(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】レーザー加工装置
(51)【国際特許分類】
B23K 26/082 20140101AFI20240306BHJP
B23K 26/08 20140101ALI20240306BHJP
B23K 26/10 20060101ALI20240306BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240306BHJP
G02B 26/10 20060101ALI20240306BHJP
【FI】
B23K26/082
B23K26/10
H01L21/78 B
G02B26/10 C
(21)【出願番号】P 2020006409
(22)【出願日】2020-01-17
【審査請求日】2022-11-25
(31)【優先権主張番号】P 2019074276
(32)【優先日】2019-04-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関家 一馬
【審査官】岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-297007(JP,A)
【文献】特開2017-108089(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0233178(US,A1)
【文献】特開2017-064744(JP,A)
【文献】特開2017-073442(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/082
B23K 26/08
H01L 21/301
G02B 26/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持面で保持する第1チャックテーブルと、
被加工物を保持面で保持する第2チャックテーブルと、
該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルをX軸方向に並べた状態で移動させるX軸送りユニットと、
該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザー光線を照射して加工するレーザー光線照射ユニットと、
該レーザー光線照射ユニットの両脇で該X軸方向に並んで配置され、該チャックテーブルに被加工物を搬入または搬出する一対の搬送領域と、を備え、
該レーザー光線照射ユニットは、
レーザー光線を発振する発振器と、
該発振器からの光を集光する集光器と、
該発振器と該集光器との間に配置され該チャックテーブルの保持面でのレーザー光線の照射位置を変位させるレーザー光線走査ユニットと、を備え
、
該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルとのうち一方を該一対の搬送領域のうちいずれかの搬送領域に位置付けて該被加工物を搬入または搬出し、該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルとのうち他方を該レーザー光線照射ユニットの下方に位置付けて他方が保持した被加工物を加工するレーザー加工装置。
【請求項2】
該X軸送りユニットは、該第1チャックテーブル、該第2チャックテーブルを、それぞれが駆動源を有しそれぞれが独立してX軸送り制御が可能な直動機構である請求項1に記載のレーザー加工装置。
【請求項3】
該レーザー光線走査ユニットは、ガルバノスキャナー、レゾナントスキャナー、音響光学偏向素子又はポリゴンミラーを備える請求項1
又は請求項2に記載のレーザー加工装置。
【請求項4】
該第1チャックテーブル及び該第2チャックテーブルは、該保持面と直交する回転軸で該保持面を回転させる回転ユニットを備える請求項1
から請求項3のいずれか一項に記載のレーザー加工装置。
【請求項5】
該搬送領域には、該チャックテーブルに被加工物を搬入及び搬出する搬出入ユニットを備える請求項1から請求項
4のいずれか1項に記載のレーザー加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハやサファイア基板、SiC基板、ガラス基板、樹脂パッケージ基板など各種板状の被加工物を切削ブレードで切削して加工する切削装置が従来使用されてきた。そこにレーザー光線を照射し、分割予定ラインに沿って基板を除去したり、内部に改質層を形成したりするレーザー加工も用いられるようになってきた(特許文献1参照)。切削装置は、スピンドルに固定されたブレードに対し、被加工物を保持したチャックテーブルをX軸方向に加工送りすることで被加工物が切削される。さらに、スピンドルをY軸方向に割り出し送りすることで、全てのストリートを加工可能に構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示すようなレーザー加工装置は、レーザー光線照射ユニット側で、レーザー光線の走査が可能であるところに、上述の切削装置とは大きな違いがある。チャックテーブルを移動させなくても、集光点(加工点)を移動させることが出来るため、チャックテーブルの移動速度では実現出来ない高速な走査により、加工の高速化を実現している。
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すようなレーザー加工装置は、上述の切削装置の思想をベースに設定されているため、レーザー光線照射ユニットの特性を活用した効率的な装置構成を実現仕切れていなかったという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レーザー光線照射ユニットの特性を活用した効率的なレーザー加工ができるレーザー加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のレーザー加工装置は、被加工物を保持面で保持する第1チャックテーブルと、被加工物を保持面で保持する第2チャックテーブルと、該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルをX軸方向に並べた状態で移動させるX軸送りユニットと、該チャックテーブルに保持された被加工物にレーザー光線を照射して加工するレーザー光線照射ユニットと、該レーザー光線照射ユニットの両脇で該X軸方向に並んで配置され、該チャックテーブルに被加工物を搬入または搬出する一対の搬送領域と、を備え、該レーザー光線照射ユニットは、レーザー光線を発振する発振器と、該発振器からの光を集光する集光器と、該発振器と該集光器との間に配置され該チャックテーブルの保持面でのレーザー光線の照射位置を変位させるレーザー光線走査ユニットと、を備え、該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルとのうち一方を該一対の搬送領域のうちいずれかの搬送領域に位置付けて該被加工物を搬入または搬出し、該第1チャックテーブルと該第2チャックテーブルとのうち他方を該レーザー光線照射ユニットの下方に位置付けて他方が保持した被加工物を加工することを特徴とする。
該X軸送りユニットは、該第1チャックテーブル、該第2チャックテーブルを、それぞれが駆動源を有しそれぞれが独立してX軸送り制御が可能な直動機構でも良い。
【0008】
該レーザー光線走査ユニットは、ガルバノスキャナー、レゾナントスキャナー、音響光学偏向素子又はポリゴンミラーを備えてもよい。
【0009】
該第1チャックテーブル及び該第2チャックテーブルは、該保持面と直交する回転軸で該保持面を回転させる回転ユニットを備えてもよい。
【0010】
該搬送領域には、該チャックテーブルに被加工物を搬入及び搬出する搬出入ユニットを備えてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本願発明のレーザー加工装置は、レーザー光線照射ユニットの特性を活用した効率的なレーザー加工ができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るレーザー光線照射ユニットの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るレーザー加工装置の動作を説明する上面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1に係るレーザー加工装置の動作を説明する上面図である。
【
図5】
図5は、実施形態2に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態2に係るレーザー加工装置の動作を説明する上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0014】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るレーザー加工装置を図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態1に係るレーザー加工装置の構成例を示す斜視図である。
図1に示された実施形態1に係るレーザー加工装置1は、被加工物100にレーザー光線を照射して加工する装置である。なお、以下の説明に用いられるX軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、互いに垂直であるものとする。また、以下の説明では、X軸方向を水平方向における一方向とし、Y軸方向を水平方向における別の一方向、すなわち他方向としているが、Y軸方向を水平方向における一方向とし、X軸方向を水平方向における別の一方向、すなわち他方向としてもよい。また、以下の説明では、XY平面が水平面と一致し、Z軸方向が鉛直方向と一致しているが、XY平面が水平面からずれ、Z軸方向が鉛直方向からずれてもよい。
【0015】
実施形態1に係るレーザー加工装置1によりレーザー加工が施される被加工物100は、半導体ウェーハや光デバイスウェーハ等を含み、例えば、シリコン基板、サファイア基板、ガリウム基板、SiC基板、ガラス基板、樹脂パッケージ基板など各種板状の基板である。実施形態1の被加工物100は、厚みが一定の半導体ウェーハや光デバイスウェーハであるが、本発明の被加工物100は、中央部が薄化され、外周部に厚肉部が形成された所謂TAIKOウェーハでも良い。
【0016】
被加工物100は、実施形態1では、例えば、表面に形成された複数のデバイス(不図示)が複数の分割予定ライン(不図示)によって格子状に区画されたものであり、この分割予定ラインに沿ってレーザー加工装置1によりレーザー加工が施されて、複数のデバイスに分割される。
【0017】
被加工物100は、実施形態1では、裏面に基板より径の大きい粘着テープであるダイシングテープ107が貼着され、ダイシングテープ107の外周に環状のフレーム108が貼着される。すなわち、被加工物100は、環状のフレーム108の開口にダイシングテープ107を介して支持されている。なお、被加工物100は、本発明ではこの形態に限定されず、ダイシングテープ107及び環状のフレーム108が貼着されない形態であっても良い。
【0018】
また、被加工物100は、上記の複数の分割予定ラインを有する形態に限定されず、本発明では、エピタキシー基板(不図示)と、エピタキシー基板の表面側にバッファ層(不図示)を介して積層された光デバイス層(不図示)と、光デバイス層の表面に接合層(不図示)を介して接合された移設基板(不図示)とを含んで構成されたものでもよく、このバッファ層に対してレーザー加工装置1によりレーザー加工が施されて、光デバイス層が剥離可能に加工される。
【0019】
実施形態1に係るレーザー加工装置1は、
図1に示すように、2つ(一対)のチャックテーブル10,10と、X軸送りユニット20と、レーザー加工ユニット30と、一対の搬送領域40,40と、制御ユニット50と、を備える。
【0020】
2つのチャックテーブル10,10は、一方が他方に対して+X方向側に設けられていること、すなわち、他方が一方に対して-X方向側に設けられていることを除いて、同じ構成を備える。2つのチャックテーブル10,10は、実施形態1では、一方が本発明に係る第1チャックテーブルに対応し、他方が本発明に係る第2チャックテーブルに対応している。なお、2つのチャックテーブル10,10は、他方が本発明に係る第1チャックテーブルに対応し、一方が本発明に係る第2チャックテーブルに対応していてもよい。
【0021】
チャックテーブル10は、
図1に示すように、被加工物100を保持する保持面11が設けられかつポーラスセラミック等から形成された保持部12と、保持部12を囲繞しかつ導通性の金属で構成されたリング状の枠部13とを備えた円盤形状である。チャックテーブル10は、X軸送りユニット20によりX軸方向に移動自在に設けられている。
【0022】
チャックテーブル10は、図示しない真空吸引源と接続され、真空吸引源により吸引されることで、チャックテーブル10が被加工物100を吸引、保持する。チャックテーブル10は、図示しない気体供給源と接続され、気体供給源により加圧された気体が供給されることで、被加工物100の吸引、保持を解除する。
【0023】
チャックテーブル10は、保持面11の外周に配置されて、ダイシングテープ107を介して被加工物100を支持するフレーム108を保持して固定する4つのクランプ15を備える。
【0024】
X軸送りユニット20は、L字状の基台2の水平部分の上面にX軸方向に沿って配されており、2つのチャックテーブル10,10をX軸方向に並べた状態で同時にX軸方向に移動させる。X軸送りユニット20は、
図1に示すように、X軸方向に概ね平行な一対のX軸ガイドレール21と、X軸方向にスライド可能にX軸ガイドレール21に取り付けられた2つ(一対)のX軸移動テーブル22,22と、2つのX軸移動テーブル22,22の下面側に螺合して共通に設けられたX軸ガイドレール21に平行なX軸ボールねじ23と、X軸ボールねじ23の一端部に連結されたX軸パルスモータ24と、を備える。
【0025】
2つのX軸移動テーブル22,22は、一方が他方に対して+X方向側に設けられていること、すなわち、他方が一方に対して-X方向側に設けられていることを除いて、同じ構成を備える。実施形態1では、一方のX軸移動テーブル22は、一方のチャックテーブル10をZ軸周りに回転可能に支持しており、他方のX軸移動テーブル22は、他方のチャックテーブル10をZ軸周りに回転可能に支持している。
【0026】
X軸パルスモータ24でX軸ボールねじ23を回転させることで、2つのX軸移動テーブル22,22は、X軸方向に配列した状態で同時にX軸ガイドレール21に沿ってX軸方向に移動する。これにより、一方のX軸移動テーブル22によって支持された一方のチャックテーブル10と、他方のX軸移動テーブル22によって支持された他方のチャックテーブル10とは、X軸方向に配列した状態で同時にX軸ガイドレール21に沿ってX軸方向に移動する。このX軸送りユニット20には、2つのX軸移動テーブル22,22のそれぞれのX軸方向の位置を測定する不図示のX軸測定ユニットが設けられており、2つのX軸移動テーブル22,22のそれぞれのX軸方向の位置の測定に基づいて、2つのチャックテーブル10,10のそれぞれのX軸方向の位置を測定することができる。
【0027】
レーザー加工ユニット30は、
図1に示すように、L字状の基台2の水平部分から立設した立設部分に、X軸送りユニット20の一対のX軸ガイドレール21の上方に向けて-Y方向に突出して設けられている。レーザー加工ユニット30は、レーザー光線照射ユニット31と、レーザー光線照射ユニット31に対してX軸方向に離間して-Z方向に向けて配設された撮像手段32と、を備える。
【0028】
図2は、実施形態1に係るレーザー光線照射ユニット31の構成例を示す図である。レーザー光線照射ユニット31は、チャックテーブル10に保持された被加工物100にレーザー光線301を照射して加工するものであり、
図2に示すように、レーザー光線発振手段34と、光学系35と、波長変換素子36と、レーザー光線走査ユニット37と、集光器38と、を備える。
【0029】
レーザー光線発振手段34は、発振器341と、繰り返し周波数設定手段342と、を備える。発振器341は、所定の波長のレーザー光線300を発振する機器であり、実施形態1では、ネオジウム(Nd)イオン等がドープされたYAG等の結晶をレーザーダイオード (LASER Diode、LD)により励起して波長約1μmのレーザー光線を発振するものが好適なものとして用いられる。
【0030】
繰り返し周波数設定手段342は、発振器341が発振したレーザー光線の繰り返し周波数を設定する手段であり、実施形態1では、繰り返し周波数を2倍に設定して上記した波長約1μmのレーザー光線に基づいて、その2倍波である波長約514nmのレーザー光線300を発振するものが好適なものとして用いられる。
【0031】
レーザー光線発振手段34は、実施形態1では、制御ユニット50によって制御されて、繰り返し周波数が50kHz以上200kHz以下であり、平均出力が0.1W以上2.0W以下であり、パルス幅が20ps以下のパルスレーザービームであるレーザー光線300を発振する。
【0032】
光学系35は、ビーム径調整器及び出力調整器等の所定の光学機器の少なくともいずれかを含み、レーザー光線発振手段34から発振されたレーザー光線300を伝送する。波長変換素子36は、光学系35によって伝送されたレーザー光線300の波長を変換する素子であり、実施形態1では、レーザー光線発振手段34が発振した波長約514nmのレーザー光線300を、その2倍波、すなわち元の波長約1μmのレーザー光線の4倍波である波長約257nmのレーザー光線301に変換する。
【0033】
レーザー光線照射ユニット31は、実施形態1では、レーザー光線300,301の進行方向において波長変換素子36が光学系35の下流側に設けられるので、光学系35を通過するレーザー光線の波長を、最終的に照射するレーザー光線の波長よりも長くすることができるため、光学系35の損傷を抑制することができる。
【0034】
レーザー光線走査ユニット37は、
図2に示すように、発振器341と後述する集光器38との間に配置される。レーザー光線走査ユニット37は、より具体的には、発振器341を備えるレーザー光線発振手段34よりも下流に設けられた光学系35及び波長変換素子36よりもさらに下流に配置される。レーザー光線走査ユニット37は、チャックテーブル10の保持面11でのレーザー光線301のXY平面における照射位置を変位させる。
【0035】
レーザー光線走査ユニット37は、実施形態1では、ガルバノスキャナー、レゾナントスキャナー、音響光学偏向素子又はポリゴンミラーを備える。レーザー光線走査ユニット37は、制御ユニット50によって制御されて、レーザー光線301をX軸方向及びY軸方向に揺動して、集光器85に導く。
【0036】
集光器38は、XY平面においてチャックテーブル10の保持面11と同等もしくは保持面11よりも大きい直径を有した円形状であり、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置する際のチャックテーブル10の保持面11の上方を覆うように設けられている。集光器38は、発振器341から発振され、レーザー光線走査ユニット37によって走査されたレーザー光線301を集光する。
【0037】
集光器38は、上述の直径を有する大きなFθレンズ、もしくは、上述の直径を有する大きな像側テレセントリック対物レンズが例示され、いずれの場合でも光軸がZ軸方向に沿って設けられる。集光器38は、レーザー光線走査ユニット37から導かれたレーザー光線301の入射角に依存せず、光軸方向であるZ軸方向に対して平行に、すなわちチャックテーブル10の保持面11に対して直交する方向に、レーザー光線301を照射する。
【0038】
撮像手段32は、
図1に示すように、レーザー光線照射ユニット31の集光器38よりもXY平面において外側の位置に、-Z方向に向いて設けられている。このため、撮像手段32は、集光器38によって妨げられることなく、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置するチャックテーブル10を支持するX軸移動テーブル22を撮像することができる。撮像手段32は、撮像手段32の下方に位置するチャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100を撮像して、チャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100とレーザー光線照射ユニット31によるレーザー光線301の照射位置との位置合わせを行なうアライメントを遂行するための画像を得、得た画像を制御ユニット50に出力する。実施形態1では、例えば、レーザー光線照射ユニット31によるレーザー加工の前に撮像手段32の下方にチャックテーブル10を位置付けてアライメントを実施後、集光器38の下方にチャックテーブル10を移動させてから、レーザー光線照射ユニット31によるレーザー加工を実施しても良い。
【0039】
一対の搬送領域40,40は、
図1に示すように、レーザー加工ユニット30のレーザー光線照射ユニット31の両脇でX軸方向に並んで配置されている。一対の搬送領域40,40は、具体的には、レーザー光線照射ユニット31が設けられている領域のX軸方向の両側に設けられている。すなわち、一方の搬送領域40が、レーザー光線照射ユニット31が設けられている領域の+X方向側に設けられ、他方の搬送領域40が、レーザー光線照射ユニット31が設けられている領域の-X方向側に設けられている。一対の搬送領域40,40は、一方が他方に対して+X方向側に設けられていること、すなわち、他方が一方に対して-X方向側に設けられていることを除いて、同じ構成を備える。
【0040】
一方の搬送領域40とレーザー光線照射ユニット31が設けられている領域とのX軸方向の間隔と、レーザー光線照射ユニット31が設けられている領域と他方の搬送領域40との間隔とは、
図1に示すように、いずれも、X軸送りユニット20における2つのX軸移動テーブル22,22のX軸方向の間隔と等しく、すなわち、2つのチャックテーブル10,10のX軸方向の間隔と等しくなるように設けられている。このため、実施形態1に係るレーザー加工装置1では、一方のチャックテーブル10がレーザー光線照射ユニット31が設けられている領域に位置する際には、他方のチャックテーブル10は他方の搬送領域40に位置することとなり、他方のチャックテーブル10がレーザー光線照射ユニット31が設けられている領域に位置する際には、一方のチャックテーブル10は一方の搬送領域40に位置することとなっている。
【0041】
搬送領域40には、
図1に示すように、搬出入ユニット41と、Y軸方向に概ね平行な一対のY軸ガイドレール43と、カセットエレベータ44と、カセット45と、が備えられている。搬出入ユニット41は、搬送領域40に位置しているチャックテーブル10に被加工物100を搬入及び搬出する。搬出入ユニット41は、ダイシングテープ107を介して被加工物100を支持するフレーム108を把持する把持部42を備える。搬出入ユニット41は、制御ユニット50により制御されて、不図示の駆動機構により、Y軸方向に沿って移動する。
【0042】
一対のY軸ガイドレール43は、
図1に示すように、カセットエレベータ44の上面の+Y方向の端部に支持され、X軸送りユニット20の一対のX軸ガイドレール21の上方に向けて+Y方向に突出して設けられている。一対のY軸ガイドレール43は、制御ユニット50により制御されて、互いにX軸方向に離間移動したり、互いにX軸方向に近接移動したりすることで、互いの離間幅を変更する動作をすることができる。
【0043】
カセットエレベータ44は、
図1に示すように、L字状の基台2の水平部分における-Y方向側の端面に隣接して設けられている。カセットエレベータ44は、レーザー加工前後の被加工物100を収容するカセット45が上面に載置され、かつ、制御ユニット50により制御されて、カセット45をZ軸方向に昇降移動させるカセット載置領域である。
【0044】
カセット45は、レーザー加工前の被加工物100と、レーザー加工後の被加工物100とをそれぞれ分離して収容する。カセット45は、カセットエレベータ44の上面に載置され、カセットエレベータ44によって昇降移動することで、搬出入ユニット41が搬出する被加工物100を変更することができる。
【0045】
搬出入ユニット41による被加工物100の搬出動作について説明する。搬出入ユニット41は、-Y方向に移動して、カセットエレベータ44内に載置されたカセット45内のレーザー加工前の被加工物100におけるフレーム108を把持部42で把持する。そして、搬出入ユニット41は、把持部42で被加工物100におけるフレーム108を把持した状態で+Y方向に移動することで、カセット45からレーザー加工前の被加工物100を搬出する。被加工物100は、フレーム108が把持部42に把持されて搬出される際、フレーム108のX軸方向の両端部が一対のY軸ガイドレール43で支持されてガイドされて、+Y方向に沿って搬出される。その後、搬出入ユニット41は、把持部42による被加工物100におけるフレーム108を把持した状態を解除する。これにより、把持部42によって把持されていた被加工物100におけるフレーム108は、一対のY軸ガイドレール43により支持された状態となる。
【0046】
そして、一対のY軸ガイドレール43は、互いの間隔を狭めることで、フレーム108をX軸方向における所定の位置に位置付けるセンタリング動作を実施する。その後、搬出入ユニット41は、搬出入ユニット41の下方に設けられた不図示のバキュームパッドで、所定の位置に位置付けられたフレーム108を吸引保持して上方に移動させることで、一対のY軸ガイドレール43から被加工物100を上昇させる。そして、一対のY軸ガイドレール43が互いの間隔を拡げて、フレーム108を吸引保持した搬出入ユニット41が下降することで、被加工物100及びフレーム108を一対のY軸ガイドレール43の間を通過させて、チャックテーブル10に載置する。
【0047】
搬出入ユニット41による被加工物100の搬入動作について説明する。搬出入ユニット41は、+Y方向に移動した後、下方へ移動して一対のY軸ガイドレール43の間を通過して、搬出入ユニット41の下方に設けられた不図示のバキュームパッドで、チャックテーブル10の保持面11上のレーザー加工後の被加工物100におけるフレーム108を吸引保持して、一対のY軸ガイドレール43よりも上方に移動させる。そして、一対のY軸ガイドレール43が互いの間隔を狭めて、フレーム108を吸引保持した搬出入ユニット41が下降することで、被加工物100及びフレーム108を一対のY軸ガイドレール43の間に載置する。これにより、レーザー加工後の被加工物100におけるフレーム108は、一対のY軸ガイドレール43により支持された状態となる。
【0048】
そして、搬出入ユニット41は、さらに+Y方向に移動した後、一対のY軸ガイドレール43に支持されたレーザー加工後の被加工物100におけるフレーム108を把持部42で把持する。その後、搬出入ユニット41は、把持部42で被加工物100におけるフレーム108を把持した状態で-Y方向に移動することで、レーザー加工後の被加工物100をカセット45に搬入する。被加工物100は、フレーム108が把持部42に把持されて搬入される際、フレーム108のX軸方向の両端部が一対のY軸ガイドレール43で支持されてガイドされて、-Y方向に沿って搬入される。そして、搬出入ユニット41は、把持部42による被加工物100におけるフレーム108を把持した状態を解除することにより、レーザー加工後の被加工物100をカセット45内に収容した状態とすることができる。
【0049】
なお、本実施形態では、搬出入ユニット41が自動で被加工物100の搬出動作及び搬入動作を実施しているが、本発明はこれに限定されず、オペレータが手動で被加工物100の搬出動作及び搬入動作を実施してもよい。
【0050】
制御ユニット50は、レーザー加工装置1の各ユニットをそれぞれ制御して、X軸送りユニット20によってチャックテーブル10をX軸方向に移動させる動作、レーザー加工ユニット30によってチャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100にレーザー加工を施す動作、搬送領域40においてチャックテーブル10の保持面11にレーザー加工前の被加工物100をカセット45から搬出する動作、チャックテーブル10の保持面11からレーザー加工後の被加工物100をカセット45に搬入する動作を、レーザー加工装置1に実施させるものである。制御ユニット50は、CPU(central processing unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(read only memory)又はRAM(random access memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御ユニット50の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、レーザー加工装置1を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介してレーザー加工装置1の各ユニットに出力する。
【0051】
制御ユニット50は、
図1に示すように、X軸送り制御部51と、加工及び搬送制御部52とを備える。X軸送り制御部51は、X軸パルスモータ24でX軸ボールねじ23を回転させることで、2つのチャックテーブル10,10をそれぞれ支持する2つのX軸移動テーブル22,22を、X軸方向に配列した状態で同時にX軸ガイドレール21に沿ってX軸方向に移動させる。加工及び搬送制御部52は、レーザー加工ユニット30により、レーザー加工ユニット30の下方に位置づけられた一方のチャックテーブル10に保持された被加工物100にレーザー光線301を照射させてレーザー加工処理を実行させると同時に、搬出入ユニット41により、搬送領域40に位置づけられた他方のチャックテーブル10に保持されたレーザー加工後の被加工物100をカセット45に搬入させるとともに、カセット45からレーザー加工前の被加工物100を他方のチャックテーブル10の保持面11に載置させる。
【0052】
次に、実施形態1に係るレーザー加工装置1の動作を、図面に基づいて説明する。
図3及び
図4は、いずれも、実施形態1に係るレーザー加工装置1の動作を説明する上面図である。
【0053】
加工及び搬送制御部52は、
図3に示すように、一方のチャックテーブル10がレーザー加工ユニット30の下方に位置づけられ、なおかつ、他方のチャックテーブル10が他方の搬送領域40に位置づけられている場合(後述の第2移動ステップの直後の場合)、レーザー加工ユニット30により、一方のチャックテーブル10に保持された被加工物100にレーザー光線301を照射させてレーザー加工処理を実行させると同時に、搬出入ユニット41により、他方のチャックテーブル10に保持されたレーザー加工後の被加工物100をカセット45に搬入させるとともに、カセット45からレーザー加工前の被加工物100を他方のチャックテーブル10の保持面11に載置させる(第1加工搬送ステップ)。
【0054】
X軸送り制御部51は、
図3に示すように、一方のチャックテーブル10がレーザー加工ユニット30の下方に位置づけられ、なおかつ、他方のチャックテーブル10が他方の搬送領域40に位置づけられており、上記の第1加工搬送ステップが終了している場合(上記の第1加工搬送ステップの直後の場合)、2つのチャックテーブル10,10をそれぞれ支持する2つのX軸移動テーブル22,22を、X軸方向に配列した状態で互いのX軸方向の間隔を維持しながら同時にX軸ガイドレール21に沿って+X方向に移動させることで、
図4に示すように、一方のチャックテーブル10を一方の搬送領域40に位置づけて、他方のチャックテーブル10をレーザー加工ユニット30の下方に位置づける(第1移動ステップ)。
【0055】
加工及び搬送制御部52は、
図4に示すように、一方のチャックテーブル10が一方の搬送領域40に位置づけられ、なおかつ、他方のチャックテーブル10がレーザー加工ユニット30の下方に位置づけられている場合(上記の第1移動ステップの直後の場合)、レーザー加工ユニット30により、他方のチャックテーブル10に保持された被加工物100にレーザー光線301を照射させてレーザー加工処理を実行させると同時に、搬出入ユニット41により、一方のチャックテーブル10に保持されたレーザー加工後の被加工物100をカセット45に搬入させるとともに、カセット45からレーザー加工前の被加工物100を一方のチャックテーブル10の保持面11に載置させる(第2加工搬送ステップ)。
【0056】
X軸送り制御部51は、
図4に示すように、一方のチャックテーブル10が一方の搬送領域40に位置づけられ、なおかつ、他方のチャックテーブル10がレーザー加工ユニット30の下方に位置づけられており、上記の第2加工搬送ステップが終了している場合(上記の第2加工搬送ステップの直後の場合)、2つのチャックテーブル10,10をそれぞれ支持する2つのX軸移動テーブル22,22を、X軸方向に配列した状態で互いのX軸方向の間隔を維持しながら同時にX軸ガイドレール21に沿って-X方向に移動させることで、
図3に示すように、一方のチャックテーブル10をレーザー加工ユニット30の下方に位置づけて、他方のチャックテーブル10を他方の搬送領域40に位置づける(第2移動ステップ)。
【0057】
加工及び搬送制御部52は、実施形態1では、第1加工搬送ステップ及び第2加工搬送ステップにおいて、レーザー光線走査ユニット37により、集光器38が覆うチャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100のXY平面方向の全面に渡ってレーザー光線301を走査することができるので、チャックテーブル10をX軸方向またはY軸方向に移動させることなく、レーザー加工ユニット30により被加工物100のXY平面方向の全面に渡って所望のレーザー加工処理を実行することができる。
【0058】
実施形態1に係るレーザー加工装置1は、チャックテーブル10をX軸方向またはY軸方向に移動させることなく、レーザー加工ユニット30により被加工物100のXY平面方向の全面に渡って所望のレーザー加工処理を実行することができるので、チャックテーブル10の移動を、被加工物100のレーザー加工ユニット30の下方への搬入及び搬出に活用することができる。また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、レーザー光線照射ユニット31の両脇でX軸方向に並んで一対の搬送領域40が配されているので、X軸送りユニット20で2つのチャックテーブル10,10をX軸方向に並べた状態で同時に移動させることで、被加工物100のレーザー加工ユニット30の下方への搬入及び搬出を一度に実行することができる。さらに、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、レーザー加工ユニット30の下方にあるチャックテーブル10に対してレーザー加工処理を実行すると同時に、レーザー加工ユニット30の下方から退避した搬送領域40にあるチャックテーブル10に対してレーザー加工後の被加工物100のカセット45への搬入及びレーザー加工前の被加工物100のカセット45からの搬出処理を実行することができる。このため、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、レーザー光線照射ユニット31のレーザー光線301の照射領域が広いという特性を活用した効率的なレーザー加工ができる。
【0059】
また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、レーザー光線走査ユニット37が、ガルバノスキャナー、レゾナントスキャナー、音響光学偏向素子又はポリゴンミラーを備える。このため、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、被加工物100のXY平面方向の全面に渡ってレーザー光線301を好適に走査して、所望のレーザー加工処理を実行することができる。
【0060】
また、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、搬送領域40には、チャックテーブル10に被加工物100を搬入及び搬出する搬出入ユニット41を備える。このため、実施形態1に係るレーザー加工装置1は、搬送領域40にあるチャックテーブル10に対してレーザー加工後の被加工物100のカセット45への搬入及びレーザー加工前の被加工物100のカセット45からの搬出処理を、搬出入ユニット41により自動で実行することができるので、より効率的な被加工物100のレーザー加工を可能にする。
【0061】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るレーザー加工装置1-2を図面に基づいて説明する。
図5は、実施形態2に係るレーザー加工装置1-2の構成例を示す斜視図である。
図6は、実施形態2に係るレーザー加工装置1-2の動作を説明する上面図である。なお、
図5及び
図6は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
実施形態2に係るレーザー加工装置1-2は、
図5及び
図6に示すように、前述した実施形態1に加えて、チャックテーブル10が回転ユニット14を備え、レーザー加工ユニット30に代えてレーザー加工ユニット30-2を備えること以外、実施形態1と同じである。チャックテーブル10は、実施形態2では、保持面11が回転ユニット14によりZ軸方向に沿った軸心周りに回転自在に設けられている。
【0063】
レーザー加工ユニット30-2は、
図5及び
図6に示すように、レーザー光線照射ユニット31-2と、レーザー光線照射ユニット31-2に対してX軸方向に離間して-Z方向に向けて配設された撮像手段32-2と、を備える。
【0064】
レーザー光線照射ユニット31-2は、前述したレーザー光線照射ユニット31において、集光器38に代えて集光器38-2を備えること以外、同じである。集光器38-2は、集光器38の形状及サイズを変更したものであり、XY平面において長方形状であり、レーザー光線照射ユニット31-2の下方に位置する際のチャックテーブル10の保持面11の半分程度の領域の上方を覆うように設けられている。
【0065】
撮像手段32-2は、
図5及び
図6に示すように、撮像に係る光軸が、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置するチャックテーブル10の保持面11のうち、集光器38-2に覆われていない残りの半分程度の領域を通過するように設けられている。このため、撮像手段32-2は、集光器38-2によって妨げられることなく、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置するチャックテーブル10の保持面11のうち、集光器38-2に覆われていない残りの半分程度の領域を撮像することができる。撮像手段32-2は、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置するチャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100を撮像して、チャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100とレーザー光線照射ユニット31によるレーザー光線301の照射位置との位置合わせを行なうアライメントを遂行するための画像を得、得た画像を制御ユニット50に出力する。
【0066】
次に、実施形態2に係るレーザー加工装置1-2の動作を、図面に基づいて説明する。加工及び搬送制御部52は、実施形態2では、レーザー光線走査ユニット37により、集光器38-2が覆うチャックテーブル10の保持面11に保持された被加工物100のXY平面方向の-X方向側の半面に渡ってレーザー光線301を走査することができる。このため、加工及び搬送制御部52は、まず、
図6(A)に示すように、集光器38-2が覆う領域に被加工物100の一方の半面100-1を配置して、被加工物100の一方の半面100-1の全面に渡って所望のレーザー加工処理を実行する。そして、加工及び搬送制御部52は、回転ユニット14によりチャックテーブル10をZ軸周りに180度(半周)回転させることで、
図6(B)に示すように、集光器38-2が覆う領域に被加工物100の他方の半面100-2を配置する。その後、加工及び搬送制御部52は、被加工物100の他方の半面100-2の全面に渡って所望のレーザー加工処理を実行する。このようにして、加工及び搬送制御部52は、実施形態2では、回転ユニット14を駆使しながら、被加工物100の半面100-1,100-2ずつ、レーザー加工処理を実行する。
【0067】
実施形態2に係るレーザー加工装置1-2は、回転ユニット14によりチャックテーブル10を180度の回転移動を1度させることで、チャックテーブル10をX軸方向またはY軸方向に移動させることなく、レーザー加工ユニット30により被加工物100のXY平面方向の全面に渡って所望のレーザー加工処理を実行することができるので、チャックテーブル10の移動を、被加工物100のレーザー加工ユニット30の下方への搬入及び搬出に活用することができる。実施形態2に係るレーザー加工装置1-2は、その他の構成及び動作については、実施形態1に係るレーザー加工装置1と同様であるので、実施形態1に係るレーザー加工装置1と同様に、レーザー光線照射ユニット31のレーザー光線301の照射領域が広いという特性を活用した効率的なレーザー加工ができるという作用効果を奏する。
【0068】
また、実施形態2に係るレーザー加工装置1-2は、撮像手段32-2が、集光器38-2によって妨げられることなく、レーザー光線照射ユニット31の下方に位置するチャックテーブル10の保持面11の一部分を撮像することができるので、実施形態1に係るレーザー加工装置1よりも、さらにアライメントの精度を向上させることができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0070】
なお、本発明のX軸送りユニット20は、X軸パルスモータ24とX軸ボールねじ23を用いた構成に限定されない。例えば、X軸送りユニット20を、第1チャックテーブル、第2チャックテーブルをそれぞれが駆動源を有し、それぞれが独立してX軸送り制御が可能なリニアサーボモータを用いた直動機構の構成としても良い。これにより、一方のチャックテーブルが停止している間に他方のチャックテーブルを動かす制御が可能となり、搬送及び加工への制限が各段に少なくなる。
【符号の説明】
【0071】
1,1-2 レーザー加工装置
10 チャックテーブル
11 保持面
14 回転ユニット
20 X軸送りユニット
30 レーザー加工ユニット
31,31-2 レーザー光線照射ユニット
341 発振器
37 レーザー光線走査ユニット
38,38-2 集光器
40 搬送領域
41 搬出入ユニット
100 被加工物