(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-11
(45)【発行日】2024-03-19
(54)【発明の名称】化合物およびこれを含む光学フィルム
(51)【国際特許分類】
C07D 207/34 20060101AFI20240312BHJP
C07F 15/00 20060101ALI20240312BHJP
C07F 15/06 20060101ALI20240312BHJP
C07F 15/04 20060101ALI20240312BHJP
C07D 405/14 20060101ALI20240312BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20240312BHJP
C08K 5/3415 20060101ALI20240312BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20240312BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240312BHJP
C07F 3/06 20060101ALI20240312BHJP
【FI】
C07D207/34
C07F15/00 C
C07F15/06
C07F15/04
C07D405/14
C07D401/14
C08K5/3415
C08L101/00
G02B5/20
C07F3/06 CSP
(21)【出願番号】P 2022542343
(86)(22)【出願日】2021-03-04
(86)【国際出願番号】 KR2021002685
(87)【国際公開番号】W WO2021177748
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2022-07-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0027261
(32)【優先日】2020-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ムーン、サン ピル
(72)【発明者】
【氏名】レ、ドゥイ ヒエウ
(72)【発明者】
【氏名】リー、ホヨン
【審査官】高橋 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-076075(JP,A)
【文献】特開平10-162430(JP,A)
【文献】特表2015-530761(JP,A)
【文献】国際公開第2020/022421(WO,A1)
【文献】特表2022-552654(JP,A)
【文献】J. Phys. Chem. A,2019年,123,10011-10018
【文献】Angew. Chem. Int. Ed.,2019年,58,14334-14340
【文献】J. Am. Chem. Soc. ,2013年,135,11920-11928
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 207/34
C07D 405/14
C07D 401/14
C08K 5/3415
C08L 101/00
G02B 5/20
C07F 3/06
C07F 15/00
C07F 15/06
C07F 15/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1で表される化合物:
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
Xは、Zn;Co;NiまたはPdであり、
R
2~R
5およびR
9~R
12は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは
、ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換されたアルキル基であり、
R7およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換の
フェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;置換もしくは非置換のピリジニル基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基であり、
R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のシクロアルキル基であり、
R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合して環を形成し、
R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【請求項2】
R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のシクロアルキル基である、請求項
1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化学式1で表される化合物は、下記化学式のいずれか1つで表される、請求項1に記載の化合物:
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
前記化学式において、Meはメチル基を、Etはエチル基を意味する。
【請求項4】
バインダー樹脂;および請求項1~
3のいずれか1項に記載の化合物を含む光学フィルム形成用組成物。
【請求項5】
前記化合物の含有量は、前記バインダー樹脂100wt%中、0.001wt%~10wt%である、請求項
4に記載の光学フィルム形成用組成物。
【請求項6】
請求項1~
3のいずれか1項に記載の化合物が分散した樹脂マトリックスを含む光学フィルム。
【請求項7】
前記化学式1で表される化合物の含有量は、光学フィルム100wt%中、0.001wt%~10wt%である、請求項
6に記載の光学フィルム。
【請求項8】
前記光学フィルムの吸光波長の最大値における、バックライト下で測定された最初吸光強度と1,000時間後に測定された吸光強度との変化率が82%~99.9%である、請求項
6または
7に記載の光学フィルム。
【請求項9】
請求項
6~
8のいずれか1項に記載の光学フィルムを含むディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、化合物、これを含む光学フィルム形成用組成物および光学フィルム、前記光学フィルムを含むディスプレイ装置に関する。
【0002】
本出願は、2020年3月4日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2020-0027261号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
既存の発光ダイオード(LED)は、青色光発光ダイオードに緑色燐光体および赤色燐光体を混合するか、UV光放出発光ダイオードに黄色燐光体および青-緑色燐光体を混合して得られる。しかし、このような方式は、色相を制御しにくく、これによって演色性が良くない。このため、色再現率が低下する。
【0004】
このような色再現率の低下を克服し、生産費用を低減するために、量子ドットをフィルム化して青色LEDに結合させる方式で緑色および赤色を実現する方式が、最近試みられている。しかし、カドミウム系の量子ドットは安全性の問題があり、その他の量子ドットはカドミウム系に比べて効率が大きく低下する。また、量子ドットは酸素および水に対する安定度が低下し、凝集される場合、その性能が著しく低下するというデメリットがある。さらに、量子ドットの生産時、その大きさを一定に維持しにくく、生産単価が高い。
【0005】
既存のBF2またはB(CN)2ベースのボディピー構造の化合物は、高い光効率と狭い半値幅を有する蛍光染料であって、光学フィルムへの適用時に優れた光特性を提供するが、商業化するには耐光性と耐熱性が不足し、高い耐久性を有する化合物の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】韓国公開特許第2000-0011622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書は、化合物、前記化合物を含む光学フィルム形成用組成物、前記光学フィルム形成用組成物を用いて形成された光学フィルム、前記光学フィルムを含むディスプレイ装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
[化学式1]
【化1】
前記化学式1において、
Xは、Zn;Co;NiまたはPdであり、
R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-OC(=O)R;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換されたアルキル基であり、
R7およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合して環を形成し、
R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【0009】
また、本明細書の一実施態様は、バインダー樹脂;および前記化合物を含む光学フィルム形成用組成物を提供する。
【0010】
また、本明細書の一実施態様は、前記化合物が分散した樹脂マトリックスを含む光学フィルムを提供する。
【0011】
また、本明細書の一実施態様は、前記光学フィルムを含むディスプレイ装置を提供する。
【発明の効果】
【0012】
本明細書の一実施態様に係る化合物は、従来のボディピー(Bodipy)構造の化合物より耐光性および耐熱性に優れている。したがって、本明細書に記載の化合物を光学フィルムの吸光物質として用いることにより、輝度および色再現率に優れ、耐久性に優れた光学フィルムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本明細書の一実施態様に係る色変換フィルムをバックライトユニットに適用した模式図である。
【
図2】本明細書の一実施態様に係る色変換フィルムを含むディスプレイ装置の構造を例示する模式図である。
【
図3】本明細書の一実施態様に係る粘着フィルムの一面に備えられた離型層を含む粘着フィルムの構造を例示する図である。
【
図4】本明細書の一実施態様に係る粘着光学フィルタの構造を例示する図である。
【
図5】本明細書の一実施態様に係るディスプレイ装置の一例であるOLED装置の構造を例示する図である。
【
図6】本明細書の一実施態様に係るOLEDパネルの構造を例示する図である。
【
図7】本明細書に係る背面発光(bottom emission)構造の場合および前面発光(top emission)構造の場合のOLED装置を例示する図である。
【
図8】本明細書に係るカラーフィルタが形成された基板が備えられたOLEDパネルの構造を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0015】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0016】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0017】
本明細書の一実施態様は、下記化学式1で表される化合物を提供する。
[化学式1]
【化2】
前記化学式1において、
Xは、Zn;Co;NiまたはPdであり、
R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換されたアルキル基であり、
R7およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、
R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合して環を形成し、
R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【0018】
本明細書の一実施態様に係る化合物は、前記化学式1で表される新規なボディピー(BODIPY)金属錯体構造を有する。前記化学式1で表される構造は、吸光係数が高い優れた吸光物質であって、従来のボディピー構造の化合物より耐光性および耐熱性に優れている。本出願人は、追加的に、前記化学式1で表される化合物にElectron withdrawing groupを導入することにより、耐光性および耐熱性がより向上することを実験的に確認することができた。したがって、本明細書に記載の化合物を光学フィルムの吸光物質として用いることにより、輝度および色再現率に優れ、耐久性に優れた光学フィルムを提供することができる。
【0019】
前記化学式1のR2、R5、R9およびR12がすべて-C(=O)ORの場合の化合物は、一般的な有機溶媒に対する溶解度が相対的に不足する特徴を実験的に確認することができた。これによって、フィルムの形成時、フィルム内で凝集が発生することがある。この場合、光学フィルム上で化合物にElectron withdrawing groupを導入した効果によって、耐光性は前記化学式1のR2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORでない場合の化合物と比較的類似して観察されるが、凝集効果によって耐熱性が相対的に不足する特徴を実験的に確認することができた。
【0020】
したがって、前記化学式1のR2、R5、R9およびR12がすべて-C(=O)ORの場合、前記Rを溶解度が増加する置換基として導入することが重要である。前記Rを溶解度が増加できる炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基の導入時、直鎖のアルキル基を導入した場合に比べて溶解度が増加し、これによって、耐光性および耐熱性が相対的に増加することを確認することができた。それだけでなく、前記Rが置換されたアルキル基の場合、electron effectを向上させると、追加的な構造的安定性を確保することができる。この場合、耐光性および耐熱性が追加的に向上することが確認された。
【0021】
これにより、前記化学式1のR2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、前記Rが置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である場合の化合物は、前記Rが化合物の溶解度を増加させることが可能で、溶解度の上昇による耐光性および耐熱性の上昇効果が存在し、Electron withdrawing groupを導入した効果を追加的に向上させることができる前記R置換基を介して追加的な耐光性の向上効果を与えることができる。
【0022】
本明細書の一実施態様によれば、前記化学式1で表される化合物を提供する。
【0023】
本明細書において、「隣接した」基は、当該置換基が置換された原子と直接連結された原子に置換された置換基、当該置換基と立体構造的に最も近く位置した置換基、または当該置換基が置換された原子に置換された他の置換基を意味することができる。例えば、ベンゼン環におけるオルト(ortho)位に置換された2個の置換基、および脂肪族環における同一炭素に置換された2個の置換基は、互いに「隣接した」基と解釈される。
【0024】
本明細書において、置換基の例示は以下に説明するが、これに限定されるものではない。
【0025】
前記「置換」という用語は、化合物の炭素原子に結合した水素原子が他の置換基に変わることを意味し、置換される位置は水素原子の置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定せず、2以上置換される場合、2以上の置換基は、互いに同一でも異なっていてもよい。
【0026】
本明細書において、「置換もしくは非置換の」という用語は、重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';ヒドロキシ基;置換もしくは非置換のアミン基;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のハロアルキル基;置換もしくは非置換のアルコキシ基;置換もしくは非置換のアリール基;および置換もしくは非置換のヘテロアリール基からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換されているか、前記例示された置換基のうち2以上の置換基が連結された置換基で置換されるか、もしくはいずれの置換基も有しないことを意味し、前記R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合して環を形成する。
【0027】
本明細書において、ニトリル基は、-CNで表される。
【0028】
本明細書において、ハロゲン基の例としては、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素が挙げられる。
【0029】
本明細書において、アミド基(amide)は、アミド基の窒素が水素、炭素数1~30の直鎖、分枝鎖もしくは環鎖アルキル基、または炭素数6~30のアリール基で置換されていてもよい。本明細書のアミド基は、-(C=O)NR'R''で表されてもよいし、R'およびR''の定義は、本明細書で定義するところによる。
【0030】
本明細書において、アルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~30のものが好ましい。具体例としては、メチル、エチル、プロピル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル、n-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、sec-ブチル、1-メチル-ブチル、1-エチル-ブチル、ペンチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、4-メチル-2-ペンチル、3,3-ジメチルブチル、2-エチルブチル、ヘプチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、オクチル、n-オクチル、tert-オクチル、1-メチルヘプチル、2-エチルヘキシル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、2,2-ジメチルヘプチル、1-エチル-プロピル、1,1-ジメチル-プロピル、イソヘキシル、4-メチルヘキシル、5-メチルヘキシルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0031】
本明細書において、シクロアルキル基は特に限定されないが、炭素数3~30のものが好ましく、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、3-メチルシクロペンチル、2,3-ジメチルシクロペンチル、シクロヘキシル、3-メチルシクロヘキシル、4-メチルシクロヘキシル、2,3-ジメチルシクロヘキシル、3,4,5-トリメチルシクロヘキシル、4-tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本明細書において、ハロアルキル基は、アルキル基の水素原子が同一または異なるハロゲン基に代替されたアルキル基を示す。前記ハロアルキル基は、直鎖もしくは分枝鎖であってもよく、炭素数は特に限定されないが、1~10のものが好ましい。具体例としては、-CH2Cl、-CF3、-CH2CF3、-CF2CF3などがあるが、これらに限定されるものではない。前記-CF3は、トリフルオロアルキル基を意味する。
【0033】
本明細書において、アルコキシ基は、直鎖、分枝鎖もしくは環鎖であってもよい。アルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、炭素数1~30のものが好ましい。
【0034】
本明細書において、アリール基は特に限定されないが、炭素数6~30のものが好ましく、前記アリール基は、単環式または多環式であってもよい。
【0035】
前記アリール基が単環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数6~30のものが好ましい。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0036】
前記アリール基が多環式アリール基の場合、炭素数は特に限定されないが、炭素数10~30のものが好ましい。具体的には、多環式アリール基としては、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、トリフェニル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などになってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0037】
本明細書において、フルオレニル基は置換されていてもよいし、隣接した基が互いに結合して環を形成してもよい。
【0038】
前記フルオレニル基が置換される場合、
【化3】
などになってもよい。ただし、これに限定されるものではない。
【0039】
本明細書において、アリールオキシ基およびアリールチオ基中のアリール基は、前述したアリール基の例示の通りである。具体的には、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p-トリルオキシ基、m-トリルオキシ基、3,5-ジメチル-フェノキシ基、2,4,6-トリメチルフェノキシ基、p-tert-ブチルフェノキシ基、3-ビフェニルオキシ基、4-ビフェニルオキシ基、1-ナフチルオキシ基、2-ナフチルオキシ基、4-メチル-1-ナフチルオキシ基、5-メチル-2-ナフチルオキシ基、1-アントリルオキシ基、2-アントリルオキシ基、9-アントリルオキシ基、1-フェナントリルオキシ基、3-フェナントリルオキシ基、9-フェナントリルオキシ基などがあり、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、2-メチルフェニルチオ基、4-tert-ブチルフェニルチオ基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
本明細書において、ヘテロアリール基は、炭素でない原子、異種原子を1以上含むものであって、具体的には、前記異種原子は、O、N、Se、およびSなどからなる群より選択される原子を1以上含むことができる。炭素数は特に限定されないが、炭素数2~30のものが好ましく、前記ヘテロアリール基は、単環式または多環式であってもよい。ヘテロアリール基の例としては、チオフェン基、フラニル基、ピロール基、ピリジニル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピリジル基、ビピリジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、トリアゾリル基、アクリジル基、ピリダジニル基、ピラジニル基、キノリニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、フタラジニル基、ピリドピリミジル基、ピリドピラジニル基、ピラジノピラジニル基、イソキノリニル基、インドリル基、カルバゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾカルバゾリル基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基、フェナントロリニル基(phenanthroline)、イソオキサゾリル基、チアジアゾリル基、フェノチアジニル基、およびジベンゾフラニル基などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本明細書の一実施態様において、Xは、Zn;Co;NiまたはPdである。
【0042】
本明細書の一実施態様において、Xは、Znである。
【0043】
本明細書の一実施態様において、Xは、Coである。
【0044】
本明細書の一実施態様において、Xは、Pdである。
【0045】
本明細書の一実施態様において、Xは、Niである。
【0046】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換のアルキル基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換もしくは非置換のアリール基;または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。
【0047】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~30のヘテロアリール基である。
【0048】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~20のヘテロアリール基である。
【0049】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基;または置換もしくは非置換の炭素数2~10のヘテロアリール基である。
【0050】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;置換もしくは非置換のメチル基;置換もしくは非置換のイソプロピル基;置換もしくは非置換のシクロペンチル基;置換もしくは非置換のシクロヘキシル基;置換もしくは非置換のフェニル基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基である。
【0051】
本明細書の一実施態様において、R1~R6およびR8~R13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;メチル基;トリフルオロメチル基;イソプロピル基;メチル基で置換されたシクロペンチル基;メチル基またはイソプロピル基で置換もしくは非置換のシクロヘキシル基;トリフルオロメチル基で置換されたフェニル基;またはジベンゾフラニル基である。
【0052】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のシクロアルキル基である。
【0053】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基である。
【0054】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基である。
【0055】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;重水素;置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基である。
【0056】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のメチル基;または置換もしくは非置換のシクロヘキシル基である。
【0057】
本明細書の一実施態様において、R1、R6、R8およびR13は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;メチル基;またはメチル基またはイソプロピル基で置換もしくは非置換のシクロヘキシル基である。
【0058】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、ハロゲン基;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換されたアルキル基である。
【0059】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換された炭素数1~30のアルキル基である。
【0060】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換された炭素数1~20のアルキル基である。
【0061】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換された炭素数1~10のアルキル基である。
【0062】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12の少なくとも1つは、フッ素;ニトリル基;ニトロ基;-C(=O)OR;-(C=O)NR'R'';-CHO;またはフッ素で置換されたメチル基である。
【0063】
本明細書の一実施態様において、R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合してOを含むヘテロ環を形成する。
【0064】
本明細書の一実施態様において、R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合してOを含むヘテロ環を形成する。
【0065】
本明細書の一実施態様において、R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基;置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基であるか、R'およびR''は、互いに結合してOを含むヘテロ環を形成する。
【0066】
本明細書の一実施態様において、R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のメチル基;置換もしくは非置換のエチル基;置換もしくは非置換のシクロヘキシル基;または置換もしくは非置換のフェニル基であるか、R'およびR''は、互いに結合してモルホリニル(morpholinyl)基を形成する。
【0067】
本明細書の一実施態様において、R、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;メチル基;エチル基;アルコキシ基で置換されたメチル基;ニトロ基で置換されたフェニル基で置換されたメチル基;フェニル基;ニトロ基で置換されたフェニル基;tert-ブチル基で置換されたフェニル基;またはニトリル基で置換されたフェニル基であるか、R'およびR''は、互いに結合してモルホリニル(morpholinyl)基を形成する。
【0068】
本明細書の一実施態様において、Rは、メチル基;エチル基;アルコキシ基で置換されたメチル基;ニトロ基で置換されたフェニル基で置換されたメチル基;ニトロ基で置換されたフェニル基;tert-ブチル基で置換されたフェニル基;またはニトリル基で置換されたフェニル基である。
【0069】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、アルキル基を除いた少なくとも1つの置換基で置換されるアルキル基を意味する。
【0070】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、ハロゲン基、ニトリル基、ニトロ基、ハロゲン基で置換されたアルキル基、アルコキシ基で置換されたアルキル基、-C(=O)OR、-(C=O)NR'R''、または-CHOで置換されたアルキル基であり、R、R'およびR''は、前述した通りである。
【0071】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、メトキシ基で置換されたエトキシ基、メトキシ基で置換されたメチル基、ニトロ基で置換されたフェニル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはニトリル基で置換された炭素数1~30のアルキル基である。
【0072】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、メトキシ基で置換されたエトキシ基、メトキシ基で置換されたメチル基、ニトロ基で置換されたフェニル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはニトリル基で置換された炭素数1~20のアルキル基である。
【0073】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、メトキシ基で置換されたエトキシ基、メトキシ基で置換されたメチル基、ニトロ基で置換されたフェニル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはニトリル基で置換された炭素数1~10のアルキル基である。
【0074】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、メトキシ基で置換されたエトキシ基、メトキシ基で置換されたメチル基、ニトロ基で置換されたフェニル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはニトリル基で置換された炭素数1~5のアルキル基である。
【0075】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが置換されたアルキル基である場合、メトキシ基で置換されたエトキシ基、ニトロ基で置換されたフェニル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、またはニトリル基で置換されたメチル基;またはメトキシ基で置換されたメチル基で置換されたn-プロピル基である。
【0076】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORであり、Rが炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である場合、好ましくは、Rは、1-エチルプロピル基;または2-エチルヘキシル基である。
【0077】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6~30のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基;置換された炭素数1~30のアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【0078】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6~20のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基;置換された炭素数1~20のアルキル基;または炭素数3~20の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【0079】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換の炭素数6~12のアリール基;置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基;置換された炭素数1~10のアルキル基;または炭素数3~10の分枝鎖の非置換のアルキル基である。
【0080】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のシクロヘキシル基;置換されたメチル基;置換されたエチル基;置換されたn-プロピル基;1-エチルプロピル基;または2-エチルヘキシル基である。
【0081】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のシクロヘキシル基;置換されたメチル基;1-エチルプロピル基;または2-エチルヘキシル基である。
【0082】
本明細書の一実施態様において、R2、R5、R9およびR12が-C(=O)ORの場合、Rは、フッ素、またはトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基;メチル基およびイソプロピル基からなる群より選択される1つ以上で置換されたシクロヘキシル基;ニトリル基で置換されたメチル基;フッ素で置換されたエチル基;フッ素で置換されたイソプロピル基;メトキシ基で置換されたメチル基で置換されたn-プロピル基;1-エチルプロピル基;または2-エチルヘキシル基である。
【0083】
前記アルコキシ基で置換されたメチル基は、下記化学式のいずれか1つで表されてもよい。
【化4】
【化5】
は、他の置換基または結合部に結合する部位を意味する。
【0084】
前記アルコキシ基で置換されたメチル基は、メトキシ基でさらに置換されていてもよい。
本明細書の一実施態様において、R'およびR''は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;メチル基;ニトロ基で置換されたフェニル基で置換されたメチル基;メトキシ基で置換されたメチル基;エチル基;シクロヘキシル基;ニトロ基で置換されたフェニル基;またはフェニル基であるか、互いに結合してモルホリニル(morpholinyl)基を形成する。
【0085】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のアルキル基;または置換もしくは非置換のシクロアルキル基である。
【0086】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~30のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~30のシクロアルキル基である。
【0087】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~20のシクロアルキル基である。
【0088】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換の炭素数1~10のアルキル基;または置換もしくは非置換の炭素数3~10のシクロアルキル基である。
【0089】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;置換もしくは非置換のメチル基;置換もしくは非置換のイソプロピル基;置換もしくは非置換のシクロペンチル基;または置換もしくは非置換のシクロヘキシル基である。
【0090】
本明細書の一実施態様において、R3、R4、R10およびR11は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、水素;メチル基;イソプロピル基;メチル基で置換されたシクロペンチル基;またはメチル基またはイソプロピル基で置換もしくは非置換のシクロヘキシル基である。
【0091】
本明細書の一実施態様において、R7およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、置換もしくは非置換のフェニル基;置換もしくは非置換のビフェニル基;置換もしくは非置換のナフチル基;置換もしくは非置換のピリジニル基;または置換もしくは非置換のジベンゾフラニル基である。
【0092】
本明細書の一実施態様において、R7およびR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して、フッ素、ニトリル基、メチル基、トリフルオロメチル基、tert-ブチル基、またはメトキシ基で置換もしくは非置換のフェニル基;メチル基で置換されたビフェニル基;ナフチル基;ピリジニル基;またはジベンゾフラニル基である。
【0093】
本明細書のもう一つの実施態様によれば、前記化学式1は、下記化学式のいずれか1つで表されてもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【化6】
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
前記化学式において、Meはメチル基を、Etはエチル基を意味する。
【0094】
本明細書の一実施態様において、光学フィルム形成用組成物は、バインダー樹脂;および前述した化合物を含む。具体的には、前記光学フィルム形成用組成物は、色変換フィルム形成用組成物または粘着フィルム形成用組成物である。
【0095】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物の含有量は、前記バインダー樹脂100wt%を基準として0.001wt%~10wt%である。化学式1で表される化合物の含有量が前記範囲に含まれる場合、均一な組成物の製造が可能であるというメリットがある。
【0096】
本明細書の一実施態様において、前記バインダー樹脂は、機械的強度を付与するモノマー;およびアルカリ溶解性を付与するモノマーの共重合樹脂である。
【0097】
前記機械的強度を付与するモノマーは、不飽和カルボン酸エステル類;芳香族ビニル類;不飽和エーテル類;不飽和イミド類;および酸無水物のいずれか1つ以上であってもよい。
【0098】
前記不飽和カルボン酸エステル類の具体例としては、ベンジル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-フェノキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アシルオクチルオキシ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、3-メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、p-ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロイソプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、メチルα-ヒドロキシメチルアクリレート、エチルα-ヒドロキシメチルアクリレート、プロピルα-ヒドロキシメチルアクリレート、およびブチルα-ヒドロキシメチルアクリレートなどがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0099】
前記芳香族ビニル類の具体例としては、スチレン、α-メチルスチレン、(o,m,p)-ビニルトルエン、(o,m,p)-メトキシスチレン、および(o,m,p)-クロロスチレンなどがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0100】
前記不飽和エーテル類の具体例としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、およびアリルグリシジルエーテルなどがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0101】
前記不飽和イミド類の具体例としては、N-フェニルマレイミド、N-(4-クロロフェニル)マレイミド、N-(4-ヒドロキシフェニル)マレイミド、およびN-シクロヘキシルマレイミドなどがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0102】
前記酸無水物としては、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、およびテトラヒドロフタル酸無水物などがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0103】
前記アルカリ溶解性を付与するモノマーは、酸基を含有したモノマーであってもよい。
【0104】
前記酸基を含有したモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、イソプレンスルホン酸、スチレンスルホン酸、および5-ノルボルネン-2-カルボン酸などがあるが、これらのみに限定されるものではない。
【0105】
本明細書の一実施態様において、前記バインダー樹脂は、SAN(Styrene-acrylonitrile)(スチレン-アクリロニトリル系)である。
【0106】
本明細書の一実施態様において、前記バインダー樹脂の重量平均分子量は、1,000g/mol~200,000g/molである。
【0107】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルム形成用組成物100wt%中、前記バインダー樹脂の含有量は1wt%~50wt%であってもよい。
【0108】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルム形成用組成物は、官能性モノマー、光開始剤、および溶媒をさらに含むことができる。
【0109】
本明細書の一実施態様において、前記官能性モノマーは、単官能性モノマーまたは多官能性モノマーであってもよいし、前記単官能性モノマーは、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、およびフェノキシエチル(メタ)アクリレートの中から選択された1種以上であってもよく、前記多官能性モノマーは、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの中から選択された1種以上であってもよいが、これらのみに限定されるものではない。
【0110】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルム形成用組成物100wt%中、前記官能性モノマーの含有量は1wt%~30wt%であってもよい。
【0111】
本明細書の一実施態様において、前記光開始剤は、光によってラジカルを発生させて架橋を引き起こす開始剤であれば、特に限定されないが、例えば、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、およびオキシム系化合物からなる群より選択される1種以上であってもよい。
【0112】
前記アセトフェノン系化合物は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-(4-メチルチオ)フェニル-2-モルホリノ-1-プロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、2-(4-ブロモ-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、または2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オンなどがあり、これらに限定されない。
【0113】
前記ビイミダゾール系化合物としては、2,2-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾール、2,2'-ビス(o-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラキス(3,4,5-トリメトキシフェニル)-1,2'-ビイミダゾール、2,2'-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾール、2,2'-ビス(o-クロロフェニル)-4,4,5,5'-テトラフェニル-1,2'-ビイミダゾールなどがあり、これらに限定されない。
【0114】
前記トリアジン系化合物は、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオン酸、1,1,1,3,3,3-ヘキサフロロイソプロピル-3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオネート、エチル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、2-エポキシエチル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、シクロヘキシル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、ベンジル-2-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}アセテート、3-{クロロ-4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオン酸、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロピオンアミド、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(1-p-ジメチルアミノフェニル)-1,3,-ブタジエニル-s-トリアジン、2-トリクロロメチル-4-アミノ-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジンなどがあり、これらに限定されない。
【0115】
前記オキシム系化合物は、1,2-オクタジオン-1-(4-フェニルチオ)フェニル-2-(o-ベンゾイルオキシム)(チバガイギー社、CGI124)、エタノン-1-(9-エチル)-6-(2-メチルベンゾイル-3-イル)-1-(O-アセチルオキシム)(CGI242)、N-1919(アデカ社)などがあり、これらに限定されない。前記光開始剤の含有量は、前記光学フィルム形成用組成物100wt%中、0.1wt%~10wt%であってもよい。
【0116】
本明細書の一実施態様において、前記溶媒としては、キシレン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピルグリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエチルエーテル、2-エトキシプロパノール、2-メトキシプロパノール、3-メトキシブタノール、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート、エチル3-エトキシプロピオネート、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、ブチルアセテート、およびジプロピレングリコールモノメチルエーテルの中から選択された1種以上が使用できるが、これらに限定されるものではない。
【0117】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルム形成用組成物は、硬化剤、界面活性剤、密着促進剤、接着助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、および凝集防止剤などの添加剤をさらに含むことができ、前記添加剤の含有量は、前記光学フィルム形成用組成物100wt%中、0.1wt%~10wt%であってもよい。
【0118】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物、バインダー樹脂、官能性モノマー、光開始剤、および前記添加剤を除いた残部は、すべて溶媒であってもよい。
【0119】
本明細書の一実施態様において、光学フィルムは、前記化合物が分散した樹脂マトリックスを含む。前記光学フィルムは、色変換フィルムまたは粘着フィルムである。
【0120】
前記樹脂マトリックスは、前述した光学フィルム形成用組成物から溶媒を除去し、熱硬化またはUV硬化により得た結果物を意味する。具体的には、バインダー樹脂と官能性モノマーが鎖構造に重合されて固体化された状態を意味し、重合鎖の間毎に前記化学式1で表される化合物および添加剤などが均一に分布する。
【0121】
本明細書のもう一つの実施態様において、光学フィルムは、前記光学フィルム形成用組成物の硬化物を含む。硬化物とは、前記組成物に含まれる溶媒が乾燥した後に硬化したもので、前記組成物に含まれる各構成要素が化学的および/または物理的な結合をなして架橋されたものを意味する。
【0122】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物の含有量は、前記光学フィルム100wt%中、0.001wt%~10wt%である。光学フィルム中の前記化学式1で表される化合物の含有量は、フィルムにおける光特性により吸光効率を測定する間接的な方法により確認することができる。
【0123】
前記光学フィルムは、前記化合物を1種含むことができ、2種以上含むこともできる。
【0124】
以下、前記光学フィルムが色変換フィルムの場合と、粘着フィルムの場合とに分けて説明する。
【0125】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルムが色変換フィルムの場合、450nmの波長を含む光を照射した時、吸光ピークの半値幅が30nm~70nmであり、最大吸光波長が480nm~550nmの範囲内に存在する。
【0126】
前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物のほか、追加の蛍光物質をさらに含むことができる。青色光を発光する光源を用いる場合には、前記色変換フィルムは、緑色発光蛍光物質と赤色発光蛍光物質がすべて含まれることが好ましい。また、青色光と緑色光を発光する光源を用いる場合には、前記色変換フィルムは、赤色発光蛍光物質のみ含むことができる。ただし、これに限定されるものではなく、青色光を発光する光源を用いる場合にも、緑色発光蛍光物質を含む別のフィルムを積層する場合には、前記色変換フィルムは、赤色発光化合物のみを含むことができる。逆に、青色光を発光する光源を用いる場合にも、赤色発光蛍光物質を含む別のフィルムを積層する場合には、前記色変換フィルムは、緑色発光化合物のみを含むことができる。
【0127】
前記色変換フィルムは、前記化学式1で表される化合物と異なる波長の光を吸光する化合物が分散した他の樹脂マトリックスを含む追加の層をさらに含むことができる。前記化学式1で表される化合物と異なる波長の光を吸光する化合物も同じく、前記化学式1で表される化合物であってもよく、公知の他の吸光物質であってもよい。
【0128】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルムは、追加的に光拡散粒子を含む。輝度を向上させるために、従来用いられる光拡散フィルムの代わりに、光拡散粒子を色変換フィルムの内部に分散させることにより、別の光拡散フィルムを用いるのに対し、付着工程を省略できるだけでなく、より高い輝度を示すことができる。
【0129】
光拡散粒子としては、樹脂マトリックスと屈折率の高い粒子が使用可能であり、例えば、TiO2、シリカ、ボロシリケート、アルミナ、サファイア、空気または他のガスが充填された中空ビーズまたは粒子(例えば、空気/ガスが充填されたガラスまたはポリマー);ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、アクリル、メチルメタクリレート、スチレン、メラミン樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、またはメラミンおよびホルムアルデヒド樹脂を含めたポリマー粒子;またはこれらの任意の好適な組み合わせが使用可能である。
【0130】
本明細書の一実施態様において、前記光拡散粒子の粒径は、0.1μm~5μmの範囲内、例えば、0.3μm~1μmの範囲内であってもよい。光拡散粒子の含有量は、必要に応じて定められ、例えば、樹脂マトリックス100重量部を基準として約1重量部~30重量部の範囲内であってもよい。
【0131】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルムは、厚さが2μm~200μmであってもよい。具体的には、前記厚さは、2μm~20μmであってもよく、2μm~10μmであってもよいし、2μm~5μmであってもよい。特に、前記色変換フィルムは、厚さが2μm~20μmの薄い厚さでも高い輝度を示すことができる。これは、単位体積上に含まれる蛍光物質分子の含有量が量子ドットに比べて高いからである。
【0132】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルムの一面に基材が備えられる。この基材は、前記色変換フィルムの製造時に支持体としての機能を果たすことができる。基材の種類としては特に限定されず、透明で、前記支持体としての機能を果たせるものであれば、その材質や厚さに限定されない。ここで、透明とは、可視光線透過率が70%以上であることを意味する。例えば、前記基材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが使用できる。
【0133】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルムは、前述した色変換フィルム形成用組成物を基材上にコーティングし乾燥する方法;または前述した化学式1で表される化合物を樹脂と共に押出してフィルム化する方法で製造できる。
【0134】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルム形成用組成物を基材上にコーティングする工程は、ロールツーロール工程を用いることができる。例えば、基材が巻取られたロールから基材を解いた後、前記基材の一面に前記色変換フィルム形成用組成物をコーティングし、乾燥した後、これを再びロールに巻取る工程で行われる。ロールツーロール工程を用いる場合、前記組成物の粘度を前記工程が可能な範囲に決定することが好ましく、例えば、200cps~2,000cpsの範囲内で決定可能である。前記組成物の粘度は、20℃で測定された値であってもよい。
【0135】
前記コーティング方法としては、公知の多様な方式を用いることができ、例えば、スピンコーティング、ダイ(die)コーティング、コンマ(comma)コーティング、逆コンマ(reverse comma)コーティングなど多様なコーティング方式が使用できる。
【0136】
前記コーティングの後に乾燥工程を行う。乾燥工程は、溶媒を除去するのに必要な条件で行うことができる。例えば、基材がコーティング工程時に進行する方向に、コーターに隣接して位置したオーブンにて溶媒が十分に揮発する条件で乾燥して、基材上に所望の厚さおよび濃度の化学式1で表される化合物を含めた蛍光物質を含む色変換フィルムを得ることができる。
【0137】
本明細書の一実施態様において、前記化学式1で表される化合物を樹脂と共に押出してフィルム化する場合には、当技術分野にて知られている押出方法を利用することができ、例えば、化学式1で表される化合物をポリカーボネート系(PC)、ポリ(メタ)アクリル系、および/またはスチレン-アクリロニトリル系(SAN)樹脂と共に押出することにより、色変換フィルムを製造することができる。
【0138】
本明細書の一実施態様において、前記色変換フィルムは、少なくとも一面に保護フィルムまたはバリアフィルムが備えられる。保護フィルムおよびバリアフィルムとしては、当技術分野にて知られているものが使用可能である。
【0139】
本明細書の一実施態様において、バックライトユニットは、前述した色変換フィルムを含む。前記バックライトユニットは、前記色変換フィルムを含むことを除けば、当技術分野にて知られているバックライトユニット構成を有することができる。
【0140】
本明細書の一実施態様において、前記光学フィルムの吸光波長の最大値における、バックライト下で測定された最初吸光強度と1,000時間後に測定された吸光強度との変化率が82%~99.9%である。
【0141】
前記光学フィルムの吸光波長の最大値は、500nm~600nmであり、503nm~600nmである。
【0142】
具体的には、前記変化率は、(前記1,000時間後に測定された吸光強度/前記最初吸光強度)×100を意味する。
【0143】
前記最初吸光強度は、前記光学フィルムの製造直後の測定値を意味する。
【0144】
前記変化率は、具体的には82.5%~99.5%である。前記変化率は、さらに具体的には90%~97%である。
【0145】
前記変化率が前述した範囲を満足する場合、前記光学フィルムの耐光性および耐久性に優れている。
【0146】
本明細書の他の実施態様において、80℃のオーブン条件を加える前に、前記光学フィルムの吸光波長の最大値における、測定された最初吸光強度と前記光学フィルムをバックライトなしに80℃のオーブン条件下で500時間経過後に測定された吸光強度との変化率が90%~99.9%である。
【0147】
前記光学フィルムの吸光波長の最大値は、500nm~600nmであり、503nm~600nmである。
【0148】
具体的には、前記変化率は、(前記80℃のオーブン条件下で500時間後に測定された最初吸光強度/前記80℃のオーブン条件を加える前に測定された最初吸光強度)×100を意味する。
【0149】
前記変化率は、具体的には92%~99.5%である。前記変化率は、さらに具体的には92.5%~98%である。
【0150】
前記変化率が前述した範囲を満足する場合、前記光学フィルムの耐熱性に優れている。
【0151】
図1に一例によるバックライトユニット構造の模式図を示した。
図1によれば、導光板の反射板に対向する面の反対面に前記化学式1で表される化合物を含む色変換フィルムが備えられる。
図1には、光源と、光源を取り囲む反射板とを含む構成を例示したが、このような構造に限定されるものではなく、当技術分野にて知られているバックライトユニットの構造によって変形可能である。また、光源は、側鎖型だけでなく、直下型が用いられてもよいし、反射板や反射層は、必要に応じて省略されるか、他の構成に代替されてもよいし、必要に応じて追加のフィルム、例えば、光拡散フィルム、集光フィルム、輝度向上フィルムなどがさらに追加的に備えられてもよい。好ましくは、色変換フィルム上に、プリズムシート、多層反射型偏光子フィルム、集光フィルム、または二重輝度向上フィルム(DBEF film)を追加的に備える。前記導光板は、光源から直接発光するか、前記反射板で反射した光を誘導する。前記導光板の内部に流入した光は、反射、全反射、屈折、透過などの光学的過程の繰り返しで不均一な光分布を有するが、これを均一な明るさに誘導するために2次元的な光分散パターンを用いることができる。
【0152】
本明細書の一実施態様において、前記バックライトユニットは、光源および導光板;前記色変換フィルム;プリズムシート;および二重輝度向上フィルムを含む。
【0153】
後述する実施例では、LED青色バックライトおよび導光板を含むバックライトユニットの導光板の一面に積層された色変換フィルム上にプリズムシートを積層し、前記プリズムシート上に二重輝度向上フィルムが積層された構造が記載され、前記バックライトユニットの構造はこれに限定されるものではなく、当技術分野における前記構造に基づいて前記
図1によるバックライトユニットの構造を容易に類推することができる。
【0154】
図1のようなバックライトユニットの構成のうち、前記導光板の上面または下面には、必要に応じて散乱パターンが備えられる。導光板の内部に流入した光は、反射、全反射、屈折、透過などの光学的過程の繰り返しで不均一な光分布を有するが、前記散乱パターンは、前記不均一な光分布を均一な明るさに誘導するために用いられる。
【0155】
本明細書の一実施態様によれば、前記バックライトユニットを含むディスプレイ装置を提供する。バックライトユニットを含むディスプレイ装置であれば特に限定されない。例えば、前記ディスプレイ装置は、ディスプレイモジュールおよびバックライトユニットを含む。
図2にディスプレイ装置の構造を例示した。しかし、これのみに限定されたわけではなく、ディスプレイモジュールとバックライトユニットとの間に、必要な場合、追加のフィルム、例えば、光拡散フィルム、集光フィルム、輝度向上フィルムなどがさらに追加的に備えられてもよい。
【0156】
本明細書において、前記光学フィルムが粘着フィルムの場合、粘着フィルムは、光学粘着層としての機能を果たすことができる。光学粘着層としての機能とは、可視光を吸収できる有機染料を組み合わせたブラック(Black)のカラーの粘着フィルムを形成させ、これを含むOLEDパネルは高いパネル反射率を抑制させる。すなわち、粘着フィルムの可視光透過率は、約30%~90%の範囲で制御可能であり、パネルの反射率および反射色によって可視光領域の透過率が適宜調節可能である。
【0157】
本出願の一実施態様において、前記粘着フィルムの厚さは、3μm以上100μm以下であってもよい。
【0158】
他の実施態様において、前記粘着フィルムの厚さは、3μm以上100μm以下、好ましくは5μm以上80μm以下、さらに好ましくは10μm以上50μm以下であってもよい。
【0159】
本明細書の一実施態様において、前記粘着フィルムは、一面に備えられた離型層をさらに含む。
【0160】
図3は、本明細書の一実施態様に係る粘着フィルム3の一面に備えられた離型層4が備えられた場合の構造を例示する図である。
【0161】
本明細書において、前記離型層は、前記粘着フィルムの一面に離型処理により形成される透明層を意味するものであり、前記粘着フィルムの製造過程において悪影響を及ぼすものでなければ、材料、厚さ、物性などの制限なく採用可能である。前記粘着フィルムの一面に備えられた離型層は、前記粘着フィルムの製造後に除去できる。
【0162】
前記離型層は、アセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、アクリル系、フッ素系、およびシリコーン系樹脂からなる群より選択される1以上を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0163】
前記離型層の厚さは、10nm以上1,000nm以下、好ましくは20nm以上800nm以下、さらに好ましくは40nm以上100nm以下であってもよいが、これに限定されるものではない。本明細書において、前記粘着フィルムは、離型層または基材上に前述した粘着剤組成物をバーコーターで塗布して製造できる。前記粘着フィルムは、基材上に前述した粘着剤組成物をバーコーターで塗布した後、乾燥して製造できる。前記基材に関する説明は後述による。前記塗布および乾燥方法は特に限定されず、当技術分野にて使用される方法が適宜採用可能である。
【0164】
本明細書の一実施態様は、粘着フィルムと、前記粘着フィルムの一面に備えられた反射防止膜とを含む粘着光学フィルタを提供する。
【0165】
また、本明細書の一実施態様は、前記粘着フィルムと前記反射防止膜との間に基材をさらに含む粘着光学フィルタを提供する。
【0166】
図4は、本明細書に係る粘着光学フィルタの構造を例示する図である。前記粘着光学フィルタ10は、基材2と、前記基材2の一面に備えられた前記粘着フィルム3と、前記基材2と前記粘着フィルム3との接する面の反対面に備えられた反射防止膜1とを含む。
【0167】
本明細書の一実施態様において、前記粘着光学フィルタの基材は、PET(polyethylene terephthalate)、TAC(cellulose triacetate)、ポリエステル(polyester)、PC(polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されてもよい。
【0168】
本出願の一実施態様において、前記粘着光学フィルタの基材の厚さは、10μm以上200μm以下、好ましくは15μm以上100μm以下、さらに好ましくは20μm以上75μm以下であってもよい。
【0169】
また、前記基材は、透明のものが好ましい。ここでいう基材が透明という意味は、可視光(400nm~700nm)の光透過率が80%以上であることを示す。基材が前記範囲を有する場合、積層された粘着フィルムが薄膜化可能な特性を有する。
【0170】
本明細書において、前記反射防止膜は、外光反射抑制機能をするもので、当技術分野にて適用されるものが制限なく採用可能である。前記反射防止膜の厚さは特に限定されず、本明細書のディスプレイ装置全体の厚さあるいは目的とする効果を考慮して設定することができる。OLEDパネルの高いパネル反射率を抑制させるために、可視光吸収有機染料を組み合わせたブラック(Black)のカラーの粘着フィルムを形成させる。
【0171】
具体的には、前記反射防止膜は、外部の光反射を最小化するために、低屈折および高屈折層を積層あるいは混合して構成される。これは、乾式法または湿式法の方法で製造することができ、乾式法は、蒸着やスパッタリングなどを利用して複数の薄膜層を積層して形成される。湿式法は、屈折率が1.5以上の樹脂と1.5未満の樹脂とを用いて主に2重層で構成され、1.5以上の高屈折層は、(メタ)アクリレート樹脂などを用いて形成することができ、1.5未満の低屈折層は、(メタ)アクリレート系樹脂およびフッ素系(メタ)アクリレート系樹脂を単独または混合して用いることができる。この時、1.45以下のより低い屈折率を有する層を形成するために、フッ素系樹脂内にシリカ微粒子あるいは中空シリカ粒子(Hollow silica particles)を追加的に含むことができる。
【0172】
前記粘着光学フィルタは、順次に、基材の一面に反射防止膜を積層した後、前記基材の前記反射防止膜が接する面の反対面に前記粘着フィルムを積層して製造することができる。
【0173】
また、前記粘着光学フィルタは、基材の一面に反射防止膜を積層し、別途に前記粘着フィルムを製造した後、前記基材に積層された前記反射防止膜が接する面の反対面に前記粘着フィルムを付着させて製造することができる。
【0174】
前記基材の一面に前記反射防止膜を積層する方法および前記基材の前記反射防止膜が接する面の反対面に前記粘着フィルムを積層する方法は特に限定されず、例えば、塗布などの方法を採用することができ、その他当技術分野にて使用される方法が適宜採用可能である。
【0175】
本明細書の一実施態様は、前記粘着光学フィルタを含むディスプレイ装置を提供する。
【0176】
前記ディスプレイ装置が前記粘着光学フィルタを含む場合、ヘイズ(haze)を誘発させず、耐光信頼性が非常に優れている。
【0177】
本明細書の一実施態様において、前記ディスプレイ装置は、OLEDパネルと、前記OLEDパネルの一面に備えられた前記粘着光学フィルタとを含むOLED装置である。
【0178】
すなわち、前記ディスプレイ装置は、具体的には、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置を例示することができる。
【0179】
図5は、本明細書の一実施態様に係るディスプレイ装置の一例であるOLED装置30の構造を例示する図である。本明細書のOLED装置30は、OLEDパネル20と、前記OLEDパネル20の一面に備えられた前記粘着フィルム3、基材2、および反射防止膜1が順次に構成されている粘着光学フィルタ10とを含むことができる。具体的には、前記OLED装置30において、前記OLEDパネル20と前記粘着光学フィルタ10との接する一面は、前記粘着フィルム3と前記基材2との接する面の反対面である。
【0180】
前記OLED装置において、前記粘着光学フィルタは、先に説明した内容が適用される。
【0181】
本明細書において、前記OLEDパネルは、基板、下部電極、有機物層、および上部電極を順次に含むことができる。前記有機物層は、下部電極と上部電極に電圧が印加された時に光を発し得る有機物質を含むことができる。前記下部電極および上部電極のいずれか1つは陽極(anode)であり、他の1つは陰極(cathode)であってもよい。前記陽極(anode)は、正孔(hole)が注入される電極で、仕事関数(work function)の高い導電物質で作られ、陰極は、電子が注入される電極で、仕事関数の低い導電物質で作られる。通常、陽極(anode)としては、仕事関数の大きいITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)のような透明金属酸化物層を使用することができ、陰極としては、仕事関数の低い金属電極を使用することができる。一般的に、有機物層は透明であるため、上部電極および下部電極を透明にする場合、透明ディスプレイを実現することができる。一つの例において、前記上部電極または下部電極の厚さを非常に薄くする場合、透明なディスプレイを実現することができる。
【0182】
図6は、本明細書の一実施態様に係るOLEDパネルの構造を例示する図で、前記OLEDパネルは、基板11;下部電極12;有機物層13;および上部電極14を順次に含むことを確認することができる。前記OLEDパネルは、上部電極上に外部から水分および/または酸素が流入するのを防止する機能をする封止基板15をさらに含むことができる。
【0183】
前記有機物層は、発光層を含むことができ、電荷注入および伝達のための共通層をさらに含むことができる。具体的には、前記電荷注入および伝達のための共通層は、電子と正孔のバランスをとるための正孔伝達層(hole transporting layer)、正孔注入層(hole injecting layer)、電子注入層(electron injecting layer)、および電子伝達層(electron transporting layer)を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0184】
前記粘着光学フィルタは、OLEDパネルにおいて光が出る側に配置される。例えば、基板側に光が出る背面発光(bottom emission)構造の場合、基板の外側に配置され、封止基板側に光が出る前面発光(top emission)構造の場合、封止基板の外側に配置される。
【0185】
具体的には、
図7の(a)は、前記OLEDパネル20が背面発光(bottom emission)構造の場合のOLED装置を例示する図で、前記有機物層13から基板11側に光が出る背面発光構造は、前記基板11と前記下部電極12との接する面の反対面に粘着光学フィルタ10が備えられ、前記粘着光学フィルタ10に含まれる粘着フィルム3の前記基材2と接する面の反対面が前記OLEDパネル20の基板11と接して備えられる。
【0186】
図7の(b)は、前記OLEDパネル20が前面発光(top emission)構造の場合のOLED装置を例示する図で、前記有機物層13から前記封止基板15側に光が出る前面発光構造は、前記封止基板15と前記上部電極14との接する面の反対面に粘着光学フィルタ10が備えられ、前記粘着光学フィルタ10に含まれる粘着フィルム3の前記基材2と接する面の反対面が前記OLEDパネル20の封止基板15と接して備えられる。
【0187】
図面に例示しないものの、前記OLEDパネルは、両面発光構造であってもよいし、前記OLEDパネルが両面発光構造の場合、前記粘着光学フィルタは、前記OLEDパネルの最外側の両面に備えられてもよいし、また、前記OLEDパネルの最外側の片面に備えられてもよい。
【0188】
前記粘着光学フィルタは、外光がOLEDパネルの電極および配線などのように金属で作られた反射層によって反射してOLEDパネルの外側に出ることを最小化することにより、視認性とディスプレイ性能を改善することができる。前記OLEDパネルの外側とは、前面発光の場合、前記封止基板の外側を意味し、背面発光の場合、前記基板の外側を意味する。
【0189】
一つの例において、前記OLEDパネルは、必要に応じてカラーフィルタが形成された基板をさらに含むことができる。前記カラーフィルタとは、Red、Green、Blueの3色のカラーレジストを特定のパターンに被せて形成され、光が通過すると、各カラーフィルタを介して色を呈する層を意味する。
【0190】
図8の(a)は、前記カラーフィルタが形成された基板16が備えられた背面発光(bottom emission)構造の場合のOLEDパネルの構造を例示する図で、前記カラーフィルタが形成された基板16は、下部電極12と有機物層13との接する面の反対面に配置される。この時、OLEDパネルは、封止基板15、上部電極14、有機物層13、下部電極12である金属電極(陰極)、およびカラーフィルタが形成された基板16を順次に含む構造を有することができる。
【0191】
図8の(b)は、前記カラーフィルタが形成された基板16が備えられた前面発光(top emission)構造の場合のOLEDパネルの構造を例示する図で、前記カラーフィルタが形成された基板16は、透明上部電極14と有機物層13との接する面の反対面に配置される。この時、OLEDパネルは、カラーフィルタが形成された基板16、上部電極14、有機物層13、下部電極12、および基板11を順次に含む構造を有することができる。前記カラーフィルタ16は、図示のように、Red(R)、Green(G)、およびBlue(B)領域を含むことができ、図面上に別途に表示しないものの、前記領域を区分するためのブラックマトリックス(black matrix)をさらに含むことができる。OLEDパネルにカラーフィルタが存在する場合、カラーフィルタが存在しない場合に比べて、低いパネル反射率を示すことができる。具体的には、Red、Green、およびBlueのカラーフィルタがOLEDの発光層の前に位置する場合、発光層の裏面に位置した金属電極における高い反射率を低減させるためである。前記パネル反射率とは、電極反射を意味し、具体的には、OLEDパネルをくぐり抜けて入ってきた外光が、OLEDパネルに含まれた電極によって反射することを意味する。
【0192】
前記OLEDパネルは、当技術分野にて適用されるものであれば、特に制限なく採用可能であるが、400nm~600nmの波長範囲における平均反射率が約30%~50%であってもよいし、また、25%以下のOLEDパネルであってもよい。前記平均反射率は、光源からの光が反射表面に入射して同じ角度で反射して出る正反射光と、光が表面の凹凸あるいは屈曲などによって正反射せずに散乱して様々な方向に反射する光である拡散反射光との和で表現されてもよいし、測定された波長別反射率値のうち400nm~600nmの反射率値を平均して表現される。
【実施例】
【0193】
以下、本明細書を具体的に説明するために実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に述べる実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供されるものである。
【0194】
【0195】
化合物1-1の合成
ベンズアルデヒド20.0gをピロール溶媒に入れてよく撹拌した。トリフルオロ酢酸0.10当量をゆっくり入れた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物1-1を9.8g(収率23.4%)確保することができた。
【0196】
化合物1-2の合成
化合物1-1(9.8g)をクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を1.1当量入れた。常温でよく撹拌した後、反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、濾液を減圧蒸留して得た容器に残った反応液を再度クロロホルム溶媒によく撹拌した。反応液を氷水を用いて0℃にした後、トリエチルアミン20.0当量とボロントリフルオライドエチルエーテルコンプレックス(BF3.OEt2)10.0当量をゆっくり入れた。反応を常温で撹拌した後、反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物1-2を6.4g(収率54.2%)確保することができた。
【0197】
化合物1-3の合成
0℃の窒素大気下、クロロホルム溶媒にホスホラスオキシクロライド(POCl3)2.0当量とN,N-ジメチルホルムアミドを3.0当量を入れて、1時間よく撹拌した。1時間後、化合物1-2(3.0g)を混合溶液に入れて、60℃で還流撹拌した。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物1-3を2.9g(収率87.5%)確保することができた。
【0198】
化合物1-4の合成
化合物1-3(2.9g)をテトラヒドロフラン溶媒によく撹拌して溶かした。水に溶かしたアミドスルホン酸1.5当量を入れて、常温で撹拌させた。反応液を0℃に下げた後、水に溶かしたソジウムクロライド1当量をゆっくり入れてよく撹拌した。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物1-4を2.6g(収率85.1%)確保することができた。
【0199】
化合物1-5の合成
化合物1-4(2.6g)をクロロホルム溶媒に入れてよく撹拌して溶かした。メタノール30当量、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)2.2当量、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミドヒドロクロライド(EDC-HCl)2.2当量を入れて還流撹拌した。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物1-5を2.3g(収率84.7%)確保することができた。
【0200】
化合物1-6の合成
化合物1-5(2.3g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。ボロントリクロライド1.0Mヘプタン溶液1.0当量をゆっくり滴加した。反応が完了すると、30℃以下の低温で溶媒を減圧蒸留した後、容器に残った反応液にアセトンと水を10/1の比率で入れて再度よく撹拌した。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物1-6を1.8g(収率81.1%)確保することができた。
【0201】
化合物1の合成
化合物1-6(1.8g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でジンクアセテートジハイドレート0.50当量を入れた後、トリエチルアミン2.5当量を追加的に入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物1を1.5g(収率84.6%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C34H26N4O4Zn (M+): 618.1246; found: 618.1253
【0202】
【0203】
化合物2-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに4-tブチルベンズアルデヒド20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物2-1を14.5g(収率35.2%)確保することができた。
【0204】
化合物2-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物2-1(14.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物2-2を12.3g(収率74.6%)確保することができた。
【0205】
化合物2-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物2-2(5.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物2-3を4.6g(収率85.7%)確保することができた。
【0206】
化合物2-4の合成
化合物2-3(4.6g)をN,N-ジメチルホルムアミド溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、N-フルオロスクシンイミド(NFS)2.0当量をゆっくり入れる。反応液を常温に上げてよく撹拌させた。反応完了後、ソジウムチオスルフェート水溶液とジクロロメタンを用いて抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させて、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物2-4を3.9g(収率81.2%)確保することができた。
【0207】
化合物2-5の合成
化合物1-4の合成において、化合物1-3の代わりに化合物2-4(3.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物2-5を3.6g(収率89.0%)確保することができた。
【0208】
化合物2-6の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに化合物2-5(3.6g)を用い、メタノールの代わりにエタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物2-6を2.9g(収率75.8%)確保することができた。
【0209】
化合物2-7の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物2-6(2.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物2-7を2.1g(収率74.2%)確保することができた。
【0210】
化合物2の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物2-7(2.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物2を1.7g(収率81.8%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C52H60F2N4O4Zn (M+): 906.3874; found: 906.3881
【0211】
【0212】
化合物3-1の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに2,4-ジメチルピロール-3-カルボン酸10.0gを用い、メタノールの代わりに3-ペンタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物3-1を7.9g(収率52.5%)確保することができた。
【0213】
化合物3-2の合成
メシチルアルデヒド2.5gをクロロホルム溶媒に入れてよく撹拌した。化合物3-1(2.0当量)を入れた後、トリフルオロ酢酸0.20当量をゆっくり入れた。反応液を還流撹拌した後、反応完了を確認した。反応液をクロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物3-2を5.8g(収率62.7%)確保することができた。
【0214】
化合物3-3の合成
化合物3-2(3.0g)をクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を1.1当量入れた。常温でよく撹拌した後、反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物3-3を2.4g(収率80.3%)確保することができた。
【0215】
化合物3の合成
化合物3-3(2.4g)をメタノール/クロロホルム1/1溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でコバルトアセテートテトラハイドレート0.50当量を入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物3を1.7g(収率67.3%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C68H90CoN4O8 (M+): 1149.6091; found: 1149.6089
【0216】
【0217】
化合物4-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに2-ナフトアルデヒド20.0gを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物4-1を8.5g(収率24.4%)確保することができた。
【0218】
化合物4-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物4-1(8.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物4-2を7.8g(収率78.6%)確保することができた。
【0219】
化合物4-3の合成
化合物4-2(3.0g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、クロロスルホニルイソシアネート2.0当量を入れて、常温で撹拌した。反応が完了すると、N,N-ジメチルホルムアミド5.0当量を入れて、十分な時間再度よく撹拌させた。クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物4-3を2.7g(収率83.4%)確保することができた。
【0220】
化合物4-4の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物4-3(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物4-4を2.2g(収率84.3%)確保することができた。
【0221】
化合物4の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物4-4(2.2g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物4を1.6g(収率86.2%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C40H24N6Zn (M+): 652.1354; found: 652.1350
【0222】
【0223】
化合物5-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりにジベンゾフラン-2-カルバルデヒド20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物5-1を10.8g(収率28.8%)確保することができた。
【0224】
化合物5-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物5-1(10.8g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物5-2を9.1g(収率74.9%)確保することができた。
【0225】
化合物5-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物5-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物5-3を2.7g(収率84.3%)確保することができた。
【0226】
化合物5-4の合成
化合物5-3(2.7g)をアセトニトリル溶媒に入れてよく撹拌して溶かした。ヒドロキシルアミンヒドロクロライド塩1.5当量を入れた後、反応液を還流撹拌した。反応が完了すると、反応液を氷水を用いて0℃にした後、オキサリルクロライド1.5当量を追加的に入れた。反応液を再度還流撹拌した。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物5-4を2.1g(収率78.3%)確保することができた。
【0227】
化合物5-5の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物5-4(2.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物5-5を1.6g(収率78.2%)確保することができた。
【0228】
化合物5の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物5-5(1.6g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにパラジウムアセテートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物5を1.3g(収率78.4%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C52H40N6O2Pd (M+): 886.2248; found: 886.2255
【0229】
【0230】
化合物6-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに4-ホルミルベンゾニトリル20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物6-1を9.5g(収率20.5%)確保することができた。
【0231】
化合物6-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物6-1(9.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物6-2を8.1g(収率74.1%)確保することができた。
【0232】
化合物6-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物6-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物6-3を2.8g(収率86.4%)確保することができた。
【0233】
化合物6-4の合成
化合物6-3(2.8g)をクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。常温でN-ヨードスクシンイミド(NIS)3.0当量をゆっくり入れる。50℃に加熱撹拌して反応を進行させ、反応が終結した後は、クロロホルムとソジウムチオスルフェート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物6-4を3.0g(収率80.3%)確保することができた。
【0234】
化合物6-5の合成
0℃の窒素大気下、N,N-ジメチルホルムアミド溶媒にシルバーフルオライド(AgF)2.0当量を入れてよく撹拌した。反応液にトリメチルトリフルオロメチルシラン(TMSCF3)2.0当量を温度を維持してゆっくり滴加した。常温まで温度をゆっくり上げて30分間よく撹拌した。反応液が均一になると、銅粉末(Cu powder)2.0当量を入れて、2時間よく撹拌した。2時間後、化合物6-4(3.0g)を混合溶液に入れて、60℃に加熱撹拌した。反応が完了した後、反応液に水を入れてよく撹拌した後、フィルタして固体状態の物質を得た。これを再度エチルアセテートとヘキサンを用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、追加の精製なしに化合物6-5を2.5g(収率94.2%)確保することができた。
【0235】
化合物6-6の合成
化合物5-4の合成において、化合物5-3の代わりに化合物6-5(2.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物6-6を2.4g(収率96.7%)確保することができた。
【0236】
化合物6-7の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物6-6(2.4g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物6-7を1.9g(収率81.3%)確保することができた。
【0237】
化合物6の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物6-7(1.9g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物6を1.6g(収率85.8%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C44H32CoF6N8 (M+): 845.1986; found: 845.1991
【0238】
【0239】
化合物7-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに2,4-ジフルオロベンズアルデヒド20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物7-1を9.3g(収率21.0%)確保することができた。
【0240】
化合物7-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物7-1(9.3g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物7-2を8.6g(収率80.7%)確保することができた。
【0241】
化合物7-3の合成
化合物7-2(3.0g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、クロロスルホニルイソシアネート10.0当量を入れて、常温で撹拌した。反応が完了すると、N,N-ジメチルホルムアミド20.0当量を入れて、十分な時間再度よく撹拌させた。クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物7-3を2.6g(収率89.1%)確保することができた。
【0242】
化合物7-4の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物7-3(2.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物7-4を2.1g(収率83.1%)確保することができた。
【0243】
化合物7の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物7-4(2.1g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにパラジウムアセテートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物7を1.8g(収率82.5%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C42H30F4N8Pd (M+): 828.1564; found: 828.1566
【0244】
【0245】
化合物8-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりにメシチルアルデヒド20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物8-1を11.4g(収率26.4%)確保することができた。
【0246】
化合物8-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物8-1(11.4g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物8-2を10.1g(収率77.5%)確保することができた。
【0247】
化合物8-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物8-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8-3を2.7g(収率83.6%)確保することができた。
【0248】
化合物8-4の合成
化合物6-4の合成において、化合物6-3の代わりに化合物8-3(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結した後は、クロロホルムとソジウムチオスルフェート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8-4を3.1g(収率87.0%)確保することができた。
【0249】
化合物8-5の合成
化合物8-4(3.1g)をトルエン/エタノール/水の比率が2/2/1の溶媒に入れてよく撹拌して溶かした。ジベンゾフラン-4-イルボロン酸2.1当量とトリポタシウムホスフェート5.0当量を入れて、80℃に加熱して30分間撹拌した。30分後、加熱した反応液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.20当量を入れて還流撹拌した。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8-5を3.0g(収率89.8%)確保することができた。
【0250】
化合物8-6の合成
化合物5-4の合成において、化合物5-3の代わりに化合物8-5(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8-6を2.8g(収率93.8%)確保することができた。
【0251】
化合物8-7の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物8-6(2.8g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8-7を2.3g(収率83.8%)確保することができた。
【0252】
化合物8の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物8-7(2.3g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物8を1.9g(収率83.8%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C70H60CoN6O2 (M+): 1075.4110; found: 1075.4118
【0253】
【0254】
化合物9-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに4-メチル-ビフェニル-3-カルバルデヒド20.0gを用い、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物9-1を10.9g(収率29.0%)確保することができた。
【0255】
化合物9-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物9-1(10.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物9-2を8.8g(収率71.8%)確保することができた。
【0256】
化合物9-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物9-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物9-3を2.9g(収率90.5%)確保することができた。
【0257】
化合物9-4の合成
化合物6-4の合成において、化合物6-3の代わりに化合物9-3(2.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結した後は、クロロホルムとソジウムチオスルフェート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物9-4を3.3g(収率88.6%)確保することができた。
【0258】
化合物9-5の合成
化合物6-5の合成において、化合物6-4の代わりに化合物9-4(3.3g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液に水を入れてよく撹拌した後、フィルタして固体状態の物質を得た。これを再度エチルアセテートとヘキサンを用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、追加の精製なしに化合物9-5を2.7g(収率91.1%)確保することができた。
【0259】
化合物9-6の合成
化合物1-4の合成において、化合物1-3の代わりに化合物9-5(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物9-6を2.5g(収率89.8%)確保することができた。
【0260】
化合物9-7の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに化合物9-6(2.5g)を用い、メタノールの代わりにジメチルアミン塩酸塩2.1当量を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物9-7を2.1g(収率79.9%)確保することができた。
【0261】
化合物9-8の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物9-7(2.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物9-8を1.9g(収率92.4%)確保することができた。
【0262】
化合物9の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物9-8(1.9g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物9を1.6g(収率%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C60H58CoF6N6O2 (M+): 1067.3857; found: 1067.3862
【0263】
【0264】
化合物10-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりにニコチンアルデヒド20.0gを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物10-1を9.7g(収率23.3%)確保することができた。
【0265】
化合物10-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物10-1(9.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物10-2を7.7g(収率65.9%)確保することができた。
【0266】
化合物10-3の合成
化合物10-2(3.0g)をN,N-ジメチルアセタミド溶媒によく撹拌して溶かした。イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩3.0当量、マンガンアセテート水和物5.0当量をよく撹拌して入れた後、反応液を80~100℃の間に加熱した。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物10-3を2.9g(収率73.6%)確保することができた。
【0267】
化合物10-4の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物10-3(2.9g)を用い、イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩の代わりにメチルトリフルオロボレートポタシウム塩を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物10-4を2.7g(収率86.3%)確保することができた。
【0268】
化合物10-5の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物10-4(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物10-5を2.5g(収率86.3%)確保することができた。
【0269】
化合物10-6の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物10-5(2.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物10-6を2.0g(収率82.3%)確保することができた。
【0270】
化合物10の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物10-6(2.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物10を1.5g(収率75.9%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C46H52N6O2Zn (M+): 784.3443; found: 784.3437
【0271】
【0272】
化合物11-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに4-メトキシベンズアルデヒド20.0gを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物11-1を10.3g(収率27.8%)確保することができた。
【0273】
化合物11-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物11-1(10.3g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物11-2を9.1g(収率74.8%)確保することができた。
【0274】
化合物11-3の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物11-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物11-3を3.0g(収率78.0%)確保することができた。
【0275】
化合物11-4の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物11-3(3.0g)を用い、イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩の代わりに2-メチルシクロヘキシルトリフルオロボレートポタシウム塩を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物11-4を3.6g(収率79.8%)確保することができた。
【0276】
化合物11-5の合成
化合物4-3の合成において、化合物4-2の代わりに化合物11-4(3.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、N,N-ジメチルホルムアミド5.0当量を入れて、十分な時間再度よく撹拌させた。クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物11-5を3.6g(収率95.8%)確保することができた。
【0277】
化合物11-6の合成
化合物6-4の合成において、化合物6-3の代わりに化合物11-5(3.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結した後は、クロロホルムとソジウムチオスルフェート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物11-6を3.6g(収率82.6%)を確保することができた。
【0278】
化合物11-7の合成
化合物6-5の合成において、化合物6-4の代わりに化合物11-6(3.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液に水を入れてよく撹拌した後、フィルタして固体状態の物質を得た。これを再度エチルアセテートとヘキサンを用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、追加の精製なしに化合物11-7を2.8g(収率84.5%)確保することができた。
【0279】
化合物11-8の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物11-7(2.8g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物11-8を2.3g(収率83.6%)確保することができた。
【0280】
化合物11の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物11-8(2.3g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物11を2.0g(収率88.0%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C76H94CoF6N6O2 (M+): 1295.6674; found: 1295.6669
【0281】
【0282】
化合物12-1の合成
化合物1-1の合成において、ピロールの代わりに2,4-ジメチルピロールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物12-1を13.1g(収率25.0%)確保することができた。
【0283】
化合物12-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物12-1(13.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物12-2を11.2g(収率73.4%)確保することができた。
【0284】
化合物12-3の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物12-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物12-3を2.6g(収率79.8%)確保することができた。
【0285】
化合物12-4の合成
化合物1-4の合成において、化合物1-3の代わりに化合物12-3(2.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物12-4を2.3g(収率84.6%)確保することができた。
【0286】
化合物12-5の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに化合物12-4(2.3g)を用い、メタノールの代わりに3-ペンタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物12-5を1.6g(収率58.4%)確保することができた。
【0287】
化合物12-6の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物12-5(1.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物12-6を1.2g(収率77.0%)確保することができた。
【0288】
化合物12の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物12-6(1.2g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物12を1.0g(収率84.3%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C50H58N4O4Zn (M+): 842.3750; found: 842.3755
【0289】
【0290】
化合物13-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりにジベンゾフラン-4-カルバルデヒド20gを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物13-1を8.9g(収率28.0%)確保することができた。
【0291】
化合物13-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物13-1(8.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物13-2を7.2g(収率70.6%)確保することができた。
【0292】
化合物13-3の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物13-2(3.0g)を用い、イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩の代わりにメチルトリフルオロボレートポタシウム塩を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物13-3を2.7g(収率83.5%)確保することができた。
【0293】
化合物13-4の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物13-3(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物13-4を2.6g(収率89.8%)確保することができた。
【0294】
化合物13-5の合成
化合物5-4の合成において、化合物5-3の代わりに化合物13-4(2.6g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した後。有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物13-5を2.4g(収率93.8%)確保することができた。
【0295】
化合物13-6の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物13-5(2.4g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物13-6を2.1g(収率90.0%)確保することができた。
【0296】
化合物13の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物13-6(2.1g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物13を1.7g(収率82.6%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C48H32CoN6O2 (M+): 783.1919; found: 783.1912
【0297】
【0298】
化合物14-1の合成
化合物1-1の合成において、ベンズアルデヒドの代わりに4-tブチルベンズアルデヒド20.0gを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物14-1を10.1g(収率29.4%)確保することができた。
【0299】
化合物14-2の合成
化合物1-2の合成において、化合物1-1の代わりに化合物14-1(10.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物14-2を9.6g(収率81.6%)確保することができた。
【0300】
化合物14-3の合成
化合物14-2(3.0g)をN,N-ジメチルアセタミド溶媒によく撹拌して溶かした。シクロヘキシルプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩5.0当量、マンガンアセテート水和物10.0当量をよく撹拌して入れた後、反応液を80~100℃の間に加熱した。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-3を4.3g(収率71.2%)確保することができた。
【0301】
化合物14-4の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物14-3(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-4を2.8g(収率89.5%)確保することができた。
【0302】
化合物14-5の合成
化合物1-4の合成において、化合物1-3の代わりに化合物14-4(2.8g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物14-5を2.7g(収率94.2%)確保することができた。
【0303】
化合物14-6の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに化合物14-5(2.7g)を用い、メタノールの代わりにエタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-6を2.4g(収率85.4%)確保することができた。
【0304】
化合物14-7の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物14-6(2.4g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-7を2.0g(収率84.7%)確保することができた。
【0305】
化合物14-8の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物14-2(3.0g)を用い、イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩の代わりにシクロヘキシルトリフルオロボレートポタシウム塩を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物14-8を3.6g(収率79.6%)確保することができた。
【0306】
化合物14-9の合成
化合物10-3の合成において、化合物10-2の代わりに化合物14-8(3.6g)を用い、イソプロピルトリフルオロボレートポタシウム塩の代わりにメチルトリフルオロボレートポタシウム塩を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物14-9を3.4g(収率89.3%)確保することができた。
【0307】
化合物14-10の合成
化合物1-3の合成において、化合物1-2の代わりに化合物14-9(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-10を2.7g(収率85.4%)確保することができた。
【0308】
化合物14-11の合成
化合物1-4の合成において、化合物1-3の代わりに化合物14-10(2.7g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、クロロホルムとソジウムチオスルフェート、ソジウムビカーボネート水溶液で抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去し、ヘキサンでスラリーして化合物14-11を2.6g(収率93.6%)確保することができた。
【0309】
化合物14-12の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに化合物14-11(2.6g)を用い、メタノールの代わりにエタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-12を2.1g(収率76.9%)確保することができた。
【0310】
化合物14-13の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物14-12(2.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物14-13を1.8g(収率87.4%)確保することができた。
【0311】
化合物14の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物14-7(2.0g)と化合物14-13(1.6g)を1/1のモル比率として用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにコバルトアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した混合化合物を再度シリカゲルカラムを用いて精製分離して化合物14を0.5g(収率28.0%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C82H110CoN4O4 (M+): 1273.7859; found: 1273.7866
【0312】
【0313】
化合物15-1の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに2,4-ジメチルピロール-3-カルボン酸10.0gを用い、メタノールの代わりに2,2,2-トリフルオロエタノールを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物15-1を7.1g(収率44.7%)確保することができた。
【0314】
化合物15-2の合成
化合物3-2の合成において、化合物3-1の代わりに化合物15-1(5.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認した後、反応液をクロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物15-2を4.1g(収率63.4%)確保することができた。
【0315】
化合物15-3の合成
化合物3-3の合成において、化合物3-2の代わりに化合物15-2(4.1g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物15-3を3.3g(収率80.8%)確保することができた。
【0316】
化合物15の合成
化合物3の合成において、化合物3-3の代わりに化合物15-3(3.3g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物15を2.5g(収率72.2%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C56H54CoF12N4O8 (M+): 1197.3082; found: 1197.3088
【0317】
【0318】
化合物16-1の合成
化合物4-3の合成において、化合物4-2の代わりに化合物14-3(1.3g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、N,N-ジメチルホルムアミド5.0当量を入れて、十分な時間再度よく撹拌させた。クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物16-1を1.2g(収率88.9%)確保することができた。
【0319】
化合物16-2の合成
化合物1-6の合成において、化合物1-5の代わりに化合物16-1(1.2g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物16-2を1.0g(収率84.7%)確保することができた。
【0320】
化合物16の合成
化合物1の合成において、化合物1-6の代わりに化合物16-2(1.0g)を用い、ジンクアセテートジハイドレートの代わりにニッケルアセテートテトラハイドレートを用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物16を0.7g(収率70.9%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C88H116N6Ni (M+): 1314.8615; found: 1314.8621
【0321】
【0322】
化合物17-1の合成
化合物1-5の合成において、化合物1-4の代わりに2,4-ジメチルピロール-3-カルボン酸10.0gを用い、メタノールの代わりに4-ニトロフェノール2.0当量を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、反応液を常温に冷やし、クロロホルムと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、エタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物17-1を10.9g(収率58.3%)確保することができた。
【0323】
化合物17-2の合成
化合物3-2の合成において、メシチルアルデヒド2.0gを用い、化合物3-1の代わりに化合物17-1を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認した後、反応液をクロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物17-2を3.7g(収率42.1%)確保することができた。
【0324】
化合物17-3の合成
化合物3-3の合成において、化合物3-2の代わりに化合物17-2(3.0g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物17-3を2.5g(収率83.6%)確保することができた。
【0325】
化合物17の合成
化合物3の合成において、化合物3-3の代わりに化合物17-3(2.5g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物17を2.2g(収率84.3%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C72H62CoN8O16 (M+): 1353.3616; found: 1353.3624
【0326】
【0327】
化合物18-1の合成
2,4-ジメチルピロール-3-カルボン酸10.0gをN,N-ジメチルホルムアミド溶媒によく撹拌して溶かした。ソジウムカーボネート3.0当量と2-メトキシエトキシメチルクロライド2.0当量を入れた後、反応液を80℃に加熱して撹拌させた。反応が完了した後、クロロホルムと水を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物18-1を7.8g(収率47.8%)確保することができた。
【0328】
化合物18-2の合成
化合物3-2の合成において、メシチルアルデヒド1.5gを用い、化合物3-1の代わりに化合物18-1を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応完了を確認した後、反応液をクロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物18-2を2.9g(収率49.0%)確保することができた。
【0329】
化合物18-3の合成
化合物3-3の合成において、化合物3-2の代わりに化合物18-2(2.9g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物18-3を2.2g(収率76.1%)確保することができた。
【0330】
化合物18の合成
化合物3の合成において、化合物3-3の代わりに化合物18-3(2.2g)を用いたことを除けば、同様の方法で合成を進行させた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物18を2.0g(収率86.7%)確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C64H82CoN4O16 (M+): 1221.5058; found: 1221.5063
【0331】
【0332】
化合物19-1の合成
2,2'-ジピロリルメタン5.0gをクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を1.1当量入れた。常温でよく撹拌した後、反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れて、ジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、濾液を減圧蒸留して得た容器に残った反応液を再度クロロホルム溶媒によく撹拌した。反応液を氷水を用いて0℃にした後、トリエチルアミン20.0当量とボロントリフルオライドエチルエーテルコンプレックス(BF3.OEt2)10.0当量をゆっくり入れた。反応を常温で撹拌した後、反応が終了すると、クロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出を実施した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物19-1を3.3g(収率50.3%)確保することができた。
【0333】
化合物19-2の合成
化合物19-1(3.3g)をN,N-ジメチルアセタミド溶媒によく撹拌して溶かした。メチルトリフルオロボレートポタシウム塩5.0当量、マンガンアセテート水和物10.0当量をよく撹拌して入れた後、反応液を80~100℃の間に加熱した。反応が終結すると、反応液を常温に冷やした後、水を入れて形成された固体をセライトパッドを用いてフィルタした。得られた固体とセライトパッドを再度テトラヒドロフランに溶解させた後、ソジウムスルフェートを入れて乾燥させ、フィルタを進行させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物19-2を2.9g(収率68.0%)確保することができた。
【0334】
化合物19-3の合成
化合物19-2(2.9g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。ボロントリクロライド1.0Mヘプタン溶液1.0当量をゆっくり滴加した。反応が完了すると、30℃以下の低温で溶媒を減圧蒸留した後、容器に残った反応液にアセトンと水を10/1の比率で入れて再度よく撹拌した。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物19-3を2.1g(収率75.9%)確保することができた。
【0335】
化合物m-H Zn complexの合成
化合物19-3(2.1g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でジンクアセテートジハイドレート0.50当量を入れた後、トリエチルアミン2.5当量を追加的に入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物m-H Zn complex1.6g(収率77.7%)を確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C26H30N4Zn (M+): 462.1762; found: 462.1765
【0336】
【0337】
化合物20-1の合成
0℃の窒素大気下、クロロホルム溶媒にホスホラスオキシクロライド(POCl3)2.0当量とN,N-ジメチルホルムアミドを3.0当量を入れて、1時間よく撹拌した。1時間後、化合物19-2(3.0g)を混合溶液に入れて、60℃で還流撹拌した。反応が完了した後、反応液を再度0℃に下げた後、ソジウムビカーボネート水溶液を用いてpHを中性に合わせた。クロロホルムと水を用いて抽出し、抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、減圧蒸留して溶媒を除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物20-1を3.0g(収率89.8%)確保することができた。
【0338】
化合物20-2の合成
化合物20-1(3.0g)をアセトニトリル溶媒に入れてよく撹拌して溶かした。ヒドロキシルアミンヒドロクロライド塩1.5当量を入れた後、反応液を還流撹拌した。反応が完了すると、反応液を氷水を用いて0℃にした後、オキサリルクロライド1.5当量を追加的に入れた。反応液を再度還流撹拌した。反応が完了すると、クロロホルムと水を用いて抽出した後、有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥させた。溶媒を減圧蒸留して除去し、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物20-2を2.7g(収率91.0%)を確保することができた。
【0339】
化合物20-3の合成
化合物20-2(2.7g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。ボロントリクロライド1.0Mヘプタン溶液1.0当量をゆっくり滴加した。反応が完了すると、30℃以下の低温で溶媒を減圧蒸留した後、容器に残った反応液にアセトンと水を10/1の比率で入れて再度よく撹拌した。反応が完了すると、ジクロロメタンと水で抽出し、抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥した。溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物20-3を2.1g(収率81.1%)確保することができた。
【0340】
化合物m-H cyano Zn complexの合成
化合物20-3(2.1g)をジクロロメタン溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でジンクアセテートジハイドレート0.50当量を入れた後、トリエチルアミン2.5当量を追加的に入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物m-H cyano Zn complex1.7g(収率82.4%)を確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C28H28N6Zn (M+): 512.1667; found: 512.1673
【0341】
【0342】
化合物21-1の合成
ベンズアルデヒド5.0gを2,4-ジメチルピロール溶媒に入れてよく撹拌した。トリフルオロ酢酸0.10当量をゆっくり入れた。反応完了を確認し、ジクロロメタンとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物21-1を3.9g(収率29.7%)確保することができた。
【0343】
化合物21-2の合成
化合物21-1(3.9g)をクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を1.1当量入れた。常温で反応をよく撹拌した後、反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れてジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物21-2を3.3g(収率85.2%)確保することができた。
【0344】
化合物m-Ph Zn complexの合成
化合物21-2(3.3g)をメタノール/クロロホルム1/1溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でジンクアセテートジハイドレート0.50当量を入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物m-Ph Zn complex2.6g(収率70.7%)を確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C38H38N4Zn (M+): 614.2388; found: 614.2391
【0345】
【0346】
化合物22-1の合成
ベンザルアルデヒド5.0gをクロロホルム溶媒に入れてよく撹拌した。メチル2,4-ジメチル-1H-ピロール-3-カルボキシレート2.0当量を入れた後、トリフルオロ酢酸0.20当量をゆっくり入れた。反応液を還流撹拌した後、反応完了を確認した。反応液をクロロホルムとソジウムビカーボネート水溶液を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物22-1を9.5g(収率51.1%)確保することができた。
【0347】
化合物22-2の合成
化合物22-1(5.5g)をクロロホルム溶媒によく撹拌して溶かした。反応液を氷水を用いて0℃にした後、2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン(DDQ)を1.1当量入れた。常温でよく撹拌した後、反応が完了すると、トリエチルアミン1.5当量を入れてジエチルエーテルと水を用いて抽出した。抽出した有機層をソジウムスルフェートで乾燥させた後、シリカゲルカラムを用いて精製分離した化合物22-2を4.4g(収率80.4%)確保することができた。
【0348】
化合物m-Ph Ni tetra ester complexの合成
化合物22-2(4.4g)をメタノール/クロロホルム1/1溶媒によく撹拌して溶かした。反応液にソリッド状態でニッケルアセテートテトラハイドレート0.50当量を入れた。反応が完了した後、ジクロロメタンと水で抽出した。抽出した有機層はソジウムスルフェートを用いて乾燥し、溶媒を減圧蒸留して除去した後、メタノールを用いて再結晶を進行させた。再結晶で精製分離した化合物m-Ph Ni tetra ester complex3.4g(収率72.1%)を確保することができた。HR LC/MS/MS m/z calcd for C46H46N4NiO8 (M+): 840.2669; found: 840.2675
【0349】
<実施例1>
染料タイプの有機吸光体である化合物1(トルエン(Toluene))溶液における最大吸収波長478mm、半値幅23nm)を溶媒キシレン(xylene)に溶かして第1溶液を製造した。
【0350】
熱可塑性樹脂SAN(スチレン-アクリロニトリル系)を溶媒キシレン(xylene)に溶かして第2溶液を製造した。前記熱可塑性樹脂SAN(Styrene-acrylonitrile)100重量部を基準として、有機吸光体の量が0.5重量部となるように第1溶液と第2溶液とを混合し、均質に混合した。混合された溶液中の固形分含有量は20重量%であり、20℃で粘度は200cpsであった。この溶液をPET(ポリエチレンテレフタレート)基材にコーティングした後、乾燥して、厚さ3μmの色変換フィルムを製造した。
【0351】
製造された色変換フィルムの輝度スペクトルを分光放射輝度計(TOPCON社のSR series)で測定した。具体的には、製造された色変換フィルムをLED青色バックライト(最大発光波長450nm)と導光板とを含むバックライトユニットの導光板の一面に積層し、色変換フィルム上にプリズムシートを積層し、前記プリズムシート上に二重輝度向上フィルム(DBEF(Double brightness enhancefilm))を積層した後、フィルムの輝度スペクトルを測定した。輝度スペクトルの測定時、w/o色変換フィルムを基準として青色LED光の明るさが600nitとなるように初期値を設定した。
【0352】
<実施例2>
化合物1の代わりに化合物2(トルエン溶液における最大吸収波長495nm、半値幅25nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0353】
<実施例3>
化合物1の代わりに化合物3(トルエン溶液における最大吸収波長499nm、半値幅22nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0354】
<実施例4>
化合物1の代わりに化合物4(トルエン溶液における最大吸収波長487nm、半値幅24nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0355】
<実施例5>
化合物1の代わりに化合物5(トルエン溶液における最大吸収波長500nm、半値幅23nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0356】
<実施例6>
化合物1の代わりに化合物6(トルエン溶液における最大吸収波長505nm、半値幅25nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0357】
<実施例7>
化合物1の代わりに化合物7(トルエン溶液における最大吸収波長505nm、半値幅20nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0358】
<実施例8>
化合物1の代わりに化合物8(トルエン溶液における最大吸収波長511nm、半値幅31nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0359】
<実施例9>
化合物1の代わりに化合物9(トルエン溶液における最大吸収波長508nm、半値幅29nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0360】
<実施例10>
化合物1の代わりに化合物10(トルエン溶液における最大吸収波長512nm、半値幅24nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0361】
<実施例11>
化合物1の代わりに化合物11(トルエン溶液における最大吸収波長498nm、半値幅28nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0362】
<実施例12>
化合物1の代わりに化合物12(トルエン溶液における最大吸収波長495nm、半値幅26nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0363】
<実施例13>
化合物1の代わりに化合物13(トルエン溶液における最大吸収波長510nm、半値幅23nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0364】
<実施例14>
化合物1の代わりに化合物14(トルエン溶液における最大吸収波長494nm、半値幅26nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0365】
<実施例15>
化合物1の代わりに化合物15(トルエン溶液における最大吸収波長498nm、半値幅21nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0366】
<実施例16>
化合物1の代わりに化合物16(トルエン溶液における最大吸収波長536nm、半値幅47nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0367】
<実施例17>
化合物1の代わりに化合物17(トルエン溶液における最大吸収波長500nm、半値幅22nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0368】
<実施例18>
化合物1の代わりに化合物18(トルエン溶液における最大吸収波長499nm、半値幅22nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0369】
<比較例1>
化合物1の代わりに化合物m-H Zn complex(トルエン溶液における最大吸収波長497nm、半値幅20nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0370】
<比較例2>
化合物1の代わりに化合物m-H cyano Zn complex(トルエン溶液における最大吸収波長493nm、半値幅23nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0371】
<比較例3>
化合物1の代わりに化合物m-Ph Zn complex(トルエン溶液における最大吸収波長498nm、半値幅21nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0372】
<比較例4>
化合物1の代わりに化合物m-Ph Ni tetra ester complex(トルエン溶液における最大吸収波長525nm、半値幅42nm)を用いたことを除けば、実施例1と同様に実施した。
【0373】
前記実施例1~18および比較例1~4による色変換フィルムのフィルム吸光波長の最大値と半値幅(FWHM)、Abs intensity ratio(1000hr、%)は、下記表1の通りである。
【0374】
【0375】
前記表1にて、λmaxは、フィルム吸光波長の最大値を意味し、FWHMは、吸光ピークにおける半値幅であるので、最大吸光ピークにおける最大高さの半分の時の吸光ピークの幅を意味する。また、前記表1のAbs intensity ratioは、λmax(フィルム吸光波長の最大値)における吸光強度が、バックライト下で測定された最初吸光強度と1,000時間後に測定された吸光強度との変化率を意味する。
【0376】
したがって、比較例1~3に比べて、実施例1~18は耐光性に優れていることを確認することができる。これは、前記化学式1のbodipy metal complex構造が置換基R2、R5、R9およびR12にwithdrawing groupを導入することにより、耐光性の向上が目立って観察され、置換基R7およびR14であるmesoの位置に芳香族環(aromatic ring)が存在する時に耐光性向上の最大値がより増大すると判断される。
【0377】
ただし、比較例4は、置換基R2、R5、R9、R12にwithdrawing groupが導入されて、比較例1~3に比べて耐光性に優れていることを確認することができる。しかし、比較例4は、実施例の同一系の化合物より耐熱性が不足することを実験を通して確認することができた。置換基R2、R5、R9およびR12が-COORの場合、耐熱性の傾向性を下記表2を通して確認することができる。
【0378】
【0379】
前記表2にて、Abs intensity ratioは、λmax(フィルム吸光波長の最大値)における吸光強度が、80℃のオーブン条件を加える前に測定された最初吸光強度と前記光学フィルムをバックライトなしに80℃のオーブン条件下での500時間経過後の吸光強度との変化率を意味する。
【0380】
したがって、比較例4に比べて、同一系の実施例3、15、17、18の化合物は、耐光性だけでなく、耐熱性も追加的に改善されたことを確認することができる。これは、前記化学式1のR2、R5、R9およびR12にwithdrawing groupとして-COORが存在する時、-COORのR置換基が「置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基」の場合、追加的に耐光性や耐熱性の向上に役立つことができ、これにより、耐久性の確保に有利であることを確認する結果である。前記化学式1のR2、R5、R9およびR12が-COORの場合、R置換基が「置換もしくは非置換のアリール基;置換もしくは非置換のシクロアルキル基;置換されたアルキル基;または炭素数3~30の分枝鎖の非置換のアルキル基」の場合、前記化学式1のbodipy metal complex構造の溶解度を増加させることができる構造であり、electron effectを増大させてより効率的に化合物の安定性を高められる構造であるので、耐光性および耐久性が向上する。
【符号の説明】
【0381】
1:反射防止膜
2:基材
3:粘着フィルム
4:離型層
10:粘着光学フィルタ
11:基板
12:下部電極
13:有機物層
14:上部電極
15:封止基板
16:カラーフィルタが形成された基板
20:OLEDパネル
30:OLED装置