(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】操作拡張装置、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/00 20060101AFI20240322BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240322BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240322BHJP
H05K 7/14 20060101ALI20240322BHJP
【FI】
B41J29/00 T
G03G21/16 104
G03G21/00 502
B41J29/00 C
H05K7/14 E
(21)【出願番号】P 2020097721
(22)【出願日】2020-06-04
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】亀井 謙二
【審査官】小野 郁磨
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/199887(WO,A1)
【文献】特開2011-203371(JP,A)
【文献】特開2001-060129(JP,A)
【文献】特開2007-296781(JP,A)
【文献】特開2020-124846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/42
B41J 2/01-2/215
G03G 15/00
G03G 21/00-21/16
G06F 3/02
H04N 1/00
H05K 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
操作部と、
装置本体側へ延在し、
前記装置本体の挿入孔に挿入されて前記装置本体に対する位置決めをする位置決め部と、を備え、
前記装置本体に対して着脱される操作拡張装置であって、
前記位置決め部は、前記本体部に対して
前記装置本体に接近する方向および離間する方向へ
往復移動可能に設けられ、
手動操作によって前記本体部に接近する方向へ移動して前記挿入孔に挿入され、
前記本体部と前記装置本体との一方に第1スライダが、前記本体部と前記装置本体との他方に、前記位置決め部の前記移動方向と交差する方向に延在する第1レールが設けられ、
前記第1スライダを前記第1レール上で相対移動させることにより、前記本体部を前記装置本体に対してその装着方向へ移動させることを特徴とする操作拡張装置。
【請求項2】
前記装置本体に対して電気的な接続を行う電気的接続部材をさらに備えた請求項1記載の操作拡張装置であって、
前記電気的接続部材は、前記位置決め部と共に前記位置決め部の延在方向へ移動可能に設けられる操作拡張装置。
【請求項3】
前記位置決め部は、前記電気的接続部材よりも前記装置本体側へ突出している請求項2記載の操作拡張装置。
【請求項4】
前記位置決め部と前記電気的接続部材とを保持する保持部をさらに有する請求項2または3記載の操作拡張装置であって、
前記本体部は、前記位置決め部の延在方向に延在する第2レールを有し、
前記保持部は、前記第2レール上を移動する第2スライダを有する操作拡張装置。
【請求項5】
前記保持部および前記第2スライダと一体的に移動可能に設けられたスライド操作部材をさらに有する請求項4記載の操作拡張装置であって、
前記スライド操作部材は、前記本体部の外側に露出したスライド操作部を有し、
前記スライド操作部が前記本体部の外装面に当接する位置で、前記第2スライダの前記第2レールに対する前記装置本体側への移動が規制される操作拡張装置。
【請求項6】
前記スライド操作部材は、前記保持部と前記スライド操作部とを連結し、前記位置決め部の延在方向に延在する連結部を有し、
前記連結部は、その延在方向の途中に当接部を有し、
前記当接部が前記本体部の内面に当接する位置で、前記第2スライダの前記第2レール上における前記装置本体側と反対方向への移動が規制される請求項5記載の操作拡張装置。
【請求項7】
前記操作部の操作面に平行な方向で、前記位置決め部の延在方向と交差する方向において、前記位置決め部および前記電気的接続部材は前記本体部の中央位置に対して前記本体部の一端部側に設けられ、かつ、前記位置決め部は、前記電気的接続部材よりも前記一端部に近い位置に設けられる請求項2から6いずれか1項に記載の操作拡張装置。
【請求項8】
前記位置決め部の先端に、先端側へ向けて縮径するテーパ面を備えた請求項1から7いずれか1項に記載の操作拡張装置。
【請求項9】
前記第1スライダは、自身の前記第1レール上の移動を規制する規制部を有する請求項1から8いずれか1項に記載の
操作拡張装置。
【請求項10】
前記装置本体としての表示部と、
前記表示部に装着された、請求項1から9いずれか1項に記載の操作拡張装置とを備えた画像形成装置。
【請求項11】
画像形成後の記録媒体を排出する記録媒体排出部をさらに備えた請求項10記載の画像形成装置であって、
前記表示部は、前記記録媒体排出部の側とは反対側の側面に前記操作拡張装置を着脱する画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作拡張装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはそれらの複合機における画像形成装置においては、テンキー装置などの操作拡張装置が着脱可能に設けられる。
【0003】
例えば特許文献1(特開平07-99553号公報)では、テンキーなどの3種類のキーユニットを着脱できる操作部本体が装置本体に設けられる。それぞれのキーユニットは、操作部本体にそれぞれ設けられたスペースに嵌め込むことができる。
【0004】
また操作拡張装置の異なる例として、画像形成装置に設けられた操作パネルに対して、ネジ止めによってテンキー装置を後付けできるタイプのものが従来から存在する。このような構成の場合、テンキー装置の着脱の度にネジ止め、あるいは、ネジを取り外す動作が必要になり、着脱が容易にできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
操作拡張装置の装置本体に対する着脱性を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明は、本体部と、操作部と、装置本体側へ延在し、前記装置本体の挿入孔に挿入されて前記装置本体に対する位置決めをする位置決め部と、を備え、前記装置本体に対して着脱される操作拡張装置であって、 前記位置決め部は、前記本体部に対して前記装置本体に接近する方向および離間する方向へ往復移動可能に設けられ、手動操作によって前記本体部に接近する方向へ移動して前記挿入孔に挿入され、前記本体部と前記装置本体との一方に第1スライダが、前記本体部と前記装置本体との他方に、前記位置決め部の前記移動方向と交差する方向に延在する第1レールが設けられ、前記第1スライダを前記第1レール上で相対移動させることにより、前記本体部を前記装置本体に対してその装着方向へ移動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の操作拡張装置は、装置本体に対して容易に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】操作パネルおよび操作パネルを支持する可動アームを示す斜視図である。
【
図4】アタッチメント周辺の構成を示す斜視図である。
【
図5】(a)~(b)図は、アタッチメントの本体部内での移動を示す図である。
【
図6】(a)~(b)図は、テンキー装置を操作パネルに装着する様子を示す図である。
【
図7】位置決めピンとUSBプラグを示す図である。
【
図9】テンキー装置の操作パネル側の面を示す側面図である。
【
図10】テンキー装置が装着された画像形成装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0010】
図1に示す本実施形態の画像形成装置1は、プリンタ、ファクシミリ、複写装置などの機能を備えた複合機である。ただし、これらの機能のいずれか、あるいは、任意の組み合わせで備えた画像形成装置であってもよい。
【0011】
画像形成装置1は、給紙トレイ等を備えた給紙部4と、原稿読取部5と、排紙トレイ61等を備えた排紙部6(記録媒体排出部6)と、装置内部に、像担持体、転写部や定着装置などを備える。
【0012】
印刷動作が開始されると、給紙部4から画像形成装置1内部へ記録媒体としての用紙が供給される。そして、印刷ジョブの画像データから作像プロセスにて像担持体に画像が転写される。そして、像担持体から搬送経路を搬送されてきた用紙に画像が転写される。転写後の用紙は、定着装置へ運ばれ、定着装置によって用紙上の画像のトナーが定着されて、排紙トレイ61に排出される。
【0013】
画像形成装置1の正面上部には、装置本体あるいは表示部としての操作パネル10が設けられる。操作パネル10は、印刷指令などを作業者が入力するための操作部分であり、本実施形態ではタッチパネル方式を採用している。ただし、これに限らず、例えばボタン式のものであってもよい。
【0014】
そして、操作パネル10に対して、操作拡張装置あるいは機能拡張装置としてのテンキー装置20が着脱可能に設けられる。近年の操作パネル10は、例えばタッチパネル方式が多い。このような方式では、パネル上に0~9の数字を表示して0~9の数字を入力可能な状態にするまでに、いくつかの操作を必要とすることがある。しかしながら、それらの操作が煩わしいと感じる操作者などは、テンキー装置20の方が、操作性が良いと感じる。従って、テンキー装置20を操作パネル10に装着することにより、画像形成装置の操作部の操作性を向上できる。
【0015】
テンキー装置20は、操作パネル10とその上下方向の幅(テンキー装置20の長手方向の幅)が略同じに設けられる。そして、操作パネル10にテンキー装置20が装着された状態で、操作パネル10のパネル表面とテンキー装置20の本体部の表面が略同じ高さになる。これらにより、あるいは、これらのうちいずれか一方により、テンキー装置20を装着した状態で、画像形成装置1本体正面部に設けられた操作部分の意匠性を向上させることができる。
【0016】
図2に示すように、画像形成装置1の本体側には一対のアーム部18が設けられる。操作パネル10は、一対のアーム部18により、画像形成装置1本体に対して回転可能(支点部19を中心に回転可能)に支持されている。操作パネル10の画像形成装置1本体に対する回転動作により、操作パネル10のパネル部分を作業者が操作しやすい方向へ向けることができる。
【0017】
操作パネル10は、その側面に、挿入孔としてのピン挿入孔11と、USBポート12と、第1レール13とを有する。第1レール13は、操作パネル10の短手方向に沿って設けられる。
【0018】
図3に示すように、テンキー装置20は、本体部29と、位置決め部としての位置決めピン21と、電気的接続部材としてのUSBプラグ22と、第1スライダとしてのスライダ23と、操作部としてのテンキー24と、スライド操作部材としてのレバー25とを備える。位置決めピン21、USBプラグ22は、本体部29の同一側面から突出する。
【0019】
位置決めピン21は円筒状をなし、テンキー装置20あるいは本体部29の短手方向(
図3の両矢印Y参照)に延在する。位置決めピン21は、挿入孔11に挿入され、テンキー装置20の操作パネルに対する位置決めをする部分である。位置決めピン21は、その延在方向である短手方向に直交する方向、つまり、テンキー装置20の長手方向や厚み方向(
図3の紙面に直交する方向)の操作パネルに対する位置決めを行う。
【0020】
位置決めピン21は金属製の部材である。位置決めピン21を導体で構成することで、テンキー装置20を操作パネル10に電気的に接続した際に、アースを確保できる。なお、本体部29の短手方向は、言い換えると、本体部29のテンキー24が配置された面である上面と平行な方向で、テンキー装置20の操作パネル10に対する接近方向(あるいは、単に操作パネル10側の方向)である。
【0021】
スライダ23は、本体部29の操作パネル側の側面に設けられる。スライダ23は、本体部29の長手方向(
図3の両矢印X参照)に延在する略直方体状部である。スライダ23は、操作パネル10の第1レール13(
図2参照)の凹部に取り付けられ、第1レール13上を移動できる。この移動により、本体部29を操作パネル10に対して、テンキー装置20の長手方向Xに相対移動させることができる。テンキー装置20あるいは本体部29の長手方向Xは、本体部29のテンキー24が配置された面に平行な方向であり、テンキー装置20あるいは本体部29の短手方向Yに交差する方向である。
【0022】
本体部29の上面にはテンキー24が配置されており、この上面がテンキー装置20の操作面である。作業者は、
図3の紙面に垂直な方向にテンキー24を押下する。
【0023】
図3のテンキー装置20は、ボタン式のテンキーである。このような場合、操作者が押下方向(
図3の矢印B方向参照)にボタンを押す力は人それぞれであり、急いでいる場合など勢いよくボタンを押し、タッチパネル方式などに比べてテンキーを押す力が大きくなる。この点に関して、本実施形態では、位置決めピン21の操作パネル10に対する挿入方向を、テンキー24に対する押下方向に直交する方向に設けている。このように、操作パネル10に支持される部分である位置決めピン21を上記方向に設けることで、操作パネル10およびテンキー装置20が、作業者からの押下方向の荷重を安定して支持することができる。従って、ボタン押下時のテンキー装置20の操作パネル10に対するがたつきを抑制し、テンキー装置20の操作性を向上させることができる。
【0024】
図4に示すように、位置決めピン21、レバー25、および、USBプラグ22は、本体部29(
図3参照)内に配置された、保持部としてのアタッチメント26に保持される。
【0025】
図4に示すように、レバー25は、スライド操作部251と、連結部としてのロッド部252とを有する。スライド操作部251は、本体部29側に露出し、操作者に操作される略直方体状の部分である。ロッド部252は、その一端がスライド操作部251に連結され、他端がアタッチメント26に接続される円筒状部分である。
【0026】
ロッド部252の軸方向の途中には、ロッド部252の径が部分的に大きくなる、当接部としての拡径部252aが設けられる。
【0027】
アタッチメント26は直方体状をなし、その底面の4隅に、第2スライダとしての突起261を有する。
【0028】
図5(a)に示すように、本体部29内には一対の第2レール291が設けられる。第2レール291はテンキー装置20の短手方向に延在する。各突起261は、第2レール291上を往復移動可能に設けられる。各突起261が第2レール291上を往復移動することにより、アタッチメント26およびアタッチメント26に保持された位置決めピン21、レバー25、および、USBプラグ22は、本体部29に対して、テンキー装置20の短手方向に往復移動できる(
図5aの両矢印参照)。
【0029】
ロッド部252は、本体部29の側面(
図5の右側の側面)に設けられた孔部に挿入されている。
【0030】
レバー25は、スライド操作部251を押し込むことで、
図5(a)の引き出し位置から
図5(b)の押し込み位置まで移動させることができる。またこれとは反対に、レバー25は、スライド操作部251を引き出すことで、
図5(b)の位置から
図5(a)の位置まで移動させることができる。以上のスライド操作部251の操作により、レバー25、そして、アタッチメント26、位置決めピン21、および、USBプラグ22が上記往復移動を行う。
【0031】
図5(a)に示すように、レバー25は、拡径部252aが本体部29の内壁に当接する位置でその引き出し方向の移動が規制される。また、
図5(b)に示すように、レバー25は、スライド操作部251が本体部29の外装面である右側面に当接する位置でその押し込み方向の移動が規制される。このように、レバー25の引き出し方向および押し込み方向のそれぞれに規制位置を設けることで、レバー25の移動範囲を規制できる。
【0032】
レバー25の押し込み位置では、本体部29の側面(
図5bの左側面で操作パネル側の側面)に設けられた孔部を介して、位置決めピン21およびUSBプラグ22を所定の長さだけ本体部29の外側に露出させることができる。またレバー25の引き出し位置では、本体部29内に位置決めピン21およびUSBプラグ22を収納できる。
【0033】
次に、テンキー装置20の操作パネル10に対する装着の手順について、
図6を用いて説明する。
【0034】
図6(a)に示すように、まず、本体部29の側面に設けられたスライダ23を操作パネル10の第1レール13(
図2参照)に対してその一端部側(
図6aの上側)から取り付け、第1レール13上でスライドさせる。これにより、
図6(a)に示すように、本体部29を操作パネル10に対して装着方向(
図6aの矢印方向参考)へ移動させることができる。そして、
図6(b)に示すように、本体部29を操作パネル10に対する装着位置まで移動させる。つまり、本体部29と操作パネル10の図の上下方向の端縁が略揃う位置まで移動させる。この際、本体部29内に位置決めピン21およびUSBプラグ22を収納しておくことで、位置決めピン21およびUSBプラグ22を操作パネル10の側面に干渉させないようにすることができる。
【0035】
そして、レバー25のスライド操作部251を操作パネル10側へ押し込むことにより、アタッチメント26の突起261が第2レール291上を移動し(
図5参照)、アタッチメント26、位置決めピン21、および、USBプラグ22が操作パネル10側へ移動する(
図6bの矢印方向参照)。これにより、位置決めピン21が挿入孔11に挿入され、テンキー装置20の操作パネル10に対する位置決め、つまり、テンキー装置20の長手方向および厚み方向の位置決めが行われる。また、USBプラグ22がUSBポート12に接続され、テンキー装置20が操作パネル10に対して電気的に接続される。以上により、テンキー装置20の操作パネル10に対する装着動作が完了する。
【0036】
また、テンキー装置20を操作パネル10から取り外す際には、スライド操作部251を
図5(b)→
図5(a)のように引き出した後、
図6(a)と反対方向にスライダ23を第1レール13上でスライドさせる。これにより、テンキー装置20を操作パネル10から取り外すことができる。
【0037】
以上のように本実施形態では、スライダ23を第1レール13上で移動させ、スライド操作部251を押し込む動作だけで、テンキー装置20を操作パネル10に対して装着できる。また、これと逆の手順である上記動作により、テンキー装置20を操作パネル10から取り外しできる。従って、テンキー装置20の着脱時にネジ止めやネジの取り外しなどの動作も不要であり、テンキー装置20を操作パネル10に対して容易に着脱できる。また操作パネル10の側面にテンキー装置20を装着し、テンキー装置20の位置決めピン21やスライダ23を操作パネル10に支持させる構成とすることで、操作パネル10に、テンキー装置20を配置するための支持台などを設ける必要がなく、そのスペース分だけ操作パネル10を小型化できる。
【0038】
また、スライド操作部251の操作によりUSBプラグ22も位置決めピン21と同じく操作パネル10に対する挿入方向に移動する構成とし、USBプラグ22のUSBポート12に対する接続方向も位置決めピン方向と同じ方向とすることで、上記位置決めピン21の挿入動作に伴って、テンキー装置20の操作パネル10に対する電気的な接続も同時に行うことができる。
【0039】
操作パネル10内部において、位置決めピン21が挿入されるスペースは、基板などの部材が配置されていないデッドスペースとして設けられている。
【0040】
図7に示すように、位置決めピン21の先端部には、先端側に向けて縮径するテーパ面21aが形成されている。テーパ面21aにより、位置決めピン21を挿入孔11に対して円滑に挿入できる。なお、
図7はレバー25を操作パネル10側へ押し込んだ状態を示している。
【0041】
また、位置決めピン21の先端は、USBプラグ22の先端よりも操作パネル側(
図7の左側)に突出している。これにより、スライド操作部251を押し込む動作(
図6b参照)の際に、まず位置決めピン21が挿入孔11に挿入され、テンキー装置20の操作パネル10に対する位置決めがなされる。従って、その後のUSBプラグ22のUSBポート12に対する接続を精度良く行うことができる。
【0042】
図8に示すように、スライダ23の第1レール13に対する挿入方向上流側端部(スライダ23の第1レール13から遠い側の端部)には、規制部としてのストッパ231が設けられる。ストッパ231は、スライダ23の横幅を広げるように幅方向両側へ突出した幅広部分である。
【0043】
ストッパ231はその幅が第1レール13の凹部の横幅よりも大きく設けられる。従って、スライダ23を第1レール13上で移動させ、本体部29を操作パネル10に対してその装着方向へ移動させた際に(
図6a~
図6b参照)、ストッパ231が第1レール13に当接する位置でその移動が停止する。これにより、スライダ23の第1レール13に対する移動範囲を規制し、本体部29を操作パネルに対する装着位置(
図6bの位置)で停止させることができる。
【0044】
図9に示すように、本体部29の長手方向(
図9の左右方向)において、位置決めピン21およびUSBプラグ22は、本体部29の中央位置よりも一端部側(
図9の左側)に設けられ、かつ、位置決めピン21はUSBプラグ22よりも本体部29の一端部側に設けられる。テンキー装置20は、スライダ23および位置決めピン21の位置で操作パネルに対する位置決めがされる。従って、位置決めピン21をより端部側に設けることで、テンキー装置20の操作パネルに対するがたつき、特に
図9の上下方向のがたつきを抑制できる。例えば、USBプラグ22よりも中央側に位置決めピン21を設ける場合(
図9の点線の円形部参照)よりもテンキー装置20の操作パネルに対するがたつきを抑制できる。またUSBプラグ22を、位置決めピン21とスライダ23との間に設けることで、USBプラグ22のUSBポートに対する位置精度を向上でき、USBプラグ22をUSBポートに正しく接続できる。
【0045】
図10に示すように、テンキー装置20は、操作パネル10の図の右側で、画像形成装置1に設けられた排紙部6の反対側に取り付けられる。これにより、テンキー装置20が排紙トレイ61から用紙を取り出す作業を妨げることがない。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0047】
以上の説明では、テンキー装置20に設けたスライダ23を操作パネル10側に設けた第1レール13上で移動させる構成としたが、これとは逆に、スライダを操作パネル側に設け、テンキー装置側にレールを設ける構成とすることもできる。
【0048】
以上、本発明の画像形成装置は、電子写真方式の画像形成装置に限定されずに、例えばインクジェット方式の画像形成装置にも適用できる。また、本実施例ではボタン式のテンキー装置を用いて説明したがタッチパネル式の数値入力装置であっても適用できることは言うまでもない。
【0049】
また以上の説明では、操作拡張装置の例としてテンキー装置を示した。しかし、本発明はこれに限らない。例えば、認証装置やキーボードなどであってもよい。
【0050】
記録媒体としては、用紙(普通紙)の他、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート、プラスチックフィルム、プリプレグ、銅箔等が含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 画像形成装置
6 排紙部(記録媒体排出部)
10 操作パネル(装置本体あるいは表示部)
11 ピン挿入孔(挿入孔)
12 USBポート
13 第1レール
20 テンキー装置(機能拡張装置あるいは操作拡張装置)
21 挿入ピン(位置決め部)
21a テーパ面
22 USBプラグ(電気的接続部材)
23 スライダ(第1スライダ)
231 ストッパ(規制部)
24 テンキー
25 レバー(スライド操作部材)
251 スライド操作部
252 ロッド部(連結部)
252a 拡径部(当接部)
26 アタッチメント(保持部)
261 突起(第2スライダ)
29 本体部
291 第2レール
X テンキー装置の長手方向
Y テンキー装置の短手方向
【先行技術文献】
【特許文献】
【0052】