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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】表示装置、表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/60 20130101AFI20240326BHJP
   H04L 67/00 20220101ALI20240326BHJP
【FI】
G06F21/60 360
H04L67/00
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020068672
(22)【出願日】2020-04-06
(65)【公開番号】P2021165912
(43)【公開日】2021-10-14
【審査請求日】2023-02-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】神田 倫希
(72)【発明者】
【氏名】河崎 佑一
【審査官】上島 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-115379(JP,A)
【文献】特開2014-230000(JP,A)
【文献】特開2005-138315(JP,A)
【文献】特開2007-323327(JP,A)
【文献】特開2012-190320(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/60
H04L 67/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための画面を表示する表示部と、
前記画面に対する選択結果を受け付ける受付部と、
前記選択結果に基づいて、前記第一の表示装置との通信を制御する通信制御部と、を備え、
前記表示部は、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示し、
前記受付部は、前記設定画面に対する選択結果を受け付け、
前記表示装置は、
前記受付部が前記設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶する通信方式記憶部と、
前記通信方式記憶部に記憶された前記通信方式と異なる通信方式の通信を許可するという選択結果を、前記受付部が受け付けた場合には、前記通信制御部による通信方式を前記通信方式記憶部に記憶された通信方式から変更する通信方式変更部と、をさらに備え、
前記表示部は、前記通信方式記憶部に記憶された前記通信方式が前記暗号化方式であって、前記表示装置が前記第一の表示装置から非暗号化方式での接続を要求された場合に、前記第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための前記画面を表示する、
表示装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記選択結果が非暗号化方式の通信を許可するという選択である場合には、前記第一の表示装置との通信を非暗号化方式で制御し、前記選択結果が非暗号化方式の通信を許可しないという選択である場合には、前記第一の表示装置との通信を行わないように制御する、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記通信方式記憶部に記憶された前記通信方式が前記非暗号化方式であって、前記表示装置が前記第一の表示装置から暗号化方式での接続を要求された場合に、前記第一の表示装置との暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための画面を表示する、
請求項に記載の表示装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、特定の要素の値が暗号化方式および非暗号化方式のいずれかによる接続の要求を示すXML形式またはJSON形式のデータを、前記第一の表示装置から受信する、
請求項1からのいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
表示装置が実行する表示方法であって、
第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための画面を表示するステップと、
前記画面に対する選択結果を受け付けるステップと、
前記選択結果に基づいて、前記第一の表示装置との通信を制御するステップと、を備え、
前記表示するステップは、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示し、
前記受け付けるステップは、前記設定画面に対する選択結果を受け付け、
前記表示装置は、
前記設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶するステップと、
前記記憶するステップで記憶された前記通信方式と異なる通信方式の通信を許可するという選択結果を、受け付けた場合には、前記制御するステップにおける通信方式を前記記憶するステップで記憶された通信方式から変更するステップと、をさらに備え、
前記記憶するステップで記憶された前記通信方式が前記暗号化方式であって、前記表示装置が前記第一の表示装置から非暗号化方式での接続を要求された場合に、前記第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための前記画面を表示する、
表示方法。
【請求項6】
表示装置が備えるコンピュータに、
第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための画面を表示するステップと、
前記画面に対する選択結果を受け付けるステップと、
前記選択結果に基づいて、前記第一の表示装置との通信を制御するステップと、
を実行させ
前記表示するステップは、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示し、
前記受け付けるステップは、前記設定画面に対する選択結果を受け付け、
前記表示装置は、
前記設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶するステップと、
前記記憶するステップで記憶された前記通信方式と異なる通信方式の通信を許可するという選択結果を、受け付けた場合には、前記制御するステップにおける通信方式を前記記憶するステップで記憶された通信方式から変更するステップと、をさらに備え、
前記記憶するステップで記憶された前記通信方式が前記暗号化方式であって、前記表示装置が前記第一の表示装置から非暗号化方式での接続を要求された場合に、前記第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための前記画面を表示する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信内容を暗号化する技術が開発されている。例えば、相互に暗号通信する必要のない安全域のネットワークに属する端末が、暗号通信を必要とする危険域内の端末と通信する際、危険域内は暗号通信できるようにする技術が開示されている。
【0003】
また、暗号化通信と非暗号化通信のいずれにも対応できる表示装置が開発されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
暗号化通信に対応できない表示装置と暗号化通信に対応できる表示装置とが混在する状況においては、通信相手によって暗号化通信と非暗号化通信とを切り替える必要がある。しかし、従来技術では、あらかじめ通信相手のIPアドレス、通信内容のデータ種別等を装置に登録する必要があり、任意の相手との通信において、非暗号化通信と暗号化通信とを切り替えることが困難であるという問題があった。
【0005】
開示の技術は、通信相手によって暗号化通信と非暗号化通信とを切り替えることができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための画面を表示する表示部と、前記画面に対する選択結果を受け付ける受付部と、前記選択結果に基づいて、前記第一の表示装置との通信を制御する通信制御部と、を備え、前記表示部は、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示し、前記受付部は、前記設定画面に対する選択結果を受け付け、前記表示装置は、前記受付部が前記設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶する通信方式記憶部と、前記通信方式記憶部に記憶された前記通信方式と異なる通信方式の通信を許可するという選択結果を、前記受付部が受け付けた場合には、前記通信制御部による通信方式を前記通信方式記憶部に記憶された通信方式から変更する通信方式変更部と、をさらに備え、前記表示部は、前記通信方式記憶部に記憶された前記通信方式が前記暗号化方式であって、前記表示装置が前記第一の表示装置から非暗号化方式での接続を要求された場合に、前記第一の表示装置との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための前記画面を表示する、表示装置である。
【発明の効果】
【0007】
通信相手によって暗号化通信と非暗号化通信とを切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】電子黒板について説明するための図である。
図3】電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】電子黒板の機能の一例を示す図である。
図5】表示システムのシーケンスの一例を示す第一の図である。
図6】設定画面の一例を示す図である。
図7】通信方式を示すデータの一例を示す図である。
図8】変更確認画面の一例を示す図である。
図9】表示システムのシーケンスの一例を示す第二の図である。
図10】表示システムの変形例を示す第一の図である。
図11】表示システムの変形例を示す第二の図である。
図12】表示システムの変形例を示す第三の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、表示システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0011】
表示システム100は、クライアント200-1、200-2、・・・、200-Nと、サーバ300と、を備える。表示システム100において、クライアント200-1、200-2、・・・、200-Nと、サーバ300とは、通信ネットワークNを介して接続される。以下の説明では、クライアント200-1、200-2、・・・、200-Nのそれぞれを区別しない場合には、クライアント200と呼ぶ。
【0012】
また、クライアント200とサーバ300とは、WebAPI(Application Programming Interface)等を用いて通信を行う。WebAPIとは、プログラムの提供する機能を外部の別のプログラムから呼び出して利用するためのAPIであり、HTTP等のWebの技術を用いて構築されている。
【0013】
サーバ300は、通信ネットワークN等を通じてクライアント200からHTTPリクエストが送信されると、処理結果を、HTTPレスポンスとしてクライアント200に返信する。なお、WebAPIとの代表的な実装方式としては、REST(REpresentational State Transfer)とSOAP(SimpleObject Access Protocol)が存在する。
【0014】
本実施形態では、サーバ300および一部のクライアント200は、通信方式として、暗号化通信と非暗号化通信の両方に対応し、ユーザの設定によって選択可能となっている。
【0015】
暗号化通信は、通信内容が暗号化されたセキュアな通信であって、例えば、HTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secure)通信である。HTTPS通信は、SSL(Secure Sockets Layer)/TLS(Transport Layer Security)プロトコルによって提供されるセキュアな接続の上でのHTTP通信である。
【0016】
非暗号化通信は、通信内容が暗号化されていない通信であって、暗号化通信以外の通信方式であって、例えば、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)通信である。
【0017】
また、残りの一部のクライアント200は、通信方式として、非暗号化通信にしか対応していない。したがって、残りの一部のクライアント200は、サーバ300との間で暗号化通信による接続ができない。
【0018】
次に、クライアント200およびサーバ300のハードウェア構成について説明する。クライアント200およびサーバ300は、ともに電子黒板であって、同様のハードウェア構成および機能を有する。なお、サーバ300は、表示装置の一例であり、クライアント200は、表示装置であるサーバ300と通信する第一の表示装置の一例である。
【0019】
図2は、電子黒板について説明するための図である。
【0020】
電子黒板2は、近距離通信回路219と、電源スイッチ222と、ディスプレイ280と、カメラ260と、を備える。電子黒板2は、電源スイッチ222が押下されると、ディスプレイ280に、電子ペンやユーザの指によって描画が可能な描画画面を表示させる。したがって、電子黒板2は、表示装置の一例であり、ディスプレイ280は、表示装置の表示部の一例である。
【0021】
図3は、電子黒板のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
電子黒板2は、コンピュータを備え、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203、SSD(Solid State Drive)204、ネットワークI/F205、及び、外部機器接続I/F(Interface)206を備えている。
【0023】
これらのうち、CPU201は、電子黒板2全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL(Initial Program Loader)等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。SSD204は、電子黒板用のプログラム等の各種データを記憶する。
【0024】
ネットワークI/F205は、通信ネットワークとの通信を制御する。外部機器接続I/F206は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ230、外付け機器(マイク240、スピーカ250、カメラ260)である。
【0025】
また、電子黒板2は、キャプチャデバイス211、GPU212、ディスプレイコントローラ213、接触センサ214、センサコントローラ215、電子ペンコントローラ216、近距離通信回路219、及び近距離通信回路219のアンテナ219a、電源スイッチ222及び選択スイッチ類223を備えている。
【0026】
これらのうち、キャプチャデバイス211は、外付けのノートPC(Personal Computer)270のディスプレイに対して映像情報を静止画または動画として表示させる。GPU(Graphics Processing Unit)212は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップである。GPU212は、CPU201に内蔵されてよいし、CPU201と統合されていてもよい。
【0027】
ディスプレイコントローラ213は、GPU212からの出力画像をディスプレイ280等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ214は、ディスプレイ280上に電子ペン290やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ215は、接触センサ214の処理を制御する。
【0028】
接触センサ214は、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ280の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ280に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ280の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ214は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ215に出力し、センサコントローラ215が、物体の接触位置である座標位置を特定する。
【0029】
電子ペンコントローラ216は、電子ペン290と通信することで、ディスプレイ280へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路219は、NF(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。電源スイッチ222は、電子黒板2の電源のON/OFFを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類223は、例えば、ディスプレイ280の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0030】
更に、電子黒板2は、バスライン210を備えている。バスライン210は、CPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0031】
尚、接触センサ214は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネルなどの種々の検出手段を用いてもよい。また、電子ペンコントローラ216が、電子ペン290のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン290のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分のタッチの有無を判断するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施形態では、カメラ260は、ディスプレイ280に電子ペン290や手Hが接近したことを検出する近接センサの一例としたが、電子黒板2は、近接センサとして、投影型静電容量方式タッチパネルや赤外線センサ等を有していても良い。
【0033】
次に、クライアント200およびサーバ300の機能について説明する。クライアント200およびサーバ300は、同様の機能を有する。そこで、以下、クライアント200およびサーバ300の共通する機能について説明する。
【0034】
図4は、電子黒板の機能の一例を示す図である。
【0035】
電子黒板2は、図3に示されているハードウェア構成及びプログラムによって、図4に示されている各機能構成を有する。電子黒板2は、最初に遠隔共有処理を開始する「主催装置(サーバ300)」となり得ると共に、既に開始されている遠隔共有処理に後から参加する「参加装置(クライアント200)」にもなり得る。また、電子黒板2は、クライアント部20と、サーバ部90と、を備える。
【0036】
クライアント部20及びサーバ部90は、電子黒板2の1台の筐体内で実現される機能である。そして、電子黒板2が主催装置(サーバ300)となる場合には、この電子黒板2では、クライアント部20とサーバ部90とによって遠隔共有処理が実現される。
【0037】
また、電子黒板2が参加装置(クライアント200)となる場合には、参加装置(クライアント200)の電子黒板2では、クライアント部20が稼動して参加装置としての機能を提供するが、サーバ部90は稼動しない。
【0038】
即ち、図1において、サーバ300が主催装置で、クライアント200が参加装置となる場合、サーバ300のクライアント部20は、同じサーバ300内に実現されたサーバ部90を介して、クライアント200のクライアント部20と通信を行う。一方、クライアント200のクライアント部20は、サーバ300内に実現されたサーバ部90を介して、サーバ300のクライアント部20と通信を行う。
【0039】
続いて、クライアント部20の機能構成について説明する。クライアント部20は、映像取得部21、座標検知部22、自動調整部23、接触検知部24、イベント振分部25、操作処理部26、ジェスチャ処理部27、映像重畳部28、画像処理部30、及び通信制御部60を有する。
【0040】
このうち、映像取得部21は、ケーブルで接続された映像出力機器(ノートPC270等)の出力画像を取得する。映像取得部21は、映像出力機器(ノートPC270等)から画像信号を受信すると、この画像信号を解析して、この画像信号によって形成される映像出力機器(ノートPC270等)の表示画像である画像フレームの解像度や、この画像フレームの更新頻度などの画像情報を導出し、画像取得部31に出力する。
【0041】
座標検知部22は、ディスプレイ280(表示部29)上でユーザによって生じたイベント(ディスプレイ280上にユーザの手Hがタッチされた動作等)の座標位置を検出する。また、座標検知部22は、タッチされた面積も検出する。
【0042】
自動調整部23は、電子黒板2の起動時(再起動時と表現してもよい)に起動され、座標検知部22が適切な値を出力できるように、光センサ方式により座標を検知する座標検知部22がセンサーカメラの画像を処理する際のパラメータを調整する。
【0043】
接触検知部24は、ユーザによって生じたイベント(ディスプレイ280上に電子ペン290のペン先又は電子ペン290のペン尻が押下(タッチ)された動作等)を検出する。
【0044】
イベント振分部25は、座標検知部22によって検知されたイベントの座標位置と接触検知部24によって検出された検出結果を、ストローク描画、UI操作、及びジェスチャ操作の各イベントに振り分ける。
【0045】
ここで、「ストローク描画」は、ディスプレイ280上にストローク画像が表示されている場合に、ユーザがディスプレイ280上で電子ペン290を押下し、この押下した状態で電子ペン290を移動させ、最終的にディスプレイ280上から電子ペン290を離すまでのイベントである。
【0046】
このストローク描画により、例えば、アルファベット「S」や「T」等がディスプレイ280上に描画される。なお、この「ストローク描画」には、画像を描画するだけでなく、既に描画された画像を削除したり、描画された画像を編集したりするイベントも含まれる。
【0047】
「UI操作」は、ディスプレイ280上にUI画像が表示されている場合に、ユーザが電子ペン290又は手Hによって所定の位置を押下したイベントである。このUI操作により、例えば、電子ペン290により描画される線の色や幅等が設定される。
【0048】
「ジェスチャ操作」は、ディスプレイ280上にストローク画像が表示されている場合に、ユーザが手Hでディスプレイ280上をタッチしたり移動させたりするイベントである。このジェスチャ操作により、例えば、ユーザがディスプレイ280に手Hをタッチさせた状態で手Hを移動させることで、画像の拡大(若しくは縮小)、表示領域の変更、又は、ページ切り換え等を行うことができる。
【0049】
操作処理部26は、イベント振分部25によってUI操作と判定されたものから、イベントが発生されたUIの要素にしたがって、各種操作を実行する。このUIの要素としては、例えば、ボタン、リスト、チェックボックス、テキストボックスが挙げられる。ジェスチャ処理部27は、イベント振分部25によってジェスチャ操作と判定されたものに対応した操作を実行する。
【0050】
映像重畳部28は、後述の表示重畳部36で重畳された画像を映像として表示部29に対して表示する。表示部29はディスプレイ280により実現される表示機能を示す。また、映像重畳部28は、映像出力機器(ノートPC270等)からの映像に対して、他の映像出力機器(テレビ会議端末7等)から送られて来た映像をピクチャーインピクチャーする。更に、映像重畳部28は、ピクチャーインピクチャーされて表示部29の一部に表示された映像を、表示部29の全体に表示させるための切り替えを行う。
【0051】
画像処理部30は、各画像レイヤの重畳処理等を行う。この画像処理部30は、画像取得部31、ストローク処理部32、UI画像生成部33、背景生成部34、レイアウト管理部35、表示重畳部36、ページ処理部37、ファイル処理部40、ページデータ記憶部320、及び遠隔ライセンス管理テーブル310を有している。
【0052】
このうち、画像取得部31は、映像取得部21で取得された映像から、各フレームを画像として取得する。画像取得部31は、この画像のデータを、ページ処理部37に出力する。この画像は、映像出力機器(ノートPC270等)からの出力画像に相当する。
【0053】
ストローク処理部32は、イベント振分部25によって割り振られたストローク描画に係るイベントに基づいて、画像を描画したり、描画された画像を削除したり、描画された画像を編集する。また、このストローク描画に基づいた画像の描画、削除、編集の各結果は、操作データとして、データ管理部80に記憶される。
【0054】
UI画像生成部33は、電子黒板2に予め設定されているUI(ユーザインターフェース)画像を生成する。背景生成部34は、ページ処理部37がページデータ記憶部320から読み出したページデータのうちのメディアデータを、ページ処理部37から受信する。背景生成部34は、この受信したメディアデータを表示重畳部36に出力する。また、このメディアデータによる画像は、背景画像に相当する。背景画像のパターンは、無地、グリッド表示等である。
【0055】
レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(又は背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを示すレイアウト情報を管理している。これにより、レイアウト管理部35は、表示重畳部36に対して、出力画像及びストローク画像を、UI画像及び背景画像中のどの位置に表示させるか又は非表示にさせるかを指示することができる。
【0056】
表示重畳部36は、レイアウト管理部35から出力されたレイアウト情報に基づき、画像取得部31、ストローク処理部32、及びUI画像生成部33(背景生成部34)から出力された各画像のレイアウトを行う。
【0057】
ページ処理部37は、ストローク画像のデータと出力画像のデータを、1つのページデータにまとめてページデータ記憶部320に記憶する。ストローク画像のデータは、ストローク配列データIDで示されるストローク配列データ(各ストロークデータ)として、ページデータの一部を成す。出力画像のデータは、メディアデータIDで示されているメディアデータとして、ページデータの一部を成す。そして、このメディアデータは、ページデータ記憶部320から読み出されると、背景画像のデータとして取り扱われる。
【0058】
また、ページ処理部37は、一旦記憶されたページデータのうちのメディアデータを、背景生成部34を介して表示重畳部36に送信することで、映像重畳部28が背景画像をディスプレイ280に再度表示させることができる。また、ページ処理部37は、ページデータのうちのストローク配列データ(各ストロークデータ)を、ストローク処理部32に戻すことで、ストロークの再度編集ができる状態にすることができる。更に、ページ処理部37は、ページデータを削除したり複製したりすることもできる。
【0059】
即ち、ページ処理部37がページデータ記憶部320にページデータを記憶する時点でディスプレイ280上に表示されている出力画像のデータは、一旦、ページデータ記憶部320に記憶され、その後にページデータ記憶部320から読み出される際には、背景画像を示すメディアデータとして読みされる。そして、ページ処理部37は、ページデータ記憶部320から読み出したページデータのうち、ストローク画像を示すストローク配列データを、ストローク処理部32に出力する。また、ページ処理部37は、ページデータ記憶部320から読み出したページデータのうち、背景画像を示すメディアデータを、背景生成部34に出力する。
【0060】
表示重畳部36は、画像取得部31からの出力画像、ストローク処理部32からのストローク画像、UI画像生成部33からのUI画像、及び、背景生成部34からの背景画像を、レイアウト管理部35によって指定されたレイアウトにしたがって重畳する。これにより、各画像が重なってもユーザが見える順に、UI画像、ストローク画像、出力画像、及び背景画像の各レイヤの構成となっている。
【0061】
遠隔ライセンス管理テーブル310は、遠隔共有処理を実行するために必要なライセンスデータを管理する。この遠隔ライセンス管理テーブル310では、例えば、電子黒板2のプロダクトID、認証に用いられるライセンスID、及びライセンスの有効期限が関連付けて管理されている。
【0062】
クライアント部20の通信制御部60は、自機がサーバ300の場合、サーバ300のサーバ部90との通信を制御する。また、自機がクライアント200の場合、クライアント部20の通信制御部60は、通信ネットワークNを介して接続されたサーバ300のサーバ部90との通信を制御する。これにより、クライアント部20は、サーバ部90からページデータを取得できる。
【0063】
さらに、クライアント部20は、受付部61と、通信方式記憶部62と、を備える。
【0064】
クライアント部20の受付部61は、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示部29に表示させる。そして、受付部61は、設定画面に対する選択結果を受け付ける。
【0065】
クライアント部20の通信方式記憶部62は、受付部61が設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶する。これによって、通信制御部60は、自機がクライアント200の場合、通信方式記憶部62に記憶された通信方式で、サーバ300との通信を行うように制御する。
【0066】
また、サーバ部90は、データ管理部80と、通信制御部70と、受付部91と、通信方式記憶部92と、通信方式変更部93と、を備える。
【0067】
データ管理部80は、操作データや画像データ等を管理するものであり、サーバ300又はクライアント200のクライアント部20に配信されるページデータを管理している。
【0068】
サーバ部90の通信制御部70は、サーバ300又はクライアント200のクライアント部20にページデータを配信するための通信を制御する。具体的には、自機がサーバ300の場合、サーバ部90の通信制御部70は、自機であるサーバ300のクライアント部20または、通信ネットワークNを介して接続されたクライアント200のクライアント部20との通信を制御する。
【0069】
サーバ部90の受付部91は、自機がサーバ300である場合、クライアント部20の受付部61と同様に、暗号化方式および非暗号化方式のいずれかの通信方式の選択を受けるための設定画面を表示部29に表示させる。そして、受付部91は、設定画面に対する選択結果を受け付ける。
【0070】
サーバ部90の通信方式記憶部92は、受付部91が設定画面で受け付けた選択結果の通信方式を記憶する。これによって、サーバ部90の通信制御部70は、自機がサーバ300の場合、サーバ部90の通信方式記憶部92に記憶された通信方式で、クライアント200との通信を行うように制御する。
【0071】
また、サーバ部90の受付部91は、クライアント200との非暗号化方式の通信を許可するか否かの選択を受けるための変更確認画面を表示部29に表示させる。そして、受付部91は、変更確認画面に対する選択結果を受け付ける。
【0072】
通信方式変更部93は、サーバ部90の通信制御部70による通信方式を、サーバ部90の通信方式記憶部92に記憶された通信方式から変更する。具体的には、通信方式記憶部92に記憶された通信方式と異なる通信方式の通信を許可するという選択結果を、サーバ部90の受付部91が受け付けた場合には、サーバ部90の通信制御部70による通信方式を通信方式記憶部92に記憶された通信方式から変更する。
【0073】
これによって、サーバ部90の通信制御部70は、変更された通信方式で、クライアント200との通信を制御する。
【0074】
次に、表示システム100の動作について、図面を参照して説明する。
【0075】
図5は、表示システムのシーケンスの一例を示す第一の図である。
【0076】
クライアント200は、クライアント200のユーザの操作を受けて、通信方式を暗号化通信または非暗号化通信に設定する(ステップS101)。具体的には、クライアント200の表示部29は、設定画面を表示する。
【0077】
図6は、設定画面の一例を示す図である。
【0078】
設定画面101は、通信方式の設定操作を受けるためのスイッチ102を含む。スイッチ102は、通信方式を暗号化通信とするか非暗号化通信とするかを選択するためのGUI(Graphical User Interface)である。
【0079】
クライアント部20の受付部61は、設定画面101の選択結果を受け付ける。そして、クライアント部20の通信方式記憶部62は、受付部61が設定画面101で受け付けた選択結果の通信方式を記憶する。
【0080】
図5に戻り、サーバ300は、サーバ300のユーザの操作を受けて、通信方式を暗号化通信に設定する(ステップS102)。なお、非暗号化通信に設定する場合のシーケンスについては、後述する。具体的には、サーバ300の表示部29は、設定画面を表示する。
【0081】
サーバ300の表示部29が表示する設定画面は、図6に示した設定画面101と同様である。サーバ部90の受付部91は、設定画面の選択結果を受け付ける。そして、サーバ部90の通信方式記憶部92は、受付部91が受け付けた選択結果の通信方式を記憶する。
【0082】
クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、クライアント200のユーザからサーバ300への接続開始の操作を受けて、通信方式の送信要求を示す信号を、サーバ300に送信する(ステップS103)。
【0083】
サーバ300のサーバ部90の通信制御部70は、サーバ部90の通信方式記憶部92に記憶された通信方式(ここでは、暗号化通信)を示すデータを、クライアント200に送信する(ステップS104)。
【0084】
図7は、通信方式を示すデータの一例を示す図である。
【0085】
データ103は、XML(Extensible Markup Language)形式のデータの一例である。データ103のconnectVersionタグの値が通信方式を示す値であり、例えば、4ならば非暗号化通信、5ならば暗号化通信である。
【0086】
データ103のデータ形式は、XML形式に限らず、他の形式であっても良い。例えば、以下のようなJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式であっても良い。

"type":"D1",
"description":"Interactive Whiteboard LT",
"version":"1.6.0.0",
"connectVersion":"4",
【0087】
図5に戻り、クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、データ103のconnectVersionタグに記述された値が5(暗号化通信)であって、通信方式記憶部62に記憶された通信方式が暗号化通信である場合、暗号化通信で接続を開始する(ステップS105)。この場合、受信した通信方式とクライアント200に設定された通信方式が一致するため、ユーザ確認等は不要である。
【0088】
また、ステップS104の処理に続いて、クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、通信方式記憶部62に記憶された通信方式が非暗号化通信である場合、非暗号化通信での接続を要求する信号をサーバ300に送信する(ステップS106)。この場合、受信した通信方式とクライアント200に設定された通信方式が一致しないため、クライアント200は、すぐに接続を開始するのではなく、非暗号化通信での接続をサーバ300に要求する。
【0089】
サーバ300の表示部29は、非暗号化通信への変更を確認するための変更確認画面を表示する(ステップS107)。
【0090】
図8は、変更確認画面の一例を示す図である。
【0091】
変更確認画面104は、OKボタン105と、キャンセルボタン106と、を含む。また、変更確認画面104は、非暗号化通信への接続を行うか否かを確認する旨と、非暗号化通信のリスクとを示すメッセージを含んでも良い。
【0092】
サーバ300のサーバ部90の受付部91は、OKボタン105またはキャンセルボタン106の押下による選択操作を受け付ける。
【0093】
受付部91が、キャンセルボタン106の押下を受け付けた場合、受け付けた選択結果は、非暗号化方式の通信を許可しないという選択であることを示す。その場合、通信制御部70は、クライアント200との通信を行わないように制御する。
【0094】
また、受付部91が、OKボタン105の押下を受け付けた場合、受け付けた選択結果は、非暗号化方式の通信を許可するという選択であることを示す。
【0095】
図5に戻り、受付部91が、OKボタン105の押下を受け付けた場合、通信方式変更部93は、クライアント200との通信方式を非暗号化通信に変更する(ステップS108)。そして、通信制御部70は、クライアント200との通信を非暗号化方式で制御する。これによって、サーバ300は、クライアント200との非暗号化通信での接続を開始する(ステップS109)。
【0096】
このように、本実施形態に係るサーバ300は、通信方式として暗号化通信が設定された場合に、クライアント200の設定によって、暗号化通信でも非暗号化通信でも接続することができる。
【0097】
上述したクライアント200は、設定によって暗号化通信か非暗号化通信かを選択することができる。クライアント200によっては、暗号化通信に対応していない場合でも、非暗号化通信が選択された場合と同様の処理によって、サーバ300と接続することができる。具体的には、ステップS101の処理をスキップし、ステップS104の処理に続いて、ステップS106からステップS109の処理が実行されれば良い。
【0098】
サーバ300は、クライアント200に非暗号化通信が設定されているか、上述したようにクライアント200が暗号化通信に対応していない場合、非暗号化通信での接続を許可するか否かをユーザに確認することができる。これによって、ユーザは、非暗号化通信のリスクを認識しつつ接続をするか、接続を中止するかを、接続前に意思決定をすることができる。
【0099】
次に、サーバ300に非暗号化通信を設定する場合の動作について説明する。
【0100】
図9は、表示システムのシーケンスの一例を示す第二の図である。
【0101】
ステップS201は、図5に示したステップS101と同じである。
【0102】
サーバ300は、サーバ300のユーザの操作を受けて、通信方式を非暗号化通信に設定する(ステップS202)。
【0103】
サーバ300の表示部29が表示する設定画面は、図6に示した設定画面101と同様である。サーバ部90の受付部91は、設定画面の選択結果を受け付ける。そして、サーバ部90の通信方式記憶部92は、受付部91が受け付けた選択結果の通信方式を記憶する。
【0104】
クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、クライアント200のユーザからサーバ300への接続開始の操作を受けて、通信方式の送信要求を示す信号を、サーバ300に送信する(ステップS203)。
【0105】
サーバ300のサーバ部90の通信制御部70は、サーバ部90の通信方式記憶部92に記憶された通信方式(ここでは、非暗号化通信)を示すデータを、クライアント200に送信する(ステップS204)。
【0106】
クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、データ103のconnectVersionタグに記述された値が4(非暗号化通信)であって、通信方式記憶部62に記憶された通信方式が暗号化通信である場合、暗号化通信での接続を要求する信号をサーバ300に送信する(ステップS205)。
【0107】
この場合、受信した通信方式とクライアント200に設定された通信方式が一致しないため、クライアント200は、すぐに接続を開始するのではなく、暗号化通信での接続をサーバ300に要求する。
【0108】
サーバ300の表示部29は、暗号化通信への変更を確認するための変更確認画面を表示する(ステップS206)。ここで表示される変更確認画面は、非暗号化通信への変更を確認するための変更確認画面104と同様である。ただし、ここで表示される変更確認画面は、例えば、暗号化通信への接続を行うか否かを確認する旨を示すメッセージを含み、非暗号化通信のリスクを示すメッセージを含まない。
【0109】
サーバ300のサーバ部90の受付部91は、OKボタン105またはキャンセルボタン106の押下による選択操作を受け付ける。
【0110】
受付部91が、キャンセルボタン106の押下を受け付けた場合、受け付けた選択結果は、暗号化方式の通信を許可しないという選択であることを示す。その場合、通信制御部70は、クライアント200との通信を行わないように制御する。
【0111】
また、受付部91が、OKボタン105の押下を受け付けた場合、受け付けた選択結果は、暗号化方式の通信を許可するという選択であることを示す。
【0112】
受付部91が、OKボタン105の押下を受け付けた場合、通信方式変更部93は、クライアント200との通信方式を暗号化通信に変更する(ステップS207)。そして、通信制御部70は、クライアント200との通信を暗号化方式で制御する。これによって、サーバ300は、クライアント200との暗号化通信での接続を開始する(ステップS208)。
【0113】
また、ステップS204の処理に続いて、クライアント200のクライアント部20の通信制御部60は、データ103のconnectVersionタグに記述された値が4(非暗号化通信)であって、通信方式記憶部62に記憶された通信方式が非暗号化通信である場合、非暗号化通信で接続を開始する(ステップS209)。この場合、受信した通信方式とクライアント200に設定された通信方式が一致するため、ユーザ確認等は不要である。
【0114】
このように、本実施形態に係るサーバ300は、通信方式として非暗号化通信が設定された場合にも、クライアント200の設定によって、暗号化通信でも非暗号化通信でも接続することができる。
【0115】
サーバ300は、クライアント200に暗号化通信が設定されている場合、暗号化通信での接続を許可するか否かをユーザに確認することができる。これによって、ユーザは、クライアント200からの要求に応じるか否かについて、接続前に意思決定をすることができる。
【0116】
次に、上述した表示システム100の変形例について説明する。
【0117】
図10は、表示システムの変形例を示す第一の図である。
【0118】
図10の例では、電子黒板2の代わりに、端末装置600、画像投影装置700、ペン動作検出装置810を有する。
【0119】
端末装置600は、画像投影装置700及びペン動作検出装置810と有線で接続されている。
【0120】
画像投影装置700は、端末装置600により入力された画像データをスクリーン800に投影させる。
【0121】
ペン動作検出装置810は、電子ペン820と通信を行っており、スクリーン800の近傍における電子ペン820の動作を検出する。具体的には、電子ペン820は、スクリーン800上において、電子ペン820が示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。
【0122】
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820によって入力されるストローク画像を示すストローク画像データを生成し、画像投影装置700によってストローク画像をスクリーン800に描画させる。
【0123】
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0124】
図11は、表示システムの変形例を示す第二の図である。
【0125】
図11の例では、電子黒板2の代わりに、端末装置600とディスプレイ800Aと、ペン動作検出装置810とを有する。
【0126】
ペン動作検出装置810は、ディスプレイ800Aの近傍に配置され、ディスプレイ800A上に、電子ペン820Aが示している点を示す座標情報を検出し、端末装置600へ送信する。尚、図26の例では、電子ペン820Aは、端末装置600によってUSBコネクタを介して充電されても良い。
【0127】
端末装置600は、ペン動作検出装置810から受信した座標情報に基づき、電子ペン820Aによって入力されるストローク画像の画像データを生成し、ディスプレイ800Aに表示させる。
【0128】
また、本実施形態の端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0129】
図12は、表示システムの変形例を示す第三の図である。
【0130】
図12の例では、電子黒板2の代わりに、端末装置600と、画像投影装置700とを有する。
【0131】
端末装置600は、電子ペン820Bと無線通信を行って、スクリーン800上において電子ペン820Bが示す点の座標情報を受信する。そして、端末装置600は、受信した座標情報に基づき、電子ペン820Bにより入力されるストローク画像の画像データを生成し、画像投影装置700によって、スクリーン800上にストローク画像を投影させる。
【0132】
また、端末装置600は、画像投影装置700に投影させている画像を示す重畳画像データを含むページデータを生成し、サーバ装置550に送信する。
【0133】
以上のように、上述した各実施形態は、様々なシステム構成において適用することができる。
【0134】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0135】
尚、本実施形態が適用される装置は、タッチ操作によって、オブジェクトを操作する機能を備えた表示装置であれば良く、電子黒板2に限定されにない。本実施形態が適用される装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC等であってもよい。
【0136】
また、実施形態に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0137】
ある実施形態では、サーバ300は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。同様に、クライアント200は、互いに通信するように構成された複数のコンピューティングデバイスを含むことができる。
【0138】
さらに、サーバ300およびクライアント200は、図5または図9に示す処理のステップを様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、サーバ300の表示部29によって実行されるプロセスは、クライアント200の表示部29によって実行され得る。同様に、サーバ300の通信方式変更部93の機能は、クライアント200によって実行することができる。また、サーバ300とクライアント200の各要素は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0139】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0140】
2 電子黒板
20 クライアント部
29 表示部
60 通信制御部
61 受付部
62 通信方式記憶部
70 通信制御部
80 データ管理部
90 サーバ部
91 受付部
92 通信方式記憶部
93 通信方式変更部
100 表示システム
200 クライアント
300 サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0141】
【文献】特開平08-204698号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12