(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】レーザ周波数シフトによる高速位相シフト干渉法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/11 20060101AFI20240311BHJP
G01B 9/02002 20220101ALI20240311BHJP
【FI】
G02F1/11 503
G01B9/02002
(21)【出願番号】P 2022529725
(86)(22)【出願日】2020-11-16
(86)【国際出願番号】 US2020060643
(87)【国際公開番号】W WO2021101819
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-09-07
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハイフェン
(72)【発明者】
【氏名】シ ルイ-ファン
(72)【発明者】
【氏名】ワック ダニエル シー
【審査官】野口 晃一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0149468(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0101380(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0224266(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0246037(US,A1)
【文献】特開2016-170160(JP,A)
【文献】特開2003-090704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0278151(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
1/21-7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムであって、
入射ビームを生成するように構成されたレーザと、
前記レーザに光学的に結合された第1光学スプリッタであって、前記第1光学スプリッタは、前記入射ビームを前記入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するように構成されている、第1光学スプリッタと、
前記第1光学スプリッタに光学的に結合された少なくとも1つの位相シフトチャネルであって、前記少なくとも1つの位相シフトチャネルは、AOMを含み、前記少なくとも1つの位相シフトチャネルは、前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分を受取るように構成され、前記AOMは、前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波
数シフトビームを生成するように構成されている、少なくとも1つの位相シフトチャネルと、
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルから前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを受取るように構成された第2光学スプリッタであって、前記第2光学スプリッタは、前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを用いて試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計に、前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを指向させるように構成されており、前記干渉計は、センサに通じる1つ又は複数の光学経路を備え、前記1つ又は複数の光学経路のうちの1つの光学経路は、1組の試験光学系を含み、前記1組の試験光学系は、前記試料を含む、第2光学スプリッタと、
周波
数シフトフィードバック(FSF)レーザシステムであり、前記干渉計に光学的に結合されることにより前記1つ又は複数の光学経路の光学経路長を測定し、前記1つ又は複数の光学経路の前記光学経路長を測定した後に前記干渉計から分離されるFSFレーザシステムと、
を備え、
前記AOMレーザ周波数シフタシステムは、前記FSFレーザシステムが分離された後に前記干渉計に光学的に結合され
、
前記少なくとも1つの位相シフトチャネル及び前記少なくとも1つの周波数シフトビームは、前記入射ビームの第1部分を受取るように構成された第1位相シフトチャネルと、前記入射ビームの第2部分を受取るように構成された第2位相シフトチャネルと、前記入射ビームの少なくとも第3部分を受取るように構成された少なくとも第3位相シフトチャネルと、を含み、
前記第1位相シフトチャネルは、前記入射ビームの前記第1部分から第1周波数シフトビームを生成するように構成され、前記第2位相シフトチャネルは、第2周波数シフトビームを生成するように構成され、前記少なくとも第3位相シフトチャネルは、少なくとも第3周波数シフトビームを生成するように構成されている、
AOMレーザ周波数シフタシステム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルの周波数は、同調可能である、請求項1に記載のAOMレーザ周波数シフタシステム。
【請求項3】
前記第2光学スプリッタと前記干渉計との間に光学的に結合された基準検出器を更に備え、前記基準検出器は、前記入射ビーム内のパワー変動に関して前記少なくとも1つの周波数シフトビームを監視するように構成されている、請求項1に記載のAOMレーザ周波数シフタシステム。
【請求項4】
方法であって、
レーザ源を用いて入射ビームを生成するステップと、
第1光学スプリッタを用いて前記入射ビームを前記入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するステップと、
前記第1光学スプリッタを用いて音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内に前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分を指向させるステップと、
前記AOMレーザ周波数シフタシステムの前記少なくとも1つの位相シフトチャネル内でAOMを用いて前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波
数シフトビームを生成するステップと、
第2光学スプリッタを用いて前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを受取るステップと、
前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを用いて試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計に、前記第2光学スプリッタを介して前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを指向させるステップであり、前記干渉計は、センサに通じる1つ又は複数の光学経路を備え、前記1つ又は複数の光学経路のうちの1つの光学経路は、1組の試験光学系を含み、前記1組の試験光学系は、前記試料を含む、ステップと、
周波
数シフトフィードバック(FSF)レーザシステムを前記干渉計に光学的に結合するステップと、
前記FSFレーザシステムで前記1つ又は複数の光学経路の光学経路長を測定するステップと、
前記FSFレーザシステムを前記干渉計から分離するステップと、
前記AOMレーザ周波数シフタシステムを、前記FSFレーザシステムが分離された後に前記干渉計に光学的に結合するステップと、
を含
み、
前記少なくとも1つの位相シフトチャネル及び前記少なくとも1つの周波数シフトビームは、前記入射ビームの第1部分を受取るように構成された第1位相シフトチャネルと、前記入射ビームの第2部分を受取るように構成された第2位相シフトチャネルと、前記入射ビームの少なくとも第3部分を受取るように構成された少なくとも第3位相シフトチャネルと、を含み、
前記第1位相シフトチャネルは、前記入射ビームの前記第1部分から第1周波数シフトビームを生成するように構成され、前記第2位相シフトチャネルは、第2周波数シフトビームを生成するように構成され、前記少なくとも第3位相シフトチャネルは、少なくとも第3周波数シフトビームを生成するように構成されている、
方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルの周波数は、同調可能である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第2光学スプリッタと前記干渉計との間に光学的に結合された基準検出器を介して前記入射ビーム内のパワー変動に関して前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを監視するステップを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
特性評価システムであって、
試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計であり、センサに通じる1つ又は複数の光学経路を備え、前記1つ又は複数の光学経路のうちの1つの光学経路は、1組の試験光学系を含み、前記1組の試験光学系は、前記試料を含む、干渉計と、
前記干渉計に光学的に結合された音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムであって、前記AOMレーザ周波数シフタシステムは、
入射ビームを生成するように構成されたレーザ、
前記レーザに光学的に結合された第1光学スプリッタであって、前記第1光学スプリッタは、前記入射ビームを前記入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するように構成されている、第1光学スプリッタ、
前記第1光学スプリッタに光学的に結合された少なくとも1つの位相シフトチャネルであって、前記少なくとも1つの位相シフトチャネルは、AOMを含み、前記少なくとも1つの位相シフトチャネルは、前記入射ビームの少なくとも1つの部分を受取るように構成され、前記AOMは、前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波
数シフトビームを生成するように構成されている、少なくとも1つの位相シフトチャネル、及び
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルから前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを受取るように構成された第2光学スプリッタであって、前記第2光学スプリッタは、前記干渉計に前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを指向させるように構成され、前記干渉計は、前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを用いて前記試料の前記干渉図形を取得するように構成されている、第2光学スプリッタと、
周波
数シフトフィードバック(FSF)レーザシステムであり、前記干渉計に光学的に結合されることにより前記1つ又は複数の光学経路の光学経路長を測定し、前記1つ又は複数の光学経路の前記光学経路長を測定した後に前記干渉計から分離されるFSFレーザシステムと、
を備える、AOMレーザ周波数シフタシステムと、
を備え、前記AOMレーザ周波数シフタシステムは、前記FSFレーザシステムが分離された後に前記干渉計に光学的に結合され
、
前記少なくとも1つの位相シフトチャネル及び前記少なくとも1つの周波数シフトビームは、前記入射ビームの第1部分を受取るように構成された第1位相シフトチャネルと、前記入射ビームの第2部分を受取るように構成された第2位相シフトチャネルと、前記入射ビームの少なくとも第3部分を受取るように構成された少なくとも第3位相シフトチャネルと、を含み、
前記第1位相シフトチャネルは、前記入射ビームの前記第1部分から第1周波数シフトビームを生成するように構成され、前記第2位相シフトチャネルは、第2周波数シフトビームを生成するように構成され、前記少なくとも第3位相シフトチャネルは、少なくとも第3周波数シフトビームを生成するように構成されている、
特性評価システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルの周波数は、同調可能である、請求項7に記載の特性評価システム。
【請求項9】
前記第2光学スプリッタと前記干渉計との間に光学的に結合された基準検出器を更に備え、前記基準検出器は、前記入射ビーム内のパワー変動に関して前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを監視するように構成されている、請求項7に記載の特性評価システム。
【請求項10】
前記センサは、2次元センサである、請求項7に記載の特性評価システム。
【請求項11】
前記FSFレーザシステムが前記干渉計に光学的に結合されているときに、ミラーが前記干渉計内に設置され、前記ミラーは、前記FSFレーザシステムを用いて前記1つ又は複数の光学経路の前記光学経路長を測定した後に前記干渉計から除去され、前記センサは、前記FSFレーザシステムが分離された後に前記AOMレーザ周波数シフタシステムが前記干渉計に光学的に結合されているときに、前記干渉計内に設置される、請求項7に記載の特性評価システム。
【請求項12】
方法であって、
レーザ源を用いて入射ビームを生成するステップと、
第1光学スプリッタを用いて前記入射ビームを前記入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するステップと、
前記第1光学スプリッタを用いて音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内に前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分を指向させるステップと、
前記AOMレーザ周波数シフタシステムの前記少なくとも1つの位相シフトチャネル内でAOMを用いて前記入射ビームの前記少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波
数シフトビームを生成するステップと、
第2光学スプリッタを用いて前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを受取るステップと、
前記第2光学スプリッタを介して干渉計に前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを指向させるステップであり、前記干渉計は、センサに通じる1つ又は複数の光学経路を備え、前記1つ又は複数の光学経路のうちの1つの光学経路は、1組の試験光学系を含み、前記1組の試験光学系は
、試料を含む、ステップと、
周波
数シフトフィードバック(FSF)レーザシステムを前記干渉計に光学的に結合するステップと、
前記FSFレーザシステムで前記1つ又は複数の光学経路の光学経路長を測定するステップと、
前記FSFレーザシステムを前記干渉計から分離するステップと、
前記AOMレーザ周波数シフタシステムを、前記FSFレーザシステムが分離された後に前記干渉計に光学的に結合するステップと、
前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを用いて前記干渉計内の前記試料の干渉図形を取得するステップと、
を含
み、
前記少なくとも1つの位相シフトチャネル及び前記少なくとも1つの周波数シフトビームは、前記入射ビームの第1部分を受取るように構成された第1位相シフトチャネルと、前記入射ビームの第2部分を受取るように構成された第2位相シフトチャネルと、前記入射ビームの少なくとも第3部分を受取るように構成された少なくとも第3位相シフトチャネルと、を含み、
前記第1位相シフトチャネルは、前記入射ビームの前記第1部分から第1周波数シフトビームを生成するように構成され、前記第2位相シフトチャネルは、第2周波数シフトビームを生成するように構成され、前記少なくとも第3位相シフトチャネルは、少なくとも第3周波数シフトビームを生成するように構成されている、
方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位相シフトチャネルの周波数は、同調可能である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2光学スプリッタと前記干渉計との間に光学的に結合された基準検出器を介して、前記入射ビーム内のパワー変動に関して前記少なくとも1つの周波
数シフトビームを監視するステップを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記センサは、2次元センサである、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記FSFレーザシステムが前記干渉計に光学的に結合されているときに、前記干渉計内部にミラーを設置するステップと、
前記FSFレーザシステムを用いて前記1つ又は複数の光学経路の前記光学経路長を測定した後に、前記干渉計から前記ミラーを除去するステップと、
前記FSFレーザシステムが分離された後に前記AOMレーザ周波数シフタシステムが前記干渉計に光学的に結合されているときに、前記干渉計内に前記センサを設置するステップと、
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、光学計測の分野に関し、より具体的には、レーザ周波数シフトによる高速位相シフト干渉法のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の相互参照
本出願は、出願人がHaifeng Huang、Rui-Fang Shi、及びDan Wackであり、「PHASE-SHIFT INTERFEROMETRY BY LASER FREQUENCY SHIFT」と題する、2019年11月21日に出願された米国仮特許出願第62/938,725号について、米国特許法第119条(e)の下での利益を主張し、この出願は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
光学干渉計及び光学波面干渉法等の計測システム及びプロセスが、試料の特定の特性を測定するために使用されてきた。光学波面干渉法は、入射波面を2つの波又はビーム、すなわち、試験光学系を探査して試験光学系の波面収差情報をもたらすために使用される試料ビームと基準ビームとに分割することを含んでもよい。試験ビームと基準ビームとは、次いで、干渉図形、又は干渉パターンを作成するために一緒に結合されてもよく、該干渉図形は、2次元センサによって記録される。試験ビームと基準ビームとの間の光学経路差(OPD)に比例する、結合された試験ビームと基準ビームとにおける位相シフトの調整は、光学経路長(OPL)を直接変化させることを含んでもよい。しかしながら、半導体デバイスに対する需要が増大するにつれて、製造設備特性評価能力(例えば、光学計測能力等)の改善についての必要性が、また継続して増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2018/0149468号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、上記の手法の欠点を改善するためのシステム及び方法を提供することが有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つ又は複数の実施形態に従う音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムが開示される。一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、入射ビームを生成するように構成されたレーザを含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、レーザに光学的に結合された第1光学スプリッタを含む。別の一実施形態では、第1光学スプリッタは、入射ビームを入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するように構成されている。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、第1光学スプリッタに光学的に結合された少なくとも1つの位相シフトチャネルを含む。別の一実施形態では、少なくとも1つの位相シフトチャネルは、AOMを含む。別の一実施形態では、少なくとも1つの位相シフトチャネルは、入射ビームの少なくとも1つの部分を受取るように構成されている。別の一実施形態では、AOMは、入射ビームの少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波数被シフトビーム(周波数シフトビーム)を生成するように構成されている。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、少なくとも1つの位相シフトチャネルから少なくとも1つの周波数被シフトビームを受取るように構成された第2光学スプリッタを含む。別の一実施形態では、第2光学スプリッタは、少なくとも1つの周波数被シフトビームを用いて試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計に、少なくとも1つの周波数被シフトビームを指向させるように構成されている。
【0007】
本開示の1つ又は複数の実施形態に従う方法が開示される。一実施形態では、方法は、レーザ源を用いて入射ビームを生成することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第1光学スプリッタを用いて入射ビームを入射ビームの少なくとも1つの部分に分割することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第1光学スプリッタを用いて音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内に入射ビームの少なくとも1つの部分を指向させることを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、AOMレーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内で、AOMを用いて入射ビームの少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波数被シフトビームを生成することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第2光学スプリッタを用いて少なくとも1つの周波数被シフトビームを受取ることを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、少なくとも1つの周波数被シフトビームを用いて試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計に、第2光学スプリッタを介して少なくとも1つの周波数被シフトビームを指向させることを含んでもよいが、これに限定されない。
【0008】
本開示の1つ又は複数の実施形態に従う特性評価システムが開示される。一実施形態では、特性評価システムは、試料の干渉図形を取得するように構成された干渉計を含む。別の一実施形態では、特性評価システムは、干渉計に光学的に結合された音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムを含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、入射ビームを生成するように構成されたレーザを含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、レーザに光学的に結合された第1光学スプリッタを含む。別の一実施形態では、第1光学スプリッタは、入射ビームを入射ビームの少なくとも1つの部分に分割するように構成されている。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、第1光学スプリッタに光学的に結合された少なくとも1つの位相シフトチャネルを含む。別の一実施形態では、少なくとも1つの位相シフトチャネルは、AOMを含む。別の一実施形態では、少なくとも1つの位相シフトチャネルは、入射ビームの少なくとも1つの部分を受取るように構成されている。別の一実施形態では、AOMは、入射ビームの少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波数被シフトビームを生成するように構成されている。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステムは、少なくとも1つの位相シフトチャネルから少なくとも1つの周波数被シフトビームを受取るように構成された第2光学スプリッタを含む。別の一実施形態では、第2光学スプリッタは、少なくとも1つの周波数被シフトビームを干渉計に指向させるように構成されている。別の一実施形態では、干渉計は、少なくとも1つの周波数被シフトビームを用いて試料の干渉図形を取得するように構成されている。
【0009】
本開示の1つ又は複数の実施形態に従う方法が開示される。一実施形態では、方法は、レーザ源を用いて入射ビームを生成することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第1光学スプリッタを用いて入射ビームを入射ビームの少なくとも1つの部分に分割することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第1光学スプリッタを用いて、音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内に入射ビームの少なくとも1つの部分を指向させることを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、AOMレーザ周波数シフタシステムの少なくとも1つの位相シフトチャネル内で、AOMを用いて入射ビームの少なくとも1つの部分から少なくとも1つの周波数被シフトビームを生成することを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、第2光学スプリッタを用いて少なくとも1つの周波数被シフトビームを受取ることを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、干渉計に第2光学スプリッタを介して少なくとも1つの周波数被シフトビームを指向させることを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、方法は、少なくとも1つの周波数被シフトビームを用いて干渉計内の試料の干渉図形を取得することを含んでもよいが、これに限定されない。
【0010】
上記の概説と下記の詳細な説明の両方は、例示的であり、単に説明的であり、必ずしもクレームされるような本発明の限定ではないことを理解されたい。明細書内に組み込まれてその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を例示し、そして、概説と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示についての多くの利点が、以下の添付図面を参照することによって、当業者によってよりよく理解され得る。
【0012】
【
図1】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計についての簡略ブロック図である。
【
図2A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計についての簡略ブロック図である。
【
図2B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計についての簡略ブロック図である。
【
図3A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器についての簡略ブロック図である。
【
図3B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器についての簡略ブロック図である。
【
図4】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムについての簡略ブロック図である。
【
図5A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムについての簡略ブロック図である。
【
図5B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムについての簡略ブロック図である。
【
図6】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計についての簡略ブロック図である。
【
図7A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計及び音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムを含む特性評価システムについての簡略ブロック図である。
【
図7B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計及び音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムを含む特性評価システムについての簡略ブロック図である。
【
図7C】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、干渉計及び音響光学変調器レーザ周波数シフタシステムを含む特性評価システムについての簡略ブロック図である。
【
図8A】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器を用いるレーザ周波数シフトのための方法又はプロセスを示す流れ図である。
【
図8B】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器を用いる干渉法のための方法又はプロセスを示す流れ図である。
【
図8C】本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、音響光学変調器を用いる干渉法のための方法又はプロセスを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示は、ある実施形態及びその特定の特性に関して具体的に示され説明されている。本明細書に記載された実施形態は、限定的なものではなく例示的なものと考えられる。本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形式及び詳細における様々な変更及び修正を行われてもよいことが、当業者には直ちに明らかであろう。ここで、参照が、開示された主題に詳細になされ、該主題は、添付図に示されている。
【0014】
図1~8Cを概して参照すると、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、レーザ周波数シフトによる高速位相シフト干渉法のためのシステム及び方法が説明されている。
【0015】
本開示の実施形態は、音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタを使用することによって、数ミリ秒(ms)又はサブmsの期間に多重ステップ(例えば、N≧3)の位相シフト干渉法を実行して、熱ドリフト、機械的振動、音響ノイズ、及びエアウィグルの影響を大幅に低減することを目的とする。本開示の実施形態はまた、深紫外(DUV)と赤外(IR)との間の広い波長範囲において、10-5波よりも良好な位相シフトの正確度に達することを目的とする。本開示の実施形態はまた、周波数被シフトフィードバックレーザ等のレーザ周波数コーム技術を使用することによって、約1ミクロンの正確度まで干渉計内の試験経路と基準経路との間の光学経路差を測定することを目的とする。
【0016】
光学干渉計及び光学波面干渉法等の計測システム及びプロセスが、試料の特定の特性を測定するために使用されてきた。光学波面干渉法は、入射波面を2つの波又はビーム、すなわち、試験光学系を探査して試験光学系の波面収差情報をもたらすために使用される試料ビームと、基準ビームとに分割することを含んでもよい。試料ビームと基準ビームとは、次いで一緒に結合されることにより干渉図形、又は干渉パターンを作成してもよく、これはセンサによって記録される。
【0017】
図1は、例示的な干渉計100(例えば、マッハ-ツェンダ干渉計)の簡略概略図を示す。一実施形態では、干渉計100は、1つ又は複数の光学経路を含む。例えば、1つ又は複数の光学経路は、光学スプリッタ106によって生成された試験経路102及び基準経路104を含むが、これに限定されない。別の一実施形態では、試験経路102と基準経路104とは、光学スプリッタ108によって結合されている。例えば、光学スプリッタ106及び/又は光学スプリッタ108は、物理的ファイバスプリッタ、自由空間内のレンズ等を含んでもよいが、これに限定されない。
【0018】
別の一実施形態では、干渉計100は、照明源110に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、照明源110は、選択された波長の照明ビームを生成するように構成されてもよい。例えば、照明源110は、ほぼ深紫外(DUV)(例えば、157ナノメートル(nm))乃至中赤外(MIR)(例えば、6000nm)の範囲の照明を放出することができる任意の光源を含んでもよいが、これに限定されない。別の一例として、照明源110は、ファイバレーザ、ファイバ結合型光源、ファイバ結合型半導体レーザ等を含む、当該技術分野で公知の任意の照明源を含んでもよいが、これに限定されない。別の一例として、照明源110は、光学カプラ114を介して干渉計100に結合されてもよい。
【0019】
別の一実施形態では、干渉計100は、センサ112に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、センサ112は、2次元(2D)センサ112であってもよい。
【0020】
図1において、照明源110は、入射波面を生成し、該入射波面は、光学スプリッタ106によって、試験経路102に指向させられた試料ビームと、基準経路104に指向させられた基準ビームとに分割されている。試験経路102内において、試料ビームは、ミラー116によって試験光学系118に指向させられ、試験光学系118を通過した後に、試験光学系118の波面収差情報を光学スプリッタ108にもたらす。基準経路104内において、基準ビームは、ミラー120によって光学スプリッタ108に指向させられる。
【0021】
別の一実施形態では、センサ112は、基準経路104の基準ビームと試験経路102の試料ビームとの間の1つ又は複数の干渉パターン(すなわち、干渉図形)を捕捉してもよい。この点に関して、干渉図形の変調された強度は、試料ビームの光学経路の変動と関連している。ここで、光学経路の変動は、試料118aの高さの変動(例えば、パターンの存在による)、又は試料ビームの経路に沿った屈折率の変動に起因することがあることに留意されたい。したがって、干渉パターン(干渉図形)は、試料118aのトポロジーを示すことがある。
【0022】
一般に、ここで、干渉計100は、試料118aの一方又は両方の側において測定を行うように構成されていることに留意されたい。例えば、干渉計100は、センサ112によって試料118aの表面の2次元計測を行うように構成されてもよい。別の一例として、干渉計100は、試料118aの第1表面上で1つ又は複数の測定を実行するように構成された第1干渉計サブシステムと、第1表面の反対側の、試料118aの第2表面上で1つ又は複数の測定を行うように構成された第2干渉計サブシステムと、を含んでもよい。別の一実施形態では、第1及び第2干渉計サブシステムは、試料118aの両側で同時に測定を行うように構成されている。第1干渉計サブシステムと第2干渉計サブシステムとは、同一であってもよいが、全ての実施形態において同一である必要はない。
【0023】
試料118aは、ウェーハ、半導体ウェーハ、レチクル、マスク等を含むが、これらに限定されない、当該技術分野で公知の任意の試料を含んでもよい。一実施形態では、試料118aは、保持機構又は試料ステージ上/内に配設されてもよい。例えば、干渉計100は、試料118aを垂直に(又は、ほぼ垂直に)、水平に(又は、ほぼ水平に)等の状態に保持するように構成された保持機構又は試料ステージを含んでもよい。
【0024】
本明細書において、試験光学系118は、(例えば、照明源110から)試料118aに試料ビームを提供すること、及び(例えば、センサ112に提供するために)試料118aから偏向された照明を受取ることを可能にするように構成された任意の数及び/又はタイプの光学要素を含んでもよいことに留意されたい。例えば、1つ又は複数の光学要素は、コリメータ、レンズ、プリズム、円対称レンズ、円筒形レンズ、ビーム整形器、ミラー、波長板、偏光子、フィルタ等を含んでもよいが、これらに限定されない。例えば、1つ又は複数の光学要素は、非球面コリメートレンズを含んでもよいが、これに限定されない。1つ又は複数の光学要素は、照明ビームの直径を含むがこれに限定されない照明ビームの1つ又は複数の特性を変更するように構成されてもよい。一実施形態では、1つ又は複数の光学要素は、発散照明ビームをコリメートする。別の一実施形態では、1つ又は複数の光学要素は、センサ112に向かって伝搬される照明を、干渉縞が試料118aの画像上にオーバーレイされるように指向及び/又は集束させるように構成されてもよい。それに加えて、本明細書において、試料118aは、光学撮像システム、又は光学撮像システムの構成要素であってもよいことに留意されたい。
【0025】
光学スプリッタ108は、次いで、試料ビームと基準ビームとを一緒に結合し、そして結合波をセンサ112に指向させ、該センサは、干渉パターン又は干渉図形を記録する。式1は、干渉式であり、
【数1】
ここに、I
t及びI
rは、それぞれ試験及び基準ビーム強度である。φ
0は、2つの波の間の位相差であり、該位相差は、試験光学系の波面収差情報を含み、そして後に測定され、δ
iは、位相シフトであり、i=1...Nであり、Nは位相シフトステップの総数である。位相ステップδ
iについて、対応する干渉図形強度I
iが存在する。N≧3のとき、元の位相φ
0、I
t、及びI
rは、解くことができる。式1において、位相φ
0は、式2で与えられるように、試験ビームと基準ビームとの間の光学経路差(OPD)に比例し、
【数2】
ここに、cは、真空中の光の速度であり、OPDは、2つの波の間の真空中の等価光学経路差であり、該等価光学経路差は、両方の光学経路における材料屈折率の影響を既に含んでいる。式2から、位相シフトは、OPDを変更する代わりに又はそれに加えて、レーザ周波数を変更することによって実現され得ることを理解されるべきである。式3は、それぞれの位相ステップδ
iの決定を示し、
【数3】
ここに、Δν
iは、i番目の位相シフトステップに対するν
0からのレーザ周波数シフトである。式3から、レーザ周波数シフトによる位相シフトの方法が、OPDがゼロでない場合にのみ作用することが理解されるべきである。
【0026】
試験ビームと基準ビームとの間のOPDに比例する、結合された試験ビームと基準ビームとにおける位相シフトについての調整は、光学経路長(OPL)を直接変化させることを含んでもよい。
図2A及び2Bは、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、OPDを測定するための例示的なシステムの簡略概略図である。
【0027】
ここで、マッハ-ツェンダ干渉計の追加の議論が、Herbert Grossによって編集されたHandbook of Optical Systems、5巻(Metrology of Optical Components and Systems,Wiley-VCH,2012)に見つけることができ、その内容が、全体として本明細書に組み込まれることに留意されたい。
【0028】
本開示の実施形態は、マッハ-ツェンダ干渉計であるような干渉計100を示すけれども、ここで、「干渉計100」という用語は、当該技術分野で公知の任意のタイプの干渉計(例えば、フィゾー干渉計、デュアルフィゾー干渉計、剪断干渉計等)まで拡大する及び/又は含むように解釈されるべきであることに留意されたい。一般に、干渉計100は、表面高さ測定及び/又は表面勾配測定を行うように構成されてもよく、そして干渉計100の様々な構成及び構成要素は、単に例示のために提供され、限定として解釈されるべきではない。多数の同等又は追加の光学構成が、本開示の範囲内で利用されてもよいことが想定される。この点に関して、干渉計100は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、任意の数の追加及び/又は代替の光学要素を含んでもよい。例えば、ウェーハ特性評価のためのフィゾー干渉法の使用は、2003年3月20日に出願された米国特許第6,847,458号、2011年10月27日に出願された米国特許第8,949,057号、及び2013年1月15日に出願された米国特許第9,121,684号に概して記載されており、これらは、それぞれ、その全体が本明細書に組み込まれる。それに加えて、干渉計システムは、2020年10月20日に発行された米国特許第10,809,055号、及び2019年11月19日に出願された米国特許出願第16/688,539号に更に記載されており、これらは、それぞれ、その全体が本明細書に組み込まれる。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示であると解釈されるべきである。
【0029】
図2Aにおいて、一実施形態では、干渉計100は、干渉計100に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合されたフェムト秒レーザ200を含む。例えば、フェムト秒レーザ200は、光学カプラ114を介して干渉計100に結合されてもよい。例えば、光学カプラ114は、物理的ファイバカプラ、自由空間内のレンズ等を含んでもよく、これに限定されない。
【0030】
別の一実施形態では、干渉計100の基準経路104は、遅延線202を含む。例えば、遅延線202は、最初に、試験経路102と基準経路104の両方が同じ経路長を有する点に同調されてもよく、これが、センサ112が短いフェムト秒パルスによって干渉縞を見ることを可能にする。この等しいOPL点の正確度は、フェムト秒レーザ200のパルス幅(例えば、100フェムト秒(fs))によって制限される数十ミクロン(μm)程度であることに留意されたい。別の一例として、遅延線202は、試験経路102と基準経路104との間の目標OPD(例えば、1メートル)の点に同調されてもよい。ここで、必要に応じて、フェムト秒レーザ分散能力が、試験経路102及び/又は基準経路104に追加されてもよいことに留意されたい。これに関して、OPDは、数十ミクロン程度の正確度まで測定されてもよい。
【0031】
別の一実施形態では、光学カプラ206が、光学スプリッタ108とセンサ112との間に配置される。例えば、光学カプラ206は、物理的ファイバカプラ、自由空間内のレンズ等を含んでもよく、これに限定されない。
【0032】
図2Bにおいて、一実施形態では、周波数被シフトフィードバック(FSF)レーザシステム210が、干渉計100に結合されている。別の一実施形態では、FSFレーザシステム210は、周波数コームレーザとして使用されるFSFレーザ212を含む。例えば、FSFレーザ212は、イッテルビウムファイバベースのものであってもよく、そして近赤外(NIR)領域において、約1ミクロンの測距精度、1メートル程度の検出範囲、及び1メガヘルツ(MHz)までの測定速度で作動してもよい。
【0033】
別の一実施形態では、FSFレーザ212は、光学サーキュレータ214に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。別の一実施形態では、光学サーキュレータ214は、干渉計100に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、光学サーキュレータ214は、光学カプラ114を介して干渉計100に結合されてもよい。
【0034】
別の一実施形態では、光学カプラ114は、主ビームを伝送することに加えて、光学カプラ114上での表面の逆反射によって基準ビームを生成してもよい。例えば、基準ビームは、光学サーキュレータ214を通って検出器216まで通過してもよい。
【0035】
別の一実施形態では、光学カプラ114によって透過された主ビームは、第1光学スプリッタ106を介して試験経路102(例えば、試験光学系118を有する)と基準経路104とに分割され、そしてミラー218に衝突する前に光学スプリッタ108と結合される。別の一実施形態では、ミラー218は、試験ビームを反射させて試験経路102に戻すか、又は基準ビームを反射させて基準経路104に戻し、該ビームは、光学カプラ114及び光学サーキュレータ214を通って検出器216に到達する。
【0036】
別の一実施形態では、検出器216は、光学カプラ114によって生成された基準ビームと、ミラー218によって反射されたビームとの間のビート信号を測定して、試験経路102の選択されたOPL又は基準経路104の選択されたOPLを測定する。例えば、OPLを選択することは、基準経路104を測定するために試験経路102を遮断するか、又は試験経路102を測定するために基準経路104を遮断することを含んでもよい。別の一実施形態では、試験経路102と基準経路104との間のOPDは、試験経路102OPL及び基準経路104OPLを別々に測定した後に計算される。例えば、光学カプラ114とミラー218との間の絶対距離が、試験経路102又は基準経路104のいずれかを介して測定され、その差がOPDを決定する。
【0037】
別の一実施形態では、光学カプラ206は、光学スプリッタ108とミラー218との間に配置される。例えば、ミラー218は、FSFレーザシステム210が干渉計100から交換されるときに、干渉計100から交換されてもよい。
【0038】
ここで、OPD測定レーザ波長は、波面計測において使用される波長とは異なっていてもよいことに留意されたい。このように、測定されるOPDは、位相シフト量を計算するために式3を使用する前に、干渉計100の正確な幾何学的サイズ及び屈折率を用いて波面計測波長のそれに変換される必要があり得る。
【0039】
それに加えて、ここで、FSFレーザを用いる正確な測距についての追加の議論が、J.I.Kimらによる「Ranging with Frequency-Shifted Feedback Lasers:From μm-Range Accuracy to MHz-Range Measurement Rate」(Applied Physics B,122,295,2016)に見出されてもよく、その内容は、全体として本明細書に組み込まれることに留意されたい。
【0040】
図3A及び3Bは、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、位相シフトにおいて使用するための音響光学変調器(AOM)300の簡略概略図を概して示す。AOM300は、波形発生器302からの無線周波数(RF)波fを用いて音波を発生させてもよく、該音波は、AOM結晶内の音波伝搬方向に沿って周期的な屈折率パターンを生成してもよい。例えば、波形発生器302からの無線周波数(RF)波fは、同調可能であってもよい。位置調整されると、0次レーザ周波数ν
0を有する入射光は、ブラッグ回折によって0次から1次までの方向に偏向されることがある。例えば、位置調整に依存して、1次は、+f又は-fのレーザ周波数シフトのいずれかを有してもよく、fはRF周波数である。位置調整されるとき、回折効率は、(例えば、可視波長又は赤外波長において)85%よりも高いことがある。
【0041】
一例では、光ビームサイズが1ミリメートル(mm)であり、音波速度がAOM結晶中で3000乃至5000m/sの範囲内にある場合、1次ビームのオン/オフ速度は、1マイクロ秒(μs)未満である。この例では、1次ビームと透過された0次ビームとの間の偏向角は、空気中で数度の角度であって、両次数が分離されることを可能にする。
【0042】
本明細書において、周波数変調(FM)はまた、レーザ周波数を正確に非常に高速(例えば、サブμs範囲)にシフトさせることがあるけれども、FMは、多重周波数成分を同時に発生させ、該多重周波数成分は、空間的に分離することが困難であり、位相シフト干渉法の適用には便利ではないことがあることに留意されたい。
【0043】
それに加えて、本明細書において、AOMに関する追加の議論が、Handbook of Optics,Volume II,2nd Edition,Chapter 12:ACOUSTO-OPTIC DEVICES AND APPLICATIONS,McGraw-Hill,1995に記載されており、それが全体として本明細書に組み込まれていることに留意されたい。
【0044】
図4は、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、AOMレーザ周波数シフタによる位相シフト実現のためのシステム400の簡略概略図である。ここで、(例えば、
図3Aに示すような)周波数アップシフトモードは、
図4について理解されるが、
図4は、(例えば、
図3Bに示すような)周波数ダウンシフトモードに適用可能であることに留意されたい。
【0045】
別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、1つ又は複数の位相シフトチャネル402を含み、それぞれの位相シフトチャネル402は、AOM300を含む。例えば、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、位相シフトステップの数Nに等しい数の位相シフトチャネル402を含んでもよい。別の一実施形態では、レーザ周波数は、1つ又は複数の位相シフトチャネル402のそれぞれにおいて、AOM300によって異なるRF周波数fだけシフトされ、RF周波数fのそれぞれは、異なる位相ステップに対応してシフトする。例えば、1つ又は複数の位相シフトチャネル402は、波形発生器302からの無線周波数(RF)波fが同調可能であるので、同調可能であってもよい。
図3A及び3Bに示すゼロ次ビーム及びRF周波数f波は、明瞭にするために
図4から除去されていることに留意されたい。
【0046】
一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、0次レーザ周波数ν0を有する入射ビームを生成するように構成されたレーザ404を含む。例えば、レーザ404は、連続波(CW)レーザであってもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、レーザ404から1つ又は複数の位相シフトチャネル402に光学系を分割するように構成された光学スプリッタ406を含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、1つ又は複数の位相シフトチャネル402からの1つ又は複数の光学系を結合するように構成された光学スプリッタ408を含む。例えば、光学スプリッタ406及び/又は光学スプリッタ408は、物理的ファイバコンバイナ、自由空間内のレンズ等を含んでもよいが、これに限定されない。
【0047】
別の一実施形態では、それぞれの1つ又は複数の位相シフトチャネル402は、光学スプリッタ406とチャネル固有AOM300との間に光学カプラ410を含む。別の一実施形態では、それぞれの1つ又は複数の位相シフトチャネル402は、チャネル固有AOM300と光学スプリッタ408との間に光学カプラ412を含む。例えば、光学カプラ410及び/又は光学カプラ412は、物理的ファイバカプラ、自由空間内のレンズ等を含んでもよいが、これに限定されない。
【0048】
別の一実施形態では、多重位相シフトチャネル402が存在する場合に、1つのAOM300のみが、そのAOM300についてそれの特定の1次回折を生成するために一時的にアクティブであり、それにより、対応する位相シフトチャネル402のみがアクティブであり、そして下流のアプリケーションにつながる光学カプラ114に結合される。別の一実施形態では、別の位相シフトチャネル402内のレーザビームは、この時、ゼロ次であって偏向されない、すなわち、それらは、下流のアプリケーションにつながる光学カプラ114に結合されない。別の一実施形態では、AOM300(従って、対応する位相シフトチャネル402)同士の間での切替えのオン/オフシーケンスは、マイクロ秒のオーダーで、パルス型RF技術を使用して駆動RF波の非常に高速のオン/オフトグルを介して制御される。そのため、AOMレーザ周波数シフタシステム400においてパルス型RF技術を用いることによって、ms又はサブmsさえの期間の光学干渉法において多重ステップ位相シフトプロセスを行い得る。
【0049】
1つの非限定的な例では、633ナノメートル(nm)の波長に対して、ν0は4.7x1014Hzである。OPD=1メートルであれば、レーザ周波数ν0は、2πの位相シフトを実現するために約300MHzのfだけシフトされる必要がある。測定されたOPDが正確に30μmであれば、2πの位相シフトは、レーザ線幅が数キロヘルツ(kHz)の場合、正確に10-5波のレベルである。
【0050】
典型的な位相シフトステップが、位相シフト干渉法において0乃至2πの範囲内に等分布していることにここで留意されたい。例えば、6+1対称位相シフトアルゴリズムは、π/3のステップを用い、7ステップを有する。6+1対称位相シフトアルゴリズムについての議論が、K.G.Larkin及びB.F.Orebによる「A new seven-sample symmetrical phase-shift algorithm」(Proc.SPIE,1755,2,1992)に見られことがあり、その内容が全体として本明細書に組み込まれる。
【0051】
OPD=1メートルについて、6+1対称位相シフトアルゴリズムは、0、50、100、150、200、250、及び300MHzのレーザ周波数シフトシーケンスに対応してもよく、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、6個の位相シフトチャネル402(又は0MHzのシフト無しがチャネルに付与される場合には7個)を含んでもよい。全ステップの位相ステップ正確度は、10-5波よりも良い。ここで、駆動RF周波数がHzレベルの正確度に制御されることにより、RF周波数誤差からの位相シフト誤差が無視可能であることに留意されたい。この点に関して、このような高い位相ステップ正確度は、OPLを変化させる伝統的な方法によって(例えば、PZTを含むが、これに限定されるものではない高鉛含有圧電セラミックによって)実現され得ない。ここで、OPDが正確に知られていない(例えば、OPD=1mについて1mmレベルまででしか知られていない)場合、AOMチャネルのRF周波数を同調させて、π/3の等しく分離された、0乃至2πの範囲の6+1対称位相シフトプロセスを実現してもよいことに留意されたい。
【0052】
入射レーザとAOMとの間の位置調整は、駆動RF周波数fに依存する。例えば、それぞれのAOMにおけるレーザ入射角は、最も高い回折効率に対してAOMのブラッグの回折条件と一致する。このように、RF周波数fが50MHz乃至300MHzで変化するとき、多重位相シフトチャネル402は、単一の位相シフトチャネル402がAOM300のかなりの位置調整及び再位置調整を必要とするので、高い回折効率を実現することが必要とされる。
【0053】
ここで、全位相シフトは、位相シフトチャネル402同士の間で均一な間隔で分布していることにより、位相シフトチャネル402の数が全位相シフトの分割可能な数(例えば、0~300MHzが、50MHzの均一な分布を有する7チャネルを含んでもよい、すなわち、それぞれの後のチャネルは、0、50、100、150、200、250、及び300MHzチャネルを生成するために、前のチャネル以上の50MHzのシフトfを有する)に等しいことがある。それに加えて、ここで、全位相シフトは、位相シフトチャネル402同士の間で不均一な間隔で分布してもよいことに留意されたい。
【0054】
位相シフト干渉法では、位相シフトプロセスを行うときに、試験経路102及び基準経路104の強度を一定に保つことが重要である。
図4の多重チャンネル402設計によって、光強度変化が、光学線内に基準ディレクタを挿入することにより補正されてもよい。
図5A及び5Bは、概して、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、AOMレーザ周波数シフタシステム400のためのサブシステム500についての簡略概略図である。
【0055】
図5Aに示すような1つの例示的なサブシステム500において、光学スプリッタ408は、サブシステム500の光学カプラ502につながる。光学カプラ502は、光学スプリッタ504につながり、光学スプリッタは、基準検出器506及び光学カプラ508につながる。例えば、光学カプラ502及び/又は光学カプラ508は、物理的ファイバカプラ、自由空間内のレンズ等を含んでもよいが、これらに限定されない。光学カプラ508は、光学カプラ114につながる。ここで、
図5Aは、自由空間光学系を示すことに留意されたい。
【0056】
図5Bに示すような別の例示的なサブシステム500では、光学スプリッタ408は、光学カプラ502、光学スプリッタ504、及び/又は光学カプラ508を必要とせずに、光学スプリッタ510を介して基準検出器506及び光学カプラ114につながる。ここで、
図5Bは、
図5Aの光ファイバの変形を示すことに留意されたい。
【0057】
基準検出器506は、入射ビームのパワー変動を監視して補正してもよく、それにより、かなりの労力を要することなく、0.1%よりも良好であるようなIt及びIrの安定性を可能にする。しかしながら、基準検出器506は、高速位相シフトについて、RFオン/オフ中に可能な限り多くの信号遷移時間を減少させるために、及び入射ビームパワー変動を正確に記録するために、十分な大きさの帯域幅を必要とし得ることにここで留意されたい。
【0058】
別の一実施形態では、1つ又は複数のAOM300、及び/又は1つ又は複数のAOM300を含む1つ又は複数の位相シフトチャネル402は、コントローラ(例えば、本明細書で更に詳細に説明されるようなコントローラ702)を介して制御されてもよい。例えば、コントローラは、どのAOM300が、どの位相シフトチャネル402が、及び/又はどの波形発生器302がオンであるかを決定してもよい。別の一例として、コントローラは、波形発生器302からの無線周波数(RF)波fを調整してもよい。しかしながら、1つ又は複数のAOM300、1つ又は複数の位相シフトチャネル402、及び/又は波形発生器302が、手動で制御又は調整されてもよいことにここで留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0059】
図6は、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う干渉計600の簡略概略図を示す。例えば、干渉計600は、共通経路モードファイバ先端回折干渉計(FTDI)を含んでもよいが、これに限定されない。
【0060】
一実施形態では、干渉計600は、1つ又は複数の光学経路を含む。例えば、1つ又は複数の光学経路は、光学スプリッタ106によって生成された試験経路102及び基準経路104を含むが、これに限定されない。別の一実施形態では、干渉計600は、試験経路102及び/又は基準経路104の光強度の制御を介して、干渉図形コントラストの選択レベルに対して線形偏光(例えば、s偏光)を使用する。別の一実施形態では、干渉計600は、偏光保持型(PM)光ファイバを使用して、構成要素を結合する。しかしながら、干渉計600の構成要素の少なくとも一部が、自由空間内に配列されてもよいことにここで留意されたい。
【0061】
別の一実施形態では、干渉計600は、光学カプラ114を含む。例えば、入射ビームは、光学カプラ114を介して受信されてもよい。別の一実施形態では、試験経路102と基準経路104とは、光学スプリッタ108と結合される。
【0062】
別の一実施形態では、試験経路102は、試験光学系118を含む。別の一実施形態では、試験経路102は、(例えば、干渉計600が、ファイバ光学系を介して結合された構成要素を含むか、又は自由空間内に配列された構成要素を含むかに依存して)光学スプリッタ106から試験光学系118につながるファイバ先端又はピンホール回折を含む。別の一実施形態では、試験光学系118は、光学スプリッタ108につながる。
【0063】
別の一実施形態では、基準経路104は、光学スプリッタ108を有するファイバ先端(例えば、干渉計600が光ファイバを介して結合された構成要素を含む場合)を含んでもよい。しかし、ここで、光学スプリッタ108は、試験経路102及び/又は基準経路104から独立していてもよい(例えば、干渉計600が自由空間内に配列された構成要素を含む場合)ことに留意されたい。ここで、基準経路104からの反射及び光学スプリッタ108による試験経路102からの透過は、明瞭のために図示されていないことに留意されたい。
【0064】
別の一実施形態では、干渉計600は、センサ112に結合されている。例えば、干渉計600の光学スプリッタ108は、センサ112につながってもよい。
【0065】
別の一実施形態では、1つ又は複数の光学要素602は、光学スプリッタ108とセンサ112との間にインラインで配置される。例えば、1つ又は複数の光学要素602は、コリメータ、レンズ、プリズム等を含んでもよいが、これに限定されない。例えば、1つ又は複数の光学要素602は、非球面コリメートレンズを含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、1つ又は複数の光学要素602は、センサ112に向かって伝播される照明を指向、修正、及び/又は集束させるように構成されている。
【0066】
更に、ここで、
図1、2A及び2Bに示す構成要素を目的とする任意の実施形態は、
図6に示す構成要素を目的とし得る。そのため、上記の説明は、本開示の範囲についての限定ではなく、単に例示であるとして解釈されるべきである。
【0067】
ここで、FTDIについての追加の議論が、2020年3月13日に出願された米国特許出願第16/818,050号に見出されてもよく、この出願は、全体として本明細書に組み込まれる。
【0068】
別の一実施形態では、上記のような式2は、干渉計600についての測定レーザの線幅の要件を設定する。例えば、633nmの光について約0.1nmRMS波面誤差であるφ0測定における1ミリラジアン(mrad)RMSの正確度に達することは、OPD=1mである場合にレーザ線幅を48kHz未満にすることを必要とし、これは、6.3キロメートル(km)のコヒーレンス長を与える。1mのOPDによって位相シフトステップの10-5波正確度に達するためには、レーザ線幅は、数kHz程程の低さを必要としてもよい。レーザ周波数計測コミュニティは、kHzレベルの線幅がレーザ周波数安定化技術によって容易に到達することを示した。レーザ周波数測定正確度の世界記録は、10-18のオーダーである。ここで、約kHzレベルの線幅についての追加の議論が、T.Bothwellらの「JILA SrI optical lattice clock with uncertainty of 2x10-18」(Metrologia,56(2019)065004)に見出されてもよく、その内容が、全体として本明細書に組み込まれることに留意されたい。
【0069】
ここで、本開示の実施形態は、FTDIであるような干渉計600を例示しているが、本明細書では「干渉計600」という用語は、当該技術分野で公知の任意のタイプの干渉計(例えば、フィゾー干渉計、デュアルフィゾー干渉計、剪断干渉計等)まで拡大する及び/又は含むように解釈されるべきであることに留意されたい。一般に、干渉計600は、表面高さ測定及び/又は表面勾配測定を実行するように構成されてもよく、そして干渉計600の様々な構成及び構成要素は、単に例示のために提供され、限定として解釈されるべきではない。多数の同等又は追加の光学構成が、本開示の範囲内で利用されてもよいことが想定されている。この点に関して、干渉計600は、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、任意の数の追加及び/又は代替の光学要素を含んでもよい。例えば、ウェーハ特性評価のためのフィゾー干渉法の使用は、2003年3月20日に出願された米国特許第6,847,458号、2011年10月27日に出願された米国特許第8,949,057号、及び2013年1月15日に出願された米国特許第9,121,684号に概して記載されており、これらの内容はそれぞれ全体として本明細書に組み込まれる。それに加えて、干渉計システムは、2020年10月20日に発行された米国特許第10,809,055号、及び2019年11月19日に出願された米国特許出願第16/688,539号に更に論じられており、これらの内容は、それぞれ全体として本明細書に組み込まれる。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示であるとして解釈されるべきである。
【0070】
ここで、
図1~2Bに示す任意の光学スプリッタ106、108及び/又は
図4A~6に示す光学スプリッタ406、408は、干渉計100、AOMレーザ周波数シフタシステム400、及び/又は干渉計600を通過する及び/又はこれらによって生成されるように構成されているように開示によって説明された様々なビームの方向に基づく光学結合器と考えられてもよいことに留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示であるとして解釈されるべきである。
【0071】
図7A~7Cは、概して、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、位相シフト干渉法のための例示的な特性評価システムを示す。
【0072】
ここで
図7Aを参照すると、一実施形態では、特性評価システム700(例えば、位相シフト干渉計システム等)は、AOMレーザ周波数シフタシステム400、干渉計600、及びコントローラ702を含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、干渉計600に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、AOMレーザ周波数シフタシステム400の光学カプラ114は、干渉計600の光学カプラ114に結合されてもよい。ここで、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、
図4に示すようなものであってもよく、又は
図5A若しくは
図5Bに示すようなサブシステム500を含んでもよい。
【0073】
ここで
図7Bを参照すると、一実施形態では、特性評価システム710(例えば、位相シフト干渉計システム)は、AOMレーザ周波数シフタシステム400、干渉計100、及びコントローラ702を含む。別の一実施形態では、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、干渉計100に(例えば、光学的に、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、AOMレーザ周波数シフタシステム400の光学カプラ114は、干渉計100の光学カプラ114に結合されてもよい。ここで、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、
図4に示すようなものであってもよく、又は
図5A若しくは5Bに示すようなサブシステム500を含んでもよいことに留意されたい。
【0074】
ここで
図7Cを参照すると、1つの実施形態では、特性評価システム720(例えば、位相シフト干渉計システム)は、FSFレーザシステム210、AOMレーザ周波数シフタシステム400、干渉計100、及びコントローラ702を含む。ここで、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、
図4に示すようなものであってもよく、又は
図5A若しくは5Bに示すようなサブシステム500を含んでもよいことに留意されたい。
【0075】
別の一実施形態では、FSFレーザシステム210は、最初に干渉計100に結合される。この実施形態では、ミラー218は、干渉計100内部に設置される。例えば、干渉計100内の光学差は、FSFレーザシステム210及びミラー218によって測定される。ここで、この実施形態は、
図7C内で(1)の印が付けられている。
【0076】
別の一実施形態では、FSFレーザシステム210は、干渉計100から分離され、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、次に干渉計100に結合される。この実施形態では、センサ112は、ミラー218の代わりに干渉計100内に交換される。ここで、この実施形態は、
図7Cで(2)の印が付けられている。
【0077】
示していないが、FSFレーザシステム210は、(例えば、試験経路102及び/又は基準経路104のOPLを測定するために)干渉計600に結合されることにより、AOMレーザ周波数シフタシステム400が干渉計600に結合される前にFSFレーザシステム210が干渉計600に最初に結合されたときに、干渉計600のセンサ112がミラー218によって切り換えられることが理解されるはずである。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0078】
本開示の実施形態は、共有コントローラ702を示すが、ここで、AOMレーザ周波数シフトシステム400及び/又はFSFレーザシステム210は、干渉計100又は干渉計600に結合されたコントローラ702とは異なる1つのコントローラ702(又は複数のコントローラ702)に結合されてもよいことに留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単に例示であるとして解釈されるべきである。
【0079】
本開示の実施形態は、共有光学カプラ114を示しているけれども、ここで、光学カプラ114は、連結構成要素を有する光学カプラアセンブリであってもよく、システム200、400、600のそれぞれは、光学カプラアセンブリの連結構成要素の構成要素を含むことに留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単なる例示であるとして解釈されるべきである。
【0080】
例示的な6+1対称位相シフトアルゴリズムを再び参照すると、アルゴリズムは、センサの非線形性及び位相ステップ誤差に鈍感である。位相シフトプロセスを行うために、高速度カメラ(例えば、>10キロフレーム毎秒(kfps))によって及びAOMレーザ周波数シフタシステム400を使用して、数ms又はサブmsの時間窓における多重ステップ位相シフト波面測定(例えば、N≧3)が実行され得る。環境制御によって、システム熱ドリフト、機械的振動、音響ノイズ、及びエアウィグルからのφ0への影響は、かかる短い時間窓においては小さいと予想される。それに加えて、多重高速測定の波面結果を平均化することが、正確度を更に向上させることになる。例えば、選択時間(例えば、数分間)の間、持続する波面計測プロセスに対して、フェムト秒レーザが使用されてOPDドリフトを監視することにより、駆動RF周波数が標的位相シフトステップに到達することに対応して同調される。
【0081】
別の一実施形態では、
図7A~7Cに示すように、コントローラ702は、干渉計100、干渉計600、及び/又はAOMレーザ周波数シフタシステム400、並びに/或いは、干渉計100、干渉計600、及び/又はAOMレーザ周波数シフタシステム400の構成要素に(例えば、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。例えば、コントローラ702は、保持機構又は試料ステージ、保持機構又は試料ステージのためのアクチュエータ、センサ、設置光学系、入射光源、波形発生器302、1つ又は複数の位相シフトチャネル402を制御する光学系、或いは干渉計100、干渉計600、及び/又はAOMレーザ周波数シフタシステム400の内部の別の構成要素に結合されてもよい。
【0082】
実施形態では、コントローラ702の1つ又は複数のプロセッサ704は、メモリ706に記憶された1組のプログラム命令を実行するように構成されてもよく、1組のプログラム命令は、1つ又は複数のプロセッサに本開示の様々なステップ及びプロセスを実行させるように構成されてもよい。別の一実施形態では、ユーザインタフェース708は、コントローラ702に(例えば、物理的に、電気的に、及び/又は通信可能に)結合される。
【0083】
ここで、コントローラ702及び干渉計100の1つ又は複数の構成要素は、当該技術分野で公知の任意の方法で、システムの様々な別の構成要素に通信可能に結合されてもよいことに留意されたい。例えば、コントローラ702及び干渉計100は、有線接続(例えば、銅線、光ファイバケーブル等)又は無線接続(例えば、RF結合、IR結合)、データネットワーク通信(例えば、WiFi、WiMax、3G、4G、4GLTE、5G、Bluetooth等)を介して互いに及び別の構成要素に通信可能に結合されてもよい。
【0084】
一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ704は、当該技術分野で公知の任意の1つ又は複数の処理要素を含んでもよい。この意味で、1つ又は複数のプロセッサ704は、ソフトウェアアルゴリズム及び/又は命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含んでもよい。一実施形態では、1つ又は複数のプロセッサ704は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、又は別のコンピュータシステム(例えば、ネットワークコンピュータ)から構成されてもよく、これらは、本開示を通じて記載されているように、干渉計100を動作させるように構成されたプログラムを実行するように構成されている。本開示全体を通して説明されたステップは、単一のコンピュータシステム、又は代替として多重コンピュータシステムによって実行されてもよいことが認識されるべきである。更に、本開示を通して説明されたステップは、1つ又は複数のプロセッサ704のうちの任意の1つ又は複数において実行されてもよいことが認識されるべきである。一般に、「プロセッサ」という用語は、メモリ706からのプログラム命令を実行する1つ又は複数の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように広く定義されてもよい。更に、干渉計100の異なるサブシステム(例えば、照明源110、FSFレーザシステム210、AOMレーザ周波数シフタシステム400、センサ112、コントローラ702、ユーザインタフェース708)は、本開示を通して説明されたステップの少なくとも一部分を実行するのに適したプロセッサ又は論理要素を含んでもよい。そのため、上記の説明は、本開示についての限定ではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0085】
メモリ706は、関連する1つ又は複数のプロセッサ704によって実行可能なプログラム命令、及び干渉計100によって受取られた/生成されたデータを記憶するのに適した、当該技術分野で公知の任意の記憶媒体を含んでもよい。例えば、メモリ706は、非一時的記憶媒体を含んでもよい。例えば、メモリ706は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気又は光学記憶装置(例えば、ディスク)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ等を含んでもよいが、これに限定されない。更に、メモリ706は、1つ又は複数のプロセッサ704と共に共通のコントローラハウジング内に収容されてもよいことに留意されたい。別の一実施形態では、メモリ706は、プロセッサ704及びコントローラ702の物理的位置に対して遠隔に配置されてもよい。別の一実施形態では、メモリ706は、1つ又は複数のプロセッサ704に本開示を通して説明された様々なステップを実行させるためのプログラム命令を保持する。
【0086】
一実施形態では、ユーザインタフェース708は、コントローラ702に通信可能に結合されている。一実施形態では、ユーザインタフェース708は、1つ又は複数のデスクトップ、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチ等を含んでもよいが、これに限定されない。別の一実施形態では、ユーザインタフェース708は、干渉計100のデータをユーザに表示するために使用されるディスプレイを含む。ユーザインタフェース708のディスプレイは、当該技術分野で知られている任意のディスプレイを含んでもよい。例えば、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)ベースディスプレイ、又はCRTディスプレイを含んでもよいが、これに限定されない。当業者であれば、ユーザインタフェース708と統合可能な任意の表示装置が本開示における実施に適していることを認識するはずである。別の一実施形態では、ユーザは、ユーザインタフェース708を介してユーザに表示されたデータに応答する選択及び/又は命令を入力してもよい。
【0087】
別の一実施形態では、コントローラ702の1つ又は複数のプロセッサ704は、
図8A~8Cに示すように、以下の方法又はプロセスの1つ又は複数のステップを実行するように構成されている。
【0088】
図8Aは、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、レーザ周波数被シフト光を生成するための方法又はプロセス800を示す。ここで、方法又はプロセス800のステップは、干渉計100又は干渉計600によって全体的又は部分的に実施されてもよい。しかしながら、方法又はプロセス800は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法又はプロセス800のステップの全部又は一部を実行することができる点で、干渉計100又は干渉計600に限定されないことを更に認識されたい。
【0089】
ステップ802において、入射光が0次レーザ周波数で生成される。一実施形態では、入射光は、レーザ404によって生成される。別の一実施形態では、入射光は、光学スプリッタ406を透過させられる。
【0090】
ステップ804において、第1レーザ周波数シフトを有する光が、音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムの第1AOMチャネル内で、AOMを用いて入射光を偏光させることによって生成される。一実施形態では、光学スプリッタ406は、入射光を第1AOMチャネル402に指向させる。別の一実施形態では、第1AOMチャネル402は、アクティブであり、入射光は、第1AOM300を通過する。別の一実施形態では、AOMは、波形発生器302からの無線周波数(RF)波fに基づいて音波を生成する。別の一実施形態では、第1AOM300は、入射光を偏光させて、第1レーザ周波数シフトを有する光を生成する。別の一実施形態では、第1レーザ周波数シフトを有する光は、光学スプリッタ408に入射する。
【0091】
ステップ806において、第2レーザ周波数シフトを有する光が、AOMレーザ周波数シフタシステムの第2AOMチャネル内で、第2AOMを用いて入射光を偏光させることによって生成される。一実施形態では、光学スプリッタ406は、入射光を第2AOMチャネル402に指向させる。別の一実施形態では、第2AOMチャネル402はアクティブであり、入射光は、第2AOM300を通過する。別の一実施形態では、第2AOM300は、入射光を偏光させて、第2レーザ周波数シフトを有する光を生成する。別の一実施形態では、第2レーザ周波数シフトを有する光は、光学スプリッタ408に入射する。
【0092】
ステップ808において、少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光が、AOMレーザ周波数シフタシステムの少なくとも第3AOMチャネル内で、少なくとも第3AOMを用いて入射光を偏光させることによって生成される。一実施形態では、光学スプリッタ406は、第3AOMチャネル402に入射光を指向させる。別の一実施形態では、第3AOMチャネル402は、アクティブであり、入射光は、第3AOM300を通過する。別の一実施形態では、第3AOM300は、入射光を偏光させて、第3レーザ周波数シフトを有する光を生成する。別の一実施形態では、第3レーザ周波数シフトを有する光は、光学スプリッタ408に入射する。
【0093】
ここで、ステップ804、806、808は、1つのAOMチャネル402のみが一度にアクティブになるように、連続的に実行されてもよいことに留意されたい。それに加えて本明細書では、上記のように、AOMチャネル402によって生成されたレーザ周波数シフトは、均一又は不均一な間隔で連続的に増加してもよいことに留意されたい。
【0094】
ここで、光学スプリッタ406は、入射光を全てのAOMチャネル402に同時に指向させるように構成されてもよく、又は入射光をオンにされた又はアクティブなAOMチャネル402にのみ指向させるように構成されてもよいことに留意されたい。それに加えて、ここで、光学スプリッタ408は、レーザ周波数シフトを有するビームを同時に受取るように構成されてもよく、或いはオンにされた又はアクティブなAOMチャネル402からのみレーザ周波数シフトを有するビームを受取るように構成されてもよいことに留意されたい。そのため、上記説明は、本開示の範囲を限定するものではなく、単に例示であるものとして解釈されるべきである。
【0095】
ステップ810において、基準検出器を用いて、第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光が連続的に監視される。一実施形態では、レーザ周波数シフトを有する光(又は複数の光)の部分は、基準検出器506に分割される。例えば、ビームスプリッタ504は、レーザ周波数シフトを有する光(又は複数の光)の部分を基準検出器506に分割してもよい。
【0096】
ステップ812において、第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光は、位相シフト干渉法のための干渉計に連続的に転送される。
【0097】
図8Bは、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、レーザ周波数被シフト光を生成するための方法又はプロセス820を示す。ここで、方法又はプロセス820のステップは、干渉計100又は干渉計600によって全体的に又は部分的を実施されてもよいことに留意されたい。しかし、方法又はプロセス820は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法又はプロセス820のステップの全部又は一部を実行し得ることから、干渉計100又は干渉計600に限定されないことが更に認識される。
【0098】
ステップ822において、音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムを用いて連続的な位相シフトが実行されて、第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光を連続的に生成する。一実施形態では、方法又はプロセス800の1つ又は複数のステップが、連続的な位相シフトのために実行される。
【0099】
ステップ824において、連続的に生成された光を使用する干渉計を用いる位相シフト干渉法が、第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光を用いて実行される。例えば、コントローラ702の1つ又は複数のプロセッサ704は、干渉計100又は600から1つ又は複数の取得された干渉図形を受取ることと、1つ又は複数の取得された干渉図形内の表面高さ測定値又は表面勾配測定値から1つ又は複数の表面高さ又は表面勾配マップを生成することと、を行うように構成されてもよい。ここで、コントローラ702は、当該技術分野で公知の任意の源から1つ又は複数の干渉計を受取るように構成されてもよいことに留意されたい。したがって、コントローラ702は、検査サブシステム102以外の源から干渉計を受取るように構成されてもよく、該検査サブシステムは、メモリ706、外部記憶装置、ネットワーク等を含むが、これに限定されない。
【0100】
図8Cは、本開示の1つ又は複数の実施形態に従う、レーザ周波数被シフト光を生成するための方法又はプロセス830を示す。ここで、方法又はプロセス830のステップは、干渉計100又は干渉計600によって全部又は一部が実施されてもよいことに留意されたい。しかしながら、方法又はプロセス830は、追加又は代替のシステムレベルの実施形態が方法又はプロセス830のステップの全部又は一部を実行し得るので、干渉計100又は干渉計600に限定されないことを更に認識されたい。
【0101】
ステップ832において、干渉計内の試験経路と基準経路との間の光学経路差が、干渉計内の周波数被シフトフィードバック(FSF)レーザシステム及びミラーを用いて測定される。一実施形態では、FSFレーザシステム210は、干渉計100又は干渉計600の試験経路102及び/又は基準経路104の光学経路長(OPL)を測定するために使用される。例えば、両者のOPLを測定する場合に、試験経路102と基準経路104とを別々に順番に測定する。
【0102】
ステップ834において、音響光学変調器(AOM)レーザ周波数シフタシステムを有するFSFレーザシステムが切り替えられ、2次元センサを有する干渉計内のミラーが切り替えられる。一実施形態では、FSFレーザシステム210は、干渉計100又は干渉計600から分離され、AOMレーザ周波数シフタシステム400は、干渉計100又は干渉計600に結合される。別の一実施形態では、干渉計100又は干渉計600内部のミラー218は、センサ112によって切り替えられる。
【0103】
ステップ836において、AOMレーザ周波数シフタシステムを用いる連続的な位相シフトが実行されて、第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光を連続的に生成する。一実施形態では、方法又はプロセス800の1つ又は複数のステップが、連続的な位相シフトのために実行される。
【0104】
ステップ838において、位相シフト干渉法が、連続的に生成された第1レーザ周波数シフトを有する光、第2レーザ周波数シフトを有する光、及び少なくとも第3レーザ周波数シフトを有する光を使用する干渉計を用いて実行される。例えば、コントローラ702の1つ又は複数のプロセッサ704は、干渉計100又は600からの1つ又は複数の取得された干渉図形を受取ることと、1つ又は複数の取得された干渉図形内の表面高さ測定値又は表面勾配測定値から1つ又は複数の表面高さ又は表面勾配マップを生成することと、を行うように構成されてもよい。ここで、コントローラ702が、当該技術分野で公知の任意の源から1つ又は複数の干渉計を受取るように構成されてもよいことに留意されたい。したがって、コントローラ702は、検査サブシステム102以外の源から干渉計を受取るように構成されてもよく、該検査サブシステムは、メモリ706、外部記憶装置、ネットワーク等を含むが、これに限定されない。
【0105】
本開示の実施形態は、FSFレーザシステム210とAOMレーザ周波数シフタシステム400との光学結合及び非結合を示すけれども、ここで、特性評価システム700は、FSFレーザシステム210及びAOMレーザ周波数シフタシステム400の両方を組み込むことを可能にするように配列された光学構成要素を含んでもよく、それにより、FSFレーザシステム210とAOMレーザ周波数シフタシステム400との光結合及び分離が不要であることに留意されたい。それに加えて、ここで、干渉計100及び/又は干渉計600は、センサ112及びミラー218の両方の設置を可能にするように配列された光学構成要素を含んでもよく、それにより、センサ112及びミラー218の切り替えが不要であることに留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示についての限定ではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0106】
ここで、本開示の目的のために、「レーザ周波数シフトを有する光」と「周波数被シフトビーム」とは、同等であるとみなされてもよいことに留意されたい。
【0107】
方法又はプロセス800、820、830のステップは、連続な動作(例えば、連続的な位相シフト作用、連続的な監視等)を含むけれども、ここで、1つの周波数被シフトビームのみが存在する場合には、連続的な動作が必要ではないことに留意されたい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲についての限定ではなく、単なる例示であるとして解釈されるべきである。
【0108】
ここで、方法又はプロセス800、820、830は、提供されたステップ及び/又はサブステップに限定されないことに留意されたい。方法又はプロセス800、820、830は、より多くの又はより少ないステップ及び/又はサブステップを含んでもよい。例えば、ステップ810は、サブシステム500がAOMレーザ周波数シフタシステム400内部に設置されていない場合、任意選択であってもよい。それに加えて、方法又はプロセス800、820、830は、ステップ及び/又はサブステップを同時に実行してもよい。更に、方法又はプロセス800、820、830は、提供された順序又は提供された以外の順序を含むステップ及び/又はサブステップを連続的に実行してもよい。そのため、上記の説明は、本開示の範囲についての限定ではなく、単なる例示であるとして解釈されるべきである。
【0109】
本明細書に記載された方法又はプロセスの全ては、方法又はプロセスの実施形態の1つ又は複数のステップの結果をメモリ内に記憶することを含んでもよい。結果は、本明細書に記載された結果のいずれかを含んでもよく、そして当該技術分野で公知の任意の方法で記憶されてもよい。メモリは、本明細書に記載された任意のメモリ、又は当該技術分野で公知の任意の別の適切な記憶媒体を含んでもよい。結果が記憶された後に、結果は、メモリ内でアクセスされ、本明細書に記載された方法又はシステム実施形態のいずれかによって使用され、ユーザへの表示のためにフォーマットされ、別のソフトウェアモジュール、方法、又はシステム等によって使用され得る。更に、結果は、「永久的に」、「半永久的に」、「一時的に」、又はある期間の間、保存されてもよい。例えば、メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよく、結果は、必ずしもメモリ内に無期限に存続しなくてもよい。
【0110】
上記方法の実施形態のそれぞれが、本明細書に記載された任意の別の方法の任意の別の1つ又は複数のステップを含んでもよいことが更に想定される。それに加えて、上記の方法の実施形態のそれぞれは、本明細書に記載されたシステムのうちのいずれかによって実施されてもよい。
【0111】
これに関して、本開示の利点は、AOMレーザ周波数シフタを使用することによって、数ms又はサブmsの期間中に多重ステップ(例えば、N≧3)位相シフト干渉法を実行すること、熱ドリフト、機械的振動、音響ノイズ、及びエアウィグルの影響を大幅に低減することを含む。本開示の利点はまた、DUVとIRとの間の幅広い波長範囲内で10-5波よりも良好な位相シフトの正確度に到達することを含み、これは、PZTを使用すること等の従来の位相シフト方法によって実行可能ではない。本開示の利点はまた、周波数被シフトフィードバックレーザ等のレーザ周波数コーム技術を使用することによって、干渉計内の試験経路と基準経路との間のOPDを約1ミクロンの正確度まで測定することを含む。
【0112】
当業者であれば、本明細書に記載された構成要素、動作、デバイス、物体、及びそれらに付随する議論は、概念上の明瞭性のための例として使用され、様々な構成変更が考えられることを認識するであろう。したがって、本明細書で使用されるように、説明された特定の例及び付随する議論は、それらのより一般的なクラスを表すことが意図されている。一般に、任意の特定の例の使用は、そのクラスを表すことが意図されており、特定の構成要素、動作、デバイス、及び物体の非包含は、限定として解釈されるべきではない。
【0113】
本明細書で用いられるように、「頂部」、「底部」、「上方」、「下方」、「上部」、「上向き」、「下部」、「下の」、「下向き」等の方向を示す用語が、説明のために相対位置を提供することが意図されており、そして絶対座標系を示すことが意図されていない。説明された実施形態への様々な修正が、当業者にとって明らかであろう、そして、本明細書で規定された一般原理は、別の実施形態に適用されてもよい。
【0114】
本明細書において実質的に任意の複数及び/又は単数用語を使用することに関して、当業者であれば、文脈及び/又は適用に適切であるように、複数から単数に及び/又は単数から複数に変換し得る。様々な単数/複数の置換は、明確にするために、本明細書には明示的に記載されていない。
【0115】
本明細書に記載された主題は、ときには別の構成要素内に含まれるか、又は別の構成要素と接続された異なる構成要素を示す。このような描かれた構成は、単なる例示であり、実際に、同じ機能を達成する多くの別の構成が実施され得ることが理解されるべきである。概念的な意味において、同じ機能を達成するための構成要素の任意の配列は、所望の機能が達成されるように効果的に「関連付けられている」。従って、特定の機能を達成するために本明細書において組み合わされた任意の2つの構成要素は、所望の機能が構成又は中間構成要素に関係なく達成されるように互いに「関連付けられている」と考えられ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「接続」又は「連結」されていると見なされ得、そしてそのように関連付けられることができる任意の2つの構成要素はまた、所望の機能を達成するために互いに「連結可能である」と考えられ得る。結合可能な特定の例は、物理的に篏合可能な及び/又は物理的に相互作用する構成要素、及び/又は、無線相互作用可能構成要素及び/又は無線相互作用構成要素、及び/又は、論理的に相互作用する及び/又は論理的に相互可能な構成要素が含まれるが、これに限定されない。
【0116】
更に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが理解されるべきである。当業者によれば、概して、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の主部)において使用される用語は、概して、「オープン」タームとして意図されていることが理解されるであろう(例えば、「を含んでいる」という用語は、「を含んでいるが、これに限定されるものではない」として解釈されるべきであり、「を有する」という用語は、「を少なくとも有する」として解釈されるべきであり、「を含む」という用語は、「を含むが、これに限定されない」として解釈されるべきである、等)。特定の数の導入請求項が意図されている場合には、そのような意図は、請求項内に明示的に記載されることになり、そのような記載が存在しない場合には、そのような意図が存在しないことが、当業者によって更に理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、以下の添付された特許請求の範囲は、請求項記載を導入するために、導入句「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」の使用を含んでもよい。しかしながら、そのような句の使用は、同じ特許請求の範囲が導入句「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」及び「a」又は「an」等の不定冠詞(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的に「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数の」)を含むときでさえ、不定冠詞「a」又は「an」による請求項記載の導入部が、そのような導入請求項記載を含む任意の特定請求項を、ただ1つのそのような記載を含む発明に限定することを意味すると解釈されるべきでなく、同じことが、請求の範囲記載を導入するために使用される定冠詞の使用に当てはまる。それに加えて、特定の数の導入請求項が明示的に記載されている場合であっても、当業者であれば、そのような記載が、典型的に、少なくとも記載された数を意味する(例えば、別の修正を伴わない「2つの記載」というそのままの記載は、典型的には少なくとも2つの記載、又は2つ以上の記載を意味する)と解釈されるべきであると認識するであろう。更に、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ等」に類似した記法が使用されるような例では、一般に、このような構成は、当業者が記法を理解するであろう意味に意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AとBとを一緒に、AとCとを一緒に、BとCとを一緒に、及び/又はAとBとCとを一緒に有するシステムを含むが、これに限定されない、等)。「A、B、又はCのうちの少なくとも1つ、等」に類似した記法が使用されるような場合では、概して、そのような構成は、当業者がその記法を理解するであろう意味(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AとBとを一緒に、AとCとを一緒に、BとCとを一緒に、及び/又はAとBとCとを一緒に有するシステムを含むが、これに限定されない、等)において意図されている。当業者によれば更に理解されるであろうが、事実上、2つ以上の代替的な用語を提示する実質的に任意の無視可能な単語及び/又は句は、説明、特許請求の範囲、又は図面において、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含む可能性を考慮するものと理解されるべきである。例えば、「A又はB」という語句は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されるであろう。
【0117】
本開示及びその付随する利点の多くは、前述の説明によって理解されるであろう、そして開示された主題から逸脱することなく、又はその主題の利点の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形式、構造及び配置において様々な変更がなされてもよいことは明らかであろう。説明した形式は、単に説明のためのものであり、そのような変更を包含すること及び含むことは、以下の特許請求の範囲が意図するものである。更に、本発明は、特許請求の範囲によって規定されることが理解されるべきである。