(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-19
(45)【発行日】2024-03-28
(54)【発明の名称】ウエハエッジにおける方位角方向の厚さの均一性を向上させるためのポケット内ウエハのセンタリング
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20240321BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20240321BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20240321BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20240321BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/68 N
C23C16/458
C23C16/455
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022115978
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2017137831の分割
【原出願日】2017-07-14
【審査請求日】2022-08-16
(32)【優先日】2016-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クロエ・バルダッセローニ
(72)【発明者】
【氏名】エドムンド・ビー.・ミンシャル
(72)【発明者】
【氏名】フランク・エル.・パスクァーレ
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・スワミナタン
(72)【発明者】
【氏名】ラメッシュ・チャンドラセカーラン
【審査官】長谷川 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-026547(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0177444(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0281447(US,A1)
【文献】特開2012-089591(JP,A)
【文献】特開2015-135905(JP,A)
【文献】特開2012-099787(JP,A)
【文献】特開2013-084730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/683
C23C 16/458
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ上への成膜時における前記ウエハの位置ずれを低減させる方法であって、
前記ウエハが、前記ウエハの外縁部とポケットの壁との間に隙間を伴って、処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面上のウエハ支持部の上方にあるように、前記ウエハをリフトピン上またはキャリアリング上に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部の上方にある状態で前記ウエハを前記リフトピンまたはキャリアリング上に支持しながら、前記ウエハが前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときに、前記ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態まで前記処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に前記ウエハが前記ウエハ支持部上に降ろされるように、前記リフトピンまたは前記キャリアリングを降ろし、
前記ウエハ支持部上に支持されている前記ウエハ上に成膜する際の、成膜後の前記ウエハの初期位置からの前記ウエハの中心の位置ずれを、400ミクロン未満として、前記ウエハ上に成膜し、
前記ウエハを、前記処理チャンバ内の圧力が前記減圧状態まで低下している間は、リフトピン上に支持する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記成膜後の前記ウエハの初期位置から中心を外れた位置ずれは、200ミクロン未満である、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.5Torr未満である、方法。
【請求項4】
ウエハ上への成膜時における前記ウエハの位置ずれを低減させる方法であって、
前記ウエハを処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面の上方に支持し、
前記ウエハが前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときに、前記ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態まで前記処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に前記ウエハを前記ウエハ支持部上に降ろし、前記ウエハ上への成膜時における位置ずれを低減させるために、前記ウエハを前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面の上方の十分な距離に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部上に支持されている間に前記ウエハ上に成膜し、
前記成膜後の前記ウエハの初期位置から中心を外れた位置ずれは、400ミクロン未満であり、
前記処理チャンバは、少なくとも、第1、第2、第3、および第4のステーションを備え、前記第1のステーションは、第1のチャックレス台座と、第1のウエハを支持する複数のリフトピンの第1のセットとを有し、前記第2のステーションは、第2のチャックレス台座と、第2のウエハを支持する複数のリフトピンの第2のセットとを有し、前記第3のステーションは、第3のチャックレス台座と、複数のリフトピンの第3のセットとを有し、前記第4のステーションは、第4のチャックレス台座と、複数のリフトピンの第4のセットとを有し、
前記方法は、さらに、
前記第1、および前記第2のステーションにおける前記第1および前記第2のウエハを同時に持ち上げ、
前記第1および前記第2のウエハが前記第3および前記第4のステーションに移動されるように、前記第1および前記第2のウエハを
キャリアリングを用いてインデックスし、
前記ウエハが前記第3および前記第4のチャックレス台座のウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に支持されるときは、前記第1および前記第2のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力まで処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に、前記第1および前記第2のウエハを前記第3および前記第4のチャックレス台座のウエハ支持部上に降ろす、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、さらに、
第3および第4のウエハを前記第1および前記第2のステーションで前記処理チャンバに搬入し、
前記第3および前記第4のウエハを前記第1および前記第2のステーションの上昇したリフトピン上に支持し、
前記ウエハが前記第1および前記第2のステーションの前記ウエハ支持部上に設置されたときに、前記処理チャンバを前記第3および前記第4のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力までポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に、前記第3および前記第4のウエハを前記第1および前記第2のチャックレス台座の前記ウエハ支持部上に支持するために、前記第1および前記第2のステーションの前記リフトピンを下降させる、方法。
【請求項6】
ウエハ上への成膜時における前記ウエハの位置ずれを低減させる方法であって、
前記ウエハが、前記ウエハの外縁部とポケットの壁との間に隙間を伴って、処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面上のウエハ支持部の上方にあるように、前記ウエハをリフトピン上またはキャリアリング上に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部の上方にある状態で前記ウエハを前記リフトピンまたはキャリアリング上に支持しながら、前記ウエハが前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときに、前記ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態まで前記処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に前記ウエハが前記ウエハ支持部上に降ろされるように、前記リフトピンまたは前記キャリアリングを降ろし、
前記ウエハ支持部上に支持されている前記ウエハ上に成膜する際の、成膜後の前記ウエハの初期位置からの前記ウエハの中心の位置ずれを、400ミクロン未満として、前記ウエハ上に成膜し、
前記ウエハ支持部は、少なくとも3つの最小接触面積(MCA)支持部材を備える、方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも2ミル延びる、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも4ミル延びる、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも6ミル延びる、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記処理チャンバ内の圧力が前記減圧状態まで低下している間に、前記ウエハの前側にガスを流す、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.2Torr以下である、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.05Torr以下である、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、
前記成膜は、前記ウエハの前側への原子層堆積(ALD)を含む、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法であって、
前記ウエハの外縁部から1.5mmの距離における膜厚変動は、5オングストローム未満である、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法であって、
前記成膜は、前記処理チャンバの1つの処理ステーションで実行される、方法。
【請求項16】
請求項13に記載の方法であって、
前記成膜は、前記処理チャンバの4つのステーションで連続的に実行される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、半導体処理ツールにおいてチャックレス台座上に支持されたウエハ上に堆積された膜の均一性を向上させる方法に関する。本開示の特定の態様は、ウエハ上への成膜時におけるウエハの位置ずれを防ぐことに関連する。
【背景技術】
【0002】
処理チャンバ内での堆積時に、膜は、ウエハの前側に堆積する可能性がある。例えば、原子層堆積(ALD)では、膜は、連続的な投与および活性化工程によって一層ずつ堆積され得る。ALD処理チャンバでは、前駆体ガスは、ウエハに向けられて、単分子層を形成するためにウエハの表面上に化学吸着される。単分子層と反応する追加の前駆体ガスが導入され、続いて、パージガスが過剰な前駆体および気体反応副生成物を除去するために導入される。前駆体ガスは、重なって流されることはなく、交互にパルス的に流され、適切な厚さの膜を形成するために所望の回数で繰り返されうる。
【0003】
しかし、ウエハがチャックレス方法によって保持されるときは、ウエハの位置ずれが起こり、ウエハエッジにおいて堆積された膜の厚さが不均一なる可能性がある。例えば、堆積プロセス時に、ウエハは、ウエハと台座の上面との間に隙間をもたらすウエハ支持部の上に支持されることができ、隙間のガスクッションは、ウエハが位置するポケット(窪み)の一端にウエハがより近づくようなウエハの動き(位置ずれ)をもたらす可能性がある。ウエハがポケット内の中心に置かれないと、膜厚は、ウエハのエッジで不均一になりうる。
【0004】
従って、ウエハのエッジにおける方位角方向の厚さの均一性を向上させるために、成膜時のウエハの位置ずれ問題に対する解決方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で開示されるのは、半導体基板(ウエハ)を処理するための方法であって、この方法には、処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面の上方にウエハを支持し、台座のウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときは、処理チャンバをウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態までポンプアウト(排気)し、処理チャンバが減圧状態にある間にウエハをウエハ支持部上に降ろし、ウエハ上への成膜時の位置ずれを低減させるためにチャックレス台座のウエハ対向面上方の十分な距離でウエハを支持し、ウエハがウエハ支持部上で支持されている間にウエハ上に成膜するという工程含まれる。成膜後のウエハの初期位置から中心を外れる位置ずれは、400ミクロン未満である。
【0006】
一実施形態では、処理チャンバは、少なくとも、第1、第2、第3、および第4のステーションを備え、第1のステーションは、第1のチャックレス台座およびその外周に第1のウエハを支持する第1のキャリアリングを有し、第2のステーションは、第2のチャックレス台座およびその外周に第2のウエハを支持する第2のキャリアリングを有し、第3のステーションは、第3のチャックレス台座およびその外周に第3のキャリアリングを有し、第4のステーションは、第4のチャックレス台座およびその外周に第4のキャリアリングを有する。この方法は、さらに、第1、第2、第3、および第4のステーションにおいて第1、第2、第3、および第4のキャリアリングを同時に上昇させることと、第1および第2のキャリアリング上の第1および第2のウエハが第3および第4のステーションに移動されるように、第1、第2、第3、および第4のキャリアリングをインデックスすることと、第3および第4のチャックレス台座のウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に支持されるときは、第1および第2のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力まで処理チャンバをポンプアウトすることと、処理チャンバが減圧状態にある間に、第1および第2のウエハを第3および第4のチャックレス台座上のウエハ支持部の上に降ろすことを含む。この方法は、さらに、第3および第4のウエハを第1および第2のステーションの処理チャンバに搬入することと、第3および第4のウエハを第1および第2のステーションの上昇したリフトピン上に支持することと、第1および第2のステーションのウエハ支持部上に設置されるときは、処理チャンバを第3および第4のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力までポンプアウトすることと、処理チャンバが減圧状態にある間に、第3および第4のウエハを第1および第2のチャックレス台座のウエハ支持部上に支持するために、第1および第2のステーションのリフトピンを下降させることを含みうる。
【0007】
いくつかの実施形態では、この方法は、処理チャンバ内の圧力が減圧状態まで低下している間に、ウエハの前側にガスを流すことを含む。ウエハ支持部は、ウエハ対向面の上方に少なくとも2ミル(0.0508ミリ)、少なくとも4ミル(0.1016ミリ)、または少なくとも6ミル(0.4064ミリ)延びる、少なくとも3つの最小接触面積(MCA)支持部材を備えることが好ましい。
【0008】
いくつかの実施形態では、ウエハは、処理チャンバ内の圧力が減圧状態まで低下している間はリフトピン上に支持され、処理チャンバを減圧状態に維持しながらリフトピンを下降させることによってウエハ支持部上に降ろされる。
【0009】
いくつかの実施形態では、ウエハは、処理チャンバ内の圧力が減圧状態まで低下している間はキャリアリング上に支持される。
【0010】
いくつかの実施形態では、減圧状態は、0.5Torr以下、0.2Torr以下、または0.1Torr以下である。
【0011】
いくつかの実施形態では、成膜は、ウエハの前側における原子層堆積(ALD)を含む。ウエハの位置ずれを低減させることによって、ウエハの外縁部から1.8mmの距離における膜厚の不均一は、約0.5%以下、および/または、ウエハの外縁部から1.5mmの距離における膜厚変動は、5オングストローム未満になりうる。
【0012】
いくつかの実施形態では、成膜は、処理チャンバのうちの1つのステーションで実行されうる、または、処理チャンバの4つのステーションで連続的に実行されうる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1A】ウエハを処理するための装置を例示する断面図。
【0014】
【
図1B】ウエハを処理するための装置を例示する断面図の拡大図。
【0015】
【
図2】例示的なマルチステーション型処理ツールの概略図の平面図。
【0016】
【
図3】外側および内側ウエハ支持部を含む、台座から延びるように構成された複数のウエハ支持部を備える台座を例示する斜視図。
【0017】
【
図4】内側ウエハ支持部を含む、台座から延びるように構成された複数のウエハ支持部を備える台座を例示する斜視図。
【0018】
【
図5】キャリアリングを備える例示的な台座用の内側ウエハ支持部によって引き起こされるウエハのダレを示す概略図の側面図。
【0019】
【
図6A】キャリアリングを備える台座の一部を例示する斜視断面図。
【0020】
【
図6B】
図6Aのキャリアリングを備える台座の一部を例示する断面図。
【0021】
【
図6C】
図6Aのキャリアリングおよびウエハを備える台座を例示する外縁部を示す断面図。
【0022】
【
図7】4ステーション型堆積チャンバのステーション1および2における標準的なウエハ搬送プロセスの自動ウエハセンタリング(AWC)データ描画。ウエハは、台座の基板対向面の上方に2ミル(0.0508ミリ)延びる最小接触面積(MCA)支持部を有するチャックレス台座上に設置され、ウエハのウエハ支持部上への設置時のチャンバ圧は、0.5Torrである。
【0023】
図8A~
図8Bは、4ステーション型堆積チャンバのステーション1~4における2つのウエハ設置プロセスを比較したAWCデータ描画を示す。
【
図8A】ウエハが2ミル(0.0508ミリ)の高さを有するMCA上に降ろされる、チャンバ圧が0.5Torrの標準的なウエハ設置プロセスのデータ。
【
図8B】ウエハが4ミル(0.1016ミリ)の高さを有するMCA上に降ろされる、ウエハがウエハ支持部上に設置されるときのポンプ・ツー・ベースのチャンバ圧が0.01Torr未満である低圧ウエハ設置プロセスのデータ。
【0024】
【
図9】標準的なウエハ設置のためのチャンバ圧(P)、ガス流(MFC)、およびスロットル弁位置(TV)を示すグラフ。
【0025】
【
図10】低圧ウエハ設置のためのチャンバ圧(P)、ガス流(MFC)、およびスロットル弁位置(TV)を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の説明では、提示の概念の十分な理解を提供するために、多くの特定の詳細が記載される。提示の概念は、これら特定の詳細の一部または全てなしで実行されてよい。他の例では、周知のプロセス動作は、記載の概念を不必要に曖昧にしないように詳細には説明されていない。特定の実施形態と併せて説明される概念もあるが、これらの実施形態は、限定を意図しないことを理解されたい。
【0027】
序文:
本願では、単語「半導体ウエハ」、「ウエハ」、「基板」、「ウエハ基板」、および「半製品の集積回路」は、ほぼ同じ意味で用いられる。当業者は、「半製品の集積回路」との単語が、その集積回路製造の多くの段階のいずれかにおけるシリコンウエハを示しうることを理解するだろう。半導体装置産業において用いられるウエハまたは基板は、通常、200mm、300mm、または450mmの直径を有する。以下の詳細な説明は、本発明がウエハ上で実施されると仮定するが、本発明はそれに限定されない。ワークピースは、様々な形、サイズ、および材料であってよい。半導体ウエハに加えて、本発明を利用してよい他のワークピースは、プリント回路基板、磁気記録媒体、磁気記録センサ、ミラー、光学素子、マイクロメカニカルデバイスなどの様々な物品を含む。
【0028】
図1Aは、ウエハを処理するための例示的な装置の断面図を示す。装置100は、ウエハ101を処理するのに用いられうる。装置100は、上側チャンバ部102aおよび下側チャンバ部102bを有する処理チャンバ102を備えうる。装置100は、ウエハ101を支持するように構成された台座140も備えうる。いくつかの実施形態では、台座140は、電力供給用の電極として機能できる。いくつかの実施形態では、台座140は、整合ネットワーク106を介して電源104に電気的に結合されうる。電源104は、装置100の動作を実行するための様々な命令を備えうるコントローラ110によって制御されうる。コントローラ110は、電力レベル、タイミングパラメータ、堆積パラメータ、プロセスガス、ウエハ101の移動などのプロセスレシピを含みうるプロセス入力制御装置108を実行するための命令を備えうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、装置100は、リフトピン制御装置122によって制御されうるリフトピン120を備えうる。リフトピン120は、ウエハハンドリングシステム(例えば、エンドエフェクタ)がウエハ101を台座140に搬入出できるように、ウエハ101を台座140から持ち上げるのに用いられうる。
【0030】
いくつかの実施形態では、装置100は、プロセスガス114を受け取るように構成されたガス供給マニホルド112を備えうる。いくつかの実施形態では、コントローラ110は、ガス供給マニホルド112によってプロセスガス114の供給を制御できる。選択されたプロセスガス114がシャワーヘッド150内に供給され、シャワーヘッド150は、選択されたプロセスガス114を台座140に支持されているウエハ101に向かって分配できる。シャワーヘッド150が、適切であればどのような形状を有してもよく、プロセスガス114をウエハ101に分配するための適した数および配置の排気口を有してよいことを理解されたい。
【0031】
また、図には、台座140の外側領域を囲むキャリアリング200が示されている。キャリアリング200は、ウエハ101の台座140への搬入出時にウエハ101を支持するように構成されうる。キャリアリング200は、台座140の外側領域の周りに位置する環状体を備えうる。1つ以上の接触構造体180(例えば、スパイダフォーク)は、キャリアリング200を用いてウエハ101を持ち上げるように構成されうる。キャリアリング200は、ウエハ101が別のステーション(マルチステーション型処理ツールの別のステーションなど)に搬送されるように、ウエハ101と共に持ち上げられうる。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置100の処理チャンバ102は、ウエハ101上に成膜するように構成されうる。いくつかの実施形態では、処理チャンバ102は、容量結合型プラズマ処理チャンバでありうる。例えば、処理チャンバ102は、PECVDまたはALDによって成膜するように構成されうる。
【0033】
図1Bは、ウエハを処理するための例示的な装置の断面図の拡大図を示す。装置100は、ALDによってウエハ101上に成膜するように構成されうる。膜は、ALD酸化物を含みうる。同様に、装置100の構成部品は
図1Aに関連して説明されるが、いくつかの実施形態では、
図1Bに示されるように、電源
104は、シャワーヘッド150に供給されうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、装置100は、さらに、ウエハ101を台座140のウエハ対向面の上方に支持するために台座140から延びるように構成された1つ以上のウエハ支持部(図示せず)を備えうる。1つ以上のウエハ支持部は、以下に
図3~
図5に関連して説明される。
【0035】
図2は、例示的なマルチステーション型処理ツールの概略図の平面図を示す。マルチステーション型処理ツールは、4つの処理ステーションを備えうる。平面図は、図示のために上側チャンバ部102aが取り外された状態の下側チャンバ部102bを示す。4つの処理ステーションは、スパイダフォーク280によってアクセス可能である。各スパイダフォーク280は、第1および第2のアームを備え、各アームは、台座140の各側面の一部周辺に設置される。スパイダフォーク280は、各々がウエハを支持しうるキャリアリング200を、例えば、キャリアリング200の下面から持ち上げうる係合回転機構220を用いる。各処理ステーションからキャリアリング200を持ち上げるこの動作は、同時に実施が可能で、従って、機構220は、さらなる処理がそれぞれのウエハ上で行われうるように、少なくとも1つ以上の処理ステーションのうちの次のステーションにキャリアリング200を降ろす前に回転される。
【0036】
図3は、外側および内側ウエハ支持部を含む、台座から延びるように構成された複数のウエハ支持部を備える台座を例示する斜視図である。
図3に示される台座300は、台座300がALDなどの堆積プロセスのためにウエハ(図示せず)を受け取るように構成されうる
図1Aおよび
図1Bの装置100に組み込まれうる。台座300は、中心軸320から外縁部324まで延びるウエハ対向面302を備える。ウエハ対向面302は、直径322によって規定される円形領域でありうる。ウエハ対向面302は、メサ部または台座300の中央上面と呼ばれうる。
【0037】
複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、台座300から延び、ウエハ対向面302の上方の位置でウエハを支持するように構成されうる。ウエハ支持部304a、304c、および304eは、外側ウエハ支持部を構成し、ウエハ支持部304b、304d、および304fは、内側ウエハ支持部を構成しうる。ウエハ対向面302の上方の位置は、ウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fによってウエハ対向面302から支持されるときは、ウエハの裏面の垂直位置によって規定されうる。
図3では、複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、6つのウエハ支持部を備えるが、約3から30の間のいずれかの数のウエハ支持部など、任意の数のウエハ支持部がウエハを支持するために配設されてよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、台座300は、複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fを備えうる。複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、台座300とウエハの裏面との間にわずかな隙間を維持するための最小接触面積(MCA)支持部と呼ばれうる。MCA支持部は、不良リスクを低減させるために、高精度もしくは高耐性が必要なとき、および/または、最小限の物理的接触が望ましいときに、表面間の正確な接合を向上させるのに用いられてよい。複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、台座300の凹部内に位置するもしくは台座300に統合された、サファイアボールまたはピンなどの独立した構成部品であってよい。複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、誘電材料などのあらゆる適した絶縁材料で作られうる。複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fの高さは、隙間のサイズが成膜時のウエハの位置ずれを抑制するよう制御されるように調整可能であってよい。いくつかの実施形態では、その高さは、約0.002インチ(2ミル=0.0508ミリ)から約0.010インチ(10ミル=0.254ミリ)の間、約2ミル(0.0508ミリ)から約7ミル(0.1778ミリ)の間、または台座300のウエハ対向面302の上方約4ミル(0.1016ミリ)でありうる。
【0039】
ウエハ支持部上へのウエハ設置時に、インピーダンスを正規化するためにわずかな隙間がウエハと台座300との間に望まれてよいが、ウエハ下のガスクッションは、ウエハを台座中央から離す動き(位置ずれ)を引き起こす可能性がある。しかし、複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fがウエハと台座300との間に十分な隙間を提供する場合は、ウエハ下のガスクッションの影響は低減されうる。ウエハ設置時のウエハの位置ずれの可能性をさらに低減させるために、チャンバ圧がウエハ設置前に低減されることで、ウエハがウエハ支持部上に設置されるときのウエハ下のガスクッションを最小にするまたは取り除くことができる。ウエハ支持部に十分な高さを提供することによって、ウエハ上への成膜時にウエハの位置ずれを低減させることができ、それによってウエハの外縁部における膜厚がより均一になる。
【0040】
台座300は、リフトピンを収容するように構成される複数の凹部306a、306b、および306cを備えうる。上述のように、リフトピンは、複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fからウエハを持ち上げ、ウエハハンドリングシステム(例えば、エンドエフェクタ)による係合を可能にするのに用いられうる。ウエハ設置プロセス時に、ウエハはリフトピン上に支持されるが、チャンバは減圧され、チャンバが減圧されている間にウエハをウエハ支持部上に設置するためにリフトピンが降ろされうる。
【0041】
ウエハ対向面302の外縁部324に隣接して、台座300は、さらに、台座300の周辺領域の周りに延びる環状面310を備えうる。環状面310は、ウエハ対向面302を囲むが、ウエハ対向面302から一段下がった位置で台座300の周辺領域を規定しうる。すなわち、環状面310の垂直位置は、ウエハ対向面302の垂直位置より低くありうる。
【0042】
いくつかの実施形態では、複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cは、環状面310の外縁部に位置しうる。複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cは、環状面310の周りに対称的に配置されうる。複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cは、キャリアリングを支持するためのMCA支持部として機能しうる。いくつかの実施形態では、複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cは、環状面310の外縁部を越えて延びうる。いくつかの実施形態では、複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cの上面は、キャリアリングが環状面310の上方の所定の距離で支持されるように、環状面310より高い高さを有しうる。各キャリアリング構造体312a、312b、および312cは、キャリアリングが複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312c上に支持されるときにキャリア側の裏面から突出する延長部が固定される凹部313を備えうる。複数のキャリアリング構造体312a、312b、および312cの凹部313と延長部との接合は、キャリアリングの正確な位置決めを提供しうる。
図3は、3つのキャリアリング構造体312a、312b、および312cを表すが、環状面310の外縁部に沿った任意の数のキャリアリング支持構造体は、環状面310の外縁部に沿った任意の位置に固定される。
【0043】
通常、ウエハ支持部を備える台座は、ウエハが台座と実質的に平行になるように、または、ウエハ支持部がウエハのたわみもしくはダレを最小限にするようにウエハを保持する。
図3の複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、ウエハとウエハ対向面302との間に維持された実質的に均一な隙間の上方にウエハを支持するように配置される。
図3の複数のウエハ支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fは、ウエハのたわみおよびダレが最小限になるようにウエハを支持するように配置される。一例として、
図3の台座300は、6つの調整可能なMCA支持部304a、304b、304c、304d、304e、および304fを有し、3つのMCA支持部304b、304d、および304fは、5インチ(127ミリ)のボルト円上に均一に配置され、3つのMCA支持部304a、304c、および304eは、10インチ(254ミリ)のボルト円上に均一に配置されうる。MCA支持部304b、304d、および304fが60度の三角形状に配置され、MCA支持部304a、304c、および304eが60度の三角形状に配置されうる。
【0044】
図4は、内側ウエハ支持部を含む、台座から延びるように構成された複数のウエハ支持部を備える例示的な台座の斜視図を示す。
図4に示される台座400は、台座400がALDなどの堆積プロセスのためにウエハを受け取るように構成されうる
図1Aおよび
図1Bの装置100に組み込まれうる。台座400は、中心軸420から外縁部424まで延びるウエハ対向面402を備える。ウエハ対向面402は、直径422によって規定される円形領域でありうる。
【0045】
複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、台座400から延び、ウエハ対向面402の上方の位置でウエハを支持するように構成されうる。
図4の複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、
図1Aおよび
図1Bの装置100に組み込まれうる。ウエハ支持部404a、404b、および404cは、ウエハ対向面402の中心軸420の周りに対称的に配置されうる。ウエハ対向面402の上方の位置は、ウエハ対向面402からウエハ支持部404a、404b、および404cによって支持されるときは、ウエハの裏面の垂直位置によって規定されうる。
図4では、複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、3つのウエハ支持部を備えるが、約3から30の間の任意の数のウエハ支持部など、任意の数のウエハ支持部がウエハを支持するために分配されてよい。3つ以上のウエハ支持部404a、404b、および404cは、内側ウエハ支持部を構成しうる。
【0046】
いくつかの実施形態では、台座400は、複数のウエハ支持部404a、404b、および404cを備えうる。複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、台座400とウエハの裏面との間にわずかな隙間を維持するためのMCA支持部と呼ばれうる。MCA支持部は、不良リスクを低減させるために、高精度もしくは高耐性が必要なとき、および/または、最小限の物理的接触が望ましいときに、表面間の正確な接合を向上させるのに用いられてよい。複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、台座400の凹部内に位置するもしくは台座400に統合された、サファイアボールまたはピンなどの独立した構成部品であってよい。複数のウエハ支持部404a、404b、および404cは、誘電材料などのあらゆる適した絶縁材料で作られうる。複数のウエハ支持部404a、404b、および404cの高さは、隙間のサイズが制御されるように調整可能であってよい。いくつかの実施形態では、その高さは、約2ミル(0.0508ミリ)から約10ミル(0.254ミリ)の間、約2ミル(0.0508ミリ)から約7ミル(0.1778ミリ)の間、または台座400のウエハ対向面402の上方約4ミル(0.1016ミリ)でありうる。隙間は、ウエハの裏面と台座400との間に設けられ、ウエハの設置時およびウエハ上への成膜時におけるウエハの位置ずれを最小限にするようにサイズ決めされる。
【0047】
また、台座400は、リフトピンを収容するように構成される複数の凹部406a、406b、および406cを備えうる。上述のように、リフトピンは、ウエハを複数のウエハ支持部404a、404b、および404cから持ち上げ、ウエハハンドリングシステム(例えば、エンドエフェクタ)による係合を可能にするのに用いられうる。統合アライナを備えるエンドエフェクタの詳細は、参照により本明細書に援用される、本願の譲渡人に譲渡された米国特許第9,299,598号に記載されている。
【0048】
図5は、キャリアリングを備える例示的な台座の内側ウエハ支持部によって引き起こされたウエハのダレの概略図の側面図を示す。
図5では、台座500aは、ウエハ501aの裏面に対向するメサ部またはウエハ対向面502aを備えうる。台座500aは、ウエハ対向面502aの周りに、ウエハ対向面502aから一段下に位置する環状面510aも備えうる。ウエハ501aは、中央領域および外縁部を備え、その外縁部でダレ/たわみを生じる可能性がある。ウエハ501aの外縁部は、ウエハ対向面502aを越えて環状面510aにわたって延びうる。キャリアリング520aは、ウエハ対向面502aの外縁部を囲む。キャリアリング520aは、台座500aの外側領域の周りに位置する環状体を備えうる。
【0049】
図6Aは、キャリアリングを備える例示的な台座の一部の斜視断面図を示す。キャリアリング630は、環状面610にわたり、キャリアリング支持部612の上にあることが示されている。いくつかの実施形態では、キャリアリング延長部631は、キャリアリング支持部612の凹部613内に固定される。また、ウエハ601は、ウエハ601がウエハ支持部(図示せず)によって支持される台座600のウエハ対向面602の上にあることが示されている。キャリアリング支持部612の高さは、台座600の環状面610の上方の距離が調整できるように調整可能である。いくつかの実施形態では、キャリアリング支持部612は、少なくとも1つのキャリアリング支持部612の高さを調整するためのスペーサ616(例えば、シム)を備える。すなわち、スペーサ616は、キャリアリング630がキャリアリング支持部612の上にあるときに、キャリアリング630と環状面610との間の制御された距離を提供するように選択されうる。キャリアリング支持部612の下には、環状面610とキャリアリング630との間の望ましい距離を提供するように選択および位置決めされた、スペーサ616があってよく、その数は、ゼロでもよいし、1つ、または1つより多い数でもよいことを理解されたい。
【0050】
さらに、キャリアリング支持部612およびスペーサ616は、金具614を締結することによって台座600に固定されうる。いくつかの実施形態では、金具614は、ねじ、ボルト、くぎ、ピン、または、キャリアリング支持部612およびスペーサ616を台座600に固定するのに適した他の種類の金具を含みうる。他の実施形態では、キャリアリング支持部612およびスペーサ616を台座600に固定するための他の技術/材料(適した接着剤など)が用いられうる。
【0051】
図6Bは、
図6Aのキャリアリングを備える例示的な台座の一部の断面図を示す。キャリアリング支持部612の全高は、スペーサ616およびキャリアリング支持部612を組み合わせた高さによって規定されうる。これにより、キャリアリング支持部612の上面が台座600の環状面610より高い程度も決定されうる。
【0052】
図6Cは、
図6Aのキャリアリングおよびウエハを備える例示的な台座の外縁部の断面図を示す。1つ以上の隙間は、ウエハ601をキャリアリング630から分離させ、キャリアリング630を環状面610から分離させうる。1つ以上の隙間は、プロセスガス(例えば、前駆体、ラジカル種)の運搬のための経路をウエハ601の裏面に提供しうる。
図6Cに表されるように、キャリアリング630は、上面632および段下がり面634を有する環状体を備える。上面632および段下がり面634は、移行段によって結合されうる。段下がり面634は、キャリアリング630の内径636に近接して規定され、内径636から外側に延びることを理解されたい。上面632は、段下がり面634からキャリアリング630の外径637(
図6Bに示す)に延びる。
【0053】
下側の隙間G1は、キャリアリング630の底面と台座600の環状面610との間に存在しうる。また、上側の隙間G2は、キャリアリング630の上面とウエハ601の裏面との間に存在しうる。下側の隙間G1および上側の隙間G2の各々は、堆積プロセス時にプロセスガスをウエハ601の裏面に運搬するための経路を提供することを理解されたい。そのため、これらの隙間を制御することで、裏面堆積を最小限にすることもできる。
【0054】
下側の隙間G1のサイズは、キャリアリング630がキャリアリング支持部612に支持されるときは、環状面610とキャリアリング630の底面との間の垂直分離によって規定されうる。
【0055】
ウエハ601とキャリアリング630との間の上側の隙間G2のサイズは、ウエハ601がウエハ対向面602の上方で1つ以上のウエハ支持部612に支持されるときは、段下がり面634とウエハ601の裏面との間の垂直分離によって規定されうる。上側の隙間G2のサイズは、下側の隙間G1のサイズ、段下がり面634の領域におけるキャリアリング630の厚さ、環状面610とウエハ対向面602との間の垂直位置の差、および、ウエハ601が1つ以上のウエハ支持部によって維持されるウエハ対向面602の上方の距離を含む様々な要素からの結果でありうる。
【0056】
いくつかの実施形態では、下側の隙間G1は、約0ミルから6ミル(0.1524ミリ)の間など、約16ミル(0.4064ミリ)未満でありうる。いくつかの実施形態では、上側の隙間G2は、約0ミルから5ミル(0.127ミリ)の間など、約10ミル(0.254ミリ)未満でありうる。いくつかの実施形態では、上側の隙間G2は、約3ミル(0.0762ミリ)未満または約1ミル(0.0254ミリ)未満でありうる。上側の隙間G2が約1ミル(0.0254ミリ)未満、さらには0ミル未満である場合は、端部シールは、裏面堆積を制限するように形成されうる。
【0057】
図1Aおよび
図1Bに戻ると、システムコントローラ110は、1つ以上のウエハ支持部を制御する動作を含む、装置の1つ以上の動作を実施するための命令を備えうる。1つ以上のウエハ支持部の制御は、例えば、1つ以上のウエハ支持部の空間的配置および/または高さの制御を含みうる。システムコントローラ110は、キャリアリングの底面と台座との間の隙間のサイズ、キャリアリングの上面とウエハとの間の隙間のサイズなど、裏面堆積を制限するための他のパラメータを制御してもよい。
【0058】
システムコントローラ110は、装置100を操作するのに必要な電子制御およびインターフェース制御を提供する。システムコントローラ110(1つ以上の物理的または論理的コントローラを備えてよい)は、装置100の特性の一部または全てを制御する。システムコントローラ110は、通常、1つ以上のメモリデバイスおよび1つ以上のプロセッサを備える。プロセッサは、中央処理装置(CPU)またはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタルの入力/出力接続部、ステッパモータコントローラ基板、ならびに他の構成部品などを備えてよい。本明細書に記載される適切な制御動作を実施するための命令は、プロセッサで実行されてよい。これらの命令は、システムコントローラ110に関連するメモリデバイスに格納されてよい、または、ネットワークで提供されてよい。特定の実施形態では、システムコントローラ110は、システム制御ソフトウェアを実行する。
【0059】
装置100のシステム制御ソフトウェアは、処理チャンバ102における条件を制御するための命令を含んでよい。これには、台座温度、リフトピン、ウエハ支持部、ガス流、チャンバ圧、ウエハ位置、ウエハ回転、タイミング、キャリアリング位置、および、装置100によって実施される他のパラメータを制御するための命令が含まれうる。システム制御ソフトウェアは、あらゆる適した方法で構成されてよい。例えば、様々なプロセスツール部品のサブルーチンまたは制御対象は、様々なプロセスツールのプロセスを実行するのに必要なプロセスツール部品の動作を制御するように書き込まれてよい。システム制御ソフトウェアは、あらゆる適したコンピュータ可読プログラミング言語に符号化されてよい。
【0060】
いくつかの実施形態では、システム制御ソフトウェアは、上述の様々なパラメータを制御するための入出力制御(IOC)シークエンシング命令を含む。例えば、1つ以上のウエハ支持部を位置決めすることによってウエハを位置決めする各フェーズは、システムコントローラ110による実行のための1つ以上の命令を含み、ウエハと台座との間およびウエハとキャリアリングとの間の隙間を制御する各フェーズは、システムコントローラ110による実行のための1つ以上の命令を含み、ウエハ上における成膜の各フェーズは、システムコントローラ110による実行のための1つ以上の命令を含んでよい。いくつかの実施形態では、基板の位置決めおよび堆積のフェーズは、プロセスフェーズのための全ての命令がそのプロセスフェーズと同時に実行されるように順次配置されよてい。
【0061】
いくつかの実施形態では、他のコンピュータソフトウェアおよび/またはプログラムが用いられてよい。この目的のためのプログラムまたはプログラムの区間の例は、ウエハ位置決めプログラム、ウエハ支持部位置決めプログラム、キャリアリング位置決めプログラム、圧力制御プログラム、ヒータ制御プログラム、および、電位/電流電源制御プログラムを含む。この目的のためのプログラムまたはこのプログラムの区間の他の例は、タイミング制御プログラム、リフトピン位置決めプログラム、台座位置決めプログラム、台座温度制御プログラム、シャワーヘッド温度制御プログラム、プロセスガス制御プログラム、および、パージガス制御プログラムを含む。
【0062】
さらなる実施形態では、ウエハは、ウエハエッジとポケットエッジ(例えば、セラミックフォーカスリング)との間に均一な隙間を維持するように、チャックレス台座上に支持される。隙間変動の低減は、ウエハエッジにおける堆積膜厚の均一性のより良好な制御を提供する。
【0063】
チャックレス台座に保持されたウエハ上への成膜時に、ウエハの位置ずれがチャンバコーナー部に向かう外向き方向に起こる可能性がある。例えば、0.5Torrのチャンバ圧における2ミル(0.0508ミリ)の高さを有するウエハ支持部上への標準的なウエハ設置時に、成膜時におけるチャックレス台座の中心から離れるウエハ中心の位置ずれは、500ミクロンを超えうる。
図7は、標準的なウエハ設置の自動ウエハセンタリング(AWC)データを表し、4ステーション型堆積チャンバのステーション1および2が示され、ステーション1および2のAWCデータは、ウエハの位置ずれが500から1000ミクロンの範囲でありうることを示す。酸化物堆積チャンバでは、ウエハの下にガスクッションが存在し、ウエハの位置ずれは、ウエハエッジにおけるウエハと台座ポケットの壁との接触を引き起こしうる。ウエハの位置ずれは、摩擦の減少を引き起こしてウエハの動きを許す、ウエハ下のガスによる「ホッケーパック」効果に起因しうる。約500ミクロン以上の位置ずれは、ウエハの一端にわずかな隙間をもたらしうるまたは隙間をもたらさない、および、ウエハの対向縁に望ましい隙間より大きな隙間をもたらしうる。隙間サイズの変化は、プラズマシースがウエハエッジで起こる方法に変化をもたらし、その結果、堆積した膜厚が変化しうる。例えば、約5オングストロームの厚さの変化は、ウエハエッジから1.5mmの外側領域で起こりうる。現在のところ、メモリおよびロジックデバイスダイをウエハの外側斜面に製作することが望ましく、外側端の膜厚の変化は、メモリおよびロジックデバイスの歩留まりおよび性能に影響を与える。ウエハチャックを有する台座がこの問題を解決できたとしても、チャックの追加により、処理チャンバの費用は増加し、台座に大幅な変更が必要になる。
【0064】
ウエハの位置ずれを最小限にするために、様々なアプローチが用いられうる。一実施例では、ウエハを台座の上に降ろす前のウエハがピンナップ構成にある間にガスが排出されうる。必要に応じて、ガスは、ポンプダウン時の急速な圧力遷移によるウエハの前側の粒子汚染を回避するために、ウエハの前側を越えて流れうる。別の実施例では、ウエハは、ウエハ支持部および/またはウエハの裏面に接触する材料の数を増やすことによって、ウエハを保持するのに十分な耐性/摩擦を提供するウエハ支持部の上に支持されうる。さらに別の実施例では、ウエハと台座の上面との間のガスコンダクタンスは、ウエハ支持部の高さを少なくとも4ミル(0.1016ミリ)に上げることによって増加されうる。
【0065】
一実施形態では、ウエハ上への成膜時におけるウエハの位置ずれを低減させる方法は、ウエハを処理チャンバ内のチャックレス台座のウエハ対向面の上方に支持することと、台座のウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されるときは、ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力まで処理チャンバをポンプアウトすることと、ウエハ上への成膜時の位置ずれを低減させるために、ウエハの裏面がチャックレス台座のウエハ対向面の上方の十分な距離に位置する状態で、ウエハをウエハ支持部上の初期位置まで降ろすことと、ウエハ上に成膜することと、ウエハをウエハ支持部から取り外すことを含み、ウエハがウエハ支持部から取り外されるときのウエハの初期位置からの位置ずれは、400ミクロン未満である。
ウエハが台座のウエハ対向面から2ミル(0.0508ミリ)延びるウエハ支持部上に降ろされ、ウエハがウエハ支持部上に降ろされている間のチャンバ圧が0.5Torrである標準的なウエハ設置動作と比較すると、低圧ウエハ設置動作では、ウエハ支持部は、ウエハ対向面から4ミル(0.1016ミリ)延び、チャンバ圧は0.5Torr未満、好ましくは、0.1Torr以下でありうる。次の表は、膜厚の均一性およびウエハの位置ずれの比較を示し、「MCA」は最小接触面積ピンを、NU%は、ウエハのエッジから最大1.8mmの極性パターンで集められた73地点にわたって測定された最大膜厚(Tmax)および最小膜厚(Tmin)を測定することによって、NU%=(Tmax-Tmin)/2を用いて決定された不均一率を示す。
【0066】
【0067】
成膜プロセス時に、4つのウエハは、ウエハをステーションからステーションに移動させることによって、または移動させずに、処理されうる。例えば、ウエハがステーションからステーションに移動され、膜が各ステーションで連続的に堆積される成膜プロセスでは、ウエハの設置は、4つのキャリアリングおよび2つのロードポートを備える4つの台座を有する4つのステーションチャンバにおいて、次のように実施されうる:(1)2つの処理済みウエハがステーション1および2から取り出され、2つのウエハ(ウエハ1および2)は、チャンバに同時に搬入されて、ステーション1および2の台座のリフトピン上に搭載され、(2)2つのウエハは、ステーション1および2の台座のウエハ支持部上に降ろされ、(3)スパイダフォークは、ステーション1~4の4つのキャリアリングを同時に持ち上げて、ウエハ1および2をステーション3および4に移動させるためにそれらを180°回転させ、(4)2つの追加のウエハ(ウエハ3および4)は、チャンバに同時に搬入されて、ステーション1および2の台座のリフトピン上に搭載され、(5)ウエハ3および4は、ウエハ1および2がステーション3および4の台座のウエハ支持部上に降ろされている間に、ステーション1および2のウエハ支持部上に降ろされうる。成膜は、膜の一部を各ステーションで堆積させることによって連続的に実行されうる。堆積プロセスの終了時に、ウエハ1および2がチャンバ内に挿入されたときと同じ順序で維持できるように、処理済みウエハは、ウエハ1および2をステーション1および2に戻すようにインデックスされる。新しいウエハ1および2は、処理済みウエハ1および2と交換されて180°インデックスされ、新しいウエハ3および4は、処理済みウエハ3および4と交換される。成膜プロセスは、各ステーションで成膜の一部を実行することによって、新しいウエハで4工程を連続的に繰り返される。一連の堆積では、低圧搬送は、ウエハが新しいステーションにインデックスされる度に実行される。そのため、ウエハ設置時におけるポンプダウンなしの標準的なウエハ設置と比較して、低圧ウエハ設置プロセスは、ポンプダウン工程を実行するのに必要な予備時間のためウエハスループットを低下させる。
【0068】
図8A~
図8Bは、4ステーション型堆積チャンバのステーション1~4における2つのウエハ設置プロセスを比較するAWCデータの描画を示す。
図8Aは、ウエハが2ミル(0.0508ミリ)の高さのMCAを有するチャックレス台座上に降ろされる、チャンバ圧が0.5Torrの標準的なウエハ設置プロセスのデータを示す。
図8Aのデータは、成膜時にウエハが平均して500ミクロンを超える半径方向外方への様々な距離でスリップすることを示す。
図8Bは、ウエハが4ミル(0.1016ミリ)の高さのMCA上に降ろされる、ポンプ・ツー・ベースチャンバ圧が0.01Torr未満の低圧ウエハ設置プロセスのデータを示す。
図8BのAWCデータは、平均のウエハの位置ずれが200ミクロン未満に低減されていることを示す。しかし、ロボットエラーおよび較正とプロセスとの間の熱膨張は、0(中心)から最大200ミクロンの起こりうるオフセットを引き起こす。そのため、200ミクロン未満のAWCデータは、ウエハが位置ずれなしで中心に置かれる可能性があることを示す。
【0069】
図9は、2つのロードポートを備える4ステーション型チャンバの標準的なウエハ設置プロセスを表す。そこでは、ウエハ1および2の搬送時の初期チャンバ圧は0.5Torrであり、ウエハ1および2は、ステーション1および2の台座のウエハ支持部上に降ろされ、ステーション1~4のキャリアリングは、ウエハ1および2をステーション3および4に移動させるために持ち上げられて回転(スピンドルインデックス)され、キャリアリングは、ステーション1~4の台座上に降ろされ、ウエハ3および4は、チャンバに搬入されてステーション1および2のリフトピン上に降ろされ、リフトピンは、ウエハ1および2をステーション1および2のウエハ支持部上に設置するために降ろされ、成膜が実行される。
【0070】
図10は、2つのロードポートを備える4ステーション型チャンバの低圧ウエハ設置プロセスを表す。そこでは、初期チャンバ圧が0.5Torrである間に、ウエハ1および2はチャンバに搬入され、ウエハ1および2はステーション1および2の台座のリフトピン上に降ろされ、チャンバ圧は0.1Torr以下に減圧され、ウエハ1および2はステーション1および2の台座のウエハ支持部上に降ろされ、チャンバ圧は0.5Torrに上げられ、ステーション1~4のキャリアリングは、ウエハ1および2をステーション3および4に移動させるために持ち上げられて回転(スピンドルインデックス)され、キャリアリングはステーション1~4の台座上に降ろされ、ウエハ3および4はチャンバに搬入されてステーション1および2のリフトピン上に降ろされ、チャンバ圧は0.1Torr以下に減圧され、ステーション3および4のキャリアリングがウエハ1および2をステーション3および4のウエハ支持部上に降ろす間に、リフトピンは、ウエハ3および4をステーション1および2のウエハ支持部上に設置するために降ろされ、成膜が実行される。
【0071】
搬送プロセスは、空のチャンバを用いて、または、ウエハが成膜プロセス後に交換されるときに実行されうる。成膜時に、ウエハは、全堆積プロセスを通して同じステーションに留まりうる。あるいは、ステーションからステーションへのウエハの搬送が必要な成膜の一部は、各ステーションで実行されうる。成膜プロセス時のウエハの位置ずれを最小限にするため、ウエハは、上述の低圧プロセスを用いてウエハ支持部上に設置される。
【0072】
ウエハが4つのステーションで連続的に処理される成膜プロセス時に、ウエハは、チャンバから2つずつ出し入れして交換されうる。
図10は、ウエハの設置時に起こる4つのポンプ・ツー・ベースステップを示すグラフである。ステーション3でウエハ1を用いて成膜が起こり、ウエハ1がステーション2で終了するようにウエハが4回インデックスされると仮定すると、搬送プロセスは次の通りである。ステップ1では、4つの処理済みウエハ(PW1、PW2、PW3、PW4)を用い、ステーション2(S2)にPW1が、ステーション3(S3)にPW2が、ステーション4(S4)にPW3が、ステーション1(S1)にPW4が配置され、ウエハを望ましい順序に維持するため、PW1およびPW2が最初にチャンバから取り出されるように、スピンドルは、PW1およびPW2をS1およびS2に戻すようにインデックスされる。ステップ2では、第1のポンプ・ツー・ベース(PB1)が、チャンバ圧を0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01未満)に減圧するように実行される。ステップ3では、チャンバがPB1にある間に、スピンドルは、処理済みウエハ(PW1、PW2、PW3、PW4)をキャリアリング(CR1、CR2、CR3、CR4)上へと下降され、PW1がS1のウエハ支持部上に降ろされ、PW2がS2のウエハ支持部上に降ろされ、PW3がS3のウエハ支持部上に降ろされ、PW4がS4のウエハ支持部上に降ろされる。ステップ4では、S1およびS2のリフトピンは、S1およびS2の処理済みウエハ(PW1およびPW2)を持ち上げるように上昇される。ステップ5では、エンドエフェクタは、S1およびS2でPW1およびPW2をチャンバから取り出す。ステップ6では、S1およびS2のリフトピンは降ろされる。ステップ7では、エンドエフェクタは、新しいウエハ(W1およびW2)をチャンバに搬入する。ステップ8では、S1およびS2のリフトピンは、W1およびW2をエンドエフェクタから取り外すように持ち上げられる。ステップ9では、エンドエフェクタは、チャンバから取り出される。ステップ10では、第2のポンプ・ツー・ベース(PB2)が、チャンバ圧を0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01Torr以下)に減圧するように実行される。ステップ11では、チャンバがPB2にある間に、S1およびS2のリフトピンは、W1およびW2をS1およびS2のウエハ支持部上に設置するように降ろされる。ステップ12では、スピンドルは、キャリアリング(CR1、CR2、CR3、CR4)をウエハ(W1、W2、PW3、PW4)と共に持ち上げるように上昇される。ステップ13では、スピンドルは、キャリアリング(CR3、CR4)上の処理済みウエハ(PW3およびPW4)をS3およびS4からS1およびS2に移動させ、CR1/W1およびCR2/W2をS3およびS4に移動させるようにインデックス(回転)される。ステップ14では、スピンドルが上昇した状態で、第3のポンプ・ツー・ベース(PB3)が、チャンバ圧を0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01未満)に減圧するように実行される。ステップ15では、スピンドルは、ウエハ(W1、W2、PW3、PW4)をS3、S4、S1、およびS2のウエハ支持部上に設置するように降ろされる。ステップ16では、S1およびS2のリフトピンは、PW3およびPW4を持ち上げる。ステップ17では、エンドエフェクタは、PW3およびPW4をS1およびS2のリフトピンから取り外し、PW3およびPW4をチャンバから搬出する。ステップ18では、エンドエフェクタは、新しいウエハ(W3およびW4)をチャンバに搬入する。ステップ19では、S1およびS2のリフトピンは、W3およびW4をエンドエフェクタから取り外すように持ち上げられる。ステップ20では、エンドエフェクタは、チャンバから撤去される。ステップ21では、S1およびS2のリフトピンが上昇した状態で、第4のポンプ・ツー・ベース(PB4)が、チャンバ圧を0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01未満)に減圧するように実行される。ステップ22では、チャンバがPB4の状態で、S1およびS2のリフトピンは、W3およびW4をS1およびS2のウエハ支持部上に設置するように降ろされる。続いて、ウエハが1つのステーションに留まる間に膜の全てが堆積されると共に膜材をウエハ上に堆積させることによって、または、膜の一部を各ステーションで堆積させて膜を連続的に堆積させることによって、成膜が実行される。連続的な堆積は、全ての4つのステーションで各ウエハを処理する効果によって膜全体の均一性を高める利点があり、その場合、ウエハが各連続的なステーションに搬送される時に低圧設置のためウエハの設置はより正確である。
【0073】
連続的な成膜では、4つのウエハ(W1、W2、W3、W4)は、次のように、4つのステーション(S1、S2、S3、S4)の中でステーションからステーションに移動される。望ましい膜厚の一部がウエハ上に堆積される第1の堆積ステップ後に、ウエハは、4つのキャリアリング(CR1、CR2、CR3、CR4)をウエハ(W1、W2、W3、W4)と共に持ち上げるようにスピンドルを上昇させることによってインデックスされ、スピンドルは90°回転し、チャンバ圧は0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01Torr未満)に減圧され、減圧されたチャンバ圧で、スピンドルは、ウエハを4つのステーション、すなわち、W1をS2、W2をS3、W3をS4、およびW4をS1のウエハ支持部上に設置するように降ろされ、第2の成膜ステップは、望ましい全体の厚さの一部を堆積するように実行される。第2の成膜ステップ後に、4つのウエハは、スピンドルが4つのキャリアリングを持ち上げるときに上昇され、スピンドルは90°回転し、チャンバ圧は0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01Torr未満)に減圧され、減圧された状態で、スピンドルは、ウエハを4つのステーション、すなわち、W1をS3、W2をS4、W3をS1、W4をS2のウエハ支持部上に設置するように降ろされ、第3の成膜ステップは、望ましい全体の厚さの一部を堆積するように実行される。第3の堆積ステップの後に、4つのウエハは、スピンドルが4つのキャリアリングを持ち上げるときに上昇され、スピンドルは90°回転し、チャンバ圧は0.5Torr未満、好ましくは0.1Torr未満(例えば、0.01Torr未満)に減圧され、減圧された状態で、スピンドルは、ウエハを4つのステーション、すなわち、W1をS3、W2をS4、W3をS1、W4をS2のウエハ支持部上に設置するように降ろされ、第4の成膜ステップは、望ましい厚さに成膜するように実行される。上述のように、第4の堆積ステップの後に、処理済みウエハはチャンバから取り出され、新しいウエハがチャンバに搬入される。
【0074】
明確性および理解の目的で、以上若干詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で一定の変更および修正が実行されてよいことは明らかであろう。説明されたプロセス、システム、および装置を実行する多くの代替方法があることに注意されたい。従って、説明した実施形態は、実例とみなされ、限定的とみなすべきではない。例えば以下の適用例としても実施可能である。
[適用例1]ウエハ上への成膜時における前記ウエハの位置ずれを低減させる方法であって、
前記ウエハが、前記ウエハの外縁部とポケットの壁との間に隙間を伴って、処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面上のウエハ支持部の上方にあるように、前記ウエハをリフトピン上またはキャリアリング上に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部の上方にある状態で前記ウエハを前記リフトピンまたはキャリアリング上に支持しながら、前記ウエハが前記台座の前記ウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときに、前記ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態まで前記処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に前記ウエハが前記ウエハ支持部上に降ろされるように、前記リフトピンまたは前記キャリアリングを降ろし、前記ウエハ上への成膜時の前記ポケットにおける横ずれを低減させるために、前記ウエハを前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面の上方の十分な距離に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部上に支持されている間に前記ウエハ上に成膜し、
前記成膜後の前記ウエハの初期位置から中心を外れた位置ずれは、400ミクロン未満である、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記成膜後の前記ウエハの初期位置から中心を外れた位置ずれは、200ミクロン未満である、方法。
[適用例3]適用例1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.5Torr未満である、方法。
[適用例4]ウエハ上への成膜時における前記ウエハの位置ずれを低減させる方法であって、
前記ウエハを処理チャンバ内でチャックレス台座のウエハ対向面の上方に支持し、
前記ウエハが前記台座の前記ウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に設置されたときに、前記ウエハの位置ずれを低減させるのに有効な減圧状態まで前記処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に前記ウエハを前記ウエハ支持部上に降ろし、前記ウエハ上への成膜時における位置ずれを低減させるために、前記ウエハを前記チャックレス台座の前記ウエハ対向面の上方の十分な距離に支持し、
前記ウエハが前記ウエハ支持部上に支持されている間に前記ウエハ上に成膜し、
前記成膜後の前記ウエハの初期位置から中心を外れた位置ずれは、400ミクロン未満であり、
前記処理チャンバは、少なくとも、第1、第2、第3、および第4のステーションを備え、前記第1のステーションは、第1のチャックレス台座と、その外周に第1のウエハを支持する第1のキャリアリングとを有し、前記第2のステーションは、第2のチャックレス台座と、その外周に第2のウエハを支持する第2のキャリアリングとを有し、前記第3のステーションは、第3のチャックレス台座と、その外周に第3のキャリアリングとを有し、前記第4のステーションは、第4のチャックレス台座と、その外周に第4のキャリアリングとを有し、
前記方法は、さらに、
前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4のステーションにおいて前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4のキャリアリングを同時に持ち上げ、
前記第1および前記第2のキャリアリング上の前記第1および前記第2のウエハが前記第3および前記第4のステーションに移動されるように、前記第1、前記第2、前記第3、および前記第4のキャリアリングをインデックスし、
前記ウエハが前記第3および前記第4のチャックレス台座のウエハ対向面から延びるウエハ支持部上に支持されるときは、前記第1および前記第2のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力まで処理チャンバをポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に、前記第1および前記第2のウエハを前記第3および前記第4のチャックレス台座のウエハ支持部上に降ろす、方法。
[適用例5]適用例4に記載の方法であって、さらに、
第3および第4のウエハを前記第1および前記第2のステーションで前記処理チャンバに搬入し、
前記第3および前記第4のウエハを前記第1および前記第2のステーションの上昇したリフトピン上に支持し、
前記ウエハが前記第1および前記第2のステーションの前記ウエハ支持部上に設置されたときに、前記処理チャンバを前記第3および前記第4のウエハの位置ずれを低減させるのに有効な圧力までポンプアウトし、
前記処理チャンバが前記減圧状態にある間に、前記第3および前記第4のウエハを前記第1および前記第2のチャックレス台座の前記ウエハ支持部上に支持するために、前記第1および前記第2のステーションの前記リフトピンを下降させる、方法。
[適用例6]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、少なくとも3つの最小接触面積(MCA)支持部材を備える、方法。
[適用例7]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも2ミル延びる、方法。
[適用例8]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも4ミル延びる、方法。
[適用例9]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハ支持部は、前記ウエハ対向面の上方に少なくとも6ミル延びる、方法。
[適用例10]適用例1に記載の方法であって、さらに、
前記処理チャンバ内の圧力が前記減圧状態まで低下している間に、前記ウエハの前側にガスを流す、方法。
[適用例11]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハを、前記処理チャンバ内の前記圧力が前記減圧状態まで低下している間は、リフトピン上に支持する、方法。
[適用例12]適用例11に記載の方法であって、
前記ウエハを、前記処理チャンバを前記減圧状態に維持しながら前記リフトピンを下降させることによって、前記ウエハ支持部上に降ろす、方法。
[適用例13]適用例1に記載の方法であって、
前記ウエハを、前記処理チャンバ内の前記圧力が前記減圧状態に低下している間は、キャリアリング上に支持する、方法。
[適用例14]適用例1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.2Torr以下である、方法。
[適用例15]適用例1に記載の方法であって、
前記減圧状態は、0.05Torr以下である、方法。
[適用例16]適用例1に記載の方法であって、
前記成膜は、前記ウエハの前側への原子層堆積(ALD)を含む、方法。
[適用例17]適用例16に記載の方法であって、
前記ウエハの外縁部から1.5mmの距離における膜厚変動は、5オングストローム未満である、方法。
[適用例18]適用例16に記載の方法であって、
前記成膜は、前記処理チャンバの1つの処理ステーションで実行される、方法。
[適用例19]適用例16に記載の方法であって、
前記成膜は、前記処理チャンバの4つのステーションで連続的に実行される、方法。