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特許7456294可動装置、偏向装置、距離測定装置、画像投影装置、及び車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】可動装置、偏向装置、距離測定装置、画像投影装置、及び車両
(51)【国際特許分類】
   G02B 26/10 20060101AFI20240319BHJP
   G02B 26/08 20060101ALI20240319BHJP
   B81B 3/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
B81B3/00
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020095324
(22)【出願日】2020-06-01
(65)【公開番号】P2021189323
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】藤島 正幸
(72)【発明者】
【氏名】塚本 宣就
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-095837(JP,A)
【文献】特開2010-181648(JP,A)
【文献】特開2020-003531(JP,A)
【文献】特開2007-017809(JP,A)
【文献】特開2005-141066(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第101477248(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
B81B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動部と、
前記可動部と所定の箇所で接続され、前記可動部を揺動させる第1の梁部と、
前記所定の箇所とは異なる箇所で前記可動部と接続され、前記可動部を揺動させる第2の梁部と、
前記第1の梁部を支持する第1の支持部と、
前記第2の梁部を支持する第2の支持部と、
前記第1の支持部と前記第2の支持部を固定する固定部と、を備え、
前記第1の支持部は第1の孔部を備え、
前記第2の支持部は第2の孔部を備え、
前記固定部は、
前記第1の孔部に対応するように設けられた第3の孔部と、
前記第2の孔部に対応するように設けられた第4の孔部と、を備え、
前記第1の孔部と前記第3の孔部との間、並びに前記第2の孔部と前記第4の孔部との間のそれぞれに、位置決め部材が設けられている
可動装置。
【請求項2】
前記位置決め部材は、球状部材、回転楕円体状部材、又は両端に円錐部が設けられた円柱状部材の何れか1つである
請求項1に記載の可動装置。
【請求項3】
前記第1の孔部、前記第2の孔部、前記第3の孔部、前記第4の孔部はそれぞれ複数の孔を含む
請求項1又は2に記載の可動装置。
【請求項4】
前記第1の孔部と前記第2の孔部は、前記可動部を挟んで対称となる位置に設けられている
請求項1乃至3の何れか1項記載の可動装置。
【請求項5】
前記第1の孔部を構成する複数の孔及び前記第2の孔部を構成する複数の孔は、それぞれ、前記可動部を揺動させる揺動軸を挟んで対称となる位置に設けられている
請求項に記載の可動装置。
【請求項6】
前記固定部における前記第1の支持部を固定する部分は、前記第1の支持部に対応する形状に形成され、
前記固定部における前記第2の支持部を固定する部分は、前記第2の支持部に対応する形状に形成されている
請求項1乃至5の何れか1項に記載の可動装置。
【請求項7】
前記固定部は、前記可動部に対向する部分が、前記固定部における他の部分より細く形成されている
請求項1乃至6の何れか1項に記載の可動装置。
【請求項8】
前記固定部における前記第1の支持部及び前記第2の支持部のそれぞれを接着する接着領域は、前記固定部における前記接着領域以外の領域より高くなるように形成されている請求項1乃至7の何れか1項に記載の可動装置。
【請求項9】
前記固定部における前記可動部に対向する対向領域は、前記固定部における前記対向領域以外の領域より低くなるように形成されている
請求項1乃至7の何れか1項に記載の可動装置。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の可動装置と、
光源と、を有する
偏向装置。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の可動装置を有する距離測定装置。
【請求項12】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の可動装置を有する画像投影装置。
【請求項13】
請求項11に記載の距離測定装置、又は請求項12に記載の画像投影装置の少なくとも
1つを有する車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動装置、偏向装置、距離測定装置、画像投影装置、及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体製造技術を応用したマイクロマシニング技術によりシリコンやガラスを微細加工して製造されるMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスが知られている。
【0003】
また、MEMSデバイスとして、反射面を設けた可動部と弾性梁とをウエハ上に一体に形成し、弾性梁に薄膜化した圧電材料を重ね合わせて構成した駆動梁で可動部を揺動させる可動装置で、
支持部に開放部を設けるものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の可動装置は、開放部を設けることで2つの支持部を備える構成になるため、2つの支持部間の距離の変化により、可動装置の共振周波数が変化したり、可動装置が破損したりする場合がある。
【0005】
本発明は、信頼性に優れる可動装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る可動装置は、可動部と、前記可動部と所定の箇所で接続され、前記可動部を揺動させる第1の梁部と、前記所定の箇所とは異なる箇所で可動部と接続され、前記可動部を揺動させる第2の梁部と、前記第1の梁部を支持する第1の支持部と、前記第2の梁部を支持する第2の支持部と、前記第1の支持部と前記第2の支持部を固定する固定部と、を備え、前記第1の支持部は第1の孔部を備え、前記第2の支持部は第2の孔部を備え、前記固定部は、前記第1の孔部に対応するように設けられた第3の孔部と、前記第2の孔部に対応するように設けられた第4の孔部と、を備え、前記第1の孔部と前記第3の孔部との間、並びに前記第2の孔部と前記第4の孔部との間のそれぞれに、位置決め部材が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、信頼性に優れる可動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る可動装置の全体構成例を示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図3】比較例に係る可動装置の構成例を示す図である。
図4】第1変形例に係る可動装置の全体構成例を示す平面図である。
図5】第1変形例に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図6】第2実施形態に係る可動装置の全体構成例を示す平面図である。
図7】第2実施形態に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図8】第2変形例に係る可動装置の全体構成例を示す平面図である。
図9】第2変形例に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図10】第3実施形態に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図11】第3変形例に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図12】第4実施形態に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図13】第4変形例に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図14】第5実施形態に係る可動装置の全体構成例を示す図である。
図15】第5実施形態に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図16】第5変形例に係る可動装置の構成例を示す図であり、(a)は本体部の構成を示す図、(b)は固定部の構成を示す図である。
図17】光走査システムの一例の概略図である。
図18】光走査システムの一例のハードウェア構成図である。
図19】制御装置の一例の機能ブロック図である。
図20】光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。
図21】ヘッドアップディスプレイ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。
図22】ヘッドアップディスプレイ装置の一例の概略図である。
図23】光書込装置を搭載した画像形成装置の一例の概略図である。
図24】光書込装置の一例の概略図である。
図25】ライダ装置を搭載した自動車の一例の概略図である。
図26】ライダ装置の一例の概略図である。
図27】レーザヘッドランプの構成の一例を説明する概略図である。
図28】ヘッドマウントディスプレイの構成の一例を示す概略斜視図である。
図29】ヘッドマウントディスプレイの構成の一部の一例を示す図である。
図30】パッケージングされた可動装置の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための可動装置を例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、例示することを意図したものである。また図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張している場合がある。
【0010】
なお以下に示す各図面では、便宜上、可動装置の揺動軸に直交する方向をX軸方向とし、揺動軸に平行な方向をY軸方向とし、X軸及びY軸のそれぞれに直交する方向(高さ方向)をZ軸方向とする。
【0011】
[第1実施形態]
<可動装置100の構成例>
図1は、第1実施形態に係る可動装置100の全体構成の一例を示す図である。図1における断面100Pは、可動装置100のC-C'矢視断面を示している。
【0012】
図1に示すように、可動装置100は、図1右図において実線で表される本体部120と、図1右図において破線で表される固定部130とを有する。また本体部120は、可動部101と、ばね部102A及び102Bと、駆動部103A及び103Bと、支持部106A及び106Bとを有する。
【0013】
ばね部102Aは、可動部101と所定の箇所で接続され、可動部101を揺動させる第1の梁部の一例である。ばね部102Bは、上記の所定の箇所とは異なる箇所で可動部101と接続され、可動部101を揺動させる第2の梁部の一例である。ばね部102A及び102Bは、それぞれミアンダ構造(折り返し構造)で梁部を構成し、揺動軸に対応する図1のE軸回りに可動部101を揺動させる。
【0014】
また可動部101の表面は、入射する光を反射する反射面となっている。可動装置100は、可動部101がE軸回りに揺動することで、反射面による反射光をE軸と直交する方向(X軸方向)に走査することができる。なお、反射面は、可動部101の表面自体を反射面としてもよいし、可動部101の表面に反射面を形成した構成にしてもよい。
【0015】
駆動部103Aは、ばね部102A上に設けられた薄膜の圧電材料である。駆動電圧に応答してばね部102Aを変形させることで、可動部101を揺動させるための駆動力を供給する。駆動部103Bは、ばね部102B上に設けられた薄膜の圧電材料である。駆動電圧に応答してばね部102Bを変形させることで、可動部101を揺動させるための駆動力を供給する。圧電材料としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられるが、その他の圧電材料であってもよく、種類は問わない。
【0016】
支持部106Aは、ばね部102Aを支持する第1の支持部の一例である。支持部106Bは、ばね部102Bを支持する第2の支持部の一例である。固定部130は、支持部106Aと支持部106Bを固定する固定部である。
【0017】
固定部130は、位置決め部材110Aを介して支持部106Aを固定し、また位置決め部材110Bを介して支持部106Bを固定する。固定部130は接着剤111により支持部106A及び106Bを固定することができる。この接着剤111には、エポキシ系、アクリレート系、シリコーン系等の如何なる樹脂材料系の接着剤も利用可能である。また、支持部106A及び10Bと固定部130の間よりも小さな充填部材が混合されていてもよい。
【0018】
図2は、可動装置100の構成の一例を示す図であり、(a)は本体部120の構成を示す図、(b)は固定部130の構成を示す図である。図2(a)における断面120Pは、本体部120のA-A'矢視断面を示し、図2(b)における断面130Pは、固定部130のB-B'矢視断面を示している。
【0019】
図2(a)に示すように、可動装置100は、開放部105を備え、揺動軸と直交する方向に沿う可動部101の両側に遮るものがない、開放された構成になっている。
【0020】
また可動装置100の支持部106Aには、第1の孔部の一例としての孔部107Aが形成されている。孔部107Aは、貫通孔であってもよいし、固定部130が支持部106Aを固定する際に固定部130に対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部107Aは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0021】
また支持部106Bには、第2の孔部の一例としての孔部107Bが形成されている。孔部107Bは、貫通孔であってもよいし、固定部130が支持部106Bを固定した際に固定部130に対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部107Bは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0022】
孔部107Aと孔部107Bは、可動部101を挟んで略対称となる位置に設けられている。
【0023】
また、図2(b)に示すように、固定部130には、孔部108Aと孔部108Bが形成されている。孔部108Aは、孔部107Aに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部108Aは、貫通孔であってもよいし、固定部130が支持部106Aを固定する際に支持部106Aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Aは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0024】
孔部108Bは、孔部107Bに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部108Bは、貫通孔であってもよいし、固定部130が支持部106Bを固定する際に支持部106Bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Bは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0025】
位置決め部材110A(図1参照)は、孔部107Aと孔部108Aとの間に設けられ、位置決め部材110B(図1参照)は、孔部107Bと孔部108Bとの間に設けられている。位置決め部材110A及び110Bには、孔部107A、107B、108A及び108Bの形状に合わせて、様々な形状のものを使用できる。
【0026】
例えば、孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が円形状である場合には、位置決め部材110A及び110Bとして、球状部材、回転楕円体状部材、又は両端に円錐部が設けられた円柱状部材等を使用できる。
【0027】
また孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が正三角形状である場合には、位置決め部材110A及び110Bとして、球状部材、回転楕円体状部材、又は両端に円錐部が設けられた円柱状部材の他、正六面体状部材、又は両端に正四面体が設けられた三角柱状部材等を使用できる。
【0028】
また孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が正三角形状であり、且つ互いの位置関係が正三角形の重心周りに180度回転している場合には、位置決め部材110A及び110Bとして、球状部材、回転楕円体状部材、両端に円錐部が設けられた円柱状部材、或いは正十二面体状部材等を使用できる。
【0029】
また孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が正方形の場合には、位置決め部材110A及び110Bとして、球状部材、回転楕円体状部材、両端に円錐部が設けられた円柱状部材、正八面体状部材、両端に四角錐部が設けられた四角柱状部材を使用できる。
【0030】
また孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が正五角形状であり、且つ互いの位置関係が正五角形の重心周りに180度回転している場合には、位置決め部材110A及び110Bとして、球状部材、回転楕円体状部材、両端に円錐部が設けられた円柱状部材、正十二面体状部材、正二十面体状部材等を使用できる。
【0031】
孔部107Aと孔部108Aとの間に位置決め部材110Aを設けることで、孔部107Aと孔部108Aの両方に位置決め部材110Aが嵌り、孔部107A、孔部108A、位置決め部材110Aのそれぞれの中心または重心が略一直線上に並ぶ。
【0032】
また孔部107Bと孔部108Bとの間に位置決め部材110Bを設けることで、孔部107Bと孔部108Bの両方に位置決め部材110Bが嵌り、孔部107B、孔部108B、位置決め部材110Bのそれぞれの中心または重心が略一直線上に並ぶ。
【0033】
このように位置決め部材110A及び110Bを設けることで、固定部130と支持部106Aをアライメントし、また固定部130と支持部106Bをアライメントできるようになっている。
【0034】
ここで、位置決め部材110A及び110Bにおける球状部材の直径をd、孔部107A、107B、108A及び108Bの断面形状が円形である場合の直径をdとすると、以下の(1)式を満足することが好ましい。なお、dは位置決め部材110A及び110Bにおける回転楕円体状部材、または両端に円錐部が設けられた円柱状部材の直径にも対応する。
【0035】
【数1】
【0036】
また、孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの断面形状が多角形である場合に、多角形の一辺の長さをa、辺の数をnとすると、以下の(2)式を満足することが好ましい。
【0037】
【数2】
【0038】
また、位置決め部材110A及び11Bと、孔部107A、107B、108A及び108Bにおけるそれぞれの断面形状が正多面体である場合には、正多面体の一辺の長さをa、孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれの正多角形の一辺の長さをaとすると、以下の(3)式を満たすことが好ましい。
【0039】
【数3】
【0040】
また、孔部107A、107B、108A及び108Bが貫通孔でない場合には、孔部107A及び108Aのそれぞれの深さは、孔部107A及び108Aの入口部に位置決め部材110Aが接触した際に、孔部107A及び108Aの底部に位置決め部材110Aが接触しない深さであることが好ましい。
【0041】
同様に、孔部107B及び108Bのそれぞれの深さは、孔部107B及び108Bの入口部に位置決め部材110Bが接触した際に、孔部107B及び108Bの底部に位置決め部材110Bが接触しない深さであることが好ましい。
【0042】
一方、孔部107A、107B、108A及び108Bのそれぞれを貫通孔にすると、固定部130における支持部106A及び10Bに対向する面とは反対側の面に接着するパッケージ部材等に対する位置決めのために、孔部107A、107B、108A及び108Bを利用できるため、好適である。
【0043】
<可動装置100の作用効果>
近年、プロジェクタ等に代表される画像表示装置や、LiDAR(Light Detection And Ranging)等の距離測定装置に搭載される小型光走査手段として、MEMS技術によって製造される可動装置の開発が進んでいる。これらの可動装置では、反射面を含む可動部を揺動軸回りに揺動させて、反射面に入射する光を揺動軸と直交する方向に走査する。また可動装置による走査光の走査角度を拡大するために、可動装置における反射面のサイズとして、円形の反射面の場合には直径1mm以上、矩形の反射面の場合には辺の長さ1mm以上等の大きなサイズが求められる場合がある。また可動部の揺動角度として、10度以上等の大きな揺動角度が求められる場合がある。
【0044】
ここで、図3は比較例に係る可動装置100Xの構成を示している。可動装置100Xも可動装置100と同様に、ばね部102AXは可動部101Xと所定の箇所で接続され、ばね部102BXは上記の所定の箇所とは異なる箇所で可動部101Xと接続され、可動部101Xを図3のE軸回りに揺動可能に構成されている。可動装置100Xは、反射面としての可動部101Xの表面に入射する光をE軸と直交する方向に走査できる。
【0045】
しかし、可動装置100Xでは、可動部101X、ばね部102AX、及びばね部102BXの周囲を囲むように支持部106Xが設けられている。この構成で可動部101Xの反射面のサイズを大きくすると、支持部106Xにおける可動部101Xの側部105Xに、可動部101Xがぶつかるために、反射面のサイズが制限される場合がある。また可動部101Xの揺動角度を大きくすると、支持部106Xにおける側部105Xで、可動部101Xによる反射光が遮られるために、可動装置100Xによる光の走査角度が制限される場合がある。
【0046】
本実施形態では、揺動軸と直交する方向に沿う可動部101の両側に開放部105を設けているため(図2(a)参照)、可動部101における反射面のサイズを大きくしても、可動部101に支持部がぶつからない構成になっている。また可動部101の揺動角度を大きくしても、可動部101による反射光を支持部が遮らない構成になっている。これにより、可動部101における反射面のサイズを拡大でき、また可動部101の揺動角度を大きくすることができる。
【0047】
一方で、可動装置100では、開放部105を設けることで、支持部が可動部101を挟んで支持部106Aと支持部106Bの2つに分断された構成になっている。支持部が分断された構成では、可動装置100の製造の際や、可動装置100の使用時に周囲の環境温度が変化した際等に、支持部106Aと支持部106Bの間の距離が変化する場合がある。このような距離変化によって、可動装置100の共振周波数が変化したり、可動装置100の破壊(破損)角度が低下したりする場合があり、信頼性の点で改善の余地があった。
【0048】
本実施形態では、支持部106A(第1の支持部)と支持部106B(第2の支持部)を固定部130により固定する。また支持部106Aに設けられた孔部107A(第1の孔部)と固定部130に設けられた孔部108A(第3の孔部)との間に位置決め部材110Aを設け、支持部106Bに設けられた孔部107B(第2の孔部)と固定部130に設けられた孔部108B(第4の孔部)との間に位置決め部材110Bを設けている。
【0049】
固定部130が固定することで、支持部106Aと支持部106Bの間の距離の変化を抑制でき、位置決め部材110A及び110Bにより規定した支持部106Aと支持部106Bの間の距離を維持することができる。
【0050】
また、可動装置100をシリコンウエハやSOI((Silicon on Insulator))ウエハを用いて半導体プロセスで製造すると、数μm以下の高い寸法精度で支持部106Aに孔部107Aを形成し、支持部106Bに孔部107Bを形成できるため、支持部106Aと支持部106Bの間の距離を正確に規定できる。
【0051】
また、支持部106A及び106Bと同じ素材のシリコンウエハ又はSOIウエハを用いて固定部130を形成すると、支持部106A及び106Bと固定部130との線膨張係数が等しくなるため、周囲の環境温度等に起因する支持部106Aと支持部106Bの間の距離の変化を抑制できる。
【0052】
また、固定部130の素材としてシリコン又はSOIを用いると、半導体プロセスで固定部130を製造できるため、高精度に固定部130を製造できる。但し、固定部130の素材は、シリコン又はSOIに限定されるものではなく、シリコンまたはSOIを素材として用いた支持部106A及び106Bとの線膨張係数の差が小さい酸化シリコン又はセラミック等の素材を固定部130用いることもできる。なお、支持部106A及び106Bを形成する素材と固定部130を形成する素材との線膨張係数の差は10ppm以下であることが望ましい。
【0053】
ここで、本実施形態では、矩形形状の可動部101と、ミアンダ構造のばね部102A及び102Bを備える可動装置100の構成を例示したが、これに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。以下にその一例を示す。
【0054】
<変形例に係る可動装置200の構成例>
図4は、変形例に係る可動装置200の全体構成の一例を示す図である。図4における断面200Pは、可動装置200のC-C'矢視断面を示している。なお、可動装置100と同じ構成及び機能等を有する部分については適宜重複する説明を省略する。
【0055】
図4に示すように、可動装置200は、本体部220と、固定部230とを有する。また本体部220は、可動部201と、ばね部202A及び202Bと、駆動部203A及び203Bと、支持部206A及び206Bとを有する。
【0056】
ばね部202Aは、可動部201と所定の箇所で接続され、可動部201を揺動させる第1の梁部の一例である。ばね部202Bは、上記の所定の箇所とは異なる箇所で可動部201と接続され、可動部201を揺動させる第2の梁部の一例である。ばね部202A及び202Bは可動部201を図4のE軸回りに揺動させる。
【0057】
また可動部201は円形に形成され、入射する光を反射する反射面が表面に形成されている。可動装置200は、可動部201がE軸回りに揺動することで、可動部201の反射面による反射光をE軸と直交する方向に走査することができる。なお、反射面は、可動部201の表面自体を反射面としてもよいし、可動部201の表面に反射面を形成した構成にしてもよい。
【0058】
駆動部203Aは、ばね部202A状に設けられた薄膜の圧電材料である。駆動電圧に応答してばね部202Aを変形させることで、可動部201を揺動させるための駆動力を供給する。駆動部203Bは、ばね部202B上に設けられた薄膜の圧電材料である。駆動電圧に応答してばね部202Bを変形させることで、可動部201を揺動させるための駆動力を供給する。圧電材料としては、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等が挙げられるが、その他の圧電材料であってもよく、種類は問わない。
【0059】
支持部206Aは、ばね部202Aを支持する第1の支持部の一例である。支持部206Bは、ばね部202Bを支持する第2の支持部の一例である。固定部230は、支持部206Aと支持部206Bを固定する固定部である。
【0060】
固定部230は、位置決め部材210Aを介して支持部206Aを固定し、また位置決め部材210Bを介して支持部206Bを固定する。固定部230は接着剤211により支持部206A及び206Bを固定することができる。
【0061】
図5は、可動装置200の構成の一例を示す図であり、(a)は本体部220の構成を示す図、(b)は固定部230の構成を示す図である。図5(a)における断面220Pは、本体部220のA-A'矢視断面を示し、図5(b)における断面230Pは、固定部230のB-B'矢視断面を示している。
【0062】
図5(a)に示すように、可動装置200は、開放部205を備え、揺動軸と直交する方向に沿う可動部201の両側に遮るものがない、開放された構成になっている。可動装置200の支持部206Aには、第1の孔部の一例としての孔部207Aが形成され、支持部206Bには、第2の孔部の一例としての孔部207Bが形成されている。
【0063】
また図5(b)に示すように、固定部230には、孔部208Aと孔部208Bが形成されている。孔部208Aは、孔部207Aに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部108Bは、孔部207Bに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。
【0064】
このように構成された可動装置200によっても、可動装置100と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る可動装置100aについて説明する。なお、第1実施形態に係る可動装置100と説明が重複する部分については適宜説明を省略する。この点は、以降に示す他の実施形態においても同様とする。
【0066】
<可動装置100aの構成例>
図6は、可動装置100aの全体構成の一例を示す図である。図6における断面100aPは、可動装置100aのC-C'矢視断面を示している。図6に示すように、可動装置100aは、本体部120aと、固定部130aとを有する。
【0067】
固定部130aは、位置決め部材110Aaを介して支持部106Aを固定し、また位置決め部材110Baを介して支持部106Bを固定する。固定部130aは接着剤111により支持部106A及び106Bを固定することができる。
【0068】
図7は、可動装置100aの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部120aの構成を示す図、(b)は固定部130aの構成を示す図である。図7(a)における断面120aPは、本体部120aのA-A'矢視断面を示し、図7(b)における断面130aPは、固定部130aのB-B'矢視断面を示している。
【0069】
図7(a)に示すように、可動装置100aの支持部106Aには、第1の孔部の一例としての孔部107Aaが形成されている。孔部107Aaは3つの孔により構成されている。孔部107Aaにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130aが支持部106Aを固定する際に固定部130aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部107Aaは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。なお、本実施形態では孔部107Aaが3つの孔により構成される例を示すが、個数はこれに限定されるものではなく、2個以上であれば任意の個数であってもよい。
【0070】
また支持部106Bには、第2の孔部の一例としての孔部107Baが形成されている。孔部107Baも3つの孔により構成されている。孔部107Baにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130aが支持部106Bを固定する際に固定部130aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部107Baは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0071】
孔部107Aaと孔部107Baは、可動部101を挟んで略対称となる位置に設けられている。また孔部107Aaにおける3つの孔と、孔部107Baの3つの孔は、それぞれE軸を挟んで略対称となる位置に設けられている。
【0072】
また図7(b)に示すように、固定部130aには、孔部108Aaと孔部108Baが形成されている。孔部108Aaは、孔部107Aaに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部107Aaに対応して3つの孔で構成されている。孔部108Aaは、貫通孔であってもよいし、固定部130aが支持部106Aを固定する際に支持部106Aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Aaは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0073】
孔部108Baは、孔部107Baに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部107Baに対応して3つの孔で構成されている。孔部108Baは、貫通孔であってもよいし、固定部130aが支持部106Bを固定する際に支持部106Bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Baは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0074】
位置決め部材110Aa(図6参照)は、孔部107Aaと孔部108Aaとの間に設けられている。位置決め部材110Aaは、孔部107Aaと孔部108Aaのそれぞれの個数に対応して、3つの部材により構成されている。また位置決め部材110Ba(図6参照)は、孔部107Baと孔部108Baとの間に設けられている。位置決め部材110Baは、孔部107Baと孔部108Baのそれぞれの個数に対応して、3つの部材により構成されている。
【0075】
位置決め部材110Aaは個数が3つに変更されている点以外は位置決め部材110Aと同様の部材であり、位置決め部材110Baも個数が3つに変更されている点以外は位置決め部材110Bと同様の部材である。そのため、ここでは位置決め部材110Aa及び110Baの機能や形状に関する重複する説明を省略する。
【0076】
<可動装置100aの作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、孔部107Aa及び107Baがそれぞれ複数(本実施形態では3つ)の孔により構成され、孔部107Aa及び107Baの個数に対応して、孔部108Aa及び108Baが複数の孔により構成されている。また孔部107Aa、107Ba、108Aa及び108Baの個数に対応して、位置決め部材110Aa及び110Baのそれぞれは複数の部材で構成されている。
【0077】
本体部120aと固定部130aとの位置決めを複数の孔を利用して行うことで、可動装置100aの製造の際や、可動装置100aの使用時に周囲の環境温度が変化した際に、支持部106Aと支持部106Bの間の距離の変化をより好適に抑制できる。
【0078】
また本実施形態では、孔部107Aa、107Ba、108Aa及び108Baのそれぞれにおける複数の孔を、揺動軸であるE軸に対して線対称になるような位置に配置する。これにより、支持部106Aと支持部106Bの間の距離の変化に対して均等に応力が発生するため、特定箇所に応力が集中して可動装置100aが破壊又は破損することを防止できる。
【0079】
なお、上記以外の効果については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0080】
<変形例に係る可動装置200aの構成例>
ここで図8は、変形例に係る可動装置200aの全体構成の一例を示す図である。図8における断面200aPは、可動装置200aのC-C'矢視断面を示している。なお、上述した実施形態及び変形例で説明したものと同じ構成及び機能等を有する部分については重複する説明を適宜省略する。この点は、以降で変形例に係る可動装置を説明する場合にも同様とする。
【0081】
図8に示すように、可動装置200aは、本体部220aと、固定部230aとを有する。固定部230aは、位置決め部材210Aaを介して支持部206Aを固定し、また位置決め部材210Baを介して支持部206Bを固定する。固定部230aは接着剤211により支持部206Aa及び206Baを固定することができる。
【0082】
図9は、可動装置200aの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部220aの構成を示す図、(b)は固定部230aの構成を示す図である。図9(a)における断面220aPは、本体部220aのA-A'矢視断面を示し、図9(b)における断面230aPは、固定部230aのB-B'矢視断面を示している。
【0083】
図9(a)に示すように、可動装置200aの支持部206Aには、第1の孔部の一例としての孔部207Aaが形成され、支持部206Bには、第2の孔部の一例としての孔部207Baが形成されている。孔部207Aa及び207Baは、それぞれ3つの孔により構成されている。
【0084】
また図9(b)に示すように、固定部230aには、孔部208Aaと孔部208Baが形成されている。孔部208Aaは、孔部207Aaに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部207Aaに対応して3つの孔により構成されている。孔部208Baは、孔部207Baに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部207Baに対応して3つの孔により構成されている。
【0085】
このように構成された可動装置200aによっても、可動装置100aと同様の作用効果を得ることができる。
【0086】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る可動装置100bについて説明する。
【0087】
<可動装置100bの構成例>
図10は、可動装置100bの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部120bの構成を示す図、(b)は固定部130bの構成を示す図である。図10(a)における断面120bPは、本体部120bのA-A'矢視断面を示し、図10(b)における断面130bPは、固定部130bのB-B'矢視断面を示している。
【0088】
図10(a)に示すように、可動装置100bの支持部106Aには、第1の孔部の一例としての孔部107Abが形成されている。孔部107Abは3つの孔により構成されている。孔部107Abにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130bが支持部106Aを固定する際に固定部130bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部107Abは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。なお、本実施形態では孔部107Abが3つの孔により構成される例を示すが、個数はこれに限定されるものではなく、1つ以上であれば任意の個数であってもよい。
【0089】
また支持部106Bには、第2の孔部の一例としての孔部107Bbが形成されている。孔部107Bbも3つの孔により構成されている。孔部107Bbにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130bが支持部106Bを固定する際に固定部130bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部107Bbは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0090】
孔部107Abと孔部107Bbは、可動部101を挟んで対称となる位置に設けられている。また孔部107Aaと孔部107Baにおける3つの孔は、それぞれE軸を挟んで対称となる位置に設けられている。
【0091】
また図10(b)に示すように、固定部130bには、孔部108Abと孔部108Bbが形成されている。孔部108Abは、孔部107Abに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部107Abに対応して3つの孔により構成されている。孔部108Abは、貫通孔であってもよいし、固定部130bが支持部106Aを固定する際に支持部106Aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Abは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0092】
孔部108Bbは、孔部107Bbに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部107Bbに対応して3つの孔により構成されている。孔部108Bbは、貫通孔であってもよいし、固定部130bが支持部106Bを固定する際に支持部106Bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Bbは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0093】
ここで、固定部130bにおける支持部106Aを固定する部分は、支持部106Aに対応する形状に形成されている。支持部106Aに対応する形状とは、例えば支持部106Aと同じ形状である。但し、厳密に同じ形状でなくてもよく、一般に製造誤差と認められる程度の違いは許容される。
【0094】
同様に、固定部130bにおける支持部106Bを固定する部分は、支持部106Bに対応する形状に形成されている。支持部106Bに対応する形状とは、例えば支持部106Bと同じ形状である。但し、厳密に同じ形状でなくてもよく、一般に製造誤差と認められる程度の違いは許容される。
【0095】
なお、第1及び第2実施形態で説明したものと同様に、孔部107Aaと孔部108Aaとの間、並びに孔部107Baと孔部108Baとの間には、それぞれ位置決め部材が設けられる。この位置決め部材の機能及び形状は、第1及び第2実施形態で説明したものと同様である。
【0096】
<可動装置100bの作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、固定部130bにおける支持部106Aを固定する部分は、支持部106Aに対応する形状に形成され、固定部130bにおける支持部106Bを固定する部分は、支持部106Bに対応する形状に形成されている。
【0097】
このようにすることで、固定部130bが本体部120bを固定した後の可動装置100bを、パッケージ部材や回路基板等に実装する際に、固定部130bにおける支持部106A及び106Bに対向する面とは反対側の面全体を、パッケージ部材や回路基板に接着できる。これにより、固定部130bを配置するための凹凸形状等をパッケージ部材や回路基板に設けなくてもよくなり、パッケージ部材や回路基板の構成を簡略化できる。また、固定部130bと支持部106A及び106Bとの接着面積が大きくなるため、支持部106A及び106Bが変形しにくくなり、製造の際や、使用時に周囲の環境温度が変化した際の影響を受けにくくすることができる。
【0098】
なお、上記以外の効果については、第1及び第2実施形態で説明したものと同様である。
【0099】
<変形例に係る可動装置200bの構成例>
ここで、図11は、変形例に係る可動装置200bの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部220bの構成を示す図、(b)は固定部230bの構成を示す図である。図11(a)における断面220bPは、本体部220bのA-A'矢視断面を示し、図11(b)における断面230bPは、固定部230bのB-B'矢視断面を示している。
【0100】
図11(a)に示すように、可動装置200bの支持部206Aには、第1の孔部の一例としての孔部207Abが形成され、支持部206Bには、第2の孔部の一例としての孔部207Bbが形成されている。孔部207Ab及び207Bbは、それぞれ3つの孔により構成されている。
【0101】
また図11(b)に示すように、固定部230bには、孔部208Abと孔部208Bbが形成されている。孔部208Abは、孔部207Abに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部207Abに対応して3つの孔により構成されている。孔部208Bbは、孔部207Bbに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部207Bbに対応して3つの孔により構成されている。
【0102】
ここで、固定部230bにおける支持部206Aを固定する部分は、支持部206Aに対応する形状に形成されている。支持部206Aに対応する形状とは、例えば支持部206Aと同じ形状である。但し、厳密に同じ形状でなくてもよく、一般に製造誤差と認められる程度の違いは許容される。
【0103】
同様に、固定部230bにおける支持部206Bを固定する部分は、支持部206Bに対応する形状に形成されている。支持部206Bに対応する形状とは、例えば支持部206Bと同じ形状である。但し、厳密に同じ形状でなくてもよく、一般に製造誤差と認められる程度の違いは許容される。
【0104】
このように構成された可動装置200bによっても、可動装置100bと同様の作用効果を得ることができる。
【0105】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る可動装置100cについて説明する。
【0106】
<可動装置100cの構成例>
図12は、可動装置100cの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部120cの構成を示す図、(b)は固定部130cの構成を示す図である。図12(a)における断面120cPは、本体部120cのA-A'矢視断面を示し、図12(b)における断面130cPは、固定部130cのB-B'矢視断面を示している。
【0107】
図12(a)に示すように、可動装置100cの支持部106Aには、第1の孔部の一例としての孔部107Acが形成されている。孔部107Acは3つの孔により構成されている。孔部107Acにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130cが支持部106Aを固定する際に固定部130cに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部107Acは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。なお、本実施形態では孔部107Acが3つの孔により構成される例を示すが、個数はこれに限定されるものではなく、1つ以上であれば任意の個数であってもよい。
【0108】
また支持部106Bには、第2の孔部の一例としての孔部107Bcが形成されている。孔部107Bcも3つの孔により構成されている。孔部107Bcにおける3つの孔のそれぞれは、貫通孔であってもよいし、固定部130cが支持部106Bを固定する際に固定部130cに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部107Bcは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0109】
孔部107Acと孔部107Bcは、可動部101を挟んで対称となる位置に設けられている。また孔部107Acと孔部107Bcにおける3つの孔は、E軸を挟んで対称となる位置に設けられている。
【0110】
また、図12(b)に示すように、固定部130cには、孔部108Acと孔部108Bcが形成されている。孔部108Acは、孔部107Acに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部107Acに対応して3つの孔により構成されている。孔部108Acは、貫通孔であってもよいし、固定部130cが支持部106Aを固定する際に支持部106Aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Acは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0111】
孔部108Bcは、孔部107Bcに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部107Bcに対応して3つの孔により構成されている。孔部108Bcは、貫通孔であってもよいし、固定部130cが支持部106Bを固定する際に支持部106Bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部108Bcは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0112】
ここで、固定部130cは、固定部130cが支持部106A及び106Bを固定する際に可動部101に対向する部分が、固定部130cにおける他の部分より細く形成されている。図12(b)では、対向部分131が、固定部130cが支持部106A及び106Bを固定する際に可動部101に対向する部分に対応する。対向部分131の太さwは、固定部130cにおける他の部分の太さwより細く形成されている。
【0113】
なお、第1及び第2実施形態で説明したものと同様に、孔部107Aaと孔部108Aaとの間、並びに孔部107Baと孔部108Baとの間には、それぞれ位置決め部材が設けられる。この位置決め部材の機能及び形状は、第1及び第2実施形態で説明したものと同様である。
【0114】
<可動装置100cの作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、固定部130cは、固定部130cが支持部106A及び106Bを固定する際に可動部101に対向する部分が、固定部130cにおける他の部分より細く形成されている。
【0115】
このようにすることで、可動部101の揺動角度が大きくなっても可動部101と固定部130cの接触を回避するとともに、固定部130cの剛性の低下を抑制することができる。ここで、可動部101の回転中心Qから可動部101における固定部130cに対向する面までの距離をtとし(図12(a)に破線の丸Rで示した部分拡大図参照)、可動部101における固定部130cに対向する面から、支持部106A及び106Bにおける固定部130cに対向する面までの距離をHとする(図12(a)参照)。また可動部101の最大揺動角度をθとすると、以下の(4)式を満足することが好ましい。
【0116】
【数4】
【0117】
(4)式を満足することで、可動部101の揺動角度が大きくなっても、可動部101と固定部130cの接触を回避するとともに、固定部130cの剛性の低下を抑制する効果をより好適に得ることができる。
【0118】
なお、上記以外の効果については、第1及び第2実施形態で説明したものと同様である。
【0119】
<変形例に係る可動装置200cの構成例>
ここで、図13は、変形例に係る可動装置200cの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部220cの構成を示す図、(b)は固定部230cの構成を示す図である。図13(a)における断面220cPは、本体部220cのA-A'矢視断面を示し、図13(b)における断面230cPは、固定部230cのB-B'矢視断面を示している。
【0120】
図13(a)に示すように、可動装置200cの支持部206Aには、第1の孔部の一例としての孔部207Acが形成され、支持部206Bには、第2の孔部の一例としての孔部207Bcが形成されている。
【0121】
また図13(b)に示すように、固定部230cには、孔部208Acと孔部208Bcが形成されている。孔部208Acは、孔部207Acに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部208Bcは、孔部207Bcに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。
【0122】
ここで、固定部230cは、固定部230cが支持部206A及び206Bを固定する際に可動部201に対向する部分が、固定部230cにおける他の部分より細く形成されている。図13(b)では、対向部分231が可動部201に対向する部分に対応する。対向部分231の太さxは、固定部230cにおける他の部分の太さxより細くなっている。
【0123】
このように構成された可動装置200cによっても、可動装置100cと同様の作用効果を得ることができる。
【0124】
[第5実施形態]
次に、第5実施形態に係る可動装置100dについて説明する。
【0125】
<可動装置100dの構成例>
図14は、可動装置100dの全体構成の一例を示す図である。図14における断面100dPは、可動装置100dのC-C'矢視断面を示している。図14に示すように、可動装置100dは、本体部120dと、固定部130dとを有する。
【0126】
固定部130dは、位置決め部材110Adを介して支持部106Aを固定し、また位置決め部材110Bdを介して支持部106Bを固定する。固定部130dは接着剤111により支持部106A及び106Bを固定することができる。位置決め部材110Ad及び110Bdの機能及び形状は、第1及び第2実施形態で説明したものと同様である。
【0127】
図15は、可動装置100dの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部120dの構成を示す図、(b)は固定部130dの構成を示す図である。図15(a)における断面120dPは、本体部120dのA-A'矢視断面を示し、図15(b)における断面130dPは、固定部130dのB-B'矢視断面を示している。
【0128】
図15(a)に示すように、可動装置100dの支持部106Aには、第1の孔部の一例としての孔部107Adが形成されている。孔部107Adは、貫通孔であってもよいし、固定部130dが支持部106Aを固定する際に固定部130dに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部107Adは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0129】
また支持部106Bには、第2の孔部の一例としての孔部107Bdが形成されている。孔部107Bdは、貫通孔であってもよいし、固定部130dが支持部106Bを固定する際に固定部130dに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。また孔部107Bdは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0130】
孔部107Adと孔部107Bdは、可動部101を挟んで対称となる位置に設けられている。
【0131】
また、図15(b)に示すように、固定部130dには、孔部108Adと孔部108Bdが形成されている。孔部108Adは、孔部107Adに対応するように設けられた第3の孔部の一例である。孔部108Adは、貫通孔であってもよいし、固定部130dが支持部106Aを固定する際に支持部106Aに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部108Adは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0132】
孔部108Bdは、孔部107Bdに対応するように設けられた第4の孔部の一例である。孔部108Bdは、貫通孔であってもよいし、固定部130dが支持部106Bを固定する際に支持部106Bに対向する側の面に設けられた凹部であってもよい。孔部108Bdは、断面形状が矩形の孔部であるが、これに限定されるものではなく、断面形状を適宜選択可能である。
【0133】
ここで、固定部130dにおける支持部106A及び106Bのそれぞれを接着する接着領域132は、固定部130dにおける接着領域132以外の領域より高くなるように形成されている。また固定部130dにおいて、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に可動部101に対向する対向領域133は、固定部130dにおける対向領域133以外の領域より低くなるように形成されている。
【0134】
また、可動部101において、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に固定部130dに対向する面には、可動部101の変形を抑制するためのリブ構造108が形成されている。
【0135】
<可動装置100dの作用効果>
以上説明したように、本実施形態では、固定部130dにおける支持部106A及び106Bのそれぞれを接着する接着領域132は、固定部130dにおける接着領域132以外の領域より高くなるように形成されている。これにより、可動部101の揺動角度が大きくなった場合にも、可動部101及びばね部102A及び102Bと、固定部130dが接触することを防止できる。
【0136】
また、本実施形態のように、可動部101において、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に固定部130dに対向する面にリブ構造108が形成されていると、可動部101の揺動角度を大きくした場合に、可動部101及びばね部102A及び102Bと、固定部130dとが接触する場合がある。接触によって、可動装置100dの共振周波数が変化したり、可動部101が破損したり、信頼性の点で懸念が生じる場合がある。
【0137】
本実施形態では、固定部130dにおいて、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に可動部101に対向する対向領域133を、固定部130dにおける対向領域133以外の領域より低くなるように形成する。これにより、可動部101の揺動角度を大きくしても、可動部101及びばね部102A及び102Bと、固定部130dとの接触を回避でき、信頼性を向上させることができる。
【0138】
なお、リブ構造108において、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に固定部130dに対向する面109と、支持部106A及び106Bにおいて、固定部130dが支持部106A及び106Bを固定する際に固定部130dに対向する面110との高さが同じである場合、接着領域132と対向領域133との高さの差Hは以下の(5)式を満足することが好ましい。
【0139】
【数5】
なお、上記以外の効果については、第1実施形態で説明したものと同様である。
【0140】
<変形例に係る可動装置200dの構成例>
ここで図16は、変形例に係る可動装置200dの構成の一例を示す図であり、(a)は本体部220dの構成を示す図、(b)は固定部230dの構成を示す図である。図16(a)における断面220dPは、本体部220dのA-A'矢視断面を示し、図16(b)における断面230dPは、固定部230dのB-B'矢視断面を示している。
【0141】
図16(a)に示すように、可動装置200dの支持部206Aには、第1の孔部の一例としての孔部207Adが形成され、支持部206Bには、第2の孔部の一例としての孔部207Bdが形成されている。
【0142】
ここで、図16(b)に示すように、固定部230dにおける支持部206A及び206Bのそれぞれを接着する接着領域232は、固定部230dにおける接着領域232以外の領域より高くなるように形成されている。また固定部230dにおいて、固定部230dが支持部206A及び206Bを固定する際に可動部201に対向する対向領域233は、固定部230dにおける対向領域233以外の領域より低くなるように形成されている。
【0143】
このように構成された可動装置200aによっても、可動装置100aと同様の作用効果を得ることができる。
【0144】
[その他の好適な実施形態]
実施形態に係る可動装置は、各種のシステム及び装置に適用可能である。以下では、実施形態に係る可動装置の各種システム及び装置への適用例を説明する。以降では、実施形態に係る可動装置を可動装置13として説明するが、この可動装置13には、上述した可動装置100a乃至100d、及び200a乃至200dの何れを適用することもできる。
【0145】
[光走査システム]
まず、実施形態の可動装置を適用した光走査システムについて、図17図20に基づいて詳細に説明する。
【0146】
図17には、光走査システムの一例の概略図が示されている。図17に示すように、光走査システム10は、制御装置11の制御に従って光源装置12から照射された光を可動装置13の有する反射面14により偏向して被走査面15を光走査するシステムである。
【0147】
光走査システム10は、制御装置11と、光源装置12と、反射面14とを有する可動装置13により構成される。ここで、可動装置13は光偏向器の一例である。
【0148】
制御装置11は、CPU(Central Processing Unit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を備えた電子回路ユニットである。可動装置13は、反射面14を有し、反射面14を可動可能なMEMS(Micro Electromechanical Systems)デバイスである。光源装置12は、レーザを照射するレーザ装置等である。被走査面15は、スクリーン等である。
【0149】
制御装置11は、取得した光走査情報に基づいて光源装置12及び可動装置13の制御命令を生成し、制御命令に基づいて光源装置12及び可動装置13に駆動信号を出力する。
【0150】
光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光源を駆動させる。可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて、反射面14を1軸方向または2軸方向の少なくとも何れかに可動させる。
【0151】
光走査情報の一例である画像情報に基づいた制御装置11の制御によって、可動装置13の反射面14を所定の範囲で2軸方向に往復可動させ、反射面14に入射する光源装置12からの照射光を、所定の1軸周りに偏向して光走査する。これにより、被走査面15に任意の画像を投影することができる。なお、実施形態の可動装置の詳細および制御装置による制御の詳細については後述する。
【0152】
次に、光走査システム10のハードウェア構成について、図18を用いて説明する。図18は、光走査システム10の一例のハードウェア構成図である。図18に示すように、光走査システム10は、制御装置11、光源装置12および可動装置13を備え、それぞれが電気的に接続されている。このうち、制御装置11は、CPU20と、RAM21(Random Access Memory)と、ROM22(Read Only Memory)と、FPGA(Field Programmable Gate Array)23と、外部I/F(Interface)24と、光源装置ドライバ25と、可動装置ドライバ26とを備えている。
【0153】
CPU20は、ROM22等の記憶装置からプログラムやデータをRAM21上に読み出し、処理を実行して、制御装置11の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0154】
RAM21は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。
【0155】
ROM22は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の記憶装置であり、CPU20が光走査システム10の各機能を制御するために実行する処理用プログラムやデータを記憶している。
【0156】
FPGA23は、CPU20の処理に従って、光源装置ドライバ25および可動装置ドライバ26に適した制御信号を出力する回路である。
【0157】
外部I/F24は、外部装置やネットワーク等とのインタフェースである。外部装置には、PC(Personal Computer)等の上位装置、USBメモリ、SDカード、CD、DVD、HDD、SSD等の記憶装置が含まれる。また、ネットワークは、自動車のCAN(Controller Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット等である。外部I/F24は、外部装置との接続または通信を可能にする構成であればよく、外部装置ごとに外部I/F24が用意されてもよい。
【0158】
光源装置ドライバ25は、入力された制御信号に従って光源装置12に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
【0159】
可動装置ドライバ26は、入力された制御信号に従って可動装置13に駆動電圧等の駆動信号を出力する電気回路である。
【0160】
制御装置11において、CPU20は、外部I/F24を介して外部装置やネットワークから光走査情報を取得する。なお、CPU20が光走査情報を取得することができる構成であればよく、制御装置11内のROM22やFPGA23に光走査情報を格納する構成としてもよい。また、制御装置11内に新たにSSD等の記憶装置を設けて、その記憶装置に光走査情報を格納する構成としてもよい。
【0161】
ここで、光走査情報とは、被走査面15にどのように光走査させるかを示した情報であり、光走査により画像を表示する場合は、光走査情報は画像データである。また、光走査により光書込みを行う場合は、光走査情報は書込み順や書込み箇所を示した書込みデータである。さらに、光走査により距離測定を行う場合は、光走査情報は距離測定用の光を照射するタイミングと照射範囲を示す照射データである。
【0162】
制御装置11は、CPU20の命令及び図18に示したハードウェア構成によって、次に説明する機能構成を実現できる。
【0163】
次に、光走査システム10の制御装置11の機能構成について図19を用いて説明する。図19は、光走査システムの制御装置の一例の機能ブロック図である。
【0164】
図19に示すように、制御装置11は、機能として制御部30と駆動信号出力部31とを有する。
【0165】
制御部30は、CPU20、FPGA23等により実現され、外部装置から光走査情報を取得し、光走査情報を制御信号に変換して駆動信号出力部31に出力する。具体的には、制御部30は、外部装置等から画像データを光走査情報として取得し、所定の処理により画像データから制御信号を生成して駆動信号出力部31に出力する。
【0166】
駆動信号出力部31は、光源装置ドライバ25、可動装置ドライバ26等により実現され、入力された制御信号に基づいて光源装置12または可動装置13に駆動信号を出力する。
【0167】
駆動信号は、光源装置12または可動装置13の駆動を制御するための信号である。光源装置12においては、光源の照射タイミングおよび照射強度を制御する駆動電圧である。また、可動装置13においては、可動装置13の有する反射面14を可動させるタイミング及び可動範囲を制御する駆動電圧である。
【0168】
次に、光走査システム10が被走査面15を光走査する処理について図20を用いて説明する。図20は、光走査システムに係る処理の一例のフローチャートである。
【0169】
ステップS11において、制御部30は、外部装置等から光走査情報を取得する。
【0170】
ステップS12において、制御部30は、取得した光走査情報から制御信号を生成し、制御信号を駆動信号出力部31に出力する。
【0171】
ステップS13において、駆動信号出力部31は、入力された制御信号に基づいて駆動信号を光源装置12および可動装置13に出力する。
【0172】
ステップ14において、光源装置12は、入力された駆動信号に基づいて光照射を行う。また、可動装置13は、入力された駆動信号に基づいて反射面14を可動させる。光源装置12及び可動装置13の駆動により、任意の方向に光が偏向され、光走査される。
【0173】
なお、上記光走査システム10では、1つの制御装置11が光源装置12及び可動装置13を制御する装置および機能を有しているが、光源装置用の制御装置および可動装置用の制御装置と、別体に設けてもよい。
【0174】
また、上記光走査システム10では、一つの制御装置11に光源装置12及び可動装置13の制御部30の機能及び駆動信号出力部31の機能を設けているが、これらの機能は別体として存在していてもよく、例えば制御部30を有した制御装置11とは別に駆動信号出力部31を有した駆動信号出力装置を設ける構成としてもよい。なお、上記光走査システム10のうち、反射面14を有した可動装置13と制御装置11により、光偏向を行う光偏向システムを構成してもよい。
【0175】
このように、実施形態の可動装置を光走査システムに適用することにより、信頼性に優れた光走査システムを提供することができる。
【0176】
[画像投影装置]
次に、実施形態の可動装置を適用した画像投影装置について、図21及び図22を用いて詳細に説明する。
【0177】
図21は、画像投影装置の一例であり、偏向装置の一例であるヘッドアップディスプレイ装置500を搭載した自動車400の実施形態に係る概略図である。また、図22はヘッドアップディスプレイ装置500の一例の概略図である。画像投影装置は、光走査により画像を投影する装置である。
【0178】
図21に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、「車両」の一例である自動車400のウインドシールド(フロントガラス401等)の付近に設置される。ヘッドアップディスプレイ装置500から発せられる投射光Lがフロントガラス401で反射され、ユーザーである観察者(運転者402)に向かう。これにより、運転者402は、ヘッドアップディスプレイ装置500によって投影された画像等を虚像として視認することができる。なお、ウインドシールドの内壁面にコンバイナを設置し、コンバイナによって反射する投射光によってユーザーに虚像を視認させる構成にしてもよい。
【0179】
図22に示すように、ヘッドアップディスプレイ装置500は、赤色、緑色、青色のレーザ光源501R,501G,501Bからレーザ光が出射される。出射されたレーザ光は、各レーザ光源に対して設けられるコリメートレンズ502,503,504と、2つのダイクロイックミラー505,506と、光量調整部507とから構成される入射光学系を経た後、反射面14を有する可動装置13にて偏向される。そして、偏向されたレーザ光は、自由曲面ミラー509と、中間スクリーン510と、投射ミラー511とから構成される投射光学系を経て、スクリーンに投影される。なお、上記ヘッドアップディスプレイ装置500では、レーザ光源501R,501G,501B、コリメートレンズ502,503,504、ダイクロイックミラー505,506は、光源ユニット530として光学ハウジングによってユニット化されている。
【0180】
ヘッドアップディスプレイ装置500は、中間スクリーン510に表示される中間像を自動車400のフロントガラス401に投射することで、その中間像を運転者402に虚像として視認させる。
【0181】
レーザ光源501R,501G,501Bから発せられる各色レーザ光は、それぞれ、コリメートレンズ502,503,504で略平行光とされ、2つのダイクロイックミラー505,506により合成される。合成されたレーザ光は、光量調整部507で光量が調整された後、反射面14を有する可動装置13によって二次元走査される。可動装置13で二次元走査された投射光Lは、自由曲面ミラー509で反射されて歪みを補正された後、中間スクリーン510に集光され、中間像を表示する。中間スクリーン510は、マイクロレンズが二次元配置されたマイクロレンズアレイで構成されており、中間スクリーン510に入射してくる投射光Lをマイクロレンズ単位で拡大する。
【0182】
可動装置13は、反射面14を2軸方向に往復揺動させ、反射面14に入射する投射光Lを二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われる。
【0183】
以上、画像投影装置の一例としてのヘッドアップディスプレイ装置500の説明をしたが、画像投影装置は、反射面14を有した可動装置13により光走査を行うことで画像を投影する装置であればよい。例えば、机等に置かれ、表示スクリーン上に画像を投影するプロジェクタや、観測者の頭部等に装着される装着部材に搭載され、装着部材が有する反射透過スクリーンに投影、または眼球をスクリーンとして画像を投影するヘッドマウントディスプレイ装置等にも、同様に適用することができる。
【0184】
また、画像投影装置は、車両や装着部材だけでなく、例えば、航空機、船舶、移動式ロボット等の移動体、あるいは、その場から移動せずにマニピュレータ等の駆動対象を操作する作業ロボットなどの非移動体に搭載されてもよい。
【0185】
このように、実施形態の可動装置を画像投影装置に適用することにより、信頼性に優れた画像投影装置を提供することができる。
【0186】
[光書込装置]
次に、実施形態の可動装置13を適用した光書込装置について図23及び図24を用いて詳細に説明する。
【0187】
図23は、光書込装置600を組み込んだ画像形成装置の一例である。また、図24は、光書込装置の一例の概略図である。
【0188】
図23に示すように、上記光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有するレーザプリンタ650等に代表される画像形成装置の構成部材として使用される。画像形成装置において光書込装置600は、1本または複数本のレーザビームで被走査面15である感光体ドラムを光走査することにより、感光体ドラムに光書込を行う。
【0189】
図24に示すように、光書込装置600において、レーザ素子等の光源装置12からのレーザ光は、コリメートレンズなどの結像光学系601を経た後、反射面14を有する可動装置13により1軸方向または2軸方向に偏向される。そして、可動装置13で偏向されたレーザ光は、その後、第一レンズ602aと第二レンズ602b、反射ミラー部602cからなる走査光学系602を経て、被走査面15(感光体ドラムや感光紙等)に照射されて光書込みを行う。走査光学系602は、被走査面15にスポット状に光ビームを結像させる。また、光源装置12及び反射面14を有する可動装置13は、制御装置11の制御に基づき駆動する。
【0190】
このように光書込装置600は、レーザ光によるプリンタ機能を有する画像形成装置の構成部材として使用することができる。また、走査光学系を異ならせて1軸方向だけでなく2軸方向に光走査可能にすることで、レーザ光をサーマルメディアに偏向して光走査し、加熱することで印字するレーザラベル装置等の画像形成装置の構成部材として使用することができる。
【0191】
可動装置13は、ポリゴンミラー等を用いた回転多面鏡に比べ駆動のための消費電力が小さいため、光書込装置600の省電力化に有利である。また、可動装置13の振動時における風切り音は回転多面鏡に比べ小さいため、光書込装置600の静粛性の改善に有利である。光書込装置600は回転多面鏡に比べ設置スペースが圧倒的に少なくて済み、また可動装置13の発熱量もわずかであるため、小型化が容易であり、よって画像形成装置の小型化に有利である。
【0192】
このように、実施形態の可動装置を光書込装置に適用することにより、信頼性に優れた光書込装置を提供することができる。
【0193】
[距離測定装置]
次に、実施形態の可動装置13を適用した距離測定装置について、図25及び図26を用いて詳細に説明する。
【0194】
図25は、距離測定装置の一例であり、また偏向装置の一例であるライダ(LiDAR;Laser Imaging Detection and Ranging)装置を搭載した自動車の概略図である。また、図26はライダ装置の一例の概略図である。
【0195】
距離測定装置は、対象方向の距離を測定する装置である。
【0196】
図25に示すように、ライダ装置700は、「車両」の一例である自動車701に搭載され、対象方向を光走査して、対象方向に存在する被対象物702からの反射光を受光することで、被対象物702の距離を測定する。
【0197】
図26に示すように、光源装置12から出射されたレーザ光は、発散光を略平行光とする光学系であるコリメートレンズ703と、平面ミラー704とから構成される入射光学系を経て、反射面14を有する可動装置13で1軸もしくは2軸方向に走査される。そして、投光光学系である投光レンズ705等を経て装置前方の被対象物702に照射される。光源装置12及び可動装置13は、制御装置11により駆動を制御される。被対象物702で反射された反射光は、光検出器709により光検出される。すなわち、反射光は入射光検出受光光学系である集光レンズ706等を経て撮像素子707により受光され、撮像素子707は検出信号を信号処理回路708に出力する。信号処理回路708は、入力された検出信号に2値化やノイズ処理等の所定の処理を行い、結果を測距回路710に出力する。
【0198】
測距回路710は、光源装置12がレーザ光を発光したタイミングと、光検出器709でレーザ光を受光したタイミングとの時間差、または受光した撮像素子707の画素ごとの位相差によって、被対象物702の有無を認識し、さらに被対象物702との距離情報を算出する。
【0199】
可動装置13は多面鏡に比べて破損しづらく、小型であるため、耐久性の高い小型のレーダ装置を提供することができる。このようなライダ装置は、車両、航空機、船舶、ロボット等に取り付けられ、所定範囲を光走査して障害物の有無や障害物までの距離を測定できる。ライダ装置700の搭載位置は、自動車701の上部前方に限定されず、側面や後方に搭載されてもよい。
【0200】
上述した例では、ライダ装置700の説明をしたが、これに限定されるものではない。距離測定装置は、可動装置13を制御装置11で制御することにより光走査を行い、光検出器により反射光を受光することで被対象物702の距離を測定する装置であればよい。
【0201】
例えば、手や顔を光走査して得た距離情報から形状等の物体情報を算出し、記録と参照することで対象物を認識する生体認証や、対象範囲への光走査により侵入物を認識するセキュリティセンサ、光走査により得た距離情報から形状等の物体情報を算出して認識し、3次元データとして出力する3次元スキャナの構成部材等にも同様に適用できる。
【0202】
このように、実施形態の可動装置を距離測定装置に適用することにより、信頼性に優れた距離測定装置を提供することができる。
【0203】
[レーザヘッドランプ]
次に、実施形態の可動装置13を自動車のヘッドライトに適用したレーザヘッドランプ50について、図27を用いて説明する。図27は、レーザヘッドランプ50の構成の一例を説明する概略図である。
【0204】
レーザヘッドランプ50は、制御装置11と、光源装置12bと、反射面14を有する可動装置13と、ミラー51と、透明板52とを有する。
【0205】
光源装置12bは、青色のレーザ光を発する光源である。光源装置12bから発せられた光は、可動装置13に入射し、反射面14にて反射される。可動装置13は、制御装置11からの信号に基づき、反射面をXY方向に駆動させ、光源装置12bからの青色のレーザ光をXY方向に二次元走査する。
【0206】
可動装置13による走査光は、ミラー51で反射され、透明板52に入射する。透明板52は、表面又は裏面を黄色の蛍光体により被覆されている。ミラー51からの青色のレーザ光は、透明板52における黄色の蛍光体の被覆を通過する際に、ヘッドライトの色として法定される範囲の白色に変化する。これにより自動車の前方は、透明板52からの白色光で照明される。
【0207】
可動装置13による走査光は、透明板52の蛍光体を通過する際に所定の散乱をする。これにより自動車前方の照明対象における眩しさは緩和される。
【0208】
可動装置13を自動車のヘッドライトに適用する場合、光源装置12b及び蛍光体の色は、それぞれ青及び黄色に限定されない。例えば、光源装置12bを近紫外線とし、透明板52を光の三原色の青色、緑色及び赤色の各蛍光体を均一に混ぜたもので被覆してもよい。この場合でも、透明板52を通過する光を白色に変換でき、自動車の前方を白色光で照明することができる。
【0209】
このように、実施形態の可動装置をレーザヘッドランプに適用することにより、信頼性に優れたレーザヘッドランプを提供することができる。
【0210】
[ヘッドマウントディスプレイ]
次に、実施形態の可動装置13を適用したヘッドマウントディスプレイ60について、図28~13を用いて説明する。ここでヘッドマウントディスプレイ60は、人間の頭部に装着可能な頭部装着型ディスプレイで、眼鏡に類する形状とすることができる。ヘッドマウントディスプレイを、以降ではHMDと省略して示す。
【0211】
図28は、HMD60の外観を例示する斜視図である。図28において、HMD60は、左右に1組ずつ略対称に設けられたフロント60a、及びテンプル60bにより構成されている。フロント60aは、導光板61等により構成することができ、光学系や制御装置はテンプル60bに内蔵することができる。
【0212】
図29は、HMD60の構成を部分的に例示する図である。なお、図29では、左眼用の構成を例示しているが、HMD60は右眼用としても同様の構成を有している。
【0213】
HMD60は、制御装置11と、光源ユニット530と、光量調整部507と、反射面14を有する可動装置13と、導光板61と、ハーフミラー62とを有している。
【0214】
光源ユニット530は、レーザ光源501R,501G,501Bと、コリメートレンズ502,503,504と、ダイクロイックミラー505,506とを、光学ハウジングによってユニット化したものである。光源ユニット530において、レーザ光源501R,501G,501Bからの三色のレーザ光は、ダイクロイックミラー505,506で合成される。光源ユニット530からは、合成された平行光が発せられる。
【0215】
光源ユニット530からの光は、光量調整部507により光量調整された後、可動装置13に入射する。可動装置13は、制御装置11からの信号に基づき、反射面14をXY方向に駆動させ、光源ユニット530からの光を二次元走査する。この可動装置13の駆動制御は、レーザ光源501R,501G,501Bの発光タイミングに同期して行われ、走査光によりカラー画像が形成される。
【0216】
可動装置13による走査光は、導光板61に入射する。導光板61は、走査光を内壁面で反射させながらハーフミラー62に導光する。導光板61は、走査光の波長に対して透過性を有する樹脂等により形成されている。
【0217】
ハーフミラー62は、導光板61からの光をHMD60の背面側に反射し、HMD60の装着者63の眼の方向に出射する。ハーフミラー62は、自由曲面形状を有している。走査光による画像は、ハーフミラー62での反射により、装着者63の網膜に結像する。或いは、ハーフミラー62での反射と眼球における水晶体のレンズ効果とにより、装着者63の網膜に結像する。またハーフミラー62での反射により、画像は空間歪が補正される。装着者63は、XY方向に走査される光で形成される画像を、観察することができる。
【0218】
62はハーフミラーであるため、装着者63には、外界からの光による像と走査光による画像が重畳して観察される。ハーフミラー62に代えてミラーを設けることで、外界からの光をなくし、走査光による画像のみを観察できる構成としてもよい。
【0219】
このように、実施形態の可動装置をヘッドマウントディスプレイに適用することにより、信頼性に優れたヘッドマウントディスプレイを提供することができる。
【0220】
[パッケージング]
次に、実施形態の可動装置13のパッケージングについて図30を用いて説明する。
【0221】
図30は、パッケージングされた可動装置13の一例の概略図である。
【0222】
図30に示すように、可動装置13は、パッケージ部材801の内側に配置される取付部材802に取り付けられ、パッケージ部材801の一部を透過部材803で覆われて、密閉されることでパッケージングされる。さらに、パッケージ内は窒素等の不活性ガスが密封されている。これにより、可動装置13の酸化による劣化が抑制され、さらに温度等の環境の変化に対する耐久性が向上する。
【0223】
以上、本発明の実施形態の例について記述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0224】
なお、上述した実施形態では、可動部が反射面を有する構成を例示したが、これに限定されるものではない。可動部が反射面に代えて回折格子、フォトダイオード、ヒータ(例えば、SiNを用いたヒータ)、光源(例えば、面発光型レーザ)等を有する構成であってもよい。
【0225】
また、上述した実施形態では、可動部を2方向から支持する構成を例示したが、これに限定されるものではない。可動装置は可動部を2方向以上の方向から支持してもよい。換言すると、可動装置は可動部を揺動させる駆動梁を2つ以上備えることもできる。
【符号の説明】
【0226】
100 可動装置
101 可動部
102A ばね部(第1の梁部の一例)
102B ばね部(第2の梁部の一例)
103A 駆動部
103B 駆動部
106A 支持部(第1の支持部の一例)
106B 支持部(第2の支持部の一例)
107A 孔部(第1の孔部)
107B 孔部(第2の孔部)
108A 孔部(第3の孔部)
108B 孔部(第4の孔部)
110A,110B 位置決め部材
120 本体部
130 固定部
131 対向部分(可動部に対向する部分の一例)
132 接着領域
200 可動装置
201 可動部
202A ばね部(第1の梁部の一例)
202B ばね部(第2の梁部の一例)
203A 駆動部
203B 駆動部
206A 支持部(第1の支持部の一例)
206B 支持部(第2の支持部の一例)
207A 孔部(第1の孔部)
207B 孔部(第2の孔部)
208A 孔部(第3の孔部)
208B 孔部(第4の孔部)
210A,210B 位置決め部材
220 本体部
230 固定部
231 対向部分(可動部に対向する部分の一例)
232 接着領域
500 ヘッドアップディスプレイ装置(画像投影装置の一例)
700 ライダ装置(距離測定装置の一例)
400,701 自動車(車両の一例)
対向部分131の太さ
他の部分の太さ
E軸 揺動軸
【先行技術文献】
【特許文献】
【0227】
【文献】特許3552601号公報
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図30