(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】電子機器、画像形成装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
G01K 7/24 20060101AFI20240312BHJP
G01K 7/25 20060101ALI20240312BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240312BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G01K7/24 M
G01K7/25 A
G03G21/00 500
B41J29/38 102
B41J29/38 301
(21)【出願番号】P 2020028340
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】岡村 悠
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-185992(JP,A)
【文献】特開2012-181141(JP,A)
【文献】特開2005-300950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
G03G 15/20
G03G 21/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置に配置されたサーミスタと、プルアップするための第1抵抗とで分圧された電圧を検出する検出部と、
少なくとも前記サーミスタに接続された配線の状態を判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に基づいて、前記装置の制御を切り替える制御部と、
を備え
、
前記サーミスタの下流側と、接地された第2抵抗とが、接続され、
前記判断部は、前記検出部により、前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧を前記第1抵抗の抵抗値と前記サーミスタの抵抗値との和で割った値と、該サーミスタの抵抗値との積が示す値が検出された場合、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると判断し、
前記制御部は、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると想定した場合における前記第1抵抗の下流側の電圧と、前記サーミスタの配置環境の温度とを対応付ける第1対応情報を用いた温度検知動作に切り替える電子機器。
【請求項2】
装置に配置されたサーミスタと、プルアップするための第1抵抗とで分圧された電圧を検出する検出部と、
少なくとも前記サーミスタに接続された配線の状態を判断する判断部と、
前記判断部の判断結果に基づいて、前記装置の制御を切り替える制御部と、
を備え、
前記サーミスタの上流側と前記第1抵抗とが、コネクタを介して接続され、
前記サーミスタの下流側と、接地された第2抵抗とが、前記コネクタを介して接続される電子機器。
【請求項3】
前記判断部は、前記検出部により前記電圧が0であることが検出された場合、前記サーミスタと前記第1抵抗との間の配線で接地が発生していると判断し、
前記制御部は、前記装置の動作を停止させる請求項1
または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記判断部は、前記検出部により、前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧が検出された場合、前記コネクタの抜け、または、前記サーミスタと前記コネクタとの間の配線で断線が発生していると判断し、
前記制御部は、前記装置の動作を停止させる請求項
2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記判断部は、前記検出部により、前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧を前記第1抵抗の抵抗値と前記サーミスタの抵抗値との和で割った値と、該サーミスタの抵抗値との積が示す値が検出された場合、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると判断し、
前記制御部は、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると想定した場合における前記第1抵抗の下流側の電圧と、前記サーミスタの配置環境の温度とを対応付ける第1対応情報を用いた温度検知動作に切り替える請求項
2または4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記判断部によって前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると判断された場合、外部にその旨を通知する通知部を、さらに備えた請求項
1または5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記判断部は、前記検出部により、前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧を前記第1抵抗の抵抗値と前記サーミスタの抵抗値と前記第2抵抗の抵抗値との和で割った値と、該サーミスタの抵抗値と該第2抵抗の抵抗値との和と、の積が示す値が検出された場合、前記コネクタの抜け、および、前記サーミスタと前記コネクタとの間の配線での不具合が発生していないと判断し、
前記制御部は、前記コネクタの抜け、および、前記サーミスタと前記コネクタとの間の配線での不具合が発生していないと想定した場合における前記第1抵抗の下流側の電圧と、前記サーミスタの配置環境の温度とを対応付ける第2対応情報を用いた温度検知動作を行う請求項
2、4または5に記載の電子機器。
【請求項8】
前記検出部は、前記装置の起動時に、前記サーミスタと前記第1抵抗とで分圧された電圧を検出する請求項1~7のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記装置としての画像形成装置に配置された前記サーミスタと、
前記第1抵抗と、
請求項1~8のいずれか一項に記載の電子機器と、
を備えた画像形成装置。
【請求項10】
装置に配置されたサーミスタと、プルアップするための第1抵抗とで分圧された電圧を検出する検出ステップと、
少なくとも前記サーミスタに接続された配線の状態を判断する判断ステップと、
前記判断ステップでの判断結果に基づいて、前記装置の制御を切り替える制御ステップと、
を有
し、
前記サーミスタの下流側と、接地された第2抵抗とが、接続され、
前記判断ステップでは、前記検出ステップで前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧を前記第1抵抗の抵抗値と前記サーミスタの抵抗値との和で割った値と、該サーミスタの抵抗値との積が示す値を検出した場合、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると判断し、
前記制御ステップでは、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると想定した場合における前記第1抵抗の下流側の電圧と、前記サーミスタの配置環境の温度とを対応付ける第1対応情報を用いた温度検知動作に切り替える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、画像形成装置および制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤーハーネスの断線を検出するため、様々な技術が既に知られている。そのような断線を検出する技術として、検出対象の電線にパルス信号を送信し、送信波と反射波との時間差を測定することにより、ワイヤーハーネスの断線を検出する技術が開示されている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、送信波と反射波との時間差を測定するためのシンクロスロープ等の測定装置が必要になり、かつ異常の状態に依らず停止制御を実施するために一律にシステムをダウンさせてしまうため、ダウンタイムが長くなってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、装置のダウンタイムを低減できる電子機器、画像形成装置および制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、装置に配置されたサーミスタと、プルアップするための第1抵抗とで分圧された電圧を検出する検出部と、少なくとも前記サーミスタに接続された配線の状態を判断する判断部と、前記判断部の判断結果に基づいて、前記装置の制御を切り替える制御部と、を備え、前記サーミスタの下流側と、接地された第2抵抗とが、接続され、前記判断部は、前記検出部により、前記第1抵抗によりプルアップされた電源電圧を前記第1抵抗の抵抗値と前記サーミスタの抵抗値との和で割った値と、該サーミスタの抵抗値との積が示す値が検出された場合、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると判断し、前記制御部は、前記サーミスタと前記第2抵抗との間の配線で接地が発生していると想定した場合における前記第1抵抗の下流側の電圧と、前記サーミスタの配置環境の温度とを対応付ける第1対応情報を用いた温度検知動作に切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、装置のダウンタイムを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係るMFPの要部構成の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る制御ASICの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るMFPの異常検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る電子機器、画像形成装置および制御方法を詳細に説明する。また、以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、およびいわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更および組み合わせを行うことができる。
【0009】
(MFPの要部構成)
図1は、実施形態に係るMFPの要部構成の一例を示す図である。
図1を参照しながら、本実施形態に係るMPF(Multifunction Peripheral)1の要部構成について説明する。
【0010】
図1に示すように、MFP1は、画像形成装置(装置の一例)の一例であり、印刷ジョブ等に基づいて、画像形成を行い、印刷出力を行う複合機である。なお、複合機とは、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能、およびファックス機能のうち少なくとも2つの機能を有する装置である。MFP1は、
図1に示すように、IOB10と、サーミスタR2と、を有する。なお、
図1には、装置の一例としてMFP1を示しているが、これに限定されるものではなく、機器としては、インクジェットプリンタ、電子黒板、会議端末装置、またはPC(Personal Computer)およびスマートフォン等の情報処理装置等も装置として想定される。本実施形態では、装置としてMFP1を例に挙げて説明する。
【0011】
IOB10は、I/O制御を行う制御器版である。IOB10は、制御ASIC(Application Specific Integrated Circuit)11と、抵抗R1、R3と、を備えている。
【0012】
制御ASIC11は、IOB10の動作を制御する電子回路である。
【0013】
抵抗R1(第1抵抗)は、サーミスタR2の上流側を5[V]の電源電圧にプルアップするための抵抗である。なお、抵抗R1によりプルアップされる電源電圧は、5[V]に限定されない。抵抗R1、コネクタCNを介してサーミスタR2に接続される。抵抗R1とコネクタCNとの間の配線は、制御ASIC11に接続され、当該配線での電圧が、制御ASIC11内のADC(Analog to Digital Converter)によってデジタル値に変換されて検出電圧として検出される。
【0014】
抵抗R3(第2抵抗)は、サーミスタR2の下流側を接地するための抵抗である。抵抗R3は、コネクタCNを介してサーミスタR2に接続される。
【0015】
サーミスタR2は、温度により抵抗値が変わる部材である。したがって、サーミスタR2の抵抗値を直接的または間接的(例えばサーミスタR2を含む部品の電圧を検出する場合等)に検出することによって、サーミスタR2が配置された環境温度を検出することができる。また、MFP1の場合、サーミスタR2により、例えばトナーを定着させる定着ユニットのヒータ温度、または、作像ユニットの温度等を検出する。
【0016】
なお、本発明に係る電子機器は、制御ASIC11と捉えることもでき、制御ASIC11を備えるIOB10と捉えることもでき、さらに、IOB10を搭載したMFP1と捉えることもできる。
【0017】
ここで、
図1に示すように、コネクタCNからIOB10外のサーミスタR2へ接続される配線は、MFP1内に配置された各部品によって挟み込みを受けると、当該配線の被膜が破断して当該部品に接触し、接地された状態になる場合がある。具体的には、サーミスタR2の上流側の配線の箇所A、または、サーミスタR2の下流側の配線の箇所Bの少なくともいずれかで挟み込みが発生する場合がある。したがって、箇所Aでの挟み込み、箇所Bでの挟み込み、またはコネクタCNの抜けにより、制御ASIC11で検出される検出電圧が変化する。本実施形態に係る異常検出装置は、この検出電圧の変化に応じて、動作を変更する。当該動作の変更については、以下で詳述する。
【0018】
(制御ASICの機能ブロックの構成)
図2は、実施形態に係る制御ASICの機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図2を参照しながら、本実施形態に係る制御ASIC11の機能ブロックの構成について説明する。
【0019】
図2に示すように、制御ASIC11は、検出部111と、判断部112と、制御部113と、通知部114と、を有する。
【0020】
検出部111は、抵抗R1とコネクタCNとを接続する配線の電圧(すなわち、抵抗R1の下流側の電圧)の電圧を検出する機能部である。すなわち、検出部111は、サーミスタR2と、プルアップするための抵抗R1とで分圧された電圧を検出する。上述のようにサーミスタR2は、温度によって抵抗値が変化するため、検出部111による電圧の検出は、MFP1の起動時、すなわちMFP1の内部温度(サーミスタR2の配置環境の温度)≒MFP1の外気温度のタイミングで行われる。検出部111は、制御ASIC11が有する上述のADCによって実現される。
【0021】
判断部112は、検出部111により検出された電圧(検出電圧)により、発生している現象を判断する。具体的には、判断部112は、箇所Aにおける挟み込みの発生、箇所Bにおける挟み込みの発生、またはコネクタCNの抜けの発生の有無等を判断する。例えば、判断部112は、検出部111による検出温度が0[V]の場合、箇所Aで挟み込みにより接地が発生している(すなわち、抵抗R1のみで5[V]の電圧降下が発生している)と判断する。箇所Aで接地が発生する態様としては、箇所Aの配線において周囲部品による挟み込みにより被膜が破れ、配線内の金属線が当該周囲部品に接触して接地が起こる等が考えられる。また、判断部112は、検出部111による検出電圧が5/(R1+R2)×R2[V]である場合、箇所Bで挟み込みにより接地が発生している(すなわち、抵抗R1およびサーミスタR2のみで5[V]の電圧降下が発生している)と判断する。箇所Bで接地が発生する態様としては、上述の箇所Aで接地する態様と同様である。また、判断部112は、検出部111による検出電圧が5[V]である場合、コネクタCNの抜け(コネクタ抜け)、または、箇所Aもしくは箇所Bで挟み込みにより断線が発生している(すなわち、抵抗R1には電流が流れず電圧降下が発生しない)と判断する。また、判断部112は、検出部111による検出電圧が5/(R1+R2+R3)×((R2+R3)である場合、箇所Aおよび箇所Bでの挟み込みによる不具合、およびコネクタCNの抜けが発生していないと判断する。
【0022】
制御部113は、判断部112による判断結果に応じて、MFP1の動作を変更する機能部である。具体的には、制御部113は、判断部112によって箇所Aで挟み込みにより接地が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知が不能と判断し、MFP1の動作を停止させる。また、制御部113は、判断部112によって箇所Bで挟み込みにより接地が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知は継続可能とし、抵抗R1およびサーミスタR2に基づく電圧-温度変換テーブル(R1/R2での電圧-温度変換テーブル)(第1対応情報の一例)を用いた温度検知動作に切り替える。ここで、R1/R2での電圧-温度変換テーブルとは、箇所Bで挟み込みにより接地が発生していると想定した場合における抵抗R1の下流側の電圧と、サーミスタR2の配置環境の温度とを対応付けるテーブルである。
【0023】
また、制御部113は、判断部112によってコネクタCNの抜け(コネクタ抜け)、または、箇所Aもしくは箇所Bで挟み込みにより断線が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知が不能と判断し、MFP1の動作を停止させる。また、制御部113は、判断部112によって箇所Aおよび箇所Bでの挟み込みによる不具合、およびコネクタCNの抜けが発生していないと判断された場合、通常動作として抵抗R1、サーミスタR2および抵抗R3に基づく電圧-温度変換テーブル(R1/R2/R3での電圧-温度変換テーブル)(第2対応情報の一例)を用いた温度検知動作の制御を行う。ここで、R1/R2/R3での電圧-温度変換テーブルとは、箇所Aおよび箇所Bでの挟み込みによる不具合、およびコネクタCNの抜けが発生していない、すなわち正常状態であると想定した場合における抵抗R1の下流側の電圧と、サーミスタR2の配置環境の温度とを対応付けるテーブルである。
【0024】
通知部114は、判断部112により箇所Bで挟み込みによる接地が発生したと判断された場合、制御部113の制御に従って、外部のサービスマン等に通知する機能部である。通知部114は、例えば、MFP1のネットワークI/Fを介して異常の状態を示す情報を含むメールによる通知を行わせてもよく、MFP1の異常ランプの点灯等により異常を伝える等の動作を行うものとしてもよい。なお、通知部114は、制御部113により判断部112による判断に基づいてMFP1の動作が停止された場合にも、その旨を外部に通知するものとしてもよい。
【0025】
なお、判断部112、制御部113および通知部114は、制御ASIC11により実現されることに限定されるものではなく、CPU(Central Processing Unit)等でプログラムが実行されることによって実現されるものとしてもよい。
【0026】
(MFPの異常検出処理)
図3は、実施形態に係るMFPの異常検出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図3を参照しながら、本実施形態に係るMFP1の異常検出処理について説明する。
【0027】
<ステップS11>
MFP1が起動した場合(ステップS11:Yes)、ステップS12へ移行し、MFP1が起動していない場合(ステップS11:No)、起動するまで待機する。
【0028】
<ステップS12>
検出部111は、ADCの機能により抵抗R1とコネクタCNとを接続する配線の電圧(すなわち、抵抗R1の下流側の電圧)の電圧を検出する。そして、ステップS13へ移行する。
【0029】
<ステップS13>
検出部111による検出温度が0[V]の場合(ステップS13:Yes)、ステップS16へ移行し、0[V]でない場合(ステップS13:No)、ステップS14へ移行する。
【0030】
<ステップS14>
検出部111による検出電圧が5/(R1+R2)×R2[V]である場合(ステップS14:Yes)、ステップS17へ移行し、5/(R1+R2)×R2[V]でない場合(ステップS14:No)、ステップS15へ移行する。
【0031】
<ステップS15>
検出部111による検出電圧が5[V]である場合(ステップS15:Yes)、異常検出処理を終了し、5[V]でない場合(ステップS15:No)、ステップS18へ移行する。
【0032】
<ステップS16>
判断部112は、検出部111による検出温度が0[V]の場合、箇所Aで挟み込みにより接地が発生している(すなわち、抵抗R1のみで5[V]の電圧降下が発生している)と判断する。そして、制御部113は、判断部112によって箇所Aで挟み込みにより接地が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知が不能と判断し、MFP1の動作を停止させる。そして、異常検出処理を終了する。
【0033】
<ステップS17>
判断部112は、検出部111による検出電圧が5/(R1+R2)×R2[V]である場合、箇所Bで挟み込みにより接地が発生している(すなわち、抵抗R1およびサーミスタR2のみで5[V]の電圧降下が発生している)と判断する。そして、制御部113は、判断部112によって箇所Bで挟み込みにより接地が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知は継続可能とし、R1/R2での電圧-温度変換テーブルを用いた温度検知動作に切り替える。さらに、通知部114は、判断部112により箇所Bで挟み込みによる接地が発生したと判断された場合、制御部113の制御に従って、外部のサービスマン等に通知する。そして、異常検出処理を終了する。
【0034】
<ステップS18>
判断部112は、検出部111による検出電圧が5[V]である場合、コネクタCNの抜け(コネクタ抜け)、または、箇所Aもしくは箇所Bで挟み込みにより断線が発生している(すなわち、抵抗R1には電流が流れず電圧降下が発生しない)と判断する。そして、制御部113は、判断部112によってコネクタCNの抜け(コネクタ抜け)、または、箇所Aもしくは箇所Bで挟み込みにより断線が発生していると判断された場合、サーミスタR2による温度検知が不能と判断し、MFP1の動作を停止させる。そして、異常検出処理を終了する。
【0035】
以上のステップS11~S18の流れによって、異常検出処理が実行される。
【0036】
以上のように、本実施形態に係るMFP1では、検出部111によりサーミスタR2と、プルアップするための抵抗R1とで分圧された電圧が検出され、判断部112により少なくともサーミスタR2に接続された配線の状態が判断され、制御部113により、その判断結果に基づいて、MFP1の制御が切り替えられるものとしている。これにより、サーミスタR2に接続された配線の状態に不具合が発生したとしても、当該サーミスタR2による温度検知が可能である場合には、MFP1の動作を継続させるものとしている。よって、装置としてのMFP1のダウンタイムを低減することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 MFP
10 IOB
11 制御ASIC
111 検出部
112 判断部
113 制御部
114 通知部
CN コネクタ
R1、R3 抵抗
R2 サーミスタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0038】