットフードの提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。フード重量は、ネコによってキャットフードが摂食されることによって減少する。フード重量検出部312によって検出された重量を、以下の説明ではフード重量と表現することがある。検出されたフード重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、給餌情報管理部316に出力される。給餌情報管理部316は、フード重量、ネコID、及び時刻情報を紐付けて記憶装置に記憶する。
【0036】
水重量検出部313は、水の重量を所定周期(例えば、100ミリ秒周期等)で検出する。自装置に蓄えられている水は、給餌装置22に接近したネコが摂取可能な状態となるようにネコに対して提供される。水の提供技術は、既知の技術を用いて実現可能である。水の重量は、ネコによって水が摂取されることによって減少する。水重量検出部313によって検出された重量を、以下の説明では水重量と表現することがある。検出された水重量は、ネコIDと、RTCから取得された時刻情報とともに、状態情報管理部305に出力される。給餌情報管理部316は、フード重量が変化したときに、変化前のフード重量と変化後のフード重量の差分をフード摂取量として記憶する。給餌情報管理部316は、水重量が変化したときに、変化前の水重量と変化後の水重量の差分を水摂取量として記憶する。また、給餌情報管理部316は、フード重量が変化したとき、または水重量が変化したときの日時を給餌日時として記憶する。給餌情報管理部316は、フード摂取量又は水摂取量と給餌日時とを対応付けて記憶する。以下の説明では、フード摂取量、水摂取量、給餌日時などの給餌(動物の飲食物)に関する情報を「飲食物情報」という。
【0037】
給餌情報出力部317は、ネコの飲食に関する飲食情報として、給餌情報管理部316に記憶されたフード重量、及び水重量を携帯端末21に出力する。出力されるフード重量、及び水重量は、ネコIDと時刻情報とともに携帯端末21に出力される。携帯端末21に出力されたフード重量、及び水重量は、紐付けられているネコIDや時刻情報とともに、給餌情報管理部316から削除されてもよい。
【0038】
図6は、携帯端末21の構成を示すブロック図である。携帯端末21は、状態情報受信部321、給餌情報受信部322、判定情報取得部323、個別ネコ情報管理部324、比較部325、比較結果出力部326、ネコ情報出力部327、ユーザー情報登録部328、ユーザー情報出力部329、ネコ属性情報登録部330、ネコ属性情報出力部331、トイレ情報登録部332、及びトイレ情報出力部333で構成される。
【0039】
また、携帯端末21は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM)、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等を備える。携帯端末21が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、携帯端末21を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0040】
状態情報受信部321は、動物用トイレ20から排泄測定値と排泄行動測定値と、それらに紐付けられたネコIDと時刻情報とを受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。給餌情報受信部322は、動物用トイレ20からフード重量と水重量と、それらに紐付けられたネコIDと時刻情報とを受信し、個別ネコ情報管理部324に出力する。
【0041】
個別ネコ情報管理部324は、状態情報受信部321及び給餌情報受信部322により出力された情報に基づき、ネコの動物用トイレ20への進入日時、動物用トイレ20からの退出日時、排泄開始日時、排泄終了日時、停止開始日時、停止終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、排泄行動測定値、フード摂取量、及び水摂取量を、ネコIDに紐付けて記憶装置に記憶する。生体情報測定値とは、例えば、ネコの排泄中の撮影画像やネコの体長の推定値等、ネコの体に関する測定情報を表す。排泄行動測定値とは、例えば、ネコの入退出の検出値や、ネコのトイレ内における行動の光学的測定値や力学的測定値、温度測定値などの測定値であり、ネコの行動に関する測定情報を表す。排泄測定値とは、ネコの便の色やネコの尿の有無、ネコの尿の勢い、便か尿かを示す排泄種別などの、ネコの排泄に関する測定情報を表す。また、個別ネコ情報管理部324は、ネコの健康状態及びスコアを対応付けた健康スコアのデータテーブルを予め記憶する。
【0042】
図7は、携帯端末21の記憶装置に記憶されるデータベース(以下、「DB」という)、及び判定情報を示す図である。
図7(A)は、排泄DBを示す図である。排泄DBは、上述した進入日時、退出日時、停止開始日時、排泄開始日時、排泄終了日時、排泄測定値、生体情報測定値、および排泄行動測定値で構成される。
【0043】
図7(B)は、給餌DBを示す図である。給餌DBは、給餌日時、給餌種別、及び給餌量で構成される。このうち、給餌種別は、飲食物がキャットフードか水を示す。また、給餌量における単位は、水の場合にはml(ミリリットル)、キャットフードの場合にはg(グラム)を示す。
【0044】
また、個別ネコ情報管理部324は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(個別排泄、個別給餌)を生成する。
図7(C)は、判定情報(個別排泄)を示し、
図7(D)は、判定情報(個別給餌)を示す。
図7(C)、
図7(D)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
【0045】
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、排泄測定値の集計期間における平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
【0046】
判定情報(個別給餌)は、ネコIDをキーにして、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータで構成されるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
【0047】
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。以上説明した判定情報(個別排泄)及び判定情報(個別給餌)をまとめて判定情報(個別)と表現する。
【0048】
図6の説明に戻り、ネコ情報出力部327は、個別ネコ情報管理部324が記憶した、排泄DB及び給餌DBに示される各情報をサーバ10に出力する。判定情報取得部323は、サーバ10から判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)を取得し、個別ネコ情報管理部324から判定情報(個別)を取得する。判定情報(同種排泄)、判定情報(同種給餌)とは、他のネコの状態情報等に基づく判定情報である。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
【0049】
比較部325は、状態情報と判定情報とを比較し、比較結果を比較結果出力部326に出力する。比較結果は、ネコの健康状態を示す情報である。例えば、比較部325は、状態情報及び判定情報に基づいて、ネコの健康状態を判定する。比較部325は、判定結果を比較結果出力部326に出力する。また、比較部325は、判定したネコの健康状態と、個別ネコ情報管理部324が記憶する健康スコアのデータテーブルとに基づいて、健康状態のスコアを比較結果として比較結果出力部326に出力する。比較結果出力部326は、比較部325が出力した比較結果を表示デバイスや他の装置に出力する。
【0050】
ユーザー情報登録部328は、ユーザーによって入力されたネコの飼い主の国籍、性別、生年月日、住所及び名前などのユーザーの属性情報を取得する。ユーザーの属性情報とは、ネコの飼い主に関する情報である。ネコの飼い主の国籍は、飼い主の住む国を示す情報である。性別は、飼い主の性別を示す。生年月日は、飼い主の生年月日を示す。名前は、飼い主の名前を示す。ユーザー情報出力部329は、ユーザー情報登録部328によって取得された各情報をサーバ10に出力する。
【0051】
ネコ属性情報登録部330は、ユーザーにより入力されたネコの品種、性別、生年月日、体重、排泄量、病気の有無、及び名前などの動物の属性情報を取得する。動物の属性情報とは、ネコに関する情報である。ネコ属性情報登録部330は、体重及び排泄量の属性情報を動物用トイレ20から取得する。品種IDは、ネコの品種に一意に割り当てられた品種を識別するためのIDである。性別は、ネコの性別を示す。生年月日は、ネコの生年月日を示す。名前は、ネコの名前を示す。ネコ属性情報出力部331は、ネコ属性情報登録部330によって取得された各情報をサーバ10に出力する。
【0052】
トイレ情報登録部332は、ユーザーにより入力されたトイレID、動物用トイレ20の使用開始日、及びシートの交換日時を取得する。トイレIDは、トイレに一意に割り当てられた識別情報である。交換日時は、トイレIDに示されるトイレでシートが交換された日時を示す。トイレ情報出力部333は、トイレ情報登録部332によって取得された各情報をサーバ10に出力する。シートの交換日時は、シートを交換するたびにユーザーにより入力される。
【0053】
図8は、サーバ10の構成を示すブロック図である。サーバ10は、ネコ情報受信部341、ユーザー情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、トイレ情報受信部344、全体ネコ情報管理部345、登録情報管理部346、判定情報提供部347、及びネコ情報提供部348で構成される。なお、サーバ10は、各飼い主の携帯端末21と通信するため、各飼主が飼っているネコの情報を受信する。
【0054】
また、サーバ10は、演算装置(例えばCPU)、記憶装置(例えば、ROM、RAM、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive))、RTC、通信デバイス、表示デバイス、入力デバイス等)を備える。サーバ10が実行する処理は演算装置により実行される。記憶装置は、サーバ10を制御するプログラムや、各種情報等が記憶される。
【0055】
ネコ情報受信部341は、携帯端末21のネコ情報出力部327により出力された情報を受信し、全体ネコ情報管理部345に出力する。なお、ネコ情報出力部327により出力された情報は、
図7に示される排泄DB及び給餌DBに示される情報である。
【0056】
全体ネコ情報管理部345は、ネコ情報受信部341に出力された情報を、記憶装置に記憶する。従って、
図7で示した排泄DB、及び給餌DBは、サーバ10にも記憶される。全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種排泄、同種給餌)を生成する。判定情報(同種排泄)及び判定情報(同種給餌)をまとめて判定情報(同種)と表現する。判定情報(同種)についての詳細は後述する。
【0057】
全体ネコ情報管理部345は、ユーザーの属性情報又は動物の属性情報に基づいて、グルーピングを行う。以降、グルーピングの基準となるユーザーを第一ユーザー、第一ユーザーが飼育するネコを第一動物、第一ユーザー以外の他のユーザーを第二ユーザー、他のユーザーが飼育するネコを第二動物として説明する。まず、全体ネコ情報管理部345は、動物用トイレ20-1を使用する第一ユーザーの属性情報を第一ユーザー情報として、ユーザー情報データテーブルに記憶する。ユーザー情報テーブルとは、ユーザーの属性情報を格納するテーブルである。次に、全体ネコ情報管理部345は、第一動物の属性情報を第一動物情報として、動物情報データテーブルに記憶する。動物情報テーブルとは、動物の属性情報を格納するテーブルである。同様に全体ネコ情報管理部345は、動物用トイレ20-Nを使用する第二ユーザーの属性情報を第二ユーザー情報としてユーザー情報データテーブルに記憶する。全体ネコ情報管理部345は、第二ユーザーの飼育する動物の属性情報を第二動物情報として動物情報データテーブルに記憶する。
【0058】
次に、全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザー情報と、第一動物情報と、所定の条件と、に基づいて、第二ユーザー情報及び第二動物情報を特定する。所定の条件とは、第一ユーザー情報に含まれる情報と共通な情報を持つこと、又は第一ユーザー情報に含まれる情報に近しい情報を持つことである。また、所定の条件とは、第一動物情報に含まれる情報と共通な情報を持つこと、又は第一動物情報に含まれる情報に近しい情報を持つことである。所定の条件(共通な情報及び近しい情報)については、以下で説明する。
【0059】
所定の条件は、全体ネコ情報管理部345が記憶したユーザー情報データテーブル及び動物情報データテーブルに対し、形態素解析やパターンマッチングなどの方法を用いて判定される。例えば、全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザー情報に基づいて第二ユーザー情報を判定し、第一ユーザー情報に含まれる属性情報と類似度が高い属性情報を持つ第二ユーザー、つまり共通な情報又は近しい情報を第二ユーザー情報に持つ第二ユーザーを特定する。例えば、全体ネコ情報管理部345は、第一動物情報に基づいて第二動物情報を判定し、第一動物情報に含まれる属性情報と類似度が高い属性情報を持つ第二動物、つまり共通な情報又は近しい情報を第二動物情報に持つ第二動物を特定する。なお、これらの所定の条件は、一例であり、全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザーが入力した任意の条件に基づいて、第二ユーザー又は第二動物の少なくとも一方を特定してもよい。
【0060】
全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザー及び第二ユーザーのペア、又は、第一動物及び第二動物のペアの少なくとも一方をグルーピングする。なお、全体ネコ情報管理部345は、第二ユーザーを複数特定し、グルーピングを行ってもよい。これにより、全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザーと、グルーピングされた第二ユーザーとを1つのコミュニティグループとして生成する。全体ネコ情報管理部345は、生成したコミュニティグループをグルーピング情報として判定情報提供部347に出力する。グルーピング情報は、同じコミュニティグループになった第一ユーザー情報及び第二ユーザー情報と、第一動物情報及び第二動物情報とを含む。なお、本実施形態では、一例として全体ネコ情報管理部345がグルーピングを行うと説明したが、携帯端末21の比較部325が同様の判定を行ってもよい。
【0061】
ユーザー情報受信部342は、携帯端末21のユーザー情報出力部329により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。ネコ属性情報受信部343は、携帯端末21のネコ属性情報出力部331により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。トイレ情報受信部344は、携帯端末21のトイレ情報出力部333により出力された情報を受信し、登録情報管理部346に出力する。登録情報管理部346は、ユーザー情報受信部342、ネコ属性情報受信部343、及びトイレ情報受信部344が出力した情報を記憶装置に記憶する。
【0062】
判定情報提供部347は、判定情報(同種)及びグルーピング情報を携帯端末21、40、PC41等に提供する。ネコ情報提供部348は、サーバ10に記憶された排泄DB、及び給餌DBに示される情報を、携帯端末21、40、PC41等に提供する。判定情報提供部347は、グルーピング情報に基づいて、同じコミュニティグループに所属する第一ユーザー及び第二ユーザーに対し、チャットや通話などの会話を行うための機能を提供する。これにより、同じコミュニティグループのユーザーは、互いに情報を共有することができる。携帯端末21、40、PC41は、判定情報提供部347から提供された判定情報(同種)及びグルーピング情報をユーザーに提示する。
【0063】
図9は、サーバ10の記憶装置に記憶されるDBを示す図である。
図9(A)は、排泄DBを示す図である。
図9(B)は、給餌DBを示す図である。排泄DB及び給餌DBは、
図7の排泄DB及び給餌DBと同じ構成のため、説明を省略する。
図9(C)は、ユーザーDBを示す図である。ユーザーDBは、ユーザーに関する各種情報を記録するためのDBである。ユーザーDBは、ユーザーID、国籍、性別、生年月日、及び姓名で構成される。ユーザーIDは、ユーザー登録時に、ユーザーに一意に割り当てられたユーザーを識別するためのIDである。
【0064】
図9(D)は、品種DBを示す図である。品種DBは、品種ID、及び品種名で構成される。品種IDは、品種名(雑種も含む)に一意に割り当てられた品種名を識別するためのIDである。
図9(E)は、ネコDBを示す図である。ネコDBは、ネコID、ユーザーID、品種ID、性別、生年月日、及び名で構成される。ネコDBに示されるユーザーIDは、ネコIDに対応するネコの飼い主のユーザーIDである。
【0065】
図9(F)は、トイレDBを示す図である。トイレDBは、トイレID、及びユーザーIDで構成される。トイレIDに示されるユーザーIDは、トイレIDに対応するトイレの所有者のユーザーIDである。
【0066】
全体ネコ情報管理部345は、上記排泄DB及び給餌DBを用いて、動物の健康状態を判定するための判定情報(同種)を生成する。
図10は、サーバの記憶装置に記憶される判定情報を示す図である。
図10(A)は、判定情報(同種排泄)を示し、
図10(B)は、判定情報(同種給餌)を示す。
図10(A)、
図10(B)に示される判定情報は、排泄DB及び給餌DBに示されるパラメータの平均値であり、集計期間は、例えば3か月などが挙げられる。
【0067】
判定情報(同種排泄)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種排泄)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
【0068】
判定情報(個別排泄)における各パラメータについて説明する。平均滞在時間は、集計期間における進入日時から退出日時までの平均時間を示す。平均停止時間は、集計期間における停止開始日時から停止終了日時までの平均時間を示す。平均排泄時間は、集計期間における排泄開始日時から排泄終了日時までの平均時間を示す。平均排泄回数は、集計期間における1日の排泄回数の平均値を示す。平均排泄行動測定値は、停止時間、排泄回数および排泄時間とは異なる排泄行動測定値の各項目の集計期間における平均値を示す。平均排泄測定値は、集計期間における排泄測定値の各項目の平均値を示す。平均生体情報測定値は、集計期間における生体情報測定値の各項目の平均値を示す。
【0069】
判定情報(同種給餌)は、品種IDをキーにして、生年ごとに設けられる。従って、判定情報(同種給餌)は、各品種の生年ごとの判定情報である。
【0070】
判定情報(同種給餌)は、平均給餌量から平均給餌回数まで、4つのパラメータが含まれるが、1番目の平均給餌量と2番目の平均給餌回数は、飲食物がキャットフードの場合の判定情報であり、3番目の平均給餌量と4番目の平均給餌回数は、飲食物が水の場合の判定情報である。
【0071】
判定情報(個別給餌)における各パラメータについて説明する。平均給餌量は、集計期間における1日の給餌量の平均値を示す。平均給餌回数は、集計期間における1日の給餌回数の平均値を示す。
【0072】
このように構成された動物情報共有システムによれば、全体ネコ情報管理部345及び登録情報管理部346を備えることで、ユーザー同士又は動物同士の少なくとも一方をグルーピングすることができる。登録情報管理部346は、ユーザーの属性情報と、動物の属性情報と、を取得する。全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザー情報と、第一動物情報と、所定の条件と、に基づいて、第二ユーザー情報及び第二動物情報を特定する。全体ネコ情報管理部345は、第一ユーザー又は第一動物と、特定した第二ユーザー又は第二動物と、に基づいて、コミュニティグループを生成する。したがってユーザーは、ユーザーの属性情報又は動物の属性情報を入力することで、他のユーザーとコミュニティグループを生成し、情報を共有することができる。
【0073】
図11は、ユーザー情報に基づいたグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。全体ネコ情報管理部345は、ユーザーDBからユーザーの属性情報を取得する(ステップS101)。全体ネコ情報管理部345は、ユーザーの属性情報に基づいて、グループを作成する(ステップS102)。全体ネコ情報管理部345は、各グループに対応した属性情報を持つユーザーを特定し、ユーザーIDとグループとを紐づける(ステップS103)。全体ネコ情報管理部345は、グルーピングしたユーザーのデータをデータテーブルに格納する(ステップS104)。
【0074】
図12は、動物情報に基づいたグルーピング処理の流れを示すフローチャートである。なお、
図11で説明した処理に関しては、説明を省略する。全体ネコ情報管理部345は、ユーザーDBから動物の属性情報を取得する(ステップS201)。全体ネコ情報管理部345は、動物の属性情報に基づいて、グループを作成する(ステップS202)。ステップS103及びステップS104を実行する。
【0075】
図13は、属性情報に基づいたグループ分類の具体例を示すデータテーブルである。
例えば、属性情報を住所でグルーピングを行う場合、全体ネコ情報管理部345は、住所別グループを作成する。
図13の住所別グループでは、一例として、データ項目は、東京グループ、大阪グループ、横浜グループ及び千葉グループである。なお、データ項目のグループは住所であれば国別、地域別、県別、町別などの区切りで分類してよい。住所別グループは、各データ項目と共通な情報を持つユーザー又は近しい情報を持つユーザーが登録される。例えば、東京グループは、ユーザーUC001、ユーザーUC002、・・・が登録される。そして、他のグループも同様にユーザーが登録される。
【0076】
例えば、属性情報を猫の種類(以下「猫種」という。)でグルーピングを行う場合、全体ネコ情報管理部345は、猫種別グループを作成する。
図13の猫種別グループでは、一例として、データ項目は、トラネコグループ、三毛猫グループ、シャムグループ及びペルシャグループである。なお、データ項目のグループは猫種に関する情報であれば、模様、雑種、血統書の有無、などの区切りで分類してよい。猫種別グループは、各データ項目と共通な情報を持つユーザー又は近しい情報を持つユーザーが登録される。例えば、トラネコグループは、ユーザーUC001、ユーザーUC002、・・・が登録される。そして、他のグループも同様にユーザーが登録される。
【0077】
例えば、属性情報を猫の体重でグルーピングを行う場合、全体ネコ情報管理部345は、体重別グループを作成する。
図13の体重別グループでは、一例として、データ項目は、平均体重グループ、平均+1キログループ、平均―1キログループ及び平均+3グループである。なお、データ項目のグループは体重に関する情報であれば、肥満、痩せ、餌量の多少、などの区切りで分類してよい。体重別グループは、各データ項目と共通な情報を持つユーザー又は近しい情報を持つユーザーが登録される。例えば、平均体重グループは、ユーザーUC001、ユーザーUC002、・・・が登録される。そして、他のグループも同様にユーザーが登録される。
【0078】
図14は、健康状態に基づいたランキング作成の処理内容を示すフローチャートである。なお、
図11で説明した処理に関しては、説明を省略する。全体ネコ情報管理部345は、グルーピングされたネコの属性情報を取得する(ステップS301)。全体ネコ情報管理部345は、ネコの属性情報と、個別ネコ情報管理部324が記憶する健康スコアのデータテーブルとに基づいて、各ネコの健康評価値(健康スコア)を算出する(ステップS302)。全体ネコ情報管理部345は、同一のコミュニティグループにグルーピングされたネコの健康評価値に基づいて各ネコに順位の情報を付与する(ステップS303)。次にステップS104の処理を行う。
【0079】
図15は、ランキングの表示例を示す図である。aの表示例は、ユーザーが飼育するネコの健康ランキングとして、グループ内の順位と、健康状態と、提示情報とが表示される。bの表示例は、ユーザーが飼育するネコの健康ランキングとして、グループ内の順位と、前回の順位と、健康状態と、提示情報とが表示される。
【0080】
図16は、グループ作成の処理を示すシーケンス図である。動物用トイレ20は、排泄測定値及び排泄行動測定値のデータを測定する(ステップS401)。動物用トイレ20は、測定データをサーバ10に送る(ステップS402)。サーバ10は、取得したデータを記憶する(ステップS403)。携帯端末21は、リクエストを10に送る(ステップS404)。サーバ10は、リクエストに基づいて、データを解析する(ステップS405)。サーバ10は、第一ユーザー情報と、第一動物情報と、所定の条件と、に基づいて、第二ユーザー情報及び第二動物情報を特定する。サーバ10は、第一ユーザー及び第二ユーザーのペア、又は、第一動物及び第二動物のペアの少なくとも一方をグルーピングする。(ステップS406)。サーバ10は、所定の条件に基づいて、生成された他のコミュニティグループを特定する(ステップS407)。サーバ10は、特定したコミュニティグループの情報及びグルーピング情報の少なくとも一方を携帯端末21に送る(ステップS408)。携帯端末21は、コミュニティグループの情報を表示する(ステップS409)。携帯端末21は、受信したグループへの参加許否指示を受信した場合(ステップS410)、参加許否通知をサーバ10に送る(ステップS411)。サーバ10は、参加許否通知を受信すると、グループに参加するか否かを判定し、参加又は除名の処理を行う(ステップS412)。
【0081】
図17は、グルーピング結果の表示例を示す図である。aの表示例は、ユーザーがコミュニティグループの情報を検索した場合の具体例である。例えば、ユーザーがコミュニティグループを検索すると、飼育するネコの属性情報に基づいて、おすすめのコミュニティグループが表示される。bの表示例は、おすすめコミュニティグループを押下した場合の具体例である。携帯端末21は、加入条件と、目的と、ユーザーのネコが加入条件を満たすか否かの情報と、参加許否の入力ボタンと、を表示する。
【0082】
図18は、グルーピング結果の表示例を示す図である。aの表示例は、入会画面の具体例である。サーバ10は、ユーザー又はネコの属性情報に基づいて、コミュニティグループを特定し、おすすめのコミュニティグループとしてユーザーを特定したコミュニティグループと関連付ける。携帯端末21は、コミュニティグループの名前と、加入条件と、目的と、ユーザーのネコが加入条件を満たすか否かの情報と、参加許否の入力ボタンと、を表示する。bの表示例は、ユーザーがコミュニティグループに参加し、チャットを行っている画面の具体例である。例えば、bのチャット画面では、同じコミュニティグループに属する他のユーザーとチャットや会話を行うことができる。
【0083】
図19は、ランキング作成の処理を示すシーケンス図である。なお、
図16で説明した処理に関しては、説明を省略する。まず、ステップS401~S405を実行する。次に、サーバ10は、ネコの属性情報に基づいて、健康状態を算出し、健康スコアを他のネコと比較した比較結果を出力する(ステップS501)。サーバ10は、比較結果に基づいて提示情報を特定する(ステップS502)。サーバ10は、提示情報を携帯端末21に送る(ステップS503)。携帯端末21は、ネコの健康状態及び提示情報の少なくとも一方を表示する(ステップS504)。携帯端末21は、情報表示指示を受信した場合(ステップS505)、ランキングリクエストをサーバ10に送る(ステップS506)。サーバ10は、ランキングリクエストを受信すると、健康スコアに基づいてグループ内のネコを順位付けする(ステップS507)。サーバ10は、順位付けしたネコの情報をランキングデータとして携帯端末21に送る(ステップS508)。携帯端末21は、受信した順位付けしたネコの情報をランキングとして表示する(ステップS509)。
【0084】
[変形例]
状態情報管理部305は、排泄行動測定値の増減の変化を偏微分することで、侵入の時間、排泄前の徘徊時間、排泄直前の停止状態の時間、排泄開始の時間、排泄終了の時間及び退出の時間の閾値を算出してもよい。
状態情報管理部305は、排泄動作検出部302から取得した排泄行動測定値の情報が所定の閾値を超える異常な値である場合、排泄時間情報の算出時に異常な値を排除してもよい。
【0085】
全体ネコ情報管理部345は、グルーピングを行ったユーザーに対し、生成したコミュニティグループへの招待を通知してもよい。全体ネコ情報管理部345は、グルーピングを行ったグループ内にユーザーが3人以上存在する場合、当該グループ内でさらにグルーピングを行い、コミュニティグループを生成してもよい。
【0086】
全体ネコ情報管理部345は、比較部325で判定した動物の健康状態に基づいて、第一ユーザー及び第二ユーザー、又は、第一動物及び第二動物に対してグルーピングを行い、コミュニティグループを生成してもよい。
【0087】
全体ネコ情報管理部345は、動物の属性情報に基づいて、ランキングを作成してもよい。例えば、全体ネコ情報管理部345は、年齢、病気、体重などの属性情報に基づいて、同一のコミュニティグループにグルーピングされた動物の属性情報に順位の情報を付与してもよい。また、全体ネコ情報管理部345は、比較部325で判定した動物の健康状態に基づいて、ランキングを作成してもよい。例えば、全体ネコ情報管理部345は、比較部325で判定された健康状態に基づいて、同一のコミュニティグループにグルーピングされた動物の属性情報に順位の情報を付与してもよい。なお、全体ネコ情報管理部345は、これらのランキングを作成する場合、同一のコミュニティグループ内で順位付けを行うだけでなく、動物情報データテーブルに登録された動物(グルーピング前の全動物)を対象に順位付けを行ってもよい。また、全体猫情報管理部345は、属性情報に基づいて、予め定められたルールに従って飼い主に対してゲームを提供してもよい。例えば、好ましい体重がより長い期間にわたって継続されるほど、操作対象のキャラクターがより強いステータスを取得するようなルールであってもよいし、操作対象のキャラクターがより多くの経験値を取得するようなルールであってもよい。
【0088】
状態情報管理部305は、動物の年齢に応じた内容の管理を行うように構成されてもよい。例えば、管理の対象となる動物が成長期として定義される所定の年齢である場合には、成長に関する情報を重点的に(より細かい情報単位で)管理してもよい。成長に関する情報の具体例として、体重の増加や、体の大きさを示す情報がある。例えば、管理の対象となる動物が、成長期が終了したとして定義される所定の年齢である場合には、健康に関する情報を重点的に管理してもよい。健康に関する情報の具体例として、体重の増減や、排泄に関する情報や給餌に関する情報がある。上述したコミュニティグループへのグルーピングにおいて、このような動物の年齢に応じたグルーピングが行われてもよい。
【0089】
このように、ゲームや、動物の年齢に応じた内容の管理やランキング等が行われることによって、より長い期間にわたって動物情報共有システム100を利用する動機を飼い主に対して与えることが可能となる。
【0090】
[第二実施形態]
図20は、本発明の第二実施形態に係る動物状態判定装置を含む動物情報共有システム100aの概略構成を示す図である。動物情報共有システム100aは、サーバ10a、ネットワーク30、動物用トイレ20-1、20-2、20-N、携帯端末21-1、21-2、21-N、給餌装置22-1、22-2、22-N及びコンシェルジュ端末60を含む。なお、“N”は1以上の整数である。以下、動物用トイレ20-1、20-2、20-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を動物用トイレ20と称する。携帯端末21-1、21-2、21-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を携帯端末21と称する。給餌装置22-1、22-2、22-Nのそれぞれを特に区別しない場合には任意の1台を給餌装置22と称する。動物情報共有システム100aは、さらに携帯端末40又はPC41を含んでもよい。飼い主は、自身の端末として、携帯端末21、携帯端末40及びPC41のいずれの装置を用いてもよい。以下の説明では、飼い主によって操作される携帯端末21、携帯端末40及びPC41をまとめて端末という。コンシェルジュ端末60を除く各装置は、基本的に第一実施形態と同様の構成である。
【0091】
コンシェルジュ端末60は、コンシェルジュによって操作される情報処理装置である。コンシェルジュは、飼い主によって行われる問い合わせに対する対応を行う者である。コンシェルジュは、動物情報共有システム100aのサービス提供者やその関係者による依頼に応じて上記対応を行ってもよいし、ボランティアとして上記対応を行ってもよい。また、コンシェルジュは、他の飼い主であってもよい。コンシェルジュ端末60は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、テレビ受像機、スマートスピーカー、ゲーム端末、セットトップボックス等どのような情報処理装置を用いて構成されてもよい。コンシェルジュ端末60は、コンシェルジュによる入力を受け付ける入力装置と、コンシェルジュに対する情報出力を行う出力装置と、通信を行う通信装置とを備える。コンシェルジュ端末60に設けられる入力装置は、キーボードであってもよいし、マウスやタッチパネル等のポインティングデバイスであってもよいし、音声入力を行うためのマイクであってもよい。コンシェルジュ端末60に設けられる出力装置は、画像を表示する表示装置であってもよいし、音声を出力するスピーカーであってもよい。
【0092】
第二実施形態における端末は、第一実施形態における端末が、さらにリクエスト処理を実行するように構成された装置である。端末は、飼い主によって操作されることによって、コンシェルジェに対する問い合わせに関する情報(以下「問い合わせ情報」という。)の入力を受け付ける。問い合わせ情報には、例えば問い合わせの種別を示す問い合わせ種別情報、問い合わせの対象となる猫の猫種を示す猫種ID、問い合わせの具体的な中身を示す詳細情報、問い合わせの手段を示す手段識別情報等の情報が含まれる。端末は、問い合わせ情報と、端末の位置を示す位置情報、飼い主の識別情報であるユーザーID等の情報を含む第一リクエスト情報を生成する。端末は、サーバ10aに対し第一リクエスト情報を送信する。また、第一リクエスト情報に、コンシェルジェを指定又は識別する情報が含まれていてもよい。
【0093】
第二実施形態におけるサーバ10aは、第一実施形態におけるサーバ10がさらにリクエスト対応処理を実行するように構成された装置である。リクエスト対応処理は、飼い主によって端末が操作されることに応じてコンシェルジェに対する問い合わせが行われた場合に、コンシェルジェに対して問い合わせを中継する処理である。コンシェルジェに対する問い合わせは、端末から第一リクエスト情報が送信されることによって行われる。サーバ10aのプロセッサ(例えばCPU)が所定のプログラムを実行することによって、リクエスト対応処理が実現される。
【0094】
第二実施形態におけるサーバ10aは、予めコンシェルジェDBを記憶していてもよい。この場合、サーバ10aは、リクエスト対応処理において、コンシェルジェDBに基づいて適切なコンシェルジェを選択してもよい。
【0095】
図21は、サーバ10aが記憶するコンシェルジェDBの具体例を示す図である。コンシェルジェDBの各レコードは、各コンシェルジェに関する情報を有する。コンシェルジェDBのレコードは、例えばコンシェルジェID、対応猫種ID、対応時間、対応地域、対応相談内容及び端末アドレスの各値を有する。コンシェルジェIDは、コンシェルジェを一意に示す識別情報である。対応猫種IDは、そのコンシェルジェが相談に対応することが可能な猫種を示す識別情報である。対応時間は、そのコンシェルジェが相談に対応することが可能な時間帯を示す情報である。対応地域は、そのコンシェルジェが相談に対応することが可能な地域を示す情報である。例えば、飼い主からある地域において猫を遊ばせることが可能な公園に関する問い合わせや、猫の病院に関する問い合わせや、猫のグッズを販売している店舗に関する問い合わせがあった場合に、対応地域内の施設(公園、病院、店舗など)についてそのコンシェルジェが問い合わせに対する対応が可能である。対応相談内容は、そのコンシェルジェが対応することが可能な相談の内容を示す情報である。端末アドレスは、そのコンシェルジェが使用するコンシェルジェ端末60のアドレスを示す情報である。端末アドレスが示すアドレス宛にデータを送信することによって、任意のコンシェルジェに対して情報を提示することができる。
【0096】
例えば、
図21の最上段のレコードは、“UC001”のコンシェルジェが、“UC011”、“US012”及び“UC013”の3種類の猫種に対して対応可能であり、時間帯としては9時~15時までの間に対応可能であり、東京に関する問い合わせに対応可能であり、“飼い方”、“不具合”及び“病院紹介”の相談に対応可能であり、アドレスAD1にデータを送信することによってこのコンシェルジェに対して情報を提示することができることを示している。なお、“不具合”とは、動物用トイレ20や餌やおやつ等飼い主が購入した物における不具合に関する問い合わせである。
【0097】
図22は、リクエスト対応処理の流れの具体例を示すフローチャートである。サーバ10aは、端末からリクエスト(例えば、後述する第一リクエスト情報)を受けると、リクエスト対応処理を開始する。まず、サーバ10aは、受信されたリクエストからユーザーIDを取得する。サーバ10aは、取得されたユーザーIDと同じユーザーIDを有するレコード(ユーザー情報)をユーザーDBから取得する(ステップS601)。また、サーバ10aは、受信されたリクエストに含まれる問い合わせ情報を取得する(ステップS602)。サーバ10aは、コンシェルジェDBを読み出すことによって、コンシェルジェ情報を取得する(ステップS603)。サーバ10aは、問い合わせ情報に基づいて、このリクエストに対応するコンシェルジェを選択する(ステップS604)。
【0098】
サーバ10aは、どのような基準に基づいてコンシェルジェを選択してもよい。以下、コンシェルジェの選択の基準について説明する。例えば、サーバ10aは、問い合わせ情報に含まれる猫種IDが示す猫種に対応可能なコンシェルジェとして予めコンシェルジェDBに登録されているコンシェルジェを選択してもよい。例えば、サーバ10aは、リクエスト対応処理を実行しているタイミングの時刻で対応可能なコンシェルジェとして予めコンシェルジェDBに登録されているコンシェルジェを選択してもよい。例えば、サーバ10aは、問い合わせ情報に含まれる地域情報が示す地域に関して対応可能なコンシェルジェとして予めコンシェルジェDBに登録されているコンシェルジェを選択してもよい。例えば、サーバ10aは、問い合わせ情報に含まれる問い合わせ種別が示す問い合わせの内容に対応可能なコンシェルジェとして予めコンシェルジェDBに登録されているコンシェルジェを選択してもよい。サーバ10aは、コンシェルジェDBに登録されている各値のうち、複数の値について条件を満たすコンシェルジェを選択してもよい。なお、リクエストを送信したユーザーや猫に関する情報は、例えば第一リクエスト情報に含まれる問い合わせ情報から取得してもよいし、ユーザーIDと対応づけてサーバ10aまたは他の記憶媒体に記憶された情報(例えば
図9(C)に示すユーザーDB等)を取得するようにしてもよい。
【0099】
サーバ10aは、第二リクエスト情報を生成する(ステップS605)。第二リクエスト情報には、少なくとも、問い合わせの具体的な中身を示す詳細情報が含まれる。第二リクエスト情報には、他にも、第一リクエスト情報に含まれた情報の一部又は全部が含まれてもよい。また、第二リクエスト情報には、第一リクエスト情報に含まれたユーザーIDに直接的又は間接的に対応付けてサーバ10aにおいて記憶されている情報が含まれてもよい。例えば、ユーザーIDに対応付けてユーザーDBに対応付けて記憶されている情報が第二リクエスト情報に含まれてもよい。例えば、ユーザーIDに対応付けられているネコIDに対応付けて各DBに登録されている情報が第二リクエスト情報に含まれてもよい。具体的には、ユーザーIDに対応する飼い主が飼っているネコ(問い合わせの対象となっているネコ)の体重や最近の排泄に関する情報や給餌に関する情報などが第二リクエスト情報に含まれてもよい。このような情報が第二リクエスト情報に含まれることによって、コンシェルジェ端末60に猫の体重や排泄等に関する情報が表示される。そのため、コンシェルジェが、これらの猫に関する情報を確認しながらより的確な回答を行うことが可能となる。
【0100】
サーバ10aは、選択されたコンシェルジェのレコードが示す端末アドレスに対して第二リクエスト情報を送信する(ステップS606)。
【0101】
図23は、第二実施形態の動物情報共有システム100aにおける、コンシェルジェに対する問い合わせの動作に関するシーケンスチャートである。飼い主が端末を操作してコンシェルジェ画面の表示を端末に指示すると、端末は画面にコンシェルジェ画面を表示する(ステップS701)。飼い主は、コンシェルジェ画面において端末をさらに操作することによって、問い合わせ情報を入力する(ステップS702)。
【0102】
図24は、コンシェルジェ画面の具体例を示す図である。
図24(a)は、コンシェルジェ画面の中でも初期画面の具体例を示す図である。
図24(b)は、コンシェルジェ画面の中でも手段選択画面の具体例を示す図である。
【0103】
飼い主が端末を操作してコンシェルジェ画面の表示を端末に指示すると、端末は最初に初期画面を表示する。初期画面では、コンシェルジェに対して問い合わせ可能な問い合わせ内容のカテゴリが複数表示される。
図24(a)の例では、“ペットの飼い方”、“ペット用品について”、“ペットの健康について”、“その他”及び“プレミアムコンシェルジェオーダーサービス”の5つのカテゴリを示すボタンがそれぞれ表示される。飼い主は、自身が希望するカテゴリを示すボタンを操作することによって、コンシェルジェに対する問合せをさらに進めることができる。
【0104】
コンシェルジェに対する問合せを進めていくと、端末は手段選択画面を表示する。手段選択画面では、コンシェルジェに対して問合せを行う際に利用可能な問合せ手段が複数表示される。
図24(b)の例では、“チャットで相談”、“電話で相談”及び“テレビ電話で相談”の3つの手段を示すボタンがそれぞれ表示される。飼い主は、自身が希望する手段を示すボタンを操作することによって、問合せ先となるコンシェルジェに対し通知される手段識別情報を決定することができる。
【0105】
端末は、ステップS702において入力された問い合わせ情報に基づいて、第一リクエスト情報を生成する。そして、端末は、生成された第一リクエスト情報を、サーバ10aに送信する(ステップS703)。サーバ10aは、第一リクエスト情報を受信すると、リクエスト対応処理を実行する(ステップS704)。リクエスト対応処理については、
図22を用いて説明したとおりである。リクエスト対応処理の実行によって、サーバ10aは選択されたコンシェルジェのコンシェルジェ端末60に対し、第二リクエスト情報を送信する(ステップS705)。
【0106】
コンシェルジェ端末60は、第二リクエスト情報を受信すると、受信された第二リクエスト情報に基づいて問い合わせ情報を表示する(ステップS706)。コンシェルジェは、表示された問い合わせ情報を閲覧し、自身が対応するか否か決定する。コンシェルジェは、対応すると決定した場合には、サービス開始指示をコンシェルジェ端末60に入力する(ステップS707)。コンシェルジェ端末60は、サービス開始指示が入力されると、対象となる問い合わせ情報が示す問い合わせに対応することを示す情報をサーバ10aに送信する。コンシェルジェ端末60と端末との間で、飼い主によって選択されていた手段を用いてサービス接続がなされる(ステップS708)。そして、飼い主に対してコンシェルジェによるサービスが提供される。
【0107】
図25は、チャット機能を用いてコンシェルジェによるサービスが提供された際に端末に標示されるチャット画面の具体例を示す図である。
図25(a)は、ペット用品についての問い合わせが行われた際に表示されるチャット画面の具体例を示す。
図25(b)は、ペットの健康についての問い合わせが行われた際に表示されるチャット画面の具体例を示す。
【0108】
図25(a)の例では、飼い主からコンシェルジェに対して、猫の体重の増加に関する相談がなされている。このような問い合わせに対し、コンシェルジェは、“○○フード”や“××フード”という具体的な商品名を挙げて回答を行っている。このようにコンシェルジェによって具体的な商品名が挙げられた場合、コンシェルジェ端末60は、入力された商品名に応じて、その商品を購入可能なウェブサイトへのリンクや、その商品を発注するためのボタンを含む発言を自動的に行ってもよい。なお、この発注するためのボタンは、そのボタンが選択されたとき、該当する○○フードを注文するためのWebサイトにアクセスするように構成してもよいし、チャット画面内、またはチャット画面を表示するアプリケーション内で注文ができる画面を表示してもよい。また、サーバ10aを利用したメッセージの送受信を行っている場合は、サーバ10aが、入力された商品名に応じて、その商品を購入可能なウェブサイトへのリンクや、その商品を発注するためのボタンを含む発言を自動的に行ってもよい。
【0109】
図25(b)の例では、飼い主からコンシェルジェに対して、猫の症状に関する相談がなされている。このような問い合わせに対し、コンシェルジェは、“AAクリニック”という具体的な医療機関名を挙げて回答を行っている。このようにコンシェルジェによって具体的な医療機関名が挙げられた場合、コンシェルジェ端末60は、入力された医療機関名に応じて、その医療機関のウェブサイトへのリンクや、その医療機関に対する問い合わせを行うためのボタンを含む発言を自動的に行ってもよい。このような問い合わせは、例えば電話で行われてもよいし、メール送信によって行われてもよいし、チャット等のメッセージアプリケーションによって行われてもよい。また、サーバ10aを利用したメッセージの送受信を行っている場合は、サーバ10aが、入力された医療機関名に応じて、その医療機関のウェブサイトへのリンクや、その医療機関に対する問い合わせを行うためのボタンを含む発言を自動的に行ってもよい。
他の例として、問い合わせに対する回答として、ペットホテル、他のペット製品(玩具や爪とぎ、食器、キャリーケース、ケージ等)、他の猫を飼う際に推奨される猫種または猫、里親、ペットショップ、定期健診、予防接種等であってもよい。
【0110】
図26は、チャット機能を用いてコンシェルジェによるサービスが提供される際にコンシェルジェ端末60に表示されるチャット画面の具体例を示す図である。
図26(a)は、ペット用品についての問い合わせが行われた際に表示されるチャット画面の具体例を示す。
図26(b)は、ペットの健康についての問い合わせが行われた際に表示されるチャット画面の具体例を示す。
【0111】
図26(a)の例では、飼い主からコンシェルジェに対して、猫の体重の増加に関する相談がなされている。コンシェルジェ端末60は、飼い主の発言において特定のキーワードが含まれている場合、そのキーワードに含まれているキーワードに予め対応付けられている回答候補をチャット画面に表示する。例えば、特定のキーワードの具体例には、“フード”、“食べ物”、“おやつ”等のキーワードがある。コンシェルジェ端末60は、これらの特定のキーワード毎に、1又は複数の回答候補を対応付けて予め記憶している。
図26(a)の具体例では、“フード”というキーワードに対し、“○○フード”、“××フード”及び“△△ツール”という3つの回答候補が記憶されている。コンシェルジェ端末60は、回答候補毎に、回答候補に関する情報(例えば、名称、商品概略、値段、発注のための情報)を記憶している。コンシェルジェ端末60は、“フード”に対応付けて記憶されているこれらの回答候補を示すボタンをチャット画面の一部の領域に表示する。コンシェルジェが回答候補のボタンを操作すると、コンシェルジェ端末60は、操作された回答候補に関する情報を示す発言をコンシェルジェの発言として行う。
図26(a)においてコンシェルジェが自身独自の発言とともに“○○フード”を選択した場合、
図25(a)に示されるチャット画面が端末において表示されてもよい。
また、回答候補の表示順を、チャット画面においてやり取りされたメッセージの内容から提案される可能性が高い順に並べて表示してもよい。例えば、病院の例であれば、ユーザーの住所ないし端末の位置情報が示す位置に近い順に表示したり、フードの例であれば、ユーザーが購入しているフードの製造元と同じ製造元のフードや、猫の年齢、体重、対象となる健康状態(肥満や病気の傾向等)などが近しいフードを表示したりしてもよい。ユーザーが購入しているフードの製造元は、例えばユーザーの過去の購入履歴等の情報に基づいて判断されてもよい。この場合、サーバ10a又は他の電子ショッピングサーバにおいて記録されているユーザーの過去の購入履歴情報が用いられてもよい。
【0112】
このように回答候補として表示される各商品は、予めサービス提供者(動物情報共有システム100の提供者やサーバ10aの管理者など)によって選別された商品であることが望ましい。サービス提供者が商品を提供する主体であれば、自身が提供している商品のみを回答候補として予め登録しておいてもよい。その上でこのように回答候補として各商品がコンシェルジェに提供されることによって、予め選別された商品のみをコンシェルジェが飼い主に対して紹介することが可能となる。この場合、紹介された商品に関してサービス提供者やコンシェルジェと飼い主との間でトラブルが生じてしまうことを未然に防止することが可能となる。また、回答候補の表示処理をコンシェルジェ端末60ではなく、サーバ10aが実行し、コンシェルジェ端末60に表示させてもよい。
【0113】
図26(b)の例では、飼い主からコンシェルジェに対して、猫の症状に関する相談がなされている。コンシェルジェ端末60は、飼い主の発言において特定のキーワードが含まれている場合、そのキーワードに含まれているキーワードに予め対応付けられている回答候補をチャット画面に表示する。例えば、特定のキーワードの具体例には、“ぐったり”、“食欲不振”、“嘔吐”等のキーワードがある。コンシェルジェ端末60は、これらの特定のキーワード毎に、1又は複数の回答候補を対応付けて予め記憶している。
図26(b)の具体例では、“ぐったり”というキーワードに対し、“AAクリニック”、“BB動物病院”及び“CC医院”という3つの回答候補が記憶されている。コンシェルジェ端末60は、回答候補毎に、回答候補に関する情報(例えば、施設名、施設概略、休診日、連絡先へのリンク)を記憶している。コンシェルジェ端末60は、“ぐったり”に対応付けて記憶されているこれらの回答候補を示すボタンをチャット画面の一部の領域に表示する。コンシェルジェが回答候補のボタンを操作すると、コンシェルジェ端末60は、操作された回答候補に関する情報を示す発言をコンシェルジェの発言として行う。
図26(b)においてコンシェルジェが自身独自の発言とともに“AAクリニック”を選択した場合、
図25(b)に示されるチャット画面が端末において表示されてもよい。
【0114】
このように回答候補として表示される各施設には、予めサービス提供者(動物情報共有システム100の提供者やサーバ10aの管理者など)との間で所定の契約が行われていることが望ましい。その上でこのように回答候補として各施設がコンシェルジェに提供されることによって、予め所定の契約がなされた施設をコンシェルジェが飼い主に対して紹介することが可能となる。この場合、紹介された施設とサービス提供者や飼い主との間でトラブルが生じてしまうことを未然に防止することが可能となる。また、回答候補の代わりに、問い合わせを転送する転送先情報を表示してもよい。コンシェルジェと飼い主との間で質問・回答を繰り返されたとき、コンシェルジェがわからない或いはコンシェルジェよりも専門的な回答が可能な人物またはシステム(AIチャットボット等)が存在する場合がある。そのような場合に、お勧めする転送先の情報を表示しコンシェルジェに選択させることで、コンシェルジェがより適切な回答者を選択できると共に、飼い主の所望する回答を得られる可能性がある。なお、転送先の回答者との接続方法は、コンシェルジェが転送先の回答者とメッセージまたは音声などでコミュニケーションをとれるようにしてもよいし、飼い主が転送先の回答者と直接メッセージまたは音声などでコミュニケーションをとれるようにしてもよい。
【0115】
以上のように構成された第二実施形態の動物情報共有システム100aによれば、飼い主に対してコンシェルジェによるサービスを提供することが可能となる。このようなコンシェルジェサービスの提供により、以下のような効果が期待できる。
【0116】
まず、飼い主が誰かに問い合わせたいと考えている不安や疑問や不満などを、サーバ10aを介して容易にコンシェルジェに対して問い合わせることができる。そのため、飼い主が抱いている不安や疑問や不満を解消することが可能となる。その結果、サービスや商品を提供している主体にとって、顧客満足度を向上させることが可能となる。
【0117】
また、飼い主にとって上述したような不安や疑問や不満は、継続的又は断続的に生じうるものであり、長期にわたってこのようなコンシェルジェサービスのニーズが生じる可能性が高い。そのため、このようなコンシェルジェサービスを提供することによって、動物用トイレ20や給餌装置22を含む動物情報共有システム100をより長く継続的に使用する動機を飼い主に対して提供することが可能となる。
【0118】
[変形例]
コンシェルジェに対する問合せのうち、一部の種類の問合せは、他の種類の問合せとは異なる条件で提供されてもよい。例えば、一部の種類の問合せは有償で提供され、他の種類の問合せは無償で提供されてもよい。例えば、一部の種類の問合せは原則有償であるものの、所定の条件を満たした飼い主(例えば、一定期間内に特定の商品を購入するなど)には無償で提供され、他の種類の問合せは上記条件にかかわらず無償で提供されてもよい。一定期間内に特定の商品が購入されたことは、例えば特定の商品に予め付与されているバーコードが端末によって読み込まれてサーバ10aに送信されることによってサーバ10aに通知されてもよい。サーバ10aは、予め特定の商品に付与されるバーコードに関する情報を記憶しており、特定の商品のバーコードの送信元であるユーザーIDを特定し、上記の所定の条件が満たされたことを判定してもよい。
【0119】
コンシェルジェに対する問い合わせのカテゴリとして、複数のタイプの問い合わせが定義されてもよい。例えば、“相談タイプ”と“代行タイプ”とが定義されてもよい。相談タイプは、コンシェルジェに対して不安、不満や困り事について相談を行うタイプのカテゴリである。代行タイプは、コンシェルジェに対して手続の代行を依頼するタイプのカテゴリである。例えば、コンシェルジェに対してペットホテルの予約を依頼することや、商品の購入を依頼することは、代行タイプのカテゴリの問い合わせの具体例である。このような相談タイプと代行タイプとで、上記のように有償と無償とが分けられてもよい。
【0120】
図27は、第一変形例に係るシステム構成を示す図である。第一変形例では、コンシェルジェ端末60に代えて応答装置70が設けられる。コンシェルジェがコンシェルジェ端末60を操作して回答することに代えて、応答装置70がコンシェルジェとして飼い主に対して回答を行ってもよい。この場合、応答装置70は、例えば過去にコンシェルジェに対して行われた問い合わせの内容と、それに対してコンシェルジェによって行われた回答の内容と、を教師データとして用いることにより予め機械学習を行い、学習結果を記憶していてもよい。応答装置70は、新たに与えられた問い合わせに対し、学習結果に基づいて回答を決定してもよい。なお、応答装置70はサーバ10aに含まれても良い。
【0121】
図28は、第一変形例に係るシステムの処理の流れを示すシーケンスチャートの具体例を示す図である。
図23と同じ処理については同じ符号を付して説明を省略する。ステップS705において、サーバ10aは、第二リクエスト情報を応答装置70に送信する。応答装置70は、第二リクエスト情報を受信すると、第二リクエスト情報から問い合わせ情報を取得する(ステップS801)。応答装置70は、問い合わせの種別毎に複数の応答モデルを記憶していてもよい。この場合、応答装置70は、取得された問い合わせ情報に応じて、使用する応答モデルを決定する(ステップS802)。そして、応答装置70は、端末との間でサービス接続を行い(ステップS803)、選択された応答モデルを利用して飼い主に対して回答を行う。
【0122】
図29は、第二変形例に係るシステム構成を示す図である。第二変形例では、飼い主によって使用される端末として、スマートスピーカー42がさらに備えられる。このように、飼い主はスマートスピーカー42を用いることによってコンシェルジェに対する問い合わせを行ってもよい。また、飼い主は、複数種類の端末を用いて問い合わせを行ってもよい。例えば、飼い主は、第一リクエスト情報の送信までをスマートスピーカー42を使用して行い、サービス接続は携帯端末40又はPC41を使用して行ってもよい。例えば、飼い主は、第一リクエスト情報の送信までを携帯端末40又はPC41を使用して行い、サービス接続はスマートスピーカー42を使用して行ってもよい。
【0123】
動物用トイレ20は、室温を計測する温度計を備えてもよい。この場合、問い合わせに用いられている端末は、動物用トイレ20によって測定された室温の情報を、第一リクエスト情報に含めてサーバ10aに送信してもよい。また、動物用トイレ20によって測定された室温の情報が、ユーザーIDと対応付けてルータ50を介してサーバ10aに送信されてもよい。そして、サーバ10aに送信された室温の情報が、第二リクエスト情報の一部としてコンシェルジェに送信されてもよい。コンシェルジェは、室温を鑑みて問い合わせに回答することが可能となる。
【0124】
第二実施形態は、動物用トイレ20、携帯端末21及び給餌装置22のいずれか一つ又は複数(全部を含む)を備えないように構成されてもよい。
【0125】
上述した実施形態における動物情報共有システムの処理をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0126】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0127】
10、10a サーバ
20 動物用トイレ
21、40 携帯端末
22 給餌装置
30 ネットワーク
41 PC
60 コンシェルジェ端末
70 応答装置
100,100a 動物情報共有システム
301 排泄検出部
302 排泄動作検出部
303 ネコID取得部
305 状態情報管理部
306 状態情報出力部
312 フード重量検出部
313 水重量検出部
314 ネコID取得部
316 給餌情報管理部
317 給餌情報出力部
321 状態情報受信部
322 給餌情報受信部
323 判定情報取得部
324 個別ネコ情報管理部
325 比較部
326 比較結果出力部
327 ネコ情報出力部
328 ユーザー情報登録部
329 ユーザー情報出力部
330 ネコ属性情報登録部
331 ネコ属性情報出力部
332 トイレ情報登録部
333 トイレ情報出力部
341 ネコ情報受信部
342 ユーザー情報受信部
343 ネコ属性情報受信部
344 トイレ情報受信部
345 全体ネコ情報管理部
346 登録情報管理部
347 判定情報提供部
348 ネコ情報提供部