(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-13
(45)【発行日】2024-03-22
(54)【発明の名称】面状光源の製造方法
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20240314BHJP
H01L 33/00 20100101ALI20240314BHJP
F21K 9/90 20160101ALI20240314BHJP
【FI】
F21S2/00 439
F21S2/00 419
H01L33/00 H
F21K9/90
(21)【出願番号】P 2021202195
(22)【出願日】2021-12-14
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 匡也
(72)【発明者】
【氏名】山田 千尋
【審査官】當間 庸裕
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-029942(JP,A)
【文献】国際公開第2021/246389(WO,A1)
【文献】特開2014-096531(JP,A)
【文献】特開2009-152034(JP,A)
【文献】特開平08-298316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/00
F21K 9/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部材と、第1孔部を有し、前記支持部材上に配置された導光部材と、前記支持部材上であって前記第1孔部に配置される第1光源と、前記支持部材と前記第1光源の間に配置される第1接着部材と、を有する構造体を準備する工程と、
前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記第1接着部材から、前記第1光源を取り外す工程と、
前記第1光源を取り外した後、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記第1接着部材を除去する工程と、
前記第1接着部材を除去した後、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記支持部材上に、第2接着部材を介して第2光源を配置する工程と、
を備え
、
前記第1接着部材を除去する工程において、第3接着部材を、前記導光部材及び前記第1接着部材に接着させた後、紫外線の照射により前記第3接着部材を硬化させ、硬化した前記第3接着部材と共に前記第1接着部材を前記支持部材から分離させる面状光源の製造方法。
【請求項2】
前記第1接着部材は、前記支持部材と前記第1光源の間と、前記支持部材と前記導光部材の間に連続して配置され、
前記第1接着部材を除去する工程において、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記第1接着部材の外縁部の少なくとも一部を除去した後、前記外縁部よりも内側に位置する前記第1接着部材を除去する請求項
1に記載の面状光源の製造方法。
【請求項3】
前記第2接着部材を介して前記第2光源を配置する工程において、前記第2接着部材を前記支持部材上に配置した後に、前記第2光源を前記第2接着部材上に配置する請求項1
または2に記載の面状光源の製造方法。
【請求項4】
前記第2接着部材を前記支持部材上に配置する工程において、
第2押圧部材に分離部材を介して固定された前記第2接着部材を準備し、
前記第2押圧部材を前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記支持部材に向けて移動させ、前記第2接着部材を前記支持部材上に配置し、
前記第2押圧部材を前記支持部材から離れる方向に移動させ、前記第2接着部材と前記分離部材とを分離させる請求項
3に記載の面状光源の製造方法。
【請求項5】
前記支持部材は、平面視において前記第1孔部に重なる領域に第2孔部を有し、
前記第2接着部材は、前記第2孔部に連通する第3孔部を有し、
前記第2接着部材を介して前記第2光源を配置する工程において、平面視において前記第2光源の電極が前記第3孔部に重なるように前記第2光源を配置する請求項1~
4のいずれか1つに記載の面状光源の製造方法。
【請求項6】
前記第2接着部材を介して前記第2光源を配置する工程において、前記第2接着部材を前記支持部材に配置した後、前記第2接着部材に前記第3孔部を形成し、前記第3孔部を形成した後、前記第2光源を配置する請求項
5に記載の面状光源の製造方法。
【請求項7】
前記第2光源を配置した後、前記第2孔部及び前記第3孔部に導電部材を供給する工程をさらに備える請求項
5または
6に記載の面状光源の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に係る実施形態は、面状光源の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード等の発光素子と、導光板とを組み合わせた発光モジュールは、例えば液晶ディスプレイのバックライト等の面状光源に広く利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-161931号公報
【文献】特開平07-029942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に係る実施形態は、光源を取り外した後、光源を取り外した位置への光源の再配置を可能にする面状光源の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、面状光源の製造方法は、支持部材と、第1孔部を有し、前記支持部材上に配置された導光部材と、前記支持部材上であって前記第1孔部に配置される第1光源と、前記支持部材と前記第1光源の間に配置される第1接着部材と、を有する構造体を準備する工程と、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記第1接着部材から、前記第1光源を取り外す工程と、前記第1光源を取り外した後、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記第1接着部材を除去する工程と、前記第1接着部材を除去した後、前記第1孔部において前記導光部材から露出する前記支持部材上に、第2接着部材を介して第2光源を配置する工程と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態の面状光源の製造方法によれば、光源を取り外した後、光源を取り外した位置への光源の再配置を可能にする面状光源の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図3】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図5】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図7】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図8】
図7のVIII-VIII線における断面図である。
【
図9】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図11】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図13】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す断面図である。
【
図14】実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図である。
【
図16C】実施形態の光源の変形例を示す断面図である。
【
図16D】実施形態の光源の変形例を示す断面図である。
【
図17】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す断面図である。
【
図18】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す断面図である。
【
図19】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す断面図である。
【
図20A】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す上面図である。
【
図21A】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す上面図である。
【
図21B】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す上面図である。
【
図22A】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す上面図である。
【
図22B】実施形態における第1接着部材を除去する工程を示す上面図である。
【
図23A】実施形態における第2接着部材を配置する装置の模式図である。
【
図24】実施形態における第2接着部材を配置する工程を示す断面図である。
【
図25】実施形態における第2接着部材を配置する工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。各図面は、実施形態を模式的に示したものであるため、各部材のスケール、間隔若しくは位置関係などが誇張、又は部材の一部の図示を省略する場合がある。また、断面図として、切断面のみを示す端面図を示す場合がある。
【0009】
以下の説明において、実質的に同じ機能を有する構成要素は共通の参照符号で示し、説明を省略することがある。また、特定の方向又は位置を示す用語(例えば、「上」、「下」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いる場合がある。しかしながら、それらの用語は、参照した図面における相対的な方向又は位置を分かり易さのために用いているに過ぎない。参照した図面における「上」、「下」等の用語による相対的な方向又は位置の関係が同一であれば、本開示以外の図面、実際の製品等において、参照した図面と同一の配置でなくてもよい。本明細書において「平行」とは、2つの直線、辺、面等が延長しても交わらない場合だけでなく、2つの直線、辺、面等がなす角度が10°以内の範囲で交わる場合も含む。本明細書において「上」と表現する位置関係は、接している場合と、接していないが上方に位置している場合も含む。
【0010】
実施形態の面状光源の製造方法は、
図1及び
図2に示す構造体101を準備する工程を有する。構造体101を準備する工程は、導光部材10を準備する工程と、支持部材50を準備する工程と、第1光源20Aを準備する工程とを有する。構造体101は、1又は複数の第1光源20Aを有する。
【0011】
導光部材10は、第1面11と、第1面11の反対側にある第2面12とを有する。
図1において、導光部材10の第1面11に対して平行であり、且つ互いに直交する2方向を第1方向X及び第2方向Yとする。また、第2面12から第1面11に向かう方向であって、第1方向X及び第2方向Yに直交する方向を第3方向Zとする。
【0012】
導光部材10は、溝14によって、第1方向X及び第2方向Yにおいて互いに分離された複数の発光部100を有する。各発光部100は、例えばローカルディミングの駆動単位とすることができる。
図1には、例えば4つの発光部100が配置された領域を示す。1つの発光部100に1つの第1光源20Aが配置される。または、1つの発光部100に2以上の第1光源20Aが配置されてもよい。なお、実施形態の面状光源の製造方法の一工程を示す上面図において、
図3以降の上面図は、1つの発光部100が配置された領域を示す。
【0013】
導光部材10は、第1光源20Aが発する光に対する透光性を有する部材である。第1光源20Aのピーク波長に対する導光部材10の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。
【0014】
導光部材10の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂、又は、ガラスを用いることができる。
【0015】
導光部材10の厚さは、例えば、150μm以上800μm以下が好ましい。本明細書において、各部材の厚さとは、第3方向Zにおける各部材の上面と下面との間の距離の最大値を表す。導光部材10は、第3方向Zにおいて単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。導光部材10が積層体で構成される場合、各層の間に透光性の接着層を配置してもよい。積層体の各層は、異なる種類の主材を用いてもよい。接着層の材料としては、例えば、アクリル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート若しくはポリエステル等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ若しくはシリコーン等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0016】
導光部材10は、第1面11から第2面12まで貫通する第1孔部h1を有する。
図1に示すように、平面視において第1孔部h1は、例えば円形とすることができる。また、第1孔部h1は、平面視において、例えば、楕円、又は、三角形、四角形、六角形若しくは八角形等の多角形とすることができる。本明細書において、平面視とは、第3方向Zから見ることを意味する。
【0017】
支持部材50は、配線基板60を有することができる。配線基板60は、絶縁基材61と、絶縁基材61の少なくとも一方の面に配置された少なくとも1層の配線層62とを有する。絶縁基材61は、リジッド基板であってもよく、フレキシブル基板であってもよい。面状光源の薄型化のため、絶縁基材61はフレキシブル基板であることが好ましい。絶縁基材61は、配線基板60の厚さ方向において単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。例えば、絶縁基材61は、単層のフレキシブル基板で構成されていてもよく、複数のリジッド基板の積層体で構成されていてもよい。絶縁基材61の材料として、例えば、ポリイミドなどの樹脂を用いることができる。配線層62は、金属膜であり、例えば銅膜である。
【0018】
支持部材50は、配線基板60上に配置された接着層51と、接着層51上に配置された第1光反射部材53とをさらに有することができる。
【0019】
接着層51は、絶縁基材61における配線層62が配置された面の反対側の面に配置される。接着層51は、絶縁基材61と第1光反射部材53との間に配置され、絶縁基材61と第1光反射部材53とを接着している。接着層51は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂層である。光散乱粒子として、例えば、チタニア、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、ジルコニア、イットリア、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、五酸化ニオブ、チタン酸バリウム、五酸化タンタル、硫酸バリウム、又は、ガラス等の粒子を用いることができる。接着層51の樹脂として、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂若しくはポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、又は、エポキシ樹脂若しくはシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
【0020】
第1光反射部材53は、導光部材10の第2面12の下方、第1孔部h1の下方、及び第1光源20Aの下方に位置する。第1光反射部材53として、例えば、多数の気泡を含む樹脂部材や、光散乱粒子を含む樹脂部材を用いることができる。第1光反射部材53の樹脂は、例えば、接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。光散乱粒子は、例えば、接着層51に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。
【0021】
支持部材50は、絶縁基材61、接着層51、及び第1光反射部材53を貫通する第2孔部h2を有する。1つの第1光源20Aが配置される領域に、2つの第2孔部h2が配置される。
【0022】
構造体101を準備する工程は、支持部材50上に第1接着部材52Aを配置する工程を有する。第1接着部材52Aの材料として、例えば、支持部材50の接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。また、第1接着部材52Aは、光散乱粒子を含んでもよく、その光散乱粒子は、例えば、接着層51に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。
【0023】
第1接着部材52Aは、支持部材50の第1光反射部材53上に配置され、第1光反射部材53に接着される。第1接着部材52Aは、第2孔部h2に連通する第3孔部h3を有する。第3孔部h3及び第2孔部h2は、第1接着部材52Aから絶縁基材61まで貫通する。例えば、第1接着部材52Aと支持部材50との積層体を形成した後、その積層体に対する一括加工により第2孔部h2と第3孔部h3を同時に形成することで、第2孔部h2と第3孔部h3との位置ずれが発生しにくい。第2孔部h2及び第3孔部h3は、例えば、ドリル加工や打抜き加工などの機械的加工、レーザ加工、又はエッチングによって形成することができる。
【0024】
構造体101を準備する工程は、第1接着部材52A上に導光部材10を配置する工程を有する。導光部材10の第2面12が第1接着部材52Aに接着される。第1接着部材52Aは、導光部材10と支持部材50とを接着する。平面視において、導光部材10の第1孔部h1に第2孔部h2及び第3孔部h3が重なるように、導光部材10が第1接着部材52A上に配置される。また、第1孔部h1を含まない導光部材10を第1接着部材52A上に配置した後に、第1孔部h1を形成してもよい。第1孔部h1は、例えば、ドリル加工や打抜き加工などの機械的加工、レーザ加工、又はエッチングによって形成することができる。
【0025】
構造体101を準備する工程は、第1接着部材52A上に第1光源20Aを配置する工程を有する。第1光源20Aは、第1接着部材52Aに接着される。第1光源20Aは、第1孔部h1に位置する。導光部材10を第1接着部材52A上に配置した後に、第1光源20Aを第1接着部材52A上における第1孔部h1に配置することができる。また、第1光源20Aを第1接着部材52A上に配置した後に、第1孔部h1に第1光源20Aが位置するように、導光部材10を第1接着部材52A上に配置することができる。
【0026】
次に、第1光源20Aについて説明する。なお、第1光源20Aについての説明は、後述する第2光源20Bについても言える。第1光源20Aは、発光素子21を含む。発光素子21は、半導体積層体を含む。半導体積層体は、例えば、サファイア又は窒化ガリウム等の基板と、基板上に配置されるn型半導体層と、p型半導体層と、これらに挟まれた発光層とを含む。また、発光素子21は、n型半導体層と電気的に接続されたn側電極と、p型半導体層と電気的に接続されたp側電極とを含む。さらに、第1光源20Aは、下面側に配置された正負の一対の電極25を含む。一対の電極25のうちの一方はp側電極と電気的に接続され、他方はn側電極と電気的に接続されている。
【0027】
半導体積層体は、基板が除去されたものを用いてもよい。また、発光層の構造としては、ダブルヘテロ構造、単一量子井戸構造(SQW)のように単一の活性層を持つ構造でもよいし、多重量子井戸構造(MQW)のようにひとまとまりの活性層群を持つ構造でもよい。発光層は、可視光又は紫外光を発光可能である。発光層は、可視光として、青色から赤色までを発光可能である。このような発光層を含む半導体積層体としては、例えばInxAlyGa1-x-yN(0≦x、0≦y、x+y≦1)を含むことができる。半導体積層体は、上述した発光が可能な発光層を少なくとも1つ含むことができる。例えば、半導体積層体は、n型半導体層とp型半導体層との間に1つ以上の発光層を含む構造であってもよいし、n型半導体層と発光層とp型半導体層とを順に含む構造が複数回繰り返された構造であってもよい。半導体積層体が複数の発光層を含む場合、発光ピーク波長が異なる発光層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ発光層を含んでいてもよい。なお、発光ピーク波長が同じとは、例えば、数nm程度のばらつきがあってもよい。このような発光層の組み合わせとしては適宜選択することができ、例えば半導体積層体が2つの発光層を含む場合、青色光と青色光、緑色光と緑色光、赤色光と赤色光、紫外光と紫外光、青色光と緑色光、青色光と赤色光、又は緑色光と赤色光などの組み合わせで発光層を選択することができる。また、発光層は、発光ピーク波長が異なる複数の活性層を含んでいてもよいし、発光ピーク波長が同じ複数の活性層を含んでいてもよい。
【0028】
第1光源20Aは、さらに第1透光性部材22を含むことができる。第1透光性部材22は、発光素子21の上面及び側面を覆っている。第1透光性部材22は、発光素子21を保護するとともに、第1透光性部材22に添加される粒子に応じて、波長変換や光拡散等の機能を備える。
【0029】
例えば、第1透光性部材22は、透光性樹脂を含み、蛍光体を更に含んでいてもよい。透光性樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂又はエポキシ樹脂等を用いることができる。また、蛍光体としては、イットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Y3(Al,Ga)5O12:Ce)、ルテチウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Lu3(Al,Ga)5O12:Ce)、テルビウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体(例えば、Tb3(Al,Ga)5O12:Ce)、CCA系蛍光体(例えば、Ca10(PO4)6C12:Eu)、SAE系蛍光体(例えば、Sr4Al14O25:Eu)、クロロシリケート系蛍光体(例えば、Ca8MgSi4O16Cl2:Eu)、βサイアロン系蛍光体(例えば、(Si,Al)3(O,N)4:Eu)若しくはαサイアロン系蛍光体(例えば、Ca(Si,Al)12(O,N)16:Eu)等の酸窒化物系蛍光体、SLA系蛍光体(例えば、SrLiAl3N4:Eu)、CASN系蛍光体(例えば、CaAlSiN3:Eu)若しくはSCASN系蛍光体(例えば、(Sr,Ca)AlSiN3:Eu)等の窒化物系蛍光体、KSF系蛍光体(例えば、K2SiF6:Mn)、KSAF系蛍光体(例えば、K2Si0.99Al0.01F5.99:Mn)若しくはMGF系蛍光体(例えば、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn)等のフッ化物系蛍光体、ペロブスカイト構造を有する蛍光体(例えば、CsPb(F,Cl,Br,I)3)、又は、量子ドット蛍光体(例えば、CdSe、InP、AgInS2又はAgInSe2)等を用いることができる。第1透光性部材22に添加する蛍光体としては、1種類の蛍光体を用いてもよく、複数種類の蛍光体を用いてもよい。
【0030】
KSAF系蛍光体としては、下記式(I)で表される組成を有していてよい。
M2[SipAlqMnrFs] (I)
【0031】
式(I)中、Mはアルカリ金属を示し、少なくともKを含んでよい。Mnは4価のMnイオンであってよい。p、q、r及びsは、0.9≦p+q+r≦1.1、0<q≦0.1、0<r≦0.2、5.9≦s≦6.1を満たしていてよい。好ましくは、0.95≦p+q+r≦1.05又は0.97≦p+q+r≦1.03、0<q≦0.03、0.002≦q≦0.02又は0.003≦q≦0.015、0.005≦r≦0.15、0.01≦r≦0.12又は0.015≦r≦0.1、5.92≦s≦6.05又は5.99≦s≦6.025であってよい。例えば、K2[Si0.946Al0.005Mn0.049F5.995]、K2[Si0.942Al0.008Mn0.050F5.992]、K2[Si0.939Al0.014Mn0.047F5.986]で表される組成が挙げられる。このようなKSAF系蛍光体によれば、輝度が高く、発光ピーク波長の半値幅の狭い赤色発光を得ることができる。
【0032】
また、上述した蛍光体を含有する波長変換シートを、面状光源上に配置してもよい。波長変換シートは、発光素子21からの青色光の一部を吸収して、黄色光、緑色光及び/又は赤色光を発し、白色光を出射する面状光源とすることができる。例えば、青色の発光が可能な発光素子21と、黄色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を組み合わせて白色光を得ることができる。また他には、青色の発光が可能な発光素子21と、赤色蛍光体及び緑色蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。また、青色の発光が可能な発光素子21と、複数の波長変換シートとを組み合わせてもよい。複数の波長変換シートとしては、例えば、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートと、を選択することができる。また、青色の発光が可能な発光素子21と、赤色の発光が可能な蛍光体を含有する第1透光性部材22とを有する第1光源20Aと、緑色の発光が可能な蛍光体を含有する波長変換シートとを組み合わせてもよい。
【0033】
波長変換シートに用いられる黄色の蛍光体としては、例えば、上述したイットリウム・アルミニウム・ガーネット系蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる緑色の蛍光体としては、発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したペロブスカイト構造を有する蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。また、波長変換シートに用いられる赤色の蛍光体としては、緑色の蛍光体同様に発光ピーク波長の半値幅の狭い、例えば、上述したKSF系蛍光体、KSAF系蛍光体又は量子ドット蛍光体を用いるのが好ましい。特に、量子ドット蛍光体は、残光時間が短いため、ローカルディミングを行う面状光源に好適に用いることができる。
【0034】
第1光源20Aは、さらに被覆部材24を含むことができる。被覆部材24は、発光素子21の下面に配置される。被覆部材24は、第1光源20Aの電極25の下面が被覆部材24から露出するように配置される。被覆部材24は、発光素子21の側面を覆う第1透光性部材22の下面にも配置される。
【0035】
被覆部材24は、発光素子21が発する光に対する反射性を有する。被覆部材24は、例えば、光散乱粒子を含む樹脂部材である。被覆部材24の光散乱粒子として例えば、接着層51に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。被覆部材24の樹脂材料としては、例えば、接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。
【0036】
さらに、第1光源20Aは、第2光反射部材23を含むことができる。第2光反射部材23は、第1光源20Aの上面に配置される。第2光反射部材23は、発光素子21の上面を覆っている。第2光反射部材23は、第1透光性部材22の上面に配置され、第1透光性部材22の上面から出射する光の量や出射方向を制御する。第2光反射部材23は、発光素子21が発する光に対する反射性及び透光性を有する。第1透光性部材22の上面から出射した光の一部は第2光反射部材23により反射し、他の一部は第2光反射部材23を透過する。発光素子21が発する光に対する第2光反射部材23の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。これにより、第1光源20Aの直上での輝度を低下させ、面状光源の輝度むらを軽減する。
【0037】
第2光反射部材23は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。光散乱粒子としては、例えば、接着層51に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。また、第2光反射部材23は、例えば、Al若しくはAgなどの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0038】
第1光源は被覆部材24を含まなくてもよい。例えば、
図16Cに示す第1光源20Cは、その下面を発光素子21の下面及び第1透光性部材22の下面が構成する。
【0039】
また、第1光源は発光素子21の単体であってもよい。
図16Dに示す第1光源20Dは、第1透光性部材22及び被覆部材24を含まない。第1光源20Dにおいて、発光素子21の上面に、第2光反射部材23が配置されていてもよい。また、
図16Dにおいて、第1光源20Dは発光素子21の下面に被覆部材24が配置されていないが、発光素子21の下面に被覆部材24が配置されていてもよい。
【0040】
図2に示すように、第1光源20Aの電極25の少なくとも一部が第3孔部h3に露出するように、第1光源20Aは位置決めされる。第1光源20Aを第1接着部材52A上に配置した後、第2孔部h2及び第3孔部h3に後述する導電部材が配置され、第1光源20Aの電極25は導電部材と接続される。
【0041】
支持部材50上に第1接着部材52Aを介して第1光源20Aを配置する際に、第1光源20Aが目標の位置からずれると、面状光源において求められる光学特性が得られない場合や、電極25と導電部材との接続不良が発生する場合がある。これらの場合、第1光源20Aを取り外して配置し直すことが必要となる。また、導電部材を第2孔部h2及び第3孔部h3に配置する際に気泡やゴミなどが混入すると、第1光源20Aの電極25と導電部材との接続不良や、導電部材の抵抗の上昇の原因となる。この場合、第2孔部h2及び第3孔部h3への導電部材の配置し直しが必要となる。導電部材を配置し直すにあたって、第1光源20Aを取り外した上で、第2孔部h2及び第3孔部h3に棒状の部材を挿入し、導電部材を第2孔部h2及び第3孔部h3の外に押し出すことができる。
【0042】
第1光源20Aの位置ずれや、導電部材への気泡やごみなどの混入が発生した場合に、実施形態の面状光源の製造方法は、第1孔部h1において導光部材10から露出する第1接着部材52Aから、第1光源20Aを取り外す工程を有する。第1光源20Aは、例えば、ピンセットや、半導体チップのピックアップ装置などを用いて、第1接着部材52Aから取り外される。
【0043】
図3及び
図4は、第1光源20Aを第1接着部材52Aから取り外した状態を示す。第1孔部h1において第1接着部材52Aが導光部材10から露出する。また、第1孔部h1において、平面視において第3孔部h3を画定する第1接着部材52Aの外縁が導光部材10から露出する。
【0044】
第1光源20Aを取り外した際に、第1接着部材52Aが第1光源20Aに付着して第1光源20Aとともに支持部材50から剥離してしまうことがある。この場合、光源を配置し直す際に、光源と支持部材50との接着不良や、第1孔部h1において支持部材50上に残った第1接着部材52Aと、支持部材50から剥離した第1接着部材52Aとの段差により光源が傾いてしまうなどの光源の配置不良が発生し得る。
【0045】
そこで、実施形態の面状光源の製造方法は、第1光源20Aを取り外した後、第1孔部h1において導光部材10から露出する第1接着部材52Aを除去する工程を有する。第1接着部材52Aを除去する工程の詳細については後で説明する。
【0046】
図5及び
図6に示すように、第1接着部材52Aを除去することで、第1孔部h1において支持部材50の第1光反射部材53が導光部材10から露出する。また、第1孔部h1において、平面視において第2孔部h2を画定する支持部材50の外縁が導光部材10から露出する。導光部材10の第2面12と支持部材50との間の第1接着部材52Aは残る。第1接着部材52Aを除去する工程において、支持部材50上には導光部材10が配置され、導光部材10には第1孔部h1が形成されているので、光源を配置し直す領域(第1孔部h1に露出する領域)の第1接着部材52Aを確実に除去することができる。
【0047】
第1接着部材52Aを除去する工程の前、第1接着部材52Aは、支持部材50と第1光源20Aとの間の領域と、支持部材50と導光部材10の第2面12との間の領域と、に連続して配置されている。第1接着部材52Aを除去する工程において、少なくとも支持部材50と第1光源20Aとの間に位置していた第1接着部材52Aを除去する。第1孔部h1において導光部材10から露出する第1接着部材52Aのうち、支持部材50と第1光源20Aとの間に位置していた第1接着部材52A以外の第1接着部材52Aは除去せずに残してもよい。
【0048】
実施形態の面状光源の製造方法は、第1接着部材52Aを除去する工程の後、第1孔部h1において導光部材10から露出する支持部材50の第1光反射部材53上に、第2接着部材を介して第2光源を配置する工程を有する。
【0049】
第2接着部材を介して第2光源を配置する工程は、
図7及び
図8に示すように、第2接着部材52Bを支持部材50の第1光反射部材53上に配置する工程を有する。さらに、第2接着部材を介して第2光源を配置する工程は、第2接着部材52Bを配置した後、
図9及び
図10に示すように、第2接着部材52Bに第3孔部h3を形成する工程を有する。さらに、第2接着部材を介して第2光源を配置する工程は、第3孔部h3を形成した後、
図11及び
図12に示すように、第2光源20Bを第2接着部材52B上に配置する工程を有する。
【0050】
図7及び
図8に示すように、第2接着部材52Bを支持部材50の第1光反射部材53上に配置する工程において、第2接着部材52Bは第1光反射部材53に接着される。第2接着部材52Bは、第1接着部材52Aが除去された領域に配置される。第2接着部材52Bは、第1接着部材52Aと同じ構成のものを用いることができる。第2接着部材52Bを支持部材50の第1光反射部材53上に配置する工程の詳細については後で説明する。
【0051】
第2接着部材52Bを配置した後、
図9及び
図10に示すように、第2接着部材52Bに、第2孔部h2に連通する第3孔部h3を形成することができる。第2接着部材52Bを配置した後、第2接着部材52Bに、第3孔部h3形成することで、第2孔部h2と第3孔部h3の位置ずれを発生しにくくできる。例えば、CO
2レーザや棒状の部材を用いて、第3孔部h3を形成することができる。
【0052】
または、予め第3孔部h3が形成された第2接着部材52Bを、平面視において第3孔部h3が第2孔部h2と重なるように、第1光反射部材53上に配置することもできる。第3孔部h3が形成された第2接着部材52Bを、第1光反射部材53上に配置することで、前述した第2接着部材52Bを配置した後に第3孔部h3形成する場合と比較して、第3孔部h3の形成することによる支持部材50の変色や欠けなどを生じにくくすることができる。
【0053】
第2光源20Bを第2接着部材52B上に配置する工程において、
図11に示すように、平面視において第2光源20Bの電極25が第3孔部h3に重なるように第2光源20Bを配置する。
図12に示すように、第2光源20Bの電極25の少なくとも一部が、第3孔部h3において露出する。第2光源20Bは、例えば、ピンセットや、半導体チップのピックアップ装置などを用いて、配置することができる。
【0054】
第2光源20Bは、第1光源20Aと同じ構成を有し、ピーク波長、出力、色度などの特性も第1光源20Aとほぼ同じ特性を有することが好ましい。また、上記工程で取り外した第1光源20A自体を、第2光源20Bとして第2接着部材52B上に配置することもできる。この場合、第1光源20Aを取り外す際に第1光源20Aに付着した第1接着部材52Aを除去することが好ましい。また、第2光源20Bは、
図16Cに示す第1光源20Cと同じ構成、または
図16Dに示す第1光源20Dと同じ構成であってもよい。なお、1つの第1光源20Aのピーク波長、出力、色度などが、他の第1光源20Aと大きくずれている場合、そのような1つの第1光源20Aを第2光源20Bに配置し直すことができる。この場合、第2光源20Bは、他の第1光源20Aと同じ構成を有し、ピーク波長、出力、色度などの特性も第1光源20Aとほぼ同じ特性を有することが好ましい。
【0055】
実施形態の面状光源の製造方法は、第2光源20Bを配置した後、
図13に示すように、第2孔部h2及び第3孔部h3に導電部材70を供給する工程をさらに備える。
【0056】
導電部材70は、例えば、樹脂と、樹脂中に含まれる金属粒子とを含む。導電部材70の樹脂として、例えば、エポキシ樹脂又はフェノール樹脂を用いることができる。金属粒子として、例えば、銅又は銀の粒子を用いることができる。例えば、印刷、ディスペンス等の方法で、ペースト状の導電部材70を第2孔部h2及び第3孔部h3に供給した後、熱硬化させる。
【0057】
導電部材70は、接続部71と配線部72とを有する。接続部71は、第3孔部h3及び第2孔部h2に配置される。配線部72は、配線基板60における配線層62が配置された面に配置され、接続部71と接続している。配線部72の一部72aは、配線層62と接続している。
【0058】
第2光源20Bの正負の一対の電極25に対応して、一対の導電部材70が互いに離れて配置される。一方の導電部材70の接続部71は、第2光源20Bの下方において正側の電極25と接続され、他方の導電部材70の接続部71は、第2光源20Bの下方において負側の電極25と接続される。第2光源20Bの電極25は、導電部材70を介して配線層62と電気的に接続される。
【0059】
図2に示す構造体101において、第2孔部h2及び第3孔部h3に導電部材が配置されていてもよい。この場合、まず、前述したように第1光源20Aを取り外す。第1光源20Aを取り外した後、第2孔部h2及び第3孔部h3に棒状の部材を挿入し、導電部材を第2孔部h2及び第3孔部h3の外に押し出す。この後、前述した
図3~
図13に示す工程が続けられる。
【0060】
また、
図13に示す導電部材70を配置する工程において、導電部材70内に気泡やごみなどが混入してしまった場合、第2光源20Bを取り外してから、第2孔部h2及び第3孔部h3に棒状の部材を挿入し、導電部材70を第2孔部h2及び第3孔部h3の外に押し出してもよい。この後、第2光源20Bを取り外した後に第1孔部h1に残っている第2接着部材52Bを第1接着部材として扱って、前述した
図3~
図13に示す工程が続けられる。
【0061】
実施形態の面状光源の製造方法は、
図15に示すように、支持部材50に絶縁層54を形成する工程をさらに備えることができる。絶縁層54は、配線基板60における配線層62が配置された面、配線層62、及び導電部材70を覆って保護する。
【0062】
実施形態の面状光源の製造方法は、さらに、
図14及び
図15に示すように、第2透光性部材30を形成する工程を備えることができる。
【0063】
第2透光性部材30は、第1孔部h1における第2光源20Bの側面と導光部材10との間、及び第2光源20Bの上に配置される。第2透光性部材30は、第2光源20Bの上面及び側面を覆う。第2透光性部材30は、導光部材10及び第2光源20Bと接することが好ましい。このようにすることで、第2光源20Bからの光を導光部材10に導光させやすくなる。
【0064】
第2透光性部材30は、第2光源20Bが発する光に対する透光性を有する。第2光源20Bのピーク波長に対する第2透光性部材30の透過率は、例えば、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。第2透光性部材30の材料として、例えば樹脂を用いることができる。例えば、第2透光性部材30の材料として導光部材10の材料と同じ樹脂、又は導光部材10の材料との屈折率差が小さい樹脂を用いることができる。
【0065】
第2透光性部材30は、導光部材10の厚さ方向において、単層で構成されてもよいし、複数の層の積層体で構成されてもよい。また、第2透光性部材30は蛍光体や光拡散材を含んでいてもよい。第2透光性部材30が積層体である場合には、各層が蛍光体及び/又は光拡散材を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。例えば、第2透光性部材30が、蛍光体を含む層と、蛍光体を含まない層とで構成されていてもよい。
【0066】
実施形態の面状光源の製造方法は、さらに、
図14及び
図15に示すように、第3光反射部材40を形成する工程を備えることができる。
【0067】
第3光反射部材40は、第2透光性部材30の上に配置される。第3光反射部材40は、第2透光性部材30を介して、第2光源20Bの上方に配置される。また、第3光反射部材40は、第2透光性部材30及び第2光源20Bに接していてもよい。また、第3光反射部材40は、接着樹脂を介して、第2透光性部材30及び第2光源20Bの上方に配置されてもよい。接着樹脂としては、例えば、接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。また、
図14に示すように、第3光反射部材40は、平面視において第2光源20B及び第2透光性部材30が配置された第1孔部h1と重なる位置に配置される。
【0068】
第3光反射部材40は、第2光源20Bが発する光に対する反射性及び透光性を有する。第2光源20Bのピーク波長に対する第3光反射部材40の透過率は、例えば、1%以上50%以下が好ましく、3%以上30%以下であることがより好ましい。
【0069】
第3光反射部材40は、透光性樹脂と、透光性樹脂中に含まれる光散乱粒子によって構成することができる。透光性樹脂としては、例えば、例えば、支持部材50の接着層51に用いることができる樹脂として列挙した樹脂から選択することができる。光散乱粒子としては、例えば、接着層51に用いることができる光散乱粒子として列挙した光散乱粒子から選択することができる。また、第3光反射部材40は、上述した透光性樹脂が、光散乱粒子を含まず多数の気泡を含んでいてもよい。また、第3光反射部材40は、例えば、アルミニウム若しくは銀などの金属部材、又は誘電体多層膜であってもよい。
【0070】
第3光反射部材40の上面は、導光部材10の第1面11とともに面状光源の発光面(光出射面)として機能する。第3光反射部材40は、第2光源20Bが配置された第1孔部h1の上方へ向かう光の一部を反射させ、他の一部を透過させる。これにより、面状光源の発光面において、第2光源20Bの直上及び周辺の領域の輝度と、他の領域の輝度との差を小さくすることができる。これにより、面状光源の発光面における輝度むらを軽減することができる。
【0071】
第3光反射部材40と、第2光源20Bの第2光反射部材23との間に、第2透光性部材30が配置されている。第2透光性部材30は、第3光反射部材40及び第2光反射部材23よりも第2光源20Bが発する光に対する透過率が高い。第2光源20Bが発する光に対する第2透光性部材30の透過率は、100%以下の範囲において、第2光反射部材23の透過率及び第3光反射部材40の透過率の2倍以上100倍以下とすることができる。第3光反射部材40と第2光反射部材23との間の第2透光性部材30には、第2光源20Bの側面から出射された光や、下方の第1光反射部材53で反射された光などが回り込んで導光される。これにより、第2光源20Bの直上領域が明るくなりすぎず、且つ暗くなりすぎず、結果として、面状光源の発光面における輝度むらを軽減することができる。
【0072】
第2光源20Bから直接真上方向に出射された光の一部は第2光反射部材23により透過が抑制されていることから、第2光源20Bの直上領域が暗くなりすぎるのを抑えるために、第2光源20Bが発する光に対して、第3光反射部材40の透過率は第2光反射部材23の透過率よりも高いことが好ましい。
【0073】
第1接着部材52Aと第2接着部材52Bは、第2光源20Bが発する光に対する透光性を有する。第1光反射部材53は、導光部材10と支持部材50との間の第1接着部材52Aの下、及び第1孔部h1と支持部材50との間の第2接着部材52Bの下に配置されている。その第1光反射部材53と、導光部材10の第1面11との間の領域においては、第1光反射部材53と第1面11とで反射が繰り返されつつ、第2光源20Bからの光が、各発光部100の端に位置する溝14に向かって導光部材10内を導光される。第1面11に向かった光の一部は、第1面11から導光部材10の外部に取り出される。第2面12に向かった光の一部は、第1光反射部材53によって第1面11側に反射されるので、第1面11から取り出される光の輝度を向上させることができる。第1光反射部材53は、多数の気泡を含む樹脂部材を用いることが好ましい。第1光反射部材53による光の反射量が向上し、第2光源20Bからの光が溝14に向かって導光部材10内を導光しやすくなる。さらに、第1光反射部材53の下面に配置される接着層51に光反射性をもたせると、第1面11から取り出される光の輝度をより向上させることができる。
【0074】
次に、第1接着部材52Aを除去する工程の詳細について説明する。
【0075】
[第1接着部材52Aの第1の除去方法]
第1接着部材52Aは、第3接着部材に接着させて支持部材50上から除去することができる。第1の除去方法によれば、
図17に示すように、第1押圧部材81の先端部に固定された第3接着部材82を第1接着部材52Aに押し当てて、第1接着部材52Aを第3接着部材82に接着させる。そして、第1押圧部材81を支持部材50から離れる方向に移動させることで、第3接着部材82に接着した第1接着部材52Aが支持部材50から剥離する。第1接着部材52Aは、第1孔部h1において導光部材10から露出しており、それ以外の領域は、導光部材10に覆われている。従って、第1の除去方法において、第1孔部h1において露出した第1接着部材52Aを除去し、導光部材10の下方に位置する第1接着部材52Aを残すことができる。つまり、除去が必要な領域の第1接着部材52Aは確実に除去しやすく、除去が不要な領域の第1接着部材52Aが除去されにくい。
【0076】
第1押圧部材81は、例えば、棒状であり、第1押圧部材81の太さを太くすると、第3接着部材82における第1接着部材52Aとの接着面82aの面積が広くなる。第3接着部材82の接着面82aの面積が広いと、第1接着部材52Aに対する第1押圧部材81の1回の押圧で第1接着部材52Aを除去することができる面積も広くできる。第1接着部材52Aに対する第1押圧部材81の押圧を複数回繰り返すことで、除去対象の第1接着部材52Aを除去することができる。また、同じ箇所に対する1回の押圧だけでは第1接着部材52Aを除去することができなくても、同じ箇所に対して複数の押圧を繰り返す、または第3接着部材82を第1接着部材52Aに擦り付けながら押圧することで第1接着部材52Aの除去が可能になる。
【0077】
第1押圧部材81の材料としては、金属、樹脂、紙などを用いることができる。第1押圧部材81を複数回押し付ける場合には、第1接着部材52Aの下の第1光反射部材53の損傷を防ぐために、例えば紙などの軟らかい材料が好ましい。また、第1押圧部材81として、例えばピンセットを用いることもできる。
【0078】
第3接着部材82は、第1接着部材52Aと同じものを用いることが好ましい。また、第3接着部材82と第1押圧部材81との接着強度を高めるために、第1押圧部材81の表面に複数層の第3接着部材82を形成することが好ましい。
【0079】
[第1接着部材52Aの第2の除去方法]
第2の除去方法によれば、第3接着部材として光硬化テープを用いる。光硬化テープとして、例えば、紫外線で硬化するテープを用いることができる。
図18に示すように、光硬化テープ84の粘着面84aを第1孔部h1に露出する第1接着部材52Aに接着させる。例えば、第3押圧部材83を第1孔部h1の下方に移動させて、第3押圧部材83で光硬化テープ84の粘着面84aを第1孔部h1に露出する第1接着部材52Aに押し付けて、接着させる。また、光硬化テープ84の粘着面84aは、導光部材10の第1面11に接着させている。光硬化テープ84の粘着面84aを第1孔部h1に露出する第1接着部材52Aに接着させつつ、光硬化テープ84の粘着面84aを導光部材10の第1面11に接着させることで、後述する光硬化テープ84へ紫外線を照射する際に光硬化テープ84の位置ずれを低減することができる。その結果、第1孔部h1に露出する第1接着部材52Aを除去しやすくなる。
【0080】
この後、光硬化テープ84に紫外線を照射する。紫外線の照射により、光硬化テープ84の粘着面84aの粘着部材が硬化する。粘着面84aの粘着部材の硬化に伴い、粘着面84aに第1接着部材52Aが保持される。また、粘着面84aの粘着部材が硬化することで、粘着面84aと導光部材10との接着力は低下する。
【0081】
紫外線の照射により粘着面84aの粘着部材を硬化させた後、
図19に示すように、光硬化テープ84を支持部材50から離れる方向に移動させる。この光硬化テープ84の移動に伴い、粘着面84aに保持された第1接着部材52Aが支持部材50から分離する。第1接着部材52Aは、第1孔部h1において導光部材10から露出しており、それ以外の領域は、導光部材10に覆われている。従って、第2の除去方法において、第1孔部h1において露出した第1接着部材52Aに、光硬化テープ84の粘着面84aを接着させつつ、導光部材10の下方に位置する第1接着部材52Aには、光硬化テープ84の粘着面84aを接着させない。従って、第1孔部h1において露出した第1接着部材52Aを除去し、導光部材10の下方に位置する第1接着部材52Aを残すことができる。つまり、除去が必要な領域の第1接着部材52Aは確実に除去しやすく、除去が不要な領域の第1接着部材52Aが除去されにくい。
【0082】
第2の除去方法によれば、複数の第1孔部h1に露出する複数の除去対象の第1接着部材52Aを同時に除去することができる。なお、光硬化テープ84を第1接着部材52Aに接着させる工程と、光硬化テープ84を硬化させる工程と、及び光硬化テープ84と共に第1接着部材52Aを支持部材50から分離させる工程と、を複数回繰り返してもよい。
【0083】
上記第1の除去方法または第2の除去方法によって第1接着部材52Aを除去する前に、第1孔部h1において導光部材10から露出する第1接着部材52Aの外縁部の少なくとも一部を除去することができる。
【0084】
図20A及び
図20Bに示す例では、平面視において円形の第1孔部h1の周方向に沿う第1接着部材52Aの外縁部のすべてを除去する。第1接着部材52Aの外縁部とは、平面視において導光部材10から200μm以内の範囲の部分である。第1接着部材52Aの外縁部を除去した領域110には、支持部材50の第1光反射部材53が露出する。第1接着部材52Aの外縁部は、例えば、CO
2レーザやブレードなどを用いて除去することができる。
【0085】
第1接着部材52Aの外縁部を除去した後、外縁部よりも内側に位置する第1接着部材52Aを、上記第1の除去方法または第2の除去方法によって除去する。第1接着部材52Aの外縁部を先に除去しておくことで、第1孔部h1に露出する除去対象の第1接着部材52Aが、導光部材10の第2面12と支持部材50との間の第1接着部材52Aから分離される。これにより、外縁部よりも内側に位置する第1接着部材52Aを容易に除去することができる。第1接着部材52Aの外縁部は、第1孔部h1の外縁(平面視において第1孔部h1と導光部材10との境界)に沿って、1/4以上の部分を除去するのが好ましく、1/2以上の部分を除去するのがさらに好ましく、すべての部分を除去するのがさらに好ましい。
【0086】
図21A及び
図21Bに示すように、第1接着部材52Aの外縁部に加えて、さらに外縁部よりも内側の第1接着部材52Aを複数の領域に分けるように第1接着部材52Aを除去した後に、残りの第1接着部材52Aを除去してもよい。これにより、第1接着部材52Aをさらに容易に除去することができる。
【0087】
図21Aに示す例では、外縁部よりも内側の第1接着部材52Aを格子状に除去して、外縁部よりも内側の第1接着部材52Aを9つの領域に分けている。
図21Bに示す例では、外縁部よりも内側の第1接着部材52Aを4つの領域に分けている。なお、外縁部よりも内側の第1接着部材52Aを、
図21A及び
図21Bに示す領域の数以外の複数の領域に分けてもよい。
【0088】
[第1接着部材52Aの第3の除去方法]
第3の除去方法によれば、第1接着部材52Aにレーザ光を照射することにより、第1接着部材52Aを除去する。例えば、CO2レーザを用いることができる。
【0089】
図22A及び
図22Bにおいて、平面視におけるレーザ光の走査軌跡の例を破線で表す。
【0090】
図22Aに示す例では、レーザ光の直線的な走査を繰り返して第1接着部材52Aを除去する。ある一方向に沿って第1領域に対してレーザ光を走査して、第1領域の端まで到達すると、前記一方向の逆方向に向きを変えて、第1領域に隣接する第2領域に対してレーザ光を走査し、第2領域の端まで到達すると、再び前記一方向に向きを変えて、第2領域に隣接する第3領域に対してレーザ光を走査する。このような走査を繰り返す。このようにレーザ光を走査することで、第1接着部材52Aを効率よく除去することができる。
【0091】
第1接着部材52Aにレーザ光を照射することにより、第1接着部材52Aを除去する場合、レーザ光の走査方向を変える際に、走査速度が低下しやすい。そこで、
図22Bに示すように、渦巻き状にレーザ光を走査することで、走査速度が低下しにくいため、第1接着部材52Aをさらに効率よく除去することができる。また、各照射部に対する照射時間を均一化しやすいため、第1接着部材52Aの除去にばらつきが生じることを低減することができる。例えば、平面視における第1孔部h1の中心から外周側に向かって等速で渦巻き状にレーザ光を走査することができる。なお、平面視における第1孔部h1の外周側から中心に向かって渦巻き状にレーザ光を走査してもよい。第1接着部材52Aは、第1孔部h1において導光部材10から露出しており、それ以外の領域は、導光部材10に覆われている。従って、第3の除去方法において、第1孔部h1において露出した第1接着部材52Aに、レーザ光を照射しやすくでき、導光部材10の下方に位置する第1接着部材52Aには、レーザ光が照射されにくくできる。従って、第1孔部h1において露出した第1接着部材52Aを除去し、導光部材10の下方に位置する第1接着部材52Aを残すことができる。つまり、除去が必要な領域の第1接着部材52Aは確実に除去しやすく、除去が不要な領域の第1接着部材52Aが除去されにくい。
【0092】
次に、第2接着部材52Bを支持部材50上に配置する工程の詳細について説明する。
【0093】
図23Aは、実施形態における第2接着部材52Bを配置する装置90の模式図である。装置90は、支持台91と、支持柱92と、可動部93と、アーム部94と、第2押圧部材95とを有する。支持柱92は、支持台91に固定され、支持台91の上方に延びている。可動部93は、支持柱92に対して上下動可能である。アーム部94は、可動部93から水平方向に延びている。第2押圧部材95は、アーム部94の先端部に固定されている。
【0094】
図23Bは、第2押圧部材95の拡大断面図である。
第2押圧部材95の下面に第4接着部材96が接着され、第4接着部材96に分離部材97が接着され、分離部材97に第2接着部材52Bが接着される。
【0095】
第1接着部材52Aを除去した後、第2押圧部材95に第4接着部材96及び分離部材97を介して固定された第2接着部材52Bを準備する。そして、
図24に示すように、第2押圧部材95を、第1孔部h1において導光部材10から露出する支持部材50に向けて移動させ、第2接着部材52Bを支持部材50上に配置する。第2接着部材52Bは、支持部材50の第1光反射部材53に接着される。
【0096】
この後、
図25に示すように、第2押圧部材95を支持部材50から離れる方向に移動させる。ここで、第4接着部材96と分離部材97との接着力は、分離部材97と第2接着部材52Bとの接着力よりも高く、分離部材97と第2接着部材52Bとの接着力は、第2接着部材52Bと支持部材50の第1光反射部材53との接着力よりも低い。そのため、第2押圧部材95を支持部材50から離れる方向に移動させると、第2接着部材52Bは、分離部材97から分離して、第1光反射部材53上に配置される。
【0097】
なお、第2押圧部材95は、吸着面に発生させる負圧により第2接着部材52Bを吸引し、第2接着部材52Bを支持部材50上に配置した後、負圧の発生を解除することで、第2接着部材52Bから分離するようにすることもできる。
【0098】
第2接着部材52Bを介して第2光源20Bを配置する工程において、第3孔部h3が形成された第2接着部材52Bを第2光源20Bの下面に接着した後、第2光源20B及び第2接着部材52Bを、第1孔部h1において導光部材10から露出する支持部材50上に配置することもできる。
【0099】
以上、具体例を参照しつつ、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。本発明の上述した実施形態を基にして、当業者が適宜設計変更して実施し得る全ての形態も、本発明の要旨を包含する限り、本発明の範囲に属する。その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものである。
【符号の説明】
【0100】
10…導光部材、20A…第1光源、20B…第2光源、25…電極、50…支持部材、52A…第1接着部材、52B…第2接着部材、70…導電部材、81…第1押圧部材、82…第3接着部材、84…光硬化テープ、95…第2押圧部材、96…第4接着部材、97…分離部材、101…構造体、h1…第1孔部、h2…第2孔部、h3…第3孔部