(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】端末装置、通信システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 65/401 20220101AFI20240312BHJP
H04L 51/04 20220101ALI20240312BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
H04L65/401
H04L51/04
H04M3/56 Z
(21)【出願番号】P 2022176733
(22)【出願日】2022-11-02
(62)【分割の表示】P 2019050115の分割
【原出願日】2019-03-18
【審査請求日】2022-11-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【氏名又は名称】廣田 浩一
(72)【発明者】
【氏名】永瀬 達也
(72)【発明者】
【氏名】中村 滋
(72)【発明者】
【氏名】日野原 寛
(72)【発明者】
【氏名】河崎 佑一
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 将
(72)【発明者】
【氏名】宮本 篤
(72)【発明者】
【氏名】本間 毅史
(72)【発明者】
【氏名】堀内 岳志
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/024329(WO,A1)
【文献】特開2013-232123(JP,A)
【文献】特開2015-103131(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 65/401
H04L 51/04
H04M 3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の端末装置と
管理装置を介してセッションを確立し、共有されているストローク画像を含む共有画像を表示する端末装置であって、
前記管理装置にログインすることで取得したセッションの情報に基づいて、前記セッションに途中から参加する
ための呼制御を開始する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を
前記管理装置から取得する取得部と、
前記取得部が
前記管理装置から取得した前記共有画像を表示するための情報に基づき、前記セッションに参加したときに、前記共有画像を表示画面に表示させる表示制御手段と、
を有する、端末装置。
【請求項2】
前記セッションに途中から参加する参加操作を受け付ける受付部を有し、
前記取得部は、前記受付部で前記参加操作を受け付けると、前記セッションに途中から参加する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を取得する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
複数の端末装置のセッションを管理する通信管理システムを介して、共有されているストローク画像を含む共有画像を端末装置で表示する通信システムであって、
前記端末装置は、
前記セッションに途中から参加する要求を受け付ける受付部と、
前記受付部で受け付けた要求を前記通信管理システムに送信する送信部と、を有し、
前記通信管理システムは、
前記送信部から受け付けた要求に基づいて、前記セッションに途中から参加する
ための呼制御を開始する前に、
前記通信管理システムにログインした前記端末装置に通知したセッションの情報に基づいて、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を前記端末装置に提供する情報提供部と、
を有する、通信システム。
【請求項4】
他の端末装置と
管理装置を介してセッションを確立し、共有されているストローク画像を含む共有画像を表示する端末装置が、
前記管理装置にログインすることで取得したセッションの情報に基づいて、前記セッションに途中から参加する
ための呼制御を開始する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を
前記管理装置から取得する取得処理と、
前記取得処理で
前記管理装置から取得した前記共有画像を表示するための情報に基づき、前記セッションに参加したときに、前記共有画像を表示画面に表示させる表示制御処理と、
を実行する、通信方法。
【請求項5】
前記端末装置が、前記セッションに途中から参加する参加操作を受け付ける受付処理を実行し、
前記取得処理は、前記受付処理で前記参加操作を受け付けると、前記セッションに途中から参加する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を取得する、
請求項4に記載の通信方法。
【請求項6】
他の端末装置と
管理装置を介してセッションを確立し、共有されているストローク画像を含む共有画像を表示する端末装置に、
前記管理装置にログインすることで取得したセッションの情報に基づいて、前記セッションに途中から参加する
ための呼制御を開始する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を
前記管理装置から取得する取得処理と、
前記取得処理で
前記管理装置から取得した前記共有画像を表示するための情報に基づき、前記セッションに参加したときに、前記共有画像を表示画面に表示させる表示制御処理と、
を実行させる、プログラム。
【請求項7】
前記端末装置に、前記セッションに途中から参加する参加操作を受け付ける受付処理を実行させ、
前記取得処理は、前記受付処理で前記参加操作を受け付けると、前記セッションに途中から参加する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を取得する、
請求項6に記載のプログラム。
【請求項8】
複数の端末装置のセッションを管理する通信管理システムを介して、共有されているストローク画像を含む共有画像を端末装置で表示する通信システムにおいて、
前記端末装置が、
前記セッションに途中から参加する要求を受け付ける受付処理と、
前記受付処理で受け付けた要求を前記通信管理システムに送信する送信処理と、
を実行し、
前記通信管理システムが、
前記端末装置から受け付けた要求に基づいて、前記セッションに途中から参加する
ための呼制御を開始する前に、
前記通信管理システムにログインした前記端末装置に通知したセッションの情報に基づいて、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を前記端末装置に提供する情報提供処理を実行する、
通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地との間で通信する通信システムが普及している。当該通信システムとしては、例えば、遠隔会議を行う会議システムが挙げられる。一般的な会議システムでは、遠隔会議を行う当事者の一方が利用する通信端末が、会議室の被写体の画像や音をデジタルデータに変換して、当事者の他方が利用する通信端末に送信する。次に、当事者の他方が利用する通信端末は、ディスプレイに画像を表示させるとともにスピーカから音を出力させる。これにより、実際の会議に近い状態で遠隔地間の会議を行うことができる。
【0003】
このような会議システムにおいて、一方の通信端末側で保持又は表示中の資料等を示す画像データを、通信ネットワークを介して他方の通信端末に送信することで、画像データを共有する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、企業や教育機関、行政機関等における会議等において、ディスプレイに画像を表示させ、この画像の上に、ユーザが、文字、数字及び図形等のストローク画像を描画する電子黒板等の通信端末が利用されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
このストローク画像は、通信端末が利用者により電子ペンや手でディスプレイ上に接触して移動させることで描いた内容を電子的に変換して、座標データ等のストロークデータを生成することによって描画される。また、一方の通信端末でストローク画像が描画された場合、このストローク画像を再生するためのストロークデータが通信ネットワークを介して他方の通信端末に送信されることで、他方の通信端末でも同じストローク画像が表示される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、電子黒板等の複数の端末装置間で、ストローク画像を含む共有画像を共有するセッション(会議)が開催されているときに、開催されているセッションに途中から、新たな端末装置(以下、参加端末と呼ぶ)が参加する場合がある。
【0007】
この場合、ストローク画像は、一般的に、複数のストロークデータの組合せで構成されているので、参加端末は、複数のストロークデータを取得することにより、ストローク画像を再生(再現)することができる。
【0008】
しかし、この方法では、ストロークデータの量が多い場合、複数のストロークデータを取得するため、参加端末がセッションに参加してから、ストローク画像を含む共有画像を表示するまでに時間を要してしまうという問題がある。
【0009】
本発明の実施の形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の端末装置間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに途中から参加する端末装置において、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る端末装置は、他の端末装置と管理装置を介してセッションを確立し、共有されているストローク画像を含む共有画像を表示する端末装置であって、前記管理装置にログインすることで取得したセッションの情報に基づいて、前記セッションに途中から参加するための呼制御を開始する前に、前記セッションで共有している前記共有画像を表示するための情報を前記管理装置から取得する取得部と、前記取得部が前記管理装置から取得した前記共有画像を表示するための情報に基づき、前記セッションに参加したときに、前記共有画像を表示画面に表示させる表示制御手段と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、複数の端末装置間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに途中から参加する端末装置において、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る通信システムにおける通信ルートの例を示す概略図である。
【
図2】一実施形態に係る電子黒板の使用イメージについて説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係るユーザ情報管理テーブルの例を示す図である。
【
図13】一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。
【
図14】一実施形態に係る宛先リスト画面の例を示す図である。
【
図15】一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。
【
図16】一実施形態に係るページデータの共有処理の例を示すシーケンス図である。
【
図17】一実施形態に係るストロークデータ、及び画像データの一例のイメージを示す図である。
【
図18】第1の実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。
【
図19】第1の実施形態に係る会議スケジュール情報の一例のイメージを示す図である。
【
図20】第1の実施形態に係るセッションへの参加処理の例を示すシーケンス図である。
【
図21】第1の実施形態に係るページデータの共有処理の例を示すシーケンス図である。
【
図22】第1の実施形態に係る表示画面の例を示す図である。
【
図23】第2の実施形態に係るページデータの提供処理の例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
〔通信システムの概略〕
<通信ルート>
まず、
図1を用いて、複数の電子黒板1a、1b間で描画しながらビデオ会議を行うための通信システム100について説明する。
図1は、一実施形態に係る通信システムにおける通信ルートの例を示す概略図である。なお、「ビデオ会議」は、通信システム100で開催されるセッションの一例であり、「テレビ会議」、「遠隔会議」等と呼ばれる場合もある。また、ここでは、一例として、通信システムで開催されるセッションがビデオ会議であるものとして説明するが、通信システムで開催されるセッションは、打ち合わせや単なる会話等であっても良い。
【0015】
通信システム100は、複数の電子黒板1a、1b、中継装置3、管理装置5、及びページデータ記憶装置7等によって構築されている。
【0016】
電子黒板(端末装置)1a、1bは、通話用の映像データ及び音データ、共有用の画像データ、及びストロークデータ等のコンテンツデータの相互通信を行う端末装置であり、IWB(Interactive White Board)とも呼ばれる。なお、以下の説明の中で、複数の電子黒板1a、1bのうち、任意の電子黒板を示す場合、「電子黒板1」を用いる。
【0017】
なお、電子黒板1は、本実施形態に係る端末装置の一例である。端末装置は、通信機能、描画機能、表示機能等を備える他の端末装置であっても良い。例えば、端末装置は、通信システム100に対応するアプリケーションプログラムがインストールされた、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末であっても良い。
【0018】
図1に示すように、電子黒板1aと電子黒板1bとの間では、管理装置5を介して、各種の管理情報等を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。また、電子黒板1aと電子黒板1bとの間では、中継装置3を介して、高解像度の映像データ、中解像度の映像データ、低解像度の映像データ、及び音データ等を送受信するための映像・音データ用セッションsed(以下、単に「セッション」と呼ぶ)が確立される。なお、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で、中継装置3を介さずに、直接、セッションを確立しても良い。また、このセッションは、必ずしも4つのセッションである必要はなく、4つのセッション数より少ない又は多いセッション数であっても良い。
【0019】
ここで、本実施形態で扱われる映像データの映像の解像度について説明する。低解像度の映像データは、例えば、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる。中解像度の映像データは、横が320画素、縦が240画素から成る。高解像度の映像データは、例えば、横が640画素、縦が480画素から成る。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の映像データのみから成る低画質の映像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、及び中解像度の映像データから成る中画質の映像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、中解像度の映像データ、及び高解像度の映像データから成る高画質の映像データが中継される。音データは、映像データに比べてデータ量が少ないため、狭帯域経路であっても中継される。
【0020】
電子黒板1a、1bは、セッションにおける映像データ及び音データの送受信により、相手側の映像及び音を再生することで、ビデオ会議が可能となる。
【0021】
また、電子黒板1a、1bは、例えば、ページデータ記憶装置7を介して、共有用のストローク画像のストロークデータや、共有用の画像データ等を送受信することにより、電子黒板1a、1bの間で画像を共有することができる。
【0022】
ストローク画像は、利用者によって電子ペン等で手書きストロークにより描画された線等を示す画像である。ストローク画像は、ディスプレイ上の座標を特定する点を示すストロークデータによって表示される。なお、ストロークデータは、ストローク画像を再生(再現)するために必要なデータであり、座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等が含まれる。
【0023】
共有用の画像データは、電子黒板1のディスプレイに表示される資料画像を表示するためのデータである。資料画像には、例えば、会議の資料、ディスプレイに表示される背景画像、ディスプレイ画面をキャプチャした場合のキャプチャ画面等の画像が含まれ得る。
【0024】
なお、通信システムは、2つの電子黒板1a、1bに限らず、3つ以上の電子黒板1によって構築されても良い。
【0025】
図1では、電子黒板1a、1bの一例として、ビデオ会議機能が搭載された電子黒板が示されている。なお、映像データの画像は、動画であっても良いし、静止画であっても良い。
【0026】
また、以下の説明において、ビデオ会議の開始を要求する要求元の電子黒板1を「開始端末」と呼び、要求先である宛先(中継先)の電子黒板1を「宛先端末」と呼ぶ。例えば、
図1において、電子黒板1aから電子黒板1bにビデオ会議の開始を要求する場合、電子黒板1aが開始端末となり、電子黒板1bが宛先端末となる。また、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催中のビデオ会議に、別の電子黒板1が参加する場合、開催中のビデオ会議に参加する電子黒板1を「参加端末」と呼ぶ。
【0027】
なお、各電子黒板1は、複数の事業所間での通信や、同じ事業所内の異なる部屋間での通信に限られず、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われても良い。
【0028】
中継装置3は、コンピュータによって構成され、複数の電子黒板1の間で送受信される映像データ、及び音データを中継する。
【0029】
管理装置5は、コンピュータによって構成され、例えば、電子黒板1からのログインの認証、電子黒板1の通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置3の通信状況等を管理する。また、管理装置5は、複数の電子黒板1の間で送受信される、後述するページデータのURL(Uniform Resource Locator)情報であるページデータURLを管理する。
【0030】
ページデータ記憶装置7は、例えば、コンピュータによって構成されるストレージサーバ等である。ページデータ記憶装置7は、例えば、電子黒板1からアップロードされる共有用の画像データ、ストロークデータ等を含むページデータを記憶するページデータ記憶手段(ページデータ記憶部)として機能する。例えば、ページデータ記憶装置7は、電子黒板1aからアップロードされたページデータを記憶し、電子黒板1bからのページデータの取得要求に応じて、記憶したページデータを電子黒板1bに提供する。
【0031】
<電子黒板の使用イメージ>
図2は、一実施形態に係る電子黒板の使用イメージについて説明するための図である。電子黒板1は、
図2に示すように、下部側に複数のキャスタが設けられた脚部151、脚部151の上部側に設けられた支柱152、支柱152上部側に設けられた電子黒板1の本体153、及び本体153の前面に設けられたディスプレイ160等を有している。本体153には、後述するCPU101等が内蔵されている。そして、利用者は、電子ペン140等を用いて、ディスプレイ160に文字等のストローク画像を入力(描画)することができる。
【0032】
〔ハードウェア構成〕
次に、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成について説明する。
【0033】
<電子黒板のハードウェア構成>
図3は、一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
図3に示されているように、電子黒板1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、SSD(Solid State Drive)104、ネットワークI/F(Interface)105、及び、外部機器接続I/F106等を備えている。
【0034】
これらのうち、CPU101は、電子黒板1全体の動作を制御する演算装置である。ROM102は、CPU101やIPL(Initial Program Loader)等のCPU101の起動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。SSD104は、電子黒板1用のプログラム等の各種データを記憶する大容量の記憶装置である。
【0035】
ネットワークI/F105は、電子黒板1を通信ネットワークに接続し、通信を行うための通信インタフェースである。外部機器接続I/F106は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ131、外付け機器(マイク132、スピーカ133、カメラ134)等が含まれる。
【0036】
また、電子黒板1は、キャプチャデバイス111、GPU(Graphics Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ113、接触センサ114、センサコントローラ115、電子ペンコントローラ116、近距離通信回路119、及び近距離通信回路119のアンテナ119a、電源スイッチ117及び選択スイッチ類118等を備えている。
【0037】
これらのうち、キャプチャデバイス111は、外付けのPC(Personal Computer)150のディスプレイ等に表示されている表示画面等を、静止画、又は動画としてキャプチャ(取得)する。GPU112は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップ(プロセッサ)である。ディスプレイコントローラ113は、GPU112からの出力画像をディスプレイ160等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ114は、ディスプレイ160上に電子ペン140やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ115は、接触センサ114の処理を制御する。
【0038】
接触センサ114は、例えば、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ160の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ160に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ160の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ114は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ115に出力し、センサコントローラ115が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ116は、電子ペン140と通信することで、ディスプレイ160へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0039】
電源スイッチ117は、電子黒板1の電源のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類118は、例えば、ディスプレイ160の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0040】
さらに、電子黒板1は、バスライン120を備えている。バスライン120は、
図3に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0041】
なお、接触センサ114は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル等を用いても良い。また、接触センサ114は、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネル等の種々の検出手段を用いても良い。さらに、電子ペンコントローラ116が、電子ペン140のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン140のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分におけるタッチの有無を判断するようにしても良い。
【0042】
<管理装置、中継装置、ページデータ記憶装置、及びPC等のハードウェア構成>
管理装置5、中継装置3、ページデータ記憶装置7、及びPC150等は、例えば、
図4に示すようなコンピュータ400のハードウェア構成を有している。或いは、管理装置5、中継装置3、及びページデータ記憶装置7は、複数のコンピュータ400によって実現されるものであっても良い。
【0043】
図4は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、CPU401、ROM402、RAM403、HD(Hard Disk)404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、ディスプレイ406、外部機器接続I/F407、ネットワークI/F408、キーボード409、ポインティングデバイス410、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ412、メディアI/F414、及び、バスライン415等を備えている。
【0044】
これらのうち、CPU401は、コンピュータ400の全体の動作を制御する演算装置である。ROM402は、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。HD404は、OS(Operating System)やアプリケーション等のプログラムや、各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0045】
ディスプレイ406は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F407は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F408は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするための通信インタフェースである。キーボード409は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス410は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0046】
DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411ではなく、BD-RE(Blu-ray(登録商標) Disc Rewritable)等のディスクに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御しても良い。メディアI/F414は、フラッシュメモリ等の記録メディア413に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン415は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0047】
<通信システムのシステム構成>
続いて、通信システム100の全体構成について説明する。
図5は、一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【0048】
通信システム100は、例えば、管理装置5、ページデータ記憶装置7、中継装置3、及び複数の電子黒板1a、1b、1cが、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク501を介して、通信可能に接続されている。なお、通信ネットワーク501には、無線通信部分が含まれていても良い。
【0049】
なお、
図5に示すように、管理装置5、及びページデータ記憶装置7は、1つの通信管理システム(通信管理装置)500に含まれていても良い。また、通信管理システム500には、中継装置3が含まれていても良い。
【0050】
スケジュール管理装置(スケジュール管理システム)502は、利用者(例えば、利用者A、B、C等)が参加する会議(例えば、ビデオ会議)のスケジュール情報を管理する外部システムである。スケジュール管理装置502は、例えば、利用者が参加する会議の会議名、参加者、開催時間(開始予定時間、終了予定時間)等を管理する。なお、ここでは、通信システム100は、外部のスケジュール管理装置502と連携して動作するものとして説明を行うが、スケジュール管理装置502は、通信管理システム500に含まれていても良い。
【0051】
なお、
図5に示すように、電子黒板1a、1b、1cは、電子黒板1aが拠点A、電子黒板1bが拠点B、電子黒板1cが拠点Cに、それぞれ設置されているものとする。また、拠点Aでは利用者Aが電子黒板1aを利用しており、拠点Bでは利用者Bが電子黒板1bを利用しているものとする。さらに、拠点Cでは、利用者Cが電子黒板1cを利用するものとする。
【0052】
ここでは、電子黒板1a、1b、1cが、いずれも、ビデオ会議を行うとともに、ストローク画像を共有可能な電子黒板1であるものとして以下の説明を行う。また、電子黒板1aには、PC150が接続されており、利用者Aは、PC150で表示している表示画面をキャプチャして、キャプチャした画像を他の電子黒板1b、1c等と共有することができるものとする。
【0053】
〔通信システムの機能構成〕
続いて、通信システム100の機能構成について説明する。
図6は、一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。なお、
図6において、電子黒板1b、1cは、電子黒板1aと同様の機能構成を有しているものとする。
【0054】
<電子黒板の機能構成>
電子黒板1は、例えば、
図3のCPU101で所定のプログラムを実行することにより、送受信部11、受付部12、映像・音処理部13、表示制御部14、画像処理部15、ページ情報送信部16、ページ情報取得部17、近距離通信部18、及び記憶・読出処理部19等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。また、電子黒板1は、
図3のSSD104、RAM103等によって実現される記憶部1001を有している。
【0055】
送受信部11は、通信ネットワーク501を介して他の端末、装置又はシステムと各種のデータ、情報の送受信を行う。また、送受信部11は、開始部としての役割も果たし、通信管理システム500、管理装置5等へのログイン処理や、他の端末装置と通信を開始する処理等を行う。受付部12は、利用者から電子ペン140等による各種入力を受け付ける。
【0056】
映像・音処理部13は、ビデオ会議機能の主な処理を行う。例えば、映像・音処理部13は、マイク132の出力信号及びカメラ134の出力信号に共づき、映像データ及び音データのエンコード等のデジタル処理を行う。また、映像・音処理部13は、送受信部11で受信された映像データ及び音データに基づき、映像信号の生成、音信号の生成等を行う。さらに、映像・音処理部13は、解像度の異なる映像データを組み合わせる処理等も行う。
【0057】
表示制御部14は、ディスプレイ160に映像信号(画像信号)等を出力して、表示画面を表示させるための制御を行う。画像処理部15は、電子黒板機能の主な処理を行う。例えば、画像処理部15は、受付部12によって受け付けられた電子ペン140等のストロークに基づいてストローク画像及びストロークデータを作成する処理や、送受信部11によって受信されたストロークデータに基づいてストローク画像を作成する処理を行う。また、画像処理部15は、送受信部11で受信された資料画像の画像データに基づき、画像信号を生成する。
【0058】
ページ情報送信部16は、電子黒板1がビデオ会議(以下、セッションと呼ぶ)に参加しているときに、電子黒板1で更新されたページデータをページデータ記憶装置7にアップロードする。例えば、ページ情報送信部16は、ページデータの記憶先、及び取得先を示すURL情報であるページデータURLを管理装置5から取得し、取得したURLにページデータをアップロードする。
【0059】
また、ページ情報送信部16は、ページデータ記憶装置7にアップロードしたページデータの取得先を示すページデータURLを管理装置5に送信する。管理装置5に送信したページデータURLは、管理装置5によって、同じセッションに参加している他の電子黒板1に提供される。
【0060】
ページ情報取得部17は、管理装置5から提供されるページデータURLを用いて、同じセッションに参加している他の電子黒板1が、ページデータ記憶装置7に記憶したページデータを取得する。
【0061】
近距離通信部18は、近距離通信部を有する各端末との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行う。
【0062】
記憶・読出処理部19は、記憶部1001、又はUSBメモリ131等の記録媒体1002に各種データを記憶したり、記憶部1001又は記録媒体1002に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0063】
記憶部1001には、他の端末との通信を行う際に受信される映像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の映像データによってディスプレイ160に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ133から音声が出力される。
【0064】
<管理装置の機能構成>
管理装置5は、例えば、
図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、送受信部51、認証部52、端末管理部53、セッション管理部54、中継装置管理部55、情報取得部56、情報提供部57、ページ情報管理部58、及び記憶・読出処理部59等を実現している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0065】
また、管理装置5は、
図4のHD404によって実現される記憶部5000を有している。記憶部5000には、例えば、認証管理DB(Database)5001、端末管理DB5002、宛先リスト管理DB5003、セッション管理DB5004、中継装置管理DB5005、及びユーザ情報管理DB5006等が記憶されている。
【0066】
(認証管理テーブル)
図7は、一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図7に示されるような認証管理テーブル700によって構成される認証管理DB5001が記憶されている。この認証管理テーブル700では、管理装置5によって管理される全ての電子黒板(端末装置)1の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、
図7に示されている認証管理テーブル700において、電子黒板1a(端末装置)の端末IDである「01aa」に対応するパスワードが、「aaaa」であることが示されている。
【0067】
なお、端末IDは、電子黒板(端末装置)1を識別する識別情報であり、管理装置5が電子黒板1等の端末装置を管理するための識別情報の一例である。例えば、通信管理システム500は、端末IDに代えて、利用者を識別する利用者ID、契約者を識別する契約ID、通信元を特定する通信ID等を用いて、電子黒板1を管理するものであっても良い。
【0068】
また、パスワードは、電子黒板1等の端末装置を認証するための認証情報の一例である。認証情報は、例えば、アクセストークン等のパスワード以外の認証情報であっても良い。
【0069】
(端末管理テーブル)
図8は、一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、
図8に示されているような端末管理テーブル800によって構成されている端末管理DB5002が記憶されている。この端末管理テーブル800では、各電子黒板(端末装置)1を識別するための端末ID毎に、各電子黒板1を宛先とした場合の宛先名、各電子黒板1の稼動状態、後述のログイン要求情報が管理装置5で受信された受信日時、及び各電子黒板1(端末装置)のIPアドレス等が関連付けられて管理される。例えば、
図8に示されている端末管理テーブル800において、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」であり、稼動状態が「オンライン(通信可能)」であることが示されている。また、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、管理装置5でログイン要求情報が受信された日時が「2015年4月10日の13時40分」であり、電子黒板1aのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、端末ID、宛先名、及び端末のIPアドレス等は、例えば、各電子黒板1が、管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際等に記憶される。
【0070】
(宛先リスト管理テーブル)
図9は、一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図9に示されているような宛先リスト管理テーブル900によって構成される宛先リスト管理DB5003が記憶されている。この宛先リスト管理テーブル900では、通信の開始を要求する開始端末の端末IDに対して、宛先端末の候補として登録されている電子黒板(端末装置)1の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、
図9に示されている宛先リスト管理テーブル900において、端末IDが「01aa」である開始端末(電子黒板1a)から通信の開始を要求することができる宛先端末の候補には、端末IDが「01ba」、「01ca」等の電子黒板1等が含まれている。この宛先端末の候補は、各開始端末から管理装置5に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
【0071】
なお、宛先リストは、宛先情報の一例であり、宛先情報には、リスト形式になっておらず、端末ID等の宛先に関する情報が羅列されていても良い。
【0072】
(セッション管理テーブル)
図10は、一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図10に示されているようなセッション管理テーブル1000によって構成されているセッション管理DB5004が記憶されている。このセッション管理テーブル1000では、セッションを識別するためのセッションID毎に、使用する中継装置3の装置ID、開始端末の端末ID、宛先端末の端末ID、及び1つ以上の参加端末の端末ID等が関連付けて管理される。また、セッション管理テーブル1000では、例えば、宛先端末において映像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から受信した受信日時等の情報が、さらに関連付けられて管理される。例えば、
図10に示すセッション管理テーブル1000において、セッションID「se01」のセッションは、中継装置ID「111a」の中継装置3が、端末ID「01aa」の開始端末と端末ID「01ba」の宛先端末との間の通信を中継している。また、セッションID「se01」のセッションにおいて、「2015年4月10日の13時41分」時点における映像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。
【0073】
(中継装置管理テーブル)
図11は、一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図11に示されるような中継装置管理テーブル1100によって構成される中継装置管理DB5005が記憶されている。この中継装置管理テーブル1100では、複数の中継装置3の中継装置ID毎に、各中継装置3の稼動状態、稼動状態を示す状態情報を受信した受信日時、中継装置3のIPアドレス、及び、最大データ伝送速度(Mbps)等が関連付けられて管理される。例えば、
図11に示されている中継装置管理テーブル1100において、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、稼動状態が「オンライン」で、管理装置5で状態情報が受信された日時が「2015年4月10日の12時00分」であることが示されている。また、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、この中継装置3のIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置3における最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
【0074】
(ユーザ情報管理テーブル)
図12は、一実施形態に係るユーザ情報管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図12に示されるようなユーザ情報管理テーブル1200によって構成されるユーザ情報管理DB5006が記憶されている。このユーザ情報管理DB5006では、利用者を識別する情報(例えば、ユーザID、ユーザ名等)と、利用者が利用する電子黒板(端末装置)1を識別する端末IDとが対応付けて管理される。例えば、
図12に示されているユーザ情報管理テーブル1200において、ユーザID「U0001」の利用者Aが利用している電子黒板1aの端末IDが、「01aa」であることが示されている。
【0075】
<管理装置の各機能構成>
ここで、
図6に戻り、管理装置5の各機能構成について説明する。
【0076】
送受信部51は、通信ネットワーク501を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0077】
認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求の認証を行う。例えば、認証部52は、電子黒板1から受信したログイン要求に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、
図7に示すような認証管理テーブル700に記憶されている場合、電子黒板1のログインを許可する。
【0078】
端末管理部53は、端末管理DB5002を管理し、例えば、電子黒板1の状態に応じて、
図8に示すような端末管理テーブル800における稼動状態、受信日時、端末のIPアドレス等の情報を更新する。
【0079】
また、端末管理部53は、宛先リスト管理テーブル900を管理し、例えば、電子黒板1からの要求に応じて、
図9に示すような宛先リスト管理テーブル900における宛先端末の端末IDを含む宛先リスト情報を提供する。
【0080】
セッション管理部54は、通信システム100で開催されるセッションを管理する。例えば、セッション管理部54は、電子黒板1から通信の開始を要求する開始要求情報に応じて、セッションを識別するためのセッションIDを生成する。また、セッション管理部54は、セッションIDに対応付けて、セッションに関する様々な情報を、例えば、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000に記憶して管理する。
【0081】
中継装置管理部55は、中継装置管理DB5005を管理し、例えば、
図11に示すような中継装置管理テーブル1100を用いて、セッションの中継に用いる中継装置3を選択する。例えば、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1100に記憶されている各中継装置3のIPアドレスと、開始端末のIPアドレスとから、開始端末の近くにある中継装置3を選択するものであっても良い。或いは、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1100に記憶されている各中継装置3の最大データ転送速度に基づいて、中継装置3を選択するものであっても良い。
【0082】
なお、本実施形態では、セッションの中継に用いる中継装置3の選択方法は任意の方法であって良い。また、通信システム100が有する中継装置3の数は、1つであって良い。
【0083】
情報取得部56は、管理装置5にログインした電子黒板(端末装置)1が参加する会議の開始予定時間を含む会議スケジュール情報を、スケジュール管理装置502から取得する。
【0084】
例えば、端末ID「01ca」の電子黒板1cが管理装置5にログインしている場合、情報取得部56は、
図12に示すようなユーザ情報管理テーブル1200を参照して、端末ID「01ca」に対応する利用者Cのユーザ名、又はユーザIDを取得する。また、情報取得部56は、利用者Cのユーザ名、ユーザID等を用いて、スケジュール管理装置502から、利用者Cが参加する予定の会議の開始予定時刻、参加者等の情報を含む会議スケジュール情報を取得する。なお、会議スケジュール情報は、通信管理システム500にログインした端末装置(電子黒板1)が参加するセッションの開始予定時間を含むセッションの情報の一例である。
【0085】
情報提供部57は、情報取得部56が取得したセッションの情報に基づいて、管理装置5にログインした電子黒板1が、セッションに途中から参加するための呼制御を開始する前に、セッションで共有している共有画像を表示するための情報を電子黒板1に提供する。
【0086】
例えば、情報提供部57は、情報取得部56が取得した会議スケジュール情報、ユーザ情報管理テーブル1200、セッション管理テーブル1000等を用いて、電子黒板1が、開催中のセッションに途中から参加する参加端末であるか否かを判断する。また、情報提供部57は、電子黒板が、開催中のセッションに途中から参加する参加端末である場合、電子黒板1が、セッションに参加するための呼制御を開始する前に、共有画像を表示するための情報を電子黒板1に提供する。
【0087】
ここで、共有画像には、セッションで共有されているストローク画像や、セッションで共有されている資料画像が含まれる。また、情報提供部57が、電子黒板1に提供する情報には、ストローク画像を再生するためのストロークデータ、資料画像の画像データ等を含むページデータを取得するためのURL情報であるページデータURL等が含まれる。
【0088】
ページ情報管理部58は、セッションに参加している電子黒板1からの要求に応じて、当該セッションのページデータを記憶する記憶先、及びページデータの取得先を示すURL情報であるページデータURLを生成する。また、ページ情報管理部58は、生成したページデータURLを、要求元の電子黒板1に通知するとともに、セッションIDと対応付けて記憶部5000等に記憶して管理する。
【0089】
記憶・読出処理部59は、記憶部5000に各種データを記憶する処理、及び記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0090】
上記の構成により、情報提供部57は、例えば、セッションID「se01」のセッションに途中から参加する電子黒板1cに、ページ情報管理部58がセッションID「se01」と対応付けて管理しているページデータURLをまとめて提供する。これにより、電子黒板1cは、セッションに参加する前に、参加予定の会議で共有されている共有画像を生成するために必要な情報(例えば、ストロークデータ等)を取得することができるようになる。
【0091】
<ページデータ記憶装置の機能構成>
ページデータ記憶装置(ページデータ記憶部)7は、例えば、
図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、送受信部71、及び記憶・読出処理部72等を実現している。なお、これらの機能構成のうち、少なくとも一部はハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0092】
また、ページデータ記憶装置7は、例えば、
図4のRAM403、HD404等によって実現される記憶部7000を有している。
【0093】
(ページデータ記憶装置の各機能構成)
送受信部71は、通信ネットワーク501を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ、情報等の送受信を行う。
【0094】
記憶・読出処理部72は、記憶部7000に各種データを記憶する処理、記憶部7000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0095】
上記の構成により、ページデータ記憶装置7は、例えば、ストローク画像を再生するためのストロークデータを含む1つ以上のページデータを記憶するページデータ記憶部として機能する。例えば、ページデータ記憶装置7は、セッション中に、電子黒板1から送信されるページデータを、指定されたURLに記憶するとともに、電子黒板1からの要求に応じて、要求されたURLに記憶したページデータを提供する。
【0096】
<中継装置の機能構成>
本実施形態では、中継装置の機能構成は任意で良いので、具体的な機能構成の説明は省略する。中継装置3は、同じセッションIDを用いて、中継装置とセッションを確立する複数の電子黒板1から送信される会議映像等の映像データ、及び音データを中継する。
【0097】
例えば、電子黒板1a、1b、1cが、セッションID「se01」で中継装置とセッションを確立しているものとする。この場合、中継装置3は、電子黒板1aが送信する映像データ、及び音データを、電子黒板1b、1cに転送する。同様に、中継装置3は、電子黒板1bが送信する映像データ、及び音データを、電子黒板1a、1cに転送し、電子黒板1cが送信する映像データ、及び音データを、電子黒板1a、1bに転送する。
【0098】
〔処理の流れ〕
続いて、本実施形態に係る通信管理方法の処理の流れについて説明する。
【0099】
<遠隔通信の準備段階の処理>
図13は、一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、通信システム100において、電子黒板1がセッション(ビデオ会議)に参加する前に実行される準備段階の処理の例を示している。
【0100】
まず、電子黒板1aで電源スイッチ117がオンされると、受付部12が、電源オンを受け付ける(ステップS22)。
【0101】
次に、送受信部11は、通信ネットワーク501を介して管理装置5に、ログインを要求するログイン要求情報を送信する(ステップS23)。このログイン要求情報には、例えば、電子黒板1aの端末ID及びパスワード等が含まれる。
【0102】
次に、管理装置5の認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、
図7に示すような認証管理テーブル700を検索する。また、認証部52は、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル700で管理されている場合、電子黒板1aのログインを許可する(ステップS24)。例えば、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル700で管理されている場合、ステップS25以降の処理が実行される。
【0103】
電子黒板1aのログインが許可された場合、端末管理部53は、
図8に示すような端末管理テーブル800において、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する情報を更新する。例えば、端末管理部53は、端末ID「01aa」に対応する「稼動状態」の情報を「オンライン(通信可能)」に変更するとともに、「受信日時」の情報を、ログイン要求情報を受信した日時に更新する(ステップS25)。なお、端末のIPアドレスの情報は、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で電子黒板1aから送信されたIPアドレスを用いるようにしても良い。これにより、端末管理テーブル800には、例えば、
図8に示すように、端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「2015.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.3」等が関連付けて管理される。
【0104】
次に、セッション管理部54は、上記のステップS23で受信した電子黒板1aの端末ID「01aa」を、「開始端末の端末ID」とする新しいレコードを、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000に追加して管理する(ステップS26)。そして、管理装置5の送受信部51は、ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク501を介して、上記ログイン要求してきた電子黒板1aに送信する(ステップS27)。
【0105】
電子黒板1aの送受信部11は、ログインが許可されたことを示す認証結果情報を受信すると、通信ネットワーク501を介して管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS28)。これにより、管理装置5の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0106】
次に、端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」を検索キーとして、
図9に示すような宛先リスト管理テーブル900を検索し、電子黒板1aと通信することができる宛先候補の端末IDを読み出す。また、端末管理部53は、
図8に示すような端末管理テーブル800から、宛先候補の端末IDに対応する宛先名を読み出す(ステップS29)。これにより、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する宛先候補のそれぞれの端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0107】
次に、管理装置5の送受信部51は、記憶・読出処理部59を介して、例えば、記憶部5000に記憶されている宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータ等を読み出す(ステップS30)。また、管理装置5の送受信部51は、読み出した宛先リスト枠及びアイコン、ステップS29で抽出した端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、端末ID、宛先名)」を、電子黒板1aに送信する(ステップS31)。これにより、電子黒板1aは、送受信部11が宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部19が記憶部1001に、受信した宛先リスト情報を記憶する(ステップS32)。
【0108】
このように、本実施形態では、各電子黒板1で宛先リスト情報を管理するのではなく、管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信管理システム500に新たな電子黒板1が登録された場合、既に含まれている電子黒板1に替えて新機種の端末装置が登録された場合、宛先リスト枠の見栄え等を変更する場合等でも、各電子黒板1側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0109】
また、管理装置5の端末管理部53は、ステップS29で抽出した宛先候補の端末IDを検索キーとして、
図8に示すような端末管理テーブル800を検索し、宛先候補の端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出す。これにより、端末管理部53は、宛先候補の端末IDに対応する各電子黒板1の稼動状態を取得する(ステップS33)。
【0110】
次に、管理装置5の送受信部51は、ステップS33で検索キーとして使用された端末IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク501を介して、電子黒板1aに送信する(ステップS34)。
【0111】
次に、電子黒板1aの記憶・読出処理部19は、順次、管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1001に記憶する(ステップS35)。よって、電子黒板1aは、上記各電子黒板1状態情報を受信することで、電子黒板1aと通信することができる宛先候補である電子黒板1b、1c等の現時点における稼動状態を取得することができる。
【0112】
次に、電子黒板1aの表示制御部14は、記憶部1001に記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた宛先リストを作成する。また、表示制御部14は、作成した宛先リストを用いて、例えば、
図14に示すような宛先リスト画面1400を、電子黒板1aのディスプレイ160に表示させる(ステップS36)。この宛先リスト画面1400には、宛先候補毎に、稼動状態を示すアイコン、端末ID、及び宛先名が表示されている。
図14の例では、各端末の稼動状態を示したアイコンは、端末ID「01ba」の電子黒板(端末装置)1が「オンライン(通信可能)」であり、端末ID「01ca」の電子黒板1が「オフライン」であることを示している。
【0113】
一方、管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、
図9に示すような宛先リスト管理テーブル900を検索することにより、電子黒板1aを宛先候補として登録している他の端末の端末IDを抽出する(ステップS37)。
図9に示されている宛先リスト管理テーブル900では、読み出される他の端末の端末IDは、「01ba」、「01ca」等が含まれる。
【0114】
次に、管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、
図8に示すような端末管理テーブル800を検索し、電子黒板1aの稼動状態を取得する(ステップS38)。
【0115】
そして、送受信部51は、ステップS37で抽出した端末IDのうち、端末管理テーブル800で稼動状態が「オンライン」となっている端末IDの電子黒板1に、電子黒板1aの端末IDと稼動状態とを含む「端末の状態情報」を送信する(ステップS39)。なお、送受信部51は、各電子黒板1に端末の状態情報を送信する際に、各端末IDに基づいて、端末管理テーブル800で管理されている各電子黒板1のIPアドレスを参照する。これにより、電子黒板1aを宛先候補として通信することができる各電子黒板1に、電子黒板1aの端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補となる各電子黒板1においても、電子黒板1aの状態を表示させることができる(ステップS40)。
【0116】
<セッションの開始処理>
図15は、一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、電子黒板1aが電子黒板1bに対して、セッションの開始を要求したときに通信システム100で実行されるセッションの開始処理の例を示している。
【0117】
ステップS1501において、開始端末である電子黒板1aが、利用者Aによる宛先選択を受け付けると、ステップS1502以降の処理が実行される。なお、利用者Aは、例えば、
図14に示すような宛先リスト画面1400から、端末ID「01ba」のボタンを押下することにより、電子黒板1bを宛先端末として選択することができる。
【0118】
ステップS1502において、電子黒板1aが、利用者Aによる宛先選択を受け付けると、電子黒板1aの送受信部11は、セッションの開始を要求する開始要求情報を管理装置5に送信する。この開始要求情報には、例えば、開始端末である電子黒板1aの端末ID「01aa」、宛先端末である電子黒板1bの端末ID等「01ba」、及び開始端末である電子黒板1aのIPアドレス等が含まれる。これにより、管理装置5の送受信部51は、開始要求情報を受信するとともに、送信元である開始端末(電子黒板1a)のIPアドレスを受信する。
【0119】
ステップS1503において、管理装置5の端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末IDと宛先端末の端末IDとに基づいて、端末管理DB5002を更新する。例えば、端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」に基づき、端末管理テーブル800において、端末ID「01aa」、「01ba」に対応する「稼動状態」を「オンライン(通信中)」に更新する。なお、この状態では、開始端末である電子黒板1a、及び宛先端末である電子黒板1bは、セッションに参加していないが、通信中状態として管理する。
【0120】
ステップS1504において、管理装置5のセッション管理部54は、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。ここでは、セッション管理部54が、セッションID「se01」を生成するものとする。
【0121】
ステップS1505において、セッション管理部54は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000に、生成したセッションID、開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」等を、対応付けて記憶して管理する。
【0122】
ステップS1506において、管理装置5の中継装置管理部55は、開始端末(電子黒板1a)と宛先端末(電子黒板1b)との間のセッションを中継する中継装置3を選択する。
【0123】
ステップS1507a、S1507bにおいて、管理装置5のセッション管理部54は、送受信部51を介して、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)に、中継装置選択情報を送信する。この中継装置選択情報には、例えば、ステップS1506で選択された中継装置3のIPアドレス、ステップS1504で生成されたセッションID、及び管理装置5のIPアドレス等が含まれる。
【0124】
ステップS1508a、S1508bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の送受信部11は、中継装置選択情報を受信すると、中継装置選択情報を受信したことを示す受信完了情報を、管理装置5に送信する。この受信完了情報には、例えば、中継装置選択情報に含まれていたセッションID「se01」等が含まれる。
【0125】
ステップS1509a、S1509bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の送受信部11は、中継装置選択情報に含まれている、中継装置3の装置ID、及びセッションIDを用いて、中継装置3とセッションを確立する。これにより、電子黒板1a、電子黒板1bは、同じセッションID「se01」のセッションに参加し、会議映像等の映像データ、音データ等を、中継装置3を介して相互に送受信することができるようになる。
【0126】
上記の処理により、電子黒板1aの利用者Aと、電子黒板1bの利用者Bとの間で、会議映像等を送受信するビデオ会議を行うことができる。
【0127】
<ページデータの共有処理>
通信システム100では、ビデオ会議に参加している電子黒板1aの利用者A、及び電子黒板1bの利用者Bは、各電子黒板1に電子ペン140等で描画したストローク画像を共有画像として、他の電子黒板1に表示させることができる。
【0128】
また、例えば、電子黒板1aの利用者Aは、電子黒板1aに接続されたPC150のディスプレイに表示している表示画面等をキャプチャしたキャプチャ画像等の資料画像を、例えば、ストローク画像と共に、共有画像として電子黒板1bに表示させることができる。
【0129】
本実施形態では、共有画像を表示するためのデータ(例えば、ストローク画像を再生するためのストロークデータ、資料画像を表示するための画像データ等)をページデータと呼ぶ。また、ここでは、同じセッションに参加している電子黒板1aと電子黒板1bとの間で、ページデータを共有する処理の例について説明する。
【0130】
図16は、一実施形態に係るページデータの共有処理の例を示すシーケンス図である。なお、
図16に示す処理の開始時点において、電子黒板1aと電子黒板1bは、例えば、
図15で説明したセッションの開始処理により、同じセッションに参加しているものとする。
【0131】
ステップS1601において、電子黒板1aが、資料画像の画像データ、又はユーザAが電子黒板1aに描画したストローク画像のストロークデータを受け付けると、ステップS1602以降の処理が実行される。
【0132】
ステップS1602において、電子黒板1aのページ情報送信部16は、管理装置5に対して、ページデータの記憶先を示すURL情報であるページデータURLの取得を要求する。
【0133】
なお、URL情報は、ページデータの記憶先、ページデータの取得先等を示すアドレス情報の一例である。ページデータの記憶先、ページデータの取得先等を示すアドレス情報は、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)等の他のアドレス情報であっても良い。
【0134】
ステップS1603において、管理装置5のページ情報管理部58は、ページデータの記憶先を示すページデータURLを生成する。また、ページ情報管理部58は、生成したページデータURLを、要求元の電子黒板1aが参加しているセッションのセッションID「se01」と対応付けて、記憶部5000等に記憶する。
【0135】
ステップS1604において、管理装置5のページ情報管理部58は、生成したページデータURLを、要求元の電子黒板1aに送信する。
【0136】
ステップS1605において、電子黒板1aのページ情報送信部16は、ページデータURLで示されるページデータ記憶装置7におけるURLに対して、ページデータを送信(アップロード)する。
【0137】
ステップS1606において、ページデータ記憶装置7の記憶・読出処理部72は、電子黒板1aから送信されたページデータを、記憶部7000におけるURLに記憶する。
【0138】
ここで、ページデータには、例えば、
図17に示されるようなストロークデータ、画像データ等が含まれる。
【0139】
図17は、一実施形態に係るストロークデータ、及び画像データの一例のイメージを示す図である。
図17(a)は、ストロークデータの一例のイメージを示している。ストローク画像は、例えば、
図17(a)の各行に示されるような、1つ以上のストロークデータによって表される。各ストロークデータには、例えば、ストロークデータID、開始時刻、終了時刻、色、幅、座標配列ID等の情報が含まれている。
【0140】
ストロークデータIDは、ストロークデータを識別するための識別情報である。開始時刻、終了時刻は、それぞれ、1つのストロークを書き始めた時刻、書き終えた時刻を示す情報である。色、幅は、それぞれ、ストロークの色、ストロークの幅を示す情報である。座標配列データIDは、例えば、
図17(b)に示すような、ストロークの通過点の配列を示す座標配列データを識別するための識別情報である。
【0141】
図17(b)は、座標配列データの一例のイメージを示している。座標配列データは、ディスプレイ160上の点(X座標値、Y座標値)、及びこの点を通過したときのストロークの開始時刻からの差分の時刻(ms)、及び、この点における電子ペン140の筆圧の各情報を示している。
【0142】
例えば、
図17(a)において、ストロークID「s001」のストロークデータには、配列データID「c001」が含まれる。これは、ストロークID「s001」のストロークデータが、
図17(b)の座標配列データにおける「c001」のタブに含まれる複数の点によって表されることを示している。例えば、ユーザが電子ペン140によってアルファベット「S」を描く場合、一筆書きとなるが、「S」を描き終えるまでに、複数の通過点を通過するため、座標配列データを用いて、これら複数の通過点の情報を示している。
【0143】
図17(c)は、画像データの一例のイメージを示している。画像データには、例えば、
図17(c)に示すように、メディアデータID、データ種類、記録時刻、X座標値、Y座標値、幅、高さ、データ等の情報が含まれる。
【0144】
メディアデータIDは、画像データを識別する識別情報である。データ種類は、画像データの種類を示す情報である。記録時刻は、画像データが記憶された時刻を示す情報である。X座標値、Y座標値は、画像データによって、ディスプレイ160上に表示される画像の位置(座標)を示す情報であり、幅、高さは、画像データによって表示される画像のサイズを示す情報である。データは、キャプチャ画像等を表示するための画像データである。
【0145】
ここで、
図16に戻り、シーケンス図の説明を続ける。
【0146】
ステップS1607において、電子黒板1aのページ情報送信部16は、ページデータ記憶装置7にアップロードしたページデータを取得するためのページデータURLを、例えば、セッションseiで管理装置5に送信する。
【0147】
ステップS1608において、管理装置5のページ情報管理部58は、ステップS1607で受け付けたページデータURLを、電子黒板1aと同じセッションに参加している電子黒板1bに、セッションseiで送信する。
【0148】
ステップS1609、S1610において、電子黒板1bのページ情報取得部17は、送受信部11が管理装置5から受信したページデータURLを用いて、ページデータ記憶装置7からページデータを取得する。
【0149】
ステップS1608において、電子黒板1bの画像処理部15は、ページ情報取得部17が取得したページデータに含まれるストロークデータを用いて、ストローク画像を作成する。また、ページ情報取得部17が取得したページデータに、キャプチャ画像等の画像データが含まれている場合、画像処理部15は、ストローク画像と、キャプチャ画像とを含む共有画像を作成する。これにより、例えば、電子黒板1bが表示している共有画像が更新(又は作成)される。
【0150】
上記の処理により、通信システム100は、例えば、電子黒板1aが受け付けたストロークデータ、画像データ等を、同じセッションに参加している他の電子黒板1bに、共有画像として表示させることができる。また、同様の処理により、通信システム100は、電子黒板1bが受け付けたストロークデータ、画像データ等を、同じセッションに参加している他の電子黒板1aに、共有画像として表示させることができる。
【0151】
以上、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で、ストローク画像を含む共有画像を共有するセッションを行う場合の処理について説明した。続いて、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で行われているセッションに、電子黒板1cが途中から参加する場合の処理について説明する。
【0152】
[第1の実施形態]
ストローク画像を含む共有画像を共有するセッションでは、例えば、
図16に示すページデータの共有処理により、ページデータ記憶装置7に、ストローク画像を再生(再現)するためのストロークデータを含む複数のページデータが蓄積されている。
【0153】
これにより、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションに、電子黒板1cが途中から参加する場合、電子黒板1cは、ページデータ記憶装置7に記憶されている複数のページデータを取得して、ストローク画像を再生することができる。
【0154】
しかし、この方法では、ページデータ記憶装置7に記憶されたページデータの量が多い場合、電子黒板1cがセッションに参加してから、共有画像を表示するまでに時間を要してしまうという問題がある。そのため、例えば、電子黒板1cの利用者Cが、セッションに参加した後、共有画像が正しく表示するまでの間、議論に加わることができない場合がある。
【0155】
そこで、第1の実施形態では、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションに、途中から参加する電子黒板1cが、セッションに参加してから、ストローク画像を含む共有画像を表示するまでの時間を短縮する処理の例について説明する。
【0156】
<処理の流れ>
(準備段階の処理)
図18は、第1の実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、第1の実施形態に係る通信システム100において、電子黒板1がセッション(ビデオ会議)に参加する前に実行される準備段階の処理の例を示している。
【0157】
ステップS1801において、電子黒板1a、及び電子黒板1bは、例えば、
図15に示す処理により、セッションID「se01」のセッションに参加しており、
図16に示す処理により、ページデータを共有しているものとする。また、これにより、ページデータ記憶装置7には、ストローク画像を再生するためのストロークデータを含む複数のページデータが蓄積されているものとする。
【0158】
ステップS1802において、例えば、電子黒板1cの電源スイッチ117がオンされると、受付部12が電源オンを受け付ける。
【0159】
ステップS1803において、電子黒板1cの送受信部11は、管理装置5に、ログインを要求するログイン要求情報を送信する。
【0160】
これにより、ステップS1804において、例えば、
図13のステップS24~S40に示すような準備段階の処理が、電子黒板1cに対して実行される。さらに、第1の実施形態に係る通信システム100では、ステップS1805~S1810に示すような処理が実行される。
【0161】
ステップS1805、S1806において、管理装置5の情報取得部56は、ステップS1804で通信システム100にログインした電子黒板1cの利用者Cの会議スケジュール情報を、例えば、スケジュール管理装置502から取得する。
【0162】
例えば、情報取得部56は、
図12に示すようなユーザ情報管理テーブル1200を用いて、電子黒板1cの端末ID「01ca」に対応する利用者Cの情報(ユーザID、ユーザ名等)を取得する。また、情報取得部56は、取得した利用者Cの情報を用いて、スケジュール管理装置502が管理している、利用者Cが参加する会議の開始予定時間を含む会議スケジュール情報を取得する。
【0163】
図19は、第1の実施形態に係る会議スケジュール情報の一例のイメージを示す図である。
図19の例では、会議スケジュール情報1900には、「会議名」、「利用者」、「開始予定日時」、「終了予定日時」等の情報が含まれている。「会議名」の情報は、会議を特定するための情報の一例であり、会議ID等であっても良い。「参加者」の情報は、会議に参加する予定の利用者(参加者)を特定するための情報であり、ユーザID等であっても良い。「開始予定日時」の情報は、会議が開始される予定の日時を示す情報である。「終了予定日時」の情報は、会議が終了する予定日時を示す情報の一例であり、例えば、会議の所要時間等の情報であっても良い。
【0164】
図19の例では、電子黒板1cの利用者Cは、会議Aの参加者に含まれている。この場合、情報取得部56は、通信システム100にログインした電子黒板1cの利用者Cが参加する予定の会議Aの情報を、例えば、スケジュール管理装置502から取得する。なお、
図19に示すような会議スケジュール情報1900は、通信管理システム500内で管理しているものであっても良い。
【0165】
ここで、
図18に戻り、シーケンス図の説明を続ける。
【0166】
ステップS1807において、管理装置5の情報提供部57は、情報取得部56が取得した会議スケジュール情報、ユーザ情報管理テーブル1200、及びセッション管理テーブル1000等を参照して、電子黒板1cが参加予定のセッションを特定する。
【0167】
例えば、情報提供部57は、取得した会議スケジュール情報から、利用者Cが、利用者A、利用者Bが参加し、2015年4月10日13:40から開催予定の会議Aに参加する予定であることを特定する。
【0168】
また、情報提供部57は、現在の時刻が、会議Aの開催予定時間内である場合、
図12に示すようなユーザ情報管理テーブル1200から、利用者Aに対応する端末ID「01aa」、及び利用者Bに対応する端末ID「01ba」を取得する。
【0169】
さらに、情報提供部57は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000から、端末ID「01aa」、又は端末ID「01ba」が参加しているセッションID「se01」のセッションを、電子黒板1cが参加予定のセッションとして特定する。
【0170】
ここで、電子黒板1cが参加予定のセッションが特定できた場合、ステップS1808~S1810の処理が実行される。
【0171】
ステップS1808において、管理装置5の情報提供部57は、ステップS1807で特定したセッションのセッションID「se01」と対応付けて、ページ情報管理部58が管理している1つ以上のページデータURLを、電子黒板1cに送信(提供)する。なお、1つ以上のページデータURLは、セッションID「se01」のセッションで共有している共有画像を表示するための情報の一例である。
【0172】
ステップS1809、S1810において、電子黒板1cのページ情報取得部17は、管理装置5から提供された1つ以上のページデータURLを用いて、ページデータ記憶装置7からページデータを取得する。なお、ページデータURLが複数ある場合、ページ情報取得部17は、ページデータURLの数だけ、ページデータ記憶装置7からページデータを取得する。また、電子黒板1cの画像処理部15は、ページ情報取得部17が取得したページデータに含まれるストロークデータを用いて、ストローク画像を再生(作成)する。
【0173】
ステップS1811において、開催中のセッションに途中から参加する参加端末である電子黒板1cが、利用者Cによるセッションへの参加操作を受け付けると、ステップS1812の処理が実行される。例えば、利用者Cは、
図14に示すような宛先リスト画面1400において、状態が「オンライン(通信中)」のアイコンとなっている宛先を選択することにより、セッションへの参加操作を行うことができる。
【0174】
ステップS1812において、電子黒板1cの送受信部11は、セッションへの参加を要求する参加要求情報を管理装置5に送信することにより、電子黒板1cがセッションに参加するための呼制御を開始する。
【0175】
このように、本実施形態によれば、開催中のセッションに途中から参加する参加端末(電子黒板1c)は、セッションに参加するための呼制御を開始する前に、セッションで共有されている共有画像を表示するためのページデータを取得することができる。これにより、参加端末(電子黒板1c)は、セッションに参加したときに、速やかに共有画像を表示することができる。
【0176】
従って、本実施形態によれば、複数の端末装置(電子黒板1)間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに、途中から参加する端末装置が、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0177】
(セッションへの参加処理)
図20は、第1の実施形態に係るセッションへの参加処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションに、参加端末の一例である電子黒板1cが、途中から参加する参加処理の例を示している。
【0178】
ステップS2001、S2002において、電子黒板1a、及び電子黒板1bは、中継装置3とセッションを確立し、例えば、セッションID「se01」のセッションに参加しているものとする。
【0179】
ステップS2003、S2004において、電子黒板1cは、利用者Cによるセッションへの参加操作を受け付けると、セッションへの参加を要求する参加要求情報を管理装置5に送信する。この参加要求情報には、例えば、参加端末である電子黒板1cの端末ID(参加端末ID)、セッションへの参加操作で受け付けたセッションに参加している電子黒板1の端末ID(開始端末ID、宛先端末ID等)が含まれる。なお、この処理は、
図18のステップS1811、S1812の処理に対応している。
【0180】
ステップS2005において、管理装置5の端末管理部53は、参加要求情報に含まれる電子黒板1cの端末ID(参加端末ID)に基づいて、
図8に示すような端末管理テーブル800を更新する。例えば、端末管理部53は、電子黒板1cの端末ID「01ca」に対応する「稼動状態」を「オンライン(通信中)」に更新する。
【0181】
なお、ステップS2006以降の処理は、自動的に実行されるものであっても良いし、既にセッションに参加している電子黒板1a、1bに参加要求情報を送信して、ユーザA又はユーザBによる応答操作に応じて実行されるものであっても良い。ここでは、ステップS2006以降の処理が自動的に実行されるものとして、以下の説明を行う。
【0182】
ステップS2006において、管理装置5のセッション管理部54は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000を更新する。例えば、セッション管理部54は、セッション管理テーブル1000において、開始端末ID「01aa」を含むセッション(セッションID「se01」)の「参加端末の端末ID」のレコードに、参加端末である電子黒板1cの端末ID「01ca」を記憶する。
【0183】
ステップS2007において、管理装置5のセッション管理部54は、参加端末である電子黒板1cに、中継装置選択情報を送信する。この中継装置選択情報には、例えば、ステップS2006で、電子黒板1cの端末IDを記憶したセッションのセッションID「se01」、及び中継装置3のIPアドレス等が含まれる。
【0184】
ステップS2008において、電子黒板1cは、中継装置選択情報を受信すると、中継装置選択情報を受信したことを示す受信完了情報を、管理装置5に送信する。この受信完了情報には、例えば、セッションID「se01」等が含まれる。
【0185】
ステップS2009において、電子黒板1cの送受信部11は、中継装置選択情報に含まれている、中継装置3のIPアドレス、及びセッションIDを用いて、中継装置3とセッションを確立する。これにより、電子黒板1cは、電子黒板1a、1bと同じ、セッションID「se01」のセッションに参加し、電子黒板1a、1bと映像データ、音データ等を、中継装置3を介して相互に送受信することができるようになる。
【0186】
(ページデータの共有処理)
図21は、第1の実施形態に係るページデータの共有処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、
図20のセッションへの参加処理によって、電子黒板1cが、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションに参加したときに、通信システム100で実行されるページデータの共有処理の例を示している。
【0187】
ステップS2101において、電子黒板1cは、
図17に示すセッションへの参加処理によって、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションID「se01」のセッションに参加したものとする。
【0188】
ステップS2102において、電子黒板1cの画像処理部15は、
図18に示す準備段階の処理で取得した1つ以上のページデータを用いて、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で共有されているキャプチャ画像、ストローク画像等の共有画像を作成する。なお、キャプチャ画像、ストローク画像等の共有画像を作成する処理は、ステップS2101の前に実行しても良い。
【0189】
また、電子黒板1cの表示制御部14は、画像処理部15が作成した共有画像を含むセッションの表示画面を、ディスプレイ160に表示させる。
【0190】
図22は、第1の実施形態に係る表示画面の例を示す図である。この図は、例えば、
図21のステップS2101において、参加端末である電子黒板1cが表示する表示画面2200の一例のイメージを示している。
図22の例では、表示画面2200には、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で共有しているストローク画像2201、資料画像2202、拠点Aの会議映像2203、拠点Bの会議映像2204、自拠点の会議映像2205等が表示されている。
【0191】
これらの表示要素のうち、ストローク画像2201は、準備段階の処理で取得した1つ以上のページデータに含まれるストロークデータ(
図17参照)を用いて、電子黒板1cの画像処理部15によって作成される。資料画像2202は、準備段階の処理で取得した1つ以上のページデータに含まれる画像データ(
図17参照)を用いて、電子黒板1cの画像処理部15によって作成される。
【0192】
また、拠点Aの会議映像2203、及び拠点Bの会議映像2204は、電子黒板1cの送受信部11が受信した映像データに基づいて、電子黒板1cの映像・音処理部13等によって作成される。自拠点の会議映像2205は、電子黒板1cのカメラ134で撮影した映像データに基づいて、電子黒板1cの映像・音処理部13等によって作成される。なお、表示画面2200には、例えば、資料画像の共有操作を受け付ける「共有」ボタン2206等の各種の操作ボタンが、さらに表示されていても良い。
【0193】
ここで、
図21に戻り、シーケンス図の説明を続ける。
【0194】
ステップS2103において、例えば、電子黒板1bが、資料画像の画像データ、又はユーザBが電子黒板1bに描画したストローク画像のストロークデータを受け付けると、ステップS2104以降の処理が実行される。
【0195】
ステップS2104において、電子黒板1bのページ情報送信部16は、管理装置5に対して、ページデータの記憶先を示すURL情報であるページデータURLの取得を要求する。
【0196】
ステップS2105において、管理装置5のページ情報管理部58は、ページデータの記憶先を示すページデータURLを生成する。また、ページ情報管理部58は、生成したページデータURLを、要求元の電子黒板1bが参加しているセッションのセッションID「se01」と対応付けて、記憶部5000等に記憶する。
【0197】
ステップS2106において、管理装置5のページ情報管理部58は、生成したページデータURLを、要求元の電子黒板1bに送信する。
【0198】
ステップS2107において、電子黒板1bのページ情報送信部16は、ページデータURLで示されるページデータ記憶装置7におけるURLに対して、ページデータをアップロードする。
【0199】
ステップS2108において、ページデータ記憶装置7の記憶・読出処理部72は、電子黒板1bから送信されたページデータを、記憶部7000におけるURLに記憶する。
【0200】
ステップS2109において、電子黒板1bのページ情報送信部16は、ステップS2107で、ページデータ記憶装置7にアップロードしたページデータを取得するためのページデータURLを、例えば、セッションseiで管理装置5に送信する。
【0201】
ステップS2110、S2111において、管理装置5のページ情報管理部58は、ステップS2109で受け付けたページデータURLを、電子黒板1bと同じセッションに参加している電子黒板1a、1cに、例えば、セッションseiで送信する。
【0202】
ステップS2112、S2113において、電子黒板1cのページ情報取得部17は、管理装置5から受信したページデータURLを用いて、ステップS2107でページデータ記憶装置7にアップロードされたページデータを取得する。
【0203】
ステップS2114において、電子黒板1cの画像処理部15は、ページ情報取得部17が取得したページデータに含まれる1つ以上のストロークデータを用いて、ストローク画像を作成する。また、ページ情報取得部17が取得したページデータに、資料画像の画像データが含まれている場合、画像処理部15は、資料画像を作成する。さらに、電子黒板1cの表示制御部14は、画像処理部15が作成したストローク画像、資料画像等を用いて、表示画面2200に表示している共有画像(ストローク画像2201、資料画像2202等)を更新する。
【0204】
同様にして、ステップS2115、S2116において、電子黒板1aのページ情報取得部17は、管理装置5から受信したページデータURLを用いて、ステップS2107でページデータ記憶装置7にアップロードされたページデータを取得する。
【0205】
ステップS2117において、電子黒板1aの画像処理部15は、ページ情報取得部17が取得したページデータに含まれる1つ以上のストロークデータを用いて、ストローク画像を作成する。また、ページ情報取得部17が取得したページデータに、資料画像の画像データが含まれている場合、画像処理部15は、資料画像を作成する。さらに、電子黒板1aの表示制御部14は、画像処理部15が作成したストローク画像、資料画像等を用いて、表示画面2200に表示した共有画像(ストローク画像2201、資料画像2202)を更新する。
【0206】
上記の処理により、通信システム100は、例えば、電子黒板1bが受け付けたストロークデータ、画像データ等を、同じセッションに参加している他の電子黒板1a、1cに、共有画像として表示させることができる。また、同様の処理により、通信システム100は、電子黒板1aが受け付けたストロークデータ、画像データ等を、同じセッションに参加している他の電子黒板1b、1cに、共有画像として表示させることができる。さらに、同様の処理により、通信システム100は、電子黒板1cが受け付けたストロークデータ、画像データ等を、同じセッションに参加している他の電子黒板1a、1bに、共有画像として表示させることができる。
【0207】
また、上記の処理により、参加端末である電子黒板1cは、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されているセッションに、途中から参加した場合、取得済のページデータを用いて、直ちに共有画像を表示することができる。
【0208】
以上、第1の実施形態によれば、複数の端末装置(電子黒板1)間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに途中から参加する端末装置において、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0209】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、例えば、
図18に示すように、管理装置5は、参加端末である電子黒板1cが、管理装置5にログインしたときに、電子黒板1cが参加予定のセッションのページデータURLを、電子黒板1cに提供する場合の処理の例について説明した。
【0210】
第2の実施形態では、管理装置5が、既に管理装置5にログイン済の電子黒板1cに対して、電子黒板1cが参加予定のセッションのページデータURLを提供する場合の処理の例について説明する。
【0211】
(ページデータの提供処理)
図23は、第2の実施形態に係るページデータの提供処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、管理装置5が、管理装置5にログイン済の参加端末である電子黒板1cに対して、電子黒板1cが参加予定のセッションで共有されている共有画像を表示するための情報を提供する処理の例を示している。なお、
図23のステップS1809以降の処理は、
図18で説明した第1の実施形態に係るページデータの共有処理と同様なので、ここでは、第1の実施形態との相違点を中心に説明を行う。
【0212】
ステップS2301において、参加端末である電子黒板1cは、例えば、
図13に示すような準備段階の処理により、管理装置5にログイン済であるものとする。なお、管理装置5にログイン済の電子黒板1cは、通信管理システム500にログインした端末装置の一例である。
【0213】
ステップS2302において、開始端末である電子黒板1a、及び宛先端末である電子黒板1bは、例えば、
図15に示すようなセッションの開始処理により同じセッションに参加しており、
図16に示すようなページデータの共有処理により、会議(ビデオ会議等)を開催しているものとする。
【0214】
ステップS2303、S2404において、管理装置5の情報取得部56は、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催中の会議のスケジュール情報を取得する。
【0215】
例えば、情報取得部56は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000を用いて、開催中の会議に参加している電子黒板1の端末IDを取得する。例えば、情報取得部56は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000から、セッションID「se01」のセッションに参加している開始端末の端末ID「01aa」、及び宛先端末の端末ID「01ba」を取得する。
【0216】
また、情報取得部56は、例えば、
図12に示すようなユーザ情報管理テーブル1200を用いて、端末ID「01aa」、「01ba」に対応するユーザ情報(ユーザID、ユーザ名等)を取得する。
【0217】
さらに、情報取得部56は、特定したユーザ情報(ユーザID、ユーザ名等)を含むスケジュール情報の取得要求を、スケジュール管理装置502に送信することにより、例えば、
図19に示す会議名「会議A」のスケジュール情報を取得する。
【0218】
この処理により、開催中の会議のスケジュール情報が取得できた場合、ステップS2305以降の処理が実行される。
【0219】
ステップS2305において、管理装置5の情報提供部57は、会議に参加予定の参加端末のうち、管理装置5にログイン済の参加端末を特定する。
【0220】
例えば、情報提供部57は、
図19に示す会議名「会議A」のスケジュール情報と、
図12に示すようなユーザ情報管理テーブル1200とを用いて、会議に参加予定の電子黒板1の端末ID「01aa」、「01ba」、「01ca」を取得する。
【0221】
また、情報提供部57は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1000を用いて、会議に参加予定の電子黒板1の端末ID「01aa」、「01ba」、「01ca」を含むセッション(セッションID「se01」のセッション)を特定する。さらに、情報提供部57は、会議に参加予定の電子黒板1の端末ID「01aa」、「01ba」、「01ca」のうち、未だセッションに参加していない参加端末の端末ID「01ca」を特定する。
【0222】
さらにまた、情報提供部57は、
図8に示すような端末管理テーブル800を用いて、参加端末である端末ID「01ca」の電子黒板1cが、管理装置5にログイン済であるか否かを判断する。
図8の例では、管理装置5にログイン済の電子黒板1は、稼動状態が「オンライン」で表される。
【0223】
上記の処理により、開催中のセッション(会議)に途中から参加予定の参加端末のうち、管理装置5にログイン済の参加端末がある場合、ステップS2306以降の処理が実行される。ここでは、開催中のセッション(セッションID「se01」)に参加予定のログイン済の電子黒板1cがあるものとして、以下の説明を行う。
【0224】
ステップS2306において、管理装置5の情報提供部57は、ステップS2305で特定した参加端末である電子黒板1cに、セッションID「se01」と対応付けて、ページ情報管理部58が管理している1つ以上のページデータURLを提供する。
【0225】
ステップS1809以降の処理は、
図18で説明した第1の実施形態に係る処理と同様である。
【0226】
上記の処理により、管理装置5は、ログイン済の参加端末である電子黒板1cに対して、電子黒板1cが参加予定の会議(セッション)で共有されている共有画像を表示するためのページデータURLを提供することができる。
【0227】
これにより、第2の実施形態においても、複数の端末装置(電子黒板1)間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに途中から参加する端末装置において、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0228】
以上、本発明の各実施形態によれば、複数の端末装置間でストローク画像を含む共有画像を共有するセッションに途中から参加する端末装置において、セッションに参加してから共有画像を表示するまでの時間を短縮することができる。
【0229】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0230】
また、上記で説明した各実施形態では、端末装置が電子黒板1であるものとして説明を行ったが、これに限るものではない。端末装置の他の例として、通信システム100に対応するアプリケーションを実行するPC、スマートフォン、スマートウォッチ、カーナビゲーション装置等の情報端末が含まれる。また、通信端末には、医療機器が含まれる。医療機器の場合には、資料画像は患者の画像等が含まれる。
【0231】
さらに、上記で説明した各実施形態では、通信システム100によってビデオ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、遠隔診断、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。
【符号の説明】
【0232】
1 電子黒板(端末装置)
7 ページデータ記憶装置(ページデータ記憶部)
16 ページ情報送信部
17 ページ情報取得部
56 情報取得部
57 情報提供部
100 通信システム
500 通信管理システム(通信管理装置)
502 スケジュール管理装置(スケジュール管理システム)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0233】
【文献】特開2011-254453号公報
【文献】特開2015-70543号公報