(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】ノズルユニット及びノズルユニットの使用方法
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20240308BHJP
H01L 21/56 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
B05C11/10
H01L21/56 E
(21)【出願番号】P 2020040121
(22)【出願日】2020-03-09
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 祥平
(72)【発明者】
【氏名】樋口 大地
【審査官】清水 晋治
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-164722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 5/00-21/00
H01L 21/56
B05B 12/16-12/36
14/00-16/80
B05D 1/00-7/26
B65D 35/44-35/54
39/00-55/16
83/00
83/08-83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が充填されたタンクに差し込まれるノズルユニットであって、
該ノズルユニットは、
該タンクに形成された開口を覆うキャップと、
該キャップに形成された貫通孔
内に差し込まれ
て該タンクに取り付けられるとともに、該タンクから取り外される際に該キャップを該タンクに固定した状態で該貫通孔内から抜き取られるノズルと、
該貫通孔に固定された環状のワイパーと、を含み、
該環状のワイパーは、
該タンクに固定された該キャップに対して該ノズルを抜く際に、内周がノズルの外周に接触
して該ノズルの外周に付着した該液体がタンク内に滴下することを特徴とするノズルユニット。
【請求項2】
該ノズルユニットは、
開閉弁を有するエア供給チューブを介して該ノズルと接続されるエア供給源と、
該開閉弁を制御する制御ユニットと、をさらに備え、
該ノズルを抜き取る前に、該エア供給源からエアを供給し、該ノズル内部に残存する該液体を該タンク内に落下させることを特徴とする、請求項1に記載のノズルユニット。
【請求項3】
該
環状のワイパーはOリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のノズルユニット。
【請求項4】
該環状のワイパーは、該貫通孔の内周側の、該タンクが装着される側の端部に固定されることを特徴とする請求項3に記載のノズルユニット。
【請求項5】
該
環状のワイパーは、該タンクの下方に向かうほどに縮径する逆テーパー状かつ環状かつ弾性部材で形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のノズルユニット。
【請求項6】
該液体は、半導体ウエーハを被覆する樹脂であって、
該ノズルは、半導体ウエーハの加工装置に接続されることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載のノズルユニット。
【請求項7】
請求項1に記載の該ノズルユニットの使用方法であって、
液体が充填された該タンクに
固定された該キャップに形成された該貫通孔内に該ノズルを差し込む
ことで該ノズルを該タンクに取り付けるノズル差し込みステップと、
該ノズルによって該タンクから液体使用装置に該液体を供給する液体供給ステップと、
該タンクに該キャップを固定した状態で
該貫通孔内から該ノズルを抜き取る
ことで該ノズルを該タンクから取り外す抜き取りステップと、
該抜き取りステップの実施後に、該タンクからキャップを外すキャップ外しステップと、を備え、
該抜き取りステップにおいて、該ノズルの外周が該
環状のワイパーの内周に接触しながら抜き取られることで、該ノズルの外周に付着した該液体が
タンク内に滴下することを特徴とするノズルユニットの使用方法。
【請求項8】
該ノズルユニットは、
開閉弁を有するエア供給チューブを介して該ノズルと接続されるエア供給源と、
該開閉弁を制御する制御ユニットと、をさらに備え、
該抜き取りステップの実施前に、該エア供給源から該ノズルにエアを供給し、該ノズルの内部に残存する該液体を該タンク内に落下させるエア供給ステップと、
を有することを特徴とする、請求項
7に記載のノズルユニットの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ノズルユニット及びノズルユニットの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液体が充填されたタンクの中にノズルが差し込まれる形態が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
液体が充填されたタンクの中に差し込まれたノズルを取り出し、タンクを交換する場合、ノズルの内部または外周に付着した液体がタンクの周辺に飛散し、汚れが生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズルをタンクから抜く際に、液体が飛散する事を防止できるノズルユニット及びノズルユニットの使用方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のノズルユニットは、液体が充填されたタンクに差し込まれるノズルユニットであって、該ノズルユニットは、該タンクに形成された開口を覆うキャップと、該キャップに形成された貫通孔内に差し込まれて該タンクに取り付けられるとともに、該タンクから取り外される際に該キャップを該タンクに固定した状態で該貫通孔内から抜き取られるノズルと、該貫通孔に固定された環状のワイパーと、を含み、該環状のワイパーは、該タンクに固定された該キャップに対して該ノズルを抜く際に、内周がノズルの外周に接触して該ノズルの外周に付着した該液体がタンク内に滴下することを特徴とする。
【0007】
該ノズルユニットは、開閉弁を有するエア供給チューブを介して該ノズルと接続されるエア供給源と、該開閉弁を制御する制御ユニットと、をさらに備え、該ノズルを抜き取る前に、該エア供給源からエアを供給し、該ノズル内部に残存する該液体を該タンク内に落下させてもよい。
【0008】
該環状のワイパーはOリングであってもよい。また、該環状のワイパーは、該貫通孔の内周側の、該タンクが装着される側の端部に固定されていてもよい。
【0009】
該環状のワイパーは、該タンクの下方に向かうほどに縮径する逆テーパー状かつ環状かつ弾性部材で形成されていてもよい。
【0010】
該液体は、半導体ウエーハを被覆する樹脂であって、該ノズルは、半導体ウエーハの加工装置に接続されていてもよい。
【0011】
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のノズルユニットの使用方法は、上記した該ノズルユニットの使用方法であって、液体が充填された該タンクに固定された該キャップに形成された該貫通孔内に該ノズルを差し込むことで該ノズルを該タンクに取り付けるノズル差し込みステップと、該ノズルによって該タンクから液体使用装置に該液体を供給する液体供給ステップと、該タンクに該キャップを固定した状態で該貫通孔内から該ノズルを抜き取ることで該ノズルを該タンクから取り外す抜き取りステップと、該抜き取りステップの実施後に、該タンクからキャップを外すキャップ外しステップと、を備え、該抜き取りステップにおいて、該ノズルの外周が該環状のワイパーの内周に接触しながら抜き取られることで、該ノズルの外周に付着した該液体がタンク内に滴下することを特徴とする。
【0012】
該ノズルユニットは、開閉弁を有するエア供給チューブを介して該ノズルと接続されるエア供給源と、該開閉弁を制御する制御ユニットと、をさらに備え、該抜き取りステップの実施前に、該エア供給源から該ノズルにエアを供給し、該ノズルの内部に残存する該液体を該タンク内に落下させるエア供給ステップと、をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、ノズルをタンクから抜く際に、液体が飛散する事を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、実施形態1に係るノズルユニットが使用される半導体装置の構成例を示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法の処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態2に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【
図5】
図5は、変形例1に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【
図6】
図6は、変形例2に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【
図7】
図7は、変形例3に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【
図8】
図8は、変形例4に係るノズルユニットの構成例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成は適宜組み合わせることが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0016】
〔実施形態1〕
本発明の実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法を図面に基づいて説明する。まず、実施形態1に係るノズルユニット1が使用される半導体装置100について、以下に説明する。
図1は、実施形態1に係るノズルユニット1が使用される半導体装置100の構成例を示す断面図である。半導体装置100は、
図1に示すように、保持部110と、テーブル120と、樹脂供給部130と、昇降部140と、硬化部150と、制御部160と、を備える。半導体装置100は、半導体ウエーハ200の加工装置の一例であり、半導体ウエーハ200の一方の面に樹脂300を被覆する樹脂貼り機としての機能を有する。
【0017】
半導体装置100が樹脂300を被覆する対象である半導体ウエーハ200は、実施形態1では、例えば、シリコン、サファイア、シリコンカーバイド(SiC)、ガリウムヒ素などを母材とする円板状の半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等である。半導体ウエーハ200は、平坦な表面の格子状に形成される複数の分割予定ラインによって区画された領域に半導体デバイスが形成されている。
【0018】
半導体装置100が半導体ウエーハ200に被覆する樹脂300は、実施形態1では、0.5Pa・s以上400Pa・s以下の粘度を有するが、本発明ではこれに限定されない。半導体装置100が半導体ウエーハ200に被覆する樹脂300は、実施形態1では、紫外線硬化性樹脂であるが、本発明ではこれに限定されず、熱硬化性樹脂でもよい。樹脂300は、紫外線硬化性樹脂である場合、例えば、紫外線硬化性樹脂等の硬化性樹脂成分と、アクリル系ポリマー等のバインダーポリマー成分とで構成される。また、樹脂300は、熱硬化性樹脂である場合、例えば、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂成分と、アクリル系ポリマー等のバインダーポリマー成分とで構成される。また、樹脂300は、本発明では、紫外線硬化性樹脂と熱硬化性樹脂とを混合したものでもよい。
【0019】
保持部110は、下方側の端部に、上方側から半導体ウエーハ200の一方の面を吸引保持する。保持部110は、半導体ウエーハ200を保持する平坦な保持面111が下面に形成されかつ多数のポーラス孔を備えたポーラスセラミック等から構成された円盤形状の吸着部と、吸着部を下面中央部の窪み部に嵌め込んで固定する枠体とを備えた円盤形状である。保持部110は、吸着部が、図示しない真空吸引経路を介して図示しない真空吸引源と接続され、保持面111全体で、半導体ウエーハ200を吸引保持する。保持部110は、昇降部140により鉛直方向に移動自在に設けられている。
【0020】
テーブル120は、半導体ウエーハ200の直径より少し大きい内径の凹面121を有する。テーブル120は、凹面121で、凹面121より少し大きく形成されたシート122を保持する。テーブル120は、凹面121で保持したシート122上に、樹脂供給部130から液状の樹脂300が供給される。
【0021】
シート122の材料は、実施形態1では、紫外線の少なくとも一部を透過する材料等であり、例えば、ポリオレフィン(Poly Olefin、PO)やポリエチレンテレフタレート(Poly Ethylene Terephthalate、PET)等が採用される。
【0022】
樹脂供給部130は、ポンプ131と、供給ノズル132と、を備える。ポンプ131は、制御部160により制御される。ポンプ131は、実施形態1に係るノズルユニット1を介して、タンク50に貯留された液状の樹脂300を吸い上げ、供給ノズル132に供給する。供給ノズル132は、先端に形成された供給口側がテーブル120の凹面121で保持したシート122上に向けて配置されている。供給ノズル132は、ポンプ131によってタンク50から吸い上げられて供給された液状の樹脂300を、テーブル120の凹面121で保持したシート122上に供給する。
【0023】
昇降部140は、制御部160により制御される。昇降部140は、保持部110を昇降移動させることで、保持部110をテーブル120に対して相対的に接近させたり離間させたりする。昇降部140は、保持部110をテーブル120に十分に接近させてから、さらに下降方向に駆動することで、保持部110に保持された半導体ウエーハ200とテーブル120の凹面121で保持したシート122との間で樹脂300を昇降方向に沿って押し広げたり、半導体ウエーハ200に対して樹脂300を昇降方向に沿って押し付けたりする。
【0024】
硬化部150は、テーブル120及び凹面121で保持したシート122を介して、シート122上に供給された液状の樹脂300を硬化させる。硬化部150は、実施形態1では樹脂300が紫外線硬化性樹脂であるので、紫外線を照射することで、樹脂300を紫外線硬化させるものである。このため、テーブル120及びシート122は、実施形態1では、紫外線の少なくとも一部を透過する材料等で構成される。なお、硬化部150は、本発明ではこれに限定されず、例えば、樹脂300が熱硬化性樹脂である場合、加熱することで樹脂300を熱硬化させるものであり、このため、テーブル120及びシート122は、十分に熱伝導性と耐熱性を有する材料等で構成される。
【0025】
制御部160は、各部及び各機構を制御して、半導体装置100に樹脂貼り機としての各動作を実施させるものである。制御部160は、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサを有する演算処理装置と、ROM(Read Only Memory)又はRAM(Random Access Memory)のようなメモリを有する記憶装置と、入出力インターフェース装置とを有するコンピュータである。制御部160の演算処理装置は、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムに従って演算処理を実施して、半導体装置100を制御するための制御信号を、入出力インターフェース装置を介して半導体装置100の各部及び各機構に出力する。
【0026】
半導体装置100は、まず、保持部110の下方に半導体ウエーハ200を供給し、保持部110の保持面111で上方から半導体ウエーハ200を吸引保持する。半導体装置100は、また、テーブル120の凹面121上にシート122を供給し、テーブル120の凹面121で下方からシート122を保持する。半導体装置100は、そして、ポンプ131により、タンク50から液状の樹脂300を吸い上げて供給ノズル132に供給し、供給ノズル132によりその液状の樹脂300をテーブル120の凹面121で保持したシート122上に供給する。
【0027】
半導体装置100は、保持部110で半導体ウエーハ200を吸引保持し、テーブル120の凹面121でシート122を介して液状の樹脂300を保持した状態で、昇降部140により、保持部110とテーブル120とを相対的に接近させて、半導体ウエーハ200と液状の樹脂300とを接触させる。半導体装置100は、昇降部140により、さらに保持部110とテーブル120とを相対的に接近させる方向に圧力を印加することで、樹脂300を半導体ウエーハ200に対して押圧するとともに、硬化部150により樹脂300を硬化させることにより、半導体ウエーハ200上に樹脂300を貼り付け、被覆させる。
【0028】
次に、実施形態1に係るノズルユニット1について、以下に説明する。
図2は、実施形態1に係るノズルユニット1の構成例を示す断面図である。実施形態1に係るノズルユニット1は、
図2に示すように、キャップ11と、ノズル12と、ワイパー13と、を含む。
【0029】
キャップ11は、概ね板状の部材であり、タンク50に対して着脱可能であり、タンク50に上方から装着された際に、タンク50の上方に形成された開口51をさらに上方から覆う。キャップ11は、樹脂300に対して化学的に十分に安定な材料で構成されている。キャップ11は、中央に円筒状の貫通孔14が形成されている。キャップ11の貫通孔14は、キャップ11がタンク50に装着された際に、タンク50の開口51の一部と連通する。
【0030】
ノズル12は、概ね管状の部材であり、略円筒状の外周15が形成されている。ノズル12は、樹脂300に対して化学的に十分に安定な材料で構成されている。ノズル12の外周15の外周径は、キャップ11の貫通孔14の内周径よりも少し小さい。このため、ノズル12は、キャップ11の貫通孔14に対して抜き差し可能である。ノズル12は、一方側がキャップ11の貫通孔14に対して抜き差しされ、他方側が樹脂供給部130に接続されて連通される。ノズル12は、一方側がキャップ11の貫通孔14に差し込まれて、一方側の先端がタンク50内に貯留された液状の樹脂300に浸されると、ポンプ131の作動に応じて、樹脂300をタンク50内から吸い上げて他方側の樹脂供給部130に供給する。
【0031】
ワイパー13は、環状であり、キャップ11の貫通孔14の内周側の、タンク50が装着される側の端部に固定されている。ワイパー13は、ワイパー13の内周16が、貫通孔14の内周面よりもさらに内周側に向けて突出して設けられている。また、ワイパー13の内周16の内周径は、ノズル12の外周15の外周径と同じまたは僅かに小さい。このため、ノズル12を抜き差しする際にワイパー13の内周16がノズル12の外周15に接触する。ワイパー13は、実施形態1では、弾性材料で形成されたOリングである。
【0032】
ノズルユニット1は、
図2に示すように、キャップ11をタンク50に固定した状態でノズル12の一方側をタンク50から抜き出す際に、ノズル12がキャップ11の貫通孔14に対して相対的に鉛直方向の上方に向けて抜き取られる。このため、ノズルユニット1は、このようにノズル12をタンク50から抜き出す際に、ワイパー13の内周16がノズル12の外周15に接触し、ノズル12の外周15の壁面に付着した液状の樹脂300をタンク50内に滴下させる。なお、実施形態1における液状の樹脂300は、本発明に係る液体の一例である。本発明に係る液体は、実施形態1における液状の樹脂300に限定されず、タンク50に貯留可能であれば、どのような液体であってもよい。
【0033】
実施形態1に係るノズルユニット1は、
図2に示すように、エア供給源21と、エア供給チューブ22と、開閉弁23と、制御ユニット24と、をさらに備える。
【0034】
エア供給源21は、樹脂300に対して化学的に十分に安定なエアを供給する。エア供給源21は、実施形態1では、例えば、圧縮空気や、窒素ガス等をエアとして供給する。エア供給源21は、エア供給チューブ22を介してノズル12と接続される。エア供給源21は、ノズル12の、キャップ11に対してタンク50とは反対側の位置に接続される。
【0035】
エア供給チューブ22は、エア供給源21とノズル12とを接続する。エア供給チューブ22は、エア供給源21が供給するエアに対して化学的に十分に安定な材料で構成されている。
【0036】
開閉弁23は、エア供給チューブ22に設置されている。開閉弁23は、開状態の時にエア供給チューブ22の内部を連通状態、接続状態とし、閉状態の時にエア供給チューブ22の内部を断絶状態とする。制御ユニット24は、開閉弁23の開閉を制御する。制御ユニット24は、実施形態1では、上記した制御部160と同様のコンピュータである。
【0037】
実施形態1に係るノズルユニット1は、上記したようにノズル12をタンク50から抜き取る前に、制御ユニット24により開閉弁23を開状態とすることでエア供給源21からノズル12の内部にエアを供給し、供給したエアにより、ノズル12の内部に残存する液状の樹脂300をタンク50内に落下させる。
【0038】
なお、実施形態1に係るノズルユニット1は、タンク50から半導体装置100に液体を供給する場合、エア供給源21、エア供給チューブ22、開閉弁23及び制御ユニット24を備えることに代えて、上記したようにノズル12をタンク50から抜き取る前に、半導体装置100のポンプ131を利用して、半導体装置100に液状の樹脂300を供給するときとは反対向きにポンプ131を作動させて、ノズル12の内部に残存する液状の樹脂300をタンク50内に落下させてもよい。
【0039】
次に、本明細書は、実施形態1に係るノズルユニット1の使用方法(ノズルユニットの使用方法)の一例を図面に基づいて説明する。
図3は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法の処理の手順の一例を示すフローチャートである。実施形態1に係るノズルユニットの使用方法は、
図3に示すように、ノズル差し込みステップ1001と、液体供給ステップ1002と、エア供給ステップ1003と、抜き取りステップ1004と、キャップ外しステップ1005と、を備える。
【0040】
実施形態1に係るノズルユニットの使用方法は、ノズルユニット1のノズル12の他方側が、液体使用装置である半導体装置100の樹脂供給部130に接続された状態で開始する。なお、ノズルユニットの使用方法は、本発明ではこれに限定されず、ノズルユニットの使用方法の開始時に、ノズル12の他方側が、液体使用装置である半導体装置100の樹脂供給部130に接続されていない場合には、液体供給ステップ1002を開始するまでに、ノズル12の他方側が、液体使用装置である半導体装置100の樹脂供給部130に接続されればよい。
【0041】
ノズル差し込みステップ1001は、液体(液状の樹脂300)が充填されたタンク50にノズル12を差し込むステップである。ノズル差し込みステップ1001では、具体的には、まず、ノズルユニット1のキャップ11が、液体(液状の樹脂300)が充填されたタンク50の開口51部分に上方から装着される。ノズル差し込みステップ1001では、次に、キャップ11の貫通孔14に差し込まれたノズル12の一方側が、タンク50のある方向である下方に向けてさらに差し込まれることで、その一方側の先端がタンク50内に貯留された液状の樹脂300に浸される。
【0042】
液体供給ステップ1002は、ノズル12によってタンク50から液体(液状の樹脂300)を使用する液体使用装置である半導体装置100に液体(液状の樹脂300)を供給するステップである。液体供給ステップ1002では、ノズル12が、ポンプ131の作動に応じて、樹脂300をタンク50内から吸い上げて、吸い上げた樹脂300を半導体装置100の樹脂供給部130に供給する。液体供給ステップ1002が終了すると、制御部160によりポンプ131の作動を停止し、ノズル12による樹脂300の樹脂供給部130への供給を停止する。
【0043】
エア供給ステップ1003は、抜き取りステップ1004の実施前に、エア供給源21からノズル12にエアを供給し、ノズル12の内部に残存する液体(液状の樹脂300)をタンク50内に落下させるステップである。エア供給ステップ1003では、制御ユニット24により開閉弁23を開状態とすることでエア供給源21からノズル12の内部にエアを供給し、供給したエアにより、ノズル12の内部に残存する液状の樹脂300をタンク50内に落下させる。
【0044】
抜き取りステップ1004は、タンク50にキャップ11を固定した状態で、タンク50からノズル12を抜き取るステップである。抜き取りステップ1004では、ノズル12の外周15がワイパー13の内周16に接触しながら、ノズル12がキャップ11の貫通孔14に対して相対的に鉛直方向の上方に向けて抜き取られる。抜き取りステップ1004では、このようにノズル12が抜き取られる際に、ワイパー13の内周16によってノズル12の外周15に付着した液体(液状の樹脂300)が下方に向けて除去される。抜き取りステップ1004では、ノズル12の外周15から除去された液体(液状の樹脂300)が、そのままタンク50内に落下するか、もしくは、一旦ワイパー13の内周16の下方の端部に付着してからタンク50内に落下する。抜き取りステップ1004では、ノズル12が、ノズル12の一方側の先端がタンク50内に貯留された液状の樹脂300の液面より上方に到達するまで、抜き取られる。
【0045】
キャップ外しステップ1005は、抜き取りステップ1004の実施後に、タンク50からキャップ11を外すステップである。キャップ外しステップ1005では、キャップ11がタンク50から取り外されることで、ノズルユニット1全体がタンク50から完全に分離する。これにより、キャップ外しステップ1005の実施後には、ノズルユニット1のノズル12の他方側が液体使用装置である半導体装置100の樹脂供給部130に接続された状態を維持され、新しいタンク50にノズルユニットを固定するだけでタンク50を交換することを可能にする。
【0046】
以上のような構成を有する実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、キャップ11をタンク50に固定した状態でノズル12をタンク50から抜き出す際に、ワイパー13の内周16がノズル12の外周15に接触し、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)をタンク50内に滴下させる。このため、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、ノズル12をタンク50から抜く際に、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)が飛散する事を防止できるという作用効果を奏する。
【0047】
また、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、半導体装置100に接続して使用するので、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)が飛散する事を防止することにより、高いクリーン度が求められる半導体装置100の設置場所のクリーン度を高く維持することができるという作用効果を奏する。
【0048】
また、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、ノズル12をタンク50から抜き取る前に、エア供給源21からエアを供給し、ノズル12の内部に残存する液体(液状の樹脂300)をタンク50内に落下させる。このため、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、ノズル12をタンク50から抜く際に、ノズル12の内部に残存する液体(液状の樹脂300)が飛散する事を防止できるという作用効果を奏する。
【0049】
また、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、ワイパー13がOリングである。このため、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、Oリングをワイパー13として、キャップ11の貫通孔14の内周側の、タンク50が装着される側の端部に設けることで、ノズル12をタンク50から抜く際に液体(液状の樹脂300)が飛散する事を防止できるという作用効果を、容易に実現することができる。
【0050】
また、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法は、ノズル12に対してワイパー13及びエア供給源21等がユニットとして機構が形成されているので、消耗品であるタンク50毎にワイパーやエア供給源等を用意する必要がなく、複数の種類のタンク50に対して使用する際にかかるコストを低減することができる。
【0051】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2に係るノズルユニット1-2及びノズルユニットの使用方法を説明する。
図4は、実施形態2に係るノズルユニット1-2の構成例を示す断面図である。
図4は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0052】
実施形態2に係るノズルユニット1-2は、実施形態1に係るノズルユニット1において、
図4に示すように、ワイパー13をワイパー13-2に変更したものである。ワイパー13-2は、ワイパー13と同様に、環状であり、弾性材料で形成された弾性部材であり、キャップ11の貫通孔14の内周側の、タンク50が装着される側の端部に固定されている。
【0053】
ワイパー13-2は、
図4に示すように、内周面18-2と、外周面19-2と、を有する。内周面18-2は、タンク50の液状の樹脂300が貯留されている方向である下方に向かうにしたがって、ノズル12の径方向内側に向かって縮径する逆テーパー状に、傾斜して形成されている。内周面18-2の傾斜は小さく、このため、内周面18-2とノズル12の外周15との間の空間は、液体(液状の樹脂300)の滴が残存できないほどに狭い。
【0054】
外周面19-2は、タンク50の下方に向かうにしたがって、ノズル12の径方向内側に向かって縮径する逆テーパー状に形成されている。外周面19-2の傾斜は内周面18-2の傾斜より大きく、このため、ワイパー13-2全体が、下方に向かうほどに縮径する逆テーパー状に形成される。すなわち、ワイパー13-2の径方向の厚みは、タンク50の下方に向かうにしたがって細くなっている。
【0055】
ワイパー13-2の下方に向けて突出した先端部分は、キャップ11の貫通孔14の内周面よりもさらに内周側に向けて突出した突状の内周16-2を形成している。
【0056】
ノズルユニット1-2は、
図4に示すように、キャップ11をタンク50に固定した状態でノズル12をタンク50から抜き出す際に、ワイパー13-2の内周16-2がノズル12の外周15に接触し、ノズル12の外周15の壁面に付着した液状の樹脂300をタンク50内に滴下させる。
【0057】
次に、本明細書は、実施形態2に係るノズルユニット1-2の使用方法(ノズルユニットの使用方法)の一例を説明する。実施形態2に係るノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法において、抜き取りステップ1004を変更したものである。実施形態2に係る抜き取りステップ1004では、ワイパー13の内周16に代えてワイパー13-2の内周16-2がノズル12の外周15に接触しながら、ノズル12がキャップ11の貫通孔14に対して相対的に鉛直方向の上方に向けて抜き取られる。実施形態2に係る抜き取りステップ1004では、このようにノズル12が抜き取られる際に、ワイパー13-2の内周16-2によってノズル12の外周15の壁面に付着した液状の樹脂300が下方に向けて除去される。
【0058】
実施形態2に係る抜き取りステップ1004では、ワイパー13-2の内周16-2が下方に向かって突出した形状であるため、ノズル12の外周15から除去された液体(液状の樹脂300)が、一旦ワイパー13-2の内周16-2の下方の端部に付着してからタンク50内に落下する場合、自重により、内周16-2の下方の端部で長く留まることができないため、より確実に、より素早く、タンク50内に落下する。
【0059】
以上のような構成を有する実施形態2に係るノズルユニット1-2及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法において、ワイパー13をワイパー13-2に変更したものである。このため、実施形態2に係るノズルユニット1-2及びノズルユニットの使用方法は、ワイパー13がOリングであることによるものを除き、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。
【0060】
また、実施形態2に係るノズルユニット1-2及びノズルユニットの使用方法は、ワイパー13-2がタンク50の下方に向かうほどに縮径する逆テーパー状かつ環状かつ弾性部材で形成される。このため、実施形態2に係るノズルユニット1-2及びノズルユニットの使用方法は、ワイパー13-2の下方及び内周側に向けて突出した突状の内周16-2により、ノズル12をタンク50から抜く際に、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)をより確実により素早くタンク50内に落下させることができるので、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)が飛散する事をより確実に防止できるという作用効果を奏する。
【0061】
〔変形例1〕
本発明の実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-3及びノズルユニットの使用方法を説明する。
図5は、変形例1に係るノズルユニット1-3の構成例を示す断面図である。
図5は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0062】
変形例1に係るノズルユニット1-3は、実施形態1に係るノズルユニット1において、
図5に示すように、タンク50がタンク50-3に変更されたことに伴い、キャップ11がキャップ11-3に変更されたものである。
【0063】
タンク50-3は、
図5に示すように、上方に凸に形成された凸部52-3の内周側に開口51-3が形成されており、凸部52-3の外周にねじ溝53-3が形成されている。タンク50-3は、その他の点についてはタンク50と同様であり、液状の樹脂300が貯留される。
【0064】
キャップ11-3は、
図5に示すように、タンク50-3に向けられる下方側に凸部52-3に嵌合する凹部31-3が形成され、凹部31-3の内周に、ねじ溝53-3に螺合するねじ溝32-3が形成されている。キャップ11-3は、その他の点についてはキャップ11と同様である。キャップ11-3の凸部52-3に嵌合する凹部31-3と、ねじ溝53-3に螺合するねじ溝32-3とは、キャップ11-3とタンク50-3とを連結する連結ユニットを構成している。
【0065】
次に、本明細書は、変形例1に係るノズルユニット1-3の使用方法(ノズルユニットの使用方法)の一例を説明する。変形例1に係るノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法において、ノズル差し込みステップ1001及びキャップ外しステップ1005を変更したものである。
【0066】
変形例1に係るノズル差し込みステップ1001では、凸部52-3に凹部31-3を嵌合させつつ、ねじ溝53-3にねじ溝32-3を螺合させることで、ノズルユニット1-3のキャップ11-3が、液体(液状の樹脂300)が充填されたタンク50-3の開口51-3部分に装着される。変形例1に係るキャップ外しステップ1005では、変形例1に係るノズル差し込みステップ1001とは反対の動作をすることで、ねじ溝32-3のねじ溝53-3との螺合と、凹部31-3の凸部52-3との嵌合を解消させて、ノズルユニット1-3のキャップ11-3がタンク50-3から取り外される。変形例1に係るノズル差し込みステップ1001及びキャップ外しステップ1005は、その他の部分については、実施形態1と同様である。
【0067】
以上のような構成を有する実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-3及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法において、タンク50がタンク50-3に変更されたことに伴い、キャップ11がタンク50-3との連結ユニットをさらに備えるキャップ11-3に変更されたものである。このため、実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-3及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。また、実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-3及びノズルユニットの使用方法は、さらに、キャップ11-3の凹部31-3がタンク50-3の凸部52-3に嵌合し、キャップ11-3のねじ溝32-3がタンク50-3のねじ溝53-3に螺合するので、タンク50-3に装着したキャップ11-3がタンク50-3から外れてしまうことを防止することができる。なお、本発明では、実施形態2について上記した変形例1の変形事項を適用してもよく、この場合にも、上記と同様の作用効果をさらに奏するものとなる。
【0068】
〔変形例2〕
本発明の実施形態1の変形例2に係るノズルユニット1-4及びノズルユニットの使用方法を説明する。
図6は、変形例2に係るノズルユニット1-4の構成例を示す断面図である。
図6は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0069】
変形例2に係るノズルユニット1-4は、実施形態1に係るノズルユニット1において、
図6に示すように、タンク50がタンク50-4に変更されたことに伴い、キャップ11がキャップ11-4に変更されたものである。
【0070】
タンク50-4は、
図6に示すように、上方に凸に形成された凸部52-4の内周側に開口51-4が形成されており、凸部52-4の外周に凹凸溝53-4が形成されている。タンク50-4は、その他の点についてはタンク50と同様であり、液状の樹脂300が貯留される。
【0071】
キャップ11-4は、
図6に示すように、キャップ11-4の上面から外縁側を跨ぐ方向に回動可能に設けられた爪部材33-4をさらに備える。爪部材33-4は、タンク50-4の下方に向けて垂下する位置に位置付けられると、先端が凹凸溝53-4に引っ掛かり、係合する。爪部材33-4は、
図6に示す例では、キャップ11-4の外縁側を跨ぐように2箇所に設けられているが、本発明ではこれに限定されず、3箇所以上に設けられていてもよい。キャップ11-4は、その他の点についてはキャップ11と同様である。キャップ11-4の凹凸溝53-4に引っ掛かって係合する爪部材33-4は、キャップ11-4とタンク50-4とを連結する連結ユニットを構成している。
【0072】
次に、本明細書は、変形例2に係るノズルユニット1-4の使用方法(ノズルユニットの使用方法)の一例を説明する。変形例2に係るノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法において、ノズル差し込みステップ1001及びキャップ外しステップ1005を変更したものである。
【0073】
変形例2に係るノズル差し込みステップ1001では、爪部材33-4をタンク50-4の下方に向けて垂下する位置に移動させて、キャップ11-4の外縁側を跨いで凹凸溝53-4に係合させることで、ノズルユニット1-4のキャップ11-4が、液体(液状の樹脂300)が充填されたタンク50-4の開口51-4部分に装着される。変形例2に係るキャップ外しステップ1005では、変形例2に係るノズル差し込みステップ1001とは反対の動作をすることで、爪部材33-4の凹凸溝53-4への係合を解消させて、ノズルユニット1-4のキャップ11-4がタンク50-4から取り外される。変形例2に係るノズル差し込みステップ1001及びキャップ外しステップ1005は、その他の部分については、実施形態1と同様である。
【0074】
以上のような構成を有する実施形態1の変形例2に係るノズルユニット1-4及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法において、タンク50がタンク50-4に変更されたことに伴い、キャップ11がタンク50-4との連結ユニットをさらに備えるキャップ11-4に変更されたものである。このため、実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-4及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。また、実施形態1の変形例1に係るノズルユニット1-4及びノズルユニットの使用方法は、さらに、キャップ11-4の爪部材33-4がキャップ11-4の外縁側を跨いで凹凸溝53-4に係合するので、ノズル12をタンク50-4から抜き取る抜き取りステップ1004で、作業者が手でキャップ11-4を押さえていなくても、タンク50-4に装着したキャップ11-4がタンク50-4から外れてしまうことを防止することができる。なお、本発明では、実施形態2について上記した変形例1の変形事項を適用してもよく、この場合にも、上記と同様の作用効果をさらに奏するものとなる。
【0075】
〔変形例3〕
本発明の実施形態1の変形例3に係るノズルユニット1-5及びノズルユニットの使用方法を説明する。
図7は、変形例3に係るノズルユニット1-5の構成例を示す断面図である。
図7は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0076】
変形例3に係るノズルユニット1-5は、実施形態1に係るノズルユニット1において、
図7に示すように、ワイパー13の下方に環状のガイド部材41をさらに設けたものである。ガイド部材41は、キャップ11の下面に固定される。
【0077】
ガイド部材41は、
図7に示すように、内周面42と、外周面43と、を有する。ガイド部材41は、内周面42の上端が、ワイパー13の下方の端部の直下に来るように配置される。外周面43は、タンク50の下方に向かうにしたがって、ノズル12の径方向内側に向かって縮径する逆テーパー状に形成されている。このため、ガイド部材41の径方向の厚みは、タンク50の下方に向かうにしたがって細くなっている。
【0078】
次に、本明細書は、変形例3に係るノズルユニット1-5の使用方法(ノズルユニットの使用方法)の一例を説明する。変形例3に係るノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニットの使用方法において、抜き取りステップ1004を変更したものである。変形例3に係る抜き取りステップ1004では、ワイパー13によりノズル12の外周15から除去された液体(液状の樹脂300)が、そのままタンク50内に落下するか、もしくは、一旦ワイパー13の内周16の下方の端部に付着した後にガイド部材41に付着してからタンク50内に落下する。
【0079】
変形例3に係る抜き取りステップ1004では、ワイパー13の下方の端部の直下にガイド部材41の内周面42の上端が配置されているので、ワイパー13の内周16の下方の端部に付着した液体(液状の樹脂300)が、速やかにガイド部材41の内周面42に移動し、内周面42を伝ってガイド部材41の下端に移動する。また、変形例3に係る抜き取りステップ1004では、ガイド部材41の下端が下方に向かって突出した形状であるため、ガイド部材41の下端に移動した液体(液状の樹脂300)が、自重により、ガイド部材41の下方の端部で長く留まることができず、より確実に、より素早く、タンク50内に落下する。
【0080】
以上のような構成を有する変形例3に係るノズルユニット1-5及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1に係るノズルユニット1及びノズルユニットの使用方法において、ワイパー13の下方に環状のガイド部材41をさらに設けたものである。このため、変形例3に係るノズルユニット1-5及びノズルユニットの使用方法は、実施形態1と同様の作用効果を奏するものとなる。また、変形例3に係るノズルユニット1-5及びノズルユニットの使用方法は、さらに、ガイド部材41の下端が下方に向かって突出した形状であるため、実施形態2と同様に、ノズル12をタンク50から抜く際に、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)をより確実により素早くタンク50内に落下させることができるので、ノズル12の外周15の壁面に付着した液体(液状の樹脂300)が飛散する事をより確実に防止できるという作用効果を奏する。
【0081】
〔変形例4〕
本発明の実施形態1の変形例4に係るノズルユニット1-6及びノズルユニットの使用方法を説明する。
図8は、変形例4に係るノズルユニット1-6の構成例を示す断面図である。
図8は、実施形態1と同一部分に同一符号を付して説明を省略する。
【0082】
変形例4に係るノズルユニット1-6は、実施形態1に係るノズルユニット1において、
図8に示すように、ノズル12の外周15に板状部材45をさらに設けたものである。板状部材45は、ノズル12の外周15の、キャップ11の貫通孔14に差し込まれてタンク50内に貯留された液状の樹脂300に浸される一方側の先端(下端)部分に装着される。板状部材45は、キャップ11の貫通孔14の内径よりも大きい外径を有する。板状部材45は、例えば、ノズル12の外周15の外側に嵌め合わせされる円板である。
【0083】
変形例4に係るノズルユニット1-6は、キャップ11をタンク50に固定した状態でノズル12をタンク50から抜き出す際に、ノズル12の外周15に装着された板状部材45がキャップ11の貫通孔14内を通過できないので、ノズル12がキャップ11から完全に抜けて分離せず、ノズル12またはキャップ11が紛失することを防止できるという作用効果をさらに奏する。なお、本発明では、実施形態2、変形例1~変形例3について上記した変形例4の変形事項を適用してもよく、この場合にも、上記と同様の作用効果をさらに奏するものとなる。
【0084】
なお、本発明は上記実施形態(変形例)に限定されるものではない。ノズルユニット1は、上記実施形態では、タンク50から半導体装置100に樹脂300を供給する例を挙げたが、本発明では、液体の供給先は半導体装置100に限らず、液体も樹脂300に限らない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0085】
1,1-2,1-3,1-4,1-5,1-6 ノズルユニット
11,11-3,11-4 キャップ
12 ノズル
13,13-2 ワイパー
14 貫通孔
15 外周
16 内周
21 エア供給源
22 エア供給チューブ
23 開閉弁
24 制御ユニット
50,50-3,50-4 タンク
51,51-3,51-4 開口
100 半導体装置
200 半導体ウエーハ
300 樹脂(本発明に係る液体の一例)