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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-14
(45)【発行日】2024-03-25
(54)【発明の名称】自動分析装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/04 20060101AFI20240315BHJP
【FI】
G01N35/04 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022569764
(86)(22)【出願日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 JP2021040961
(87)【国際公開番号】W WO2022130826
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-06-01
(31)【優先権主張番号】P 2020208931
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡部 修吾
(72)【発明者】
【氏名】大草 武徳
【審査官】外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-072921(JP,A)
【文献】特開平02-078959(JP,A)
【文献】特開2006-091030(JP,A)
【文献】特表2001-504577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬を収容する試薬容器を保管する試薬保管ユニットと、
前記試薬および検体が分注された反応容器を設置して所定温度に保持する反応促進ユニットと、
未使用の反応容器を保管して前記反応促進ユニットへ搬送する未使用容器提供ユニットと、
を備え、
前記試薬保管ユニットおよび前記未使用容器提供ユニットは、左右方向の一方側と他方側にそれぞれ配置され、
前記反応促進ユニットの中心位置は、
左右方向について前記試薬保管ユニットの中心位置と前記未使用容器提供ユニットの中心位置との間にあり、
前後方向について前記試薬保管ユニットの中心位置および前記未使用容器提供ユニットの中心位置より後側にある自動分析装置において、
前記反応促進ユニットの上方を覆うカバーには、前記反応促進ユニットに対して篏合させる嵌合部と、上面側に形成された取っ手と、が設けられており、
前記嵌合部は、少なくとも、前記一方側にある第1嵌合部と、前記他方側にある第2嵌合部と、左右方向について前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間にある第3嵌合部と、を有し、
前記取っ手は、左右方向について前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間であって、前後方向について前記第3嵌合部の後側に位置し、
前記第1嵌合部および前記第2嵌合部は位置決め機能が高く、前記第3嵌合部は位置決め機能が低い自動分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記嵌合部は、前記反応促進ユニットの下方から上方へ延びる凸部が挿入される孔であって、
第1孔の面積と前記第1孔に挿入される凸部の断面積との差、および、第2孔の面積と前記第2孔に挿入される凸部の断面積との差よりも、第3孔の面積と前記第3孔に挿入される凸部の断面積との差の方が大きい自動分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の自動分析装置において、
複数の前記凸部はいずれも断面積が同じであって、
前記第3孔の面積は、前記第1孔および前記第2孔の面積よりも大きい自動分析装置。
【請求項4】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記取っ手および前記第3嵌合部は、左右方向について前記未使用容器提供ユニットの一方側端よりも前記他方側にある自動分析装置。
【請求項5】
請求項4に記載の自動分析装置において、
前記第3嵌合部は、前後方向について前記試薬保管ユニットの後側端よりも前側にある自動分析装置。
【請求項6】
請求項1に記載の自動分析装置において、
前記カバーには、未使用の前記反応容器を搬送するための搬送用孔が設けられており、
前記第3嵌合部は、左右方向について前記搬送用孔の範囲内であって、前後方向について前記搬送用孔の前側に位置する自動分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動分析装置を構成する各ユニットのうち、試薬容器を保管するユニットや、未使用の反応容器などの消耗品を保管するユニットなどは、ユーザ等がアクセスする頻度が比較的高い。ここで、特許文献1には、試薬保管ユニットおよび消耗品保管ユニットを左右方向の一方側と他方側に配置し、これらのユニットの間かつ後方に、インキュベータ等の反応促進ユニットを配置したレイアウトの自動分析装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-56660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
反応促進ユニットには、その上方を覆うカバーが設けられることがあるが、特許文献1のレイアウトのような自動分析装置の場合、試薬保管ユニットなどと比べて後方にあるため、カバーの位置はユーザ等から遠くなる。特に、カバーの上面に形成される取っ手が、反応促進ユニットに対して篏合させる嵌合部の前方にあると、取っ手を握った手や腕で嵌合部が隠れてしまい、カバーを装着し難くなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、反応促進ユニットの上方を覆うカバーの取り付け作業性を向上させた自動分析装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、試薬保管ユニットと、反応促進ユニットと、未使用容器提供ユニットと、を備え、前記反応促進ユニットは、左右方向について前記試薬保管ユニットと前記未使用容器提供ユニットとの間にあり、前後方向について前記試薬保管ユニットおよび前記未使用容器提供ユニットより後側にある自動分析装置において、前記反応促進ユニットの上方を覆うカバーには、第1嵌合部と、第2嵌合部と、左右方向について前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間にある第3嵌合部と、を有する嵌合部と、左右方向について前記第1嵌合部と前記第2嵌合部の間であって、前後方向について前記第3嵌合部の後側に位置する取っ手と、を備え、前記第1嵌合部および前記第2嵌合部は位置決め機能が高く、前記第3嵌合部は位置決め機能が低い。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、反応促進ユニットの上方を覆うカバーの取り付け作業性を向上させた自動分析装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】自動分析装置の概略を示す全体構成図。
図2】反応促進ユニット用カバーの外観を示す斜視図。
図3】棒状部材の構成を示す拡大図。
図4】反応促進ユニット用カバーを取り付ける前または取り外した後の状態を示す斜視図。
図5】反応促進ユニット用カバーが装着された状態を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態として、自動分析装置の一例である免疫分析装置について説明する。
【0010】
図1は、自動分析装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、本実施形態の自動分析装置は、分析対象の検体が収容された採血管等の検体容器1を検体吸引位置10まで搬送する検体搬送ユニット2と、分析に使用する試薬が入っている試薬容器3を当該試薬の温度がある範囲内になるよう温度制御する試薬保管ユニット4と、検体容器1内の検体を反応容器に分注する検体分注ユニット5と、試薬容器3内の試薬を反応容器に分注する試薬分注ユニット6と、上方が開口した試薬容器3内の液中の粒子等を撹拌する撹拌ユニット7と、検体と試薬が混合された反応液を収容する反応容器を設置して反応液がある温度範囲内に入るように制御する反応促進ユニット8(インキュベータ)と、反応促進ユニット8で反応が促進された反応液中の物質の量を光学的に測定する測定ユニット9と、消耗品を保管して反応促進ユニット8へ提供する消耗品提供ユニット(未使用容器提供ユニット)と、を備えている。また、自動分析装置が配置された周囲環境の温度を測定するために、図示しない環境温度測定センサが配置されている。そして、これらのユニットは、制御装置15によって制御される。
【0011】
検体搬送ユニット2は、検体容器1を一本あるいは複数本搭載した検体ラックであるが、ディスクの円周上に配置した検体ディスクであっても良い。検体ラックである場合、搬送ベルト機構やロボットアーム等の搬送装置によって、当該検体ラックは検体分注ユニット5の検体吸引位置10まで搬送される。
【0012】
試薬保管ユニット4は、複数本の試薬容器3を円周上に配置して回転させることで、所望の位置に任意の試薬容器3を搬送する構成であるが、試薬容器3を一列あるいは縦横に複数列ずつ配置した構成であっても良い。
【0013】
測定ユニット9は、測定流路内の反応液を対象に光学的な測定を行うが、その際、当該流路内の反応液は、ある温度範囲内に制御された状態で測定する。測定動作の一例としては、反応液の吸光度の計測や、反応液に試薬を添加したり電圧を印加したりした際の発光量の計測、反応液中の粒子数の計測、あるいは反応液が電極膜に接触した際の電流値や電圧値の変動の計測、などが挙げられる。そのため測定ユニット9内には、光電子増倍管や光度計等の測光器や、CCDなどの撮像素子、電流値や電圧値の変動を測定する電流計、電圧計などが設けられている。
【0014】
検体分注ユニット5は、検体容器1内の検体を反応容器に分注するものであるが、分析装置に要求される分析性能によっては、検体間のキャリーオーバの影響を考慮する必要がある。このため、検体分注ユニット5が検体を分注する際に検体と接触する部分に、毎回、未使用の反応容器を用いたり、検体が変わるごとに交換可能な分注チップを用いたり、する。その際、一度使用した反応容器や分注チップは廃棄される。なお、試薬分注ユニット6や撹拌ユニット7においてもキャリーオーバの影響を考慮して、試薬への浸漬部位を洗浄する試薬分注プローブ洗浄ユニット13、撹拌棒洗浄ユニット14を備える。
【0015】
消耗品提供ユニットは、ある時間分の分析を実行するのに必要な新しい反応容器や分注チップを保管する消耗品保管部11と、消耗品保管部11に保管された未使用の反応容器などを適時その使用場所へ搬送する消耗品搬送部12と、で構成されている。
【0016】
反応促進ユニット8は、反応容器の温度を所定の温度範囲内に保つことによって、安定した反応を進行させる。具体的には、円周上に複数の反応容器を配置した状態で、ヒータ等で周囲を加温することにより温度コントロールするインキュベータである。反応促進ユニット8の他の例として、一定の温度範囲にコントロールされた液体が循環する槽内に、反応容器を浸漬させる恒温槽であっても良い。
【0017】
また、図1に示すように、試薬保管ユニット4および消耗品提供ユニットは、左右方向の左側と右側にそれぞれ配置されている。さらに、反応促進ユニット8の中心位置は、左右方向について、試薬保管ユニット4の中心位置と消耗品提供ユニットの中心位置との間にあり、前後方向について、試薬保管ユニット4の中心位置および消耗品提供ユニットの中心位置より後側にある。このようなレイアウトでは、使用頻度の高い試薬保管ユニット4と消耗品提供ユニットが前側に位置しているため、自動分析装置の前側で作業するユーザにとって使い勝手が良い。
【0018】
次に、反応促進ユニット8の上方を覆う反応促進ユニット用カバー16の構成について、図2を用いて説明する。図2は、反応促進ユニット用カバー16の外観を示す斜視図である。図2に示すように、反応促進ユニット用カバー16は、反応促進ユニット8の径方向に延びる中央部161と、この中央部161の外側を周方向に伸びる縁部162と、を有している。この反応促進ユニット用カバー16を反応促進ユニット8に装着することで、試薬分注プローブ洗浄ユニット13や撹拌棒洗浄ユニット14からの水や、周囲の埃が、反応促進ユニット8に置かれた反応容器内へ入るのを防止できる。なお、ユーザが反応促進ユニット8の表面を掃除する場合や、サービスマンが所定のユニットの調整をする場合などには、この反応促進ユニット用カバー16が一時的に取り外される。
【0019】
反応促進ユニット用カバー16の縁部162には、左側にある第1孔17aと、右側にある第2孔17bと、左右方向について第1孔17aと第2孔17bの間にある第3孔17cと、が形成されている。ここで、第1孔17aの面積は、第2孔17bの面積と同じであるが、第3孔17cの面積よりは小さくなっている。すなわち、各孔が円形の場合は、第3孔17cの径が、第1孔17aおよび第2孔17bの径よりも大きくなっている。
【0020】
反応促進ユニット用カバー16の中央部161には、ユーザまたはサービスマンが掴むために上方へ延びる取っ手18と、消耗品搬送部12が反応促進ユニット8へアクセスするための消耗品搬送用孔19と、試薬分注ユニット6が反応促進ユニット8へアクセスするための試薬分注用孔20と、検体分注ユニット5が反応促進ユニット8へアクセスするための検体分注用孔21と、測定ユニット9との接触を避けるための測定ユニット用切欠き22と、が形成されている。なお、第3孔17cは、左右方向について消耗品搬送用孔19の範囲内であって、前後方向について消耗品搬送用孔19の前側に位置している。
【0021】
そして、反応促進ユニット用カバー16は、反応促進ユニット8の周囲を下方から上方へ延びる棒状部材30に対して装着される。このとき、反応促進ユニット用カバー16の第1孔17aが第1棒状部材30aの凸部に対して篏合し、反応促進ユニット用カバー16の第2孔17bが第2棒状部材30bの凸部に対して篏合し、反応促進ユニット用カバー16の第3孔17cが第3棒状部材30cの凸部に対して篏合する。
【0022】
図3は、棒状部材30の構成を示す拡大図である。本実施形態では、第1棒状部材30a、第2棒状部材30bおよび第3棒状部材30cの構成(断面積、径、長さなど)はすべて同じであるため、製造コストを抑制することが可能となっている。図3に示すように、棒状部材30は、その本体を形成する大円筒部301と、この大円筒部301の上端に形成される座面302と、この座面302に接続される凸部303と、を有している。また、凸部303は、下方へ向けて径が大きくなる傾斜部3031と、この傾斜部3031の下端に接続される小円筒部3032と、で構成される。
【0023】
図4は、反応促進ユニット用カバー16を反応促進ユニット8に取り付ける前または取り外した後の状態を示す斜視図であり、図5は、反応促進ユニット用カバー16が反応促進ユニット8に装着された状態を示す斜視図である。反応促進ユニット用カバー16を取り付ける際には、棒状部材30の先端の径の小さい傾斜部3031がガイドとなるため、各孔(第1孔17a、第2孔17bおよび第3孔17c)を凸部303に挿入し易くなっている。ここで、各孔の径は、小円筒部3032の径よりは大きいものの、大円筒部301の径よりは小さい。したがって、各孔を凸部303に挿入すると、反応促進ユニット用カバー16の縁部162が、棒状部材30の座面302に当接する。これにより、本実施形態の反応促進ユニット用カバー16は、3本の棒状部材30によって安定的に支えられることになる。
【0024】
また、本実施形態では、第1孔17aの面積と、第1棒状部材30aの小円筒部3032の断面積との差、および、第2孔17bの面積と、第2棒状部材30bの小円筒部3032の断面積との差は、僅かであるため、孔と凸部の嵌合によって反応促進ユニット用カバー16を位置決めする機能を果たす。これに対して、第3孔17cの面積と、第3棒状部材30cの小円筒部3032の断面積との差は、第1孔17aや第2孔17bの場合と比べて大きいため、反応促進ユニット用カバー16を位置決めする機能は低い。
【0025】
ここで、反応促進ユニット用カバー16の上面側に形成される取っ手18は、左右方向について、第1孔17aおよび第2孔17bの間であって、前後方向について第3孔17cの後側に位置している。より具体的には、取っ手18が第3孔17cの真後ろに位置している。したがって、ユーザ等が取っ手18を握った状態で、反応促進ユニット用カバー16を反応促進ユニット8に取り付けようとした場合、第3孔17cがユーザ等の手や腕に隠れて見難くなってしまう可能性がある。特に、図1に示すように、第3孔17cが、左右方向について消耗品提供ユニット(消耗品搬送部12)の左側端(図1の破線A参照)よりも右側にある場合、前方にいるユーザ等にとって、消耗品提供ユニットが影になり、第3孔17cの位置を確認することが難しい。また、第3孔17cが、前後方向について試薬保管ユニット4の後側端(図1の破線B)よりも前側にある場合、第3孔17cが消耗品提供ユニットにさらに近い位置となるため、第3孔17cの位置を確認することがより難しくなる。このように、全体のレイアウトをコンパクト化した本実施形態のような自動分析装置では、反応促進ユニット用カバー16のうち、試薬保管ユニット4側(第1孔17a)や後側(第2孔17b)と比べ、消耗品提供ユニット寄りの前側(第3孔17c)は目視が容易ではない。
【0026】
しかし、本実施形態では、第3孔17cの面積と、第3棒状部材30cの小円筒部3032の断面積との差は、前記のとおり、第1孔17aや第2孔17bの場合と比べて大きいため、孔を凸部に嵌合させることは容易となっている。その結果、メンテナンス時のユーザ等による反応促進ユニット用カバー16の取り付け作業性が向上するだけでなく、反応促進ユニット用カバー16のずれによって生じた隙間から水や埃が反応促進ユニット8内の反応容器に入るのを防止できる。
【0027】
なお、本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、左側に試薬保管ユニット4、右側に消耗品提供ユニット、をそれぞれ配置したものであるが、自動分析装置の全体のレイアウトを左右方向について逆としたものであっても良い。また、前記の実施形態では、第3孔17cが消耗品提供ユニットの後側にあって確認し難いレイアウトであったが、第3孔17cが他のユニットの後側にあって確認し難いレイアウトの場合にも有効である。例えば、測定ユニット9が、左右方向について、試薬保管ユニット4と消耗品提供ユニットの間であって、前後方向について、反応促進ユニット8の前側、に位置するレイアウトが考えられる。この場合も、測定ユニット9の後側にあって確認し難い第3孔の構成を前記のようにすることで、反応促進ユニット用カバー16の取り付けが容易となっている。
【0028】
また、前記の実施形態は、反応促進ユニット用カバー16の縁部162に第1孔17a、第2孔17bおよび第3孔17cを設けた構成であるが、反応促進ユニット用カバー16の縁部162に凸部を設け、反応促進ユニット8の周囲に形成された孔に嵌合させる構成であっても構わない。さらに、孔や凸部の断面形状は、円形に限らず、楕円その他の形状であっても良く、孔については、貫通したものに限られず、貫通しないものであっても良い。
【0029】
また、前記の実施形態では、棒状部材30の構成をすべて同じとしたが、一部の構成を異なるようにしても良い。例えば、第3孔17cに対応する第3棒状部材30cの小円筒部3032の断面積を、第1棒状部材30aおよび第2棒状部材30bの小円筒部3032の断面積と比べて小さくしても良い。これにより、第3孔17cの断面積が第1孔17aおよび第2孔17bの断面積と同じであっても、第3孔17cと小円筒部3032とのクリアランスを相対的に大きくすることが可能である。
【0030】
また、前記の実施形態では、反応促進ユニット用カバー16の孔と凸による嵌合部の箇所が合計3つであるが、4つ以上であっても構わない。その場合、第4孔以降の孔は、第3孔17cと同様に、位置決め機能を有さず、左右方向について、第1孔17aと第2孔17bの間に設けることが望ましい。
【符号の説明】
【0031】
1…検体容器、2…検体搬送ユニット、3…試薬容器、4…試薬保管ユニット、5…検体分注ユニット、6…試薬分注ユニット、7…撹拌ユニット、8…反応促進ユニット、9…測定ユニット、10…検体吸引位置、11…消耗品保管部、12…消耗品搬送部、13…試薬分注プローブ洗浄ユニット、14…撹拌棒洗浄ユニット、15…制御装置、16…反応促進ユニット用カバー、17a…第1孔、17b…第2孔、17c…第3孔、18…取っ手、19…消耗品搬送用孔、20…試薬分注用孔、21…検体分注用孔、22…測定ユニット用切欠き、30…棒状部材、30a…第1棒状部材、30b…第2棒状部材、30c…第3棒状部材、301…大円筒部、302…座面、303…凸部、3031…傾斜部、3032…小円筒部
図1
図2
図3
図4
図5