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特許7451929表示制御装置、表示制御システム、プログラムおよび表示制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御システム、プログラムおよび表示制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 11/80 20060101AFI20240312BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20240312BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20240312BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G06T11/80 A
G09G5/38
G09G5/36
G09G5/00
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019188050
(22)【出願日】2019-10-11
(65)【公開番号】P2021064129
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-08-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 篤
(72)【発明者】
【氏名】岸 宣之
(72)【発明者】
【氏名】赤池 真奈
(72)【発明者】
【氏名】山本 聖子
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-052607(JP,A)
【文献】特開2017-37443(JP,A)
【文献】特開2016-177595(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06T 11/80
G09G 5/38
G09G 5/377
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
識別情報と予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記識別情報が埋め込まれたコードと描画領域が配された用紙の、前記描画領域の画像データからユーザ画像を抽出し前記用紙に配された前記コードを読み取ることによって取得した前記識別情報に基づいて、前記空間固有の情報を取得する、入力部と、
記ユーザ画像を、前記入力部によって取得した前記空間固有の情報により規定される前記空間領域の位置に表示させる画像制御部と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御装置は、前記空間固有の情報に基づいて、前記用紙配する補助情報であって、前記描画領域に絵を描画するための補助情報を生成し
前記入力部は、生成した補助情報に従って前記描画領域に描画された絵に基づく前記ユーザ画像を抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記空間固有の情報は、前記空間領域においてランダムに規定された情報である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記空間固有の情報は、前記空間領域において予め規定された情報である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記空間固有の情報は、前記空間領域において一定の基準に基づいて規定された情報である、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記描画領域の周囲には、余白が付与されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記画像制御部は、前記ユーザ画像が他のユーザ画像と重なる場合には、少なくとも前記他のユーザ画像の前記ユーザ画像に重なる部分を消去する、
ことを特徴とする請求項1ないし6の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記空間固有の情報が、星を表す点である場合、
前記画像制御部は、前記ユーザ画像に重なる点について、前記ユーザ画像の形状に合わせて点の間を線で結ぶ、
ことを特徴とする請求項1ないし7の何れか一項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
識別情報と予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記識別情報が埋め込まれたコードと描画領域が配された用紙の、前記描画領域の画像データからユーザ画像を抽出し前記用紙に配された前記コードを読み取ることによって取得した前記識別情報に基づいて、前記空間固有の情報を取得する、入力部と、
記ユーザ画像を、前記入力部によって取得した前記空間固有の情報により規定される前記空間領域の位置に表示させる画像制御部と、
を備える表示制御装置と、
前記ユーザ画像を表示する表示部を有する表示装置と、
を備えることを特徴とする表示制御システム。
【請求項10】
コンピュータを、
識別情報と予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報とを紐づけて記憶する記憶手段、
前記識別情報が埋め込まれたコードと描画領域が配された用紙の、前記描画領域の画像データからユーザ画像を抽出し前記用紙に配された前記コードを読み取ることによって取得した前記識別情報に基づいて、前記空間固有の情報を取得する、入力手段、
記ユーザ画像を、前記入力手段によって取得した前記空間固有の情報により規定される前記空間領域の位置に表示させる画像制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
表示制御装置における表示制御方法であって、
識別情報と予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報とを紐づけて記憶する記憶ステップと、
前記識別情報が埋め込まれたコードと描画領域が配された用紙の、前記描画領域の画像データからユーザ画像を抽出し前記用紙に配された前記コードを読み取ることによって取得した前記識別情報に基づいて、前記空間固有の情報を取得する、入力ステップと、
記ユーザ画像を、前記入力ステップによって取得した前記空間固有の情報により規定される前記空間領域の位置に表示させる画像制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示制御システム、プログラムおよび表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザにより絵が描かれた用紙を読み取り、当該絵の特徴量や用紙の情報に基づき、ユーザの描いた絵に対する動きを決定して表示するという技術が開示されている。
【0003】
また、近年では、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術の発展により、アーティストやクリエイターといったプロフェッショナルが作成したキャラクターが現実・仮想を問わず様々な空間固有の情報を含む空間領域に登場する技術が実現されている。一般ユーザが作成した絵などについても、今後、様々な空間固有の情報を含む空間領域に登場させるニーズが高まると予想される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のニーズに対し、ユーザの描いた絵や用紙の情報を、様々な空間固有の情報を含む空間領域の適切な位置に確実に反映させることが課題となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、空間固有の情報を含む空間領域の適切な位置にユーザの描いた絵を確実に反映させて表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、識別情報と予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報とを紐づけて記憶する記憶部と、
前記識別情報が埋め込まれたコードと描画領域が配された用紙の、前記描画領域の画像データからユーザ画像を抽出し前記用紙に配された前記コードを読み取ることによって取得した前記識別情報に基づいて、前記空間固有の情報を取得する、入力部と、記ユーザ画像を、前記入力部によって取得した前記空間固有の情報により規定される前記空間領域の位置に表示させる画像制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、空間固有の情報を含む空間領域の適切な位置にユーザの描いた絵を確実に反映させて表示することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示制御システムの一例の構成を示すブロック図である。
図2図2は、3次元の座標系を持つ画像データ空間について概略的に示す図である。
図3図3は、PCの一例の構成を示すブロック図である。
図4図4は、PCの機能を説明するための一例の機能ブロック図である。
図5図5は、星DBの一例を示す図である。
図6図6は、絵DBの一例を示す図である。
図7図7は、用紙DBの一例を示す図である。
図8図8は、表示制御処理の全体的な流れを示す一例のフローチャートである。
図9図9は、手書き描画を行うための用紙の例を示す図である。
図10図10は、ガイドの生成の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、ガイドの生成例を示す図である。
図12図12は、原稿画像データからの抽出例を示す図である。
図13図13は、ステップS12における表示処理の流れを示すフローチャートである。
図14図14は、ステップS12における表示処理を概略的に示す図である。
図15図15は、変形例1にかかる画像表示例を示す図である。
図16図16は、変形例2にかかる画像表示例を示す図である。
図17図17は、変形例3にかかる画像表示例を示す図である。
図18図18は、変形例4にかかる画像表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、表示制御装置、表示制御システム、プログラムおよび表示制御方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る表示制御システムの一例の構成を示すブロック図である。図1において、表示制御システム1は、表示制御装置であるパーソナルコンピュータ(PC)10と、1以上のプロジェクタ装置(PJ)11、11、11と、画像入力装置であるスキャナ装置20とを含む。PC10は、スキャナ装置20で原稿21を読み取って得られた画像データに対して所定の画像処理を施して表示画像データとし、プロジェクタ装置(PJ)11、11、11に供給する。プロジェクタ装置11、11、11は、PC10から供給された表示画像データに従い、画像13、13、13をスクリーン12に投射する表示装置である。
【0011】
なお、図1のように複数のプロジェクタ装置(PJ)11、11、11による画像13、13、13を1のスクリーン12に投射する場合、各画像13、13、13の隣接部分に重複部分を設けると好ましい。図1の例では、カメラ14によりスクリーン12に投射された画像13、13、13を撮像し、PC10が、撮像画像データに基づき各画像13、13、13、あるいは、各プロジェクタ装置(PJ)11、11、11を制御して、重複部分の画像を調整している。
【0012】
このような構成において、例えば、ユーザ24が手書きにて絵22を描いた原稿21を作成し、この原稿21の画像をスキャナ装置20に読み取らせる。スキャナ装置20は、原稿21の画像を読み取って得た原稿画像データをPC10に供給する。PC10は、スキャナ装置20から供給された原稿画像データから絵22に対応する部分のデータを抽出し、抽出した画像データをユーザ画像として保持する。
【0013】
一方、PC10は、3次元の座標系を持つ画像データ空間を生成する。そして、PC10は、ユーザ画像に対してこの画像データ空間内の座標を与えて当該ユーザ画像を当該画像データ空間内のデータとする。以下では、この3次元の画像データ空間内のユーザ画像を、ユーザオブジェクトと呼ぶ。PC10は、この、ユーザオブジェクトを含む3次元の画像データ空間を2次元の画像データ平面に投影し、投影して生成された画像データを、プロジェクタ装置(PJ)11、11、11の台数分に分割して、各プロジェクタ装置(PJ)11、11、11に供給する。
【0014】
図2は、PC10により生成される、実施形態に係る、3次元の座標系を持つ画像データ空間について概略的に示す。実施形態では、3次元の座標系として、互いに直交する3の座標軸(x軸、y軸、z軸)を持つ直交座標系を用いる。以下では、図2に示されるように、x軸、y軸およびz軸を、それぞれ高さ、幅および奥行方向の軸とし、PC10は、高さ、幅および奥行の各軸による3次元の座標系を持つ画像データ空間30を生成するものとして説明する。図2の例では、この画像データ空間30内に、ユーザ画像による各ユーザオブジェクト40、40、40、40および40が含まれている。
【0015】
PC10は、この画像データ空間30に対して、それぞれ値が予め定められた高さH、幅Wおよび奥行Dからなる空間である定義領域31を設定する。実施形態では、各ユーザオブジェクト40、40、…の元になる絵22として、天球(空間領域)上の複数の星により連想される星座を想定しており、定義領域31は、仮想的なプラネタリウムと見做すことができる。以下では、特に記載の無い限り、定義領域31を仮想プラネタリウム31と呼ぶ。
【0016】
図3は、実施形態に適用可能なPC10の一例の構成を示す。図3のPC10において、バス100に対してCPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)111、RAM(Random Access Memory)112および表示制御部113が接続される。PC10において、さらに、バス100に対してストレージ114、データI/F115および通信I/F116が接続される。
【0017】
CPU110は、ROM111およびストレージ114に予め記憶されるプログラムに従い、RAM112をワークメモリとして用いて、このPC10の全体を制御する。表示制御部113は、モニタ120が接続され、CPU110により生成された表示制御信号を、モニタ120が表示可能な信号に変換して出力する。また、表示制御部113は、表示制御信号を、プロジェクタ装置11、11および11が表示可能な信号に変換してそれぞれ出力することができる。
【0018】
ストレージ114は、データを不揮発に記憶することが可能な記憶媒体であって、例えばハードディスクドライブが用いられる。これに限らず、ストレージ114として、例えばフラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリを用いてもよい。ストレージ114は、上述のCPU110が実行するためのプログラムや各種のデータが格納される。
【0019】
データI/F115は、外部の機器との間でのデータの入出力を制御する。例えば、データI/F115は、スキャナ装置20に対するインタフェースとして用いられる。また、データI/F115は、マウスなどのポインティングデバイスや図示されないキーボード(KBD)からの信号が入力される。さらに、CPU110で生成された表示制御信号を、このデータI/F115から出力して、例えば各プロジェクタ装置11、11および11に供給してもよい。このようなデータI/F115としては、USB(Universal Serial Bus)やBluetooth(登録商標)といったインタフェースを適用することができる。
【0020】
通信I/F116は、インターネットやLAN(Local Area Network)といったネットワークを介した通信を制御する。
【0021】
図4は、実施形態に係るPC10の機能を説明するための一例の機能ブロック図である。PC10は、入力部130と、画像取得部131と、3D空間生成部132と、領域設定部133と、画像制御部136と、記憶部137とを含む。
【0022】
入力部130は、ユーザ24による手書きで描画された描画部分を含む画像が入力される。例えば、入力部130は、データI/F115の機能を含み、ユーザ24が手書きで描画した描画部分の絵22を含む原稿21の画像がスキャナ装置20で読み取られた原稿画像データが入力される。そして、入力部130は、入力された原稿画像データから、絵22の部分の画像データを抽出し、ユーザ画像として取得する。
【0023】
3D空間生成部132は、図2を用いて説明した、高さ、幅および奥行の3軸からなる3次元の座標軸による画像データ空間30を生成する。3D空間生成部132は、例えば、RAM112上のアドレス空間として画像データ空間30を生成する。領域設定部133は、3D空間生成部132で生成された画像データ空間30内に、予め定められた値に従い、高さH、幅Wおよび奥行Dの定義領域31(仮想プラネタリウム31)を設定する。
【0024】
画像取得部131は、画像データ空間30に対して所定の位置に視点を設定して、設定した視点から画像データ空間30を2次元の画像データ平面に投影し、プロジェクタ装置11~11で投射させるための画像データを取得する。
【0025】
画像制御部136は、画像データ空間30における仮想プラネタリウム31内での座標をユーザオブジェクトに与える。
【0026】
記憶部137は、RAM112に対応し、ユーザオブジェクトの元になるユーザ画像を格納する絵DB(データベース)137a、星の位置などの星の情報を記録したデータベースである星DB(データベース)137b、用紙DB(データベース)137cなどを記憶する。これに限らず、ストレージ114を記憶部137として用いてもよい。
【0027】
ここで、図5は星DB137bの一例を示す図である。図5に示すように、星DB137bは、星IDと、星の名前と、星の等級(明るさ)と、星の表面温度と、天体における位置を示す赤経および赤緯と、当該星が属する星座名と、を紐づけた星の情報を記憶している。このような星の情報の赤経および赤緯は、予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報の一例である。
【0028】
ここで、図6は絵DB137aの一例を示す図である。図6に示すように、絵DB137aは、後述するタイトルにかかる画像と、ユーザ画像と、天体における位置を示す赤経および赤緯と、を紐づけている。
【0029】
ここで、図7は用紙DB137cの一例を示す図である。図7に示すように、用紙DB137cは、用紙を識別する用紙IDと、天体における位置を示す赤経および赤緯と、を紐づけている。
【0030】
また、画像制御部136は、記憶部137に記憶されるユーザ画像に対して仮想プラネタリウム31内の座標を与えることで、当該ユーザ画像を、画像データ空間30内にユーザオブジェクトとして含ませることができる。
【0031】
なお、上述したPC10に含まれる入力部130、画像取得部131、3D空間生成部132、領域設定部133、モード判定部134、パラメータ生成部135および画像制御部136は、例えばストレージ114に予め記憶され、CPU110上で動作する表示制御プログラムによって実現される。この表示制御プログラムは、インストール可能な形式また実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)、フレキシブルディスク(FD)、DVD(Digital Versatile Disk)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0032】
また、実施形態のPC10で実行される表示制御プログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、当該ネットワークを介してダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、実施形態のPC10で実行される表示制御プログラムをインターネットなどのネットワークを経由して提供または配布するように構成してもよい。さらに、実施形態の表示制御プログラムを、ROM111などに予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0033】
実施形態のPC10で実行される表示制御プログラムは、上述した各部(入力部130、画像取得部131、3D空間生成部132、領域設定部133および画像制御部136)を含むモジュール構成となっている。実際のハードウェアとしては、CPU110がストレージ114やROM111などの記憶媒体から表示制御プログラムを読み出して実行することにより、上述した各部がRAM112などの主記憶装置上にロードされ、入力部130、画像取得部131、3D空間生成部132、領域設定部133および画像制御部136が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0034】
次に、実施形態による表示制御処理について、より詳細に説明する。
【0035】
図8は、実施形態による表示制御処理の全体的な流れを示す一例のフローチャートである。このフローチャートによる処理の実行に先立って、ユーザによる手書きの絵が作成される。ここでは、ユーザは、予めフォーマットが定められた用紙に対して手書きの描画を行うものとする。
【0036】
図9は、実施形態に係る、手書き描画を行うための用紙の例を示す。用紙は、絵を描くための専用の用紙である。図9に示される媒体である用紙200において、画像データ空間30内に含ませたいオブジェクト(ユーザオブジェクト)の元となる絵22(図1参照)を手書き描画する描画領域210と、描画領域210に絵22を描画するための補助情報であるガイド212と、描画領域210においてガイド212に従って描画された絵22に対するタイトルを記入するタイトル記入領域211と、用紙200の識別番号である用紙IDが埋め込まれたQRコード(登録商標)214と、が配される。
【0037】
また、用紙200の四隅のうち3の隅に、マーカ220、220および220が配される。用紙200の画像をスキャナ装置20で読み取った原稿画像から、これらマーカ220、220および220を検出することで、用紙200の向きおよび大きさを知ることができる。なお、マーカ220、220および220は、用紙200に設けられなくてもよい。
【0038】
ガイド212は、例えば、図9に示すように、星空を模したガイドである。このガイド212により、ユーザはこれをヒントとしつつも、創造性を発揮あるいは刺激されながら、自由に絵を描くことが可能となる。
【0039】
次に、用紙200におけるガイド212の生成手法について説明する。概略的には、特定の星を星DB137bから切り取り、用紙200のガイド212にするものである。なお、ここでは、PC10において処理するものとして説明する。
【0040】
ここで、図10はガイド212の生成の流れを示すフローチャート、図11はガイド212の生成例を示す図である。図10に示すように、PC10は、ランダムに赤経、赤緯を生成する(ステップS21)。ここでは、(x,y)とする。
【0041】
次に、PC10は、(x±α,y±β)の範囲の星の数を星DB137bから数える(ステップS22)。なお、α、βの値は事前に調整しておくものとする。
【0042】
続いて、PC10は、星の数が最小基準数(Kmin)以下または最大基準数(Kmax)以上であるかを判定する(ステップS23)。すなわち、星の数を一定の基準に基づいて規定する。
【0043】
PC10は、星の数が最小基準数(Kmin)以下または最大基準数(Kmax)以上である場合(ステップS23のYes)、ステップS21に戻る。
【0044】
なお、PC10は、星の数が最大基準数(Kmax)以上である場合には、選択される星の等級に制限を加えて数を減らすようにしても良い。
【0045】
一方、PC10は、星の数が最小基準数(Kmin)以下または最大基準数(Kmax)以上でない場合(ステップS23のNo)、用紙IDを採番し、位置(x,y)とともに用紙DB137cに記録する(ステップS24)。
【0046】
次いで、PC10は、得られた星をガイド212として用紙200の描画領域210に余白215を追加してプロットするとともに、用紙IDをQRコード214で埋め込み、用紙200を印刷する(ステップS25)。
【0047】
なお、ステップS21では、ランダムに赤経および赤緯を生成するようにしたが、これに限るものではなく、ユーザ(イベント参加者やイベント主催者)が赤経および赤緯を予め規定するようにしてもよい。この場合、イベント前に用紙200を作成しておいてもよいし、イベント中に来たユーザがその場で用紙200を作成してもよい。
【0048】
また、赤経および赤緯の指定方法は、赤経および赤緯(x,y)を直接入力してもよいし、星がスクリーンに投影されている場合はその位置をマウス等のポインティングデバイスで指定してもよい。
【0049】
ユーザは、上述のような用紙200の描画領域210のガイド212に沿って、マーカーペン等を用いて手書きして絵を作成する。
【0050】
図8のフローチャートにおいて、用紙200にユーザの手書き描画による絵22が描画された原稿21がスキャナ装置20により読み取られると、PC10の入力部130は、スキャナ装置20で読み取られた原稿画像データを入力する(ステップS10)。
【0051】
次に、入力部130は、入力された原稿画像データから、ユーザ画像などを抽出する(ステップS11)。以下において、ステップS11の処理について詳述する。
【0052】
より詳細には、入力部130は、原稿画像データから各マーカ220~220を検出する。入力部130は、検出された各マーカ220~220の原稿画像データ上の位置に基づき、原稿画像データの方向および大きさを判定する。
【0053】
例えば、入力部130は、原稿画像データの四隅のうち、マーカ220~220が存在しない隅を検出し、検出された隅の位置に基づき原稿画像データの向きを判定する。図9の例では、マーカ220~220が存在しない隅が原稿画像データの右下隅であると判定する。また、これにより、各マーカ220~220の原稿画像データ上での位置も確定できる。入力部130は、さらに、各マーカ220~220間の距離を計測し、計測された距離と、ストレージ114などに予め記憶される対応する既知の距離とを比較する。この比較結果に基づき、原稿画像データにおける縦横方向のサイズの歪みを修正することができる。
【0054】
入力部130は、上述のようにして取得した原稿画像データの向きとサイズとに基づき、原稿画像データから描画領域210とタイトル記入領域211とQRコード214とを抽出する。ここで、図12は原稿画像データからの抽出例を示す図である。図12に示すように、描画領域210、タイトル記入領域211、QRコード214が原稿画像データから抽出される。
【0055】
入力部130は、さらに、描画領域210の画像データから絵22の部分を抽出する。例えば、入力部130は、描画領域210の画像データの各画素が白色(用紙200の地の色)か、白色以外かの2値判定を行い、絵22の部分を抽出する。この絵22の部分を含み、底辺の方向が描画領域210の底辺の方向と平行な最小の矩形領域213の画像データを、ユーザ画像とする。入力部130は、ユーザ画像を記憶部137に記憶させる。
【0056】
また、入力部130は、さらに、タイトル記入領域211の画像データからタイトル23を抽出する。例えば、入力部130は、タイトル記入領域211の画像データの各画素が白色(用紙200の地の色)か、白色以外かの2値判定を行い、タイトル23を抽出する。入力部130は、タイトル23を記憶部137に記憶させる。
【0057】
さらに、入力部130は、QRコード214を読み取り、用紙200の識別番号である用紙IDを得る。そして、入力部130は、用紙DB137cを参照して、用紙IDに紐付けられた天体における位置を示す赤経および赤緯を得る。
【0058】
次に、入力部130は、用紙IDに紐付けられた天体における位置を示す赤経および赤緯をユーザ画像(ユーザオブジェクト)とセットにして絵DB137aに対して記憶する。
【0059】
次に、画像制御部136は、ステップS11で赤経および赤緯が設定されたユーザオブジェクトの表示処理を実行する(ステップS12)。
【0060】
ここで、図13はステップS12における表示処理の流れを示すフローチャート、図14はステップS12における表示処理を概略的に示す図である。
【0061】
まず、画像制御部136は、星DB137bから星をスクリーン12に投影する。
【0062】
具体的には、画像制御部136は、星DB137bから1つずつ星の情報を取り出す(ステップS31)。
【0063】
次いで、画像制御部136は、星DB137bから取り出した等級から星に該当する点の大きさを決定する(ステップS32)。
【0064】
次いで、画像制御部136は、星DB137bから取り出した表面温度から星に該当する点の色を決定する(ステップS33)。例えば、星に該当する点の色は、MK分類(スペクトル分類)に従って決定するものであってもよい。
【0065】
次いで、画像制御部136は、星DB137bから取り出した赤経および赤緯から地平座標を算出し、2次元の画像データ平面上の位置を決定する(ステップS34)。ここで、地平座標とは、観測地の水平の位置からの角度と、真北から東周りに測った角度で表す星の位置座標である。
【0066】
次いで、画像制御部136は、ステップS34で決定された位置に対して、ステップS32で決定された大きさ、ステップS33で決定された色で、星に該当する点をプロジェクタ装置(PJ)11、11、11によりスクリーン12に表示する(ステップS35)。
【0067】
次いで、画像制御部136は、星DB137bから表示すべき星がなくなるまで、ステップS31からステップS35までの処理を繰り返す(ステップS36)。
【0068】
続いて、画像制御部136は、絵DB137aからユーザオブジェクトをスクリーン12に投影する。
【0069】
具体的には、画像制御部136は、絵DB137aから1つずつユーザオブジェクトおよびユーザオブジェクトの情報を取り出す(ステップS41)。
【0070】
次に、画像制御部136は、絵DB137aから取り出した赤経および赤緯から地平座標を算出し、2次元の画像データ平面上の位置を決定する(ステップS42)。
【0071】
次に、画像制御部136は、ステップS42で決定された位置に対して、ユーザオブジェクトをプロジェクタ装置(PJ)11、11、11によりスクリーン12に表示する(ステップS43)。
【0072】
次いで、画像制御部136は、絵DB137aから表示すべきユーザオブジェクトがなくなるまで、ステップS41からステップS43までの処理を繰り返す(ステップS44)。
【0073】
なお、本実施形態においては、図14に示すように、画像制御部136は、ユーザオブジェクトに重なる星を表す点(ガイド表示)について、ユーザオブジェクトの形状に合わせて星を表す点の間を線で結ぶ。これにより、複数の星を星座のように扱うことが可能になる。
【0074】
なお、ユーザオブジェクトの形状に合わせて星を表す点の間を線で結ぶ手法としては、星を表す点の間に線をランダムに引き、ユーザオブジェクトに重なる重複率が高い線を選択するようにすればよい。
【0075】
また、画像制御部136は、ユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトと重なる場合には、他のユーザオブジェクトのユーザオブジェクトに重なる部分、または他のユーザオブジェクト全部を消去する。
【0076】
なお、画像制御部136は、ユーザオブジェクトが他のユーザオブジェクトと重なる部分を透けさせてもよい。また、画像制御部136は、ユーザオブジェクトと他のユーザオブジェクトとを切り替えて表示してもよいし、ユーザオブジェクトと他のユーザオブジェクトとの何れか一方を選択的に表示してもよい。また、画像制御部136は、ユーザオブジェクトを他のユーザオブジェクトに対してずらして表示してもよい。
【0077】
このように本実施形態によれば、空間固有の情報により規定される空間領域(天球)の位置に対して、媒体に対する手書きの描画による描画部分を含むユーザ画像を表示させることにより、空間固有の情報(例えば、星の情報)を含む空間領域の適切な位置に手書きの絵を確実に反映させて表示することができる。
【0078】
なお、PC10の画像制御部136は、タイトル23を、吹き出しにしてランダムなタイミング、ユーザがスクリーン12でその部分をタッチしたときなどに、表示する。
【0079】
さらにまた、上述では、ユーザがマーカーペン等を用いて用紙に手書きして絵を作成する方法で説明したが、ユーザによる絵の作成方法は、この例に限定されない。例えば、ユーザによる手書きの絵は、マーカーペンと用紙を利用する代わりに、電子ペンとタブレット端末や、あるいは指(すなわち指による接触操作)とタブレット端末等を利用して作成してもよい。つまり、手書きの描画とは、ユーザにとって紙とペンを用いて描画を行うときと同等の操作感あるいは操作方法で描画が行えるような作成方法であればよく、どのような媒体を利用するかに限定されない。
【0080】
なお、例えばタブレット端末を使用する場合、タブレット端末は、下記の処理を実行する。
STEP1:画面上に星を表示し、画面上でタッチさせることでユーザに位置を指定させる。
STEP2:描画ツールを起動し、画面を切り替えて指定した位置の星を表示し、ユーザに絵を描かせる。
STEP3:会場に設置されたスクリーンに、星と絵を投影する。
【0081】
なお、上述では、実施形態による表示制御システム1が、仮想プラネタリウム31を2次元の平面に投影する際に、投影される画像を複数に分割した画像13、13、13を複数のプロジェクタ装置11、11、11によりスクリーン12に対してそれぞれ投射するようにしているが、これはこの例に限定されない。例えば、投影画像を分割せずに、1の画像として1のプロジェクタ装置11によりスクリーン12に投射してもよい。
【0082】
また、上述では、3次元の画像データ空間内をユーザオブジェクトが移動する様子を2次元の画像データ平面に投影(表示)するようにしたが、本実施形態の適用は、必ずしも3次元の画像データ空間領域に限定されるものではない。例えば、ユーザオブジェクトが2次元の画像データ平面内を移動するようにしてもよい。
【0083】
さらに、上述では、ユーザオブジェクトが天球上の複数の星により連想される星座を表す画像に基づくものとしたが、これはこの例に限定されない。例えば、ユーザオブジェクトは、生物や植物などの画像に基づくものでもよい。
【0084】
ここで、変形例について、以下において説明する。
【0085】
(変形例1:世界地図)
例えば、星座ではなく世界地図で国を指定させるようにしてもよい。この場合、世界地図上で指定された国別の用紙を用意する。このようにすることで、指定された国にあった絵を描く動機づけになり、絵を世界地図に投影して楽しむこともできる。
【0086】
図15は、変形例1にかかる画像表示例を示す図である。図15に示すように、星DB137bの代わりに国DB137dを用いるものとする。国DB137dは、国を識別する国IDと、国名と、国地図画像と、経度および緯度と、を紐づけた国の情報を記憶している。このような国の情報の経度および緯度は、予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報の一例である。ガイド212は、描画領域210に絵22を描画するための補助情報として機能する。ガイド212の一例である国地図画像は、世界地図Aの一部を切り取ったものであって国の地図画像である。なお、国地図画像は、用紙200の描画領域210の大きさに合わせて拡大縮小するようにしてもよい。また、QRコード214には、国IDが埋め込まれている。
【0087】
図15に示す用紙200の描画領域210のガイド212に対して、ユーザは、マーカーペン等を用いて手書き描画して絵22を作成する。
【0088】
その後、用紙200にユーザの手書き描画による絵22が描画された原稿21がスキャナ装置20により読み取られると、PC10の入力部130は、国DB137dを参照して、QRコード214内の国IDに紐付けられた国の位置を示す経度および緯度を得る。そして、PC10の画像制御部136は、得られた経度および緯度の位置にユーザオブジェクトである絵22の表示処理を実行する。
【0089】
なお、ガイド212を一定以下の薄い色としてもよい。このようにすることで、PC10の画像制御部136は、ガイド212である国地図画像部分を表示の際に消すこともできる。
【0090】
また、PC10の画像制御部136は、ユーザオブジェクトを、得られた経度および緯度の位置に正確に表示するだけでなく、多少動かしたり、回転させたりしてもよい。
【0091】
なお、世界地図を投影するスクリーン12は、全天球スクリーンであったり、地球儀型の投影機であったりしてもよい。
【0092】
また、世界地図Aを日本地図とし、国を都道府県として日本地図版にすることも可能である。
【0093】
(変形例2:街の地図)
例えば、星座ではなく街の地図で所定の位置を指定させるようにしてもよい。この場合、街の地図の場所ごとの用紙を用意する。このようにすることで、指定された場所に見合った絵を描く動機づけになり、絵を描くことでその地元に見合った街を作って楽しむことができる。
【0094】
図16は、変形例2にかかる画像表示例を示す図である。図16に示すように、星DB137bの代わり街DB137eを用いるものとする。街DB137eは、街の所定の位置を識別する街IDと、街地図画像と、街の所定の位置を示す経度および緯度と、を紐づけた街の情報を記憶している。このような街の情報の経度および緯度は、予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報の一例である。ガイド212は、描画領域210に絵22を描画するための補助情報として機能する。ガイド212の一例である街地図画像は、地図Bの一部を切り取ったものであって街の特定場所の地図画像である。なお、街地図画像は、用紙200の描画領域210の大きさに合わせて拡大縮小するようにしてもよい。また、QRコード214には、街IDが埋め込まれている。
【0095】
図16に示す用紙200の描画領域210のガイド212に対して、ユーザは、マーカーペン等を用いて手書き描画して絵22を作成する。
【0096】
その後、用紙200にユーザの手書き描画による絵22が描画された原稿21がスキャナ装置20により読み取られると、PC10の入力部130は、街DB137eを参照して、QRコード214内の街IDに紐付けられた街の所定の位置を示す経度および緯度を得る。そして、PC10の画像制御部136は、得られた経度および緯度の位置にユーザオブジェクトである絵22の表示処理を実行する。
【0097】
なお、ガイド212を一定以下の薄い色としてもよい。このようにすることで、PC10の画像制御部136は、ガイド212である街地図画像部分を表示の際に消すこともできる。
【0098】
また、PC10の画像制御部136は、ユーザオブジェクトを、得られた経度および緯度の位置に正確に表示するだけでなく、多少動かしたり、回転させたりしてもよい。
【0099】
(変形例3:部屋の間取り)
例えば、星座ではなく部屋の間取りで所定の位置を指定させるようにしてもよい。この場合、部屋の間取りの場所ごとの用紙を用意する。このようにすることで、指定された場所にあった絵を描く動機づけになり、絵を描くことで家のイメージを仮想的に作り楽しむことができる。
【0100】
図17は、変形例3にかかる画像表示例を示す図である。図17に示すように、星DB137bの代わり部屋DB137fを用いるものとする。部屋DB137fは、部屋の所定の位置を識別する部屋IDと、部屋画像と、部屋の所定の位置を示すx座標およびy座標と、を紐づけた部屋の情報を記憶している。このような部屋の情報のx座標およびy座標は、予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報の一例である。ガイド212は、描画領域210に絵22を描画するための補助情報として機能する。ガイド212の一例である部屋画像は、部屋の間取りCの一部を切り取ったものであって部屋の間取りの特定場所の画像である。なお、部屋画像は、用紙200の描画領域210の大きさに合わせて拡大縮小するようにしてもよい。また、QRコード214には、部屋IDが埋め込まれている。
【0101】
図17に示す用紙200の描画領域210のガイド212に対して、ユーザは、マーカーペン等を用いて手書き描画して絵22を作成する。
【0102】
その後、用紙200にユーザの手書き描画による絵22が描画された原稿21がスキャナ装置20により読み取られると、PC10の入力部130は、部屋DB137fを参照して、QRコード214内の部屋IDに紐付けられた部屋の間取りの所定の位置を示すx座標およびy座標を得る。そして、PC10の画像制御部136は、得られたx座標およびy座標の位置にユーザオブジェクトである絵22の表示処理を実行する。
【0103】
なお、ガイド212を一定以下の薄い色としてもよい。このようにすることで、PC10の画像制御部136は、ガイド212である部屋画像部分を表示の際に消すこともできる。
【0104】
また、PC10の画像制御部136は、ユーザオブジェクトを、得られたx座標およびy座標の位置に正確に表示するだけでなく、多少動かしたり、回転させたりしてもよい。
【0105】
(変形例4:絵画)
例えば、星座ではなく絵画で所定の位置を指定させるようにしてもよい。この場合、絵画の場所ごとの用紙を用意する。このようにすることで、指定された場所に色付けをすることで、ひとつの絵を複数のユーザで描いて楽しむことができる。
【0106】
図18は、変形例4にかかる画像表示例を示す図である。図18に示すように、星DB137bの代わり絵画DB137gを用いるものとする。絵画DB137gは、絵画の所定の位置を識別する絵画IDと、絵画画像と、絵画の所定の位置を示すx座標およびy座標と、を紐づけた絵画の情報を記憶している。このような絵画の情報のx座標およびy座標は、予め定められた空間領域の所定の位置を規定する空間固有の情報の一例である。ガイド212は、描画領域210に絵22を描画するための補助情報として機能する。ガイド212の一例である絵画画像は、絵画Dの一部を切り取ったものであって絵画の特定場所の画像である。なお、絵画画像は、用紙200の描画領域210の大きさに合わせて拡大縮小するようにしてもよい。また、QRコード214には、絵画IDが埋め込まれている。
【0107】
図18に示す用紙200の描画領域210のガイド212に対して、ユーザは、マーカーペン等を用いて手書き描画して絵22を作成する。
【0108】
その後、用紙200にユーザの手書き描画による絵22が描画された原稿21がスキャナ装置20により読み取られると、PC10の入力部130は、絵画DB137gを参照して、QRコード214内の絵画IDに紐付けられた絵画の所定の位置を示すx座標およびy座標を得る。そして、PC10の画像制御部136は、得られたx座標およびy座標の位置にユーザオブジェクトである絵22の表示処理を実行する。
【0109】
なお、ガイド212を一定以下の薄い色としてもよい。このようにすることで、PC10の画像制御部136は、ガイド212である絵画画像部分を表示の際に消すこともできる。
【0110】
また、PC10の画像制御部136は、ユーザオブジェクトを、得られたx座標およびy座標の位置に正確に表示するだけでなく、多少動かしたり、回転させたりしてもよい。
【0111】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0112】
実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、PC10は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、PC10は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0113】
明細書中の各種DBは、機械学習の学習効果によって生成されたものでもよい。また、取引内容の記載に含まれうるキーワードと勘定項目とを機械学習にて分類付けすることで、対応テーブルを使用しなくてもよい。
【0114】
ここで、機械学習とは、コンピュータに人のような学習能力を獲得させるための技術であり、コンピュータが、データ識別等の判断に必要なアルゴリズムを、事前に取り込まれる学習データから自律的に生成し、新たなデータについてこれを適用して予測を行う技術のことをいう。機械学習のための学習方法は、教師あり学習、教師なし学習、半教師学習、強化学習、深層学習のいずれかの方法でもよく、さらに、これらの学習方法を組み合わせた学習方法でもよく、機械学習のための学習方法は問わない。
【0115】
なお、上述の実施形態は、本発明の好適な実施の例ではあるがこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形による実施が可能である。
【符号の説明】
【0116】
1 表示制御システム
10 表示制御装置
11、11、11 表示装置
20 画像入力装置
22 ユーザ画像
130 入力部
136 画像制御部
200 媒体
212 ガイド、空間固有の情報
215 余白
【先行技術文献】
【特許文献】
【0117】
【文献】特許第6361146号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図18