(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】給紙装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 1/26 20060101AFI20240312BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
B65H1/26 310L
B65H1/26 312P
G03G15/00 402
(21)【出願番号】P 2020063321
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100127111
【氏名又は名称】工藤 修一
(72)【発明者】
【氏名】山田 満
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-235023(JP,A)
【文献】特開平09-235028(JP,A)
【文献】特開2000-203725(JP,A)
【文献】特開2005-320109(JP,A)
【文献】特開平09-077275(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0081138(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0037804(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 13/00-13/32
B65H 1/00-3/68
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給送される用紙及び用紙束を収納可能な給紙トレイと、
包装紙により包装された前記用紙束を収納して保持可能であり、前記給紙トレイに着脱可能な用紙収納容器とを備え、
前記用紙収納容器は、前記給紙トレイに装着される際に、収納された前記用紙束から用紙の供給が可能となるように、前記用紙束から用紙の一部が露出すべく前記包装紙の一部を除去した状態で前記用紙束を保持する給紙装置。
【請求項2】
請求項1記載の給紙装置において、
前記用紙収納容器は、持ち運びの際に把持される把持部材を有することを特徴とする給紙装置。
【請求項3】
請求項2記載の給紙装置において、
前記把持部材は、持ち運び時に対応した第1の位置と給紙トレイ装着時に対応した第2の位置とに変位自在であることを特徴とする給紙装置。
【請求項4】
請求項3記載の給紙装置において、
前記用紙収納容器は、収納された用紙束を拘束して該用紙束のずれを抑制する拘束位置と、収納された用紙束の拘束を解除して該用紙束からの用紙の供給を許容する解除位置とに変位自在である押さえ部材を有し、前記押さえ部材は、前記把持部材が第1の位置を占めたときに前記拘束位置を占め、前記把持部材が第2の位置を占めたときに前記解除位置を占めることを特徴とする給紙装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の給紙装置において、
前記用紙収納容器に保持された前記用紙束の露出部位を覆う、前記用紙収納容器に対して着脱自在なカバー部材を有することを特徴とする給紙装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の給紙装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の給紙装置では、用紙を給紙トレイに補給する際に、給紙装置本体から給紙トレイを引き出した状態で用紙の包装紙を手で破いて除去し、250枚あるいは500枚からなる用紙束を持ち上げて給紙トレイの所定の位置にセットする手順が一般的である。
さらに、用紙の詰まりや斜め送りを防止するため、ユーザは用紙束を崩さずに給紙トレイにセットし、サイドフェンスやエンドフェンスを用紙の端面に対して隙間なく合わせる必要がある。
【0003】
ところが、これ等の操作は煩雑で難しく、実際には用紙束がセット前に崩れてしまったりサイドフェンスやエンドフェンスを用紙の端面に対して合わせる操作を忘れてしまったりすることがあり、結果として用紙が斜め送りされたり用紙が詰まってしまうという問題点があった。上述の問題点を解決すべく、給紙カセットに対して着脱可能な用紙収納トレイを設け、用紙を給紙カセットに補給する際の不具合を解決する技術が提案されている(例えば「特許文献1」参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上述の技術では、ユーザが用紙や用紙束を用紙収納トレイにセットする際に、用紙や用紙束にめくれや折れや傷が生じないように注意してセットする必要があり、煩雑な操作が解消されないという問題点があった。
また、用紙束は一般的に包装紙によって包装されており、この包装紙は一枚の大きなシート状を呈し、その周囲を折りたたみながら用紙束を包み込んでおり、用紙束を包み込んだ包装紙はその端部同士を接着して固定する構造となっている。ユーザは、包装紙の接着部を手で剥がした後、包装紙と用紙束とが接触している箇所に指を入れて用紙束のみを持ち上げるという操作を行う必要があるが、この操作時において用紙束が崩れてしまい結果として用紙に斜め送りや詰まりが生じてしまうという問題点があった。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決し、ユーザが給紙トレイに対して用紙束を補給する際に、用紙束の姿勢を崩してしまうこと、用紙束に折れや捲れを生じさせてしまうこと、用紙搬送方向に対して斜めにセットしてしまうこと等を防止でき、用紙束を簡単にセットできると共に用紙の詰まりや斜め送りの発生を防止可能な給紙装置及びこれを備えた画像形成装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、給送される用紙及び用紙束を収納可能な給紙トレイと、包装紙により包装された前記用紙束を収納して保持可能であり、前記給紙トレイに着脱可能な用紙収納容器とを備え、前記用紙収納容器は、前記給紙トレイに装着される際に、収納された前記用紙束から用紙の供給が可能となるように、前記用紙束から用紙の一部が露出すべく前記包装紙の一部を除去した状態で前記用紙束を保持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、包装紙によって包装された用紙束を用紙収納容器に保持した状態で、用紙束の姿勢を崩すことなく包装紙から用紙を露出させることができ、給紙トレイに対する用紙束の補給時における、用紙束の姿勢崩れ、用紙束の折れや捲れ、用紙搬送方向に対する斜めセットの発生を防止し、用紙束を簡単にセットできると共に用紙の詰まりや斜め送りの発生を防止可能な給紙装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態を適用可能な画像形成装置を説明する概略図である。
【
図2】本発明の一実施形態に用いられる用紙束を説明する概略図である。
【
図3】本発明の一実施形態に用いられる用紙収納容器及び第2の位置を占めた把持部材を説明する概略図である。
【
図4】本発明の一実施形態に用いられる用紙収納容器及び第1の位置を占めた把持部材を説明する概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態に用いられる用紙収納容器を説明する概略図である。
【
図6】本発明の一実施形態に用いられる用紙収納容器及び収納された用紙束を説明する概略図である。
【
図7】本発明の一実施形態に用いられる給紙トレイ内に装着された用紙収納容器及び第1の位置を占めた把持部材を説明する概略図である。
【
図8】本発明の一実施形態に用いられる給紙トレイ内に装着された用紙収納容器及び第2の位置を占めた把持部材を説明する概略図である。
【
図9】本発明の一実施形態に用いられる把持部材及び押さえ部材の動作を説明する概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態に用いられるカバー部材を説明する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示している。同図において画像形成装置としての複写装置1は、装置本体2の内部にスキャナ部3、書き込み部4、作像部5、定着部6、給紙装置としての給紙部7等を有している。
装置本体2の上部に配置されたスキャナ部3は、それぞれ図示しないコンタクトガラス、光源及びミラーを載置した移動体、レンズ、画像センサ等を有し、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像を移動体の移動により画像データとして読み取る周知の構成である。なお、スキャナ部3として、自動原稿送り装置(ADF)を有するものを用いてもよい。
【0010】
装置本体2の中段に配置された書き込み部4は、それぞれ図示しないレーザ光源、ポリゴンミラー等を有し、スキャナ部3から送られた画像データまたは外部装置から送られた画像データに基づいて、後述する作像部5に設けられた像担持体に向けて露光光を出力する。
書き込み部4の近傍に配置された作像部5は、像担持体である感光体ドラム8、転写手段である転写ローラ9、それぞれ図示しない現像装置、クリーニング装置、帯電装置、除電装置等を有している。その表面が一様に帯電された感光体ドラム8の表面には、書き込み部4から出力された露光光によりその一部分が露光されて静電潜像が形成される。形成された静電潜像には現像装置から供給された現像剤が付着してトナー像が形成され、このトナー像が転写ローラ9によって後述する給紙部7から給送される被記録媒体である用紙Pに転写される。
【0011】
作像部5の上方には、定着部6が配置されている。定着部6は、内部に熱源を有する加熱ローラ10及び加熱ローラ10に圧接する加圧ローラ11を有しており、表面にトナー像が転写された用紙Pは各ローラ10,11間に搬送される。各ローラ10,11間に搬送された表面にトナー像を有する用紙Pは、加熱ローラ10の熱及び加圧ローラ11の圧力によってその表面のトナー像を溶融及び圧着され、用紙P上に画像が定着される。
画像が定着された用紙Pは、定着部6の上方に配置された排出ローラ対12へと送られ、排出ローラ対12によって装置本体2内部から排出されてスキャナ部3と作像部5との間の位置に設けられた排紙部13上に排出積載される。
【0012】
装置本体2の内部であって書き込み部4の下方に位置する部位には、本発明の特徴部を含む給紙部7が配置されている。給紙部7は、給紙トレイとしての第1給紙トレイ14、第2給紙トレイ15、第1給紙部16、第2給紙部17、搬送ローラ対18,19、レジストローラ対20等を有している。これ等の構成のうち、本発明の特徴部である第1給紙トレイ14については後述する。
【0013】
第2給紙トレイ15は、その内部に第1給紙トレイ14に収納される用紙Pよりも大サイズの用紙P2が複数枚束ねられた用紙束P3を収納している。第2給紙トレイ15の内部には用紙束P3が載置される底板21が設けられており、底板21はモータ等の図示しない駆動手段によって変位自在に構成されている。底板21が変位することにより、用紙束P3の最上位に位置する用紙P2が後述する給紙ローラ24に接触する。
【0014】
第1給紙部16は、給紙ローラ22、分離ローラ対23等を有している。給紙ローラ22は第1給紙トレイ14の上方に配置されており、第1給紙トレイ14内に収納された用紙Pが複数枚束ねられた用紙束P1の、最上位に位置する用紙Pに対して接触可能となる位置に配置されている。分離ローラ対23は給紙ローラ22の用紙搬送方向下流側に設けられており、給紙ローラ22によって給送された用紙Pを一枚ずつに分離して給送する周知の構成である。
【0015】
第2給紙部17は、給紙ローラ22と同様に構成された給紙ローラ24、分離ローラ対23と同様に構成された分離ローラ対25を有している。
各搬送ローラ対18,19は駆動ローラとこれに接触する従動ローラとからなり、用紙Pまたは用紙P2を挟持して搬送する。レジストローラ対20は駆動ローラとこれに接触する従動ローラとからなり、搬送された用紙Pまたは用紙P2を一時停止させ、所定のタイミングで作像部5に向けて給送する。
【0016】
第1給紙トレイ14は、その内部に、用紙Pが複数枚束ねられた用紙束P1が収納される用紙収納容器26を収納している。用紙収納容器26は、
図3及び
図5に示すように容器本体28及び容器本体28に揺動自在に支持された底板29を有しており、
図2に示すように用紙Pが複数枚束ねられ包装紙27で包装された用紙束P1を包装紙27で包まれた状態のまま収納可能な開口部を有している。この開口部は、収納される用紙Pのサイズに合わせて形成されている。
なお、第1給紙トレイ14は、用紙収納容器26が収納されない場合には通常の給紙トレイと同様に、用紙を載置して給紙可能に構成されている。
【0017】
図5に示すように容器本体28は、底板29が設けられるその裏面側に、第1給紙トレイ14に設けられた図示しない穴部に対して嵌合可能な位置決め部30を3箇所有している。この構成により、第1給紙トレイ14に用紙収納容器26を載置することにより、各位置決め部30がそれぞれ図示しない穴部に嵌合して、用紙収納容器26が所定位置に位置決めされる。
【0018】
図3に示す状態において、包装紙27によって包装された用紙束P1は、開口部によってその幅方向への移動を規制された状態で用紙収納容器26に保持されている。この状態から
図6に示すように、ユーザは包装紙27の一部を破いて用紙Pの一部を露出させ、
図8に示すように用紙収納容器26を第1給紙トレイ14に装着することにより、用紙Pを給紙に供することができる。
【0019】
上述の構成により、包装紙27によって包装された用紙束P1を用紙収納容器26に保持した状態で、用紙束P1の姿勢を崩すことなく包装紙27から用紙Pを露出させることができる。これにより、給紙トレイに対する用紙束の補給時における、用紙束の姿勢崩れ、用紙束の折れや捲れ、用紙搬送方向に対する斜めセットの発生を防止でき、用紙束を簡単にセットできると共に用紙の詰まりや斜め送りの発生を防止可能な給紙装置を提供できる。
【0020】
また用紙収納容器26には、
図3に示す第1給紙トレイ14への装着時に対応した第2の位置である収納位置と、
図4に示す持ち運び時に対応した第1の位置である把持位置とに変位可能な把持部材31が設けられている。把持部材31は、ユーザによって把持される被把持部31aと被把持部31aの両端に設けられた一対の脚部31bとを有しており、各脚部31bは容器本体28に揺動可能に取り付けられている。把持部材31はユーザの手動により把持位置または収納位置に位置決めされ、
図7及び
図8に示すように、用紙収納容器26が第1給紙トレイ14に収納された状態においてもユーザによって変位自在に構成されている。
把持部材31は、把持位置においてユーザが把持可能となるように被把持部31aが容器本体28から十分に離間する位置を占め、収納位置において装置本体2への第1給紙トレイ14の装着及び給紙動作を妨げないように被把持部31aが容器本体28に収容される位置を占めるように構成されている。
【0021】
用紙収納容器26内の用紙Pが空になると、ユーザは第1給紙トレイ14を装置本体2から引き出した後、把持部材31を
図8に示す収納位置から
図7に示す把持位置に変位させ、被把持部31aを把持して上方へと引き上げて用紙収納容器26を第1給紙トレイ14から取り外す。そして、用紙収納容器26の開口部に残った、前の用紙束P1を包んでいた包装紙27を除去し、包装紙27に包まれた新たな用紙束P1を開口部に保持させた後に包装紙27の一部を破いて用紙束P1から用紙Pが給送可能となるように用紙束P1を露出させる。
【0022】
新たな用紙束P1を用紙収納容器26に収納した後にユーザは、被把持部31aを把持して用紙収納容器26を第1給紙トレイ14に装着し、把持部材31を把持位置から収納位置に変位させる。その後、第1給紙トレイ14が装置本体2に装着されると、用紙Pの補給が完了して複写装置1が再び待機状態となる。
このように、用紙収納容器26に把持部材31を設けることにより、用紙収納容器26を第1給紙トレイ14まで持ち運ぶ際に持ち運び易く、また第1給紙トレイ14に対しても装着し易くなり、用紙補給時における操作性を向上することができる。
【0023】
さらに用紙収納容器26には、押さえ部材32が設けられている。押さえ部材32は、
図9に示すように、容器本体28の開口部内側の位置に基端を取り付けられており、
図9に実線で示す拘束位置と二点鎖線で示す解除位置との間で揺動可能に設けられている。押さえ部材32の自由端は、用紙束P1に接触して用紙束P1から用紙Pが浮き上がることを防止可能となるように平坦状に形成されており、自由端近傍には一端を容器本体28に固定された引張ばね33の他端が取り付けられている。この構成により、容器本体28の開口部に用紙束P1が保持された状態において、用紙束P1はその上面を引張ばね33の付勢力によって付勢された押さえ部材32によって押圧される。
【0024】
また、押さえ部材32の近傍には、押さえ部材32を揺動させるカム部材34が設けられている。カム部材34は、各脚部31bを支持する支持軸35に取り付けられており、把持部材31の変位時に各脚部31bが変位することに伴い変位する。カム部材34は、把持部材31が把持位置を占めたときに
図9に実線で示す第1の位置を占め、把持部材31が収納位置を占めたときに
図9に二点鎖線で示す第2の位置を占める。
なお、
図9における符号36は、上述したように容器本体28に揺動自在に支持された底板29の揺動軸を示している。底板29は、第1給紙トレイ14に設けられた図示しないモータやばね等の駆動手段によって揺動され、その上面に載置された用紙束P1の最上位の用紙Pを給紙ローラ22に対して接触させる。
【0025】
この構成によれば、把持部材31が把持位置を占めるとカム部材34が第1の位置を占め、押さえ部材32が拘束位置に位置決めされて、用紙束P1はその上面を引張ばね33の付勢力によって付勢された押さえ部材32によって押圧される。これにより、把持部材31を把持して用紙収納容器26を持ち運ぶ際に、用紙束P1が押さえ部材32によって押圧されるので、用紙収納容器26の運搬中に衝撃等によって用紙束P1の姿勢が崩れてしまうことを防止できる。これにより、用紙束の姿勢崩れ、用紙束の折れや捲れ、用紙搬送方向に対する斜めセットの発生を防止でき、用紙束を簡単にセットできると共に用紙の詰まりや斜め送りの発生を防止可能な給紙装置を提供できる。
【0026】
また、把持部材31が収納位置を占めるとカム部材34が第2の位置を占め、押さえ部材32がカム部材34に押圧されて解除位置に位置決めされて、用紙束P1の上面に作用していた押さえ部材32による付勢力が解除される。これにより、把持部材31を収納位置に位置させて用紙収納容器26が装着された第1給紙トレイ14を装置本体2に装着して画像形成動作を行う際に、用紙収納容器26からの用紙Pの給送を負荷なく行い、良好な画像形成動作を行うことができる。
【0027】
さらに用紙収納容器26には、
図10に示すカバー部材37を取り付けることが可能である。金属や樹脂等からなるカバー部材37は、用紙収納容器26を用紙束P1の挿入方向から覆うように構成されており、用紙束P1を湿気や塵埃等から保護する働きをする。
このようなカバー部材37を用いることにより、用紙収納容器26を装置本体2から取り外した状態で保管する場合等において、包装紙27の一部を除去した用紙束P1が吸湿してしまったり塵埃等の付着により汚損してしまったりすることを防止できる。
また、用紙束P1として、普通紙ではなく高価なインクジェット用紙やコート紙等の特殊な用紙を提供する際に、予め用紙収納容器26に収納しかつカバー部材37を用いた状態で提供することにより、用紙束P1の劣化を防止して最良の状態で提供することができる。
【0028】
上述した実施形態では、用紙収納容器26を第1給紙トレイ14に装着する例を示したが、用紙収納容器26を第2給紙トレイ15に装着する構成、用紙収納容器26を第1給紙トレイ14及び第2給紙トレイ15の双方に装着する構成としてもよい。
【0029】
上記実施形態及び各変形例では、画像形成装置として複写装置1を用いた例を示したが、画像形成装置としてはこれに限られず、プリンタ、ファクシミリ、複合機等にも本発明は適用可能である。また本実施形態では、画像が形成される被記録媒体として用紙Pを用いる構成を示したが、この用紙Pとは記録紙には限定されず、厚紙、ハガキ、封筒、普通紙、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、OHPフィルム、樹脂フィルム等も含まれ、シート状であり包装紙によって包装された束状を呈し、画像形成可能な物質であればどのようなものを用いてもよい。
【0030】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、上述の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を例示したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0031】
1 画像形成装置(複写装置)
7 給紙装置(給紙部)
14 給紙トレイ(第1給紙トレイ)
26 用紙収納容器
27 包装紙
31 把持部材
32 押さえ部材
37 カバー部材
P 用紙
P1 用紙束
【先行技術文献】
【特許文献】
【0032】