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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-21
(45)【発行日】2024-03-29
(54)【発明の名称】三次元メモリデバイス及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20240322BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240322BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20240322BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20240322BHJP
   H10B 43/30 20230101ALI20240322BHJP
   H10B 43/40 20230101ALI20240322BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20240322BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
H10B43/30
H10B43/40
H10B43/50
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021513396
(86)(22)【出願日】2018-09-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-04
(86)【国際出願番号】 CN2018105727
(87)【国際公開番号】W WO2020051878
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2021-03-10
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519237948
【氏名又は名称】長江存儲科技有限責任公司
【氏名又は名称原語表記】Yangtze Memory Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.88 Weilai 3rd Road,East Lake High-tech Development Zone,Wuhan,Hubei,China
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】リウ・ジュン
【合議体】
【審判長】河本 充雄
【審判官】市川 武宜
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0263011(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0358356(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0261575(US,A1)
【文献】特開2008-004765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0028024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
H01L 29/788
H01L 29/792
H10B 43/27
H10B 43/30
H10B 43/40
H10B 43/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に配置されている周辺デバイスと、
前記周辺デバイスの上側に配置されている周辺相互接続層と、
前記周辺相互接続層の上側に配置され、かつ前記周辺相互接続層に電気的に接続されている第1のソース基板と、
前記第1のソース基板上に配置されている第1のメモリスタックと、
前記第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつ前記第1のソース基板と接触している第1のメモリストリングと、
前記第1のメモリストリング及び前記周辺デバイスの上側に配置され、かつ前記第1のメモリストリング及び前記周辺デバイスに電気的に接続されている第1のビット線と、
前記第1のビット線の上側に配置され、かつ前記周辺相互接続層に電気的に接続されている第2のソース基板と、
前記第2のソース基板上に配置されている第2のメモリスタックと、
前記第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつ前記第2のソース基板と接触している第2のメモリストリングと、
前記第2のメモリストリング及び前記周辺デバイスの上側に配置され、かつ前記第2のメモリストリング及び前記周辺デバイスに電気的に接続されている第2のビット線と、を備え、
前記周辺デバイスは、前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されているマルチプレクサを含み、
前記周辺デバイスは、前記マルチプレクサの出力に電気的に接続され、前記マルチプレクサを介して前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングによって共有されるデータバッファ及びドライバをさらに含む、
三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項2】
前記第1のソース基板は、
前記周辺相互接続層と接触している導電性基板と、
前記導電性基板上に配置され、かつ前記第1のメモリストリングの下端と接触している半導体基板と、を含む、
請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項3】
前記導電性基板は金属シリサイドを含み、また前記半導体基板はポリシリコンを含む、
請求項2に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1のメモリスタックは、交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を含む、
請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1のメモリストリングは複数のフローティングゲートを含む、
請求項1に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項6】
三次元(3D)メモリデバイスであって、
基板と、
前記基板上に配置されているマルチプレクサを含む周辺デバイスと、
前記周辺デバイスの上側に配置されている第1のメモリスタックと、
前記第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングと、
前記第1のメモリストリング及び前記マルチプレクサの上側に配置され、かつ前記第1のメモリストリング及び前記マルチプレクサに電気的に接続されている第1のビット線と、
前記第1のビット線の上側に配置されている第2のメモリスタックと、
前記第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングと、
前記第2のメモリストリング及び前記マルチプレクサの上側に配置され、かつ前記第2のメモリストリング及び前記マルチプレクサに電気的に接続されている第2のビット線と、を備え、
前記マルチプレクサは、前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成され、
前記周辺デバイスは、前記マルチプレクサの出力に電気的に接続され、前記マルチプレクサを介して前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングによって共有されるデータバッファ及びドライバをさらに含む、
三次元(3D)メモリデバイス。
【請求項7】
前記周辺デバイスの上側に配置されている周辺相互接続層と、
前記周辺相互接続層と前記第1のメモリスタックとの間に配置され、かつ前記周辺相互接続層に電気的に接続されている第1のソース基板と、
前記第1のビット線と前記第2のメモリスタックとの間に配置され、かつ前記周辺相互接続層に電気的に接続されている第2のソース基板と、をさらに備える、
請求項6に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1及び第2のソース基板のそれぞれは、
前記周辺相互接続層に電気的に接続されている導電性基板と、
前記導電性基板上に配置され、かつそれぞれの前記第1の又は第2のメモリストリングの下端と接触している半導体基板と、を含む、
請求項7に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項9】
前記導電性基板は金属シリサイドを含み、また前記半導体基板はポリシリコンを含む、
請求項8に記載の3Dメモリデバイス。
【請求項10】
基板上に周辺デバイスを形成することと、
前記周辺デバイスの上側に周辺相互接続層を形成することと、
前記周辺相互接続層の上側に、前記周辺相互接続層に電気的に接続して第1のソース基板を形成することと、
第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングを形成することであって、前記第1のメモリストリングは前記第1のソース基板の上側にあり、かつ前記第1のソース基板と接触している、第1のメモリストリングを形成することと、
前記第1のメモリストリング及び前記周辺デバイスの上側に、前記第1のメモリストリング及び前記周辺デバイスに電気的に接続して第1のビット線を形成することと、
前記第1のビット線の上側に、前記周辺相互接続層に電気的に接続して第2のソース基板を形成することと、
第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングを形成することであって、前記第2のメモリストリングは前記第2のソース基板の上側にあり、かつ前記第2のソース基板と接触している、第2のメモリストリングを形成することと、
前記第2のメモリストリング及び前記周辺デバイスの上側に、前記第2のメモリストリング及び前記周辺デバイスに電気的に接続して第2のビット線を形成することと、を含み、
前記周辺デバイスを形成することは、前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されているマルチプレクサを形成することを含み、
前記周辺デバイスを形成することは、前記マルチプレクサの出力に電気的に接続され、前記マルチプレクサを介して前記第1のメモリストリング及び前記第2のメモリストリングによって共有されるデータバッファ及びドライバを形成することをさらに含む、
三次元(3D)メモリデバイスを形成するための方法。
【請求項11】
前記第1のソース基板を形成することは、
前記周辺相互接続層と接触させて導電性基板を形成することと、
前記導電性基板上に、前記第1のメモリストリングの下端と接触させて半導体基板を形成することと、を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記導電性基板は金属シリサイドを含み、また前記半導体基板はポリシリコンを含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を蒸着することにより、前記第1のメモリスタックを形成することをさらに含む、
請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、三次元(3D)メモリデバイス及びその形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
平面メモリセルは、プロセス技術、回路設計、プログラミングアルゴリズム、及び形成プロセスを改良することにより、より小さいサイズに縮小されている。しかしながら、メモリセルのフィーチャサイズが下限に近づくにつれ、平面処理及び形成技術の難易度が高くなり、またコストがかかるようになる。結果として、平面メモリセルのメモリ密度は上限に近づくことになる。
【0003】
3Dメモリ構造により、平面メモリセルの密度制限に対処することができる。この3Dメモリ構造は、メモリアレイと、メモリアレイとの間で信号を制御する周辺デバイスと、を含む。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、3Dメモリデバイス及びその形成方法の実施形態を開示している。
【0005】
一例では、3Dメモリデバイスは、基板と、この基板上に配置されている周辺デバイスと、この周辺デバイスの上側に配置されている周辺相互接続層と、この周辺相互接続層の上側に配置され、かつこれに電気的に接続されている第1のソース基板と、第1のソース基板上に配置されている第1のメモリスタックと、第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつ第1のソース基板と接触している第1のメモリストリングと、第1のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第1のビット線と、を備える。
【0006】
別の例では、3Dメモリデバイスは、基板と、この基板上に配置されているマルチプレクサを含む周辺デバイスと、この周辺デバイスの上側に配置されている第1のメモリスタックと、第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングと、第1のメモリストリング及びマルチプレクサの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第1のビット線と、第1のビット線の上側に配置されている第2のメモリスタックと、第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングと、第2のメモリストリング及びマルチプレクサの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第2のビット線と、を備える。マルチプレクサは、第1のメモリストリング及び第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されている。
【0007】
さらに別の例では、3Dメモリデバイスを形成するための方法が開示されている。周辺デバイスが基板上に形成される。周辺相互接続層が周辺デバイスの上側に形成される。第1のソース基板が周辺相互接続層の上側に形成され、かつこれに電気的に接続される。第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングが形成される。第1のメモリストリングは第1のソース基板の上側にあり、かつこれと接触している。第1のビット線が第1のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に形成され、かつこれらに電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に取り入れられて本明細書の一部を形成している添付の図面は本開示の実施形態を例示しており、本明細書と共に本開示の原理を説明し、当業者による本開示の製造及び使用を有効にする役割をさらに果たしている。
図1】本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイスの断面を示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による、フローティングゲートを有する典型的なNANDメモリストリングの断面を示す。
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図3D】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図3E】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図3F】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な方法のフローチャートである。
【0009】
本開示の実施形態を、添付の図面を参照しながら説明する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
特定の構成及び配置について述べているが、例示のみを目的としてこれを行っていることを理解すべきである。当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他の構成及び配置が使用できることを認識するであろう。本開示を他の種々の用途にも使用できることは、当業者には明らかであろう。
【0011】
なお、本明細書において「一(one)実施形態」、「一(an)実施形態」、「典型的な一実施形態」、「いくつかの実施形態」などへ言及する場合、記載している実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示しているが、全ての実施形態がその特定の特徴、構造、又は特性を必ずしも含み得るとは限らない。また、そのような語句は必ずしも同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、又は特性を一実施形態に関連して記載している場合、これらを明示的に記載しているかどうかにかかわらず、そのような特徴、構造、又は特性が他の実施形態との関連においても有効であることは、当業者に知られていると考えられる。
【0012】
通常、用語法はその文脈での使用状況から少なくとも部分的に理解され得る。たとえば、本明細書で「1つ又は複数の(one or more)」という用語を使用する場合、文脈に少なくとも部分的に依存して、これを使用して任意の特徴、構造、又は特性を単数の意味で表してもよいし、これを使用してこうした特徴、構造又は特性の組み合わせを複数の意味で表してもよい。同様に「1つの(a)」、「1つの(an)」、又は「その(the)」などの用語を、ここでも文脈に少なくとも部分的に依存して、単数形の用法を表していると理解してもよいし、複数形の用法を表していると理解してもよい。また、「based on(に基づいて/を基に)」という用語は、排他的な一連の要因を表すことを必ずしも意図していないと理解され、その代わりに、ここでも文脈に少なくとも部分的に依存して、必ずしも明示的に記載されていない別の要因が存在できるようにしている可能性がある。
【0013】
本開示における「上(on)」、「上側(above)」、及び「上方(over)」の意味について、「上(on)」が何かの「上に直接ある」ことを意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴部又は層を伴って何かの「上にある」という意味を含み、また「上側(above)」又は「上方(over)」が何かの「上側にある」又は「上方にある」ことを意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴部又は層を何ら伴わずに何かの「上側にある」又は「上方にある」(すなわち、何かの上に直接ある)という意味をも含み得るように、最も広義の意味で解釈すべきであることは容易に理解されるべきである。
【0014】
さらに、「下(beneath)」、「下側(below)」、「下部(lower)」、「上側(above)」、及び「上部(upper)」などの空間的な相対語を、図面に示しているある要素又は特徴と他の要素(複数可)又は特徴(複数可)との関係を表す際、説明を簡単にするために本明細書で用いてもよい。これらの空間的な相対語は、図面に示している向きに加えて、使用中又は操作中のデバイスの種々の向きをも包含することが意図されている。本装置を他の方向に向けてもよく(90度又は他の方位に回転させて)、また本明細書で使用している空間的な相対記述子を、それに応じて同様に解釈してもよい。
【0015】
本明細書で使用する場合、「基板」という用語は、後続の材料層がその上に付加される材料を指す。この基板自体をパターン化することができる。基板の上部に付加される材料をパターン化することも、パターン化しないままにすることもできる。また基板は、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウムなどの多様な半導体材料を含み得る。あるいは、この基板をガラス、プラスチック、又はサファイアウェハなどの非導電性材料から作製することもできる。
【0016】
本明細書で使用する場合、「層」という用語はある厚さを有する領域を含む材料部分を指す。層は、下にあるか若しくは上にある構造の全体にわたって延在し得、又はその範囲が、下にあるか若しくは上にある構造の範囲よりも狭くなる可能性がある。また層を、その厚さが連続構造の厚さよりも薄い、均一又は不均一な連続構造の領域とすることができる。たとえば、この連続構造の上面と底面との間、又は上面及び底面にある任意の一対の水平面間に層を配置することができる。層は水平方向に、垂直方向に、かつ/又はテーパ面に沿って延在し得る。基板は層であり得、その中に1つ又は複数の層を含み得、かつ/又はその上、その上側、及び/若しくはその下側に1つ又は複数の層を有し得る。1つの層は複数の層を含み得る。たとえば、相互接続層は1つ又は複数の導電体層及びコンタクト層(その中に相互接続線、及び/又はヴィアコンタクトが形成される)と、1つ又は複数の誘電体層と、を含み得る。
【0017】
本明細書で使用する場合、「名目の/名目上」という用語は、製品又はプロセス設計段階で設定される構成要素又はプロセス工程の特性又はパラメータにおいて、所望値を上回り、かつ/又は下回る範囲の値も含めて所望値又は目標値を指すものである。値に幅があるのは、製造プロセス又は製造公差にわずかな変動が生じることに起因している可能性がある。本明細書で使用する場合、「約」という用語は、当該半導体デバイスと関連している特定のテクノロジーノードに基づいて変動する可能性のある、所与の量の値を示す。特定のテクノロジーノードに基づいて、「約」という用語は、たとえば値の10~30%以内で変動する所与の量の値を示し得る(たとえば、その値の±10%、±20%、又は±30%)。
【0018】
本明細書で使用する場合、「3Dメモリデバイス」という用語は、メモリストリングが基板に対して垂直方向に延在するように、メモリセルトランジスタのストリング(NANDメモリストリングなど、本明細書では「メモリストリング」と呼んでいる)が横向きの基板に対して垂直方向に配置されている半導体デバイスを指す。本明細書で使用する場合、「垂直方向の/垂直方向に」という用語は、基板の外側面に対して名目上垂直であることを意味する。
【0019】
本開示による様々な実施形態は、他のいくつかの3Dメモリデバイスと比較してダイサイズがより小さく、セル密度がより高く、かつ性能が向上している3Dメモリデバイス及びこの3Dメモリデバイスを形成するための方法を提供する。メモリアレイデバイスを周辺デバイスの上側に垂直方向に積み重ねることにより、結果として得られる3Dメモリデバイスのセル密度とアレイ効率とを向上させ、またダイサイズとビットコストとを削減することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示している3Dメモリデバイスは、「複数のメモリスタック」構造を実装することができ、このことは、3Dメモリデバイスの継続的なスケーリングを有効にして、セル密度をさらに向上させ、かつビットコストをさらに低下させる。いくつかの実施形態では、導電性基板及び半導体基板を含むソース基板を、同じメモリスタックの「フローティングゲート」型のNANDメモリストリングにおける共通ソースとして使用することができ、これによってソース線抵抗を低減している。
【0020】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による、典型的な3Dメモリデバイス100の断面を示す。3Dメモリデバイス100は、モノリシック3Dメモリデバイスの一例を表している。「モノリシック」という用語は、3Dメモリデバイスの構成要素が単一の基板上に形成されていることを意味する。3Dメモリデバイス100は、シリコン(たとえば、単結晶シリコン)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、ガリウムヒ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)、又は他の任意の適切な材料を含み得る基板102を備え得る。
【0021】
3Dメモリデバイス100は、基板102上に周辺デバイス104を備え得る。周辺デバイス104を基板102の「上」に形成することができ、ここでは周辺デバイス104の全体又は一部は、基板102内(たとえば、基板102の上面の下)及び/又は基板102上に直接形成される。周辺デバイス104は、基板102上に形成されている複数のトランジスタを含み得る。分離領域(たとえば、シャロー・トレンチ・アイソレーション(shallow trench isolations:STI))及びドープ領域(たとえば、トランジスタのソース領域及びドレイン領域)もまた、基板102内に形成することができる。
【0022】
周辺デバイス104は、3Dメモリデバイス100の操作を容易にするために使用される任意の適切なデジタル回路、アナログ回路、及び/又は混合信号周辺回路を含み得る。たとえば、周辺デバイス104は、データバッファ(たとえば、ビット線のページバッファ)、デコーダ(たとえば、行デコーダ又は列デコーダ)、センスアンプ、ドライバ(たとえば、ワード線ドライバ)、チャージポンプ、電流又は電圧リファレンス、あるいは回路の任意のアクティブ構成要素又はパッシブ構成要素(たとえば、トランジスタ、ダイオード、抵抗、又はコンデンサ)のうちの1つ又は複数を含み得る。いくつかの実施形態では、周辺デバイス104は、相補型金属酸化膜半導体(complementary metal‐oxide‐semiconductor:CMOS)技術を使用して、基板102上に形成される。
【0023】
いくつかの実施形態では、周辺デバイス104はマルチプレクサ106を含む。マルチプレクサ(「MUX」の別称でも知られている)は、いくつかのアナログ入力信号又はデジタル入力信号のうちの1つを選択し、その選択した入力を単線に転送するデバイスである。いくつかの実施形態では、マルチプレクサ106は、複数のメモリストリング(又はメモリスタック)のうちの1つを選択し、その選択したメモリストリング(又はメモリスタック)からの入力を、ビット線のページバッファ及び/又はワード線ドライバなどの、データバッファ及び/又はドライバに転送するように構成されている。すなわち、周辺デバイス104のデータバッファ及びドライバは、マルチプレクサ106を介して複数のメモリストリング(又はメモリスタック)によって共有され得る。マルチプレクサ106を使用した周辺デバイス104の共有の詳細について、以下に説明する。
【0024】
3Dメモリデバイス100は、周辺デバイス104の上側に相互接続層(本明細書では「周辺相互接続層」108と呼んでいる)を備えることにより、周辺デバイス104との間で電気信号を転送することができる。周辺相互接続層108は、横方向相互接続線110及び垂直相互接続アクセス(ヴィア)コンタクト112を含む、複数の相互接続体(本明細書では「コンタクト」とも呼んでいる)を含み得る。本明細書で使用する場合、「相互接続体」という用語は、ミドル・エンド・オブ・ライン(middle‐end‐of‐line:MEOL)相互接続体及びバック・エンド・オブ・ライン(back‐end‐of‐line:BEOL)相互接続体などの任意の適切な種類の相互接続体を広く含み得る。周辺相互接続層108は、相互接続線110とヴィアコンタクト112とが形成することができる、1つ又は複数の層間誘電体(interlayer dielectric:ILD)層(「金属間誘電体(intermetal dielectric:IMD)層」としても知られる)をさらに含み得る。すなわち、周辺相互接続層108は、複数のILD層内に相互接続線110及びヴィアコンタクト112を含み得る。周辺相互接続層108内の相互接続線110とヴィアコンタクト112とは、タングステン(W)、コバルト(Co)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。周辺相互接続層108のILD層は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、低誘電率(low‐k)誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体材料を含み得る。
【0025】
3Dメモリデバイス100は、周辺デバイス104及び周辺相互接続層108の上側に1つ又は複数のメモリアレイデバイスを備え得る。なお、3Dメモリデバイス100内の構成要素の空間的相関関係をさらに示すために、図1にはx軸及びy軸を追加している。基板102は、x方向(横方向)に横方向に延在する2つの外側面(たとえば、上面及び下面)を含む。本明細書で使用する場合、1つの構成要素(たとえば、層又はデバイス)が、半導体デバイス(たとえば、3Dメモリデバイス100)の別の構成要素(たとえば、層又はデバイス)の「上」、「上側」、又は「下側」にあるかどうかは、基板がy方向に半導体デバイスの最下平面内に位置決めされたときに、半導体デバイスの基板(たとえば、基板102)に対してy方向(垂直方向)に判定される。空間的相関関係を説明するための同一の概念が、本開示全体にわたって適用されている。
【0026】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス100は、メモリセルがNANDメモリストリングのアレイの形態で設けられる、NANDフラッシュ・メモリ・デバイスである。NANDメモリストリングのアレイはそれぞれ、メモリスタック内に形成され得る。図1に示すように、3Dメモリデバイス100は、周辺デバイス104及び周辺相互接続層108の上側に垂直方向に積み重ねられている、複数のメモリアレイデバイスを備え得る。メモリアレイデバイスはそれぞれ、ソース基板、このソース基板上にあるメモリスタック、及びそれぞれがメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつソース基板と接触しているNANDメモリストリングのアレイを含み得る。いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス100が、周辺デバイス104及び周辺相互接続層108の上側に、単一のメモリアレイデバイスを備えていることが理解される。
【0027】
図1に示すように、3Dメモリデバイス100は、周辺デバイス104及び周辺相互接続層108の上側に、第1のメモリアレイデバイスを備え得る。第1のメモリアレイデバイスは、第1のソース基板114と、第1のメモリスタック120と、第1のNANDメモリストリング126のアレイと、を含み得る。第1のソース基板114は、周辺相互接続層108の上側に配置され、かつこれに電気的に接続され得る。いくつかの実施形態では、第1のソース基板114は、周辺相互接続層108、たとえば周辺相互接続層108の上部ILD層内の相互接続体と接触している導電性基板116を含む。第1のソース基板114は、導電性基板116上に配置され、かつ第1のNANDメモリストリング126の下端と接触している半導体基板118をさらに含み得る。第1のソース基板114は、第1のNANDメモリストリング126のアレイにおける共通ソースとして機能することができる。いくつかの実施形態では、半導体基板118は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は単結晶シリコンなどのシリコンを含むが、これらに限定されない半導体材料を含む。導電性基板116は、半導体基板118と周辺相互接続層108との間の電気抵抗を低減することができる。いくつかの実施形態では、導電性基板116は、金属(たとえば、W、Co、Cu、及びAl)、金属合金、並びに金属シリサイド(たとえば、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、銅シリサイド、及びアルミニウムシリサイド)を含む導電性材料を備える。一例では、半導体基板118はポリシリコンを含み、また導電性基板116はタングステンシリサイド(WSix)を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、第1のメモリアレイデバイスは、それぞれが半導体層122及び誘電体層124(本明細書では「半導体層/誘電体層対」と呼んでいる)を含む、複数の対を貫通して垂直方向に延在している第1のNANDメモリストリング126を含む。積層されている半導体層/誘電体層対を、本明細書では第1のメモリスタック120とも呼んでいる。いくつかの実施形態によれば、第1のメモリスタック120内で交互配置されている半導体層122及び誘電体層124は、垂直方向に交互に並んでいる。すなわち、第1のメモリスタック120の上部又は下部にあるものを除いて、半導体層122にはそれぞれ、両側で2つの誘電体層124が隣接し得、また誘電体層124にはそれぞれ、両側で2つの半導体層122が隣接し得る。半導体層122はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。同様に、誘電体層124はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。半導体層122は、ポリシリコンなどの半導体材料を含み得る。誘電体層124は、酸化シリコンなどの誘電体材料を含み得る。
【0029】
図2は、本開示のいくつかの実施形態による、フローティングゲート208を有する典型的なNANDメモリストリング200の断面を示す。NANDメモリストリング200は、図1に示す第1のNANDメモリストリング126の一例である。NANDメモリストリング200は、誘電体充填層201と、半導体チャネル202と、トンネル層204と、フローティングゲート208と、ブロッキング層210と、を含み得る。いくつかの実施形態では、誘電体充填層201は酸化シリコンを含み、また半導体チャネル202は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は単結晶シリコンなどのシリコンを含む。いくつかの実施形態では、トンネル層204は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、又はそれらの組み合わせを含む。フローティングゲート208は、ポリシリコンなどの半導体材料を含み得る。ブロッキング層210は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、高誘電率(high‐k)誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。NANDメモリストリング200は、円筒形状(たとえば、柱形状)を有し得る。いくつかの実施形態によれば、誘電体充填層201、半導体チャネル202、トンネル層204、フローティングゲート208、及びブロッキング層210は、中心から柱の外面に向かって半径方向に沿って、この順序で配置されている。
【0030】
NANDメモリストリング200は、複数の制御ゲート206及びゲート誘電体210をさらに含み得る。制御ゲート206を、図1に示す、第1のNANDメモリストリング126に当接している半導体層122の一部とすることができる。このため、制御ゲート206は、ポリシリコンなどの半導体材料を含み得る。いくつかの実施形態では、制御ゲート206は、W、Co、Cu、Al、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。ゲート誘電体210を、図1に示す、第1のNANDメモリストリング126に当接している誘電体層124の一部とすることができる。したがって、ゲート誘電体210は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、high‐k誘電体、又はそれらの任意の組み合わせなどの誘電体材料を含み得る。
【0031】
図1に戻って参照すると、第1のNANDメモリストリング126が、「フローティングゲート」型のNANDメモリストリング(たとえば、NANDメモリストリング200)に限定されず、また第1のメモリスタック120も、「半導体層/誘電体層対」型のメモリスタックに限定されないことが理解される。いくつかの実施形態では、第1のメモリスタック120は、それぞれが導電体層122及び誘電体層124を含む、複数の対(本明細書では「導電体層/誘電体層対」と呼んでいる)を含む。いくつかの実施形態によれば、第1のメモリスタック120内で交互配置されている導電体層122及び誘電体層124は、垂直方向に交互に並んでいる。すなわち、第1のメモリスタック120の上部又は下部にあるものを除いて、導電体層122にはそれぞれ、両側で2つの誘電体層124が隣接し得、また誘電体層124にはそれぞれ、両側で2つの導電体層122が隣接し得る。導電体層122はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。同様に、誘電体層124はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。導電体層122は、W、Co、Cu、Al、シリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。誘電体層124は、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない誘電体材料を含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、第1のNANDメモリストリング126はそれぞれ、「電荷トラップ」型のNANDメモリストリングであり、これは半導体チャネル及び複合誘電体層(「メモリ膜」としても知られる)を含む。いくつかの実施形態では、半導体チャネルは、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は単結晶シリコンなどのシリコンを含む。いくつかの実施形態では、複合誘電体層は、トンネル層と、蓄積層(「電荷トラップ層」としても知られる)と、ブロッキング層と、を含む。第1のNANDメモリストリング126はそれぞれ、円筒形状(たとえば、柱形状)を有し得る。いくつかの実施形態によれば、半導体チャネル、トンネル層、蓄積層、及びブロッキング層は、中心から柱の外面に向かって半径方向に沿って、この順序で配置されている。トンネル層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。蓄積層は、窒化シリコン、酸窒化シリコン、シリコン、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。ブロッキング層は、酸化シリコン、酸窒化シリコン、高誘電率(high‐k)誘電体、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。一例では、ブロッキング層は、酸化シリコン/酸窒化シリコン/酸化シリコン(ONO)の複合層を含み得る。別の例では、ブロッキング層は、酸化アルミニウム(Al)層、又は酸化ハフニウム(HfO)層若しくは酸化タンタル(Ta)層などのhigh‐k誘電体層を含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1のNANDメモリストリング126は、複数の制御ゲート(それぞれがワード線の一部である)をさらに含む。第1のメモリスタック120内の導電体層又は半導体層122はそれぞれ、第1のNANDメモリストリング126の各メモリセルの制御ゲートとして機能することができる。第1のNANDメモリストリング126はそれぞれ、その下端にソース選択ゲートを含み得、またその上端にドレイン選択ゲートを含み得る。本明細書で使用する場合、ある構成要素(たとえば、第1のNANDメモリストリング126)の「上端」は、基板102からy方向にさらに離隔している端部であり、またその構成要素(たとえば、第1のNANDメモリストリング126)の「下端」は、基板102に対してy方向により接近している端部である。図1に示すように、第1のNANDメモリストリング126のアレイは、それぞれの下端を半導体基板118と接触させることによって、共通ソース、すなわち第1のソース基板114を共有することができる。
【0034】
3Dメモリデバイス100は、第1のNANDメモリストリング126及び周辺デバイス104の上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第1のビット線130をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、第1のNANDメモリストリング126の上端におけるドレインは、第1のビット線コンタクト128を介して第1のビット線130に電気的に接続されている。第1のビット線コンタクト128及び第1のビット線130は、第1のメモリスタック120の上側における1つ又は複数のILD層に形成されている、W、Co、Cu、及びAlなどの導電性材料を含み得る。第1のビット線130は、周辺相互接続層108内の相互接続体を介して、マルチプレクサ106などの周辺デバイス104に電気的に接続され得る。これにより、第1のNANDメモリストリング126を、第1のビット線130を介したマルチプレクサ106の入力の1つとすることができる。
【0035】
上記のように、いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス100は、第1のメモリアレイデバイスの上側に積み重ねられている第2のメモリアレイデバイスなど、垂直方向に積み重ねられている複数のメモリアレイデバイスを備える。第2のメモリアレイデバイスは、第1のビット線130の上側に配置され、かつ周辺相互接続層108に電気的に接続されている第2のソース基板134と、第2のソース基板134上に配置されている第2のメモリスタック140と、それぞれが第2のメモリスタック140を貫通して垂直方向に延在し、かつ第2のソース基板134と接触している第2のNANDメモリストリング142のアレイと、を含み得る。
【0036】
第1のメモリアレイデバイスの対応物と同様に、第2のソース基板134は、周辺相互接続層108に電気的に接続されている(図示せず)導電性基板136と、導電性基板136上に配置され、かつ第2のNANDメモリストリング142の下端と接触している半導体基板138と、を含み得る。第2のソース基板134は、第2のNANDメモリストリング142のアレイの共通ソースとして機能することができる。いくつかの実施形態では、半導体基板138は、アモルファスシリコン、ポリシリコン、又は単結晶シリコンなどのシリコンを含むが、これらに限定されない半導体材料を含む。いくつかの実施形態では、導電性基板136は、金属(たとえば、W、Co、Cu、及びAl)並びに金属シリサイド(たとえば、タングステンシリサイド、コバルトシリサイド、銅シリサイド、及びアルミニウムシリサイド)を含む導電性材料を備える。一例では、半導体基板138はポリシリコンを含み、また導電性基板136はタングステンシリサイド(WSix)を含む。
【0037】
第1のメモリアレイデバイスの対応物と同様に、第2のメモリスタック140は、複数の半導体層/誘電体層対又は複数の導電体層/誘電体層対を含み得、また第2のNANDメモリストリング142を、上記で詳細に説明したような「フローティングゲート」型のNANDメモリストリング又は「電荷トラップ」型のNANDメモリストリングとすることができる。それでもなお、3Dメモリデバイス100は、第2のNANDメモリストリング142及び周辺デバイス104の上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第2のビット線144をさらに備え得る。いくつかの実施形態では、第2のNANDメモリストリング142の上端におけるドレインは、第2のビット線144に電気的に接続されている。第2のビット線144は、周辺相互接続層108内の相互接続体を介して、マルチプレクサ106などの周辺デバイス104に電気的に接続され得る。これにより、第2のNANDメモリストリング142を、第2のビット線144を介したマルチプレクサ106の別の入力とすることができる。したがって、マルチプレクサ106は、第1のメモリアレイデバイス内の第1のNANDメモリストリング(複数可)126、又は第2のメモリアレイデバイス内の第2のNANDメモリストリング(複数可)142のうちの一方を選択するように構成され得る。第1のメモリアレイデバイス内の第1のNANDメモリストリング(複数可)126及び第2のメモリアレイデバイス内の第2のNANDメモリストリング(複数可)142は、マルチプレクサ106を使用して、周辺デバイス104の同じデータバッファ(たとえば、ビット線のページバッファ)及び/又はドライバ(たとえば、ワード線ドライバ)を共有することができる。
【0038】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイス100は、第2のビット線144の上側に配置され、かつ周辺相互接続層108に電気的に接続されている第3のソース基板146と、第3のソース基板146上に配置されている第3のメモリスタック152と、それぞれが第3のメモリスタック152を貫通して垂直方向に延在し、かつ第3のソース基板146と接触している第3のNANDメモリストリング154のアレイと、を含む、第3のメモリアレイデバイスをさらに備える。第3のソース基板146は、周辺相互接続層108に電気的に接続されている(図示せず)導電性基板148と、導電性基板148上に配置され、かつ第3のNANDメモリストリング154の下端と接触している半導体基板150と、を含み得る。第3のソース基板146、第3のメモリスタック152、及び第3のNANDメモリストリング154は、第1及び第2のメモリアレイデバイスにおけるそれらの対応物と同様であるため、これについては繰り返さない。
【0039】
3Dメモリデバイス100は、第3のNANDメモリストリング154及び周辺デバイス104の上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第3のビット線156をさらに備え得る。第3のビット線156は、周辺相互接続層108内の相互接続体を介して、マルチプレクサ106などの周辺デバイス104に電気的に接続され得る。これにより、第3のNANDメモリストリング154を、第3のビット線156を介したマルチプレクサ106のさらに別の入力とすることができる。したがって、マルチプレクサ106は、第1のメモリアレイデバイス内の第1のNANDメモリストリング(複数可)126、第2のメモリアレイデバイス内の第2のNANDメモリストリング(複数可)142、又は第3のメモリアレイデバイス内の第3のNANDメモリストリング(複数可)154のうちの1つを選択するように構成され得る。第1のメモリアレイデバイス内の第1のNANDメモリストリング(複数可)126、第2のメモリアレイデバイス内の第2のNANDメモリストリング(複数可)142、及び第3のメモリアレイデバイス内の第3のNANDメモリストリング(複数可)154は、マルチプレクサ106を使用して、周辺デバイス104の同じデータバッファ(たとえば、ビット線のページバッファ)及び/又はドライバ(たとえば、ワード線ドライバ)を共有することができる。
【0040】
メモリアレイデバイスの数が図1に示す例によって限定されることはなく、nとすることができることが理解され、ここで、nは任意の正の整数である。図示していないが、n個のメモリアレイデバイスのそれぞれは、ゲート線スリット(gate line slits:GLS)などの任意の適切な追加構成要素や、ワード線コンタクトなどの他の局所コンタクトを含み得、その詳細は容易に理解され得るため、これについて本明細書では説明しない。
【0041】
図3A図3Fは、本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な形成プロセスを示す。図4は、本開示のいくつかの実施形態による、3Dメモリデバイスを形成するための典型的な方法のフローチャートである。図3A図3F及び図4に示す3Dメモリデバイスの例には、図1に示す3Dメモリデバイス100が含まれる。図3A図3F及び図4については併せて説明する。方法400に示す工程は網羅的なものではなく、他の工程も、図示している工程のいずれかの前、後、又は合間に実行され得ることが理解される。さらに、一部の工程は同時に、又は図4に示すものとは異なる順序で実行されてもよい。
【0042】
図4を参照すると、方法400は工程402から開始され、ここで、周辺デバイスが基板上に形成される。この基板をシリコン基板とすることができる。工程402は、複数のメモリストリングのうちの1つを選択するように構成されているマルチプレクサを形成することと、このマルチプレクサを介して複数のメモリストリングによって共有される、データバッファ及びドライバを形成することと、を含み得る。図3Aに示すように、周辺デバイス304がシリコン基板302上に形成される。周辺デバイス304は、シリコン基板302上に形成されている複数のトランジスタを含み得る。これらのトランジスタは、フォトリソグラフィ、乾式エッチング及び/又は湿式エッチング、薄膜蒸着、熱成長、注入、化学機械研磨(chemical mechanical polishing:CMP)、及び他の任意の適切なプロセスを含むが、これらに限定されない複数のプロセスによって形成され得る。いくつかの実施形態では、ドープ領域がイオン注入及び/又は熱拡散によってシリコン基板302内に形成され、これらの領域は、たとえばトランジスタのソース領域及び/又はドレイン領域として機能する。いくつかの実施形態では、分離領域(たとえば、STI)もまた、乾式エッチング及び/又は湿式エッチング、並びに薄膜蒸着によってシリコン基板302内に形成される。周辺デバイス304のトランジスタは、マルチプレクサ306、データバッファ(図示せず)、及びドライバ(図示せず)などの様々な種類の回路を形成することができる。
【0043】
図4に示すように、方法400は工程404に進み、ここで、周辺相互接続層が周辺デバイスの上側に形成される。この周辺相互接続層は、1つ又は複数のILD層内に複数の相互接続体を含み得る。図3Bに示すように、周辺相互接続層308が、シリコン基板302上及び周辺デバイス304の上側に形成され得る。周辺相互接続層308は、複数のILD層内のMEOL及び/又はBEOLにおける相互接続線310及びヴィアコンタクト312を含む、相互接続体を備えることにより、周辺デバイス304との電気的接続を行うことができる。
【0044】
いくつかの実施形態では、周辺相互接続層308は、複数のプロセスで形成されている複数のILD層、及びその内部にある相互接続体を含む。たとえば、相互接続線310及びヴィアコンタクト312は、化学蒸着(chemical vapor deposition:CVD)、物理蒸着(physical vapor deposition:PVD)、原子層蒸着(atomic layer deposition:ALD)、電解めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスによって蒸着されている導電性材料を含み得る。相互接続線310及びヴィアコンタクト312を形成する形成プロセスには、フォトリソグラフィ、CMP、乾式エッチング及び/若しくは湿式エッチング、又は他の任意の適切なプロセスがさらに含まれ得る。これらのILD層は、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスによって蒸着されている誘電体材料を含み得る。図3Bに示すILD層及び相互接続体は、総称して「相互接続層」(たとえば、周辺相互接続層308)と呼ばれ得る。
【0045】
図4に示すように、方法400は工程406に進み、ここで、第1のソース基板が周辺相互接続層の上側に形成され、かつこれに電気的に接続される。工程406は、周辺相互接続層と接触する導電性基板を形成することと、この導電性基板上に半導体基板を形成することと、を含み得る。いくつかの実施形態では、この導電性基板は金属シリサイドを含み、また半導体基板はポリシリコンを含む。
【0046】
図3Cに示すように、導電性基板316及び半導体基板318を含む第1のソース基板314が、周辺相互接続層308の上面に形成される。導電性基板316内の導電性材料には、金属、金属合金、及び金属シリサイドが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、導電性基板316は、Cu、Co、Al、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、W、又は他の任意の適切な金属などの1つ又は複数の金属を含む。いくつかの実施形態では、導電性基板316は1つ又は複数の金属合金を含み、これらの金属合金のそれぞれは、Cu、Co、Ni、Ti、Wのうちの少なくとも2つによる合金(たとえば、TiNi合金又はTiNi合金とTiW合金との組み合わせ)、又は他の任意の適切な金属合金である。いくつかの実施形態では、導電性基板316は、銅シリサイド、コバルトシリサイド、ニッケルシリサイド、チタンシリサイド、タングステンシリサイド、又は他の任意の適切な金属シリサイドなどの1つ又は複数の金属シリサイドを含む。
【0047】
導電性基板316は、CVD、PVD、ALD、電解めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスによって形成され得る。導電性基板316内の導電性材料に応じて、導電性基板316の蒸着は複数のプロセスを伴ってもよい。いくつかの実施形態では、金属シリサイド導電膜の蒸着は、シリコン膜を蒸着することと、金属膜を蒸着することと、熱処理(たとえば、アニーリング、焼結、又は他の任意の適切なプロセス)によってシリコン膜及び金属膜をシリサイド化することと、を含む。
【0048】
図3Cに示すように、半導体基板318が導電性基板316上に形成され得る。半導体基板318は、アモルファスシリコン又はポリシリコンなどのシリコンを含むが、これらに限定されない半導体材料を含み得る。半導体基板318は、CVD、PVD、ALD、電解めっき、無電解めっき、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスによって形成され得る。一例では、第1のソース基板314は、まずタングステン膜を蒸着し、次にタングステン膜上にポリシリコン膜を蒸着し、続いて熱処理(たとえば、アニーリング、焼結、又は他の任意の適切なプロセス)により、ポリシリコン膜及びタングステン膜をシリサイド化することによって形成される。これにより、導電性基板316がタングステンシリサイドから形成され得、また半導体基板318がポリシリコンから形成され得ることになる。
【0049】
図4に示すように、方法400は工程408に進み、ここで、第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングが形成される。第1のメモリストリングは第1のソース基板の上側にあり得、かつこれと接触し得る。いくつかの実施形態では、第1のメモリスタックは、交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を蒸着することによって形成されている。
【0050】
図3Cに示すように、交互配置されているポリシリコン層322と酸化シリコン層324とが、第1のソース基板314の半導体基板318上に形成される。交互配置されているポリシリコン層322と酸化シリコン層324とは、メモリスタック320を形成することができる。いくつかの実施形態では、ポリシリコン層322はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。同様に、酸化シリコン層324はそれぞれ、同じ厚さを有し得るか、又は異なる厚さを有し得る。メモリスタック320は、CVD、PVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスによって形成され得る。
【0051】
図3Dに示すように、第1のソース基板314がフォトリソグラフィ及びエッチングによってパターン化され、周辺デバイス304の上側にある部分が除去されて、周辺デバイス304とメモリアレイデバイス(複数可)とが相互接続されるようにしている。メモリスタック320は「トリム/エッチング」プロセスによってさらにパターン化され、側部(複数可)上に横方向に1つ又は複数の階段構造325が形成されて、ワード線のファンアウトが行われ得るようにしている。図3Dに示すように、開口部(チャネルホール)327が、湿式エッチング及び/又は乾式エッチングにより、メモリスタック320内で交互配置されているポリシリコン層322及び酸化シリコン層324を貫通してエッチングされる。いくつかの実施形態では、チャネルホール327は、深掘り反応性イオンエッチング(deep reactive‐ion etching:DRIE)を用いてエッチングされている。
【0052】
図3Eに示すように、第1のNANDメモリストリング326が、チャネルホール327に様々な層を蒸着する(図3Dに示すように)ことにより、メモリスタック320を貫通して形成される。いくつかの実施形態では、第1のNANDメモリストリング326を形成する形成プロセスは、チャネルホール327に当接している酸化シリコン層324の部分を湿式エッチングかつ/又は乾式エッチングすることにより、複数の横方向凹部を形成して、フローティングゲート用の空間を残すことを含む。いくつかの実施形態では、第1のNANDメモリストリング326を形成する形成プロセスは、PVD、CVD、ALD、又はそれらの任意の組み合わせなどの1つ又は複数の薄膜蒸着プロセスを用いて、たとえば酸化シリコン層、ポリシリコン層、酸化シリコン層、ポリシリコン層、そして酸化シリコン層というように続けて蒸着していくことにより、ブロッキング層、フローティングゲート、トンネル層、半導体チャネル、及び誘電体充填層を形成することをさらに含む。
【0053】
メモリスタック320が複数の導電体層/誘電体層対を含み、第1のNANDメモリストリング326が「電荷トラップ」型のNANDメモリストリングであるいくつかの実施形態では、様々な形成プロセスが用いられることが理解される。たとえば、まず交互配置されている犠牲層(たとえば、窒化シリコン層)及び誘電体層(たとえば、酸化シリコン層)を含む誘電体スタックが、第1のソース基板314上に蒸着され得る。この「電荷トラップ」型のNANDメモリストリングは、まず誘電体スタックを貫通して垂直方向に延在するチャネルホールをエッチングし、続いてメモリ膜(たとえば、トンネル層、蓄積層、及びブロッキング層を含む)及び半導体チャネルをチャネルホール内に続けて蒸着することにより、誘電体スタックを貫通して形成され得る。次に、交互配置されている導電体層(たとえば、タングステン層)及び誘電体層(たとえば、酸化シリコン層)を含むメモリスタックが、「ゲート置換」プロセスを用いて、すなわち誘電体スタック内の犠牲層を、当該誘電体スタックを貫通して垂直方向に延在するスリットを介して導電体層と置き換えることにより、形成され得る。
【0054】
図4に示すように、方法400は工程410に進み、ここで、第1のビット線が第1のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に形成され、かつこれらに電気的に接続される。図3Eに示すように、第1のビット線コンタクト328が1つ又は複数のILD層を通り、かつ第1のNANDメモリストリング326の上端と接触して形成され、その結果、第1のビット線コンタクト328が第1のNANDメモリストリング326に電気的に接続されるようにしている。次に、第1のビット線330が1つ又は複数のILD層を通り、かつ周辺相互接続層308内の第1のビット線コンタクト328及び相互接続体の両方と接触して形成され、その結果、第1のNANDメモリストリング326が、マルチプレクサ306などの周辺デバイス304に電気的に接続されるようにしている。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1のビット線コンタクト328及び第1のビット線330を形成する形成プロセスは、乾式エッチング及び/又は湿式エッチングを用いて開口部(たとえば、ヴィアホール又はトレンチ)を形成し、続いて導電体の充填、接着、及び/又は他の目的のために、当該開口部を導電性材料及び他の材料(たとえば、バリア層、接着層、及び/又はシード層)で充填することを含む。第1のビット線コンタクト328及び第1のビット線330は、W、Co、Cu、Al、ドープシリコン、ドープシリサイド、又はそれらの任意の組み合わせを含むが、これらに限定されない導電性材料を含み得る。第1のビット線コンタクト328及び第1のビット線330の開口部は、ALD、CVD、PVD、電解めっき、他の任意の適切なプロセス、又はそれらの任意の組み合わせにより、導電性材料及び他の材料で充填され得る。
【0056】
図4に示すように、方法400は工程412に進み、ここで、第2のソース基板が第1のビット線の上側に形成され、かつ周辺相互接続層に電気的に接続される。図4に示すように、方法400は工程414に進み、ここで、第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングが形成される。第2のメモリストリングは第2のソース基板の上側にあり得、かつこれと接触し得る。図4に示すように、方法400は工程416に進み、ここで、第2のビット線が第2のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に形成され、かつこれらに電気的に接続される。
【0057】
図3Fに示すように、導電性基板336及び半導体基板338を含む第2のソース基板334が、第1のビット線330の上側に形成され、かつ周辺相互接続層308に電気的に接続される(図示せず)。第2のメモリスタック340を貫通して垂直方向に延在する第2のNANDメモリストリング342が形成され得る。第2のNANDメモリストリング342は第2のソース基板334の上側にあり得、かつこれと接触し得る。第2のビット線344が、第2のNANDメモリストリング342及び、マルチプレクサ306などの周辺デバイス304の上側に形成され得、かつこれらと電気的に接続され得る。第2のソース基板334、第2のメモリスタック340、第2のNANDメモリストリング342、及び第2のビット線344の形成に関する詳細は、第1のメモリアレイデバイスにおけるそれらの対応物と同様であるため、これについては繰り返さない。同様の形成プロセスを用いて、第2のメモリアレイデバイスの上側に垂直方向に積み重ねられる追加のメモリアレイデバイス(複数可)を形成できることが理解される。
【0058】
本開示の一態様によれば、3Dメモリデバイスは、基板と、この基板上に配置されている周辺デバイスと、この周辺デバイスの上側に配置されている周辺相互接続層と、この周辺相互接続層の上側に配置され、かつこれに電気的に接続されている第1のソース基板と、第1のソース基板上に配置されている第1のメモリスタックと、第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつ第1のソース基板と接触している第1のメモリストリングと、第1のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第1のビット線と、を備える。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1のソース基板は、周辺相互接続層と接触している導電性基板と、導電性基板上に配置され、かつ第1のメモリストリングの下端と接触している半導体基板と、を含む。導電性基板は金属シリサイドを含み得、また半導体基板はポリシリコンを含み得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、第1のビット線の上側に配置され、かつ周辺相互接続層に電気的に接続されている第2のソース基板と、第2のソース基板上に配置されている第2のメモリスタックと、第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在し、かつ第2のソース基板と接触している第2のメモリストリングと、第2のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第2のビット線と、をさらに備える。
【0061】
いくつかの実施形態では、周辺デバイスは、第1のメモリストリング及び第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されているマルチプレクサを含む。周辺デバイスは、このマルチプレクサを介して第1及び第2のメモリストリングによって共有される、データバッファ及びドライバをさらに含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、第1のメモリスタックは、交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を含む。いくつかの実施形態では、第1のメモリストリングは複数のフローティングゲートを含む。
【0063】
本開示の別の態様によれば、3Dメモリデバイスは、基板と、この基板上に配置されているマルチプレクサを含む周辺デバイスと、この周辺デバイスの上側に配置されている第1のメモリスタックと、第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングと、第1のメモリストリング及びマルチプレクサの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第1のビット線と、第1のビット線の上側に配置されている第2のメモリスタックと、第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングと、第2のメモリストリング及びマルチプレクサの上側に配置され、かつこれらに電気的に接続されている第2のビット線と、を備える。マルチプレクサは、第1のメモリストリング及び第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されている。
【0064】
いくつかの実施形態では、周辺デバイスは、このマルチプレクサを介して第1及び第2のメモリストリングによって共有される、データバッファ及びドライバをさらに含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、3Dメモリデバイスは、周辺デバイスの上側に配置されている周辺相互接続層と、この周辺相互接続層と第1のメモリスタックとの間に配置され、かつ周辺相互接続層に電気的に接続されている第1のソース基板と、第1のビット線と第2のメモリスタックとの間に配置され、かつ周辺相互接続層に電気的に接続されている第2のソース基板と、をさらに備える。
【0066】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のソース基板のそれぞれは、周辺相互接続層と接触している導電性基板と、導電性基板上に配置され、かつそれぞれの第1の又は第2のメモリストリングの下端と接触している半導体基板と、を含む。導電性基板は金属シリサイドを含み得、また半導体基板はポリシリコンを含み得る。
【0067】
いくつかの実施形態では、第1及び第2のメモリスタックのそれぞれは、交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を含む。いくつかの実施形態では、第1及び第2のメモリストリングのそれぞれは、複数のフローティングゲートを含む。
【0068】
本開示のさらに別の態様によれば、3Dメモリデバイスを形成するための方法が開示されている。周辺デバイスが基板上に形成される。周辺相互接続層が周辺デバイスの上側に形成される。第1のソース基板が周辺相互接続層の上側に形成され、かつこれに電気的に接続される。第1のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第1のメモリストリングが形成される。第1のメモリストリングは第1のソース基板の上側にあり、かつこれと接触している。第1のビット線が第1のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に形成され、かつこれらに電気的に接続される。
【0069】
いくつかの実施形態では、第1のソース基板を形成するために、導電性基板が周辺相互接続層と接触して形成され、また半導体基板が導電性基板上に、第1のメモリストリングの下端と接触して形成されている。導電性基板は金属シリサイドを含み得、また半導体基板はポリシリコンを含み得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、第2のソース基板が第1のビット線の上側に形成され、かつ周辺相互接続層に電気的に接続され、第2のメモリスタックを貫通して垂直方向に延在する第2のメモリストリングが形成され、第2のメモリストリングは第2のソース基板の上側にあり、かつこれと接触しており、また、第2のビット線が第2のメモリストリング及び周辺デバイスの上側に形成され、かつこれらに電気的に接続されている。
【0071】
いくつかの実施形態では、周辺デバイスを形成するために、第1のメモリストリング及び第2のメモリストリングのうちの一方を選択するように構成されているマルチプレクサが、形成される。いくつかの実施形態では、周辺デバイスを形成するために、このマルチプレクサを介して第1及び第2のメモリストリングによって共有される、データバッファ及びドライバが形成される。
【0072】
いくつかの実施形態では、第1のメモリスタックは、交互配置されているポリシリコン層及び酸化シリコン層を蒸着することによって形成されている。いくつかの実施形態では、第1のメモリストリングを形成するために、複数のフローティングゲートが形成される。
【0073】
特定の実施形態に関する前述の説明により、本開示の一般的性質が完全に明らかになるので、当業者であれば、自身が有する範囲内の知識を適用することにより、過度の実験を実施することなく、また本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を容易に修正し、かつ/又は種々の用途にこれらを適合させることができる。したがって、そのような適合及び修正は、本明細書に提示している教示及び指針に基づいて、開示している実施形態の等価物の意味するところ及び範囲内にあることが意図される。本明細書における表現法又は用語法は説明を目的とするものであって、限定するものではなく、そのため本明細書の用語法又は表現法は、その教示及び指針に照らして、当業者により解釈されるべきである、と理解すべきである。
【0074】
特定の諸機能及びそれらの関係の実装形態を示す機能的構成ブロックを用いて、本開示の実施形態を上記で説明してきた。これらの機能的構成ブロックの境界を、本明細書では説明の便宜を図って任意に定義している。特定の諸機能とその関係とが適切に実行される限り、代替の境界を定義することができる。
【0075】
「発明の概要」及び「要約書」のセクションには、本発明者(複数可)によって企図される1つ又は複数の典型的な実施形態を記載できるが、その全ては記載できないことから、本開示及び添付の特許請求の範囲を何ら限定することを意図したものではない。
【0076】
本開示の範囲及び領域を、上記の典型的な実施形態のいずれによっても限定すべきではなく、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価物によってのみ定義すべきである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4