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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-07
(45)【発行日】2024-03-15
(54)【発明の名称】水封式モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20240308BHJP
   H02K 9/19 20060101ALI20240308BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
H02K9/19 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020127633
(22)【出願日】2020-07-28
(65)【公開番号】P2022024823
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2023-04-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】野田 麻美子
(72)【発明者】
【氏名】真武 幸三
(72)【発明者】
【氏名】大野 佳彦
(72)【発明者】
【氏名】栗田 要
【審査官】池田 貴俊
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-040670(JP,U)
【文献】特開2002-345185(JP,A)
【文献】特開2014-057506(JP,A)
【文献】特開2001-258196(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0169128(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
H02K 9/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ軸と、前記モータ軸を回転させるロータ及びステータと、前記ロータ及びステータを収容するケーシングと、を有し、前記ケーシングの内部に封入水が充満されている水封式モータであって、
前記ステータは、外周面に凹部が形成されたステータコアを有し、
前記ケーシングは、前記ステータコアが内側に嵌め込まれる円筒状のフレームを有し、 前記フレームには、前記凹部に連通する貫通部が形成されており、
前記貫通部は、第1ねじ孔と、前記フレームの径方向において前記第1ねじ孔よりも外側に形成された第2ねじ孔と、前記第1ねじ孔と前記第2ねじ孔との間に形成された接続孔と、有し、
前記第1ねじ孔に螺合し、前記凹部に係合するコアセットボルトと、
前記第2ねじ孔に螺合し、前記コアセットボルトが挿入された前記貫通部を封止するプラグと、を有する、ことを特徴とする水封式モータ。
【請求項2】
前記コアセットボルトと前記プラグとの隙間をAとし、前記コアセットボルトの前記凹部に対する食い込み深さをBとしたとき、A<Bの関係を有する、ことを特徴とする請求項1に記載の水封式モータ。
【請求項3】
前記フレームの線膨張係数は、前記ステータコアの線膨張係数よりも大きい、ことを特徴とする請求項1または2に記載の水封式モータ。
【請求項4】
前記フレームは、オーステナイト系ステンレス鋳鋼である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項の水封式モータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水封式モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、外周に凹部を有する電磁鋼板のコアを軸方向に積層形成することで側面に溝が形成されたステータと、内部にステータが嵌め込まれる筒状のハウジングを有する電動モータが開示されている。ステータは、ハウジングの側面に設けられた貫通孔に挿入された固定部材が、外周面の凹部に係合することによって、ハウジングに固定されている。この構成によれば、簡単な構成でステータとハウジングの抜け止めと回り止めをすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-112671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水封式モータにおいては、固定子巻線に耐水絶縁電線を使用し、ステータコアを含むモータ内部部品は全てモータ内部に封入されたプロピレングリコール水溶液等からなる封入液に浸った状態で運転される。このような水封式モータは、例えば、公共取水場、或いは原油備蓄基地等に配置される大型の水中ポンプを駆動する用途において、30~60年程度の長寿命を要求されるケースが多い。しかし、ステータコアは、ロータの回転に伴う封入液の水流に晒されるので、エロージョン・コロージョンによる腐食が発生し易く、約20年程度で部分的に欠落して軸受等の摺動部に損傷を与えることがあった。このような場合、水封式モータのフレームからステータコアを脱着し、ステータコアを交換する必要がある。
【0005】
ところで、水封式モータにおいては、ステータコアがフレームに溶接固定されている構成が一般的であり、ステータコアの交換が必要になる場合、まだ寿命に達していないフレームとセットで交換しており、非常に不経済な状況となっていた。このため、上述した特許文献1に記載されたステータ構造を採用し、ステータコアをボルト(固定部材)によってフレームに脱着可能に固定することが考えられる。しかしながら、ボルトには、モータ起動時の衝撃的な剪断力が起動の度に作用し、またステータコアの電磁振動も作用するため、ボルトが緩んでモータ内部の封入液が外部へ漏れ出してしまう虞があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、水封式モータの封入液が外部へ漏れ出すことを防止しつつ、フレームからステータコアを容易に脱着できるステータ構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る水封式モータは、モータ軸と、前記モータ軸を回転させるロータ及びステータと、前記ロータ及びステータを収容するケーシングと、を有し、前記ケーシングの内部に封入水が充満されている水封式モータであって、前記ステータは、外周面に凹部が形成されたステータコアを有し、前記ケーシングは、前記ステータコアが内側に嵌め込まれる円筒状のフレームを有し、前記フレームには、前記凹部に連通する貫通部が形成されており、前記貫通部に挿入され、前記凹部に係合するコアセットボルトと、前記コアセットボルトが挿入された前記貫通部を封止するプラグと、を有する。
【0008】
上記水封式モータにおいては、前記コアセットボルトと前記プラグとの隙間をAとし、前記コアセットボルトの前記凹部に対する食い込み深さをBとしたとき、A<Bの関係を有してもよい。
上記水封式モータにおいては、前記フレームの線膨張係数は、前記ステータコアの線膨張係数よりも大きくてもよい。
上記水封式モータにおいては、前記フレームは、オーステナイト系ステンレス鋳鋼であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明の態様によれば、水封式モータの封入液が外部へ漏れ出すことを防止しつつ、フレームからステータコアを容易に脱着できるステータ構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態に係る水封式モータの断面図である。
図2】一実施形態に係るステータコアの外周面付近の断面図である。
図3図2に示す領域X1の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る水封式モータについて図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、一実施形態に係る水封式モータ1の断面図である。
水封式モータ1は、図1に示すように、モータ軸2と、モータ軸2を回転させるロータ3及びステータ4と、ロータ3及びステータ4を収容するケーシング5と、を有する。
以下の説明において、モータ軸2の中心軸Oを基準に各部材の位置関係について説明することがある。中心軸Oが延びる方向を軸方向と言う。また、中心軸Oと直交する方向を径方向と言う。また、中心軸Oを周回する方向を周方向と言う。
【0013】
ケーシング5は、軸方向に延びる円筒状のフレーム10と、フレーム10の軸方向一方側(反負荷側)の端部に取り付けられた反負荷側ブラケット11と、フレーム10の軸方向他方側(負荷側)の端部に取り付けられた負荷側ブラケット12と、を有する。なお、負荷側とは、モータ軸2の出力軸側を意味し、反負荷側とは、当該負荷側と反対側を意味する。モータ軸2の出力軸側(負荷側)の端部2Bは、ケーシング5から突出している。
【0014】
反負荷側ブラケット11の軸方向一方側には、スラスト受ケース13が取り付けられている。また、スラスト受ケース13の軸方向一方側には、エンドカバー14が取り付けられている。スラスト受ケース13は、モータ軸2の反負荷側の端部2Aに取り付けられたスラストディスク15と軸方向で対向するスラストパッド16を保持している。エンドカバー14は、ケーシング5の内部空間5Aの軸方向一方側を封止している。
【0015】
ケーシング5の内部空間5Aには、封入水が充満されている。封入水は、一般にプロピレングリコール水溶液から成る無害かつ水溶する不凍液からなる。エンドカバー14は、内部空間5Aとケーシング5の外部との圧力差に応じて変形し、当該圧力差を緩和する。封入水は、ロータ3の回転に伴う水流によって内部空間5Aを循環し、モータ軸2、ロータ3、ステータ4の摺動部や発熱部等を冷却及び潤滑する。
【0016】
反負荷側ブラケット11は、モータ軸2を滑り支持する反負荷側ラジアルメタル17を保持している。モータ軸2において、反負荷側ラジアルメタル17と径方向で対向する部分には、反負荷側軸スリーブ18が取り付けられている。
【0017】
一方、ロータ3を挟んで反負荷側ブラケット11と反対側に配置された負荷側ブラケット12は、モータ軸2を滑り支持する負荷側ラジアルメタル21を保持している。モータ軸2において、負荷側ラジアルメタル21と径方向で対向する部分には、負荷側軸スリーブ22が取り付けられている。
【0018】
モータ軸2の負荷側には、スラストディスク19が取り付けられている。スラストディスク19は、ロータ3と負荷側軸スリーブ22との間に配置されている。負荷側ブラケット12は、モータ軸2に取り付けられたスラストディスク19と軸方向で対向するスラストパッド20を保持している。
【0019】
負荷側ブラケット12の軸方向他方側には、図示しない水中ポンプ等とモータ軸2を接続するためのブラケット23が取り付けられている。ブラケット23は、ケーシング5の内部空間5Aの軸方向他方側を封止するメカニカルシール24を保持している。
【0020】
ロータ3は、モータ軸2に取り付けられたロータコア30を有する。ロータコア30は、軸方向に積層された複数の珪素鋼板(電磁鋼板)によって円筒状に形成されている。ロータコア30には、図示しない複数の永久磁石が挿入されている。また、ロータコア30の軸方向両側には、バランスリング31が取り付けられている。なお、誘導電動機の場合は、ロータコア30に挿入されるのは永久磁石ではなく、誘導電動機の二次導体である銅やアルミなどの導体であっても構わない。
【0021】
ステータ4は、フレーム10の内側に嵌め込まれたステータコア40と、ステータコア40に巻き掛けられたコイル41と、を備える。ステータコア40は、軸方向に積層された複数の珪素鋼板(電磁鋼板)によって円筒状に形成されている。コイル41は、ケーシング5の外部に延びるケーブル25と電気的に接続されている。
【0022】
図2は、一実施形態に係るステータコア40の外周面40a付近の断面図である。図3は、図2に示す領域X1の拡大図である。
図2に示すように、ステータコア40の外周面40aには、凹部43が形成されている。凹部43は、外周面40aにおいて軸方向に間隔をあけて複数(本実施形態では3つ)形成されている。
【0023】
一方、フレーム10には、凹部43に連通する貫通部50が形成されている。貫通部50は、凹部43と同じ間隔及び同じ数で形成されている。貫通部50は、フレーム10を径方向において貫通している。貫通部50は、フレーム10において厚みが部分的に大きくなったリブ部10Aに形成されている。
【0024】
リブ部10Aは、フレーム10の外周面10Bよりも径方向外側に突出している。リブ部10Aは、外周面10Bに対して一定の高さで形成され、軸方向に延在している。リブ部10Aの軸方向両側の端部は、図1に示すように、フレーム10の軸方向両側の端部に設けられたフランジ部10Cと接続されている。
【0025】
図3に示すように、貫通部50は、第1ねじ孔51と、第1ねじ孔51よりも径方向外側に形成された第2ねじ孔52と、第1ねじ孔51と第2ねじ孔52との間に形成された接続孔53と、有する。貫通部50の内径は、第1ねじ孔51、接続孔53、第2ねじ孔の順に大きくなっている。
【0026】
第1ねじ孔51には、コアセットボルト60が螺合している。コアセットボルト60は、第1ねじ孔51に螺合するねじ部61と、接続孔53(座ぐり)に収まる頭部62と、第1ねじ孔51から径方向内側に突出し、ステータコア40の凹部43に挿入される先端部63と、を有する。先端部63は、ねじ部61のねじ谷径相当の丸棒形状となっている。
【0027】
第2ねじ孔52には、プラグ70が螺合している。プラグ70は、コアセットボルト60よりも径方向外側に配置され、コアセットボルト60が挿入された貫通部50を封止する。本実施形態のプラグ70は、六角穴付きねじプラグであり、コアセットボルト60と同じように、六角レンチでフレーム10に対し脱着可能とされている。
【0028】
プラグ70とコアセットボルト60との間には、隙間が形成されている。ここで、コアセットボルト60とプラグ70との隙間をAとし、コアセットボルト60の凹部43に対する食い込み深さをBとしたとき、A<Bの関係を有している。なお、コアセットボルト60の凹部43に対する食い込み深さとは、ステータコア40の外周面40aから、凹部43に挿入されたコアセットボルト60の先端部63の端面までの長さを意味する。
【0029】
ところで、上述した図1に示すフレーム10は、SCS13、SCS14等のオーステナイト系ステンレス鋳鋼から形成されている。オーステナイト系ステンレス鋳鋼の線膨張係数は、16~18×10-6/℃である。一方、ステータコア40の珪素鋼板の線膨張係数は、約13×10-6/℃である。つまり、フレーム10の線膨張係数は、ステータコア40の線膨張係数よりも大きくなっている。上記構成によれば、ステータコア40を溶接ではなく、焼嵌めによりフレーム10に取り付けることができる。
【0030】
例えば、ステータコア40の外径寸法が、400mm、フレームとの焼嵌め代(締め代)が0.1mmであった場合、耐熱温度90℃程度の耐水絶縁電線被覆(架橋ポリエチレン等)で覆われたコイル41をステータコア40に取り付けた状態であったとしても、フレーム10を80℃に温めれば、16×10-6×400×(80-20(常温))=0.384mmにフレーム10の内径が拡がるので、0.1<0.384となり、耐水絶縁電線被覆に損傷を与えることなく容易に焼嵌めが可能になる。
【0031】
また、水封式モータ1の定期整備において、フレーム10のみ再使用する目的で、ステータコア40及びコイル41を交換する場合、フレーム10を含むステータ4の全体を、例えば220℃まで加温することにより、(16-13)×10-6×400mm×(220-20(常温))-0.1(焼嵌め代)=0.14mmの隙間が生じ、フレーム10がステータコア40よりも拡がるので、コアセットボルト60を取り外した後、ステータコア40を容易にフレーム10から取り外すことができ、ステータコア40及びコイル41の交換が可能となる。
【0032】
本実施形態の水封式モータ1では、ステータコア40をフレーム10から容易に取り外せるようにするため、ステータコア40にフレーム10を焼嵌めた後、フレーム10の外側からコアセットボルト60を用いてステータコア40にモミ付ける構造としている。コアセットボルト60は、図3に示すように、フレーム10への固定用のねじ部61と、丸棒形状の先端部63と、を有している。ステータコア40の外周面40aには、フレーム10に形成した貫通部50を下穴利用してドリル加工した凹部43が形成され、コアセットボルト60の先端部63が挿入されている。これにより、コアセットボルト60の食込み深さがBとなるモミ付けを確実にし、ステータコア40の固定及びステータコア40の回り止めを可能とすることができる。
【0033】
ところで、コアセットボルト60の先端部63は、モータ起動時の衝撃的な剪断力が起動の度に作用し、またステータコア40の電磁振動も作用するため、コアセットボルト60が運転中に緩んでしまう可能性がある。コアセットボルト60の緩み防止として、樹脂や接着剤等の封止材を併用する対策も考えられるが、水封式モータ1の場合、モータの発熱等により約60℃程度に加温された封入液に晒されため、劣化、加水分解等がすすむことが懸念されることから、確実な封止方法として適当な手段ではない。
【0034】
このため、本実施形態では、コアセットボルト60の外側にプラグ70を設けて貫通部50を封止する構造としている。プラグ70は、コアセットボルト60の振動が直接伝わらないように若干の隙間を保つようにねじ込まれている。このとき、A<Bとなる隙間とすることにより、コアセットボルト60が運転中に仮に緩んでしまった場合でも、プラグ70がコアセットボルト60の抜け止めとなるので、ステータコア40の固定及びステータコア40の回り止め機能は維持され、ステータコア40が運転中に空回りしたりすることなく、安全性を維持できる。
【0035】
このようなステータ構造によれば、水封式モータ1のライフサイクルにおいて、適時にステータコア40を交換できるため、安価な定期整備費用にて水封式モータ1を維持管理することができる。また、ステータコア40の交換時のみならず、最初の製作時においても、コイル41の巻線工程を、フレーム10とステータコア40の固定(焼嵌め)前に実施することができる。従来のステータ構造においては、ステータコア40とフレーム10を溶接した後に、巻線工程となるため、作業がやり辛く、多くの時間を要していたが、本実施形態のステータ構造によれば、ステータコア40とフレーム10を容易に脱着可能であるので、ステータコア40が積層品の段階で予め巻線工程を実施できるようになる。そうすると、巻線の挿入作業、コイルエンド成形作業が非常に容易に実施できるので巻線品質が改善され、巻線被覆を傷つけにくくなり、かつ製作時においても巻線時間を削減できるメリットが生じる。
【0036】
このように、上述の本実施形態によれば、モータ軸2と、モータ軸2を回転させるロータ3及びステータ4と、ロータ3及びステータ4を収容するケーシング5と、を有し、ケーシング5の内部に封入水が充満されている水封式モータ1であって、ステータ4は、外周面40aに凹部43が形成されたステータコア40を有し、ケーシング5は、ステータコア40が内側に嵌め込まれる円筒状のフレーム10を有し、フレーム10には、凹部43に連通する貫通部50が形成されており、貫通部50に挿入され、凹部43に係合するコアセットボルト60と、コアセットボルト60が挿入された貫通部50を封止するプラグ70と、を有する、という構成を採用することによって、水封式モータ1の封入液が外部へ漏れ出すことを防止しつつ、フレーム10からステータコア40を容易に脱着できるステータ構造を提供することができる。
【0037】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0038】
例えば、上記実施形態では、フレーム10は複雑なフレーム形状に対応し易いようSCS13、SCS14等のオーステナイト系ステンレス鋳鋼としているが、SUS304、SUS316等のオーステナイト系ステンレス鋼からなる製缶構造であっても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1 水封式モータ
2 モータ軸
3 ロータ
4 ステータ
5 ケーシング
10 フレーム
40 ステータコア
40a 外周面
43 凹部
50 貫通部
60 コアセットボルト
図1
図2
図3