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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】物品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/08 20060101AFI20240315BHJP
   B65G 43/08 20060101ALI20240315BHJP
【FI】
B65G47/08 E
B65G43/08 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020054771
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021155142
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000107240
【氏名又は名称】ジェーシーシーエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505045322
【氏名又は名称】サンワテクノス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
(72)【発明者】
【氏名】平野 隆士
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-105596(JP,A)
【文献】特開2014-076831(JP,A)
【文献】特開平03-056319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/00-47/20
B65G 43/00-43/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域の後、略水平状に搬送する搬送領域を有する無端状のコンベア装置が複数、隣接して平行に配置され、隣接するコンベア装置の排出端部はコンベア進行方向に対して異なる位置に配置されている複数のコンベア装置と、
前記複数のコンベア装置の斜め上方向に搬送する搬送領域において物品をコンベア上に載置する物品供給機構と、
前記複数のコンベア装置において各コンベア装置の排出端部において排出される物品の個数をカウントするカウンタと、
前記排出される物品の個数が所定個数となった際に各コンベア装置の搬送を停止する制御機構と、
前記排出される物品の排出経路を備えた、
乾燥食品の物品供給装置。
【請求項2】
前記物品供給機構が前記斜め上方向に搬送する搬送領域を包含するとともに、物品をストックするホッパ部である請求項1に記載の物品供給装置。
【請求項3】
前記物品供給装置の各コンベア装置のコンベアベルトにおいて所定間隔ごとに搬送する物品の仕切部が設けられた請求項1又は2に記載の物品供給装置。
【請求項4】
前記各コンベア装置において下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域であって、かつコンベアに対する物品供給後の搬送領域において前記コンベア装置間の区切部に凸状領域
を有する請求項1~3のいずれかに記載の物品供給装置。
【請求項5】
前記各コンベア装置の排出経路において排出される物品を一時的にストック可能なストック部をさらに備えた請求項1~4のいずれかに記載の物品供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の製造ラインにおいて、ワンタン、餃子、たこ焼き等の小サイズの乾燥食品をより正確な個数供給するための供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
加工食品、特に即席カップ麺のような即席食品の製造工程においては、乾燥されたワンタン、餃子、たこ焼き、牛肉、豚肉、野菜、魚等の小サイズの乾燥食品を各カップごとに所定個数を投入することが必要な場合がある。一方、これらの乾燥食品は従来までパーツフィーダ等を利用する場合が多かったが、当該乾燥食品を所定の個数を比較的正しく商品等に供給するのは困難な場合が多かった。
【0003】
特に即席麺や即席ライスの製造ラインにおいては、コンベアによってカップを連続的に搬送し、具材等のパーツを供給していく必要がある。このように連続的に製造し、大量生産するため迅速に具材等を供給するための装置として、例えば以下の先行技術1に記載の装置が例として挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-145653号 上記先行技術の乾燥食品の供給装置は、定量性に優れた供給機能を有するが、画像により供給する量を制御するものであって、個数をほぼ正確に制御するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明者らはワンタン、餃子、たこ焼き等の小サイズの乾燥食品をできる限りほぼ正しく所定個数、供給できる新たな乾燥食品の供給装置を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らの鋭意研究の結果、下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域の後、略水平状に搬送する搬送領域を有する無端状のコンベア装置が複数、隣接して平行に配置され、隣接するコンベア装置の排出端部はコンベア進行方向に対して異なる位置に配置されている複数のコンベア装置を利用しつつ、当該コンベア装置の斜め上方向に搬送する搬送領域において物品を供給する態様とし、前記複数のコンベア装置において各コンベア装置の排出端部において排出される物品の個数をカウントするカウンタを設けるとともに、前記排出される物品の個数が所定個数となった際に各コンベア装置の搬送を停止する制御機構と、当該排出される物品の排出経路を備えた物品供給装置、とすることで所定個数の乾燥食品を供給できることを見出して本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本願第一の発明は、
“下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域の後、略水平状に搬送する搬送領域を有する無端状のコンベア装置が複数、隣接して平行に配置され、隣接するコンベア装置の排出端部はコンベア進行方向に対して異なる位置に配置されている複数のコンベア装置と、
前記複数のコンベア装置の斜め上方向に搬送する搬送領域において物品をコンベア上に載置する物品供給機構と、
前記複数のコンベア装置において各コンベア装置の排出端部において排出される物品の個数をカウントするカウンタと、
前記排出される物品の個数が所定個数となった際に各コンベア装置の搬送を停止する制御機構と、
前記排出される物品の排出経路を備えた、物品供給装置。“、である。
【0007】
次に、前記物品供給機構が前記斜め上方向に搬送する搬送領域を包含するとともに、物品をストックするホッパ部を装着する方法によっても可能である。
すなわち、本願第2の発明は、
“前記物品供給機構が前記斜め上方向に搬送する搬送領域を包含するとともに、物品をストックするホッパ部である請求項1に記載の物品供給装置。”、である。
次に、前記物品供給装置の各コンベア装置のコンベアベルトにおいては、所定間隔ごとに搬送する物品の仕切部を設けてあることが好ましい。
【0008】
すなわち、本願第3の発明は、
“前記物品供給装置の各コンベア装置のコンベアベルトにおいて所定間隔ごとに搬送する物品の仕切部が設けられた請求項1又は2に記載の物品供給装置。”、である。
次に、前記各コンベア装置において下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域であって、かつコンベアに対する物品供給後の搬送領域において前記コンベア装置間の区切部に凸状領域を設けると、上昇して運ばれてくる物品がコンベア間に跨っている場合に排除できて好適である。
【0009】
すなわち、本願第4の発明は、
“前記各コンベア装置において下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域であって、かつコンベアに対する物品供給後の搬送領域において前記コンベア装置間の区切部に凸状領域を有する請求項1~3のいずれかに記載の物品供給装置。”、である。
次に、前記各コンベア装置の排出経路において排出される物品を一時的にストック可能なストック部を設けることで、生産ライン等において同時に物品を下方に排出することができる。
【0010】
すなわち、本願第5の発明は、
“前記各コンベア装置の排出経路において排出される物品を一時的にストック可能なストック部をさらに備えた請求項1~4のいずれかに記載の物品供給装置。”、である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の物品供給装置を利用することによって、乾燥具材等をほぼ正しい所定の個数供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施態様の物品供給装置の斜視図である。
図2】本発明の第一実施態様の物品供給装置の第一スプロケットの構造の説明図である。
図3】本発明の第一実施態様の物品供給装置を利用して物品を生産ラインにおいて供給する例の斜視図である。
図4】本発明の第一実施態様の物品供給装置の凸状領域を含むコンベア傾斜面の拡大図である。
図5】本発明の物品供給装置における物品供給機構の他の例を示した斜視図である。
図6】本発明の第一実施態様の物品供給装置の個数カウンタ部付近を拡大した斜視図である。
図7】本発明の第一実施態様の排出経路においてバタフライ弁を利用したストック部を用いた場合の断面模式図である。
図8】導管(排出経路)の出口端面積と容器開口部の面積を示す斜視図である。
図9】本発明の第一実施態様の物品供給装置を利用して物品を生産ラインにおいて供給する例の斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
1 物品供給装置
3 コンベア装置
5 コンベアベルト
7 スプロケット
71 第一スプロケット
73 第二スプロケット
75 第三スプロケット
9 境界部
11 仕切部
13 動力部(モータ部)
17 排出経路(導管)
21 カウンタ
23 凸領域
25 ホッパ部
29 開閉弁(バタフライ弁)
31 生産ライン
DF 乾燥食品(物品)
CP カップ状容器
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に本発明の態様について実施態様を交えて説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
図1は本発明の第一実施態様の物品供給装置の全体を示した斜視図である。
【0015】
本発明の物品供給装置は、
“下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域の後、略水平状に搬送する搬送領域を有する無端状のコンベア装置が複数、隣接して平行に配置され、隣接するコンベア装置の排出端部はコンベア進行方向に対して異なる位置に配置されている複数のコンベア装置と、
前記複数のコンベア装置の斜め上方向に搬送する搬送領域において物品をコンベア上に載置する物品供給機構と、
前記複数のコンベア装置において各コンベア装置の排出端部において排出される物品の個数をカウントするカウンタと、
前記排出される物品の個数が所定個数となった際に各コンベア装置の搬送を停止する制御機構と、前記排出される物品の排出経路を備えた物品供給装置“である。以下に本発明の内容について説明する。
【0016】
─物品供給装置─
本発明における物品とは種々のものを供給することができるが、特に乾燥食品を供給するに適している。例えば、即席麺等の加工食品の製造においては、カップ状容器に乾燥された麺塊を収納し、この上に物品として各種の乾燥食品(乾燥具材)DFを添加する場合がある。本発明においては物品としてこのような乾燥食品DFを対象とするのが好ましい。
また、乾燥食品DFの場合、個々の形状が必ずしも完全に一致しておらず固体ごとに形状に多少の相違がある場合が多い。本発明の物品供給装置はこのような乾燥食品DFの連続的に供給する場合において好適に利用することができる。さらに、形状が歪な乾燥食品に対しても十分に適用できる。
【0017】
ここで乾燥食品としては、具体的にはフライ処理や熱風乾燥した餃子、ワンタン、なると、カマボコ、乾燥野菜、乾燥肉、植物蛋白塊、成型スープのようなある程度の粒子サイズを有する具材や成型スープ等が想定される。
本発明の物品供給装置はこのような乾燥食品DFの供給の際に利用することができる。特に本発明における供給する対象との物品としては特に限定されるものではないが、概ね大きさ5mm角程度のサイズ~大きさ50mm角程度のサイズを有する乾燥食品が挙げられる。
【0018】
─コンベア装置─
本発明の物品供給装置1については、図1に示すように複数の無端状のコンベア装置3が複数、隣接して平行に配置される。当該複数のコンベア装置3については、下方側から斜め上方向に搬送する搬送領域の後、略水平方向に搬送する搬送領域を有する。
尚、図1には示していないが、各コンベア装置3は所定の筐体に支持されて設置されている。
【0019】
また、当該下方側から斜め上方向の傾斜角度については変化させることによって種々の傾斜角とすることが可能であることは勿論である。
尚、図1では、9つのコンベア装置3が平行に配置されている例を示している。それぞれのコンベア装置3においては、各コンベアベルト5が複数のスプロケット7に巻き掛けられて無端状に循環するように構成されている。尚、隣り合うコンベアベルト間においては、境界部9が設けられている。また、本発明において配置するコンベア装置の個数は限定されるものでないことは勿論である。
【0020】
各コンベアベルト5にはコンベアベルト5を所定間隔ごとに区切るための仕切部11を設けることが好ましい。当該仕切部11を設けることによって、当該仕切り部間に設けられた領域を搬送する物品の収納スペースとすることができる。
尚、各スプロケット7は一体に回転するものではなく、図2に示すように分離されており、別個独立に回転する。すなわち、それぞれのコンベア装置が独立で個別に稼働するように構成されている。また、各コンベア装置3には個別に動力部のモータ部13及び当該モータの動きを制御する制御部が適宜装備されている。
【0021】
各コンベア装置3は物品を供給する稼働時には下方側の端部の第一スプロケット71より斜め上方向の上昇するように移動し、その後第二スプロケット72において水平方向に移動し、水平状態での移動の後にコンベア端部に到達する。
【0022】
当該コンベアの端部においてがコンベアベルトが第三スプロケット73に巻き掛けられており、ここでコンベアベルトが反転する際に搬送した物品がコンベアベルトより落下して、下方にある物品の排出用の排出経路である導管17を経由して、所定のカップ状容器CP等の供給先に当該物品を供給することができるように構成されている。
当該各コンベア装置3の端部について、隣接するコンベア装置の排出端部はコンベア進行方向に対して異なる位置に配置されている。このように排出端部の位置を変えることで本物品供給装置1を即席麺等の生産ラインに利用する場合において複数の搬送列に対応して、図3に示すように物品の供給を行いやすくなるという利点を有する。
【0023】
また、これと共に各コンベア装置3ごとにおける後述する排出個数のカウンタ21や動力部(モーター部)13を配置し易くするという利点を有する。また、本発明の第一の実施態様では各コンベア装置3の動力部13は各コンベア装置の排出端付近の側面部に設けられている。また、各コンベア装置の端部には、その斜め上方に個数カウンタ21が備えられており、コンベア装置3の排出端部より下方に排出する物品の個数をカウントできるように構成されている(図6)。
【0024】
─コンベア傾斜面に設けられた凸部について─
本発明の物品供給装置1においてはコンベア傾斜面において隣接するコンベア装置の間の境界部9より突出する凸領域23を設けることも効果的である。図4示すように当該凸領域23によって、コンベア装置間に跨ってイレギュラーに載置されてコンベア移載されている物品の移送を阻害して、これを排除することができる。
【0025】
─コンベア装置への物品供給機構─
本発明においては、前記コンベア装置3に物品(例えば、乾燥食品DF)を供給する機構を設ける。当該供給機構については特に態様が制限されるものではなく、前記コンベア装置3に物品を供与できるものであればあらゆる態様を含む。
具体的には図1、3に示すように当該供給機構が前記斜め上方向に搬送するコンベア装置3の搬送領域を包含するとともに、物品をストックするホッパ部25である場合が一例として挙げられる。当該ホッパ部25に供給したい物品を収納しストックしておくことで、コンベア上の仕切部11及び境界部9によって区切られた領域である物品載置部に順次物品が自然に入り込んで載置され、次いでコンベアベルト5の進行と共に斜め上方に搬送されることになる。
【0026】
また、本第一の実施態様は一例であり、他の態様としてパーツフィーダや振動フィーダを用いて物品を供給する態様や、人による手作業で物品を供給する態様も挙げられることは勿論であり、供給対象となる物品をコンベア装置に対して供給する機構であればあらゆる態様含むものである。
【0027】
尚、図1、3に示すような物品ストック用のホッパ部25を利用する場合、図1、3においては、二段(2つ)のホッパ部25を利用する場合を示しているが、これに限定されるものではなく、例えば、図5に示すように一段のホッパ部25を利用する態様であってもよいことは勿論である。
【0028】
─カウンタ─
所定個数の物品を供給するためには、各コンベア装置3においてはコンベア装置3より供給した物品の個数を計測する光電センサを利用したカウンタ21が設けられている。本発明の第一の実施態様では、図6に示すように下方への落下直前のコンベアベルト上の物品の存在を検知することによってその個数をカウントするように設定されている。
【0029】
また、カウントの方法としては、コンベアベルト5と当該物品の色の相違によって通過する物品の数のカウントを行う方法等を利用することができる。例えば、具体的には本発明の第一の実施態様では、コンベアベルト5は青色であり、物品は白色のタイプ等を利用することができる。但し、本発明における個数のカウントの方法は特に限定されず種々の態様を含むことは勿論である。
【0030】
尚、本発明の第一実施態様においては、個数のカウントを各コンベア装置3からコンベアベルト5が反転する際に物品が落下する直前のコンベアベルト上の物品の個数を計測することとしているが、本発明においては当該態様に限定されるものではなく、例えば、当該個数をカウントするためのカウンタ21を物品の排出経路のいずれかの位置に配置してもよいことは勿論である。物品の個数のカウントのタイミングについては、適宜設定可能である。
【0031】
次に、本発明においては予定する供給個数の物品をカウントした時点で物品のコンベア搬送を一旦停止し、供給対象の所定のカップ状容器CP等に対する物品の供給を完了した後において、次のカップ状容器等の供給先に移り、再度、コンベア搬送を開始して物品を排出・カウントして供給するように構成することが好ましい。このようなサイクルを繰り返し実施することによって供給先であるカップ状容器等に物品を順次、供給することができる。
【0032】
─コンベアベルト上における物品載置部の充填状態について─
本発明においては、コンベアベルト上の物品の載置部の全てが完全に埋まっている必要はない。すなわち、物品載置部に物品が埋まっていない空の部分があったとしても、後述するカウンタ21によって所定個数となるように排出する個数をカウントするため所定個数の物品を排出することは可能となる。
【0033】
─制御方法─
本発明においては、所定の物品(例えば、乾燥食品DF)の個数を供給することを意図しているが、目標とする供給個数に近接する個数であれば足りることは勿論である。高速の製造ラインにおいては確率的にもイレギュラーな状態が発生することもありうるからである。具体的な本発明の物品供給装置1における物品供給の制御方法としては、種々可能である。
【0034】
例えば、一例として各コンベア装置3の搬送を同時に開始して、所定個数の下方部への排出をすべてのコンベア装置3が終了した時点で、供給先のカップ状容器の列を次のカップ状容器CPの列に入れ替える方法が挙げられる。
また、別の例として、各コンベア装置3が排出端部において排出する目標の個数よりも多い所定個数分の物品数を排出するのに相当するコンベアベルト5の長さ又は搬送間隔ごとに搬送・停止を繰り返すように基本設定しておく制御とともに、これに加えて、当該基本設定の搬送が終了する前であっても目標の個数を排出した時点でコンベア搬送を停止する制御が優先されるように設定しておく方法も有効である。
【0035】
このようにしておくことで、各コンベア装置3によって目標とする個数の物品の排出を完了するタイミングがずれたとしても、排出先のカップ状容器等の入れ替えのタイミングを前記のコンベアベルト5の長さ又は搬送間隔ごとに搬送・停止に合わせることで順次、供給先に対して物品を順次供給することが可能となる。
【0036】
例えば、目標として7個の物品を供給したい場合、10個分に相当するコンベア長さを搬送するように設定しておき、7個の物品を排出した時点でコンベアを停止するようにさらに設定するような制御をいう。
この場合、コンベアベルト上の物品の載置部に物品が欠けている場合においても、余裕をもって10個分に相当するコンベア長さを搬送させるように設定しているため、目標とする7個を排出することができるとともに、次のカップ状容器等の供給先に入れ替えた後に全てのコンベア装置の可動を同時に再開することができることになる。
その他、制御方法は上記に限定されず、適宜選択することができることは勿論である。
【0037】
─排出経路─
本発明の物品供給装置においては、カウントした所定個数の物品(例えば、乾燥食品DF)を排出する排出経路を有する。図1、3に記載のタイプにおいては、排出経路17としてプラスチック製の導管17を示しているが、これは一例でありこれらに限定されないことは勿論である。
【0038】
また、当該排出経路17としての導管17においては、以下の図7に示すように開閉弁としてバタフライ弁29を設けることによって、一旦コンベアより排出した物品を一時的にストックし、間歇的に下方に物品を供給することも可能である(図7(A)→(B))。このように、排出経路17としての導管の入口側又は出口側に端部に弁(バタフライ弁)等を設けてもよい。
【0039】
当該バタフライ弁29は、供給先のカップ状容器等の入れ替えのタイミング(連続生産ラインにおける搬送タイミング)に合わせて同時に開閉することが可能である。
このようにすることで各コンベア装置3による所定個数の物品の供給のタイミングがずれた場合においても、バタフライ弁29を同時に開くことによってライン上の供給対象であるカップ状容器CPに対して同時に物品を供給することができる。
このように、所定個数の物品をまとめて一度に供給対象となるカップ状容器等に供給することが可能となる。
【0040】
尚、上記のバタフライ弁29のような物品の供給時期をコントロール可能な構成については、導管17の上端の入口側付近でなく、下端の出口側の付近に設けてもよい。また、複数個所に設けてもよいことは勿論である。
次に、本発明の排出経路17としての導管の下端の出口側の位置は、供給対象がカップ状容器CPの場合、当該カップ状容器のカップ開口部の近傍に位置するとともに、当該下端の出口端のサイズは供給するカップ等の開口部のサイズに近似することが好ましい。
【0041】
すなわち、図8に示すように導管17の出口端の面積と物品供給先の容器(カップ状容器)の開口部の面積については、前記導管の出口端の面積が物品供給先の容器の開口部の面積の60%~100%程度の範囲内であると好適である。特に、80%~95%程度であるとより好ましい。
供給する物品によっては、排出経路17としての導管からカップ状容器等の容器に物品を供給した際、カップ状容器等の底面等で物品が大きく跳ねる場合がある。この場合、カップ状容器から飛び出してしまうことがあるため、導管17の出口側の端部の面積を大きくしておくとこれを防止することができる。
【0042】
─生産ラインでの供給形態について─
本発明の物品供給装置を利用して加工食品の連続生産ラインにおいて供給することができる。
図9は、加工食品として即席麺の連続生産ライン31において本発明の物品供給装置を利用した斜視図を示している。図9に示すようにカップ状容器CPが所定の方向に順次搬送されている。当該カップ状容器CPには麺塊がすでに挿入されており、当該麺塊状に本発明の物品供給装置により物品(乾燥ワンタン)を供給する態様を示している。このような態様によっても本発明の物品供給装置1を利用することができる。
【0043】
─本発明の物品供給装置を利用して連続生産ラインにおいて物品供給する場合─
以下に本発明の第一の実施態様の物品供給装置1を利用して物品(例えば、乾燥食品DF)を供給する場合について図9を参考として説明する。
図9は即席カップ麺の生産ライン31を想定している。当該生産ラインには既に麺塊を収納したカップ状容器が矢印方向に間歇的に搬送されている。
【0044】
本発明の物品供給装置の排出経路の出口端は、生産ライン上の各列のカップ状容器に対して物品(例えば、乾燥食品DF)を供給することができるように各列のカップ状容器の開口部の上部に位置するように固定して配置されている。
図9の本発明の第一実施態様の物品供給装置に対しては、物品供給機構としてのホッパ部25に物品が供給されている。当該実施態様においては二段のホッパ部25を有しており、いずれのホッパ部25にも物品を供給し、できるだけコンベアベルト上の載置部に物品の載置漏れがないようにされている。
【0045】
生産ラインにおけるカップ状容器CPが搬送されて入れ替わると同時に、本発明の物品供給装置の各コンベア装置3が同時に稼働し、コンベアベルト5の搬送とともに物品(例えば、乾燥食品DF)も移動する。前記ホッパ部25に収納された物品は傾斜面のコンベアベルト5に設けられた物品収納スペースに載置されて斜め上方向に運ばれるが、傾斜面の上方においてはコンベア装置間の区切部に凸状領域23が設けられており、コンベア装置間に跨る物品は凸状領域23に接触する等して上方への移送が排除される。
【0046】
各コンベア装置3の排出端部付近のコンベアベルト5に載置された物品は順次カップ状容器CPに供給される。光電センサによるカウントを介して所定個数の物品が供給されると制御装置によりコンベアベルト5の搬送は停止され、物品の供給はストップする。
本発明の物品供給装置1の各コンベア装置3によって所定個数の物品の供給が完了するタイミングは異なるため、各コンベア装置3が停止するタイミングはそれぞれ異なるが、いずれも生産ラインにおけるカップ状容器の間歇的な搬送間隔よりも短い時間で物品の供給が完了するように設定されている。
【0047】
生産ライン上の全ての列に所定個数の物品の供給が終了した状態で、生産ライン上のカップ状容器CPの搬送が行われ、次のカップ状容器に入れ替わる。
このようなサイクルによって、順次生産ライン上のカップ状容器に物品が供給される。
尚、排出経路における物品の排出においては、図7に示すようにバタフライ弁29を用いた物品のストック部を利用してもよいことは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9