(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-15
(45)【発行日】2024-03-26
(54)【発明の名称】接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
C09J 175/14 20060101AFI20240318BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20240318BHJP
G02B 27/02 20060101ALI20240318BHJP
【FI】
C09J175/14
C09J11/04
G02B27/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022120644
(22)【出願日】2022-07-28
(62)【分割の表示】P 2020540590の分割
【原出願日】2019-01-22
【審査請求日】2022-07-29
(31)【優先権主張番号】10-2018-0008309
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】スン・ミン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】セ・ウ・ヤン
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-542455(JP,A)
【文献】特開2011-221129(JP,A)
【文献】特開2007-065049(JP,A)
【文献】特開2017-142406(JP,A)
【文献】特許第4376957(JP,B2)
【文献】特表2009-541554(JP,A)
【文献】特表2006-522020(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
B32B
G02B27/00-27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、増粘剤及びスペーサーを含む接着剤組成物であって、
前記接着剤組成物は、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートを含まず、
前記接着剤組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く単官能または多官能アクリレート化合物をさらに含み、
前記増粘剤は、乾式シリカを含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートを前記接着剤組成物の重量を基準に
65乃至90重量%範囲内の割合で含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至45重量部の範囲内で増粘剤を含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至45重量部の範囲内で単官能または多官能アクリレート化合物を含み、
0.1sec
-1のせん断速度で測定した常温粘度が200,000cP以上である、接着剤組成物。
【請求項2】
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートは、脂肪族ポリオール単位、ジイソシアネート化合物単位及び末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単位を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートはガラス転移温度が80℃以下である、請求項1または2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートは重量平均分子量が1,000乃至100,000の範囲内である、請求項1から3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
スペーサーは、D50粒径が10μm乃至200μmの範囲内である、請求項1から
4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項6】
スペーサーはCV値が20%未満である、請求項1から
5のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項7】
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比0.1乃至5重量部の範囲内でスペーサーを含む、請求項1から
6のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項8】
光開始剤をさらに含む、請求項1から
7のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項9】
ヘッドマウンテッドディスプレイ用光学素子に適用される接着剤組成物であって、
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート、増粘剤及びスペーサーを含み、
前記接着剤組成物は、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートを含まず、
前記接着剤組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く単官能または多官能アクリレート化合物をさらに含み、
前記増粘剤は、乾式シリカを含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートを前記接着剤組成物の重量を基準に
65乃至90重量%範囲内の割合で含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至45重量部の範囲内で増粘剤を含み、
前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至45重量部の範囲内で単官能または多官能アクリレート化合物を含み、
0.1sec
-1のせん断速度で測定した常温粘度が200,000cP以上である、接着剤組成物。
【請求項10】
互いに離隔している2個の光学フィルム;及び前記2個の光学フィルム間の間隔を維持しながら前記光学フィルムを互いに付着させている請求項1から
9のいずれか一項に記載の接着剤組成物の硬化層を含むヘッドマウンテッドディスプレイ用光学素子。
【請求項11】
光学フィルムは、回折板、導光板、または回折導光板である、請求項
10に記載のヘッドマウンテッドディスプレイ用光学素子。
【請求項12】
請求項
10または
11に記載のヘッドマウンテッドディスプレイ用光学素子を含む、ヘッドマウンテッドディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年1月23日付けで大韓民国特許庁に提出された特許出願第10-2018-0008309号の出願日の利益を主張し、その内容の全部は本出願に含まれる。
【0002】
本出願は接着剤組成物に対するものである。
【背景技術】
【0003】
ヘッドマウンテッドディスプレイ(以下、HMD、Head Mounted Display)は、前記ディスプレイを頭部分に装着している利用者の目の前に直接映像を提示することができるディスプレイ装置である。このようなHMDのうち、特に透視方式のHMD(see-through Head Mounted Display)などはいわゆる増強現実(AR、Augmented Reality)、仮想現実(VR、Virtual Reality)、または混合現実(MR、Mixed Reality)分野などで活用できる。
【0004】
透視方式のHMDの具現方式には多様な方式があるが、主として半反射曲面鏡(Curved mirror)方式、導光(Light guide)方式、または導波路(Waveguide)方式などが使われる。前記の中で導波路方式のHMDには複数の光学フィルム、例えば、回折パターンフィルムや導波フィルムなどを積層した光学素子が含まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願は、接着剤組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で言及する物性のうち、測定温度が該当物性に影響を及ぼす場合には、特別に異に規定しない限り、その物性は常温で測定したものである。用語の常温は加温または減温されていない自然そのままの温度で、例えば、約10℃乃至30℃の範囲内のいずれかの温度、約23℃または約25℃位の温度を意味することができる。また、特別に異に規定しない限り、本明細書で温度の単位は℃である。
【0007】
また、本明細書で言及する物性のうち、測定圧力が該当物性に影響を及ぼす場合には、特別に異に規定しない限り、その物性は常圧、即ち大気圧(約1気圧位)で測定したものである。
【0008】
本出願は接着剤組成物に関するものである。一例示で、前記接着剤組成物はHMDに使われる光学素子を構成することに使用できる。HMD用光学素子の中では少なくとも2個以上の光学フィルムに接着剤を使用して、一定の間隔を離隔させた状態で積層させて構成される光学素子が存在する。前記光学素子に使われる光学フィルムは、通常、回折パターンフィルム、ホログラフィックフィルム、導波機能を有する導波フィルム、または回折導光フィルムなどがある。前記のような光学フィルムを少なくとも2枚互いに離隔させた状態で積層することに使われる接着剤組成物には、透明性、一定のフィルム間の間隔(cell gap)が維持できるようにする間隔維持能、接着力と薄い幅を有するパターンなどで均一な印刷が可能で、かつ後続して印加される圧力下でも前記パターンの幅をよく維持することができる塗布工程性などが要求される。本出願の接着剤組成物は前記のような要求物性を適切に満たすことができ、これによって、HMD用光学素子を構成することに有用に使用できる。
【0009】
本出願の接着剤組成物は適切な粘度を有することができる。一例示で、前記接着剤組成物は、0.1sec-1のせん断速度で測定した常温粘度が200,000cP以上でありうる。前記粘度は200,000cP以上、220,000cP以上、240,000cP以上、260,000cP以上、280,000cP以上、または300,000cP以上でありうる。1つの例示で、前記接着剤組成物の粘度は、例えば、2,000,000cP以下でありうる。
【0010】
前記範囲への粘度調節を通じて適正な接着力と要求されるパターン印刷能などの塗布工程性を確保することができる。
【0011】
一例示で、前記接着剤組成物は、ウレタン(メタ)アクリレートを含むことができる。前記ウレタン(メタ)アクリレートはウレタン結合を有し、ラジカル硬化性官能基を少なくとも2個有することができる。ラジカル硬化性官能基には、例えば、(メタ)アクリロイル基が適用される。ウレタン(メタ)アクリレートは前記官能基を2個以上、2個乃至10個、2個乃至9個、2個乃至8個、2個乃至7個、2個乃至6個、2個乃至5個、2個乃至4個、2個乃至3個、または2個有することができる。ウレタン(メタ)アクリレートには、特別な制限無しで公知の材料が使われることができ、例えば、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート、ポリブタジエンウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテルウレタン(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ウレタン(メタ)アクリレート、またはペンタエリトリトールテトラアクリレート(PETA)活用6官能ウレタン(メタ)アクリレートなどを使用することができるが、これに制限されるのではない。
【0012】
一例示で、前記ウレタン(メタ)アクリレートには、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートを使用することができる。このような成分は、HMD用光学素子を構成するために接着剤組成物に含まれる他の成分と適切な相溶性を示すことができ、その結果、ヘイズが少なく、透明性に優れる接着剤を形成することができる。
【0013】
ウレタン(メタ)アクリレートは、通常、ポリオールとジイソシアネートの反応物をまたヒドロキシ基を有するアクリレート化合物と反応させて得られる。したがって、前記脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートは、脂肪族ポリオール単位、ジイソシアネート化合物単位、及び末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート単位を含むことができ、芳香族構造は含まない。
【0014】
前記の脂肪族ポリオールには、例えば、アジピン酸またはマレイン酸などの多価カルボン酸とジエチレングリコールまたは1,6-ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールの重縮合物である脂肪族ポリエステルポリオールまたはポリエーテルポリオールなどが使用できる。1つの具現例では、前記ポリエステルポリオールはアジピン酸及びジエチレングリコール単位を含むことができる。
【0015】
ジイソシアネートのような多官能性イソシアネートには、メチレンジシクロヘキシルイソシアネートまたは1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートなどを使用することができ、末端にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートには、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、またはポリエチレングリコール(メタ)アクリレートなどが例示できるが、これに制限されるのではない。
【0016】
1つの具現例で、前記多官能性脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートはポリエステルポリオール単位、メチレンジシクロヘキシルジイソシアネート単位、及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート単位などを含むことができる。
【0017】
本出願で適用できる脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートは多様に公知されており、例えば、Bomar Specialties Co., Torrington、CT社製BR-3042、BR-3641 AA、BR-3741 AB、及びBR-344、Sartomer Company Inc、Exton、PA社製CN8004、CN-9002、CN-980、CN-981、CN-9001NS、CN-9014、CN-9019、CN9021、Rahn AG、Miwon社製PU2200、Switzerland社製Genomer-4188/EHA、Genomer 4269/M22、Genomer 4425、及びGenomer 1122、Genomer 6043、Nippon Gohsei、Japan社製UV-3000B、UV-3630ID80、UV-004、UV-NS054、UV-7000B、及びUV-NS077、Kuraray Company社製UC-203、UC-102、Double Bond Chemical Ind., Co. Ltd社製Doublemer 5500などがあるが、これに制限されるのではない。
【0018】
ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw:Weight Average Molecular Weight)は1,000乃至100,000範囲でありうる。1つの具現例で、ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量(Mw)は、例えば、5,000以上、10,000以上、15,000以上、20,000以上、25,000以上、または30,000以上でありえ、90,000以下、80,000以下、70,000以下、60,000以下、または50,000以下の範囲でありうる。
【0019】
本出願のウレタン(メタ)アクリレートは、ガラス転移温度(Tg)が80℃以下でありうる。他の例示で、前記ガラス転移温度(Tg)は76℃以下、72℃以下、68℃以下、または64℃以下でありえ、下限は特別に制限されるのではないが、例えば、-50℃以上でありうる。
【0020】
接着剤組成物は、前記ウレタン(メタ)アクリレートを全体接着剤組成物の重量を基準に50乃至90重量%の割合で含むことができる。前記ウレタン(メタ)アクリレートの割合は他の例示で50重量%以上、51重量%以上、52重量%以上、53重量%以上、54重量%以上、55重量%以上、56重量%以上、57重量%以上、58重量%以上、59重量%以上、60重量%以上、61重量%以上、62重量%以上、63重量%以上、64重量%以上、または65重量%以上でありえ、90重量%以下、89重量%以下、88重量%以下、87重量%以下、86重量%以下、85重量%以下、84重量%以下、83重量%以下、82重量%以下、81重量%以下、または80重量%以下でありうるが、これに制限されるのではない。
【0021】
ウレタン(メタ)アクリレートの割合を前記範囲に制御して目的とする物性、例えば、優れた透明性、接着性、粘度、塗布工程性などを有する接着剤組成物を提供することができる。
【0022】
接着剤組成物は、適正粘度の確保のために増粘剤をさらに含むことができる。増粘剤には、例えば、増粘フィラーとして公知されているものなどを使用することができる。このようなフィラーには、乾式シリカ(fumed silica)、ゼオライト、クレー、またはタルクなどが例示できる。前記の乾式シリカは超微粉(1次粒子直径が500nm以下、特に1~200nm)の無水シリカであり、この無水シリカは、例えば、四塩化硅素を原料にして高温の火花の中で、気相状態での酸化により生成される超微粉(1次粒子直径が500nm以下、特に1~200nm)の無水シリカであって、親水性の高い親水性シリカと、疎水性の高い疎水性シリカを例に挙げることができる。
【0023】
親水性シリカとしては、市販の各種の製品を使用することができ、例えば、AEROSIL 50、130、200、300、及び380(以上、商品名であり、NIPPON AEROSIL CO., LTD.製である)などを挙げることができる。これら親水性シリカの比表面積は各々50±15m2/g、130±25m2/g、200±25m2/g、300±30m2/g、380±30m2/gである。また、市販の親水性シリカとしてはREOROSIL QS-10、QS-20、QS-30、及びQS-40(以上、商品名であり、Tokuyama Corporation製である)などを使用することができる。これら親水性シリカの比表面積は各々140±20m2/g、220±20m2/g、300±30m2/g、380±30m2/gである。その他に、CABOT Corporation製などの市販の親水性シリカを使用することもできる。親水性シリカの比表面積は、例えば、20乃至600m2/gのものが好ましい。
【0024】
疎水性シリカとしては、例えば、シリコンオイルにより表面処理されて疎水化されたAEROSIL RY200、R202、ジメチルシリル化剤で表面処理されて疎水化されたAEROSIL R974、R972、R976、n-オクチルトリメトキシシランにより表面処理されて疎水化されたAEROSIL R805、トリメチルシリル化剤で表面処理されて疎水化されたAEROSIL R811、R812(以上、商品名であり、NIPPON AEROSIL CO., LTD.製である)及びメチルトリクロロシランにより表面処理されて疎水化されたREOROSIL MT-10(商品名であり、Tokuyama Corporation製である)などを挙げることができる。これら疎水性シリカの比表面積は各々100±20m2/g、100±20m2/g、170±20m2/g、110±20m2/g、250±25m2/g、150±20m2/g、150±20m2/g、260±20m2/g、120±10m2/gである。疎水性シリカの比表面積は、例えば、20乃至400m2/g位でありうる。
【0025】
前記増粘剤は、前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至50重量部の割合で接着剤組成物に含まれることができ、前記割合は、前述した粘度の確保のために変更されることもできる。
【0026】
他の例示で、前記増粘剤の割合は約45重量部以下、40重量部以下、35重量部以下、30重量部以下、25重量部以下、または20重量部以下位でありうる。
【0027】
接着剤組成物はスペーサーを含むことができる。これはHMD用光学素子内で光学フィルム間の間隔(Cell gap)を維持する役割をすることができる。スペーサーには、特別な制限無しで目的とするギャップ間隔が維持できる形態のスペーサーを使用することができ、例えば、ボール形状のボールスペーサーや、その他のコラム形状のスペーサーなどを使用することができる。
【0028】
スペーサーのサイズは目的とするギャップの間隔によって決定されるものであって、特別に制限されない。例えば、前記スペーサーには、D50粒径が10μm乃至200μmの範囲内のものを使用することができる。D50粒径は、公知のように、粒度分布の体積基準累積50%での粒子直径(メディアン直径)を意味し、体積基準で粒度分布を求めて、全体積を100%とした累積曲線で累積値が50%になる地点の粒子直径で規定される。D50粒径を測定する方式は多様に知られており、代表的にはレーザー回折法(laser Diffraction)などで測定する。スペーサーのD50粒径は20μm以上、30μm以上、40μm以上または50μm以上でありえ、190μm以下、180μm以下、170μm以下、160μm以下、または150μm以下でありうるが、これに制限されるのではない。
【0029】
1つの例示で、前記スペーサーには、CV値(CV value)が20%未満のものを使用することができる。CV値は粒子直径の不均一度を示す指標であり、CV値が小さいほど粒子直径が一定であるということを意味するが、通常、以下の一般式1のような数式で計算される。一般式1の確認のために必要な値、例えば、D50や標準偏差などはレーザー回折法(laser Diffraction)により求めることができる。
【0030】
[一般式1]
CV(%)=(スペーサー粒径の標準偏差/スペーサーのD50粒径)×100
【0031】
前記スペーサーのCV値は、他の例示で20%未満、19%以下、18%以下、17%以下、16%以下、または15%以下でありえ、または0%以上または0%超過でありうる。
【0032】
前記CV値のスペーサーを使用することによって、均一な厚さを有し、適切なギャップ維持能を示し、かつ接着性、粘度、及び塗布工程性などに優れる接着剤組成物を提供することができる
【0033】
前記スペーサーは、例えば、前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比約0.1乃至5重量部の割合で接着剤組成物に含まれることができる。他の例示で、前記スペーサーはウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、0.5重量部以上、0.6重量部以上、0.7重量部以上、0.8重量部以上、0.9重量部以上、1重量部以上、または1.1重量部以上含まれることができ、5重量部以下、4.5重量部以下、4.0重量部以下、3.5重量部以下、3.0重量部以下、2.5重量部以下、2重量部以下位で含まれることができるが、これに制限されるのではない。
【0034】
本出願の接着剤組成物は単官能または多官能アクリレート化合物をさらに含むことができる。前記アクリレート化合物は、前述したウレタン(メタ)アクリレートとは異なる種類の化合物である。このような化合物には、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系モノマーを使用することができる。前記(メタ)アクリル酸エステル系モノマーは単官能性(メタ)アクリレート系モノマー及び/又は多官能性(メタ)アクリレート系モノマーを含むことができる。
【0035】
具体的に、単官能性(メタ)アクリレート系モノマーはアルキル基含有(メタ)アクリレート系モノマー及び/又はシクロアルキル基含有(メタ)アクリレート系モノマーでありうる。
【0036】
前記アルキル基含有(メタ)アクリレート系モノマーは、炭素数1乃至20のアルキル基を有する(メタ)アクリレートでありうる。具体的に、前記(メタ)アクリレートモノマーはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルブチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、及びテトラデシル(メタ)アクリレートからなる群より選択された1つ以上を含むことができる。
【0037】
また、前記シクロアルキル基は官能基内に不飽和結合が存在しない炭素環構造を含むことができ、炭素数3乃至20の単一環(monocyclic ring)または多重環(polycyclic ring)を含むことができる。
【0038】
シクロアルキル基含有(メタ)アクリレート系モノマーは、シクロヘキシルアクリレート(CHA)、シクロヘキシルメタアクリレート(CHMA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、イソボルニルメタアクリレート(IBOMA)、及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート(TMCHA、3,3,5-trimethylcyclohexylacrylate)からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
【0039】
適切な効果の確保のために、前記アルキル基含有(メタ)アクリレート系モノマーには、炭素数が5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、または10以上で、かつ20以下である直鎖または分枝鎖のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートや前記シクロアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用することができる。
【0040】
前記多官能アクリレート系モノマーは、アクリロイル基を2個以上含む多官能性(メタ)アクリレート化合物を意味することができる。前記多官能性(メタ)アクリレート化合物の例示に、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、エチレングリコールジアクリレート(EGDA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート(TMPEOTA)、グリセリンプロポキシル化トリアクリレート(GPTA)、ペンタエリトリトールトリ(テトラ)アクリレート(PETA)、またはジペンタエリトリトールヘクサアクリレート(DPHA)などを挙げることができるが、これに制限されるのではない。
【0041】
前記単官能または多官能アクリレート化合物は、前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5乃至45重量部の範囲内で含まれることができる。前記割合は、他の例示で、前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比5重量部以上、6重量部以上、7重量部以上、8重量部以上、9重量部以上、または10重量部以上であるか、または45重量部以下、44重量部以下、43重量部以下、42重量部以下、41重量部以下または40重量部以下、または35重量部以下位でありえるが、これに制限されるのではない。
【0042】
また、接着剤組成物は光開始剤を含むことができる。光開始剤としては、光照射などを通じて重合反応を開始させることができるものであれば、どれも使用することができる。例えば、アルファ-ヒドロキシケトン系化合物(ex.IRGACURE 184、IRGACURE 500、IRGACURE 2959、DAROCUR 1173;Ciba Specialty Chemicals(製));フェニルグリオキシラート(phenylglyoxylate)系化合物(ex.IRGACURE 754、DAROCUR MBF;Ciba Specialty Chemicals(製));ベンジルジメチルケタール系化合物(ex.IRGACURE 651;Ciba Specialty Chemicals(製));a-アミノケトン系化合物(ex.IRGACURE 369、IRGACURE 907、IRGACURE 1300;Ciba Specialty Chemicals(製));モノアシルホスフィン系化合物(MAPO)(ex.DAROCUR TPO;Ciba Specialty Chemicals(製));ビスアシルホスフィン系化合物(BAPO)(ex.IRGACURE 819、IRGACURE 819DW;Ciba Specialty Chemicals(製));ホスフィンオキシド系化合物(ex.IRGACURE 2100;Ciba Specialty Chemicals(製));メタロセン系化合物(ex.IRGACURE 784;Ciba Specialty Chemicals(製));イオドニウム塩(iodonium salt)(ex.IRGACURE 250;Ciba Specialty Chemicals(製));及び前記のうちの1つ以上の混合物(ex.DAROCUR 4265、IRGACURE 2022、IRGACURE 1300、IRGACURE 2005、IRGACURE 2010、IRGACURE 2020;Ciba Specialty Chemicals(製))などを挙げることができ、前記のうちの1種または2種以上を使用することができるが、これに制限されるのではない。
【0043】
光開始剤は前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比0.1乃至2重量部の範囲で含まれることができる。前記範囲は前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比0.1重量部以上、0.2重量部以上、0.3重量部以上、0.4重量部以上、または0.5重量部以上含まれることができ、2重量部以下、1.9重量部以下、1.8重量部以下、1.7重量部以下、1.6重量部以下、または1.5重量部以下でありうるが、これに制限されるのではない。
【0044】
接着剤組成物は必要によって前述した成分に追加で適正な添加剤を含むこともでき、その例には、消泡剤及び/又はシランカップリング剤などが例示できるが、これに制限されるのではない。
【0045】
消泡剤は接着剤の内部に気泡などが含まれることを防止するために含まれるものであって、組成物の硬化後、低いヘイズを示すようにすることができる。前記消泡剤には、シリコン系消泡剤、フッ素系消泡剤、及びアクリル高分子系消泡剤などを使用することができ、そのなかでもハードコーティング組成物のコーティング後、表面側に偏在されて表面エネルギーを低く維持することができるシリコン系消泡剤が好ましい。市販の消泡剤の例には、BYKケミー社のBYK-306、BYK-307、BYK-310、BYK-313、BYK-333、BYK-371、BYK-377、BYK-378、BYK-3440、BYK-UV3500、BYK-3550、BYK-UV3570、デグサのTEGO Glide 100、TEGO Glide 450、TEGO Glide B1484、TEGO Glide 420、TEGO Glide 482、TEGO Glide 410、TEGO Glide 415などを使用することができる。
【0046】
消泡剤は前記ウレタン(メタ)アクリレート100重量部対比0.1乃至10重量部の範囲内で含まれることができるが、これに制限されるのではない。
【0047】
前記接着剤組成物はシランカップリング剤をさらに含むことができる。前記シランカップリング剤は前記接着剤組成物の接着力及び湿潤性を向上させることができる。前記シランカップリング剤は特別に制限されず、ガンマ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アミノプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ガンマ-アセトアセテートプロピルトリメトキシシラン、ガンマ-アセトアセテートプロピルトリエトキシシラン、ベータ-シアノアセチルトリメトキシシラン、ベータ-シアノアセチルトリエトキシシラン、アセトキシアセトトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシメチルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、またはメタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランでありうる。前記シラン化合物は、例えば、前述した光硬化性化合物及び熱硬化性化合物100重量部に対し、0.1重量部乃至10重量部、0.3乃至8重量部、0.7重量部乃至5重量部、0.8重量部乃至3重量部、0.9重量部乃至2.5重量部、または0.9重量部乃至1.8重量部含まれることができる。前記シラン化合物は接着剤組成物の密着性及び付着安定性を向上させて、耐熱性及び耐湿性を改善し、また苛酷条件で長期間放置された場合にも接着信頼性を向上させる作用をすることができる。
【0048】
本出願の接着剤組成物は、優れた光透過度及び低いヘイズを示す接着剤を形成することができる。1つの例示で、前記接着剤組成物は、硬化後JIS K7105またはASTM D1003規格によって測定したヘイズが5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、または1%以下でありえ、前記ヘイズの下限は0%または0.01%でありうる。前記光学特性はUV-Vis Spectrometerを用いて550nmで測定したものでありうる。
【0049】
また、本出願は光学素子に対するものである。一例示で、前記光学素子はHMDに適用される光学素子でありうる。前記光学素子は少なくとも互いに離隔配置されている2個の光学フィルムと前記2個の光学フィルムの間の間隔を維持しながら前記光学フィルムを互いに付着させている接着剤を含むことができる。前記の接着剤は前述した接着剤組成物の硬化層でありえ、このような接着剤は前記各光学フィルムの全面でない一部面、例えば、縁部位などにパターン印刷されていることができる。
【0050】
前記光学素子に含まれる前記光学フィルムの種類は特別に制限されず、HMDを構成するために適用される公知のフィルムでありうる。このようなフィルムの例には、回折板、導光板、または回折導光板などがある。
【0051】
したがって、1つの例示で、前記本出願の光学素子は前述した接着剤組成物の硬化層及び回折導光板を含むことができる。前記回折導光板は、導光板に入射された光が導光板の内部で全反射されるようにするか、または導光板の内部を全反射により伝播した光を導光板から出射させるために光を回折させる回折格子を備えた導光板を意味することができる。前記回折格子は、例えば、ホログラフィック回折格子でありうる。前記回折格子は、反射型回折格子または透過型回折格子でありえ、前記導光板に備えられる回折格子は反射型回折格子及び透過型回折格子を共に含むことができる。この場合、反射型回折格子は反射鏡として機能し、透過型回折格子は反透過鏡として機能する構成にすることができる。
【0052】
1つの例示で、前記光学素子は対向配置されている2以上の回折導光板を含み、前記回折導光板の間に前述した接着剤組成物の硬化層が存在することができる。前記光学素子が2以上の回折導光板を含む場合、前記2以上の回折導光板に含まれる回折格子は各々互いに異なる波長帯域の光に対応する回折格子層でありうる。この場合、前記光学素子は2以上の回折導光板が積層された構造を有することができ、各回折導光板の各波長帯域に該当する光が前記各回折格子で反射及び/又は回折時の回折効率の増加、回折受容角の増加、回折角の最適化を図ることができる。
【0053】
前記回折導光板を製造する方法は特別に制限されるのではなく、例えば、感光材料に物体光及び参照光を照射し、物体光と参照光により形成される干渉縞を回折格子を構成する部材の内部に記録する方法などを使用することができる。前記感光材料には、フォトポリマー(photopolymer)、フォトレジスト(photoresist)、シルバーハライドエマルジョン(silver halide emulsion)、重クロム酸ゼラチン(dichromated gelatin)、フォトグラフィックエマルジョン(photographic emulsion)、フォトサーモプラスチック(photothermoplastic)、または光回折(photorefractive)材料などが使用できるが、これに制限されるのではない。
【0054】
また、本出願は画像表示装置に関するものである。本出願の画像表示装置は前述した光学素子を含むことができ、例えば、HMDでありうる。一例示で、前記画像表示装置はウェアラブル機器(wearable device)、スマートめがね、頭部装着型ディスプレイ(HMD、see-through Head Mounted Display)などに適用される画像表示装置でありうる。
【0055】
具体的に、画像表示装置は頭部装着型ディスプレイ(HMD、see-through Head Mounted Display)に含まれる画像表示装置でありうる。前記画像表示装置は、画像形成装置及び前述した光学素子を含むことができる。前記画像形成装置は、液晶パネル(Liquid Crystal Display Device、LCD)、プラズマディスプレイパネル(Plasma Display Panel、PDP)、電界放出表示パネル(Field Emission Display、FED)または有機表示パネル(Organic Light Emitting Diode、OLED)でありうる。前記光学素子は画像形成装置から出射された光が平行光に転換し、前記平行光が観察者の瞳に向かって出射できるように構成されていることができる。本出願の画像表示装置は前述した光学素子を適用することによって、透視方式画像表示装置を具現することができ、増強現実(Augmented Reality)及び混合現実(Mixed Reality)方式の頭部装着型ディスプレイの具現が可能でありうる。
【発明の効果】
【0056】
本出願では、例えば、薄い幅を有するパターンなどで印刷が効果的に遂行できる印刷能を有し、透明性、フィルム間の間隔(cell gap)を一定に維持できるようにする間隔維持能、接着力などの物性に優れる接着剤を形成できる接着剤組成物であって、HMD用光学素子を構成することに有用な接着剤組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、本出願に従う実施例及び本出願に従わない比較例を通じて本出願を詳細に説明するが、本出願の範囲が以下に提示された実施例に制限されるのではない。
【0058】
1.粘度測定
実施例及び比較例で製造した接着剤組成物の粘度はTA Instruments社の粘度計であるARES G2を使用して以下のように測定した。製造された接着剤組成物の粘度を25mmのアルミニウムコーン及びプレートを用いて常温(25℃)で0.1mmのセルギャップ(Cell gap)条件で測定した。測定時にせん断速度は、0.01乃至10.0/sの範囲にし、0.1/sのせん断速度での粘度を記載した。
【0059】
2.ヘイズ測定
接着剤組成物を厚さ1Tのソーダ石灰ガラス(Sodalime glass)の間に塗布した後、1kg錘を用いて5分間押さえて合着する。合着されたサンプルにメタルハライド(Metal Halide)光源を3J/cm2の光量で照射して光硬化を進行した。前記光硬化されたサンプルに対してNippon Denshoku社のNDH-5000ヘイズメートルを使用してASTM D1003測定規格でヘイズを測定した。
【0060】
3.セルギャップ測定
回折パターンがナノインプリンティングされたガラス基板の外郭の縁に接着剤組成物をMushashi Engineering社のSHOTMASTER400ΩXを用いて約0.8mm線幅で塗布し、その上に同一サイズの強化ガラス(Bare Glass)を位置させ、1kg錘を用いて5分間押さえて合着してテスト素子を製造した。素子の断面でランダムに10箇所を選定して光学顕微鏡でCell Gapを測定して記録した。
【0061】
4.塗布工程性評価
回折パターンがナノインプリンティングされたガラス基板の外郭の縁に接着剤組成物をMushashi Engineering社のSHOTMASTER400ΩXを用いて約0.8mm線幅で塗布し、その上に同一サイズの強化ガラス(Bare Glass)を位置させ、1kg錘を用いて5分間押さえて合着してテスト素子を製造した。テスト素子を顕微鏡で観察して塗布初期対比線幅変化を測定した後に以下の基準で塗布工程性を評価した。
【0062】
<評価基準>
P:塗布初期対比線幅変化が30%未満であり、合着後、均一な形状に接着剤ラインが形成された場合
NG:塗布初期対比線幅変化が30%以上であり、合着後に接着剤ラインが均一でない
【0063】
実施例1
脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート(CN9001NS、Sartomer社)、アクリレート化合物であって、イソボルニルアクリレート(SR506NS。Sartomer社)、光開始剤(Irgacure 819、BASF社)、スペーサー(Micropearl GS-L200、Sekisui Chemical社)、増粘剤(Fumed silica、R805、Evonik社)、消泡剤(BYK-1794、BYK社)及びシランカップリング剤(KBM-403、Shin-etsu社)を以下の表1に示された割合で配合し、反応器(Paste Mixer(Thinky社、AR-100))内で10分間ミキシングして接着剤組成物を製造した。
【0064】
接着剤組成物をガラス基板の外郭部にMushashi Engineering社のSHOTMASTER400ΩXを用いて約0.8mmの線幅で塗布し、その上に同一な面積の強化ガラス(Bare Glass)を位置させた後に約1kgの錘を用いて5分間合着した。合着後に200乃至450nm波長のメタルハライド(Metal Halide)光源で光を3000mJ/cm2位の光量で照射して接着剤組成物を硬化させて接着剤層を形成した。
【0065】
実施例2及び3及び比較例1乃至3
接着剤組成物の製造時の使用材料及び割合を以下の表1のように変更したことを除いては、実施例1と同一に硬化性組成物を製造した。
【0066】
【0067】
前記実施例1乃至3に対して確認した物性を以下の表2で整理して記載した。
【0068】
【0069】
表から実施例の接着剤組成物は適正な粘度を通じて優れた塗布工程性を示しながら、均一なセルギャップが確保される透明な接着剤を形成することを確認することができる。一方、芳香族ウレタン(メタ)アクリレートを含む比較例1は高いヘイズを示しながら不透明な接着剤が形成されており、比較例2は低い粘度によって塗布工程性が落ちており、比較例3の場合、目的とするセルギャップが確保されなかった。