(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-22
(45)【発行日】2024-04-01
(54)【発明の名称】エラストマーポリウレタンフォームおよびその生成方法
(51)【国際特許分類】
C08G 18/48 20060101AFI20240325BHJP
C08G 18/10 20060101ALI20240325BHJP
C08G 18/76 20060101ALI20240325BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20240325BHJP
C08G 18/66 20060101ALI20240325BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20240325BHJP
C08G 101/00 20060101ALN20240325BHJP
【FI】
C08G18/48 004
C08G18/10
C08G18/76 057
C08G18/48 033
C08G18/32 006
C08G18/66 074
C08G18/00 F
C08G101:00
(21)【出願番号】P 2021521948
(86)(22)【出願日】2019-07-08
(86)【国際出願番号】 US2019040767
(87)【国際公開番号】W WO2020010345
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-07-05
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ピータース,デイビッド ディーン
(72)【発明者】
【氏名】リューシング,ジャニン
【審査官】小森 勇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2001/0003122(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0280139(US,A1)
【文献】特表2007-523984(JP,A)
【文献】特開2005-023142(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00-18/87
C08G 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改善された高温圧縮永久歪み値を有するエラストマーポリウレタンフォームであって、
(a)モノマージフェニルメタンジイソシアネート(MMDI)またはポリマーMDI(PMDI)を含む1つ以上のプレポリマー、およびポリエーテルジオールに由来するイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと、
(b)イソシアネート反応性成分であって、
(i)前記イソシアネート反応性成分の10~70重量部の量の第1のポリオールであって、前記第1のポリオールが、1000g/モル~9000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールである、第1のポリオール、
(ii)前記イソシアネート反応性成分の0~50重量部の量の第2のポリオールであって、前記第2のポリオールが、1000g/モル~8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシ基を有する公称トリオールである、第2のポリオール、
(iii)前記イソシアネート反応性成分の0~20重量部の量の第3のポリオールであって、前記第3のポリオールが、250g/モル~6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールである、第3のポリオール、および
(iv)前記イソシアネート反応性成分の0~80重量部の量の第4のポリオールであって、前記第4のポリオールが、1000g/モル~13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールである、第4のポリオール、を含み、
前記第2のポリオールが、15~40重量部の前記イソシアネート反応性成分を含み、
成分(ii)、(iii)、および(iv)が、0重量部を超えて存在する、イソシアネート反応性成分と、を含む成分の反応生成物を含むエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項2】
前記第1のポリオールが、30~70重量部の前記イソシアネート反応性成分を含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項3】
前記第1のポリオールが、35~65重量部の前記イソシアネート反応性成分を含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項4】
前記第3のポリオールが、前記イソシアネート反応性成分の0~15重量部の量である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項5】
前記第3のポリオールが、前記イソシアネート反応性成分の0~10重量部の量である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項6】
前記第4のポリオールが、前記イソシアネート反応性成分の0~30重量部の量である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項7】
前記第4のポリオールが、前記イソシアネート反応性成分の0~15重量部の量である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項8】
前記第1のポリオールが、6000g/モルの数平均分子量および1.5~2.0の官能性を有する、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項9】
前記第2のポリオールが、3600g/モルの数平均分子量および2.8~3.0の官能性を有する、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項10】
前記第3のポリオールが、5250g/モルの数平均分子量および3.5~5.0の官能性を有する、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項11】
前記第4のポリオールが、2800~6000g/モルの数平均分子量および2.1~3.0の官能性を有する、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項12】
前記イソシアネート反応性成分が、前記イソシアネート反応性成分の1~30重量部の量の添加剤パッケージをさらに含み、前記添加剤パッケージが、発泡剤、触媒、着色剤、染料、顔料、架橋剤、難燃剤、希釈剤、溶剤、無機充填剤
、酸化防止剤、紫外線安定剤、殺生物剤、接着促進剤、帯電防止剤、離型剤、香料、およびそれらの任意の組み合わせ、から選択される成分を含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項13】
前記イソシアネート反応性成分が、前記イソシアネート反応性成分の0~5重量部の量の界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項14】
前記界面活性剤が、非加水分解性シリコーングリコールコポリマーである、請求項
13に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項15】
前記イソシアネート反応性成分が、前記イソシアネート反応性成分の0~10重量部の量の鎖延長剤をさらに含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項16】
前記鎖延長剤が、1,4-ブタンジオールである、請求項15に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項17】
前記イソシアネート反応性成分が、前記イソシアネート反応性成分の0.1~4重量部の量の化学的発泡剤をさらに含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項18】
前記化学的発泡剤が、水である、請求項17に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項19】
前記イソシアネート反応性成分が、前記イソシアネート反応性成分の0~12重量部の量の物理的発泡剤をさらに含む、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項20】
前記物理的発泡剤が、HCFO-1233zd(E)である、請求項19に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項21】
前記イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーにおいて、前記MMDIが、20~70部の量である、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項22】
前記イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーにおいて、前記PMDIが、20~70部の量である、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項23】
前記イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーにおいて、前記ポリエーテルジオールが、5~30部の量である、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項24】
前記MMDIが、少なくとも97重量%の4,4’-MDIである、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項25】
前記PMDIが、25℃で150~850cpsの粘度および30~32.5のパーセントNCOを有する、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項26】
前記ポリエーテルジオールが、425g/モルの数平均分子量および1.75~2.0の官能性、または6000g/モルの数平均分子量および1.5~2.0の官能性を有する、請求項1に記載の
エラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項27】
ASTM D3574による30%~50%たわみでのフォームの圧縮永久歪み値が、フォーム試料が70℃~150℃で22~100時間圧縮されたとき、40%未満である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項28】
ASTM D3574による30%~50%たわみでのフォーム
の一定たわみ圧縮永久歪み値が、フォーム試料が100℃~130℃で22~100時間圧縮されたとき、40%未満である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項29】
ASTM D3574による前記フォームの引張強度値が、50×0.4536kg(50重量ポンド)/(25.4mm)
2(平方インチ)~285×0.4536kg(285重量ポンド)/(25.4mm)
2(平方インチ)である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項30】
ASTM D3574による前記フォームの引裂強度値が、13×0.4536kg(13重量ポンド)/25.4mm(インチ)~40×0.4536kg(40重量ポンド)/25.4mm(インチ)である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項31】
ASTM D3574による前記フォームの破断点伸び値が、50%~160%である、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項32】
ASTM D3574による前記フォームの引張強度値が、前記フォームが102℃で70時間エージングされたとき、50%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項33】
ASTM D3574による前記フォームの引裂強度値が、前記フォームが102℃で70時間エージングされたとき、30%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項34】
ASTM D3574による前記フォームの破断点伸び値が、前記フォームが102℃で70時間エージングされたとき、50%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項35】
ASTM D3574による前記フォームの引張強度値が、前記フォームが60℃および相対湿度95%で168時間エージングされたとき、35%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項36】
ASTM D3574による前記フォームの引裂強度値が、前記フォームが60℃および相対湿度95%で168時間エージングされたとき、35%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項37】
ASTM D3574による前記フォームの破断点伸び値が、前記フォームが60℃および相対湿度95%で168時間エージングされたとき、35%未満の変化を受ける、請求項1に記載のエラストマーポリウレタンフォーム。
【請求項38】
エラストマーポリウレタンフォームを形成する方法であって、前記方法が、
(a)プレポリマーをポリエーテルジオールと反応させて、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成するステップであって、前記プレポリマーが、MMDIおよび/またはPMDIを含む、形成するステップと、
(b)少なくとも第1のポリオール、第2のポリオール、第3のポリオール、および第4のポリオールをブレンドして、イソシアネート反応性成分を形成するステップと、
(c)前記イソシアネート
官能性ウレタンプレポリマーとイソシアネート反応性成分とを100イソシアネート指数~110イソシアネート指数で混合して、エラストマーポリウレタンフォームを形成するステップと、を含み、
前記第1のポリオールが、10~70重量部の前記イソシアネート反応性成分を含む、1000g/モル~9000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールであり、
前記第2のポリオールが、1000g/モル~8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシを有し、0~50重量部の前記イソシアネート反応性成分を含む公称トリオールであり、
前記第3のポリオールが、250g/モル~6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールであり、0~15重量部の前記イソシアネート反応性成分を含み、
前記第4のポリオールが、1000g/モルおよび13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールであり、0~80重量部の前記イソシアネート反応性成分を含み、
前記第2のポリオールが、15~40重量部の前記イソシアネート反応性成分を含み、
第2のポリオール、第3のポリオール及び第4のポリオールが
、0重量部を超えて存在する、
方法。
【請求項39】
添加剤パッケージを1~30重量部の前記イソシアネート反応性成分とブレンドすることをさらに含み、前記添加剤パッケージが、発泡剤、触媒、着色剤、無機充填剤
、酸化防止剤
、およびそれらの任意の組み合わせ、から選択される成分を含む、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して、改善された高温性能を有するエラストマーポリウレタンフォームおよびそのようなエラストマーポリウレタンフォームを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エラストマーポリウレタンフォームは、エアフィルタガスケット、フィルタシール、フィルタエンドキャップ、および内燃エンジンで使用されるエンジンカバーのような、高温用途に必要とされる多くの材料の製造に一般的に使用される。自動車のエンジン性能を改善する傾向により、エンジン室内の温度がより高くなっている。この温度上昇により、高温での長時間の暴露により耐性がある材料が必要になっている。
【0003】
したがって、改善された高温性能を有するエラストマーポリウレタンフォームが必要であり、そのようなフォームは、既存の製造プロセスおよび容易に入手可能な原材料を使用して製造することができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示の実施形態は、改善された高温性能を有するエラストマーポリウレタンフォームを含み、そのようなフォームは、これらに限定されないが、(a)モノマージフェニルメタンジイソシアネート(MMDI)およびポリマーMDI(PMDI)、ならびにポリエーテルジオールを含む1つ以上のプレポリマーに由来するイソシアネート官能性ウレタンプレポリマーと、(b)イソシアネート反応性成分であって、(i)イソシアネート反応性成分の約10~約70重量部の量の第1のポリオールであって、第1のポリオールが、約1000g/モル~約9000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールである、第1のポリオール、(ii)イソシアネート反応性成分の約0~約50重量部の量の第2のポリオールであって、第2のポリオールが、約1000g/モル~約8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシ基を有する公称トリオールを含む、第2のポリオール、(iii)イソシアネート反応性成分の約0~約20重量部の量の第3のポリオールであって、第3のポリオールが、約250g/モル~約6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールを含む、第3のポリオール、および(iv)イソシアネート反応性成分の約0~約80重量部の量の第4のポリオールであって、第4のポリオールが、約1000g/モル~約13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールである、第4のポリオール、を含み、イソシアネート反応性成分と、を含む成分の反応生成物を含み、成分(ii)、(iii)、および(iv)のうちの少なくとも1つが、約0重量部を超えて存在する、イソシアネート反応性成分を含む。
【0005】
一実施形態では、第1のポリオールは、約30~約70重量部のイソシアネート反応性成分を含む。別の実施形態では、第1のポリオールは、約35~約65重量部のイソシアネート反応性成分を含む。特定の実施形態では、第1のポリオールは、約6000g/モルの数平均分子量および1.5~2.0の官能性を有する。
【0006】
一実施形態では、第2のポリオールは、約0~約45重量部のイソシアネート反応性成分を含む。別の実施形態では、第2のポリオールは、約15~約40重量部のイソシアネート反応性成分を含む。特定の実施形態では、第2のポリオールは、約3600g/モルの数平均分子量および2.8~3.0の官能性を有する。
【0007】
一実施形態では、第3のポリオールは、約0~約15重量部のイソシアネート反応性成分を含む。別の実施形態では、第3のポリオールは、約0~約10重量部のイソシアネート反応性成分を含む。特定の実施形態では、第3のポリオールは、約5250g/モルの数平均分子量および3.5~5.0の官能性を有する。
【0008】
一実施形態では、第4のポリオールは、約0~約30重量部のイソシアネート反応性成分を含む。別の実施形態では、第4のポリオールは、約0~約15重量部のイソシアネート反応性成分を含む。特定の実施形態では、第4のポリオールは、約2800~6000g/モルの数平均分子量および2.1~3.0の官能性を有する。
【0009】
一実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の約1~約30重量部の量の添加剤パッケージをさらに含む。添加剤パッケージは、発泡剤、触媒、着色剤、染料、顔料、架橋剤、難燃剤、希釈剤、溶剤、無機充填剤、界面活性剤、無機充填剤、酸化防止剤、紫外線安定剤、殺生物剤、接着促進剤、帯電防止剤、離型剤、香料、およびそれらの任意の組み合わせとして当業者によって分類されたものから選択される成分を含む。発泡剤は、イソシアネート反応性成分の約0.1~約4重量部の量の化学的発泡剤であり得る。発泡剤はまた、イソシアネート反応性成分の約0~12重量部の量の物理的発泡剤であり得る。化学的発泡剤は、これに限定されないが、水であり得る。物理的発泡剤は、これに限定されないが、HCFO-1233zd(E)であり得る。
【0010】
別の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の約0~約6、さらには約5重量部の量の界面活性剤を含み得る。特定の実施形態では、界面活性剤は、Dabco(登録商標)DC5000、または異なる商品名で入手可能な化学的に同等の代替物であり得る。追加の実施形態では、イソシアネート反応性成分は、イソシアネート反応性成分の約0~約10重量部の量の鎖延長剤を含み得る。特定の実施形態では、鎖延長剤は、1,4-ブタンジオール(BDO)であり得る。
【0011】
一実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成するために使用されるMMDIは、約20~約70部の量であり、MMDIは、少なくとも97重量%の4,4’-MDIである。別の実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成するために使用されるPMDIは、約20~約70部の量であり、PMDIは、25℃で約150~約850cpsの粘度および約30~約32.5のパーセントNCOを有する。さらに別の実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成するために使用されるポリエーテルジオールは、約5~約30部の量であり、ポリエーテルジオールは、約425g/モル~約6000g/モルの数平均分子量および1.2~2.0の官能性を有する。さらなる実施形態では、ポリエーテルジオールは、約425g/モルの数平均分子量および1.75~2.0の官能性、または約6000g/モルの数平均分子量および1.5~2.0の官能性を有する。特定の実施形態では、MMDIは、Lupranate(登録商標)Mであり、PMDIは、Lupranate(登録商標)M20であり、ポリエーテルジオールは、Pluracol(登録商標)410またはPluracol(登録商標)1062である。
【0012】
一実施形態では、複数のプレポリマーを使用して、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1のプレポリマーは、MMDIを含み得、第2のプレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーを含み得る。プレポリマーの比は、最終生成物の所望の特性、すなわち本発明の改善されたエラストマーポリウレタンフォームによって変化し得る。ある種の実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成するために使用される第1のプレポリマーと第2のプレポリマーとの比は、99:1~50:50、または99:1~70:30、80:30、または90:10の比(重量基準で)を含み得る。いくつかの実施形態では、これらの比は、80:20~60:40、または75:25~65:35、または70:30で変わり得る。いくつかの実施形態では、第1のプレポリマーは、第2のプレポリマーと比較して50%以上の量で存在する。
【0013】
一実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの40%たわみでの一定たわみ圧縮永久歪み値は、フォーム試料が約70℃~約150℃で約22~約100時間圧縮されたとき、約40%未満である。別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの約30%~約50%たわみでの一定たわみ圧縮永久歪み値は、フォーム試料が約100℃~約130℃で約22~約100時間圧縮されたとき、約40%未満である。
【0014】
一実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、約50重量ポンド/平方インチ~約285重量ポンド/平方インチである。別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引裂強度値は、約13重量ポンド/インチ~約40重量ポンド/インチである。さらに別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの破断点伸び値は、約50%~約160%である。但し、以降、1ポンド=0.4536kgとし、1インチ=25.4mmとし、1フィート=0.3048mとし、1psi=6894.76Paとして換算するものとする。
【0015】
一実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、フォームが約102℃で約70時間エージングされたとき、約50%未満の変化を受ける。別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引裂強度値は、フォームが約102℃で約70時間エージングされたとき、約30%未満の変化を受ける。さらに別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの破断点伸び値は、フォームが約102℃で約70時間エージングされたとき、約50%未満の変化を受ける。
【0016】
一実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、フォームが約60℃および相対湿度約95%で約168時間エージングされたとき、約35%未満の変化を受ける。別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引裂強度値は、フォームが約60℃および相対湿度約95%で約168時間エージングされたとき、約35%未満の変化を受ける。さらに別の実施形態では、ASTM D3574による本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの破断点伸び値は、フォームが約60℃および相対湿度約95%で約168時間エージングされたとき、約35%未満の変化を受ける。
【0017】
また、エラストマーポリウレタンフォームを形成する方法が開示され、本方法は、MMDIおよびPMDIをポリエーテルジオールと反応させて、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを形成することと、少なくとも第1のポリオール、第2のポリオール、第3のポリオール、および第4のポリオールをブレンドして、イソシアネート反応性成分を形成することと、イソシアネートプレポリマーとイソシアネート反応性成分とを約100イソシアネート指数~約110イソシアネート指数で混合して、エラストマーポリウレタンフォームを形成することと、を含み、第1のポリオールが、約10~約70重量部のイソシアネート反応性成分を含む約1000g/モル~約9000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールであり、第2のポリオールが、約1000g/モル~約8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシ基を有し、約0~約50重量部のイソシアネート反応性成分を含む公称トリオールであり、第3のポリオールが、約250g/モル~約6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールであり、約0~約15重量部のイソシアネート反応性成分を含み、第4のポリオールが、約1000g/モル~約13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールであり、約0~約80重量部のイソシアネート反応性成分を含む。
【0018】
その他の特徴および利点は、以下の「発明を実施するための形態」から明らかになり得る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示のエラストマーポリウレタンフォームは、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分との反応生成物を含む。本明細書で使用されるとき、「イソシアネート成分」という用語は、モノマージフェニルメタンジイソシアネート(MMDI)に限定されず、すなわち、イソシアネート成分は、MMDIおよびポリマーポリイソシアネート(PMDI)を含み得ることを理解されたい。加えて、本明細書で使用されるとき、「イソシアネート成分」という用語は、イソシアネート末端準プレポリマー、または一般的にプレポリマーと呼ばれるこれらの材料を包含する。特定の実施形態では、プレポリマー、例えば、過剰なイソシアネートと反応したポリオールは、本開示におけるイソシアネート成分として利用され得る。イソシアネート成分としては、これらに限定されないが、4,4’-MDI、2,4’-MDI、PMDI、(4,4’-MDI、PMDI、2,4’-MDIから構築された)プレポリマー、カルボジイミド変性イソシアネート、ビウレット変性イソシアネート、アロファネート変性イソシアネート、およびそれらの組み合わせが挙げられ得る。一実施形態では、イソシアネート成分は、n官能性イソシアネートを含み、「n」は、2~5、2~4、または3~4の数であり得る。「n」は整数であり得るか、または2~5の中間値を有し得ることが理解されるべきである。イソシアネート成分はまた、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、およびそれらの組み合わせの群から選択されるイソシアネートを含み得る。別の実施形態では、イソシアネート成分は、ヘキサメチレンジイソシアネート、H12MDI、およびそれらの組み合わせなどの脂肪族イソシアネートを含む。イソシアネート成分が脂肪族イソシアネートを含む場合、イソシアネート成分はまた、変性された多価脂肪族イソシアネート、すなわち、脂肪族ジイソシアネートおよび/または脂肪族ポリイソシアネートの化学反応を通して得られる生成物を含み得る。例としては、これらに限定されないが、尿素、ビウレット、アロファネート、カルボジイミド、ウレトニミン、イソシアヌレート、ウレタン基、二量体、三量体、およびそれらの組み合わせが挙げられる。イソシアネート成分はまた、これらに限定されないが、個別に、またはポリオキシアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレンポリオクスエチレングリコール(polyoxypropylenepolyoxethylene glycols)、ポリエステロール、ポリカプロラクトン、およびそれらの組み合わせとの反応生成物中に用いられる変性ジイソシアネートを含み得る。
【0020】
あるいは、イソシアネート成分は、芳香族イソシアネートを含み得る。イソシアネート成分が芳香族イソシアネートを含む場合、芳香族イソシアネートは、式R’(NCO)zに対応し得、式中、R’は、芳香族であり、zは、R’の価数に対応する整数である。好ましくは、zは、少なくとも2である。芳香族イソシアネートの好適な例としては、これらに限定されないが、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、1,4-ジイソシアナトベンゼン、1,3-ジイソシアナト-o-キシレン、1,3-ジイソシアナト-p-キシレン、1,3-ジイソシアナト-m-キシレン、2,4-ジイソシアナト-1-クロロベンゼン、2,4-ジイソシアナト-1-ニトロベンゼン、2,5-ジイソシアナト-1-ニトロベンゼン、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート、2,4-トルエンジイソシアネートと2,6-トルエンジイソシアネートとの混合物、1,5-ナフタレンジイソシアネート、1-メトキシ-2,4-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ビフェニレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネートポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートおよび2,4,6-トルエントリイソシアネートなどのトリイソシアネート、4,4’-ジメチル-2,2’-5,5’-ジフェニルメタンテトライソシアネートなどのテトライソシアネート、トルエンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、それらの対応する異性体混合物、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。あるいは、芳香族イソシアネートとしては、m-TMXDIと1,1,1-トリメチロールプロパンとのトリイソシアネート生成物、トルエンジイソシアネートと1,1,1-トリメチロールプロパンとの反応生成物、およびそれらの組み合わせが挙げられ得る。一実施形態では、イソシアネート成分は、メチレンジフェニルジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、H12MDI、およびそれらの組み合わせの群から選択されるジイソシアネートを含む。
【0021】
プレポリマーを調製するために使用されるイソシアネート成分は、任意のパーセントNCO含有量および任意の粘度を有し得る。いくつかの非限定的なパーセントNCO値は、約1~約60、約5~約50、約10~約40、約20~約35、約30~約60、約1~約32.5、または約30~約32.5であり得る。プレポリマーを調製するために使用されるイソシアネート成分としては、MMDI、PMDI、およびそれらの組み合わせが挙げられ得る。25℃でのイソシアネートのいくつかの非限定的な粘度値は、約0~約8000cps、約0~約5000cps、約50~約4000cps、約100~約3000cps、約120~約1500cps、約150~約5000cps、約0~約850cps、または約150~約850cpsである。イソシアネート成分はまた、当業者によって決定されるように、任意の量でポリオールおよび/または鎖延長剤と反応し得る。特定の実施形態では、本開示で使用されるイソシアネートは、商品名Lupranate(登録商標)Mおよび/またはLupranate(登録商標)M20であり得る。
【0022】
次いで、プレポリマーは、ウレタンフォームを調製するために使用され、プレポリマーは、任意のパーセントNCO含有量および任意の粘度を有し得る。プレポリマー成分はまた、当業者によって決定されるように、任意の量で樹脂および/または鎖延長剤と反応し得る。好ましくは、イソシアネート成分、ならびに樹脂および/または鎖延長剤は、約95~約130、または約100~約115のイソシアネート指数で反応する。イソシアネート指数は、ポリオール(複数可)と反応したイソシアネート(複数可)の実際のモル量と、当量のモル量のポリオール(複数可)と反応するのに必要なイソシアネート(複数可)の化学量論的モル量との比である。一実施形態では、市販のイソシアネートを使用することができる。
【0023】
一実施形態では、複数のプレポリマーを使用して、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成することができる。いくつかの実施形態では、例えば、第1のプレポリマーは、MMDIを含み得、第2のプレポリマーは、ポリエーテルプレポリマーを含み得る。別の例では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーは、PMDI/MMDI-P410プレポリマー(例えば、Elastofoam 24050T)およびMMDI-P410/DEGプレポリマー(例えば、Elastofoam MP102)などのポリエーテルプレポリマーを含み得る。プレポリマーの比は、最終生成物の所望の特性、すなわち本発明の改善されたエラストマーポリウレタンフォームの耐熱性によって変化し得る。ある種の実施形態では、イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーを生成するために使用される第1のプレポリマーと第2のプレポリマーとの比は、99:1~50:50、または99:1~70:30、80:30、または90:10の比(重量基準で)を含み得る。いくつかの実施形態では、これらの比は、80:20~60:40、または75:25~65:35、または70:30で変わり得る。いくつかの実施形態では、第1のプレポリマーは、第2のプレポリマーと比較して50%以上の量で存在する。
【0024】
本開示のイソシアネート反応性成分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を含み得る。当技術分野で知られているように、ポリエーテルポリオールは、典型的には、開始剤とアルキレンオキシドとの反応から形成される。好ましくは、開始剤は、脂肪族開始剤、芳香族開始剤、およびそれらの組み合わせの群から選択される。一実施形態では、開始剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、ブテンジオール、ブチンジオール、キシリレングリコール、アミレングリコール、1,4-フェニレン-ビス-β-ヒドロキシエチルエーテル、1,3-フェニレン-ビス-β-ヒドロキシエチルエーテル、ビス-(ヒドロキシ-メチル-シクロヘキサン)、チオジグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、α-メチルグルコシド、ペンタエリスリトール、ソルビトール、アニリン、o-クロロアニリン、p-アミノアニリン、1,5-ジアミノナフタレン、メチレンジアニリン、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合生成物、2,3-、2,6-、3,4-、2,5-、および2,4-ジアミノトルエンおよび異性体混合物、メチルアミン、トリイソプロパノールアミン、エチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノブタン、1,4-ジアミノブタン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサレンジアミン、フェニレンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、3,3’-ジクロロベンジジン、3,3’-およびジニトロベンジジン、エタノールアミン、アミノプロピルアルコール、2,2-ジメチルプロパノールアミン、3-アミノシクロヘキシルアルコール、およびp-アミノベンジルアルコールを含むアルカノールアミン、ならびにそれらの組み合わせの群から選択される。当技術分野で知られている任意の好適な開始剤は、本開示で使用することができると企図される。
【0025】
好ましくは、開始剤と反応してポリエーテルポリオールを形成するアルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、アミレンオキシド、テトラヒドロフラン、アルキレンオキシド-テトラヒドロフラン混合物、エピハロヒドリン、アラルキレンオキシド、およびそれらの組み合わせの群から選択される。より好ましくは、アルキレンオキシドは、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、およびそれらの組み合わせの群から選択される。最も好ましくは、アルキレンオキシドは、エチレンオキシドを含む。しかしながら、当技術分野で知られている任意の好適なアルキレンオキシドは、本開示で使用することができることも企図される。
【0026】
ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオールの総重量に基づいて、約3~約25重量%のエチレンオキシドキャップを含み得る。任意の特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、エチレンオキシドキャップは、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応速度の増加を促進すると考えられている。いくつかの実施形態では、エチレンオキシドは、約1~約90、さらには約3~約75モルパーセントのエチレンオキシドの割合で、ポリオールのポリマー鎖全体にわたってランダムに分布している。
【0027】
ポリエーテルポリオールは、ポリエーテルポリオールの総重量に基づいて、約3~約25重量%のプロピレンオキシドキャップを含み得る。他の実施形態では、ポリエーテルポリオールは、アルコキシル化剤としてのプロピレンオキシドのみで構成され得る。任意の特定の理論に束縛されることを意図するものではないが、プロピレンオキシドキャップは、ポリエーテルポリオールとイソシアネートとの反応速度を低下させると考えられている。いくつかの実施形態では、プロピレンオキシドでキャップされたポリオールは、ポリオールのポリマー鎖中にランダムに分布したエチレンオキシドを約2~25、さらには約2~15モルパーセントのエチレンオキシドの割合で含有する。
【0028】
ポリエーテルポリオールはまた、18~10,000g/モルの数平均分子量を有し得る。さらに、ポリエーテルポリオールは、15~6、250mgKOH/gのヒドロキシル価を有し得る。ポリエーテルポリオールはまた、2~8の公称官能性を有し得る。さらに、さらに、ポリエーテルポリオールはまた、カルボキシル基、アミン基、カルバメート基、アミド基、およびエポキシ基の群から選択される有機官能基を含み得る。
【0029】
ここで、上記で導入されたポリエステルポリオールを参照すると、ポリエステルポリオールは、ポリカプロラクトンエステルであるか、またはジカルボン酸と少なくとも1つの第一級ヒドロキシル基を有するグリコールとの反応から生成され得る。好適なジカルボン酸は、これらに限定されないが、アジピン酸、メチルアジピン酸、コハク酸、スベリン酸、セバシン酸、シュウ酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、およびそれらの組み合わせの群から選択され得る。好適なグリコールとしては、これらに限定されないが、上述のものが挙げられる。
【0030】
ポリエステルポリオールはまた、80~1500g/モルの数平均分子量を有し得る。さらに、ポリエステルポリオールは、40~600mgKOH/gのヒドロキシル価を有し得る。ポリエステルポリオールはまた、2~8の公称官能性を有し得る。さらに、さらに、ポリエステルポリオールはまた、カルボキシル基、アミン基、カルバメート基、アミド基、およびエポキシ基の群から選択される有機官能基を含み得る。
【0031】
第1のポリオールは、約6000g/モルの数平均分子量および1.5~2.0の官能性を有することができる。本開示におけるイソシアネート反応性成分に使用される第1のポリオールの1つの非限定的で代表的な例は、Pluracol(登録商標)1062ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約9000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールである。Pluracol(登録商標)1062のいくつかの非限定的な有効量は、イソシアネート反応性成分の約1~約99重量部、約5~約90重量部、約10~約80重量部、約10~約70重量部、約20~約75重量部、約30~約70重量部、約35~約65重量部、約35~約99重量部、および約1~約65重量部である。
【0032】
第2のポリオールは、約3600g/モルの数平均分子量および2.8~3.0の官能性を有することができる。第2のポリオールの1つの非限定的で代表的な例は、Pluracol(登録商標)593ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシ基を有する公称トリオールである。Pluracol(登録商標)593のいくつかの非限定的な有効量は、イソシアネート反応性成分の約0~約99重量部、約0~約90重量部、約0~約80重量部、約0~約70重量部、約0~約50重量部、約0~約45重量部、約15~約40重量部、約15~約99重量部、および約0~約40重量部である。
【0033】
第3のポリオールは、約5250g/モルの数平均分子量および3.5~5.0の官能性を有することができる。第3のポリオールの1つの非限定的で代表的な例は、Lupranol(登録商標)2010/1であり、これは、約250g/モル~約6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールである。Lupranol(登録商標)2010/1のいくつかの非限定的な有効量は、イソシアネート反応性成分の約0~約99重量部、約0~約90重量部、約0~約80重量部、約0~約70重量部、約0~約50重量部、約0~約20重量部、約0~約15重量部、および約0~約10重量部である。
【0034】
第4のポリオールは、約2800~6000g/モルの数平均分子量および2.1~3.0の官能性を有することができる。第4のポリオールの1つの非限定的で代表的な例は、Pluracol(登録商標)2097ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称トリオールである。Pluracol(登録商標)2097ポリオールのいくつかの非限定的な有効量は、イソシアネート反応性成分の約0~約99重量部、約0~約90重量部、約0~約80重量部、約0~約70重量部、約0~約50重量部、約0~約30重量部、約0~約15重量部、約0~約10重量部、および約0~約5重量部である。
【0035】
第4のポリオールの別の非限定的で代表的な例は、Pluracol(登録商標)4156ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約13000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールである。Pluracol(登録商標)4156ポリオールのいくつかの非限定的な有効量は、イソシアネート反応性成分の約0~約99重量部、約0~約90重量部、約0~約80重量部、約0~約70重量部、約0~約50重量部、約0~約30重量部、約0~約15重量部、約0~約10重量部、および約0~約5重量部である。
【0036】
本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームはまた、添加剤成分パッケージを含有し得る。特定の実施形態では、添加剤成分は、イソシアネート反応性成分中に使用することができる。添加剤成分は、これらに限定されないが、界面活性剤、触媒ブロッキング剤、発泡剤、着色剤、染料、顔料、架橋剤、難燃剤、希釈剤、溶媒、無機充填剤、触媒、抗酸化剤などの特殊機能剤、紫外線安定剤、殺生物剤、接着促進剤、帯電防止剤、離型剤、香料、およびこれらの群の組み合わせの群から選択することができる。利用されるとき、添加剤成分は、イソシアネート反応性成分中に存在する100部の全ポリオールに基づいて、1超~約30、より典型的には約1~約20重量部の量でイソシアネート反応性成分中に存在することができる。
【0037】
難燃性添加剤を使用して、難燃性を示すエラストマーポリウレタンフォームを生成することができる。例えば、アルミニウム三水和物などの鉱物;ヒドロキシメチルホスポニウム塩(hydroxymethyl phosponium salts)などの塩;リン化合物;リン酸化エステル;ならびに臭素および/または塩素を含有するものなどのハロカーボンまたは他のハロゲン化化合物を含む難燃性添加剤は、イソシアネート反応性成分中に含まれ得る。
【0038】
3~6の範囲の公称官能性を有する架橋剤を使用して、本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームを生成することができる。一実施形態では、架橋剤は、イソシアネート反応性成分中に使用することができる。架橋剤は、一般に、エラストマーポリウレタンフォームのコポリマーセグメント間の相分離を可能にすることができる。すなわち、エラストマーポリウレタンフォームは、典型的には、硬質尿素コポリマーセグメントおよび軟質ポリオールコポリマーセグメントのどちらも含む。架橋剤は、典型的には、硬質尿素コポリマーセグメントを軟質ポリオールコポリマーセグメントに化学的および物理的に連結する。したがって、架橋剤は、典型的には、イソシアネート反応性成分中に存在して、硬度を変性し、安定性を高め、エラストマーポリウレタンフォームの収縮を低減する。利用されるとき、架橋剤は、イソシアネート反応性成分中に存在する100重量部の全ポリオールに基づいて、0超~約5、より典型的には約0.25~約3重量部の量でイソシアネート反応性成分中に存在することができる。
【0039】
添加剤成分の触媒成分を使用して、現在の開示におけるエラストマーポリウレタンフォームを生成することができる。例示的な触媒としては、これらに限定されないが、N,N-ジメチルエタノールアミン(DMEA)、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビス(N,N-ジメチルアミノエチル)エーテル(BDMAFE)、N,N,N’,N’,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン(PDMAFE)、1,4-ジアザジシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、2-(2-ジメチルアミノエトキシ)-エタノール(DMAFE)、2-((2-ジメチルアミノエトキシ)-エチルメチル-アミノ)エタノール、1-(ビス(3-ジメチルアミノ)-プロピル)アミノ-2-プロパノール、N,N’,N”-トリス(3-ジメチルアミノ-プロピル)ヘキサヒドロトリアジン、ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)、N.N-ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N”,N”-ペンタアメチルジプロピレントリアミン(pentaamethyldipropylenetriamine)、Ν,Ν’-ジエチルピペラジン(diethylpiperaztne)などが挙げられる。特に、立体障害の第一級、第二級、または第三級アミンが使用され、これらに限定されないが、ジシクロヘキシルメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルイソプロピルベンジルアミン、メチルシクロペンチルベンジルアミン、イソプロピル-sec-ブチル-トリフルオロエチルアミン、ジエチル-(o-フェニエチル)アミン(diethyl-(o-phenyethyl)amine)、トリ-n-プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、t-ブチルイソプロピルアミン、ジ-t-ブチルアミン、シクロヘキシル-t-ブチルアミン、デ-sec-ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジ-(a-トリフルオロメチルエチル)アミン、ジ-(α-フェニルエチル)アミン、トリフェニルメチルアミン、および1,1,-ジエチル-n-プロピルアミンが挙げられ得る。他の立体障害アミンは、モルホリン、イミダゾール、ジモルホリノジエチルエーテルなどのエーテル含有化合物、N-エチルモルホリン、N-メチルモルホリン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル(bis(dimethylaminoefhyl)ether)、イミジゾール(imidizole)、n-メチルイミダゾール、1,2-ジメチルイミダゾール、ジモルホリノジメチルエーテル、N,N,N,,N’,N”,N”-ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’,N”,N”-ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(ジエチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテル、またはそれらの組み合わせである。非アミン触媒としては、これらに限定されないが、オクタン酸第一スズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、メルカプチドジブチルスズ、プロピオン酸フェニル水銀、オクタン酸鉛、酢酸カリウム/オクタン酸カリウム、第四級アンモニウムギ酸塩、アセチルアセトン酸第二鉄、およびそれらの混合物が挙げられる。触媒の使用レベルは、イソシアネート反応性成分の約0.05~約4.00重量%、約0.15~約3.60重量%、または約0.40~約2.60重量%の量であり得る。特定の実施形態では、触媒成分は、イソシアネート反応性成分中に存在して、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分との間のエラストマーポリウレタンフォーミング反応を触媒することができる。触媒成分は、典型的には、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分との反応生成物を形成するために消費されないが、イソシアネート基と反応することができる活性水素基を含有し得ることを理解されたい。すなわち、触媒成分は、典型的には、エラストマーポリウレタンフォーミング反応に関与するが、それによって消費されることはない。触媒成分は、当技術分野で知られている任意の好適な触媒または触媒の混合物を含み得る。本開示の目的に好適な触媒成分は、Evonik Industries(Parsippany、New Jersey)から市販されているDabco(登録商標)8154およびDabco(登録商標)1027である。
【0040】
添加剤成分は、エラストマーポリウレタンフォームのセル構造を制御し、エラストマーポリウレタンフォームの表面構造に影響を与え、イソシアネート反応性成分中の成分の混和性および得られたエラストマーポリウレタンフォームの安定性を改善するために使用することができる界面活性剤をさらに含み得る。好適な界面活性剤としては、シリコーンおよびノニルフェノールエトキシレートなどの当技術分野で知られている任意の界面活性剤が挙げられる。一実施形態では、界面活性剤は、ポリシリコーンポリマーであり得る。特定の実施形態では、ポリシリコーンポリマーは、ポリジメチルシロキサン-ポリオキシアルキレンブロックコポリマーである。界面活性剤は、イソシアネート反応性成分中に存在する場合、イソシアネート反応性成分の要件によって選択することができる。利用されるとき、界面活性剤は、イソシアネート反応性成分中に存在する100重量部の全ポリオールに基づいて、約0~約6、約0~約5、約0.5~約6、さらには約0.5~5重量部の量でイソシアネート反応性成分中に存在することができる。本開示の目的のための界面活性剤の特定の例は、Evonik Industries(Parsippany、New Jersey)から市販されているDabco(登録商標)DC5000である。
【0041】
添加剤成分は、ブロッキング剤をさらに含み得る。ブロッキング剤は、クリーム時間を遅らせ、エラストマーポリウレタンフォームの硬化時間を増加させるために使用することができる。好適なブロッキング剤としては、当技術分野で知られている任意のブロッキング剤が挙げられる。特定の実施形態では、ブロッキング剤は、これに限定されるが、2-エチルヘキサン酸のような有機酸であり得る。当業者は、典型的には、イソシアネート成分の反応性によってブロッキング剤を選択し、これらのブロッキング剤は、典型的には、選択された触媒の不可欠な部分として導入される。
【0042】
イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分は、発泡剤の存在下で反応して、エラストマーポリウレタンフォームを生成することができる。当技術分野で知られているように、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分との間のエラストマーポリウレタンフォーミング反応中、発泡剤は、エラストマーポリウレタンフォーム中に気泡空隙を形成するガスの放出を促進する。発泡剤は、物理的発泡剤、化学的発泡剤、またはそれらの物理的発泡剤と化学的発泡剤との組み合わせであり得る。
【0043】
物理的発泡剤という用語は、イソシアネート成分および/またはイソシアネート反応性成分と化学的に反応して発泡ガスをもたらさない発泡剤を指す。物理的発泡剤は、ガスまたは液体であり得る。液体の物理的発泡剤は、典型的には、加熱すると蒸発してガスになり、フォームのセルが開放すると、得られたエラストマーポリウレタンフォームから蒸発する。本開示の目的に好適な物理的発泡剤としては、液体二酸化炭素(CO2)、HCFC、HFO、ペンタンおよびすべてのその異性体、アセトン、同伴空気、他の不活性ガス、またはそれらの組み合わせが挙げられ得る。最も典型的な物理的発泡剤は、典型的には、これに限定されないが、トランス-1-クロロ-3,3,3-トリフルオロプロピレン(HCFO-1233zd(E))のようにオゾン層破壊係数がゼロである。
【0044】
化学的発泡剤という用語は、イソシアネート成分または他の成分と化学的に反応してフォーミング用のガスを放出する発泡剤を指す。主題の開示の目的に好適な化学的発泡剤の例としては、これらに限定されないが、ギ酸、ギ酸メチル、水、およびそれらの組み合わせが挙げられる。発泡剤は、典型的には、イソシアネート反応性成分中に存在する100重量部の全ポリオールに基づいて、約0.5~約20重量部の量でイソシアネート反応性成分中に存在する。
【0045】
物理的および化学的発泡剤を組み合わせて使用できることも理解できるはずである。そのような組み合わせとしては、これらに限定されないが、水および同伴空気が挙げられ得る。
【0046】
イソシアネート反応性成分はまた、鎖延長剤を含むことができる。有用な活性水素含有鎖延長剤は、一般に、少なくとも2つの活性水素基、例えば、ジオール、ジチオール、ジアミン、またはとりわけ、アルカノールアミン、アミノアルキルメルカプタン、およびヒドロキシアルキルメルカプタンなどのヒドロキシル基、チオール基、およびアミン基の混合物を有する化合物を含有する。鎖延長剤の分子量は、好ましくは約60~約400の範囲である。ポリウレタン系樹脂を構築する構造単位である鎖延長剤は、好ましくは、低分子量ジオールおよび低分子量ジアミンから少なくとも1つ以上選択される。鎖延長剤は、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、およびそれらの組み合わせなど、分子内にヒドロキシル基およびアミノ基のどちらも有する物質であり得る。
【0047】
延長剤として使用することができる好適なジオールの非限定的な例としては、エチレングリコール、ならびにジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびテトラエチレングリコールを含むエチレングリコールの高級オリゴマー;プロピレングリコール、ならびにジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、およびテトラプロピレングリコールを含むプロピレングリコールの高級オリゴマー;シクロヘキサンジメタノール、1,6-ヘキサンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキノンおよびレゾルシノールのビス(2-ヒドロキシエチル)エーテルなどのジヒドロキシアルキル化芳香族化合物;p-キシレン-α、α’-ジオール;p-キシレン-α,α’-ジオールのビス(2-ヒドロキシエチル)エーテル;m-キシレン-α,α’-ジオール、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。特定の実施形態では、鎖延長剤は、1,4-ブタンジオール(BDO)である。
【0048】
少なくとも2つの芳香族アミン基を含有する有機化合物の非限定的な例は、100~1,000の分子量を有する芳香族ジアミン鎖延長剤として使用することができる。アミン鎖延長剤は、排他的に、芳香族に結合した第一級または第二級(好ましくは第一級)アミノ基を含有し、好ましくは置換基も含有することができる。そのようなジアミンの例にとしては、1,4-ジアミノベンゼン;2,4-および/または2,6-ジアミノトルエン;2,4’-および/または4,4’-ジアミノジフェニルメタン;3,3’-ジメチル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン;3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン(MOCA);3,5-ジメチルチオトルエン-2,4-および/または-2,6-ジアミン;1,3,5-トリエチル-2,4-ジアミノベンゼン;1,3,5-トリイソプロピル-2,4-ジアミノベンゼン;1-メチル-3,5-ジエチル-2,4-および/または-2,6-ジアミノベンゼン(3,5-ジエチルトルエン-2,4-および/もしくは-2,6-ジアミン、またはDETDAとしても知られている);4,6-ジメチル-2-エチル-1,3-ジアミノベンゼン;3,5,3’,5’-テトラエチル-4,4-ジアミノジフェニルメタン;3,5,3’,5’-テトライソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン;3,5-ジエチル-3’,5’-ジイソプロピル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン;2,4,6-トリエチル-m-フェニレンジアミン(TEMPDA);3,5-ジイソプロピル-2,4-ジアミノトルエン;3,5-ジ-sec-ブチル-2,6-ジアミノトルエン;3-エチル-5-イソプロピル-2,4-ジアミノトルエン;4,6-ジイソプロピル-m-フェニレンジアミン;4,6-ジ-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン;4,6-ジエチル-m-フェニレンジアミン;3-イソプロピル-2,6-ジアミノトルエン;5-イソプロピル-2,4-ジアミノトルエン;4-イソプロピル-6-メチル-m-フェニレンジアミン;4-イソプロピル-6-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン;4-エチル-6-イソプロピル-m-フェニレンジアミン;4-メチル-6-tert-ブチル-m-フェニレンジアミン;4,6-ジ-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン;4-エチル-6-tertブチル-m-フェニレンジアミン;4-エチル-6-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン;4-エチル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン;4-イソプロピル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン;4-イソプロピル-6-sec-ブチル-m-フェニレンジアミン;4-tert-ブチル-6-イソブチル-m-フェニレンジアミン;4-シクロペンチル-6-エチル-m-フェニレンジアミン;4-シクロヘキシル-6-イソプロピル-m-フェニレンジアミン;4,6-ジシクロペンチル-m-フェニレンジアミン;2,2’,6,6’-テトラエチル-4,4’-メチレンビスアニリン;2,2’,6,6’-テトライソプロピル-4,4’-メチレンビスアニリン(メチレンビスジイソプロピルアニリン);2,2’,6,6’-テトラ-sec-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン;2,2’-ジメチル-6,6’-ジ-tert-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン;2,2’-ジ-tert-ブチル-4,4’-メチレンビスアニリン;ならびに2-イソプロピル-2’,6’-ジエチル-4,4’-メチレンビスアニリンが挙げられる。そのようなジアミンは、当然、混合物として使用することもできる。
【0049】
イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分は、典型的には、約90以上、より典型的には約100以上のイソシアネート指数で反応する。イソシアネート指数という用語は、イソシアネート成分中のNCO基とイソシアネート反応性成分中のイソシアネート反応性基との比に100を乗算したものとして定義される。本開示のエラストマーポリウレタンフォームは、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合して、室温またはわずかに高い温度、例えば15~45℃で混合物を形成することによって生成することができる。エラストマーポリウレタンフォームが型内で生成されるある種の実施形態では、イソシアネート成分およびイソシアネート反応性成分を混合して、混合物を型内に配置する前に混合物を形成することができることを理解されたい。例えば、混合物は開放型に注ぎ込まれ得るか、または混合物は閉鎖型に注入され得る。これらの実施形態では、エラストマーポリウレタンフォーミング反応が完了すると、エラストマーポリウレタンフォームは型の形状を取る。エラストマーポリウレタンフォームは、例えば、低圧成形機、低圧スラブストックコンベヤシステム、多成分機を含む高圧成形機、高圧スラブストックコンベヤシステム内で、および/または手で混合することによって生成することができる。そのような実施形態では、記載された材料は、処理され得、例えば約20~約70、または約20~約60℃の温度で成形され得る。
【0050】
ある種の実施形態では、エラストマーポリウレタンフォームは、細長い長方形または円形の形状を有するエラストマーポリウレタンフォームを形成することができるスラブストックコンベヤシステム内で生成または配置することができる。当技術分野で知られているように、スラブストックコンベヤシステムは、個々の成分、例えば、イソシアネート成分とイソシアネート反応性成分とを混合するための機械的混合ヘッドと、エラストマーポリウレタンフォーミング反応を含有するためのトラフと、エラストマーポリウレタンフォームの上昇および硬化のための移動コンベヤと、膨張するエラストマーポリウレタンフォームを移動コンベヤ上へと導くためのフォールプレートユニットと、を含むことができる。
【0051】
以下の理論に束縛されることを意図するものではないが、本開示における配合物は、改善された高温圧縮永久歪み性能および維持された並外れた引張強度、引裂強度、破断点伸び、ならびに他の物理的特性をもたらす。任意の特定の理論に拘束されることを望むものではないが、得られたエラストマーポリウレタンフォームは、約2~約3、約2.1~約2.9、約2.2~約2.8、約2.3~約2.6の架橋密度を有するため、改善された品質を有すると考えられる。各架橋点間の平均分子量は、約100~約1000g/モル、約200~約900g/モル、約250~約650g/モルであり、ポリマーアセンブリは、得られたポリマーマトリックスの結晶化度を制御するように設計されている。この結晶化度の制御は、ほとんどの場合、イソシアネート反応性成分およびイソシアネート成分中のポリオール成分の選択を通して確立される。
【0052】
本開示のエラストマーフォームの密度は、1立方フィート当たり4~40ポンドであり、ASTM D792の方法Aに従って、約25℃および相対湿度(RH)50%で決定することができる。
【0053】
本開示のエラストマーフォームはまた、ASTM D3574に従って、圧縮永久歪みおよび圧縮力たわみ(CFD)についてそれぞれ評価される。圧縮永久歪みは、フォーム内の気泡構造の屈曲または崩壊による、圧縮後のフォームの元の高さの永続的な部分的損失の尺度である。圧縮永久歪みは、フォームを90%、すなわち元の厚さの10%まで圧縮し、そのような圧縮下でフォームを70~150℃で22~約100時間保持することによって測定される。圧縮永久歪みは、元の圧縮の割合として表される。最後に、CFDは、フォームの耐荷重性能の尺度であり、試料よりも大きい平らな圧縮脚でフォームを圧縮することによって測定される。CFDは、平らな圧縮脚によって加えられる力の量であり、典型的には、フォームの25%、40%、50%、および/または65%の圧縮で表される。
【0054】
試料は、ASTMD3574に従って、引張強度および伸びについて試験される。引張強度および伸びの特性は、製造またはアセンブリ作業中の取り扱いに耐えるフォームの能力を説明する。具体的には、引張強度は、フォームを破断点まで伸ばすために必要なポンド/立方インチでの力である。伸びは、フォームが破断する前に元の長さから伸びた、パーセントの尺度である。
【0055】
試料は、ASTM D3574に従って、引裂強度について試験される。引裂強度は、張裂または破断が開始された後のエラストマーポリウレタンフォームにおける引裂を継続するために必要な力の尺度であり、ポンド/インチ(ppi)で表される。
【0056】
ショアA硬度試験は、ASTM D2240に従って、試料の硬度を測定する。この試験は、指定の条件下で材料の中に押し付けたときの特定のタイプの圧子の貫入に基づいている。押し込み硬さは、貫入に反比例し、フォーム試料の弾性率および粘弾性挙動に依存する。
【0057】
ここで、本開示を示す特定の実施例を参照する。例示的な実施形態を示すために実施例が提供され、それによって本開示の範囲への限定が意図されていないことを理解されたい。
【実施例】
【0058】
実施例1
ポリオールブレンドの実施例
清潔な容器にポリオール成分を充填する。撹拌を開始し、バッチ手順全体を通して継続する。水を除く残りのすべての成分を、順次追加する。容器内の成分を、少なくとも30分間ブレンドする。ブレンドの試料を取り出し、カールフィッシャー滴定を介して水分含有量を試験する。計算した量の水を容器に添加して、所望の水位を達成する。次いで、ブレンドを最低30分間撹拌する。下記の表1および表2に示すように、ポリオールブレンドの実施例1~14は、このプロトコルに基づいて作製される。表1は、ポリオールブレンドの実施例1~8を対象としたグループAを示す。表2は、ポリオールブレンドの実施例9~14を対象としたグループBを示す。グループBは、ポリオールD(Pluracol(登録商標)2097ポリオール)またはポリオールE(Pluracol(登録商標)4156ポリオール)を含有していない。
【表1】
【0059】
ポリオールAは、Pluracol(登録商標)1062ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約9000g/モルの数平均分子量を有するプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドでキャップされた公称ジオールであり、ポリオールBは、Pluracol(登録商標)593ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約8000g/モルの数平均分子量を有するランダムに分散した高比率のエトキシ基を有する公称トリオールであり、ポリオールCは、Lupranol(登録商標)2010/1であり、これは、約250g/モル~約6000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称テトラオールであり、ポリオールDは、Pluracol(登録商標)2097ポリオールであり、これは、約1000g/モル~約13000g/モルの数平均分子量を有するエチレンオキシドでキャップされた公称トリオールであり、ポリオールEは、約5000g/モルの数平均分子量を有するPluracol(登録商標)4156ポリオールであり、ポリオールE*は、約12000g/モルの数平均分子量を有するPluracol(登録商標)4156ポリオールであり、これは、プロピレンオキシドでキャップされた公称トリオールである。触媒Aは、ブロックされた第三級アミンであるDabco(登録商標)8154であり、触媒Bは、エチレングリコール中で希釈した遅延活性第三級アミンであるDabco(登録商標)1027である。界面活性剤は、非加水分解性シリコーングリコールコポリマーであるDabco(登録商標)DC5000である。鎖延長剤は、BDOである。発泡剤は、水である。
【表2】
【0060】
ポリオールブレンド試料のヒドロキシル官能性を比較するとき、鎖延長剤BDOを、等式から除外する。概して、グループAは、テトロールであるポリオールC(Lupranol(登録商標)2010/1)のより高い比率により、グループBと比較してより高い官能性を示す。ヒドロキシル官能性が高いほど、架橋密度がより高くなり、高温性能の改善に寄与し得る。
【0061】
実施例2
イソシアネート官能性ウレタンプレポリマーの実施例
PMDI(Lupranate(登録商標)M20)を清潔な反応容器の中に添加する。撹拌を開始し、作業全体を通して継続する。反応容器を、約57~約63℃に加熱する。次いで、溶融したMMDI(Lupranate(登録商標)M)を、容器に添加する。次いで、ポリオールを約30分間にわたって一定速度で添加し、反応混合物の温度を監視し、約80℃を超えないように制御する。反応を約77~約83℃で約1時間進行させ、次いで約25~約40℃に冷却し、最終分析用にサンプリングする。品質管理の承認を受けて、プレポリマー生成物を、50ミクロンのフィルタを使用して輸送用容器に移す。下記の表3に示すように、プレポリマーの実施例1~4は、上記のプロトコルに基づいて作製される。
【表3】
【0062】
PMDI(Lupranate(登録商標)M20)をより高比率で使用するとき、プレポリマーはより高いイソシアネート官能性を示す。プレポリマー試料1~3は、基本的にプロピレングリコールである同じポリオール(Pluracol(登録商標)410)を使用する。MMDI(Lupranate(登録商標)M)を徐々に増加して、フォーム特性への影響を調査する。プレポリマー試料4は、フォーム試料の調製に使用されたものと同じポリオールであるポリオールA(Pluracol(登録商標)1062)を使用する。
【0063】
実施例3
フォームの実施例
ドリルプレスを2340~3100rpmの速度に設定し、混合タイマーを10~25秒に設定する。離型剤を、約35~60℃に加熱したアルミニウムブロック型に塗布する。試験ブロック型の典型的なサイズは、12インチx12インチx0.5インチ(30.5cm×30.5cm×1.3cm)または12インチ×12インチ×0.25インチ(30.5cm×30.5cm×0.6cm)である。所定の量のイソシアネート反応性成分(樹脂)を混合カップに量り入れ、所定の量のイソシアネート成分(ISO)を第2の混合カップに量り入れる。プレポリマーを、樹脂を含有するカップに注ぎ込む。次いで、混合ブレードを、混合カップの中に沈め、ミキサーを始動させる。設定時間で混合した後、反応フォームを混合カップから型に注ぎ込み、型を閉鎖する。約4~約7分後、型を開放し、フォームブロックを取り出す。下記の表4および表5に示すように、エラストマーポリウレタンフォームの実施例1~17は、上記のプロトコルに基づいて作製される。Pluracol(登録商標)1062ポリオールまたはPluracol(登録商標)593ポリオールのみで作製されたフォームは、非常に乏しい特性を有しており、場合によっては、フォームが上昇するほど十分に安定していないこともある。
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表5-1】
【表5-2】
【0064】
表4および表5に示すように、本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの40%たわみでの一定たわみ圧縮永久歪み値は、フォーム試料が100℃~130℃で96時間などの厳しい条件で圧縮されたときでも約40%未満である。本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、約50重量ポンド/平方インチ~約285重量ポンド/平方インチである。引裂強度値は、約13重量ポンド/インチ~約40重量ポンド/インチである。破断点伸び値は、約50%~約160%である。
【0065】
2つの異なるエージング条件、102℃で70時間の暴露と、60℃および相対湿度95%で168時間の暴露と、を使用して、フォーム特性を決定する。引張強度、伸び、引裂強度、およびショアA硬度を、エージングの前後に試験する。102℃で70時間エージングするとき、本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、約50%未満の変化を受け、引裂強度値は、約30%未満の変化を受け、破断点伸び値は、約50%未満の変化を受ける。60℃および相対湿度95%で168時間エージングするとき、本開示におけるエラストマーポリウレタンフォームの引張強度値は、約35%未満の変化を受け、引裂強度値は、約35%未満の変化を受け、破断点伸び値は、約35%未満の変化を受ける。異なるエージング条件での小さい特性変化は、本明細書に開示するエラストマーポリウレタンフォームの改善された高温性能を裏付けている。
【表6】
【表7-1】
【表7-2】
【0066】
当業者であれば、日常的な実験だけを使用して、本明細書に記載の特定の組成物および手順に対する多くの等価物を認識するか、または確認することが可能であろう。そのような等価物は、本開示の範囲内にあると見なされ、以下の特許請求の範囲によって包含される。