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特許7461491感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜およびディスプレイ装置
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  • 特許-感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜およびディスプレイ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜およびディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/027 20060101AFI20240327BHJP
   G03F 7/033 20060101ALI20240327BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20240327BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20240327BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20240327BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20240327BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
G03F7/027 515
G03F7/033
G03F7/004 505
G03F7/004 501
G03F7/075 501
G02B5/20 101
G09F9/30 349C
G02F1/1335 500
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022552427
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 KR2021003205
(87)【国際公開番号】W WO2021187853
(87)【国際公開日】2021-09-23
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0033356
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0028255
(32)【優先日】2021-03-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】590002817
【氏名又は名称】三星エスディアイ株式会社
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI Co., LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20 Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si, Gyeonggi-do, 446-902 Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,クワンソプ
(72)【発明者】
【氏名】ユ,アルム
(72)【発明者】
【氏名】カン,ヘヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,テソ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ミュンホ
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0353557(US,A1)
【文献】特開2011-048064(JP,A)
【文献】特開2008-304583(JP,A)
【文献】特表2010-519592(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004-7/18
G02B 5/20
G09F 9/30
G02F 1/1335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂を含むバインダー樹脂、
(B)光重合性単量体、
(C)光重合開始剤、
(D)黒色無機顔料、
(E)無機散乱体、および
(F)溶媒
を含み、
感光性樹脂組成物総量に対して、前記(A)バインダー樹脂3重量%~9重量%を含み、
前記第1バインダー樹脂はカルド系バインダー樹脂であり、
前記第2バインダー樹脂はアクリル系バインダー樹脂であり、
前記第1バインダー樹脂は前記第2バインダー樹脂より高い屈折率を有し、
前記第2バインダー樹脂の含量は、前記第1バインダー樹脂含量の2倍以上であり
前記黒色無機顔料の1次粒径は45nm以下である、感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記感光性樹脂組成物総量に対して、前記(B)光重合性単量体0.5重量%~3重量%を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記第2バインダー樹脂は、1.55以下の屈折率を有する、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記黒色無機顔料の1次粒径は、30nm以下である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記黒色無機顔料は、カーボンブラックを含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記無機散乱体は、SiO、TiO、ZrO、BaSOまたはこれらの組み合わせを含む、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記黒色無機顔料および無機散乱体は全て分散液の形態で含まれ、
前記黒色無機顔料分散液の含量は前記無機散乱体含有分散液含量の3倍以上である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記感光性樹脂組成物は、染料をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記染料は、赤色染料、黄色染料、バイオレット染料またはこれらの組み合わせを含む、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記染料は、前記黒色無機顔料分散液より少ない含量で含まれる、請求項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項11】
記感光性樹脂組成物総量に対して
記(B)光重合性単量体0.5重量%~5重量%、
前記(C)光重合開始剤0.1重量%~5重量%、
前記(D)黒色無機顔料5重量%~10重量%、
前記(E)無機散乱体0.01重量%~0.1重量%、および
前記(F)溶媒30重量%~70重量%
を含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項12】
前記感光性樹脂組成物は、シラン系カップリング剤をさらに含む、請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項13】
請求項1~12のうちのいずれか一項による感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜。
【請求項14】
前記感光性樹脂膜は、ブラックマトリクスまたは遮光用隔壁である、請求項13に記載の感光性樹脂膜。
【請求項15】
請求項13の感光性樹脂膜を含むディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記載は、感光性樹脂組成物、これを用いて製造された感光性樹脂膜および前記感光性樹脂膜を含むディスプレイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
黒色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタ、液晶表示材料、有機発光素子(EL)、ディスプレイパネル材料などの表示素子の製造に必須の材料である。例えば、カラー液晶ディスプレイなどのカラーフィルタには表示コントラストや発色効果を高めるために、レッド(red)、グリーン(green)、ブルー(blue)などの着色層間の境界部分にブラックマトリクスや遮光用隔壁が必要であり、これは主に黒色感光性樹脂組成物から形成されるものである。
【0003】
特に、最近の液晶表示ディスプレイの開発方向は高輝度および高色再現率に合わせられており、前記物性を達成するための一環として、野外から入る光の反射率を低減させて高輝度および高色再現率を達成しようとする試みがある。ディスプレイの反射率低下のために主に開発している方法は、偏光フィルムの反射防止フィルムであるAR(Anti Reflective)フィルムとAG(Anti Glare)フィルムを適用する方法である。
【0004】
しかし、このような方法は、価格が高いだけでなく、もう限界に直面して、他の方法で反射率を低減させようとする努力が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一実施形態は、遮光特性と低反射特性を同時に実現しながら、パターンの表面粗さおよび直進性も優れた感光性樹脂組成物を提供するためのものである。
【0006】
他の一実施形態は、前記感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜を提供するためのものである。
【0007】
また他の一実施形態は、前記感光性樹脂膜を含むディスプレイ装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態は、(A)第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂を含むバインダー樹脂、(B)光重合性単量体、(C)光重合開始剤、(D)黒色無機顔料、(E)無機散乱体、および(F)溶媒を含み、前記第1バインダー樹脂は前記第2バインダー樹脂より高い屈折率を有し、前記第1バインダー樹脂は前記第2バインダー樹脂より同一であるか少ない含量で含まれ、前記黒色無機顔料の1次粒径は45nm以下である感光性樹脂組成物を提供する。
【0009】
前記第2バインダー樹脂は、1.55以下の屈折率を有することができる。
【0010】
前記第1バインダー樹脂はカルド系バインダー樹脂であり、前記第2バインダー樹脂はアクリル系バインダー樹脂であってもよい。
【0011】
前記第2バインダー樹脂の含量は、前記第1バインダー樹脂含量の2倍以上であってもよい。
【0012】
前記黒色無機顔料の1次粒径は30nm以下であってもよい。
【0013】
前記黒色無機顔料は、カーボンブラックを含むことができる。
【0014】
前記無機散乱体は、SiO、TiO、ZrO、BaSOまたはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0015】
前記黒色無機顔料および無機散乱体は全て分散液の形態で含まれ、前記黒色無機顔料分散液の含量は前記無機散乱体含有分散液含量の3倍以上であってもよい。
【0016】
前記感光性樹脂組成物は、染料をさらに含むことができる。
【0017】
前記染料は、赤色染料、黄色染料、バイオレット染料またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0018】
前記染料は、前記黒色無機顔料分散液より少ない含量で含まれてもよい。
【0019】
前記感光性樹脂組成物は、前記感光性樹脂組成物総量に対して、前記(A)バインダー樹脂1重量%~10重量%、前記(B)光重合性単量体0.5重量%~5重量%、前記(C)光重合開始剤0.1重量%~5重量%、前記(D)黒色無機顔料5重量%~10重量%、前記(E)無機散乱体0.01重量%~0.1重量%、および前記(F)溶媒30重量%~70重量%を含むことができる。
【0020】
前記感光性樹脂組成物は、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、シラン系カップリング剤、レベリング剤、界面活性剤またはこれらの組み合わせをさらに含むことができる。
【0021】
他の一実施形態は、前記感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜を提供する。
【0022】
前記感光性樹脂膜は、ブラックマトリクスまたは遮光用隔壁であってもよい。
【0023】
また他の一実施形態は、前記感光性樹脂膜を含むディスプレイ装置を提供する。
【0024】
その他の本発明の側面の具体的な事項は以下の詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0025】
一実施形態による感光性樹脂組成物は、互いに異なる屈折率を有する2種のバインダー樹脂を一定の含量使用し、その含量を限定し、一定範囲の1次粒径を有する黒色無機顔料と共に使用することによって、遮光性と低反射特性を同時に実現することができ、さらにパターン性も優れるように維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施例1による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
図2】実施例2による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
図3】比較例1による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
図4】比較例2による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
図5】比較例3による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
図6】参考例1による感光性樹脂組成物を用いて製造された感光性樹脂膜のパターン写真を示す走査電子顕微鏡写真である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。但し、これは例示として提示されるものであって、これによって本発明が制限されず、本発明は後述の特許請求の範囲の範疇によってのみ定義されるだけである。
【0028】
本明細書で特別な言及がない限り、“アルキル基”とは炭素数1~20のアルキル基を意味し、“アルケニル基”とは炭素数2~20のアルケニル基を意味し、“シクロアルケニル基“とは炭素数3~20のシクロアルケニル基を意味し、“ヘテロシクロアルケニル基”とは炭素数3~20のヘテロシクロアルケニル基を意味し、“アリール基”とは炭素数6~20のアリール基を意味し、“アリールアルキル基”とは炭素数6~20のアリールアルキル基を意味し、“アルキレン基”とは炭素数1~20のアルキレン基を意味し、“アリーレン基”とは炭素数6~20のアリーレン基を意味し、“アルキルアリーレン基”とは炭素数6~20のアルキルアリーレン基を意味し、“ヘテロアリーレン基”とは炭素数3~20のヘテロアリーレン基を意味し、“アルコキシレン基”とは炭素数1~20のアルコキシレン基を意味する。
【0029】
本明細書で特別な言及がない限り、“置換”とは少なくとも一つの水素原子がハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ基、炭素数1~20のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、アミン基、イミノ基、アジド基、アミジノ基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、カルボニル基、カルバモイル基、チオール基、エステル基、エーテル基、カルボキシル基またはその塩、スルホン酸基またはその塩、リン酸やその塩、炭素数1~20のアルキル基、炭素数2~20のアルケニル基、炭素数2~20のアルキニル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数3~20のシクロアルキル基、炭素数3~20のシクロアルケニル基、炭素数3~20のシクロアルキニル基、炭素数2~20のヘテロシクロアルキル基、炭素数2~20のヘテロシクロアルケニル基、炭素数2~20のヘテロシクロアルキニル基、炭素数3~20のヘテロアリール基またはこれらの組み合わせの置換基で置換されたことを意味する。
【0030】
また、本明細書で特別な言及がない限り、“ヘテロ”とは、化学式内にN、O、SおよびPのうちの少なくとも一つのヘテロ原子が少なくとも一つ含まれたことを意味する。
【0031】
また、本明細書で特別な言及がない限り、“(メタ)アクリレート”は“アクリレート”と“メタクリレート”の両方とも可能であるのを意味し、“(メタ)アクリル酸”は“アクリル酸”と“メタクリル酸”の両方とも可能であるのを意味する。
【0032】
本明細書で特別な言及がない限り、“組み合わせ”とは、混合または共重合を意味する。また、“共重合”とはブロック共重合乃至ランダム共重合を意味し、“共重合体”とはブロック共重合体乃至ランダム共重合体を意味する。
【0033】
本明細書内化学式で別途の定義がない限り、化学結合が描かれなければならない位置に化学結合が描かれていない場合は、前記位置に水素原子が結合されているのを意味する。
【0034】
本明細書でカルド系樹脂とは、下記化学式2~化学式12からなる群より選択された一つ以上の官能基が樹脂内主骨格(backbone)に含まれる樹脂を意味する。
【0035】
本明細書で別途の定義がない限り、“*”は同一であるか異なる原子(水素原子含む)または化学式と連結される部分を意味する。
【0036】
本明細書で別途の定義がない限り、屈折率とは、550nm波長での屈折率を意味する。
【0037】
一実施形態による感光性樹脂組成物は、(A)第1バインダー樹脂および第2バインダー樹脂を含むバインダー樹脂、(B)光重合性単量体、(C)光重合開始剤、(D)黒色無機顔料、(E)無機散乱体および(F)溶媒を含み、前記第1バインダー樹脂は前記第2バインダー樹脂より高い屈折率を有し、前記第1バインダー樹脂は前記第2バインダー樹脂より同一であるか少ない含量で含まれ、前記無機顔料の1次粒径は45nm以下なので、これを用いて製造された感光性樹脂膜、例えば、ブラックマトリクスや遮光用隔壁は、従来のブラックマトリクスや遮光用隔壁と比較して、遮光性と低反射特性を全て実現することができ、パターン性(パターン表面粗さ、パターン直進性など)も優れる。
【0038】
具体的に、一実施形態による感光性樹脂組成物はカラーフィルタ内Red、Green、Blue色間区別のためのブラックマトリクスや遮光用隔壁に適用され、従来のブラックマトリクスや遮光用隔壁用組成物は効果的な遮光特性を実現するためにカーボンブラックを主成分とする組成物が大部分であった。カーボンブラックを主成分とする場合、光学密度が高くて遮光特性実現には適するが、視認性改善が行われないという問題点がある。また、カーボンブラックのような黒色無機顔料の相対的含量が高まる場合、パターン表面が粗くなるかパターン直進性、解像度などが低下する問題があり、前記カーボンブラックの相対的含量を低める場合、遮光性が光学密度が低下して一般的なコーティング厚さ(1μm~1.3μm)内で必要な最小限の光学密度を実現することができないという問題がある。本発明者らは前記のような問題点を認識し、視認性改善のためにパネルの反射率を低める方向に開発を行い、何回もの試行錯誤の末に本発明を完成するに至った。実際に反射率改善のためのフィルム(例えば、低反射偏光フィルムなど)を付着する方式が試みられたことがある。しかし、偏光フィルムの価格が高く、当該技術で実現可能な反射率がすでに下限値に至ったため、現在追加的なフィルム付着方法では限界があるので、他の方向に反射率を低めることができるブラックマトリクスまたは遮光用隔壁製造用組成物の開発が行われている。特に、8K高解像度モデルのTVの場合、ブラックマトリクスの表面積が4Kに対して約2倍増加するため、遮光性だけでなく反射率が低いほど視認性改善効果はさらに大きくなり得る。
【0039】
以下で各成分について具体的に説明する。
【0040】
(E)無機散乱体
一実施形態による感光性樹脂組成物は、無機散乱体、具体的に無機散乱体含有分散液を含む。従来も無機散乱体含有分散液を感光性樹脂組成物に添加する試みがあったが、この場合、添加される無機散乱体含有分散液の量だけ、共に使用されるその他の無機物の含量を増加させるしかなく、遮光性を付与する黒色着色剤(例えば、黒色顔料など)の相対的な含量が減るようになって、光学密度が低下することによりブラックマトリクスや遮光用隔壁として製造することができない問題があった。
【0041】
しかし、一実施形態による感光性樹脂組成物は前記無機散乱体含有分散液を使用するが、後述のように互いに異なる屈折率を有する2種のバインダー樹脂を使用し、さらに前記2種のバインダー樹脂間含量を限定すると同時に黒色着色剤としての役割を果たす黒色無機顔料の1次粒径をさらに限定することによって、前述の問題点を解決した。即ち、一実施形態による感光性樹脂組成物を用いれば、無機散乱体含有分散液を含むにもかかわらず光学密度低下問題が発生しないことになる。
【0042】
例えば、前記無機散乱体はSiO、TiO、ZrO、BaSOまたはこれらの組み合わせを含むことができるが、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0043】
例えば、前記無機散乱体は一実施形態による感光性樹脂組成物を成す固形分総量に対して1重量%以上含まれてもよい。この場合、一実施形態による感光性樹脂組成物を用いて製造される感光性樹脂膜は3.2以上の光学密度(単位:/1μm)を有することができる。
【0044】
例えば、前記無機散乱体含有分散液は前記感光性樹脂組成物総量に対して1重量%~10重量%、例えば、5重量%~10重量%で含まれてもよい。(前記無機散乱体は前記感光性樹脂組成物総量に対して0.01重量%~0.1重量%で含まれてもよい。)前記無機散乱体含有分散液が前記含量範囲で含まれる場合、黒色無機顔料分散液との相溶性に優れて低反射特性および優れたパターン性を維持しながら、同時に遮光性も確保することができる。
【0045】
(A)バインダー樹脂
一実施形態による感光性樹脂組成物は互いに異なる屈折率を有する2種のバインダー樹脂を含み、より高い屈折率を有するバインダー樹脂(第1バインダー樹脂)はより低い屈折率を有するバインダー樹脂(第2バインダー樹脂)と同一であるか少ない含量で含まれる。前記バインダー樹脂がこのような構成を有しない場合、低反射特性を実現することができない。
【0046】
具体的に、前記第2バインダー樹脂は1.55以下の屈折率を有することができる。例えば、前記第1バインダー樹脂は1.60以上の屈折率を有することができる。
【0047】
例えば、前記第2バインダー樹脂の含量は、前記第1バインダー樹脂含量の2倍以上であってもよい。この場合、現像性および工程マージン向上を図ることができる。
【0048】
例えば、前記第1バインダー樹脂はカルド系バインダー樹脂であってもよく、前記第2バインダー樹脂はアクリル系バインダー樹脂であってもよい。この場合、一実施形態による感光性樹脂組成物の耐熱性および耐化学性を改善することができ、何よりも低反射特性確保に非常に有利であり得る。
【0049】
前記カルド系バインダー樹脂の重量平均分子量は1,000g/mol~50,000g/molであってもよく、具体的には3,000g/mol~35,000g/molであってもよい。前記カルド系バインダー樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、ブラックマトリクスや遮光用隔壁製造時、優れたパターン性および現像性を得ることができる。
【0050】
前記カルド系バインダー樹脂は、下記化学式1で表される繰り返し単位を含む化合物であってもよい。
【0051】
【化1】
【0052】
上記化学式1中、
24~R27は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基であってもよく、
28およびR29は、それぞれ独立して、水素原子、またはCHOR(Rはビニル基、アクリル基またはメタクリル基)であってもよく、
30は、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2~20のアルケニル基、アクリル基、またはメタクリル基であってもよく、
は、単一結合、O、CO、SO、CR、SiR(ここで、R~Rは互いに同一であるか異なり、水素原子、または置換もしくは非置換の炭素数1~20のアルキル基である)、または下記化学式2~化学式12で表される化合物からなる群より選択されるいずれか一つであってもよく、
は、酸無水物残基または酸二無水物残基であってもよい。
【0053】
【化2】
【0054】
上記化学式6中、
は、水素原子、エチル基、CCl、COH、CHCH=CH、またはフェニル基である。
【0055】
【化3】
【0056】
前記カルド系バインダー樹脂は、具体的に、下記化学式13で表示される化合物をテトラカルボン酸二無水物と反応させて得ることができる。
【0057】
【化4】
【0058】
前記テトラカルボン酸二無水物は、芳香族テトラカルボン酸二無水物であってもよい。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物の例としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4-シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5,6-ピリジンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物などが挙げられるが、これに限定されるのではない。
【0059】
前記アクリル系バインダー樹脂は第1エチレン性不飽和単量体およびこれと共重合可能な第2エチレン性不飽和単量体の共重合体であって、一つ以上のアクリル系繰り返し単位を含む樹脂である。
【0060】
前記第1エチレン性不飽和単量体は一つ以上のカルボキシ基を含有するエチレン性不飽和単量体であり、その具体的な例としてはアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0061】
前記第1エチレン性不飽和単量体は前記アクリル系バインダー樹脂総量に対して5~50重量%で含まれてもよく、具体的には10~40重量%で含まれてもよい。
【0062】
前記第2エチレン性不飽和単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルベンジルメチルエーテルなどの芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸エステル化合物;2-アミノエチル(メタ)アクリレート、2-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸アミノアルキルエステル化合物;酢酸ビニル、安息香酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル化合物;グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル化合物;(メタ)アクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物;(メタ)アクリルアミドなどの不飽和アミド化合物;などが挙げられ、これらを単独でまたは二つ以上混合して使用することができる。
【0063】
前記アクリル系バインダー樹脂の具体的な例としては、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン/2-ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体などが挙げられるが、これに限定されるのではなく、これらを単独または2種以上を配合して使用することもできる。
【0064】
前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量は3,000g/mol~150,000g/molであってもよく、具体的には5,000g/mol~50,000g/molであってもよく、さらに具体的には20,000g/mol~30,000g/molであってもよい。前記アクリル系バインダー樹脂の重量平均分子量が前記範囲内である場合、一実施形態による感光性樹脂組成物の物理的および化学的物性に優れ、粘度が適切であり、ブラックマトリクスや遮光用隔壁製造時基板との密着性に優れる。
【0065】
前記アクリル系バインダー樹脂の酸価は15mgKOH/g~60mgKOH/gであってもよく、具体的には20mgKOH/g~50mgKOH/gであってもよい。前記アクリル系バインダー樹脂の酸価が前記範囲内である場合、ピクセルパターンの解像度に優れる。
【0066】
前記バインダー樹脂は、前記感光性樹脂組成物総量に対して1重量%~10重量%、例えば3重量%~9重量%で含まれてもよい。前記バインダー樹脂が前記範囲内に含まれる場合、粘度が適切に維持されてブラックマトリクスや遮光用隔壁製造時パターン性、工程性および現像性に優れる。
【0067】
(B)光重合性単量体
前記光重合性単量体は、少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有する(メタ)アクリル酸の一官能または多官能エステルを使用することができる。
【0068】
前記アクリル系光重合性単量体は前記エチレン性不飽和二重結合を有することによって、パターン形成工程で露光時に十分な重合を起こすことによって耐熱性、耐光性および耐化学性に優れたパターンを形成することができる。
【0069】
前記光重合性単量体の具体的な例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ノボラックエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0070】
前記光重合性単量体の市販される製品を例として挙げれば次の通りである。前記(メタ)アクリル酸の一官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックスM-101(登録商標)、アロニックスM-111(登録商標)、アロニックスM-114(登録商標)など;日本化薬株式会社製のKAYARAD TC-110S(登録商標)、KAYARAD TC-120S(登録商標)など;大阪有機化学工業株式会社製のV-158(登録商標)、V-2311(登録商標)などが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸の二官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックスM-210(登録商標)、アロニックスM-240(登録商標)、アロニックスM-6200(登録商標)など;日本化薬株式会社製のKAYARAD HDDA(登録商標)、KAYARAD HX-220(登録商標)、KAYARAD R-604(登録商標)など;大阪有機化学工業株式会社製のV-260(登録商標)、V-312(登録商標)、V-335HP(登録商標)などが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸の三官能エステルの例としては、東亞合成株式会社製のアロニックスM-309(登録商標)、アロニックスM-400(登録商標)、アロニックスM-405(登録商標)、アロニックスM-450(登録商標)、アロニックスM-710(登録商標)、アロニックスM-8030(登録商標)、アロニックスM-8060(登録商標)など;日本化薬株式会社製のKAYARAD TMPTA(登録商標)、KAYARAD DPCA-20(登録商標)、KAYARAD-30(登録商標)、KAYARAD-60(登録商標)、KAYARAD-120(登録商標)など;大阪有機化学工業株式会社製のV-295(登録商標)、V-300(登録商標)、V-360(登録商標)、V-GPT(登録商標)、V-3PA(登録商標)、V-400(登録商標)などが挙げられる。前記製品を単独使用または2種以上共に使用することができる。
【0071】
前記光重合性単量体は、より優れた現像性を付与するために酸無水物で処理して使用することもできる。
【0072】
前記光重合性単量体は前記感光性樹脂組成物総量に対して0.5重量%~5重量%、例えば0.5重量%~3重量%で含まれてもよい。前記光重合性単量体が前記範囲内に含まれる場合、パターン形成工程で露光時に硬化が十分に起こって信頼性に優れ、アルカリ現像液への現像性に優れる。
【0073】
(C)光重合開始剤
前記光重合開始剤は、アセトフェノン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサントン系化合物、ベンゾイン系化合物、トリアジン系化合物、オキシム系化合物またはこれらの組み合わせなどを使用することができる。
【0074】
前記アセトフェノン系化合物の例としては、2,2’-ジエトキシアセトフェノン、2,2’-ジブトキシアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオフェノン、p-t-ブチルトリクロロアセトフェノン、p-t-ブチルジクロロアセトフェノン、4-クロロアセトフェノン、2,2’-ジクロロ-4-フェノキシアセトフェノン、2-メチル-1-(4-(メチルチオ)フェニル)-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オンなどが挙げられる。
【0075】
前記ベンゾフェノン系化合物の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’-ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’-ジクロロベンゾフェノン、3,3’-ジメチル-2-メトキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0076】
前記チオキサントン系化合物の例としては、チオキサントン、2-クロロチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントンなどが挙げられる。
【0077】
前記ベンゾイン系化合物の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0078】
前記トリアジン系化合物の例としては、2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3’,4’-ジメトキシスチリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4’-メトキシナフチル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ビフェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシナフト1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-s-トリアジン、2-4-ビス(トリクロロメチル)-6-(4-メトキシスチリル)-s-トリアジンなどが挙げられる。
【0079】
前記オキシム系化合物の例としては、O-アシルオキシム系化合物、2-(O-ベンゾイルオキシム)-1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-1,2-オクタンジオン、1-(O-アセチルオキシム)-1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]エタノン、O-エトキシカルボニル-α-オキシアミノ-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(3-シクロペンチル-1-(9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル)プロピリデンアミノオキシ)エタノン、2-(ベンゾイルオキシイミノ)-3-シクロペンチル-1-(4-(フェニルチオ)フェニル)プロパン-1-オンなどを使用することができる。前記O-アシルオキシム系化合物の具体的な例としては、1,2-オクタンジオン、2-ジメチルアミノ-2-(4-メチルベンジル)-1-(4-モルホリン-4-イル-フェニル)-ブタン-1-オン、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1,2-ジオン-2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1,2-ジオン-2-オキシム-O-ベンゾエート、1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-オクタン-1-オンオキシム-O-アセテート、および1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-ブタン-1-オンオキシム-O-アセテートなどを使用することができる。
【0080】
一実施形態による感光性樹脂組成物は、オキシム系化合物とアセトフェノン系化合物の混合物を光重合開始剤として含むことができる。この時、前記オキシム系化合物は前記アセトフェノン系化合物より多い含量で含まれてもよい。
【0081】
前記光重合開始剤は、前記化合物以外にも、カルバゾール系化合物、ジケトン類化合物、スルホニウムボレート系化合物、ジアゾ系化合物、イミダゾール系化合物、ビイミダゾール系化合物、フルオレン系化合物などを使用することができる。
【0082】
前記光重合開始剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して、0.1重量%~5重量%、例えば0.1重量%~3重量%で含まれてもよい。前記光重合開始剤が前記範囲内に含まれる場合、パターン形成工程で露光時光重合が十分に起こるようになって、製造されたブラックマトリクスや遮光用隔壁の感度が優れるようになる。
【0083】
(D)黒色無機顔料
前述の無機散乱体含有分散液との相溶性を考慮し、遮光性を高めて黒色を容易に実現するために、前記黒色無機顔料分散液を構成する前記黒色無機顔料は45nm以下の1次粒径を有する。1次粒径が45nm以下である黒色無機顔料分散液は、一実施形態による感光性樹脂組成物内黒色着色剤として使用するに非常に適する。
【0084】
例えば、前記黒色無機顔料の1次粒径は、30nm以下であってもよい。
【0085】
例えば、前記黒色無機顔料は、カーボンブラックを含むことができる。例えば、前記黒色無機顔料は、カーボンブラックであってもよい。
【0086】
例えば、前記黒色無機顔料分散液の含量は、前記無機散乱体含有分散液含量の3倍以上であってもよい。この場合、光学密度がより高まって遮光性実現に一層有利であり、反射率低減にも効果的であり得る。
【0087】
前記黒色無機顔料は分散剤と共に使用することができる。具体的には、前記黒色無機顔料を分散剤で予め表面処理して使用するか、組成物製造時に黒色無機顔料と共に分散剤を添加して使用することができる。
【0088】
前記分散剤としては、非イオン性分散剤、陰イオン性分散剤、陽イオン性分散剤などを使用することができる。前記分散剤の具体的な例としては、ポリアルキレングリコールおよびそのエステル、ポリオキシアルキレン、多価アルコールエステルアルキレンオキシド付加物、アルコールアルキレンオキシド付加物、スルホン酸エステル、スルホン酸塩、カルボン酸エステル、カルボン酸塩、アルキルアミドアルキレンオキシド付加物、アルキルアミンなどが挙げられ、これらを単独でまたは二つ以上混合して使用することができる。
【0089】
前記分散剤の市販される製品を例として挙げれば、BYK社のDISPERBYK-101、DISPERBYK-130、DISPERBYK-140、DISPERBYK-160、DISPERBYK-161、DISPERBYK-162、DISPERBYK-163、DISPERBYK-164、DISPERBYK-165、DISPERBYK-166、DISPERBYK-170、DISPERBYK-171、DISPERBYK-182、DISPERBYK-2000、DISPERBYK-2001など;EFKAケミカル社のEFKA-47、EFKA-47EA、EFKA-48、EFKA-49、EFKA-100、EFKA-400、EFKA-450など;Zeneka社のSolsperse 5000、Solsperse 12000、Solsperse 13240、Solsperse 13940、Solsperse 17000、Solsperse 20000、Solsperse 24000GR、Solsperse 27000、Solsperse 28000など;またはAjinomoto社のPB711、PB821などがある。
【0090】
前記分散剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して0.1重量%~15重量%で含まれてもよい。分散剤が前記範囲内に含まれる場合、組成物の分散性に優れることによって遮光用隔壁製造時、安定性、現像性およびパターン性に優れる。
【0091】
前記顔料は、水溶性無機塩および湿潤剤を用いて前処理して使用することもできる。顔料を前記前処理して使用する場合、顔料の平均粒径を微細化することができる。
【0092】
前記前処理は、前記顔料を水溶性無機塩および湿潤剤と共にニーディング(kneading)する段階、そして前記ニーディング段階で得られた顔料をろ過および水洗する段階を経て行うことができる。
【0093】
前記ニーディングは40℃~100℃の温度で行うことができ、前記ろ過および水洗は水などを使用して無機塩を水洗した後、ろ過して行うことができる。
【0094】
前記水溶性無機塩の例としては塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。前記湿潤剤は前記顔料および前記水溶性無機塩が均一に混合されて顔料が容易に粉砕される媒介体の役割を果たし、その例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのようなアルキレングリコールモノアルキルエーテル;エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリンポリエチレングリコールなどのようなアルコールなどが挙げられ、これらを単独または二つ以上混合して使用することができる。
【0095】
前記ニーディング段階を経た顔料は5nm~200nm、例えば5nm~150nmの平均粒径を有することができる。顔料の平均粒径が前記範囲内である場合、顔料分散液での安定性に優れており、ピクセルの解像性低下の恐れがない。
【0096】
具体的に、前記黒色無機顔料は前記黒色無機顔料分散液総量に対して15重量%~40重量%、例えば20重量%~30重量%で含まれてもよい。
【0097】
前記黒色無機顔料分散液は、前記感光性樹脂組成物総量に対して20重量%~40重量%、例えば20重量%~30重量%で含まれてもよい。(前記黒色無機顔料は前記感光性樹脂組成物総量に対して5重量%~10重量%で含まれてもよい。)前記黒色無機顔料分散液が前記範囲内に含まれる場合、黒色実現効果および現像性能に優れるようになる。
【0098】
(F)溶媒
前記溶媒は、前述の構成成分および後述のその他の添加剤などとの相溶性を有するが、反応しない物質を使用することができる。
【0099】
前記溶媒の例としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;ジクロロエチルエーテル、n-ブチルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルフェニルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート類;メチルエチルカルビトール、ジエチルカルビトール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、メチル-n-プロピルケトン、メチル-n-ブチルケトン、メチル-n-アミルケトン、2-ヘプタノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸イソブチルなどの飽和脂肪族モノカルボン酸アルキルエステル類;乳酸メチル、乳酸エチルなどの乳酸エステル類;オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチルなどのオキシ酢酸アルキルエステル類;メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチルなどのアルコキシ酢酸アルキルエステル類;3-オキシプロピオン酸メチル、3-オキシプロピオン酸エチルなどの3-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3-メトキシプロピオン酸メチル、3-メトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-エトキシプロピオン酸メチルなどの3-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシプロピオン酸メチル、2-オキシプロピオン酸エチル、2-オキシプロピオン酸プロピルなどの2-オキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-メトキシプロピオン酸メチル、2-メトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸エチル、2-エトキシプロピオン酸メチルなどの2-アルコキシプロピオン酸アルキルエステル類;2-オキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-オキシ-2-メチルプロピオン酸エステル類;2-メトキシ-2-メチルプロピオン酸メチル、2-エトキシ-2-メチルプロピオン酸エチルなどの2-アルコキシ-2-メチルプロピオン酸アルキル類のモノオキシモノカルボン酸アルキルエステル類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2-ヒドロキシ-3-メチルブタン酸メチルなどのエステル類;ピルビン酸エチルなどのケトン酸エステル類などがあり、また、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチルホルムアニリド、N-メチルアセトアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセチルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1-オクタノール、1-ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ-ブチロラクトン、3-メチル安息香酸、3-メトキシブチルアセテート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどの高沸点溶媒が挙げられる。
【0100】
これらのうち、相溶性および反応性を考慮して、シクロヘキサノンなどのケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;2-ヒドロキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのカルビトール類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、3-メチル安息香酸、3-メトキシブチルアセテートなどを使用することができる。
【0101】
前記溶媒は、前記感光性樹脂組成物総量に対して残部量、例えば、30重量%~70重量%、例えば、35重量%~65重量%、例えば、40重量%~60重量%で含まれてもよい。前記溶媒が前記範囲内に含まれる場合、前記感光性樹脂組成物が適切な粘度を有することによってブラックマトリクスや遮光用隔壁製造時工程性に優れる。
【0102】
(G)染料
一実施形態による感光性樹脂組成物は染料をさらに含むことができる。前記染料は、赤色染料、黄色染料、バイオレット染料またはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0103】
赤色染料、黄色染料、バイオレット染料またはこれらの組み合わせを追加的に使用する場合、パターン表面粗さと直進性を損なわないながら、光学密度をさらに上昇させることができる。
【0104】
前記赤色染料としては例えば、キサンテン系染料、アゾ(ピリドン系、バルビツール酸系など)系染料、ジスアゾ系染料、アントラキノン系染料、メチン系染料などが挙げられ、必ずしもこれに限定されるのではない。また、このような染料をレーキ化したレーキ顔料、スルホン酸またはカルボン酸などの酸性基を有する酸性染料の無機塩、酸性染料と窒素含有化合物との造塩化合物、酸性染料のスルホン酸アミド化合物などの形態であっても差し支えない。
【0105】
前記黄色染料としては例えば、キノリン系染料、アゾ系(ピリドン系、バルビツール酸系金属錯体系など)染料、ジスアゾ系染料、メチン系染料などが挙げられ、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0106】
前記バイオレット染料としては例えば、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などのキサンテン系脂溶性染料、C.I.ソルベントバイオレット2などのローダミン系脂溶性染料、C.I.ベーシックバイオレット10などのキサンテン系塩基性染料、C.I.アシッドバイオレット9などのキサンテン系酸性染料などが挙げられ、必ずしもこれに限定されるのではない。
【0107】
前記染料は、前記黒色無機顔料分散液より少ない含量で含まれてもよい。例えば、前記染料が前記黒色無機顔料分散液より多い含量で含まれる場合、前記黒色無機顔料分散液の相対的な含量の減少によってむしろ光学密度を低下させるようになって好ましくないことがある。
【0108】
前記染料は、前記感光性樹脂組成物総量に対して残部量、例えば1重量%~10重量%、例えば3重量%~8重量%で含まれてもよい。前記染料が前記範囲内に含まれる場合、感光性樹脂組成物の光学密度の追加的な上昇と共に、低反射特性および優れたパターン性を図ることができる。
【0109】
(H)その他の添加剤
一方、前記感光性樹脂組成物は、マロン酸、3-アミノ-1,2-プロパンジオール、シラン系カップリング剤、レベリング剤、界面活性剤またはこれらの組み合わせの添加剤をさらに含むことができる。
【0110】
前記シラン系カップリング剤は、基板との密着性などを改善するために、ビニル基、カルボキシル基、メタクリルオキシ基、イソシアネート基、エポキシ基などの反応性置換基を有することができる。
【0111】
前記シラン系カップリング剤の例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β-エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらを単独または2種以上混合して使用することができる。
【0112】
前記シラン系カップリング剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して0.01重量部~10重量部で含まれてもよい。前記シラン系カップリング剤が前記範囲内に含まれる場合、密着性、保存性などに優れる。
【0113】
また、前記感光性樹脂組成物は必要によってコーティング性向上および欠点生成防止効果のために界面活性剤、例えばフッ素系界面活性剤および/またはシリコン系界面活性剤をさらに含むことができる。
【0114】
前記フッ素系界面活性剤としては、BM Chemie社のBM-1000(登録商標)、BM-1100(登録商標)など;大日本インキ化学工業(株)社のメガファック F 142D(登録商標)、メガファックF 172(登録商標)、メガファックF 173(登録商標)、メガファックF 183(登録商標)、メガファックF 554(登録商標)など;住友スリーエム(株)社のフロラードFC-135(登録商標)、フロラードFC-170C(登録商標)、フロラードFC-430(登録商標)、フロラードFC-431(登録商標)など;旭硝子(株)社のサーフロンS-112(登録商標)、サーフロンS-113(登録商標)、サーフロンS-131(登録商標)、サーフロンS-141(登録商標)、サーフロンS-145(登録商標)など;東レシリコン(株)社のSH-28PA(登録商標)、SH-190(登録商標)、SH-193(登録商標)、SZ-6032(登録商標)、SF-8428(登録商標)などの名称で市販されているものを使用することができる。
【0115】
前記シリコン系界面活性剤としては、BYK Chem社のBYK-307、BYK-333、BYK-361N、BYK-051、BYK-052、BYK-053、BYK-067A、BYK-077、BYK-301、BYK-322、BYK-325などの名称で市販されているものを使用することができる。
【0116】
前記界面活性剤は、前記感光性樹脂組成物総量に対して0.001重量部~5重量部で使用することができる。前記界面活性剤が前記範囲内に含まれる場合、コーティング均一性が確保され、染みが発生せず、IZO基板またはガラス基板に対する湿潤性(wetting)に優れる。
【0117】
また、前記感光性樹脂組成物は、物性を阻害しない範囲内で、酸化防止剤、安定剤などのその他の添加剤を一定量添加することもできる。
【0118】
一実施形態による感光性樹脂組成物はポジティブ型であってもよく、ネガティブ型であってもよいが、遮光性を有する組成物の露光および現像後パターンが露出される領域の残基(residue)をより完ぺきに除去するためにはネガティブ型であることがより好ましい。
【0119】
他の一実施形態は、前述の感光性樹脂組成物を露光、現像および硬化して製造された感光性樹脂膜、例えば、ブラックマトリクスまたは遮光用隔壁を提供する。
【0120】
前記感光性樹脂膜製造方法は次の通りである。
【0121】
(1)塗布および塗膜形成段階
遮光用隔壁組成物を所定の前処理を行ったガラス基板またはITO基板などの基板上にスピンまたはスリットコート法、ロールコート法、スクリーン印刷法、アプリケータ法などの方法を使用して所望の厚さで塗布した後、70℃~110℃で1分~10分間加熱(プリベーキング)して溶剤を除去することによって塗膜を形成する。
【0122】
(2)露光段階
前記得られた塗膜に必要なパターン形成のためにマスクを介した後、200nm~500nmの化学線を照射して露光を行う。照射に使用される光源としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、金属ハロゲン化物ランプ、アルゴンガスレーザなどを使用することができ、場合によってX線、電子線なども用いることができる。
【0123】
露光量は組成物各成分の種類、配合量および乾燥膜の厚さによって異なるが、高圧水銀灯を使用する場合には500mJ/cm(365nmセンサーによる)以下である。
【0124】
(3)現像段階
アルカリ性水溶液を現像液として用いて不必要な部分を溶解、除去することによって露光部分のみを残存させてパターンを形成させる。
【0125】
(4)後処理段階
現像によって得られた画像パターンを耐熱性、密着性、耐化学性などの側面から優れたパターンを得るための後加熱工程がある。例えば、現像後、250℃のコンベクションオーブンに現像によって得られた画像パターンを入れた後、1時間加熱(ポストベーキング)することができる。
【0126】
また他の一実施形態は、前記感光性樹脂膜を含むディスプレイ装置を提供する。
【0127】
以下、本発明の好ましい実施例を記載する。但し、下記の実施例は本発明の好ましい一実施形態に過ぎず、本発明が下記の実施例によって限定されるのではない。
【実施例
【0128】
(感光性樹脂組成物製造)
実施例1~実施例3、比較例1~比較例3および参照例1
下記表1に示した組成で混合後、6時間攪拌して、実施例1~実施例3、比較例1~比較例3および参照例1による感光性樹脂組成物を製造した。具体的に、光重合開始剤含量を正確に測定した後、溶剤を投入した後に開始剤が全部溶けるまで十分に攪拌した。その後、バインダー樹脂と光重合性単量体を順次に添加した後、再び1時間程度攪拌した。その後、無機散乱体含有分散液およびその他の添加剤を投入し、黒色無機顔料分散液を入れた後、最終的に組成物全体を2時間以上攪拌して、感光性樹脂組成物を製造した。
【0129】
【表1】
【0130】
(A)バインダー樹脂
(A-1)第1バインダー樹脂
カルド系バインダー樹脂(KBR101、京仁洋行社、屈折率1.6)
(A-2)第2バインダー樹脂
アクリル系バインダー樹脂(RY-25、Showadenko社、屈折率1.52)
(B)光重合性単量体
ジペンタエリトリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA、日本化薬社)
(C)光重合開始剤
(C-1)オキシム系開始剤(SPI-02、三養社)
(C-2)アセトフェノン系開始剤(IRG-369、BASF社)
(D)黒色無機顔料分散液
(D-1)カーボンブラック含むMill base(SAKATA社、カーボンブラック1次粒径30nm)
(D-2)カーボンブラック含むMill base(SAKATA社、カーボンブラック1次粒径45nm)
(D-3)カーボンブラック含むMill base(SAKATA社、カーボンブラック1次粒径50nm)
(D-4)カーボンブラック含むMill base(SAKATA社、カーボンブラック1次粒径70nm)
(E)無機散乱体含有分散液
ZrO含有分散液(Mikuni社)
(F)溶媒
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、ビリョン社)
(G)染料
(G-1)Xanthene系Red染料(京仁洋行、RD-503)
(G-2)Azo系Yellow染料(京仁洋行、YDP-301)
(H)その他の添加剤
γグリシドキシプロピルトリメトキシシラン(S-510、Chisso社)
(評価)
反射率評価
実施例1~実施例3、比較例1~比較例3および参考例1で製造された感光性樹脂組成物をそれぞれガラス基板上にスピンコーティングし、約100℃で90秒間pre-bakeして約1.3μmの厚さで塗布した。その後、室温で60秒間冷却した後、超高圧水銀ランプで40mJ/cmの紫外線を照射して感光部分の光硬化反応を誘導した。前記露光された基板を室温で0.043%KOH水溶液でスプレー方式で現像した後、純粋溶媒で60秒間洗浄した。その後、室温で乾燥した後、230℃のコンベクションオーブンで30分間post-bakeしてパターン試片を得た。前記パターン試片形成後、反射率を測定するために100%反射率を有しているCr基板を基準にして、それぞれのパターン試片の反射率をMCPD(大塚社)装備を用いて測定し、その結果を下記表2に示した。
【0131】
【表2】
【0132】
光学密度評価
実施例1~実施例3、比較例1~比較例3および参考例1の感光性樹脂組成物をコーティング、露光、現像およびポストベークまで完了してパターニングされた試片をOD meterを使用して、1μm当り光学密度を測定し、その結果を下記表3に示した。
【0133】
【表3】
【0134】
前記表2、表3および図1図6から、一実施形態による感光性樹脂組成物は遮光性と低反射特性を同時に実現すると同時に、パターン性も非常に優れるのを確認することができる。
【0135】
本発明は前記実施例に限定されるのではなく、互いに異なる多様な形態に製造することができ、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更せず他の具体的な形態に実施することができるということが理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施例は全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6