(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 11/07 20060101AFI20240312BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240312BHJP
B41J 29/46 20060101ALI20240312BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240312BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
G06F11/07 160
G06F11/07 140P
B41J29/38 104
B41J29/46 Z
B41J29/00 E
H04N1/00 002B
(21)【出願番号】P 2020050761
(22)【出願日】2020-03-23
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】尾形 洋樹
【審査官】武田 広太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-208909(JP,A)
【文献】特開2018-151776(JP,A)
【文献】特開2016-136704(JP,A)
【文献】米国特許第06493656(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/07
B41J 29/38
B41J 29/46
B41J 29/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置であって、
当該情報処理装置に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウント部と、
前記カウント部の各計数結果を記憶するカウント記憶部と、
前記カウント記憶部から取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定部と、
前記判定部の各判定結果が前記閾値を超えた場合に、警告を発報する警告発報部と、を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
セキュリティに関する各種機能を有するTPMデバイスを備えた制御部と、
近距離無線通信機能を有するNFCデバイスを備えた操作表示部と、を備え、
前記カウント部は、
前記TPMデバイスの書込動作の回数を計数すると共に、前記NFCデバイスの使用ごとの動作の回数を計数することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記TPMデバイスの寿命に影響を与える処理回数の合計値が第1の閾値を超えたと判定した場合に、前記警告発報部に対して警告を発報する旨の情報と前記TPMデバイスの交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記NFCデバイスの寿命に影響を与える処理回数の合計値が第2の閾値を超えたと判定した場合に、前記警告発報部に対して警告を発報する旨の情報と前記NFCデバイスの交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする請求項2
または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1の閾値を超えた場合、前記カウント記憶部に記憶した前記TPMデバイスの情報を外部サーバに送信することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の閾値を超えた場合、前記カウント記憶部に記憶した前記NFCデバイスの情報を外部サーバに送信することを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記カウント記憶部に記憶した
前記TPMデバイス及び前記NFCデバイスの情報を外部サーバにアップロードすることを特徴とする請求項
2乃至6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、他の情報処理装置の不揮発性メモリに記憶した情報を、ネットワークを介して取得することを特徴とする請求項2
乃至7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置による情報処理方法であって、
当該情報処理装置に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウントステップと、
前記カウントステップによる各計数結果を記憶するカウント記憶ステップと、
前記カウント記憶ステップにより取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの各判定結果が前記閾値を超えた場合に、警告を発報する警告発報ステップと、を実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
請求項
9に記載された情報処理方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、寿命監視システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、情報処理装置等に搭載されているデバイスの寿命を予測する際には、故障を予測するためのSMART(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)情報を取得して、書き込み回数や通電時間、バッドブロックの数から寿命を予測していた。
このような情報処理装置等にあっては、SMART情報を取得できないデバイスに対しては、コントローラ側で積算書き込み量を計算して寿命を推定する技術が搭載されている。
【0003】
このような従来の情報処理装置の一例として、特許文献1が知られている。
特許文献1には、コントローラ側で、外部メモリに対する積算書き込み量を算出して、外部メモリのデバイスIDおよび外部メモリの利用開始日時と対応付けて記録し、その記録内容に基づいて積算書き込み量を計算して外部メモリの寿命到達日時を予測する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、コントローラ側で積算書き込み量を計算する方式を採っているため、積算書き込み量をデバイス毎に関連付けて計算する必要がある。そのため、計算が煩雑となるばかりでなく管理が複雑となるといった問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、情報処理装置の寿命を容易に監視できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するために、通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置であって、当該情報処理装置に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウント部と、前記カウント部の各計数結果を記憶するカウント記憶部と、前記カウント記憶部から取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定部と、前記判定部の各判定結果が前記閾値を超えた場合に、警告を発報する警告発報部と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、情報処理装置の寿命を容易に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係わる画像形成装置(MFP)のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の機能構成を示すブロック図であり、(a)は情報処理装置の全体機能構成を示し、(b)はカウンタ部の内部構成を示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係わる情報処理装置と外部サーバとの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムのTPM寿命監視の処理を説明するフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムのNFC寿命監視の処理を説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムの閾値処理を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
本発明は、情報処理装置の寿命を容易に監視できるようにするために、以下の構成を有する。
すなわち、請求項1記載の発明は、上記課題を解決するたに、通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置であって、当該情報処理装置に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウント部と、カウント部の各計数結果を記憶するカウント記憶部と、カウント記憶部から取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定部と、判定部の各判定結果が閾値を超えた場合に、操作表示部に警告を発報する警告発報部と、を備えたことを特徴とする。
以上の構成を備えることにより、情報処理装置の寿命を容易に監視することができる。
上記記載の本発明の特徴について、以下の図面を用いて詳細に解説する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0010】
<寿命監視システム>
図1は、本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムの全体構成を示すブロック図である。
本実施形態では、寿命監視システム1はデバイス監視部3、情報処理装置5を備えている。
デバイス監視部3は判定部23を備え、判定部23は、起動回数、省エネモードへの移行回数及び省エネモードから通常モードへの復帰回数、ファームウェアアップデートの回数の何れか一つの合計値がTPMデバイス15に係る第1の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達する。
あるいは、判定部23は、起動回数、省エネモードへの移行回数及び省エネモードから通常モードへの復帰回数、NFCデバイス29の使用回数の何れか一つの合計値がNFCデバイス29に係る第2の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達する。
情報処理装置5は、例えば、パーソナルコンピュータであり、制御部11に搭載されたセキュリティに関する各種機能を有するTPMデバイスと、操作表示部31に搭載された近距離無線通信機能を有するNFCデバイスと、を備えている。
【0011】
<画像形成装置のハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係わる画像形成装置(MFP)のハードウェア構成を示す図である。
MFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)100は、コントローラ51、ネットワークI/F73、近距離通信回路75、操作パネル77、エンジン制御部79を備えている。
【0012】
なお、MFP100のハードウェア構成は、
図2に示す構成に限定されない。例えば、操作パネル77はASIC61ではなく、SB57に接続される構成であってもよい。
【0013】
コントローラ51は、コンピュータの主要部であるCPU53、システムメモリ(MEM-P)69、ノースブリッジ(NB)55、サウスブリッジ(SB)57、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)61、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)63、HDDコントローラ65、及び、記憶部であるHD67を有し、NB55とASIC61との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス59で接続した構成となっている。
【0014】
ただし、コントローラ51の構成はこれに限定されない。例えば、CPU53、NB55、SB57などの2以上の構成要素をSoC(System on Chip)によって実現してもよい。この場合、SoCとASIC61との間をPCI-express(登録商標)バスで接続してもよい。
【0015】
これらのうち、CPU53は、MFP100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル77からの入力等を制御する。
【0016】
NB55は、CPU53と、MEM-P69、SB57、及びAGPバス59とを接続するためのブリッジであり、MEM-P69に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0017】
MEM-P69は、コントローラ51の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM69a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM69bから成る。
なお、RAM69bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0018】
SB57は、NB55とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。
ASIC61は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス59、PCIバス71、HDDコントローラ65およびMEM-C63をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0019】
このASIC61は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC61の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C63を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部79b及びプリンタ部79aとの間でPCIバス71を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。
【0020】
なお、ASIC61には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM-C63は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。
【0021】
HD67は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージであり、CPU53の制御にしたがってHD67に対するデータの読出又は書込を制御する。
【0022】
AGPバス59は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P69に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。ただし、MEM-C63は搭載されていなくても良い。
【0023】
また、近距離通信回路75には、近距離通信回路網75aが備わっている。近距離通信回路75は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
エンジン制御部79は、プリンタ部79a及びスキャナ部79bによって構成されている。
【0024】
操作パネル77は、現在の設定値、選択画面、及び交換手順等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル、交換手順の動画等を表示するパネル表示部77a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル77bを備えている。
【0025】
プリンタ部79a又はスキャナ部79bには、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、MFP100は、操作パネル77のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。
【0026】
ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0027】
操作パネル77は、各種情報を表示するLCDや動作状態を点灯/消灯により表示するLEDといった表示部及びタッチパネルやハードキースイッチを有する入力部等を備えている。なお、操作パネル77はタッチパネルを備える場合にはハードキースイッチはなくてもよい。
ネットワークI/F73は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路75及びネットワークI/F73は、PCIバス71を介して、ASIC61に電気的に接続されている。
【0028】
<機能構成>
図3は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置の機能構成を示すブロック図であり、(a)は情報処理装置の全体機能構成を示し、(b)はカウンタ部の内部構成を示す。
情報処理装置5は、制御部11、操作表示部31を備えている。
制御部11は、CPU13、TPM(Trusted Platform Module) デバイス15、警告発報部17、カウント部19、カウント記憶部21、判定部23を備えている。
制御部11は、セキュリティに関する各種機能を有するTPMデバイス15を備える。
制御部11は、TPMデバイス15の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第1の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したTPMデバイス15の情報を外部サーバ37に送信する。
制御部11は、NFCデバイス29の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第2の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したNFCデバイス29の情報を外部サーバ37に送信する。
制御部11は、カウント記憶部21に記憶したTPMデバイス15及びNFCデバイス29の情報を外部サーバ37にアップロードする。
制御部11は、他の情報処理装置の不揮発性メモリに記憶したTPMデバイス15及びNFCデバイス29の情報を、ネットワーク35を介して取得する。
【0029】
CPU13は、情報処理装置5全体の動作を制御する。
TPMデバイス15は、セキュリティに関する各種機能を有するデバイスである。
警告発報部17は、判定部23の判定結果が第1の閾値又は/及び第2の閾値を超えた場合に、操作表示部31に警告を発報する。
カウント部19は、起動カウンタ19a、STR(Suspend To RAM)カウンタ19b、FWUカウンタ19c、NFCカウンタ19dを備えている。
起動カウンタ19aは、情報処理装置5の起動回数を計数する。
STRカウンタ19bは、情報処理装置5が省エネモードへ移行する回数を計数する。
FWUカウンタ19cは、ファームウェアアップデートの回数を計数する。
NFCカウンタ19dは、NFCデバイスの使用回数を動作ごとに計数する。
カウント記憶部21は、カウント部19の計数結果を記憶する。
【0030】
判定部23は、カウント記憶部21から取得した計数結果が第1の閾値又は/及び第2の閾値を超えたか否かを判定する。
判定部23は、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値がTPMデバイス15に係る第1の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達する。
判定部23は、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値がNFCデバイス29に係る第2の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達する。
ここで、第1の閾値とは、TPMデバイス15の寿命を疑似的に判定する閾値であり、MFPに用いられるTPMデバイス15の製品規格値から警告を発報するための閾値として設定する。例えば、TPMデバイス15の寿命を示す規格値である書き込み回数10万回に対して、第1の閾値を9万回と設定して、カウントした値がその第1の閾値を超えたら警告を表示する。
また、第2の閾値とは、NFCデバイス29の寿命を疑似的に判定する閾値であり、NFCデバイス29の製品規格値から警告を発報するための閾値として設定する。
【0031】
操作表示部31は、CPU27、NFC(Near field communication)デバイス29、ディスプレイ506、キーボード511を備えている。
操作表示部31は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーと、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイとを備えている。
CPU27は、操作表示部31全体の動作を制御する。
NFCデバイス29は、近距離無線通信機能を有するデバイスである。
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。
【0032】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウエアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0033】
<他の機能構成>
図4は、本発明の一実施形態に係わる情報処理装置と外部サーバとの機能構成を示すブロック図である。
情報処理装置5は、制御部11、操作表示部31を備えている。
制御部11は、ネットワークサービス(NRS)を更に備えている。
制御部11は、TPMデバイス15の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第1の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したTPMデバイス15の情報を外部サーバ37にネットワーク35を介して送信する。
制御部11は、NFCデバイス29の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第2の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したNFCデバイス29の情報を外部サーバ37にネットワーク35を介して送信する。
制御部11は、カウント記憶部21に記憶したTPMデバイス15及びNFCデバイス29の情報を外部サーバ37にネットワーク35を介してアップロードする。
制御部11は、他の情報処理装置41の不揮発性メモリに記憶したTPMデバイス及びNFCデバイスの情報を、ネットワーク35を介して取得する。
操作表示部31は、CPU27、NFC(Near field communication)デバイス29、ディスプレイ506、キーボード511を備え、
図3と同様なので説明を省略する。
【0034】
<TPM寿命監視のフローチャート>
図5は、本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムのTPM寿命監視の処理を説明するフローチャートである。
ステップS1では、制御部11は、情報処理装置5の主電源がONになったか否かを判断する。主電源がONになると(ステップS1でYESのルート)、ステップS3に進む。
ステップS3では、制御部11は、カウント部19内の起動カウンタ19aをインクリメントする。
ステップS5では、制御部11は、起動カウンタ19aの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。
ステップS7では、制御部11は、計数結果をカウント記憶部21から読み出し、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えたか否かを判定する。起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えていれば(ステップS7でYESのルート)、ステップS27に進み、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えていなければ(ステップS7でNOのルート)、ステップS11に進む。
ステップS11では、制御部11は、情報処理装置5が省エネモードに移行したかを判定する。省エネモードから復帰した場合(ステップS11でNOのルート)、ステップS19に進み、省エネモードに移行した場合(ステップS11でYESのルート)、ステップS13に進む。
ステップS13では、制御部11は、カウント部19内のSTRカウンタ19bをインクリメントする。
ステップS15では、制御部11は、STRカウンタ19bの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。
【0035】
ステップS17では、制御部11は、STRカウンタ19bの計数結果をカウント記憶部21から読み出し、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えたか否かを判定する。起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えていれば(ステップS17でYESのルート)、ステップS27に進み、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えていなければ(ステップS17でNOのルート)、ステップS19に進む。
ステップS19では、制御部11は、情報処理装置5がファームウェアアップデートしたか否かを判定する。ファームウェアアップデートしなければ(ステップS19でNOのルート)、ステップS1に進む。ファームウェアアップデートした場合は(ステップS19でYESのルート)、ステップS21に進む。
ステップS21では、制御部11は、カウント部19内のFWUカウンタ19cをインクリメントする。
ステップS23では、制御部11は、FWU カウンタ19cの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。尚、ファームウェアアップデート時は、起動回数、省エネモードへの移行回数、ファームウェアアップデートの回数の合計値が第1の閾値を超えたか否かの判定は行わない。即ち、ファームウェアアップデート後は主電源OFF/ONするため、次回起動時(ステップS7)に判定処理を行う。
ステップS25では、制御部11は、ファームウェアアップデート後は設定が初期化されるため、再設定するために一旦主電源をOFFにして再起動して終了する。
一方、ステップS27では、制御部11は、判定部23の各判定結果が第1の閾値を超えた場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達する。
【0036】
<NFC寿命監視のフローチャート>
図6は、本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムのNFC寿命監視の処理を説明するフローチャートである。
ステップS41では、制御部11は、情報処理装置5の主電源がONになったか否かを判断する。主電源がONになると(ステップS41でYESのルート)、ステップS43に進む。
ステップS43では、制御部11は、カウント部19内の起動カウンタ19aをインクリメントする。
ステップS45では、制御部11は、起動カウンタ19aの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。
ステップS47では、制御部11は、起動カウンタ19aの計数結果をカウント記憶部21から読み出し、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えたか否かを判定する。起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていれば(ステップS47でYESのルート)、ステップS65に進み、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていなければ(ステップS47でNOのルート)、ステップS49に進む。
ステップS49では、制御部11は、情報処理装置5が省エネモードに移行したかを判定する。省エネモードから復帰した場合(ステップS49でNOのルート)、ステップS57に進み、省エネモードに移行した場合(ステップS49でYESのルート)、ステップS51に進む。
ステップS51では、制御部11は、カウント部19内のSTRカウンタ19bをインクリメントする。
【0037】
ステップS53では、制御部11は、省エネカウンタ19bの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。
ステップS55では、制御部11は、省エネカウンタ19bの計数結果をカウント記憶部21から読み出し、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えたか否かを判定する。起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていれば(ステップS55でYESのルート)、ステップS65に進み、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていなければ(ステップS55でNOのルート)、ステップS57に進む。
ステップS57では、制御部11は、情報処理装置5がNFCを使用したか否かを判定する。NFCを使用しなければ(ステップS57でNOのルート)、ステップS41に進む。NFCを使用した場合は(ステップS57でYESのルート)、ステップS59に進む。
ステップS59では、制御部11は、カウント部19内のNFCカウンタ19dをインクリメントする。
ステップS61では、制御部11は、NFCカウンタ19dの計数結果をカウント記憶部21に記憶する。
ステップS63では、制御部11は、NFCカウンタ19dの計数結果をカウント記憶部21から読み出し、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えたか否かを判定する。起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていれば(ステップS63でYESのルート)、ステップS65に進み、起動回数、省エネモードへの移行回数、NFCデバイス29の使用回数の合計値が第2の閾値を超えていなければ(ステップS63でNOのルート)、ステップS41に進む。
一方、ステップS65では、制御部11は、判定部23の各判定結果が第2の閾値を超えた場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達する。
【0038】
<閾値処理>
図7は、本発明の一実施形態に係わる寿命監視システムの閾値処理を説明する図である。
縦軸にカウント部19のインクリメント回数(1~n)、横軸に起動カウンタ19a、STRカウンタ19b、FWUカウンタ19c、NFCカウンタ19d、各カウンタの合計値、及び閾値を表す。尚、説明を簡略化するために、TPMデバイス15の閾値1(第1の閾値)を100、NFCデバイス29の閾値2(第2の閾値)を90と仮定する。
【0039】
また、TPMデバイス15の合計値は、起動カウンタ19a、STRカウンタ19b、FWUカウンタ19cの計数値の合計であり、NFCデバイス29の合計値は、起動カウンタ19a、STRカウンタ19b、NFCカウンタ19dの計数値の合計である。
インクリメント回数1では、全てのカウンタを「0」にリセットする。即ち、TPMデバイス15とNFCデバイス29の合計値は「0」となる。
【0040】
インクリメント回数n-2では、TPMデバイス15の起動カウンタ19aは「50」、STRカウンタ19bは「25」、FWUカウンタ19cは「26」で合計値は「101」となり、閾値1をオーバする。また、NFCデバイス29の起動カウンタ19aは「50」、STRカウンタ19bは「25」、NFCカウンタ19dは「10」で合計値は「85」となり、閾値2はオーバしていない。
【0041】
インクリメント回数n-1では、閾値1をオーバしたので、TPMデバイス15の起動カウンタ19a、STRカウンタ19b、FWUカウンタ19cを「0」にリセットする。従って、合計値は「0」となる。また、NFCデバイス29の起動カウンタ19aは「51」、STRカウンタ19bは「26」、NFCカウンタ19dは「15」で合計値は「92」となり、閾値2をオーバする。
【0042】
インクリメント回数nでは、TPMデバイス15の起動カウンタ19aは「1」、STRカウンタ19bは「3」、FWUカウンタ19cは「0」で合計値は「4」となり、閾値1はオーバしていない。また、閾値2をオーバしたので、NFCデバイス29の起動カウンタ19a、STRカウンタ19b、NFCカウンタ19dを「0」にリセットする。従って、合計値は「0」となる。
【0043】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の情報処理装置5は、通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置5であって、当該情報処理装置5に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウント部19と、カウント部19の各計数結果を記憶するカウント記憶部21と、カウント記憶部21から取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定部23と、判定部23の各判定結果が閾値を超えた場合に、警告を発報する警告発報部17と、を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、情報処理装置の寿命を容易に監視できる。
【0044】
<第2態様>
本態様の情報処理装置5は、セキュリティに関する各種機能を有するTPMデバイス15を備えた制御部11と、近距離無線通信機能を有するNFCデバイス29を備えた操作表示部31と、を備え、カウント部19は、TPMデバイス15の書込動作の回数を計数すると共に、NFCデバイス29の使用ごとの動作の回数を計数することを特徴とする。
本態様によれば、制御部11にはTPMデバイス15を備え、操作表示部31にはNFCデバイス29を備え、カウント部19により、TPMデバイス15の書込動作の回数を計数すると共に、NFCデバイス29の使用ごとの動作の回数を計数するので、デバイス毎の寿命監視を適正に行うことができる。
【0045】
<第3態様>
本態様の判定部23は、TPMデバイス15の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第1の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする。
本態様によれば、TPMデバイス15の処理回数の合計値が第1の閾値を超えた場合に、警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達するので、ユーザに対して適正な判断を促すことができる。
【0046】
<第4態様>
本態様の判定部23は、NFCデバイス29の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第2の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする。
本態様によれば、NFCデバイス29の処理回数の合計値が第2の閾値を超えた場合に、警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達するので、ユーザに対して適正な判断を促すことができる。
【0047】
<第5態様>
本態様の制御部11は、第1の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したTPMデバイス15の情報を外部サーバ37に送信することを特徴とする。
本態様によれば、TPMデバイス15の情報を外部サーバ37に送信することができるので、外部サーバ37と情報を共有することができる。
【0048】
<第6態様>
本態様の制御部11は、第2の閾値を超えた場合、カウント記憶部21に記憶したNFCデバイス29の情報を外部サーバ37に送信することを特徴とする。
本態様によれば、NFCデバイス29の情報を外部サーバ37に送信することができるので、外部サーバ37と情報を共有することができる。
【0049】
<第7態様>
本態様の制御部11は、カウント記憶部21に記憶した計数結果を外部サーバ37にアップロードすることを特徴とする。
本態様によれば、カウント記憶部21に記憶した計数結果を外部サーバ37にアップロードするので、外部サーバ37は情報処理装置5の詳細内容を把握することができる。
【0050】
<第8態様>
本態様の制御部11は、他の情報処理装置41の不揮発性メモリに記憶した情報を、ネットワーク35を介して取得することを特徴とする。
本態様によれば、他の情報処理装置41の情報を、ネットワーク35を介して取得するので、情報処理装置同士で情報交換が可能となる。
【0051】
<第9態様>
本態様の態様1乃至8いずれか一項に記載の情報処理装置5と、判定部23を備えたデバイス監視部3と、を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、SMART情報を取得できないデバイスであっても、個々のデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数することにより、デバイスの寿命監視を簡易に行うことができる。
【0052】
<第10態様>
本態様の判定部23は、TPMデバイス15の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第1の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする。
本態様によれば、TPMデバイス15の処理回数の合計値が第1の閾値を超えた場合に、警告を発報する旨の情報とTPMデバイス15の交換を促す旨の情報を伝達するので、ユーザに対して適正な判断を促すことができる。
【0053】
<第11態様>
本態様の判定部23は、NFCデバイス29の寿命に影響を与える処理回数の合計値が第2の閾値を超えたと判定した場合に、警告発報部17に対して警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達することを特徴とする。
本態様によれば、NFCデバイス29の処理回数の合計値が第2の閾値を超えた場合に、警告を発報する旨の情報とNFCデバイス29の交換を促す旨の情報を伝達するので、ユーザに対して適正な判断を促すことができる。
【0054】
<第12態様>
本態様の情報処理装置5は、通常モードから省エネモードに切替え可能な情報処理装置5による情報処理方法であって、当該情報処理装置に搭載されているデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数するカウントステップと、カウントステップによる各計数結果を記憶するカウント記憶ステップと、カウント記憶ステップにより取得した各計数結果の合計値が夫々に応じた閾値を超えたか否かを判定する判定ステップと、判定ステップの各判定結果が閾値を超えた場合に、警告を発報する警告発報ステップと、を実行することを特徴とする。
本態様によれば、情報処理装置の寿命を容易に監視できる。
【0055】
<第13態様>
本態様の態様12に記載された情報処理方法における各ステップをプロセッサに実行させることを特徴とする。
本態様によれば、SMART情報を取得できないデバイスであっても、個々のデバイスの寿命に影響を与える処理回数を計数することにより、デバイスの寿命監視を簡易に行うことができる。
【符号の説明】
【0056】
1…寿命監視システム、3…デバイス監視部、5…情報処理装置、11…制御部、13…CPU、15…TPMデバイス、17…警告発報部、19…カウント部、21…カウント記憶部、23…判定部、25…制御ケーブル、27…CPU、29…NFCデバイス、31…操作表示部、33…ネットワークサービス(NRS)、35…ネットワーク、37…外部サーバ、39…@Remote、41…情報処理装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】