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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-05
(45)【発行日】2024-03-13
(54)【発明の名称】検体搬送装置、および検体の搬送方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20240306BHJP
【FI】
G01N35/02 G
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021569759
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(86)【国際出願番号】 JP2020044719
(87)【国際公開番号】W WO2021140787
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2023-08-02
(31)【優先権主張番号】P 2020001091
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 洋
(72)【発明者】
【氏名】山田 隼士
【審査官】瓦井 秀憲
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-502525(JP,A)
【文献】特開2008-298495(JP,A)
【文献】特開2014-089072(JP,A)
【文献】特開2012-117855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが1つ以上の発光体を有しており、検体が収容された検体容器を保持する検体容器保持体を搬送する複数の搬送ブロックと、
前記搬送ブロックによる前記検体容器保持体の搬送動作を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記検体容器保持体の搬送状態に応じて、前記搬送ブロックのうち特定の搬送ブロックの前記発光体を発光させ、優先処理検体を収容した検体容器を保持する検体容器保持体が存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記搬送ブロックの搬送面は、前記発光体の発する光を透過可能な材料で構成され、
前記搬送面の鉛直方向下方に前記発光体が配置されている
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記搬送ブロックの各々が、前記発光体を複数有している
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項4】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記発光体は、異なる波長の光を発光可能である
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項5】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記発光体は、光量を調整可能である
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項6】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記制御部は、予め指定した検体の識別情報と一致する前記検体がその上にある搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項7】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記制御部は、前記検体容器保持体が一定数以上存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項8】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記制御部は、未搬送時間がある一定以上経過した前記検体容器保持体が存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項9】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記制御部は、前記検体容器保持体が存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体搬送装置。
【請求項11】
検体容器保持体に保持された検体容器内に収容された検体を搬送する方法であって、
それぞれが1つ以上の発光体を有している、複数の搬送ブロックにより前記検体容器保持体を搬送する搬送ステップと、
前記搬送ステップの実行中に、前記検体容器保持体の搬送状態に応じて、前記搬送ブロックのうち特定の搬送ブロックの前記発光体を発光させる発光ステップと、を有し、
前記発光ステップでは、優先処理検体を収容した検体容器を保持する検体容器保持体が存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とする
ことを特徴とする検体の搬送方法。
【請求項12】
請求項1に記載の検体搬送装置において、
前記検体容器保持体は、車輪の回転により、あるいは電磁アクチュエータにより前記搬送ブロックの上面を移動する
ことを特徴とする検体搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば血液,血漿,血清,尿、その他の体液等の生体試料(以下検体と記載)の分析を行う自動分析システムや分析に必要な前処理を行う検体前処理装置に用いられる検体搬送装置、および検体の搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エラーを確認してから動作を再開させるまでのユーザの動線を短くすることができる検体ラック搬送システムの一例として、特許文献1には、各ラックの位置を把握するため、中央処理部と各処理ユニットとの間でラック情報,ラック位置に関する通信をリアルタイムで行うことで、モニタ上に表示されるシステム構成図中に各ラックの位置を表示し、更にそのラックに架設されている検体の種類と性質によって各ラックを区別して表示する、ことが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、複数の搬送装置のうちの少なくとも1つが、搬送再開に関する信号を制御装置に送信するための送信スイッチを備えており、制御装置は、ある搬送装置に異常が発生して検体ラックの搬送が停止した場合において、異常が発生した搬送装置と異なる搬送装置の送信スイッチ操作による搬送再開に関する信号を受信すると、異常が発生した搬送装置の状態情報に基づき、異常が解消されている場合には検体ラックの搬送を再開させる、ことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-83863号公報
【文献】特開2011-209219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、位置を把握したい検体容器の装置上の位置や、位置を把握したい装置部位の装置上の位置を表示する場合、操作部画面または装置のそれぞれのユニットの表示部に装置上の位置が表示される構成であった。
【0006】
例えば、特許文献1では、モニタ上に表示されるシステム構成図中にラックの位置を、そのラックに架設されている検体の種類や性質によって各ラックを区別して、リアルタイムで表示することが開示されている。
【0007】
また、特許文献2では、検体搬送ユニットの表示部に該ユニットだけでなく、搬送の上流側および下流側のユニットでエラーが発生しているか否かを示すLEDを備え、エラー発生時に対応するLEDを点灯することで、エラー発生箇所をユーザに通知することが開示されている。
【0008】
ここで、前述の特許文献1のように操作部画面に検体容器が架設されているラックの装置上の位置を表示する場合や、特許文献2のように装置のそれぞれのユニットの表示部に該ユニットだけでなく該ユニットの上流側および下流側のユニットの状態も表示する場合、小規模のシステムであれば、比較的容易に、位置を把握したい検体容器の装置上の位置の特定や、位置を把握したい装置部位の装置上の位置の特定は可能ではあった。
【0009】
近年、自動分析システムや検体の前処理システムの肥大化に伴い、表示を行う部位と把握したい装置上の実際の位置とが離れている中規模から大規模のシステムが登場してきた。
【0010】
このような場合、特許文献1や特許文献2の構成では、表示を行う部位と把握したい装置上の実際の位置とが離れているため、実際に位置を特定したい装置の部位付近での装置上の位置が特定しにくいという問題があった。例えば、同じような構成が並んでいる場合、表示内容を正確に記憶していなければならず、また、正確に記憶していたとしても特定が困難な場合があり、より特定が容易な技術が望まれている。
【0011】
また、小型の自動分析装置においても、検体容器が多く搭載されている等の条件によっては、特許文献1や特許文献2に記載の構成では実際に位置を特定するのに時間がかかる場合があり、同様に改善の余地があった。
【0012】
本発明の目的は、システムの規模に関わらず、位置を把握したい検体容器の装置上の位置や、位置を把握したい装置部位の装置上の位置を、従来に比べて容易に特定することが可能な検体搬送装置、および検体の搬送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、それぞれが1つ以上の発光体を有しており、検体が収容された検体容器を保持する検体容器保持体を搬送する複数の搬送ブロックと、前記搬送ブロックによる前記検体容器保持体の搬送動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記検体容器保持体の搬送状態に応じて、前記搬送ブロックのうち特定の搬送ブロックの前記発光体を発光させ、優先処理検体を収容した検体容器を保持する検体容器保持体が存在する搬送ブロックとその他の搬送ブロックとで、前記発光体を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、システムの規模に関わらず、位置を把握したい検体容器の装置上の位置や、位置を把握したい装置部位の装置上の位置を容易に特定することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施例の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例1における検体搬送装置を用いた検体検査自動化システムの概要構成を示す図である。
図2】実施例1における検体搬送装置の搬送ブロックの概要構成を示す図である。
図3】実施例1における検体搬送装置の搬送ブロックを3ユニット接続した場合の接続例を示す図である。
図4】実施例1における検体搬送装置の要部を模式的に示す図である。
図5】本発明の実施例2における検体搬送装置を用いた検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システムの概要構成を示す図である。
図6】実施例2における検体搬送装置の搬送ブロックの概要構成を示す図である。
図7】実施例2における検体搬送装置の要部を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の検体搬送装置、および検体の搬送方法の実施例を、図面を用いて説明する。
【0017】
<実施例1>
本発明の検体搬送装置、および検体の搬送方法の実施例1について図1乃至図4を用いて説明する。
【0018】
最初に、本発明の実施例1における検体搬送装置を備えた検体検査自動化システムの概要構成について図1を用いて説明する。図1は、検体搬送装置を備えた検体検査自動化システムの概要構成を示す図である。
【0019】
図1に示す検体検査自動化システム100は、検体搬送部10、検体前処理・後処理部11、検体自動分析部(C)12、検体自動分析部(M)13、および検体検査自動化システム100を統合管理する操作部120で構成されている。本実施例1の場合、検体搬送部10は、計100ブロックの搬送ブロック1(図2図4等参照)から構成されている。
【0020】
検体前処理・後処理部11は、閉栓ユニット110、保冷収納ユニット111、検体投入ユニット112、遠心分離ユニット113、開栓ユニット114、分注ユニット115、およびバーコード貼付ユニット116で構成されているが、これは一例に過ぎないことは言うまでもない。
【0021】
検体投入ユニット112は、測定対象の検体が採取された検体容器5が架設された検体容器保持体6を設置するためのユニットである。
【0022】
遠心分離ユニット113は、検体容器5に対して予め決められた条件により検体の遠心分離を行う遠心分離機構を備えているユニットである。
【0023】
開栓ユニット114は、遠心分離が行われた検体容器5の開栓を行うためにユニットである。
【0024】
分注ユニット115は、検体容器5とは別の検体容器5(以降、子検体容器5と記載する)に対し、遠心分離済みの検体の上澄み液の一部分注を行うためにユニットである。
【0025】
閉栓ユニット110は、開栓済みの検体容器5の閉栓を行うためのユニットである。
【0026】
保冷収納ユニット111は、再検査などの可能性に備え、閉栓された検体容器5を保冷保管するためのユニットである。
【0027】
バーコード貼付ユニット116は、分注ユニット115で遠心分離済みの検体容器5から分注された子検体容器の側面に該子検体容器識別のためのバーコードラベルの貼付を行うためにユニットである。
【0028】
なお、検体前処理・後処理部11の詳細な構成は特に限定されず、公知の前処理装置の構成を採用することができる。更に、複数設ける場合に、同一仕様であっても、異なる仕様であってもよく、特に限定されない。
【0029】
検体自動分析部12,13は、検体前処理・後処理部11で処理された検体を移送し、検体の成分の定性・定量分析を行うためのユニットである。このユニットにおける分析項目は特に限定されず、生化学項目や免疫項目を分析する公知の自動分析装置の構成を採用することができる。更に、複数設ける場合に、同一仕様でも異なる仕様でもよく、特に限定されない。
【0030】
操作部120は、検体搬送部10や検体前処理・後処理部11、検体自動分析部(C)12、検体自動分析部(M)13を含めたシステム全体の動作を制御するものであり、液晶ディスプレイ等の表示機器や入力機器、記憶装置、CPU、メモリなどを有するコンピュータで構成される。また、操作部120は、上記の各モジュール等の様々な動作を制御する。操作部120による各機器の動作の制御は、記憶装置に記録された各種プログラムに基づき実行される。
【0031】
なお、操作部120で実行される動作の制御処理は、1つのプログラムにまとめられていても、それぞれが複数のプログラムに別れていてもよく、それらの組み合わせでもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、モジュール化されていても良い。
【0032】
なお、上述の図1では、検体自動分析部12,13が2つ設けられている場合について説明しているが、検体自動分析部の数は特に限定されず、1つ以上であればよい。
【0033】
また、検体搬送装置である検体搬送部10が検体前処理・後処理部11の内部や、検体前処理・後処理部11と検体自動分析部12,13とを接続する場合について説明しているが、本発明の検体搬送装置は、2つ以上の検体自動分析部から構成される分析システムの内部を接続する形態のシステムにも適用することができる。
【0034】
次に、本実施例の検体搬送装置の具体的な構成について図2乃至図4を用いて説明する。図2は、本実施例1における検体搬送装置の搬送ブロックの概要構成を示す図である。図3は、検体搬送装置の搬送ブロックを3ユニット接続した場合の接続例を示す図である。図4は、検体搬送装置の要部を模式的に示す図である。
【0035】
図2に示すように、検体搬送部10を構成する搬送ブロック1は、検体容器保持体6の搬送ガイド用スロット21を備えた搬送平面2と、4つの発光体3と、を備えている。そして、図1図3に示すように、この搬送ブロック1が2次元平面上に複数並ぶことにより検体搬送部10が構成される。
【0036】
図4等に示す搬送ブロック1の搬送平面2は、発光体3の発する光を透過可能な材料で構成されており、例えば、光を透過可能な半透明、あるいは透明なプラスチックでできている。
【0037】
発光体3は、図4に示すように、搬送平面2の鉛直方向下方に基板などに固定された状態で配置されており、本実施例では、異なる波長の光を発光可能、すなわち、人間の視覚上において異なる色として認識される異なる波長の光を発光するように構成されている。より具体的には、赤、緑、青の発光素子を内蔵したカラーLEDを使用しているが、これに限定するものではなく、単色光源を用いることができる。また、その輝度を調整可能とすることができるが、調整できることは必須ではない。
【0038】
本実施例では、搬送平面2の下には例として1つの搬送ブロック1内に4個の発光体3が配置されている形態を示している。複数個の発光体3を1つの搬送ブロック1に設けることで、発光体3を1個設ける時に比べて視認性の向上を図ることができる。
【0039】
なお、1つの搬送ブロック1に設けられる発光体3の数は4個に限定されるものではなく、1つ以上であればよく、複数であることは必須ではない。
【0040】
また、図4に示すように、本実施例における検体搬送装置は、それぞれに発光体3を備える複数の搬送ブロック1による検体容器保持体6の搬送動作を制御する制御部4を備えている。この制御部4は、例えば図1に示した操作部120内に設けられるが、搬送ブロック1の近傍に独立して設けることができる。
【0041】
この制御部4は、本実施例では、検体容器保持体6の搬送状態の情報に応じて、搬送ブロック1のうち特定の搬送ブロック1の発光体3を発光させる。例えば、予め指定した検体の識別情報と一致する検体がその上にある搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させることができる。あるいは、いずれか一方を無発光状態とすることができる。
【0042】
また、制御部4は、検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることができる。
【0043】
更に、制御部4は、優先処理検体を収容した検体容器5を保持する検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることができる。
【0044】
また、制御部4は、必要に応じて、操作部120の表示装置のシステム構成図中に、発光させる発光体3の位置が検体検査自動化システム100内のいずれの位置であるかを表示させることもできる。これにより、探し求めている検体容器の位置を大まかに特定することができる。
【0045】
本実施例の検体搬送部10では、検体容器保持体6の種類およびシステム内の位置を特定するために、システム中には、検体容器保持体6の検知を行う複数のセンサ130が存在している。
【0046】
このセンサ130により収集された検体容器保持体6の情報は操作部120にて一元的に管理されている。例えば、異なるユニット間で検体容器保持体6の受け渡しが行われる際に検体容器保持体6情報および立ち寄り情報の受け渡しが行われる。操作部120内のメモリにシステム中のセンサのオン・オフの状態が記憶され、各部との通信によりセンサのオン・オフの情報および検体容器保持体6情報,立ち寄り情報を受取り、各検体容器保持体6の位置が変化した場合には記憶した内容の更新を行い、必要に応じて検体搬送部10の制御部4に発光指令信号を出力し、対応する発光体3を発光させる。
【0047】
検体容器保持体6は、図2および図3に示すように、その両側面に車輪61を備えており、内蔵電池により車輪61を駆動し、搬送平面2に設けられた搬送ガイド用スロット21に沿って、搬送平面2上を2次元に自走できる構成になっている。
【0048】
搬送は、検体容器保持体6の両側面の車輪61がお互いに同方向に回転するときは、検体容器保持体6が前進もしくは後退移動し、検体容器保持体6の両側面の車輪61がお互いに逆方向に回転するときは、検体容器保持体6はその場で回転し、進行方向を変えられる。このような検体容器保持体6に検体が収容された検体容器5が架設され、目的地まで搬送される。
【0049】
次に、本実施例に係る検体搬送方法について図1等を参照して説明する。
【0050】
まず、測定対象の検体が採取された検体容器5が架設された検体容器保持体6が検体投入ユニット112に設置される。
【0051】
検体投入ユニット112に設置された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、遠心分離ユニット113に搬送される。遠心分離ユニット113では、検体容器保持体6に架設された検体容器5が遠心分離ユニット113内に設置された遠心分離機構に移載され、予め決められた条件により検体の遠心分離が行われる。
【0052】
遠心分離が行われた検体容器5は、再び検体容器保持体6に架設され、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、次の開栓ユニット114に搬送される。
【0053】
開栓ユニット114では、遠心分離が行われた検体容器5の開栓が行われる。開栓ユニット114で開栓が行われた検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、分注ユニット115に搬送される。
【0054】
分注ユニット115では、検体容器5とは別の検体容器5(以降、子検体容器5と記載する)に、遠心分離済みの検体の上澄み液が一部分注される。
【0055】
遠心分離済みの検体が架設されている検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、閉栓ユニット110に搬送される。閉栓ユニット110では、遠心分離済みの検体容器5の閉栓が行われる。
【0056】
閉栓が行われた遠心分離済みの検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、保冷収納ユニット111に搬送される。保冷収納ユニット111では、再検査などの可能性に備え、遠心分離済みの閉栓された検体容器5を保冷保管する。
【0057】
一方、分注ユニット115で遠心分離済みの検体容器5から分注された子検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、バーコード貼付ユニット116に搬送される。
【0058】
バーコード貼付ユニット116では、子検体容器の側面に当該子検体容器識別のためのバーコードラベルの貼付が行われる。バーコードラベルが貼付された、子検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、検体に依頼された測定項目の種類により検体自動分析部(M)13または検体自動分析部(C)12に搬送される。
【0059】
検体に複数の測定項目が依頼された場合、測定項目の種類により、検体自動分析部(M)13に搬送され測定されたあと、子検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、検体自動分析部(C)12に搬送され残りの測定項目を測定することもある。
【0060】
測定が終了した子検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1の搬送平面2を通り、保冷収納ユニット111まで搬送され、保管される。
【0061】
このような検体検査自動化システム100において、オペレータが、ある検体容器5の位置を把握したい場合を例に以下説明する。
【0062】
オペレータがある検体容器5の位置を把握したい場合、まず、オペレータは操作部120から検体容器5の識別情報を入力する。初期状態の搬送平面2の発光体3は例として全て無発光状態とする。
【0063】
操作部120から検体容器5の識別情報が入力された場合、制御部4は、センサ130からの情報に基づいて、当該識別情報に対応する検体容器5が架設された検体容器保持体6が搬送平面2の上にある搬送ブロック1の発光体3を発光させる。本例の発光体3は1つの搬送ブロック1に対し、4個搭載されているので、4個の発光体3を発光させる。なお、4つすべてを発光させる必要はなく、例えば最も近くの1個の発光体3を発光させてもよい。
【0064】
対象の検体容器保持体6が特定の搬送ブロック1の搬送平面2の上ではなく、検体前処理・後処理部11や、検体自動分析部(M)13もしくは検体自動分析部(C)12に搬送されて処理中である場合は、当該検体容器保持体6に最も近い搬送ブロック1の発光体3を点滅させる。これにより、搬送平面2の上には無いが、近傍に位置していることを表示する。
【0065】
また、操作部120から入力する検体容器5の識別情報は複数であっても構わない。この場合は、第1の識別情報に対応する発光体3の発光色は、例えば緑、第2の識別情報に対応する発光体3の発光色は赤、第3の識別情報に対応する発光体の発光色は黄色、第4の識別情報に対応する発光体3の発光色は青など、色分けして発光させる。これにより、区別して認識させることが可能となる。この場合、4個の発光体3それぞれに各色を割り当て、各色に対応する発光体3のみが発光するよう構成することが望ましい。
【0066】
更に、通常のシステム稼働中は検体搬送部10のすべての搬送ブロックの発光体3を同じ発光パターンで発光させ、特定の搬送ブロック1の発光体3のみの発光パターンを変える、あるいは無発光状態とする、などの方法を採用することができる。このような制御によっても、特定したい検体の位置を容易に把握することができる。
【0067】
次に、本実施例の効果について説明する。
【0068】
上述した本発明の実施例1の検体搬送部10は、それぞれが1つ以上の発光体3を有しており、検体が収容された検体容器5を保持する検体容器保持体6を搬送する複数の搬送ブロック1と、搬送ブロック1による検体容器保持体6の搬送動作を制御する制御部4と、を備え、制御部4は、検体容器保持体6の搬送状態に応じて、搬送ブロック1のうち特定の搬送ブロック1の発光体3を発光させるものである。
【0069】
このように、発光体3の発光によりオペレータに対して通知を行うことによって、分析システムや前処理・後処理システムが肥大化して操作部と把握したい装置上の実際の位置とが離れてしまっても、オペレータは、位置を把握したい検体容器の装置上の位置や位置を把握したい装置部位の装置上の位置を、従来の装置構成に比べて容易に特定することができる。従って、オペレータの負担を従来に比べて軽減し、搬送作業や分析作業の効率化を図ることができる。
【0070】
特に、離れた位置からであっても、特定の検体位置特定、混雑状況把握、異常位置特定等の搬送状態を一見で把握することができるため、必要に応じて速やかにアクセスすることができるようになる。すなわち、発光位置近傍にオペレータが居ない場合であっても非常に有効な構成であり、システムが大型化するほど非常に好適な構成といえる。
【0071】
また、搬送ブロック1の搬送平面2は、発光体3の発する光を透過可能な材料で構成され、搬送平面2Aの鉛直方向下方に発光体3が配置されているため、検体容器保持体6が搬送される平面上に物理的に干渉することのない位置に発光体3を配置することができ、スムーズな検体容器保持体6の搬送を実現することができる。
【0072】
更に、発光体3は、異なる波長の光を発光可能であることで、搬送状態の表し方のバリエーションを増やすことができ、オペレータに伝える情報量を増やすことができるため、特定したい検体の位置やその状態の把握をより容易に行うことができる。
【0073】
また、制御部4は、予め指定した検体の識別情報と一致する検体がその上にある搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることにより、予め指定した検体容器保持体6の識別情報と一致する検体容器保持体6の位置をより容易に識別することができ、オペレータの作業効率の更なる向上を図ることができる。
【0074】
更に、制御部4は、検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることにより、搬送ブロック1上の検体容器保持体6の有無やその位置を直感的に識別することができる。
【0075】
また、制御部4は、優先処理検体を収容した検体容器5を保持する検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1とその他の搬送ブロック1とで、発光体3を異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることで、搬送ブロック1上の優先処理の検体容器保持体6の位置を簡易に識別することができる。
【0076】
<実施例2>
本発明の実施例2の検体搬送装置、および検体の搬送方法について図5乃至図7を用いて説明する。なお、図5乃至図7中、実施例1と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。
【0077】
最初に、本発明の実施例2における検体搬送装置を備えた検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システムの概要構成について図5を用いて説明する。図5は本実施例2における検体搬送装置を用いた検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システムの概要構成を示す図である。
【0078】
図5に示す検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システム100Aは、検体搬送部10A、検体前処理・後処理部11、検体自動分析部(CC)121、2台の検体自動分析部(IM)131、および操作部120Aで構成されている。
【0079】
本実施例2の場合、検体搬送部10Aは、計76ブロックの搬送ブロック1から構成されている。また、検体前処理・後処理部11Aは、例として、閉栓ユニット110、保冷収納ユニット111、検体投入ユニット112、遠心分離ユニット113、開栓ユニット114、で構成されている。
【0080】
次に、本実施例の検体搬送装置の具体的な構成について図6および図7を用いて説明する。図6は実施例2における検体搬送装置の搬送ブロックの概要構成を示す図である。図7は検体搬送装置の要部を模式的に示す図である。
【0081】
図6および図7に示すように、本実施例の検体搬送部10Aを構成する搬送ブロック1Aは、図2の例と同様に、検体容器保持体6の搬送ガイド用スロット21を備えた搬送平面2Aと、複数の発光体3Aと、を備えている。そして、図5に示すように、この搬送ブロック1Aが2次元平面上に複数並ぶことにより検体搬送部10Aが構成される。
【0082】
本実施例でも、搬送平面2Aは、複数の発光体3Aの発する光をすべて透過可能な材料で構成されており、例えば、光を透過可能な半透明、あるいは透明なプラスチックでできている。
【0083】
発光体3Aは、例えば緑などの単色の発光素子を内蔵したLEDで構成されており、1つの搬送ブロック1A内の搬送平面2Aの下に設けられている基板上に、100個配置されている。
【0084】
本実施例の発光体3Aは、各々が発する光量、すなわちその輝度を複数段階で調整可能に構成されており、例えば輝度を3段階の可変の構成とする。
【0085】
なお、本実施例においても、搬送ブロック1Aに設ける発光体3Aの数に特に限定はなく、1つ以上とすることができる。また、単色光源である必要もなく、実施例1のように複数の波長の光を発光可能であってもよい。
【0086】
また、図7に示すように、本実施例における検体搬送装置は、それぞれに発光体3Aを備える複数の搬送ブロック1Aによる検体容器保持体6の搬送動作を制御する制御部4Aを備えている。
【0087】
本実施例の制御部4Aも、操作部120A内に配置されており、検体容器保持体6の搬送状態の情報に応じて、搬送ブロック1Aのうち特定の搬送ブロック1Aの発光体3Aを発光させる。
【0088】
本実施例では、例えば、検体容器保持体6が一定数以上存在する搬送ブロック1Aとその他の搬送ブロック1Aとで、発光体3Aを異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることができる。この時、一定数以上の基準数について操作部120Aの操作により設定変更を行えることが望ましい。
【0089】
また、未搬送時間がある一定以上経過した検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1Aとその他の搬送ブロック1Aとで、発光体3Aを異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることができる。この場合も、滞在する時間について操作部120Aの操作により設定変更を行えることが望ましい。
【0090】
また、操作部120Aからの操作設定により、一つの検体容器保持体6でのみで発光量を変化させ、当該検体容器保持体6が動いた段階で発光体3Aの発光状態を初期状態に戻すか、または、電源を投入してから当該発光体3A近傍の全ての検体容器保持体6が動かない時間を積算して発光状態を変化させるかを、切り替えことができる。
【0091】
検体容器保持体6がその両側面に車輪61を備えており、内蔵電池により車輪61を駆動して、搬送平面2Aに設けられた搬送ガイド用スロット21に沿って搬送平面2A上を2次元に自走できる構成になっている点は同じである。
【0092】
次に、本実施例に係る検体搬送方法について図5等を参照して説明する。
【0093】
まず、測定対象の検体が採取された検体容器5が架設された検体容器保持体6は検体投入ユニット112に設置される。
【0094】
検体投入ユニット112に設置された検体容器保持体6は、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、遠心分離ユニット113に搬送される。遠心分離ユニット113では、遠心分離ユニット113内に設置された遠心分離機構に検体容器保持体6に架設された検体容器5を移載する。移載された検体容器5は、予め決められた条件により検体の遠心分離が行われる。
【0095】
遠心分離が行われた検体容器5は、再び検体容器保持体6に架設され、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、次の開栓ユニット114に搬送される。
【0096】
開栓ユニット114では、遠心分離が行われた検体容器5の開栓が行われる。開栓ユニット114で開栓が行われた検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、検体に依頼された測定項目の種類により検体自動分析部(IM)131または検体自動分析部(CC)121に搬送される。
【0097】
検体に複数の測定項目が依頼された場合、測定項目の種類により、検体自動分析部(IM)131に搬送され測定されたあと、検体容器保持体6は、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、検体自動分析部(CC)121に搬送され残りの測定項目を測定することもある。
【0098】
測定が全て完了した検体が架設されている検体容器保持体6は、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、閉栓ユニット110に搬送される。
【0099】
閉栓ユニット110では、測定が完了した検体容器5の閉栓が行われる。閉栓が行われた検体容器5が架設された検体容器保持体6は、搬送ブロック1Aの搬送平面2Aを通り、保冷収納ユニット111に搬送される。保冷収納ユニット111では、再検査などの可能性に備え、検体容器5を保冷保管する。
【0100】
このような検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システム100Aにおいて、搬送の渋滞状態を表示する場合を例に以下説明する。
【0101】
検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システム100Aの電源が投入されたことを認識したときは、制御部4Aは、搬送ブロック1A内の発光体3Aを、ある一定周期にて点滅させる。まず、電源投入時の発光体3Aは最も輝度が低い発光量にて点滅させる。
【0102】
その後、検体容器保持体6が検体前処理・後処理部11Aの検体投入ユニット112に投入されると、投入された検体容器保持体6は検体投入ユニット112から各処理毎に搬送ブロック1Aを経由しながら各処理ユニットに搬送される。
【0103】
検体容器保持体6が次々に投入され、検体前処理・後処理部11Aのそれぞれのユニットの処理速度より検体容器保持体6のそれぞれのユニットへの供給速度が速い、もしくは、検体自動分析部(IM)131や検体自動分析部(CC)121の処理速度より検体容器保持体6のそれぞれの検体自動分析部への供給速度が速くなると、検体容器保持体6が当該ユニットもしくは当該自動分析部の手前で待ち状態になり、検体容器保持体6の渋滞が発生する。
【0104】
検体容器保持体6がある一定時間動かない場合、検体容器保持体6に最も最寄りの発光体3Aの発光状態を、3段階のうち最も輝度の低い発光量での点滅から、3段階のうち最も輝度の低い発光量の点灯へと変化させる。
【0105】
更に一定時間経過しても当該検体容器保持体6が動かない場合、発光体3Aの発光状態を、3段階のうち最も輝度の低い発光量の点灯から、3段階のうち中間輝度の発光量の点灯へと変化させる。
【0106】
更に一定時間経過しても当該検体容器保持体6が動かない場合、発光体3Aの発光状態を、3段階のうち中間輝度の発光量の点灯から、3段階のうち最も明るい輝度の発光量へと変化させる。
【0107】
当該検体容器保持体6が動き出すと、当該発光体3Aは点灯状態から、元の3段階のうち最も輝度の低い発光量の点滅状態へと変化させる。
【0108】
また、検体容器保持体6が動いてはいるものの、移動速度が遅く、複数の検体容器保持体6が搬送ブロック1A上に存在している場合、最も最寄りの発光体3Aの発光状態を、3段階のうち最も輝度の低い発光量での点滅から、3段階のうち最も輝度の低い発光量の点灯へと変化させる。更に滞留する場合は、輝度をより明るくしていく。
【0109】
このような方法で、オペレータは、検体搬送部10の上の渋滞状態や実際の渋滞箇所を、発光体3Aの発光量の濃淡で可視的に見ることができる。
【0110】
なお、初期状態の発光を、3段階のうち最も輝度の低い発光量の点滅にするか、または、消灯状態にするかなどの各種発光状態の設定の変更も、当該システムの操作部120Aの操作設定により切り替えることができる。
【0111】
その他の構成・動作は前述した実施例1の検体搬送装置、および検体の搬送方法と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
【0112】
本発明の実施例2の検体搬送装置、および検体の搬送方法においても、前述した実施例1の検体搬送装置、および検体の搬送方法とほぼ同様な効果が得られる。
【0113】
また、搬送ブロック1Aの各々が、発光体3Aを複数有していること、あるいは光量を調整可能であることによっても、搬送状態の表し方のバリエーションが増やせるため、オペレータに伝える情報量を増やすことができ、位置やその状態の把握がより容易になる。
【0114】
更に、制御部4Aは、検体容器保持体6が一定数以上存在する搬送ブロック1Aとその他の搬送ブロック1Aとで、発光体3Aを異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることにより、搬送ブロック1Aの混雑状態を簡易に識別することができる。
【0115】
これにより、例えば、開栓ユニット114の所で慢性的に渋滞が発生していると判断される場合は、当該開栓ユニット114の処理能力が足りていないことを意味するので、システムの運用者は、当該システム自体の処理能力向上を図るために、開栓ユニット114をもう一台当該システムに追加導入する等の改善策を速やかに講じることができる。これにより、当該システムの処理能力向上を従来より容易に図ることができる。
【0116】
また、本実施例の2つの検体自動分析部(IM)131のうち、片方の検体自動分析部(IM)131で慢性的な渋滞が発生している場合に、渋滞している側の検体自動分析部(IM)131から渋滞していない側の検体自動分析部(IM)131に一部測定項目を移すように操作部120Aを操作することができ、分析のスループットの向上を容易に図ることができる、との効果も得られる。
【0117】
また、制御部4Aは、未搬送時間がある一定以上経過した検体容器保持体6が存在する搬送ブロック1Aとその他の搬送ブロック1Aとで、発光体3Aを異なる発光状態で発光させる、あるいはいずれか一方を無発光状態とすることで、搬送が停滞している搬送ブロック1Aを容易に識別することができ、同様に停滞対策を速やかに講じることができる。
【0118】
<その他>
なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0119】
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
【0120】
例えば、上述の各実施例では、検体容器保持体6が車輪61の回転により搬送平面2,2A上を移動する形態について説明したが、検体容器保持体6の搬送方法は自走方式に限られず、2次元平面上を搬送する様々な方式の検体搬送装置に適用することができ、例えば電磁アクチュエータによる搬送方式を用いた検体搬送装置に対して好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0121】
1,1A…搬送ブロック
2,2A…搬送平面
3,3A…発光体
4,4A…制御部
5…検体容器
6…検体容器保持体
10,10A…検体搬送部(検体搬送装置)
11,11A…検体前処理・後処理部
12,13,121,131…検体自動分析部
21…搬送ガイド用スロット
61…車輪
100…検体検査自動化システム
100A…検体前処理・後処理部・自動分析部一体型自動分析システム
110…閉栓ユニット
111…保冷収納ユニット
112…検体投入ユニット
113…遠心分離ユニット
114…開栓ユニット
115…分注ユニット
116…バーコード貼付ユニット
120,120A…操作部
130…センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7