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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-25
(45)【発行日】2024-04-02
(54)【発明の名称】加工装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240326BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240326BHJP
   B23Q 7/10 20060101ALI20240326BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240326BHJP
【FI】
H01L21/68 A
H01L21/304 631
B23Q7/10
B24B41/06 A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020107002
(22)【出願日】2020-06-22
(65)【公開番号】P2022002272
(43)【公開日】2022-01-06
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】110001014
【氏名又は名称】弁理士法人東京アルパ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮本 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 聡
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開平4-316329(JP,A)
【文献】特開2003-297902(JP,A)
【文献】特開2013-102235(JP,A)
【文献】特開2016-149436(JP,A)
【文献】特開2013-219314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/304
B23Q 7/10
B24B 41/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の板状ワークを保持する保持面を有する保持手段と、板状ワークを加工する加工手段と、複数の板状ワークを収容可能な複数の段を有するカセットが載置されるカセットステージと、該カセットステージに載置された該カセットに収容された板状ワークを該保持面に搬送するワーク搬送機構と、
複数の該カセットを載置可能なストッカーと、該ストッカーに載置された該カセットを該カセットステージに搬送するカセット搬送機構と、
を備える加工装置であって、
該ストッカーは、テーブルと、該テーブルと該カセットとの間に介在されるアダプタプレートと、該アダプタプレートに配置されて該カセットを位置決めするブロックと、を備え、
該アダプタプレートは、
下面に形成され、該テーブルに対する該アダプタプレートの位置決めが可能な載置部と、
該下面に形成され該カセット搬送機構に支持される凹部と、を備え、
該カセット搬送機構は、
該カセットを載せた該アダプタプレートの下面を支持する支持機構と、
該支持機構を該ストッカーと該カセットステージとの間で移動させる移動機構と、を備え、
該支持機構は、
該移動機構に連結される天板と、
該天板から垂下する4本の柱と、
該柱の下端から水平方向に延在し、該アダプタプレートの該凹部を支持する支持部と、
該柱を回転させることによって、該支持部を、該凹部を支持する位置と該アダプタプレートの外周よりも外側となる位置とのいずれかに位置づけることの可能な柱回転機構と、を備える、
加工装置。
【請求項2】
該柱回転機構は、
4つの各々の該柱の上端に配置され水平方向に延在する旋回プレートと、
該柱の軸心から水平方向でずれて該旋回プレートに配置され、該柱の軸心を軸に公転する公転軸と、
該4つの公転軸に進入可能な開口を有し、該4つの該公転軸を公転可能に連結するリンクプレートと、
該リンクプレートを水平方向に移動させる水平駆動部と、を備える、
請求項1記載の加工装置。
【請求項3】
該カセット搬送機構は、
該支持機構が4つの該支持部によって該アダプタプレートを支持した際に、該支持機構にかかる重さを検知する重さ検知部と、
該重さ検知部の検知結果に基づいて、該カセットの全ての該段に板状ワークが収容されているか否かを判断する判断部と、をさらに備える、
請求項1記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
矩形の板状ワークを研削砥石によって研削する研削装置では、たとえば、チャックテーブルの保持面によって複数の板状ワークを保持し、これら複数の板状ワークを、同一の厚みとなるように同時に研削している。
【0003】
複数の板状ワークは、カセット(マガジンラック)に収容されている。各板状ワークは、カセットから取り出されて、保持面に搬送されて保持される。
【0004】
カセットは、例えば、20枚の板状ワークを収納可能である。チャックテーブルは、例えば、6枚の板状ワークを保持することができる保持面を有する。したがって、一度の研削加工のために、6枚の板状ワークが保持面に搬送される。
【0005】
上述の例では、カセットには、20枚の板状ワークが収納されているので、例えば、3回目の搬送によって保持面に保持された板状ワークの研削加工が終了すると、18枚の板状ワークの研削加工が終了する。その結果、カセットには、2枚の板状ワークが残されている。したがって、次の4回目の搬送の際には、この2枚の板状ワークを保持面に搬送した後、空になったカセットを、20枚の板状ワークが収容されている別のカセットと交換し、その後、このカセットから、4枚の板状ワークを保持面に搬送する。
【0006】
このように、チャックテーブルの保持面に所定枚数の板状ワークを搬送する途中に、カセットを交換することがある。そのため、カセットを準備しておくストックエリアが用意される。さらに、特許文献1に開示の技術では、ストックエリアとカセットステージとの間においてカセットを搬送するために、カセット搬送機構が用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2008-130634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、矩形の板状ワークには、様々な異なるサイズがある。このため、板状ワークのサイズに対応して、カセットの大きさも異なっている。そのため、カセットを搬送する搬送機構は、カセットの大きさが異なると、カセットを搬送することが困難となる可能性がある。
【0009】
したがって、本発明の目的は、板状ワークの大きさに応じた様々な大きさのカセットを、容易に搬送することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の加工装置(本加工装置)は、四角形の板状ワークを保持する保持面を有する保持手段と、板状ワークを加工する加工手段と、複数の板状ワークを収容可能な複数の段を有するカセットが載置されるカセットステージと、該カセットステージに載置された該カセットに収容された板状ワークを該保持面に搬送するワーク搬送機構と、複数の該カセットを載置可能なストッカーと、該ストッカーに載置された該カセットを該カセットステージに搬送するカセット搬送機構と、を備える加工装置であって、該ストッカーは、テーブルと、該テーブルと該カセットとの間に介在されるアダプタプレートと、該アダプタプレートに配置されて該カセットを位置決めするブロックと、を備え、該アダプタプレートは、下面に形成され、該テーブルに対する該アダプタプレートの位置決めが可能な載置部と、該下面に形成され該カセット搬送機構に支持される凹部と、を備え、該カセット搬送機構は、該カセットを載せた該アダプタプレートの下面を支持する支持機構と、該支持機構を該ストッカーと該カセットステージとの間で移動させる移動機構と、を備え、該支持機構は、該移動機構に連結される天板と、該天板から垂下する4本の柱と、該柱の下端から水平方向に延在し、該アダプタプレートの該凹部を支持する支持部と、該柱を回転させることによって、該支持部を、該凹部を支持する位置と該アダプタプレートの外周よりも外側となる位置とのいずれかに位置づけることの可能な柱回転機構と、を備える。
【0011】
また、本加工装置では、該柱回転機構は、4つの各々の該柱の上端に配置され水平方向に延在する旋回プレートと、該柱の軸心から水平方向でずれて該旋回プレートに配置され、該柱の軸心を軸に公転する公転軸と、該4つの公転軸に進入可能な開口を有し、該4つの該公転軸を公転可能に連結するリンクプレートと、該リンクプレートを水平方向に移動させる水平駆動部と、を備えてもよい。
【0012】
また、本加工装置では、該カセット搬送機構は、該支持機構が4つの該支持部によって該アダプタプレートを支持した際に、該支持機構にかかる重さを検知する重さ検知部と、該重さ検知部の検知結果に基づいて、該カセットの全ての該段に板状ワークが収容されているか否かを判断する判断部と、をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本加工装置では、カセットステージおよびストッカーにおいて、カセットが、アダプタプレート上に載置されている。そして、カセットを移動させる際には、カセット搬送機構の支持機構によって、カセットが載置されているアダプタプレートを支持する。そして、この支持機構が、カセット搬送機構の移動機構によって、ストッカーとカセットステージとの間で移動される。このため、カセットを直接に支持して移動させる構成とは異なり、カセットの大きさが変わっても、カセット搬送機構を調整する必要がない。したがって、本加工装置では、カセット搬送機構によって、板状ワークの大きさに応じた様々な大きさのカセットを、容易に搬送することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】加工装置の構成を示す斜視図である。
図2図2(a)は、アダプタプレートの構成を上面側から示す斜視図であり、図2(b)は、アダプタプレートの構成を下面側から示す斜視図である。
図3】カセット搬送機構の構成を示す斜視図である。
図4】カセット搬送機構の支持機構を用いたカセットの搬送動作を示す斜視図である。
図5】カセット搬送機構の支持機構を用いたカセットの搬送動作を示す斜視図である。
図6】カセット搬送機構の支持機構を用いたカセットの搬送動作を示す斜視図である。
図7】他の構成の支持機構を示す斜視図である。
図8図7に示した支持機構の一部を拡大して示す斜視図である。
図9図7に示した支持機構の上面図である。
図10図7に示した支持機構を用いたアダプタプレートの支持動作を示す斜視図である。
図11図7に示した支持機構を用いたアダプタプレートの支持動作を示す斜視図である。
図12図7に示した支持機構を用いたアダプタプレートの支持動作を示す斜視図である。
図13】さらに他の構成の支持機構を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、本実施形態にかかる加工装置1は、粗研削部10および仕上げ研削部30により、四角形の板状ワーク2を研削加工するものである。
【0016】
加工装置1は、第1の装置ベース3と、第1の装置ベース3の後方(+Y方向側)に配置された第2の装置ベース5とを有している。第1の装置ベース3上では、板状ワーク2の搬出入等が行われる。第2の装置ベース5上では、粗研削部10または仕上げ研削部30によって、板状ワーク2が加工される。
【0017】
第1の装置ベース3の正面側(-Y方向側)には、カセットステージ40およびストッカー50が設けられている。カセットステージ40には、加工前の板状ワーク2が収容されているカセット41が載置されている。ストッカー50には、加工前の板状ワーク2が収容されている同様のカセット41が、複数、載置されることが可能である。
【0018】
カセット41は、複数の板状ワークを収容可能な複数の段(棚)を備えており、各段に一枚ずつ板状ワーク2が収容されている。
【0019】
カセット41は、+Y方向側を向く開口を有している。この開口の+Y方向側には、ロボット155が配設されている。ロボット155は、加工後の板状ワーク2を、図示しない加工済みワーク収容用のカセットに搬入(収納)する。
【0020】
また、ロボット155は、カセット41から加工前の板状ワーク2を取り出して、仮置き手段152の仮置きテーブル154に載置する。
【0021】
仮置きテーブル154は、カセット41から取り出された板状ワーク2を仮置きするために用いられる。仮置きテーブル154は、2枚の板状ワーク2を載置できるように構成されている。仮置き手段152は、さらに、仮置きテーブル154をX軸方向に移動させるための移動手段153を有している。
【0022】
ロボット155によって板状ワーク2が仮置き手段152の仮置きテーブル154に載置される際には、仮置き手段152は、移動手段153によって、仮置きテーブル154を、+X方向側の粗研削位置(図1に示されている仮置きテーブル154の位置)に配置しておく。
【0023】
仮置き手段152の+Y方向側における第2の装置ベース5上には、粗研削部10および仕上げ研削部30が配置されている。
【0024】
粗研削部10は、板状ワーク2を保持するための第1チャックテーブル13を備えている。第1チャックテーブル13は、板状ワーク2を保持するための保持手段の一例であり、板状ワーク2を吸引保持する第1保持面12を備えている。第1保持面12は、図示しない吸引源に連通されて、2枚の板状ワーク2を同時に吸引保持することが可能である。
第1チャックテーブル13は、第1保持面12によって板状ワーク2を吸引保持した状態で、第1保持面12の中心を通りZ軸方向に延在する中心軸を中心として、回転可能である。
【0025】
また、第2の装置ベース5上の後方(+Y方向側)には、第1のコラム14が立設されている。そして、粗研削部10は、第1のコラム14の前面に、板状ワーク2を粗研削する粗研削手段15、および、粗研削手段15を研削送りする粗研削送り手段11を備えている。
【0026】
粗研削手段15は、板状ワーク2を加工する加工手段の一例であり、粗研削砥石18を有する粗研削ホイール17を備えている。粗研削砥石18は、加工具の一例であり、比較的大きな砥粒を含む砥石である。
【0027】
さらに、粗研削部10は、第1チャックテーブル13の第1保持面12に保持された板状ワーク2の厚みを測定するための第1ハイトゲージ19を備えている。
【0028】
粗研削部10では、粗研削手段15のスピンドル16の回転により回転される粗研削砥石18によって、第1チャックテーブル13の第1保持面12に保持された板状ワーク2が粗研削される。
【0029】
仕上げ研削部30は、板状ワーク2を保持するための第2チャックテーブル33を備えている。第2チャックテーブル33は、板状ワーク2を保持するための保持手段の一例であり、板状ワーク2を吸引保持する第2保持面32を備えている。第2保持面32は、図示しない吸引源に連通されて、2枚の板状ワーク2を同時に吸引保持することが可能である。
第2チャックテーブル33は、第2保持面32によって板状ワーク2を吸引保持した状態で、第2保持面32の中心を通りZ軸方向に延在する中心軸を中心として、回転可能である。
【0030】
また、第2の装置ベース5上の後方では、第1のコラム14に隣接するように、第2のコラム34が立設されている。そして、仕上げ研削部30は、第2のコラム34の前面に、板状ワーク2を仕上げ研削する仕上げ研削手段35、および、仕上げ研削手段35を研削送りする仕上げ研削送り手段31を備えている。
【0031】
仕上げ研削手段35は、板状ワーク2を加工する加工手段の一例であり、仕上げ研削砥石38を有する仕上げ研削ホイール37を備えている。仕上げ研削砥石38は、加工具の一例であり、比較的に小さな砥粒を含む砥石である。
【0032】
さらに、仕上げ研削部30は、第2チャックテーブル33の第2保持面32に保持された板状ワーク2の厚みを測定するための第2ハイトゲージ39を備えている。
【0033】
仕上げ研削部30では、仕上げ研削手段35のスピンドル36の回転により回転される仕上げ研削砥石38によって、第2チャックテーブル33の第2保持面32に保持された板状ワーク2が仕上げ研削される。
【0034】
また、第2の装置ベース5上における粗研削部10と仕上げ研削部30との間における、図1において破線によって示す搬送空間170には、粗研削部10用および仕上げ研削部30用の、2台の搬送手段171が備えられている。
本実施形態では、搬送手段171およびロボット155が、カセットステージ40に載置されたカセット41に収容された板状ワーク2を第1保持面12および第2保持面32に搬送するワーク搬送機構の一例を構成している。
【0035】
図1には、粗研削部10用の搬送手段171を示している。粗研削部10用の搬送手段171は、Y軸方向に延びる筐体板173における+X側の面に、板状ワーク2を保持するための搬送パッド175、搬送パッド175をZ軸方向に移動させるためのZ軸移動機構177、ならびに、搬送パッド175およびZ軸移動機構177をY軸方向に移動させるためのY軸方向移動機構179を備えている。搬送パッド175は、2枚の板状ワーク2を同時に保持することが可能である。
【0036】
粗研削部10用の搬送手段171は、+X方向側の粗研削位置にある仮置きテーブル154に仮置きされた2枚の板状ワーク2を、搬送パッド175によって同時に保持し、粗研削部10の第1チャックテーブル13に搬入し、その第1保持面12に載置する。
【0037】
また、粗研削部10用の搬送手段171は、粗研削後、第1チャックテーブル13における第1保持面12上の2枚の板状ワーク2を、搬送パッド175によって同時に保持し、仮置き手段152の仮置きテーブル154に載置する。
【0038】
なお、粗研削後の板状ワーク2が仮置き手段152の仮置きテーブル154に載置された後、仮置き手段152は、移動手段153によって、仮置き手段152を、+X方向側の粗研削位置から、-X方向側の仕上げ研削位置に移動させる。
【0039】
また、搬送空間170には、粗研削部10用の搬送手段171の-X側に、仕上げ研削部30用の搬送手段171も配置されている。仕上げ研削部30用の搬送手段171は、図1に示した粗研削部10用の搬送手段171の構成において、筐体板173の-X側の面に、搬送パッド175、Z軸移動機構177およびY軸方向移動機構179を有するように構成されている。
【0040】
仕上げ研削部30用の搬送手段171は、-X方向側の仕上げ研削位置にある仮置きテーブル154に仮置きされた2枚の板状ワーク2を、搬送パッド175によって同時に保持し、仕上げ研削部30の第2チャックテーブル33に搬入し、その第2保持面32に載置する。
【0041】
また、仕上げ研削部30用の搬送手段171は、仕上げ研削後、第2チャックテーブル33における第2保持面32上の2枚の板状ワーク2を、搬送パッド175によって同時に保持し、洗浄手段156のスピンナテーブル157に搬送する。
【0042】
洗浄手段156は、板状ワーク2を洗浄するスピンナ洗浄ユニットである。洗浄手段156は、板状ワーク2を保持するスピンナテーブル157、および、スピンナテーブル157に向けて洗浄水および乾燥エアを噴射するノズル158を備えている。スピンナテーブル157は、2枚の板状ワーク2を同時に保持できるように構成されている。
【0043】
洗浄手段156では、板状ワーク2を保持したスピンナテーブル157が回転するとともに、板状ワーク2に向けて洗浄水が噴射されて、板状ワーク2がスピンナ洗浄される。その後、板状ワーク2に乾燥エアが吹き付けられて、板状ワーク2が乾燥される。
【0044】
洗浄手段156によって洗浄された板状ワーク2は、ロボット155により、加工済みワーク収容用のカセットに搬入される。
【0045】
また、図1に示すように、ストッカー50は、直方体状のテーブル51、テーブル51とカセット41との間に介在されるアダプタプレート52を備えている。また、ストッカー50は、図2(a)に示すように、アダプタプレート52に配置されてカセット41を位置決めするための、細長い直方体形状を有するブロック53を備えている。
【0046】
すなわち、図2(a)に示すアダプタプレート52の上面521は、カセット41が載置される面である。この上面521には、4つの溝54が形成されている。そして、溝54のそれぞれに、溝54に沿って移動可能なように、ブロック53が嵌合されている。たとえば、作業者が、カセット41の底面のサイズに合わせてブロック53の位置を調整することにより、4つのブロック53によって、カセット41を位置決めすることができる。
【0047】
また、アダプタプレート52の長手方向(Y軸方向)に沿って延びる2つの側面のそれぞれには、2つずつ、切り欠き部55が形成されている。
【0048】
また、図2(b)に示すように、アダプタプレート52の下面522には、テーブル51に対するアダプタプレート52の位置決めが可能な、円錐凹部としての3つの載置部56が形成されている。
【0049】
これに関し、図1に示すように、テーブル51上には、各アダプタプレート52に対応する、円錐凸部としての3つのプレート支持部511が設けられている。アダプタプレート52の3つの載置部56は、これら3つのプレート支持部511に嵌合可能なように、アダプタプレート52の下面522に配置されている。
テーブル51のプレート支持部511にアダプタプレート52の載置部56が嵌合されることにより、テーブル51に対して、アダプタプレート52を良好に位置決めすることができる。
なお、カセットステージ40上にも、プレート支持部511と同様のプレート支持部411が設けられている(図6参照)。
【0050】
なお、本実施形態では、テーブル51のプレート支持部511にアダプタプレート52の載置部56が嵌合されることにより、アダプタプレート52は、アダプタプレート52とテーブル51との間に隙間が形成されるように、テーブル51上に載置される。
【0051】
さらに、図2(b)に示すように、アダプタプレート52の下面522には、4つの切り欠き部55に対応する位置に、細長い溝形状の凹部57が形成されている。各凹部57は、切り欠き部55から、アダプタプレート52の側面に垂直に延びている。この凹部57は、アダプタプレート52におけるカセット搬送機構60(図3参照)に支持される部分である。
【0052】
また、加工装置1は、図1に示すように、ロボット155の上部に、破線によって示すカセット搬送空間180が設けられている。このカセット搬送空間180には、ストッカー50に載置されたカセット41をカセットステージ40に搬送するための、図3に示すカセット搬送機構60が備えられている。
【0053】
カセット搬送機構60は、カセット41を載せたアダプタプレート52の下面522を支持する支持機構70と、支持機構70をストッカー50とカセットステージ40との間で移動させる移動機構100と、を備えている。
【0054】
移動機構100は、カセット搬送機構60のX軸方向に延びる筐体板61の前面(-Y側の面)に設けられている。
移動機構100は、支持機構70をX軸方向に移動するX軸移動機構120、および支持機構70をZ軸方向に移動するZ軸移動機構130を備えている。
【0055】
X軸移動機構120は、X軸方向に延びる一対のガイドレール123、ガイドレール123に載置されたX軸テーブル124、ガイドレール123と平行に延びるボールネジ125、および、ボールネジ25を回転させる駆動モータ126を含んでいる。
【0056】
一対のガイドレール123は、X軸方向に平行に、筐体板61の前面に配置されている。X軸テーブル124は、一対のガイドレール123上に、これらのガイドレール123に沿ってスライド可能に設置されている。X軸テーブル124上には、Z軸移動機構130および支持機構70が取り付けられている。
【0057】
ボールネジ125は、X軸テーブル124に設けられたナット部(図示せず)に螺合されている。駆動モータ126は、ボールネジ125の一端部に連結されており、ボールネジ125を回転駆動する。ボールネジ125が回転駆動されることで、X軸テーブル124、Z軸移動機構130および支持機構70が、ガイドレール123に沿って、X軸方向に移動する。
【0058】
Z軸移動機構130は、Z軸方向に延びる一対のガイドレール131、ガイドレール131上に載置されたZ軸テーブル132、ガイドレール131と平行に延びるボールネジ133、ボールネジ133を回転させる駆動モータ135、駆動モータ135の回転速度および位置を検知するためのエンコーダ136、および、支持機構70を支持するアーム137を備えている。
【0059】
一対のガイドレール131は、Z軸方向に平行に、X軸テーブル124の側面に配置されている。Z軸テーブル132は、一対のガイドレール131上に、これらのガイドレール131に沿ってスライド可能に設置されている。Z軸テーブル132上には、アーム137が取り付けられている。
【0060】
ボールネジ133は、Z軸テーブル132の裏面側に設けられたナット部(図示せず)に螺合されている。駆動モータ135は、ボールネジ133の一端部に連結されており、ボールネジ133を回転駆動する。ボールネジ133が回転駆動されることで、Z軸テーブル132、アーム137、および、アーム137に支持された支持機構70が、ガイドレール131に沿って、Z軸方向に移動する。また、この際、エンコーダ136が、支持機構70におけるZ軸方向での移動距離を測定する。
【0061】
アーム137は、Z軸テーブル132に取り付けられてY軸方向に沿って延びる第1アーム部138と、第1アーム部138の先端から下方に延びる第2アーム部139とを備えている。支持機構70は、第2アーム部139の先端(下端)に保持されている。
【0062】
図3に示すように、支持機構70は、移動機構100におけるアーム137の第2アーム部139に連結される天板71、および、天板71を貫通して天板71から垂下する4本の柱72を備えている。4本の柱72は、図2(a)等に示したアダプタプレート52の4つの切り欠き部55に対して同時に嵌合することが可能な位置に配置されている。
【0063】
さらに、支持機構70は、柱72の下端から水平方向に延在する支持部73を備えている。支持部73は、アダプタプレート52の下面522に設けられている凹部57(図2(b)参照)を支持する(すなわち、凹部57に嵌合される)ことが可能なように構成されている。
【0064】
また、支持機構70は、天板71の上面に、各柱72に対応するように、柱回転機構の一例としてのロータリシリンダ75を備えている。ロータリシリンダ75は、天板71を貫通して上方に突き出ている柱72の上端に取り付けられており、柱72を回転させるものである。ロータリシリンダ75は、柱72を回転させることによって、柱72の先端に設けられている支持部73を、アダプタプレート52の凹部57を支持する位置と、アダプタプレート52の外周よりも外側となる位置とのいずれかに位置づけることが可能となっている。
【0065】
また、図3に示すように、カセット搬送機構60は、支持機構70にかかる重さを検知する重さ検知部62、および、カセット搬送機構60の動作を制御するための制御部63を備えている。
【0066】
ここで、カセット搬送機構60によるカセット41の搬送動作について説明する。以下では、ストッカー50のテーブル51上に配されているカセット41を、カセットステージ40に載置する動作を説明する。
【0067】
まず、制御部63は、図3に示した移動機構100を制御して、図4に示すように、支持機構70を、テーブル51上のアダプタプレート52に載置されているカセット41の直上に配置する。この際、制御部63は、ロータリシリンダ75を制御して柱72を回転することにより、支持部73の延びる方向を、アダプタプレート52における切り欠き部55が設けられている長手方向の側面と平行とする。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の外周よりも外側となる位置に配置される。この状態で、制御部63は、移動機構100を制御して、図4に矢印301によって示すように、支持機構70を降下させる。
【0068】
これにより、図5に示すように、支持機構70の柱72が、カセット41が載置されているアダプタプレート52の切り欠き部55に嵌合される。また、柱72の先端の支持部73が、テーブル51上に隙間を開けて載置されているアダプタプレート52の下面522(図2(b)参照)よりも下方に配置される。
【0069】
この状態で、制御部63は、図5に示すように、ロータリシリンダ75を制御して、矢印302によって示すように、柱72を略90度回転させる。これによって、柱72の先端に設けられている支持部73が、アダプタプレート52の凹部57の直下、すなわち、アダプタプレート52の凹部57を支持する位置に配置される。
【0070】
その後、制御部63は、移動機構100を制御して、図6に矢印303によって示すように、支持機構70を上昇させる。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の凹部57に嵌合され、凹部57を支持する。このようにして、支持機構70が、カセット41を、4つの支持部73によって、アダプタプレート52ごと支持する。
【0071】
また、支持機構70が4つの支持部73によってアダプタプレート52を支持した際に、重さ検知部62が、支持機構70にかかる重さ、すなわち、アダプタプレート52およびカセット41の合計の重さを検知する。そして、制御部63の判断部64が、重さ検知部62の検知結果に基づいて、カセット41の全ての段に板状ワーク2が収容されているか否かを判断する。
なお、重さ検知部62は、アーム137の第1アーム部138と第2アーム部139との間に圧電素子(図示しない)を介在させ、圧電素子にかかる圧力によって、重さを検知してもよい。
また、重さ検知部62は、駆動モータ135によって支持機構70を上昇させる際のモータにかかる負荷電流値で重さを検知してもよい。
【0072】
判断部64が、カセット41の全ての段に板状ワーク2が収容されていないと判断した場合、制御部63は、加工装置1に設けられている図示しないタッチパネルなどの表示部を用いて、その旨を作業者に通知する。さらに、判断部64は、アダプタプレート52をテーブル51上に戻して、処理を終了する。
【0073】
一方、判断部64が、カセット41の全ての段に板状ワーク2が収容されていると判断した場合、制御部63は、移動機構100を制御して、矢印304および305によって示すように支持機構70を移動させて、カセットステージ40の上に、カセット41およびアダプタプレート52を支持した状態の支持機構70を載置する。この際、カセットステージ40のプレート支持部411に、アダプタプレート52の載置部56が嵌合される。
【0074】
次に、制御部63は、ロータリシリンダ75を制御して、柱72を略90度回転させることにより、支持部73の延びる方向を、アダプタプレート52における切り欠き部55が設けられている側面と平行とする。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の外周よりも外側となる位置に配置されて、支持機構70によるアダプタプレート52の支持が解除される。その後、制御部63は、移動機構100を制御して、支持機構70を、カセットステージ40から離反させて、所定の位置に配置する。
【0075】
以上のように、本実施形態の形態にかかる加工装置1では、カセットステージ40およびストッカー50において、カセット41が、アダプタプレート52上に載置されている。そして、カセット41を移動させる際には、カセット搬送機構60の支持機構70によって、カセット41が載置されているアダプタプレート52を支持する。そして、この支持機構70が、カセット搬送機構60の移動機構100によって、ストッカー50とカセットステージ40との間で移動される。このため、カセット41を直接に支持して移動させる構成とは異なり、カセット41の大きさが変わっても、カセット搬送機構60を調整する必要がない。したがって、本実施形態では、カセット搬送機構60によって、板状ワーク2の大きさに応じた様々な大きさのカセット41を、容易に搬送することが可能である。
【0076】
また、本実施形態では、カセット搬送機構60の重さ検知部62の検知結果に基づいて、判断部64が、支持機構70によって支持されているカセット41の全ての段に板状ワーク2が収容されているか否かを判断している。そして、全ての段に板状ワーク2が収容されていないと判断された場合には、そのカセット41が、ストッカー50のテーブル51に戻される。これにより、空のカセット41をカセットステージ40に搬送するなどのトラブルを抑制することができる。
なお、判断部64は、重さ検知部62の検知結果に基づいて、カセット41内の板状ワーク2の数を判断するように構成されていてもよい。この場合、カセット41内に所定数以上の板状ワーク2が収容されているときには、制御部63は、カセットステージ40の上にカセット41およびアダプタプレート52を載置する処理を続行してもよい。
【0077】
なお、本実施形態では、図3に示すように、支持機構70が、天板71の上面に、各柱72に対応するように、天板71の下面に取り付けられた柱72を回転させるロータリシリンダ75を備えている。
【0078】
カセット搬送機構60で、この支持機構70に代えて、図7に示されるような支持機構77を備えてもよい。この支持機構77は、上述した支持機構70の構成において、ロータリシリンダ75に代えて、柱回転機構として、リンク機構80を備えた構成を有している。このリンク機構80は、1つの駆動源を用いて4つの柱72を同時に回転させるものである。
【0079】
図7に示すように、リンク機構80は、各柱72に対応する略円板状の旋回プレート81を備えている。旋回プレート81は、天板71を貫通して上方に突き出ている4本の柱72の上端に配置され、水平方向に延在している。
【0080】
また、リンク機構80は、旋回プレート81に配置された公転軸82を備えている。公転軸82は、柱72の軸心から水平方向にずれて、旋回プレート81に配置されている。公転軸82は、旋回プレート81および柱72の回転を伴って、柱72の軸心を軸に公転することが可能である。
【0081】
さらに、リンク機構80は、リンクプレート83を備えている。リンクプレート83は、4つの公転軸82に進入可能な開口を有し、4つの公転軸82を公転可能に連結している。
【0082】
すなわち、リンクプレート83は、一対の第1リンク部材84と、これら第1リンク部材84に連結されている第2リンク部材85とを備えている。
【0083】
第1リンク部材84は、天板71の長手方向(Y軸方向)に沿って延びており、その両端に、図8の拡大図に示すように、公転軸82に進入可能な開口841を備えている。すなわち、本実施形態では、各第1リンク部材84における両端の開口841が、天板71の長手方向(Y軸方向)に沿って並ぶ一対の柱72に設けられた旋回プレート81の公転軸82に係合されている。
第2リンク部材85は、天板71の短手方向(X軸方向)に沿って延びており、一対の第1リンク部材84に固定されている。
【0084】
また、リンク機構80は、リンクプレート83を水平方向に移動させる水平駆動部としての、直動シリンダ90を備えている。
【0085】
図9に示すように、直動シリンダ90は、第1旋回軸92を介して、XY平面上で旋回可能な状態で、略Y軸方向に沿うように天板71に取り付けられている。また、直動シリンダ90は、略Y軸方向に沿って伸縮するロッド91を備えている。ロッド91の先端は、第2リンク部材85の先端に設けられた第2旋回軸851に、この第2旋回軸851に対して旋回可能に係合されている。
【0086】
この構成では、制御部63は、図3に示した移動機構100を制御して、支持機構77を、テーブル51上のアダプタプレート52に載置されているカセット41の直上に配置する(図4参照)。
【0087】
この際、図10に示すように、制御部63は、直動シリンダ90を制御して、ロッド91を縮めた状態とする。これにより、柱72の先端に設けられている支持部73の延びる方向が、天板71の長手方向の側面と平行、すなわち、アダプタプレート52における長手方向の側面と平行となる。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の外周よりも外側となる位置に配置される。
【0088】
この状態で、制御部63は、移動機構100を制御して、支持機構77を降下させる。これにより、支持機構77の柱72が、アダプタプレート52の切り欠き部55(図2(a)参照)に嵌合される。また、柱72の先端の支持部73が、テーブル51上に隙間を開けて載置されているアダプタプレート52の下面522(図2(b)参照)よりも下方に配置される。
なお、図10図12では、図面の複雑化を回避するために、便宜上、アダプタプレート52に載置されているカセット41、および、アダプタプレート52の側面に形成されている切り欠き部55の描画を省略している。
【0089】
その後、図11に示すように、制御部63は、直動シリンダ90を制御して、ロッド91を、矢印400に示すように略+Y方向に向けて延ばしてゆく。これにより、第2旋回軸851を介してロッド91に接続されているリンクプレート83の第2リンク部材85、および、第2リンク部材85に連結されている一対の第1リンク部材84が、略+Y方向に沿う力を受ける。
【0090】
これにより、リンクプレート83が、略+Y方向に沿って水平に移動する。すなわち、一対の第1リンク部材84が、その両端に連結された旋回プレート81の公転軸82を柱72の軸心を軸に公転させながら、略+Y方向に水平移動する。公転軸82が公転されることにより、図11に示すように、旋回プレート81、柱72および、柱72の先端に設けられている支持部73が、半時計方向に回転される。
【0091】
そして、制御部63は、直動シリンダ90を制御して、ロッド91を、矢印400に示すようにさらに略+Y方向に向けて延ばしてゆく。これにより、公転軸82がさらに公転されて、旋回プレート81、柱72および支持部73が、半時計方向にさらに回転される。その結果、図12に示すように、柱72が略90度回転されて、支持部73が、アダプタプレート52の凹部57の直下、すなわち、アダプタプレート52の凹部57を支持する位置に配置される。
【0092】
その後、制御部63は、移動機構100(図3参照)を制御して、支持機構77を上昇させる。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の凹部57に嵌合されて、凹部57を支持する。このようにして、支持機構77が、カセット41を、4つの支持部73によって、アダプタプレート52ごと支持する。
【0093】
その後、制御部63は、移動機構100を制御して支持機構77を移動させて、カセットステージ40上にアダプタプレート52を載置した後、直動シリンダ90を制御して、ロッド91を縮める。これにより、公転軸82が逆方向に公転されて、柱72の支持部73が、アダプタプレート52における長手方向の側面と平行となる。これにより、支持部73が、アダプタプレート52の外周よりも外側となる位置に配置されて、支持機構77によるアダプタプレート52の支持が解除される。
【0094】
このように、カセット搬送機構60が支持機構77を備える場合でも、支持機構77によって、カセット41が載置されているアダプタプレート52を支持し、この支持機構77を、カセット搬送機構60の移動機構100によって、ストッカー50とカセットステージ40との間で移動させることが可能である。したがって、カセット41の大きさが変わっても、カセット搬送機構60を調整することなく、カセット41を容易に搬送することが可能である。
【0095】
なお、支持機構77を用いる場合でも、重さ検知部62の検知結果に基づく判断部64の判断に応じて、制御部63が、カセットステージ40の上にカセット41およびアダプタプレート52を載置する処理を続行するか否かを判断してもよい。
【0096】
また、支持機構77では、直動シリンダ90を用いて、一対の第1リンク部材84を移動させることにより、各公転軸82を公転させて、支持部73の向きを変えている。これに関し、支持機構77のリンク機構80は、図13に示すように、直動シリンダ90に代えて、1つの柱72の上端に設けられたロータリシリンダ95を備えてもよい。
【0097】
この構成では、ロータリシリンダ95を回転させることにより、ロータリシリンダ95が備えられた柱72の上端の旋回プレート81が、たとえば半時計方向に回転する。これにより、この旋回プレート81の公転軸82に一端が連結されている一方の第1リンク部材84、この第1リンク部材84に連結されている第2リンク部材85および他方の第1リンク部材84が、矢印405に示すように、略+Y方向に沿う力を受ける。
【0098】
これにより、図7図12を用いて示した構造と同様に、一方の第1リンク部材84の他端および他方の第1リンク部材84の両端に連結された旋回プレート81の公転軸82が、柱72の軸心を軸に公転されながら、リンクプレート83の全体が、略+Y方向に移動する。公転軸82が公転されることにより、図13示すように、旋回プレート81、柱72および、柱72の先端に設けられている支持部73が、半時計方向に回転される。
【0099】
したがって、この構成でも、支持部73をアダプタプレート52の凹部57に嵌合させることにより、支持機構77が、カセット41を、アダプタプレート52ごと支持することが可能である。
【符号の説明】
【0100】
1:加工装置、2:板状ワーク、3:第1の装置ベース、5:第2の装置ベース、
10:粗研削部、
12:第1保持面、13:第1チャックテーブル、11:粗研削送り手段、
15:粗研削手段、17:粗研削ホイール、18:粗研削砥石、
30:仕上げ研削部、
32:第2保持面、33:第2チャックテーブル、31:仕上げ研削送り手段、
35:仕上げ研削手段、37:仕上げ研削ホイール、38:仕上げ研削砥石、
40:カセットステージ、41:カセット、
50:ストッカー、51:テーブル、
52:アダプタプレート、521:上面、522:下面、
53:ブロック、54:溝、55:切り欠き部、56:載置部、57:凹部、
カセット搬送空間180、60:カセット搬送機構、
61:筐体板、62:検知部、63:制御部、64:判断部、
70:支持機構、71:天板、72:柱、73:支持部、75:ロータリシリンダ、
77:支持機構、80:リンク機構、81:旋回プレート、82:公転軸、
83:リンクプレート、84:第1リンク部材、841:開口、
85:第2リンク部材、851:第2旋回軸、
90:直動シリンダ、91:ロッド、92:第1旋回軸、
95:ロータリシリンダ、
100:移動機構、120:X軸移動機構、130:Z軸移動機構、
170:搬送空間、171:搬送手段、173:筐体板、175:搬送パッド、
177:Z軸移動機構、179:Y軸方向移動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13