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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-18
(45)【発行日】2024-03-27
(54)【発明の名称】シールドケース及び電子回路モジュール
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20240319BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20240319BHJP
【FI】
H05K9/00 C
H01L23/00 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020057114
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021158225
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2022-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】弁理士法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 光宏
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-103747(JP,A)
【文献】特開平08-031969(JP,A)
【文献】特開2012-064639(JP,A)
【文献】特開2007-158217(JP,A)
【文献】特開2009-088754(JP,A)
【文献】特開2005-079458(JP,A)
【文献】特開2004-095973(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0197215(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0229400(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H01L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品が搭載された搭載面を有する回路基板に接合されて前記電子部品を覆うシールドケースであって、
前記シールドケースは、前記電子部品を覆う天板部と、
前記天板部の周縁部から前記天板部と交叉する方向に突出して形成された複数の端子脚部と、
を有し、
前記複数の端子脚部の各々は、
前記天板部から伸張する脚部、前記脚部の先端から前記脚部と交叉する方向に延在し前記回路基板に接合された端子部と、
前記端子部の各々の先端部を前記回路基板の端面に沿って屈曲させることで形成され前記回路基板の厚さを超える長さを有する拡張端子部と、
を有することを特徴とするシールドケース。
【請求項2】
前記拡張端子部は、前記回路基板の端面と交叉する方向に屈曲し、前記搭載面の反対側の裏面に沿った底面を有する接合部を有することを特徴とする請求項1に記載のシールドケース。
【請求項3】
前記端子部の各々の前記回路基板に接合された接合面又は前記接合部の前記底面に凹部を有することを特徴とする請求項2に記載のシールドケース。
【請求項4】
前記端子部の各々の前記回路基板に接合された接合面又は前記接合部の前記底面に貫通孔を有することを特徴とする請求項2又は3に記載のシールドケース。
【請求項5】
前記拡張端子部は、前記回路基板の端面に平行な方向に伸長する接合部を有することを特徴とする請求項1に記載のシールドケース。
【請求項6】
前記拡張端子部の各々は前記回路基板の端面に接していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のシールドケース。
【請求項7】
前記拡張端子部の各々は前記回路基板の端面から離れていることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のシールドケース。
【請求項8】
前記複数の端子脚部以外の前記天板部の周縁部から前記天板部と交叉する前記方向に突出して形成された側板部を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のシールドケース。
【請求項9】
電子部品が搭載された搭載面を有する回路基板と、前記回路基板に接合されて搭載面上で前記電子部品を覆うシールドケースと、を有し、
前記シールドケースは、前記電子部品を覆う天板部と、前記天板部の周縁部から前記天板部と交叉する方向に突出して形成された複数の端子脚部と、を有し、
前記複数の端子脚部の各々は、
前記天板部から伸張する脚部、前記脚部の先端から前記脚部と交叉する方向に延在し前記回路基板に接合された端子部と、
前記端子部の各々の先端部を前記回路基板の端面に沿って屈曲させることで形成され前記回路基板の厚さを超える長さを有する拡張端子部と、
を有することを特徴とする電子回路モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドケース及び基板とシールドケースが一体となった電子回路モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信機器に対し、あらゆる環境条件下で使用できることが求められ、また、小型で手軽に持ち運べて使用できるような小型化の要求が増えてきている。
【0003】
さらに各国において、無線通信機器内部に搭載される無線モジュール等の電子回路モジュールに対し、電波認証等でメタルケース等のシールドケースによりシールドされることが適合条件として求められている。また、電子回路モジュールの内部回路保護やノイズ対策等のために回路基板のプリント基板(以下、基板ともいう)に取り付ける電子部品を覆うシールドケースが求められている。例えば、シールドケースは、半田接続用端子がない立方体の箱構造であって、基板に搭載してシールドケースの4辺の側面を基板に半田付けで取り付ける構造としている(特許文献1、参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-114695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無線通信機器の使用において、例えば、環境温度変化が激しい場合、基板の収縮や反りが発生する、または、持ち運び中に機器を落下させたときにあたえる衝撃や、ゆとりのない空間に電子回路モジュールを入れたときにあたえる曲げ反り等が、そのシールドケースの半田接合箇所に大きな応力ストレスをあたえ、接合箇所が剥がれるという不具合が発生する場合がある。さらに、電子回路モジュールをメイン基板に半田接合する場合も同様に、接合箇所が剥がれる電子回路モジュール剥がれという不具合が発生する場合がある。
【0006】
従来技術では、上記剥がれの不具合を解決するため、シールドケースの半田付箇所を増やし接続強度をあげる対策をとっている。半田付箇所を増加のため、基板上の部品エリアが減らし、もしくは、基板外形寸法を大きくする必要が生じる。さらに、シールドケースを取り付けるための半田の使用量の増加や、半田接合箇所の半田状態検査の時間の増加等のデメリットが発生している。
【0007】
また、半田接合箇所を増やし過ぎたことで逆に基板が反ったときに応力が逃げる箇所がなくなり、シールドケースが基板から剥がれるいわゆるシールドケース剥がれも発生している。
【0008】
本発明は、前述した問題点に鑑みなされたものであり、従来技術のデメリットを低減し、かつ、シールドケース剥がれや電子回路モジュール剥がれの不具合を改善するシールドケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のシールドケースは、電子部品が搭載された回路基板に接合されて前記電子部品を覆うシールドケースであって、
前記シールドケースは、前記電子部品を覆う天板部と、
前記天板部の周縁部から前記天板部と交叉する方向に突出して形成された複数の端子脚部と、
を有し、
前記複数の端子脚部の各々は、
前記天板部から伸張する脚部、前記脚部の先端から前記脚部と交叉する方向に延在し前記回路基板に接合された端子部と、
前記端子部の各々の先端部を前記回路基板の端面に沿って屈曲させることで形成され前記回路基板の厚さを超える長さを有する拡張端子部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、シールドケース剥がれや電子回路モジュール剥がれの不具合を改善することが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による第1の実施例の電子回路モジュールのシールドケースの上面図である。
図2】第1の実施例の電子回路モジュールのシールドケースの側面図である。
図3】第1の実施例の電子回路モジュールのシールドケースの斜視図である。
図4】第1の実施例の電子回路モジュールのためのシールドケースを取り付ける基板の斜視図である。
図5】第1の実施例の電子回路モジュールを示す斜視図である。
図6】第1の実施例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図7】第1の実施例の電子回路モジュールを搭載するメイン基板の斜視図である。
図8】第1の実施例の電子回路モジュールとメイン基板が一体となったアセンブリ基板を示す斜視図である。
図9】第1の実施例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図10】第2の実施例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図11】第2の実施例の変形例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図12】第3の実施例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図13】第3の実施例の変形例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図14】第4の実施例の変形例の電子回路モジュールにおけるシールドケースの端子脚部の近傍の斜視図である。
図15】第5の実施例のモジュールの分解斜視図である。
図16】第5の実施例の電子回路モジュールを搭載するメイン基板の斜視図である。
図17】第5の実施例の電子回路モジュールとメイン基板が一体となったアセンブリ基板を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本発明による実施例について詳細に説明する。なお、実施例において、実質的に同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
(第1の実施例)
[構成]
図1は、第1の実施例の銅、鉄、合金などの金属製のシールドケース10の上面図である。図2は、そのシールドケース10の側面図である。図3は、そのシールドケース10の斜視図である。
【0014】
シールドケース10は、矩形の天板10aと、対向する二辺一組の側壁である側板部11と、その4隅にオフセットされて形成された端子脚部12と、を有する基板PB側が開口した略長方体である。4つの複数の端子脚部の各々は、天板10aからその法線方向に伸張する脚部14と、脚部14の先端から交叉する方向に延在する端子部15と、端子部15の先端の拡張端子部16を有している。
【0015】
シールドケース10は、金属平板から板金加工により形成される。シールドケース10は、天板10aとこれから張り出す端子脚部となる帯状部分(脚部14と端子部15と拡張端子部16)と、側板部となる帯状部分(側板部11)と、を有する金属平板から、各帯状部分を天板10aと交叉する方向に外側に折り曲げて形成され得る。
【0016】
図4は、無線モジュール等の電子回路(図示せず)を搭載した電子回路モジュール(以下、モジュールともいう)のための基板PBの斜視図である。基板PB上には導体パターンからなる金属パッドMPが、シールドケース10の4隅にある端子部15に対応するように配置されて形成されている。金属パッドMP上にシールドケース10が半田を介して取り付けられる。金属パッドMPは、その接合面が端子部15よりも大きい面積で端子部15がはみ出さない位置に設置される。金属パッドMPの寸法は、シールドケース10の製造公差および端子部15の外側と内側に適切な半田フィレットが形成されるためにある程度の金属パッドMPの面積を必要としている。金属パッドMPは基板PBの端から例えば、0.3mm程度離して配置されることができる。図4に示すように、シールドケース10が基板PBを覆う領域から4つの金属パッドMPを除いた電子部品搭載面エリアEPZを確保することができる。
【0017】
[モジュール組立]
例えば、基板PBの各金属パッドMP上に半田ペースト(図示せず)を介してシールドケース10の各端子脚部12を置き、半田接合のためのリフローを施せば、図5に示すシールドケース10を基板PBに取り付けたモジュール20を得ることができる。
【0018】
図5は、シールドケース10と基板PBが一体となったモジュール20を示す斜視図である。このように、モジュール20は、電気回路を構成する種々の電子部品(図示せず)が搭載された基板PBと、その電気回路上にそれらを覆うシールドケース10が半田19を介して取り付けられたシールドケース10とから形成できる。
【0019】
図6は、モジュール20におけるシールドケース10の端子脚部12の近傍の斜視図である。リフロー等の半田加熱時、溶融した半田19は端子部15と金属パッドMPとの間に拡がる。また、端子部15の幅が金属パッドMPの幅よりも狭いので端子部15の両側と脚部14側に半田フィレット19fが形成される。
【0020】
図6に示すように、拡張端子部16は、端子部15の先端部を基板PBの端面に沿って屈曲させることで形成され基板PBの厚さを超える長さを有している。図6に示すように、拡張端子部16は、基板PBの端面から離れていても、図示しないが基板PBの端面に接していてもよい。こうすることで、モジュール20を搭載すべきメイン基板(図示せず)との設計の自由度が高まる。
【0021】
拡張端子部16はその先端に第2端子部15aを有し、第2端子部15aは基板PBの端面と交叉する外方向に屈曲し、電子部品搭載面エリアEPZ(図4、参照)の反対側の裏面に沿った底面を有する接合部である。
【0022】
[メイン基板への搭載]
図7は、モジュールを搭載する、例えば、通信端末用のメイン基板MPBの斜視図である。メイン基板MPB上には導体パターンからなる金属パッドMPが、モジュール20のシールドケース10の4隅にある端子部15の先端の第2端子部15aに対応するように配置されて形成されている。各金属パッドMP上に各第2端子部15aが半田を介して取り付けられる。金属パッドMPは、その接合面が第2端子部15aよりも大きい面積で第2端子部15aがはみ出さない位置に設置される。金属パッドMPの寸法は、モジュール20のシールドケース10の製造公差および第2端子部15aの外側と内側に適切な半田フィレットが形成されるためにある程度の金属パッドMPの面積を必要としている。金属パッドMはメイン基板MPBの端から例えば、0.3mm程度離して配置されることができる。
【0023】
例えば、メイン基板MPBの各金属パッドMP上に半田ペースト(図示せず)を介してシールドケース10の各端子脚部12(拡張端子部16)の第2端子部15aを置き、半田接合のためのリフローを施せば、図8に示すモジュール20をメイン基板MPBに取り付けたアセンブリ基板を得ることができる。
【0024】
図8は、モジュール20とメイン基板MPBが一体となったアセンブリ基板を示す斜視図である。このように、メイン基板MPBに搭載されたモジュール20は、電気回路を構成する種々の電子部品(図示せず)が搭載された基板PBと、その電気回路上にそれらを覆うシールドケース10がメイン基板MPBの接合用の拡張端子部16を有するシールドケース10とから構成される。
【0025】
図9は、モジュール20におけるシールドケース10の端子脚部12の近傍の斜視図である。リフロー等の半田加熱時、溶融した半田19は第2端子部15aと金属パッドMPとの間に拡がる。また、第2端子部15aの底面の面積が金属パッドMPの面積よりも小さいので第2端子部15aの周囲に、特に拡張端子部16側に拡がった半田フィレット19fが形成される。
【0026】
[効果]
本実施例によると、端子部15先端に拡張端子部16(第2端子部15a)を設けたので、半田の接合面積が増加する。これにより、シールドケース10及びモジュール20の接合強度をより大きくすることができる。よって、モジュール20を実装するメイン基板MPBまで伸ばした拡張端子部を設けることにより、シールドケース10の基板PBからの剥がれとモジュール20のメイン基板MPBからの剥がれを抑制する効果が期待できる。
【実施例2】
【0027】
(第2の実施例)
図10は本実施例のモジュール20の要部の端子脚部12の近傍の斜視図を示している。本実施例のモジュール20は、シールドケース10の端子脚部12の拡張端子部16において、第2端子部15aの接合面の長手方向に延びる溝すなわち凹部15dが形成されるように、第2端子部15aの先端に接合面の法線方向に突出する突出部15cが設けられる以外の構成は、第1の実施例と同一である。
【0028】
本実施例のモジュール20において、半田接合時に、第2端子部15aの周囲の半田フィレット19fに加えて凹部15dに半田が充填される。これにより、拡張端子部の第2端子部15aと半田の接触面が基板法線方向に伸びている(凹部15d)ため、基板搭載面方向へのずれに対する耐性が期待できる。
【0029】
第2端子部15aの凹部15d内に半田19が充填されるので、第1の実施例の効果に加えて、半田19とシールドケース10(端子部15、第2端子部15a、凹部15d)との接合面積が増加してシールドケース10の接合強度を更に向上できる。
【0030】
なお、端子部15、第2端子部15aの凹部15dの数は複数でも構わず、また、凹部15dの伸長方向は任意に設定できる。例えば、図11は本実施例の変形例のモジュール20の要部の端子脚部12の近傍の斜視図を示している。この変形例ではモジュール20側の端子部15の接合面にも凹部を設けその内に半田19が充填されるような端子部15の脚部14側に接合面の法線方向に突出する突出部15ccが設けられている。これによって、更に接合面積が増加してシールドケース10の接合強度を更に向上できることが期待できる。また、第2端子部15a側に突出部15c(凹部15d)を設けずに、端子部15の接合面にのみ凹部を設けてもよい。
【実施例3】
【0031】
(第3の実施例)
図12は本実施例のモジュール20の要部の端子脚部12の近傍の斜視図を示している。本実施例のモジュール20は、シールドケース10の端子脚部12の拡張端子部16において、第2端子部15aの接合面の中央部には貫通孔15bが設けられる以外の構成は、第1の実施例と同一である。
【0032】
本実施例のモジュール20において、半田接合時に、第2端子部15aの周囲の半田フィレット19fに加えて貫通孔15bに半田が充填される。これにより、拡張端子部の第2端子部15aと半田の接触面が基板法線方向に伸びている(貫通孔15b)ため、基板搭載面方向へのずれに対する耐性が期待できる。
【0033】
第2端子部15aの貫通孔15b内に半田19が充填されるので、第1の実施例の効果に加えて、半田19とシールドケース10(端子部15、第2端子部15a、貫通孔15b)との接合面積が増加してシールドケース10の接合強度を更に向上できる。すなわち、第2端子部15aに貫通孔15bを設けたので、その内周壁に形成される半田フィレット19fが多くなり、シールドケース10の接合強度をより向上できる。
【0034】
なお、端子部15、第2端子部15aの貫通孔15bの数は複数でも構わず、また、貫通孔15bが複数の場合の配列方向は任意に設定できる。例えば、図13は本実施例の変形例のモジュール20の要部の端子脚部12の近傍の斜視図を示している。この変形例ではモジュール20側の端子部15の接合面に中央にも貫通孔15bbを設けその内に半田19が充填されるよう構成されている。これによって、更に接合面積が増加してシールドケース10の接合強度を更に向上できることが期待できる。また、第2端子部15a側に貫通孔15bを設けずに、端子部15の接合面にのみ貫通孔15bbを設けてもよい。
【0035】
更に、変形例として、上記の第2の実施例の凹部15dのための突出部15cを貫通するように貫通孔を設けることもできる。当該変形例によっても、第1~第3の実施例の効果に加えて、接合面積の増加分のシールドケース10の接合強度向上が期待できる。
【実施例4】
【0036】
(第4の実施例)
図14は本実施例のモジュール20の要部の端子脚部12の近傍の斜視図を示している。本実施例のモジュール20は、基板PB上面上の金属パッドMP(基板PBの端面から離れた位置にある)から続く基板端面に設けられた溝型金属パッドであるスルーホールMPTが、シールドケース10の端子脚部12の拡張端子部16に嵌合されるように形成されている以外の構成は、第1の実施例と同一である。
【0037】
本実施例のモジュール20において、モジュール組立の半田接合時に、シールドケース10の端子脚部12の端子部15が基板PBの金属パッドMPとの間に、並びに同拡張端子部16が基板PB端面のスルーホールMPTとの間に、半田がそれぞれ充填される。
【0038】
よって、本実施例のモジュール20によれば、基板PBに搭載されたシールドケース10では、基板PBの搭載面に広がる方向に垂直な方向に伸びるスルーホールMPTとの半田接合強度の増加が期待できると共に、基板PBのスルーホールMPTの有る端面に極めて近くにシールドケース10を搭載できるようになる。
【0039】
また、本実施例のモジュール20において、メイン基板MPBへの半田接合時に、第2端子部15aの周囲の半田フィレット19fに加えてスルーホールMPTにも半田が充填され得る。これにより、スルーホールMPTが基板法線方向に伸びているため、基板搭載面方向へのずれに対する耐性が期待できる。
【実施例5】
【0040】
(第5の実施例)
図15は本実施例のモジュール20の分解斜視図を示している。本実施例のモジュール20は、シールドケース10の端子脚部12の拡張端子部16において、第2端子部15aの他に、基板PBの端面に平行な方向に伸長する接合部である第3端子部15aaを有する以外の構成は、第1の実施例と同一である。
【0041】
図16は、本実施例のモジュール20を搭載する、例えば、通信端末用のメイン基板MPBの斜視図である。メイン基板MPB上面上の導体パターンからなる金属パッドMP(メイン基板MPBの端面から離れた位置にある)と端面に設けられた溝型金属パッドVMPが、モジュール20のシールドケース10の第2端子部15aと第3端子部15aaに対応するように配置されて形成されている。
【0042】
本実施例のモジュール20において、半田接合時に、実施例のモジュール20の第2端子部15aは金属パッドMPとの間に、同第3端子部15aaは溝型金属パッドVMPとの間に、半田がそれぞれ充填される。
【0043】
図17は、本実施例のモジュール20とメイン基板MPBが一体となったアセンブリ基板を示す斜視図である。このように、本実施例のモジュール20によれば、メイン基板MPBに搭載されたモジュール20は、メイン基板MPBと基板PBのそれぞれの搭載面に広がる方向に垂直な方向の半田接合強度の増加が期待できると共に、メイン基板MPBの溝型金属パッドVMPの有る端面に極めて近くにモジュール20を搭載できるようになる。
【0044】
いずれの実施例においても、例えば高周波を遮蔽するシールドケースを備えたモジュール及びそれを用いた携帯電話機、携帯情報端末等の通信装置に利用できる。
【符号の説明】
【0045】
10 シールドケース
12 端子脚部
14 脚部
15 端子部
15a 第2端子部
15aa 第3端子部
15b 貫通孔
15c 突出部
15d 凹部
16 拡張端子部
20 電子回路モジュール
PB 基板
MP 金属パッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17