(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電力運用システム
(51)【国際特許分類】
H02J 13/00 20060101AFI20240312BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240312BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240312BHJP
G06Q 50/06 20240101ALI20240312BHJP
【FI】
H02J13/00 311R
H02J13/00 301A
H02J3/32
H02J3/38 120
G06Q50/06
(21)【出願番号】P 2019239756
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【氏名又は名称】来間 清志
(72)【発明者】
【氏名】内條 秀一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ティンティン
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161023(JP,A)
【文献】特表2018-514850(JP,A)
【文献】特開2003-180032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/32
H02J 3/38
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行う管理設備とを有するユーザサイトと、前記管理設備及び電力需要家と通信すると共に、情報処理を行う情報処理部と、を含む電力運用システムにおいて、
前記管理設備は、
前記ユーザサイトを識別可能な情報を含むユーザサイト情報と、
前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報と、
を前記情報処理部に送付する機能を有し、
前記情報処理部は、
前記管理設備から送付されてきた前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報の識別及び認証を行う機能と、
前記電力需要家により送付されてきた電力需要要求を受付ける機能と、
前記電力需要要求と、前記ユーザサイト情報及び前記蓄電情報とのマッチングを行う機能と、
前記マッチングの結果に基づいて、放電指示を生成する機能と
前記放電指示を前記管理設備に送付する機能と、
を有し、
前記管理設備は、当該放電指示に基づいて、前記蓄電設備から電力を所定の送配電網へ送り出すように放電させ
、
前記情報処理部は、
前記蓄電設備の供給できる電力量を予測して、供給できる電力量の予測情報を生成する機能と、
前記供給できる電力量の予測情報を前記電力需要家に送付する機能と、を有する、
電力運用システム。
【請求項2】
前記識別及び認証は、ブロックチェーン技術によって行われる、
請求項1に記載の電力運用システム。
【請求項3】
前記情報処理部は、
前記電力需要家の電力需要量を予測して、電力需要量の予測情報を生成する機能と、前記電力需要量の予測情報を前記管理設備に送付する機能とを有する、
請求項1または2に記載の電力運用システム。
【請求項4】
前記蓄電設備は、レドックスフロー電池と、揚水発電とのうち少なくとも一方を含む、
請求項1乃至
3のうち何れか1項に記載の電力運用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力運用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に配慮した再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等)を用いて発電した電力(以下、「再エネ電力」ともいう)に対する期待が高まっている。
また、日本国では制度面でも、環境問題対策の一環として、電気事業における発電の自由化や、再エネ発電の買取制度等の法整備が進められている。
【0003】
再エネ発電は、二酸化炭素の排出を伴わず、化石燃料を燃やす発電に比べて環境への負荷が少ないことから、関連する技術も多く提案されている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-108655号公報
【文献】特開2019-28827号公報
【文献】特開2011-229205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、再生可能エネルギーにより発電された電力を効率的かつ有効に利用することが要求されているが、特許文献1乃至3を含め従来の技術ではこのような要求に十分に応えられない状況である。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、再生可能エネルギーにより発電された電力を効率的かつ有効に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は(1)~(5)を含む。
(1)
再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行う管理設備とを有するユーザサイトと、前記管理設備及び電力需要家と通信すると共に、情報処理を行う情報処理部と、を含む電力運用システムにおいて、
前記管理設備は、
前記ユーザサイトを識別可能な情報を含むユーザサイト情報と、
前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報と、
を前記情報処理部に送付する機能を有し、
前記情報処理部は、
前記管理設備から送付されてきた前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報の識別及び認証を行う機能と、
前記電力需要家により送付されてきた電力需要要求を受付ける機能と、
前記電力需要要求と、前記ユーザサイト情報及び前記蓄電情報とのマッチングを行う機能と、
前記マッチングの結果に基づいて、放電指示を生成する機能と
前記放電指示を前記管理設備に送付する機能と、
を有し、
前記管理設備は、当該放電指示に基づいて、前記蓄電設備から電力を所定の送配電網へ送り出すように放電させる、
電力運用システム。
(2)
前記識別及び認証は、ブロックチェーン技術によって、行われる、(1)に記載の電力運用システム。
(3)
前記情報処理部は、
前記電力需要家の電力需要量を予測して、電力需要量の予測情報を生成する機能と、前記電力需要量の予測情報を前記管理設備に送付する機能とを有する、(1)または(2)に記載の電力運用システム。
(4)
前記情報処理部は、
前記蓄電設備の供給できる電力量を予測して、供給できる電力量の予測情報を生成する機能と、前記供給できる電力量の予測情報を前記電力需要家に送付する機能と、を有する、(1)乃至(3)のうち何れか1項に記載の電力運用システム。
(5)
前記蓄電設備は、レドックスフロー電池と、揚水発電とのうち少なくとも一方を含む、
(1)乃至(4)のうち何れか1項に記載の電力運用システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生可能エネルギーにより発電された電力を効率的かつ有効に利用する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係る電力運用システムの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の電力運用システムの構成の一例について、図面を用いて説明する。実線矢印は情報の流れを示す。破線矢印は電気の流れを示す。
【0011】
図1の電力運用システムは、ユーザサイトUSと、情報処理部Vとを有する。
【0012】
「ユーザサイトUS」とは、再生可能エネルギー発電設備により発電された電力が一旦蓄積される場所を意味する。以下、ユーザサイトUSで蓄電されることを「再エネ蓄電」ともいう。
ユーザサイトUSには、再生可能エネルギー発電設備Pにより発電された電力を蓄える蓄電設備Bと、前記蓄電設備Bの制御及び管理をする管理設備2とを有する。
【0013】
再生可能エネルギー発電設備Pは、再生可能エネルギーを用いて発電をする。ここで、再生可能エネルギー発電設備Pは、
図1ではユーザサイトUSに設置されているが、ユーザサイトUSの必須な構成要素ではなく、ユーザサイトUSの外部に設置され、蓄電設備Bと送電線等により接続されるようにしてもよい。再生可能エネルギー発電設備Pとして、太陽光発電設備、風力発電設備、水力発電設備、バイオマス発電設備、地熱発電設備等が挙げられる。
【0014】
蓄電設備Bは、再生可能エネルギー発電設備Pにより発電された電力を蓄える機能を有する設備である。蓄電設備Bは、例えば蓄電池として構成されてもよいし、蓄電池を有する装置や機械(例えば、電気自動車)として構成されてもよいし、揚水発電であってもよい。
ここで、蓄電池は、特に限定されず任意なものを採用することができる。例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム―硫黄電池(NAS電池)、全固体電池、レドックスフロー電池(以下、「RFB」ともいう。)等を採用することができる。
蓄電設備Bとして、RFBを採用することが好ましい。RFBを採用することで、後述の管理設備2は、RFBの電解液の量、活物質の種類、活物質の濃度、及び活物質の価数等の情報を取得して、これらの情報に基づいて供給できる電力量を含む蓄電情報をリアルタイムに取得することが容易となる。
【0015】
管理設備2は、蓄電設備Bに対する制御及び管理(例えば充放電制御や蓄電情報のリアルタイム取得)を行うと共に、情報処理部Vとの間で各種情報の授受を行う。具体的には、管理設備2は、ユーザサイトUSを識別可能な情報を含むユーザサイト情報と、蓄電設備Bの供給できる電力の量(以下「供給できる電力量」という)を含む蓄電情報とを情報処理部Vに送付する。ここで、供給できる電力量とは、蓄電設備Bから取り出せる全電力量のことであってもよく、蓄電設備Bから取り出せる全電力量からユーザサイトUSのユーザUが利用する予定の電力量が除かれた余剰電力量のことであってもよい。ここで、蓄電設備Bから取り出せる全電力量は管理設備2により推定されるリアルタイム値である。例えば、蓄電設備Bがレドックスフロー電池であれば、管理設備2は、活物質の平均価数をリアルタイムに測定し、前記平均価数、電解液の量、活物質の種類とその濃度及びレドックスフロー電池の充放電効率に基づいて、レドックスフロー電池の取り出せる全電力量をリアルタイムに推定することができる。ユーザUが利用する予定の電力量は管理設備2で設定する(例えばユーザUが入力する)ことができる。
ユーザサイトUSの識別情報は、例えば、再生可能エネルギー発電設備P、蓄電設備B、及び管理設備2の夫々の装置を一意に識別可能な情報(装置のID情報等)として挙げられる。
蓄電情報は、供給できる電力量の他、蓄電設備Bの空き容量情報(蓄電設備Bの蓄電可能な電力総量から取り出せる全電力量を差し引いた電力量)、蓄電設備Bの位置情報、再生可能エネルギー発電設備Pの発電量情報、電力供給計画情報、電力の供給に関する料金情報(例えば、電力供給単価 X円/kWh)等をさらに含むようにすることができる。ここで、電力供給計画情報は、例えば、いつ、どのぐらいの電力を供給できる等が挙げられる。
【0016】
また、管理設備2は、情報処理部Vからの放電指示に基づいて、蓄電設備Bから電力を所定の送配電網Gに送り出すように、蓄電設備Bを放電させる制御を実行することもできる。ここで、送配電網Gは、複数の送電線、配電線、変電所等により構成されていてもよく、蓄電設備Bと電力需要家とをつなぐ一本の電線のみで構成されていてもよい。
【0017】
情報処理部Vは、ユーザサイトUSの管理設備2から送付されてきたユーザサイト情報を識別して、前記ユーザサイトUSから供給された電力が再生エネルギー発電設備Pより発電された電力であることを認証する(以下、「再エネ証明」ともいう)機能を有する。
また、情報処理部Vは、後述する電力需要家により送付されてきた電力需要要求を受信して、電力需要要求と、前記再エネ証明されたユーザサイト情報及び蓄電情報とを何等かの基準に基づいて、マッチングさせる機能を有する。
更に、情報処理部Vは、前記マッチング結果に基づいて、蓄電設備Bに対する放電指示を生成し、前記放電指示を管理設備2に送付する機能を有する。管理設備2は、情報処理部Vからの放電指示に基づいて、蓄電設備Bから電力を所定の送配電網Gに送り出すように、蓄電設備Bを放電させる。
【0018】
情報処理部Vは、上記機能を実現できるものであれば、特に限定されない。情報処理部Vは、例えば、再エネ証明を含む情報処理を集中管理用のサーバで行う集中管理形態や、集中管理用サーバを使わず、ネットワークを利用して情報処理をブロックチェーン技術(分散台帳管理技術を含む)により行う分散管理形態や、前記2つの形態を利用する併用管理形態とすることができる。併用形態を採用する場合、例えば、再エネ証明はブロックチェーン技術により通信ネットワークで行われ、他の情報処理(例えば、マッチング)は集中管理用サーバにより行われるようにすることができる。
【0019】
集中管理用サーバは、汎用性を有する情報処理装置で構成されることができる。通信ネットワークは、少なくとも複数のユーザサイトUSのデータを保存可能な設備(例えば、管理設備2や、管理設備2と別のデータ管理及び通信ができる設備)が有線通信又は無線通信により互いに接続されるように構成されたネットワークを一例として挙げられる。ブロックチェーン技術を採用して、情報処理を行うことは、中央集権管理形態と比べて記録の喪失や改竄等に対して安全性が高くなり、更にシステム導入コストや利用運用にかかわるコストが削減できるという利点がある。
【0020】
電力需要家は、再エネ証明された電力を利用したい又は取り扱いたい者や施設や建物であればよく、特に限定されない。例えば、再エネ証明された電力を利用したい住宅、工場、ビル、商店、病院、充電ステーション等、又はそれらの施設や建物の利用者、再エネ証明された電力を取り扱いたい電力会社が例として挙げられる。
【0021】
電力需要要求は、電力需要量要求、電力の給電開始時刻や終了時刻等の情報、電力需要計画情報(計画電力需要時間要求、計画電力需要量要求等を含む)、電力の使用に関する料金情報、電力需要家の識別情報、電力需要家の位置情報等の情報から選択することができ、必要に応じて複数を組み合わせて選択しても構わない。
情報処理部Vにおいて、電力需要要求と、前記再エネ証明されたユーザサイト情報及び前記蓄電情報とのマッチングを行う。マッチングの方法は種々あるが、例えば、情報処理部Vが、それぞれのユーザサイトUSから受信した蓄電情報に含まれる供給できる電力量情報を、電力需要家からの電力需要要求に含まれる電力需要量情報とマッチングさせて、供給できる電力量が電力需要量を満たすことができるユーザサイトUSを抽出する。このとき抽出されるユーザサイトUSは1つでも良いし、供給できる電力量を合計することで電力需要量を満たすことができる1以上のユーザサイトUSを抽出しても良い。或いは、別のマッチング方法として、情報処理部Vが、ユーザサイト情報に含まれたユーザサイトUSの識別情報と、電力需要家の識別情報をマッチングさせて、ユーザサイトUSを抽出する。具体的な例として、特定のユーザサイトUS群の識別情報と、特定の電力需要家群の識別情報とをリンクさせて、前記特定の電力需要家群から送付されてきた電力需要要求に合致する条件のユーザサイトUSを、優先的に前記特定のユーザサイトUS群からを抽出する。或いは、情報処理部Vは、ユーザサイトUSの電力の供給に関する料金情報と、電力需要家の電力の使用に関する料金情報に基づいたマッチングを行い、電力需要家の料金情報に合致するユーザサイトUSを抽出することもできる。或いは、情報処理部Vは、蓄電設備Bの位置情報と、電力需要家の位置情報を基に、蓄電設備Bと電力需要家の位置が近い順にマッチングさせて、ユーザサイトUSを抽出する。なお、上記のマッチングを一つのみ行ってもよく、同時に又は優先順位を付けて、複数のマッチングを行ってもよい。
【0022】
情報処理部Vは、マッチングで抽出されたユーザサイトUSの管理設備2に対して、放電指示を生成して、送付する。管理設備2は、情報処理部Vからの放電指示に基づいて、蓄電設備Bから所定の送配電網Gに所定の電力を送り出すように、蓄電設備Bを放電させる。
【0023】
このような
図1の例の電力運用システムでは、例えば次のような一連の処理が実行される。
ステップSS11において、管理設備2は、ユーザサイト情報と蓄電情報とを情報処理部Vに送付する。
ステップSS12において、管理設備2から送付されてきたユーザサイト情報と蓄電情報とは、情報処理部Vにおいて再エネ証明及び管理される。
ステップSS13において、情報処理部Vは、電力需要家から電力需要要求を取得する。なお、ステップSS13は、上記ステップSS11とステップSS12の前後を問わず行うことが出来る。更にステップSS13は、ステップSS11、或いはステップSS12と同時に行っても良い。
ステップSS14において、情報処理部Vは、ユーザサイト情報と、蓄電情報と、電力需要要求に基づいてマッチングを行う。
ステップSS15において、前記マッチングが成功すれば、前記マッチング結果に基づいて、管理設備2に対する放電指示を生成して、生成した放電指示を管理設備2に送付する。
ステップSS16において、管理設備2は、ステップSS15で情報処理部Vから送付されてきた放電指示に基づいて、蓄電設備Bから電力を所定の送配電網Gに送り出すように送電させる制御を実行する。
【0024】
上記のように、本実施形態に係る電力運用システムによれば、再エネ証明された電力が、複数の蓄電設備Bを用いた分散電源として大量に配置され、あたかも電力需給調整を大きな蓄電池で行うバーチャル蓄電を実現させることができ、再エネ蓄電された電力の利用効率を向上することができる。
【0025】
また、情報処理部Vは、電力需要家による電力需要量を予測して、電力需要量の予測情報を生成する機能と、電力需要量の予測情報を前記管理設備2に送付する機能とを有してもよい。
情報処理部Vは、予測対象日(例えば、翌日)の気象予測情報、日付情報(曜日情報、休日情報)、電力需要家の電力の使用予定に関する計画情報、電力需要家の過去の電力需要実績データ等に基づいて、対象日の各時間帯(例えば、1時間ごと)の電力需要家による電力需要量を予測する。そして、情報処理部Vは、前記電力需要量予測情報をユーザサイトUSの管理設備2に送付する。上記のことにより、ユーザサイトUSが、予測対象日の電力需要家の電力需要量を把握することができ、前記電力需要量予測情報に基づいて、電力供給計画情報の変更を事前に行うことができる。
【0026】
なお、情報処理部Vは、蓄電設備2の供給できる電力量を予測して、供給できる電力量の予測情報を生成する機能と、供給できる電力量の予測情報を前記電力需要家に送付する機能と、をさらに備えていてもよい。
【0027】
情報処理部Vは、予測対象日の気象予測情報、日付情報(曜日情報、休日情報)、ユーザサイトUSの電力供給計画情報、ユーザサイトUSの過去の供給できる電力量の実データに基づいて、対象日の各時間帯(例えば、1時間ごと)のユーザサイトの供給できる電力量を予測する。そして、情報処理部Vは、前記供給できる電力量の予測情報を電力需要家に送付する。このようなことにより、電力需要家が、予測対象日でのユーザサイトUSからの供給できる電力量を把握することができ、前記供給できる電力量の予測情報に基づいて、電力需要計画の調整や、電力の調達の準備等を事前に行うことが可能になる。
【0028】
ここで、気象予測情報は、例えば気象庁や民間気象予測会社により提供された気象予測情報を用いることができる。
【0029】
情報処理部Vは、上記の電力需要量と供給できる電力量のうちいずれか一方の予測及び送信を実施してもよく、順番を付けて、両方を実施してもよい。両方を実施する場合、例えば、情報処理部Vは、電力需要家による電力需要量を予測して、電力需要量の予測情報を管理設備2に送付する。ユーザサイトUSが、前記電力需要量の予測情報に基づいて、電力供給計画の変更を実施する。前記電力供給計画の変更情報が蓄電情報の一部分として、情報処理部Vに送付される。そして、情報処理部Vは、予測の対象日の気象予測情報、日付情報(曜日情報、休日情報)、変更後のユーザサイトUSの電力供給計画情報、ユーザサイトUSの過去の供給できる電力量の実データに基づいて、対象日の各時間帯(例えば、1時間ごと)のユーザサイトUSの供給できる電力量を予測し、供給できる電力量の予測情報を電力需要家に送付する。
【0030】
情報処理部Vの上記の機能により、ユーザサイトUSが計画的に再エネ電力を供給することと、電力需要家が計画的に再エネ電力を利用することが可能となり、効率的にかつ有効に再エネ電力の利用を推進することができる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0032】
また、
図1には、ユーザサイトUSと電力需要家の夫々が1つだけ描画されており、また管理設備2、再生可能エネルギー発電設備P、及び蓄電設備Bの夫々が1つのみ描画されているが、これは説明を簡略化させるための例示に過ぎない。複数のユーザサイトUSと複数の電力需要家があっても良く、1つのユーザサイトUSに同様の構成を有する管理設備2、再生可能エネルギー発電設備P、及び蓄電設備Bの夫々が複数存在し得る。
【0033】
本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【符号の説明】
【0034】
US・・・ユーザサイト、2・・・管理設備、P・・・再生可能エネルギー発電設備、B・・・蓄電設備、G・・・送配電網、V・・・情報処理部、SS・・・各ステップ