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特許7460354ソフトでかつもち食感を有する油ちょうベーカリー食品の配合及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】ソフトでかつもち食感を有する油ちょうベーカリー食品の配合及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   A21D 10/02 20060101AFI20240326BHJP
   A21D 2/36 20060101ALI20240326BHJP
   A21D 2/18 20060101ALI20240326BHJP
   A21D 13/60 20170101ALI20240326BHJP
【FI】
A21D10/02
A21D2/36
A21D2/18
A21D13/60
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019203183
(22)【出願日】2019-11-08
(65)【公開番号】P2021073905
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】市川 昂典
【審査官】戸来 幸男
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-000113(JP,A)
【文献】特開2004-267157(JP,A)
【文献】国際公開第03/063596(WO,A1)
【文献】特開2013-099294(JP,A)
【文献】特開2011-188852(JP,A)
【文献】国際公開第2006/107809(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21D 2/00-17/00
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(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
米粉と小麦粉とを含む油ちょうベーカリー食品用ミックス粉であって、
米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉を10~28質量部含み、
米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が53質量%以下の量で含まれている、上記油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
【請求項2】
米粉がうるち米粉からなる、請求項1記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
【請求項3】
米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が0.3~53質量%の範囲で含まれる請求項1または2記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉を含み、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地。
【請求項5】
請求項4記載の油ちょうベーカリー食品用生地を油ちょうしてなる油ちょうベーカリー食品。
【請求項6】
米粉、小麦粉、及びα化澱粉を少なくとも含む混合物(ただし、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉は10~28質量部の量で存在し、米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が53質量%以下の量で含まれている)に水を加えて、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地を製造する、油ちょうベーカリー食品用生地の製造方法。
【請求項7】
請求項6記載の方法により油ちょうベーカリー食品用生地を製造し、前記油ちょうベーカリー食品用生地を油ちょうすることを含む、油ちょうベーカリー食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はソフトでかつもち食感を有する油ちょうベーカリー食品の配合及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米粉は餅、団子などの原材料として古くから使用されていると同時に、ベーカリー製品などにも使用されている原材料である。ドーナツ等の油ちょうベーカリー食品においても特徴ある食感を出すために米粉を使用した製品が上市されている。米粉を使用したドーナツ等の油ちょうベーカリー食品では硬い食感になりやすい。
その対策として、従来、特許文献1に報告されている米粉100質量部に対して小麦粉を0.1~5.0質量部配合する技術がある。しかし、この技術では形状の不安定さから小麦粉を米粉に対して0.1~5.0質量部までしか配合することができず、よりソフトな米粉ドーナツを製造することは難しかった。
特許文献2には、小麦粉および/または澱粉に、もち米粉、油脂ならびにα化澱粉および/またはα化小麦粉を配合し、イーストを加えて、イースト発酵させ、ついで圧扁焼成することを特徴とするもち米利用菓子の製造方法が開示されている。製造されたもち米利用菓子は、従来のもち米利用菓子にない口当たりがソフトでもちもちして、歯切れよく口溶けの良い食感を有するが、依然としてソフトさ及びもち感が十分ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-081423号公報
【文献】特開2004-248567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、米粉を使用したドーナツ等の油ちょうベーカリー食品はもち感が強く硬い食感を特徴とする。本発明は、もち感がありつつもふんわりとしたソフトな食感を有する油ちょうベーカリー食品を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、もち感があるがソフトな食感を有する油ちょうベーカリー食品の製造方法であって、生地の保形性もあり作業がしやすい油ちょうベーカリー食品の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に対し鋭意研究を行った結果、米粉と小麦粉の合計質量に対し小麦粉が53質量%以下の量で含まれている、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉を2~28質量部配合することで、上記特許文献1(特開2013-081423)において不可能であった比較的多量の小麦粉を配合することが可能となり、その結果、もち感がありかつソフトな食感を有する油ちょうベーカリー食品を製造できることがわかった。
本発明は以下を提供する。
(1)米粉と小麦粉とを含む油ちょうベーカリー食品用ミックス粉であって、
米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉を2~28質量部含み、かつ
米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が53質量%以下の量で含まれている、上記油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
(2)米粉がうるち米粉からなる、(1)記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
(3)米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が0.3~53質量%の範囲で含まれる(1)または(2)記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉。
(4)(1)~(3)のいずれか一に記載の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉から製造され、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地。
(5)(4)記載の油ちょうベーカリー食品用生地を油ちょうしてなる油ちょうベーカリー食品。
(6)米粉、小麦粉、及びα化澱粉を少なくとも含む混合物(ただし、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉は2~28質量部の量で存在し、米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が53質量%以下の量で含まれている)に水を加えて、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地を製造する、油ちょうベーカリー食品用生地の製造方法。
(7)(6)記載の方法により油ちょうベーカリー食品用生地を製造し、前記油ちょうベーカリー食品用生地を油ちょうすることを含む、油ちょうベーカリー食品の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の米粉を使用した油ちょうベーカリー食品用ミックス粉あるいは油ちょうベーカリー食品用生地により、もち感がありつつソフトな食感を有する油ちょうベーカリー食品を製造することができる。また、本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉あるいは油ちょうベーカリー食品用生地を用いることにより、生地の状態で形状を安定に保つことができるため製造が容易な米粉を使用した油ちょうベーカリー食品を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<油ちょうベーカリー食品用ミックス粉>
本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉は、米粉と小麦粉を少なくとも含み、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉を2~28質量部含み、さらに、米粉と小麦粉の合計質量に対し小麦粉が53質量%以下の量で含まれている。
【0008】
(油ちょうベーカリー食品)
本明細書において油ちょうベーカリー食品は、油ちょう調理される、米粉を用いて製造されるパンや菓子類を意味する。例えば、ドーナツ、チュロス、サーターアンダギー、揚げパンなどが含まれる。好ましくは揚げパン、ドーナツ等が挙げられる。揚げパンとは、パン生地を成形して油ちょうする製品である。ドーナツは、ドーナツ生地を成形して油ちょうする製品であり、例えば、ケーキドーナツ等を含む。
【0009】
(米粉)
本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉は、米粉を必須成分として含む。米粉はうるち米粉を含むことが好ましい。もち米粉では所定の効果が得られにくいため、用いる米粉はうるち米粉からなることがより好ましい。
米粉の主な製造方法として、ロール粉砕法、気流粉砕法がある。ロール粉砕では、粒度が粗く損傷澱粉率が高い米粉が得られる。気流粉砕では、粒度が細かく損傷澱粉率が低い米粉が得られる。
本発明において米粉の損傷澱粉率や粒度を限定することなく使用できるが、損傷澱粉率が9~14%のものが好ましく、粒度(メジアン径)が90~120μmのものが好ましい。かかる損傷澱粉率や粒度の米粉を少なくとも30質量%程度含む米粉を用いることが好ましい。
【0010】
(小麦粉)
本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉は、小麦粉を必須成分として含む。
小麦粉は、米粉および小麦粉の合計質量に対して、53質量%以下の量で含まれる。0.3~53質量%の範囲で含まれていることが好ましく、0.5~50質量%であることがより好ましく、5~40質量%であることがよりさらに好ましい。小麦粉の配合量は多いほど食感はソフトになるため好ましいが、配合量が多くなりすぎると、もち感が弱くなるため、かかる範囲が好ましい。
【0011】
(α化澱粉)
α化とは一般には澱粉を水と加熱することで、澱粉分子が規則性を失い、糊状(α状)になることである。本発明では、澱粉と水を混ぜて加熱し、糊状になった澱粉を乾燥させて粉末化したものをα化澱粉として使用した。
α化澱粉であれば限定することなくいずれの種類を用いてもよい。例えば、タピオカ澱粉、コーン澱粉、ワキシーコーン澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、米粉澱粉、もち米粉澱粉等のα化澱粉が挙げられる。これらを複数種類配合したものを使用してもよい。前述のα化澱粉は市販されているものを用いることができる。
α化澱粉は、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し2~28質量部添加する。2.5~25質量部が好ましく、10~20質量部がより好ましく、13~17質量部がよりさらに好ましい。かかる範囲の量でα化澱粉を配合することにより、米粉に対し小麦粉を従来より多く配合することができ、その結果、もち感がありつつソフトな食感を提供することができる。
α化澱粉は、2質量部を下回ると米粉および小麦粉のα化に必要な水分が不足し、非常に硬い食感となる。28質量部を上回るとフライ後のしぼみが生じて外観が劣るとともに、食感にやや弾力が出て劣る。
【0012】
(その他の成分について)
本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉は、米粉及びα化澱粉以外に、糖類、油脂、膨張剤、色素や調味料等の添加剤等を含んでいてもよい。なお、本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉は少なくとも米粉、小麦粉及びα化澱粉を含んでいればよいが、米粉、小麦粉及びα化澱粉は、一つの均一な混合組成物として存在していてもよく、または別々に用意されており、生地製造時に混合されるものであってもよい。他の成分や添加剤についても同様に一つの混合物中に存在していてもよく、また別々に用意されており、生地製造時に混合されるものであってもよい。
【0013】
糖類は、生地破裂防止、老化防止、食感調整、食味の調整のために配合することが好ましい。糖類の種類は特に限定なく使用でき、ブドウ糖や果糖等の単糖類、ショ糖(上白糖、グラニュー糖、三温糖、氷砂糖等の分蜜糖、黒糖等の含蜜糖)や乳糖等の二糖類など食用に供される甘味性の粉末糖であれば何れも使用することができる。食味や口溶けの観点からグラニュー糖がより好ましい。配合量は米粉と小麦粉の合計100質量部に対して、5~100質量部の範囲内が好ましく、20~80質量部程度がより好ましく、30~70質量部程度がさらに好ましい。
【0014】
生地性や食感の調整にショートニングやサラダ油などの油脂類を配合してもよい。
【0015】
膨張剤は通常、生地を膨張させてふんわり感を出すために油ちょうベーカリー食品の配合に入れる。本発明では、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、膨張剤を1.5~6.0質量部まで入れても良い。量が少ないとフライ後にしぼんで表面のしわが大きくなる傾向にある。量が多すぎると、膨張剤の味(えぐ味)が出る。
【0016】
本発明の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉には、必要に応じて、色素、調味料、香辛料、香料などの副資材や添加物を使用することができる。食塩を加えてもよい。食塩は食味を出すことを目的に配合してもよく、食味に合わせて調整可能である。
その他の成分は本発明の効果を損ねない程度の範囲において添加してもよい。
【0017】
<油ちょうベーカリー食品用生地>
本発明の油ちょうベーカリー食品用生地は、上述の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉、または、米粉、小麦粉、及びα化澱粉を少なくとも含む混合物(ただし、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉は2~28質量部の量で存在する)から製造され、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地である。かかる範囲において、生地の作業性が良好なためである。例えば、ドーナツカッターで生地をカッティングすることができる。粘度はより好ましくは520~580mPa・sの範囲にある。
本発明において、生地の粘度は、24℃において円筒型回転式粘度計で測定した値を意味する。具体的には、本明細書では、リオン株式会社製「ビスコテスタVT-06」を使用し、No.2ロータを装着し、100mlのカップにミキシング直後の生地を入れて62.5rpmでロータを15秒間回転させて測定し、表示された最高値を記録した。前記測定は24℃で行った。
【0018】
本発明の油ちょうベーカリー食品用生地は、上述の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉について述べた成分以外に、少なくとも水、好ましくは冷水、を含み、さらに、ショートニング等の油脂、卵等を含んでいてもよい。
水分量は、上述した生地の粘度となるように調節した量を添加することが好ましい。より具体的には、例えば米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、50~450質量部の範囲で添加することができる。
本発明のドーナツ用生地は、上述の油ちょうベーカリー食品用ミックス粉にさらに水等を加えて、例えば、ビーターのような攪拌機を使用して、適宜ミキシングを行い製造することができる。
【0019】
<油ちょうベーカリー食品の製造方法>
本発明の油ちょうベーカリー食品の製造方法は、上述した油ちょうベーカリー食品用ミックス粉、または米粉、小麦粉、及びα化澱粉を少なくとも含む混合物(ただし、米粉と小麦粉の合計100質量部に対し、α化澱粉は2~28質量部の量で存在し、米粉と小麦粉の合計質量に対し、小麦粉が53質量%以下の量で含まれている)に水を加えて、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲にある油ちょうベーカリー食品用生地を製造することを含む。水の量により生地粘度が変化するため、24℃において粘度が500~600mPa・sの範囲となるように、水の量を調整する。
その後、上記ドーナツ用生地を油ちょうする。油ちょう方法は特に限定されないが、油の中でフライする方法、油を用いて焼く方法などが挙げられる。フライを行う場合には、170~200℃程度の油中で潜行させながら行う。
【実施例
【0020】
粘度、損傷澱粉率、粒度の測定方法
粘度はリオン株式会社製「ビスコテスタVT-06」を使用し、100mlのカップにミキシング直後の生地を入れて測定し、表示された最高値を記録した。測定時の生地温度は24℃とし、No.2ロータを使用した。
損傷澱粉率は、AACC法76-31に従って測定した。
米粉の粒度分布は、レーザ回折・散乱式粒子径分布測定装置(マイクロトラックベル社製、マイクロトラックMT3000)を使用し体積基準で測定し、メジアン径を粒度とした。
【0021】
試験例1
表2及び表3の配合通りに米粉、薄力小麦粉、α化タピオカ澱粉、グラニュー糖、食塩、ベーキングパウダーをミキサーボールに入れてよく混合し、サラダ油、卵、水を入れてビーターを使用して室温で低速1分、中速2分ミキシングをして生地を得た。生地の粘度を合わせるために(粘度が520~580mPa・s)各実施例及び比較例の水の量を調整した。
得られた生地をドーナツカッターでカッティングしフライした。使用したプランジャーは1- 7/8プレーンプランジャーで、生地重量は66gとした。フライは190℃で3分間潜行し、生地を反転して油から取り出した。
米粉は、うるち米粉として粒度が粗く(粒度:90~120μm)損傷澱粉率が高い(9~14%)ロール粉砕米粉の高砂117(日本製粉株式会社製)を使用した。α化澱粉は、α化タピオカ澱粉のプリジェルVA70T(松谷化学工業株式会社製)を使用した。
表1の評価基準に従って官能評価、外観評価を実施した。特開2013-081423内の実施例5の類似配合を、基準点3点(比較例1)として10名のパネラーにより評価した。なお、外観評価基準の「高さ」及び「径」は、それぞれ、ドーナツの厚み及び直径を意味し、基準ドーナツとの比較でそれらの大きい/小さいを評価したものである。
【0022】
表1 評価基準
【0023】
【0024】
米粉と小麦粉の合計100質量部のうち、小麦粉を0.5~50質量%配合した実施例ではいずれも評価が良好であった(実施例1~4)。
【0025】
表3
【0026】
米粉と小麦粉の合計100質量部に対しα化澱粉が2.5~25質量部の実施例では各評価はいずれも良好であった(実施例3,5及び6)。
【0027】
試験例2 澱粉の種類
α化タピオカ澱粉に加え、表4記載の澱粉を添加し、生地の粘度を合わせるために(粘度が520~580mPa・sになるように)水の量を調整した以外は、試験例1にしたがってドーナツを作製し、試験例1と同様に評価した。結果を表4に示す。α化澱粉を複数用いても同様の結果が得られた。
【0028】
表4
α化タピオカ澱粉:プリジェルVA70T(松谷化学工業株式会社)
α化ワキシーコーン澱粉:日食ワキシーアルファーD-6(日本食品化工株式会社)