(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】トナー補給装置、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240312BHJP
【FI】
G03G15/08 322B
(21)【出願番号】P 2020094644
(22)【出願日】2020-05-29
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】戸村 有佑
(72)【発明者】
【氏名】本美 勝史
(72)【発明者】
【氏名】大里 侑生
(72)【発明者】
【氏名】室田 孝一
(72)【発明者】
【氏名】西崎 伸吾
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-146007(JP,A)
【文献】特開2018-197808(JP,A)
【文献】特開2020-020888(JP,A)
【文献】特開平11-272060(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0018758(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対してトナー容器のトナーを補給するトナー補給装置であって、
前記トナー容器に対して設置される電極部と、
前記電極部で計測する静電容量値に基づいて、前記トナーの量を演算する演算部と、
前記静電容量値を計測するのに用いる電波を送信する送信電極、前記電波を受信する受信電極、又は、グランドのいずれかとなるように前記電極部を制御する制御部と
を備え
、
前記トナー容器を複数用いる場合であって、
複数の前記トナー容器のうち、第1トナー容器の前記トナーの量を演算する場合には、前記制御部は、前記第1トナー容器に対して設置される前記電極部の対である第1電極対を前記送信電極、及び、前記受信電極の対となるように制御し、かつ、複数の前記トナー容器のうち、前記第1トナー容器とは異なる第2トナー容器に対して設置される前記電極部の対である第2電極対のうち、少なくともいずれか一方の前記電極部を前記グランドとなるように制御する
トナー補給装置。
【請求項2】
画像形成装置に対してトナー容器のトナーを補給するトナー補給装置であって、
前記トナー容器に対して設置される電極部と、
前記電極部で計測する静電容量値に基づいて、前記トナーの量を演算する演算部と、
前記静電容量値を計測するのに用いる電波を送信する送信電極、前記電波を受信する受信電極、又は、グランドのいずれかとなるように前記電極部を制御する制御部と
を備え、
前記制御部は、
マイコンによる制御によって、前記送信電極、前記受信電極、又は、前記グランドの切り替えを行う
トナー補給装置。
【請求項3】
前記制御部は、
スイッチによって、前記送信電極、前記受信電極、又は、前記グランドの切り替えを行う
請求項
1に記載のトナー補給装置。
【請求項4】
画像形成装置に対してトナー容器のトナーを補給するトナー補給装置であって、
前記トナー容器に対して設置される電極部と、
前記電極部で計測する静電容量値に基づいて、前記トナーの量を演算する演算部と、
前記静電容量値を計測するのに用いる電波を送信する送信電極、前記電波を受信する受信電極、又は、グランドのいずれかとなるように前記電極部を制御する制御部と
を備え、
前記トナー容器を3つ以上用いる場合であって、
前記演算部は、
複数の前記トナー容器のうち、1つ以上離れて設置する複数の前記トナー容器の前記トナーの量を演算する
トナー補給装置。
【請求項5】
請求項1乃至
4のいずれか1項に記載のトナー補給装置を有する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー補給装置、及び、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置において、トナーボトル内のトナー残量を検知する技術が知られている。
【0003】
例えば、トナー残量を検知するため、静電容量を求めるトナー残量検知手段が知られている。具体的には、高抵抗の絶縁材を用いるボトル支持部材上に、所定間隔で2つの検知用電極を設ける構成とする。そして、検知用電極の上に、着脱可能なトナーボトルを設置する。このようにして、電極間の電位差が所定の値になるまでの時間を測定して、トナー残量を判定する技術が知られている(例えば、特許文献1等)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術は、ガードアース等の部品を用いる構成である。そのため、従来の技術では、部品点数が多くなり、サイズアップ又はコストアップとなる場合がある。
【0005】
本発明の一態様は、ガードアース等の部品を減らして、部品点数を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、トナー補給装置は、
画像形成装置に対してトナー容器のトナーを補給するトナー補給装置であって、
前記トナー容器に対して設置される電極部と、
前記電極部で計測する静電容量値に基づいて、前記トナーの量を演算する演算部と、
前記静電容量値を計測するのに用いる電波を送信する送信電極、前記電波を受信する受信電極、又は、グランドのいずれかとなるように前記電極部を制御する制御部と
を備える。
【発明の効果】
【0007】
ガードアース等の部品を減らして、部品点数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最適かつ最小限な形態について、図面を参照して説明する。なお、図面において、同一の符号を付す場合には、同様の構成であることを示し、重複する説明を省略する。また、図示する具体例は、例示であり、図示する以外の構成が更に含まれる構成であってもよい。
【0010】
<第1実施形態>
例えば、画像形成装置が以下のようなトナー補給装置を有する構成である場合を例に説明する。ただし、トナー補給装置、及び、画像形成装置は、一体である構成でもよいし、又は、取り外し可能等といった別の装置である構成であってもよい。
【0011】
<トナー補給装置の例>
図1は、トナー補給装置の例を示す図である。例えば、トナー補給装置100は、図示するようなトナー容器32によって、画像形成装置に対してトナーを補給する。
【0012】
以下、トナー容器32の長手方向を「Y軸」とする。一方で、Y軸に対して、直交し、かつ、いわゆる重力方向となる方向を「Z軸」とする。また、Y軸に対して、直交し、かつ、いわゆる水平方向となる方向を「X軸」とする。
【0013】
トナー容器32は、ガイド部72で支持される。また、トナー容器32は、例えば、略円筒状のトナーボトルである。そして、トナー容器32は、例えば、トナー容器収容部に非回転で保持されるキャップ34と、ギヤ33cが一体的に形成された容器本体33とで構成する。
【0014】
容器本体33は、キャップ34に対して相対的に回転可能に保持される。具体的には、ギヤ33cが駆動出力ギヤ81とかみ合う構成である。そして、駆動モータ91が駆動出力ギヤ81を回転させると、ギヤ33cに駆動が伝達するため、容器本体33は、外周面がガイドされながら容器本体33が回転駆動する。
【0015】
容器本体33が回転すると、容器本体33の内周面に螺旋状に形成された螺旋状突起331によって、容器本体33の内部に収容されたトナーは、容器本体33の長手方向に沿って搬送される。図示する例では、トナーは左から右へ搬送される。そして、搬送されたトナーは、トナー容器32から排出されてホッパ部61にトナーが補給される。すなわち、駆動モータ91によって、容器本体33が回転すると、ホッパ部61にトナーが補給される。そして、トナー搬送スクリュー62の回転により、画像形成装置にトナーが補給される。
【0016】
トナー容器32は、例えば、Y、M、C、及び、Kのように色ごとに別々に設置される。そして、トナー容器32は、寿命に達すると(例えば、トナー容器32内のトナーの量が一定以下となった場合等である。)、新品に交換される。
【0017】
例えば、電極部は、トナー容器32に対して、1対で設置される。具体的には、電極部は、トナー容器32のほとんどを覆うように、トナー容器32の上下に設置される。この例では、トナー容器32の上となる位置に「第1電極板65」が設置され、かつ、トナー容器32の下となる位置に「第2電極板66」が設置される構成である。
【0018】
電極部は、例えば、導電性部材で構成する。具体的には、第1電極板65及び第2電極板66は、鉄等の部材である。
【0019】
なお、第1電極板65及び第2電極板66を設置する位置及び数は、図示する以外であってもよい。
【0020】
図における「A-A」断面で電極部の構成を示すと、以下のような構成である。
【0021】
図2は、電極部の構成例を示す図である。静電容量値計測装置111は、図示するような例では、第1電極板65及び第2電極板66の間における静電容量値を計測する。
【0022】
例えば、静電容量値は、充電法等によって計測される。具体的には、充電法では、第1電極板65及び第2電極板66に、一定の電圧及び電流を印加する。そして、充電ポイントに到達するまでの時間と、電流及び電圧との関係により、静電容量値が計測される。
【0023】
静電容量値は、第1電極板65及び第2電極板66の間における誘電率で値が変化する。そのため、トナー容器32の内部において、トナーの量が変化すると、誘電率が変化するため、静電容量値を計測することで、トナーの量を演算して求めることができる。具体的には、空気に対して、トナーは、誘電率が高いため、トナーの量が多いと、誘電率が高くなる。
【0024】
なお、静電容量値は、充電法以外の方法で計測されてもよい。
【0025】
図示するような構成であると、例えば、特開平07-092802号公報等で開示されている構成より、精度良く静電容量値が計測できる。
【0026】
トナー容器32は、回転する構成であるが、寸法公差等によって偏心のある回転となる場合が多い。図示するような構成であると、第1電極板65及び第2電極板66の間にトナー容器32があれば、トナー容器32の位置が変化しても、トナーの量が同じであれば、ほぼ同一の値を計測でき、精度良く静電容量値が計測できる。
【0027】
また、第1電極板65及び第2電極板66は、平行板であるのが望ましい。以下、平行板の構成を以下のような円弧状の電極部を用いる構成と比較して説明する。
【0028】
図3は、電極部の比較例となる構成を示す図である。図示するように、上部円弧板201、及び、下部円弧板202のような円弧状の電極部である比較例と比べて説明する。このような形状の電極部において、以下のようにトナーが偏る場合がある。
【0029】
図4は、トナーが偏る例を示す図である。例えば、図示するようにトナーTが一部の方向に偏って存在する場合(図示する例では、図における右方向へトナーTが多く存在する偏りの例である。)がある。このような偏りがあると、例えば、以下のような計測結果となる。
【0030】
図5は、比較例における計測例を示す図である。例えば、上部円弧板201が送信電極となり、かつ、下部円弧板202が受信電極となる場合には、上部円弧板201が送信する電波による電気力線は、図示するようになる。
【0031】
円弧状の電極部であると、端部(例えば、図における「端部A」で示す領域等である。)と、中央部(例えば、図における「中央部B」で示す領域等である。)とでは電気力線の密度が異なる。そのため、全体としてトナーTの量が同じであっても、トナーTに偏りがある場合と、トナーTが一様である場合で異なる計測結果となる場合がある。
【0032】
一方で、第1電極板65及び第2電極板66が平行板であると、トナーTに偏りがあっても、全体として同じ量であれば、同じように精度良くトナーの量を計測できる。
【0033】
演算装置112は、静電容量値計測装置111が計測する静電容量値に基づいて、トナーの量を演算する。例えば、演算装置112は、CPU(Central Processing Unit)、電子回路、又は、これらの組み合わせ等である。なお、演算部は、以下のような構成であってもよい。
【0034】
図6は、演算部の構成例を示す図である。例えば、図示するように、演算装置112は、検知用基板10を有するハードウェア構成である。
【0035】
検知用基板10は、演算装置及び制御装置の例あるマイコン101を実装する電子回路基板である。また、検知用基板10には、不揮発メモリ等の記憶装置102が実装される。したがって、マイコン101は、記憶装置102等のハードウェアと協働して動作することで、様々な処理を実行する。
【0036】
なお、演算部は、マイコン101以外の演算装置等を用いる構成でもよい。例えば、図示するように、画像形成装置等の外部装置で演算を行う構成であってもよい。図示する例では、検知用基板10及びエンジン制御基板11が通信を行う構成である。すなわち、演算部は、エンジン制御基板11に実装されるCPU103等を用いてもよい。
【0037】
また、演算部は、ネットワーク等を介して接続するクラウド上のサーバ等を用いて演算を行う構成であってもよい。
【0038】
例えば、画像形成装置が4色カラーの画像形成を行う場合には、図示するように、トナー容器は、色ごとに別々に設置される。具体的には、この例では、イエロートナー容器321、マゼンタトナー容器322、シアントナー容器323、及び、ブラックトナー容器324の4つのトナー容器が用いられる構成である。
【0039】
このように、複数のトナーを用いる場合には、トナーの量は、トナー容器ごとに別々に演算する。したがって、この例では、色ごとに別々にトナーの量が演算される。
【0040】
トナーの量をトナー容器ごとに別々に演算するため、トナー容器には、1対の電極部が別々に設置される。具体的には、図示する例は、イエロートナー容器321に対して、第11電極部3211、及び、第12電極部3212を設置する構成である。同様に、マゼンタトナー容器322に対して、第21電極部3221、及び、第22電極部3222を設置する構成である。また、シアントナー容器323に対して、第31電極部3231、及び、第32電極部3232を設置する構成である。さらに、ブラックトナー容器324に対して、第41電極部3241、及び、第42電極部3242を設置する構成である。
【0041】
以下、図示するようなトナー容器の数、種類、及び、電極部の構成を例に説明する。
【0042】
図7は、トナー容器を複数用いる例を示す図である。図示するように、それぞれのトナー容器に対して、それぞれの一対の電極部が設置される。そして、すべてのトナー容器、及び、すべての電極部を含むように、全体に対してガードアース12等が設置される。
【0043】
そして、制御部は、それぞれの電極部を送信電極、受信電極、グランド(以下「GND」と記載する場合もある。)のいずれかに電極部を切り替える。具体的には、以下のような切り替えである。
【0044】
図8は、切り替え例を示す図である。図示する例では、マゼンタトナー容器322内におけるトナーの量を演算する例である。以下、この例におけるマゼンタトナー容器322のように、トナーの量を演算する対象となるトナー容器を「第1トナー容器」という。一方で、第1トナー容器とは異なるトナー容器、すなわち、この例では、イエロートナー容器321、シアントナー容器323、ブラックトナー容器324、又は、これらの組み合わせを「第2トナー容器」という。
【0045】
また、マゼンタトナー容器322を第1トナー容器とする例では、第1トナー容器に対して設置される電極部の対(この例では、第21電極部3221、及び、第22電極部3222の対である。)を「第1電極対P1」という。一方で、第2トナー容器の例であるイエロートナー容器321等に対して設置される電極部の対(この例では、第11電極部3211、及び、第12電極部3212の対である。ただし、他の色のトナー容器に対して設置される電極部でもよい。)を「第2電極対P2」という。
【0046】
図示するように、マイコン101は、それぞれの電極部を送信電極、受信電極、グランドのいずれかになるように切り替える制御を行う。具体的には、この例は、第2電極対P2等をグランドとするように制御する例である。一方で、この例は、第1電極対P1のうち、第21電極部3221を送信電極とし、かつ、第22電極部3222を受信電極とするように制御する例である。
【0047】
このような制御を行うと、図示するように、下記に示す比較例と比べると、トナー容器の間に設置するガードアース等の部品を減らすことができる。
【0048】
また、図示するように、マイコン101による制御によって、送信電極、受信電極、又は、グランドが切り替えできると、電極部を検出用とするか、又は、電極部をガードアースとして用いるかを柔軟に変更できる。
【0049】
このように、それぞれの電極部を送信電極、受信電極、グランドのいずれかに切り替えできるスイッチのある構成が望ましい。
【0050】
なお、トナー容器を3つ以上用いる場合であって、2つ以上のトナーの量を同時に計測する場合には、演算は、複数のトナー容器のうち、1つ以上離れて設置する複数のトナー容器の組み合わせで行われるのが望ましい。
【0051】
4つのトナー容器を用いる場合では、トナーの量を演算する組み合わせは、例えば、「Y」と「C」という組み合わせ(「M」を飛ばした組み合わせである。)、及び、「M」と「K」という組み合わせ(「C」を飛ばした組み合わせである。)であるのが望ましい。すなわち、隣り合わないトナー容器におけるトナーの量を対象として、同時に演算されるのが望ましい。なお、特殊色が用いられる場合には、特殊色との組み合わせでもよい。
【0052】
例えば、「Y」と「C」という組み合わせでは、演算において「M」及び「K」に対して設置される電極部(具体的には、第21電極部3221、第22電極部3222、第41電極部3241、及び、第42電極部3242である。)がグランドのとなるように制御する。このようにすると、演算の対象となるトナー容器に対して隣接する電極がガードアースの役割となる。そのため、トナーの量を精度良く演算できる。
【0053】
なお、演算を行うトナー容器は、1つ以上離れて設置されていればよく、2つ以上離れている組み合わせでもよい。具体的には、「Y」と「K」という組み合わせであってもよい。
【0054】
<比較例>
図9は、比較例を示す図である。この比較例では、それぞれの電極部は、送信電極又は受信電極で役割が固定される。このような構成では、図示するように、トナー容器の間等にガードアース300を挿入して測定における外乱の影響を少なくする。そのため、ガードアース300の部品が多い構成となる。
【0055】
このように、部品点数が多いと、サイズが大きくなる、重量が増加する、又は、コストアップ等の原因となる。
【0056】
図7に示す構成は、この比較例と比べると、ガードアース300の部品を減らし、部品点数を少なくした構成である。そのため、比較例より、小型化、軽量化、又は、コストダウン等を行うことができる。さらに、ガードアース300の部品がなくとも、外乱の影響を少なくして、精度良くトナーの量を計測できる。
【0057】
<変形例>
なお、トナー補給装置100は、温度センサ等を有する構成でもよい。すなわち、トナー容器32の周辺温度が検知されて、トナーの量を演算するのに、温度に基づいて補正が行われてもよい。
【0058】
第1電極板65及び第2電極板66が設置される、上壁面67、及び、下壁面68を構成する部材が熱によって伸縮すると、電極部の間が変化する場合がある。すなわち、上壁面67、及び、下壁面68の変形が、電極部で計測される静電容量値に影響する場合がある。したがって、温度を計測することで、このような温度の変化による影響を補正する構成であると、精度良く静電容量値が計測できる。
【0059】
なお、トナー補給装置100は、図示するように、出力装置115を有する構成でもよい。例えば、出力装置115は、操作パネル等である。すなわち、出力装置115は、演算装置112が演算して求めたトナーの量等を表示する装置である。このように、トナーの量が出力されると、トナー容器を交換するタイミングが分かる。
【0060】
また、ハードウェア構成は、上記の例に限られない。例えば、上記の例に示した以外の演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、又は、出力装置が用いられる構成でもよい。一方で、演算装置、制御装置、記憶装置、入力装置、又は、出力装置は、トナー補給装置と画像形成装置で共通して使用する構成であってもよい。
【0061】
<機能構成例>
図10は、機能構成例を示す図である。例えば、トナー補給装置100は、複数の電極部F1、演算部F2、及び、制御部F3を備える機能構成である。また、画像形成装置1000は、画像形成部F4を備える機能構成である。
【0062】
電極部F1は、トナー容器32に対して設置される。一対の電極部F1のうち、一方が静電容量値を計測するのに用いる電波を発信する送信電極となる。一対の電極部F1のうち、他方が電波を受信する受信電極となる。
【0063】
演算部F2は、電極部で計測する静電容量値に基づいて、トナー容器32にあるトナーの量を演算する。例えば、演算部F2は、マイコン101又はCPU103等で実現する。
【0064】
制御部F3は、送信電極、受信電極、又は、グランドのいずれかとなるように電極部F1を制御する。例えば、制御部F3は、マイコン101又はCPU103等で実現する。
【0065】
画像形成部F4は、トナー補給装置100からトナーの補給を受けて画像を記録媒体に形成する。
【0066】
<画像形成装置の例>
画像形成装置は、例えば、プリンタ等である。すなわち、プリンタは、トナー等の粉体を用いて、用紙等に対して画像を形成する装置である。
【0067】
なお、画像形成装置は、プリンタに限られず、粉体を用いて、帯電、露光、現像、転写、定着、及び、クリーニング等の工程を行って画像を形成する装置であればよい。例えば、画像形成装置は、MFP(Multifunction Peripheral)、コピー機、複合機、複写機、又は、FAX等である。
【0068】
<その他の実施形態>
また、上記に示す実施形態は組み合わせて実施されてもよい。すなわち、それぞれの実施形態の一部又は全体を組み合わせる実施形態であってもよい。
【0069】
なお、全体処理の全部又は一部は、コンピュータ言語で記述され、コンピュータにトナー量計測方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、コンピュータ、又は、2つ以上のコンピュータを用いるトナー量計測方法に各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0070】
したがって、プログラムに基づいてトナー量計測方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。なお、処理の一部を電子回路で実行する構成等でもよい。
【0071】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0072】
なお、本発明に係る実施形態は、画像形成システムによって実現されてもよい。また、画像形成システムは、各処理及びデータの記憶を冗長、分散、並列、仮想化又はこれらを組み合わせて実行してもよい。
【0073】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0074】
32 トナー容器
65 第1電極板
66 第2電極板
1000 画像形成装置
100 トナー補給装置
101 マイコン
102 記憶装置
103 CPU
321 イエロートナー容器
322 マゼンタトナー容器
323 シアントナー容器
324 ブラックトナー容器
3211 第11電極部
3212 第12電極部
3221 第21電極部
3222 第22電極部
3231 第31電極部
3232 第32電極部
3241 第41電極部
3242 第42電極部
F1 電極部
F2 演算部
F3 制御部
F4 画像形成部
P1 第1電極対
P2 第2電極対
T トナー
【先行技術文献】
【特許文献】
【0075】