(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】シリコーンハイブリッド樹脂組成物および半導体装置
(51)【国際特許分類】
C08L 63/00 20060101AFI20240327BHJP
C08L 83/05 20060101ALI20240327BHJP
C08L 83/07 20060101ALI20240327BHJP
C08G 59/18 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
C08L63/00 A
C08L83/05
C08L83/07
C08G59/18
(21)【出願番号】P 2021081212
(22)【出願日】2021-05-12
【審査請求日】2023-04-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000002060
【氏名又は名称】信越化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】前原 佑生
(72)【発明者】
【氏名】水梨 友之
(72)【発明者】
【氏名】串原 直行
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-002233(JP,A)
【文献】特開2013-055205(JP,A)
【文献】特開2014-162877(JP,A)
【文献】特開平05-175369(JP,A)
【文献】特開2005-314591(JP,A)
【文献】特開2012-201696(JP,A)
【文献】特開2022-080638(JP,A)
【文献】特開2022-032813(JP,A)
【文献】国際公開第2015/186324(WO,A1)
【文献】特開平05-170776(JP,A)
【文献】特開2016-069631(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08G 59/00-59/72
H01L 23/29
H01L 23/31
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B)、(C)成分を含有し、前記(B)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であることを特徴とするシリコーンハイブリッド樹脂組成物。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【請求項2】
前記(B)成分のドメイン径が100μm以下のものであることを特徴とする請求項1に記載のシリコーンハイブリッド樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)成分がシリコーン未変性エポキシ樹脂およびシリコーン変性エポキシ樹脂の両方を含有するものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシリコーンハイブリッド樹脂組成物。
【請求項4】
前記シリコーンハイブリッド樹脂組成物が、さらに(D)硬化剤:前記(A)成分中の硬化反応基の合計1当量に対して、前記(D)成分中の、前記硬化反応基との反応性を有する基が0.3~2.0当量となる量を含有するものであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のシリコーンハイブリッド樹脂組成物。
【請求項5】
シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B’)、(C)成分を含有し、前記(B’)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であることを特徴とするシリコーンハイブリッド樹脂組成物。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B’)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化したシリコーン樹脂硬化物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のシリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物を備える半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコーンハイブリッド樹脂組成物および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子、電気部品に用いられる樹脂材料として、機械特性、電気特性、耐熱性、接着性に優れたエポキシ樹脂などの有機樹脂が広く使用されている。
【0003】
しかし、近年の電子部品のパッケージの小型化、薄層化に伴い、これまでの有機樹脂では、弾性率が高いため周辺部材にかかる応力が大きく、熱衝撃試験時にパッケージのクラックや有機樹脂と基材との剥離が発生するという問題がある。この問題を解決するため、低弾性率化を目的として、例えばエポキシ樹脂にシリコーン樹脂を均一に相溶させた複合材料や、シリコーン材料をエポキシ基で変性したエポキシ変性シリコーン樹脂が開発されてきた(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。しかしながら、このような材料はシリコーン成分がエポキシ樹脂骨格中に取り込まれることにより、弾性率を低下することはできるが、ガラス転移温度(Tg)も同様に低下してしまうという問題がある。
【0004】
また、有機樹脂にアクリルパウダー、シリコーンパウダーなどのゴム粒子を添加することで、樹脂の弾性率を下げ、電子部品のパッケージにかかる応力を低下させる方法が提案されている(特許文献4、特許文献5)。
【0005】
この方法ではTgを維持したまま低弾性率化が可能となるが、これらゴム粒子は粒子同士の凝集を防止するため、表面をアルコキシシランやナノ粒子などでコーティングしているため、ゴム粒子以外の成分も多く、ゴム粒子を樹脂に添加すると粘度が著しく増加し、作業性が悪化するといった問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2006-104483号公報
【文献】特許6441024号公報
【文献】特開2020-023643号公報
【文献】特開2014-084332号公報
【文献】特開2017-115132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、有機樹脂のガラス転移温度(Tg)を維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、基材への接着性に優れたシリコーンハイブリッド樹脂組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明では、シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B)、(C)成分を含有し、前記(B)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であることを特徴とするシリコーンハイブリッド樹脂組成物を提供する。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【0009】
このようなシリコーンハイブリッド樹脂組成物であれば、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、基材への接着性に優れたものとなる。
【0010】
また、本発明では、前記(B)成分のドメイン径が100μm以下のものであることが好ましい。
【0011】
このような(B)成分を用いると、前記(A)成分および前記(B)成分が分離し、十分に材料特性を発揮できる。
【0012】
また、本発明では、前記(A)成分がシリコーン未変性エポキシ樹脂およびシリコーン変性エポキシ樹脂の両方を含有するものであることが好ましい。
【0013】
このような(A)成分を用いると、(A)成分への(B)成分の分散性を改善することができる。
【0014】
また、本発明では、前記シリコーンハイブリッド樹脂組成物が、さらに(D)硬化剤:前記(A)成分中の硬化反応基の合計1当量に対して、前記(D)成分中の、前記硬化反応基との反応性を有する基が0.3~2.0当量となる量を含有するものであることが好ましい。
【0015】
このような(D)成分を用いると、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率をより低下させ、基材への接着性により優れたものとなる。
【0016】
また、本発明では、シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B’)、(C)成分を含有し、前記(B’)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物を提供する。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B’)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化したシリコーン樹脂硬化物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【0017】
このようなシリコーンハイブリッド樹脂組成物を用いても、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、基材への接着性に優れたものとなる。
【0018】
また、本発明では、上記シリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物を備える半導体装置を提供する。
【0019】
このような半導体装置であれば、耐熱性に優れ、信頼性が高いものとなる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物であれば、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、基材への接着性に優れたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述のように、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、基材への接着性に優れたシリコーンハイブリッド樹脂組成物の開発が求められていた。
【0022】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を重ねた結果、本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、高Tg、低貯蔵弾性率であり、基材への接着性に優れた硬化物を与えることができることを見出し、本発明を完成させた。
【0023】
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、高Tg、低弾性であり、接着性に優れた硬化物を与えることができる。
【0024】
即ち、本発明は、シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B)、(C)成分を含有し、前記(B)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であることを特徴とするシリコーンハイブリッド樹脂組成物である。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【0025】
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
本発明は、(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部、
を含むシリコーンハイブリッド樹脂組成物である。
【0027】
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物には、上記以外にも(D)硬化剤やその他の添加物を含んでもよい。以下各成分について説明する。
【0028】
[(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂およびシリコーン変性エポキシ樹脂]
本発明の(A)成分は、シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂である。シリコーン未変性エポキシ樹脂およびシリコーン変性エポキシ樹脂としては公知のものを使用することができる。
【0029】
このようなエポキシ樹脂としては、トリアジン誘導体エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、フルオレイン型エポキシ樹脂、ナフタレン含有エポキシ樹脂、アミノフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、エーテル系またはポリエーテル系エポキシ樹脂、オキシラン環含有ポリブタジエン、シリコーン変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらを、単独もしくは2種類以上を組み合わせて使用することができる。
特に、シリコーン未変性エポキシ樹脂とシリコーン変性エポキシ樹脂の両方を含有すると(A)成分への下記(B)成分の分散性を改善することができるので好ましい。
【0030】
[(B)付加硬化型シリコーン樹脂組成物]
本発明の(B)成分である付加硬化型シリコーン樹脂組成物は公知のものを使用することができる。
付加硬化性シリコーン樹脂組成物は、(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサンと、(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを、(B-3)白金族金属系触媒存在下で反応(ヒドロシリル化反応)させることにより硬化するシリコーン樹脂組成物である。以下各成分について説明する。
【0031】
[(B-1)オルガノポリシロキサン]
本発明の(B-1)成分は、ケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサンであり、好ましくは直鎖状のオルガノポリシロキサンである。
【0032】
(B-1)成分が有する炭素数2~10のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基及びオクテニル基等が挙げられ、特にビニル基が好ましい。
【0033】
上述したアルケニル基以外に、(B-1)成分が有するケイ素原子に結合した基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基及びナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素原子、臭素原子及び塩素原子等のハロゲン原子やシアノ基で置換した基、例えば、クロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換アルキル基やシアノエチル基やアリルグリシジル基等のエポキシ基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
【0034】
また、アルケニル基以外にエポキシ基を含有すると、(A)成分との馴染みが良くなり、シリコーンハイブリッド樹脂組成物が低粘度化し、樹脂強度が上がる。
【0035】
(B-1)成分として具体的には、以下のものを例示できる。
【0036】
【化1】
(式中、v、w、x、y、zはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+y≧1を満たす数である。)
【0037】
本発明の(B-1)成分であるオルガノポリシロキサンは、重量平均分子量(Mw)が通常1,500~300,000であり、好ましくは2,000~200,000である。分子量が1,500以上であれば、組成物が硬化しないおそれがなく、分子量が300,000以下であれば組成物が必要以上に高粘度になり流動しなくなるおそれがない。
【0038】
なお、本発明における重量平均分子量(Mw)とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量を指す。
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolumn SuperH-L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
【0039】
[(B-2)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
本発明の(B-2)成分は、1分子中に2個以上のケイ素原子に結合する水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、(B-1)成分と反応し、架橋剤として作用する。
【0040】
(B-2)成分は下記平均組成式(1)で示される。
R1
hHiSiO(4-h-i)/2 ・・・ (1)
式中、R1は同一または異種の非置換または置換の炭素原子数が1~10の1価炭化水素基であり、hおよびiは、0.7≦h≦2.1、0.001≦i≦1.0、かつ0.8≦h+i≦3.0であり、好ましくは1.0≦h≦2.0、0.01≦i≦1.0、かつ1.5≦h+i≦2.5を満足する正数である。
【0041】
上記R1としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基等の飽和脂肪族炭化水素基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の飽和環式炭化水素基、フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などの芳香族炭化水素基、これらの基の炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子で置換したもの、例えば、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化炭化水素基、アリルグリシジル基等のエポキシ基などが挙げられる。これらの中では、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1~5の飽和炭化水素基、並びにフェニル基が好ましい。
【0042】
なお、前記R1としては、1分子中に1個以上のケイ素原子に結合したアリール基を有し、1~100個であることが好ましい。(B-2)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(ヒドロシリル基)を2個以上有し、例えば200個以下有し、好ましくは3個以上100個以下含有する。
【0043】
(B-2)成分の分子構造は特に制限されず、例えば、線状、環状、分岐状、三次元網目状(レジン状)等の、いずれの分子構造でも(B-2)成分として使用することができる。(B-2)成分が線状構造を有する場合、ヒドロシリル基は、分子鎖末端および分子鎖側鎖のどちらか一方でのみケイ素原子に結合していても、その両方でケイ素原子に結合していてもよい。また、1分子中のケイ素原子の数(または重合度)が、通常、2~200個、好ましくは3~100個程度であり、室温(25℃)において液状又は固体状であるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが使用できる。
【0044】
上記平均組成式(1)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの具体例としては、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH3)2HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C6H5)3SiO1/2単位とからなる共重合体などが挙げられる。
【0045】
また、下記構造で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンも用いることができるが、これらだけに限定されるものではない。
【化2】
【0046】
【化3】
(式中、p、q、r、sはそれぞれ0以上の整数である。)
【0047】
(B-2)成分の添加量は、(B-1)成分のケイ素原子に結合したアルケニル基1モル当たり、つまり(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量であり、好ましくは0.5~3.0モル、より好ましくは0.8~2.0モルとなる量である。
【0048】
(B-2)成分のヒドロシリル基の量が0.1モルより少ないと本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化反応が進行せず、硬化物を得ることが困難であり、得られる硬化物の架橋密度が低くなりすぎ、機械強度が不足し、耐熱性も悪くなる。一方、添加量が上記ヒドロシリル基の量が4.0モルより多いと、未反応のヒドロシリル基が硬化物中に多量に残存するため、物性の経時変化や硬化物の耐熱性の低下などを引き起こし、更に、硬化物中に脱水素反応による発泡が生じる原因となる。
【0049】
(B-1)成分及び/または(B-2)成分は少なくとも1つのエポキシ基を有する必要がある。本発明では、(B-1)成分及び/または(B-2)成分がエポキシ基を有するため、(A)成分との馴染みが良くなり、シリコーンハイブリッド樹脂組成物が低粘度化して、樹脂強度が上がる。一方、(B-1)成分及び(B-2)成分のいずれにもエポキシ基を含まないと、組成物が高粘度化し、樹脂進入性が悪化する。
【0050】
[(B-3)白金族金属系触媒]
本発明は、(B-1)成分と(B-2)成分とのヒドロシリル化反応を促進させる触媒として、(B-3)白金族金属系触媒を用いる。(B-3)成分としては、従来公知であるいずれのものも使用することができる。コスト等を考慮して、白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、H2PtCl6・pH2O,K2PtCl6,KHPtCl6・pH2O,K2PtCl4,K2PtCl4・pH2O,PtO2・pH2O,PtCl4・pH2O,PtCl2,H2PtCl4・pH2O(ここで、pは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金等の光活性を有する錯体等を例示することができる。これらの触媒は1種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。これらの触媒の配合量は、硬化のための有効量でよく、通常、前記(B)成分の合計量に対して白金族金属として質量換算で0.1~500ppm、特に好ましくは0.5~100ppmの範囲である。
【0051】
本発明の(B)成分の付加硬化型シリコーン樹脂組成物の屈折率は特に限定されないが、ケイ素に結合する置換基によって適宜調整することができる。(B)成分の屈折率は1.30~1.65が好ましく、1.40~1.58がさらに好ましい。
【0052】
この範囲内であれば付加硬化型シリコーン樹脂組成物の特性を十分発揮することができ、有機樹脂との組み合わせによりシリコーンハイブリッド樹脂組成物の透明性、反射率を調整することができる。
【0053】
(B)成分の付加硬化型シリコーン樹脂組成物の粘度はJIS K 7117-1:1999に記載の回転粘度計で測定した25℃における絶対粘度が100~300,000mPa・sであり、1,000~100,000mPa・sが好ましい。
【0054】
この粘度範囲を下回ると有機樹脂と混合した際に液滴同士が容易に結合するため、均一に混合することが困難になり、この粘度範囲を上回ると、粘度が高すぎて取扱いが困難になる。
【0055】
また、(B)付加硬化型シリコーン樹脂組成物は、前記(A)成分中での分散体であることを特徴とし、そのドメイン径が100μm以下であることが好ましく、0.1~20μmであることがより好ましい。
【0056】
前記(B)成分を前記(A)成分中での分散体とし、それぞれの成分で異なる硬化メカニズムにすることによって、前記(B)成分のみを選択的に硬化することができ、それによって好ましいタイミングで樹脂の粘度、フローを適宜調整することができる。シリコーンハイブリッド樹脂組成物は、(A)成分を海とし(B)成分を島とする海島構造をなしている。このような海島構造をなしていることを、本明細書中では(B)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であることとする。また、前記(B)成分の硬化の有無にかかわらず、前記(A)成分の硬化性に悪影響を及ぼすことなく、シリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物を低弾性化することができる。
【0057】
なお、本発明で言う(B)成分の「ドメイン径」とは、本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物を作製し、その断面についてデジタル顕微鏡および電子顕微鏡を用いて、ドメインの大きさに応じて倍率を適宜調整して観察し、少なくとも100個以上のドメインの中から画像処理により抽出して測定した最大径のことを指すものとする。ここで最大径とは円相当径である。
【0058】
[(C)硬化促進剤]
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物に含まれる(C)成分は(A)成分の硬化促進剤であり、公知のものを使用することができる。硬化促進剤は、有機樹脂の種類によっても異なるが、硬化反応を促進させるものであれば特に制限されず、例えば、鉛、錫、亜鉛、鉄、ジルコニウム、チタン、セリウム、カルシウム及びバリウムのアルコキシド又はカルボン酸錯体、ケイ酸リチウム塩、ケイ酸ナトリウム塩、ケイ酸カリウム塩等のアルカリ金属のケイ酸塩等の金属化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p-メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α-メチルベンジルジメチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7などの第3級アミン化合物、2-メチルイミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物、トリアリールスルホニウムヘキサフロロホスフェート、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロホスフェートなどの光カチオン硬化触媒、ジクミルペルオキシド、n-ブチル4,4’-ビス(ブチルペロキシ)バレレート、1,1-ビス(t-ブチルペルオキシ)-3,3,5トリメチルシクロヘキサン、ジ-t-ブチルペルオキシド、2,5-ジ-(t-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、1,1-ビス(tert-アミルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(tert-ブチルペルオキシ)ブタン、2,4-ペンタンジオンペルオキシド、2,5-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチルヘキサン、2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)-2,5-ジメチル-3-ヘキシン、2-ブタノンペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジ-tert-アミルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、tert-ブチルペルアセテート、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、ジ(2,4-ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジ(tert-ブチルペルオキシイソプロプロピル)ベンゼン、ジ(4-メチルベンゾイル)ペルオキシド、ブチル4,4-ジ(tert-ブチルペロキシ)バレレート、3,3,5,7,7-ペンタメチル-1,2,4-トリオキセパン、tert-ブチルペルオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサンノエート、tert-ブチルクミルペルオキシド、ジ(4-tert-ブチルシクロへキシル)ペルオキシジカーボネート、ジセチルペルオキシジカーボネート、ジミリスチルペルオキシジカーボネート、2,3-ジメチル-2,3-ジフェニルブタンジオクタノイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシ2-エチルヘキシルカーボネート、tert-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、tert-アミルペルオキシピバレートなどの熱および光ラジカル開始剤を用いることができる。
【0059】
(C)硬化促進剤の添加量は前記(A)成分100質量部に対して0.01~10質量部であり、0.02~5質量部が好ましく、0.05~3質量部がさらに好ましい。
【0060】
[(D)硬化剤]
本発明の(A)成分のシリコーン未変性エポキシ樹脂およびシリコーン変性エポキシ樹脂は、前記(C)硬化促進剤存在下で硬化させることができるが、前記シリコーンハイブリッド樹脂組成物に、(D)成分として硬化剤を添加してもよい。例えば前記エポキシ樹脂の硬化剤としては、例えばフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤またはメルカプタン系硬化剤を用いることができる。(A)成分と(D)成分の配合割合は、前記(A)成分中の硬化反応基の合計1当量に対して、前記(D)成分中の、前記硬化反応基との反応性を有する基が0.3~2.0当量となる量が好ましい。硬化反応基としては例えばエポキシ基等であり、硬化反応基との反応性を有する基としては例えばフェノール性水酸基等が挙げられる。
【0061】
前記(D)成分は、前記(A)~(C)成分と同時に配合してもよく、前記(A)~(C)成分を配合し、前記(B)成分を硬化させたのちに(D)成分を配合してもよい。
【0062】
フェノール系硬化剤としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ナフトール変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂などが挙げられるがこれらに限定されるものではなく、これらを1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0063】
(A)成分とフェノール系硬化剤の配合割合は、(A)成分中の硬化反応基1当量あたり、フェノール系硬化剤中のフェノール性水酸基当量が、0.3~1.8当量となるのが好ましく、0.5~1.5当量がさらに好ましい。
【0064】
酸無水物系硬化剤としては、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、アルキル化テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、無水メチルハイミック酸無水物、無水ドデセニルコハク酸無水物、無水メチルナジック酸無水物などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0065】
(A)成分と酸無水物系硬化剤の配合割合は、(A)成分中の硬化反応基1当量あたり、酸無水物系硬化剤中の酸無水物当量が、0.5~1.5当量となるのが好ましく、0.6~1.2当量がさらに好ましい。
【0066】
アミン系硬化剤としては、脂肪族ポリアミン;芳香族アミン;及びポリアミノアミド、ポリアミノイミド、ポリアミノエステル、ポリアミノ尿素などの変性ポリアミンが挙げられ、また、第三級アミン系、イミダゾール系、ヒドラジド系、ジシアンジアミド系、メラミン系の化合物も用いることができるが、これらに限定されるものではなく、これらを1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0067】
(A)成分とアミン系硬化剤の配合割合は、(A)成分中の硬化反応基1当量あたり、アミン系硬化剤中のアミン当量が、0.5~1.5当量となるのが好ましく、0.6~1.2当量がさらに好ましい。
【0068】
メルカプタン系硬化剤としては、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、トリメチロールエタントリス(3-メルカプトブチレート)などが挙げられるが、これらに限定されるものではなく、これらを1種単独でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0069】
(A)成分とメルカプタン系硬化剤の配合割合は、(A)成分中の硬化反応基1当量あたり、メルカプタン系硬化剤中のメルカプト当量が、0.3~1.8当量となるのが好ましく、0.5~1.5当量がさらに好ましい。
【0070】
[その他の添加剤]
その他の添加剤としては、例えば、シリカ、グラスファイバー、ヒュームドシリカ等の補強性無機充填材;二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸亜鉛、硫酸バリウム等の無機白色顔料;ケイ酸カルシウム、カーボンブラック、セリウム脂肪酸塩、バリウム脂肪酸塩、セリウムアルコキシド、バリウムアルコキシド等の非補強性無機充填材;銀(Ag)、アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、二酸化ケイ素(シリカ:SiO2)、酸化アルミニウム(アルミナ:Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、四酸化三鉄(Fe3O4)、酸化鉛(PbO2)、酸化すず(SnO2)、酸化セリウム(Ce2O3、CeO2)、酸化カルシウム(CaO)、四酸化三マンガン(Mn3O4)、酸化バリウム(BaO)などのフィラーが挙げられ、これらを、上記の(A)~(D)成分の合計100質量部当たり600質量部以下、好ましくは10~400質量部の量で適宜配合することができる。
【0071】
[シリコーンハイブリッド樹脂硬化物]
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、用途に応じて所定の基材に塗布した後、硬化させることができる。硬化条件は、常温(25℃)でも十分に硬化するが、必要に応じて加熱、光照射により硬化してもよい。加熱する場合の温度は、例えば、60~200℃、光照射の場合は、例えば、波長200~400nmの紫外線のエネルギーによって硬化することができる。
【0072】
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、前記(A)成分、前記(B)成分および前記(C)成分を混合し、使用することもできるし、少なくとも(A)成分および(B)を混合した状態で、前記(B)成分のみを硬化させ(B’)成分とし、その後前記(C)成分を添加することによって、前記(A)成分および前記(C)成分中に前記(B’)成分を分散させることもできる。特に(C)成分の硬化促進剤が、(B)成分の硬化を阻害してしまう場合などは(C)成分を添加する前に(B)成分を硬化させるという方法が好ましい。
【0073】
前記(B)成分のみを硬化させる方法により以下のシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られる。即ち、本発明では、シリコーンハイブリッド樹脂組成物であって、下記(A)、(B’)、(C)成分を含有し、前記(B’)成分が前記(A)成分中に分散した分散体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物を提供する。
(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂:100質量部、
(B’)(B-1)、(B-2)、(B-3)成分を含有しJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した25℃における粘度が100~300,000mPa・sである付加硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化したシリコーン樹脂硬化物:1~300質量部、
(B-1)1分子中にケイ素原子に結合した炭素数2~10のアルケニル基を2個以上有するオルガノポリシロキサン、
(B-2)1分子中に2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:前記(B-1)成分のアルケニル基量の合計1モルに対して、前記(B-2)成分のヒドロシリル基が0.1~4.0モルとなる量、及び、
(B-3)白金族金属系触媒:有効量、
(ただし、前記(B-1)成分および/または前記(B-2)成分が、少なくとも1個のエポキシ基を含有する)
(C)前記(A)成分の硬化促進剤:0.01~10質量部。
【0074】
前記(B)成分のみを硬化させる場合の硬化条件は、前記(B)成分が前記(A)成分中に分散した状態で、例えば、60~200℃の温度範囲で加熱、もしくは波長200~400nmの紫外線のエネルギーによって前記(B)成分のみを硬化させ(B’)成分とし、その後前記(C)成分を添加することによって、前記(B’)成分を含むシリコーンハイブリッド樹脂組成物を得ることができる。また前記(A)成分と前記(B)成分および前記(C)成分の混合物の反応メカニズムを変えることによって、前記(A)成分、前記(B)成分および前記(C)成分を混合した後でも、加熱および光照射によって前記(B)成分のみを硬化させることもできる。
【0075】
このような本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物であれば、高Tg、耐冷熱衝撃性、接着性に優れた硬化物を与えるものとなる。
【0076】
[シリコーンハイブリッド樹脂組成物の用途]
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物であれば、例えば、封止材、接着剤、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、フィルム、アンダーフィル材、反射防止材、光拡散材、光反射材などの各種用途にも使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0077】
[半導体装置]
また、本発明では、上述の本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物を備える半導体装置を提供する。また、上述の本発明のシリコーンハイブリッド組成物の硬化物を備え、該硬化物で半導体素子が封止された半導体装置とすることもできる。
【0078】
[シリコーンハイブリッド樹脂組成物の製造方法]
本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、例えば以下に記載する方法で製造することができる。
【0079】
例えば、(A)シリコーン未変性エポキシ樹脂、およびシリコーン変性エポキシ樹脂から選ばれる1種以上の有機樹脂、(B)付加硬化型シリコーン樹脂組成物、(C)硬化促進剤を、同時または別々に、場合によって熱処理もしくは光照射処理を行いながら混合、撹拌、溶解および/または分散させることにより、シリコーンハイブリッド樹脂組成物を得ることができる。これらの混合、撹拌、分散などの製造装置としては特に限定されるものではないが、撹拌、加熱装置を備えた擂潰機、3本ロール、ボールミル、プラネタリーミキサー、自転公転ミキサー、ビーズミル、超音波ミキサー、共振ミキサー、高速旋回ミキサー等を使用することができる。また、これらの装置を適宜組み合わせて使用することもできる。
【0080】
上記の方法で製造されたシリコーンハイブリッド樹脂組成物は、前記(A)成分および前記(B)成分が混合方法によらず均一に相溶することがなく、ドメイン径が少なくとも100μm以下のドメインとして混合することができる。シリコーンハイブリッド樹脂組成物中の前記(B)成分のドメインのドメイン径は100μm以下であることが好ましく、前記(A)成分および前記(B)成分が分離して、材料特性を発揮できる。
【実施例】
【0081】
以下、実施例、及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、部は質量部を示し、各成分の粘度は、JIS K 7117-1:1999に記載の回転粘度計で測定した25℃における絶対粘度を示す。
【0082】
[実施例1]
(A)成分として、シリコーン未変性エポキシ樹脂:商品名「JER-828EL」[ビスフェノールA型エポキシ樹脂]、三菱ケミカル株式会社製、10,000mPa・s(A-1)の有機樹脂を100部、
(B-1)成分として、下記式(B-1-1)で示されるオルガノポリシロキサン:100部、
(B-2)成分として、下記式(B-2-1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比(以下、SiH/SiVi比と表す場合がある。)が1.0となる量、
(B-3)成分として、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:1質量%):0.1部、
を100℃で自公転式攪拌装置を用いて攪拌30分、脱泡2分で混練し、混合物を常温に戻した後、
(C)成分として、リン系硬化促進剤:商品名「U-CAT-5003」[第4級ホスホニウムブロマイド]、サンアプロ株式会社製、0.8部、
(D)成分として、酸無水物系硬化剤:商品名「HN-5500」[3(4)メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸]、日立化成株式会社製、(A)成分中のエポキシ基の合計個数に対する(D)成分中の酸無水物の合計個数の比が1.0となる量、
を混合し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0083】
【0084】
[実施例2]
(B-2)成分として、実施例1で用いた(B-2-1)成分の代わりに下記式(B-2-2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0085】
【0086】
[実施例3]
(B-1)成分として、実施例1で用いた(B-1-1)成分の代わりに下記式(B-1-2)で示されるオルガノポリシロキサン:100部、
(B-2)成分として、実施例1で用いた(B-2-1)成分の代わりに下記式(B-2-3)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-2)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-3)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量、
を用いたこと以外は、実施例1と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0087】
【0088】
[実施例4]
(A)成分として、下記式(A-2)で示される有機樹脂:100部、
(B-1)成分として、下記式(B-1-1)で示されるオルガノポリシロキサン:100部、
(B-2)成分として、下記式(B-2-1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B―2-1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量、
(B-3)成分として、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:1質量%):0.1部、
を100℃で自公転式攪拌装置を用いて攪拌30分、脱泡2分で混練し、混合物を常温に戻した後、
(C)成分として、リン系硬化促進剤:商品名「U-CAT-5003」[第4級ホスホニウムブロマイド]、サンアプロ株式会社製、0.8部、
(D)成分として酸無水物系硬化剤:商品名「HN-5500」[3(4)メチル-ヘキサヒドロ無水フタル酸]、日立化成株式会社製、(A)成分中のエポキシ基の合計個数に対する(D)成分中の酸無水物の合計個数の比が1.0となる量、
を混合し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0089】
【0090】
[実施例5]
(B-2)成分として、実施例4で用いた(B-2-1)成分の代わりに下記式(B-2-2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量を用いた以外は、実施例4と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0091】
【0092】
[実施例6]
(A)成分として、下記式(A-2)で示される有機樹脂:100部、
(B-1)成分として、下記式(B-1-2)で示されるオルガノポリシロキサン:100部、
(B-2)成分として、下記式(B-2-3)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-2)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-3)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量、
(B-3)成分として、塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金元素含有率:1質量%):0.1部、
を100℃で自公転式攪拌装置を用いて攪拌30分、脱泡2分で混練し、混合物を常温に戻した後、
(C)成分として、リン系硬化促進剤:商品名「U-CAT-5003」[第4級ホスホニウムブロマイド]、サンアプロ株式会社製、0.8部、
(D)成分として酸無水物系硬化剤:商品名「HN-5500」[3(4)メチルーヘキサヒドロ無水フタル酸]、日立化成株式会社製、(A)成分中のエポキシ基の合計個数に対する(D)成分中の酸無水物の合計個数の比が1.0となる量、
を混合し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0093】
【0094】
[実施例7]
(B-2)成分として、実施例6で用いた(B-2)成分の代わりに下記式(B-2-1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-2)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量を用いた以外は、実施例6と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0095】
【0096】
[実施例8]
(B-2)成分として、実施例6で用いた(B-2)成分の代わりに下記式(B-2-2)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-2)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-2)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量を用いた以外は、実施例6と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0097】
【0098】
[比較例1]
実施例1で用いた(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして組成物を調製した。
【0099】
[比較例2]
実施例4で用いた(B)成分を添加しなかったこと以外は、実施例4と同様にして組成物を調製した。
【0100】
[比較例3]
実施例4で用いた(B)成分の代わりに、シリコーンゴム粒子:商品名「KMP-600」、信越化学工業製を100部用いたこと以外は、実施例4と同様にして組成物を調製した。得られた組成物は半固体状であった。
【0101】
[比較例4]
実施例4で用いた(B-2)成分の配合量を(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-1)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が4.0となる量に変更した以外は、実施例4と同様にして組成物を調製した。得られた組成物は半固体状であった。
【0102】
[比較例5]
実施例4で使用した(B-2)成分の代わりに下記式(B-2-3)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン:(B-1-1)成分中のケイ素原子に結合したビニル基の合計個数に対する(B-2-3)成分中のケイ素原子に結合した水素原子の合計個数の比が1.0となる量を用いた以外は、実施例4と同様にして組成物を調製し、均一な白色液体であるシリコーンハイブリッド樹脂組成物が得られた。
【0103】
【0104】
実施例1~8及び比較例1~5で調製した組成物、及びその硬化物の物性を下記の方法で測定した。結果を表1および表2に記載した。
【0105】
(1)外観
各組成物を150℃で4時間硬化させることで各硬化物を得た後、この外観を確認した。
【0106】
(2)性状
硬化前の各組成物の流動性を確認した。100mlのガラス瓶に50gの組成物を加え、ガラスビンを横に倒して25℃で10分間静置した。その間に樹脂が流れ出せば液状であると判断した。
【0107】
(3)粘度
25℃における硬化前の各組成物の粘度をJIS K 7117-1:1999に記載の方法で測定した。
【0108】
(4)硬さ(タイプAおよびタイプD)
各組成物を150℃×4時間で硬化して得られた硬化物の硬さを、JIS K 6249:2003に準拠して、デュロメータ タイプD硬度計を用いて測定した。
【0109】
(5)接着性(せん断接着力)
各組成物0.25gを、面積180mm2の銅板に底面積が45mm2となるように成形し、150℃で4時間硬化させ接着用試験片を作成した。その試験片をボンドテスターDAGE-SERIES-4000PXY(DAGE社製)を用いて、25℃でせん断接着力を測定した。接着試験後に、凝集破壊の部分と剥離部分との割合を求めて、その接着性を判定した。
(判定基準)
○:接着性が良好である(凝集破壊の割合80%以上)
×:接着性が不良である(凝集破壊の割合80%未満)
【0110】
(6)分散性
各組成物の硬化物の破断面を電子顕微鏡にて観察し、目視評価により、ドメイン径を測定した。また、(A)成分の分散性が良好なもの((B)成分が(A)成分中に分散した分散体であること)を○、分散性が不良なものを×とした。なお、比較例1及び2は(B)成分を添加していないので、分散性の評価は行っておらず、比較例4は(B)成分が均一に相溶したので、ドメイン径の測定は行っていない。
【0111】
(7)耐冷熱衝撃性
上記接着性試験で使用した試験片を、液槽冷熱衝撃試験機(エスペック社製)を用いて、-40℃~120℃、1,000サイクルの熱衝撃試験に投入した。熱衝撃試験後、上記と同様の条件で接着性試験を行い、接着性試験後に、凝集破壊の部分と剥離部分との割合を求めて、その接着性から耐冷熱衝撃性を判定した。
(判定基準)
○:接着性が良好である(凝集破壊の割合80%以上)
×:接着性が不良である(凝集破壊の割合80%未満)
【0112】
(8)耐衝撃試験
各組成物の硬化物(50mm×50mm×2mm)へ、43gの鋼球を1mの高さから落下させ、硬化物の破損を観察した。
(判定基準)
○:硬化物がシート形状を維持
×:硬化物が割れ、破損
【0113】
(9)貯蔵弾性率およびガラス転移温度
各シリコーンハイブリッド樹脂組成物の硬化物(10mm×15mm×1mm)を用意し、それらの試験片を動的粘弾性測定装置Q-800(株式会社北浜製作所製)にセットし、25℃から300℃の間で各硬化物の貯蔵弾性率およびTanδを測定した。常温25℃の貯蔵弾性率およびTanδの極大値を示す際の温度をガラス転移温度とした。
【0114】
(10)樹脂進入性
厚さ20μmの幅をスライドガラス(25mm×75mm×1mm)で作製し、樹脂を進入させ、2分後の樹脂の進入度を判定した。
(判定基準)
○:2cm以上の進入性
△:1cm以上2cm未満の進入性
×:1cm未満の進入性
【0115】
以上の結果を表1および表2に示す。
【0116】
【0117】
【0118】
表1に示されるように、本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物を使用した実施例1~8では、有機樹脂のTgを維持したまま、貯蔵弾性率を低下させ、十分な粘度を有し、分散性、基材への接着性に優れた硬化物が得られた。これに対し、(B)成分が添加されていない比較例1および2では、貯蔵弾性率が高く、接着の破壊モードも剥離となった。さらに、(B)成分としてシリコーンゴム粒子を添加した比較例3では、粘度が高すぎてサンプルが作製できず、分散性も悪化した。また、(B)成分の粘度が低い比較例4では、分散性が悪化して樹脂が凝集し、サンプルの作製ができなかった。(B)成分のいずれにもエポキシ基を含有しないオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用した比較例5では、組成物が高粘度化し、樹脂進入性が悪化した。
【0119】
以上のように、本発明のシリコーンハイブリッド樹脂組成物であれば低粘度であり、優れた耐熱衝撃性を発揮する硬化物を与えることができる。
【0120】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。