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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-04
(45)【発行日】2024-03-12
(54)【発明の名称】化粧料用乳化組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/87 20060101AFI20240305BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20240305BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240305BHJP
【FI】
A61K8/87
A61K8/06
A61Q19/00
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019131818
(22)【出願日】2019-07-17
(65)【公開番号】P2020023478
(43)【公開日】2020-02-13
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】P 2018143331
(32)【優先日】2018-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000000387
【氏名又は名称】株式会社ADEKA
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(72)【発明者】
【氏名】安谷 聡人
(72)【発明者】
【氏名】中島 和哉
【審査官】▲高▼ 美葉子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/125392(WO,A1)
【文献】再公表特許第2018/043374(JP,A1)
【文献】特表2011-515426(JP,A)
【文献】Moist Aloe Transforming Sleeping Pack,ID 4199457,Mintel GNPD[online],2016年8月,[検索日2023.05.15],インターネット<https://www.portal.mintel.com>
【文献】Mask Cream,ID 3256137,Mintel GNPD[online],2015年6月,[検索日2023.05.15],インターネット<https://www.portal.mintel.com>
【文献】Concentrated Brightening Eye Serum,ID 2959007,Mintel GNPD[online],2015年2月,[検索日2023.05.16],インターネット<https://www.portal.mintel.com>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
CAplus/BIOSIS/MEDLINE/KOSMET(STN)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数6の直鎖アルキル基又は炭素数6の環状アルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルからなる成分(A)と、会合性ウレタンからなる成分(B)と、を含有する、油中水型乳化物である化粧料用乳化組成物であって、
成分(A)の含有量が、化粧料用乳化組成物全量に対し、0.1~5.0質量%であり、
成分(B)の含有量が、化粧料用乳化組成物全量に対し、0.1~3.0質量%であり、
水相を構成する成分の合計質量と油相を構成する成分の合計質量との質量比が60:40~90:10(質量比の合計は100)であり、
成分(B)が、下記の一般式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンからなる、
化粧料用乳化組成物
【化1】
(式中、R 、R 、R 及びR はそれぞれ独立して炭素数8~14の炭化水素基を表し、R 、R 及びR はそれぞれエチレン基を表し、R 及びR はそれぞれへキシレン基を表し、a及びcはそれぞれ独立して10~100の数を表し、bは100~500の数を表し、dは0~10の数を表す。)
【請求項2】
成分(A)がシクロヘキシルグリセリルエーテルを含む、請求項1に記載の化粧料用乳化組成物。
【請求項3】
化粧料用乳化剤組成物の成分(A)1質量部に対して、成分(B)が0.01~5質量部である請求項1又は2に記載の化粧料用乳化組成物。
【請求項4】
さらに成分(C)としてポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧料用乳化組成物。
【請求項5】
化粧料用乳化組成物の油相がシリコーン油を含む、請求項1~のいずれか一項に記載の化粧料用乳化組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用性、使用感および透明性に優れる化粧料用乳化組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
スキンケア化粧料やメイクアップ化粧料には通常、のびやすさやなめらかさといった使用性や、使用時のしっとり感やふっくら感といった使用感を向上させるために、油中水型乳化組成物や水中油型乳化組成物といった乳化組成物が用いられている。またこのような乳化組成物においては、使用者に与える印象や外観調整による機能追加を可能とする観点から、透明性が高いことも使用者等から求められている。
【0003】
特許文献1には、透明感に優れるとともに、べたつかずしっとりとした使用感触を有し、安定性に優れた油中水型乳化ベースメーキャップ化粧料として、揮発性油分、疎水性粉末、両親媒性会合性増粘剤を含有する化粧料が記載されている。また特許文献2には、べたつきにくく、化粧膜が均一性で、塗布時ならびに経時で毛穴落ちしにくく、メイクアップ時の仕上がりを損なうことのない品質を有する化粧料として、揮発性油剤、シリコーン界面活性剤、疎水性粉体、部分架橋型オルガノポリシロキサン重合物、疎水変性ポリエーテルウレタンを含有する油中水型乳化化粧料が記載されている。
【0004】
ところで近年では、抗菌防腐剤として化粧料用組成物に従来使用されていたが皮膚刺激性が非常に強いことから使用が好まれなくなったパラベン類の代替品として、2-エチルヘキシルグリセリルエーテルやn-ヘキシルグリセリルエーテル等のグリセリルエーテル化合物が注目を集めている。グリセリルエーテル化合物は、抗菌性を有し、パラベン類と比較して皮膚への刺激性が低く、人体に対する安全性が高いことから、近年多くの用途で使用され始めている(例えば、特許文献3~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-111634号公報
【文献】特開2017-186322号公報
【文献】特開2015-086159号公報
【文献】特開2011-057647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の通り、化粧料の使用性や使用感を向上させるための乳化組成物が各種開発されているものの、依然として使用性、使用感および外観透明性といった各種の性能を使用者が求める水準ですべて満たす化粧料用乳化組成物はなく、さらなる改善が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明者等は鋭意検討し、本発明に至った。即ち、本発明は、炭素数6~8のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルからなる成分(A)と、会合性ウレタンからなる成分(B)と、を含有することにより、使用性や使用感を飛躍的に向上させ、かつ透明性に優れる化粧料用乳化組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、使用性、使用感および外観透明性といった各種の性能を使用者が求める水準ですべて満たす化粧料用乳化組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、使用性、使用感および透明性に優れる化粧料用乳化組成物に関する。具体的には、炭素数6~8のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルからなる成分(A)と、会合性ウレタンからなる成分(B)と、を含有する化粧料用乳化組成物である。
【0010】
炭素数6~8のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルとしては、炭素数6~8の直鎖アルキル基、炭素数6~8の分岐アルキル基又は炭素数6~8の環状アルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。炭素数6~8のアルキル基としては具体的には、例えば、ヘキシル基、2級ヘキシル基、ヘプチル基、2級ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、2級オクチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘプチル基等が挙げられる。炭素数が6未満の場合は所望の使用性、使用感が得られない場合があり、また抗菌性が低下する観点からも好ましくない。一方、炭素数が8を超えると水に対する溶解性が悪くなり、化粧料の外観透明性が悪くなる。また肌への刺激性が強くなる場合があることからも好ましくない。これらの直鎖アルキル基、分岐アルキル基又はシクロアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルは、単独で用いてもよいし、又は2種以上を用いてもよい。成分(A)は、成分(B)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感を飛躍的に向上させることができる。
【0011】
このような化合物の中でも、成分(A)としては、成分(B)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感を飛躍的に向上させる観点からは、炭素数6~8の直鎖アルキル基又は炭素数6~8の環状アルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルが好ましく、炭素数6の直鎖アルキル基または炭素数6の環状アルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルがより好ましい。本発明の効果が得られやすく、さらに抗菌防腐性の発揮も期待できる観点から、成分(A)が炭素数6の環状アルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルを含むことが好ましい。
【0012】
成分(A)の配合量は特に制限されないが、化粧料用乳化組成物の透明性をより向上させる観点から、含有量が化粧料用乳化組成物全量に対し、0.01~10質量%であることが好ましく、0.1~5.0質量%であることがより好ましく、0.5~4.0質量%であることがさらに好ましく、1.0~3.0質量%であることがさらにより好ましく、1.2~2.5質量%であることが特に好ましい。
【0013】
さらに成分(A)は、抗菌防腐性を有することが知られていることから、本発明の化粧料用乳化組成物は高い抗菌防腐性を有することが期待できる。化粧料用乳化組成物に高い抗菌防腐性を付与する観点からは、成分(A)の配合量は、化粧料用乳化組成物全量に対し0.5~4.0質量%であることが好ましく、1.0~3.0質量%であることがより好ましい。
【0014】
本発明の成分(B)である会合性ウレタンとは、親水基部を骨格とし、末端に疎水性部分をもつウレタン系コポリマーである。会合性ウレタンは、水溶性媒体中でコポリマーの疎水性部分同士が会合し、親水部がループ状、ブリッジ状をなし、増粘作用を示すと考えられる。このような会合性ウレタンとしては特に制限されないが、例えば、特開平06-340805号公報、特表2011-520003号公報に記載の化合物等が挙げられる。
【0015】
成分(B)としては、成分(A)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感をより高める観点からは、下記の一般式(I)で表される疎水変性ポリエーテルウレタンを含むことが好ましい。
【0016】
【化1】
【0017】
式中、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表し、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2~4の2価の炭化水素基を表し、R及びRはそれぞれ独立して炭素数3~16の2価の炭化水素基を表し、a及びcはそれぞれ独立して10~100の数を表し、bは100~500の数を表し、dは0~10の数を表す。このような疎水変性ポリエーテルウレタンとしては例えば、国際公開第2018/043374号に記載の化合物が挙げられる。
【0018】
一般式(I)において、R、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1~20の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、t-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、分岐鎖ペンチル基、第2級ペンチル基、第3級ペンチル基、n-ヘキシル基、分岐鎖ヘキシル基、第2級ヘキシル基、第3級ヘキシル基、n-ヘプチル基、分岐鎖ヘプチル基、第2級ヘプチル基、第3級ヘプチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基、分岐鎖オクチル基、第2級オクチル基、第3級オクチル基、n-ノニル基、分岐鎖ノニル基、第2級ノニル基、第3級ノニル基、n-デシル基、分岐鎖デシル基、第2級デシル基、第3級デシル基、n-ウンデシル基、分岐鎖ウンデシル基、第2級ウンデシル基、第3級ウンデシル基、n-ドデシル基、分岐鎖ドデシル基、第2級ドデシル基、第3級ドデシル基、n-トリデシル基、分岐鎖トリデシル基、第2級トリデシル基、第3級トリデシル基、n-テトラデシル基、分岐鎖テトラデシル基、第2級テトラデシル基、第3級テトラデシル基、n-ペンタデシル基、分岐鎖ペンタデシル基、第2級ペンタデシル基、第3級ペンタデシル基、n-ヘキサデシル基、分岐鎖ヘキサデシル基、第2級ヘキサデシル基、第3級ヘキサデシル基、n-ヘプタデシル基、分岐鎖ヘプタデシル基、第2級ヘプタデシル基、第3級ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、分岐鎖オクタデシル基、第2級オクタデシル基、第3級オクタデシル基、n-ノナデシル基、分岐鎖ノナデシル基、第2級ノナデシル基、第3級ノナデシル基、n-イコシル基、分岐鎖イコシル基、第2級イコシル基、第3級イコシル基などの飽和脂肪族炭化水素基;1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-ヘプテニル基、6-ヘプテニル基、1-オクテニル基、7-オクテニル基、8-ノネニル基、1-デセニル基、9-デセニル基、10-ウンデセニル基、1-ドデセニル基、4-ドデセニル基、11-ドデセニル基、12-トリデセニル基、13-テトラデセニル基、14-ペンタデセニル基、15-ヘキサデセニル基、16-ヘプタデセニル基、1-オクタデセニル基、17-オクタデセニル基、1-ノナデセニル基、1-イコセニル基などの不飽和脂肪族炭化水素基;
【0019】
フェニル基、トルイル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ベンジル基、フェネチル基、スチリル基、シンナミル基、ベンズヒドリル基、トリチル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ウンデシルフェニル基、ドデシルフェニル基、スチレン化フェニル基、p-クミルフェニル基、フェニルフェニル基、ベンジルフェニル基、α-ナフチル基、β-ナフチル基などの芳香族炭化水素基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、メチルシクロヘプチル基、メチルシクロオクチル基、4,4,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、1,3-ジブチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、アダマンチル基、1-シクロブテニル基、1-シクロペンテニル基、3-シクロペンテニル基、1-シクロヘキセニル基、3-シクロヘキセニル基、3-シクロヘプテニル基、4-シクロオクテニル基、2-メチル-3-シクロヘキセニル基、3,4-ジメチル-3-シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。
【0020】
、R、R及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。中でも、本発明の効果が得られやすい疎水変性ポリエーテルウレタンが得られ、原料の調達及び製造が容易であることから、炭素数1~20の飽和脂肪族炭化水素基及び不飽和脂肪族炭化水素基が好ましく、炭素数1~20の飽和脂肪族炭化水素基がより好ましく、炭素数5~18の飽和脂肪族炭化水素基が更に好ましく、炭素数8~14の飽和脂肪族炭化水素基が更により好ましく、炭素数10~12の飽和脂肪族炭化水素基が最も好ましい。具体的にR及びRがデシル基、かつR及びRがドデシル基であることが好ましい。
【0021】
一般式(I)において、R、R及びRはそれぞれ独立して炭素数2~4の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、エチレン基;プロパン-1,3-ジイル(直鎖プロピレン)基;プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基などの分岐鎖プロピレン基;ブタン-1,4-ジイル基、ブタン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、ブタン-2,3-ジイル基、ブタン-1,1-ジイル基、ブタン-2,2-ジイル基などの直鎖ブチレン基;2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基などの分岐鎖ブチレン基などが挙げられる。中でも、本発明の効果が得られやすい化合物が得られることから、炭素数2~4の2価の直鎖の炭化水素基が好ましく、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル(直鎖プロピレン)基がより好ましく、エチレン基が更に好ましい。なお、Rは、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、Rもまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよく、Rもまた、全て同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0022】
一般式(I)において、R及びRはそれぞれ独立して炭素数3~16の2価の炭化水素基を表す。該炭化水素基としては、例えば、炭素数3~16の2価の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基又は脂環式炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基は、炭素数3~16の範囲内であればいずれでもよいが、製造が容易であり且つ原料の入手が容易であることから、ジイソシアネート化合物から、2つのイソシアネート基を除いた基であることが好ましい。ジイソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2-ジメチルペンタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、水添キシリレンジイソシアネート(水添XDI)及び2,4,4(又は2,2,4)-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)などの脂肪族ジイソシアネート;トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トルイジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)及びナフタレンジイソシアネート(NDI)などの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。具体的には、R及びRはそれぞれ炭素数6の炭化水素基が好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネートから2つのイソシアネート基を除いた基、つまり、へキシレン基であることがより好ましい。
【0023】
一般式(I)において、a及びcはそれぞれ独立して10~100の数を表す。中でも、本発明の効果が得られやすく、原料の製造又は入手が容易であることから12~50であることが好ましく、15~30であることがより好ましい。具体的に、a及びcはそれぞれ20であることが好ましい。
【0024】
一般式(I)において、bは、100~500の数を表す。中でも、本発明の効果が得られやすい疎水変性ポリエーテルウレタンが得られることから、120~450であることが好ましく、150~400であることがより好ましく、180~350であることが更に好ましく、200~300であることが最も好ましい。具体的に、bは240であることが好ましい。
【0025】
一般式(I)において、dは、0~10の数を表す。中でも、本発明の効果が得られやすい疎水変性ポリエーテルウレタンが得られることから、0~8であることが好ましく、0~6であることがより好ましい。なお、dが0である疎水変性ポリエーテルウレタンは、dが1~10である疎水変性ポリエーテルウレタンと併用することでゲル化促進剤のような働きを示す。ゆえに、より発明の効果が得られやすくなることから、dが0である疎水変性ポリエーテルウレタンとdが1~10である疎水変性ポリエーテルウレタンの混合物であることが更に好ましく、dが0である疎水変性ポリエーテルウレタンとdが1~8である疎水変性ポリエーテルウレタンの混合物であることが更により好ましく、dが0である疎水変性ポリエーテルウレタンとdが1~6である疎水変性ポリエーテルウレタンの混合物であることが最も好ましい。更に詳しくは、(dが1~10である疎水変性ポリエーテルウレタン)と(dが0である疎水変性ポリエーテルウレタン)の質量比が、95:5~85:15の割合で混合された疎水変性ポリエーテルウレタンであれば、本発明の効果を最大限に発揮することが可能となる。
【0026】
成分(B)の含有量は特に限定されないが、化粧料用乳化組成物の使用性、使用感をより高める観点からは、化粧料用乳化組成物全量に対し、0.01~5.0質量%であることが好ましく、0.1~3.0質量%であることがより好ましく、0.2~2.0質量%であることがさらに好ましい。
【0027】
また、化粧料用乳化組成物中の成分(A)と成分(B)の含有量の質量比は特に限定されないが、成分(A)は、成分(B)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感を飛躍的に向上させる観点からは、成分(A)1質量部に対し、成分(B)が0.01~5質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがより好ましく、0.2~1質量部であることがさらに好ましく、0.3~0.5質量部であることがさらにより好ましい。
【0028】
本発明の化粧料用乳化組成物は、さらに成分(C)としてポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を含有していてもよい。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、主鎖であるシリコーン鎖と、変性により導入されたポリエーテル鎖とを有するポリマーからなる界面活性剤である。シリコーン鎖は、直鎖状のシリコーン鎖であってもよく、分岐鎖状のシリコーン鎖であってもよい。ポリエーテル鎖としては、ポリエチレングリコール(PEG)鎖、ポリプロピレングリコール(PPG)鎖等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、変性により導入された炭素数8~22のアルキル鎖を更に有していてもよい。化粧料用乳化組成物がポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を含有することにより、化粧料用乳化組成物の使用性が向上し、さらに乳化安定性が向上する傾向にある。化粧料用乳化組成物は、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を1種単独で含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。なお、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤は、架橋型オルガノポリシロキサン重合物に該当するものを含まない。
【0029】
ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、具体的には、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-19/19ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-21メチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、化粧料用乳化組成物の使用性および使用感の観点から、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコンおよびPEG/PPG-19/19ジメチコンから選ばれる少なくとも1種であることがより好ましく、PEG/PPG-19/19ジメチコンがさらに好ましい。
【0030】
またポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤のHLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)値は、化粧料用乳化組成物の乳化安定性の観点からは、1~10であることが好ましく、2~8であることがより好ましい。本明細書において、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤のHLB値は、分子量及びエチレンオキサイド基の個数からグリフィン法により求めた値である。市販品を用いる場合には、カタログ等に記載されたHLB値をそのまま適用することができる。
【0031】
成分(C)であるポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤の含有量は特に限定されないが、化粧料用乳化組成物の使用性および使用感の観点から、化粧料用乳化組成物全量に対し、0.01~4.0質量%であることが好ましく、0.1~3.0質量%であることがより好ましく、0.2~2.0質量%であることがさらに好ましく、0.5~1.5質量%であることがさらにより好ましい。
【0032】
化粧料用乳化組成物が成分(C)を含有する場合、成分(C)を成分(A)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感を飛躍的に向上させる観点からは、化粧料用乳化組成物中の成分(A)と成分(C)の含有量の質量比は成分(A)1質量部に対して、成分(C)が0.01~5質量部であることが好ましく、0.1~2質量部であることがより好ましく、0.2~1質量部であることがさらに好ましく、0.3~0.8質量部であることがさらにより好ましい。
【0033】
また、成分(C)を成分(B)と併用することで化粧料用乳化組成物の使用性、使用感を飛躍的に向上させる観点からは、化粧料用乳化組成物中の成分(B)と成分(C)の含有量の質量比は、成分(B)1質量部に対して、成分(C)が0.1~10質量部であることが好ましく、0.2~5質量部であることがより好ましく、0.4~3質量部であることがさらに好ましく、0.5~2質量部であることがさらにより好ましい。
【0034】
本発明の化粧料用乳化組成物は、さらにグリセリンを含有していてもよい。化粧料用乳化組成物がグリセリンを含有する場合、グリセリンの含有量は、化粧料用乳化組成物全量に対し1~40質量%であることが好ましく、5~35質量%であることがより好ましく、10~30質量%であることがさらに好ましい。化粧料用乳化組成物がグリセリンを含有することで、化粧料用乳化組成物の透明性が特に向上するため好ましいが、40質量%を超えて含有すると、使用感が低下する場合があり好ましくない。
【0035】
本発明の化粧料用乳化組成物は、さらに低級アルコールを含有していてもよい。低級アルコールとしては例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。化粧料用乳化組成物が低級アルコールを含有してなる場合、低級アルコールの含有量は0.1~20質量%であることが好ましく、1~15質量%であることがより好ましく、2~10質量%であることがさらに好ましい。本発明においては、低級アルコールとしてエタノールをこの範囲で含有することで、特に使用感に優れる化粧料用乳化組成物を得ることができるため好ましい。
【0036】
本発明の化粧料用乳化組成物は、化粧料用乳化組成物中の使用性および使用感を特に高める観点から、グリセリンおよびエタノールを含むことが好ましい。このとき、化粧料用乳化組成物中の成分(A)、グリセリン、エタノールの質量比は、成分(A)1質量部に対して、グリセリンが1~40質量部、エタノールが0.5~10質量部であることが好ましく、グリセリンが2~20質量部、エタノールが1~5質量部であることがより好ましく、グリセリンが5~15質量部、エタノールが2~4で質量部あることがさらに好ましい。
【0037】
本発明の化粧料用乳化組成物の、水相を構成する成分の合計質量と油相を構成する成分の合計質量との質量比は特に限定されないが、質量比が10:90~95:5(質量比の合計は100)であることが好ましい。本発明の化粧料用乳化組成物において、油相を構成する成分の合計質量は、後述するような各種油性成分の合計質量として算出することができ、また化粧料用乳化組成物の全質量から油性成分の合計質量を減算することで水相を構成する成分(水性成分)の合計質量を求めることができ、それぞれの質量から水相を構成する成分の合計質量と油相を構成する成分の合計質量との質量比を求めることができる。本発明において、水相を構成する成分の合計質量と油相を構成する成分の合計質量との質量比がこのような範囲であることによって、本発明の化粧料用乳化組成物は、成分(A)および成分(B)により使用性、使用感および外観透明性を特に向上させることができる。
【0038】
本発明の化粧料用乳化組成物の油相を構成する成分としては、一般に化粧料に用いられる油性成分であれば特に限定されず、固体、半固体、液体(動物油、植物油、鉱物油、合成油等)の油性成分を指す。このような油性成分としては例えば、通常化粧品一般に使用される油脂、ロウ、炭化水素油、エステル油、フッ素系油、シリコーン油、高級脂肪酸、高級アルコール等を挙げることができる。
【0039】
油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、カカオ脂、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ローズマリー油、カミツレ油、ユーカリ油、米胚芽油、γ-オリザノール、植物性セラミド(グリコシルセラミド)、カロット油、ヨクイニンエキス、スギナエキス、アルニカエキス、カモミラエキス、シコンエキス、シナノキエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セジエキス、トウキエキス、マロニエエキス、モモ葉エキス、ローズマリーエキス、ハトムギエキス、ビワエキス、ボラージ油、月見草油等が挙げられる。
【0040】
ロウとしては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0041】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0042】
エステル油としては、例えば、合成エステル類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル類等が挙げられ、具体的には、アジピン酸ジイソブチル、イソステアリン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、トリオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸ジステアリル、カプリン酸グリセリル等が挙げられる。
【0043】
フッ素系油としては、例えば、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン、パーフルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0044】
シリコーン油としては、液状、ゲル状、膨潤性のシリコーン化合物であれば特に限定されず、鎖状ポリシロキサン、環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、ジメチコンクロスポリマ―等が挙げられる。より具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シクロペンタシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、フェニルトリメチコン、ジフェニルジメチコン、フェニルジメチコン、カプリリルメチコン、ラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、ジメチコン/フェニルビニルジメチコンクロスポリマー等が挙げられる。
【0045】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール油脂肪酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0046】
高級アルコールとしては、炭素数が8~30の炭化水素基(直鎖もしくは分岐鎖状で、飽和もしくは不飽和)を持つ1価のアルコールが挙げられる。より具体的には、例えば、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、オクチルドデカノール、キミルアルコール、デシルテトラデカノール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナービルアルコール、セリルアルコール等が挙げられる。
【0047】
本発明において油相を構成する油性成分としては、これらの油性成分の1種又は2種以上を使用することができる。また本発明の化粧料用乳化組成物の使用性および使用感の観点から、油相を構成する油性成分としてシリコーン油を含むことが好ましい。また前述したシリコーン油の中でも、使用性および使用感の観点から、鎖状ポリシロキサンおよび環状ポリシロキサンから選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、鎖状ポリシロキサンおよび環状ポリシロキサンをそれぞれ少なくとも1種以上含むことがさらに好ましい。鎖状ポリシロキサンおよび環状ポリシロキサンをそれぞれ少なくとも1種以上含む場合の鎖状ポリシロキサンと環状ポリシロキサンの含有比は特に限定されないが、例えば、鎖状ポリシロキサン1質量部に対し、環状ポリシロキサンが0.1~10質量部であってもよく、使用性および使用感の観点から環状ポリシロキサンが0.2~5質量部であってもよい。
【0048】
化粧料用乳化組成物がシリコーン油を含む場合のシリコーン油の含有量は特に限定されないが、化粧料用乳化組成物の使用性および使用感の観点から、化粧料用乳化組成物全量に対し1~30質量%であることが好ましく、5~25質量%であることがより好ましく、10~25質量%であることがさらに好ましい。またこのとき、化粧料用乳化組成物の使用感の観点から、化粧料用乳化組成物中の油相成分の全質量のうちシリコーン油の質量比率が20~100%であることが好ましく、40~100%であることがより好ましく、60~100%であることがさらに好ましく、80~100%であることが特に好ましい。
【0049】
本発明の化粧料用乳化組成物の形態は、乳化物であれば特に限定されず、例えば油中水型、水中油型、油-水-油型、水-油-水型等が挙げられる。本発明においては、成分(A)および成分(B)の配合による本発明の効果が特に発揮できる観点から、化粧料用乳化組成物の形態としては、油中水型の乳化物であることが好ましい。本発明の化粧料用乳化組成物が油中水型の乳化物である場合においては、成分(A)および成分(B)の配合により化粧料用乳化組成物の使用性および使用感を特に高める観点から、水相を構成する成分の合計質量と油相を構成する成分の合計質量との質量比が40:60~95:5(質量比の合計は100)であることがより好ましく、60:40~90:10(質量比の合計は100)であることがさらに好ましく、70:30~85:15(質量比の合計は100)であることがさらにより好ましい。
【0050】
本発明の化粧料用乳化組成物は、目的に応じて化粧料に一般的に使用されるその他の任意成分を配合することができる。化粧料に一般的に使用される任意成分としては、例えば、抗菌防腐剤(炭素数6~8のアルキル基を有するモノアルキルグリセリルエーテルを除く)、界面活性剤(ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を除く)、粉末成分、保湿剤、水溶性高分子化合物、金属イオン封鎖剤、糖、アミノ酸及びその誘導体、有機アミン、pH調整剤、ビタミン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、美容成分、血行促進剤、消炎剤、賦活剤、抗脂漏剤、抗炎症剤及びその他各種抽出物等が挙げられ、これらの中から1種又は2種以上を任意に配合することができる。
【0051】
抗菌防腐剤としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸ナトリウム、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、クロルフェネシン、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、カプリリルグリコール、レゾルシン、トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、ビス(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ピロクトンオラミン、ヒノキチオール、ビタミンB6塩酸塩(塩酸ピリドキシン)、フェノール、塩化リゾチーム、塩化セチルピリジニウム(CPC)等が挙げられる。中でも、皮膚への刺激性が低く、人体への安全性も高く、本発明の効果が顕著に得られることから、フェノキシエタノールおよびカプリリルグリコールから選択される1種又は2種であることが好ましい。
【0052】
界面活性剤としては、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を除く各種のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用することができる。ノニオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等)、グリセリン脂肪酸/ポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE-ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンテトラオレエート等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等)、POE-グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等)、POE-脂肪酸エステル類(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等)、POE-アルキルエーテル類(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等)、プルロニック型類(例えば、プルロニック等)、POE・POP-アルキルエーテル類(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等)、テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等)、POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等)、POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等)、アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等)、POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル、POE-アルキルアミン、POE-脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0053】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等)、アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等)、N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等)、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリルメチルタウリンナトリウム等)、リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等)、スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等)、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等)、高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等)、N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等)、硫酸化油(例えば、ロート油等)、POE-アルキルエーテルカルボン酸、POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン、カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0054】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等)、アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等)、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム)、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモリホリニウム塩、POE-アルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0055】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0056】
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等)、有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等)、無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等)、無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等)、無機褐色系顔料(例えば、γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等)、無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等)、無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等)、パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等)、金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等)、ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等)、天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等が挙げられる。
【0057】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0058】
水溶性高分子化合物としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等)、セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等)、アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等)、ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000又は60,000から得られるポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等)、アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等)、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が挙げられる。
【0059】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0060】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロース、D-エリトルロース、D-トレオース、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノース、D-キシロース、L-リキソース、D-アラビノース、D-リボース、D-リブロース、D-キシルロース、L-キシルロース等)、六炭糖(例えば、D-グルコース、D-タロース、D-プシコース、D-ガラクトース、D-フルクトース、L-ガラクトース、L-マンノース、D-タガトース等)、七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八炭糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボース、6-デオキシ-L-ガラクトース、6-デオキシ-L-マンノース等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等が挙げられる。
【0061】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオース、ベルバスコース類等が挙げられる。
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0062】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等)、塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0063】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
pH調製剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0064】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンE及びその誘導体、ビタミンC及びその誘導体、ビタミンD及びその誘導体、ビタミンF及びその誘導体、ビタミンK及びその誘導体、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB誘導体等が挙げられるが、これらに限らない。具体的には、γ-トコフェロール、アスコルビン酸ステアリル、ジパルミチン酸アスコビル、ニコチン酸トコフェロール、メナジオン、デヒドロコレステロール、エルゴカルシフェロール、ジカプリル酸ピリドキシン、テトラ-ヘキシルデカン酸アスコビル(VCIP)、レチノール、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール等のレチノール誘導体、ドコサヘキサエン酸、リノール酸、パンテノール、リノール酸トコフェロール、リノール酸イソプロピル、リノレン酸、パルミチン酸ピリドキシン、ビタミンA、β-カロチン、ジパルミチン酸ピリドキシン、フィロキノン、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0065】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸水素塩、チオタウリン、ヒポタウリン、チオグリセロール、チオ尿素、チオグリコール酸、システイン塩酸塩、没食子酸プロピル、没食子酸誘導体、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体(アスコルビン酸リン酸エステル等)、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、p-t-ブチルフェノール、フィチン酸、L-システイン塩酸塩等が挙げられる。
【0066】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤、アントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、桂皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザニリド系紫外線吸収剤、ホルムアミジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0067】
安息香酸系紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸エチル、パラジメチルアミノ安息香酸エチルヘキシル、パラジメチルアミノ安息香酸オクチル、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸モノグリセリンエステル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、N,N-ジプロポキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジエトキシパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸ブチルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸アミルエステル、N,N-ジメチルパラアミノ安息香酸オクチルエステル、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が挙げられる。アントラニル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等が挙げられる。
【0068】
サリチル酸系紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸及びそのナトリウム塩、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等が挙げられる。桂皮酸系紫外線吸収剤としては、例えば、オクチルシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、2-エチルヘキシルp-メトキシシンナメート(パラメトキシケイヒ酸2-エチルヘキシル)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート(シノキサート)、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシルα-シアノ-β-フェニルシンナメート(オクトクリン)、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート、フェルラ酸及びその誘導体等が挙げられる。
【0069】
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン-3)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン、5,5'-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等が挙げられる。
【0070】
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-第三オクチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジクミルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2,2'-メチレンビス(4-第三オクチル-6-ベンゾトリアゾリルフェノール)、2-(2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-アクリロイルオキシエチル)-5-メチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三オクチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-(2-メタクリロイルオキシエチル)-5-第三ブチルフェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三アミル-5-(2-メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-3-第三ブチル-5-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕-5-クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
【0071】
トリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4,6-トリス[4-(2-エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチルへキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-ヘキシロキシフェニル)-4,6-ジフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(3-C12~C13混合アルコキシ-2-ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕-4,6-ビス(4-メチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-〔2-ヒドロキシ-4-(2-アセチルオキシエトキシ)フェニル〕-4,6-ビスフェニル-1,3,5-トリアジン、2-(2,4-ジヒドロキシ-3-アリルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(2-ヒドロキシ-3-メチル-4-ヘキシロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。ベンゾエート系紫外線吸収剤としては、例えば、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート、ステアリル(3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシ)ベンゾエート等が挙げられる。
【0072】
シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル-α-シアノ-β,β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。オキザニリド系紫外線吸収剤としては、例えば、2-エチル-2'-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4'-ドデシルオキザニリド等が挙げられる。ホルムアミジン系紫外線吸収剤としては、例えば、N,N'-ジフェニル-N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)ホルムアミジン、N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-メチル-N-フェニルホルムアミジン、N,N'-ビス(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-メチルホルムアミジン、N'-(4-エトキシカルボニルフェニル)-N-(2'-メトキシフェニル)-N-メチルホルムアミジン、N-(4-n-ブトキシカルボニルフェニル)-N'-(4'-エチルカルボニル)-N-メチルホルムアミジン等が挙げられる。
【0073】
その他の紫外線吸収剤としては、例えば、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、4-t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、1-(3,4-ジメトキシフェニル)-4,4-ジメチル-1,3-ペンタンジオン、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン、ルチン誘導体、オリザノール、オリザノール誘導体が挙げられる。
【0074】
香料としては、例えば、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料が挙げられる。具体的には、天然系香料としては、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エストラゴンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オリガナムオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、キュベバオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サンダルウッドオイル、シソオイル、シダーウッドオイル、シトロネラオイル、ジャスミンオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、ジュネアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スターアニスオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スパイクラベンダーオイル、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タンジェリンオイル、チュベローズアブソリュート、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トンカビーンオイル、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、パインニードルオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒノキオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブッチュオイル、ベイオイル、ベチバーオイル、ペッパーオイル、ペパーミントアブソリュート、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ホウショウオイル、マージョラムオイル、マンダリンオイル、ミカンオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル等が挙げられる。
【0075】
また、合成香料としては、アンブレッドリド、アルデヒドC6~C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、アセチルオイゲノール、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、γ-ウンデカラクトン、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、エチルワニリン、2-エチルヘキサノール、オウランチオール、10-オキサヘキサデカノリド、11-オキサヘキサデカノリド、12-オキサヘキサデカノリド、オキサヘキサデセン-2-オン、オイゲノール、オリボン、オキシフェニロン、ガラクソリド、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、β-カリオフィレン、キャロン、クマリン、p-クレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、シンナミルアセテート、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、α-ダマスコン、β-ダマスコン、δ-ダマスコン、ダマセノン、ターピネオール、ターピニルアセテート、チモール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、ネリルアセテート、ネロール、ネオベルガメート、γ-ノナラクトン、ノピルアルコール、ノピルアセテート、バクダノール、ハイドロトロピックアルコール、α-ピネン、β-ピネン、ヒドロキシシトロネラール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ブチルブチレート、p-t-ブチルシクロヘキサノール、p-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、o-t-ブチルシクロヘキサノール、o-t-ブチルシクロヘキシルアセテート、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルエチルアセテート、ペンタリッド、ベルドックス、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis-3-ヘキセノール、cis-3-ヘキセニールアセテート、cis-3-ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ボルニルアセテート、ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミルセン、ミラックアルデヒド、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM-11、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、ムスクケトン、ムスクチベチン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α-メチルイオノン、β-メチルイオノン、γ-メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、14-メチル-ヘキサデセノリド、14-メチル-ヘキサデカノリド、メチルナフチルケトン、メチルフェニルアセテート、ヤラヤラ、δ-C6~C13ラクトン、ライムオキサイド、γ-C6~C13ラクトン、ラズベリーケトン、リモネン、リグストラール、リリアール、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ワニリンなどが挙げられる。
【0076】
美容成分としては、例えば、胎盤抽出液、ソウハクヒ抽出物、ユキノシタ抽出物、シソ抽出物、白芥子抽出物又はその加水分解物、白芥子の発酵物、ダマスクバラ抽出物、シャクヤク抽出物又はその加水分解物、乳酸菌醗酵米、ハス種子抽出物又はその加水分解物、ハス種子発酵物、党参抽出物、ハトムギ加水分解物、ハトムギ種子発酵物、ローヤルゼリー発酵物、酒粕発酵物、パンダヌス・アマリリフォリウス抽出物、アルカンジェリシア・フラバ抽出物、キウイ抽出物、カミツレ抽出物、サンゴ草抽出物、イネの葉の抽出物又はその加水分解物、ナス(水ナス、長ナス、賀茂ナス、米ナス等)抽出物又はその加水分解物、カタメンキリンサイ等の海藻の抽出物、アマモ等の海産顕花植物の抽出物、豆乳発酵物、クラゲ水、米醗酵エキス、リノール酸及びその誘導体もしくは加工物(例えばリポソーム化リノール酸など)、動物又は魚由来のコラーゲン及びその誘導体、エラスチン及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体(ジカリウム塩等)、t-シクロアミノ酸誘導体、アラントイン、アルブチン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、ゲンチアナ抽出物、甘草抽出物、ニンジン抽出物、アロエ抽出物、ミツイシコンブ抽出物、アナアオサ抽出物、ジュアゼイロ抽出物、未成熟のモモ抽出物等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0077】
その他の配合可能成分としては、例えば、血行促進剤(例えば、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)、その他各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウカ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を使用することができる。
【0078】
本発明の化粧料用乳化組成物の製造方法は特に限定されず、公知の乳化組成物の製造方法を用いることができ、例えば、水相と油相をそれぞれ調製し、必要に応じ加温した状態で水相と油相を混合したのち乳化機で乳化し、その後室温まで冷却する方法が挙げられる。またこのとき、水相および油相それぞれの調製方法も公知の方法を用いることができ、また成分(A)、成分(B)等の各成分の配合方法も制限されない。
【0079】
本発明の化粧料用乳化組成物の剤型としては、特に制限はなく、例えば、液状、ジェル状、シャーベット状、乳液状、クリーム状、軟膏状、固形練り状、ペースト状、固形状、粉体状等などが挙げられる。なおクリーム状の化粧料には、油分を使用していない無油性クリーム、水分を使用していない無水クリーム、油分が多い油性クリーム、油分が少ない弱油性クリーム、油分が油性クリームと弱油性クリームの中間である中油性クリーム等が挙げられる。
【0080】
本発明の化粧料用乳化組成物の粘度は特に限定されず、用いる用途に応じて適宜調整することができ、例えば25℃における粘度が100~500,000mPa・s程度であってもよい。本発明において、25℃での粘度はB型粘度計によって測定される。例えば、本発明の化粧料用乳化組成物がジェル状である場合、使用性および使用感の観点からは、25℃における粘度が10,000~400,000mPa・sであることが好ましく、50,000~300,000mPa・sであることがより好ましく、80,000~250,000mPa・sであることがさらに好ましい。
【0081】
本発明の化粧料用乳化組成物を適用できる化粧料としては特に限定されず、乳化組成物が利用される公知の化粧料を挙げることができ、具体的な化粧料としては、化粧水、美容液、乳液等のスキンケア化粧料、液状ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、アイライナー、口紅等のメイクアップ化粧料、日焼け止め液、日焼け止めクリーム等の日焼け止め化粧料が挙げられる。
【実施例
【0082】
以下本発明を実施例により、具体的に説明するが、本発明は、これらの例によって何ら限定されるものではなく、また本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。なお、以下の実施例等において%は特に記載が無い限り質量基準である。
【0083】
<疎水変性ポリエーテルウレタンの製造例1>
温度計、窒素導入管及び攪拌機を付した容量1000mlの4つ口フラスコに、ポリエチレングリコール(PEG-240)を402.2g仕込み、50~60℃に昇温し、溶融させた。その後、ヘキサメチレンジイソシアネートを11.7g仕込み、系内を窒素置換した。各成分が均一になるまで撹拌し、各成分が均一に混合されたことを確認した後、更に70~80℃まで昇温し、同温度で3時間反応させた。その後、ポリエチレングリコール(20)モノ2-デシルドデシルエーテルを86.1g系中に加え、更に70~80℃にて6時間反応させ、疎水変性ポリエーテルウレタンを得た。
【0084】
実施例に使用した成分(A)~(C)の化合物を以下に示す。
成分(A)
A-1:シクロヘキシルグリセリルエーテル
成分(B)
B-1:製造例1により得られた、一般式(I)において、R、Rがそれぞれデシル基であり、R、Rがそれぞれドデシル基であり、R、R、Rがそれぞれエチレン基であり、R、Rがそれぞれヘキシレン基であり、a=20、b=240、c=20であり、d=0~10の混合物である疎水変性ポリエーテルウレタン組成物
成分(C)
C-1:PEG/PPG-19/19ジメチコン (HLB:2.0)
【0085】
<実施例1~2、比較例1~7>
化粧料用乳化組成物として、表1の配合条件(数字は各成分の配合量(質量%)を表す)からなるジェル状の油中水型乳化物を製造した。より具体的には、界面活性剤と油相成分を加熱溶解し、別の系にて水相成分を加熱溶解し、水相成分を油相成分に加え乳化することによって化粧料を得た。また得られた化粧料の25℃での粘度をB型粘度計によって測定した結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
得られた化粧料用乳化組成物について、官能試験により使用性および使用感の評価を行った。具体的には、5名のパネラーが化粧料用乳化組成物を実際に肌に使用した際の使用性および使用感について下記評価基準に基づきそれぞれ評価し、5名の平均点をそれぞれ使用性および使用感の点数として評価を行った。併せて、得られた化粧料用乳化組成物の外観透明性評価についても下記基準に基づき評価を行った。結果を表2に示す。
【0088】
[使用性の評価基準]
指で取りやすく肌上でなめらかにのびる ・・・5点
指でやや取りにくく、肌上でなめらかにのびにくい ・・・3点
指で取りにくく、肌上でなめらかにのびない ・・・1点
【0089】
[使用感の評価基準]
肌の柔らかさ、しっとり感の持続が感じられる ・・・5点
ある程度の肌の柔らかさ、しっとり感の持続がやや感じられる・・3点
肌がつっぱり、しっとり感の持続が感じられない ・・・1点
【0090】
[外観透明性の評価基準]
きわめて透明度が高い ・・・・○
曇りや濁りが見られる ・・・・×
【0091】
【表2】
【0092】
結果、本発明の化粧料用乳化組成物は、使用性、使用感および外観透明性に極めて優れていることがわかった。さらに本発明の化粧料用乳化組成物は、成分(A)が抗菌防腐剤としても機能することから、抗菌性にも優れることが期待される。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、透明性に優れ、従来の乳化組成物よりも使用性、使用感を飛躍的に向上させた化粧料用乳化組成物に関し、さまざまな剤型・種類の化粧料に用いることができる。