(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】ブレード保持治具、切削装置、及び、切削ブレードの装着方法
(51)【国際特許分類】
B24B 45/00 20060101AFI20240311BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20240311BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20240311BHJP
B23B 31/00 20060101ALI20240311BHJP
B23B 31/02 20060101ALI20240311BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240311BHJP
【FI】
B24B45/00 A
B24B27/06 M
B23Q17/00 A
B23B31/00 D
B23B31/02 601A
H01L21/78 F
(21)【出願番号】P 2020070793
(22)【出願日】2020-04-10
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】蘇 志博
(72)【発明者】
【氏名】寺田 一貴
(72)【発明者】
【氏名】藤江 健一
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-064450(JP,A)
【文献】特開2019-013988(JP,A)
【文献】特開2010-284774(JP,A)
【文献】特開2018-181266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 45/00
B24B 27/06
B23Q 17/00
B23B 31/00
B23B 31/02
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スピンドルの先端部に固定された受けフランジと共にワッシャー型の切削ブレードを挟持するように該先端部に装着される環状の押さえフランジを介して、該切削ブレードを保持するブレード保持治具であって、
該押さえフランジの第1環状面を吸引保持する環状のフランジ保持部と、
該フランジ保持部の外周部に配置され、該フランジ保持部で保持された該押さえフランジの外周部に向かって
該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように流体を噴射することにより負圧を発生させて、該押さえフランジに向かって該切削ブレードを引き寄せる環状の非接触吸引部と、を備え、
該非接触吸引部によって該押さえフランジに向かって引き寄せられた該切削ブレードは、該押さえフランジの該第1環状面とは反対側に位置し該切削ブレードの一面に接する第2環状面から該第1環状面まで貫通するように該押さえフランジに設けられた複数の貫通穴を介して、該フランジ保持部から作用する吸引力により該押さえフランジで保持されることを特徴とするブレード保持治具。
【請求項2】
該非接触吸引部は、
環状凸部と、
該環状凸部の外周側面に設けられた複数の開口と、を有し、
該複数の開口の各々には、該外周側面の接線方向に対して所定角度傾いて流体が噴射される様に流路が接続されていることを特徴とする請求項
1に記載のブレード保持治具。
【請求項3】
該フランジ保持部は、該押さえフランジの該第1環状面に接触する環状のパッド部を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載のブレード保持治具。
【請求項4】
該フランジ保持部には、第1開閉弁を介して該フランジ保持部に負圧を作用させる第1流路が接続されており、
該非接触吸引部には、第2開閉弁を介して該非接触吸引部に流体を供給する第2流路が接続されていることを特徴とする請求項1から
3のいずれかに記載のブレード保持治具。
【請求項5】
該第1流路に発生する負圧を測定する圧力測定器と、
該圧力測定器で測定された該第1流路の負圧と第1の圧力とを比較することにより、該押さえフランジが該フランジ保持部に吸着されているか否かと、該圧力測定器で測定された該第1流路の負圧と該第1の圧力の大きさよりも大きさが大きい第2の圧力とを比較することにより、該切削ブレードが該押さえフランジの該第2環状面に吸着されているか否かと、を判定する吸着判定部と、を更に備えることを特徴とする請求項
4に記載のブレード保持治具。
【請求項6】
環状の該押さえフランジの開口を貫通するように配置された円柱状の凸部に対して嵌合する位置決め嵌合部を有することを特徴とする請求項1から
5のいずれかに記載のブレード保持治具。
【請求項7】
該切削ブレードの該一面に形成され該切削ブレードの種類に関する情報を含むマークを撮像するカメラユニットと、
該カメラユニットで撮像された該マークを読み取るマーク読み取り部と、を更に備えることを特徴とする請求項1から
6のいずれかに記載のブレード保持治具。
【請求項8】
該フランジ保持部には、第3開閉弁を介して第3流路が接続されており、
該フランジ保持部によって該押さえフランジの該第2環状面で吸引保持された該切削ブレードに向かって該第3流路から流体を噴射することにより、該押さえフランジの該第2環状面から該切削ブレードが離れることを特徴とする請求項1から
7のいずれかに記載のブレード保持治具。
【請求項9】
スピンドルの先端部に固定された受けフランジに切削ブレードが装着される切削ユニットを備える切削装置であって、
該切削ブレードを収容するブレードストックボードと、
該受けフランジに装着される該切削ブレードを交換する交換装置と、
該切削ブレードを交換する交換位置と退避位置との間で該交換装置を移動させる移動ユニットと、を備え、
該交換装置は、
請求項1から
8のいずれかに記載のブレード保持治具と、
該受けフランジに締結される押さえナットを保持するナット保持部と、
該押さえナットを回動させるナット回動部と、を有することを特徴とする切削装置。
【請求項10】
ブレード保持治具を用いて、スピンドルの先端部に固定された受けフランジにワッシャー型の切削ブレードを装着する切削ブレードの装着方法であって、
該ブレード保持治具は、
該先端部に装着される環状の押さえフランジの第1環状面を吸引保持する環状のフランジ保持部と、
該フランジ保持部の外周部に配置され、該フランジ保持部で保持された該押さえフランジの外周部に向かって
該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように流体を噴射することにより負圧を発生させて、該押さえフランジに向かって該切削ブレードを引き寄せる環状の非接触吸引部と、を備え、
該押さえフランジは、該押さえフランジの該第1環状面とは反対側に位置し該切削ブレードの一面に接する第2環状面から該第1環状面まで貫通するように設けられた複数の貫通穴と、を有し、
該切削ブレードの装着方法は、
ブレードストックボードに該第2環状面が支持された該押さえフランジの該第1環状面を該フランジ保持部で吸引保持する押さえフランジ保持ステップと、
吸引保持された該押さえフランジの該第2環状面を該ブレードストックボードに載置された該切削ブレードに近づけて、該第2環状面と該切削ブレードとの距離を所定の長さ以下にする押さえフランジ近接ステップと、
該押さえフランジ近接ステップの後、
該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように該非接触吸引部から流体を噴射することで負圧を発生させて該切削ブレードを吸引し、該切削ブレードを該第2環状面に引き寄せる切削ブレード引き寄せステップと、
該切削ブレード引き寄せステップで該第2環状面に近づいた該切削ブレードを、該複数の貫通穴から作用する吸引力により該第2環状面で保持する切削ブレード保持ステップと、
該切削ブレードが該押さえフランジの該第2環状面で吸引力により保持された状態で、該受けフランジと該押さえフランジとで該切削ブレードを挟持する様に、該スピンドルに固定された該受けフランジに該切削ブレードと該押さえフランジとを装着する装着ステップと、を備えることを特徴とする切削ブレードの装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押さえフランジを介してワッシャー型の切削ブレードを保持するブレード保持治具、当該ブレード保持治具を備える切削装置、及び、当該ブレード保持治具を用いて受けフランジにワッシャー型の切削ブレードを装着する切削ブレードの装着方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハなど各種板状の被加工物を切削するための切削装置が知られている。切削装置は、スピンドルを備え、当該スピンドルの一端部には、切削ブレードが装着される。切削ブレードは消耗品であり、使用済の切削ブレードは、通常、オペレーターによって手作業で交換される。
【0003】
切削ブレードの交換作業には熟練を要する。また、異なる種類の切削ブレードが誤ってスピンドルに装着されると、被加工物の破損につながりかねない。それゆえ、切削ブレードの交換作業は、被加工物の切削において重要であり、且つ、注意を要する作業である。
【0004】
切削ブレードの交換作業での人為的な誤りを排除するために、オペレーターによる手作業に代えて、使用済の切削ブレードを新品の切削ブレードに自動で交換するブレード交換装置が開発された(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
当該ブレード交換装置は、アルミニウム等の金属で形成された環状の基台(即ち、ハブ)と、基台の外周部に設けられた切り刃とが一体形成されたハブ型の切削ブレードを交換対象としている。
【0006】
当該ブレード交換装置は、ハブを把持した状態で使用済のハブ型の切削ブレードをスピンドルから取り外し、同様に、ハブを把持した状態で新品のハブ型の切削ブレードをスピンドルに装着する。
【0007】
しかし、切削ブレードとしては、ハブ型の切削ブレードだけではなく、基台を有さない(つまり、環状の切り刃のみから成る)ワッシャー型の切削ブレードも多く利用されている。ワッシャー型の切削ブレードは、スピンドルに固定された環状の受けフランジと、当該受けフランジに装着される環状の押さえフランジとに挟持されることで、スピンドルに対して固定される。
【0008】
ワッシャー型の切削ブレードには把持対象となるハブが存在しないので、ワッシャー型の切削ブレードを機械的に把持することは困難である。そこで、環状の押さえフランジを介してワッシャー型の切削ブレードを吸引保持するブレード交換治具が考案された(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
押さえフランジは、ワッシャー型の切削ブレードに接するフランジ面と、フランジ面とは反対側に位置する環状面とを含む。また、押さえフランジには、内径と外径との間において、フランジ面から環状面までそれぞれ貫通する複数の貫通穴が形成されている。
【0010】
ブレード交換治具の吸引部が押さえフランジの環状面に接した状態で、ブレード交換治具から複数の貫通穴を介してフランジ面に負圧を作用させれば、フランジ面でワッシャー型の切削ブレードを吸引保持できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2007-98536号公報
【文献】特開2016-64450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
但し、ワッシャー型の切削ブレードを吸引保持するためには、フランジ面側にワッシャー型の切削ブレードが配置された状態で、ブレード交換治具の吸引部を押さえフランジの環状面側に押し当てる。このとき、ワッシャー型の切削ブレードが、押圧されることで破損する恐れがある。
【0013】
本発明は係る問題点に鑑みてなされたものであり、押さえフランジを介してワッシャー型の切削ブレードを保持する際に、ワッシャー型の切削ブレードが破損するリスクを低減可能なブレード保持治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一態様によれば、スピンドルの先端部に固定された受けフランジと共にワッシャー型の切削ブレードを挟持するように該先端部に装着される環状の押さえフランジを介して、該切削ブレードを保持するブレード保持治具であって、該押さえフランジの第1環状面を吸引保持する環状のフランジ保持部と、該フランジ保持部の外周部に配置され、該フランジ保持部で保持された該押さえフランジの外周部に向かって該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように流体を噴射することにより負圧を発生させて、該押さえフランジに向かって該切削ブレードを引き寄せる環状の非接触吸引部と、を備え、該非接触吸引部によって該押さえフランジに向かって引き寄せられた該切削ブレードは、該押さえフランジの該第1環状面とは反対側に位置し該切削ブレードの一面に接する第2環状面から該第1環状面まで貫通するように該押さえフランジに設けられた複数の貫通穴を介して、該フランジ保持部から作用する吸引力により該押さえフランジで保持されるブレード保持治具が提供される。
【0016】
また、好ましくは、該非接触吸引部は、環状凸部と、該環状凸部の外周側面に設けられた複数の開口と、を有し、該複数の開口の各々には、該外周側面の接線方向に対して所定角度傾いて流体が噴射される様に流路が接続されている。
【0017】
また、好ましくは、該フランジ保持部は、該押さえフランジの該第1環状面に接触する環状のパッド部を含む。
【0018】
また、好ましくは、該フランジ保持部には、第1開閉弁を介して該フランジ保持部に負圧を作用させる第1流路が接続されており、該非接触吸引部には、第2開閉弁を介して該非接触吸引部に流体を供給する第2流路が接続されている。
【0019】
また、好ましくは、ブレード保持治具は、該第1流路に発生する負圧を測定する圧力測定器と、該圧力測定器で測定された該第1流路の負圧と第1の圧力とを比較することにより、該押さえフランジが該フランジ保持部に吸着されているか否かと、該圧力測定器で測定された該第1流路の負圧と該第1の圧力の大きさよりも大きさが大きい第2の圧力とを比較することにより、該切削ブレードが該押さえフランジの該第2環状面に吸着されているか否かと、を判定する吸着判定部と、を更に備える。
【0020】
また、好ましくは、該フランジ保持部は、環状の該押さえフランジの開口を貫通するように配置された円柱状の凸部に対して嵌合する位置決め嵌合部を有する。
【0021】
また、好ましくは、ブレード保持治具は、該切削ブレードの該一面に形成され該切削ブレードの種類に関する情報を含むマークを撮像するカメラユニットと、該カメラユニットで撮像された該マークを読み取るマーク読み取り部と、を更に備える。
【0022】
また、好ましくは、該フランジ保持部には、第3開閉弁を介して第3流路が接続されており、該フランジ保持部によって該押さえフランジの該第2環状面で吸引保持された該切削ブレードに向かって該第3流路から流体を噴射することにより、該押さえフランジの該第2環状面から該切削ブレードが離れる。
【0023】
本発明の他の態様によれば、スピンドルの先端部に固定された受けフランジに切削ブレードが装着される切削ユニットを備える切削装置であって、該切削ブレードを収容するブレードストックボードと、該受けフランジに装着される該切削ブレードを交換する交換装置と、該切削ブレードを交換する交換位置と退避位置との間で該交換装置を移動させる移動ユニットと、を備え、該交換装置は、上述のブレード保持治具と、該受けフランジに締結される押さえナットを保持するナット保持部と、該押さえナットを回動させるナット回動部と、を有する切削装置が提供される。
【0024】
また、本発明の更なる他の態様によれば、ブレード保持治具を用いて、スピンドルの先端部に固定された受けフランジにワッシャー型の切削ブレードを装着する切削ブレードの装着方法であって、該ブレード保持治具は、該先端部に装着される環状の押さえフランジの第1環状面を吸引保持する環状のフランジ保持部と、該フランジ保持部の外周部に配置され、該フランジ保持部で保持された該押さえフランジの外周部に向かって該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように流体を噴射することにより負圧を発生させて、該押さえフランジに向かって該切削ブレードを引き寄せる環状の非接触吸引部と、を備え、該押さえフランジは、該押さえフランジの該第1環状面とは反対側に位置し該切削ブレードの一面に接する第2環状面から該第1環状面まで貫通するように設けられた複数の貫通穴と、を有し、該切削ブレードの装着方法は、ブレードストックボードに該第2環状面が支持された該押さえフランジの該第1環状面を該フランジ保持部で吸引保持する押さえフランジ保持ステップと、吸引保持された該押さえフランジの該第2環状面を該ブレードストックボードに載置された該切削ブレードに近づけて、該第2環状面と該切削ブレードとの距離を所定の長さ以下にする押さえフランジ近接ステップと、該押さえフランジ近接ステップの後、該押さえフランジの外周部の周りで流体の旋回流が生じるように該非接触吸引部から流体を噴射することで負圧を発生させて該切削ブレードを吸引し、該切削ブレードを該第2環状面に引き寄せる切削ブレード引き寄せステップと、該切削ブレード引き寄せステップで該第2環状面に近づいた該切削ブレードを、該複数の貫通穴から作用する吸引力により該第2環状面で保持する切削ブレード保持ステップと、該切削ブレードが該押さえフランジの該第2環状面で吸引力により保持された状態で、該受けフランジと該押さえフランジとで該切削ブレードを挟持する様に、該スピンドルに固定された該受けフランジに該切削ブレードと該押さえフランジとを装着する装着ステップと、を備える切削ブレードの装着方法が提供される。
【発明の効果】
【0025】
本発明の一態様に係るブレード保持治具は、押さえフランジの第1環状面を吸引保持する環状のフランジ保持部を備える。更に、ブレード保持治具は、フランジ保持部の外周部に配置され、フランジ保持部で保持された押さえフランジの外周部に向かって流体を噴射することにより負圧を発生させて、押さえフランジに向かってワッシャー型の切削ブレードを引き寄せる環状の非接触吸引部を備える。
【0026】
押さえフランジには、第1環状面の反対側に位置し切削ブレードの一面に接する第2環状面から、第1環状面まで貫通するように複数の貫通穴が設けられている。フランジ保持部で押さえフランジの第1環状面を吸引保持した後、非接触吸引部から流体を噴射することで発生した負圧によって、切削ブレードは押さえフランジに向かって引き寄せられる。
【0027】
そして、切削ブレードは、押さえフランジにおける複数の貫通穴を介して、押さえフランジで吸引保持される。この様に、押さえフランジを介してブレード交換治具でワッシャー型の切削ブレードを押圧することなく切削ブレードを吸引保持できるので、ワッシャー型の切削ブレードが破損するリスクを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1の実施形態に係る切削装置の斜視図である。
【
図4】待機時のブレード交換ユニットの斜視図である。
【
図5】交換作業時のブレード交換ユニットの斜視図である。
【
図8】ブレード保持治具等の一部断面側面図である。
【
図10】切削ブレード引き寄せステップを示す図である。
【
図11】切削ブレード保持ステップを示す図である。
【
図12】切削ブレードを取り外す様子を示す図である。
【
図13】切削ブレードの装着方法のフロー図である。
【
図14】切削ユニットの変形例を示す一部断面側面図である。
【
図15】ブレード保持治具の正面側の斜視図である。
【
図16】ブレード保持治具の背面側の斜視図である。
【
図17】第2の実施形態に係るブレード保持治具等の一部断面側面図である。
【
図18】切削ブレードを取り外す様子を示す図である。
【
図19】第3の実施形態に係る切削装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付図面を参照して、本発明の一態様に係る実施形態について説明する。
図1は、第1の実施形態に係る切削装置2の斜視図である。
図1に示すX軸方向(加工送り方向)、Y軸方向(割り出し送り方向)及びZ軸方向(鉛直方向、高さ方向)は、互いに直交する方向である。
【0030】
なお、
図1では、構成要素の一部を機能ブロックで示す。切削装置2は、各構成要素を支持する基台4を備える。基台4の角部には、昇降機構(不図示)によって昇降するエレベータ6が設けられている。
【0031】
エレベータ6の昇降台6aの上面には、カセット8が載せられる。カセット8は、例えば、対向する一対の側面と、一対の側面を接続する接続部とを有する。各側面の内側には、高さ方向に所定の間隔で配置された複数の支持板8aが設けられている。
【0032】
各側面の内側において同じ高さ位置にある一対の支持板8aにより、1つの被加工物11が支持される。被加工物11は、例えば、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハである。なお、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。
【0033】
被加工物11の表面側には、互いに交差する複数の分割予定ライン(ストリート)が設定されている。複数の分割予定ラインによって区画された各領域の表面側には、IC(Integrated Circuit)等のデバイスが形成されている。
【0034】
被加工物11の裏面(表面とは反対側に位置する面)側には、円形のテープ(ダイシングテープ)13が貼り付けられる。テープ13は、被加工物11の径よりも大きな径を有し、テープ13の中央部には、被加工物11の裏面側が貼り付けられる。
【0035】
また、テープ13の外周部分には、金属製の環状のフレーム15が貼り付けられている。被加工物11は、テープ13を介してフレーム15によって支持された被加工物ユニット17の形態で、カセット8に収容されている。なお、カセット8には、1又は複数の被加工物11が収容される。
【0036】
エレベータ6にX軸方向で隣接する領域には、開口4aが形成されている。開口4aには、切削後の被加工物11を洗浄する洗浄ユニット10が配置されている。洗浄ユニット10は、Z軸方向に平行な回転軸を中心に回転するスピンナテーブル12を有する。
【0037】
スピンナテーブル12の上方には、純水等の液体とエアーとが混合された気液混合流体を噴射するためのノズル(不図示)が配置されている。洗浄ユニット10の上方には、一対のガイドレール14が設けられている。
【0038】
一対のガイドレール14は、不図示の駆動機構により、Y軸方向に沿って互いに近づいたり離れたりする様に移動する。これにより、被加工物ユニット17のY軸方向の位置が調整される。ガイドレール14に対してY軸方向に隣接する位置には、開口4bが形成されている。
【0039】
開口4bは、X軸方向に沿う長手部を有する矩形状の開口である。開口4bには、開口4bの一部を覆う矩形状のテーブルカバー16が設けられている。テーブルカバー16のX軸方向に両側には、X軸方向に伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー18が設けられている。
【0040】
テーブルカバー16の上方には、被加工物ユニット17等を吸引保持するためのチャックテーブル20が設けられている。チャックテーブル20は、ステンレス鋼等の金属で形成された円盤状の枠体(不図示)を有する。
【0041】
枠体の上部には、円盤状の凹部が形成されており、当該凹部には円盤状のポーラス板(不図示)が固定されている。ポーラス板の下面側は、流路の一端側に接続されている。当該流路の他端側には、エジェクタ等の吸引源(不図示)が接続されている。
【0042】
吸引源を動作させると、ポーラス板の略平坦な上面(保持面)には負圧が生じる。例えば、被加工物11の表面が露出する様に被加工物ユニット17をチャックテーブル20に載置した後、吸引源を動作させると、被加工物11の裏面側が保持面で吸引保持される。
【0043】
チャックテーブル20の側部には、被加工物ユニット17のフレーム15を挟持するクランプユニット20aが設けられている。例えば、チャックテーブル20の保持面の中心を挟む様に、一対のクランプユニット20aが設けられている。
【0044】
テーブルカバー16上において、チャックテーブル20のX軸方向の一端側には、Y軸方向に離れた態様で一対のドレステーブル22が配置されている。ドレステーブル22は、チャックテーブル20よりも小型であり、上面視で矩形状である。
【0045】
ドレステーブル22は、略平坦な上面(保持面)を有する。ドレステーブル22の保持面上には、矩形板状のドレッシングボード(不図示)の一面側が吸引保持される。ドレッシングボードは、後述する切削ブレード34の目立てを行う際に使用される。
【0046】
テーブルカバー16の下方には、Z軸方向に略平行な回転軸の周りにチャックテーブル20を回転させるモーター等の回転駆動源(不図示)が配置されている。回転駆動源の回転軸は、チャックテーブル20の枠体の下面に接続されている。
【0047】
回転駆動源の下方には、ボールネジ式のX軸移動機構(加工送りユニット)(不図示)が設けられている。X軸移動機構を動作させることにより、テーブルカバー16及びチャックテーブル20はX軸方向に沿って移動する。
【0048】
開口4bのうち、Y軸方向で開口4aと隣接する領域は、被加工物11の搬入及び搬出が行われる搬入搬出領域である。また、開口4bのうち、搬入搬出領域に対してX軸方向の反対側に位置する領域は、被加工物11の切削が行われる切削領域である。
【0049】
切削領域の上方には、金属等で形成された直方体状のカバー部材24が設けられている。カバー部材24によって覆われた空間の内部には、一対の切削ユニット26が配置されている。ここで、
図2及び
図3を用いて切削ユニット26の構成について説明する。
【0050】
図2は、切削ユニット26の分解斜視図であり、
図3は、切削ユニット26の一部断面側面図である。切削ユニット26は、筒状のスピンドルハウジング28を有する。スピンドルハウジング28内には、円柱状のスピンドル30の一部が配置されている。スピンドル30は、回転可能な態様でスピンドルハウジング28に支持されている。
【0051】
スピンドル30の一端部には、サーボモーター等の回転駆動源(不図示)が連結されている。スピンドル30の他端部(先端部)は、スピンドルハウジング28から突出しており、スピンドル30の先端部には、ネジ穴30aが形成されている。
【0052】
スピンドル30の先端部には、略円盤形状の受けフランジ32が配置される。受けフランジ32の中央部の一面側には、第1のボス部32aが形成されている。第1のボス部32aの内側凹部には、スピンドル30の先端部が嵌合する。
【0053】
受けフランジ32の中央部の他面側(即ち、第1のボス部32aとは反対側)には、ワッシャー型の切削ブレード34と接する環状のフランジ面32bが設けられている。フランジ面32bよりも内側には、環状の凹部32cが形成されている。
【0054】
凹部32cよりも内側には、第2のボス部32dが形成されている。第2のボス部32dよりも内側には、第2のボス部32dよりも受けフランジ32の他面側に突出する態様で、第3のボス部32eが形成されている。
【0055】
第3のボス部32eの外周側面には雄ネジが形成されている。また、第3のボス部32eの内側には、ワッシャー38及びボルト40を受けるための環状の受け部32fが形成されている。
【0056】
受けフランジ32の他面側には、受けフランジ32と共に切削ブレード34を挟持する環状の押さえフランジ36が配置される。押さえフランジ36は、受けフランジ32に面する側に、環状の突出部36aを有する。
【0057】
突出部36aは、上述の凹部32cに嵌合する形状を有する。突出部36aよりも内側には、第2のボス部32dの外径と略同じ内径を有する貫通開口(開口)36bが形成されており、突出部36aよりも外側には、切削ブレード34に接する面となるフランジ面(第2環状面)36cが形成されている。
【0058】
突出部36aは、フランジ面36cよりも突出しており、突出部36aの外周部の底部には、フランジ面36cの内周端部に直交する態様で接続する外周側面36a1が形成されている。
【0059】
突出部36aは、環状の表面36a2を有し、表面36a2側の外周部には、ラウンド形状を有する角部が形成されている。つまり、突出部36aの外径は、突出部36aの底部から突出部36aの表面36a2に進むにつれて徐々に小さくなる。
【0060】
突出部36a及びフランジ面36cとは反対側には、環状面(第1環状面)36dが形成されている。押さえフランジ36には、環状面36dからフランジ面36cまで貫通する複数の貫通穴36eが形成されている。
【0061】
各貫通穴36eは、環状面36dからフランジ面36cに進むにつれて、押さえフランジ36の径方向の外側に向かう様に形成されている。押さえフランジ36には、例えば、4つの貫通穴36eが形成される。4つの貫通穴36eは、例えば、それぞれ約1mmの穴径を有し、環状面36dの周方向に沿って略等間隔で配置される。
【0062】
環状面36dに接する態様で、受けフランジ32の第3のボス部32eの外周部には、環状の押さえナット42が配置される。押さえナット42の内周側面には、雌ネジ42aが形成されている。
【0063】
押さえナット42の外周側面には、押さえナット42を把持する際に利用される環状溝42bが形成されている。また、押さえナット42の環状の一側面には、後述するピン84が嵌合する複数の嵌合穴42cが形成されている。
【0064】
ここで、切削ブレード34をスピンドル30の先端部に装着する手順の概要を説明する。まず、受け部32fにワッシャー38を配置した状態で、ボルト40の軸をネジ穴30aに締結する。これにより、スピンドル30の先端部に受けフランジ32を固定する。
【0065】
次に、フランジ面36cで切削ブレード34を吸引保持した状態で(詳細は後述する)、突出部36aを凹部32cに嵌合させる。このとき、貫通開口36bの内周側面は、第2のボス部32dに接する。
【0066】
この状態で、押さえナット42を第3のボス部32eに締結することで、切削ブレード34は、受けフランジ32と押さえフランジ36との間で固定され、切削ブレード34及び押さえフランジ36が受けフランジ32に装着される。
【0067】
ここで、
図1に戻って、切削装置2の他の構成要素について説明する。カバー部材24の搬入搬出領域側の側面には、ドア部50が設けられている。ドア部50は、上下方向又は左右方向に移動することで、カバー部材24の側面を開閉する。
【0068】
基台4の上方には、第1の搬送ユニット52が設けられている。第1の搬送ユニット52は、水平方向移動機構(不図示)によりX軸方向及びY軸方向に沿って移動可能である。第1の搬送ユニット52は、長手部がZ軸方向に沿って配置されたエアシリンダを有する。
【0069】
エアシリンダ内には、ロッドの一部が収容されている。エアシリンダを動作させると、ロッドはZ軸方向に移動する。ロッドの下端部には、吸着ユニット52aが設けられている。吸着ユニット52aは、上面視で略十字形状のブラケットと、ブラケットの下面側に設けられた複数の吸着ヘッド(不図示)と、を有する。
【0070】
吸着ユニット52aは、被加工物ユニット17のフレーム15を吸着可能である。吸着ユニット52aのエレベータ6側の端部には、フレーム15の外周部の一部を把持可能な把持機構52bが設けられている。
【0071】
第1の搬送ユニット52の上方には、第2の搬送ユニット54のアーム部が設けられている。第2の搬送ユニット54は、Y軸移動機構(不図示)によりY軸方向に沿って移動可能である。
【0072】
第2の搬送ユニット54も、長手部がZ軸方向に沿って配置されたエアシリンダと、エアシリンダ内に一部が収容されたロッドと、を有する。ロッドの下端部には、吸着ユニット54aが設けられている。吸着ユニット54aも、上面視で略十字形状のブラケットと、ブラケットの下面側に設けられた複数の吸着ヘッド(不図示)と、を有する。
【0073】
ここで、切削装置2を用いて被加工物11を切削する手順を簡単に説明する。まず、把持機構52bでフレーム15を把持した状態で、第1の搬送ユニット52によりカセット8から一対のガイドレール14へ被加工物ユニット17を引き出す。
【0074】
一対のガイドレール14で被加工物ユニット17のY軸方向の位置を調整した後、吸着ユニット52aでフレーム15を吸着し、第1の搬送ユニット52により、
図1に示す搬入搬出領域にあるチャックテーブル20へ被加工物ユニット17を搬送する。
【0075】
そして、チャックテーブル20で被加工物11の裏面側を吸引保持した状態で、X軸移動機構を動作させてチャックテーブル20を切削領域へ移動させる。その後、アライメント等を行った後、切削ユニット26で被加工物11を切削する。
【0076】
切削後、チャックテーブル20を再び搬入搬出領域へ移動させる。そして、吸着ユニット54aでフレーム15を吸着し、第2の搬送ユニット54により、チャックテーブル20から洗浄ユニット10へ被加工物ユニット17を搬送する。
【0077】
被加工物11の洗浄時には、スピンナテーブル12で被加工物11の裏面側を吸引保持した状態で、スピンナテーブル12を回転させる。そして、被加工物11の表面側に気液混合流体を噴射することで、被加工物11を洗浄し、その後、乾燥させる。
【0078】
乾燥後、第1の搬送ユニット52で被加工物ユニット17を一対のガイドレール14へ搬送する。その後、第1の搬送ユニット52の把持機構を利用して、一対のガイドレール14からカセット8へ被加工物ユニット17を押し込む。
【0079】
ところで、切削を進めるにつれて、切削ブレード34は摩耗するので、摩耗した切削ブレード34を交換する必要がある。本実施形態の切削装置2は、ワッシャー型の切削ブレード34を交換するためのブレード交換ユニット56を有する。
【0080】
図4及び
図5を用いてブレード交換ユニット56を説明する。
図4は、待機時のブレード交換ユニット56の斜視図であり、
図5は、使用済の切削ブレード34を新しい切削ブレード34に交換する交換作業時のブレード交換ユニット56の斜視図である。
【0081】
ブレード交換ユニット56は、基台4に対して固定されたベース板58を有する。ベース板58には、多関節型ロボットをZ軸方向に沿って移動させるための昇降機構60が設けられている。
【0082】
昇降機構60は、ベース板58の下部に設けられたモーター(不図示)と、モーターの回転軸に連結された駆動プーリー(不図示)とを有する。また、ベース板58の上部には、従動プーリー(不図示)が設けられている。
【0083】
駆動プーリーと従動プーリーとには、1本の歯付無端ベルト(不図示)が架けられており、この歯付無端ベルトの一部には、金属製の第1の支持具62が固定されている。第1の支持具62は、歯付無端ベルトの移動に伴いZ軸方向に沿って移動する。
【0084】
例えば、昇降機構60のモーターの回転軸を所定方向に回転させると、第1の支持具62は上昇し、モーターの回転軸を所定方向と反対方向に回転させると、第1の支持具62は下降する。なお、昇降機構60は、歯付無端ベルト等の構成に限定されない。
【0085】
昇降機構60は、ボールネジ式の昇降機構であってもよい。ボールネジ式の昇降機構は、長手部がZ軸方向に沿って配置された一対のガイドレール(不図示)を有する。一対のガイドレールには、移動プレート(不図示)がZ軸方向にスライド可能な態様で取り付けられている。
【0086】
移動プレートの一面側には、ナット部(不図示)が設けられている。ナット部には、ガイドレールに略平行なボールネジが螺合されている。ボールネジの一端には、パルスモーター(不図示)が連結されている。
【0087】
また、移動プレートの他面には、上述の第1の支持具62が固定される。パルスモーターを所定方向に回転させると、第1の支持具62は上昇し、パルスモーターを所定方向とは反対方向に回転させると、第1の支持具62は下降する。
【0088】
第1の支持具62には、モーター等の回転駆動源を有する第1の回転機構64が取り付けられている。当該回転駆動源の回転軸は、Z軸方向に略平行に配置されている。当該回転軸には、長手部がZ軸方向に略直交する様に配置された第1のアーム66の一端部が取り付けられている。
【0089】
第1のアーム66の他端部には、第2の回転機構68が取り付けられている。第2の回転機構68は、回転軸がZ軸方向に略平行に配置されたモーター等の回転駆動源を有する。この回転軸には、長手部がZ軸方向に略直交する様に配置された第2のアーム70の一端部が取り付けられている。
【0090】
第2のアーム70の他端部には、第3の回転機構72が取り付けられている。第3の回転機構72は、モーター等の回転駆動源を有し、当該回転駆動源の回転軸は、Z軸方向に略平行に配置されている。当該回転軸には、金属製の第2の支持具74が取り付けられている。
【0091】
第2の支持具74には、交換装置76が固定されている。交換装置76は、各々上述の昇降機構60、第1の回転機構64、第1のアーム66、第2の回転機構68、第2のアーム70、第3の回転機構72等で構成される移動ユニットにより、
図4に示す退避位置と、
図5に示す交換位置との間で移動させられる。
【0092】
交換装置76は、略円筒状の筐体76aを有する。筐体76aの内部には、筐体76aの高さ方向に沿う回転軸76bの周りに筐体76aを回転させるための、モーター等の回転駆動源(不図示)が収容されている。
【0093】
図6は、交換装置76の側面図である。筐体76aの側面には、回転軸76bを挟む様に一対のブレード保持治具78が配置されている。また、筐体76aの側面において一対のブレード保持治具78の間には、押さえナット42を回転させるためのナット保持部80が設けられている。
【0094】
ナット保持部80は、円柱状の小径部と、当該小径部と同軸状に配置された大径部とを含む凸部82を有する。大径部の一端部には、バネ等の付勢部材で一端が付勢された4つのピン84が、大径部の周方向に沿って等間隔に配置されている。大径部とは反対側に位置する小径部の一端部には、モーター(回転駆動源)86の出力軸(所定の回転軸)88が連結されている。モーター86及び出力軸88は、ナット回動部を構成する。
【0095】
出力軸88の周りには、凸部82の周方向に沿って等間隔で4つの爪部90が配置されており、各爪部90の基端部は、凸部82の小径部に連結されている。各爪部90の先端部は、凸部82の大径部の一端部よりも突出し、大径部及び小径部の外側に位置している。
【0096】
各爪部90の先端部及び基端部の間の領域と、大径部の外周部との間には、圧縮バネ等の付勢部材(不図示)が配置されており、各爪部90は、凸部82の径方向の外側に付勢されている。爪部90の外側には、円筒状のカバー部材92が設けられている。
【0097】
カバー部材92は、出力軸88に固定されたエアシリンダ等のアクチュエーター94により、出力軸88の長手方向に沿って移動可能である。カバー部材92が外側に押し出されると、各爪部90の先端部は、凸部82に近づく様に移動する。
【0098】
これに対して、カバー部材92が内側に引き込まれると、各爪部90の先端部は、付勢部材により凸部82から離れる様に移動する。この様に、カバー部材92を移動させることで、各爪部90の先端部を、互いに近づけたり、互いに遠ざけたりできる。
【0099】
ナット保持部80で押さえナット42を回転させる場合には、まず、上述のピン84を嵌合穴42cに挿入する。そして、カバー部材92を外側に押し出すことで、各爪部90の先端部を環状溝42bに係合させる。
【0100】
複数の爪部90で押さえナット42を保持した状態で、モーター86を動作させて出力軸88を所定方向に回転させると、ナット保持部80が所定方向に回転し、押さえナット42が受けフランジ32から取り外される。なお、ナット保持部80を所定方向の反対方向に回転させれば、押さえナット42を受けフランジ32に締結できる。
【0101】
次に、ブレード保持治具78の構造について説明する。
図7は、ブレード保持治具78の拡大斜視図であり、
図8は、ブレード保持治具78等の一部断面側面図である。なお、
図8では、構成要素の一部を機能ブロックで示し、流体の流路を簡略化して線で示す。
【0102】
ブレード保持治具78は、金属等で形成された有底円筒状の枠体98を有する。枠体98の開口部には、ゴム、樹脂、エラストマー等の弾性材料で形成された環状のフランジ保持部100が配置されている。
【0103】
フランジ保持部100は、枠体98の底部側に配置された環状の基部102を含む。基部102の一面の内周側には、基部102から枠体98の開口部側へ突出する環状の内側リップ部104aが形成されている。
【0104】
内側リップ部104aは、基端部の径が先端部の径よりも大きくなる様に、枠体98の径方向の中心側に傾いた傾斜面を有する。基部102の一面の外周側には、基部102から枠体98の開口部側へ突出している環状の外側リップ部104bが形成されている。
【0105】
外側リップ部104bは、基端部の径が先端部の径よりも小さくなる様に、枠体98の径方向の外側に傾いた傾斜面を有する。内側リップ部104a及び外側リップ部104bは、押さえフランジ36の環状面36dに接触する環状のパッド部として機能する。
【0106】
内側リップ部104a及び外側リップ部104bと、基部102とにより、基部102の一面側には、環状の凹部104cが形成される。なお、内側リップ部104a及び外側リップ部104bに代えて、径の異なる2つのOリングを同心円状に基部102に配置することで、基部102の一面側に、環状の凹部104cを形成してもよい。
【0107】
凹部104cの底部側には、基部102を貫通する複数の貫通孔106が形成されている。本実施形態では、凹部104cの周方向に沿って互いに離れるように、4つの貫通孔106が形成されている(
図7参照)。
【0108】
図8に示す様に、貫通孔106は、第1流路110の一端に接続されている。また、第1流路110の他端には、エアー供給源112が接続されている。エアー供給源112は、例えば、エアーを圧縮するコンプレッサーと、圧縮されたエアーが溜められたタンクと、エアー中の水滴やダストを除去するフィルターと、を有する。
【0109】
第1流路110において、エアー供給源112と貫通孔106との間には、第1のバルブ(第1開閉弁)114が設けられている。第1のバルブ114は、例えば、開閉が電気的に制御される電磁弁である。
【0110】
第1のバルブ114と貫通孔106との間には、エジェクタ116が設けられている。第1のバルブ114が開状態になり、エアー供給源112からエジェクタ116にエアーが供給されると、エジェクタ116は、ベンチュリの法則に従い負圧を発生させる。
【0111】
エジェクタ116で発生した負圧は、第1流路110を介して、貫通孔106に作用する。第1流路110には、エジェクタ116と貫通孔106との間の位置での圧力を測定するための圧力測定器118(圧力センサ)が配置されている。
【0112】
例えば、圧力測定器118によりゲージ圧(絶対圧と大気圧との差)を測定することで、第1流路110における圧力(例えば、負圧)が測定される。第1流路110には、エアー供給源112及び第1のバルブ114の間と、圧力測定器118及び貫通孔106の間とを結ぶバイパス流路(第3流路)120が接続されている。
【0113】
つまり、バイパス流路120は、第1流路110を介して貫通孔106(即ち、フランジ保持部100)に接続されている。バイパス流路120には、バイパス流路用バルブ(第3開閉弁)122が配置されている。バイパス流路用バルブ122は、例えば、開閉が電気的に制御される電磁弁である。
【0114】
第1のバルブ114を閉状態とし、バイパス流路用バルブ122を開状態とすれば、バイパス流路120からエアー(流体)が噴射される。この様にして、フランジ保持部100で吸引保持された押さえフランジ36に対して、貫通孔106からエアーを噴射できる。
【0115】
フランジ保持部100の外周部には、枠体98の底部及び外周壁98bと、フランジ保持部100の外周側部とにより、環状の外側凹部98aが形成されている。外側凹部98aには、金属等で形成された環状の部品である非接触吸引部124が配置されている。
【0116】
非接触吸引部124は、フランジ保持部100の開口部よりも突出しない程度に枠体98の開口部側に突出する環状凸部124aを含む。環状凸部124aの外周側面124bには、複数の開口124cが形成されている。
【0117】
本実施形態では、環状凸部124aの周方向に沿って略等間隔で8つの開口124cが形成されているが、開口124cの数は、8つに限定されるものではない。各開口124cには、第2流路126の一端が接続されている。
【0118】
第2流路126の他端は、エアー供給源112に接続されている。エアー供給源112と開口124cとの間には、第2のバルブ(第2開閉弁)128が設けられている。第2のバルブ128は、例えば、開閉が電気的に制御される電磁弁である。
【0119】
第2流路126の一端は、外周側面124bの接線方向に対して鋭角を成す所定角度θだけ傾く様に接続されている(
図7参照)。第2のバルブ128を開状態にすると、第2流路126にエアーが供給される。
【0120】
外周側面124bの外側には、非接触吸引部124の外側凹部124dを隔てて枠体98の外周壁98bが存在する。外周壁98bには、複数の切り欠き98cが形成されている。本実施形態では、4つの切り欠き98cが、外周壁98bの周方向に沿って略等間隔に形成されているが、切り欠き98cの数は、4つに限定されるものではない。
【0121】
第2のバルブ128を開状態とすると、外周側面124bの接線方向に対して所定角度θだけ傾く方向で、複数の開口124cからエアー(流体)が噴射される。開口124cから噴射されたエアーにより、外側凹部124dには旋回流が生じる。
【0122】
旋回流は、枠体98の開口部から外側に進むにつれて、枠体98の径方向の外側に広がる様に旋回する。それゆえ、旋回流が生じると、枠体98の開口部の近傍での圧力が、ベルヌーイの定理に従って低下する。これにより、枠体98の開口部の近傍では、負圧が生じる。
【0123】
なお、外周壁98bを設けない場合、エアーは枠体98の外側に逃げ、旋回流が形成され難くなる。本実施形態では、外周壁98bを設けない場合に比べて、適切な流速を有する旋回流を形成し易くなるので、枠体98の開口部の近傍に適切な負圧を発生できる。
【0124】
枠体98のうちフランジ保持部100よりも内側には、円柱状の内側凹部98dが形成されている。当該内側凹部98dは、外側凹部98aよりも深い位置まで形成されており、後述する様に、位置決め嵌合部として機能する。
【0125】
内側凹部98dの底部には、カメラユニット130の光学系を構成するレンズ132が配置されている。カメラユニット130は、被写体に対して光を照射するLED等の光源(不図示)と、レンズ132等を含む光学系を介して撮像を行うCMOSイメージセンサ又はCCDイメージセンサ等の撮像素子(不図示)とを更に有する。
【0126】
ここで、再び
図1に戻り、切削装置2の他の構成要素について説明する。開口4bのブレード交換ユニット56側の縁部には、矩形状の仮置き用カバー134の一端辺がヒンジ136を介して回転可能な態様で固定されている。
【0127】
仮置き用カバー134は、被加工物11の切削時には、
図1の実線で示す様に立った状態となる。これに対して、ブレード交換ユニット56による切削ブレード34の交換作業時には、仮置き用カバー134は、
図1の二点鎖線で示す様に横になった状態となる。
【0128】
基台4において、カバー部材24とは反対側に位置する縁部の外側には、円盤状の載置台138が配置されている。載置台138の下方には、モーター等の回転駆動源(不図示)が配置されている。
【0129】
載置台138の底面の中心部には、回転駆動源の出力軸が連結されている。回転駆動源を動作させれば、載置台138は所定方向に回転する。載置台138の上面には、円盤状のブレードストックボード140が載置されている。
【0130】
図9は、ブレードストックボード140の斜視図である。ブレードストックボード140の一面140a側には、ブレードケース142が配置される第1凹部144と、押さえフランジ36が配置される第2凹部146とが形成されている。
【0131】
本実施形態では、一面140aの中心を挟む様に、2つの第2凹部146が設けられている。更に、一面140aの周方向において、2つの第2凹部146の間の一方の円弧状の領域と他方の円弧状の領域とには、それぞれ4つの第1凹部144が設けられている。
【0132】
なお、第1凹部144及び第2凹部146の数は、
図9に示す例に限定されない。第1凹部144には、樹脂製のブレードケース142をそれぞれ構成する第1蓋及び第2蓋のうち、第1蓋から分離された第2蓋だけが配置されている。
【0133】
第2蓋には、円柱状の第1凸部142aが設けられている。第1凸部142aは、ワッシャー型の切削ブレード34の開口部に嵌合し、第2蓋に対する切削ブレード34の位置を決める位置決め部として機能する。第1凸部142aに切削ブレード34を配置することで、ブレードケース142に切削ブレード34が収容される。
【0134】
切削ブレード34における環状の両面のうち少なくとも一面には、マーク34aが設けられる。マーク34aは、例えば、文字バーコード、2次元コード等の形態で切削ブレード34に設けられる。
【0135】
マーク34aは、切削ブレード34に直接印字されてよく、マーク34aが表記されたシールを切削ブレード34に貼り付けてもよい。マーク34aは、例えば、上述のブレード交換ユニット56のカメラユニット130で撮像される。
【0136】
マーク34aは、切削ブレード34の種類に関する情報を含む。当該情報は、例えば、切削ブレード34の外径、内径、厚さ、砥粒の種類、砥粒の粒度、ボンドの種類、シリアル番号、収容されるブレードケース142を特定する識別情報等である。
【0137】
なお、ブレードケース142には、所定のブレードケース142に配置される切削ブレード34を特定する識別情報を含むマークが、文字、バーコード、2次元コード等の形態で設けられていてもよい。当該マークも、カメラユニット130で撮像可能である。
【0138】
ところで、ブレードストックボード140は、ガラス、プラスチック等で形成され、少なくとも一部が透明であってもよい。例えば、第1凹部144、第2凹部146等に対応する部分が透明である場合には、切削ブレード34やブレードケース142の識別情報をブレードストックボード140越しにカメラユニット130で読み取ることができる。
【0139】
第1凸部142aの内側には、第1凸部142aよりも突出し、第1凸部142aよりも小径の第2凸部142bが設けられている。第2凸部142bは、後述する様に、押さえフランジ36と切削ブレード34との位置合わせに利用される。
【0140】
また、第2凹部146には、円柱状の第3凸部(凸部)146aが設けられている。第3凸部146aは、押さえフランジ36の貫通開口36bに貫通することで、押さえフランジ36の位置を決める。第2凹部146には、第2凹部146の底部にフランジ面36cが支持され、環状面36dが露出する態様で、押さえフランジ36が配置される。
【0141】
なお、第3凸部146aには、第2凹部146に配置される押さえフランジ36を特定する識別情報を含むマークが、文字、バーコード、2次元コード等の形態で設けられてもよい。当該マークも、カメラユニット130で撮像可能である。
【0142】
ところで、ブレードストックボード140には、矩形状のドレッシングボードが配置される第3凹部(不図示)が更に設けられてもよい。第3凹部は、ブレードストックボード140の上面視で矩形状の開口を有する。
【0143】
また、ドレッシングボードには、砥粒の種類、砥粒の粒度、集中度、ボンドの種類、シリアル番号等の情報を含むマークが、文字、バーコード、2次元コード等の形態で設けられてもよい。なお、第3凹部にも、第3凹部に配置されるドレッシングボードを特定する識別情報を含むマークが、文字、バーコード、2次元コード等の形態で記載されてもよい。
【0144】
ところで、
図9では、ブレードケース142の第2蓋のみが配置される場合を示したが、下方に配置される第2蓋と、第2蓋を覆う様に第2蓋の上方に配置される第1蓋とが、セットで第1凹部144に配置されてもよい。
【0145】
この場合、第1蓋の外周部の一部には、第2蓋に係合する爪等の係合部(不図示)が形成されている。第1蓋の中心に対して、係合部と反対側に位置する外周部の一部は、粘着テープ等の接続部材(不図示)が貼り付けられている。
【0146】
第1蓋は、接続部材を介して、第2蓋の外周部の一部に接続されている。接続部は、第1蓋及び第2蓋のヒンジ部として機能し、第1蓋及び第2蓋は、接続部を支点として、開閉される。
【0147】
第1蓋及び第2蓋のセットは、係合部が一面140aの外周側に位置し、接続部が一面140aの中心側に位置する様に配置される。なお、第1凹部144の底面の一部には、円盤状の吸引パッド(不図示)を進退可能にするための貫通開口(不図示)が形成される。
【0148】
貫通開口の下方には、第2蓋の下面を吸引保持する吸引パッドを有する吸引機構(不図示)が配置される。また、吸引機構の近傍には、第1蓋の係合部を下方から突き上げて、第1蓋の係合を解除する突き上げ機構(不図示)が配置される。
【0149】
突き上げ機構の近傍であって、一面140aの外周部には、一面140aの径方向に沿って伸縮可能な押し当てピンを有する、押し当て機構(不図示)が配置されている。押し当て機構は、一面140aの中心へ押し当てピンを伸ばすことで、第1蓋の内側を押して、接続部を支点として第1蓋を開く。
【0150】
一面140aの中心近傍には、一面140aに略平行に配置されたバー部材(不図示)が設けられている。バー部材は、一面140aの径方向に沿って進退可能である。バー部材の一端には、一対のローラー部(不図示)が連結されている。
【0151】
バー部材は、第1蓋を閉じる際に使用される。具体的には、バー部材が、一面140aの外周へ進むことで、第1蓋の外側が一対のローラー部により押され、接続部を支点として第1蓋が閉じられる。
【0152】
この様に、吸引機構、突き上げ機構、押し当て機構及びバー部材を用いてブレードケース142の開閉を行うことで、通常は切削ブレード34を保護しつつも、交換作業時には切削装置2側でブレードケース142を自動的に開閉できる。
【0153】
再び
図1に戻り、切削装置2の他の構成要素について説明する。エレベータ6、ガイドレール14、チャックテーブル20用の回転駆動源及びX軸移動機構、切削ユニット26、第1の搬送ユニット52、第2の搬送ユニット54、ブレード交換ユニット56、載置台138等の動作は、制御ユニット150により制御される。
【0154】
制御ユニット150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ等の処理装置と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等の主記憶装置と、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置と、を含むコンピュータによって構成されている。
【0155】
補助記憶装置には、ソフトウェアが記憶されており、このソフトウェアに従い処理装置等を動作させることによって、制御ユニット150の機能が実現される。補助記憶装置には、上述の圧力測定器118で測定された圧力を所定の圧力と比較するための所定のプログラムが記憶されている。
【0156】
所定のプログラムは、吸着判定部152aとして機能する。吸着判定部152aは、圧力測定器118で測定された負圧(ゲージ圧)を監視する。更に、吸着判定部152aは、圧力測定器118で測定されたゲージ圧を予め定められた圧力と比較する。
【0157】
具体的には、吸着判定部152aは、圧力測定器118で測定されたゲージ圧を、予め定められた第1ゲージ圧(第1の圧力)や、第1ゲージ圧の大きさよりも大きさが大きい値の第2ゲージ圧(第2の圧力)と比較する。
【0158】
これにより、吸着判定部152aは、ブレード保持治具78における吸着対象の吸着の成否を判定する。なお、第1ゲージ圧及び第2ゲージ圧の大きさは、貫通穴36eの大きさや、エジェクタ116等の吸引源の性能に応じて、適宜調整される。
【0159】
補助記憶装置には、上述のカメラユニット130で撮像されたマーク34a等の各種マークをデコードする他のプログラムが記憶されている。他のプログラムは、各種マークに含まれている情報を読み取るためのマーク読み取り部152bとして機能する。
【0160】
マーク読み取り部152bで読み取られた情報は、液晶ディスプレイ、タッチパネル等の表示装置(不図示)に表示される。表示装置は、例えば、基台4を覆う筐体(不図示)の一側面に配置される。
【0161】
次に、
図8、及び、
図10から
図13等を参照しながら、ブレード交換ユニット56を用いて受けフランジ32に切削ブレード34を装着する装着方法について説明する。なお、
図13は、切削ブレード34の装着方法のフロー図である。
【0162】
まず、仮置き用カバー134を、
図1において二点鎖線で示す様に、横になった状態とする。次いで、そして、
図5に示す様に、ブレード交換ユニット56の第1のアーム66等を展開させる。次いで、
図8に示す様に、一のブレード保持治具78を、ブレードストックボード140の押さえフランジ36に対面させる。
【0163】
そして、交換装置76を下降させて、内側凹部98dを第3凸部146aに嵌合させる。本実施形態では、内側凹部98dが位置決め嵌合部として機能するので、フランジ保持部100を、環状面36d上にスムーズに配置できる。
【0164】
次いで、第1のバルブ114を開状態として、エジェクタ116が発生する負圧により、押さえフランジ36の環状面36dを、フランジ保持部100で吸引保持する(押さえフランジ保持ステップ(S10))(
図8参照)。
【0165】
押さえフランジ36がフランジ保持部100で吸着されると、フランジ保持部100へのエアーの流入量が減少し、圧力測定器118で測定される負圧の大きさが、予め定められた第1ゲージ圧(例えば、-0.005MPa)の大きさを超える。
【0166】
例えば、圧力測定器118で測定される負圧は、-0.011MPaとなり、負圧の大きさが、第1ゲージ圧の大きさを超える。この場合、吸着判定部152aは、押さえフランジ36がフランジ保持部100で吸引保持されたと判定する。
【0167】
押さえフランジ保持ステップ(S10)の後、交換装置76を水平方向に移動させ、吸引保持した押さえフランジ36のフランジ面36cを、ブレードストックボード140に載置された切削ブレード34に近づける。
【0168】
なお、このとき、上述のマーク34aをカメラユニット130で撮像し、マーク34aに含まれる情報を、マーク読み取り部152bで読み取ってもよい。次に、交換装置76を下降させる。
【0169】
そして、フランジ面36cと切削ブレード34との距離を所定の長さ以下とする(押さえフランジ近接ステップ(S20))。例えば、押さえフランジ36の表面36a2を第1凸部142aの上面に接触させる。
【0170】
押さえフランジ近接ステップ(S20)の後、第1のバルブ114を開状態としたまま、第2のバルブ128を開状態とし、各開口124cから押さえフランジ36の外周部36fに向かってエアー(流体)を噴射する。
【0171】
外周部36fの周りで生じるエアーの旋回流によって負圧が生じ、切削ブレード34は、フランジ面36cに向かって上昇するように吸引され、フランジ面36cに引き寄せられる(切削ブレード引き寄せステップ(S30))。
【0172】
図10は、切削ブレード引き寄せステップ(S30)を示す図である。切削ブレード引き寄せステップ(S30)の後、第1のバルブ114を開状態としたまま、第2のバルブ128を閉状態にする。
【0173】
これにより、フランジ面36cに近づいた切削ブレード34は、貫通穴36eから作用する吸引力によって、フランジ面36cに接した状態で、フランジ面36cで保持される(切削ブレード保持ステップ(S40))。
【0174】
図11は、切削ブレード保持ステップ(S40)を示す図である。切削ブレード保持ステップ(S40)では、押さえフランジ36を介してブレード保持治具78で切削ブレード34を吸引保持する。それゆえ、押さえフランジ36及びブレード保持治具78は、切削ブレード34を吸引保持する保持ユニットとして機能する。
【0175】
本実施形態では、切削ブレード34を吸引保持する際に押さえフランジ36を介してブレード交換治具で切削ブレード34を押圧しないので、切削ブレード34を押圧することにより切削ブレード34が破損するリスクを低減できる。
【0176】
加えて、切削ブレード保持ステップ(S40)では、切削ブレード34の内周部34bが、突出部36aの外周側面36a1に接する。それゆえ、突出部36aを利用して、切削ブレード34の位置を自動的に決めることができる。
【0177】
フランジ面36cで、切削ブレード34が吸引保持されると、フランジ保持部100へのエアーの流入量が更に減少し、圧力測定器118で測定される負圧の大きさが、予め定められた第2ゲージ圧(例えば、-0.04MPa)の大きさを超える。
【0178】
例えば、圧力測定器118で測定される負圧は、-0.055MPaとなり、負圧の大きさが、第2ゲージ圧の大きさを超える。この場合、吸着判定部152aは、切削ブレード34が押さえフランジ36で吸引保持されたと判定する。
【0179】
この様に、吸着判定部152aは、圧力測定器118で測定されるゲージ圧の測定結果から、押さえフランジ36がフランジ保持部100に吸着されているか否かに加えて、切削ブレード34がフランジ面36cに吸着されているかを判定する。
【0180】
切削ブレード保持ステップ(S40)の後、開状態のドア部50に第2のアーム70を挿入し、交換装置76のナット保持部80を切削ユニット26の押さえナット42に対面させる。
【0181】
ピン84を嵌合穴42cに挿入した後、各爪部90の先端部を押さえナット42の環状溝42bに係合させて、押さえナット42を保持する。この状態で、ナット保持部80を所定方向に回転させ、押さえナット42を受けフランジ32から取り外す(押さえナット取り外しステップ(S50))。
【0182】
押さえナット取り外しステップ(S50)の後、筐体76aを回転軸76bの周りに90度回転させて、押さえナット42が取り外された切削ユニット26の切削ブレード34に、切削ブレード34を保持していない他のブレード保持治具78を対面させる。
【0183】
そして、他のブレード保持治具78で、スピンドル30に装着されていた押さえフランジ36及び切削ブレード34を吸引して保持する。これにより、スピンドル30から切削ブレード34等が取り外される(切削ブレード取り外しステップ(S60))。
【0184】
その後、筐体76aを再度回転させて、一のブレード保持治具78を、受けフランジ32に対面させる。そして、第1のバルブ114を閉状態とし、バイパス流路用バルブ122を開状態とすることで、フランジ保持部100から、切削ブレード34及び押さえフランジ36へエアーを噴射する。
【0185】
これにより、切削ブレード34及び押さえフランジ36は、受けフランジ32側へ離れる。なお、このとき、第1流路110、バイパス流路120、バイパス流路用バルブ122、フランジ保持部100等は、エアーを噴射する噴射ユニットとして機能する。
【0186】
その後、ナット保持部80で保持されていた押さえナット42を、第3のボス部32eに挿入し、所定方向の反対方向に回転させて、押さえナット42を受けフランジ32に締結する。
【0187】
これにより、受けフランジ32と押さえフランジ36とで切削ブレード34を挟持する様に、切削ブレード34及び押さえフランジ36が受けフランジ32に装着される(装着ステップ(S70))。
【0188】
切削ユニット26から取り出された使用済の切削ブレード34は、ブレードストックボード140に戻される。具体的には、他のブレード保持治具78を空のブレードケース142上に位置付け、突出部36aの内周側面を第2凸部142bに嵌合させる。
【0189】
なお、このとき、カメラユニット130等を用いて、切削ブレード34が戻されるブレードケース142を特定してもよい。突出部36aを第2凸部142bに嵌合させた後、切削ブレード34を取り外す。
【0190】
図12は、切削ブレード34を取り外す様子を示す図である。使用済の切削ブレード34は、純水等の切削水が付着しているので、第1のバルブ114を閉状態としただけでは、外れ難い。そこで、バイパス流路用バルブ122を開状態にし、フランジ保持部100から、切削ブレード34へエアー(流体)を噴射する。この場合も、フランジ保持部100等が、上述の噴射ユニットとして機能する。
【0191】
フランジ保持部100からのエアーの噴射により、濡れた切削ブレード34であってもフランジ保持部100から取り外しできる。取り外された切削ブレード34は、押さえフランジ36から離れて、第1凸部142aの外周部に移動する。
【0192】
次いで、押さえフランジ36をブレード保持治具78から離す場合には、再び、第1のバルブ114を開状態とし、押さえフランジ36を吸引保持し、空の第2凹部146上に押さえフランジ36を配置する。そして、エアーを噴射することで、フランジ保持部100から押さえフランジ36を離す。
【0193】
次に、切削ユニット26の変形例について説明する。
図14は、切削ユニット26の変形例を示す一部断面側面図である。変形例に係る切削ユニット26は、スピンドルハウジング28の先端部に固定されたロータリージョイント154を有する。
【0194】
ロータリージョイント154は、円筒状のボス部156を有する。ボス部156の内周部には、環状溝158が形成されている。環状溝158のうちボス部156の頂部に対応する位置には、円柱状の吸引路160が形成されている。吸引路160は、電磁弁162を介して、エジェクタ等の吸引源164に接続されている。
【0195】
受けフランジ32には、連通路32gが形成されている。連通路32gの一端は、第1のボス部32aの外周側面に形成されている。連通路32gの一端は、受けフランジ32が回転しても、常に環状溝158に面する。それゆえ、電磁弁162を開状態にすると、連通路32gには常に負圧が作用する。
【0196】
連通路32gの他端は、受けフランジ32の径方向において、凹部32cよりも内側に位置し、且つ、第2のボス部32dよりも外側に位置している。連通路32gの当該他端は、押さえフランジ36に対面する開口である。
【0197】
電磁弁162を開状態にすると、連通路32gの他端には負圧が作用し、押さえフランジ36は、この負圧により受けフランジ32に吸引保持される。この様に、当該変形例では、押さえフランジ36を負圧により吸引保持するので、押さえナット42を省略できる。また、受けフランジ32の第3のボス部32eの雄ネジも省略できる。
【0198】
加えて、交換装置76において、ナット保持部80を省略できる。それゆえ、交換装置76の構成を第1の実施形態に比べて簡略化でき、加えて、交換装置76もコンパクト化できるという利点もある。
【0199】
次に、交換装置76の変形例について説明する。当該変形例では、ブレード保持治具78が、昇降機構60等の移動ユニットで移動されない。当該変形例では、ブレード保持治具78が、オペレーターが手に持って移動させることができる態様で、切削装置2に搭載されている。
【0200】
図15は、ブレード保持治具78の正面側の斜視図であり、
図16は、ブレード保持治具78の背面側の斜視図である。ブレード保持治具78は、半円柱形状の基部166を有する。なお、
図15及び
図16では、構成要素の一部を機能ブロックで示し、流体の流路、配線等を簡略化して線で示す。
【0201】
基部166は、例えば、オペレーターがブレード保持治具78を把持する際の持ち手部分として機能する。基部166の一端側には、フランジ保持部100、非接触吸引部124等を含む枠体98が連結されている。基部166の底部には、エジェクタ116が収容されている。
【0202】
エジェクタ116と貫通孔106との間の第1流路110には、圧力測定器118が接続されている。本例の圧力測定器118は、ブレード保持治具78に搭載されている。圧力測定器118には、吸着判定部152aが接続されている。
【0203】
圧力測定器118及び吸着判定部152aは、例えば、基部166に搭載されるが、基部166と、基部166を覆うカバー部材(不図示)との間の任意の位置に配置されてもよい。吸着判定部152aは、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路で構成される。
【0204】
吸着判定部152aには、1又は複数のLED(不図示)が接続されてもよい。吸着判定部152aは、カバー部材の側面に配置され、押さえフランジ36及び切削ブレード34の吸着の成否に応じて1又は複数のLEDを発光させてもよい。
【0205】
また、基部166には、カメラユニット130が搭載されている。カメラユニット130には、上述のレンズ132、撮像素子等に加えて、撮像されたマーク34a等の各種マークをデコードするためのマーク読み取り部152bが接続されている。
【0206】
マーク読み取り部152bは、例えば、基部166に搭載されるが、基部166と、基部166を覆うカバー部材との間の任意の位置に配置されてもよい。マーク読み取り部152bは、例えば、ASIC等の集積回路で構成される。
【0207】
基部166の上部には、カバー部材から露出する態様で、レバーを有する手動式の切替弁である第1のバルブ(第1開閉弁)114が配置されている。また、カバー部材から露出する態様で、それぞれ押しボタンを有する手動式の切替弁である、バイパス流路用バルブ122及び第2のバルブ(第2開閉弁)128が配置されている。
【0208】
図15及び
図16に示すブレード保持治具78を用いて、切削ブレード34を交換する場合には、まず、オペレーターが手作業で押さえナット42を取り外す(押さえナット取り外しステップ(S4))。
【0209】
次いで、ドア部50を通じてカバー部材24の内部にブレード保持治具78を入れる。そして、ブレード保持治具78で、スピンドル30及び押さえフランジ36を吸引保持して、スピンドル30から取り外す(切削ブレード取り外しステップ(S8))。
【0210】
次に、ブレード保持治具78をブレードストックボード140上に位置付ける。そして、フランジ保持部100からエアーを噴射することで、フランジ保持部100から切削ブレード34を離し、切削ブレード34を空のブレードケース142に配置する。
【0211】
その後、押さえフランジ36をそのまま使用する場合には、押さえフランジ近接ステップ(S20)を経て、切削ブレード引き寄せステップ(S30)及び切削ブレード保持ステップ(S40)を順次行う。
【0212】
なお、スピンドル30に装着されていた押さえフランジ36を、新しい押さえフランジ36と交換する場合には、押さえフランジ保持ステップ(S10)を経て、S20からS40を順次行う。
【0213】
そして、第1のバルブ114を閉状態とし、バイパス流路用バルブ122を開状態とすることで、フランジ保持部100から、切削ブレード34及び押さえフランジ36へエアーを噴射する。
【0214】
これにより、切削ブレード34及び押さえフランジ36が受けフランジ32に向かって離れる。最後に、オペレーターが押さえナット42を受けフランジ32に締結することで、切削ブレード34等が受けフランジ32に装着される(装着ステップ(S70))。
【0215】
次に、
図17及び
図18を用いて、第2の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態のブレード保持治具78との相違点を、主に説明する。
図17は、第2の実施形態に係るブレード保持治具78の一部断面側面図である。
【0216】
第1流路110において第1のバルブ114に対して貫通孔106と反対側には、真空ポンプ、エジェクタ等の吸引源170が配置されている。第1のバルブ114を開状態にすれば、貫通孔106に負圧を作用させ、押さえフランジ36の環状面36dを、フランジ保持部100で吸引保持できる。
【0217】
また、第2の実施形態において、第2流路126とエアー供給源112との間には、電磁駆動される三位置クローズドセンター型の三ポート弁(第2開閉弁)172が接続されている。三ポート弁172は2つの出力部を有する。
【0218】
2つの出力部のうち、1つの出力部には、第2流路126が接続されており、もう1つの出力部には、接続流路174の一端が接続されている。なお、この接続流路174の他端は、第1流路110に接続されている。
【0219】
三ポート弁172の入力部には、エアー供給源112が接続されている。三ポート弁172は、エアー供給源112からのエアーを第2流路126に出力する第1の開状態、当該エアーを接続流路174に出力する第2の開状態、及び、当該エアーを第2流路126にも接続流路174にも出力させない閉状態のいずれかに制御する。
【0220】
第2の実施形態のブレード保持治具78には、第1の実施形態に記載のエジェクタ116が搭載されておらず、エアー供給源112は、ブレード保持治具78の外部に配置されている。それゆえ、ブレード保持治具78をコンパクト化できるという利点がある。
【0221】
なお、第1のバルブ114、圧力測定器118、三ポート弁172等は、交換装置76の外部に設けられてもよいし、枠体98と一体的にブレード保持治具78に搭載されてもよい。
【0222】
第2の実施形態のブレード保持治具78を用いた押さえフランジ保持ステップ(S10)では、三ポート弁172を
図17に示す閉状態に制御した上で、第1のバルブ114を開状態とする。これにより、フランジ保持部100で押さえフランジ36を吸引保持する。
【0223】
また、押さえフランジ近接ステップ(S20)後の切削ブレード引き寄せステップ(S30)では、第1のバルブ114を開状態とした上で、三ポート弁172を第1の開状態とする。これにより、開口124cから噴射されるエアーによって旋回流が生じる。
【0224】
この旋回流により、非接触吸引部124に負圧が生じ、切削ブレード34がフランジ面36cに引き寄せられる。更に、第1のバルブ114を開状態としたまま、三ポート弁172を閉状態にする。これにより、切削ブレード34は、フランジ面36cで吸引保持される(切削ブレード保持ステップ(S40))(
図17参照)。
【0225】
これに対して、装着ステップ(S70)の後、貫通穴36eからエアーを噴射する際には、第1のバルブ114を閉状態とした上で、三ポート弁172を第2の開状態とする。これにより、フランジ保持部100からエアーが噴射される。
【0226】
このとき、フランジ保持部100、第1流路110、三ポート弁172、接続流路174等は、噴射ユニットとして機能する。
図18は、切削ブレード34を取り外す様子を示す図である。この様にして、切削ブレード34を押さえフランジ36から離すことができる。
【0227】
なお、第2の実施形態に係るブレード保持治具78も、
図4等に示す昇降機構60を含む移動ユニットにより移動可能な態様で、交換装置76に搭載されてもよいし、オペレーターが手に持って移動させることができる態様で、切削装置2に搭載されてもよい。
【0228】
次に、第3の実施形態について説明する。
図19は、第3の実施形態に係る切削装置2の斜視図である。第3の実施形態に係る切削装置2は、ブレードストックボード140を収納する収納箱176がエレベータ6とカセット8との間に配置されている。係る点が第1の実施形態と異なる。
【0229】
収納箱176の洗浄ユニット10側には、開閉可能なドア部(不図示)が設けられている。収納箱176からブレードストックボード140を取り出す場合、エレベータ6を上昇させ、収納箱176を一対のガイドレール14と略同じ高さまで移動させる。
【0230】
そして、収納箱176のドア部(不図示)を開き、第1の搬送ユニット52の把持機構52bで、ブレードストックボード140を一対のガイドレール14に引き出す。その後、吸着ユニット52aでブレードストックボード140を仮置き用カバー134上に移動させる。
【0231】
なお、第3の実施形態の変形例として、ブレードストックボード140はカセット8に収容されていてもよい。その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。各実施形態及びその変形例は、他の実施形態と組み合わせてもよい。
【0232】
また、ブレード保持治具78は、切削ブレード34に限らず、ドレッシングボードを吸引保持してもよい。ブレード保持治具78は、フランジ保持部100でドレッシングボードを吸引保持してもよく、非接触吸引部124でドレッシングボードを吸引保持してもよい。
【符号の説明】
【0233】
2:切削装置
4:基台、4a:開口、4b:開口
6:エレベータ、6a:昇降台
8:カセット、8a:支持板
10:洗浄ユニット
11:被加工物
12:スピンナテーブル
13:テープ
14:ガイドレール
15:フレーム
16:テーブルカバー
17:被加工物ユニット
18:防塵防滴カバー
20:チャックテーブル、20a:クランプユニット
22:ドレステーブル
24:カバー部材
26:切削ユニット
28:スピンドルハウジング
30:スピンドル、30a:ネジ穴
32:受けフランジ、32a:第1のボス部、32b:フランジ面、32c:凹部、
32d:第2のボス部、32e:第3のボス部、32f:受け部、32g:連通路
34:切削ブレード、34a:マーク、34b:内周部
36:押さえフランジ、36a:突出部、36a1:外周側面、36a2:表面、36b:貫通開口、36c:フランジ面、36d:環状面、36e:貫通穴、36f:外周部
38:ワッシャー
40:ボルト
42:押さえナット、42a:雌ネジ、42b:環状溝、42c:嵌合穴
50:ドア部
52:第1の搬送ユニット、52a:吸着ユニット、52b:把持機構
54:第2の搬送ユニット、54a:吸着ユニット
56:ブレード交換ユニット
58:ベース板
60:昇降機構
62:第1の支持具
64:第1の回転機構
66:第1のアーム
68:第2の回転機構
70:第2のアーム
72:第3の回転機構
74:第2の支持具
76:交換装置、76a:筐体、76b:回転軸
78:ブレード保持治具
80:ナット保持部
82:凸部
84:ピン
86:モーター
88:出力軸
90:爪部
92:カバー部材
94:アクチュエーター
98:枠体、98a:外側凹部、98b:外周壁、98c:切り欠き、98d:内側凹部
100:フランジ保持部
102:基部
104a:内側リップ部、104b:外側リップ部、104c:凹部
106:貫通孔
110:第1流路
112:エアー供給源
114:第1のバルブ
116:エジェクタ
118:圧力測定器
120:バイパス流路
122:バイパス流路用バルブ
124:非接触吸引部、124a:環状凸部、124b:外周側面、124c:開口、124d:外側凹部
126:第2流路
128:第2のバルブ
130:カメラユニット、132:レンズ
134:仮置き用カバー、136:ヒンジ
138:載置台
140:ブレードストックボード、140a:一面
142:ブレードケース、142a:第1凸部、142b:第2凸部
144:第1凹部
146:第2凹部、146a:第3凸部
150:制御ユニット
152a:吸着判定部、152b:マーク読み取り部
154:ロータリージョイント、156:ボス部、158:環状溝、160:吸引路
162:電磁弁、164:吸引源
170:吸引源、172:三ポート弁、174:接続流路
176:収納箱