(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】飛行体及び飛行体用ガード
(51)【国際特許分類】
B64U 20/30 20230101AFI20240326BHJP
B64U 30/299 20230101ALI20240326BHJP
B64U 10/13 20230101ALI20240326BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20240326BHJP
【FI】
B64U20/30
B64U30/299
B64U10/13
B64U50/19
(21)【出願番号】P 2023525765
(86)(22)【出願日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2022021489
(87)【国際公開番号】W WO2022255208
(87)【国際公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】P 2021092131
(32)【優先日】2021-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100185591
【氏名又は名称】中塚 岳
(74)【代理人】
【識別番号】100130052
【氏名又は名称】大阪 弘一
(74)【代理人】
【識別番号】100189452
【氏名又は名称】吉住 和之
(72)【発明者】
【氏名】水谷 将馬
(72)【発明者】
【氏名】豊村 恭一
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-019471(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0170533(US,A1)
【文献】中国実用新案第211996143(CN,U)
【文献】特開2019-155941(JP,A)
【文献】特開2018-199394(JP,A)
【文献】特開2019-064465(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 27/08
B64C 39/02
B64U 10/13 -10/14
B64U 20/30
B64U 30/299
B64U 50/19
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行可能な飛行体であって、
プロペラを有する機体と、
前記機体に接続された複数のシャフトと、
前記複数のシャフトに接続されて前記飛行体の平面視において前記機体の外側に配置されるガードフレームと、を備え、
前記ガードフレームは、前記飛行体の重心位置よりも前記飛行体の上下方向における上方にのみ、かつ、前記プロペラよりも前記飛行体の上下方向における上方に配置される、
飛行体。
【請求項2】
前記飛行体は、傾斜角度で前傾して推進するように構成されており、
前記ガードフレームは、前記飛行体が前記傾斜角度に傾斜した際の前記飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置される、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項3】
前記ガードフレームは、前記飛行体が3°傾斜した際の前記飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置される、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項4】
前記ガードフレームは、前記飛行体の平面視において前記機体を包囲する環状に形成されている、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項5】
前記ガードフレームは、円環状に形成されている、
請求項4に記載の飛行体。
【請求項6】
前記ガードフレームは、真円の円環状に形成されている、
請求項4に記載の飛行体。
【請求項7】
前記ガードフレームは、
第一ガードフレームと、
前記第一ガードフレームよりも前記飛行体の上下方向における下方に配置される第二ガードフレームと、を有し、
前記第二ガードフレームは、前記飛行体の平面視において前記第一ガードフレームの内側に配置される、
請求項4に記載の飛行体。
【請求項8】
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記飛行体の平面視において、前記機体側の先端から前記ガードフレーム側の先端まで、前記機体の中心から離れる方向に延びている、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項9】
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記機体側の先端から前記ガードフレーム側の先端まで、一本の線状に形成されている、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項10】
前記複数のシャフトのそれぞれは、弧状に形成されている、
請求項8又は9に記載の飛行体。
【請求項11】
前記複数のシャフトのそれぞれは、屈曲して形成されている、
請求項8又は9に記載の飛行体。
【請求項12】
前記機体は、中央部と、前記中央部から延びて前記プロペラが取り付けられる複数のアーム部と、を有し、
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記複数のアーム部の何れかに接続されている、
請求項1に記載の飛行体。
【請求項13】
前記複数のアーム部のそれぞれに、二本以上の前記シャフトが接続されている、
請求項12に記載の飛行体。
【請求項14】
プロペラを有する機体に取り付けられる飛行体用ガードであって、
前記機体に接続される複数のシャフトと、
前記複数のシャフトに接続されたガードフレームと、を備え、
前記ガードフレームは、前記複数のシャフトの前記機体側の先端よりも前記飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置され、
前記複数のシャフトのそれぞれは、弧状に形成されている、
飛行体用ガード。
【請求項15】
プロペラを有する機体に取り付けられる飛行体用ガードであって、
前記機体に接続される複数のシャフトと、
前記複数のシャフトに接続されたガードフレームと、を備え、
前記ガードフレームは、前記複数のシャフトの前記機体側の先端よりも前記飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置され、
前記複数のシャフトのそれぞれは、屈曲した線状に形成されている、
飛行体用ガード。
【請求項16】
プロペラを有する機体に取り付けられる飛行体用ガードであって、
前記機体に接続される複数のシャフトと、
前記複数のシャフトに接続されたガードフレームと、を備え、
前記ガードフレームは、前記複数のシャフトの前記機体側の先端よりも前記飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置され、
前記ガードフレームは、
環状の第一ガードフレームと、
前記第一ガードフレームよりも前記機体の上下方向における下方に配置される環状の第二ガードフレームと、を有し、
前記第二ガードフレームは、前記飛行体用ガードの平面視において、前記第一ガードフレームの内側に配置される、
飛行体用ガード。
【請求項17】
飛行可能な飛行体であって、
プロペラを有する機体と、
前記機体に接続された複数のシャフトと、
前記複数のシャフトに接続されて前記飛行体の平面視において前記機体の外側に配置されるガードフレームと、を備え、
前記ガードフレームは、前記飛行体の重心位置よりも前記飛行体の上下方向における上方にのみ配置され、
前記ガードフレームは、前記飛行体の平面視において前記機体を包囲する環状に形成されており、
前記ガードフレームは、
第一ガードフレームと、
前記第一ガードフレームよりも前記飛行体の上下方向における下方に配置される第二ガードフレームと、を有し、
前記第二ガードフレームは、前記飛行体の平面視において前記第一ガードフレームの内側に配置される、
飛行体。
【請求項18】
前記ガードフレームは
、前記プロペラよりも前記飛行体の上下方向における上方に配置される、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項19】
前記飛行体は、傾斜角度で前傾して推進するように構成されており、
前記ガードフレームは、前記飛行体が前記傾斜角度に傾斜した際の前記飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置される、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項20】
前記ガードフレームは、前記飛行体が3°傾斜した際の前記飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置される、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項21】
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記飛行体の平面視において、前記機体側の先端から前記ガードフレーム側の先端まで、前記機体の中心から離れる方向に延びている、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項22】
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記機体側の先端から前記ガードフレーム側の先端まで、一本の線状に形成されている、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項23】
前記複数のシャフトのそれぞれは、弧状に形成されている、
請求項
21又は
22に記載の飛行体。
【請求項24】
前記複数のシャフトのそれぞれは、屈曲して形成されている、
請求項
21又は
22に記載の飛行体。
【請求項25】
前記機体は、中央部と、前記中央部から延びて前記プロペラが取り付けられる複数のアーム部と、を有し、
前記複数のシャフトのそれぞれは、前記複数のアーム部の何れかに接続されている、
請求項
17に記載の飛行体。
【請求項26】
前記複数のアーム部のそれぞれに、二本以上の前記シャフトが接続されている、
請求項
25に記載の飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローン等の飛行体及び飛行体用ガードに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、放射状に配設された複数のアームにロータ(プロペラ)が配設された飛行体が記載されている。この飛行体は、ロータ(プロペラ)と障害物との接触を防止するために、複数のアームを連結するガードフレームを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載された飛行体のようにガードフレームを備えた飛行体は、ガードフレームにおいて壁等の障害物に衝突する。このとき、ガードフレームが飛行体の重心位置よりも下方に配置されると、つまり、飛行体の重心位置がガードフレームよりも上方に配置されると、飛行体は、飛行方向に向かう推進力により、障害物に対して前傾する方向に回転する。この回転方向は、プロペラによる揚力方向と同じである。このため、飛行体は、障害物に衝突すると、前傾角度が大きくなって落下しやすくなる。
【0005】
また、飛行体は、カメラ等の観測機器を取り付けて、飛行体の周囲を観測する用途に用いられることが多い。このため、ガードフレームが飛行体の重心位置よりも下方に配置されると、周囲の視界がガードフレームにより遮られて、観測機器による周囲の観測に支障をきたす可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は、周囲の視界を確保しつつ衝突時の落下を抑制することができる飛行体及び飛行体用ガードを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る飛行体は、飛行可能な飛行体であって、プロペラを有する機体と、機体に接続された複数のシャフト(線状の部材)と、複数のシャフトに接続されて飛行体の平面視において機体の外側に配置されるガードフレームと、を備え、ガードフレームは、飛行体の重心位置よりも飛行体の上下方向における上方にのみ配置される。
【0008】
この飛行体では、ガードフレームが飛行体の平面視において機体の外側に配置されるため、飛行体は、ガードフレームにおいて壁等の障害物に衝突する。このとき、飛行体は、プロペラによる揚力により、障害物に対して前傾する方向に回転しようとする。一方、ガードフレームが飛行体の重心位置よりも飛行体の上下方向における上方にのみ配置されるため、飛行体は、飛行体の推進力により、障害物に対して後傾する方向に回転しようとする。これらの回転は、互いに反対方向の回転であるため、互いに相殺するように作用する。これにより、障害物に衝突した際の回転を小さく抑えることができるため、衝突時の落下を抑制することができる。しかも、ガードフレームが飛行体の重心位置よりも飛行体の上下方向における上方にのみ配置されるため、周囲の視界がガードフレームにより遮られるのを抑制することができる。これにより、周囲の視界を確保することができる。また、ガードフレームの軽量化を図ることもでき、飛行時間を長くすることができる。
【0009】
上記の飛行体において、ガードフレームは、プロペラよりも飛行体の上下方向における上方に配置されてもよい。この飛行体では、ガードフレームがプロペラよりも飛行体の上下方向における上方に配置されることで、周囲の視界を更に確保しつつ衝突時の落下を更に抑制することができる。
【0010】
上記の飛行体において、飛行体は、傾斜角度で前傾して推進するように構成されており、ガードフレームは、飛行体が傾斜角度に傾斜した際の飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置されてもよい。この飛行体では、傾斜角度で前傾して推進するように構成されている場合に、ガードフレームが、飛行体が傾斜角度に傾斜した際の飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置されることで、周囲の視界を更に確保しつつ衝突時の落下を更に抑制することができる。
【0011】
上記の飛行体において、ガードフレームは、飛行体が3°傾斜した際の飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置されてもよい。飛行体は、飛行方向に前傾しながら推進することが多く、このときの飛行体の前傾の角度は3°以内となることが多い。このため、ガードフレームが、飛行体が3°傾斜した際の飛行体の重心位置よりも鉛直方向における上方にのみ配置されることで、周囲の視界を更に確保しつつ衝突時の落下を更に抑制することができる。
【0012】
上記の飛行体において、ガードフレームは、飛行体の平面視において機体を包囲する環状に形成されていてもよい。この飛行体では、ガードフレームが飛行体の平面視において機体を包囲する環状に形成されていることで、飛行体が障害物に衝突した際の飛行体の向きに関わらず、機体が障害物に衝突するのを抑制することができる。
【0013】
上記の飛行体において、ガードフレームは、円環状に形成されていてもよい。この飛行体では、ガードフレームが円環状に形成されていることで、飛行体が障害物に衝突した際に生じる衝撃荷重を、ガードフレームの全体に分散させることができる。これにより、ガードフレームの破損を抑制することができるともに、ガードフレーム及び複数のシャフトから機体に入力される衝撃荷重を小さくすることができる。
【0014】
上記の飛行体において、ガードフレームは、真円の円環状に形成されていてもよい。この飛行体では、ガードフレームが真円の円環状に形成されていることで、飛行体が障害物に衝突した際の、障害物からの跳ね返り方向をコントロールすることができる。例えば、飛行体が障害物に対して垂直な方向から衝突した場合、障害物に対して垂直な方向に飛行体を跳ね返らすことができる。また、飛行体が障害物に対して所定角度傾斜した方向から衝突して場合、障害物に対して衝突方向とは反対側に所定角度傾斜した方向に飛行体を跳ね返らすことができる。
【0015】
上記の飛行体において、ガードフレームは、第一ガードフレームと、第一ガードフレームよりも飛行体の上下方向における下方に配置される第二ガードフレームと、を有し、第二ガードフレームは、飛行体の平面視において第一ガードフレームの内側に配置されてもよい。この飛行体では、ガードフレームが上下に配置される第一ガードフレーム及び第二ガードフレームを有することで、ガードフレーム及び複数のシャフトの剛性を高めることができる。しかも、第一ガードフレームよりも飛行体の上下方向における下方に配置される第二ガードフレームが、飛行体の平面視において第一ガードフレームの内側に配置されることで、飛行体が障害物に衝突した際に、第一ガードフレームよりも先に第二ガードフレームが障害物に衝突するのを抑制することができる。これにより、衝突時の飛行体の回転が第二ガードフレームにより阻害されることにより飛行体の姿勢が不安定になることを抑制することができる。
【0016】
上記の飛行体において、複数のシャフトのそれぞれは、飛行体の平面視において、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで、機体の中心から離れる方向に延びていてもよい。この飛行体では、複数のシャフトのそれぞれが、飛行体の平面視において機体側の先端からガードフレーム側の先端まで機体の中心から離れる方向に延びている。このため、複数のシャフトのそれぞれが、飛行体の平面視において機体の中心から離れる方向に延びていない部分及び飛行体の上下方向にのみ延びている部位を有する場合に比べて、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフトのそれぞれの弾性変形により消費することができるため、衝突時の衝撃を緩和することができる。その結果、機体に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物からの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0017】
上記の飛行体において、複数のシャフトのそれぞれは、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで、一本の線状に形成されていてもよい。この飛行体では、複数のシャフトのそれぞれが、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで一本の線状に形成されていることで、複数のシャフトのそれぞれが複数に分岐している場合に比べて、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフトのそれぞれの弾性変形により消費することができるため、衝衝突時の衝撃を緩和することができる。その結果、機体に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物からの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0018】
上記の飛行体において、複数のシャフトのそれぞれは、弧状に形成されていてもよい。この飛行体では、複数のシャフトのそれぞれが弧状に形成されていることで、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフトのそれぞれに入力される衝撃荷重を複数のシャフトのそれぞれの全体に分散させることができる。
【0019】
上記の飛行体において、複数のシャフトのそれぞれは、屈曲して形成されていてもよい。この飛行体では、複数のシャフトのそれぞれが屈曲して形成されていることで、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフトのそれぞれを機体に当接しない位置に容易に配置することができる。
【0020】
上記の飛行体において、機体は、中央部と、中央部から延びてプロペラが取り付けられる複数のアーム部と、を有し、複数のシャフトのそれぞれは、複数のアーム部の何れかに接続されていてもよい。この飛行体では、複数のシャフトのそれぞれが複数のアーム部の何れかに接続されていることで、複数のシャフトのそれぞれを短くして軽量化することができる。
【0021】
上記の飛行体において、複数のアーム部のそれぞれに、二本以上のシャフトが接続されていてもよい。この飛行体では、複数のアーム部のそれぞれに二本以上のシャフトが接続されていることで、シャフトの本数を増やすことができる。これにより、衝突時に一本のアーム部に入力される衝撃荷重を小さくすることができるため、全体としての剛性を高めることができる。
【0022】
本実施形態に係る飛行体用ガードは、プロペラを有する機体に取り付けられる飛行体用ガードであって、機体に接続される複数のシャフトと、複数のシャフトに接続されたガードフレームと、を備え、ガードフレームは、複数のシャフトの機体側の先端よりも飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置される。
【0023】
この飛行体用ガードが機体に取り付けられた飛行体は、ガードフレームにおいて壁等の障害物に衝突すると、プロペラによる揚力により、障害物に対して前傾する方向に回転しようとする。一方、ガードフレームが複数のシャフトの機体側の先端よりも飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置されるため、飛行体は、飛行体の推進力により、障害物に対して後傾する方向に回転しようとする。これらの回転は、互いに反対方向の回転であるため、互いに相殺するように作用する。これにより、障害物に衝突した際の回転を小さく抑えることができるため、衝突時の落下を抑制することができる。しかも、ガードフレームが複数のシャフトの機体側の先端よりも飛行体用ガードの上下方向における上方にのみ配置されるため、飛行体用ガードが取り付けられた飛行体において、周囲の視界がガードフレームにより遮られるのを抑制することができる。これにより、周囲の視界を確保することができる。
【0024】
上記の飛行体用ガードにおいて、複数のシャフトのそれぞれは、飛行体用ガードの平面視において、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで、飛行体用ガードの中心から離れる方向に延びていてもよい。この飛行体用ガードでは、複数のシャフトのそれぞれが、飛行体用ガードの平面視において機体側の先端からガードフレーム側の先端まで飛行体用ガードの中心から離れる方向に延びている。このため、複数のシャフトのそれぞれが、飛行体用ガードの平面視において飛行体用ガードの中心から離れる方向に延びていない部分及び飛行体用ガードの上下方向にのみ延びている部位を有する場合に比べて、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフトのそれぞれの弾性変形により消費することができる。その結果、機体に入力される衝突荷重を小さくすることができるため、衝突時の衝撃を緩和することができるとともに、衝突時の障害物からの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0025】
上記の飛行体用ガードにおいて、複数のシャフトのそれぞれは、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで、一本の線状に形成されていてもよい。この飛行体用ガードでは、複数のシャフトのそれぞれが、機体側の先端からガードフレーム側の先端まで一本の線状に形成されていることで、複数のシャフトのそれぞれが複数に分岐している場合に比べて、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフトのそれぞれの弾性変形により消費することができるため、衝突時の衝撃を緩和することができる。その結果、機体に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物からの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0026】
上記の飛行体用ガードにおいて、複数のシャフトのそれぞれは、弧状に形成されていてもよい。この飛行体用ガードでは、複数のシャフトのそれぞれが弧状に形成されていることで、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフトのそれぞれに入力される衝撃荷重を複数のシャフトのそれぞれの全体に分散させることができる。
【0027】
上記の飛行体用ガードにおいて、複数のシャフトのそれぞれは、屈曲した線状に形成されていてもよい。この飛行体用ガードでは、複数のシャフトのそれぞれが屈曲して形成されていることで、衝突時の複数のシャフトのそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフトのそれぞれを飛行体用ガードが取り付けられる飛行体に当接しない位置に容易に配置することができる。
【0028】
上記の飛行体用ガードにおいて、ガードフレームは、環状の第一ガードフレームと、第一ガードフレームよりも下方に配置される環状の第二ガードフレームと、を有し、第二ガードフレームは、飛行体用ガードの平面視において、第一ガードフレームの内側に配置されてもよい。この飛行体用ガードでは、ガードフレームが上下に配置される第一ガードフレーム及び第二ガードフレームを有することで、飛行体用ガードの剛性を高めることができる。しかも、第一ガードフレームよりも下方に配置される第二ガードフレームが、飛行体用ガードの平面視において第一ガードフレームの内側に配置されることで、飛行体用ガードが取り付けられた飛行体が障害物に衝突した際に、第一ガードフレームよりも先に第二ガードフレームが障害物に衝突するのを抑制することができる。これにより、衝突時の飛行体の回転が第二ガードフレームにより阻害されることにより飛行体の姿勢が不安定になることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、周囲の視界を確保しつつ衝突時の落下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図4】飛行体が障害物に衝突した状態の例を示す正面図である。
【
図5】飛行体が前傾して飛行している状態を示す正面図である。
【
図6】前傾して飛行している飛行体が障害物に衝突した状態を示す正面図である。
【
図10】第三実施形態に係る飛行体の斜視図である。
【
図11】第三実施形態に係る飛行体の正面図である。
【
図12】第三実施形態に係る飛行体の平面図である。
【
図13】第四実施形態に係る飛行体の斜視図である。
【
図14】第四実施形態に係る飛行体の正面図である。
【
図15】第四実施形態に係る飛行体の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0032】
[第一実施形態]
図1~
図3を参照して、第一実施形態に係る飛行体について説明する。
図1は、第一実施形態に係る飛行体1の斜視図である。
図2は、第一実施形態に係る飛行体1の正面図である。
図3は、第一実施形態に係る飛行体1の平面図である。
図1~
図3に示すように、第一実施形態に係る飛行体1は、飛行可能な飛行体であり、例えば、ドローンである。第一実施形態に係る飛行体1は、機体2と、飛行体用ガード3と、を備える。なお、飛行体1の上下方向D1は、水平面に載置された飛行体1の上下方向、又は、ホバリング中の飛行体1の上下方向である。機体2及び飛行体用ガード3の上下方向は、飛行体1の上下方向D1と同じである。飛行体1の上下方向D1における上方は、
図2における上方である。飛行体1の中心を通って飛行体1の上下方向D1に延びる線を、基準線Lという。
【0033】
機体2は、飛行体1の本体を成す部分である。機体2は、中央部4と、複数のアーム部5と、複数のプロペラ6と、を有する。機体2は、その他にも、例えば、外部装置との間で無線信号を送受信する送受信装置(不図示)、飛行体1を飛行させるための制御装置(不図示)、プロペラ6を回転させるためのモータ(不図示)、制御装置及びモータ等に電源供給するための電池(不図示)等を備える。
【0034】
中央部4は、飛行体1の中央部に位置する部分である。中央部4には、例えば、送受信装置、制御装置、電池等が搭載されている。中央部4には、例えば、飛行体1の周囲を観測するためのカメラ等の観測機器7が着脱可能に取り付けられる。観測機器7は、例えば、飛行体1とは別部材であり、中央部4の底面に着脱可能に取り付けられる。なお、観測機器7は、中央部4に着脱可能に取り付けられるものではなく、中央部4の底部に搭載される飛行体1の内蔵部品であってもよい。
【0035】
複数のアーム部5は、中央部4から互いに異なる方向に延びている。複数のアーム部5は、例えば、基準線L周りに等角度で配置されている。複数のアーム部5のそれぞれには、例えば、モータが搭載されている。アーム部5の本数は、特に限定されないが、本実施形態では、一例として4本である。
【0036】
複数のプロペラ6は、回転することにより飛行体1を飛行させる。複数のプロペラ6のそれぞれは、回転可能に複数のアーム部5のそれぞれに取り付けられている。つまり、一つのアーム部5に一つのプロペラ6が取り付けられている。複数のプロペラ6は、基準線Lを中心とした同一円周上に配置されている。複数のプロペラ6のそれぞれは、例えば、複数のプロペラ6のそれぞれに搭載されたモータにより回転駆動される。
【0037】
飛行体用ガード3は、機体2を保護するものである。つまり、飛行体用ガード3は、飛行体1が壁等の障害物に衝突した際に、機体2、特にプロペラ6が障害物に衝突するのを防止するためのものである。飛行体用ガード3は、複数のシャフト8と、ガードフレーム9と、を備える。
【0038】
複数のシャフト8のそれぞれは、機体2に対してガードフレーム9を支持する部分である。複数のシャフト8のそれぞれは、機体2とガードフレーム9とに接続されている。複数のシャフト8のそれぞれは、例えば、機体2に対して着脱可能に接続されている。機体2に対する複数のシャフト8のそれぞれの着脱可能な接続は、例えば、螺合、嵌合、係合等により行うことができる。なお、複数のシャフト8のそれぞれは、機体2に対して着脱不能に接続されていてもよい。複数のシャフト8のそれぞれは、例えば、ガードフレーム9に対して着脱不能に接続されている。ガードフレーム9に対する複数のシャフト8のそれぞれの着脱不能な接続は、例えば、一体成形、接着等により行うことができる。なお、ガードフレーム9は、複数のシャフト8のそれぞれに対して着脱可能に接続されていてもよい。
【0039】
複数のシャフト8のそれぞれは、機体2における、複数のアーム部5の何れかに接続されている。より具体的には、複数のアーム部5のそれぞれに、二本以上のシャフト8が接続されている。一つのアーム部5に接続されているシャフト8の数は、特に限定されないが、本実施形態では、一例として二本である。
【0040】
複数のシャフト8のそれぞれは、飛行体1の平面視において、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、機体2の中心から離れる方向に延びている。つまり、複数のシャフト8のそれぞれは、飛行体1の平面視において機体2の中心から離れる方向に延びていない部分及び飛行体1の上下方向D1にのみ延びている部位を有さない。飛行体1の平面視とは、基準線Lに沿う方向、つまり、飛行体1の上下方向D1に沿う方向から見ることをいう。飛行体用ガード3の平面視は、飛行体1の平面視と同じである。機体2の中心は、飛行体1の中心であり、基準線L上にある。
【0041】
複数のシャフト8のそれぞれは、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、一本の線状に形成されている。つまり、複数のシャフト8のそれぞれは、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、複数に分岐せずに延びている。
【0042】
複数のシャフト8のそれぞれは、屈曲して形成されている、具体的には、複数のシャフト8のそれぞれは、水平部8aと、傾斜部8bと、を有する。水平部8aは、機体2のアーム部5に接続される部分である。水平部8aは、飛行体1の上下方向D1におけるプロペラ6の下方に配置されている。水平部8aは、機体2の中心から離れるように、アーム部5から飛行体1の横方向に向けて延びている。飛行体1の横方向とは、基準線Lと直交する方向である。傾斜部8bは、ガードフレーム9に接続される部分である。傾斜部8bは、水平部8aに対して屈曲して接続されて、プロペラ6の側方に配置されている。そして、傾斜部8bは、水平部8aの先端から、機体2の中心から離れるように、基準線Lに対して傾斜した方向に延びている。つまり、傾斜部8bは、水平部8a側の先端からガードフレーム9側の先端まで、飛行体1の横方向かつ飛行体1の上下方向D1に傾斜しながら延びている。これにより、複数のシャフト8のそれぞれは、プロペラ6に沿う屈曲形状となっている。但し、複数のシャフト8のそれぞれは、機体2に接触しなければ、どのような屈曲形成であってもよい。
【0043】
ガードフレーム9は、機体2を保護する部分である。つまり、ガードフレーム9は、飛行体1が障害物に衝突した際に、機体2より先に障害物に衝突することで、機体2が障害物に衝突するのを防止する部分である。ガードフレーム9は、機体2を保護するために、飛行体1の平面視において機体2の外側に配置される。
【0044】
ガードフレーム9は、飛行体1の平面視において機体2を包囲する環状に形成されている。本実施形態では、複数のプロペラ6が基準線Lを中心とした同一円周上に配置されていることから、ガードフレーム9は、真円の円環状に形成されている。但し、複数のプロペラ6が楕円状に配置されている場合、機体2が何れかの方向に長く延びている場合等は、ガードフレーム9は、複数のプロペラ6に沿った楕円の円環状に形成されていてもよい。
【0045】
ガードフレーム9は、飛行体1の重心位置Gよりも飛行体1の上下方向D1における上方にのみ配置される。つまり、ガードフレーム9は、飛行体1の重心位置Gよりも飛行体1の上下方向D1における上方にのみ配置されるように、複数のシャフト8により支持されている。また、ガードフレーム9は、複数のシャフト8の機体2側の先端よりも飛行体用ガード3の上下方向における上方にのみ配置される。なお、ガードフレーム9は、複数のプロペラ6よりも飛行体1の上下方向D1における上方に配置されてもよい。
【0046】
飛行体1の重心位置Gは、機体2及び飛行体用ガード3を備える飛行体1の重心位置である。例えば、観測機器7が飛行体1とは別部材であり、別部材である飛行体1が機体2に着脱可能に取り付けられる場合は、飛行体1の重心位置Gは、観測機器7を除いた飛行体1の重心位置となる。また、観測機器7が飛行体1の内蔵部品で、観測機器7が予め機体2に搭載されている場合は、飛行体1の重心位置Gは、観測機器7を含んだ飛行体1の重心位置となる。
【0047】
図4は、飛行体1が障害物Wに衝突した状態の例を示す正面図である。
図4に示すように、飛行体1では、ガードフレーム9が飛行体1の平面視において機体2の外側に配置されるため、飛行体1は、ガードフレーム9において壁等の障害物Wに衝突する。このとき、飛行体1は、プロペラ6による揚力により、障害物に対して前傾する方向D2に回転しようとする。一方、ガードフレーム9が飛行体1の重心位置Gよりも飛行体1の上下方向D1における上方にのみ配置されるため、飛行体1は、飛行体1の推進力により、障害物Wに対して後傾する方向D3に回転しようとする。これらの回転は、互いに反対方向の回転であるため、互いに相殺するように作用する。これにより、障害物に衝突した際の回転を小さく抑えることができるため、衝突時の落下を抑制することができる。
【0048】
しかも、ガードフレーム9が飛行体1の重心位置Gよりも飛行体1の上下方向における上方にのみ配置されるため、周囲の視界(観測機器7の視界)がガードフレーム9により遮られるのを抑制することができる。これにより、周囲の視界(観測機器7の視界)を確保することができる。
【0049】
また、ガードフレーム9がプロペラ6よりも飛行体1の上下方向D1における上方に配置されることで、周囲の視界(観測機器7の視界)を更に確保しつつ衝突時の落下を更に抑制することができる。
【0050】
図5は、飛行体1が前傾して飛行している状態を示す正面図である。
図5に示すように、飛行体1は、所定の傾斜角度θで前傾して推進するように構成されていることが多い。そこで、傾斜角度θで前傾して推進するように構成されている飛行体1においては、周囲の視界を確保しつつ衝突時の落下を抑制する観点から、ガードフレーム9は、飛行体1が傾斜角度θに傾斜した際の飛行体1の重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されてもよい。
【0051】
また、飛行体1が傾斜角度θで前傾して推進するように構成されているか否かに関わらず、飛行体1は、飛行方向に前傾しながら推進することが多く、このときの傾斜角度θは、一般的に、3°以内、10°以内、又は25°以内である。このため、前傾しながら推進する飛行体1の場合は、周囲の視界を確保しつつ衝突時の落下を抑制する観点から、ガードフレーム9は、飛行体1が、3°、10°、又は25°傾斜した際の飛行体1の重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されてもよい。
【0052】
図6は、傾斜角度θで前傾して推進している飛行体1が障害物Wに衝突した状態を示す正面図である。
図6に示すように、前傾して推進している飛行体1が障害物Wに衝突すると、飛行体1は、プロペラ6による揚力により、障害物に対して前傾する方向D2に回転しようとする。この方向D2は、飛行体1の前傾と同じ方向であり、飛行体1の前傾を増大する方向である。一方、ガードフレーム9が、飛行体1が傾斜角度θに傾斜した際の飛行体1の重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されるため、傾斜角度θで前傾して推進していた飛行体1は、飛行体1の推進力により、障害物Wに対して後傾する方向D3に回転しようとする。これらの回転は、互いに反対方向の回転であるため、互いに相殺するように作用する。しかも、飛行体1の推進力による方向D3の回転は、飛行体1の前傾とは反対方向の回転であるため、前傾している飛行体1を水平状態に戻すように、つまり、前傾している飛行体1の上下方向D1を鉛直方向D4に戻すように作用する。これにより、障害物に衝突した際の回転を小さく抑えることができるため、衝突時の落下を抑制することができる。
【0053】
しかも、ガードフレーム9が、飛行体1が傾斜角度θに傾斜した際の飛行体1の重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されるため、飛行体1が傾斜角度θで前傾して推進している場合も、周囲の視界(観測機器7の視界)がガードフレーム9により遮られるのを抑制することができる。これにより、飛行体1が傾斜角度θで前傾して推進している場合の周囲の視界(観測機器7の視界)を確保することができる。
【0054】
また、ガードフレーム9が、飛行体1が、3°、10°、又は25°傾斜した際の飛行体1の重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されることで、周囲の視界を更に確保しつつ衝突時の落下を更に抑制することができる。
【0055】
また、ガードフレーム9が飛行体1の平面視において機体2を包囲する環状に形成されていることで、飛行体1が障害物Wに衝突した際の飛行体1の向きに関わらず、機体2が障害物Wに衝突するのを抑制することができる。
【0056】
また、ガードフレーム9が円環状に形成されていることで、飛行体1が障害物に衝突した際に生じる衝撃荷重を、ガードフレーム9の全体に分散させることができる。これにより、ガードフレーム9の破損を抑制することができるともに、飛行体用ガード3から機体2に入力される衝撃荷重を小さくすることができる。
【0057】
また、ガードフレーム9が真円の円環状に形成されていることで、飛行体1が障害物Wに衝突した際の、障害物Wからの跳ね返り方向をコントロールすることができる。例えば、飛行体1が障害物Wに対して垂直な方向から衝突した場合、障害物Wに対して垂直な方向に飛行体1を跳ね返らすことができる。また、飛行体1が障害物Wに対して所定角度傾斜した方向から衝突して場合、障害物に対して衝突方向とは反対側に所定角度傾斜した方向に飛行体1を跳ね返らすことができる。
【0058】
また、複数のシャフト8のそれぞれが、飛行体1の平面視において機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで機体2の中心から離れる方向に延びている。このため、複数のシャフト8のそれぞれが、飛行体1の平面視において機体2の中心から離れる方向に延びていない部分及び飛行体1の上下方向D1にのみ延びている部位を有する場合に比べて、衝突時の複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形により消費することができるため、衝突時の衝撃を緩和することができる。その結果、機体2に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物Wからの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0059】
また、複数のシャフト8のそれぞれが、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで一本の線状に形成されていることで、複数のシャフトのそれぞれが複数に分岐している場合に比べて、衝突時の複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形を促進することができる。これにより、衝突エネルギーの多くを複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形により消費することができるため、衝突時の衝撃を緩和することができる。その結果、機体2に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物Wからの跳ね返り速度を低下させることができる。
【0060】
また、複数のシャフト8のそれぞれが弧状に形成されていることで、衝突時の複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフト8のそれぞれに入力される衝撃荷重を複数のシャフト8のそれぞれの全体に分散させることができる。
【0061】
また、複数のシャフト8のそれぞれが屈曲して形成されていることで、衝突時の複数のシャフト8のそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフト8のそれぞれを機体2、特にプロペラ6に当接しない位置に容易に配置することができる。
【0062】
また、複数のシャフト8のそれぞれが複数のアーム部5の何れかに接続されていることで、複数のシャフト8のそれぞれを短くして軽量化することができる。
【0063】
また、複数のアーム部5のそれぞれに二本以上のシャフト8が接続されていることで、シャフトの本数を増やすことができる。これにより、衝突時に一本のアーム部に入力される衝撃荷重を小さくすることができるため、全体としての剛性を高めることができる。
【0064】
ところで、飛行体1は、障害物Wに衝突する際は、飛行体用ガード3において障害物Wに衝突する。このため、飛行体用ガード3の衝撃吸収能力が高いほど、衝突時の衝撃を緩和することができ、機体2に入力される衝突荷重を小さくすることができるとともに、衝突時の障害物Wからの跳ね返り速度を低下させることができる。このため、飛行体用ガード3は、衝撃吸収性が高くなる観点から、弾性変形しやすい方が好ましい。一方、飛行体用ガード3が過変形すると、障害物Wに衝突した際に機体2が障害物Wに衝突する可能性がある。
【0065】
そこで、飛行体用ガード3の衝撃吸収性を高める観点から、飛行体用ガード3の曲げ弾性率は、2.0GPa以上であってもよい。この場合、飛行体用ガード3の素材の曲げ弾性率は、5.0GPa以上であることが好ましく、8.0GPa以上であることがより好ましい。また、飛行体用ガード3の過変形により機体2が障害物Wに衝突するのを抑制する観点から、飛行体用ガード3の曲げ弾性率は、250.0GPa以下であってもよい。この場合、飛行体用ガード3の曲げ弾性率は、60.0GPa以下であることが好ましく、20.0GPa以下の範囲であることがより好ましい。また、飛行体用ガード3の衝撃吸収性を高めつつ、飛行体用ガード3の過変形により機体2が障害物Wに衝突するのを抑制する観点から、飛行体用ガード3の曲げ弾性率は、2.0GPa以上250.0GPa以下の範囲であってもよい。この場合、飛行体用ガード3の曲げ弾性率は、5.0GPa以上60.0GPa以下の範囲であることが好ましく、8.0GPa以上20.0GPa以下の範囲であることがより好ましい。この曲げ弾性率は、ISO178に規定される曲げ弾性率である。
【0066】
また、飛行体用ガード3の衝撃吸収性を高めつつ、飛行体用ガード3の過変形により機体2が障害物Wに衝突するのを抑制する観点から、飛行体用ガード3の曲げ強度は、50.0MPa以上であってもよい。この場合、飛行体用ガード3の曲げ強度は、100.0MPa以上であることが好ましく、250.0MPa以上であることがより好ましい。一方、飛行体用ガード3の曲げ強度は、特に限定されないが、例えば、30.0GPa以下であることが好ましい。この曲げ強度は、ISO178に規定される曲げ強度である。
【0067】
このような曲げ弾性率及び曲げ強度の少なくとも一方は、飛行体用ガード3の形状又は構造等により得てもよく、飛行体用ガード3の素材の物性により得てもよい。このような曲げ弾性率及び曲げ強度の少なくとも一方を得るために、飛行体用ガード3の素材として、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、塩化ビニル樹脂、メタクリル酸メチル樹脂、ナイロン樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂の1又は2以上や、これらの熱可塑性樹脂と、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、シリコーン系エラストマー、アクリレート系エラストマー、ウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどの添加剤と、を含む熱可塑性樹脂組成物や、これらの熱可塑性樹脂と、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の硬化性樹脂と、を含む硬化性樹脂組成物や、それらを繊維材料で強化した繊維強化材料、といった樹脂材料を用いてもよい。該繊維材料としては、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の1又は2以上を用いることができる。これら樹脂材料を素材として特定の形状に成形して用いることができる。
【0068】
また、飛行体用ガード3の素材として、上記樹脂材料だけでなく、例えば、純チタン、チタン合金、鋼、アルミニウム合金、マグネシウム合金や、マレージング鋼、ステンレス鋼及び軟鉄等の鋼といった金属材料を用いてもよい。これら金属材料を素材として特定の形状に成形して用いることができるが、更に、軽量且つ高強度を持たせるため、中空構造やハニカム構造等を有していてもよい。
【0069】
飛行体用ガード3の衝撃吸収性を高める観点から、ガードフレーム9は、上記の樹脂材料を素材として用いることが好ましい。同様の観点から、複数のシャフト8は、上記の樹脂材料を素材として用いることもできる。但し、過変形を抑制する観点から、複数のシャフト8は、ガードフレーム9よりも高い曲げ弾性率を有してもよい。また、過変形を抑制する観点から、複数のシャフト8は、ガードフレーム9よりも高い曲げ強度を有してもよく、その場合には、上記の金属材料を用いることもできる。
【0070】
図示しないが、飛行用ガード3には筋交を設けて補強してもよい。筋交としては、例えば、交差ブレース、ジオデシック構造物が挙げられる。交差ブレースは、少なくとも2本の筋(線状の部材)と、その交差部を有する。該交差部では、それぞれの筋同士を連結しなくてもよいし、ピン軸等で回動自在に連結したり、ハブ構造で連結することもできる。交差部を連結しない場合やピン軸等で回動自在に連結する場合、それぞれの筋の両端を飛行用ガード3に接続して使用することができる。また、交差部をハブ構造とする場合、それぞれの筋の一端をハブに連結し、他端を飛行用ガード3に接続して使用することができる。交差ブレースは、飛行体1の正面視(飛行体用ガード3の正面視)において、それぞれの筋が直線状に形成されても、弧状に形成されていてもよい。弧状の場合、衝突時の複数の筋のそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数の筋のそれぞれに入力される衝撃荷重を複数の筋のそれぞれの全体に分散させることができる。
【0071】
また、筋交として、少なくとも3本の筋を三角形に繋ぎ合わせた構造(いわゆるジオデシック構造物)とし、外周部の各頂点を飛行用ガード3に接続して使用することもできる。三角形は1面または2以上の多面体としてもよく、さらに、3面以上の多面体であれば半球状(ドーム状)の構造とすることもできる。
【0072】
筋交を構成するそれぞれの筋は、飛行用ガード3、好ましくはガードフレーム9に接続されている。複数の筋のそれぞれは、例えば、飛行用ガード3に対して着脱可能に接続されている。飛行用ガード3に対する複数の筋のそれぞれの着脱可能な接続は、例えば、ガードフレーム9ないしシャフト8に対して螺合、嵌合、係合等により行うことができる。なお、複数の筋のそれぞれは、飛行用ガード3に対して着脱不能に接続されていてもよい。飛行用ガード3に対する複数の筋のそれぞれの着脱不能な接続は、例えば、ガードフレーム9ないしシャフト8に対して一体成形、接着等により行うことができる。筋交を構成するそれぞれの筋は、飛行体用ガード3に用いられた上記素材と同様のものを用いることができる。
【0073】
飛行用ガード3には、さらに、上面からの障害物との衝突に対して機体2を保護することができるため、ネットや網といったネット状物を被せてもよい。その際、筋交が設けられているとネット状物がプロペラとの干渉を回避することもできるため好ましい。
【0074】
[第二実施形態]
図7~
図9を参照して、第二実施形態に係る飛行体について説明する。第二実施形態に係る飛行体は、基本的に第一実施形態に係る飛行体1と同様であり、飛行体用ガードのみ第一実施形態に係る飛行体1と相違する。このため、以下では、第一実施形態に係る飛行体1と相違する事項のみを説明し、第一実施形態に係る飛行体1と同様の事項の説明を省略する。
【0075】
図7は、第二実施形態に係る飛行体1Aの斜視図である。
図8は、第二実施形態に係る飛行体1Aの正面図である。
図9は、第二実施形態に係る飛行体1Aの平面図である。
図7~
図9に示すように、第二実施形態に係る飛行体1Aは、機体2と、飛行体用ガード3Aと、を備える。
【0076】
飛行体用ガード3Aは、基本的に第一実施形態の飛行体用ガード3と同様であり、複数のシャフトの形状のみ第一実施形態の飛行体用ガード3と相違する。飛行体用ガード3Aは、複数のシャフト8Aと、ガードフレーム9と、を備える。
【0077】
複数のシャフト8Aのそれぞれは、第一実施形態の複数のシャフト8のそれぞれと同様に、飛行体1Aの平面視(飛行体用ガード3Aの平面視)において、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、機体2の中心から離れる方向に延びている。つまり、複数のシャフト8Aのそれぞれは、飛行体1Aの平面視において機体2の中心から離れる方向に延びていない部分及び飛行体1Aの上下方向D1にのみ延びている部位を有さない。
【0078】
複数のシャフト8Aのそれぞれは、第一実施形態の複数のシャフト8のそれぞれと同様に、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、一本の線状に形成されている。つまり、複数のシャフト8Aのそれぞれは、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、複数に分岐せずに延びている。
【0079】
複数のシャフト8Aのそれぞれは、弧状に形成されている。具体的には、複数のシャフト8Aのそれぞれは、第一実施形態の複数のシャフト8のそれぞれのような屈曲部分を有さずに、弧状に延びている。複数のシャフト8Aのそれぞれの弧形状としては、特に限定されないが、例えば、プロペラ6に沿うように、連続的に、飛行体1Aの上下方向D1における上方に向かいながら、飛行体1Aの平面視において機体2の中心から離れる方向に延びる形状とすることができる。
【0080】
このように、本実施形態では、複数のシャフト8Aのそれぞれが弧状に形成されていることで、衝突時の複数のシャフト8Aのそれぞれの弾性変形を促進しつつ、複数のシャフト8Aのそれぞれに入力される衝撃荷重を複数のシャフト8Aのそれぞれの全体に分散させることができる。これにより、衝突時の衝撃を緩和することができるとともに、飛行体用ガード3Aから機体2に入力される衝撃荷重を小さくすることができる。
【0081】
[第三実施形態]
図10~
図12を参照して、第三実施形態に係る飛行体について説明する。第三実施形態に係る飛行体は、基本的に第一実施形態に係る飛行体1と同様であり、飛行体用ガードのみ第一実施形態に係る飛行体1と相違する。このため、以下では、第一実施形態に係る飛行体1と相違する事項のみを説明し、第一実施形態に係る飛行体1と同様の事項の説明を省略する。
【0082】
図10は、第三実施形態に係る飛行体1Bの斜視図である。
図11は、第三実施形態に係る飛行体1Bの正面図である。
図12は、第三実施形態に係る飛行体1Bの平面図である。
図10~
図12に示すように、第三実施形態に係る飛行体1Bは、機体2と、飛行体用ガード3Bと、を備える。
【0083】
飛行体用ガード3Bは、基本的に第一実施形態の飛行体用ガード3と同様であり、ガードフレームの数及び配置のみ第一実施形態の飛行体用ガード3と相違する。飛行体用ガード3Bは、複数のシャフト8と、ガードフレーム9Bと、を備える。
【0084】
ガードフレーム9Bは、第一ガードフレーム9B1と、第二ガードフレーム9B2と、を有する。第二ガードフレーム9B2は、第一ガードフレーム9B1よりも飛行体1の上下方向D1における下方に配置される。つまり、第一ガードフレーム9B1は、複数のシャフト8の先端(上端)に接続されており、第二ガードフレーム9B2は、第一ガードフレーム9B1よりも飛行体1の上下方向D1における下方となる位置で複数のシャフト8に接続されている。
【0085】
第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、飛行体1Bの平面視(飛行体用ガード3Bの平面視)において機体2の外側に配置される。そして、第二ガードフレーム9B2は、飛行体1Bの平面視において第一ガードフレーム9B1の内側に配置される。つまり、第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、第一実施形態のガードフレーム9と同様に、飛行体1Bの平面視において機体2を包囲する環状に形成されているが、第二ガードフレーム9B2は、第一ガードフレーム9B1よりも小径となっている。
【0086】
そして、第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、第一実施形態のガードフレーム9と同様に、飛行体1Bの重心位置Gよりも飛行体1Bの上下方向D1における上方にのみ配置される。また、第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、第一実施形態のガードフレーム9と同様に、複数のシャフト8の機体2側の先端よりも飛行体用ガード3Bの上下方向における上方にのみ配置される。
【0087】
傾斜角度θで前傾して推進するように構成されている飛行体1Bにおいては、第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、第一実施形態のガードフレーム9と同様に、飛行体1Bが傾斜角度θに傾斜した際の飛行体1Bの重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されてもよい。また、飛行体1Bが傾斜角度θで前傾して飛行するように構成されているか否かに関わらず、前傾しながら推進する飛行体1Bの場合は、第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2の双方は、飛行体1Bが、3°、10°、又は25°傾斜した際の飛行体1Bの重心位置Gよりも鉛直方向D4における上方にのみ配置されてもよい。
【0088】
このように、本実施形態では、ガードフレーム9Bが上下に配置される第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2を有することで、飛行体用ガード3Bの剛性を高めることができる。しかも、第一ガードフレーム9B1よりも飛行体1Bの上下方向D1における下方に配置される第二ガードフレーム9B2が、飛行体1Bの平面視において第一ガードフレーム9B1の内側に配置されることで、飛行体1Bが障害物Wに衝突した際に、第一ガードフレーム9B1よりも先に第二ガードフレーム9B2が障害物Wに衝突するのを抑制することができる。これにより、衝突時の飛行体1Bの回転が第二ガードフレーム9B2により阻害されることにより飛行体1Bの姿勢が不安定になることを抑制することができる。
【0089】
[第四実施形態]
図13~
図15を参照して、第四実施形態に係る飛行体について説明する。第四実施形態に係る飛行体は、基本的に第一実施形態に係る飛行体1と同様であり、飛行体用ガードのみ第一実施形態に係る飛行体1と相違する。より具体的には、第四実施形態に係る飛行体は、第一実施形態に係る飛行体1において、複数のシャフトを第二実施形態の複数のシャフト8Aに置き換え、ガードフレームを第三実施形態のガードフレーム9Bに置き換えたものである。このため、以下では、上記実施形態と相違する事項のみを説明し、上記実施形態と同様の事項の説明を省略する。
【0090】
図13は、第四実施形態に係る飛行体1Cの斜視図である。
図14は、第四実施形態に係る飛行体1Cの正面図である。
図15は、第四実施形態に係る飛行体1Cの平面図である。
図13~
図15に示すように、第四実施形態に係る飛行体1Cは、機体2と、飛行体用ガード3Cと、を備える。
【0091】
飛行体用ガード3Cは、基本的に第一実施形態の飛行体用ガード3と同様であり、複数のシャフトの形状とガードフレームの数及び配置とのみ、第一実施形態の飛行体用ガード3と相違する。飛行体用ガード3Cは、複数のシャフト8Cと、ガードフレーム9Cと、を備える。
【0092】
複数のシャフト8Cのそれぞれは、第二実施形態の複数のシャフト8Aのそれぞれと同様である。つまり、複数のシャフト8Cのそれぞれは、機体2側の先端からガードフレーム9側の先端まで、機体2の中心から離れる方向に延びて、一本の線状に形成されている。そして、複数のシャフト8Cのそれぞれは、弧状に形成されている。
【0093】
ガードフレーム9Cは、第三実施形態のガードフレーム9Cと同様である。つまり、ガードフレーム9Cは、第三実施形態の第一ガードフレーム9B1と同様の第一ガードフレーム9C1と、第三実施形態の第二ガードフレーム9B2と同様の第二ガードフレーム9C2と、を有する。第一ガードフレーム9C1及び第二ガードフレーム9C2の配置、形状等は、第三実施形態の第一ガードフレーム9B1及び第二ガードフレーム9B2と同様である。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
【0095】
例えば、ガードフレームは、飛行体の平面視において飛行体の外側に配置されていれば、環状に形成されていなくてもい。また、ガードフレームは、真円及び楕円以外の円環状に形成されていてもよく、円環状以外の環状に形成されていてもよい。
【0096】
また、ガードフレームが、飛行体の重心位置よりも前記飛行体の上下方向における上方にのみ配置されていれば、ガードフレームの数は特に限定されない。例えば、ガードフレームを3本以上備えるものであってもよい。
【0097】
また、機体は、中央部から複数のアーム部が延びた形状であるものとして説明したが、このようなアーム部を有しないものであってもよい。また、複数のシャフトのそれぞれは、アーム部以外の部分に接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…飛行体、1A…飛行体、1B…飛行体、1C…飛行体、2…機体、3…飛行体用ガード、3A…飛行体用ガード、3B…飛行体用ガード、3C…飛行体用ガード、4…中央部、5…アーム部、6…プロペラ、7…観測機器、8…シャフト、8a…水平部、8b…傾斜部、8A…シャフト、8C…シャフト、9…ガードフレーム、9B…ガードフレーム、9C…ガードフレーム、9B1…第一ガードフレーム、9B2…第二ガードフレーム、D1…上下方向、D4…鉛直方向、G…重心位置、W…障害物、θ…傾斜角度。