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特許7460080光学特性評価装置および光学特性評価方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】光学特性評価装置および光学特性評価方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/21 20060101AFI20240326BHJP
【FI】
G01N21/21 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020175379
(22)【出願日】2020-10-19
(65)【公開番号】P2022066826
(43)【公開日】2022-05-02
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140442
【弁理士】
【氏名又は名称】柴山 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】野本 佳朗
(72)【発明者】
【氏名】種村 拓夫
【審査官】小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-109556(JP,A)
【文献】特開2008-272256(JP,A)
【文献】特表2014-505868(JP,A)
【文献】国際公開第2020/013517(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/01
G01N 21/17 - G01N 21/61
G01J 3/00 - G01J 4/04
G01J 7/00 - G01J 9/04
G02B 19/00 - G02B 21/00
G02B 21/06 - G02B 21/36
G02B 27/00 - G02B 27/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
評価対象物の光学特性を評価する装置であって、
光を出力する光源と、
前記光源から出力された光を第1方位の直線偏光成分と第2方位の直線偏光成分とに偏光分離して、前記光源から出力された光のうち第2方位の直線偏光成分として出力された光を前記評価対象物の光学特性の評価に利用することなく、第1方位の直線偏光成分として出力された光を前記評価対象物へ出力する偏光ビームスプリッタと、
前記偏光ビームスプリッタと前記評価対象物との間の光路上に設けられ、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光の偏光状態を調整して当該調整後の光を前記評価対象物へ照射し、前記評価対象物への光照射により生じた反射光の偏光状態を調整して当該調整後の光を前記偏光ビームスプリッタへ出力する偏光調整部と、
前記評価対象物から前記偏光調整部を経て前記偏光ビームスプリッタに到達した光のうち前記偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分を受光して検出する第1検出部と、
前記評価対象物から前記偏光調整部を経て前記偏光ビームスプリッタに到達した光のうち前記偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分を受光して検出する第2検出部と、
前記第1検出部または前記第2検出部による検出結果に基づいて、前記評価対象物の反射率および位相特性を解析する解析部と、
を備える光学特性評価装置。
【請求項2】
前記偏光調整部は、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光を入力する4分の1波長板と、前記4分の1波長板から出力された光を入力する2分の1波長板と、を含む、
請求項1に記載の光学特性評価装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記評価対象物に照射される光が前記偏光調整部により特定方位の直線偏光とされたときの前記第1検出部による検出結果に基づいて、前記評価対象物に前記特定方位の直線偏光が入射したときの反射率を求める、
請求項1または2に記載の光学特性評価装置。
【請求項4】
前記解析部は、前記評価対象物に照射される光が前記偏光調整部により前記特定方位の直線偏光と異なる偏光状態とされたときの前記第1検出部または前記第2検出部による検出結果と、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光として出力された光が前記評価対象物で反射されて前記偏光ビームスプリッタに戻ってくるまでの光学系を表すジョーンズ行列とに基づいて、前記評価対象物の反射時の位相特性を求める、
請求項3に記載の光学特性評価装置。
【請求項5】
前記光源は広帯域光を出力する、
請求項1~4の何れか1項に記載の光学特性評価装置。
【請求項6】
前記光源は出力波長が可変である、
請求項1~4の何れか1項に記載の光学特性評価装置。
【請求項7】
第1端子,第2端子および第3端子を有し、前記光源から出力された光を前記第1端子に入力して、その光を前記第2端子から前記偏光ビームスプリッタへ出力し、前記偏光ビームスプリッタから出力された光を前記第2端子に入力して、その光を前記第3端子から前記第1検出部へ出力する光サーキュレータを更に備える、
請求項1~6の何れか1項に記載の光学特性評価装置。
【請求項8】
前記光源と前記光サーキュレータの前記第1端子との間に設けられ、前記光源から出力された光を前記第1端子へ導光する第1光ファイバと、
前記光サーキュレータの前記第2端子に一端が光学的に接続され、ファイバコリメータが他端に設けられ、前記第2端子から出力された光を導光して前記ファイバコリメータから前記偏光ビームスプリッタへ出力し、前記偏光ビームスプリッタから前記ファイバコリメータに入力された光を前記第2端子へ導光する第2光ファイバと、
前記光サーキュレータの前記第3端子と前記第1検出部との間に設けられ、前記第3端子から出力された光を前記第1検出部へ導光する第3光ファイバと、
を更に備える請求項7に記載の光学特性評価装置。
【請求項9】
前記第2検出部に一端が光学的に接続され、ファイバコリメータが他端に設けられ、前記偏光ビームスプリッタから前記ファイバコリメータに入力された光を前記第2検出部へ導光する第4光ファイバを更に備える、
請求項1~8の何れか1項に記載の光学特性評価装置。
【請求項10】
前記偏光調整部は前記評価対象物へ光を垂直入射させる、
請求項1~9の何れか1項に記載の光学特性評価装置。
【請求項11】
評価対象物の光学特性を評価する方法であって、
光源から出力された光を偏光ビームスプリッタにより第1方位の直線偏光成分と第2方位の直線偏光成分とに偏光分離して、前記光源から出力された光のうち第2方位の直線偏光成分として出力された光を前記評価対象物の光学特性の評価に利用することなく、第1方位の直線偏光成分として出力された光を前記評価対象物へ出力し、
前記偏光ビームスプリッタと前記評価対象物との間の光路上に設けられた偏光調整部により、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光の偏光状態を調整して当該調整後の光を前記評価対象物へ照射し、前記評価対象物への光照射により生じた反射光の偏光状態を調整して当該調整後の光を前記偏光ビームスプリッタへ出力し、
前記評価対象物から前記偏光調整部を経て前記偏光ビームスプリッタに到達した光のうち前記偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分を第1検出部により受光して検出し、
前記評価対象物から前記偏光調整部を経て前記偏光ビームスプリッタに到達した光のうち前記偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分を第2検出部により受光して検出し、
前記第1検出部または前記第2検出部による検出結果に基づいて、前記評価対象物の反射率および位相特性を解析する、
光学特性評価方法。
【請求項12】
前記偏光調整部は、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光を入力する4分の1波長板と、前記4分の1波長板から出力された光を入力する2分の1波長板と、を含む、
請求項11に記載の光学特性評価方法。
【請求項13】
前記評価対象物に照射される光が前記偏光調整部により特定方位の直線偏光とされたときの前記第1検出部による検出結果に基づいて、前記評価対象物に前記特定方位の直線偏光が入射したときの反射率を求める、
請求項11または12に記載の光学特性評価方法。
【請求項14】
前記評価対象物に照射される光が前記偏光調整部により前記特定方位の直線偏光と異なる偏光状態とされたときの前記第1検出部または前記第2検出部による検出結果と、前記偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光として出力された光が前記評価対象物で反射されて前記偏光ビームスプリッタに戻ってくるまでの光学系を表すジョーンズ行列とに基づいて、前記評価対象物の反射時の位相特性を求める、
請求項13に記載の光学特性評価方法。
【請求項15】
前記光源は広帯域光を出力する、
請求項11~14の何れか1項に記載の光学特性評価方法。
【請求項16】
前記光源は出力波長が可変である、
請求項11~14の何れか1項に記載の光学特性評価方法。
【請求項17】
第1端子,第2端子および第3端子を有する光サーキュレータにより、前記光源から出力された光を前記第1端子に入力して、その光を前記第2端子から前記偏光ビームスプリッタへ出力し、前記偏光ビームスプリッタから出力された光を前記第2端子に入力して、その光を前記第3端子から前記第1検出部へ出力する、
請求項11~16の何れか1項に記載の光学特性評価方法。
【請求項18】
前記光源と前記光サーキュレータの前記第1端子との間に設けられた第1光ファイバにより、前記光源から出力された光を前記第1端子へ導光し、
前記光サーキュレータの前記第2端子に一端が光学的に接続されファイバコリメータが他端に設けられた第2光ファイバにより、前記第2端子から出力された光を導光して前記ファイバコリメータから前記偏光ビームスプリッタへ出力し、前記偏光ビームスプリッタから前記ファイバコリメータに入力された光を前記第2端子へ導光し、
前記光サーキュレータの前記第3端子と前記第1検出部との間に設けられた第3光ファイバにより、前記第3端子から出力された光を前記第1検出部へ導光する、
請求項17に記載の光学特性評価方法。
【請求項19】
前記第2検出部に一端が光学的に接続されファイバコリメータが他端に設けられた第4光ファイバにより、前記偏光ビームスプリッタから前記ファイバコリメータに入力された光を前記第2検出部へ導光する、
請求項11~18の何れか1項に記載の光学特性評価方法。
【請求項20】
前記偏光調整部により前記評価対象物へ光を垂直入射させる、
請求項11~19の何れか1項に記載の光学特性評価方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学特性評価装置および光学特性評価方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の半導体製造装置を用いた微細加工技術の進展に伴い、波長より小さい微細構造を有する構造体を作製することが可能になってきた。この微細構造を用いることにより、自然界には存在しない特殊な光学特性を有する人工物質(これはメタマテリアルまたはメタサーフェスと呼ばれる場合がある)を作製することができ、また、この人工物質の特殊な光学特性を利用したデバイスを作製することができる。これらの研究が盛んに行われるようになり、実用化も進んできている。更に、非常に薄い金属を微細構造に取り込みプラズモン効果を利用することで特殊な光学特性を得ることを利用したデバイスを実現することができ、このようなデバイスも多く報告されるようになってきた。
【0003】
これらの特殊人工物質の多くは、構造に起因する光学的異方性を有している。人工物質のサイズが非常に小さいことが一因で、人工物質の光学特性を評価する装置は、非常に複雑で、高額である。異方性材料としては、このような特殊人工物質の他に、液晶や非線形光学材料なども知られている。
【0004】
光学的な異方性を有する対象物の光学特性を評価する装置として、分光エリプソメータが知られている。この装置は、評価対象物のs偏光およびp偏光による反射率の違いを利用することから、両者の比が大きくなる斜入射での測定が必要となり、その結果、入射光および反射光それぞれ光路が異なり、装置が大掛かりになる。また、評価対象物が微小である場合には、複雑な光学系を必要とする。
【0005】
非特許文献1に記載された技術は、評価対象物に光を垂直入射させることができることから、この点では分光エリプソメータより好ましい。非特許文献1に記載された技術は、評価対象物の反射率を求める際には偏光子および2分の1波長板を用い、評価対象物の反射時の位相特性を求める際には4分の1波長板および2分の1波長板を用いる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】Yu Horie, "Controlling theFlow of Light Using High-Contrast Metastructures," California Institute ofTechnology 博士論文 (2017).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
非特許文献1に記載された技術は、評価対象物の反射率測定時と位相特性測定時とで光路上に挿入する光学素子を交換する必要があることから、その光学素子の交換や光学系の調整に時間を要し、測定が容易ではない。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、評価対象物の光学特性を簡易な構成で容易に評価することができる装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の光学特性評価装置は、(1) 光を出力する光源と、(2) 光源から出力された光を第1方位の直線偏光成分と第2方位の直線偏光成分とに偏光分離する偏光ビームスプリッタと、(3) 偏光ビームスプリッタと評価対象物との間の光路上に設けられ、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光の偏光状態を調整して当該調整後の光を評価対象物へ照射し、評価対象物への光照射により生じた反射光の偏光状態を調整して当該調整後の光を偏光ビームスプリッタへ出力する偏光調整部と、(4) 評価対象物から偏光調整部を経て偏光ビームスプリッタに到達した光のうち偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分を受光して検出する第1検出部と、(5) 評価対象物から偏光調整部を経て偏光ビームスプリッタに到達した光のうち偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分を受光して検出する第2検出部と、(6) 第1検出部または第2検出部による検出結果に基づいて、評価対象物の反射率および位相特性を解析する解析部と、を備える。
【0010】
本発明の一側面において、偏光調整部は、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光を入力する4分の1波長板と、4分の1波長板から出力された光を入力する2分の1波長板と、を含むのが好適である。
【0011】
本発明の一側面において、解析部は、評価対象物に照射される光が偏光調整部により特定方位の直線偏光とされたときの第1検出部による検出結果に基づいて、評価対象物に特定方位の直線偏光が入射したときの反射率を求めるのが好適である。解析部は、評価対象物に照射される光が偏光調整部により前記特定方位の直線偏光と異なる偏光状態とされたときの第1検出部または第2検出部による検出結果と、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光として出力された光が評価対象物で反射されて偏光ビームスプリッタに戻ってくるまでの光学系を表すジョーンズ行列とに基づいて、評価対象物の反射時の位相特性を求めるのが好適である。
【0012】
本発明の一側面において、光源は、広帯域光を出力するものであってもよいし、出力波長が可変であるものであってもよい。
【0013】
本発明の一側面において、光学特性評価装置は、第1端子,第2端子および第3端子を有し、光源から出力された光を第1端子に入力して、その光を第2端子から偏光ビームスプリッタへ出力し、偏光ビームスプリッタから出力された光を第2端子に入力して、その光を第3端子から第1検出部へ出力する光サーキュレータを更に備えるのが好適である。
【0014】
本発明の一側面において、光学特性評価装置は、(a) 光源と光サーキュレータの第1端子との間に設けられ、光源から出力された光を第1端子へ導光する第1光ファイバと、(b) 光サーキュレータの第2端子に一端が光学的に接続され、ファイバコリメータが他端に設けられ、第2端子から出力された光を導光してファイバコリメータから偏光ビームスプリッタへ出力し、偏光ビームスプリッタからファイバコリメータに入力された光を第2端子へ導光する第2光ファイバと、(c) 光サーキュレータの第3端子と第1検出部との間に設けられ、第3端子から出力された光を第1検出部へ導光する第3光ファイバと、を更に備えるのが好適である。光学特性評価装置は、第2検出部に一端が光学的に接続され、ファイバコリメータが他端に設けられ、偏光ビームスプリッタからファイバコリメータに入力された光を第2検出部へ導光する第4光ファイバを更に備えるのが好適である。偏光調整部は評価対象物へ光を垂直入射させるのが好適である。
【0015】
本発明の光学特性評価方法は、(1) 光源から出力された光を偏光ビームスプリッタにより第1方位の直線偏光成分と第2方位の直線偏光成分とに偏光分離し、(2) 偏光ビームスプリッタと評価対象物との間の光路上に設けられた偏光調整部により、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光の偏光状態を調整して当該調整後の光を評価対象物へ照射し、評価対象物への光照射により生じた反射光の偏光状態を調整して当該調整後の光を偏光ビームスプリッタへ出力し、(3) 評価対象物から偏光調整部を経て偏光ビームスプリッタに到達した光のうち偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分を第1検出部により受光して検出し、(4) 評価対象物から偏光調整部を経て偏光ビームスプリッタに到達した光のうち偏光ビームスプリッタにより偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分を第2検出部により受光して検出し、(5) 第1検出部または第2検出部による検出結果に基づいて、評価対象物の反射率および位相特性を解析する。
【0016】
本発明の一側面において、偏光調整部は、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光成分として出力された光を入力する4分の1波長板と、4分の1波長板から出力された光を入力する2分の1波長板と、を含むのが好適である。
【0017】
本発明の一側面において、光学特性評価方法は、評価対象物に照射される光が偏光調整部により特定方位の直線偏光とされたときの第1検出部による検出結果に基づいて、評価対象物に特定方位の直線偏光が入射したときの反射率を求めるのが好適である。光学特性評価方法は、評価対象物に照射される光が偏光調整部により前記特定方位の直線偏光と異なる偏光状態とされたときの第1検出部または第2検出部による検出結果と、偏光ビームスプリッタから第1方位の直線偏光として出力された光が評価対象物で反射されて偏光ビームスプリッタに戻ってくるまでの光学系を表すジョーンズ行列とに基づいて、評価対象物の反射時の位相特性を求めるのが好適である。
【0018】
本発明の一側面において、光源は、広帯域光を出力するものであってもよいし、出力波長が可変であるものであってもよい。
【0019】
本発明の一側面において、光学特性評価方法は、第1端子,第2端子および第3端子を有する光サーキュレータにより、光源から出力された光を第1端子に入力して、その光を第2端子から偏光ビームスプリッタへ出力し、偏光ビームスプリッタから出力された光を第2端子に入力して、その光を第3端子から第1検出部へ出力するのが好適である。
【0020】
本発明の一側面において、光学特性評価方法は、(a) 光源と光サーキュレータの第1端子との間に設けられた第1光ファイバにより、光源から出力された光を第1端子へ導光し、(b) 光サーキュレータの第2端子に一端が光学的に接続されファイバコリメータが他端に設けられた第2光ファイバにより、第2端子から出力された光を導光してファイバコリメータから偏光ビームスプリッタへ出力し、偏光ビームスプリッタからファイバコリメータに入力された光を第2端子へ導光し、(c) 光サーキュレータの第3端子と第1検出部との間に設けられた第3光ファイバにより、第3端子から出力された光を第1検出部へ導光するのが好適である。第2検出部に一端が光学的に接続されファイバコリメータが他端に設けられた第4光ファイバにより、偏光ビームスプリッタからファイバコリメータに入力された光を第2検出部へ導光するのが好適である。偏光調整部により評価対象物へ光を垂直入射させるのが好適である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、評価対象物の光学特性を簡易な構成で容易に評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、光学特性評価装置1の構成を示す図である。
図2図2は、α=β=0°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
図3図3は、α=0°,β=45°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
図4図4は、α=30°,β=22.5°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
図5図5は、Δの初期値および解析値それぞれの波長依存性の一例を示すグラフである。
図6図6は、Δの解析値および参考値それぞれの波長依存性を対比して示すグラフである。
図7図7は、光学特性評価装置2の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0024】
図1は、光学特性評価装置1の構成を示す図である。光学特性評価装置1は、評価対象物Sの光学特性(反射率、位相特性)を評価するものであって、光源10、光サーキュレータ20、偏光ビームスプリッタ30、偏光調整部40、対物レンズ50、第1検出部60、第2検出部70および解析部80を備える。
【0025】
光源10は、評価対象物Sに照射すべき光を出力する。光源10は、広帯域光を出力するものであってもよいし、出力波長が可変であるものであってもよい。
【0026】
光サーキュレータ20は、第1端子21,第2端子22および第3端子23を有する。第1端子21は、光源10と光学的に接続されている。第2端子22は、偏光ビームスプリッタ30と光学的に接続されている。第3端子23は、第1検出部60と光学的に接続されている。光サーキュレータ20は、光源10から到達した光を第1端子21に入力し、その光を第2端子22から偏光ビームスプリッタ30へ出力する。光サーキュレータ20は、偏光ビームスプリッタ30から到達した光を第2端子22に入力し、その光を第3端子23から第1検出部60へ出力する。
【0027】
偏光ビームスプリッタ30は、光源10から出力されて光サーキュレータ20を経て到達した光を第1方位の直線偏光成分(s偏光成分)と第2方位の直線偏光成分(p偏光成分)とに偏光分離して、そのうちの第1方位の直線偏光成分(s偏光成分)を偏光調整部40へ出力する。また、偏光ビームスプリッタ30は、偏光調整部40から到達した光を第1方位の直線偏光成分(s偏光成分)と第2方位の直線偏光成分(p偏光成分)とに偏光分離して、そのうちの第1方位の直線偏光成分(s偏光成分)を光サーキュレータ20へ出力し、第2方位の直線偏光成分(p偏光成分)を第2検出部70へ出力する。
【0028】
偏光調整部40は、偏光ビームスプリッタ30と評価対象物Sとの間の光路上に設けられている。偏光調整部40は、偏光ビームスプリッタ30からs偏光成分として出力された光の偏光状態を調整して当該調整後の光を評価対象物Sへ照射する。また、偏光調整部40は、評価対象物Sへの光照射により生じた反射光の偏光状態を調整して当該調整後の光を偏光ビームスプリッタ30へ出力する。偏光調整部40による光の偏光状態の調整は、偏光状態を変更せず維持する場合を含む。偏光調整部40は、評価対象物Sへ光を垂直入射させるのが好適である。
【0029】
偏光調整部40は、偏光ビームスプリッタ30からs偏光成分として出力された光を入力する4分の1波長板41と、この4分の1波長板から出力された光を入力する2分の1波長板42と、を含む構成とすることができる。4分の1波長板41および2分の1波長板42それぞれの光学軸の方位は可変である。4分の1波長板41および2分の1波長板42それぞれの光学軸の方位を調整することにより、4分の1波長板41および2分の1波長板42を通過する光の偏光状態を調整することができる。
【0030】
対物レンズ50は、偏光調整部40により偏光状態が調整された光を評価対象物Sに集光照射する。また、対物レンズ50は、評価対象物Sへの光照射により生じた反射光を偏光調整部40へ導く。
【0031】
第1検出部60は、評価対象物Sから偏光調整部40を経て偏光ビームスプリッタ30に到達した光のうち、偏光ビームスプリッタ30により偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分(s偏光成分)を受光して検出する。第2検出部70は、評価対象物Sから偏光調整部40を経て偏光ビームスプリッタ30に到達した光のうち、偏光ビームスプリッタ30により偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分(p偏光成分)を受光して検出する。光源10が広帯域光を出力するものである場合、第1検出部60および第2検出部70それぞれは、受光した光の強度スペクトルを検出する。
【0032】
光源10と光サーキュレータ20の第1端子21との間に、光源10から出力された光を第1端子21へ導光する第1光ファイバ91が設けられているのが好適である。光サーキュレータ20の第2端子22に一端が光学的に接続された第2光ファイバ92が設けられているのが好適である。この第2光ファイバ92は、他端にファイバコリメータ95が設けられ、第2端子22から出力された光を導光してファイバコリメータ95から偏光ビームスプリッタ30へ出力し、偏光ビームスプリッタ30からファイバコリメータ95に入力された光を第2端子22へ導光する。光サーキュレータ20の第3端子23と第1検出部60との間に、第3端子23から出力された光を第1検出部60へ導光する第3光ファイバ93が設けられているのが好適である。また、第2検出部70に一端が光学的に接続された第4光ファイバ94が設けられているのが好適である。この第4光ファイバ94は、他端にファイバコリメータ96が設けられ、偏光ビームスプリッタ30からファイバコリメータ96に入力された光を第2検出部70へ導光する。
【0033】
解析部80は、第1検出部60または第2検出部70による検出結果に基づいて、評価対象物Sの光学特性(反射率、位相特性)を解析する。
【0034】
解析部80は、コンピュータであってよい。解析部80は、第1検出部60または第2検出部70による検出結果や解析条件などを入力する入力部と、それらの検出結果,解析条件,解析結果および解析プログラムなどを記憶する記憶部(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、RAMおよびROM等)、それらの検出結果に基づいて所要の解析を行う演算部(CPU,DSPおよびFPGA等)と、解析の結果などを表示する表示部(例えば液晶ディスプレイ等)と、を含む。
【0035】
解析部80は、評価対象物Sに照射される光が偏光調整部40により特定方位の直線偏光とされたときの第1検出部60による検出結果に基づいて、評価対象物Sに特定方位の直線偏光が入射したときの反射率を求めることができる。
【0036】
解析部80は、評価対象物Sに照射される光が偏光調整部40により前記特定方位の直線偏光と異なる偏光状態とされたときの第1検出部60または第2検出部70による検出結果と、偏光ビームスプリッタ30から第1方位の直線偏光として出力された光が評価対象物Sで反射されて偏光ビームスプリッタ30に戻ってくるまでの光学系を表すジョーンズ行列とに基づいて、評価対象物Sの反射時の位相特性を求めることができる。
【0037】
偏光ビームスプリッタ30から偏光調整部40へ出力される光のジョーンズベクトルJは下記(1)式で表わされる。偏光調整部40から偏光ビームスプリッタ30に到達する光のジョーンズベクトルJは下記(2)式で表わされる。
【0038】
【数1】
【0039】
【数2】
【0040】
偏光ビームスプリッタ30から出力される光の偏光方位に対して4分の1波長板41の光学軸が角度αだけ傾いているとすると、4分の1波長板41のジョーンズ行列は、偏光ビームスプリッタ30から評価対象物Sへ向かう光に対しては下記(3)式で表され、評価対象物Sから偏光ビームスプリッタ30へ向かう光に対しては下記(4)式で表される。
【0041】
【数3】
【0042】
【数4】
【0043】
偏光ビームスプリッタ30から出力される光の偏光方位に対して2分の1波長板42の光学軸が角度βだけ傾いているとすると、2分の1波長板42のジョーンズ行列は、偏光ビームスプリッタ30から評価対象物Sへ向かう光に対しては下記(5)式で表され、評価対象物Sから偏光ビームスプリッタ30へ向かう光に対しては下記(6)式で表される。
【0044】
【数5】
【0045】
【数6】
【0046】
評価対象物Sのジョーンズ行列Jsampleは下記(7)式で表される。以上のジョーンズ行列を用いると、偏光調整部40から偏光ビームスプリッタ30に到達する光のジョーンズベクトルJは、下記(8)式で表される。第1検出部60による検出値は、ジョーンズベクトルJ中のEの絶対値の2乗に相当する。第2検出部70による検出値は、ジョーンズベクトルJ中のEの絶対値の2乗に相当する。
【0047】
【数7】
【0048】
【数8】
【0049】
評価対象物Sのジョーンズ行列Jsample(上記(7)式)に示されるとおり、評価対象物Sの光学特性を評価するには、s偏光の反射率|r|、p偏光の反射率|r|、および、s偏光の反射係数rとp偏光の反射係数rとの間の相対反射位相Δ=δ-δを求めればよい。本実施形態の光学特性評価装置1および本実施形態の光学特性評価方法では、次のようにして |r|、|r| およびΔを求める。
【0050】
s偏光の反射率|r|は次のようにして求めることができる。偏光ビームスプリッタ30から出力される光(s偏光)の偏光方位に対して、4分の1波長板41の光学軸の角度αを0°に設定し、2分の1波長板42の光学軸の角度βを0°に設定する。このとき、評価対象物Sに照射される光は、偏光調整部40によりs偏光成分のみとなり、反射係数rで反射される。その反射光は、偏光ビームスプリッタ30に入力されるときにもs偏光であるから、光サーキュレータ20を経て第1検出部60により検出される。第1検出部60による検出値は|E|=|r| に相当する。図2は、α=β=0°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
【0051】
p偏光の反射率|r|は次のようにして求めることができる。偏光ビームスプリッタ30から出力される光(s偏光)の偏光方位に対して、4分の1波長板41の光学軸の角度αを0°に設定し、2分の1波長板42の光学軸の角度βを45°に設定する。このとき、評価対象物Sに照射される光は、偏光調整部40によりp偏光成分のみとなり、反射係数rで反射される。その反射光は、偏光ビームスプリッタ30に入力されるときに偏光調整部40によりs偏光に戻るから、光サーキュレータ20を経て第1検出部60により検出される。第1検出部60による検出値は|E|=|r| に相当する。図3は、α=0°,β=45°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
【0052】
相対反射位相Δは次のようにして求めることができる。4分の1波長板41の光学軸の角度αおよび2分の1波長板42の光学軸の角度βを上記設定とは異なる値に設定して、評価対象物Sに照射される光がs偏光およびp偏光の何れとも異なる偏光状態となるようにする。そのときの第1検出部60による検出値または第2検出部70による検出値を求める。図4は、α=30°,β=22.5°としたときの第1検出部60および第2検出部70それぞれによる検出値の波長依存性の一例を示すグラフである。
【0053】
第1検出部60による検出値は上記(7)式による計算値|E|と一致する筈であるから、第1検出部60による検出値と上記(7)式による計算値|E|との差が最小となるようなΔを求めればよい。このとき、最小二乗法を用いることができる。また、シミュレーティド・アニーリング(Simulated Annealing)法、シンプレックス法、遺伝的アルゴリズムなどの最適化アルゴリズムを用いてもよい。
【0054】
最小二乗法を用いる場合、下記(9)式の値が最小となるようにする。この式において、Nは第1検出部60により検出した波長の数であり、nは波長を表す変数である。yは上記(7)式による計算値|E|であり、f(x)は第1検出部60による検出値であり、σは標準偏差である。また、この計算の開始に際してyの初期値を設定して、計算を行っていくことによりyがf(x)に近づいていくようにする。yの初期値は波長によら一定の値であってもよい。すなわち、Δの初期値は波長によら一定の値であってもよい。
【0055】
【数9】
【0056】
第1検出部60による検出値と上記(7)式による計算値|E|との差が最小となるようなΔを求めることに替えて、第2検出部70による検出値と上記(7)式による計算値|E|との差が最小となるようなΔを求めてもよい。また、確認のために双方の計算を行ってもよい。また、αおよびβを他の値に設定して測定を行って、同様に計算をしてもよい。
【0057】
図5は、Δの初期値および解析値それぞれの波長依存性の一例を示すグラフである。初期位相スペクトルは波長によらず一定の6ラジアンとした。図6は、Δの解析値および参考値それぞれの波長依存性を対比して示すグラフである。Δの解析値は、図5に示されたものと同じである。Δの参考値は、他の方法により測定されたものである。広い波長範囲に亘って両者は互いによく一致している。
【0058】
図7は、光学特性評価装置2の構成を示す図である。図1に示された光学特性評価装置1では偏光ビームスプリッタ30から評価対象物Sへ出力される光がs偏光であったのに対して、この図7に示される光学特性評価装置2では偏光ビームスプリッタ30から評価対象物Sへ出力される光はp偏光となる。
【0059】
すなわち、図7に示される光学特性評価装置2では、偏光ビームスプリッタ30は、光源10から出力されて光サーキュレータ20を経て到達した光を第1方位の直線偏光成分(p偏光成分)と第2方位の直線偏光成分(s偏光成分)とに偏光分離して、そのうちの第1方位の直線偏光成分(p偏光成分)を偏光調整部40へ出力する。また、偏光ビームスプリッタ30は、偏光調整部40から到達した光を第1方位の直線偏光成分(p偏光成分)と第2方位の直線偏光成分(s偏光成分)とに偏光分離して、そのうちの第1方位の直線偏光成分(p偏光成分)を光サーキュレータ20へ出力し、第2方位の直線偏光成分(s偏光成分)を第2検出部70へ出力する。
【0060】
第1検出部60は、評価対象物Sから偏光調整部40を経て偏光ビームスプリッタ30に到達した光のうち、偏光ビームスプリッタ30により偏光分離されて出力された第1方位の直線偏光成分(p偏光成分)を受光して検出する。第2検出部70は、評価対象物Sから偏光調整部40を経て偏光ビームスプリッタ30に到達した光のうち、偏光ビームスプリッタ30により偏光分離されて出力された第2方位の直線偏光成分(s偏光成分)を受光して検出する。
【0061】
p偏光の反射率|r|は次のようにして求めることができる。偏光ビームスプリッタ30から出力される光(p偏光)の偏光方位に対して、4分の1波長板41の光学軸の角度αを0°に設定し、2分の1波長板42の光学軸の角度βを0°に設定する。このとき、評価対象物Sに照射される光は、偏光調整部40によりp偏光成分のみとなり、反射係数rで反射される。その反射光は、偏光ビームスプリッタ30に入力されるときにもp偏光であるから、光サーキュレータ20を経て第1検出部60により検出される。第1検出部60による検出値は|E|=|r| に相当する。
【0062】
s偏光の反射率|r|は次のようにして求めることができる。偏光ビームスプリッタ30から出力される光(p偏光)の偏光方位に対して、4分の1波長板41の光学軸の角度αを0°に設定し、2分の1波長板42の光学軸の角度βを45°に設定する。このとき、評価対象物Sに照射される光は、偏光調整部40によりs偏光成分のみとなり、反射係数rで反射される。その反射光は、偏光ビームスプリッタ30に入力されるときに偏光調整部40によりp偏光に戻るから、光サーキュレータ20を経て第1検出部60により検出される。第1検出部60による検出値は|E|=|r| に相当する。
【0063】
相対反射位相Δは次のようにして求めることができる。4分の1波長板41の光学軸の角度αおよび2分の1波長板42の光学軸の角度βを上記設定とは異なる値に設定して、評価対象物Sに照射される光がs偏光およびp偏光の何れとも異なる偏光状態となるようにする。そのときの第1検出部60による検出値または第2検出部70による検出値を求める。上記と同様に、この検出値と上記(7)式による計算値とに基づいてΔを求めることができる。
【0064】
以上のとおり、本実施形態によれば、評価対象物の光学特性を簡易な構成で容易に評価することができる。本実施形態では、評価対象物に対して光を垂直入射させることができるので、装置を小型化して簡易な構成とすることができる。非特許文献1に記載された技術では反射率測定時と位相特性測定時とで光路上に挿入する光学素子を交換する必要があるが、本実施形態では、そのような交換の必要がないので、光学系調整の負荷が小さく、短時間で容易に評価をすることができる。また、本実施形態では、光路の一部に光ファイバを設け、光サーキュレータを用いることにより、更に装置の小型化や評価の容易化が可能となり、また、耐震性に優れた評価が可能となる。
【符号の説明】
【0065】
1,2…光学特性評価装置、10…光源、20…光サーキュレータ、21…第1端子、22…第2端子、23…第3端子、30…偏光ビームスプリッタ、40…偏光調整部、41…4分の1波長板、42…2分の1波長板、50…対物レンズ、60…第1検出部、70…第2検出部、80…解析部、91…第1光ファイバ、92…第2光ファイバ、93…第3光ファイバ、94…第4光ファイバ、95…ファイバコリメータ、96…ファイバコリメータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7