(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-08
(45)【発行日】2024-03-18
(54)【発明の名称】半導体基板を乾燥させるための改良された装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240311BHJP
【FI】
H01L21/304 651J
H01L21/304 648A
(21)【出願番号】P 2022537674
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2020083652
(87)【国際公開番号】W WO2021121901
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-12
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599119503
【氏名又は名称】ジルトロニック アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Siltronic AG
【住所又は居所原語表記】Einsteinstrasse 172,81677 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガイスラー,ゼバスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ローテンアイヒャー,ジーモン
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-510799(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0122291(US,A1)
【文献】特開平08-049073(JP,A)
【文献】特開平10-275846(JP,A)
【文献】特開2015-204463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円板状基板を乾燥させるための装置であって、
細長い本体(1)を備え、
前記細長い本体(1)は、上向きに先細になり、2つの上面と上縁(2)との間に角度αを有する楔部を形成し、
前記上縁(2)は、円板状基板が支持されるのに適しており、
上面(3)は、前記上縁(2)からの距離が増加するにつれて増加する溝深さを有する溝(4)を含む、装置。
【請求項2】
前記楔部の角度αは、30°よりも大きく90°よりも小さ
いことにおいて特徴付けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記装置に使用される材料は、セラミック充填ポリエーテルエーテルケトン(CFM PEEK)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記
上縁(2)の曲率半径は0.1mm以上1mm以下であることにおいて特徴付けられる、請求項1~3
のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
最大溝深さは、1mm以上5mm以下であることにおいて特徴付けられる、請求項1~4
のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記上面(3)は、3つ以上の溝(4)を含むことにおいて特徴付けられる、請求項1~5
のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記溝(4)は三角形状であることにおいて特徴付けられる、請求項1~6
のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記溝(4)の前記三角形状の開き角度は、80°以上100°以下であることにおいて特徴付けられる、請求項7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
概要
本発明の目的は、円板状半導体基板の乾燥に使用する装置である。
【0002】
発明の背景
本発明は、半導体ウェハを処理するために使用される装置に関し、半導体ウェハは、液体を含む浴中にしばらくの間浸漬され、次いで、実質的に液体の全量が浴中に残るようにゆっくりとそこから取り出される。
【背景技術】
【0003】
先行技術/問題
この種の方法は、例えば、あらゆる種類の基板上の電気回路、例えば、(例えば、シリコンの)半導体ウェハ上の集積回路、ガラスまたは石英の透明プレート上の液晶ディスプレイ用のドライブ、または合成材料のプレート上の回路(回路基板)の製造に使用され得る。本方法はまた、テレビ受像管用のシャドウマスクの製造において、またはCDもしくはVLPレコードの製造においても使用され得る。これらのすべての場合において、基板は、液体を含む浴中に、例えば金属の堆積のためのガルバニック浴中に、金属層または半導体材料にパターンをエッチングするためのエッチング浴中に、露光されたフォトラッカー層を現像するための現像浴中に、および基板を洗浄するためのリンス浴中に、しばらくの間何度も浸漬される。液浴で処理した後、基板を液体から取り出し、乾燥させる。基板は、それらを液体から引き上げるかまたは引き出すことにより液体から取り出すことができるが、もちろん、液体を浴から流出させることにより液体から取り出すこともできる。
【0004】
液浴から取り出される間、装置上に存在する半導体ウェハは、半導体ウェハを適所に保持するために使用される。このプロセス中に、基板の縁部に液体の残渣が残るという問題が生じ得る。これは、後に半導体ウェハの品質に影響を及ぼす、基板の縁部上の望ましくない粒子につながり得る。
【0005】
それによって利用される物理的効果は、この方法の実施にある程度適している装置のように、CN1045539 A(EP 03 855 36 A1)に記載される。
【0006】
半導体ウェハの残留粒子に対する洗浄の質を改善する装置および方法がDE 10 2014 207 266 A1に示される。しかしながら、これを使用すると、半導体ウェハの品質を低下させる粒子が依然として残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前記装置を改善することであり、より詳細には、乾燥した基板上に見出される粒子の数を、この装置を使用することによってどのように低減することができるかを示すことである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
円板状基板を乾燥させるための装置は、細長い本体(1)を含み、これは、2つの上面と上縁(2)との間に角度αを有する楔部を形成するように上方に先細になる。上縁(2)は、円板状基板を支持するのに適している。
【0010】
L1は楔部の高さであり、L2は支持部の長さである。
上面(3)は、上縁(2)からの距離が増加するにつれて増加する溝深さを有する溝(4)を含む。好ましくは、溝は三角形の溝である。
【0011】
好ましくは、楔部の角度αは、30°よりも大きく90°よりも小さく、好ましくは50°よりも大きく70°よりも小さい。
【0012】
好ましくは、装置に使用される材料は、セラミック充填ポリエーテルエーテルケトン(CFM PEEK)を含む。
【0013】
好ましくは、上縁の曲率半径は、0.1mm以上1mm以下である。
好ましくは、2つの表面は疎水性である。
【0014】
好ましくは、最大溝深さは、1mm以上5mm以下である。
好ましくは、上面(3)は、3つ以上の溝(4)を含む。
【0015】
好ましくは、溝(4)は三角形の形状を有する。
好ましくは、溝の三角形状の開き角度は、80mm以上100mm以下である。
【符号の説明】
【0016】
使用される参照番号のリスト
L1 細長い本体の上に形成された楔部の高さ
L2 支持部の高さ
1 細長い本体
2 細長い本体の上縁
3 上面
4 細長い本体の面取り直径
α 楔部の角度、2つの上面と上縁との間の角度