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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】層形成方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/08 20060101AFI20240326BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20240326BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20240326BHJP
【FI】
C23C16/08
H01L21/88 Q
H01L21/285 C
H01L21/285 301
【請求項の数】 28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018159862
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2019044266
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2021-08-16
(31)【優先権主張番号】15/691,241
(32)【優先日】2017-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/607,070
(32)【優先日】2017-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100104374
【弁理士】
【氏名又は名称】野矢 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】チユ・ヂュー
(72)【発明者】
【氏名】キラン・シェレスタ
(72)【発明者】
【氏名】チー・シエ
(72)【発明者】
【氏名】ブーシャン・ゾープ
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/056187(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062224(US,A1)
【文献】特開2016-098406(JP,A)
【文献】特開2006-228923(JP,A)
【文献】特開2015-074831(JP,A)
【文献】特開2009-024252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/08
H01L 21/3205
H01L 21/285
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層を形成する方法であって、
特徴部の製造中に作られる間隙を持つ基材を反応チャンバ内に提供する工程と、
前記基材上にシード層を堆積する工程と、
前記シード層上にバルク層を堆積する工程とを含み、
前記シード層の堆積が、
金属およびハロゲン原子を持つ第一の前駆体を前記基材に供給する工程と、
第一の反応物質を前記基材に供給する工程とを含み、前記第一の前駆体の一部分および前記第一の反応物質が反応して、前記シード層の少なくとも一部分を形成し、
前記バルク層の堆積が、
金属およびハロゲン原子を持つ第二の前駆体を前記シード層に供給する工程と、
第二の反応物質を前記シード層に供給する工程とを含み、前記第二の前駆体の一部分および前記第二の反応物質が反応して前記シード層上に前記バルク層の少なくとも一部分を形成し、
前記第一および第二の前駆体が異なっており、前記第一の前駆体および前記第一の反応物質の一つ以上が前記基材にパルスされる一方、前記第一の前駆体および前記第一の反応物質の他方は前記基材に連続的に供給され、
プロセス温度が400~700℃である、方法。
【請求項2】
前記第一および第二の反応物質の少なくとも一つが水素原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第一および第二の反応物質の少なくとも一つが水素(H)を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第一および第二の前駆体が同じ金属原子である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第一および第二の前駆体の少なくとも一つが遷移金属原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記遷移金属原子がモリブデンである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第一および第二の前駆体が同じハロゲン原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ハロゲン原子が塩化物である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第一の前駆体が五塩化モリブデン(MoCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第二の前駆体が金属またはハロゲン原子ではない追加的原子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記追加的原子がカルコゲン化物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基材上にシード層を堆積する工程の間の温度が450~550℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第二の前駆体が、二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第一および第二の前駆体の少なくとも一つが、前記基材にパルスで供給され、前記パルスが0.1~10秒である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第一または第二の前駆体の前記基材への流量が50~1000sccmである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
シード層の堆積が第一の反応空間で起こり、シード層の堆積の間の第一の反応空間の温度は450~550℃であり、シード層の上にバルク層を堆積することが第二の反応空間で起こり、シード層の上にバルク層を堆積する間の第二の反応空間の温度は500~650℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記反応チャンバの圧力が0.1~100Torrである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第二の前駆体が、二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記バルク層の堆積が、前記第一または第二の前駆体の前記基材への順次供給を含む原子層堆積(ALD)サイクルを反復する工程、および前記第一または第二の反応物質を前記基材に供給する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記第一の前駆体、前記第一の反応物質、前記第二の前駆体または前記第二の反応物質の前記基材への供給の合間に、前記基材が0.5~50秒パージされる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第一および/または第二の反応物質の前記基材への供給が0.5~50秒かかる、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記シード層の厚さが3~7nmである、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記シードおよびバルク層の少なくとも一つの堆積が化学気相蒸着(CVD)プロセスを含み、前記前駆体が前記反応物質と同時に前記基材に供給される、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記遷移金属原子がタングステン(W)である、請求項5に記載の方法。
【請求項25】
前記第二の前駆体がタングステン(W)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記第二の前駆体が五塩化タングステン(V)(WCl)または六塩化タングステン(VI)(WCl)を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第二の前駆体が銅を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記第二の前駆体が二塩化銅(II)(CuCl)または塩化銅(CuCl)を含む、請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
(関連出願の相互参照)
[0001]本出願は、「層形成方法」と題する米国非仮出願第15/691,241号(2017年8月30日出願)の一部継続出願であり、「層形成方法」と題する米国仮特許出願第62/607,070号(2017年12月18日出願)の利益を主張し、両出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は一般に、基材上に層を形成する方法に関する。より具体的には、本開示は原子層堆積(ALD)サイクルまたは化学気相蒸着(CVD)プロセスを順次反復して、特徴部の製造中に生成される間隙を持つ基材上に層の少なくとも一部を形成することに関する。基材上の層は半導体デバイスの製造のために使用することができる。
【背景技術】
【0003】
[0003]原子層堆積(ALD)および化学気相蒸着(CVD)では、基材は、反応して基材上の望ましい層となるのに適した第一の前駆体および第一の反応物質にさらされる。基材上の特徴部の製造中に生成される間隙中に層を堆積させて、間隙を埋めてもよい。
【0004】
[0004]ALDでは、基材は第一の前駆体のパルスにさらされ、第一の前駆体の単層が基材の表面に化学吸着しうる。表面部位は、第一の前駆体の全体またはその断片によって占められうる。第一の前駆体は、基材表面にすでに吸着された第一の前駆体の部分は吸着しないまたはそれとは反応しないため、反応は化学的に自己限定的なものでありうる。次に過剰な第一の前駆体は、例えば、不活性ガスの供給および/または反応チャンバからの第一の前駆体の除去によって、パージされる。その後、基材は第一の反応物質のパルスにさらされ、これは反応が完了するまで吸着された第一の前駆体の全体または断片と化学的に反応し、表面が反応生成物の単層で覆われる。
【0005】
[0005]堆積層の品質を改善する必要がありうることが認められている。
【発明の概要】
【0006】
[0006]基材上に堆積層を形成する改善された方法が必要である場合がある。従って、特徴部の製造中に作られる間隙を持つ基材を提供し、基材上にシード層を堆積する工程、およびシード層の上にバルク層を堆積する工程を含む、層の形成方法が提供されうる。シード層の堆積には、金属およびハロゲン原子を含む第一の前駆体を基材に供給する工程、および第一の反応物質を基材に供給する工程を含むことができ、ここで第一の前駆体の一部分および第一の反応物質が反応してシード層の少なくとも一部分を形成する。バルク層の堆積には、金属およびハロゲン原子を含む第二の前駆体をシード層に供給する工程、および第二の反応物質をシード層に供給する工程を含むことができ、ここで第二の前駆体の一部分および第二の反応物質が反応してシード層上にバルク層の少なくとも一部分を形成する。第一および第二の前駆体は異なってもよい。
【0007】
[0007]シード層およびバルク層に対して異なる第一および第二の前駆体を持つことにより、全層の品質が改善されるように、シード層およびバルク層の特性を最適化することができる。第一および第二の反応物質は同じであってもよく、水素原子を含みうる。
【0008】
[0008]いくつかのその他の実施形態では、半導体の処理方法が提供されている。方法は、基材の間隙の中に金属層を堆積し、それによって間隙を埋める工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
[0009]本明細書で開示される本発明のこれらおよび他の特徴、態様、ならびに利点は、いくつかの実施形態の図面を参照して以下に記載され、例示することを意図しており、本発明を限定するものではない。
図1】[00010]図1aおよび図1bは、一実施形態による、層の堆積方法を概説するフローチャートを示す。
図2】[00011]図2は、一実施形態による、層で埋められた基材上の間隙構造の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[00012]金属層は、半導体デバイスの導電層として必要でありうる。集積回路デバイスの特徴部の製造中に作られる間隙は、金属層で埋めてもよい。間隙は、それらの深さが幅よりもはるかに大きくなるような高アスペクト比を持つことができる。
【0011】
[00013]間隙は、実質的に水平な上面を持つすでに製造された層の中に垂直に延長してもよい。垂直方向であり金属で埋められた間隙は、例えば、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)タイプのメモリ集積回路のワード線に使用できる。垂直方向であり金属で埋められた間隙は、例えば、論理集積回路にも使用できる。例えば、金属で埋められた間隙は、P型金属酸化物半導体(PMOS)または相補型金属酸化膜半導体(CMOS)集積回路またはソース/ドレイントレンチ接点のゲート充填として使用できる。
【0012】
[00014]間隙はすでに製造された層の中に水平方向に配置されてもよい。再び、間隙は、ここでは水平方向のそれらの深さが幅よりもはるかに大きくなるような高アスペクト比を持つことができる。水平方向であり金属で埋められた間隙は、例えば、3D NANDタイプのメモリ集積回路のワード線に使用できる。間隙は垂直方向および水平方向の組み合わせに配置してもよい。
【0013】
[00015]間隙の表面は一種の堆積材料を含みうる。あるいは、間隙の表面は異なる種類の堆積材料を含んでもよい。間隙の表面は、例えば、酸化アルミニウムおよび/または窒化チタンを含みうる。例えば、間隙にモリブデン導電層が必要とされることがある時、モリブデンを間隙の異なる材料上に堆積するのは困難な場合がある。モリブデン層が間隙の全表面を覆って、完全間隙を埋めることが必要となる場合がある。さらに、モリブデン層が、異なる種類の材料を含む間隙の全表面を覆っていてもよい。
【0014】
[00016]完全間隙を埋めるには、シード層を間隙に堆積させ、バルク層をシード層上に堆積させうる。シード層は、前処理原子層堆積(ALD)を順次反復することによって形成することができる。あるいは、シード層は化学気相蒸着(CVD)プロセスによって形成してもよい。CVDプロセスはパルス状になされてもよく、ここで第一の前駆体はパルスで基材上に供給される一方、第一の反応物質は連続的に基材に供給されるか、またはその反対でもよい。バルク層は、バルクALDサイクルを順次反復することによって、シード層の上に堆積することができる。あるいは、バルク層は、CVDプロセスによってシード層の上に堆積してもよい。CVDプロセスはパルスしてもよく、ここで第二の前駆体はパルスで基材上に供給される一方、第二の反応物質は連続的に基材に供給されるか、またはその反対でもよい。
【0015】
[00017]図1aおよび1bは、シード層が間隙中に堆積され、バルク層がシード層の上に堆積されうる実施形態による、層の堆積方法を概説するフローチャートを示す。シード層に対する前処理ALDサイクル1が図1aに示され、バルク層に対するバルクALDサイクル2が図1bに示されうる。
【0016】
[00018]ステップ3で間隙を持つ基材を反応チャンバ中に提供した後、第一の供給期間T1の間、ステップ5で金属およびハロゲン原子を含む第一の前駆体を基材に提供することができる(図1aを参照)。その後、例えば、ステップ7の第一の除去期間R1の間、第一の前駆体の一部分を反応チャンバから除去(例えば、パージ)することにより、第一の前駆体の基材への追加的供給を停止することができる。さらに、サイクルは、第二の供給期間T2の間、第一の反応物質を基材に供給する工程9を含みうる。第一の前駆体および第一の反応物質の一部分が反応して、基材上にシード層の少なくとも一部分を形成しうる。通常、シード層の堆積が始まるまでに小数回(ほぼ50)のサイクルを必要としうる。例えば、ステップ11の第二の除去期間R1の間、第一の反応物質の一部分を反応チャンバから除去(例えば、パージ)することにより、第一の反応物質の基材への追加的供給を停止することができる。
【0017】
[00019]第一の前駆体および第一の反応物質は、間隙の表面上に適切な核生成を持つように選択されうる。前処理ALDサイクル1をN回反復してシード層を堆積することができ、Nは100~1000、好ましくは200~800、より好ましくは300~600の間で選択される。シード層は1~20nm、好ましくは2~10nm、より好ましくは3~7nmの厚さを持つことができる。
【0018】
[00020]前処理後、ALDサイクル1はN回反復される。バルクALDサイクル2の第三の供給期間T3の間、ステップ11で金属およびハロゲン原子を含む第一の前駆体を基材に供給することができる(図1bを参照)。これは、図1aの前処理ALDサイクル1と同じ反応チャンバで、または異なる反応チャンバで実施しうる。前処理サイクルに対する温度要件が異なる時は、バルクALDサイクルを前処理ALDサイクルとは異なる反応チャンバで行うことが有利なことがありうる。従って基材搬送が必要となりうる。その後、例えば、ステップ13の第三の除去期間R3の間、第二の前駆体の一部分を反応チャンバから除去(例えば、パージ)することにより、第二の前駆体の基材への追加的供給を停止することができる。
【0019】
[00021]さらに、サイクルは、第四の供給期間T4の間、第二の反応物質を基材に供給する工程15を含みうる。第二の前駆体および第二の反応物質の一部分が反応して、基材上にバルク層の少なくとも一部分を形成しうる。例えば、ステップ17の第四の除去期間R4の間、第二の反応物質の一部分を反応チャンバから除去(例えば、パージ)することにより、第二の反応物質の基材への追加的供給を停止することができる。第二の前駆体および第二の反応物質は適切な電子特性を持つように選択されうる。例えば、低い電気抵抗率を持つように選択されうる。モリブデン膜は、3000μΩ-cm未満、または1000μΩ-cm未満、または500μΩ-cm未満、または200μΩ-cm未満、または100μΩ-cm未満、または50μΩ-cm未満、または25μΩ-cm未満、または15μΩ-cmまたはさらに10μΩ-cm未満の電気抵抗率を持つことができる。
【0020】
[00022]バルク層に対するバルクALDサイクル2はM回反復することができ、Mは200~2000、好ましくは400~1200、より好ましくは600~1000の間で選択される。バルク層は1~100nm、好ましくは5~50nm、より好ましくは10~30nmの厚さを持つことができる。
【0021】
[00023]第一および第二の前駆体は同じ金属原子を含んでもよい。金属は遷移金属原子でもよい。遷移金属原子はモリブデンでもよい。
【0022】
[00024]第一および第二の前駆体は同じハロゲン原子を含んでもよい。ハロゲン原子は塩化物でもよい。同じハロゲン原子を持つことにより、評価する必要があるのは一つのハロゲンのみとなるため、製作のツールおよびプロセスの適格条件を簡素化しうる。第一の前駆体は五塩化モリブデン(MoCl)を含みうる。
【0023】
[00025]反応チャンバのプロセス温度は、前処理ALDサイクルの間、300~800℃、好ましくは400~700℃、より好ましくは450~550℃として選択されうる。第一の前駆体が蒸発する容器は、40~100℃、好ましくは60~80℃、より好ましくはおよそ70℃に維持されうる。
【0024】
[00026]第二の前駆体は金属またはハロゲン原子ではない追加的原子を含んでもよい。追加的原子はカルコゲンでもよい。カルコゲンは、酸素、硫黄、セレンまたはテルルでもよい。第二の前駆体は二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)を含みうる。
【0025】
[00027]反応チャンバのプロセス温度は、バルクALDサイクルの間、300~800℃、好ましくは400~700℃、より好ましくは500~650℃でありうる。第二の前駆体が蒸発する容器は、20~150℃、好ましくは30~120℃、より好ましくは40~110℃に維持されうる。
【0026】
[00028]第一および/または第二の前駆体を反応チャンバに供給する工程は、0.1~10秒、好ましくは0.5~5秒、より好ましくは0.8~2秒から選択される持続時間T1、T3かかる場合がある。例えば、T1は1秒であり、T3は1.3秒でもよい。第一または第二の前駆体の反応チャンバへの流量は、50~1000sccm、好ましくは100~500sccm、より好ましくは200~400sccmから選択されうる。反応チャンバの圧力は、0.1~100Torr、好ましくは1~50Torr、より好ましくは4~20Torrから選択されうる。
【0027】
[00029]第一および第二の反応物質の一つまたは両方がハロゲン原子を持つことができる。第一および第二の反応物質の少なくとも一つは水素(H)を含みうる。第一および第二の反応物質は同じであってもよい。持続時間T2、T4の間、第一および/または第二の反応物質を反応チャンバに供給する工程は、0.5~50秒、好ましくは1~10秒、より好ましくは2~8秒かかる場合がある。第一または第二の反応物質の反応チャンバへの流量は、50~50000sccm、好ましくは100~20000sccm、より好ましくは500~10000sccmから選択されうる。
【0028】
[00030]第一および/または第二の反応物質に対してシランを考慮することができる。シランの一般式はSiH2(x+2)であり、xは整数1、2、3、4・・・である。シラン(SiH)、ジシラン(Si)またはトリシラン(Si)は、水素原子を持つ第一および/または第二の反応物質の適切な例でありうる。
【0029】
[00031]第一の前駆体、第一の反応物質、第二の前駆体および第二の反応物質の少なくとも一つの一部分を反応チャンバから持続時間R1、R2、R3またはR4の間、除去する(例えば、パージする)工程は、0.5~50秒、好ましくは1~10秒、より好ましくは2~8秒行うことができる。第一の前駆体を基材に供給した後、第一の反応物質を基材に供給した後、第二の前駆体をシード層に供給した後、および第二の反応物質をシード層に供給した後、パージを使用して、第一の前駆体、第一の反応物質、第二の前駆体および第二の反応物質の少なくとも一つを、持続時間R1、R2、R3またはR4の間、反応チャンバから除去することができる。除去は、パージガスをポンプ注入および/または供給することにより達成できる。パージガスは窒素などの不活性ガスでもよい。
【0030】
[00032]方法は単一またはバッチウエハALD機器に使用できる。方法は基材を反応チャンバに提供する工程を含み、反応チャンバ中の前処理ALDサイクルは、第一の前駆体を反応チャンバ中の基材に供給する工程、第一の前駆体の一部分を反応チャンバからパージする工程、第一の反応物質を反応チャンバ中の基材に供給する工程、および第一の反応物質の一部分を反応チャンバからパージする工程を含みうる。さらに方法は基材を反応チャンバに提供する工程を含み、反応チャンバ中のバルクALDサイクルは、第二の前駆体を反応チャンバ中の基材に供給する工程、第二の前駆体の一部分を反応チャンバからパージする工程、第二の反応物質を反応チャンバ中の基材に供給する工程、および第二の反応物質の一部分を反応チャンバからパージする工程を含む。
【0031】
[00033]ALDプロセスを実施するために特に設計された例示的単一ウエハ反応器が、ASM International NV(オランダ、アルメレ)からPulsar(登録商標)、Emerald(登録商標)、Dragon(登録商標)およびEagle(登録商標)の商品名で市販されている。方法はバッチウエハ反応器(例えば、垂直炉)でも実施することができる。例えば、堆積プロセスは、ASM International N.V.から市販されているA412(商標)垂直炉でも実施できる。炉は、300 mmの直径を持つ150個の半導体基材、またはウエハの量を収容できるプロセスチャンバを有してもよい。
【0032】
[00034]ウエハ反応器はコントローラおよび反応器を制御しうるメモリを持つことができる。本開示の実施形態に従って、メモリは、コントローラで実行する時、前駆体および反応物質を反応チャンバに供給するようなプログラムでプログラムすることができる。
【0033】
[00035]図2は、本開示の一実施形態による、層で埋められた基材上の間隙構造の断面図を示す。ここに示されるように、間隙は、実質的に水平な上面を持つすでに製造された層の中に垂直および水平に延長することができる。
【0034】
[00036]間隙は、垂直および/または水平の深さが幅よりもはるかに大きくなるような高アスペクト比を持つことができる。例えば、垂直方向では、間隙は上部では207nm、中間では169nmおよび下部では149nmの幅を持つ一方、間隙の深さは432nmとはるかに大きい。例えば、水平方向では、上部から第一の間隙は34nmの幅を持つ一方、間隙の深さは163nm(四捨五入)とはるかに大きい。間隙のアスペクト比(間隙の深さ/間隙の幅)は、約2を超える、約5を超える、約10を超える、約20を超える、約50を超える、約75を超えることができ、一部の場合は、約100を超える、または約150を超える、またはさらに約200を超えることができる。
【0035】
[00037]間隙に対してアスペクト比を決定することは困難なこともありうるが、この文脈では、アスペクト比は、ウエハまたはウエハの一部の総表面積のウエハまたはウエハの一部の平面表面積に対する比率である表面増強効果比で置き換えうることが指摘されうる。間隙の表面増強効果比(間隙の表面/ウエハの表面)は、約2を超える、約5を超える、約10を超える、約20を超える、約50を超える、約75を超えることができ、一部の場合は、約100を超える、または約150を超える、またはさらに約200を超えることができる。
【0036】
[00038]間隙の表面は異なる種類の堆積材料19、21を含んでもよい。例えば、表面はAlまたはTiNを含みうる。
【0037】
[00039]共形金属層23は、第一の前駆体で前処理ALDサイクルを順次反復することによってシード層を堆積し、第二の前駆体でバルクALDサイクルを順次反復することによってバルク層を堆積することにより、間隙の表面に堆積される。使用された方法の詳細を図1aおよび1bならびに関連説明に示す。いくつかの実施形態では、Moを含む堆積膜は、約50%より大きい、約80%より大きい、約90%より大きい、約95%より大きい、約98%より大きい、約99%より大きいステップカバレッジを有しうる。
【0038】
[00040]第一および第二の前駆体は同じ金属原子(例えばモリブデンなどの遷移金属原子)を含みうる。第一および第二の前駆体は同じハロゲン原子(例えば塩化物)を含んでもよい。第一の前駆体はMoCl5を含みうる。第二の前駆体は金属またはハロゲン原子ではない追加的原子(例えば、酸素などのカルコゲン化物原子)を含んでもよい。第二の前駆体は二塩化二酸化モリブデン (VI) (MoOCl)を含みうる。方法は原子層堆積装置で実施しうる。例えば、堆積プロセスはEMERALD(登録商標)XP ALD装置で実施しうる。
【0039】
[00041]第一および第二の反応物質は水素(H)であり、これは反応チャンバに5秒の持続時間T2、T4の間、495sccmの流量で供給された。窒素のバージガスは、第一の前駆体の供給後、第一の反応物質の供給後、第二の前駆体の供給後、および第二の反応物質の供給後、5秒の持続時間R1、R2、R3またはR4の間使用された。
【0040】
[00042]前処理およびバルクALDサイクルの間、プロセス温度はほぼ550℃であり、圧力はほぼ10Torrであった。第一の前駆体を蒸発させた容器はほぼ70℃であった。第二の前駆体を蒸発させた容器はほぼ35℃であった。
【0041】
[00043]前処理ALDサイクルを500サイクル使用して約4.6nmのシード層を堆積し、バルクALDサイクルを800サイクル使用して約21.4nmのバルク層を堆積した。示されるように、モリブデン層23は間隙の表面上に非常に均一に堆積され、約26nmの合計厚さを有した。
【0042】
[00044]間隙の配向(水平または垂直のいずれであっても)および間隙の幅は、層23の厚さに実質的に影響しないと考えられる。さらに、表面の材料も、それがAl 19またはTiN 21のいずれであっても、層23の厚さに影響しないと考えられる。こうして、良好な均一性で金属を埋めた間隙を作ることが可能となる。
【0043】
[00045]方法は空間原子層堆積装置にも使用できる。空間ALDでは、前駆体および反応物質は異なる物理的セクションに連続的に供給され、基材はセクション間を移動する。基材の存在下、半反応が起こりうる少なくとも2つのセクションを提供しうる。このような半反応セクションに基材が存在する場合、第一または第二の前駆体から単層を形成することができる。次に、基材を第二の半反応ゾーンに移動し、そこで第一または第二の反応物質と共にALDサイクルを完了して一つのALD単層を形成する。あるいは、基材の位置を固定し、ガス供給を移動する、またはその2つの何らかの組み合わせが可能である。より厚い膜をうるために、この順序を反復してもよい。
【0044】
[00046]空間ALD装置の実施形態によると、方法は、
各セクションが隣接セクションからガスカーテンで分離されている複数のセクションを備える反応チャンバに基材を配置する工程と、
第一の前駆体を、反応チャンバの第一のセクションの基材に供給する工程と、
基材表面を、反応チャンバの第二のセクションへとガスカーテンを通して反応チャンバに対して側方に移動する工程と、
第一の反応物質を、反応チャンバの第二のセクションの基材に供給して、シード層を形成する工程と、
基材表面を、ガスカーテンを通して反応チャンバに対して側方に移動する工程と、
反応チャンバに対して基材表面を側方移動することを含む、第一の前駆体および反応物質の供給を反復して、シード層を形成する工程とを含む。
【0045】
[00047]バルク層を形成するためには、方法はさらに、
各セクションが隣接セクションからガスカーテンで分離されている複数のセクションを備える反応チャンバに基材を配置する工程と、
第二の前駆体を、反応チャンバの第一のセクションの基材に供給する工程と、
基材表面を、反応チャンバの第二のセクションへとガスカーテンを通して反応チャンバに対して側方に移動する工程と、
第二の反応物質を、反応チャンバの第二のセクションの基材に供給して、バルク層を形成する工程と、
基材表面を、ガスカーテンを通して反応チャンバに対して側方に移動する工程と、
反応チャンバに対して基材表面を側方移動することを含む、第二の前駆体および反応物質の供給を反復して、バルク層を形成する工程とを含む。
【0046】
[00048]第一および第二の前駆体は異なってもよい。第一および第二の反応物質は同じであってもよく、水素原子を含みうる。
【0047】
[00049]一実施形態によると、シード層は化学気相蒸着(CVD)プロセスで堆積することができ、ここで第一の前駆体および第一の反応物質は基材に対して同時に供給される。バルク層はCVDプロセスで堆積することができ、ここでも第二の前駆体および第二の反応物質は基材に対して同時に供給されうる。
【0048】
[00050]CVDプロセスはパルスCVDプロセスであってもよく、ここで第一の前駆体はパルスで基材に供給される一方、反応物質は連続的に基材に供給される。より高い濃度の反応物質はハロゲンの濃度を低下させうることが利点となりうる。高濃度のハロゲンは基材上の半導体デバイスを損傷しうる。
【0049】
[00051]例えば、シード層に対するパルスCVDプロセスでは、第一の前駆体の五塩化モリブデン(MoCl5)を1秒のパルスで提供し、5秒のパージガス流と交互に実施しうる。第一の反応物質の水素は500sccmの流量で連続的に供給し、基材は550℃に維持してもよい。
【0050】
[00052]CVDプロセスを実施するために特に設計された例示的単一ウエハ反応器が、ASM International NV(オランダ、アルメレ)からDragon(登録商標)の商品名で市販されている。方法はバッチウエハ反応器(例えば、垂直炉)でも実施することができる。例えば、堆積プロセスは、ASM International N.V.から市販されているA400(商標)、またはA412(商標)垂直炉でも実施できる。炉は、150個の半導体基材、またはウエハの量を収容できるプロセスチャンバを有してもよい。
【0051】
[00053]3D NANDメモリの生産については、ワード線は抵抗率の低い金属充填を必要とする間隙を持ちうる。既存の解決策では、CVDタングステン間隙充填のシード層としてTiNを利用しうる。現在のフッ素ベースのタングステン堆積プロセスでは、WF6前駆体からのフッ素が拡散しうる。フッ素の拡散および拡散したフッ素による高誘電率(high-k)Al2O3膜の攻撃を避けるために、厚い(=3nm)TiNバリアが必要となりうる。しかし、TiN膜の高い抵抗率(3nmで800μΩ-cm)はTiN/Wスタック抵抗率の増加をもたらし、これは望ましくない場合がある。
【0052】
[00054]基材上に、低い抵抗性を持つ一方フッ素を含まない堆積層を形成する改善された方法が必要である場合がある。従って、特徴部の製造中に作られる間隙を持つ基材を提供する工程、基材上にシード層を堆積する工程、およびシード層の上にバルク層を堆積する工程を含む、層の形成方法が提供されうる。バルク層の堆積は、タングステンなどの遷移金属を含む第二の前駆体を供給して、シード層の上部にバルク層を堆積する工程を含みうる。
【0053】
[00055]第二の前駆体は、バルク層を堆積するために塩化物などのハロゲンを含んでもよい。第二の前駆体は、五塩化タングステン(V)(WCl)または六塩化タングステン(VI))(WCl)でもよい。バルク層は、五塩化タングステン(V)(WCl)または六塩化タングステン(VI)(WCl)と水素HをALDまたはCVD動作モードで反応することにより堆積することができる。例えば、WClの反応は450℃の温度および40Torrの圧力で達成しうる。前駆体はALDまたはCVD動作モードで提供することができる。
【0054】
[00056]シード層は、水素と反応する第一の前駆体を含むモリブデンと共に堆積しうる。モリブデンを使用したシード層の抵抗率は3nmで107μΩ-cmでありえ、これはTiN層よりも低い。15nmのスタック厚さ(30nm CD構造の間隙充填に相当)に対しては特に、このアプローチを使用して良好な間隙充填が達成された。シード層の上にバルク層を堆積するために五塩化タングステン(V)(WCl)または六塩化タングステン(VI)(WCl)を使用することにより、フッ素を使用せずにタングステン層を堆積し、それでもなお低い抵抗率を持つことが可能になる。シード層の前駆体は、遷移金属(例えば、モリブデン(Mo))、ハロゲン(例えば、塩化物(Cl))および随意にカルコゲン化物(例えば、酸素(O))を含みうる。シード層の前駆体は、例えば、五塩化(MoCl)または二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)であってもよく、両方とも水素と反応する。五塩化モリブデン(MoCl)が使用された場合は、二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)と比べて、水素の分圧が100倍低くなりうる。
【0055】
[00057]モリブデンシード層の堆積速度は1.2オングストローム/サイクルでもよい。比較のために、TiNシード層の堆積速度は同じ状況下で、0.6オングストローム/サイクルでもよい。従って、モリブデンシード層の堆積速度は十分でありうる。
【0056】
[00058]シード層上に堆積される金属は銅でもよい。第二の前駆体は銅を含みうる。第二の前駆体は、バルク層を堆積するために塩化物などのハロゲンを含んでもよい。第二の前駆体は、二塩化銅(II)(CuCl)または塩化銅(CuCl)を含んでもよい。前駆体は、水素と反応するALDまたはCVD動作モードで提供することができる。
【0057】
[00059]シード層上に堆積する金属は、Ti、V、Cr、Mn、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Hf、Ta、W、Re、Os、IrおよびPtの群からの遷移金属または貴金属であってもよい。いくつかの実施形態では、層はCoまたはNiを含みうる。
【0058】
[00060]追加的実施形態では、シードまたはバルク層は、約40 at.%未満、約30 at.%未満、約20 at.%未満、約10 at.%未満、約5 at.%未満、またはさらに約2 at.%の酸素を含みうる。さらなる実施形態では、シードまたはバルク層は、約30 at.%未満、約20 at.%未満、約10 at.%未満、約5 at.%未満、または約2 at.%、またはさらに約1 at.%未満の水素を含みうる。いくつかの実施形態では、シードまたはバルク層は、約10 at.%、または約5 at.%未満、約1 at.%未満、またはさらに約0.5 at.%未満のハロゲン化物または塩化物を含みうる。またさらなる実施形態では、シードまたはバルク層は、約10 at.%未満、または約5 at.%未満、または約2 at.%未満、または約1 at.%未満、またはさらに約0.5 at.%未満の炭素を含みうる。本明細書で概要を述べる実施形態では、元素の原子百分率(at.%)濃度は、ラザフォード後方散乱(RBS)を利用して決定されうる。
【0059】
[00061]本開示のいくつかの実施形態では、半導体デバイス構造などの半導体デバイス構造の形成には、モリブデン膜を含むゲート電極構造を形成する工程を含むことができ、ゲート電極構造は、約4.9eVより大きい、または約5.0eVより大きい、または約5.1eVより大きい、または約5.2eVより大きい、または約5.3eVより大きい、またはさらに約5.4eVより大きい有効仕事関数を持つ。いくつかの実施形態では、上述の有効仕事関数値は、約100オングストローム未満、または50オングストローム未満、または約40オングストローム未満、またはさらに30オングストローム未満の厚さを持つモリブデン膜を含む電極構造に対して示されうる。
【0060】
[00062]当業者であれば、本発明の範囲から逸脱することなく、上述のプロセスおよび構造に対して様々な省略、追加および修正を行うことができることを理解するであろう。実施形態の特定の特徴および態様のさまざまな組み合わせまたは部分組み合わせを作ることができ、それでもなお記述の範囲内となることが企図されている。開示された実施形態のさまざまな特徴および態様は、互いに順番に組み合わせる、または置き換えることができる。このような修正および変更のすべては、添付の特許請求の範囲により規定されるように、本発明の範囲内に入ることが意図されている。
本発明は以下の態様を含む。
[1]
層を形成する方法であって、
特徴部の製造中に作られる間隙を持つ基材を提供する工程と、
前記基材上にシード層を堆積する工程と、
前記シード層上にバルク層を堆積する工程とを含み、
前記シード層の堆積が、
金属およびハロゲン原子を持つ第一の前駆体を前記基材に供給する工程と、
第一の反応物質を前記基材に供給する工程とを含み、前記第一の前駆体の一部分および前記第一の反応物質が反応して、前記シード層の少なくとも一部分を形成し、
前記バルク層の堆積が、
金属およびハロゲン原子を持つ第二の前駆体を前記シード層に供給する工程と、
第二の反応物質を前記シード層に供給する工程とを含み、前記第二の前駆体の一部分および前記第二の反応物質が反応して前記シード層上に前記バルク層の少なくとも一部分を形成し、
前記第一および第二の前駆体が異なってもよい、方法。
[2]
前記第一および第二の反応物質の少なくとも一つが水素原子を含む、[1]に記載の方法。
[3]
前記第一および第二の反応物質の少なくとも一つが水素(H)を含む、[2]に記載の方法。
[4]
前記第一および第二の前駆体が同じ金属原子である、[1]に記載の方法。
[5]
前記第一および第二の前駆体の少なくとも一つが遷移金属原子を含む、[1]に記載の方法。
[6]
前記遷移金属原子がモリブデンである、[5]に記載の方法。
[7]
前記第一および第二の前駆体が同じハロゲン原子を含む、[1]に記載の方法。
[8]
前記ハロゲン原子が塩化物である、[1]に記載の方法。
[9]
前記第一の前駆体が五塩化モリブデン(MoCl)を含む、[1]に記載の方法。
[10]
前記第二の前駆体が金属またはハロゲン原子ではない追加的原子を含む、[1]に記載の方法。
[11]
前記追加的原子がカルコゲン化物である、[10]に記載の方法。
[12]
前記カルコゲン化物が酸素である、[11]に記載の方法。
[13]
前記第二の前駆体が、二塩化二酸化モリブデン(VI)(MoOCl)を含む、[12]に記載の方法。
[14]
前記第一および第二の前駆体の少なくとも一つが、前記反応チャンバにパルスで供給され、前記パルスが0.1~10秒である、[1]に記載の方法。
[15]
前記第一または第二の前駆体の前記反応チャンバへの流量が50~1000sccmである、[1]に記載の方法。
[16]
前記第一または第二の反応物質の前記反応チャンバへの流量が50~50000sccmである、[1]に記載の方法。
[17]
前記反応チャンバの圧力が0.1~100Torrである、[1]に記載の方法。
[18]
プロセス温度が300~800℃である、[1]に記載の方法。
[19]
前記シードおよびバルク層の少なくとも一つの堆積が、前記第一または第二の前駆体の前記基材への順次供給を含む原子層堆積(ALD)サイクルを反復する工程、および前記第一または第二の反応物質を前記基材に供給する工程とを含む、[1]に記載の方法。
[20]
前記第一の前駆体、前記第一の反応物質、前記第二の前駆体または前記第二の反応物質の前記基材への供給の合間に、前記基材が0.5~50秒パージされる、[19]に記載の方法。
[21]
前記第一および/または第二の反応物質の前記反応チャンバへの供給が0.5~50秒かかる、[19]に記載の方法。
[22]
前記シード層の堆積のために、前処理ALDサイクルが100~1000回反復され、前記バルク層の堆積のために、前記バルクALDサイクルが200~2000回反復される、[19]に記載の方法。
[23]
前記シードおよびバルク層の少なくとも一つの堆積が化学気相蒸着(CVD)プロセスを含み、前記前駆体が前記反応物質と同時に前記基材に供給される、[1]に記載の方法。
[24]
前記遷移金属原子がタングステン(W)である、[5]に記載の方法。
[25]
前記第二の前駆体がタングステン(W)を含む、[1]に記載の方法。
[26]
前記第二の前駆体が五塩化タングステン(V)(WCl)または六塩化タングステン(VI)(WCl)を含む、[25]に記載の方法。
[27]
前記第二の前駆体が銅を含む、[1]に記載の方法。
[28]
前記第二の前駆体が二塩化銅(II)(CuCl)または塩化銅(CuCl)を含む、[24]に記載の方法。
図1
図2