(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】ペリクルの製造方法、ペリクル付フォトマスクの製造方法、露光方法、半導体デバイスの製造方法、液晶ディスプレイの製造方法及び有機ELディスプレイの製造方法
(51)【国際特許分類】
G03F 1/62 20120101AFI20240319BHJP
C08J 7/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
G03F1/62
C08J7/00 301
C08J7/00 CEP
C08J7/00 CEW
(21)【出願番号】P 2023014675
(22)【出願日】2023-02-02
(62)【分割の表示】P 2018226482の分割
【原出願日】2018-12-03
【審査請求日】2023-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002240
【氏名又は名称】弁理士法人英明国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 晃範
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-226476(JP,A)
【文献】特開2008-040469(JP,A)
【文献】特開2004-184705(JP,A)
【文献】特開平11-065092(JP,A)
【文献】国際公開第2018/015121(WO,A1)
【文献】特開2011-066306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
C08J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペリクル膜がペリクルフレームに張設されたペリクルの製造方法であって、上記ペリクル膜に、上記ペリクル膜のガラス転移温度-30℃~-10℃の温度でのアニール処理を施す工程を有することを特徴とするArFエキシマレーザーを用いた液浸露光装置に使用されるペリクルの製造方法。
【請求項2】
上記ペリクル膜の厚みが、上記ペリクル膜を透過する光の斜入射による透過率の減少を抑制できる厚みである請求項1記載のペリクルの製造方法。
【請求項3】
上記
ペリクルフレームに張設された状態でのペリクル膜の膜張力(膜振動数)が、
30~33Hzである請求項1又は2記載のペリクルの製造方法。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか1項記載のペリクルの製造方法により製造されたペリクルを準備する工程、及び、
上記ペリクルをフォトマスクに装着する工程
を有することを特徴とするペリクル付フォトマスクの製造方法。
【請求項5】
請求項1~
3のいずれか1項記載のペリクルの製造方法により製造されたペリクルを準備する工程、及び、
上記ペリクルを用いて露光する工程
を有することを特徴とする露光方法。
【請求項6】
請求項1~
3のいずれか1項記載のペリクルの製造方法により製造されたペリクルを準備する工程、及び、
上記ペリクルを用いて露光する工程
を有することを特徴とする半導体デバイスの製造方法。
【請求項7】
請求項1~
3のいずれか1項記載のペリクルの製造方法により製造されたペリクルを準備する工程、及び、
上記ペリクルを用いて露光する工程
を有することを特徴とする液晶ディスプレイの製造方法。
【請求項8】
請求項1~
3のいずれか1項記載のペリクルの製造方法により製造されたペリクルを準備する工程、及び、
上記ペリクルを用いて露光する工程
を有することを特徴とする有機ELディスプレイの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペリクルフレーム及びこれを用いて構成されるフォトリソグラフィ用ペリクルに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスや液晶ディスプレイ等を製造する際のフォトリソグラフィ工程では、レジストを塗布した半導体ウエハや液晶用原板に光を照射することによってパターンを作製するが、このとき用いるフォトマスクやレチクル(以下、フォトマスク)に異物が付着していると、この異物が光を吸収したり、光を曲げてしまうために、転写したパターンが変形したり、エッジが粗雑なものとなるほか、下地が黒く汚れたりして、寸法、品質、外観などが損なわれるという問題がある。
【0003】
これらのフォトリソグラフィ工程は、通常クリーンルーム内で行われるが、それでも露光原版を常に清浄に保つことは難しいため、一般に露光原版にペリクルと呼ばれる異物除けを設置して露光をする方法が採用される。
【0004】
このようなペリクルは、一般的に枠状のペリクルフレームと、ペリクルフレームの上端面に張設されたペリクル膜と、ペリクルフレームの下端面に形成された気密用ガスケット等から構成されている。その中のペリクル膜は、露光光に対して高い透過率を示す材料で構成され、気密用ガスケットとしては粘着剤等が用いられる。
【0005】
このようなペリクルをフォトマスクに設置すれば、異物はフォトマスクに直接付着せず、ペリクル上に付着することになる。そして、フォトリソグラフィにおいて焦点をフォトマスクのパターン上に合わせれば、ペリクル上の異物は転写に無関係となり、パターンの変形等の問題を抑えることが可能となる。
【0006】
ところで、このようなフォトリソグラフィ技術においては、解像度を高める手段として、露光光源の短波長化が進められている。現在までに、露光光源は水銀ランプによるg線(436nm)、i線(365nm)から、KrFエキシマレーザー(248nm)に移行しており、近年ではArFエキシマレーザー(193nm)が微細な加工を必要とする際に最も頻繁に使用されている。
【0007】
近年、ArFエキシマレーザーを用いて更に微細な加工を行うために、液浸露光装置が用いられている。露光装置の対物レンズとシリコンウエハとの間を液体で満たすことにより、より高いNA(numerical aperture)を実現し、その結果、より高い解像度を得ている。このように露光装置が高NA化すると、ペリクルを透過する光において、周辺部は斜入射の角度が大きくなる。ペリクルの透過率は、一般に、垂直入射光に対して極大透過率が得られるように設定するが、入射角が大きくなるに従い透過率が低下するという現象が見られる。この透過率の減少の度合いは、膜厚が厚い方が顕著に見られる。このため、斜入射光に対しても高い透過率を得るためにペリクル膜を薄膜化することが一般的である。
【0008】
ところで、ペリクル膜を薄膜化すると、それに伴って膜の強度が低下するという問題がある。露光時は、ペリクルをフォトマスク基板に貼り付けて作製したフォトマスクユニットが高速スキャン運動するため、ペリクル膜の強度が小さい場合では、高速スキャン運動中に膜が振動しやすくなる。つまり、膜が振動することによって、露光光がペリクル膜を通過する際に乱れやすくなり、本来目的としていた位置からパターンがずれてしまい、パターンの位置精度(オーバーレイ)が悪化する可能性があることが分かった。
【0009】
なお、オーバーレイを向上させるプロセスに関連する従来の技術としては、以下の特許公報等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2018-508048号公報
【文献】特許第5821100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
そこで、本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ペリクル膜の強度を向上させ、露光時の高速スキャン運動によるペリクル膜の振動を緩和し、オーバーレイ悪化を抑制できるペリクルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、上記課題について鋭意検討を行ったところ、ペリクル膜を加熱処理(アニール処理)することにより、該処理を行わない場合と比較してペリクル膜の強度が向上することがわかった。この結果、露光時の高速スキャン運動においてもペリクル膜の過度な振動が緩和されるので、ペリクル膜通過時の露光光が乱れることなくパターンを目的位置に転写することができ、露光後のオーバーレイ悪化を抑制できることを知見し、本発明をなすに至った。
【0013】
従って、本発明は、下記のペリクル及びその製造方法を提供する。
1.ペリクル膜がペリクルフレームに張設されたペリクルであって、上記ペリクル膜がアニール処理を施したペリクル膜であることを特徴とするペリクル。
2.上記ペリクルフレームに張設された上記ペリクル膜の膜張力(膜振動数)が30Hz以上である上記1記載のペリクル。
3.ペリクル膜をペリクルフレームに張設してペリクルを製造する方法であって、上記ペリクル膜をペリクルフレームに張設する前に該ペリクル膜単体をアニール処理する工程、上記ペリクル膜の張設後にペリクルをアニール処理する工程、または上記ペリクル膜の張設前及び張設後の両方でペリクル膜単体及びペリクルをアニール処理する工程を有することを特徴とするペリクルの製造方法。
【発明の効果】
【0014】
本発明のペリクルによれば、従来のペリクルに比べて、アニール処理を施すことによってペリクル膜の強度が向上し、露光時の高速スキャン運動によるペリクル膜の振動が緩和されるので、ペリクル膜通過時の露光光が乱れることなくパターンを目的位置に転写することができ、露光後のオーバーレイ悪化を抑制でき、微細なパターン形成工程において有効である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0016】
本発明のペリクルは、フォトマスクの歪が特に問題となる半導体の製造のための用途に適用した際に特に効果は大きいが、その用途に限定されるものではない。例えば、一辺が150mm前後の半導体の製造のための用途のみならず、一辺200~300mmのプリント基板の製造のための用途及び一辺が500~2000mm近い液晶、有機ELディスプレイの製造のための用途にまで、ペリクル貼付けによるフォトマスクの変形が問題となるような全てのペリクルに適用することが可能である。
【0017】
本発明のペリクルは、特に図示してはいないが、枠状のペリクルフレームと、ペリクルフレームの上端面に張設されたペリクル膜を含んで構成されるものである。ペリクルフレームの材質としては、アルミニウム合金、鉄鋼、ステンレス鋼、黄銅、インバー、スーパーインバーなどの金属や合金、PE、PA、PEEKなどのエンジニアリングプラスチック、GFRP,CFRPなどの繊維複合材料など公知のものを用いることができる。
【0018】
また、その表面は黒色となるよう処理されるとともに、必要に応じて発塵防止のための塗装などの表面処理が施されていることが好ましい。例えば、アルミニウム合金を使用した場合には、アルマイト処理や化成処理などの表面処理を施すことが好ましく、鉄鋼、ステンレス鋼などの場合は黒色クロムメッキ等の表面処理を施すことが好ましい。
【0019】
ペリクルフレームの内面には、浮遊異物の捕捉や固定のため、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの粘着性物質を塗布することが好ましい。また、ペリクルフレームの内面のみ、またはその全面に、発塵防止を目的として、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂などの非粘着性樹脂の被膜を形成することが好ましい。これら粘着性樹脂、非粘着性樹脂の被膜の形成については、スプレー、ディッピング、粉体塗装、電着塗装などの公知の方法によって施工することができる。
【0020】
また、ペリクルフレームの外面には、ハンドリングなどの用途のために、複数個所の治具孔や溝などを複数設けてもよく、また、型番、製造番号やバーコードなどの表示を機械刻印またはレーザマーキングにより施すことが好ましい。
【0021】
さらに、本発明のペリクルは、内部の気圧調整のために、通気孔を設けて、その外側に異物の侵入を防止するためにPTFEなどの多孔質薄膜からなるフィルタを取り付けてもよい。この際、フィルタの取り付けは、適切な材質の粘着層などを設けてペリクルフレームの外面に直接貼り付けるなどしてもよい。そして、これら通気孔やフィルタの配置位置や個数、その形状については、要求される通気性やハンドリングの都合などを考慮して適宜決定することができる。
【0022】
本発明に用いるペリクル膜は、使用する露光光源に応じて、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂などの材料から最適なものを選択し、透過率、機械的強度などの観点から0.1~10μm程度の範囲から最適な膜厚を選択して製作するとともに、必要に応じて、反射防止層を付与してもよい。特に、露光光源としてEUV光を用いる場合は、膜厚が1μm以下の極薄のシリコン膜やグラフェン膜を用いることができる。そして、ペリクルフレームの上端面にペリクル膜を張設するための接着剤は、アクリル系接着剤、フッ素系接着剤、シリコーン系接着剤などの公知の接着剤を用いることができる。
【0023】
本発明のペリクルをフォトマスクに装着するための粘着剤層は、ペリクルフレームの下端面に設けられる。粘着剤層の材質としては、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン(SEBS)粘着剤、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン(SEPS)粘着剤、シリコーン粘着剤などの公知のものを使用することができる。また、ヘイズの原因となるアウトガスの発生が少ないものが好ましい。
【0024】
上記ペリクルをフォトマスクに装着した後の安定性確保やフォトマスクに与える影響を低減するために、粘着剤層表面の平面度は30μm以下とすることが好ましい。また、断面形状や厚みは必要に応じて選択すればよく、例えば、断面形状を半円型の凸形状とすることができる。
【0025】
粘着剤層の表面には、厚さ50~300μm程度でPET製フィルム等の表面に剥離性を付与したセパレータを設けてもよい。これは、粘着剤層を保護するためのものであり、ペリクルのケースやペリクルの支持手段等の工夫により省略してもよい。
【0026】
本発明では、ペリクルフレームの張設前にペリクル膜単体をアニール処理することにより、またはペリクル膜の張設後に、該ペリクル膜を張設したペリクルをアニール処理することにより、或いは、ペリクル膜の張設前及び張設後の両方でペリクル膜単体及びペリクルをアニール処理することにより、該処理を行わない場合と比較してペリクル膜の強度が向上し、オーバーレイ悪化を効果的に抑制できるものである。
【0027】
上記のアニール処理(加熱処理)の設定温度については、使用するペリクル膜(材料)のガラス転移温度(Tg)に依存する。通常、ほとんどのペリクル膜は非晶質であり、ガラス転移温度(Tg)以上の温度では膜に皺が発生したり、破損するなど不利に作用し、張力が低下すると考えられる。従って、アニール処理の最適温度は、使用するペリクル膜材料のTg-5~-50℃であることが好適であり、より好ましくは-10~-30℃である。但し、アニール処理の温度が上記のTgを超えなければ膜張力は低下しないと考えられるので、上記より低温でも品質的には大きな問題がないと考えられる。上記のアニール処理(加熱処理)の設定時間については、好ましくは1~48時間、より好ましくは1~24時間である。上記の設定時間より長いと、膜張力はほとんど変化しないが作業効率が低下するおそれがある。なお、上記アニール処理の装置については市販品を用いることができ、例えば、ヤマト科学社製の機器である製品名「クリーンオーブンDE610U」等が挙げられる。
【0028】
また、本発明では、上記ペリクルフレームに張設された上記ペリクル膜の膜張力(膜振動数)が30Hz以上であることが好ましい。上記ペリクル膜の膜張力が30Hzより小さいと、オーバーレイが1nmより大きくなりパターン位置精度が悪くなる。このペリクル膜の振動数の測定は、例えば、ONO SOKKI社製の「PERSONAL FFT ANALYZER:CF-4210Z」などで測定することができる。
【0029】
本発明では、ペリクルをフォトマスク基板に貼り付けて作製したフォトマスクユニットを高速スキャン運動させた状態でパターニングを行い、オーバーレイ精度を目的位置からのX方向及びY方向への位置ずれで評価することができ、双方向へのずれが小さければ小さいほど望ましい。次世代の半導体デバイスや液晶ディスプレイには極めて微細化したパターン形成が要求されており、オーバーレイの位置精度は1nm以下であることが好ましい。パターニングの目的位置からのX方向及びY方向への位置ずれの測定については、例えば、ASML社製のウエハ測定機「YIELDSTAR T-250D」等を用いて測定することができる。
【実施例】
【0030】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0031】
〔実施例1〕
実施例1では、まず、アルミ合金製のペリクルフレーム(外寸149mm×115mm×3.15mm)を準備した。また、このペリクルフレームの短辺の中央部には、直径10mmのフィルタ穴も設けてある。
【0032】
次に、準備したペリクルフレームを純水で洗浄した後、ペリクルフレームの上端面に旭硝子社製サイトップ接着剤(商品名:CTX-A)を塗布し、下端面にはアクリル粘着剤(綜研化学(株)製SKダイン1495S)を塗布した。その後、130℃までペリクルフレームを加熱し、接着剤、粘着剤を硬化させた。
【0033】
続いて、ペリクルフレームよりも大きなアルミ枠に張り付けた旭硝子社製サイトップ(商品名:CTX-S)からなる厚み0.28μmのペリクル膜に、ペリクルフレームの接着剤層側を貼り付け、ペリクルフレームよりも外側の部分を除去しペリクルを完成させた。なお、旭硝子社製サイトップ(商品名:CTX-S)のTgは108℃である。
【0034】
作製したペリクルを、ペリクル膜の振動数が26Hzになるようにアニール処理を行った。具体的には、設定温度は50℃、処理時間は1時間でアニール処理を行った。
ここで、ペリクル膜の振動数は、ONO SOKKI社製PERSONAL FFT ANALYZER:CF-4210Zで測定した。測定方法としては、ペリクルに一定の衝撃を与えてペリクル膜を振動させ、ONO SOKKI社製普通騒音計で振動数を検出し、PERSONAL FFT ANALYZER:CF-4210Zに表示される数値を膜の振動数とした。このペリクル膜の膜振動数を測定した後、ペリクルを150mm角のフォトマスク基板に貼り付け、オーバーレイ精度を評価したところ、オーバーレイは1.34nmであった。なお、フォトマスクへのペリクル貼り付け条件を、荷重5kgf、荷重時間30秒とした。
【0035】
〔実施例2〕
実施例2では、ペリクル膜の膜振動数が28Hzになるように、設定温度は70℃、処理時間は1時間の条件でアニール処理を行った以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。この時、オーバーレイは1.07nmであった。
【0036】
〔実施例3〕
実施例3では、ペリクル膜の膜振動数が30Hzになるように、設定温度は90℃、処理時間は1時間の条件でアニール処理を行った以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。この時、オーバーレイは0.81nmであった。
【0037】
〔実施例4〕
実施例4では、ペリクル膜の膜振動数が32Hzになるように、設定温度は90℃、処理時間は12時間の条件でアニール処理を行った以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。この時、オーバーレイは0.51nmであった。
【0038】
〔実施例5〕
実施例5では、ペリクル膜の膜振動数が33Hzになるように、設定温度は90℃、処理時間は48時間の条件でアニール処理を行った以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。この時、オーバーレイは0.50nmであった。
【0039】
〔比較例1〕
比較例1は、アニール処理を行わないペリクルの場合である。アニール処理を行わない以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。このときのペリクル膜の膜振動数は24Hzであり、オーバーレイは1.54nmであった。
【0040】
〔比較例2〕
比較例2は、アニール処理の設定温度が108℃の場合である。設定温度が108℃、処理時間が1時間の条件でアニール処理を行った以外は実施例1と同様にしてペリクルを作製した。このときのペリクル膜の膜振動数は15Hzであり、オーバーレイは2.83nmであった。
【0041】