(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】フェノチアジン系化合物及びそれを含む硬化性樹脂組成物
(51)【国際特許分類】
C09B 21/00 20060101AFI20240321BHJP
C09B 67/46 20060101ALI20240321BHJP
C09B 67/20 20060101ALI20240321BHJP
C07D 279/36 20060101ALI20240321BHJP
C07D 279/28 20060101ALI20240321BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
C09B21/00 CSP
C09B67/46 A
C09B67/20 F
C07D279/36
C07D279/28
G02B5/20 101
(21)【出願番号】P 2020092548
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2023-02-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(73)【特許権者】
【識別番号】512197788
【氏名又は名称】住華科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUMIKA TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No.32,Sec.2,Huandong Rd.,Shanhua Dist.,Tainan City 741,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 佳亮
(72)【発明者】
【氏名】朴 廷烋
(72)【発明者】
【氏名】大垣 弘毅
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-543149(JP,A)
【文献】特開2012-155183(JP,A)
【文献】特開2012-167243(JP,A)
【文献】特開2008-138022(JP,A)
【文献】特開昭61-066689(JP,A)
【文献】国際公開第2000/014603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 21/00,63/00-69/10
C07D 275/00-295/32
G02B 5/20-5/28
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(A-I)で表される化合物
であって、式(A-I)におけるt価のアニオンX
t-
とH
+
とから形成されるXH
t
のモル濃度に基づいて決定される酸解離定数pKa=-log
10
([H]
t
・[X
t-
]/[XH
t
])が-15以上0以下であることを特徴とする化合物。
【化1】
[式(A-I)中、
R
1~R
6は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はヒドロキシ基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
7及びR
8は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、又は水素原子を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子、-NR-又は-CO-に置換されていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基を表す。
R
7とR
9とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよく、R
8とR
10とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
p及びqは、それぞれ独立して、0~5の整数を表す。
X
t-は、t価のアニオン(ただし、Cl
-、Br
-及びI
-を除く。)を表す。
tは、1~3の整数を表す。]
【請求項2】
式(A-I)におけるX
t-が、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンである請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式(A-I)におけるX
t-が含ホウ素アニオンである請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式(A-I)におけるX
t-が含アルミニウムアニオンである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式(A-I)におけるX
t-が含フッ素アニオンである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式(A-I)のp及びqが1以上でありかつR
9及びR
10が、化合物(X)及び化合物(Y)で測定されるハメット置換基定数が負となる基であるか、p及びqが0である請求項1~
5のいずれかに記載の化合物。
【化2】
【請求項7】
R
7及びR
8が水素原子である請求項1~
6のいずれかに記載の化合物。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれかに記載の化合物を含む着色分散液。
【請求項9】
請求項1~
7のいずれかに記載の化合物を含む着色硬化性樹脂組成物。
【請求項10】
請求項
9記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される塗膜。
【請求項11】
請求項
9記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
【請求項12】
請求項
11記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着色剤として有用な化合物、該化合物を含む組成物などに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、固体撮像素子等に含まれているカラーフィルタの着色剤として、染料が用いられている。染料としては、たとえば特許文献1に、Basic Blue24が記載されている。
【0003】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
Basic Blue24は、耐光性が十分に満足できるものではなく、そのためBasic Blue24を含む着色硬化性樹脂組成物も、耐光性が十分に満足できるものではなかった。
本発明の目的は、耐光性が優れた化合物、該化合物を含む組成物などを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の発明を含む。
[1] 式(A-I)で表される化合物。
【化2】
[式(A-I)中、
R
1~R
6は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はヒドロキシ基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
7及びR
8は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、又は水素原子を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子、-NR-又は-CO-に置換されていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基を表す。
R
7とR
9とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよく、R
8とR
10とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
p及びqは、それぞれ独立して、0~5の整数を表す。
X
t-は、t価のアニオン(ただし、Cl
-、Br
-及びI
-を除く。)を表す。
tは、1~3の整数を表す。]
[2] 式(A-I)におけるX
t-が、タングステン、モリブデン、ケイ素、及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とを必須元素として含有するアニオンである[1]に記載の化合物。
[3] 式(A-I)におけるX
t-が含ホウ素アニオンである[1]に記載の化合物。
[4] 式(A-I)におけるX
t-が含アルミニウムアニオンである[1]に記載の化合物。
[5] 式(A-I)におけるX
t-が含フッ素アニオンである[1]に記載の化合物。
[6] 式(A-I)におけるX
t-とH
+とから形成されるXH
tのモル濃度に基づいて決定される酸解離定数pKa=-log
10([H]
t・[X
t-]/[XH
t])が-15以上0以下である[1]~[5]のいずれかに記載の化合物。
[7] 式(A-I)のp及びqが1以上でありかつR
9及びR
10が、化合物(X)及び化合物(Y)で測定されるハメット置換基定数が負となる基であるか、p及びqが0である[1]~[6]のいずれかに記載の化合物。
【化3】
[8] R
7及びR
8が水素原子である[1]~[7]のいずれかに記載の化合物。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載の化合物を含む着色分散液。
[10] [1]~[8]のいずれかに記載の化合物を含む着色硬化性樹脂組成物。
[11] [10]記載の着色硬化性樹脂組成物から形成される塗膜。
[12] [10]記載の着色硬化性樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[13] [12]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化合物及び該化合物を含む組成物などは、耐光性が優れている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<フェノチアジン系化合物>
本発明の化合物はフェノチアジン系化合物であり、具体的には式(A-I)で表される(以下、「化合物(A-I)」という場合がある)。化合物(A-I)は、耐光性、耐熱性、耐溶剤性に優れており、該化合物(A-I)を含む着色硬化性樹脂組成物も、耐光性、耐熱性、耐溶剤性が良好になる。
【0009】
【化4】
[式(A-I)中、
R
1~R
6は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基又はヒドロキシ基を表し、該脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
7及びR
8は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、又は水素原子を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子、-NR-又は-CO-に置換されていてもよい。
Rは、置換基を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基を表す。
R
7とR
9とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよく、R
8とR
10とは、互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
p及びqは、それぞれ独立して、0~5の整数を表す。
X
t-は、t価のアニオン(ただし、Cl
-、Br
-及びI
-を除く。)を表す。
tは、1~3の整数を表す。]
【0010】
R1~R8で表される炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、鎖状又は脂環式であってもよい。
R1~R8で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、(1-エチル)プロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、(1-エチル)ブチル基、(2-エチル)ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert-ペンチル基、(2-メチル)ペンチル基、イソヘキシル基、(5-メチル)ヘキシル基等の分枝鎖状アルキル基等;ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、(1-メチル)エテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、(1-(2-プロペニル))エテニル基、(1,2-ジメチル)プロペニル基、2-ペンテニル基等のアルケニル基;等が挙げられる。R1~R8で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3である。
【0011】
R1~R8で表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、等のシクロアルキル基;シクロヘキセニル基(例えばシクロヘキサ-2-エン、シクロヘキサ-3-エン)、シクロヘプテニル基、シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルニル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基等が挙げられる。飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~8であり、より好ましくは5~7である。
【0012】
R1~R8で表される炭素数1~8の脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;メトキシカルボニル基等の炭素数2~10のアルコキシカルボニル基;シアノ基;アミノ基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
【0013】
R1~R6で表される、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子で置き換えられた基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~7のアルコキシ基、及び以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0014】
【0015】
R1~R6で表される、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が-CO-で置き換えられた基としては、例えば、アセチル基などの炭素数2~8のアシル基;及び以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0016】
【0017】
R1~R6で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子又は塩素原子が好ましい。
【0018】
R1~R6としては、水素原子、又は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子がより好ましい。
R7、R8としては、水素原子、又は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1~3の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
【0019】
R9及びR10で表される炭素数1~30の炭化水素基及びRで表される炭素数1~10の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和であってもよく、鎖状又は脂環式であってもよい。
【0020】
R9及びR10で表される炭素数1~30の飽和又は不飽和鎖状炭化水素基、及びRで表される炭素数1~10の飽和又は不飽和鎖状炭化水素基としては、R1~R8で表される炭素数1~8の飽和又は不飽和脂環式炭化水素基と同様の基が挙げられ、さらに、ノニル基、デシル基等の直鎖状アルキル基;(3-エチル)ヘプチル基等の分枝鎖状アルキル基等も挙げられる。R9及びR10で表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~15であり、より好ましくは1~10であり、さらに好ましくは1~6であり、よりさらに好ましくは1~3である。Rで表される飽和又は不飽和鎖状炭化水素基の炭素数は、好ましくは1~8であり、より好ましくは1~6であり、さらに好ましくは1~3である。
【0021】
R9及びR10で表される炭素数1~30の飽和又は不飽和脂環式炭化水素基、及びRで表される炭素数1~10の飽和又は不飽和脂環式炭化水素基としては、R1~R8で表される炭素数1~8の飽和又は不飽和脂環式炭化水素基と同様の基が挙げられ、さらに、アダマンチル基が挙げられる。R9及びR10で表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~18であり、より好ましくは3~15であり、さらに好ましくは4~15である。Rで表される飽和又は不飽和脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~8であり、より好ましくは3~7であり、さらに好ましくは5~7である。
【0022】
R9、R10及びRで表される芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基等が挙げられ、R9及びR10で表される芳香族炭化水素基としては、さらにフェナントリル基、アントリル基、ピレニル基等も挙げられる。R9及びR10で表される芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~20であり、さらに好ましくは6~15である。Rで表される芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6~10であり、より好ましくは6~8であり、さらに好ましくは6~7である。
【0023】
R9及びR10で表される炭化水素基は、炭素数の上限が30以下である限り、上記に挙げた鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。このような基は、例えば、芳香族炭化水素基と、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選ばれる基の少なくとも1つとを組み合わせた基であってよく、該組み合わせによる炭化水素基では、鎖状炭化水素基を、2価の基(例えば、アルカンジイル基)として組み合わせてもよい。組み合わせによる炭化水素基の例としては、ベンジル基、フェネチル基、1-メチル-1-フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニルエテニル基(フェニルビニル基)等のアリールアルケニル基;フェニルエチニル基等のアリールアルキニル基;o-トリル基、m-トリル基、p-トリル基、2-エチルフェニル基、3-エチルフェニル基、4-エチルフェニル基、2,3-ジメチルフェニル基、2,4-ジメチルフェニル基、4-ビニルフェニル基、o-イソプロピルフェニル基、m-イソプロピルフェニル基、p-イソプロピルフェニル基、2,5-ジイソプロピルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基、2,4,6-トリイソプロピルフェニル基、4-ブチルフェニル基等のアルキルアリール基;2,3-ジヒドロ-4-インデニル基、1,2,3,5,6,7-ヘキサヒドロ-4-s-インダセニル基、5,6,7,8-テトラヒドロ-1-ナフチル基、3,5,5,8,8-ペンタメチル-5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチル基等のアルカンジイル基が結合したアリール基;ビフェニリル基、ターフェニリル基等の1つ以上のアリール基が結合したアリール基;シクロヘキシルメチルフェニル基、ベンジルフェニル基、(ジメチル(フェニル)メチル)フェニル基等が挙げられる。また上記炭化水素基は、例えば、鎖状炭化水素基と脂環式炭化水素基との組み合わせによる炭化水素基であってもよく、その例として、1-メチルシクロプロピル基、1-メチルシクロヘキシル基、2-メチルシクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、1,3-ジメチルシクロヘキシル基、2,4,6-トリメチルシクロヘキシル基、2,2,6,6-テトラメチルシクロヘキシル基、4-ペンチルシクロヘキシル基、4-オクチルシクロヘキシル基等の1以上のアルキル基が結合した脂環式炭化水素基;シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルエチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、2-メチルシクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、アダマンチルメチル基等の1以上の脂環式炭化水素基が結合したアルキル基等が挙げられる。鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を2つ以上組み合わせた基の炭素数は、好ましくは4~30であり、より好ましくは6~20である。
【0024】
Rで表される炭化水素基は、炭素数の上限が10以下である限り、上記に挙げた鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、及び芳香族炭化水素基を2つ以上組み合わせた基であってもよい。このような基は、例えば、芳香族炭化水素基と、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基から選ばれる基の少なくとも1つとを組み合わせた基であってもよく、該組み合わせによる炭化水素基では、鎖状炭化水素基を、2価の基(例えば、アルカンジイル基)として組み合わせてもよい。組み合わせによる炭化水素基の例としては、R9及びR10で組み合わせによる炭化水素基として例示したものから、炭素数が10以下のものが挙げられる。
【0025】
R9、R10及びRで表される炭化水素基が有していてもよい置換基としては、R1~R8で表される脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基と同様の基が挙げられる。
【0026】
R9及びR10で表される、炭素数1~30の炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子で置き換えられた基としては、R1~R6で表される、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が酸素原子で置き換えられた基と同様の基が挙げられ、さらに以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0027】
【0028】
R9及びR10で表される、炭素数1~30の炭化水素基を構成するメチレン基が-CO-で置き換えられた基としては、R1~R6で表される、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基を構成するメチレン基が-CO-で置き換えられた基と同様の基が挙げられ、さらに以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0029】
【0030】
R9及びR10で表される、炭素数1~30の炭化水素基を構成するメチレン基が-NR-で置き換えられた基としては、例えば、以下に示す炭素数1~30のアルキルアミノ基、炭素数2~30のジアルキルアミノ基、炭素数7~30のアルキルアリールアミノ基などが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0031】
【0032】
R7とR9とが互いに結合して窒素原子とともに形成する環、及びR8とR10とが互いに結合して窒素原子とともに形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられる(*は結合手を表す)。
【0033】
【0034】
R9及びR10としては、化合物(X)、化合物(Y)で測定されるハメット置換基定数が正となる基であってもよく、負となる基であってもよく、負となる基が好ましい。
【0035】
【0036】
ハメット置換基定数が正となる基としては、置換基としてのハロゲン原子を有する炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基、炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が酸素原子で置換された基、炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が-CO-で置き換えられた基などが好ましい。前記置換基としてのハロゲン原子を有する炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基などのパーフルオロアルキル基が好ましい。前記炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が酸素原子で置換された基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~7のアルコキシ基が好ましい。前記炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が-CO-で置き換えられた基としては、アセチル基などの炭素数1~8のアシル基が好ましい。
【0037】
ハメット置換基定数が負となる基としては、炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基、炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が-NR-で置き換えられた基などが好ましい。前記炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基などのアルキル基が好ましい。前記炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基のメチレン基が-NR-で置き換えられた基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基などの炭素数1~8のアルキルアミノ基が好ましい。
【0038】
p及びqは、0~3が好ましく、0~2がより好ましく、0又は1であることがよりさらに好ましい。p及びqが1のとき、R9及びR10は、-N(-R7)又は-N(-R8)に対して、オルト位、メタ位、パラ位のいずれであってもよく、オルト位又はメタ位であることが好ましく、オルト位であることがより好ましい。
【0039】
R9、R10、p、qは、前記ハメット置換基定数がゼロ又は負となる組み合わせが好ましく、具体的にはp及びqがゼロであるか、p及びqが1以上のときはR9及びR10のハメット置換基定数が負であることが好ましい。
化合物(A-I)のうち、Xt-以外の部分(以下、カチオンという場合がある)は、式(A-II)で表されるものが好ましい。
【0040】
【化12】
[式(A-II)中、
R
21~R
26は、それぞれ独立して、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、又は水素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
R
27及びR
28は、それぞれ独立して、炭素数1~8の脂肪族炭化水素基、又は水素原子を表し、水素原子であることが好ましい。
R
29及びR
30は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい炭素数1~30の炭化水素基を表し、該炭化水素基を構成するメチレン基は酸素原子、-NR
x-又は-CO-に置換されていてもよい。R
xは、置換基を有していてもよい炭素数1~10の炭化水素基を表し、前記Rと同様の基が挙げられる。
pa及びqaは、それぞれ独立して、0又は1である。]
【0041】
R29及びR30としては、安息香酸のメタ位に結合したときのハメット置換基定数が負となる基、例えば、メチル基、エチル基などの炭素数1~8の飽和鎖状炭化水素基、メチル基、ジメチルアミノ基などの炭素数1~8のアルキルアミノ基など;安息香酸のメタ位に結合したときのハメット置換基定数が正となる基、例えば、メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~7のアルコキシ基、アセチル基などの炭素数2~10のアシル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などの炭素数1~8のハロゲン化アルキル基などが好ましい。安息香酸のメタ位に結合したときのハメット置換基定数が負となる基がより好ましい。
【0042】
pa及びqaが1であって、R29及びR30のハメット置換基定数が負であるとき、R29及びR30は、-N(-R27)及び-N(-R28)に対して、オルト位又はメタ位であることが好ましく、オルト位であることがより好ましい。
pa及びqaが1であって、R29及びR30のハメット置換基定数が正であるとき、R29及びR30は、-N(-R27)及び-N(-R28)に対して、オルト位又はメタ位であることが好ましく、メタ位であることがより好ましい。
【0043】
Xt-は、耐熱性の点から、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオン、含ホウ素アニオン、含アルミニウムアニオン、及び含フッ素アニオンが好ましく、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオン、及び含フッ素アニオンがより好ましく、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンがよりさらに好ましい。
【0044】
タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンとしては、タングステンを含有するアニオンが好ましく、またヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンが好ましく、リンタングステン酸、ケイタングステン酸及びタングステン系イソポリ酸のアニオンがより好ましい。
【0045】
タングステンを含有するヘテロポリ酸又はイソポリ酸のアニオンとしては、ケギン型リンタングステン酸イオンα-[PW12O40]3-、ドーソン型リンタングステン酸イオンα-[P2W18O62]6-、β-[P2W18O62]6-、ケギン型ケイタングステン酸イオンα-[SiW12O40]4-、β-[SiW12O40]4-、γ-[SiW12O40]4-、さらにその他の例として[P2W17O61]10-、[P2W15O56]12-、[H2P2W12O48]12-、[NaP5W30O110]14-、α-[SiW9O34]10-、γ-[SiW10O36]8-、α-[SiW11O39]8-、β-[SiW11O39]8-、[W6O19]2-、[W10O32]4-、WO4
2-等が挙げられる。
【0046】
ケイ素、及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と、酸素とからなるアニオンとしては、SiO3
2-、PO4
3-が挙げられる。
【0047】
特に合成と後処理の容易さから、ケギン型リンタングステン酸イオン、ドーソン型リンタングステン酸イオン、ケギン型ケイタングステン酸イオン等のヘテロポリ酸アニオン、[W10O32]4-等のイソポリ酸アニオンが好ましい。
【0048】
Xt-で表される含ホウ素アニオン、及び含アルミニウムアニオンとしては、下記式(1)で表されるアニオンが挙げられる。
【0049】
【化13】
[式(1)中、W
1及びW
2は、それぞれ独立に、1価のプロトン供与性置換基を少なくとも2つ有し、該基からプロトンを放出してなる置換基2つを有する基を表す。Mは、ホウ素原子又はアルミニウム原子を表す。]
【0050】
1価のプロトン供与性置換基を2つ有する化合物から2個のプロトンを放出してなる基における、1価のプロトン供与性置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基等が挙げられる。1価のプロトン供与性置換基を2つ有する化合物としては、置換基を有していてもよいカテコール、置換基を有していてもよい2,3-ジヒドロキシナフタレン、置換基を有していてもよい2,2’-ビフェノール、置換基を有していてもよい3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、置換基を有していてもよい2-ヒドロキシ-1-ナフトエ酸、置換基を有していてもよい1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、置換基を有していてもよいビナフトール、置換基を有していてもよいサリチル酸、置換基を有していてもよいベンジル酸又は置換基を有していてもよいマンデル酸であることが好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子;炭素数1~6のアルキル基;炭素数1~6のアルコキシ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;アミノ基が挙げられる。
【0051】
前記の置換基を有していてもよいサリチル酸としては、例えば、サリチル酸、3-メチルサリチル酸、3-tert-ブチルサリチル酸、3-アミノサリチル酸、3-クロロサリチル酸、4-ブロモサリチル酸、3-メトキシサリチル酸、3-ニトロサリチル酸、4-トリフルオロメチルサリチル酸、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸、3,5-ジブロモサリチル酸、3,5-ジクロロサリチル酸、3,5,6-トリクロロサリチル酸、3-ヒドロキシサリチル酸(2,3-ジヒドロキシ安息香酸)、4-ヒドロキシサリチル酸(2,4-ジヒドロキシ安息香酸)、5-ヒドロキシサリチル酸(2,5-ジヒドロキシ安息香酸)、6-ヒドロキシサリチル酸(2,6-ジヒドロキシ安息香酸)等が挙げられる。
【0052】
前記の置換基を有していてもよいベンジル酸としては、例えば、
【化14】
が挙げられる。
【0053】
前記の置換基を有していてもよいマンデル酸としては、例えば、
【化15】
等が挙げられる。
【0054】
式(1)で表されるアニオンとしては、下記式で表されるアニオンが挙げられる。
【0055】
【化16】
[式中、R
61、R
62、R
63及びR
64は、それぞれ独立して、水素原子、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のハロアルキル基又は炭素数1~4のアルコキシ基を表す。Mは、ホウ素原子又はアルミニウム原子を表す。]
【0056】
例えば、表1に示されるアニオン(BC-1)~アニオン(BC-24)が挙げられる。表1におけるtBuは、tert-ブチル基を表す。
【0057】
【0058】
式(1)で表されるアニオンとしては、アニオン(BC-25)~(BC-28)なども挙げられる。
【0059】
【化17】
(式中、Mは、ホウ素原子又はアルミニウム原子を表す。)
【0060】
中でも、式(1)で表されるアニオンとしては、アニオン(BC-1)、アニオン(BC-2)、アニオン(BC-3)、アニオン(BC-25)、アニオン(BC-26)、アニオン(BC-27)が好ましく、アニオン(BC-1)、アニオン(BC-25)がより好ましく、アニオン(BC-1)がより好ましい。これらのアニオンであると、本発明の化合物(A-I)は有機溶剤への溶解性に優れる傾向がある。
【0061】
含フッ素アニオンとしては、式(2)、式(3)、式(4)、又は式(5)で表されるアニオンが挙げられ、式(2)で表されるアニオンが好ましい。
【0062】
【化18】
[式(2)中、W
3及びW
4はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表すか、又は、W
3とW
4とが結合して炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を形成する。]
W
3及びW
4は炭素数1~4のフッ化アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基が好ましい。
【0063】
【化19】
[式(3)中、W
5、W
6及びW
7はそれぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
【0064】
【化20】
[式(4)中、Y
1は炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基を表す。]
【0065】
【化21】
[式(5)中、Y
2は炭素数1~4のフッ化アルキル基を表す。]
【0066】
式(2)及び(3)においてW3~W7でそれぞれ表される炭素数1~4のフッ化アルキル基としては、ペルフルオロアルキル基が好ましく、例えば-CF3、-CF2CF3、-CF2CF2CF3、-CF(CF3)2、-CF2CF2CF2CF3、-CF2CF(CF3)2、-C(CF3)3等が挙げられる。
【0067】
式(2)においてW3とW4とが結合して形成される炭素数2~4のフッ化アルカンジイル基としては、ペルフルオロアルカンジイル基が好ましく、例えば-CF2CF2-、-CF2CF2CF2-、-CF2CF2CF2CF2-等が挙げられる。
【0068】
式(4)においてY1で表される炭素数1~4のフッ化アルカンジイル基としては、ペルフルオロアルカンジイル基が好ましく、例えば、-CF2-、-CF2CF2-、-CF2CF2CF2-、-C(CF3)2-、-CF2CF2CF2CF2-等が挙げられる。
【0069】
式(5)においてY2で表される炭素数1~4のフッ化アルキル基としては、ペルフルオロアルキル基が好ましく、-CF3、-CF2CF3、-CF2CF2CF3、-CF(CF3)2、-CF2CF2CF2CF3、-CF2CF(CF3)2、-C(CF3)3等が挙げられる。
【0070】
式(2)で表されるアニオン(以下「アニオン(2)」という場合がある)としては、下記のアニオン(2-1)~(2-6)が挙げられる。
【化22】
【0071】
式(3)で表されるアニオン(以下「アニオン(3)」という場合がある)としては、例えば下記のアニオン(3-1)が挙げられる。
【0072】
【0073】
式(4)で表されるアニオン(以下「アニオン(4)」という場合がある)としては、例えば下記のアニオン(4-1)~(4-4)が挙げられる。
【0074】
【0075】
式(5)で表されるアニオン(以下「アニオン(5)」という場合がある)としては、例えば下記のアニオン(5-1)~(5-4)が挙げられる。
【0076】
【0077】
アニオン(2)、アニオン(3)、アニオン(4)及びアニオン(5)からなる群から選ばれる少なくとも1つのアニオン(以下「アニオン(2)~(5)」ということがある)を含有することにより、本発明の化合物(A-I)の有機溶媒への溶解性を向上させることができる。中でも、アニオン(2)が好ましく、アニオン(2-1)、アニオン(2-2)がより好ましい。
【0078】
前記Xt-は、強酸に由来するものであることが好ましい。Xt-とH+とから形成されるXHtのモル濃度に基づいて決定されるトータルの酸解離定数pKa=-log10([H]t・[Xt-]/[XHt])は、例えば、0以下、好ましくは-0.5以下、より好ましくは-10.0以下であり、-15.0以上である。また、XHtのトータルの酸解離定数(pKa=-log10([H]t・[Xt-]/[XHt])、又は第1電離段階での酸解離定数(pKa=-log10([H]・[(XHt-1)-1]/[XHt])がH2SO4よりも小さくなるXt-が好ましい。さらに強酸に由来するXt-は、有機酸以外の酸が好ましく、タングステン、モリブデン、ケイ素及びリンからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素と酸素とを必須元素として含有するアニオンであることがより好ましい。
【0079】
化合物(A-I)としては、式(A-III)において表2で特定される化合物が挙げられる。
【0080】
【0081】
【0082】
化合物(A-I)は、式(M-I)で表される化合物(以下、「化合物(M-I)」ということがある)と式(M-IIA)及び式(M-IIB)で表される化合物(以下、「化合物(M-II)」ということがある)とを反応させて式(X-I)で表される化合物(以下、「化合物(X-I)ということがある)を製造し、該化合物(X-I)とXt-t(Z+)とを反応させることで製造できる。
【0083】
【化27】
(式中、R
1~R
10、p、q、X
t-、tは前記と同じ。Z
+は、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどのアルカリ金属イオン、又はプロトンを表す)
【0084】
<着色分散液><着色硬化性樹脂組成物>
前記化合物(A-I)は、着色剤(A)として有用である。着色剤(A)は、溶剤(E)などと共に着色分散液を構成する。着色剤(A)は、樹脂(B)、重合性化合物(C)、重合開始剤(D)などと共に着色硬化性樹脂組成物を構成する。着色硬化性樹脂組成物は、溶剤(E)を含有してもよい。着色硬化性樹脂組成物は、塗膜を形成するのに有用であり、得られた塗膜はカラーフィルタとして使用され、該カラーフィルタは表示装置に使用される。
【0085】
<着色剤(A)>
着色剤(A)は、前記化合物(A-I)だけで構成されていてもよく、化合物(A-I)以外の着色剤をさらに含有していてもよい。化合物(A-I)は、着色剤(A)100質量%中、例えば、10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは80質量%以上である。
【0086】
化合物(A-I)以外の着色剤としては、例えば、式(B-I)で表される化合物(以下、「化合物(B-I)」という場合がある)が挙げられる。
【0087】
【0088】
[式(B-I)中、Rb1~Rb4は、互いに独立に、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれるメチレン基(-CH2-)は、-O-、-CO-又は-N(Rb11)-で置き換わっていてもよい。Rb1及びRb2は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよく、Rb3及びRb4は、一緒になって窒素原子を含む環を形成してもよい。
Rb5は、-OH、-SO3
-、-SO3H、-SO3
-Z+、-CO2H、-CO2
-Z+、-CO2Rb8、-SO3Rb8又は-SO2N(Rb9)(Rb10)を表す。
Rb6及びRb7は、互いに独立に、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表す。
mは、0~5の整数を表す。mが2以上のとき、複数のRb5は同一でも異なってもよい。
aは、0又は1の整数を表す。
Xは、ハロゲン原子を表す。
Z+は、+N(Rb11)4、Na+又はK+を表し、4つのRb11は同一でも異なってもよい。
Rb8は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
Rb9及びRb10は、互いに独立に、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、該飽和脂肪族炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-CO-、-NH-又は-N(Rb8)-で置き換わっていてもよく、Rb9及びRb10は、互いに結合して窒素原子を含んだ3~10員環の複素環を形成していてもよい。
Rb11は、水素原子、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基又は炭素数7~10のアラルキル基を表す。]
式(1a)において、-SO3
-が存在する場合、その数は1個であることが好ましい。
【0089】
Rb1~Rb4における炭素数6~10の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、メシチル基、プロピルフェニル基及びブチルフェニル基等が挙げられる。
【0090】
該芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、-Rb8、-OH、-ORb8、-SO3
-、-SO3H、-SO3
-Z+、-CO2H、-CO2Rb8、-SRb8、-SO2Rb8、-SO3Rb8又は-SO2N(Rb9)(Rb10)が挙げられ、これらの置換基が芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換していることが好ましい。これらの中でも、置換基としては、-SO3
-、-SO3H、-SO3
-Z+、-SO3Rb8及び-SO2N(Rb9)(Rb10)が好ましく、-SO3
-Z+及び-SO2N(Rb9)(Rb10)がより好ましい。この場合の-SO3
-Z+としては、-SO3
-+N(Rb11)4が好ましい。また、-SO2N(Rb9)(Rb10)としては、-SO2NHRb9が好ましい。Rb1~Rb4がこれらの基であると、化合物(B-I)を含む着色硬化性樹脂組成物からは、異物の発生が少なく、且つ耐熱性に優れるカラーフィルタを形成できる。
【0091】
Rb1~Rb4及びRb8~Rb11における炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、イコシル基等の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基等の分岐鎖状アルキル基;シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、トリシクロデシル基等の炭素数3~20の環状アルキル基が挙げられる。
Rb1~Rb4における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としての炭素数6~10の芳香族炭化水素基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。Rb1~Rb4の飽和炭化水素基の水素原子を置換していてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基としては、Rb1~Rb4における炭素数6~10の芳香族炭化水素基として例示した基と同様の基が挙げられる。
Rb9及びRb10における該飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、例えば、置換基としてのヒドロキシ基又はハロゲン原子で置換されていてもよい。
【0092】
Rb1及びRb2が一緒になって形成する環、並びにRb3及びRb4が一緒になって形成する環としては、例えば、以下のものが挙げられ、二重結合を含有しないものがより好ましい。
【0093】
【0094】
-ORb8としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基及びイコシルオキシ基等のアルキルオキシ基等が挙げられる。
【0095】
-CO2Rb8としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基及びイコシルオキシカルボニル基等のアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
【0096】
-SRb8としては、例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基、デシルスルファニル基及びイコシルスルファニル基等のアルキルスルファニル基等が挙げられる。
【0097】
-SO2Rb8としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、デシルスルホニル基及びイコシルスルホニル基等のアルキルスルホニル基等が挙げられる。
-SO3Rb8としては、例えば、メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基、プロポキシスルホニル基、tert-ブトキシスルホニル基、ヘキシルオキシスルホニル基及びイコシルオキシスルホニル基等のアルキルオキシスルホニル基等が挙げられる。-SO3Rb8のRb8としては、炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6~12の分岐鎖状アルキル基がより好ましく、2-エチルヘキシル基がさらに好ましい。異物の発生が少ないカラーフィルタを形成可能である。
【0098】
-SO2N(Rb9)(Rb10)としては、例えば、スルファモイル基;N-メチルスルファモイル基、N-エチルスルファモイル基、N-プロピルスルファモイル基、N-イソプロピルスルファモイル基、N-ブチルスルファモイル基、N-イソブチルスルファモイル基、N-sec-ブチルスルファモイル基、N-tert-ブチルスルファモイル基、N-ペンチルスルファモイル基、N-(1-エチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,1-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(2,2-ジメチルプロピル)スルファモイル基、N-(1-メチルブチル)スルファモイル基、N-(2-メチルブチル)スルファモイル基、N-(3-メチルブチル)スルファモイル基、N-シクロペンチルスルファモイル基、N-ヘキシルスルファモイル基、N-(1,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-(3,3-ジメチルブチル)スルファモイル基、N-ヘプチルスルファモイル基、N-(1-メチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,4-ジメチルペンチル)スルファモイル基、N-オクチルスルファモイル基、N-(2-エチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,5-ジメチルヘキシル)スルファモイル基、N-(1,1,2,2-テトラメチルブチル)スルファモイル基等のN-1置換スルファモイル基;
N,N-ジメチルスルファモイル基、N,N-エチルメチルスルファモイル基、N,N-ジエチルスルファモイル基、N,N-プロピルメチルスルファモイル基、N,N-イソプロピルメチルスルファモイル基、N,N-tert-ブチルメチルスルファモイル基、N,N-ブチルエチルスルファモイル基、N,N-ビス(1-メチルプロピル)スルファモイル基、N,N-ヘプチルメチルスルファモイル基等のN,N-2置換スルファモイル基等が挙げられる。
上記N-1置換スルファモイル基において、Rb8としては、炭素数3~20の分岐鎖状アルキル基が好ましく、炭素数6~12の分岐鎖状アルキル基がより好ましく、2-エチルヘキシル基がさらに好ましい。異物の発生が少ないカラーフィルタを形成可能である。
【0099】
Rb5としては、-CO2H、-CO2
-Z+、-CO2Rb8、-SO3
-、-SO3
-Z+、-SO3H又は-SO2NHRb9が好ましく、-SO3
-、-SO3
-Z+、-SO3H又は-SO2NHRb9がより好ましい。
【0100】
Rb6及びRb7における炭素数1~6のアルキル基としては、上記で挙げたアルキル基のうち、炭素数1~6のものが挙げられる。中でも、Rb6、Rb7としては、水素原子が好ましい。
【0101】
Rb11における炭素数7~10のアラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルブチル基等が挙げられる。
Rb11としては、炭素数1~20の飽和炭化水素基又はベンジル基が好ましい。
【0102】
Z+は、+N(Rb11)4、Na+又はK+であり、好ましくは+N(Rb11)4である。
前記+N(Rb11)4としては、4つのRb11のうち、少なくとも2つが炭素数5~20の1価の飽和炭化水素基であることが好ましい。また、4つのRb11の合計炭素数は20~80が好ましく、20~60がより好ましい。化合物(1a)中に+N(Rb11)4が存在する場合、Rb11がこれらの基であると、化合物(1a)を含む本発明の着色硬化性樹脂組成物から、異物が少ないカラーフィルタを形成できる。
mは、1~4が好ましく、1又は2がより好ましい。
【0103】
Rb1~Rb4の組合せとしては、Rb1及びRb3が水素原子であり、Rb2及びRb4が炭素数6~10の1価の置換基を有する芳香族炭化水素基である組合せが好ましい。前記芳香族炭化水素基の置換基としては、-SO3
-、-SO3H、-SO3
-Z+、-SO3Rb8又は-SO2NHRb9が好ましく、-SO3
-Z+又は-SO2NHRb9がより好ましい。これらの置換基は、芳香族炭化水素基に含まれる水素原子を置換するものとする。
【0104】
Rb1~Rb4の組合せとしては、Rb1~Rb4が全て1価の飽和炭化水素基である組合せも好ましい。この場合、該飽和炭化水素基としては、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0105】
また、Rb1~Rb4の組合せとしては、Rb1及びRb3が置換基を有していてもよい炭素数1~10の飽和炭化水素基であり、Rb2及びRb4が置換基を有していてもよいフェニル基である組合せも好ましい。
この場合、Rb1は、Rb2のフェニル基を置換する置換基と環を形成してもよく、Rb3は、Rb4のフェニル基を置換する置換基と環を形成してもよい。
また、Rb1及びRb3の炭素数は、互いに独立に、1~3であることが好ましい。Rb1、Rb3の飽和炭化水素基に含まれる水素原子の置換基としては、炭素数1~3のアルコキシ基で置換されていてもよい炭素数6~10の芳香族炭化水素基、或いはハロゲン原子が好ましい。
また、Rb2及びRb4のフェニル基が有していてもよい置換基としては、炭素数1~4のアルキル基、炭素数1~4のアルキルスルファニル基又は炭素数1~4のアルキルスルホニル基が好ましく、炭素数1~4のアルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rb2及びRb4のフェニル基を置換する置換基の個数は0~5であり、0~2が好ましく、0又は1がより好ましい。
前記Rb2及びRb4のフェニル基を置換してもよい炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
また、前記Rb2及びRb4のフェニル基を置換してもよい炭素数1~4のアルキルスルファニル基としては、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基及びイソプロピルスルファニル基等が挙げられる。
さらに、前記Rb2及びRb4のフェニル基を置換してもよい炭素数1~4のアルキルスルホニル基としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基及びイソプロピルスルホニル基等が挙げられる。
【0106】
化合物(B-I)としては、例えば、式(1-1)~式(1-43)で表される化合物が挙げられる。なお、式中、R40は、炭素数1~20の1価の飽和炭化水素基を表し、好ましくは炭素数6~12の分岐鎖状アルキル基、さらに好ましくは2-エチルヘキシル基である。
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
化合物(B-I)としては、更に、炭素数3~9の芳香族複素環がキサンテン環の9位炭素に結合した構造を有する化合物が挙げられる。該芳香族複素環は、置換基を有してもよい。
化合物(B-I)としては、式(1-1)~式(1-8)で表される化合物、C.I.アシッドレッド289の4級アンモニウム塩(例えば、式(1-11)や式(1-12)で表される化合物)、C.I.アシッドバイオレット102のスルホンアミド化物及びC.I.アシッドバイオレット102の第四級アンモニウム塩が好ましく、式(1-1)~式(1-8)で表される化合物、並びに式(1-11)及び式(1-12)で表される化合物が好ましい。
また、有機溶媒への溶解性に優れる点で、式(1-24)~式(1-33)で表される化合物も好ましい。
【0116】
化合物(B-I)は、市販されているキサンテン染料(例えば、中外化成(株)製の「Chugai Aminol Fast Pink R-H/C」、田岡化学工業(株)製の「Rhodamin 6G」)を用いることができる。また、市販されているキサンテン染料を出発原料として、特開2010-32999号公報を参考に合成することもできる。
【0117】
化合物(B-I)の含有量は、着色剤(A)100質量部中、例えば、0質量部以上、好ましくは3質量部以上、より好ましくは5質量部以上であり、例えば、50質量部以下、好ましくは30質量部以下、より好ましくは20質量部以下である。
また化合物(B-I)は、前記化合物(A-I)100質量部に対して、例えば、0質量部以上、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上であり、例えば、100質量部以下、好ましくは90質量部以下、より好ましくは70質量部以下である。
【0118】
着色剤(A)は、前記化合物(A-I)及び化合物(B-I)以外の着色剤を含有していてもよく、化合物(A-I)及び化合物(B-I)以外の着色剤は、染料(以下、「染料(A)」ということがある)であってもよく、顔料(以下、「顔料(A)」ということがある)であってもよい。
【0119】
染料(A)は、特に限定されず公知の染料を使用することができ、例えば、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられる。染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0120】
具体的には、C.I.ソルベントイエロー4(以下、C.I.ソルベントイエローの記載を省略し、番号のみの記載とする。)、14、15、23、24、38、62、63、68、82、94、98、99、117、162、163、167、189;
C.I.ソルベントレッド45、49、111、125、130、143、145、146、150、151、155、168、169、172、175、181、207、218、222、227、230、245、247;
C.I.ソルベントオレンジ2、7、11、15、26、56、77、86、;
C.I.ソルベントバイオレット11、13、14、26、31、36、37、38、45、47、48、51、59、60;
C.I.ソルベントブルー4、5、14、18、35、36、37、45、58、59、59:1、63、67、68、69、70、78、79、83、90、94、97、98、100、101、102、104、105、111、112、122、128、132、136、139;
C.I.ソルベントグリーン1、3、4、5、7、28、29、32、33、34、35等のC.I.ソルベント染料、
C.I.アシッドイエロー1、3、7、9、11、17、23、25、29、34、36、38、40、42、54、65、72、73、76、79、98、99、111、112、113、114、116、119、123、128、134、135、138、139、140、144、150、155、157、160、161、163、168、169、172、177、178、179、184、190、193、196、197、199、202、203、204、205、207、212、214、220、221、228、230、232、235、238、240、242、243、251;
C.I.アシッドレッド1、4、8、14、17、18、26、27、29、31、33、34、35、37、40、42、44、50、51、52、57、66、73、76、80、87、88、91、92、94、95、97、98、103、106、111、114、129、133、134、138、143、145、150、151、155、158、160、172、176、182、183、195、198、206、211、215、216、217、227、228、249、252、257、258、260、261、266、268、270、274、277、280、281、289、308、312、315、316、339、341、345、346、349、382、383、388、394、401、412、417、418、422、426;
C.I.アシッドオレンジ6、7、8、10、12、26、50、51、52、56、62、63、64、74、75、94、95、107、108、169、173;
C.I.アシッドバイオレット6B、7、9、15、16、17、19、21、23、24、25、30、34、38、49、72、102;
C.I.アシッドブルー1、3、5、7、9、11、13、15、17、18、22、23、24、25、26、27、29、34、38、40、41、42、43、45、48、51、54、59、60、62、70、72、74、75、78、80、82、83、86、87、88、90、90:1、91、92、93、93:1、96、99、100、102、103、104、108、109、110、112、113、117、119、120、123、126、127、129、130、131、138、140、142、143、147、150、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、182、183、184、187、192、199、203、204、205、210、213、229、234、236、242、243、256、259、267、269、278、280、285、290、296、315、324:1、335、340;
C.I.アシッドグリーン1、3、5、6、7、8、9、11、13、14、15、16、22、25、27、28、41、50、50:1、58、63、65、80、104、105、106、109等のC.I.アシッド染料、
C.I.ダイレクトイエロー2、33、34、35、38、39、43、47、50、54、58、68、69、70、71、86、93、94、95、98、102、108、109、129、136、138、141;
C.I.ダイレクトレッド79、82、83、84、91、92、96、97、98、99、105、106、107、172、173、176、177、179、181、182、184、204、207、211、213、218、220、221、222、232、233、234、241、243、246、250;
C.I.ダイレクトオレンジ26、34、39、41、46、50、52、56、57、61、64、65、68、70、96、97、106、107;
C.I.ダイレクトバイオレット47、52、54、59、60、65、66、79、80、81、82、84、89、90、93、95、96、103、104;
C.I.ダイレクトブルー1、2、3、6、8、15、22、25、28、29、40、41、42、47、52、55、57、71、76、77、78、80、81、84、85、86、90、93、94、95、97、98、99、100、101、106、107、108、109、113、114、115、117、119、120、137、149、150、153、155、156、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、170、171、172、173、188、189、190、192、193、194、195、196、198、199、200、201、202、203、207、209、210、212、213、214、222、225、226、228、229、236、237、238、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、256、257、259、260、268、274、275、293;
C.I.ダイレクトグリーン25、27、31、32、34、37、63、65、66、67、68、69、72、77、79、82等のC.I.ダイレクト染料、
C.I.ディスパースイエロー51、54,76;
C.I.ディスパースバイオレット26、27;
C.I.ディスパースブルー1、14、56、60等のC.I.ディスパース染料、
C.I.ベーシックレッド1、10;
C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、19、21、22、24、25、26、28、29、40、41、45、47、54、58、59、60、64、65、66、67、68、81、83、88、89;
C.I.ベーシックバイオレット2;
C.I.ベーシックレッド9;
C.I.ベーシックグリーン1;等のC.I.ベーシック染料、
C.I.リアクティブイエロー2,76,116;
C.I.リアクティブオレンジ16;
C.I.リアクティブレッド36;等のC.I.リアクティブ染料
C.I.モーダントイエロー5、8、10、16、20、26、30、31、33、42、43、45、56、61、62、65;
C.I.モーダントレッド1、2、3、4、9、11、12、14、17、18、19、22、23、24、25、26、27、29、30、32、33、36、37、38、39、41、42、43、45、46、48、52、53、56、62、63、71、74、76、78、85、86、88、90、94、95;
C.I.モーダントオレンジ3、4、5、8、12、13、14、20、21、23、24、28、29、32、34、35、36、37、42、43、47、48;
C.I.モーダントバイオレット1、1:1、2、3、4、5、6、7、8、10、11、14、15、16、17、18、19、21、22、23、24、27、28、30、31、32、33、36、37、39、40、41、44、45、47、48、49、53、58;
C.I.モーダントブルー1、2、3、7、8、9、12、13、15、16、19、20、21、22、23、24、26、30、31、32、39、40、41、43、44、48、49、53、61、74、77、83、84;
C.I.モーダントグリーン1、3、4、5、10、13、15、19、21、23、26、29、31、33、34、35、41、43、53等のC.I.モーダント染料、
C.I.バットグリーン1等のC.I.バット染料等が挙げられる。
これらの染料は、所望するカラーフィルタの分光スペクトルに合わせて適宜選択すればよい。
【0121】
顔料(A)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色の顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等が挙げられる。
【0122】
顔料(A)は、必要に応じて、ロジン処理、酸性基又は塩基性基が導入された顔料誘導体等を用いた表面処理、高分子化合物等による顔料表面へのグラフト処理、硫酸微粒化法等による微粒化処理、又は不純物を除去するための有機溶剤や水等による洗浄処理、イオン性不純物のイオン交換法等による除去処理等が施されていてもよい。
顔料(A)は、粒径が均一であることが好ましい。顔料分散剤を含有させて分散処理を行うことで、顔料が溶液中で均一に分散した状態の顔料分散液を得ることができる。
【0123】
前記の顔料分散剤としては、例えば、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性、ポリエステル系、ポリアミン系、アクリル系等の界面活性剤等が挙げられる。これらの顔料分散剤は、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。顔料分散剤としては、商品名でKP(信越化学工業(株)製)、フローレン(共栄社化学(株)製)、ソルスパース(ゼネカ(株)製)、EFKA(CIBA社製)、アジスパー(味の素ファインテクノ(株)製)、Disperbyk(ビックケミー社製)などが挙げられる。
顔料分散剤を用いる場合、その使用量は、顔料(A)の総量100質量部に対して、例えば、1質量部以上100質量部以下であり、好ましくは5質量部以上50質量部以下である。顔料分散剤の使用量が前記の範囲にあると、均一な分散状態の顔料分散液が得られる傾向がある。
【0124】
染料(A)及び顔料(A)の合計量は、着色剤(A)100質量部中、例えば、0質量部以上、好ましくは5質量部以上であり、例えば、90質量部以下、好ましくは50質量部以下であり、20質量部以下であってもよく、10質量部以下であってもよい。
【0125】
化合物(A-I)及び化合物(B-I)以外の着色剤としては、顔料(A)が好ましく、青色顔料がより好ましい。青色顔料は、着色剤(A)100質量部中、例えば、0質量部以上、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、例えば、90質量部以下であり、70質量部以下であってもよい。
青色顔料は、化合物(A-I)100質量部に対して、例えば、0質量部以上、好ましくは100質量部以上であり、300質量部以上であり、例えば、1000質量部以下、好ましくは700質量部以下、より好ましくは500質量部以下である。また200質量部以下であってもよく、100質量部以下であってもよく、10質量部以下であってもよい。
【0126】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。樹脂(B)としては、以下の樹脂[K1]~[K6]等が挙げられる。
樹脂[K1];不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位と、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K2];(a)に由来する構造単位と(b)に由来する構造単位と、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K3];(a)に由来する構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K4];(a)に由来する構造単位に(b)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K5];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体;
樹脂[K6];(b)に由来する構造単位に(a)を付加させ、カルボン酸無水物をさらに付加させた構造単位と(c)に由来する構造単位とを有する共重合体。
【0127】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸類;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、3-ビニルフタル酸、4-ビニルフタル酸、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ジメチルテトラヒドロフタル酸、1、4-シクロヘキセンジカルボン酸等の不飽和ジカルボン酸類;
メチル-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸、5-カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-カルボキシ-6-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のカルボキシ基を含有するビシクロ不飽和化合物類;
無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等の不飽和ジカルボン酸類無水物;
こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸の不飽和モノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;
α-(ヒドロキシメチル)アクリル酸のような、同一分子中にヒドロキシ基及びカルボキシ基を含有する不飽和アクリレート類等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性の点や得られる樹脂のアルカリ水溶液への溶解性の点から、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等が好ましい。
【0128】
(b)は、例えば、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)とエチレン性不飽和結合とを有する重合性化合物をいう。(b)は、炭素数2~4の環状エーテルと(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
【0129】
(b)としては、例えば、オキシラニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b1)(以下「(b1)」という場合がある)、オキセタニル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b2)(以下「(b2)」という場合がある)、テトラヒドロフリル基とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b3)(以下「(b3)」という場合がある)等が挙げられる。
【0130】
(b1)としては、例えば、直鎖状又は分枝鎖状の脂肪族不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-1)(以下「(b1-1)」という場合がある)、脂環式不飽和炭化水素がエポキシ化された構造を有する単量体(b1-2)(以下「(b1-2)」という場合がある)が挙げられる。
【0131】
(b1-1)としては、グリシジル(メタ)アクリレート、β-メチルグリシジル(メタ)アクリレート、β-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-o-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-m-ビニルベンジルグリシジルエーテル、α-メチル-p-ビニルベンジルグリシジルエーテル、2,3-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,5-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,6-ビス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,4-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,3,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、3,4,5-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン、2,4,6-トリス(グリシジルオキシメチル)スチレン等が挙げられる。
【0132】
(b1-2)としては、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサン(例えば、セロキサイド2000;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーA400;(株)ダイセル製)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート(例えば、サイクロマーM100;(株)ダイセル製)、式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物等が挙げられる。
【0133】
【0134】
[式(I)及び式(II)中、Ra及びRbは、水素原子、又は炭素数1~4のアルキル基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Xa及びXbは、単結合、*-Rc-、*-Rc-O-、*-Rc-S-又は*-Rc-NH-を表す。
Rcは、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*は、Oとの結合手を表す。]
【0135】
炭素数1~4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
水素原子がヒドロキシで置換されたアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、1-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、2-ヒドロキシ-1-メチルエチル基、1-ヒドロキシブチル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
Ra及びRbとしては、好ましくは水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基が挙げられ、より好ましくは水素原子、メチル基が挙げられる。
【0136】
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基等が挙げられる。
Xa及びXbとしては、好ましくは単結合、メチレン基、エチレン基、*-CH2-O-及び*-CH2CH2-O-が挙げられ、より好ましくは単結合、*-CH2CH2-O-が挙げられる(*はOとの結合手を表す)。
【0137】
式(I)で表される化合物としては、式(I-1)~式(I-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(I-1)、式(I-3)、式(I-5)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-11)~式(I-15)で表される化合物が好ましく、式(I-1)、式(I-7)、式(I-9)又は式(I-15)で表される化合物がより好ましい。
【0138】
【0139】
【0140】
式(II)で表される化合物としては、式(II-1)~式(II-15)のいずれかで表される化合物等が挙げられる。中でも、式(II-1)、式(II-3)、式(II-5)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-11)~式(II-15)で表される化合物が好ましく、式(II-1)、式(II-7)、式(II-9)又は式(II-15)で表される化合物がより好ましい。
【0141】
【0142】
【0143】
式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物は、それぞれ単独で用いても、2種以上を併用してもよい。式(I)で表される化合物及び式(II)で表される化合物を併用する場合、これらの含有比率〔式(I)で表される化合物:式(II)で表される化合物〕はモル基準で、好ましくは5:95~95:5、より好ましくは20:80~80:20である。
【0144】
(b2)としては、オキセタニル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b2)としては、3-メチル-3-メタクリルロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシメチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシメチルオキセタン、3-メチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-メチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-メタクリロイルオキシエチルオキセタン、3-エチル-3-アクリロイルオキシエチルオキセタン等が挙げられる。
【0145】
(b3)としては、テトラヒドロフリル基と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体がより好ましい。(b3)としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアクリレート(例えば、ビスコートV#150、大阪有機化学工業(株)製)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等が挙げられる。
【0146】
(b)としては、得られるカラーフィルタの耐熱性、耐薬品性等の信頼性をより高くすることができる点で、(b1)であることが好ましい。さらに、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性が優れるという点で、(b1-2)がより好ましい。
【0147】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート」といわれている。また、「トリシクロデシル(メタ)アクリレート」という場合がある。)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デセン-8-イル(メタ)アクリレート(当該技術分野では、慣用名として「ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート」といわれている。)、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、プロパルギル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;
2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等のジカルボン酸ジエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジヒドロキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジ(2’-ヒドロキシエチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ジエトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシ-5-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-ヒドロキシメチル-5-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-tert-ブトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-シクロヘキシルオキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5-フェノキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(tert-ブトキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン、5,6-ビス(シクロヘキシルオキシカルボニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等のビシクロ不飽和化合物類;
N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、N-スクシンイミジル-3-マレイミドベンゾエート、N-スクシンイミジル-4-マレイミドブチレート、N-スクシンイミジル-6-マレイミドカプロエート、N-スクシンイミジル-3-マレイミドプロピオネート、N-(9-アクリジニル)マレイミド等のジカルボニルイミド誘導体類;
スチレン、α-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、ビニルトルエン、p-メトキシスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン等が挙げられる。
これらのうち、共重合反応性及び耐熱性の点から、スチレン、ビニルトルエン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン等が好ましい。
【0148】
樹脂[K1]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K1]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(b)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(b)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K1]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、及び得られるカラーフィルタの耐溶剤性に優れる傾向がある。
【0149】
樹脂[K1]は、例えば、文献「高分子合成の実験法」(大津隆行著 発行所(株)化学同人 第1版第1刷 1972年3月1日発行)に記載された方法及び当該文献に記載された引用文献を参考にして製造することができる。
【0150】
具体的には、(a)及び(b)の所定量、重合開始剤及び溶剤等を反応容器中に入れて、例えば、窒素により酸素を置換することにより、脱酸素雰囲気にし、攪拌しながら、加熱及び保温する方法が挙げられる。なお、ここで用いられる重合開始剤及び溶剤等は、特に限定されず、当該分野で通常使用されているものを使用することができる。例えば、重合開始剤としては、アゾ化合物(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等)や有機過酸化物(ベンゾイルペルオキシド等)が挙げられ、溶剤としては、各モノマーを溶解するものであればよく、本発明の着色硬化性樹脂組成物の溶剤(E)として後述する溶剤等が挙げられる。
【0151】
なお、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。特に、この重合の際に溶剤として、本発明の着色硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤を使用することにより、反応後の溶液をそのまま本発明の着色硬化性樹脂組成物の調製に使用することができるため、本発明の着色硬化性樹脂組成物の製造工程を簡略化することができる。
【0152】
樹脂[K2]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K2]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~45モル%
(b)に由来する構造単位;2~95モル%
(c)に由来する構造単位;1~65モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;5~40モル%
(b)に由来する構造単位;5~80モル%
(c)に由来する構造単位;5~60モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K2]の構造単位の比率が、上記の範囲にあると、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、着色パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるカラーフィルタの耐溶剤性、耐熱性及び機械強度に優れる傾向がある。
【0153】
樹脂[K2]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0154】
樹脂[K3]において、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]を構成する全構造単位中、
(a)に由来する構造単位;2~60モル%
(c)に由来する構造単位;40~98モル%
であることが好ましく、
(a)に由来する構造単位;10~50モル%
(c)に由来する構造単位;50~90モル%
であることがより好ましい。
樹脂[K3]は、例えば、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造することができる。
【0155】
樹脂[K4]は、(a)と(c)との共重合体を得て、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを(a)が有するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物に付加させることにより製造することができる。
まず(a)と(c)との共重合体を、樹脂[K1]の製造方法として記載した方法と同様に製造する。この場合、それぞれに由来する構造単位の比率は、樹脂[K3]で挙げたもの同じ比率であることが好ましい。
【0156】
次に、前記共重合体中の(a)に由来するカルボン酸及び/又はカルボン酸無水物の一部に、(b)が有する炭素数2~4の環状エーテルを反応させる。
(a)と(c)との共重合体の製造に引き続き、フラスコ内雰囲気を窒素から空気に置換し、(b)、カルボン酸又はカルボン酸無水物と環状エーテルとの反応触媒(例えばトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等)及び重合禁止剤(例えばハイドロキノン等)等をフラスコ内に入れて、例えば、60~130℃で、1~10時間反応することにより、樹脂[K4]を製造することができる。
(b)の使用量は、(a)100モルに対して、5~80モルが好ましく、より好ましくは10~75モルである。この範囲にすることにより、着色硬化性樹脂組成物の保存安定性、パターンを形成する際の現像性、並びに、得られるパターンの耐溶剤性、耐熱性、機械強度及び感度のバランスが良好になる傾向がある。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K4]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
前記反応触媒の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。前記重合禁止剤の使用量は、(a)、(b)及び(c)の合計量100質量部に対して0.001~5質量部が好ましい。
仕込方法、反応温度及び時間等の反応条件は、製造設備や重合による発熱量等を考慮して適宜調整することができる。なお、重合条件と同様に、製造設備や重合による発熱量等を考慮し、仕込方法や反応温度を適宜調整することができる。
【0157】
樹脂[K5]は、第一段階として、上述した樹脂[K1]の製造方法と同様にして、(b)と(c)との共重合体を得る。上記と同様に、得られた共重合体は、反応後の溶液をそのまま使用してもよいし、濃縮あるいは希釈した溶液を使用してもよいし、再沈殿等の方法で固体(粉体)として取り出したものを使用してもよい。
(b)及び(c)に由来する構造単位の比率は、前記の共重合体を構成する全構造単位の合計モル数に対して、それぞれ、
(b)に由来する構造単位;5~95モル%
(c)に由来する構造単位;5~95モル%
であることが好ましく、
(b)に由来する構造単位;10~90モル%
(c)に由来する構造単位;10~90モル%
であることがより好ましい。
【0158】
さらに、樹脂[K4]の製造方法と同様の条件で、(b)と(c)との共重合体が有する(b)に由来する環状エーテルに、(a)が有するカルボン酸又はカルボン酸無水物を反応させることにより、樹脂[K5]を得ることができる。
前記の共重合体に反応させる(a)の使用量は、(b)100モルに対して、5~80モルが好ましい。環状エーテルの反応性が高く、未反応の(b)が残存しにくいことから、樹脂[K5]に用いる(b)としては(b1)が好ましく、さらに(b1-1)が好ましい。
【0159】
樹脂[K6]は、樹脂[K5]に、さらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂である。環状エーテルとカルボン酸又はカルボン酸無水物との反応により発生するヒドロキシ基に、カルボン酸無水物を反応させる。
カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、3-ビニルフタル酸無水物、4-ビニルフタル酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸無水物、ジメチルテトラヒドロフタル酸無水物、5,6-ジカルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン無水物等が挙げられる。カルボン酸無水物の使用量は、(a)の使用量1モルに対して、0.5~1モルが好ましい。
【0160】
樹脂(B)としては、具体的に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K1];グリシジル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、グリシジル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート/(メタ)アクリル酸/N-シクロヘキシルマレイミド共重合体、3-メチル-3-(メタ)アクリルロイルオキシメチルオキセタン/(メタ)アクリル酸/スチレン共重合体等の樹脂[K2];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体等の樹脂[K3];ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させた樹脂等の樹脂[K4];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂、トリシクロデシル(メタ)アクリレート/スチレン/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂等の樹脂[K5];トリシクロデシル(メタ)アクリレート/グリシジル(メタ)アクリレートの共重合体に(メタ)アクリル酸を反応させた樹脂にさらにテトラヒドロフタル酸無水物を反応させた樹脂等の樹脂[K6]等が挙げられる。
中でも、樹脂(B)としては、樹脂[K1]及び樹脂[K2]が好ましく、樹脂[K2]が特に好ましい。
【0161】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。分子量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの硬度が向上し、残膜率が高く、未露光部の現像液に対する溶解性が良好で、着色パターンの解像度が向上する傾向がある。
樹脂(B)の分子量分布分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
【0162】
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは50~170mg-KOH/gであり、より好ましくは60~150mg-KOH/gであり、さらに好ましくは70~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0163】
樹脂(B)の含有率は、固形分の総量100質量%中、好ましくは7~65質量%であり、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。樹脂(B)の含有率が、前記の範囲内にあると、着色パターンが形成でき、また着色パターンの解像度及び残膜率が向上する傾向がある。
【0164】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0165】
エチレン性不飽和結合を1つ有する重合性化合物としては、例えば、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート、2-エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、N-ビニルピロリドン等、並びに、上述の(a)、(b)及び(c)が挙げられる。
【0166】
エチレン性不飽和結合を2つ有する重合性化合物としては、例えば、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイロキシエチル)エーテル、3-メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0167】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールノナ(メタ)アクリレート、トリス(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン
グリコール変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0168】
重合性化合物(C)の重量平均分子量は、好ましくは150以上2,900以下、より好ましくは250以上1,500以下である。
重合性化合物(C)の含有量は、固形分の総量に対して、7~65質量%であることが好ましく、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。
また、樹脂(B)と重合性化合物(C)との含有量比〔樹脂(B):重合性化合物(C)〕は質量基準で、好ましくは20:80~80:20であり、より好ましくは35:65~80:20である。
重合性化合物(C)の含有量が、前記の範囲内にあると、着色パターン形成時の残膜率及びカラーフィルタの耐薬品性が向上する傾向がある。
【0169】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。
重合開始剤(D)としては、O-アシルオキシム化合物、アルキルフェノン化合物、ビイミダゾール化合物、トリアジン化合物、及びアシルホスフィンオキサイド化合物等が挙げられる。
【0170】
前記O-アシルオキシム化合物は、式(d1)で表される部分構造を有する化合物である。以下、*は結合手を表す。
【0171】
【0172】
前記O-アシルオキシム化合物としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-{2-メチル-4-(3,3-ジメチル-2,4-ジオキサシクロペンタニルメチルオキシ)ベンゾイル}-9H-カルバゾール-3-イル]エタン-1-イミン、N-アセトキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン等が挙げられる。イルガキュアOXE01、OXE02(以上、BASF社製)、N-1919(ADEKA社製)等の市販品を用いてもよい。中でも、O-アシルオキシム化合物は、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン及びN-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミンからなる群から選ばれる少なくとも1種が好
ましく、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミンがより好ましい。
【0173】
前記アルキルフェノン化合物は、例えば、式(d2)で表される部分構造又は式(d3)で表される部分構造を有する化合物である。これらの部分構造中、ベンゼン環は置換基を有していてもよい。
【0174】
【0175】
式(d2)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]ブタン-1-オン等が挙げられる。イルガキュア369、907、379(以上、BASF社製)等の市販品を用いてもよい。
式(d3)で表される部分構造を有する化合物としては、例えば、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-(4-イソプロペニルフェニル)プロパン-1-オンのオリゴマー、α,α-ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。
感度の点で、アルキルフェノン化合物としては、式(d2)で表される部分構造を有する化合物が好ましい。
【0176】
前記ビイミダゾール化合物は、例えば、式(d5)で表される化合物である。
【0177】
【化45】
[式(d5)中、R
13~R
18は、置換基を有していてもよい炭素数6~10のアリール基を表す。]
【0178】
炭素数6~10のアリール基としては、例えば、フェニル基、トルイル基、キシリル基、エチルフェニル基及びナフチル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1~4のアルコキシ基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等挙げられ、好ましくは塩素原子である。炭素数1~4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等挙げられ、好ましくはメトキシ基である。
【0179】
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール(例えば、特開平6-75372号公報、特開平6-75373号公報等参照。)、2,2’-ビス(2-クロ
ロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(アルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(ジアルコキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラ(トリアルコキシフェニル)ビイミダゾール(例えば、特公昭48-38403号公報、特開昭62-174204号公報等参照。)、4,4’,5,5’-位のフェニル基がカルボアルコキシ基により置換されているイミダゾール化合物(例えば、特開平7-10913号公報等参照)等が挙げられる。中でも、下記式で表される化合物及びこれらの混合物が好ましい。
【0180】
【0181】
前記トリアジン化合物としては、例えば、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシナフチル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(5-メチルフラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(フラン-2-イル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(4-ジエチルアミノ-2-メチルフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-〔2-(3,4-ジメトキシフェニル)エテニル〕-1,3,5-トリアジン等が挙げられる。
【0182】
前記アシルホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。
【0183】
さらに重合開始剤(D)としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物;ベンゾフェノン、o-ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’-テトラ(tert-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6-トリメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン化合物;9,10-フェナンスレンキノン、2-エチルアントラキノン、カンファーキノン等のキノン化合物;10-ブチル-2-クロロアクリドン、ベンジル、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物等が挙げられる。
これらは、後述の重合開始助剤(D1)(特にアミン類)と組み合わせて用いることが好ましい。
【0184】
重合開始剤(D)は、好ましくは、アルキルフェノン化合物、トリアジン化合物、アシルホスフィンオキサイド化合物、O-アシルオキシム化合物及びビイミダゾール化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む重合開始剤であり、より好ましくは、O-アシルオキシム化合物を含む重合開始剤である。
【0185】
重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~40質量部であり、より好ましくは1~30質量部である。
【0186】
<重合開始助剤(D1)>
着色硬化性樹脂組成物は、重合開始助剤(D1)を含有してもよい。重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、アミン化合物、アルコキシアントラセン化合物、チオキサントン化合物及びカルボン酸化合物等が挙げられる。
【0187】
前記アミン化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、N,N-ジメチルパラトルイジン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等が挙げられ、中でも4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが好ましい。EAB-F(保土谷化学工業(株)製)等の市販品を用いてもよい。
【0188】
前記アルコキシアントラセン化合物としては、9,10-ジメトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジメトキシアントラセン、9,10-ジエトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジエトキシアントラセン、9,10-ジブトキシアントラセン、2-エチル-9,10-ジブトキシアントラセン等が挙げられる。
【0189】
前記チオキサントン化合物としては、2-イソプロピルチオキサントン、4-イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジクロロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン等が挙げられる。
【0190】
前記カルボン酸化合物としては、フェニルスルファニル酢酸、メチルフェニルスルファニル酢酸、エチルフェニルスルファニル酢酸、メチルエチルフェニルスルファニル酢酸、ジメチルフェニルスルファニル酢酸、メトキシフェニルスルファニル酢酸、ジメトキシフェニルスルファニル酢酸、クロロフェニルスルファニル酢酸、ジクロロフェニルスルファニル酢酸、N-フェニルグリシン、フェノキシ酢酸、ナフチルチオ酢酸、N-ナフチルグリシン、ナフトキシ酢酸等が挙げられる。
【0191】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0192】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0193】
エステル溶剤としては、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、シクロヘキサノールアセテート、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
【0194】
エーテル溶剤としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4-ジオキサン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アニソール、フェネトール、メチルアニソール等が挙げられる。
【0195】
エーテルエステル溶剤としては、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシプロピオン酸プロピル、2-エトキシプロピオン酸メチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
【0196】
ケトン溶剤としては、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、アセトン、2-ブタノン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、イソホロン等が挙げられる。
【0197】
アルコール溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
芳香族炭化水素溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アミド溶剤としては、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等が挙げられる。
【0198】
これらの溶剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-エトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドン等が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-1-ブタノール、3-エトキシプロピオン酸エチル、N-メチルピロリドンがより好ましい。
【0199】
溶剤(E)の含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは70~95質量%であり、より好ましくは75~92質量%である。言い換えると、着色硬化性樹脂組成物の固形分は、好ましくは5~30質量%、より好ましくは8~25質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
溶剤(E)の含有量は、着色分散液の総量に対して、好ましくは1~99質量%であり、より好ましくは10~90質量%である。
【0200】
<界面活性剤(F)>
着色硬化性樹脂組成物は、界面活性剤(F)を含有してもよい。界面活性剤(F)は、レベリング剤として使用でき、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0201】
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0202】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0203】
界面活性剤(F)を含有する場合、その含有量は、着色硬化性樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001質量%以上0.2質量%以下であり、より好ましくは0.002質量%以上0.1質量%以下、さらに好ましくは0.005質量%以上0.07質量%以下である。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0204】
<その他の成分>
本発明の着色硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0205】
<カラーフィルタ及び液晶表示装置の製造方法>
本発明の着色硬化性樹脂組成物により塗膜、カラーフィルタを形成する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。フォトリソグラフ法は、前記着色硬化性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥させて組成物層を形成し、フォトマスクを介して該組成物層を露光して、現像する方法である。フォトリソグラフ法において、露光の際にフォトマスクを用いないこと、及び/又は現像しないことにより、前記組成物層の硬化物である着色塗膜を形成することができる。
【0206】
カラーフィルタ(硬化膜)の膜厚は、好ましくは20μm以下、より好ましくは6μm以下、さらに好ましくは3μm以下であり、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上である。
【0207】
基板としては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミナケイ酸塩ガラス、表面をシリカコートしたソーダライムガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板、シリコン、前記基板上にアルミニウム、銀、銀/銅/パラジウム合金薄膜などを形成したものが用いられる。これらの基板上には、別のカラーフィルタ層、樹脂層、トランジスタ、回路等が形成されていてもよい。またシリコン基板上にHMDS処理を施した基板を使用してもよい。
【0208】
フォトリソグラフ法による各色画素の形成は、公知又は慣用の装置や条件で行うことができる。例えば、下記のようにして作製することができる。まず、着色硬化性樹脂組成物を基板上に塗布し、加熱乾燥(プリベーク)及び/又は減圧乾燥することにより溶剤等の揮発成分を除去して乾燥させ、平滑な組成物層を得る。塗布方法としては、スピンコート法、スリットコート法、スリット アンド スピンコート法等が挙げられる。加熱乾燥を行う場合の温度は、30~120℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。また加熱時間としては、10秒間~60分間であることが好ましく、30秒間~30分間であることがより好ましい。減圧乾燥を行う場合は、50~150Paの圧力下、20~25℃の温度範囲で行うことが好ましい。組成物層の膜厚は、特に限定されず、目的とするカラーフィルタの膜厚に応じて適宜選択すればよい。
【0209】
次に、組成物層は、目的の着色パターンを形成するためのフォトマスクを介して露光される。該フォトマスク上のパターンは特に限定されず、目的とする用途に応じたパターンが用いられる。露光に用いられる光源としては、250~450nmの波長の光を発生する光源が好ましい。例えば、350nm未満の光を、この波長域をカットするフィルタを用いてカットしたり、436nm付近、408nm付近、365nm付近の光を、これらの波長域を取り出すバンドパスフィルタを用いて選択的に取り出したりしてもよい。具体的には、水銀灯、発光ダイオード、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ等が挙げられる。露光面全体に均一に平行光線を照射したり、フォトマスクと基板との正確な位置合わせを行うことができるため、マスクアライナ及びステッパ等の縮小投影露光装置またはプロキシミティ露光装置を使用することが好ましい。
【0210】
露光後の組成物層を現像液に接触させて現像することにより、基板上に着色パターンが形成される。現像により、組成物層の未露光部が現像液に溶解して除去される。現像液としては、例えば、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等のアルカリ性化合物の水溶液が好ましい。これらのアルカリ性化合物の水溶液中の濃度は、好ましくは0.01~10質量%であり、より好ましくは0.03~5質量%である。さらに、現像液は、界面活性剤を含んでいてもよい。現像方法は、パドル法、ディッピング法及びスプレー法等のいずれでもよい。さらに現像時に基板を任意の角度に傾けてもよい。
現像後は、水洗することが好ましい。
【0211】
さらに、得られた着色パターンに、ポストベークを行うことが好ましい。ポストベーク温度は、80~250℃が好ましく、100~245℃がより好ましい。ポストベーク時間は、1~120分間が好ましく、2~30分間がより好ましい。
【0212】
このようにして得られた着色パターン及び着色塗膜は、カラーフィルタとして有用であり、該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置等)、電子ペーパー、固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【0213】
本発明の着色硬化性樹脂組成物によれば、特にパターン形状に優れたカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0214】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ない限り、質量基準である。
以下の合成例において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で同定した。
【0215】
〔合成例1〕
撹拌装置を備えたフラスコに、フェノチアジン(東京化成工業(株)社製)1部、および塩化メチレン33部を加えて、室温で混合した。撹拌下に、ヨウ素(関東化学(株)社製)4部を塩化メチレン100部に溶解した溶液をゆっくりと添加し、室温にて5時間撹拌した。反応終了後、析出した固体を濾別し、塩化メチレンで3回洗浄した後、60℃で終夜減圧乾燥して、式(M-I-1)で表される化合物3.2部を得た。
【0216】
【0217】
式(M-I-1)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 198.0 [M-I4] +
Exact Mass:705.7
【0218】
〔合成例2〕
撹拌装置を備えたフラスコに、式(M-I-1)で表される化合物1部、およびメタノール30部を加えて、室温で混合した。撹拌下に、アニリン(東京化成工業(株)社製)0.9部をメタノール15部に溶解した溶液をゆっくりと添加し、室温にて終夜撹拌した。反応終了後、溶媒を留去し、ジエチルエーテルを70部添加した。析出した固体を濾別し、ジエチルエーテルで2回洗浄した後、60℃で終夜減圧乾燥して、式(X-I-1)で表される化合物0.37部を得た(収率52%)。
【0219】
【0220】
式(X-I-1)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 380.1 [M-I] +
Exact Mass:507.0
【0221】
〔合成例3〕
冷却管および撹拌装置を備えたフラスコに、式(X-I-1)で表される化合物を0.8部、およびメタノール16部を加えて、50℃で混合した。撹拌下に、リンタングステン酸・n水和物(シグマ・アルドリッチ(株)社製)4.6部をメタノール18部に溶解した溶液をゆっくりと添加して、50℃で9時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、析出した結晶を濾別した後、メタノールで2回洗浄し、60℃で終夜減圧乾燥して、式(A-I-1)で表される化合物0.7部を得た(収率54%)。
【0222】
【0223】
〔合成例4〕
前記合成例2において、アニリン(東京化成工業(株)社製)の代わりにN-メチルアニリン(東京化成工業(株)社製)を用いた以外は、前記合成例2と同様にして、式(X-I-2)で表される化合物2.1部を得た(収率22%)。
【0224】
【0225】
式(X-I-2)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=408.2 [M-I] +
Exact Mass:535.1
【0226】
〔合成例5〕
前記合成例3において、式(X-I-1)で表される化合物の代わりに式(X-I-2)で表される化合物を用いた以外は、前記合成例3と同様にして、式(A-I-2)で表される化合物0.9部を得た(収率67%)。
【0227】
【0228】
〔合成例6〕
前記合成例2において、アニリン(東京化成工業(株)社製)の代わりにo-トルイジン(東京化成工業(株)社製)を用いた以外は、前記合成例2と同様にして、式(X-I-3)で表される化合物5.1部を得た(収率46%)。
【0229】
【0230】
式(X-I-3)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z=408.2 [M-I] +
Exact Mass:535.1
【0231】
〔合成例7〕
前記合成例3において、式(X-I-1)で表される化合物の代わりに式(X-I-3)で表される化合物を用いた以外は、前記合成例3と同様にして、式(A-I-3)で表される化合物1.9部を得た(収率92%)。
【0232】
【0233】
〔合成例8〕
前記合成例2において、アニリン(東京化成工業(株)社製)の代わりに3-アミノベンゾトリフルオリド(東京化成工業(株)社製)を用いた以外は、前記合成例2と同様にして、式(X-I-4)で表される化合物1.2部を得た。(収率53%)
【0234】
【0235】
式(X-I-4)で表される化合物の同定
(質量分析)イオン化モード=ESI+: m/z= 516.1 [M-I] +
Exact Mass:643.0
【0236】
〔合成例9〕
前記合成例3において、式(X-I-1)で表される化合物の代わりに式(X-I-4)で表される化合物を用いた以外は、前記合成例3と同様にして、式(A-I-4)で表される化合物0.9部を得た。(収率71%)
【0237】
【0238】
〔合成例10〕
冷却管および撹拌装置を備えたフラスコに、式(X-I-3)で表される化合物0.8部、およびN-メチルピロリドン12部を加えて、50℃で混合した。撹拌下に、ビストリフルオロメチルスルホンアミド(東京化成工業(株)社製)0.5部をN-メチルピロリドン2.7部に溶解した溶液をゆっくりと添加して、50℃で9時間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、5wt%の塩化ナトリウム水溶液50部に添加して懸濁液とした。析出した結晶を濾別した後、イオン交換水で2回洗浄し、60℃で終夜減圧乾燥して、式(A-I-5)で表される化合物0.8部を得た。(収率80%)
【0239】
【0240】
〔合成例11〕
前記合成例10において、式(X-I-3)で表される化合物の代わりに式(X-I-4)で表される化合物を用いた以外は、前記合成例10と同様にして、式(A-I-6)で表される化合物0.4部を得た。(収率60%)
【0241】
【0242】
〔合成例12〕
特開2013-64096号公報記載の方法により、式(I-132)で表される化合物(以下、「染料(B-I-1)」という場合がある。)を合成した。
【0243】
【0244】
〔合成例13〕
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、乳酸エチル141部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート178部を入れ、撹拌しながら85℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(含有比はモル比で1:1)25部、N-シクロヘキシルマレイミド137部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート50部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート338部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2-アゾビスイソブチロニトリル5部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート88部に溶解した溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、85℃で4時間保持した後、室温まで冷却して、B型粘度計(23℃)で測定した粘度23mPas、固形分25.6%の共重合体(樹脂B-1)溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは8.0×103、分散度2.1、固形分換算の酸価は109mg-KOH/gであった。樹脂B-1は、以下の構造単位を有する。
【0245】
【0246】
前記の樹脂の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)の測定については、GPC法を用いて、以下の条件で行った。
装置;K2479((株)島津製作所製)
カラム;SHIMADZU Shim-pack GPC-80M
カラム温度;40℃
溶媒;テトラヒドロフラン(THF)
被検液濃度;25mg/mL(溶剤;THF)
流速;1.0mL/min
検出器;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量および数平均分子量の比を分散度(Mw/Mn)とした。
【0247】
実施例1
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
(A)着色剤:染料(A-I-1) 5.7部
(B)樹脂:樹脂(B-1)(固形分換算) 50部
(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 50部
(D)重合開始剤:N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製) 9部
(F)界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400:東レ・ダウコーニング(株)製) 0.04部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(E-1)465部
(E)溶剤:N-メチルピロリドン(E-2) 568部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0248】
実施例2~実施例6及び比較例1
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
前記実施例1において、式(A-I-1)で表される化合物の代わりに式(A-I-2)~(A-I-6)又はBasic Blue 24で表される化合物を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、表3に示す通り、実施例2~実施例6及び比較例1の着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0249】
<着色塗膜の作製>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色硬化性樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして着色組成物層を得た。放冷後、着色組成物層が形成された基板と石英ガラス製フォトマスクとの間隔を100μmとして、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、60mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。その後、オーブン中230℃で20分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
【0250】
<耐熱性評価>
得られた着色塗膜をオーブン中、230℃で2時間加熱した。
プリベークと加熱後の色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△E*abを計算し、結果を表3に示した。△E*abは小さいほど色変化が小さいことを意味する。また、着色塗膜の耐熱性が良好であれば、同じ着色樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐熱性は良好であるといえる。
【0251】
<耐光性評価>
得られた着色塗膜の上に紫外線カットフィルター(COLORED OPTICAL GLASS L38;ホヤ社製;380nm以下の光をカットする)を配置し、その上面から耐光性試験機(サンテストCPS+:東洋精機社製)にて、キセノンランプ光を48時間照射した。
プリベークと照射後の色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△E*abを計算し、結果を表3に示した。△E*abは小さいほど色変化が小さいことを意味する。また、着色塗膜の耐光性が良好であれば、同じ着色樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐光性は良好であるといえる。
【0252】
<耐溶剤性評価>
得られた着色塗膜を、N-メチルピロリドン中、23℃で40分間浸漬した後、水で十分に洗浄した。
プリベークとN-メチルピロリドン浸漬後の色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△E*abを計算し、結果を表3に示した。△E*abは小さいほど色変化が小さいことを意味する。また、着色塗膜の耐溶剤性が良好であれば、同じ着色樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐溶剤性は良好であるといえる。
【0253】
【0254】
<青色顔料の分散液の製造>
C.I.ピグメント・ブルー15:6 19.2部、分散剤(BYK社製 BYKLPN-6919;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート60%溶液)6.7部、アクリル樹脂7.7部(固形分換算)、乳酸エチル14.7部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート141.7部を混合し、0.4μmのジルコニアビーズ600部を加え、ペイントコンディショナー(LAU社製)を使用して、得られた混合物を1時間振盪した。その後、ジルコニアビーズをろ過により除去して青色顔料の分散液を得た。
【0255】
実施例7
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
(A)着色剤:染料(A-I-1) 8.0部
(A)着色剤:青色顔料の分散液 317部
(B)樹脂:樹脂(B-1)(固形分換算) 37部
(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 50部
(D)重合開始剤:N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製) 9部
(F)界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400:東レ・ダウコーニング(株)製) 0.13部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(E-1)121部
(E)溶剤:N-メチルピロリドン(E-2) 794部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0256】
実施例8~実施例10
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
前記実施例7において、式(A-I-1)で表される化合物の代わりに式(A-I-2)-(A-I-4)で表される化合物を用いた以外は、前記実施例7と同様にして、表4に示す通り、実施例8~実施例10の着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0257】
実施例11
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
(A)着色剤:染料(A-I-5) 3.0部
(A)着色剤:青色顔料の分散液 263部
(B)樹脂:樹脂(B-1)(固形分換算) 39部
(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 50部
(D)重合開始剤:N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製) 9部
(F)界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400:東レ・ダウコーニング(株)製) 0.12部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(E-1)576部
(E)溶剤:N-メチルピロリドン(E-2) 293部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0258】
実施例12及び比較例2
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
前記実施例11において、式(A-I-5)で表される化合物の代わりに式(A-I-6)又はBasic Blue 24で表される化合物を用いた以外は、前記実施例11と同様にして、表4に示す通り、実施例12及び比較例2の着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0259】
実施例13
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
(A)着色剤:染料(A-I-1) 7.9部
(A)着色剤:染料(B-I-1) 4.0部
(A)着色剤:青色顔料の分散液 274部
(B)樹脂:樹脂(B-1)(固形分換算) 39部
(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 50部
(D)重合開始剤:N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製) 9部
(F)界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400:東レ・ダウコーニング(株)製) 0.13部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(E-1)260部
(E)溶剤:N-メチルピロリドン(E-2) 784部
(E)溶剤:4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(E-3) 12部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0260】
比較例3
<着色硬化性樹脂組成物の調製>
(A)着色剤:Basic Blue 24 2.9部
(A)着色剤:染料(B-I-1) 3.5部
(A)着色剤:顔料分散液(A-3) 226部
(B)樹脂:樹脂(B-1)(固形分換算) 41部
(C)重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製) 50部
(D)重合開始剤:N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン(イルガキュア(登録商標)OXE 01;BASF社製) 9部
(F)界面活性剤:ポリエーテル変性シリコーンオイル(トーレシリコーンSH8400:東レ・ダウコーニング(株)製) 0.12部
(E)溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(E-1)698部
(E)溶剤:N-メチルピロリドン(E-2) 290部
(E)溶剤:4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(E-3) 11部
を混合して着色硬化性樹脂組成物を得た。
【0261】
<膜厚測定>
得られた着色パターンについて、膜厚を、膜厚測定装置(DEKTAK3;日本真空技術(株)製)を用いて測定した。
【0262】
<色度評価>
プリベーク後に得られた着色塗膜について、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて分光を測定し、C光源の特性関数を用いてCIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と刺激値Yとを測定した。
【0263】
【0264】
実施例の着色硬化性樹脂組成物によれば、得られたカラーフィルタは、優れた耐熱性、および耐光性を示すことが確認された。